説明

画像読み取り装置及びその制御方法、並びにプログラム

【課題】読み取り画像への影響を考慮したLED故障検知を行うことができる画像読み取り装置を提供する。
【解決手段】主走査方向に配列された所定数の発光素子が直列接続された複数のモジュールと、前記各モジュールをそれぞれ駆動する駆動回路とを有する発光素子アレイ部を備え、前記複数のモジュールを画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置であって、前記各モジュールの両端の電圧値をそれぞれ検知する複数の電圧検出手段と、前記各電圧検出手段で検知された電圧値と所定の閾値とを比較して前記各モジュールの故障を判断する比較手段とを有し、前記比較手段における前記所定の閾値を前記各モジュール毎に変更する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキャナなどの画像読み取り装置及びその制御方法、並びに前記制御方法を実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、画像読み取り装置の光源として、ハロゲンランプや蛍光灯、キセノン管といった光源が用いられている。このような光源は、発熱が大きいこと、消費電力が大きいこと、ランプ外形が大きく重たいこと、高圧給電が必要なこと、光量安定迄の時間がかかること等の様々な問題点を含んでいる。そのため、発熱が小さく、消費電力が小さい、白色光出力可能な白色LEDを複数個アレイ状に並べた光源が用いられている。
【0003】
しかし、白色LEDアレイは、ハロゲンランプや蛍光灯、キセノン管などの光源とは異なり、アレイを構成する個々のLEDうちの1つが故障して点灯できない状態にあっても、この状態を目視で確認しにくいという問題がある。
【0004】
そこで、特許文献1では、光源を構成する各LED発光素子を順次点灯して標準白色板に照射し、光電変換部でその反射光を読み取り、その読み取り結果に基づき、各LED発光素子各々の故障を検知する方法が提案されている。
【特許文献1】特開2002−320070号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アレイを構成する個々のLEDの場合、1つが故障した程度では光量が著しく低下することはなく、シェーディング補正により実用上画像にはほとんど影響しない。また、故障したLEDの位置に応じて読み取り画像に与える影響が異なる。そのため、たとえLEDの故障が検出されたとしても使用できなくなるのではなく、その故障が実用上問題のない範囲であれば、継続使用する方が望ましい。
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、読み取り画像への影響を考慮した故障検知を行うことができないため、実用上不必要な故障検知が行われる可能性があった。
【0007】
また、各LED発光素子各々の故障を検知することができても、画像に影響が出そうなLEDの故障の予測ができないため、的確にLEDアレイの交換時期を告知することができなかった。即ち、良好な画質が保てないような異常な状態になる前に、LEDアレイ交換を使用者に知らせることかできなかった。
【0008】
本発明は上記従来の問題点に鑑み、次のような、画像読み取り装置及びその制御方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
(1)読み取り画像への影響を考慮したLEDの故障検知を行うことができるようにする。
【0010】
(2)画像に影響が出そうなLEDの故障の予測ができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の画像読み取り装置は、主走査方向に配列された所定数の発光素子が直列接続された複数のモジュールと、前記各モジュールをそれぞれ駆動する駆動回路とを有する発光素子アレイ部を備え、前記複数のモジュールを画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置であって、前記各モジュールの両端の電圧値をそれぞれ検出する複数の電圧検出手段と、前記各電圧検出手段で検出された電圧値と所定の閾値とを比較して前記各モジュールの故障を判断する比較手段とを有し、前記比較手段における前記所定の閾値を前記各モジュール毎に変更する構成としたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、複数の発光素子を直列接続してなる発光素子アレイ部と、前記発光素子アレイ部を定電流駆動制御する駆動制御手段とを有し、前記発光素子アレイ部を画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置において、前記駆動制御手段により駆動制御して前記発光素子アレイ部の電圧を検出する電圧検出手段と、前記電圧検出手段により検出された電圧値と予め定めた電圧閾値とを比較し、その比較結果に基づいて発光素子が故障しているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により故障と判定された発光素子の数に基づいて、前記発光素子アレイ部の故障の状態を判断する手段と、前記故障の状態の判断結果に基づいて、所定の処理を実行する手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、主走査方向に配列された所定数の発光素子が直列接続された複数のモジュールと、前記各モジュールをそれぞれ駆動する駆動回路とを有する発光素子アレイ部と、前記各モジュールの両端の電圧値をそれぞれ検出する複数の電圧検出手段とを備え、前記複数のモジュールを画