説明

異方性多孔質エラストマー

異方性多孔質エラストマー
三つの直交方向のうちの一方向における圧縮率が、他の二つの方向における圧縮率よりも大きく、その係数が少なくとも1.5である異方性を有することを特徴とする異方性多孔質エラストマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、三つの直交方向のうちの一方向における圧縮率が、他の二つの方向における圧縮率よりも大きく、その係数が少なくとも1.5、好ましくは2〜50である異方性を有する(前記圧縮率は、好ましくはDIN ISO 7743に準拠した方法によって測定される)、好ましくは外的影響がない、特に人工磁場による作用もない異方性である多孔質エラストマーに関する。さらに、本発明は、好ましくは一つの空間方向に沿って相互に平行である鎖状配列を有する磁化可能な粒子を含む多孔質エラストマーに関する。さらに、本発明は、多孔質エラストマー、好ましくは多孔質ポリウレタンエラストマー、特に好ましくは、DIN EN ISO 845に準拠した密度が200kg/m3〜5000kg/m3である(前記密度は、磁化可能な粒子を含む多孔質ポリウレタンエラストマーの全質量に対する密度である)多孔質ポリウレタンエラストマーの製造方法であって、多孔質エラストマーを磁化可能な粒子の存在下で製造することにより多孔質エラストマー中に磁化可能な粒子を存在させ、且つ多孔質エラストマーの製造を、流束密度が0.01テスラよりも大きい、好ましくは流束密度が0.05〜2テスラの範囲内である好ましくは人工磁場の存在下で行うことを特徴とする方法に関する。さらに、本発明は、当該方法によって得られる多孔質エラストマー、特に本発明の多孔質エラストマーを用いた自動車のヘルパースプリング、自動車の衝撃吸収ベアリング、自動車のシャーシベアリングに関する。
【背景技術】
【0002】
場合により尿素構造を含んでいてもよく、イソシアネートとイソシアネートに対して反応性がある化合物とを反応させることにより得られる、微多孔質などの多孔質のポリイソシアネート重付加物、通常はポリウレタン及び/又はポリイソシアヌレート、及びこれらの製造方法は、一般的に知られている。
【0003】
これらの製造物の特有の形態は、通常は200〜700kg/m3、好ましくは300〜700kg/m3と著しく高い密度を有し、特有の物理的特性及び用いられ得る用途が従来のポリウレタンフォームとは異なる、多孔質、特に微多孔質のポリウレタンエラストマーである。このようなポリウレタンエラストマーは、特に車両構造体における振動吸収及び衝撃吸収要素として用いられる。自動車では、ポリウレタンエラストマーから製造されたスプリング要素は、衝撃吸収材、螺旋ばね、及びエラストマースプリングからなる全衝撃吸収支柱ユニットにおける衝撃吸収材のピストンロッドに押し付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多孔質ポリウレタンエラストマーの材料硬度は密度を介してのみ設定されることから、多孔質ポリウレタンエラストマーは特定の材料硬度以下のみで製造される。しかしながら、サスペンション/シャーシ分野におけるホイール案内エラストマー用途(ベアリング)では、高い硬度が確実に必要とされる。したがって、一つの力方向(車両に対して直角)における硬度の増加は許容するが、他の方向では変化がない(柔軟である)手段が求められている。
【0005】
また、高い硬度は、ポリウレタンエラストマーに基づく空洞の円筒状ヘルパースプリングが、中心部全体にわたって型から取り除くことができなくなるという不都合を有する。ここでは、好ましくは力の方向のみにおけるより高い硬度が解決策となる。
【0006】
したがって、本発明の目的は、上述した問題を解決し、特に自動車シャーシにおけるホイール案内用途用であり、高い材料硬度及び密度の利点と、公知のポリウレタンエラストマーの利点とが組合わされた、多孔質ポリイソシアネート重付加物、好ましくは多孔質ポリウレタンエラストマー、及びその製造技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、初めに記載した異方性多孔質エラストマーによって解決することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の異方性多孔質エラストマーの圧縮率は、特に好ましくは下記変更が加えられたDIN ISO 7743に基づく方法によって測定されるのが好ましい:
・DIN ISO 7743のB法に準拠して、試験片を試験機の取り付け盤に接着接合させる。
【0009】
・圧縮特性を10mm/分に代えて30mm/分の試験速度で決定する。
【0010】
・試験片は、直径29mm及び高さ12.5mmに代えて、直径9.0mm及び厚さ4.0mmの円盤状である。
【0011】
・DIN ISO 7743において規定される10%又は20%に変えて4%の変形を与えた際の力−変形曲線(force−deformation curve)から、圧縮率を決定する。
【0012】
最大変形は25%に代えて7%である。
【0013】
本発明の成形体では、力の方向において高い硬度(優れた剛性)を有するにもかかわらず、中心部全体にわたって型から取り除くことが可能な、硬質の多孔質ポリウレタンエラストマーヘルパースプリングを製造することができる。
【0014】
さらに、本発明によれば、半径方向における特性線の著しい広がり(ハンドリング性を最適化するために運動方向に対して垂直な硬さと、交通騒音を減じるために運動方向に対して平行な柔軟性)を有する衝撃吸収ベアリングを製造することもできる。この特性線の広がりは、特に衝撃吸収材、さらには衝撃吸収材ベアリングがホイール(マクファーソン式前車軸の場合など)の案内に重要な役割を果たす際に重要である。
【0015】
さらに、横断/平行方向における特性線の上述した広がりが必要とされることから、本発明はシャーシ分野における多孔質エラストマーのさらなる用途を広げることが可能となる。
【0016】
本発明の多孔質エラストマーは、自動車構造体などの車両構造体におけるダンピング及びベアリング要素、例えば、ヘルパースプリング、激突緩衝材、衝撃吸収支柱支持ベアリング(特にマクファーソン式車軸)、衝撃吸収ベアリング、補助フレームベアリング、横断及び平行ステアリングベアリング等として好適に用いられる。
【0017】
有用な多孔質エラストマーは、磁化可能な粒子の存在下で製造される一般的に公知のエラストマーである。初めに記載した通り、ポリウレタンエラストマーが好ましい。配列された磁化可能な粒子を含まないエラストマーは、一般的に知られており、広く開示されている。エラストマーは、ポリイソシアネート重付加物に基づき、好ましくは0.01mm〜1mm、特に好ましくは0.01〜0.25mmの直径を有するセルを有する微多孔質エラストマーであるのが好ましい。ポリイソシアネート重付加物に基づくエラストマー及びその製造は、一般的に知られており、EP−B1171515、EP−A62835、EP−A36994、EP−A250969、DE−A19548770、及びDE-A19548771などにおいて広く開示されている。
