説明

発光性シリコン酸化物フレーク

本発明は、有機または無機の発光性の化合物または組成物を含む、SiOフレーク、特に多孔質SiOフレーク(式中、0.70≦z≦2.0、特に0.95≦z≦2.0)に関し、これにより増強した(長期間の)発光効率が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、増強した(長期間の)発光性能が得られる有機または無機の発光性の化合物または組成物を含む、発光性SiOフレーク(式中、0.70≦z≦2.0、特に0.95≦z≦2.0)、特に発光性の多孔質SiOフレークに関する。
【0002】
本発明の目的は、発光性能の高い発光性SiO粒子を提供することである。
【0003】
前記目的は、有機または無機の発光性の化合物または組成物を含む、発光性SiOフレーク(式中、0.70≦z≦2.0、特に0.95≦z≦2.0、更に特に1.40≦z≦2.0)、特に発光性多孔質SiOフレークによって解決することができた。
【0004】
「0.70≦z≦2.0のSiO」という用語は、シリコンに対する酸素のモル比が、シリコン酸化物基材の平均値で、0.70から2.0であることを意味する。シリコン酸化物基材の組成は、ESCA(化学分析用電子分光分析法)によって決定することができる。また、シリコン酸化物基材のシリコンおよび酸素の化学量論は、RBS(ラザフォード後方散乱法)によって決定することができる。
【0005】
本発明によれば、「有機または無機の発光性の化合物または組成物を含むSiOフレーク」という用語は、(多孔質)SiOフレークの(全)表面が、発光性の化合物もしくは組成物によって覆われていること、多孔質SiOフレークの孔もしくはその孔の一部に発光性の化合物もしくは組成物が充填されていること、および/または、(多孔質)SiOフレークが個々の点において発光性の化合物または組成物によって覆われていること、を意味する。ひとつの好ましい態様においては、多孔質SiOフレークの孔または当該孔の一部に発光性の化合物または組成物が充填されている。SiOフレークの孔のサイズは、多孔質SiOフレークの製造プロセスによって約1nm〜約50nm、特に約2nm〜約20nmの範囲に制御することができるため、たとえば、SiOフレークの孔内にナノサイズの発光性粒子を作製することが可能である。
【0006】
本発明によって用いられるプレート状(平行平面)のSiO構造(SiOフレーク)、特に多孔質SiOフレークは、長さ1μm〜5mm、幅1μm〜2mm、および厚さ20nm〜1.5μm、ならびに長さ対厚さ比が少なくとも2:1であり、粒子には2つの実質的に平行な面があり、これら平行な面の距離が粒子の短軸となる。多孔質SiOフレークはメソ多孔質の材料、すなわち、幅約1nm〜約50nm、特に幅2nm〜20nmである。孔はランダムに三次元的に相互に連結している。したがって、これを支持体として使用した場合に、孔が二次元的に配列しているSiOフレークで頻繁に起こる通路の閉塞が防止できる。SiOフレークの比表面積は多孔度に依存し、約400m2/gから1000m2/gを超える範囲である。好ましくは、多孔質SiOフレークの比表面積は約500m2/gを超え、特に600m2/gを超える。BET比表面積は、ブルナウアー−エメット−テーラー法(J. Am. Chem. Soc. 60(1938)309)を用いたDIN66131またはDIN66132(R. Haul und G. Dumbgen, Chem.-Ing.-Techn. 32(1960) 349 および35((1063)586)によって決定することができる。
【0007】
SiOフレーク、特に多孔質SiOフレークは、均一の形状ではない。しかし、簡便のために、上記フレークは「径」を有するものとみなす。SiOフレークには平行な平面があり、特定の厚さを有し、その範囲は平均厚さの±10%、特に±5%である。SiOフレークは20〜2000nm、特に100〜500nmの厚さを有する。現在のところ、上記フレークの径は好ましくは約1〜60μm、さらに好ましくは約5〜40μm、最も好ましくは約5〜20μmの範囲である。したがって、本発明の上記フレークのアスペクト比は、約2.5〜625の範囲、さらに好ましくは約50〜250の範囲にある。
【0008】
多孔質SiOフレークに基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。WO04/035693に記載された方法によって調製される非多孔質SiOフレークも適している。
【0009】
多孔質SiOフレークはWO04/065295に記載された方法によって得ることができる。上記方法は:
a)キャリア上に分離剤を蒸着させ分離剤層を形成し、
b)分離剤層(a)上にSiOおよび分離剤を同時に蒸着させ、
c)分離剤からSiO(式中、0.70≦y≦1.80)を分離する
工程を含む。
【0010】
上記方法において工程a)を省略し、キャリアを基材と置き換えると、多孔質SiOフィルムを含む基材を調製することができ、続いて下記のような有機または無機の発光性の化合物または組成物で処理することができる[組成物]。
【0011】
単に2つのプロセスパラメータ:SiOおよび分離剤の混合層の厚さ、ならびに上記混合層に含まれるSiO量を変化させるだけで、明瞭で再現性よく種々の変形体の平板状材料を作製することができる。
【0012】
「SiO(式中、0.70≦y≦1.80)」という用語は、シリコンに対する酸素のモル比が、上記シリコン酸化物層の平均値で、0.70から1.80であることを意味する。上記シリコン酸化物層の組成は、ESCA(化学分析用電子分光分析法)によって決定することができる。また、シリコン酸化物層のシリコンおよび酸素の化学量論は、RBS(ラザフォード後方散乱法)によって決定することができる。
【0013】
工程a)においてキャリアに蒸着された分離剤は、ラッカー(表面コーティング)、ポリマー、たとえばUS−B−6,398,999に記載されている(熱可塑性)ポリマー、特にアクリル−もしくはスチレンポリマーまたはこれらの混合物、有機溶媒または水に溶解し、真空中で蒸発し得る有機物質(たとえばWO02/094945およびEP04104041.1を参照されたい。)、例えば、アントラセン、アントラキノン、アセトアミドフェノール、アセチルサリチル酸、無水樟脳酸、ベンズイミダゾール、ベンゼン−1,2,4−トリカルボン酸、ビフェニル−2,2−ジカルボン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフォン、ジヒドロキシアントラキノン、ヒダントイン、3−オキシ安息香酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルフォン酸一水塩、4−ヒドロキシクマリン、7−ヒドロキシクマリン、3-ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、イソフタル酸、4,4−メチレン−ビス−3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、ナフタレン−1,8−無水ジカルボン酸、フタルイミドおよびそのカリウム塩、フェノールフタレイン、フェノチアジン、サッカリンおよびその塩、テトラフェニルメタン、トリフェニレン、トリフェニルメタノール、または、これらの物質の少なくとも2つの混合物、または、水溶性で真空中で蒸発し得る無機塩(たとえば、DE19844357を参照)、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウムアルミニウム、および四ホウ酸ジナトリウムであることができる。
【0014】
詳細には、塩、たとえばNaClとこれに続くシリコン亜酸化物(SiO)と分離剤の層、特にNaClまたは有機分離剤を、キャリアの上に蒸着する。キャリアは連続する金属ベルトであることができ、真空度0.5Pa未満で蒸発器を通過する。
【0015】
シリコン亜酸化物(SiO)と分離剤の混合層を蒸着するには、2つの異なる蒸発器を使用し、それらに上記2つの材料の1つをそれぞれ充填し、それらの蒸気ビームを重ね合わせる。混合層に含まれる分離剤の量は、混合層の合計重量に対し1〜60重量%である。
【0016】
意図する製品特性に応じて、蒸着する塩の厚さは、約20nm〜100nm、特に30〜60nmであり、混合層の厚さは20〜2000nm、特に50〜500nmである。
【0017】
キャリアは、溶解槽(水)に浸漬される。機械の助けにより、分離剤(NaCl)層をすばやく溶解し、生成物層を破壊してフレークにすると、それらは溶媒中に懸濁する。多孔質のシリコン酸化物フレークを製造するには、US−B−6,270,840に開示の装置を用いると有利である。
【0018】
いずれにせよ得られる懸濁液には生成物構造体および溶媒および溶媒に溶解している分離剤が含まれているので、その次に公知の技術によるさらなる操作で分離する。この目的のため、生成物構造体を、まず液中で濃縮し、新鮮な溶媒で数回洗浄して溶解している分離剤を洗い去る。湿ったままの固体である生成物は、その次に、濾過、沈殿、遠心分離、デカンテーションまたは蒸発により分離される。
【0019】
SiO1.00−1.8層は、好ましくは、1300℃を超える温度でSiおよびSiO2の混合物の反応による蒸発器内に生成した一酸化ケイ素の蒸気から形成される。
【0020】
SiO0.70−0.99層は、好ましくは、シリコンを20重量%含有する一酸化ケイ素を1300℃を超える温度で蒸発させることにより形成する。
【0021】
zが1を超えるSiOフレークの製造は、蒸発の際に追加的に酸素を供給することによって実現することができる。この目的のために、真空チャンバにはガス供給口を設け、これにより真空チャンバ内の酸素分圧を一定値に制御することができる。
【0022】
または、乾燥後、生成物を酸化的熱処理することができる。この目的のために公知の方法を利用することができる。SiOの平面平行構造体は、蒸着の条件によってyは0.70から、特に1から約1.8であり、結合していない材料または流動層であり、これの中に空気または他の酸素含有ガスを、200℃を超える、好ましくは400℃を超える、特には500〜1000℃の温度で通す。数時間後、全ての構造体はSiOに酸化される。次に、粉砕または空気ふるいにより、生成物を所望の粒径にする。そこで、たとえば、液状媒体中で超音波または高速攪拌機の手段または乾燥後にロータリー分級器付きエアジェットミルの手段によって、フィルムの断片の顔料サイズへの連絡をもたらす。
【0023】
または、WO03/106559にしたがって、乾燥後、多孔質SiO粒子を無酸素雰囲気、すなわちアルゴンもしくはヘリウム雰囲気中で、または13Pa(10−1Torr)未満の真空中で、400℃以上、特に400〜1100℃の温度で加熱し、これにより、Siナノ粒子を含む多孔質のシリコン酸化物フレークを得ることができる。
【0024】
SiO粒子を無酸素雰囲気で加熱すると、SiOは不均質化してSiO2とSiになると考えられる:
【化25】

【0025】
この不均質化の際に、(1−(y/y+a))Siを含む多孔質SiOy+a(式中、0.70≦y≦1.8、特に0.70≦y≦0.99または1≦y≦1.8、0.05≦a≦1.30およびyとaの合計は2以下である。)フレークが形成される。SiOy+aは、酸素リッチなシリコン亜酸化物である。
【0026】
【化26】