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置の制御方法であって、前記各電圧検出手段で検出された電圧値と所定の閾値とを比較して前記各モジュールの故障を判断する比較工程を有し、前記比較工程における前記所定の閾値を前記各モジュール毎に変更するようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、複数の発光素子を直列接続してなる発光素子アレイ部と、前記発光素子アレイ部を定電流駆動制御する駆動制御手段とを有し、前記発光素子アレイ部を画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置の制御方法であって、前記駆動制御手段により駆動制御して前記発光素子アレイ部の電圧を検出する電圧検出工程と、前記電圧検出工程により検出された電圧値と予め定めた電圧閾値とを比較し、その比較結果に基づいて発光素子が故障しているか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により故障と判定された発光素子の数に基づいて、前記発光素子アレイ部の故障の状態を判断する工程と、前記故障の状態の判断の結果に基づいて、所定の処理を実行する工程とを有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、主走査方向に配列された所定数の発光素子が直列接続された複数のモジュールと、前記各モジュールをそれぞれ駆動する駆動回路とを有する発光素子アレイ部と、前記各モジュールの両端の電圧値をそれぞれ検出する複数の電圧検出手段とを備え、前記複数のモジュールを画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置の制御方法を実行するための、コンピュータで読み取り可能なプログラムであって、前記各電圧検出手段で検出された電圧値と所定の閾値とを比較して前記各モジュールの故障を判断する比較ステップを有し、前記比較ステップにおける前記所定の閾値を前記各モジュール毎に変更するようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、複数の発光素子を直列接続してなる発光素子アレイ部と、前記発光素子アレイ部を定電流駆動制御する駆動制御手段とを有し、前記発光素子アレイ部を画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置の制御方法であって、前記駆動制御手段により駆動制御して前記発光素子アレイ部の電圧を検出する電圧検出ステップと、前記電圧検出ステップにより検出された電圧値と予め定めた電圧閾値とを比較し、その比較結果に基づいて発光素子が故障しているか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップにより故障と判定された発光素子の数に基づいて、前記発光素子アレイ部の故障の状態を判断するステップと、前記故障の状態の判断の結果に基づいて、所定の処理を実行するステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、読み取り画像への影響を考慮した発光素子の故障検知を行うことができるため、実用上不必要な発光素子の故障検知が行われることを回避することが可能になる。
【0018】
また、画像に影響が出そうな発光素子の故障を予測することができるため、的確に発光素子アレイ部の交換時期を告知することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
<画像読み取り装置の構成>
(A)画像読み取り装置の全体的な構成
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像読み取り装置の全体的な構成を示すブロック図である。また、図2は、図1の画像読み取り装置の構造を示す図であり、同図(a)は上面図、同図(b)は断面図である。
【0021】
まず、図2を参照して、本実施の形態における画像読み取り装置の概略的なハードウェア構成について説明する。
【0022】
この画像読み取り装置(スキャナ)は、図2に示すように、装置ハウジング上部に、原稿を載置するための原稿台ガラス105と、シェーディング補正のための基準データを読み取るとき等に使用する標準白色板106を有している。
【0023】
装置ハウジング内には、原稿を読み取るために副走査方向に移動可能なミラー台ユニット103、104と、CCD等の光電変換素子28とが配置されている。ミラー台ユニット103には、原稿台ガラス105に載置された原稿を照明するために複数の白色発光素子(LED)がアレイ状に配置されたLEDアレイ(発光素子アレイ部)を有するLED基板102が設置されている。光電変換素子28は、ミラー台ユニット103、104により導かれた、原稿からの反射光を電気信号に変換するものである。
【0024】
次に、図1を参照して、本実施の形態における画像読み取り装置の電気的な全体構成について説明する。
【0025】
この画像読み取り装置は、図1に示すように、光電変換素子28に接続されたA/D変換回路21、モータ22、エンコーダ23、ポジションセンサ25、及びLED基板102が、スキャナコントローラ10に接続されている。
【0026】
A/D変換回路21は、光電変換素子28の出力信号をA/D変換する回路であり、モータ22は、ミラー台ユニット103、104を副走査方向に移動するモータである。エンコーダ23は、モータ22に接続してあり、副走査移動開始から原稿エッジまでの移動距離をカウントするものである。ポジションセンサ25は、ミラー台ユニット103、104をホームポジションに位置決めするためのセンサである。