【0018】
本発明による多孔質エラストマーの異方性は、磁化可能な粒子、好ましくは強磁性又はフェリ磁性特性、特に好ましくは軟磁性の強磁性又はフェリ磁性を有する磁化可能な粒子を含む多孔質エラストマーによって得られる。
【0019】
多孔質エラストマーへの磁化可能な粒子の等方性の組み込みは、WO2006/007882において知られている。緻密なエラストマーへの磁化可能な粒子の等方性又は異方性の組み込みは、US6,476,113B1、US2005/0116194A1、又はWO2006/024457A1などから分かる。本発明における磁化可能な粒子の材料としては、上述した文献に記載されている材料を用いることができる。好ましくは、鉄、コバルト、ニッケル(不純物を含んだ形態)、及びこれらの合金、例えば、鉄−コバルト、鉄−ニッケル、磁性鋼、鉄−ケイ素、及び/又はこれらの混合物、また立体形フェライト、ペロブスカイト、及びMn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ti、Cd、マグネシウム、及びこれらの混合物よりなる群からの1種以上の金属を含む一般式MO・Fe23で示されるガーネットなどの酸化セラミック材料などである。MnZn、NiZn、NiCo、NiCuCo、NiMg、CuMgフェライト、及び/又はこれらの混合物、炭化鉄、鉄窒化物、バナジウム、タングステン、銅、及びマンガンの合金、及び/又はこれらの混合物が好ましい。特に有用な材料はマグネタイト(Fe34)である。
【0020】
磁化可能な粒子としては、鉄粉末、好ましくは微粉鉄粉末、特に好ましくはペンタカルボニル鉄から好適に調製された炭化鉄、ガス及び/又は水噴霧鉄粉末、コーティングされた鉄粉末、及び上述した磁化可能な粒子の混合物を用いるのが好ましい。磁化可能な粒子の平均最大径は、0.01〜1000μmであるのが好ましい。
【0021】
磁化可能な粒子の形状は、同一であっても異なっていてもよい。磁化可能な粒子は、例えば、球状、棒状、又は針状などである。高い充填量が必要とされる場合には、ボール状、又はボール状に類似した形状などの球状が特に好ましい。
【0022】
球状の粒子が用いられる場合、平均径[d50]は、好ましくは0.01〜1000μm、より好ましくは0.1〜100μm、特に好ましくは0.5〜10μmである。上述した平均径の大きさの順序は、再分散性及び粒子を含むPU成分の流動性をさらに向上させることができることから、本発明の異方性多孔質エラストマーの製造において特に重要である。
【0023】
球状粒子が用いられない場合、本発明において用いられる磁化可能な粒子の平均最大径は、好ましくは0.01〜1000μm、より好ましくは0.1〜500μmである。金属粉末を磁化可能な粒子として用いる場合、金属粉末は相当する金属酸化物の還元によって得られる。当該還元の後に、必要に応じて、ふるい分け法又はミリング法を行ってもよい。好ましい金属粉末の他の製造方法としては、電着、又は水噴霧若しくはガス噴霧による金属粉末の製造などがある。また、磁化可能な粒子の混合物を使用することもできる。特に、磁化可能な粒子の粒度分布が二峰性であってもよい。
【0024】
初めに記載した通り、本発明は、好ましくは一つの空間方向に沿って相互に平行である鎖状配列を有する磁化可能な粒子を含む多孔質エラストマーをさらに提供する。磁化可能な粒子が鎖状に配列し、この鎖が相互に平行に配列しているのが好ましい。鎖は、直線状、すなわち空間方向に対して平行に存在するか、又はU型などの弧状に存在するのが好ましいが、直線状に存在するのが特に好ましい。エラストマー中の磁化可能な粒子は、局所的に配列の程度が異なっていてもよい。エラストマー中の局所配列は、鎖に沿った平均粒子間隔と鎖に対して垂直な平均粒子間隔との比などによって、一定の充填量で決定することができる。当該比が磁化可能な粒子による所定の充填量においてより大きいと、より顕著な局所配列となる。磁化可能な粒子の鎖状配列は、多孔質エラストマーの成形体全体を貫通していてもよく、より短くてもよい。多孔質構造による中断によって、短い鎖となる。
【0025】
多孔質ポリウレタンエラストマーにおける磁化可能な粒子は、好ましくは一つの空間方向に沿って鎖状配列を有し、これにより配向された異方性となる。この鎖状配列は、多孔質エラストマーの製造及び多孔質エラストマーの硬化により前記配列が固定される間における磁化可能な粒子の磁場の作用によるものである。この鎖状配列の発現は、磁化可能な粒子が相互に隣接して存在することを意味している。相互に隣接している磁化可能な粒子の列(鎖)は、一つの空間方向に沿って、すなわち構成要素がより大きな弾性率を有する空間方向に沿って、構成要素を貫通する。大多数の磁化可能な粒子の平行列が存在しているのが好ましい。前記列の平均間隔は、磁化可能な粒子の充填度の増加につれて小さくなる。
【0026】
多孔質エラストマーは、磁化可能な粒子を含む多孔質エラストマーの全質量に対して、好ましくは1〜95質量%、より好ましくは10〜75質量%の磁化可能な粒子を含む。
【0027】
DIN EN ISO 845に準拠した密度であって、磁化可能な又は磁性の粒子の質量を含む多孔質ポリウレタンエラストマーの全質量に対する前記密度が300kg/m3〜5000kg/m3である、本発明の異方性多孔質エラストマー、好ましくは多孔質ポリウレタンエラストマーの製造方法では、磁化可能な粒子を多孔質エラストマー中に含ませるために、磁化可能な粒子の存在下で多孔質エラストマーを製造し、0.01テスラ(tesla)よりも大きい流束密度、好ましくは0.1〜2テスラ(tesla)の流束密度を有する磁化可能な粒子の存在下で多孔質エラストマーの製造を行う。
【0028】
製造は型の中で行うのが好ましい。出発成分、すなわちイソシアネート(a)及び/又はイソシアネートに対して反応性がある化合物(b)の少なくとも一部に含まれる磁化可能な粒子とともに、イソシアネート(a)を、イソシアネートに対して反応性がある化合物(b)と反応させることにより、型中で、多孔質ポリウレタンエラストマーを製造するのが特に好ましい。
【0029】
ここで、型の容積は、多孔質エラストマーがより大きな弾性率を有することができる空間方向に沿って力線が存在する磁場によって満たされる。磁場は、永久磁石又は電磁石によって生じさせることができる。磁場の存在下での緻密エラストマーの製造は、Ginder等、磁性エラストマー:特性と応用、SPIE版、第3675巻、第131頁、WO2006/024457、及びUS2005/0116194A1において開示されている。
【0030】
永久磁石によって磁場を生じさせる場合、1個の磁石のN極及び他方の磁石のS極を型の内側に向かせるようにして、2個の永久磁石を配置するのが好ましい。磁石は、型の壁中又は型の壁の外部に配置するのが好ましい。永久磁石に有用な材料は、強磁性体又はフェリ磁性体、好ましくは強磁性体の材料、特に好ましくは特に高い永久磁化が可能なネオジム−鉄−ホウ素化合物である。このような磁石は、例えば、ドイツのインターネット供給社 supermagneteから入手することができる。永久磁石は、型の充填前に型の壁中又は型の壁の外側に存在していてもよく、又は型の充填後、かなりの程度の固化が行われる前に型の壁中又は型の壁の外側に置かれてもよい。
