説明

画面データ生成方法

【課題】 作業者用に予め作成する画面データ量が少なくて済み、しかもセキュリティを確保できる画面データ生成方法を得ることを目的とする。
【解決手段】 パスワードを入力するための1と、予め表示器2の表示部2bに記憶された複数の画面データAやBのうち、パスワードに対応する画面データを選択するステップS2,S3と、選択された画面データに含まれる複数の画面部品データのうち、パスワードに対応する画面部品データのみを選択するステップS2,S4と、選択された画面部品データのみを有する画面データを生成して出力するステップS5,S6と備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスプレイに表示される画面であって、パスワードなどの入力によって表示される画面データの生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の画面の生成方法としては例えば特許文献1があり、この特許文献1に開示されているように、従来では作業者がパスワードを入力することにより、その作業者用に予め作成された画面が表示される。
【0003】
【特許文献1】特開2001−202108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、作業者が多くなればなるほど、その作業者それぞれの画面データが必要になり、データ量が膨大になるという問題点があった。
【0005】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたものであり、作業者用に予め作成する画面データ量が少なくて済み、しかもセキュリティを確保できる画面データ生成方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の課題解決手段において、個人認証用データを入力するためのステップと、予め記憶された複数の画面データのうち、前記個人認証用データに対応する画面データを選択するステップと、前記選択された画面データに含まれる複数の画面部品データのうち、前記個人認証用データに対応する画面部品データのみを選択するステップと、前記選択された画面部品データのみを有する前記画面データを出力するステップとを備えた画面データ生成方法。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、個人認証用データに対応する画面データを選択するだけでなく、その画面データの画面部品データも個人認証用データに対応するものを選択するので、画面データが少なくて済み、しかも、個人認証用データに対応しない画面部品データは出力されないので、セキュリティが確保できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本発明の画面データ生成方法を適用するシステム構成図の一例である。PLC1は周知のプログラマブルロジックコントローラであり、図示しないロボットや工作機械を制御するための制御装置である。PLC1に接続される表示器2は周知のプログラマブル表示器であり、主としてCPU2aと、例えばPLC1の内部データを表示したりデータを入力したりするためのタッチパネルを有する表示部2bと、データやプログラムを記憶するための記憶部2cとを含んで構成されている。表示器2にはセットアップなどの場合に、表示器2側で必要な様々なデータを登録するためのパソコン(パーソナルコンピュータ)3が接続される。それ以外の通常の場合では、パソコン3は表示器2から取り外されている。
【0009】
表示器2内の記憶部2cには、パソコン3によって予め作成された複数の画面データ(例えば図2や図3)が記憶されている。図2や図3に示すように、画面データは背景画面データと、その上に配置された画面部品データとを含んで構成され、例えば図2の画面データAは背景画面データA0と画面部品データa,b,cとを含んで構成され、図3の画面データBは背景画面データB0と画面部品データa,b,d,eとを含んで構成される。また、画面データ及び画面部品データのそれぞれには、これを特定するための画像コードが付与されている。なお、図2や図3に描いた符号は画像コードも兼ねている。
【0010】
画面部品データは、それが表示器2の表示部2bに表示されると、出力部品としては例えばデータを表示する機能(いわゆるテキストボックスと呼ばれる)を有しているものであったり、フラグのオン/オフに応じて色が変わったりするものであり、入力部品としては例えば特許文献1の図3のように、表示部2bのタッチパネルのうち、画面部品データが表示される部分を押すことでデータを入力できたりする単一のボタンや複数のボタンが集合したキーボードなどである。
【0011】
画面データの他に、図4に示すパスワード−画像コード関連テーブル(以下、単に関連テーブル)が表示器2の記憶部2cに記憶されている。この関連テーブルは、1つのパスワードごとに対応する画像コードを定めたもので、予めパソコン3によって作成される。パスワードは表示器2を使用する作業者を認証するための個人認証用データである。1つのパスワードに対応する画像コードの数はいくつでもよい。図4の関連テーブルでは、”001”,”002”,”003”,”004”の少なくとも4つのパスワードが登録され、パスワード”001”には、画像コード”A”,”c”,”d”が対応し、パスワード”002”には、画像コード”A”,”a”,”b”,”c”が対応し、パスワード”003”には、画像コード”B”,”a”,”b”,”d”が対応し、パスワード”004”には、画像コード”B”,”d”,”e”,”c”が対応している。
【0012】
次に、図1のシステムの動作について説明する。まず、表示器2にパソコン3を接続し、パソコン3で予め作成した画面データ(図2や図3)及び関連テーブル(図4)を表示器2の記憶部2cへ転送する。この作業が終わると、パソコン3を表示器2から取り外す。その後、所定の操作を経てPLC1の制御に基づき、ロボットや工作機械が動作する。