【0027】
多孔質SiOフレークの最小厚さは、加工をされるために50nmが望ましい。この最小厚さは、所望する用途に応じるが、一般的には150〜500nmの範囲である。フレークの多孔度は5〜85%の範囲である。
【0028】
「発光性」の用語は、エネルギーを入力した後の可視、UV、IR領域における光の放射を意味する。発光性材料は、蛍光性材料、燐光性材料、エレクトロルミネッセンス材料、化学発光性材料、トリボルミネッセンス材料、または他の同様の材料であってよい。このような発光性材料は、一般的には実質的な温度上昇をともなわずに、エネルギー源に反応した電磁エネルギーの放射という特性を示す。
【0029】
ひとつの態様として、本発明は、有機発光性の化合物または組成物、すなわち発光性の着色剤を含む、発光性の多孔質SiOフレークを導く。ここで着色剤という用語は、顔料と同様に染料も含む。
【0030】
好ましい蛍光性の着色剤は、クマリン、ベンゾクマリン、キサンテン、ベンゾ[a]キサンテン、ベンゾ[b]キサンテン、ベンゾ[c]キサンテン、フェノキサジン、ベンゾ[a]フェノキサジン、ベンゾ[b]フェノキサジンおよびベンゾ[c]フェノキサジン、ナフタルイミド、ナフトラクタム、アズラクトン、メチン、オキサジンおよびチアジン、ジケトピロロピロール、ペリレン、キナクリドン、ベンゾキサンテン、チオエピンドリン、ラクタムイミド、ジフェニルマレイミド、アセトアセトアミド、イミダゾチアジン、ベンズアントロン、ペリレンモノイミド、ペリレン、フタルイミド、ベンゾトリアゾール、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、ジベンゾフランおよびトリアジンから選択される公知の着色剤に基づく。
【0031】
蛍光性の有機着色剤の例は以下である:
a)式
【化27】


のキサンテン着色剤
〔式中、A1は、OまたはN−Z(Zは、HもしくはC1−C8アルキル、または、場合により、R2もしくはR4と結合して5または6員環を形成し、または、R2およびR4それぞれと結合して2つの結合した縮合6員環を形成する。);A2は、−OHまたは−NZ2;R1、R1’、R2、R2’、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、シアノ、CF3、C1−C8アルキル、C1−C8アルキルチオ、C1−C8アルコキシ、アリール、およびヘテロアリールから選択され;R1’、R2’またはR1からR4のいずれかのアルキル部分は、場合により、ハロゲン、カルボキシ、スルフォ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノ、アルコキシ、シアノ、ハロアセチルまたはヒドロキシで置換され;R1’、R2’またはR1からR4のいずれかのアリールまたはヘテロアリール部分は、場合により、ハロゲン、シアノ、カルボキシ、スルフォ、ヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ(C1−C8)アルキルアミノ、C1−C8アルキル、C1−C8アルキルチオおよびC1−C8アルコキシからなる群より選択される1〜4の置換基で置換され;R0は、ハロゲン、シアノ、CF3、C1−C8アルキル、C1−C8アルケニル、C1−C8アルキニル、アリール、または

【化28】


を有するヘテロアリール(式中、X1、X2、X3、X4およびX5は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、シアノ、CF3、C1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8アルキルチオ、C1−C8アルケニル、C1−C8アルキニル、SO3HおよびCO2Hである。ただし、追加的にX1からX5のいずれかのアルキル部分はさらにハロゲン、カルボキシ、スルフォ、アミノ、モノ−もしくはジアルキルアミノ、アルコキシ、シアノ、ハロアセチルまたはヒドロキシで置換されていてもよい。場合により、X1からX5のうちの近接するいずれか2つの置換基は合わさって縮合芳香環を形成してもよく、芳香環はさらにハロゲン、シアノ、カルボキシ、スルフォ、ヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ(C1−C8)アルキルアミノ、(C1−C8)アルキル、C1−C8アルキルチオおよびC1−C8アルコキシから選択される1〜4の置換基で置換されていてもよい。)である〕。
【0032】
所定の実施態様においては、式I(ここにおける他の式と同様に)のキサンテン着色剤は、イソメリック体またはトートメリック体で存在し、いずれも本発明に含まれる。
【0033】
b)式
【化29】


のベンゾ[a]キサンテン着色剤
〔式中、nは、0〜4の整数、各Xは独立してH、ハロゲン、シアノ、CF3、C1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8アルキルチオ、C1−C8アルケニル、C1−C8アルキニル、アリール、ヘテロアリール、SO3HおよびCO2Hからなる群より選択され;
1、A2、R0、R1、R1’、R2’、およびR4は上記定義のとおりであり、X0のアルキル部分は、さらに、ハロゲン、カルボキシ、スルフォ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノ、アルコキシ、シアノ、ハロアセチルまたはヒドロキシで置換されてもよく、R1、R1’、R2’、およびR4のいずれかのアリールまたはヘテロアリール部分は、場合により、ハロゲン、シアノ、カルボキシ、スルフォ、ヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ(C1−C8)アルキルアミノ、C1−C8アルキル、C1−C8アルキルチオおよびC1−C8アルコキシからなる群より選択される1〜4の置換基で置換される。〕。
【0034】
c)式
【化30】


のベンゾ[b]キサンテン着色剤
〔式中、n1は0〜3の整数;X0、A1、A2、R0、R1、R1’、R2’、R3およびR4は上記定義のとおりである〕。
【0035】
d)式
【化31】


のベンゾ[b]キサンテン着色剤
〔式中、n1は0〜3の整数;X0、A1、A2、R0、R1、R1’、R2’、R2およびR3は上記定義のとおりである〕。
【0036】
以下のキサンテン着色剤およびチオキサンテン着色剤は特に好ましい:
【化32】



【0037】
e)式
【化33】


のクマリン着色剤
〔式中、A1、R1、R1’、R2’、R2、R3、およびR4は上記定義のとおりである。
所定の実施形態においては、R2およびR3は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、CF3、C1−C8アルキル、アリール、または、

【化34】


を有するヘテロアリール(式中、X1、X2、X3、X4およびX5は上記定義のとおり。)である。〕。
【0038】
ベンゾクマリン系の着色剤は、式IIで示され、R2およびR3は結合して縮合ベンゼン環を形成し、場合により、ハロゲン、シアノ、カルボキシ、スルフォ、ヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ(C1−C8)アルキルアミノ、(C1−C8)アルキル、C1−C8アルキルチオおよびC1−C8アルコキシから選択される1〜4個の置換基で置換される。
【0039】
以下のクマリン着色剤は特に好ましい:
【化35】


〔式中、R4は−N(C252であり、R2
【化36】


;同様に
【化37】


の基である。〕。
【0040】
f)式
【化38】


のフェノキサジン着色剤
〔式中、R2”は、R2’について上記した意味を有する。場合により、A1は、R2およびR4の各々と結合して5もしくは6員環を形成してもよく、またはR2およびR4の各々と結合して2個の縮合6員環を形成してもよい。n1、X0、A1、R1、R1’、R2’、R2、R3およびR4は上記定義のとおりである〕
【0041】
g)ナフタルイミド着色剤
種々のナフタルイミド着色剤が広範に知られている。ひときわ明るく、緑色がかった黄色の蛍光色を示すいくつかの重要な代表例のみを以下に示す:
【化39】


【0042】
h)ナフトラクタム着色剤
ナフトラクタム着色剤は、黄色から赤色の範囲の色を有する。いくつかの重要な代表例のみを以下に示す:
【化40】


〔式中、R300はH、C1−8アルキル、またはC1−8アルコキシである。〕。
【0043】
i)アズラクトン着色剤
いくつかの重要な代表例のみを以下に示す:
【化41】


〔式中、R301はC1−8アルキルである〕
【化42】


〔式中、R302はH、またはメトキシである〕。
【0044】
j)メチン着色剤
いくつかの重要な代表例のみを以下に示す:
【化43】



【0045】
k)オキサジンおよびチアジン着色剤
【化44】



【0046】
さらに好ましい蛍光性の着色剤は:
【化45】


である。
【0047】
その他の好ましい顔料は、
【化46】


の縮合生成物である
〔式中、R101およびR102は独立して水素またはC1−8アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−アミル、tert−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシル〕。好ましくはR101およびR102はメチルである。縮合生成物の式は、
【化47】


であり、ダイマーが特に好ましい。上記顔料の場合、SiOフレークの孔のその場で顔料を作製するのが有利である。たとえばバルビツール酸をギ酸のような溶媒中で希釈すればよい。この溶液に対し、多孔質SiOフレークを攪拌しながら添加すればよい。攪拌後、懸濁液を濾過し、残渣を真空中で温度上昇させて乾燥すればよい。得られた生成物はエタノールなどの溶媒中に再分散し、トリエチルアミンを添加してもよく、混合物を78℃に加熱すればよい。ついで、ジメチルアミノベンズアルデヒドのエタノール溶液を、加熱可能な滴下用漏斗を用い、攪拌しながらゆっくりと添加すればよい。
【0048】
ジアルキルアミノベンズアルデヒドおよびバルビツール酸の縮合生成物は、温室を覆う熱可塑性ポリマーフィルムに組み込むと、温室における植物の成長を促進する。近UV光の一部がこの縮合生成物によってフィルターされ、実質的に長波長の蛍光に変換し、これが多くの植物の早い成長の原因となると考えられる。
【0049】
ジアルキルアミノベンズアルデヒドおよびバルビツール酸の縮合生成物を多孔質SiOフレークの孔へ組み込むと、ポリマーフィルムの寿命を大きく延ばすことができる。縮合生成物の蛍光はいつまでも高く、植物成長効果が長期間にわたって維持される。縮合生成物そのものは、主として近UV領域を吸収して発色するが、蛍光のストークシフトが大きいので、放射される光は赤色がかる。蛍光によって赤色の可視スペクトル領域の伝播光が増大(約635nmで最大放射)するので、作物の収量と品質、例えば茎の長さ、太さ、生育循環には効果甚大である。
【0050】
生成物は、種々のポリマーや他の頻繁に使用される添加剤と良好な相溶性を有する。したがって、これは、温室用フィルム、小トンネルカバー、遮光ネットおよびスクリーン用フィルムまたはフィラメント、マルチフィルム、若い植物を保護するための不織または成形品の形態で、農業用途のためのポリマー組成物に用いることができる(EP−A−1413599を参照されたい。)。
【0051】
約600〜640nmの最大放射を有する発光性化合物を含むSiOフレークは、同じ目的のために用いることができる。
【0052】
l)ジケトピロロピロール
【化48】


