画面編集方法および画面編集装置
【課題】編集作業をシームレスに行えるようにして編集作業の負担を軽減する。
【解決手段】本画面編集方法は、表示画面を画面、その背景画面およびその背景色の3つの要素に分けるステップと、同一の編集画面上にすべての要素を組み合わせた最終的な状態を表示するステップと、上記編集画面上で上記表示状態を閲覧しつつ、画面の編集と、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更とを、メニューから機能を選択せずかつ別途にウインドウを開かずに行うステップとを含む。
【解決手段】本画面編集方法は、表示画面を画面、その背景画面およびその背景色の3つの要素に分けるステップと、同一の編集画面上にすべての要素を組み合わせた最終的な状態を表示するステップと、上記編集画面上で上記表示状態を閲覧しつつ、画面の編集と、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更とを、メニューから機能を選択せずかつ別途にウインドウを開かずに行うステップとを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば表示器の表示画面に表示される画面を編集する画面編集方法およびパーソナルコンピュータ等の画面編集装置に関するものであり、特に、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等と接続して使用される表示器に表示させる画面を編集する画面編集方法、およびこの方法の実施に用いる画面編集装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば複数の外部機器をPLCでシーケンス制御し、その外部機器の状況表示や外部機器の操作制御をPLCに接続された表示器の表示画面上で配置表示した部品により行うとともに、各表示器をホストコンピュータに共通接続し、このホストコンピュータでシステム全体を一括管理可能とした電力制御や工場設備等の制御システムがある。このような制御システムにおいて外部機器としては例えば操作盤、センサ、スイッチ、アクチュエータ、メータ、表示灯等がある。
【0003】
このような制御システムにおいて表示器の表示画面には外部機器の状況表示や外部機器の操作のための部品が配置されて表示されている。この部品はHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)部品と定義されるものである。このHMI部品にはメータ表示部品、グラフ表示部品、スイッチ表示部品、その他の表示部品がある。近年では表示器の表示画面をタッチパネル式としてこの表示画面上に表示されている部品へのタッチ操作で外部機器を制御することができるようになっている(特許文献1等参照)。
【0004】
このような表示器における表示部品はその目的に応じてその種類や配置の形態が各種あり、パーソナルコンピュータのディスプレイに呼び出した編集画面上で編集し、その編集した表示画面をパーソナルコンピュータから表示器に転送することが行われている。
【0005】
このパーソナルコンピュータではCD−ROMのような記憶媒体を用いて画面編集用のアプリケーションソフトウェアがインストールされており、ユーザーはこのアプリケーションソフトウェアを起動させることによりパーソナルコンピュータに編集画面を呼び出し、その編集画面上に独自に表示画面を編集することができるようになっている。
【0006】
このような上記編集画面上での編集において、本出願人は、公知ではない以下の編集方法を開発している。
【0007】
すなわち、表示器上に表示する表示画面は、画面と、この画面の後ろに背景として表示するよう設定された背景画面と、画面の背景色との3つの画面要素に分割する。そして、これら分割した画面要素を別々に編集または設定し、最終的に編集画面上で合成表示する。このような画面編集においては、背景画面を各表示画面の編集に共通して用いることができるので編集作業が簡易化する。
【0008】
しかしながら、画面と背景画面と背景色の各画面要素を合成した後において、例えば背景画面を変更する必要がある場合、背景画面を選択する機能をメニューから呼び出し、別途表示される設定ウインドウ上にて背景画面を選択し、背景画面の設定を確定させている。
【0009】
また、背景色を変更する場合にも背景画面の変更手順と同様に背景色を選択する機能をメニューから呼び出し、別途表示される設定ウインドウ上にて背景色を選択し、背景色の設定を確定の変更手順を踏む。
【0010】
このように、画面、背景画面、背景色を合成後、背景画面や背景色を変更する場合には、上記のように設定ウインドウを呼び出しては選択、設定して合成するという手順を繰り返す。
【0011】
そのため、編集画面には最終的に表示する画面を表示することができるものの、背景画面を非表示の状態にして内容画面だけを表示して調整したい、背景画面の候補をいくつか用意したためこれを切り替えて調子を見たい、といった場合、上記手順を何度も繰り返す必要があり、非常に煩わしく、また編集作業のテンポを乱される。
【0012】