【0031】
電磁石を用いる場合、通常、強磁性体又はフェリ磁性体、好ましくは軟磁性鉄からなるヨークの周りに導電体を巻き付ける。ヨークは、磁束密度を向上させ、磁場を導入する役割を果たす。ヨークの磁極片は、型の壁に入れられるか、型の外側に設置され、型は磁場で満たされた空間の間にある。型の充填前か、好ましくは型の充填後であってかなりの程度の固化が行われる前に、電磁石により得られる磁場のスイッチを入れる。
【0032】
磁場を生じさせる他の方法では、永久磁石及び電磁石を組み合わせて用いることができる。型の充填の間などに場がない状態を達成するために、永久磁石の場を電磁石によって相殺することができる。さらに、特に磁力線の方向における多孔質エラストマーの広い横断面において必要とされる磁束密度を達成するために、永久磁石の場を電磁石によって強化することもできる。
【0033】
型/磁石の組み合わせの特別な実施形態では、型充填設備(例えば、ミキシングヘッドなど)、及び次の充填ライン又は次々に磁場にさらすことができる型のカルーセル(carousel)中に、磁石構造物(電磁石、又は永久磁石、又は2個の組合せ)を含む。
【0034】
永久磁石又は電磁石の設計を、多孔質エラストマーの所望する形状や所望する機械特性に合わせるのが好ましい。
【0035】
少なくともエラストマーが十分な程度までに硬化して、磁化可能な粒子の配列が固定するまでは磁場を維持するのが好ましい。
【0036】
型の材料としては、永久磁石及び/又は電磁石によって生じる磁場を阻害しないように、アルミニウムなどの非磁性体を選択することができる;あるいは、最善の方法で永久磁石及び/又は電磁石により生じた磁場に影響を与えるために、磁性材料を少なくとも一部分において意図的に用いることもできる。
【0037】
初めに開示した通り、多孔質ポリウレタンエラストマーの製造方法は公知である。多孔質ポリウレタンエラストマーの製造は、好ましくは2段プロセスにより実施され、特に好ましくは第1工程において、(a)イソシアネートを、(b)イソシアネートに対して反応性がある化合物、及び必要に応じて鎖延長剤及び/又は架橋剤(c)と反応させることによりプレポリマーを調製し、第2工程において、型中で、このプレポリマーを、プレポリマー及び/又は架橋成分、好ましくはプレポリマー中に含まれる磁化可能な粒子とともに、(d)水及び必要に応じて(e)触媒、(f)発泡剤、及び/又は(g)助剤と反応させることにより実施され、多孔質ポリウレタンエラストマーが得られる。
【0038】
好ましいポリウレタンエラストマーの製造について、以下に例を記載する。
【0039】
ポリウレタンエラストマーは、通常、イソシアネートを、イソシアネートに対して反応性がある化合物と反応させることにより得られる。多孔質ポリイソシアネート重付加物に基づくエラストマーは、通常、反応性出発成分が相互に反応する型において製造される。好適な型は、形状によって、スプリング要素の三次元形状を確実にするものである。型材料の選択において、上述したとおり、磁場との相互作用を考慮に入れるのが好ましい。
【0040】
本発明の多孔質エラストマーの製造方法は、以下の出発材料
(a)イソシアネート、
(b)イソシアネートに対して反応性がある化合物、
(d)水;及び
必要に応じて、
(e)触媒、
(f)発泡剤、及び/又は
(g)助剤、
を、上記出発成分の一種以上に添加して用いられる磁化可能な粒子とともに、1段プロセス又は2段プロセスにおいて用いることによって実施するのが好ましい。
【0041】
第1工程においてイソシアネート基を有するプレポリマーを調製する2段工程プロセスにおいて多孔質ポリウレタンエラストマーを製造する場合、初めに記載した磁化可能な粒子を、好ましくはプレポリマーに添加し、好ましくは撹拌、振動、又は他の混合方法によって非常に均一に分散させる。次に、第2工程において、磁化可能な粒子とともにプレポリマーを架橋成分と反応させ、多孔質ポリウレタンエラストマーを得る。
【0042】
2段プロセスによって多孔質ポリウレタンエラストマーを製造しない場合、初めに記載した磁化可能な粒子を、好ましくは、成分(b)又は成分(b)の部分に添加する。成分(b)は、すでに成分(d)、(e)、(f)及び(g)を含んでいるのが好ましい。磁化可能な粒子を、撹拌、振動、又は他の混合方法によって、成分(b)中に非常に均一に分散させるのが好ましい。その後、必要に応じて、成分(f)及び(g)をすでに含んでいる成分(a)を混合する。
【0043】
本発明の多孔質ポリイソシアネート重付加物の製造は、型の内壁の表面温度が、50〜100℃、好ましくは75〜90℃である型中で行うのが好ましい。当該目的において、“型の内壁の表面温度”とは、型の内壁の表面、すなわち成形体の製造の間、成形体の製造における反応組成物と少なくとも一時的に、好ましくは少なくとも10分接触している型の表面の温度である。
【0044】
NCO/OH比を0.85〜1.20として、混合され、且つ成形体の所望する密度に相当する量で加熱された、好ましくはしっかり閉じられた型へ導入された、加熱された出発成分を用いて、成形体の製造を実施するのが好ましい。
【0045】
成形体は、通常、硬化した後、5〜40分後に型から取り除くことができる。
【0046】
得られた成形体が上述した密度を有するように、型へ導入された反応混合物の量を算出する。本発明により得られる多孔質ポリイソシアネート重付加物は、DIN 53420に準拠した密度であって、磁化可能な又は磁性粒子の質量を含む多孔質ポリウレタンエラストマーの全質量にする前記密度が、200〜5000kg/m3、特に好ましくは300〜2000kg/m3であるのが好ましい。
【0047】
出発成分は、型に導入する際に、通常、15〜120℃、好ましくは30〜110℃の温度を有する。成形体を製造するための圧縮度は、1.1〜8、好ましくは2〜6である。
【0048】
本発明の多孔質ポリイソシアネート重付加物は、低圧技術又は高圧法、又は特に開放又は好ましくは密閉された型中での公知の反射射出成形技術(RIM)を用いて、1回成形法(one−shot process)によって有利に製造される。前記反応は、特に密閉された型において圧縮して行われる。
【0049】
多数の流入ノズルを有する混合室を用いる場合、出発成分は、個々に入れられ、混合室中で激しく混合される。2成分プロセスを用いることが有利であることがわかった。
【0050】
特に有用な実施形態では、2段プロセスの初めにNCO含有プレポリマーを調製する。このため、成分(b)、及び必要に応じてブタンジオールなどの鎖延長剤(c)を、過剰の(a)と、通常は80〜160℃、好ましくは110〜150℃の温度で反応させる。理論的なNCO含有量が達成されるように反応時間を選択する。イソシアネート基を含むプレポリマーのNCO含有量は、1質量%〜30質量%、好ましくは2質量%〜14質量%、特に3質量%〜10質量%であるのが好ましい。
【0051】