〔式中、R121およびR122は、それぞれ独立して、有機基であり、
Ar1およびAr2は、それぞれ独立して、アリール基またはヘテロアリール基であり、場合により、置換される。〕
【0053】
Ar1およびAr2の定義における「アリール基」との用語は、典型的にはC6−C30アリールであり、例えばフェニル、インデニル、アズレニル、ナフチル、ビフェニル、ターフェニリルもしくはクアドフェニリル、as−インダセニル、s−インダセニル、アセナフチレニル、フェナントリル、フルオランテニル、トリフェンレニル、クリセニル、ナフタセン、ピセニル、ペリレニル、ペンタフェニル、ヘキサセニル、ピレニル、またはアントラセニル、好ましくはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、9−フェナントリル、2−もしくは9−フルオレニル、3−もしくは4−ビフェニルであり、これらは置換されていなくても置換されていてもよい。C6−C18アリールの例は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、3−または4−ビフェニル、9−フェナントリル、2−または9−フルオレニルであり、置換されていなくても置換されていてもよい。
【0054】
「ヘテロアリール基」、特にC2−C30ヘテロアリールとの用語は、窒素、酸素または硫黄が可能なヘテロ原子となる環であり、典型的には、5〜18の原子を含み、少なくとも6つの共役π電子を有する不飽和複素環ラジカルであって、例えばチエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾ[b,d]チエニル、チアントレニル、フリル、ファーフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、2H−クロメニル、キサンテニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1H−ピロリジニル、イソインドリル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、3H−インドリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノニリル、インダゾリニル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタルアジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、4aH−カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニル、またはフェノキサジニルであり、好ましくは上記した単環式または二環式の複素環ラジカルであり、これらは置換されていなくても置換されていてもよい。
【0055】
121およびR122は同じでも異なっていてもよく、好ましくは、フッ素、塩素またはホウ素で置換されていてもよいC1−C25アルキル基、C1−C4アルキル基で1〜3回置換されていてもよいアリル基、シクロアルキル基、C1−C4アルキル基、ハロゲン、ニトロまたはシアノで1〜3回置換されていてもよいフェニルで1または2回縮合されていてもよいシクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、ハロアルケニル基、ハロアルキニル基、ケトンまたはアルデヒド基、エステル基、カルバモイル基、ケトン基、シリル基、シロキサニル基、A3または−CR127128−(CH2−A3
(式中、R127およびR128はそれぞれ独立して、水素、C1−C4アルキルまたはC1−C4アルキルで1〜3回置換されていてもよいフェニル、
3は、アリールまたはヘテロアリール、特にフェニルまたは1−もしくは2−ナフチルであり、C1−C8アルキルおよび/またはC1−C8アルコキシで1〜3回置換されていてもよく、mは0、1、2、3または4)である。
【0056】
式lの蛍光性を有するジケトピロロピロール(組成物を含む)は公知であり、たとえばEP−A−0133156、US−A−4,585,878、EP−A−0353184、EP−A−0787730、WO98/25927、US−A−5,919,944、EP−A−0787731、EP−A−0811625、WO98/25927、EP−A−1087005、EP−A−1087006、WO03/002672、WO03/022848、WO03/064558、WO04/009710、WO04/090046、WO05/005571、EP04106432.0、H.Langhalsら.Liebigs Ann. 1996,679−682に記載されている:
【表1】


US−A−5,354,869:
【表2】

【0057】
DPPを含む組成物は、たとえばWO04/090046、WO05/005571および欧州特許出願04103025.5(PCT/EP2005/...)に開示されている。
【0058】
組成物には、たとえばWO05/005571に記載されているように、ジケトピロロピロール化合物が含有されており、その吸収は約440〜約500nmの範囲、特に約450〜約490nmの範囲であり、それが示すフォトルミネッセンスのピークは530〜570nmの範囲、特に540〜570nmの範囲にあり、蛍光化合物の吸収ピークは約530〜約570nmの範囲であり、それが示すフォトルミネッセンスのピークは約580〜約650nmの範囲にある。
【0059】
以下のDPP化合物VおよびVaが特に好ましい:
【表3】





【0060】
【表4】



【0061】
【化49】

【0062】
【表5】



【0063】
m)ペリレン:
【化50】


〔式中、R120、R120’およびR129は、それぞれ独立して、有機置換基である〕
【0064】
120およびR120’は溶解度、凝集および光安定性を制御する。R129は吸収最大(遮光)および溶解度を制御する。
【0065】
120およびR120’は同じでも異なっていてもよく、好ましくは、フッ素、塩素またはホウ素で置換されていてもよいC1−C25アルキル基、C1−C4アルキル基で1〜3回置換されていてもよいアリル基、シクロアルキル基、C1−C4アルキル基、ハロゲン、ニトロまたはシアノで1〜3回置換されていてもよいフェニルで1または2回縮合されていてもよいシクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、ハロアルケニル基、ハロアルキニル基、ケトンまたはアルデヒド基、エステル基、カルバモイル基、ケトン基、シリル基、シロキサニル基、A3または−CR127128−(CH2−A3
(式中、R127およびR128はそれぞれ独立して、水素、C1−C4アルキル、またはC1−C4アルキルで1〜3回置換されていてもよいフェニル、
3は、アリールまたはヘテロアリール、特にフェニルまたは1−もしくは2−ナフチルであり、C1−C8アルキルおよび/またはC1−C8アルコキシで1〜3回置換されていてもよく、mは0、1、2、3または4)から選択される。
【0066】
蛍光性のペリレン(組成物を含む)は公知で、たとえばUS−B−5650513、US−B−6491749、US−B−6491749、EP−A−57436、EP−B−638613、EP−A−711812、EP−A−977754、およびEP−A−1019388に記載されている:
−ペリレンモノイミド:
【化51】


〔式中、R120およびR129は上で定義したと同じ〕。
【0067】
一般式
【化52】

【0068】
の核拡張ペリレンビスイミド
〔式中、R120およびR120’は、互いに独立して、置換されていないかまたは置換されているC1−C24アルキル、C1−C24シクロアルキル、またはC6−C10アリールであり、
4およびA3は、互いに独立して、−S−、−S−S−、−CH=CH−、R130OOC−C(−)=C(−)=COOR130、−N=N−または−N(R131)−、または

【化53】


の有機ラジカルからなる群から選択される橋掛け
(式中、R130は水素、C1−C24アルキルまたはC1−C24シクロアルキル、
131は置換されていないかまたは置換されているC1−C24アルキル、C1−C24シクロアルキル、フェニル、ベンジル、−CO−C1−C4アルキル、−CO−C65−またはC1−C4アルキルカルボン酸(C1−C4アルキル)エステル)、および
2

【化54】


の橋掛けである〕。
【0069】
−ペリレンアミジン−イミド着色剤
【化55】


〔式中、R120は第2級C7−41アルキルラジカルまたは式
【化56】


のラジカル(式中、R136は分岐したC3−8アルキルラジカルであり、m1は1、2または3である);AはC5−7シクロアルキレン、フェニレン、ナフチレン、ピリジレン、さらに高度に縮合した芳香族炭素環式または複素環ラジカル、または
【0070】

【化57】

【0071】
の二価のラジカル、R120およびAは、それぞれハロゲン、アルキル、シアノ、またはニトロ;R132〜R135は、それぞれ独立して、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR139、−COR139、−COOR139、−OCOR139、−CONR139140、−OCONR139140、−NR139140、−NR139COR140、−NR139COOR140、−NR139SO2140、−SO2139、−SO3139、−SO2NR139140または−N=N−R139;R137〜R140は、それぞれ独立して、C1―4アルキル、フェニル、または4−トリルである。〕
【0072】
−式
【化58】


のペリレン−3,4:9,10−テトラカルボン酸イミド
〔式中、A10は二価、三価、もしくは四価の炭素環または複素環芳香族ラジカル、
120はH、アルキル、アラルキルまたはシクロアルキル基または炭素環または複素環芳香族ラジカル、
m2は2、3または4である〕
【0073】
【表6】

【0074】
n)キナクリドン
蛍光性のキナクリドン(組成物を含む)は公知であり、たとえばEP−A−0939972、US2002/0038867A1、WO/02/099432、WO04/039805およびPCT/EP2005/052841に記載されている。

【化59】


のキナクリドン化合物
〔式中、R141およびR142は同じでも異なっていてもよく、フッ素、塩素またはホウ素で置換されていてもよいC1−C25アルキル基、C1−C4アルキル基で1〜3回置換されていてもよいアリル基、シクロアルキル基、C1−C4アルキル、ハロゲン、ニトロまたはシアノで1〜3回置換されていてもよいフェニルで1または2回縮合されていてもよいシクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、ハロアルケニル基、ハロアルキニル基、ケトンまたはアルデヒド基、エステル基、カルバモイル基、ケトン基、シリル基、シロキサニル基、A3またはCR127128−(CH2−A3(式中、R127およびR128は、互いに独立して、水素、C1−C4アルキル、またはC1−C4アルキルで1〜3回置換されていてもよいフェニル、
3は、アリールまたはヘテロアリール、特にフェニルまたは1−もしくは2−ナフチルであり、C1−C8アルキルおよび/またはC1−C8アルコキシで1〜3回置換されていてもよく、mは0、1、2、3または4である)から選択され、
143、R143’、R146、およびR146’は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、C1−C18アルキル、ハロゲン置換C1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、C1−C18アルキルチオ、シクロアルキル、場合により置換されたアリールまたはアリールアルキル、ただし、置換基はアルコキシ、ハロゲンまたはアルキル、
144およびR144’は、それぞれ独立して、R143、または基−NAr1Ar2
145およびR145’は、それぞれ独立して、R143、または基−NAr3Ar4、または
143’およびR144’ならびに/またはR143およびR144は合わさって、基
【化60】


または、
145’およびR146’ならびに/またはR145およびR146は合わさって、基
【化61】


である
(式中、R230、R231、R232およびR233は、互いに独立して、水素、C1−C18アルキル、ハロゲン置換C1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、またはC1−C28アルキルチオであり、
234、R235、R236およびR237は、互いに独立して水素、C1−C18アルキル、ハロゲン置換C1−C18アルキル、C1−C18アルコキシ、またはC1−C28アルキルチオである)
Ar1、Ar2、Ar3およびAr4は、互いに独立して、置換されていてもよいアリール基または置換されていてもよいヘテロアリール基〕。ヨーロッパ特許出願04103025.5によれば、基R144、R144’145およびR145’のうちの少なくとも1つは−NAr1Ar2、または−NAr3Ar4である。
【0075】
キナクドリン化合物は白色光を放出し、WO04/039805に記載されている。
【0076】
o)式
【化62】


の(チオ)−エピンドリン
〔式中、
143、R144、R145およびR146ならびに、R143’、R144’、R145’およびR146’
は、上記定義のとおりである〕。
【0077】
p)式
【化63】


のベンゾキサンテン
〔式中、R149はC1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8チオアルキル、ジ(C1−C8アルキル)アミノ、またはハロゲン、XはO、S、NH、またはNR150、ただしNR150はC1−C8アルキル、ヒドロキシ−C1−8アルキル、またはC6−8アリールである〕。
【0078】
q)ラクタムイミド
たとえばUS−B−5,886,183に記載されているナフタレンラクタムイミド:
【化64】