このような編集作業は大変であり、近年のごとく工場設備等においてPLCの設置数の増大に伴い、表示器数が増加してくるような状況では、画面編集作業者からの画面編集作業の時間短縮、作業上の負担軽減への要求が高くなっている。
【特許文献1】特開平7−129364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、表示画面の編集における編集時間の短縮と作業上の負担軽減とを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による画面編集方法は、同一の編集画面部上に画面、その背景画面およびその背景色の3つの画面要素を組み合わせた最終的な状態を表示可能とし、上記編集画面部上で上記表示状態を閲覧しつつ、上記画面の編集と、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更とを、メニューから機能選択せずかつ別途にウインドウを開かずに、行うことを可能としたことを特徴とするものである。
【0015】
本発明によると、すべての画面要素(画面、背景画面、背景色)を組み合わせて最終的に表示される状態を、同一の編集画面上でシームレスに編集することができるため、編集作業のテンポを乱すことなく作業を進められるようになる。
【0016】
上記表示器は、プログラマブルロジックコントローラと接続して使用される表示器であることが好ましい。
【0017】
上記画面編集装置は、上記画面編集方法を実行する画面編集ソフトウエアがインストールされているパーソナルコンピュータであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画面の編集をスムーズに進めることができ、その作業の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施の形態に係る画面編集方法を詳細に説明する。
【0020】
図1にパーソナルコンピュータ等の画面編集装置2と、この画面編集装置2から編集画面が転送される表示器4とを示す。
【0021】
画面編集装置2は、パーソナルコンピュータ等により構成され、詳しい構成の説明は略するが、ディスプレイ、キーボードやマウス等の入力装置、およびパーソナルコンピュータ本体を備える。パーソナルコンピュータ本体では、CPU、ROM、RAM、記録媒体ドライブ、外部記憶装置、入力装置、通信制御部等を備えている。
【0022】
ディスプレイは、表示画面を作成したり編集したりするための編集画面を表示することができる。入力装置は編集画面上で表示画面を作成したり編集したりするために操作される。記録媒体ドライブは、CD−ROMやフロッピィディスク等の記録媒体にデータの読み書きが可能になっている。外部記憶装置は、記録媒体から読み込まれた表示画面作成ないし編集のアプリケーションソフトウェアを記憶することができるようになっている。通信制御部は、編集した表示画面のデータを表示器に対して転送することができるようになっている。画面編集装置はまた、記録媒体から画面編集用のアプリケーションソフトをダウンロードしてもよいし、内部にそのアプリケーションソフトを備えていてもよい。
【0023】
一方、実施の形態の表示器4はPLCと接続されて用いるものであり、上記した制御システムにおいて必要とする表示画面が多数あり、また、この表示画面に加えて他の表示制御動作に必要な設定項目も多数ある。そのため、画面編集装置2から表示器4には画面データと設定データとが転送されるようになっている。
【0024】
以上説明した画面編集装置2においては、編集画面を用いて上記多数の表示画面それぞれを編集することができるようになっている。
【0025】
この実施の形態の画面編集方法は、表示画面を、画面と、その背景画面とその背景色との3つの画面要素に分けるステップと、1つの編集画面上にすべての画面要素を組み合わせた最終的な状態を表示するステップと、上記編集画面上で上記表示状態を閲覧しつつ、画面の編集と、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更とを、メニューから機能選択せずかつ別途にウインドウを開かずに行うステップとを含む。
【0026】
編集画面上では、メニューから機能選択したり、別途にウインドウを開くこともなく、画面、背景画面、背景色を表示すること、非表示にすること、また、背景画面の設定や変更、背景色の選択や変更を行うことができる。上記機能は、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更に関する機能のことである。
【0027】
上記背景画面は、画面の後ろに表示する画面のことである。
【0028】
図2ないし図8を参照して背景画面を説明する。まず、図2を参照して、図2(a)の画面は画面1と画面2とが表示されている。図2(b)の画面は画面1と画面3とが表示されている。図2(c)の画面は画面1と画面4とが表示されている。図2(d)の画面は画面1と画面5とが表示されている。これら図2(a)ないし図2(d)それぞれの画面においては、色無しはハッチング無しとし、色付きはハッチングで示し、異なる色同士は異なるハッチング態様で示す。以下も同様である。これら図2(a)ないし図2(d)それぞれの画面においては、画面1が共通している。そのため、画面1は、各画面で共通して用いることができる背景画面とすることができる。