【0027】
スキャナコントローラ10は、制御プログラムを格納したROM13と、作業領域として用いられるRAM12とを有し、ROM13に格納された制御プログラムに従って、本画像読み取り装置の上記の各部を制御するものである。
【0028】
本画像読み取り装置によれば、原稿台ガラス105に載置された原稿を読み取るために、オペレータがスタート釦を押すと、まず、ミラー台ユニット103、104がホームポジションに移動する。そして、原稿を読み取るために、LED基板102のLEDを点灯させ、ミラー台ユニット103、104をモータ22により駆動して副走査方向に移動を開始させる。
【0029】
そして、副走査方向の移動開始からエンコーダ23でカウントして、原稿エッジまでの移動距離分をカウントしたところで、光電変換素子28による、原稿面からの反射光の読み取りをスタートさせる。光電変換素子28により読み取られたデータは、A/D変換回路21によりデジタル画像データに変換され、スキャナコントローラ10に入力される。
【0030】
スキャナコントローラ10は、不図示の画像メモリに、原稿を読み取って生成された画像データを圧縮してページ単位で格納する。
【0031】
(B)LEDの配列
図3は、本実施の形態におけるLED基板102のLEDの配列を示した模式図である。
【0032】
同図に示すように、LED基板102上には、白色LEDが主走査方向に一列に配置されており、これらLED(発光素子)がそれぞれ所定数N個ずつの単位で構成されたLEDモジュールA、B、C、D、Eが形成されている。また、モジュール内のLEDの配置間隔は各LEDモジュールで異なっており、適切な配光状態になるように構成されている。そして、各LEDモジュール毎に、LEDを駆動する回路(後述する図5の定電流回路401)とモジュールの電位を検出する回路(後述する図5の電圧検出回路402)とを有する。
【0033】
(C)LEDアレイとスキャナコントローラの接続構成
図4は、図1のスキャナコントローラ10とLED基板102の接続構成を示すブロック図である。
【0034】
図4に示すように、スキャナコントローラ10は、マルチプレクサ301を有し、その出力がアンプ302及びA/D変換器303を介してCPU11へ入力されるようになっている。
【0035】
マルチプレクサ301は、LED基板102内の電圧検出回路402(後述する図5)から出力されたアナログ信号206〜210をLEDモジュールA〜E毎に切り換えるものである。アンプ302は、アナログスイッチの出力信号を増幅するものであり、A/D変換器303は、アンプ302からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。CPU11は、A/D変換器303から入力されたデジタル信号に基づき、ROM207(図1)に格納された制御プログラムに従って、白色LEDが故障しているかどうかを判別する。
【0036】
また、LEDモジュールA〜Eの位置関係は、図4に示すように、LEDモジュールAとEがLED基板102の両端部にそれぞれ位置し、LEDモジュールBとDがLEDモジュールAとEの隣にそれぞれ位置する。そして、LEDモジュールCがLED基板102の中央部に位置している。
【0037】
(D)LEDモジュールの詳細な構成
図5は、各LEDモジュールの詳細な構成を示す回路図であり、LEDモジュールAを例にとって表したものである。
【0038】
このLEDモジュールAは、直列に接続されたN個の白色LEDa−1〜a−Nと、定電流回路401と、電圧検出回路402とで構成されている。LEDa−1のアノードは電源Vccに、LEDa−Nのカソードは定電流回路401にそれぞれ接続されている。定電流回路401は、スキャナコントローラ10に搭載されているCPU11で制御され、所定の電流値でLEDa−1〜a−Nを駆動する。また、LEDa−1のアノードとLEDa−Nのカソードは電圧検出回路402に接続され、電圧検出回路402はLEDモジュールAの両端の電位を検知する。
【0039】
なお、他のLEDモジュールB〜Eも上記同様の構成である。
【0040】
<LEDの故障モード判定動作>
次に、本実施の形態における、LEDの故障モードを判定する動作について、図6を参照して説明する。図6は、第1の実施の形態における、LEDの故障モード判定動作を示すフローチャートである。
【0041】
スキャナコントローラ10のCPU11は、各LEDモジュールA〜Eの電圧検出回路402の出力値vを所定のタイミングで読み込む(ステップS101)。続いて、この読み込んだ出力値vが電源電圧Vccと等しいか否かを判定する(ステップS102)。
【0042】
v=Vcc
であれば、ステップS103においてオープンモード(図5の回路のLEDa−1〜a−N間に電流が流れない)での故障であると判定し、そうでなければステップS104へ進む。ステップS104では、次式が成立するか否かを判定する。
【0043】
v=Vf×m
Vf:LED1個の順方向電圧
m:N未満の整数
この式が成立すれば、ショートモードでの故障であると判定し、上記式が成立しなければ、故障はないものとして本判定動作を終了する。
【0044】
<LEDの故障が画像読み取り動作に与える影響>
次に、LEDの故障が画像読み取り動作に与える影響について、図7、図8及び図9を参照して説明する。
【0045】
図7(a),(b),(c)は、LEDの故障が画像読み取り動作に与える影響を説明するためのグラフであり、同図(a)は、LEDの故障がない正常時を示し、同図(b),(c)はLEDの故障がある故障時を示している。グラフの縦軸は、光電変換素子28で読み取った値(読み取りレベル)であり、横軸はLED基板102内のLEDの主走査位置を示している。