〔式中、R151およびR152は、互いに独立に、C2−C5アルキルであり、置換されていないかもしくはハロゲン、C6−C10アリール、C5−C10ヘテロアリールまたはシクロアルキルによって置換されたC2−C5アルキル;C3−C10シクロアルキル、または式
【化65】


のラジカルであり、
5およびB5は、それぞれ独立してC1−C6アルキル、C3−C6シクロアルキル、C6−C10アリール、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−OR136、−SR136、−COR136、−COOR136、−OCOR136、−CONR136137、−OCONR136137、−NR136137、−NR136COR137、−NR136COOR137、−NR136SO2137、−SO2137、−SO3137、−SO2NR136137または−N=N−R136
133〜R135は、互いに独立して、ハロゲン、C1−C12アルキル、フェニル、またはトリル、ここでR135の一個は水素でもあり得る、
136およびR137は、互いに独立して、C1−C4アルキル、フェニル、または4−トリル
5およびm5は、互いに独立して、0、1または2、
oは0〜4の整数、
pは0〜3の整数、
qは0または1)〕。
【0079】
(注:ここまで、070309)
r)ジフェニルマレイミド、たとえばWO2001019939に記載のもの
【化66】


〔式中、R161およびR162は、互いに独立して、
【化67】

【0080】
を表す(式中、Q1は水素、ハロゲン、フェニル、−E−C1−C6アルキル、−E−フェニル、ただし、フェニルはC1−C6アルキル、ハロゲン、C1−C8アルコキシ、ジフェニルアミノ、−CH=CH−Q2で3回まで置換されていてもよく、ここでQ2はフェニル、ピリジル、またはチオフェニルキルであり、C1−C6アルキル、ハロゲン、C1−C8アルコキシ、−CNで3回まで置換されていてもよく、ここでEは酸素または硫黄であり、R168はC1−C8アルキル、フェニルであり、C1−C4アルキル、C1−C4アルコキシ、またはジメチルアミノで3回まで置換されていてもよく、R169およびR170は、互いに独立して、水素、R168、C1−C8アルコキシ、またはジメチルアミノ、
または−NR164165を表し、なおここでR164およびR165は、互いに独立して、水素、フェニル、またはC1−C8アルキル−カルボニル、または−NR164165は5または6員環の環システムを表し、R163はアリル、
【化68】


(式中、Q3は、水素、ハロゲン、C1−C8アルコキシ、C1−C8アルキル−アミノ、置換されていないか置換されているC1−C8アルキル、置換されていないかまたはハロゲン、−NH2、−OH、またはC1−C8アルキルで3回まで置換されているフェニルを表し、またZは二価または三価のラジカルであり、置換されているか置換されていないシクロヘキシレン、好ましくは1,4−シクロヘキシレン、トリアジン−2,4,6−トリル、C1−C6アルキレン、1,5−ナフチレン、
【化69】


{式中、Z1、Z2およびZ3は、互いに独立して、シクロヘキシレン、またはC1−C4アルキルで3回まで置換されるかまたは置換されていないフェニレン、好ましくは置換されていないかまたは置換されている1,4−フェニレン}から選択され、
またR166およびR167は、互いに独立して
【化70】


(式中、n6は1、2または3、mは1または2である。))を表す〕。
【0081】
s)アセトアセトアミド、たとえばWO200346086に記載のもの
【化71】


〔式中、R171はハロゲン、特に塩素、またはC1−C4アルコキシ、特にメトキシを表し、Yは−CH2−または−O−、好ましくは−O−を表し、R172およびR173は、それぞれ独立して、水素、C1−C8アルキル、または6−C14アリールを表し、これらはC1−C8アルキル、C1−C4アルコキシまたはハロゲンで3回まで置換されていてもよく、好ましくはC1−C8アルキルを表し、特にメチルを表す〕。
【0082】
t)イミダゾチアジン
【化72】

【0083】
u)ベンズアントロン
【化73】


〔式中、R174はC1−C8アルキル、C7−C12アラルキル、またはC6−C10アリールである〕。
【0084】
v)フタルイミド、例えばEP−A−456609に記載のもの
【化74】


〔式中、R175およびR176は、互いに独立して水素、ハロゲン、C1−C5アルキル、またはC1−3アルコキシである〕。
【0085】
w)ベンゾトリアゾール、例えばWO03/105538およびPCT/EP2004/053111に記載のもの。
【0086】
x)ピリミジン、トリアジン、ピラジン、ピリジン、トリアゾールおよびジベンゾフラン、たとえばWO04/039786、PCT/EP2004/050146、WO05/023960、PCT/EP2004/052984、およびPCT/EP2005/051731、欧州特許出願第05103497.3号および05104599.5号に記載のもの。
【0087】
発光性化合物の別のクラスは、光学的蛍光剤である。
【0088】
光学的蛍光剤、またはより適切には、蛍光増白剤(FWA)は、無色で少し着色した有機化合物であり、溶液中または基材に適用されると、紫外線(日光からたとえば約300−430nm)を吸収し、吸収したエネルギーのほとんどを約400および500nmの間の青い蛍光として放射する。
【0089】
そのような化合物は、Fluorescent Whitening Agent, Encyclopedia of Chemical Technology, KirK-Othmer, 4th ed., 11:227-241(1994)に記載されている。
【0090】
たとえばポリスチリルスチルベンおよびトリアジンスチルベンなどのスチルベン誘導体、ヒドロキシクマリンおよびアミノクマリンなどのクマリン誘導体、オキサゾール、ベンズオキサゾール、イミダゾール、トリアゾールおよびピラゾリン誘導体、ピレン誘導体、およびポルフィリン誘導体、およびこれらの混合物は、光学的蛍光剤として公知である。このような化合物は広く市販されている。それらは、これらに限定されるわけではないが、以下の誘導体を含む:
【0091】
a)ジスチリルベンゼン
シアノ−置換1,4−ジスチリルベンゼン:
【表7】

【0092】
b)ジスチリルビフェニル
【表8】

【0093】
c)ジビニルスチルベン
【化75】


更に効力の高い別のジビニルスチルベン蛍光剤は、4,4′−ジ(シアノビニル)スチルベンである。
【0094】
d)トリアジニルアミノスチルベン
以下の表に、ビス(4,4′−トリジニルアミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸の重要なアニリノおよびアニリノスルホン酸代表例を列挙する。後者は、広いpH範囲で用いることができる。列挙した化合物はすべて高い増白効果、良好な効率、および適度な耐光性に優れる。
【0095】
−ビス(4,4′−トリジニルアミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸のアニリノ誘導体
【表9】

【0096】
−ビス(4,4′−トリジニルアミノ)スチルベン−2,2′−ジスルホン酸のアニリノスルホン酸誘導体
【表10】

【0097】
e)スチルベニル−2H−トリアゾール
−ビス(1,2,3−トリアゾール−2−イル)スチルベン
【化76】


〔式中、M1はK、またはNaである〕。
【0098】
f)ベンズオキサゾール−スチルベニルベンズオキサゾール
5,7−ジメチル−2−(4′−フェニルスチルベン−4−イル)ベンズオキサゾール
【表11】

【0099】
−ビス(ベンズオキサゾール)
【表12】

【0100】
g)フラン、ベンゾ[b]フラン、およびベンズイミダゾール
フランおよびベンゾ[b]フランは光学的蛍光剤のためのブロックを構築する。それらはたとえばベンズイミダゾールおよびベンゾ[b]フランと組み合わせてビフェニル末端基として用いられる。
【0101】
−ビス(ベンゾ[b]フラン−2−イル)ビフェニル
【化77】

【0102】
−カチオン性ベンズイミダゾール
【表13】

【0103】
h)1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン
−1−(4−アミドスルフォニルフェニル)−3−(4−クロロフェニル)−2−ピラゾリン
【化78】

【0104】
−非イオン性およびアニオン性1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン
【0105】
【表14】

【0106】
−1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン
【表15】

【0107】
i)クマリン
【化79】

【0108】
j)ナフタルイミド
4−アミノナフタルイミドおよびそれらのN−アルキル化誘導体は、明るい緑色がかった黄色の蛍光着色剤である。ナフタルイミド環の4位におけるアミノ基のアシル化によって、蛍光は青色にシフトし、光学的蛍光剤として使用するのに適した化合物、例えば4−アセチルアミノ−N−(n−ブチル)ナフタルイミドが得られる。
【0109】
【表16】

【0110】
k)1,3,5−トリアジン−2−イル誘導体
このクラスの化合物の代表的な例は下記式の化合物である。
【化80】


〔式中、X1、X2、X3およびX4は、互いに独立して、−NR301302または−OR303であり、ここでR301およびR302、は互いに独立して、水素、シアノ、C1−C4アルキル基であり、これは、置換されていないか、またはC1−C4アルコキシ、ヒドロキシ、カルボキシル、もしくはそれらの塩(−CO2M)、シアノ、カルボンアミド、チオール、グアニジン、置換されているかもしくは置換されていないフェニル、置換されていないかもしくはC1−C4アルキル−置換のC5−C8シクロアルキル、ハロゲン、複素環およびスルホン酸残基からなる群より選択される残基の1または2によって置換されていてもよく、ただし2、3または4個の炭素原子を有するアルキル基の炭素鎖に酸素が割り込み可能であり、あるいは、C5−C7シクロアルキル基であり、
または
301およびR302は、それらに結合している窒素原子と合わさって、5または6員環の複素環を完成する;
303はC1−C4アルキルを表し、
MはH、Na、Li、K、Ca、Mg、アンモニウム、または、C1−C4アルキルおよび/またはC2−C4ヒドロキシアルキルでモノ−、ジ−、トリ−、またはテトラ−置換されたアンモニウムであり;特に
【表17】