【0029】
図3は背景画面として作成された画面1を示す。
【0030】
一方、図2(a)ないし図2(d)の画面2ないし5を編集する画面として図4(a)ないし図4(d)のように編集する。そして、図3の背景画面と図4(a)ないし図4(d)の画面とを図5(a)ないし図5(d)のように合成する。
【0031】
以上説明した背景画面において、その概念をさらに説明する。
【0032】
図6(a)と図6(b)はそれぞれ別々の画面1,2である。この画面1,2のうち、例えば、図6(a)の画面1を図7(a)のように画面1とその背景色とに分割することができる。図6(b)の画面2を図7(b)のように画面2とその背景色とに分割することができる。
【0033】
この段階では背景画面を設定していない。
【0034】
画面2を画面1の背景画面とした場合、図8で示すように画面1の後ろ側に画面2が表示される。この場合、画面2に設定されていた背景色は画面1には引き継がれない。また、画面1の背景画面に画面2が設定されていても、画面2の背景画面は画面1には引き継がれない。
【0035】
次に図9ないし図13を参照して画面編集方法を説明する。
【0036】
図9は画面編集装置内蔵のアプリケーションソフトの起動あるいは外部からダウンロードしたアプリケーションソフトの起動により表示された編集画面である。図9で示すように、実施の形態の編集画面はタイトルバー1、メニューバー2、ツールバー3、ナビゲーションウインドウ4、ステータスバー5、オブジェクトリスト6、および編集画面部7から図に示す位置関係と大きさとで構成されている。この位置関係や大きさの詳細は説明を略する。
【0037】
編集画面部7は、表示器上の表示画面を、画面と、その背景画面と、その背景色の3つの画面要素に分け、その3つの画面要素のうち画面のみを編集することができるとともに、これら3つの画面要素を組み合わせた最終的な状態を表示することができるようになっている。
【0038】
ナビゲーションウインドウ4は、プレビュー部41と、設定操作部42とから構成されている。プレビュー部41は、画面、背景画面をプレビューするものである。設定操作部42は、画面設定操作部421と、背景画面設定操作部422と、背景色設定操作部423とからなる。
【0039】
図10に設定操作部42を拡大して示す。図10を参照して、画面設定操作部421は、現在編集中の画面の表示/非表示を選択する選択部421aと、現在編集中の画面のプレビュー部421bとを備える。また、画面の画面番号表示部421cと、画面の画面名表示部421dとを備える。
【0040】
選択部421aはボックスになっていて、ここにマウス等でチェックを入れることにより画面を編集画面部7に表示、チェックを外すことにより編集画面部7から非表示にすることができる。プレビュー部421bには、編集画面部7で現在編集中の画面がプレビューされる。画面番号表示部421cは現在編集中の画面の画面番号を表示する。画面名表示部421dは、現在編集中の画面の画面名である。これら画面番号、画面名により画面の管理が扱い易く容易になる。
【0041】
背景画面設定操作部422は、現在編集中の背景画面の表示/非表示を選択する選択部422aと、背景画面のプレビュー部422bと、背景画面選択リストを呼び出すためのボタン422cとを備える。ボタン422cの操作により矢印方向に背景画面選択リストのウインドウ422dが示されている。また、背景画面の画面番号表示部422eと、背景画面の画面名表示部422fとを備える。
【0042】
選択部422aはボックスになっていて、ここにマウス等でチェックを入れることにより背景画面を編集画面部7に表示、チェックを外すことにより編集画面部7から非表示にすることができる。プレビュー部422bには、編集画面部7で現在編集中の背景画面がプレビューされる。ボタン422cの操作により呼び出されるウインドウ422dは背景画面のリストを「なし(None)、1−Screen1、2−Screen2、…」と表示している。このリストをマウス等により選択することにより、画面番号表示部422eには例えば、「1−Screen1」の「1」が画面番号として表示され、画面名表示部422fには「1−Screen1」の「Screen1」が画面名として表示される。
【0043】
背景色設定操作部423は、現在編集中の画面nの背景色を表示/非表示することを選択する選択部423aと、現在編集中の画面nの背景色をサンプル表示する表示部423bと、背景色選択ダイアログを呼び出すためのボタン423cとを備える。ボタン423cの操作により矢印方向に背景色選択ダイアログのウインドウ423dが示されている。
【0044】
選択部423aはボックスになっていて、ここにマウス等でチェックを入れることにより背景色を編集画面部7に表示、チェックを外すことにより編集画面部7から非表示にすることができる。表示部423bには、編集画面部7で現在編集中の背景色がプレビューされる。ボタン423cの操作により呼び出される背景色ウインドウ423dが表示される。このウインドウ423d中の背景色をマウス等により選択することにより背景色を選択することができる。