助剤及び/又は添加剤(g)は、架橋成分中に含まれているのが好ましい。架橋成分における助剤及び添加剤(g)としては、2,2',6,6'−テトライソプロピルジフェニルカルボンジイミドなどの加水分解防止剤として公知のカルボンジイミド、シリコーンオイルなどの気泡安定剤、又は反応混合物の均一性を向上させるための表面活性物質の少なくとも1種を用いるのが好ましい。
【0052】
本発明により製造された成形体の脱型性を向上させるために、製造工程の少なくとも初めに、ワックス又はシリコーンに基づくもの、又は特にせっけん水溶液など、通常の外部離型剤を型の内面に塗布するのが好ましい。
【0053】
脱型時間は、成形体の大きさや形状によって決まり、平均で5〜40分である。
【0054】
型中での成形体の製造後、成形体を、通常は70〜140℃の温度で1〜48時間加熱するのが好ましい。
【0055】
他の出発成分に関して、以下に記載する:
イソシアネート(a)としては、一般的に公知の(脂環式)脂肪族及び/又は芳香族ポリイソシアネートを用いることができる。本発明による複合要素を製造するために特に好ましいポリイソシアネートは、芳香族ジイソシアネート、好ましくはジフェニルメタン2,2'−、2,4'−及び/又は4,4'−ジイソシアネート(MDI)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、トルイレン2,4−及び/又は2,6−ジイソシアネート(TDI)、3,3'−ジメチルジフェニルジイソシアネート(トリジンジイソシアネート(TODI))、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、及び/又はヘキサメチレン1,6−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサンなどの(脂環式)脂肪族イソシアネート、及び/又はポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートなどのポリイソシアネートなどである。イソシアネートは、純粋な化合物の形態、混合及び/又は変性された形態、例えば、ウレトジオン、イソシアヌレート、アロファネート、又はビウレットの形態で、好ましくはイソシアネートプレポリマーとして知られているウレタン及びイソシアネート基を含む反応物の形態で用いることができる。任意に変性されたジフェニルメタン2,2'−、2,4'−、及び/又は4,4'−ジイソシアネート(MDI)、ナフチレン1,5−ジイソシアネート(NDI)、トルイレン2,4−及び/又は2,6−ジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、及び/又はこれらのイソシアネートの混合物を用いるのが好ましい。
【0056】
イソシアネートに対して反応性がある化合物(b)としては、一般的に公知であるポリヒドロキシ化合物、好ましくは、イソシアネート基に対する官能性が好ましくは2〜3であり、分子量が好ましくは60〜6000、特に好ましくは500〜6000、特に800〜3500である化合物を用いることができる。(b)としては、一般的に公知のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、及び/又はヒドロキシル含有ポリカーボネートを用いるのが好ましい。ポリエステルポリオール、ポリテトラヒドロフラン(PTHF)及びポリプロピレングリコール(PPG)を用いるのが特に好ましい。
【0057】
好ましいポリエステルポリオールは、例えば、2〜12個の炭素原子を有するジカルボン酸及び2価アルコールから調製することができる。有用なジカルボン酸の例としては:アジピン酸、フタル酸、マレイン酸である。2価アルコールの例としては、2〜16個の炭素原子、好ましくは2〜6個の炭素原子を有するグリコール、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、1,3−プロパンジオール、及びジプロピレングリコールである。所望する特性に応じて、2価アルコールを、単独で、又は必要に応じて相互の混合物として用いることができる。ポリエステルポリオールとしては、エタンジオールポリアジペート、1,4−ブタンジオールポリアジペート、エタンジオール−ブタンジオールポリアジペート、1,6−ヘキサンジオール−ネオペンチルグリコールポリアジペート、1,6−ヘキサンジオール−1,4−ブタンジオールポリアジペート、及び/又はポリカプロラクトンを用いるのが好ましい。
【0058】
エステル基を含むポリオキシアルキレングリコール、特にポリオキシテトラメチレングリコールは、好ましくは、162〜600の数平均分子量を有するポリオキシメチレングリコール、及び必要に応じて脂肪族ジオール、特に1,4−ブタンジオールとの、有機、好ましくは脂肪族ジカルボン酸、特にアジピン酸の重縮合物である。エステル基を含むより好ましいポリオキシテトラメチレングリコールは、ε−カプロラクトンとの重縮合物に由来する重縮合物である。カーボネート基を含むポリオキシアルキレングリコール、特にポリオキシテトラメチレングリコールは、好ましくは、アルキル又はアリールカーボネート又はホスゲンとのこれらの重縮合物である。
【0059】
成分(b)についての説明は、DE−A19548771、6頁、26行〜59行において一例が記載されている。
【0060】
イソシアネート基に対して反応性がある上述した成分に加えて、例えば、2官能及び/又は3官能アルコール、2官能〜4官能ポリオキシアルキレンポリオール、及びアルキル置換芳香族ジアミン、又は鎖延長剤及び/又は架橋剤のうち少なくとも2個の混合物よりなる群から選択される化合物など、分子量が500未満、好ましくは60〜499である鎖延長剤及び/又は架橋剤(c)を用いることができる。(c)としては、エタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、及び好ましくは1,4−ブタンジオールなど、2〜12個、好ましくは2、4又は6個の炭素原子を有するアルカンジオール、及びジエチレングリコール及びジプロピレングリコールなどの4〜8個の炭素原始を有するジアルキレングリコール、及び/又は2官能〜4官能ポリオキシアルキレンポリオールなどを用いることができる。しかしながら、例えば、1,2−プロパンジオール、2−メチル−2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1.3−プロパンジオール、2−ブテン−1,4−ジオール、及び2−ブチン−1,4−ジオールなどの通常は12個以下の炭素原子を有する分岐鎖及び/又は不飽和アルカンジオール、ビス(エチレングリコール)又はビス(1,4−ブタンジオール)テレフタレートなどの2〜4個の炭素原子を有するグリコールとのテレフタル酸のジエステル、1,4−ジ−(b−ヒドロキシエチル)ハイドロキノン又は1,3−ジ(b−ヒドロキシエチル)レゾルシノールなどのハイドロキノン又はレゾルシノールのヒドロシキアルキレンエーテル、エタノールアミン、2−アミノプロパノール、及び3−アミノ−2,2−ジメチルプロパノールなどの2〜12個の炭素原子を有するアルカノールアミン、N−メチルジエタノールアミン及びN−エチルジエタノールアミンなどのN−アルキルジアルカノールアミンを用いることもできる。より高い官能性の架橋剤(c)の例としては、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びトリヒロロキシシクロヘキサンなどの3官能性以上のアルコール、及びトリエタノールアミンなどのトリアルカノールアミンが挙げられる。
