説明

界面活性剤およびコサーファクタントを含有する混合物

界面活性剤およびコサーファクタントを含有する混合物において、コサーファクタントとして一般構造式[式中、A′は1〜60の炭素原子を有する非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、YはSまたはOであり、Aは式(式中、R、R、RおよびRは相互に無関係に置換基の水素、メチル、エチル、n−プロピル、オクチルまたはフェニルである)の構造単位であり、mは10〜300の範囲の変数であり、Xは式(式中、置換基R、R、RおよびRは構造単位Aにおいてと同じものであり、q=0またはq=1である)の構造単位であり、Bはエチレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなる混合物をベースとするモノマーのサブユニットであり、nは20〜500の変数であり、かつp=q+1である]を有する両親媒性ポリマーを使用することを特徴とする、界面活性剤およびコサーファクタントを含有する混合物を提案する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は界面活性剤およびコサーファクタントを含有する混合物、エマルションを安定化させるための混合物の使用、両親媒性ポリマーの製造方法、界面活性剤およびコサーファクタントを含有するマイクロエマルション、混合物またはマイクロエマルションの使用ならびに、洗剤、クリーニング剤、殺菌剤、湿潤剤、被覆剤、接着剤、皮革脱脂剤、保湿剤またはテキスタイル処理剤または医薬、農薬または化粧品組成物、特に日焼け止め、肌の手入れ剤またはヘアスタイリング剤、シャワージェル、シャンプー、入浴剤または香油に関する。
【0002】
界面活性剤は、互いに混和しない液相である極性相、しばしば水および無極性の有機相との間の界面張力を低下させ、ひいてはこれらの相互の溶解度を高める物質である。界面活性剤は特徴的な構造を有しており、かつ少なくとも1の親水性構造単位および1の疎水性構造単位を有する。この構造は両親媒性ともよばれる。
【0003】
界面活性剤は、その環境相容性が保証されなくてはならない生態学的に特に関係のある物質である。従って廃水中での界面活性剤残留物の良好な分解性と並んで、界面活性剤の効果が損なわれることなくその使用量をできる限り低減する、つまり界面活性剤の効率を向上することが特に重要である。この場合、界面活性剤の効率とは通常、特定の効果を達成するために、たとえば無極性相の割合を極性相中で、もしくはその逆に可溶化するために、またはできる限り低い濃度で界面面張力をできる限り低下させるために必要とされる界面活性剤の量である。
【0004】
慣用の通常のエマルションは油相および水相を極めて異なった体積割合で含有しうる。これらは連続相および分散相を有し、分散相は極めて小さい、界面活性剤で覆われることによって安定化された球体として連続相中に存在する。連続相の性質に応じて水中油型または油中水型のエマルションとよばれる。これらのエマルションは理想的な場合には動力学的に安定している、つまり比較的長い期間保持されるが、しかし無制限にではない。特に温度変化の際に該エマルションは沈殿、クリーミング、増粘または凝集により相分離の傾向を有しうる。
【0005】
いわゆるマイクロエマルションは、混和することができない2種類の液体、たとえば油と水との熱力学的に安定した液状の、光学的に透明な組成物である。マイクロエマルションは、界面活性剤またはより頻繁には界面活性剤とコサーファクタントとからなる混合物が油/水の界面張力を一般に−10−3〜10−9、有利には10−4〜10−6N/mの範囲の極めて低い値へ低下させ、熱の移動により両方の不溶性の相が均一に単独で分散したままである場合に生じる。マイクロエマルションは一般に平衡領域で両連続構造、100〜1000オングストロームの範囲のいわゆる複相(subphase)を有する(Advanced Materials、2000、12、第23号、第1751頁以降を参照のこと)。
【0006】
両連続マイクロエマルションは2つの相、つまり水相と油相とを、引き延ばされ、隣接し、かつ相互に入り組んだ領域の形で含有しており、これらの界面に安定化作用のある界面活性剤が単分子層として富化されている。両連続マイクロエマルションは、個々の成分、水、油および適切な界面活性系を混合する場合に、極めて容易に、通常は極めて低い界面張力に基づいて自発的に形成される。少なくとも1つの次元の範囲はナノメートルのオーダーの極めてわずかな広がりを有するので、マイクロエマルションは目視によれば透明であり、かつ使用される界面活性系に応じて一定の温度範囲で熱力学的に、つまり時間的に無制限に安定している。
【0007】
両連続マイクロエマルションはたとえばH.F.EickeのSOEFW Journal 118(1992)、第311〜314頁に記載されている論文”Mikroemulsionen−eine wissenschaftliche und anwendungstechnische Fundgrube?”に記載されている。
【0008】
相の境界で必要とされる低い界面張力を達成するために、マイクロエマルションは特別な両親媒性物質、つまり界面活性剤、および一般にその水相中に溶解した電解質および場合により別の助剤を含有する。電解質は特に、両親媒性物質が部分的に、またはもっぱらイオン性界面活性剤である場合に添加される。
【0009】
DE−A19839054から、添加剤の添加により界面活性剤の効率を向上することが公知であり、この場合、添加剤として水溶性ブロックAおよび水不溶性ブロックBを有するABブロックコポリマーを使用する。その際、ブロックAおよびBは500〜60000g/モルの分子量を有しうる。ブロックAとして有利にはポリエチレンオキシドブロックを使用するが、しかし一般に、ブロックBと結合して両親媒性物質を形成する全ての水溶性ブロックが使用される。ブロックBについては単独のモノマーの、またはモノマー混合物のポリマーが記載されている。
【0010】
しかし記載されているブロックコポリマーは特に、実験室規模では適切であるが、大工業的な使用にとっては適切でない製造方法により得られるという欠点を有する。前記の刊行物は製造方法のためにDE−A19634477を示しており、ここにはアルカリ金属の有機化合物を使用する重合、つまり大工業的な使用にとって不適切な製造方法が記載されている。
【0011】
これに対して本発明の課題は、エマルション中で、特にマイクロエマルション中での界面活性剤の効率を向上するためのコサーファクタントとして使用することができ、かつ経済的に有利な方法で、大工業的な出発物質に基づいて、ならびに大工業的に実現可能な反応経路で得ることができる物質を提供することである。特に両連続マイクロエマルション中での界面活性剤の効率の向上を達成することができるべきである。
【0012】
その解決方法は、コサーファクタントとして一般構造式
【0013】
【化1】

[式中、
A′は1〜60の炭素原子を有する非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、
YはOまたはSであり、
Aは式
【0014】
【化2】