【0045】
図11を参照して画面設定操作部421を説明する。
【0046】
図11(a)は画面設定操作部421の拡大図、図11(b)は、現在編集中の画面、図11(c)は背景画面、図11(d)は編集画面部7に表示している編集画面である。
【0047】
この図11(d)の編集画面では画面、背景画面、背景色が示されている。この場合、背景画面の一部が画面の後ろ側に隠されている。そこで、選択部421aを操作して画面を非表示にすると、図11(c)のように背景画面の全体が編集画面部7に表示される。プレビュー部421bには図11(b)の画面のみが小さく表示される。
【0048】
図12を参照して背景画面設定操作部422を説明する。
【0049】
図12(a)は背景画面設定操作部422の拡大図、図12(b)は現在編集中の画面、図12(c)は背景画面、図12(d)は編集画面部7に表示している編集画面である。
【0050】
この図12(d)の編集画面では画面、背景画面、背景色が示されている。選択部422aを操作して背景画面を非表示にすると、図12(b)のように背景画面が非表示になり画面が編集画面部7に表示される。プレビュー部422bには図12(c)の背景画面が小さく表示される。このプレビュー部422bには画面や編集画面部7で表示中の画面は表示されない。ボタン422cを操作すると、背景画面のウインドウ422dが呼び出される。ボタン423cの操作によりウインドウ422d内の背景画面を選択することができる。
【0051】
図13を参照して背景色設定操作部423を説明する。
【0052】
図13(a)は背景色設定操作部423の拡大図、図13(b)は現在編集中の画面、図13(c)は背景画面、図13(d)は、背景色を示す画面、図13(e)は編集画面部7に表示している編集画面である。
【0053】
図13(e)の編集画面では、画面、背景画面、背景色が示されている。選択部423aを操作して背景色を非表示にすることができる。表示部423bには現在編集中の画面の背景色がサンプル表示される。ボタン423cを操作すると、背景色選択ダイアログのウインドウ423dが呼び出される。ボタン423cの操作によりウインドウ423d内の背景色を選択することができる。
【0054】
以上説明したように本実施の形態では、表示器上に表示する画面を画面、背景画面および背景色の3つの要素を編集画面上に表示し、この表示状態を閲覧しつつ、画面の編集と、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更とを、メニューから機能を選択しかつ別途にウインドウを開かずに行う。
【0055】
これにより、本実施の形態では、画面編集を同一の編集画面上でシームレスに行うことができるため、編集作業のテンポを乱すことなく作業を進められるようになる。
【0056】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、種々な変更ないしは変形を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】画面編集装置と表示器とを示す図である。
【図2】画面の説明に用いる図である。
【図3】背景画面を示す図である。
【図4】画面を示す図である。
【図5】画面と背景画面とを合成した編集画面を示す図である。
【図6】画面1と画面2とを示す図である。
【図7】画面1と画面2とを画面要素に分けて示す図である。
【図8】画面1と画面2とを合成した画面を示す図である。
【図9】実施の形態の編集画面を示す図である。
【図10】図9の設定操作部を拡大して示す図である。
【図11】画面設定操作部を説明するための画面を示す図である。
【図12】背景画面設定操作部を説明するための画面を示す図である。
【図13】背景色設定操作部を説明するための画面を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
4 ナビゲーションウインドウ
41 プレビュー部
42 設定操作部
421 画面設定操作部
422 背景画面設定操作部
423 背景色設定操作部
7 編集画面部
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば表示器の表示画面に表示される画面を編集する画面編集方法およびパーソナルコンピュータ等の画面編集装置に関するものであり、特に、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)等と接続して使用される表示器に表示させる画面を編集する画面編集方法、およびこの方法の実施に用いる画面編集装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば複数の外部機器をPLCでシーケンス制御し、その外部機器の状況表示や外部機器の操作制御をPLCに接続された表示器の表示画面上で配置表示した部品により行うとともに、各表示器をホストコンピュータに共通接続し、このホストコンピュータでシステム全体を一括管理可能とした電力制御や工場設備等の制御システムがある。このような制御システムにおいて外部機器としては例えば操作盤、センサ、スイッチ、アクチュエータ、メータ、表示灯等がある。