【0061】
非常に有用であり、好ましく用いられることが判明した鎖延長剤としては、好ましくは122〜400の分子量を有するアルキル置換された芳香族ポリアミン、特に、アミノ基に対してオルト位におけるステアリン阻害によってアミノ基の反応性を減じる少なくとも1個のアルキル置換基を有し、室温で液体であり、且つ製造条件下で、比較的高分子量の、好ましくは少なくとも2官能性の化合物(b)と少なくとも一部が、好ましくは完全に非相溶性である第1級芳香族アミンを用いるのが好ましい。本発明に従って成形体を製造するためには、産業上すぐに入手することができる、1,3,5−トリエチル−2,4−フェニレンジアミン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−フェニレンジアミン、DETDAとして知られている1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−及び−2,6−フェニレンジアミンの混合物、アルキル基中に1〜4個の炭素原子を有する3,3'−ジアルキル−又は3,3',5,5'−テトラアルキル−置換4,4'−ジアミノジフェニルメタン、特に結合したメチル、エチル、及びイソプロピル基を含む3,3',5,5'−テトラアルキル−置換4,4'−ジアミノジフェニルメタン、及び上記テトラアルキル−置換4,4'−ジアミノジフェニルメタンとDETDAとの混合物を用いることができる。
【0062】
また、所定の機械特性を達成するために、上述した低分子量の多価アルコール、好ましくは2価及び/又は3価アルコール又はジアルキレングリコールとの混合物としてアルキル置換芳香族ポリアミンを用いることもできる。
【0063】
多孔質ポリイソシアネート重付加物の製造は、水(d)の存在下で行われるのが好ましい。水は、架橋剤として作用して尿素基を形成したり、発泡剤として作用してイソシアネートとの反応によって二酸化炭素を形成する。この二つの機能のため、当該明細書中では(c)及び(f)を別々に記載する。したがって、成分(c)及び(f)は、定義により、(d)として単独で記載された如何なる水をも含まない。好適に用いられる水の量は、成分(b)の質量に対して、0.01〜5質量%、好ましくは0.3〜3.0質量%であり、当該量は磁化可能な粒子の添加前に決定される。
【0064】
反応を促進させるために、一般的に公知の触媒(e)を、プレポリマーの調製の間、及び必要に応じてプレポリマーと架橋成分との反応の間に、反応混合物に添加することができる。触媒(e)は、単独で、又は相互の混合物として添加することができる。これらは、好ましくは、スズ(II)ジオクトエート、スズ(II)ジラウレート、ジブチルスズジアセテート、及びジブチルスズジラウレートなどの有機カルボン酸のスズ(II)塩などの有機金属化合物、テトラメチルエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ジエチルベンジルアミン、トリエチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアザビシクロオクタン、N,N'−ジメチルピペラジン、N−メチル,N'−(4−N−ジメチルアミノ)ブチルピペラジン、N,N,N',N'',N''−ペンタメチルジエチレンジアミンなどの第3級アミンなどである。他の有用な触媒は:2,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、トリス(ジアルキルアミノアルキル)−s−ヘキサヒドロトリアジン、特にトリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)−S−ヘキサヒドロトリアジンなどのアミジン、水酸化テトラメチルアンモニウムなどの水酸化テトラアルキルアンモニウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属水酸化物、ナトリウムメトキシド及びカリウムイソプロポキシドなどのアルカリ金属アルコキシド、及び10〜20個の炭素原子を有し、且つ必要に応じて側鎖OH基を有する長鎖脂肪酸のアルカリ金属塩である。所定の反応性に応じて触媒(e)は、磁化可能な粒子の添加の前に、プレポリマーの質量に対して、0.001〜0.5質量%の量で用いられる。
【0065】
一般的な発泡剤(f)を、必要に応じてポリウレタンの製造に用いることもできる。好適な発泡剤の例は、発熱重付加反応の条件下で蒸発する低沸点の液体である。好ましい発泡剤は、有機ポリイソシアネートに対して不活性であり、100℃未満の沸点を有する液体である。このような液体として好ましい例は、塩化メチレン及びジクロロモノフルオロメタンなどのハロゲン化、好ましくはフッ素化された炭化水素、トリフルオロメタン、ジフルオロメタン、ジフルオロエタン、テトラフルオロエタン、及びヘプタフルオロプロパンなどの全フッ素化された又は部分的にフッ素化された炭化水素、n−ブタン及びイソブタン、n−ペンタン及びイソペンタン及びこれらの炭化水素の産業用混合物、プロパン、プロピレン、へキサン、ヘプタン、シクロブタン、シウロペンタン、及びシクロヘキサンなどの炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、及びフランなどのジアルキルエーテル、ギ酸メチル及びエチルなどのカルボン酸エステル、アセトンなどのケトン、及び/又は、ペルフルオロジメチルイソプロピルアミンなどのフッ素化及び/又は全フッ素化された第3級アミンである。また、これらの低沸点液同士の混合物、及び/又はこれらの低沸点液と他の置換又は無置換炭化水素との混合物も使用することができる。結合した尿素基を含むエラストマーのセル含有エラストマー成形体を製造するための低沸点液の最も好適な量は、達成されるべき密度及び付随して好適に用いられる水の量によって決まる。一般的には、成分(b)の質量に対して、1〜15質量%、好ましくは2〜11質量%の量であれば、優れた結果が得られた。また当該量は、磁化可能な粒子の添加の前に決定される。発泡剤として水のみを使用するのが特に好ましい。
【0066】
助剤(g)を成形体の製造に用いることができる。具体的には、一般的に公知の表面活性物質、気泡安定剤、気泡制御剤、充填剤、難燃剤、核形成剤、酸化防止剤、安定剤、潤滑油、及び脱型剤、染料及び顔料などが挙げられる。
【0067】