【0046】
図7(a)において、符号601は、正常時における、光電変換素子28で標準白色板106を読み取った時の読み取りレベルであり、602はシェーディング補正後の結果を示している。なお、シェーディング補正は、画像読み取り装置のばらつきを補正するための処理であり、一般的に図8で求められるシェーディング補正係数で読み取った画像データを補正するものである。
【0047】
図7(b),(c)において、符号702と704は、故障したLEDの主走査位置における光電変換素子28の読み取りレベルの例を示したものである。図7(b)は主走査位置ほぼ中央のLED703が故障した場合を示し、図7(b)は主走査位置端部のLED707が故障した場合を示している。
【0048】
LED基板102は点光源の集合体であるため、故障した位置の光量低下が発生する。本実施の形態におけるLED基板102は、主走査位置の中央部が端部と比べてLEDの間隔を広く設定している。そのため、同数のLEDが故障した場合、端部は中央部より光量低下が小さい。その結果、故障した状態で画像を読み取ると光量低下分はシェーディング補正されるものの、故障位置のシェーディング係数は中央部より端部の方が小さくなり、端部はある程度の故障数までは画像に影響が出にくいといった特徴がある。
【0049】
本実施の形態では、後述する故障判断処理(図9)で用いる、LEDモジュールの故障判断の基準となる値(閾値)は、各LEDモジュールにおいて次のような関係となるような値で設定され、スキャナコントローラ10のROM207に格納されている。
【0050】
Vae<Vbd<Vc
ここで、VaeはモジュールA、Eの閾値であり、VbdはモジュールB、Dの閾値であり、VcはモジュールCの閾値である。
【0051】
即ち、各閾値Vae,Vbd,Vcを各モジュール毎に変更するものである。図7(b),(c)に示すように、LED基板102の中央に位置するLEDモジュールCの閾値Vcは、その隣に位置するLEDモジュールB及びDの閾値Vbdよりも大きい値に設定されている。また、LED基板102の両端部に位置するLEDモジュールA及びEの閾値Vaeは、LEDモジュールB及びDの閾値Vbdよりも小さく設定されている。
【0052】
<LEDアレイの故障判断処理>
次に、本実施の形態における、LEDモジュールの故障判断処理について、図9を参照して説明する。図9は、本実施の形態における、LEDモジュールの故障判断処理を示すフローチャートである。
【0053】
画像読み取り動作の開始時に、スキャナコントローラ10のCPU11は、まずミラー台ユニット103、104を標準白色板106の下に移動し(ステップS500)、LED基板102のLEDを点灯させる(ステップS501)。
【0054】
続いて、CPU11は、マルチプレクサ301を走査させてLED基板102の電圧検出回路402の出力電圧(検知電圧)206〜210を読み取り、RAM209に格納する(ステップS502)。次に、読み取られた電圧検出回路402の検知電圧206〜210から、オープンモードの故障があるか否かを判定する(ステップS503)。本実施の形態の場合、前述したように、電圧検出回路402検知電圧206〜210が電源電圧Vccとなっているかを確認することでオープンモードの故障であるか否かを判断する。
【0055】
CPU11は、電圧検出回路402の検知電圧206〜210のうち、1つでもオープンモードで故障していると判断した場合、直ちにLED基板102は使用不能であるとして消灯する(ステップS508)。そして、図示しない表示装置にエラー表示をして画像読み取り動作を中止する(ステップS509)。
【0056】
前記ステップS508においてオープンモードの故障がないと判断された場合には、CPU11は、ステップS504以降において、電圧検出回路402の検知電圧206〜210を、LEDモジュールA〜E毎に設定された前述の閾値とそれぞれ比較する。
【0057】
即ち、ステップS505では、LED基板102の両端部に位置するLEDモジュールA及びEの検知電圧206,210を、該LEDモジュールA及びEの閾値と比較する。その結果、検知電圧206,210が当該閾値よりも小さい場合には、ショートモードの故障がある可能性があるとして、前記ステップS508及びステップS509へ進み、大きい場合には、故障がないとして本処理を終了する。
【0058】
また、ステップS506では、LEDモジュールA及びEの隣に位置するLEDモジュールB及びDの検知電圧207,209を、該LEDモジュールB及びDの閾値と比較する。その結果、検知電圧207,209が当該閾値よりも小さい場合には、ショートモードの故障がある可能性があるとして、前記ステップS508及びステップS509へ進み、大きい場合には、故障がないとして本処理を終了する。
【0059】
また、ステップS507では、LED基板102の中央に位置するLEDモジュールCの検知電圧208を、該LEDモジュールCの閾値と比較する。その結果、検知電圧208が当該閾値よりも小さい場合には、ショートモードの故障がある可能性があるとして、前記ステップS508及びステップS509へ進み、大きい場合には、故障がないとして本処理を終了する。
【0060】
<第1の実施の形態に係る利点>
上述したような第1の実施の形態によれば、LED基板102の端部は中央部よりも故障の影響が画像に出にくいという特徴を活かして、故障判断の基準となる閾値を、Vae<Vbd<Vcの関係となるように設定している。そのため、例えば、LED基板102の両端部に位置するLEDモジュールA及びEにおいては、LEDの故障数が少数であれば使用不能な故障して判断されず(図7(b),(c)参照)、実用上問題のない範囲の故障として扱うことができる。これにより、実用上不必要な故障検知を回避することが可能になる。