【0003】
このような制御システムにおいて表示器の表示画面には外部機器の状況表示や外部機器の操作のための部品が配置されて表示されている。この部品はHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)部品と定義されるものである。このHMI部品にはメータ表示部品、グラフ表示部品、スイッチ表示部品、その他の表示部品がある。近年では表示器の表示画面をタッチパネル式としてこの表示画面上に表示されている部品へのタッチ操作で外部機器を制御することができるようになっている(特許文献1等参照)。
【0004】
このような表示器における表示部品はその目的に応じてその種類や配置の形態が各種あり、パーソナルコンピュータのディスプレイに呼び出した編集画面上で編集し、その編集した表示画面をパーソナルコンピュータから表示器に転送することが行われている。
【0005】
このパーソナルコンピュータではCD−ROMのような記憶媒体を用いて画面編集用のアプリケーションソフトウェアがインストールされており、ユーザーはこのアプリケーションソフトウェアを起動させることによりパーソナルコンピュータに編集画面を呼び出し、その編集画面上に独自に表示画面を編集することができるようになっている。
【0006】
このような上記編集画面上での編集において、本出願人は、公知ではない以下の編集方法を開発している。
【0007】
すなわち、表示器上に表示する表示画面は、画面と、この画面の後ろに背景として表示するよう設定された背景画面と、画面の背景色との3つの画面要素に分割する。そして、これら分割した画面要素を別々に編集または設定し、最終的に編集画面上で合成表示する。このような画面編集においては、背景画面を各表示画面の編集に共通して用いることができるので編集作業が簡易化する。
【0008】
しかしながら、画面と背景画面と背景色の各画面要素を合成した後において、例えば背景画面を変更する必要がある場合、背景画面を選択する機能をメニューから呼び出し、別途表示される設定ウインドウ上にて背景画面を選択し、背景画面の設定を確定させている。
【0009】
また、背景色を変更する場合にも背景画面の変更手順と同様に背景色を選択する機能をメニューから呼び出し、別途表示される設定ウインドウ上にて背景色を選択し、背景色の設定を確定の変更手順を踏む。
【0010】
このように、画面、背景画面、背景色を合成後、背景画面や背景色を変更する場合には、上記のように設定ウインドウを呼び出しては選択、設定して合成するという手順を繰り返す。
【0011】
そのため、編集画面には最終的に表示する画面を表示することができるものの、背景画面を非表示の状態にして内容画面だけを表示して調整したい、背景画面の候補をいくつか用意したためこれを切り替えて調子を見たい、といった場合、上記手順を何度も繰り返す必要があり、非常に煩わしく、また編集作業のテンポを乱される。
【0012】
このような編集作業は大変であり、近年のごとく工場設備等においてPLCの設置数の増大に伴い、表示器数が増加してくるような状況では、画面編集作業者からの画面編集作業の時間短縮、作業上の負担軽減への要求が高くなっている。
【特許文献1】特開平7−129364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、表示画面の編集における編集時間の短縮と作業上の負担軽減とを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明による画面編集方法は、同一の編集画面部上に画面、その背景画面およびその背景色の3つの画面要素を組み合わせた最終的な状態を表示可能とし、上記編集画面部上で上記表示状態を閲覧しつつ、上記画面の編集と、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更とを、メニューから機能選択せずかつ別途にウインドウを開かずに、行うことを可能としたことを特徴とするものである。
【0015】
本発明によると、すべての画面要素(画面、背景画面、背景色)を組み合わせて最終的に表示される状態を、同一の編集画面上でシームレスに編集することができるため、編集作業のテンポを乱すことなく作業を進められるようになる。
【0016】
上記表示器は、プログラマブルロジックコントローラと接続して使用される表示器であることが好ましい。
【0017】
上記画面編集装置は、上記画面編集方法を実行する画面編集ソフトウエアがインストールされているパーソナルコンピュータであることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、画面の編集をスムーズに進めることができ、その作業の負担を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施の形態に係る画面編集方法を詳細に説明する。
【0020】
図1にパーソナルコンピュータ等の画面編集装置2と、この画面編集装置2から編集画面が転送される表示器4とを示す。
【0021】