の構造単位であり、上記式中、R、R、RおよびRは相互に無関係に置換基の水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、オクチルまたはフェニルであり、ただしその際、置換基R、R、RおよびRの最大で3つが水素であり、
mは10〜300の範囲の変数であり、
Xは式
【0015】
【化3】

の構造単位であり、上記式中、置換基R、R、RおよびRは相互に無関係にそのつど水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、オクチルまたはフェニルであり、q=0またはq=1であり、
Bはエチレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなる混合物をベースとするモノマーのサブユニットであり、
nは20〜500の変数であり、かつ
p=q+1である]を有する両親媒性ポリマーを使用することを特徴とする界面活性剤およびコサーファクタントを含有する混合物である。
【0016】
意外なことに、上で定義した構造を有する両親媒性ポリマーは、界面活性剤の効率を向上し、かつその際に大工業的に、ひいては安価に得られる物質から大工業的な反応経路で得られることにより、コサーファクタントとして特に好適であることが判明した。本発明による両親媒性ポリマーは通常、程度の差はあるものの、幅広い分子量分布を有する物質からなる工業的な混合物である。
【0017】
従って一般構造式はq=0の場合には線状の構造も、q=1の場合にはy形の分枝鎖構造も含む。
【0018】
構造単位A′−Yはコサーファクタントの疎水性構造部分であり、しかもC〜C60−アルキル−、シクロアルキル−、アリール−またはアラルキルアルコールまたは−チオールの群から誘導される一官能価の非分枝鎖状または分枝鎖状アルコール基またはチオール基である。有利であるのはアルコール基またはチオール基あたり8〜30の炭素原子を有する分枝鎖状または非分枝鎖状のアルコールまたはチオールである。
【0019】
スタータ・アルコールA′−OHとして基本的に、1分子当たり1〜5の炭素原子を有する全ての短鎖の脂肪族一価アルコールを使用することができるが、1分子当たり6〜18の炭素原子を有する一価の脂肪族アルコールが有利であり、特に有利であるのは1分子あたり8〜15の炭素原子を有する一価の脂肪族アルコールである。
【0020】
本発明により適切なアルコールは特にオクタノール、2−エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、2−ブチルオクタノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、イソ−オクタノール、イソ−ノナノール、イソ−デカノール、イソ−ウンデカノール、イソ−ドデカノール、イソ−トリデカノール、イソ−テトラデカノール、イソ−ペンタデカノール、有利にはイソ−デカノール、2−プロピルヘプタノール、トリデカノール、イソ−トリデカノールまたはC13〜C15−アルコールからなる混合物または2−プロピルヘプタノールと構造異性のC10−アルコールの混合物である。オキソアルコールはたとえば通常、4〜29の炭素を有する線状または分枝鎖状のオレフィンのヒドロホルミル化により得られ、たとえばエテン、プロペン、1−ブテン、異性体ブテン混合物または前記のアルケンの混合物からオリゴマー化により製造することができるか、またはたとえば5〜30の炭化水素原子を有するオレフィンから出発してオゾン分解および引き続き還元により、またはエポキシ化および引き続き加水分解により、または塩素もしくは臭素によるハロゲン化およびその後のアルカリ性加水分解により得られるアルコールから誘導される。
【0021】
たとえば本発明によりスタータ化合物として使用されるアルコールはゲルベ・アルコールであってもよく、特にエチルヘキサノール、プロピルヘプタノール、ブチルオクタノールであってよい。従って本発明は特に有利な実施態様ではスタータ化合物がゲルベアルコールである方法に関する。
【0022】
スタータ化合物として使用されるアルコールは種々の異性体の混合物であってもよい。
【0023】
これらの混合物は前記のアルコールから誘導することができるか、またはその製造の際に生じうる、たとえば粗生成物および個々の留分、たとえば粗生成物の蒸留による後処理の際に生じうる。適切な混合物のための例はいわゆるオキソ油またはオキソ油留分、たとえばオキソアルコールの製造の際に規則的に生じるものである。
【0024】
有利にはスタータ・アルコールA′−OHとして、ブテンの三量化および引き続きヒドロホルミル化および水素化により得られ、かつトリデカノールNとよばれるアルコール混合物を使用することができる。
【0025】
たとえばプロピルヘプタノールはバレロアルデヒドから出発して、アルドール縮合およびその後の水素化により得ることができる。バレロアルデヒドおよび相応する異性体の製造は、たとえばUS4,287,370、Beilstein E IV 1、32 68、Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、第A1巻、第323頁〜328頁に記載されているようにブテンをヒドロホルミル化することによって行う。その後のアルドール縮合はたとえばUS5,434,313、Roempp、Chemie Lexikon、第9版、キーワード「アルドール付加」、第91頁に記載されている。アルドール縮合生成物の水素化は一般に水素化条件に従う。
【0026】
さらに2−プロピルヘプタノールは1−ペンタノールを(相応するメチルブタノール−1の混合物として)KOHの存在下に高めた温度で縮合することにより製造することができ、たとえばMarcel Guerbet、C.R. Acad Sci Paris 128、511、1002(1899)を参照のこと。さらにRoempp、Chemie Lexikon、第9版、Georg Thieme Verlag Stuttgartおよびここに挙げられている引用ならびにTetrahedron、第23巻、第1723〜1733頁を参照されたい。
【0027】
さらに、たとえばDE−A10035617に記載されている、アセトンをアルデヒドに付加し、引き続き水素化することにより生じるアルコールもまた適切である。実質的に(たとえばC12/14−パラフィン混合物またはC10〜C16−パラフィン混合物からの)第二アルコールであるパラフィンの酸化生成物もまた適切である。適切なアルコールはまた、たとえば水をオレフィンへ酸性付加することにより、またはオレフィンをラジカル酸化またはその他の方法で酸化することにより得られる第二アルコールでもある。
【0028】
上記の方法により、しばしば異性体混合物として存在し、かつ安価に提供されている多数の市販品も得られる。たとえば2−エチルヘキサナールとアセトンまたはメチルエチルケトンとの反応およびその後の水素化の生成物、C13/15−アルデヒドとアセトンまたはメチルエチルケトンとの反応の生成物、種々のC13−アルデヒドの異性体混合物、いわゆるイソ−トリデカナールとアセトンまたはメチルエチルケトンとの反応の生成物が挙げられる。水をα−オレフィンへ付加することにより得られるスタータ・アルコールのための例は2−デカノール、2−ドデカノール、2−テトラデカノールまたは2−ヘキサデカノールである。
【0029】
スタータ・アルコールA′−OHとしてさらに脂環式および芳香族ヒドロキシ化合物、有利には式
【0030】
【化4】