【0061】
[第2の実施の形態]
<第2の実施の形態における構成>
第2の実施の形態における画像読み取り装置は、前述した図1と図2に示すものと同様の構成を備えている。以下、第1の実施の形態と異なる構成について、図10、図11及び図12を参照して説明する。
【0062】
図10は、LED基板202とスキャナコントローラ10の接続構成を示すブロック図である。
【0063】
第2の実施の形態におけるLED基板202は、白色LEDアレイ50がアナログスイッチ51を介して電圧検出回路52に接続された構成となっている。そして、電圧検出回路52にスキャナコントローラ10のCPU11が接続されている。
【0064】
アナログスイッチ51は、白色LEDアレイ50からのアナログ信号を、複数のLEDから成るブロック毎に切り換える回路である。電圧検出回路52は、アナログスイッチ51からの出力信号により、白色LEDアレイ50の1ブロック毎の電圧を検知する回路である。また、電圧検出回路52は、オペアンプなどの回路により電圧検出した値と所定の電圧閾値とを比較する機能を有し、その比較結果をCPU11へ送ることができるようになっている。
【0065】
CPU11は、電圧検出回路52からのデジタル信号に基づき、ROM13に格納された例えば制御プログラム(後述する図14を参照)に従って、白色LEDアレイ50内における各LEDの故障の有無を判別する機能を有する。
【0066】
図11は、LED基板202におけるLEDの配列を示す模式図である。
【0067】
本実施の形態におけるLED基板202は、主走査方向に直列に並べられたe個のLEDa−1〜a−Eから成るLED列を有する回路を1ブロック107とし、このブロック107をN個配列している。即ち、LED基板202における白色LEDアレイ50には、e×N個のLEDが、原稿照射領域内の光量を均一化するよう均等に主走査方向に直列に配置されている。
【0068】
図12は、第1の実施の形態におけるLED基板202の回路構成を示す回路図である。
【0069】
白色LEDアレイ50の1ブロック107は、電源Vccと接地との間に、複数のLEDa−1〜a−Eと、トランジスタ41aと、抵抗41cが直列接続され、トランジスタ41aのコレクタがアンプ41bを介してトランジスタ41aのベースに接続されている。さらに、トランジスタ41aのコレクタがアナログスイッチ51の入力側へ接続されている。
【0070】
ここで、トランジスタ41a 、アンプ41b、及び抵抗41cによって構成される定電流駆動回路が構成されている。この定電流駆動回路は、白色LEDアレイ50を定電流駆動制御する回路である。
【0071】
なお、抵抗41cは、LEDa−1〜a−Eに印加する電圧値を設定するための抵抗あり、システムとして必要となる光量に合った抵抗値が選定してある。
【0072】
<スタンバイ状態になるまでの制御手順>
次に、電源がオンされてからスタンバイ状態になるまでの制御手順を図13を参照して説明する。図13は、電源がオンされてからスタンバイ状態になるまでの制御手順を示すフローチャートである。
【0073】
電源がオンされたら、CPU11は、まず、後述するLED故障検知処理(図14参照)を行う(ステップS601)。LED故障検知処理が終了したら、アナプロ調整処理(ステップS602)、CCD原稿サイズ検知用の黒シェーディング処理(ステップS603)、白シェーディング処理(ステップS604)を順次実行する。その後さらに、CCD原稿サイズ検知用の閾値算出処理(ステップS605)、流し読みゴミ検知用閾値算出処理(ステップS606)の順に実行する。
【0074】
CPU11は、このような初期動作における制御を行い、スタンバイモード(ステップS607)に入る。
【0075】
なお、本実施の形態の特徴となる処理であるLED故障検知処理のタイミングは、これに限らず、使用者により操作部(不図示)からLED故障検知キーが押された時や、読み取り動作をカウントしておいて、一定枚数毎に実行するのもよい。
【0076】
このように、アナプロ調整やシェーディング調整など各種スキャナに必要な調整処理の前に、LED故障検知処理を実行することは、LED故障時に不必要な調整動作を行うことを回避することができる。
【0077】
<本実施の形態におけるLED故障検知>
次に、LED故障検知処理について、図14を参照して説明する。
【0078】
図14は、第2の実施の形態におけるLED故障検知処理を示すフローチャートである。
【0079】
電源がオン状態になると、CPU11は、LED故障検知処理をスタートさせ(ステップS701)、白色LEDアレイ50を点灯させる(ステップS702)。これ以降の処理はブロック単位で故障検知を行うことになる。
【0080】
アナログスイッチ51は、白色LEDアレイ50が点灯したことを示す信号を電圧検出回路52へ送る。この信号によって、電圧検出回路52は、まず始めの1ブロックの電圧検出を行い、電圧検出した値Vfと電圧閾値(この場合0)とを比較する(ステップS703)。
【0081】
電圧値Vfが0である場合は、図12の回路でLEDa−1〜a−E間に電流が流れていない状態であり、1ブロックすべてのLEDが点灯していないことになる。そのため、電圧検出回路52は、電圧値Vfが0であることを示す信号をスキャナコントローラ10のCPU11へ送る。
【0082】
CPU11は、電圧検出回路52から送られきた信号によって、オープンモードでの故障であると判断し(ステップS704)、画像読み取ることは不可能であると判断する(ステップS705)。そして、全LEDの消灯を指示し(ステップS706)、画像読み取り装置の表示部に「LEDが故障のため使用できない」旨の故障を告げる表示を行う(ステップS707)、本処理を終了する。