画面編集装置2は、パーソナルコンピュータ等により構成され、詳しい構成の説明は略するが、ディスプレイ、キーボードやマウス等の入力装置、およびパーソナルコンピュータ本体を備える。パーソナルコンピュータ本体では、CPU、ROM、RAM、記録媒体ドライブ、外部記憶装置、入力装置、通信制御部等を備えている。
【0022】
ディスプレイは、表示画面を作成したり編集したりするための編集画面を表示することができる。入力装置は編集画面上で表示画面を作成したり編集したりするために操作される。記録媒体ドライブは、CD−ROMやフロッピィディスク等の記録媒体にデータの読み書きが可能になっている。外部記憶装置は、記録媒体から読み込まれた表示画面作成ないし編集のアプリケーションソフトウェアを記憶することができるようになっている。通信制御部は、編集した表示画面のデータを表示器に対して転送することができるようになっている。画面編集装置はまた、記録媒体から画面編集用のアプリケーションソフトをダウンロードしてもよいし、内部にそのアプリケーションソフトを備えていてもよい。
【0023】
一方、実施の形態の表示器4はPLCと接続されて用いるものであり、上記した制御システムにおいて必要とする表示画面が多数あり、また、この表示画面に加えて他の表示制御動作に必要な設定項目も多数ある。そのため、画面編集装置2から表示器4には画面データと設定データとが転送されるようになっている。
【0024】
以上説明した画面編集装置2においては、編集画面を用いて上記多数の表示画面それぞれを編集することができるようになっている。
【0025】
この実施の形態の画面編集方法は、表示画面を、画面と、その背景画面とその背景色との3つの画面要素に分けるステップと、1つの編集画面上にすべての画面要素を組み合わせた最終的な状態を表示するステップと、上記編集画面上で上記表示状態を閲覧しつつ、画面の編集と、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更とを、メニューから機能選択せずかつ別途にウインドウを開かずに行うステップとを含む。
【0026】
編集画面上では、メニューから機能選択したり、別途にウインドウを開くこともなく、画面、背景画面、背景色を表示すること、非表示にすること、また、背景画面の設定や変更、背景色の選択や変更を行うことができる。上記機能は、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更に関する機能のことである。
【0027】
上記背景画面は、画面の後ろに表示する画面のことである。
【0028】
図2ないし図8を参照して背景画面を説明する。まず、図2を参照して、図2(a)の画面は画面1と画面2とが表示されている。図2(b)の画面は画面1と画面3とが表示されている。図2(c)の画面は画面1と画面4とが表示されている。図2(d)の画面は画面1と画面5とが表示されている。これら図2(a)ないし図2(d)それぞれの画面においては、色無しはハッチング無しとし、色付きはハッチングで示し、異なる色同士は異なるハッチング態様で示す。以下も同様である。これら図2(a)ないし図2(d)それぞれの画面においては、画面1が共通している。そのため、画面1は、各画面で共通して用いることができる背景画面とすることができる。
【0029】
図3は背景画面として作成された画面1を示す。
【0030】
一方、図2(a)ないし図2(d)の画面2ないし5を編集する画面として図4(a)ないし図4(d)のように編集する。そして、図3の背景画面と図4(a)ないし図4(d)の画面とを図5(a)ないし図5(d)のように合成する。
【0031】
以上説明した背景画面において、その概念をさらに説明する。
【0032】
図6(a)と図6(b)はそれぞれ別々の画面1,2である。この画面1,2のうち、例えば、図6(a)の画面1を図7(a)のように画面1とその背景色とに分割することができる。図6(b)の画面2を図7(b)のように画面2とその背景色とに分割することができる。
【0033】
この段階では背景画面を設定していない。
【0034】
画面2を画面1の背景画面とした場合、図8で示すように画面1の後ろ側に画面2が表示される。この場合、画面2に設定されていた背景色は画面1には引き継がれない。また、画面1の背景画面に画面2が設定されていても、画面2の背景画面は画面1には引き継がれない。
【0035】
次に図9ないし図13を参照して画面編集方法を説明する。
【0036】
図9は画面編集装置内蔵のアプリケーションソフトの起動あるいは外部からダウンロードしたアプリケーションソフトの起動により表示された編集画面である。図9で示すように、実施の形態の編集画面はタイトルバー1、メニューバー2、ツールバー3、ナビゲーションウインドウ4、ステータスバー5、オブジェクトリスト6、および編集画面部7から図に示す位置関係と大きさとで構成されている。この位置関係や大きさの詳細は説明を略する。
【0037】
編集画面部7は、表示器上の表示画面を、画面と、その背景画面と、その背景色の3つの画面要素に分け、その3つの画面要素のうち画面のみを編集することができるとともに、これら3つの画面要素を組み合わせた最終的な状態を表示することができるようになっている。
【0038】