[式中、R、RおよびRは相互に無関係に水素またはC〜C30−アルキルを表す]の化合物が適切である。
【0031】
有利な脂環式および芳香族ヒドロキシ化合物はシクロヘキサノール、フェノール、クレゾール異性体、イソブチルフェノール、イソブチルクレゾール、ジイソブチルフェノール、ジイソブチルクレゾール、t−ブチルフェノール、t−ブチルクレゾール、ジ−t−ブチルフェノール、ジ−t−ブチルクレゾール、イソオクチルフェノール、ジイソオクチルフェノール、イソノニルフェノール、ジイソノニルフェノール、イソドデシルフェノール、ジイソドデシルフェノールおよびこれらの混合物である。
【0032】
疎水性構造単位Aは有利には1もしくは複数の以下のモノマーまたはこれらの混合物から形成されている:プロペンオキシド、1−ブテンオキシド、2,3−ブテンオキシド、2−メチル−1,2−プロペンオキシド(イソブテンオキシド)、1−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド、2−メチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ブテンオキシド、2,3−ヘキセンオキシド、3,4−ヘキセンオキシド、2−メチル−1,2−ペンテンオキシド、2−エチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ペンテンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、デセンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、スチレンオキシド。ここには大工業的に入手可能なオレフィン流の酸化により得られる混合物も挙げられ、これらは前記のものとは異なる別のアルキレンオキシドからおよび/または酸化から得られないオレフィンおよび/または不活性化合物(アルカン)が含有されていてもよい。
【0033】
繰り返し構造単位Aの数を表す変数mは、有利には50〜250、特に60〜160の範囲の値である。
【0034】
アミノ基を有する構造単位Xは分岐箇所として両親媒性ポリマー中に組み込まれる。
【0035】
構造単位[B]はコサーファクタントの親水性構造部分であり、繰り返されるエチレンオキシド単位またはエチレンオキシド−/プロピレンオキシド単位から形成されている。その際、Bはエチレンオキシドをベースとするか、またはエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)とからなる混合物をベースとするモノマーのサブユニットである。構造単位[B]はEOおよびPOからなるランダムコポリマー、勾配コポリマー、交互のコポリマー、もしくはブロックコポリマーであってよい。
【0036】
ポリマー構造は単独の親水性構成部分[B]を含むか、あるいはまた窒素原子における分岐箇所を介する2つの親水性構成部分[B]を含んでいてよい。
【0037】
繰り返し構造単位Bの数を示す変数nは有利には50〜300の範囲の値である。
【0038】
有利にはBはプロピレンオキシド0〜50%、好ましくはプロピレンオキシド5〜20%を含有するエチレンオキシド−/プロピレンオキシド−混合物であってよい。
【0039】
本発明による混合物は前記のコサーファクタントと並んで、界面活性剤を含有する。これは界面活性剤の混合物であってもよい。基本的には全ての公知の界面活性剤の群からの全ての界面活性剤、特にイオン性または非イオン性界面活性剤、あるいはイオン性または非イオン性界面活性剤の混合物を使用することもできる。
【0040】
本発明による混合物の使用分野に応じて、たとえば全ての古典的な洗剤用界面活性剤、または食品に認められている界面活性剤、たとえばTweens(R)またはSpans(R)が適切である。界面活性剤の種類からは非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性界面活性剤が適切である。特にポリマー界面活性剤、ペプチド界面活性剤、シリコーン界面活性剤、アミノ酸ベースの界面活性剤、糖界面活性剤、脂肪ベースの界面活性剤、Gemini型界面活性剤、アミンオキシド、アミノアミンオキシド、アルキルベタイン、エーテルカルボキシレート、両性アセテート、アルキル硫酸塩またはスルホコハク酸塩が適切である。
【0041】
界面活性剤に対するコサーファクタントの割合は有利には0.01〜99.99%、特に1〜50%、特に有利には5〜25%の範囲である。
【0042】
適切なアニオン性界面活性剤はたとえば8〜22、有利には10〜18の炭素原子を有する脂肪アルコールの脂肪アルコールスルフェート、たとえばC〜C11−アルコールスルフェート、C12〜C13−アルコールスルフェート、セチルスルフェート、ミリスチルスルフェート、パルミチルスルフェート、ステアリルスルフェートおよび獣脂アルコールスルフェートである。
【0043】
別の適切なアニオン性界面活性剤は硫酸化されたエトキシル化C〜C22−アルコール(アルキルエーテルスルフェート)もしくはこれらの可溶性の塩である。この種類の化合物はたとえば、まずC〜C22−、有利にはC10−〜C18−アルコール、たとえば脂肪アルコールをアルコキシル化し、かつアルコキシル化生成物を引き続き硫酸化することにより製造される。アルコキシル化のために有利にはエチレンオキシドを使用し、その際、脂肪アルコール1モルあたり、エチレンオキシドを2〜50、有利には3〜20モル使用する。しかしアルコールのアルコキシル化はプロピレンオキシドを単独で、および場合によりブチレンオキシドを使用して実施することもできる。さらに、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドおよびブチレンオキシドを含有するアルコキシル化C〜C22−アルコールも適切である。アルコキシル化C〜C22−アルコールはエチレンオキシド単位、プロピレンオキシド単位およびブチレンオキシド単位をブロックの形で、またはランダムに分散して含有していてよい。