【0083】
前記ステップS703において電圧検出回路52が電圧を検出して、LEDa−1〜a−E間に電流が流れている場合には、電圧検出回路52は、検出した電圧値Vfと予め定めた電圧閾値Vinとを比較する(ステップS709)。その比較結果において電圧値Vfが電圧閾値Vinを超えている場合は、その旨を示す信号をスキャナコントローラ10のCPU11へ送る。
【0084】
CPU11は、これを受けてショートモードでの故障であると判断し、故障カウンタbのカウント数を1つ増やす(ステップS710)。さらに、CPU11は、故障検知が終了したLED個数を示すカウンタeのカウント数も1つ増やす(ステップS711)。その後、ステップS709へ戻って電圧検出回路52から比較結果を受け取る。CPU11は、このようなステップS709からステップS710、ステップS711を経てステップS709へ戻るルーチンを、1ブロック内の全LEDの数E個分繰り返して、1ブロック内の全LEDの数E個分の故障検知を行うのである。
【0085】
このルーチンの過程において電圧値Vfが電圧閾値Vinを超えなくなったら、CPU11は、故障検知が終了したLED個数を示すカウンタeの数値と 1ブロック内の全LEDの個数Eとを比較して、1ブロック内の全LEDの数E個分の故障検知が終わっているかを判定する(ステップS712)。ステップS712において、1ブロック内の全LEDの数E個分の故障検知が終わっていない場合は、ステップS711においてカウント数eも1増やす。
【0086】
ここで、1ブロック内の全LEDの数Eは、本実施の形態におけるLED基板202に係る固有の情報として、LED基板202に実装されている電圧検出回路52に予め設定されている。CPU11は、この情報を電圧検出回路52から取得してステップS712の判定を行う。
【0087】
1ブロック内の全LEDの数E個分の故障検知が終わっている場合は、CPU11は、故障カウンタbと故障閾値(基準閾値)Bとを比較する(ステップS713)。故障カウンタbの数値が故障閾値Bよりも大きい場合は、LEDの故障が多く画像読み取ることは不可能であると判断し、前述したステップS705からステップS707までの処理を行い、本処理を終了する。即ち、1ブロック内で故障閾値B個以上のLEDが故障していると、十分な光量が得られないだけではなく、不要な電圧がかかるために故障と判断して読み取り不可とするのである。
【0088】
ここで、上記の電圧閾値Vinと故障閾値Bの一例について説明する。1ブロック内に6個のLEDがあると仮定し閾値を求める。電源電圧Vccを24[V]、LEDの1個当たりの直流順電圧を3.2[V]とし、このような条件での電圧閾値Vinと故障閾値Bの一例は以下の通りである。
【0089】
1ブロック内において、故障しているLEDが1個以上であることが想定される場合は、電圧閾値を3.2[V]とし、故障閾値Bを1とする。1ブロック内において、故障しているLEDが2個以上であることが想定される場合は、電圧閾値を6.4[V]とし、故障閾値Bを2とする。
【0090】
即ち、LEDが2個続けて故障していると光量ムラができてしまうので、2個続けて故障の可能性が有る場合は、故障閾値Bを2に引き上げて、LEDが故障であるとの判断をし易くするのである。
【0091】
前記ステップS713において故障カウンタbのカウンタ数が故障閾値Bよりも小さい場合には、CPU11は、故障カウンタbのカウンタ数によって、LEDの故障があるかどうかを判断する(ステップS714)。故障カウンタbのカウンタ数が例えば1以上である場合には、LEDの故障があることになり、その場合は、例えは「画像に影響が出始めます。そろそろ寿命です」旨の表示を行い、LEDアレイ50つまりLED基板202の交換時期であることをユーザに知らせる(ステップS715)。
【0092】
前記ステップS714において、LEDに故障がなかった場合(故障カウンタb=0)、或いは上記交換時期の表示が終了した場合は、CPU11は、検知終了ブロックカウンタnとブロック閾値Nとを比較する(ステップS716)。検知終了ブロックカウンタnとブロック閾値Nが同じになった場合には、画像読み取りが可能である(ステップS708)として、本処理を終了する。
【0093】
検知終了ブロックカウンタnとブロック閾値Nが同じではなかった場合は、前列のブロックのLED故障検知処理の結果を確認する(ステップS717)。そして、故障があった場合は、画像読み取りは不可能として、前述したステップS705、ステップS706、ステップS707を実行し、本処理を終了する。即ち、隣接したブロック同士が故障したLEDを有している場合、隣接するブロック間でLED単体自体同士が隣合わせで連続して故障している場合が考えられるため、十分な光量が得られないエリアが生じてしまう。このため、故障と判断して画像読み取りは不可とするのである。
【0094】
前記ステップS717において故障がない場合は、故障カウンタbをリセットし、ブロック数nを1つインクリメントして(ステップS718)、ステップS703へ戻って次のブロックの故障検知処理を行う。
【0095】
<第2の実施の形態に係る利点>
第2の実施の形態によれば、LEDアレイを構成するLEDの個々の電圧を検知することにより、LED個々の故障検知が可能となるため、画像には出てこない故障が早期に検知することができ、LEDアレイの交換時期を使用者に告知することができる。
【0096】