有用な表面活性物質は、具体的には、出発材料の均一化を促進させる役割をし、且つセル構造を制御するのに好適な化合物である。具体的には、硫酸化カスターオイル又は脂肪酸のナトリウム塩、オレイン酸ジエチルアミン、ステアリン酸ジエタノールアミン、リシノール酸ジエタノールアミンなどの脂肪酸とアミンの塩、ドデシルベンゼンジスルホン酸又はジナフチルメタンジスルホン酸及びリシノール酸などのアルカリ金属又はアンモニウム塩などのスルホン酸塩等の乳化剤;シロキサンオキシアルキレン共重合体及び他の有機シロキサン、エトキシル化アルキルフェノール、エトキシル化脂肪族アルコール、パラフィンオイル、ヒマシ油エステル、又はリシノールエステル、ロート油(Turkey red oil)、落花生油などの気泡安定剤、及びパラフィン、脂肪族アルコール、及びジメチルポリシロキサンなどの気泡制御剤などが挙げられる。さらに、側基としてポリオキシアルキレン及びフルオロアルカン基を有するオリゴマーポリアクリレートが、乳化作用、セル構造、及び/又は安定性を向上させるのに好適である。表面活性物質は、比較的高い分子量の多価アルコール化合物(b)100質量部に対して(磁化可能な粒子の添加を考慮にいれない)、通常、0.01〜5質量部で用いられる。
【0068】
本発明の目的のため、充填剤、特に補強剤は、一般的な有機及び無機充填剤、強化材料、及び増量剤である。具体的な例は:アンチゴライト、ホルンブレンド、蛇紋石、角閃石、クリソタイル、タルク等の層状ケイ酸塩などのシリカ鉱物;カオリン、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物、チョーク及びバライトなどの金属塩、及び硫化カドミウム、硫化亜鉛、及びガラス粒子などの無機顔料等の無機充填剤である。有機充填剤の具体例は:カーボンブラック、メラミン、膨張グラファイト、ロジン、シクロペンタジエニル樹脂、及びグラフト重合体などである。強化剤としては、特に高熱変形抵抗又は非常に高い剛性が必要とされる場合に、カーボンファイバー又はガラスファイバーなどのファイバーを用いるのが好ましい。ファイバーは、結合剤及び/又は糊でコーティングすることができる。無機及び有機ファイバーは、個々に又は混合物として用いることができ、通常は、添加された如何なる磁化可能な粒子の質量も考慮にいれず、形成成分(a)〜(c)の質量に対して、0.5〜50質量%、好ましくは1〜30質量%の量で反応混合物に含まれる。
【0069】
好ましい難燃剤は、例えば、リン酸トリクレジル、リン酸トリス(2−クロロエチル)、リン酸トリス(2−クロロプロピル)、リン酸トリス(1,3−ジクロロプロピル)
、リン酸トリス(2,3−ジブロモプロピル)、及びテトラキス(2−クロロエチル)エチレン二リン酸である。上述したハロゲン化置換リン酸塩とは別に、赤リン、水和酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、三酸化ヒ素、ポリリン酸アンモニウム、及び硫酸カルシウムなどの無機難燃剤、又はメラミンなどのシアヌル酸、又は少なくとも2種の難燃剤の混合物、例えば、リン酸アンモニウム及びメラミン、及び必要に応じて澱粉及び/又は膨張グラファイトなどを、本発明の難燃剤によって製造された多孔質PUエラストマーを得るために使用することもできる。一般的に、添加された磁化可能な粒子の質量を考慮にいれず、形成成分(a)〜(c)100質量部に対して、5〜50質量部、好ましくは5〜25質量部の難燃剤又は難燃剤混合物を使用することが有利であることが分かった。核形成剤としては、タルク、フッ化カルシウム、フェニルホスフィン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、及び微粉化されたポリテトラフルオロエチレンなどを、添加された磁化可能な粒子の質量を考慮にいれず、形成成分(a)〜(c)の質量に対して、5質量%以下の量で用いることができる。
【0070】
本発明の多孔質PUエラストマーに添加することができる好適な酸化防止剤及び熱安定化剤は、必要に応じて、銅(I)ハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物、又はヨウ化物、立体障害を受けたフェノール、ハイドロキノン、及びこれらの群の置換化合物及びこれらの混合物との組み合わせとして、ナトリウム、リン、リチウムハロゲン化物などの周期表第I族の金属のハロゲン化物であり、好ましくは、形成成分(a)〜(c)の質量に対して、1質量%以下の濃度で用いられる。加水分解抑制剤の例としては、2,2',6,6'−テトライソプロピルジフェニルカルボジイミドなど、種々の置換されたカルボジイミドであり、添加された磁化可能な粒子の質量を考慮にいれず、形成成分(a)〜(c)の質量に対して2.0質量%以下の量で用いられる。滑剤及び脱型剤は、同様に、添加された磁化可能な粒子の質量を考慮にいれず、形成成分(a)〜(c)の質量に対して、1質量%以下の量で添加され、ステアリン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸エステル、及びステアリン酸アミド、及びペンタエリスリトールの脂肪酸エステルである。また、ニグロシンなどの有機染料、二酸化チタン、硫化カドミウム、セレン化硫化カドミウム、フタロシアニン、ウルトラマリンブルー又はカーボンブラックなどの顔料を添加することもできる。また、殺菌剤及び/又は有機着色剤を添加することもできる。
【0071】
上記以外の通常の助剤及び添加剤に関する他の説明は、専門書から明らかである。
【実施例】
【0072】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0073】
実施例1:1,5−NDIに基づく微多孔質ポリウレタン
a)イソシアネート基を有し且つ1,5−NDIに基づくプレポリマーの調製
平均分子量(実験的に決定したヒドロキシル価から算出した)が2000であるポリ(エタンジオール(0.5mol)−1,4−ブタンジオール(0.5mol)アジピン酸)1000質量部を140℃に加熱し、混合し、この温度で激しく撹拌しながら、固体NDI240質量部と反応させた。これによりNCO含有量が4.18%であり、90℃での粘度(回転式粘度計を用いて測定した)が2600mPasであるプレポリマーを得た。
【0074】
b)架橋成分:
以下の成分からなる
【0075】
【表1】

【0076】
多孔質エラストマーの製造
カルボニル鉄粉末44.17質量部(完成品における鉄の全量:30質量%)を、90℃に予熱したプレポリマー100質量部に混入し、直後に50℃に予熱した架橋成分(b)を短時間(10秒)で混入した。カルボニル鉄粉末を含むプレポリマーと架橋成分との混合比は、測定した質量に対して、100:2.5である。用いた組成物の量は、約580kg/m3の密度(鉄を含む)が得られるように選択した。カルボニル鉄粉末としては、2.5〜3.5μmの平均径[d50]を有する、BASF株式会社製のEQグレートのものを用いた。
【0077】
得られた組成物を、電磁石の磁極片上に立てられた真鍮製のリングに注いだ。真鍮製のリングは、31mmの径及び10mmの厚さ(=真鍮製リングの内側寸法)を有する円盤状の試験片を製造することができる。真鍮製リングへの充填後、他の磁極片を組成物を含むリング上に設置した後、コイル電流にスイッチを入れることにより磁場を発生させた。真鍮製リング及び磁石の磁極片は90℃に予熱した。PU組成物を約10分間、磁場にさらした後、磁場のスイッチを切り、部分的に硬化した試料を含む真鍮製リングを磁極片から取り出し、オーブン中、80℃でさらに20分間、加熱した。反応を完結させるために、試料を110℃でさらに14時間、加熱した。