【0044】
アルカンスルホネート、たとえばC〜C24−、有利にはC10−〜C18−アルカンスルホネートならびにセッケン、たとえばC〜C24−カルボン酸のNa塩またはK塩もまた適切である。
【0045】
別の適切なアニオン性界面活性剤は、脂肪族飽和もしくは不飽和C〜C25−アシル基を、有利にはC10〜C20−アシル基を有するN−アシルサルコシネート、たとえばN−オレオイルサルコシネートである。
【0046】
さらに本発明による混合物はC10−〜C13−線状および/または−わずかに分岐したアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)を含有していてもよい。
【0047】
アニオン性界面活性剤は、有利には塩の形で混合物に添加する。これらの塩中の適切なカチオンはアルカリ金属塩、たとえばナトリウム、カリウムおよびリチウムおよびアンモニウム塩、たとえばヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩およびトリ(ヒドロキシエチル)アンモニウム塩である。
【0048】
適切な非イオン性界面活性剤は特に次のものである:
− アルコキシル化C−〜C22−アルコール、たとえば脂肪アルコールアルコキシレートまたはオキソアルコールアルコキシレート。これらはエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドによりアルコキシル化されていてもよい。界面活性剤としてこの場合、前記のアルキレンオキシドの1種の少なくとも2の分子を付加して含有する全てのアルコキシル化アルコールを使用することができる。この場合、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドのブロックポリマーあるいは前記のアルキレンオキシドがランダムに分散して含有されている付加生成物が考えられる。非イオン性界面活性剤はアルコール1モルあたり、アルキレンオキシドを一般に2〜50、有利には3〜20モル含有する。該界面活性剤は有利にはアルキレンオキシドとしてエチレンオキシドを含有する。アルコールは有利に10〜18の炭素原子を有する。製造の際に使用されるアルコキシル化触媒の種類に応じてアルコキシレートは広いか、もしくは狭いアルキレンオキシド同族体分布を有する;
− アルキルフェノールアルコキシレート、たとえばC〜C14−アルキル鎖および5〜30のアルキレンオキシド単位を有するアルキルフェノールエトキシレート;
− 8〜22、有利には10〜18の炭素原子をアルキル鎖中に、および一般に1〜20、有利には1.1〜5のグルコシド単位ソルビタンアルカノエートを有するアルキルポリグリコシド、アルコキシル化されていてもよい;
− N−アルキルグルカミド、脂肪酸アルコキシレート、脂肪酸アミンアルコキシレート、脂肪酸アミドアルコキシレート、脂肪酸アルカノールアミドアルコキシレート、エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよび/またはブチレンオキシドからなるアルコキシル化ブロックコポリマー、ポリイソブテン−エトキシレート、ポリイソブテン−マレイン酸無水物−誘導体、モノグリセリド、アルコキシル化されていてもよい、ならびにビスグリセリド。
【0049】
特に適切な非イオン性界面活性剤はアルキルアルコキシレートまたはアルキルアルコキシレートの混合物、たとえばDE−A10243363、DE−A10243361、DE−A10243360、DE−A10243365、DE−A10243366、DE−A10243362またはDE−A4325237に記載されているものである。これらはアルカノールとアルキレンオキシドとをアルコキシル化触媒の存在下に反応させることにより得られるアルコキシル化生成物であるか、またはアルコキシル化生成物の混合物である。特に適切なスタータ・アルコールはいわゆるゲルベ・アルコール、特にエチルヘキサノール、プロピルヘプタノールおよびブチルオクタノールである。特に有利であるのはプロピルヘプタノールである。有利なアルキレンオキシドはプロピレンオキシドおよびエチレンオキシドであり、その際、有利に短いポリプロピレンオキシドブロックがスタータ・アルコールに直接結合しているアルキルアルコキシレート、たとえばDE−A10243365に記載されているものが、特にそのわずかな残留アルコール含有率およびその良好な生物学的分解性に基づいて有利である。
【0050】
アルコキシル化触媒として塩基、たとえばアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコラートを使用することができるが、しかしルイス酸、たとえばBF、SbCl、SnCl×2HO、BF×HBOまたはBFジエーテラートも使用することができる。特に適切なアルコキシル化触媒は複水酸化物の粘土、たとえばハイドロタルサイトであり、これはたとえばDE−A4325237に記載されているように特に添加剤により変性されていてもよい。
【0051】
アルコキシル化触媒の選択に応じて、そのつどアルコキシレートの特別な特性が、特にアルコキシル化度の分布に関して生じる。従って最後に挙げた複水酸化物の粘土を使用する場合には、狭い分子量分布を有するか、または同族体分布を有するアルコキシル化生成物が得られ、これらは本発明による混合物中でコサーファクタントと共に使用するために特に好適である。
【0052】
前記の有利な特性は、特にアルコキシル化度に関して、たとえばDE−A10243361にアルコキシル化触媒として記載されている複金属シアン化物(DMC)化合物の使用によっても達成される。
【0053】
本発明の対象は、一般構造式(I)
【0054】
【化5】