また、LEDアレイをブロック毎に分け、ブロック毎の電圧値検知でLED故障検知処理を行うことにより、LEDアレイ全体で何個故障ではなく、ブロックの一部分のみで何個故障が検知できる。これにより、例えば、隣接する2つのLEDが故障していると検知した場合には、その部分だけ画像への影響が大きいと予想されるため、さらに的確なLEDアレイの交換時期を使用者に告知することができる。
【0097】
<第2の実施の形態に係る変形例>
図15は、第2の実施の形態の変形例を示すLED基板202の回路構成を示す回路図であり、上述した第2の実施の形態において、図12の回路の変形例を示すものである。
【0098】
図15中の801は、LEDの電圧値を設定するための抵抗であり、システムとして必要となる光量に合った抵抗値が選定してある。
【0099】
本例において、電圧閾値Vinの例について説明する。1ブロック内に6個のLEDがあると仮定し閾値を求める。Vccを24[V]、LEDの1個当たりの直流順電圧を3.2[V]とし、このような条件での電圧閾値Vinの一例は以下の通りである。
【0100】
1ブロック内において、故障しているLEDが1個以上であることが想定される場合は、電圧閾値を16[V]とする。1ブロック内において、故障しているLEDが2個以上であることが想定される場合は、電圧閾値を12.8[V]とする。
【0101】
本変形例の動作は、上記第2の実施の形態で説明したものと同様である。
【0102】
[他の実施の形態]
なお、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0103】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0104】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0105】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0106】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】第1の実施の形態に係る画像読み取り装置の全体的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1の画像読み取り装置の構造を示す図である。
【図3】実施の形態におけるLED基板のLEDの配列を示した模式図である。
【図4】スキャナコントローラとLED基板の接続構成を示すブロック図である。
【図5】各LEDモジュールの詳細な構成を示す回路図である。
【図6】第1の実施の形態における、LEDの故障モード判定動作を示すフローチャートである。
【図7】LEDの故障が画像読み取り動作に与える影響を説明するためのグラフである。
【図8】シェーディング補正係数の演算式を示す図である。
【図9】実施の形態における、LEDモジュールの故障判断処理を示すフローチャートである。
【図10】LED基板とスキャナコントローラの接続構成を示すブロック図である。
【図11】LED基板におけるLEDの配列を示す模式図である。
【図12】第1の実施の形態におけるLED基板の回路構成を示す回路図である。
【図13】電源がオンされてからスタンバイ状態になるまでの制御手順を示すフローチャートである。
【図14】第2の実施の形態におけるLED故障検知処理を示すフローチャートである。
【図15】第2の実施の形態の変形例を示すLED基板の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
【0108】
10 スキャナコントローラ
12 RAM
13 ROM
21 A/D変換回路
28 光電変換素子
50 白色LEDアレイ
52 電圧検出回路
105 原稿台ガラス
106 標準白色板
102,202 LED基板
103、104 ミラー台ユニット
a−1〜a−N 白色LED
401 定電流回路
402 電圧検出回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主走査方向に配列された所定数の発光素子が直列接続された複数のモジュールと、前記各モジュールをそれぞれ駆動する駆動回路とを有する発光素子アレイ部を備え、前記複数のモジュールを画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置であって、
前記各モジュールの両端の電圧値をそれぞれ検出する複数の電圧検出手段と、
前記各電圧検出手段で検出された電圧値と所定の閾値とを比較して前記各モジュールの故障を判断する比較手段とを有し、
前記比較手段における前記所定の閾値を前記各モジュール毎に変更する構成としたことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項2】
前記複数のモジュールは、前記発光素子アレイ部における主走査方向の位置に応じて発光素子の配置間隔が異なるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の画像読み取り装置。
【請求項3】
前記各モジュール内の発光素子の配置間隔は、前記発光素子アレイ部における端部に配置されたモジュールよりも中央部に配置されたモジュールの方が大きくなるように設定され、
前記所定の閾値は、該配置間隔に応じて設定したことを特徴とする請求項2に記載の画像読み取り装置。
【請求項4】
前記各モジュールを構成する発光素子は白色発光素子であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像読み取り装置。
【請求項5】
複数の発光素子を直列接続してなる発光素子アレイ部と、前記発光素子アレイ部を定電流駆動制御する駆動制御手段とを有し、前記発光素子アレイ部を画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置において、