または1−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)ピレン:
【化81】


である〕。
【0111】
光学的蛍光剤、すなわち一つの光学的蛍光剤または光学的蛍光剤の混合物が充填された多孔質SiOフレークは、種々の量で化粧品組成物に配合もよい。一般的に、それらの含有量は、所望する光学的効果、すなわち視覚的な漂白効果が得られるように調整される。言うまでもなく、それらの含有量は含有する光学的蛍光剤の放射力に直接関係している。
【0112】
したがって、本発明は、皮膚のメイクアップおよび/またはスキンケアのための化粧品組成物にも関し、この組成物は少なくとも1の光学的蛍光剤を含有する多孔質SiOフレークを含み、多孔質のミネラル粒子は生理学的に受容可能な媒体中に提供され、また本発明は、皮膚を明るくする化粧方法に関し、この方法は上記化粧品組成物を皮膚に塗布することを含む。
【0113】
有利なことに、本発明の組成物によって、それを塗布した皮膚は、均一性、均質性、透明性および白さの質において改善される。これにより均一な磁器タイプのような視覚的効果が得られる。
【0114】
有機または無機の発光性化合物または組成物を含むSiOフレークは、
a)有機または無機の発光性の化合物または組成物を含む溶液にSiOフレークを分散させるか、または有機または無機の発光性の化合物または組成物を含む溶液にSiOフレークを添加するか、または、有機または無機の発光性の化合物または組成物をSiOフレークの分散液に添加する、
b)場合により、有機または無機の発光性の化合物または組成物をSiOフレーク上に沈殿させ、
c)有機または無機の発光性の化合物または組成物を含むSiOフレークを単離することを含む方法により得ることができる。
【0115】
好ましい方法は、
a)SiOフレークを有機または無機の発光性の化合物もしくは組成物を含む溶液に添加し、
b)場合により、有機または無機の発光性の化合物または組成物をSiOフレーク上に沈殿させ、
c)ついで有機または無機の発光性の化合物または組成物を含むSiOフレークを単離することを含む。
【0116】
有利には、有機または無機の発光性の化合物または組成物をまず適切な溶媒(I)に溶解させ、ついで、得られた溶液にSiOフレークを分散させるような手順である。しかし、逆に、SiOフレークをまず適切な溶媒(I)に分散させ、ついで、有機または無機の発光性の化合物または組成物を添加して溶解させてもよい。
【0117】
第一の溶媒と混和するが、有機または無機の発光性の化合物または組成物の溶解度を低減させる結果それを完全にまたはほとんど完全に基材に沈積せしめる溶媒が、溶媒(II)として適切である。この例においては、無機溶媒も有機溶媒も考えられる。コートされた基材を従来法で分離するために濾過、洗浄および乾燥する。
【0118】
発光性のSiO粒子を調製するための別の方法は、
a)キャリア上に分離剤を蒸着させ分離剤層を形成し、
b)上記分離剤層(a)上にSiOおよび分離剤を同時に蒸着させ、
c)特に分離剤を溶媒に溶解させることにより、分離剤から発光性のSiO粒子を分離させ、
d)場合により、発光性のSiO粒子を溶媒から分離することを含む。
【0119】
上記プロセスの工程a)を省略してキャリアが基材に置き換えられると、有機または無機の発光性の化合物または組成物を含む発光性のSiO粒子フィルムを含む基材が得られる。
【0120】
「ハロゲン」との用語は、フッ素、塩素、ホウ素およびヨウ素を意味する。
【0121】
1−C25アルキルは典型的には直鎖または分岐鎖であり、可能であれば、メチル、エチル、n−プロピル、イロプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシル、n−ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、エイコシル、ヘンエイコシル、ドコシル、テトラコシルまたはペンタコシル、好ましくはC1−C8アルキル、例えばメチル、エチル,n−プロピル、イロプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、1,1,3,3−テトラメチルブチルおよび2−エチルヘキシル、さらに好ましくは、C1−C4アルキル、例えば典型的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチルである。
【0122】
「ハロアルキル(またはハロゲンで置換されたアルキル)、ハロアルケニルおよびハロアルキニル」との用語は、部分的または全体的に上記アルキル基、アルケニル基およびアルキニル基をハロゲンで置換することによって得られる基、例えばトリフルオロメチル等を意味する。「アルデヒド基、ケトン基、エステル基、カルバモイル基およびアミノ基」は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環基で置換されたものを含み、ここでアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基および複素環基は置換されていなくても置換されていてもよい。「シリル基」との用語は、トリメチルシリル基などの、式−SiR626364(式中、R62、R63およびR64は、互いに独立して、C1−C8アルキル基、特にC1−C4アルキル基、C6−C24アリール基、またはC7−C12アラルキルである。)の基を意味する。「シロキサニル基」との用語は、トリメチルシロキサニル基などの、式−O−SiR626364(式中、R62、R63およびR64は、上記の定義のとおりである。)の基を意味する。
【0123】
1−C8アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、2−ペントキシ、3−ペントキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシ、1,1,3,3−テトラメチルブトキシおよび2−エチルヘキソキシ、好ましくは典型的にはメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシなどのC1−C4アルコキシである。「アルキルチオ基」との用語は、アルコキシ基と同じ基を意味するが、エーテル結合の酸素原子が硫黄原子で置き換わっている。
【0124】
「アリール基」との用語は典型的にはフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、フェナントリル、ターフェニル、ピレニル、2−もしくは9−フルオレニルまたはアントラセニルなどのC6−C24アリール、好ましくは、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニルなどのC6−C12アリールであり、置換されていなくても置換されていてもよい。
【0125】
「アラルキル基」との用語は典型的にはベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシル、ω−フェニル−オクタデシル、ω−フェニル−エイコシルまたはω−フェニル−ドコシルなどのC7−C24アラルキル、好ましくはベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、ω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチル、ω−フェニル−ドデシルまたはω−フェニル−オクタデシルなどのC7−C18アラルキル、特に好ましくはベンジル、2−ベンジル−2−プロピル、β−フェニル−エチル、α,α−ジメチルベンジル、ω−フェニル−ブチル、またはω,ω−ジメチル−ω−フェニル−ブチルなどのC7−C12アラルキルであり、ここで脂肪族炭化水素基および芳香族炭化水素基の両方は置換されていなくても置換されていてもよい。
【0126】
「アリールエーテル基」との用語は典型的にはC6−C24アリールオキシ、すなわちO−C6−24アリール、たとえばフェノキシまたは4―メトキシフェニルである。「アリールチオエーテル基」との用語は典型的にはC6−C24アリールチオ、すなわちS−C6−24アリール、たとえばフェニルチオまたは4―メトキシフェニルチオである。「カルバモイル基」との用語は典型的にはC1−C18カルバモイルラジカル、好ましくはC1−8カルバモイルラジカルであり、置換されていなくても置換されていてもよく、たとえばカルバモイル、メチルカルバモイル、エチルカルバモイル、n−ブチルカルバモイル、tert−ブチルカルバモイル、ジメチルカルバモイロキシ、モルフォリノカルバモイルまたはピロロリジノマルバモイルである。
【0127】
「シクロアルキル基」との用語は典型的にはC5−C12シクロアルキル、たとえばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルであり、置換されていなくても置換されていてもよい。「シクロアルケニル基」との用語は1または2以上の二重結合を有する不飽和脂環式炭化水素基、たとえばシクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニルなどであり、置換されていなくても置換されていてもよい。シクロアルキル基、特にシクロヘキシル基は、C1−C4アルキル、ハロゲンおよびシアノで1〜3回置換されていてもよいフェニルによって1または2回縮合され得る。そのような縮合されたシクロヘキシル基の例は、
【化82】


特に、
【化83】


(式中、R51、R52、R53、R54、R55およびR56は、互いに独立して、C1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ、ハロゲンおよびシアノ、特に水素である)である。
【0128】
「ヘテロアリールまたは複素環基」との用語は、5〜7環原子を有する環であり、窒素、酸素または硫黄が可能なヘテロ原子であり、典型的には5〜18の原子を有し少なくとも6つの共役π電子を有する不飽和複素環ラジカル、たとえばチエニル、ベンゾ[b]チエニル、ジベンゾ[b,d]チエニル、チアントレニル、フリル、フルフリル、2H−ピラニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、フェノキシチエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ビピリジル、トリアジニル、ピリミリジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリル、イソキノリル、フタルアジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、カルボリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズオキサゾリル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、イソキサゾリル、フラザニルまたはフェノキサジニル、好ましくは上記の単環式または二環式のラジカルである。
【0129】
アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルアリールアミノ基、アリールアミノ基およびジアリール基における「アリール」および「アルキル」との用語は、典型的にはそれぞれC1−C25アルキルおよびC6−C24アリールである。
【0130】
上記の基はC1−C8アルキル、ヒドロキシル基、メルカプト基、C1−C8アルコキシ、C1−C8アルキルチオ、ハロゲン、ハロ−C1−C8アルキル、シアノ基、アルデヒド基、ケトン基、カルボキシル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基、ニトロ基、シリル基またはシロキサニル基で置換されていてもよい。
【0131】
本発明のさらなる実施形態においては、有機発光性化合物はSiOフレークに化学的に結合していてもよい。
【0132】
【化84】

【0133】
OLCは有機発光性化合物であり、特に上記した有機発光性化合物の1つであり、x2は0または1である。
【0134】
適切には、SiOに結合する基X3は反応基から誘導され、適切な条件下でSiOフレークの官能基と反応する。
【0135】
好ましくは、SiOフレークの官能基は水酸基であり、反応性基X3は−Si(OR1132O−(式中、R113はH、または−OSi−である)から誘導される。
【0136】
適切なスペーサー基X2は、炭素、窒素、酸素、硫黄およびリンからなる群より選択される1〜60個の鎖原子を含む。
【0137】
スペーサー基は、たとえば:
−(CHR′)p−
−{(CHR′)q−O−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−S−(CHR′)r}−
−{(CHR′)q−NR′−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−Si(R′)2−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−(CH=CH)−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−Ar−(CHR′)r}−
−{(CHR′)q−CO−NR′−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−CO−Ar−NR′−(CHR′)r}s−、
〔ただし、R′は、場合によりスルフォン酸塩で置換されていてもよい水素、C1−4アルキルまたはアリール、Arは、場合によりスルフォン酸塩で置換されているフェニレン、pは1〜20、好ましくは1〜10、qは1〜10、rは1〜10、およびsは1〜5である〕である。
【0138】
1は、着色剤の反応性基とスペーサー基X2に結合した官能基との反応によって誘導され、逆もまた同じである。
【0139】
官能基は、たとえば、スクシニミジルエステル、スルホ−スクシニミジルエステル、イソチオシアネート、マレイミド、ハロアセトアミド、アシドハライド、ビニルスルホン、ジクロロトリアジン、カルボジイミド、ヒドラジドおよびホスフォラミダイト(phosphoramidite)から選択される。好ましくは、着色剤の反応性基は、水酸基またはアミノ基である。
【0140】
考えられる反応性基および官能基は:
反応性基 官能基
スクシニミジルエステル 第一級アミノ、第二級アミノ、SH
イソチオシアネート アミノ基、SH
イソシアネート アミノ基、ヒドロキシ、SH
ハロアセトアミド スルフィドリル、ヒドロキシ、アミノ
アシドハライド アミノ基、OH、SH
無水物 第一級アミノ、第二級アミノ、ヒドロキシ、SH
ヒドラジド アルデヒド、ケトン
ビニルスルフォン アミノ基、ヒドロキシ、SH
モノ−またはジクロロトリアジン アミノ基、SH
カルボジイミド カルボキシル基
ハロゲナイド ヒドロキシ、SH
【化85】