を有する両親媒性ポリマーの製造方法でもあり、この方法は、一価の非分枝鎖状または分枝鎖状のアルコールまたは相応するチオールを、構造単位
【0055】
【化6】

を形成するモノマーと反応させ、かつ
− 末端OH基を直接エチレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなる混合物と反応させるか、あるいは
− 末端OH基をまず第一もしくは第二アミンへと反応させ、かつ引き続きエチレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなる混合物と反応させる
ことを特徴とする。
【0056】
本発明による方法は、大工業的に容易に実現可能な反応により所望のコサーファクタント構造へとつながる、大工業的に入手可能な原料に基づいている。
【0057】
アルコキシル化触媒として塩基、たとえばアルカリ金属水酸化物またはアルカリ金属アルコラートを使用することができるが、しかし、ルイス酸、たとえばBF、SbCl、SnCl×2HO、BF×HBOまたはBFジエーテラートも使用することができる。特に適切なアルコキシル化触媒は複水酸化物の粘土、たとえばハイドロタルサイトであり、これはたとえばDE−A4325237に記載されているように特に添加剤により変性されていてもよい。
【0058】
アルコキシル化触媒の選択に応じて、そのつどアルコキシレートの特別な特性が、特にアルコキシル化度の分布に関して得られる。従って最後に挙げた複水酸化物の粘土を使用する場合には、狭い分子量分布を有するか、または同族体分布を有するアルコキシル化生成物が得られ、これらは本発明による混合物中でコサーファクタントとして使用するために特に好適である。
【0059】
前記の有利な特性は、特にアルコキシル化度に関して、たとえばDE−A10243361にアルコキシル化触媒として記載されている複金属シアン化物(DMC)化合物の使用によっても達成される。
【0060】
本発明の対象は、界面活性剤および前記のコサーファクタントをエマルション、特に油/水−エマルション、水/油−エマルション、マイクロエマルションまたは水/油/水−エマルションのような複エマルションの安定化のために含有する混合物の使用でもある。安定化とはこの関連では、コサーファクタントの添加により界面活性剤の効率を向上すること、つまり定義された条件下での定義された油/水−混合物の可溶化をわずかな量の界面活性剤で可能にすることを意味する。
【0061】
特に有利には前記のコサーファクタントはマイクロエマルションの安定化のために、つまり与えられた温度での界面活性剤の最も低い濃度を表し、ここからマイクロエマルションの熱力学的な状態、つまり肉眼での観察において単相の状態となる、いわゆるX点(クラフト点)を、より低い界面活性剤濃度へと移動するために適切である。
【0062】
本発明による混合物は基本的に、エマルションが1つの役割を果たす全ての分野において、たとえば界面活性剤およびABブロックコポリマーを添加剤(コサーファクタント)として含有し、さらに添加剤を含有し、その効率を界面活性剤/添加剤系により向上することができる混合物のためのDE−A10118480に記載されている適用分野で使用することができる。たとえば植物を強くするか、成長させるか、もしくは保護する薬剤、殺微生物作用を有する製品、ポジティブもしくはネガティブに作用する微生物を有する製品、特に酵素を含有する製品、家庭用および商業用の洗浄剤および/または手入れ剤、殺菌剤、ヘアケア製品、ボディケア製品または洗浄剤、車両用の洗浄剤、手入れ剤および/または保存剤、テキスタイル処理剤、皮革および/または毛皮の手入れ剤、塗料、上塗り塗料、医薬品、建築助剤、歯磨き用ペーストまたは洗口剤としてである。
【0063】
DE−A10118480に、付加的な殺菌剤、微生物および/または任意のその他の作用物質と関連して界面活性剤/ABブロックコポリマー系に関して記載されているような相乗効果は、相応して界面活性剤およびコサーファクタントを含有し、ならびに相応する添加剤、特に殺菌剤、微生物および/または任意のその他の作用物質を含有する本発明による混合物を含有する系について達成される。
【0064】
本発明の対象は、コサーファクタントとして一般構造式
【0065】
【化7】