前記駆動制御手段により駆動制御して前記発光素子アレイ部の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記電圧検出手段により検出された電圧値と予め定めた電圧閾値とを比較し、その比較結果に基づいて発光素子が故障しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により故障と判定された発光素子の数に基づいて、前記発光素子アレイ部の故障の状態を判断する手段と、
前記故障の状態の判断の結果に基づいて、所定の処理を実行する手段とを備えたことを特徴とする画像読み取り装置。
【請求項6】
前記所定の処理を実行する手段は、
前記発光素子アレイ部を構成する発光素子の故障数と予め定めた基準閾値とを比較する手段と、
前記発光素子の故障数が前記基準閾値よりも大きい場合に、画像読み取りが不可能と判定し、前記基準閾値よりも小さい場合には画像読み取りが可能と判定する手段とを有することを特徴とする請求項5に記載の画像読み取り装置。
【請求項7】
前記所定の処理を実行する手段は、前記発光素子の故障数が前記基準閾値よりも小さい場合には、前記発光素子アレイ部が交換時期である旨を使用者へ告知する手段を有することを特徴とする請求項6に記載の画像読み取り装置。
【請求項8】
前記発光素子が所定数で構成される複数のブロックを構成し、
前記判定手段は、前記ブロック単位で前記発光素子の故障を判定することを特徴とする請求項5乃至7の何れか一項に記載の画像読み取り装置。
【請求項9】
前記判定手段の判定の結果により、前記発光素子アレイ部を構成する発光素子のうち隣接する発光素子が連続して故障していることが判定された場合に、画像読み取りが不可能である旨を使用者へ告知する手段を有することを特徴とする請求項5乃至8の何れか一項に記載の画像読み取り装置。
【請求項10】
前記判定手段は、電源がオン状態になってから所定の調整動作の前に実行されることを特徴とする請求項5乃至9の何れか一項に記載の画像読み取り装置。
【請求項11】
主走査方向に配列された所定数の発光素子が直列接続された複数のモジュールと、前記各モジュールをそれぞれ駆動する駆動回路とを有する発光素子アレイ部と、前記各モジュールの両端の電圧値をそれぞれ検出する複数の電圧検出手段とを備え、前記複数のモジュールを画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置の制御方法であって、
前記各電圧検出手段で検出された電圧値と所定の閾値とを比較して前記各モジュールの故障を判断する比較工程を有し、
前記比較工程における前記所定の閾値を前記各モジュール毎に変更するようにしたことを特徴とする画像読み取り装置の制御方法。
【請求項12】
複数の発光素子を直列接続してなる発光素子アレイ部と、前記発光素子アレイ部を定電流駆動制御する駆動制御手段とを有し、前記発光素子アレイ部を画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置の制御方法であって、
前記駆動制御手段により駆動制御して前記発光素子アレイ部の電圧を検出する電圧検出工程と、
前記電圧検出工程により検出された電圧値と予め定めた電圧閾値とを比較し、その比較結果に基づいて発光素子が故障しているか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により故障と判定された発光素子の数に基づいて、前記発光素子アレイ部の故障の状態を判断する工程と、
前記故障の状態の判断の結果に基づいて、所定の処理を実行する工程とを有することを特徴とする画像読み取り装置の制御方法。
【請求項13】
主走査方向に配列された所定数の発光素子が直列接続された複数のモジュールと、前記各モジュールをそれぞれ駆動する駆動回路とを有する発光素子アレイ部と、前記各モジュールの両端の電圧値をそれぞれ検出する複数の電圧検出手段とを備え、前記複数のモジュールを画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置の制御方法を実行するための、コンピュータで読み取り可能なプログラムであって、
前記各電圧検出手段で検出された電圧値と所定の閾値とを比較して前記各モジュールの故障を判断する比較ステップを有し、
前記比較ステップにおける前記所定の閾値を前記各モジュール毎に変更するようにしたことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
複数の発光素子を直列接続してなる発光素子アレイ部と、前記発光素子アレイ部を定電流駆動制御する駆動制御手段とを有し、前記発光素子アレイ部を画像読み取り用の光源として用いる画像読み取り装置の制御方法であって、
前記駆動制御手段により駆動制御して前記発光素子アレイ部の電圧を検出する電圧検出ステップと、
前記電圧検出ステップにより検出された電圧値と予め定めた電圧閾値とを比較し、その比較結果に基づいて発光素子が故障しているか否かを判定する判定ステップと、
前記判定ステップにより故障と判定された発光素子の数に基づいて、前記発光素子アレイ部の故障の状態を判断するステップと、
前記故障の状態の判断の結果に基づいて、所定の処理を実行するステップとを有することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−130490(P2010−130490A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304667(P2008−304667)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】