ナビゲーションウインドウ4は、プレビュー部41と、設定操作部42とから構成されている。プレビュー部41は、画面、背景画面をプレビューするものである。設定操作部42は、画面設定操作部421と、背景画面設定操作部422と、背景色設定操作部423とからなる。
【0039】
図10に設定操作部42を拡大して示す。図10を参照して、画面設定操作部421は、現在編集中の画面の表示/非表示を選択する選択部421aと、現在編集中の画面のプレビュー部421bとを備える。また、画面の画面番号表示部421cと、画面の画面名表示部421dとを備える。
【0040】
選択部421aはボックスになっていて、ここにマウス等でチェックを入れることにより画面を編集画面部7に表示、チェックを外すことにより編集画面部7から非表示にすることができる。プレビュー部421bには、編集画面部7で現在編集中の画面がプレビューされる。画面番号表示部421cは現在編集中の画面の画面番号を表示する。画面名表示部421dは、現在編集中の画面の画面名である。これら画面番号、画面名により画面の管理が扱い易く容易になる。
【0041】
背景画面設定操作部422は、現在編集中の背景画面の表示/非表示を選択する選択部422aと、背景画面のプレビュー部422bと、背景画面選択リストを呼び出すためのボタン422cとを備える。ボタン422cの操作により矢印方向に背景画面選択リストのウインドウ422dが示されている。また、背景画面の画面番号表示部422eと、背景画面の画面名表示部422fとを備える。
【0042】
選択部422aはボックスになっていて、ここにマウス等でチェックを入れることにより背景画面を編集画面部7に表示、チェックを外すことにより編集画面部7から非表示にすることができる。プレビュー部422bには、編集画面部7で現在編集中の背景画面がプレビューされる。ボタン422cの操作により呼び出されるウインドウ422dは背景画面のリストを「なし(None)、1−Screen1、2−Screen2、…」と表示している。このリストをマウス等により選択することにより、画面番号表示部422eには例えば、「1−Screen1」の「1」が画面番号として表示され、画面名表示部422fには「1−Screen1」の「Screen1」が画面名として表示される。
【0043】
背景色設定操作部423は、現在編集中の画面nの背景色を表示/非表示することを選択する選択部423aと、現在編集中の画面nの背景色をサンプル表示する表示部423bと、背景色選択ダイアログを呼び出すためのボタン423cとを備える。ボタン423cの操作により矢印方向に背景色選択ダイアログのウインドウ423dが示されている。
【0044】
選択部423aはボックスになっていて、ここにマウス等でチェックを入れることにより背景色を編集画面部7に表示、チェックを外すことにより編集画面部7から非表示にすることができる。表示部423bには、編集画面部7で現在編集中の背景色がプレビューされる。ボタン423cの操作により呼び出される背景色ウインドウ423dが表示される。このウインドウ423d中の背景色をマウス等により選択することにより背景色を選択することができる。
【0045】
図11を参照して画面設定操作部421を説明する。
【0046】
図11(a)は画面設定操作部421の拡大図、図11(b)は、現在編集中の画面、図11(c)は背景画面、図11(d)は編集画面部7に表示している編集画面である。
【0047】
この図11(d)の編集画面では画面、背景画面、背景色が示されている。この場合、背景画面の一部が画面の後ろ側に隠されている。そこで、選択部421aを操作して画面を非表示にすると、図11(c)のように背景画面の全体が編集画面部7に表示される。プレビュー部421bには図11(b)の画面のみが小さく表示される。
【0048】
図12を参照して背景画面設定操作部422を説明する。
【0049】
図12(a)は背景画面設定操作部422の拡大図、図12(b)は現在編集中の画面、図12(c)は背景画面、図12(d)は編集画面部7に表示している編集画面である。
【0050】
この図12(d)の編集画面では画面、背景画面、背景色が示されている。選択部422aを操作して背景画面を非表示にすると、図12(b)のように背景画面が非表示になり画面が編集画面部7に表示される。プレビュー部422bには図12(c)の背景画面が小さく表示される。このプレビュー部422bには画面や編集画面部7で表示中の画面は表示されない。ボタン422cを操作すると、背景画面のウインドウ422dが呼び出される。ボタン423cの操作によりウインドウ422d内の背景画面を選択することができる。
【0051】
図13を参照して背景色設定操作部423を説明する。
【0052】
図13(a)は背景色設定操作部423の拡大図、図13(b)は現在編集中の画面、図13(c)は背景画面、図13(d)は、背景色を示す画面、図13(e)は編集画面部7に表示している編集画面である。
【0053】
図13(e)の編集画面では、画面、背景画面、背景色が示されている。選択部423aを操作して背景色を非表示にすることができる。表示部423bには現在編集中の画面の背景色がサンプル表示される。ボタン423cを操作すると、背景色選択ダイアログのウインドウ423dが呼び出される。ボタン423cの操作によりウインドウ423d内の背景色を選択することができる。