[式中、
A′は1〜60の炭素原子を有する非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、
YはOまたはSであり、
Aは式
【0066】
【化8】

の構造単位であり、上記式中、R、R、RおよびRは相互に無関係に置換基の水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、オクチルまたはフェニルであり、ただしその際、置換基R、R、RおよびRの最大で3つが水素であり、
mは10〜300の範囲の変数であり、
Xは式
【0067】
【化9】

の構造単位であり、上記式中、置換基R、R、RおよびRは相互に無関係にそのつど置換基の水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、オクチルまたはフェニルであり、q=0またはq=1であり、
Bはエチレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなる混合物をベースとするモノマーのサブユニットであり、
nは20〜500の範囲の変数であり、かつ
p=q+1である]を有する両親媒性ポリマーを使用することを特徴とする、界面活性剤およびコサーファクタントを含有するマイクロエマルションでもある。
【0068】
マイクロエマルションは基本的に使用可能な界面活性剤または界面活性剤混合物に関して限定されていない。有利な界面活性剤は前記のものである。
【0069】
界面活性剤および上記のコサーファクタント以外に、マイクロエマルションは極性相、通常は水ならびに無極性相、通常は1もしくは複数の炭化水素を含有する。
【0070】
有利であるのは、式中でA′−Yが、1分子あたり8〜30の炭素原子を有する脂肪族、脂環式、芳香族または脂肪族芳香族の一価アルコール基またはチオール基であるコサーファクタントを含有するマイクロエマルションである。
【0071】
有利にはマイクロエマルションはその構造単位Aが以下のモノマーの1もしくは複数から形成されているコサーファクタントを含有する:プロピレンオキシド、n−ブチレンオキシド、i−ブチレンオキシド、n−ペンテンオキシド、デセンオキシド、スチレンオキシドまたは工業的に入手可能なラフィネート流の酸化物からなる混合物。
【0072】
有利にはマイクロエマルションを形成するコサーファクタント中で変数mは50〜250、特に60〜160の範囲の値である。
【0073】
さらに有利にはマイクロエマルションを形成するコサーファクタント中で変数nは50〜300の範囲の値である。
【0074】
マイクロエマルションを形成するコサーファクタント中でBは有利にはプロピレンオキシドを0〜50%、特に有利には5〜20%含有するエチレンオキシド/プロピレンオキシド混合物である。
【0075】
本発明による混合物は疎水性物質を吸収および放出するために最適であり、特に硬質表面のための洗剤、乳化剤、起泡調節剤、湿潤剤としての使用のために、または有機、無機、生物有機化学または光化学反応のための反応媒体として最適である。
【0076】
有利であるのは硬質表面を洗浄するための洗剤、界面活性剤組成物、保湿剤、化粧品、医薬品または農薬組成物、塗料、被覆剤、接着剤、皮革脱脂剤、テキスタイル産業、繊維加工、金属加工、食品産業、水処理、製紙業、発酵、鉱物加工、火災保護のための組成物または乳化重合における使用である。
【0077】
本発明の対象はまた、通常の含有物質と並んで、界面活性剤と前記のコサーファクタントをと含有する混合物または界面活性剤とコサーファクタントとを含有するマイクロエマルションを含有する、洗剤、クリーニング剤、殺菌剤、湿潤剤、被覆剤、接着剤、皮革脱脂剤、保湿剤またはテキスタイル処理剤または医薬、食品、農薬または化粧品組成物、特に日焼け止め、肌の手入れ剤またはヘアスタイリング剤、シャワージェル、シャンプー、入浴剤または香油である。
【0078】
特に好適であるのは、少なくとも1のレチノイド、少なくとも1の水溶性酸化防止剤および少なくとも1の油溶性酸化剤を含有する化粧品、医薬品ならびに食品分野における使用のための組成物中での本発明による混合物の使用であり、これはたとえば未公開のドイツ国特許出願DE10233740.3に記載されており、その開示内容をこれにより完全に本特許出願に取り入れる。これは化粧品ならびに皮膚用または医薬用組成物であり、これらは通常、少なくとも1の油相を有する担体をベースとして構成されている。これに応じてオイル、クリーム、ペーストまたはオイルフリーのゲルまたは有利にはエマルションが考えられる。
【0079】
前記の組成物はレチノイド1質量部あたり、1もしくは複数の水溶性の酸化防止剤を少なくとも1質量部および1もしくは複数の油溶性酸化防止剤を0.1〜100質量部含有しており、その際、1もしくは複数の水溶性酸化防止剤の含有率は組成物の全量に対して0.05〜0.8質量%の範囲である。
【0080】
レチノイドとは、ビタミンAアルコール(レチノール)およびその誘導体、たとえばビタミンAアルデヒド(レチナール)、ビタミンA酸(レチン酸)およびビタミンAエステル、たとえば酢酸レチニルおよびパルミチン酸レチニルが考えられる。レチン酸の概念はこの場合、オール−トランスレチン酸および1,3−シスレチン酸を含む。レチノールおよびレチナールの概念は有利にはオール−トランス化合物を含む。有利なレチノイドとして本発明による組成物のためにオール−トランス−レチノールを使用する。
【0081】
水溶性の酸化防止剤として、特にアスコルビン酸、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、イソアスコルビン酸、チオグリセリン、チオソルビット、チオ尿素、チオグリコール酸、塩酸システイン、1,4−ジアザビシクロ−(2,2,2)−オクタンまたはこれらの混合物が考えられる。
【0082】
有利な水溶性酸化防止剤はアスコルビン酸(L−アスコルビン酸)およびイソアスコルビン酸(D−アスコルビン酸)、特に有利にはL−アスコルビン酸である。
【0083】
特に有利に使用されるL−アスコルビン酸は、遊離酸であってもよいが、しかしこれらの塩であってもよい。L−アスコルビン酸の塩のための例は、L−アスコルビン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、たとえばL−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウムまたはL−アスコルビン酸カルシウム、あるいはまたL−アスコルビン酸と有機アミン化合物との塩、たとえばアスコルビン酸コリンまたはL−アスコルビン酸カルニチンである。とりわけ有利には遊離のL−アスコルビン酸またはL−アスコルビン酸ナトリウムを使用する。同じことがD−アスコルビン酸の使用にも妥当する。
【0084】
油溶性の酸化防止剤として特にブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、α−トコフェロール、フェニル−α−ナフチルアミンまたはこれらの混合物が考えられる。
【0085】
有利な油溶性酸化防止剤はα−トコフェロールであり、これは(R,R,R)−α−トコフェロールであっても、(オール−rac)−α−トコフェロールであってもよい。
【0086】
化粧品または医薬品組成物には通常の助剤、たとえば補助乳化剤、脂肪およびワックス、安定剤、増粘剤、ビオゲン作用物質、塗膜形成剤、香料、着色剤、パール光沢剤、保存剤、顔料、電解質(たとえば硫酸マグネシウム)およびpH調節剤が考えられる。補助乳化剤として有利には公知のW/O乳化剤およびその他にO/W乳化剤、たとえばポリグリセリンエステル、ソルビタンエステルまたは部分的にエステル化されたグリセリドが考えられる。脂肪のための典型的な例はグリセリドである:ワックスとして特にミツロウ、パラフィンロウまたはマイクロワックスが挙げられ、これらは場合により親水性ワックスと組み合わされる。安定剤として脂肪酸の金属塩、たとえばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムおよび/またはステアリン酸亜鉛を使用することができる。適切な増粘剤はたとえば架橋したポリアクリル酸およびこれらの誘導体、多糖類、特にキサンタンゴム、グァーゴム、寒天、アルギン酸塩およびチロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、さらに脂肪アルコール、モノグリセリドおよび脂肪酸、ポリアクリレート、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンである。ビオゲン作用物質とはたとえば植物抽出物、タンパク質加水分解物およびビタミン複合体であると理解すべきである。慣用の塗膜形成剤はたとえばヒドロコロイド、たとえばキトサン、微結晶キトサンまたは四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン−酢酸ビニル−コポリマー、アクリル酸系列のポリマー、四級セルロース誘導体および類似の化合物である。保存剤としてたとえばホルムアルデヒド溶液、p−ヒドロキシ安息香酸塩またはソルビン酸が適切である。パール光沢剤としてたとえばグリコールジステアリン酸エステル、たとえばエチレングリコールジステアレート、あるいはまた脂肪酸および脂肪酸モノグリコールエステルが考えられる。着色剤として化粧品用に適切であり、かつ認容されている物質、たとえばドイツ研究機関(Deutsche Forschungsgemeinschaft)の着色剤委員会の刊行物”Kosmetische Faerbemittel”(Verkag Chemie、Weinheim、1984)にリストアップされている物質を使用することができる。これらの着色剤は通常、全混合物に対して0.001〜0.1質量%の濃度で使用される。
【0087】
本発明による混合物は有利には、少なくとも1のUVフィルターを含有する化粧品および皮膚用の組成物中で、特に有利にはUV−B−フィルターとしてBASF社から商品名Uvinul(R)T150で市販されている2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2′−エチル−ヘキシル−1′−オキシ)−1,3,5−トリアジンを、およびUV−A−フィルターとしてBASF社から商品名Uvinul(R)A Plusで市販されているN,N−ジエチルアミノ−ヒドロキシベンゾイル−n−ヘキシルベンゾエートを含有する化粧品または皮膚用組成物中でも使用することができる。
【0088】
特に有利には本発明による混合物は、たとえば未公開のドイツ国特許出願DE102004007885.8に記載されているように化粧品または皮膚用組成物中に含有されていてもよく、該出願をこれにより本特許出願の開示内容に取り入れる。
【0089】
前記の特許出願には酸化亜鉛および/または二酸化チタンと共にUvinul(R)T150、Uvinul(R)A Plusからなる組み合わせが記載されており、その際、付加的に以下の表からのUV−A−およびUV−B−フィルター物質が含有されていてもよい。
【0090】
【表1】