【0141】
したがって、基X1は、−NR114C(=O)−、−OC(=O)−、−SC(=O)−、−C(R114')=N−NH−、−SO2−CH2−CH2−O−、−SO2−CH2−CH2−S−、−SO2−CH2−CH2−NH−、
【化86】


〔式中、R115は塩素、置換されているアミノ基、OH、またはOR116、R116はC1−4アルキル;−C(=O)NH−、−S−CH2−C(=O)−NH−、−O−CH2−C(=O)−NH−、または−NH−CH2−C(=O)−NH−、−NH−C(=S)−NH−、−S−C(=S)−NH−、−NH−C(=O)−NH−、−S−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−NH−、−NR114−、−S−、または−O−、なおここでR114は水素またはC1−8アルキル、R114’は水素、またはC1−8アルキルである〕
から選択される。
【0142】
発光性の材料を利用可能なアミノおよびヒドロキシ官能基と結合させるために特に有用な反応性基が好ましい。
【0143】
さらなる実施態様において、本発明は基−X4−(X2X2−X3−を介してSiOフレークに化学的に結合している無機発光性化合物を含有する発光性SiOフレーク、特に発光性多孔質SiOフレークに関する:
【化87】


〔式中、X2は0または1、
【化88】

【0144】
は部分構造M−L−(式中、
Mは金属、特に希土類金属、さらに特にテルビウム(Tb)、プラセオジム(Pr)、ユーロビウム(Eu)、ランタン(La)およびジスプロジウム(Dy)、LはX4に化学的に結合したリガンドである。)を有する無機発光性錯体化合物であるか、または、
【化89】


は部分構造
【化90】


(式中、C−NはX4に化学的に結合したシクロメタル化リガンド、M′は原子量が40を超える、好ましくは72を超える金属)を有する無機発光性錯体化合物であり、
3は、基−Si(OR1132O−(式中、R113はH、または−OSi−であり、
2は、スペーサー基、特に、
−(CHR′)p−
−{(CHR′)q−O−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−S−(CHR′)r}−
−{(CHR′)q−NR′−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−Si(R′)2−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−(CH=CH)−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−Ar−(CHR′)r}−
−{(CHR′)q−CO−NR′−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−CO−Ar−NR′−(CHR′)r}s−、
(式中、R′は、場合によりスルフォン酸塩で置換されていてもよい水素、C1−4アルキルまたはアリール、Arは、場合によりスルフォン酸塩で置換されているフェニレン、pは1〜20、好ましくは1〜10、qは1〜10、rは1〜10、およびsは1〜5である)であり、
4は、−NR114C(=O)−、−OC(=O)−、−SC(=O)−、−C(R114’)=N−NH−、−SO2−CH2−CH2−O−、−SO2−CH2−CH2−S−、−SO2−CH2−CH2−NH−、
【化91】


(式中、R115はクロロ、置換されているアミノ基、OH、またはOR116、ただしR116はC1−4アルキル、−C(=O)NH−、−S−CH2−C(=O)−NH−、−O−CH2−C(=O)−NH−、または−NH−CH2−C(=O)−NH−、−NH−C(=S)−NH−、−S−C(=S)−NH−、−NH−C(=O)−NH−、−S−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−NH−、−NR114−、−S−、または−O−、ただしR114は水素、またはC1−8アルキル、R114’は水素、またはC1−8アルキルである)から選択される〕。
【0145】
リガンドLの例は、
【化92】


である
〔式中、R221およびR225は、互いに独立して、水素、C1−C8アルキル、C6−C18アリール、C2−C10ヘテロアリール、またはC1−C8パーフルオロアルキル、
222およびR226は、互いに独立して、水素、C1−C8アルキル、
223およびR227は、互いに独立して、水素、C1−C8アルキル、C6−C18アリール、C2−C10ヘテロアリール、C1−C8パーフルオロアルキル、またはC1−C8アルコキシ、
224はC1−C8アルキル、C6−C10アリール、またはC7−C11アラルキル、
228はC6−C10アリール、
229はC1−C8アルキル、
230はC1−C8アルキル、またはC6−C10アリール、
231は水素、C1−C8アルキル、またはC1−C8アルコキシであり、部分的または完全にフッ素化されていてもよい、
232はC1−C8アルキル、C6−C10アリール、またはC7−C11アラルキル、
233は水酸基、Cl、またはNH2
234は第一級または第二級のアミノ基、
ただし、置換基R221、R222、223、R225、R226、R227、R228、R229、R230、R231、R232、R233もしくはR234の1つが、官能基と反応して基X4を形成できる反応性の基であるかまたはそれを担持する、または官能基と反応して基X4を形成できる反応性の基を担持する別の残基が存在する〕。
【0146】
本発明の態様において無機発光性化合物は、好ましくは、

【化93】


の金属錯体である〔式中、Mはテルビウム(Tb)、プラセオジム(Pr)、ユーロビウム(Eu)、ランタン(La)およびジスプロジウム(Dy)、特にEu、
4は、−NR114C(=O)−、
【化94】


(式中、R115はクロロ、置換されたアミノ基、OH、またはOR116、ただしR116はC1−4アルキル;−NH−CH2−C(=O)−NH−、−NH−C(=S)−NH−、−NH−C(=O)−NH−、−NR114−、ただしR114は水素またはC1−8アルキル、そしてX2、X2およびX3は上記の定義どおりである)〕。
【0147】
リガンドL′は好ましくは化合物HL′、
【化95】




から誘導される。
【0148】
適切な遷移金属M′は、Ir、Pt、Pd、Rh、Re、Os、Tl、Pb、Bi、In、Sn、Sb、Te、AuおよびAgが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは金属はIr、RhおよびReならびにPtおよびPdから選択され、Irが最も好ましい。
【0149】
シクロメタル化リガンド、C−Nは、当該分野で公知のものから選択すればよい。好ましいシクロメタル形成(cyclometallating)リガンドは、2−フェニルピリジンおよびフェニルピラゾール:
【化96】


およびこれらの誘導体である。フェニルピリジンまたはフェニルピラゾールシクロメタル化リガンドは、場合によりアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルアリール、CN、CF3、CO2250、C(O)R250、N(R2502、NO2、OR250、ハロ、アリール、ヘテロアリール、置換されたアリール、置換されたヘテロアリールまたは複素環基で置換され、更にあるいは別個に、いずれか2つの隣接する置換された場所が合わさって縮合5または6員環基を独立に形成し、ここでこの環基はシクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、またはヘテロアリールであり、また縮合した5または6員環基はアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルアリール、CN、CF3、CO2250、C(O)R250、N(R2502、NO2、OR250、またはハロゲンの1つ以上で置換されていてもよい;各R250は独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アラルキル、およびアリールであり、ただし、フェニルピリジンまたはフェニルピラゾールシクロメタル化リガンドは、官能基と反応して基X4を形成することのできる反応性基を担持する。
【0150】
シクロメタル化リガンドは当該分野で公知の用語であり、限定されないが、例えば
【化97】