【0078】
電磁石は、柔かい鉄ヨークの周りに銅線が1350回巻きつけられたコイルからなる。ヨークは、4×4cm2の一定の正方形断面を有する。異方性多孔質エラストマーの製造において、ヨークの磁極片が、それぞれ約10mmであり、コイルを介した電流が3アンペア流である場合、磁極片間の磁束密度(空隙を用いて測定)が0.29テスラであった。
【0079】
走査型電子顕微鏡により得られた完成品の特性は、磁力線が配向した空間方向に沿ってカルボニル鉄粒子の鎖状構造がはっきりと見られた。この方法において得られた材料の、DIN ISO 7743に準拠した方法で測定された(標準規格において記載された方法からの変更は上記において説明した)、鉄粒子の配向方向に沿った圧縮率は18MPaであり、鉄粒子の配向方向に対して垂直な2個の空間方向における圧縮率は0.7MPaであり、すなわち圧縮状態であり、弾性率の異方性は18:0.7=25.7である。
【0080】
材料の他の特性
実施例1のエラストマーは、張力における弾性率においても異方性をはっきりと示した、すなわち引張係数における異方性を示した。引張係数は、圧縮率と同じ方法によって、すなわちDIN ISO 7743に準拠した上記方法によって測定することができる。試験機の取り付け盤(platens)への試験片の接着には、引帳応力を加えることもできる。
【0081】
カルボニル鉄粒子の配向方向に対して平行な引張係数は10MPaであり、配向方向に対して垂直な引張係数は0.7MPaであり、すなわち引張応力下にあり、弾性率の異方性は10:0.7=14.3であり、したがって圧縮応力下よりも小さい。
【0082】
材料の周期的な圧縮又は引張応力上で、著しくより強く現れたヒステリシス挙動が、垂直配向の場合よりも、鉄粒子の配向方向に対して平行に観察された。30mm/分の変形速度及び7%の最大変形時に、平行配向における負荷及び無負荷サイクルごとの単位体積あたりの消散エネルギーは、圧縮時に9400J/m3であり、引張時に3700J/m3であった。垂直配向における単位体積あたりの消散エネルギーは、圧縮時に175J/m3であり、引張時に190J/m3であった。試験片は、4mmの高さ及び9mmの径を有する円筒状であった。
【0083】
材料は、磁性特性を示し、すなわち0.1〜10Hzの周波数での振動せん断で測定された複素剛性率が、適用された磁場上の磁場ベクトル及びカルボニル鉄粒子の配向方向に対して平行に増加した。カルボニル鉄粒子の配向方向は、せん断勾配の方向と一致していた。剛性率の増加は可逆的であり、すなわち剛性率が磁場のスイッチを切った時に始めの値に戻る。貯蔵弾性率G'への相対的な磁性作用の大きさは、1Hzのせん断周波数及び0.1%のせん断振幅で、8%であった。磁性エラストマーとして知られている緻密エラストマーにおける磁性作用及びその測定は、WO2006/024457A1などに記載されている。
【0084】
材料は、カルボニル鉄粒子の鎖状構造に対して平行の方が、垂直よりも、より高い特定の電気伝導性を示した。さらに、圧縮応力の増加につれて、特定の伝導性が初めに増加し、最大値を通過した後に、再び提言することがわかった。この挙動は、カルボニル鉄粒子の配向方向に対して平行及び垂直での測定の双方において観察された。U=10ボルトのポテンシャルで測定された、圧力依存性の特定の伝導性における最大値は、平行配向に約6barで約10-6S/cmであり、垂直配向に約5barで約2・10-10S/cmであった。
【0085】
材料は、鎖状構造の鉄粒子の配向性に加えて、セル形態に異方性を示した。また、発泡セルも鎖状構造に配列され、すなわち製造の間に適用された磁場の方向に対して平行に向かったセル壁が、ほぼ連続した壁を形成していた。これに対して、製造の間に適用された磁場の方向に対して垂直に向かったセル壁は、不規則に配列していた。セル形態におけるこの異方性は、磁場及び磁化可能な粒子の相互作用により生じるフォーム形成の間の流れプロセスに起因する。
【0086】
本発明によらない比較例:
比較実施例2:カルボニル鉄粉末の添加及び重合の間における磁場の付与を行わなかった以外は、実施例1と同様の形態。
【0087】
比較実施例3:カルボニル鉄粉末の添加を行わなかった以外は、実施例1と同様の形態。磁場は上記の通り付与した。
【0088】
比較実施例4:カルボニル鉄粉末は含むが、重合の間における磁場を付与しなかった以外は実施例1と同様の形態。
【0089】
下記の表に、上述した実施例1〜4の材料の圧縮時の機械的異方性を示す:
【0090】
【表2】

【0091】
エラストマーの製造において磁化可能な粒子及び磁場を用いた場合のみ、圧縮率の異方性が得られた。
【0092】
実施例5:MDIに基づく微多孔質ポリウレタン
a)イソシアネート基を有し且つMDIに基づくプレポリマーの製造
ポリテトラヒドロフラン2000(BASF株式会社製 PolyTHF(登録商標)2000)57.0質量部、ポリテトラヒドロフラン1000(BASF株式会社製 PolyTHF(登録商標)1000)14.3質量部、及びシリコーン由来の気泡安定剤(ダウコーニング製 DC193)0.2質量部を、三つ口フラスコ中、窒素雰囲気下、140℃に加熱し、4,4'−ジイソシアナトジフェニルメタン(BASF株式会社製 Lupranat(登録商標)MES)28.5質量部を撹拌しながら混入した。反応混合物を145℃で10分間維持することにより、反応を完結させてアロファナートを得、その後に冷却した。これにより、NCO含有量が5.7%であり、アロファナート含有量が0.2%であり、80℃での粘度が1600mPasである、ほとんど無色の液体を得た。
【0093】
b)架橋成分:
以下の成分からなる
【0094】
【表3】

【0095】
c)円筒状の成形体の製造
カルボニル鉄粉末(完成品における鉄の全量:30%)44.73質量部を、90℃に予熱したプレポリマー(a)100質量部に混入し、直後に35℃に予熱した架橋成分(b)を短時間で混入した。カルボニル鉄粉末を含むプレポリマーと架橋成分との混合比は、測定した質量に対して、100:3.0である。用いた組成物の量は、約560kg/m3の密度(鉄を含む)が得られるように選択した。カルボニル鉄粉末としては、2.5〜3.5μmの平均径[d50]を有する、BASF株式会社製のEQグレートのものを用いた。
【0096】
混合物を、75℃に加熱した密閉可能な型に導入した。型は、31mmの径及び10mmの厚さを有する円盤状の試験片を製造することができる。立方形の永久磁石(“Kollosse” インターネット発注会社 スーパーマグネット ドイツ)を、型の底と蓋に置いた。磁石は、4×4cm2の四角底面を有している。型を密閉した際の磁石の間隔は12mmであり、これらの間の空間において得られる磁束密度は約0.6テスラ(空の型で測定した)である。磁石とは別に、型は非磁性金属(アルミニウム及び真鍮)を含む。型を開放するとともに、PU組成物を、裏側に磁石のうちの1個が置かれた型の底に注いだ。その後、型の蓋を閉じ、2個目の磁石を置き、円盤の軸に沿って鉄粒子の配列のために磁場を生じさせた。