【0091】
【表2】

【0092】
光安定剤を含有する化粧品および皮膚用組成物は通常、少なくとも1の油相を含有する担体をベースとする。これに応じて、オイル、水中油型エマルションおよび油中水型エマルション、クリームおよびペースト、唇保護用のリップスティック材料またはオイルフリーのゲルが考えられる。
【0093】
従ってこのような光保護組成物は液状、ペースト状または固体の形で存在していてよく、たとえば油中水型クリーム、水中油型クリームおよびローション、エーロゾルフォームクリーム、ゲル、オイル、ワックススティック(Fettstifte)、パウダー、スプレーまたはアルコール−水性のローションとして存在していてよい。
【0094】
化粧品中の通常の油成分はたとえば液状パラフィン、ステアリン酸グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチルステアリルエステル、水素化ポリイソブテン、ワセリン、カプリル酸/カプリン酸−トリグリセリド、微結晶ロウ、ラノリンおよびステアリン酸ならびにシリコーン油である。
【0095】
適切なシリコーン油はたとえば線状ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、環式シロキサンおよびこれらの混合物である。ポリジメチルシロキサンおよびポリ(メチルフェニルシロキサン)の数平均分子量は有利には約1000〜150000g/モルの範囲である。有利な環式シロキサンは4員〜8員の環を有する。適切な環式シロキサンはたとえば商品名シクロメチコーンで市販されている。
【0096】
製造例
13−オキソアルコールと、C13−オキソアルコール1モルあたり100モルのブチレンオキシドを2工程で反応させ、かつ引き続きC13−オキソアルコール1モルあたり164モルのエチレンオキシドと反応させることにより以下に記載されているように両親媒性ポリマーを製造した:
工程I C13−オキソアルコールと、C13−オキソアルコール1モルあたり22モルのブチレンオキシドとの反応
13−オキソアルコール50gおよびカリウム−t−ブチラート0.9gを2lの金属反応器に装入し、かつ引き続きそのつど5バールの窒素で3回不活性化した。反応器内容物を140℃に加熱し、かつ引き続きブチレンオキシド396gを計量供給した。圧力が一定になるまで後攪拌した。反応器を冷却および放圧し、かつ脱気した後に回転蒸発器を用いて80℃および3〜ミリバールでC13−オキソアルコール445.5.gが得られ、これは22当量のブチレンオキシド/モルでアルコキシル化されていた。
【0097】
工程II C13−オキソアルコールと、C13−オキソアルコール1モルあたり78モルのブチレンオキシドとの反応
工程IからのC13−オキソアルコールブトキシレート446gおよびカリウム−t−ブチラート3.7gを3.5lの金属反応器に装入し、かつ引き続き、そのつど5バールの窒素で3回不活性化した。反応器内容物を140℃に加熱し、かつ引き続きブチレンオキシド1404gを計量供給した。圧力が一定になるまで後攪拌した。反応器を冷却および放圧し、かつ脱気した後で回転蒸発器を用いて80℃および3〜4ミリバールでC13−オキソアルコール1847.3gが得られ、これは100当量のブチレンオキシド/モルによりアルコキシル化されていた。
【0098】
工程III C13−オキソアルコールブトキシレートと、C13−オキソアルコール1モルあたり164モルのエチレンオキシドとの反応
工程IIからのC13−オキソアルコール−ポリブトキシレート196gおよびカリウム−t−ブチレート0.9gを2lの金属反応器に装入し、かつ引き続きそのつど5バールの窒素で3回不活性化した。反応器内容物を120℃に加熱し、かつ引き続きエチレンオキシド190gを計量供給した。圧力が一定になるまで後攪拌した。反応器を冷却および放圧し、かつ脱気した後で回転蒸発器を用いて80℃および3〜4ミリバールで次の組成を有する生成物が得られた:
【0099】
【化10】

[式中、
A′−OはC13−オキソアルコールであり、
Aは式
【0100】
【化11】

の構造単位(上記式中、基R〜Rの1つはエチル基であり、かつ残りの3つの基は水素である)であり、
Xは式
【0101】
【化12】

の構造単位(式中、q=0である)であり、かつ
Bはエチレンオキシドをベースとするモノマーのサブユニットである]。
【0102】
OH価:13mgKOH(理論値:10mgKOH/g)、
塩基価:0.4mgKOH/g。
【0103】
適用例
以下の図面ではX点、つまり参照系である水/n−デカンおよび与えられた界面活性剤(BASF社のLutensol(R)ON50)に関して水およびn−デカン相が完全に混和可能であり、かつ熱力学的に安定したマイクロエマルションが生じる、与えられた温度での界面活性剤の最低濃度の推移が記載されている。
【0104】
添付の図面では横座標に界面活性剤Lutensol(R)ON50の濃度が、図面ではCTensidで質量%により記載されており、かつ縦座標に温度が℃で記載されている。それぞれの相図(”フィッシュ”の相図)からの一部はIの前記の参照系水/n−デカン1:1および前記の界面活性剤Lutensol(R)ON50に関してIに比較のために、つまりコサーファクタントを添加しないで、およびIIに前記の製造例で記載したコサーファクタントを、界面活性剤に対して10%の濃度で添加した本発明による適用例を記載している。記載は、X点が比較例の界面活性剤22.5%から、コサーファクタントの添加により本発明による実施例では界面活性剤15%へと移動したことを示している。
【0105】
化粧品および皮膚用組成物のための適用例
化粧品または皮膚用組成物を製造するために、前記の製造例からの工程Iと同様に、C13−オキソアルコールを、C13−オキソアルコール1モルあたり22モルのブチレンオキシドとの反応および引き続き前記の製造例の工程IIIと同様の反応により、ただし、合計して48モルのアルキレンオキシド(そのうちエチレンオキシド0.95%およびプロピレンオキシド0.05%)を用いて得られたコサーファクタントを使用した。この両親媒性ポリマーを以下の表ではコサーファクタントとよぶ。
【0106】
化粧品または皮膚用の適用のためのエマルションを以下の一般的な規定により製造した:
それぞれの相A(油含有)およびB(水性)を別々に約85℃に加熱した。相Aをゆっくり攪拌し、かつ相Bを相Aへ攪拌導入し、その際、混合温度を80℃以上に維持した。ゆっくり攪拌しながら室温に冷却した。
【0107】
例1について相AおよびBの組成は以下の表に記載されている:
例1
【0108】
【表3】

【0109】
室温で安定しており、噴霧可能で、かつ50mPasを下回る動的粘性率を有するマイクロエマルションが得られた。
【0110】
比較例1
コサーファクタントの量を0.4質量%に下げた。安定したマイクロエマルションは得られなかった。
【0111】
比較例2
界面活性剤(例1に関して記載した表中の相Aからの最初の2つの成分)の量を6質量%から4質量%に下げた。安定したマイクロエマルションは得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0112】
【図1】与えられた温度でのX点の移動を示すグラフの図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤およびコサーファクタントを含有する混合物において、コサーファクタントとして一般構造式
【化1】

[式中、
A′は1〜60の炭素原子を有する非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、
YはSまたはOであり、
Aは式
【化2】

の構造単位であり、上記式中、R、R、RおよびRは相互に無関係に置換基の水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、オクチルまたはフェニルであり、ただしその際、置換基R、R、RおよびRの最大で3つが水素であり、
mは10〜300の範囲の変数であり、
Xは式
【化3】