【0013】
作業者はPLC1のロボットや工作機械を制御するための制御データを表示器2の表示部2bにより確認できる。その際、表示器2には図5に示すパスワード入力画面が表示されており、ここにこの作業者固有のパスワード(以下、パスワード”001”で説明)を入力する(図6のステップS1)。次に、表示器2のCPU2aは、記憶部2cの関連テーブルを参照して、パスワード”001”を対応する画像コード”A”,”c”,”d”に変換する(ステップS2)。次に、CPU2aは記憶部2cに記憶されている画面データのうち、ステップS2で抽出した画像コードの中に含まれる”A”の画面データ(図2)を選択する(ステップS3)。CPU2aはステップS3で選択した画面データAに含まれる画面部品データa,b,cのうち、ステップS2で抽出した画像コードの中に含まれる”A”,”c”,”d”に含まれる画面部品データcを選択する(ステップS4)。次に、CPU2aはステップS4によって選択された画面部品データcのみを有し、画面部品データa,bを有しない画面データAを生成して(ステップS5)、図7に示す画面として表示部2bに表示出力する(ステップS6)。したがって、パスワード”001”を有する作業者は、自分専用の画面が表示され、この画面から必要な情報を得ることができる。
【0014】
同様に、パスワード”002”の作業者であれば、図2の画面データAが選択されて表示部2bに図8のように表示され、パスワード”003”の作業者であれば、図3の画面データBが選択されて表示部2bに図9のように表示され、パスワード”004”の作業者であれば、図3の画面データBが選択されて表示部2bに図10のように表示される。よって、予め登録された少ない画面データ数で多くのパスワードに固有の画面データを生成できる。
【0015】
以上のように、パスワード(個人認証用データ)を入力するためのステップS1と、予め表示器2の表示部2bに記憶された複数の画面データAやBのうち、パスワードに対応する画面データを選択するステップS2,S3と、選択された画面データに含まれる複数の画面部品データのうち、パスワードに対応する画面部品データのみを選択するステップS2,S4と、選択された画面部品データのみを有する画面データを生成して出力するステップS5,S6とを備えた。これにより、パスワードに対応する画面データを選択するだけでなく、その画面データの画面部品データも個人認証用データに対応するものを選択して、表示部2bに表示する画面データを生成するので、画面データが少なくて済む。したがって、記憶部2cの記憶容量が少なくて済み、作業者がパソコン3で数多くの画面データを作成する必要がない。しかも、個人認証用データに対応しない画面部品データは当該個人認証用データを入力した作業者に表示されないので、セキュリティが確保できる。
【0016】
(変形例)
なお、本発明は実施の形態で説明したものに限らない。例えば、本発明の画面データ生成方法は図1に示すシステムに限らず、その他に適用してもよい。また、画面データの出力は表示器2の表示部2bに表示する場合に限らず、例えば別の記憶装置に出力してもよい。また、個人認証用データは、個人を特定するものであればよく、パスワードの他、ユーザー名、指紋あるいはそれらの組み合わせでもよい。
【0017】
また、ステップS3で選択される画面データ数は上述の説明では1つであるが、複数でもよい。例えば上述の説明で、図2の他に背景画面データA0と画面部品データa,x,yとを含んで構成される画面データAも予め記憶されていると2つの画面データAが選択されたり、パスワード”001”には画像コード”A”,”c”,”d”の他、画像コード”B”も対応していると2つの画面データA,Bが選択される。この場合は、例えば表示器2の表示部2bに画面切替用ボタンが表示され、このボタンを押すことにより複数の画面を順番に切り替えることができるように構成してもよい。さらに、画面を切り替える際、選択された画面データにない他の画面データに移りたい場合は、図5に示すパスワード入力画面が表示され、再びその画面に移れるパスワードを入力する構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明が適用されるシステムを示すブロック図である。
【図2】画面データの一例を示す図である。
【図3】画面データの一例を示す図である。
【図4】パスワード−画像コード関連テーブルを示すデータ構造図である。
【図5】パスワード入力画面を示す図である。
【図6】本発明の画面データ生成方法を示すフローチャートである。
【図7】画面の一例を示す図である。
【図8】画面の一例を示す図である。
【図9】画面の一例を示す図である。
【図10】画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
1 PLC、2 表示器、3 パソコン、A,B 画面データ、a,b,c,d,e,f 画面部品データ、A0,B0 背景画面データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人認証用データを入力するためのステップと、
予め記憶された複数の画面データのうち、前記個人認証用データに対応する画面データを選択するステップと、
前記選択された画面データに含まれる複数の画面部品データのうち、前記個人認証用データに対応する画面部品データのみを選択するステップと、
前記選択された画面部品データのみを有する前記画面データを生成して出力するステップと、
を備えた画面データ生成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−272486(P2007−272486A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−96181(P2006−96181)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(000000309)IDEC株式会社 (188)
【Fターム(参考)】