【0097】
混合物を磁石の型中で10分間硬化させた。当該方法で得られた成形体をオーブン中の型に80℃で20分間置くことにより、反応を完結させた。型から微多孔質物を取り除いた後、成形体を110℃で14時間、熱による後硬化させた。
【0098】
走査型電子顕微鏡により得られた完成品の特性は、磁力線が配向した空間方向に沿ってカルボニル鉄粒子の鎖状構造がはっきりと見られた。この方法において得られた材料の、DIN ISO 7743に準拠した方法で測定された(標準において記載された方法からの変更は上記において説明した)、鉄粒子の配向方向に沿った圧縮率は、15MPaであり、鉄粒子の配向方向に対して垂直な2個の空間方向における圧縮率は0.9MPaであり、すなわち圧縮状態であり、弾性率の異方性は、15:0.9=16.7である。
【0099】
本発明によらない比較例:
比較実施例6:カルボニル鉄粉末の添加及び重合の間における磁場の付与を行わなかった以外は、実施例5と同様の形態。
【0100】
比較実施例7:カルボニル鉄粉末の添加を行わなかった以外は、実施例5と同様の形態。磁場は上記の通り付与した。
【0101】
比較実施例8:カルボニル鉄粉末は含むが、重合の間における磁場を付与しなかった以外は実施例5と同様の形態。
【0102】
下記の表に、上述した実施例5〜8の材料の圧縮時の機械的異方性を示す:
【0103】
【表4】

【0104】
エラストマーの製造において磁化可能な粒子及び磁場を用いた場合のみ、圧縮率の異方性が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三つの直交方向のうちの一方向における圧縮率が、他の二つの方向における圧縮率よりも大きく、その係数が少なくとも1.5である異方性を有することを特徴とする異方性多孔質エラストマー。
【請求項2】
一つの空間方向に沿った鎖状配列を有する磁化可能な粒子を含む多孔質エラストマー。
【請求項3】
多孔質ポリウレタンエラストマーである請求項1又は2に記載の多孔質エラストマー。
【請求項4】
DIN EN ISO 845に準拠する密度が、200〜5000kg/m3の範囲内にあり、その密度は多孔質ポリウレタンエラストマーの全質量に対するものである多孔質ポリウレタンエラストマーである請求項1又は2に記載の多孔質エラストマー。
【請求項5】
磁化可能な粒子を含む請求項1又は2に記載の多孔質エラストマー。
【請求項6】
磁化可能な粒子として鉄粉末を多孔質エラストマー中に含む請求項5に記載の多孔質エラストマー。
【請求項7】
磁化可能な粒子としてカルボニル鉄粉末を多孔質エラストマー中に含む請求項5に記載の多孔質エラストマー。
【請求項8】
磁化可能な粒子が、球状、棒状、又は針状である請求項5に記載の多孔質エラストマー。
【請求項9】
磁化可能な粒子として、平均径[d50]が0.01〜1000μmの範囲内である球状粒子が、多孔質エラストマー中に存在する請求項5に記載の多孔質エラストマー。
【請求項10】
磁化可能な粒子として、平均最大径が0.01〜1000μmの範囲内である磁化可能な粒子が、多孔質エラストマー中に存在する請求項5に記載の多孔質エラストマー。
【請求項11】
磁化可能な粒子が一つの空間方向に沿った鎖状配列を有することにより、配向された異方性を有する請求項5に記載の多孔質エラストマー。
【請求項12】
磁化可能な粒子を、磁化可能な粒子を含む多孔質エラストマーの全質量に対して、1〜95質量%含む請求項5に記載の多孔質エラストマー。
【請求項13】
多孔質エラストマー中に磁化可能な粒子を存在させるために、磁化可能な粒子の存在下で、多孔質エラストマーを製造し、且つ
多孔質エラストマーの製造を、0.01テスラよりも大きい流速密度を有する磁場の存在下で行う多孔質エラストマーの製造方法。
【請求項14】
型中で、(a)イソシアネートを、(b)イソシアネートに対して反応性がある化合物と反応させ、その際磁化可能な粒子が上記出発成分の少なくとも一種に含まれている、多孔質ポリウレタンエラストマーを製造する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
型の容量が、多孔質エラストマーがより大きな弾性率を有する空間方向に対して平行に力線が存在する磁場によって満たされている請求項13に記載の方法。
【請求項16】
磁場を、永久磁石、電磁石、又は永久磁石と電磁石との組合せによって生じさせる請求項13に記載の方法。
【請求項17】
第1工程において、(a)イソシアネートと、(b)イソシアネートに対して反応性がある化合物、及び必要に応じて、鎖延長剤および/又は架橋剤(c)と反応させることによりイソシアネート基を有するプレポリマーを調製し、
第2工程において、型中で、このプレポリマーを、プレポリマー及び/又は架橋剤成分中に含まれる磁化可能な粒子とともに、(d)水、及び必要に応じて(e)触媒、(f)発泡剤、及び/又は(g)助剤を含む架橋成分と反応させることにより、多孔質ポリウレタンエラストマーを得る請求項13に記載の方法。
【請求項18】
磁化可能な粒子として、鉄粉末、好ましくはカルボニル鉄粉末に基づく磁化可能な粒子を含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
磁化可能な粒子として、カルボニル鉄粉末に基づく磁化可能な粒子を含む請求項13に記載の方法。
【請求項20】
磁化可能な粒子が、球状、棒状、又は針状である請求項13に記載の方法。
【請求項21】
磁化可能な粒子として、平均径[d50]が0.01〜1000μmの範囲内である球状粒子が、多孔質エラストマー中に存在する請求項13に記載の方法。
【請求項22】
磁化可能な粒子として、平均最大径が0.01〜1000μmの範囲内である磁化可能な粒子が、多孔質エラストマー中に存在する請求項13に記載の方法。
【請求項23】
磁化可能な粒子を、磁化可能な粒子を含む多孔質エラストマーの全質量に対して、1〜95質量%含む請求項13に記載の方法。
【請求項24】
請求項13〜23のいずれか1項に記載の方法により得られる多孔質エラストマー。
【請求項25】
請求項1〜12又は24のいずれか1項に記載の多孔質エラストマーを含む、自動車におけるヘルパースプリング、衝撃吸収ストラット/衝撃吸収ベアリング、又はシャーシベアリング。

【公表番号】特表2010−513630(P2010−513630A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541987(P2009−541987)
【出願日】平成19年12月11日(2007.12.11)
【国際出願番号】PCT/EP2007/063731
【国際公開番号】WO2008/074701
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】