【0054】
以上説明したように本実施の形態では、表示器上に表示する画面を画面、背景画面および背景色の3つの要素を編集画面上に表示し、この表示状態を閲覧しつつ、画面の編集と、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更とを、メニューから機能を選択しかつ別途にウインドウを開かずに行う。
【0055】
これにより、本実施の形態では、画面編集を同一の編集画面上でシームレスに行うことができるため、編集作業のテンポを乱すことなく作業を進められるようになる。
【0056】
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、種々な変更ないしは変形を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】画面編集装置と表示器とを示す図である。
【図2】画面の説明に用いる図である。
【図3】背景画面を示す図である。
【図4】画面を示す図である。
【図5】画面と背景画面とを合成した編集画面を示す図である。
【図6】画面1と画面2とを示す図である。
【図7】画面1と画面2とを画面要素に分けて示す図である。
【図8】画面1と画面2とを合成した画面を示す図である。
【図9】実施の形態の編集画面を示す図である。
【図10】図9の設定操作部を拡大して示す図である。
【図11】画面設定操作部を説明するための画面を示す図である。
【図12】背景画面設定操作部を説明するための画面を示す図である。
【図13】背景色設定操作部を説明するための画面を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
4 ナビゲーションウインドウ
41 プレビュー部
42 設定操作部
421 画面設定操作部
422 背景画面設定操作部
423 背景色設定操作部
7 編集画面部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の編集画面部上に画面、その背景画面およびその背景色の3つの画面要素を組み合わせた最終的な状態を表示可能とし、
上記編集画面部上で上記表示状態を閲覧しつつ、上記画面の編集と、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更とを、メニューから機能選択せずかつ別途にウインドウを開かずに、行うことを可能とした、
ことを特徴とする画面編集方法。
【請求項2】
表示器に表示する表示画面の編集作業を行うための編集画面を備えた画面編集装置において、
上記編集画面上に、
画面、その背景画面およびその背景色の3つの画面要素を組み合わせた状態を表示し、かつ、上記3つの画面要素のうちの画面の編集作業を行うことが可能な編集画面部と、
上記編集画面部上に現在編集中の画面の表示/非表示と、その背景画面の設定/変更、表示/非表示と、その背景色の表示/非表示および選択/変更と、を設定操作することができる設定操作部と、
を配置したことを特徴とする画面編集装置。
【請求項1】
同一の編集画面部上に画面、その背景画面およびその背景色の3つの画面要素を組み合わせた最終的な状態を表示可能とし、
上記編集画面部上で上記表示状態を閲覧しつつ、上記画面の編集と、背景画面の表示/非表示および設定/変更と、背景色の表示/非表示および選択/変更とを、メニューから機能選択せずかつ別途にウインドウを開かずに、行うことを可能とした、
ことを特徴とする画面編集方法。
【請求項2】
表示器に表示する表示画面の編集作業を行うための編集画面を備えた画面編集装置において、
上記編集画面上に、
画面、その背景画面およびその背景色の3つの画面要素を組み合わせた状態を表示し、かつ、上記3つの画面要素のうちの画面の編集作業を行うことが可能な編集画面部と、
上記編集画面部上に現在編集中の画面の表示/非表示と、その背景画面の設定/変更、表示/非表示と、その背景色の表示/非表示および選択/変更と、を設定操作することができる設定操作部と、
を配置したことを特徴とする画面編集装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−248579(P2007−248579A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−68910(P2006−68910)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000167288)光洋電子工業株式会社 (354)
【出願人】(501088257)株式会社ウィン・システム (37)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000167288)光洋電子工業株式会社 (354)
【出願人】(501088257)株式会社ウィン・システム (37)
【Fターム(参考)】
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