の構造単位であり、上記式中、置換基R、R、RおよびRは相互に無関係にそのつど水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、オクチルまたはフェニルであり、q=0またはq=1であり、
Bはエチレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなる混合物をベースとするモノマーのサブユニットであり、
nは20〜500の範囲の変数であり、かつ
p=q+1である]を有する両親媒性ポリマーを使用することを特徴とする、界面活性剤およびコサーファクタントを含有する混合物。
【請求項2】
A′−Yが1分子あたり8〜30の炭素原子を有する一官能価の非分枝鎖状または分枝鎖状のアルコール基またはチオール基であることを特徴とする、請求項1記載の混合物。
【請求項3】
構造単位Aが1もしくは複数の次のモノマー:プロペンオキシド、1−ブテンオキシド、2,3−ブテンオキシド、2−メチル−1,2−プロペンオキシド(イソブテンオキシド)、1−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド、2−メチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ブテンオキシド、2,3−ヘキセンオキシド、3,4−ヘキセンオキシド、2−メチル−1,2−ペンテンオキシド、2−エチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ペンテンオキシド、デセンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、スチレンオキシドから、または工業的に入手可能なラフィネート流の酸化物からなる混合物から形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の混合物。
【請求項4】
変数mが50〜250、有利には60〜160の範囲の値であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の混合物。
【請求項5】
変数nが50〜300の範囲の値であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の混合物。
【請求項6】
Bがプロピレンオキシドを0〜50%、有利には5〜20%含有するエチレンオキシド/プロピレンオキシドの混合物であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の混合物。
【請求項7】
一般構造式(I)
【化4】

[式中、
A′は1〜60の炭素原子を有する非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、
YはSまたはOであり、
Aは式
【化5】

の構造単位であり、上記式中、R、R、RおよびRは相互に無関係に置換基の水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、オクチルまたはフェニルであり、ただしその際、置換基R、R、RおよびRの最大で3つが水素であり、
mは10〜300の範囲の変数であり、
Xは式
【化6】

の構造単位であり、上記式中、置換基R、R、RおよびRは相互に無関係にそのつど水素、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、オクチルまたはフェニルであり、q=0またはq=1であり、
Bはエチレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなる混合物をベースとするモノマーのサブユニットであり、
nは20〜500の範囲の変数であり、かつ
p=q+1である]を有する両親媒性ポリマーの製造方法において、非分枝鎖状または分枝鎖状のモノヒドロキシアルキル−、−アリール−または−アラルキルアルコールA′−OHまたは相応するチオールA′−SHを、構造単位
【化7】

を形成するモノマーと反応させ、かつ
− 末端OH基を直接エチレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなる混合物と反応させるか、あるいは
− 末端OH基をまず第一もしくは第二アミンへと反応させ、かつ引き続きエチレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなる混合物と反応させる
ことを特徴とする、両親媒性ポリマーの製造方法。
【請求項8】
エマルション、有利にはマイクロエマルションを安定させるための請求項1から6までのいずれか1項記載の混合物の使用。
【請求項9】
界面活性剤およびコサーファクタントを含有するマイクロエマルションにおいて、コサーファクタントとして一般構造式
【化8】

[式中、
A′は1〜60の炭素原子を有する非分枝鎖状もしくは分枝鎖状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、
YはSまたはOであり、
Aは式
【化9】

の構造単位であり、上記式中、R、R、RおよびRは相互に無関係に置換基の水素、メチル、エチル、プロピル、オクチルまたはフェニルであり、ただしその際、置換基R、R、RおよびRの少なくとも2つおよび最大で3つが水素であり、
mは10〜300の範囲の変数であり、
Xは式
【化10】

の構造単位であり、上記式中、置換基R、R、RおよびRは相互に無関係に置換基の水素、メチル、エチル、プロピル、オクチルまたはフェニルであり、q=0またはq=1であり、
Bはエチレンオキシドまたはエチレンオキシドとプロピレンオキシドとからなる混合物をベースとするモノマーのサブユニットであり、
nは20〜500の範囲の変数であり、かつ
p=q+1である]を有する両親媒性ポリマーを使用することを特徴とする、界面活性剤およびコサーファクタントを含有するマイクロエマルション。
【請求項10】
A′−Yが1分子あたり8〜30の炭素原子を有する一官能価の非分枝鎖状または分枝鎖状の脂肪族アルコール基またはチオール基であることを特徴とする、請求項9記載のマイクロエマルション。
【請求項11】
構造単位Aが1もしくは複数の次のモノマー:プロペンオキシド、1−ブテンオキシド、2,3−ブテンオキシド、2−メチル−1,2−プロペンオキシド(イソブテンオキシド)、1−ペンテンオキシド、2,3−ペンテンオキシド、2−メチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ブテンオキシド、2,3−ヘキセンオキシド、3,4−ヘキセンオキシド、2−メチル−1,2−ペンテンオキシド、2−エチル−1,2−ブテンオキシド、3−メチル−1,2−ペンテンオキシド、4−メチル−1,2−ペンテンオキシド、デセンオキシド、スチレンオキシドから、または工業的に入手可能なラフィネート流の酸化物からなる混合物から形成されていることを特徴とする、請求項9または10記載のマイクロエマルション。
【請求項12】
変数mが50〜250、有利には60〜160の範囲の値であることを特徴とする、請求項9から11までのいずれか1項記載のマイクロエマルション。
【請求項13】
変数nが50〜300の範囲の値であることを特徴とする、請求項9から12までのいずれか1項記載のマイクロエマルション。
【請求項14】
Bがプロピレンオキシドを0〜50%、有利には5〜20%含有するエチレンオキシド/プロピレンオキシドの混合物であることを特徴とする、請求項9から13までのいずれか1項記載のマイクロエマルション。
【請求項15】
硬質表面のための洗剤、乳化剤、起泡調節剤、湿潤剤として、または有機、無機、生物有機化学または光化学反応のための反応媒体としての請求項1から6までのいずれか1項記載の混合物または請求項9から14までのいずれか1項記載のマイクロエマルションの使用。
【請求項16】
硬質表面を洗浄するための洗剤、界面活性剤組成物、保湿剤、化粧品、医薬品または農薬組成物、塗料、被覆剤、接着剤、皮革脱脂剤、テキスタイル産業、繊維加工、金属加工、食品産業、水処理、製紙業、発酵、鉱物加工、火災保護のための組成物または乳化重合における請求項15記載の使用。
【請求項17】
通常の含有物質と並んで、請求項1から6までのいずれか1項記載の混合物または請求項9から14までのいずれか1項記載のマイクロエマルションを含有する、洗剤、クリーニング剤、湿潤剤、被覆剤、接着剤、皮革脱脂剤、保湿剤またはテキスタイル処理剤または医薬、農薬または化粧品組成物、特に日焼け止め、肌の手入れ剤またはヘアスタイリング剤、シャワージェル、シャンプー、入浴剤または香油。

【図1】
image rotate


【公表番号】特表2007−534779(P2007−534779A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529898(P2006−529898)
【出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005518
【国際公開番号】WO2004/103542
【国際公開日】平成16年12月2日(2004.12.2)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】