である。
【0151】
本発明の態様において、発光性の無機着色剤は、好ましくは、式
【化98】


の金属錯体
(式中、L″はL′、またはシクロメタル化リガンドであり、SiOフレークに化学的に結合していないもの)である。
【0152】
たとえば、SiO粒子はまず3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどの官能性シランとの反応によって変性され得る。多孔質SiOフレークは比表面積が大きく、メソ多孔質材料である。すなわち、孔は、幅が約1〜約50nm、特に2〜20nmであり、ランダムに三次元的に相互に連結している。
【0153】
イソチオシアネートで変性された蛍光性染料は、孔の内部に入ってチオール基と反応することができる。厚さを制御した透明なシリコン酸化物の殻によって蛍光信号が保護される。粒子は安定で多くの目的、特にポリマー、例えば核酸、ポリペプチド、および他の合成分子のコンビナトリアル合成における光学的バーコードに有用である。
【0154】
さらなる態様において、本発明は、無機蛍光体を含む多孔質SiOフレークに関する。励起光の吸収は、蛍光体の粒径に強く依存しており、粒子粒径が比較的大きい場合には急速に少なくなる。孔径が1〜50nm、特に2〜20nmの範囲の多孔質SiOフレークを用いると、多孔質SiOフレークの孔内にナノサイズの蛍光体を生成することができる。
【0155】
I)硫化物およびセレン化物
a)亜鉛およびカドミウムの硫化物および硫化セレン化物
硫化物蛍光体の製造のための原材料は、高純度の亜鉛およびカドミウム硫化物であり、これらは清浄化された塩溶液から硫化水素または硫化アンモニウムによって沈殿する。Zn1−yCdS(0≦y≦0.3)は混合した亜鉛−カドミウム塩溶液からの共沈により製造することができる。
【0156】
硫化物蛍光体に対する最も重要な付活剤は、銅および銀であり、ついでマンガン、金、希土類、および亜鉛である。ホスト格子の電荷補償が、一価または三価のイオン(たとえばClまたはAl3+)との結合した置換によって引き起こされる。
【0157】
蛍光体の合成には、容易に分解した付活剤および共付活剤の化合物とともに硫化物をSiOフレーク上に沈殿し、焼成する。
【0158】
発光特性は、付活剤および共付活剤の性質、それらの濃度、および焼成条件に影響され得る。加えて、ホスト格子の亜鉛または硫黄をカドミウムまたはセレンによって特別に置換することが可能であり、これも発光特性に影響する。
【0159】
硫化亜鉛を銀でドープ(銀で活性化)すると、440nmのスペクトルの青色領域において、強い放射帯が現われ、これは短時間で衰退する。
【0160】
ZnS:Ag蛍光体において亜鉛をカドミウムで置換すると、放射の最大は青色から、緑色、黄色、赤色へとIRスペクトル領域にシフトする。
【0161】
銅で活性化すると、硫化亜鉛に放射が起こり、それは調製による比に応じて青色帯(460nm)および緑色帯(535nm)からなる。
【0162】
硫化亜鉛を硫化マンガンで広範な比率をもって置換すると混合結晶が形成される。マンガンで活性化された硫化亜鉛の放射帯は、580nmの黄色スペクトル領域にある。
【0163】
硫化亜鉛を金で活性化すると、調製に応じて、黄緑色(550nm)または青色(480nm)のスペクトル領域に発光が起こり、一方、リンで活性化すると青色〜白色の発光蛍光体が形成される。
【0164】
付活剤は、容易に高温で分解するオキサイド、オキサレート、カーボネート、または他の化合物の形態で添加する。
【0165】
b)アルカリ−土類硫化物および硫化セレン
活性化したアルカリ土類金属硫化物は、紫外および近赤外の間において放射帯を有する。それらは、たとえば場合により銅硝酸塩、マンガン硫酸塩、またはビスマス硝酸塩などの付活剤の存在下で、SiOフレーク上に硫酸塩または亜セレン酸塩の沈殿により生成され、ついで、Ar−H2を用いた還元および焼成を行う。アルカリ−土類ハライドまたはアルカリ金属硫酸塩は、溶融剤として添加されることもある。
【0166】
ユーロピウム、セリウム、またはサマリウムなどの希土類によって活性化された、MgS、またはCaSなどのアルカリ土類硫化物は、非常に重要である:
CaS:Ce3+は、緑−放射蛍光体である。10−4mol%のセリウムで活性化すると、発光最大が540nmで起こる。付活剤の濃度が大きいと赤色へのシフトが起こり;一方、カルシウムをストロンチウムで置換すると青色へのシフトが起こる。MgS:Ce3+(0.1%)は緑色および赤色のスペクトル領域において525nmおよび590nmに2つの放射帯を有し;MgS:Sm3+(0.1%)は575nm(緑色)、610(赤色)および660nm(赤色)に3つの放射帯を有する。
【0167】
ユーロピウム−サマリウムもしくはセリウム−サマリウムで二重に活性化された、カルシウムまたはストロンチウムサルファイドは、IR放射によって刺激され得る。放射はユーロピウムまたはセリウムで起こり、オレンジ色−赤色(SrS:Eu2+,Sm3+)または緑色(CaS:Ce3+,Sm3+)の蛍光となる。
【0168】
c)オキシスルフィド
23S:Eu3+の主たる放射線は、565および627nmで起こる。長波長の放射の強度は、ユーロピウムの濃度にともなって増加し、これにより放射の色がオレンジ色から深い赤色にシフトする。Y23S中のテルビウムは、青色(489nm)および緑色スペクトル領域(545および587nm)に主たる放射帯を有し、これらの強度比はテルビウムの濃度に依存する。低いドープレベルでは、Y23S:Tb3+は青色−白色に発光し、高いドープレベルでは、色は緑色に近づく傾向にある。Gd22S:Tb3+は緑色の発光を示す。
【0169】
II)酸素を主とする蛍光体
a)ホウ酸塩:
Sr312202:Eu3+
【0170】
b)アルミン酸塩
イットリウムアルミン酸塩Y3Al512:Ce3+(YAG)は、これの硝酸塩の溶液からこの金属水酸化物をNH4OHで多孔質SiOフレーク上に沈殿させ、続いて焼成することにより生成される。
【0171】
セリウムマグネシウムアルミン酸塩(CAT)Ce0.65Tb0.35MgAl1119は、これの硝酸塩の溶液からこの金属水酸化物をNH4OHで多孔質SiOフレーク上に共沈させ、続いて焼成することにより生成される。希土類がCe3+およびTb3+として存在することを確実にするためには、強い還元性雰囲気が必要である。さらなるアルミン酸塩蛍光体の例は、BaMg2Al1627:Eu2+およびY3Al3Ga212:Tb3+である。
【0172】
長期減衰の蛍光体は、希土類で活性化された二価のホウ素置換アルミン酸塩からなり、US−B−5,376,303に開示されている。特に、長期崩壊の蛍光体は、MO(Al1―b23:cR103(式中、0.5≦a≦10.0、0.0001≦b≦0.5および0.0001≦c≦0.2であり、MOはMgO、CaO、SrOおよびZnOからなる群より選択される少なくとも1つの二価の金属酸化物を示し、R103はEuおよび少なくとも1つの追加的な希土類元素を示す。)を含む。好ましくは、R103はEuおよびPt、Nd、DyおよびTmからなる群より選択される少なくとも1つの希土類元素を示す。
【0173】
c)ケイ酸塩
ZnSiO4:Mnは、緑色蛍光体として用いられる。その製造は、[Zn(NH34](OH)2およびMnCO3の溶液を多孔質SiOフレーク上に沈殿、続いて乾燥および焼成する。
【0174】
イットリウムオルトケイ酸塩Y2SiO5:Ce3+は、(Y,Tb)(NO33水溶液をSiOフレークとともに処理し、加熱し、ついでN2/H2下で還元的に焼成させることにより、生成することができる。イットリウムオルトケイ酸塩は、Ce、Tb、およびMnでドープすることができる。
【0175】
d)ゲルマニウム酸塩
マグネシウムフルオロゲルマニウム酸塩、3.5MgO・0.5MgF2・GeO2:Mn4+は明るい赤色の蛍光体である。
【0176】
e)ハロ燐酸塩および燐酸塩
ハロ燐酸塩は二重に活性化された蛍光体であり、Sb3+およびMn2+が増感剤および付活剤として機能し、放射スペクトルにおいて対応する2つの最大が生ずる。アンチモンは増感剤としても付活剤としても働く。化学組成は、最も明瞭には3Ca3(PO42・Ca(F,Cl)2:Sb3+、Mn2+と表すことができる。
【0177】
以下の燐酸塩蛍光体が好ましい:(Sr,Mg)3(PO42:Sn2+;LaPO4:Ce3+、Tb3+;Zn3(PO42:Mn2+;Cd5Cl(PO42:Mn2+;Sr3(PO42・SrCl2:Eu2+;およびBa227:Ti4+
【0178】
3Sr3(PO42・SrCl2:Eu2+は、全紫外領域からの放射によって励起し得る。励起最大は375nmにあり、発光最大は447nmにある。Sr2+をCa2+およびBa2+で連続して置換することにより、発光最大は450nmにシフトする。
【0179】
f)酸化物:
23:Eu3+の調製は、一般的に、混合したシュウ酸塩をイットリウムおよびユーロピウム硝酸塩の精製した溶液からSiOフレーク上に沈殿させることにより行う。乾燥したシュウ酸塩の焼成の後に、結晶化焼成を行う。
【0180】
23:Eu3+は赤色領域において611.5nmに強い放射を示す。この赤色の放射発光は、約10mol%までEu濃度が増加するにともなって増大する。微量のTbがY23:Eu3+のEu蛍光を強めることができる。
【0181】
ZnO:Znは自己活性化蛍光体の典型的な例である。
【0182】
g)砒酸塩:
マグネシウム砒酸塩6MgO・As25:Mn4+は非常に明るい赤の蛍光体である。その生成には、MgCl2およびMnCl2の溶液を用い、マグネシウムおよびマンガンをピロ砒酸でSiOフレーク上に沈殿させる。乾燥した沈殿物を焼成する。
【0183】
g)バナジウム酸塩
希土類で活性化したバナジウム酸塩のうち、YVO4:Eu3+が好ましく、一方、他の付活剤でのバナジウム酸塩(Tm、Tb、Ho、Er、Dy、Sm、またはInをともなうYVO4;GdYVO4:Eu;LuVO4:Eu)はあまり有用でない。Bi3+を配合するとEu3+の放射が増感し、発光色をオレンジ色にシフトさせる。
【0184】
i)硫酸塩
フォトルミネッセントを示す硫酸塩は短波長の放射を吸収するイオン、たとえばCe+3で活性化することにより得ることができる。Ce+3でのアルカリ金属およびアルカリ土類硫酸塩は、300および400nmの間で放射する。更にマンガンを活性化すると、Ce+3に吸収されたエネルギーはマンガンに移動し、放射は緑色から赤色の領域にシフトする。水不溶性硫酸塩は活性物とともに多孔質SiOフレーク上に沈殿し、融点以下で焼成する。Ce+3およびMn+2による活性化の場合、活性物の濃度は少なくとも0.5mol%である。
【0185】
j)タングステン酸塩およびモリブデン酸塩
マグネシウムタングステン酸塩MgWO4およびカルシウムタングステン酸塩CaWO4は、最も重要な自己活性化蛍光体である。マグネシウムタングステン酸塩の量子収率が84%の高さになると50−270nmの放射が可視光に変換する。希土類イオンで更に活性化すると、それらの典型的な放射も起こる。Eu3+で活性化されたモリブデン酸塩の一例は、Eu2(WO43である。
【0186】
III)ハライド蛍光体
発光性のアルカリ金属ハライドは、高純度の大きな単結晶として容易に生成することができる。外来イオン(たとえばTl、Ga、In)が結晶格子に配合されると、さらに発光中心が形成される。放射スペクトルは、個々の外来イオンに特有である。
【0187】
アルカリ金属ハライド蛍光体を含む多孔質SiOフレークは、対応するアルカリ金属ハライドおよび付活剤を不活性雰囲気下で焼成することにより生成できる。
【0188】
いくつかの重要なアルカリ金属ハライド蛍光体を以下の表に列挙する:
【0189】
【表18】

【0190】
アルカリ土類ハライド蛍光体のうち、マンガンまたは希土類でドープされたもの、たとえばCaF2:Mn;CaF2:Dyが好ましい。
【0191】
それらは、対応するカチオンの溶液からCaF2および付活剤を多孔質SiOフレーク上に共沈させ、続いて焼成により生成される。
【0192】
他の好ましいハライド蛍光体は、(Zn、Mg)F2:Mn2+、KMgF3:Mn2+、MgF2:Mn2+、(Zn、Mg)F2:Mn2+である。
【0193】
イットリウム、ランタニウム、およびガドリニウムのオキシハライドは、テルビウム、セリウム、およびツリウムなどの他の希土類イオンで活性化するのに良好なホスト格子であり、たとえばLaOCl:Tb3+およびLaOBr:Tb3+がある。付活剤の濃度(Tb,Tm)は0.01〜0.15mol%である。イットリウムでの共活性により、残光(afterglow)を低減させることができる。LaOBr:Ce3+におけるランタンをガドリニウムで部分的に置換することより、電子励起による量子収率が増加し、ケンチング(quenching)温度が上昇する。
【0194】
SiOフレーク中の発光性の化合物または組成物の量は広い範囲で変化が可能であるが、有利には全SiOフレーク質量に対し0.01〜60重量%の範囲、好ましくは5重量%を超え50重量%までである。好ましいものは、全SiOフレーク質量基準で7〜40重量%の範囲の割合で与えられる。
【0195】
特に好ましい無機の発光性の化合物は、可視光または紫外線照射による励起の際に燐光作用を生ずる。燐光作用には利点があり、簡単な方法で確実に機械の読取りができる、および励起サイトを検出サイトからスペースを開けて離すことができる。作用は白色光でさえも励起されうるので、暗闇での目視観察で充分に検出ができる。これにより織物のような製品の保証番号のチェックや有価証券のチェックが容易になる。
【0196】
本発明が利用する無機の発光性の化合物は、200〜680nmの波長範囲での可視光または紫外線の照射で励起する場合、励起の後に380〜680nmの波長範囲のスペクトル部分を有する可視光を発する点で有利である。
【0197】
特に有利には、1種またはそれ以上の遷移金属元素またはランタノイド元素でドープされている硫化亜鉛、亜鉛カドミウム硫化物、アルミン酸アルカリ土類金属塩、アルカリ土類金属硫化物またはアルカリ土類金属ケイ酸塩を用いる。たとえば、銅ドープ硫化亜鉛は緑の燐光を生じ、ランタノイド元素でドープされたアルカリ土類アルミン酸塩、アルカリ土類金属硫化物またはアルカリ土類金属ケイ酸塩は、緑、青または赤の燐光を生じ、銅ドープ亜鉛カドミウム硫化物はカドミウム含量によって、黄、オレンジまたは赤の燐光を生じる。
【0198】
好ましいものは、ユーロピウムでドープされたアルミン酸アルカリ土類金属塩およびユーロピウムと共に共付活剤としてさらに希土類金属元素、特にディスプロジウムを含むアルミン酸アルカリ土類金属塩である。特に有用な上記の種類のアルミン酸アルカリ土類金属塩はEP−A−0622440および米国特許第5,376,303号に記載されており、これらはその全体をここに参照として組み入れる。
【0199】
自然の歯は、長波長のUV光の作用によって特有のスペクトル分布をともない青〜白の蛍光を呈する。セリウム、テルビウム、およびマンガンでドープされたイットリウムケイ酸塩などの無機蛍光体を含む多孔質SiOフレークは、長波長UVにおいて青〜白蛍光を呈する人工歯を提供する。典型的な組成は、(Y0.937Ce0.021Tb0.033Mn0.0092SiO5である。これらの蛍光体の励起最大は325−370nmの範囲にある。
【0200】
本発明による発光性のSiOフレークは、すべての通常の目的、例えばポリマーの全体としての着色、コーティング(例えば自動車の分野における効果仕上げなど)および印刷用インク(オフセット印刷、凹版印刷、青銅印刷およびフレキソ印刷など;WO03/068868を参照されたい。)に用いることができ、また、例えば化粧品における用途(たとえばWO04/020530を参照されたい。)、インクジェット印刷(たとえばWO04/035684を参照されたい。)、織物の染め(たとえばWO04/035911を参照されたい。)、セラミックおよびガラスのつや出し上塗りに用いることができる。このような用途はたとえばIndustrielle Organische Pigmente(W. Herbst and K. Hunger, VCH Verlagsgesellschaft mbH, Weinheim/New York, 2nd, completely revised edition, 1995)などの引用文献から公知である。
【0201】
本発明の発光性のSiOフレークは、高分子量の有機材料を着色するのに用いると優れた結果が得られる。
【0202】
本発明の顔料または顔料組成物を用いて着色してよい高分子量有機材料は、天然または合成由来でよい。高分子量有機材料は、通常、約103〜108g/molまたはそれ以上の分子量を有する。それらは、たとえば天然樹脂、乾性油、ゴム、もしくはカゼイン、またはこれらから誘導される塩化ゴム、油変性アルキド樹脂、ビスコース、エチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、セルロースアセトブチレート、もしくはニトロセルロースなどのセルロースエーテルもしくはエステル、などの天然物質であってよく、特に重合、重縮合または重付加によって得られるようなすべての合成有機ポリマー(熱硬化性プラスチックおよび熱可塑性プラスチック)であってもよい。重合樹脂の分類から、特に、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはポリイソブチレンなどのポリオレフィン、および、塩化ビニル、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、またはブタジエンなどの重合物などの置換されたポリオレフィン、ならびに特にABSまたはEVAなどのモノマーの共重合物が挙げられる。
【0203】
一連の重付加樹脂および重縮合樹脂からは、たとえばホルムアルデヒドとフェノールとの縮合物、いわゆるフェノプラスト、および、ホルムアルデヒドと尿素、チオ尿素またはメラミンとの縮合物、いわゆるアミノプラスト、および表面コーティング樹脂として用いられるポリエステル、アルキド樹脂などの飽和のものまたはマレイン酸樹脂などの不飽和のもの;また、直鎖状のポリエステルおよびポリアミド、ポリウレタンまたはシリコーンが挙げられる。
【0204】
高分子量化合物は単独または混合物として、プラスチックの塊または溶融物の形態で存在し得る。また、これらはそれらのモノマーの形態、または、たとえばボイル亜麻仁油、ニトロセルロース、アルキド樹脂、メラミン樹脂および尿素−ホルムアルデヒド樹脂またはアクリル樹脂などのように、重合された状態でフィルム形成体、コーティング用バインダーまたは印刷用インクなどの溶解した形態で存在し得る。
【0205】
高分子量有機材料と、高分子量有機材料に対し0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜30重量%の本発明の発光性のSiOフレークを含む組成物が有利である。1〜20重量%、特に約10重量%の濃度が実際にはよく用いられる。
【0206】
本発明の発光性のSiOフレークを用いた高分子量有機材料の着色は、たとえばロールミル、混合機または粉砕機を用いてそのようなSiOフレークを基材とともに適切にはマスターバッチの形態で添加することにより行う。ついで、着色された材料は、艶出し、圧縮成形、押し出し、コーティング、注入または射出成形など、それ自体公知の方法を用いて、所望する最終形態にする。顔料を配合する前後において、可塑剤、充填材、または安定剤などのプラスチック産業において通常の添加剤を、通常の量でポリマーに添加してもよい。特に、固定されていない形状の製品を作製するため、またはそれらの脆性を低減させるためには、たとえば燐酸、フタル酸またはセバシン酸のエステルなどの可塑剤を、成形前の高分子化合物に添加するのが望ましい。
【0207】
塗料および印刷用インクを着色するためには、高分子量有機材料および本発明の発光性のSiOフレークを、適当にたとえば充填材、他の顔料、乾燥剤または可塑剤とともに、同じ有機溶媒に微細に分散または溶解させ、これにより、個々の成分を溶解または別々に分散させることができ、または、いくつかの成分をいっしょに溶解または分散させることができ、そしてその後に全ての成分を合わせる。
【0208】
着色される高分子量有機材料への本発明の発光性SiOフレークの分散、および本発明の顔料組成物の処理は、フレークが細かく割れないように、比較的弱いせん断力が生じる条件で行うことが好ましい。
【0209】
プラスチックは、本発明の発光性SiOフレークを0.1〜50重量%、特に0.5〜7重量%の量で含んでいる。コーティング分野においては、本発明の顔料は、0.1〜10重量%の量で用いられる。たとえば凹版、オフセットまたはスクリーン印刷用の印刷用インクや塗料のためのバインダー系の着色においては、印刷用インク中に顔料は0.1〜50重量%、好ましくは5〜30重量%、特に8〜15重量%入れられる。
【0210】
本発明の発光性SiOフレークはまた、唇や肌のメイクアップ用に、また髪や爪の着色用に好適である。
【0211】
したがってまた、本発明は化粧用調整物または化粧用配合物に関し、この化粧用調整物または化粧用配合物の全重量基準で本発明の発光性SiOフレークを0.0001〜90重量%および化粧用に好適なキャリア材料を10〜99.9999%含む。
【0212】
そうした化粧用調整物または化粧用配合物は、たとえば口紅、頬紅、ファンデーション、ネイルワニスおよびヘアシャンプーである。
【0213】
本発明の化粧調整物または化粧用配合物は、好ましくは本発明の顔料を処方の全重量基準で0.005〜50重量%の量で含む。
【0214】
本発明の化粧調整物または化粧用配合物用に好適なキャリア材料は、そうした組成物に使用される通常の材料を包含する。
【0215】
本発明の化粧調整物または化粧用配合物は、たとえばスティック、軟膏、クリーム、乳濁液、懸濁液、分散液、粉末または溶液といった形態でもよい。それらは、たとえば口紅、マスカラ、頬紅、アイシャドウ、ファンデーション、アイライン、粉末またはネイルワニスである。
【0216】
さらに本発明の発光性SiOフレークは、発光および色シフト性を有する干渉顔料物質として使用できる。そうした干渉顔料フレークの層構造は、WO04/065295により詳しく記載されている。干渉顔料フレークは、入射光または視角の第1の角度での第1色および第1色と異なり入射光または視角の第2の角度での第2色を有するように不連続の色シフトを示す。干渉顔料フレークは、物体や紙へのつぎの適用のための着色材料を製造するための塗料やインキなどの液状媒体中に分散させることができる。
【0217】
発光色シフト顔料フレークは、高い彩度と耐久性の着色剤が望まれる用途に特に好適である。着色材料に発光色シフト顔料フレークを用いることにより、可変色効果がヒトの目に止まる高彩度耐久塗料またはインクを製造できる。本発明の発光色シフト顔料フレークは広い範囲の色シフト性を有しており、これには視角の変化によって彩度(色の純度の程度)における大きなシフト、また色相(色の対比)における大きなシフトが含まれる。それゆえ、本発明の発光色シフト顔料フレークを含む塗料で着色された物体は、視角の変化または見る目と物体との角度の関係によって色が変化する。
【0218】
本発明の発光色シフト顔料フレークは、自動車、紙幣や有価証券、家庭用品、人工構造物、フローリング、繊維製品、スポーツ用品、電子包装/収納、製品包装などの種々の物体や紙への適用が可能な塗料やインキに容易かつ経済的に利用できる。発光色シフト顔料フレークはまた、着色プラスチック材料、被覆材料、押出し物、静電塗装、ガラス、およびセラミック材料の形成に利用できる。
【0219】
最適な光学的効果を得るためには、加工の間、確実にペレット形状の顔料が良好に配向する、すなわち対応する媒体の表面にできるだけ平行に並ぶようにするのが望ましい。この顔料粒子の平行配列は流動法により最も良く行われ、一般に、プラスチック加工、塗装、コーティングおよび印刷の全ての公知の方法において実施される。
【0220】
光学的効果は複写できないということから、本発明の発光性SiOフレークは紙やプラスチックの偽造防止材料の製造に好ましく用いられる。さらに、本発明の顔料は、塗料、印刷用インク、ワニスなどの製造において、プラスチック、セラミック材料およびガラスにおいて、化粧品において、紙やプラスチックのレーザーマーキングのために、およびペレット、チップ、顆粒、ブリケットなどの形状の製造のために用いることができる。
【0221】
紙製の偽造防止材料という用語は、たとえば銀行券、小切手、印紙、郵便切手、鉄道券や航空券、宝くじ、ギフト券、入場券、伝票、株券などの有価証券という意味と捉えられる。プラスチック製の偽造防止材料という用語は、たとえば小切手保証カード、クレジットカード、テレフォンカードおよび身分証明書という意味と捉えられる。
【0222】
印刷用インクの製造のために、発光性SiOフレークは印刷用インクに通常好適なバインダー中に組み入れられる。好適なバインダーはセルロース、ポリアクリレート−ポリメチルメタクリレート、アルキド、ポリエステル、ポリフェノール、尿素、メラミン、ポリテルペン、ポリビニル、ポリ塩化ビニルおよびポリビニルピロリドン樹脂、ポリスチレン、ポリオレフィン、クマロン−インデン、炭化水素、ケトン、アルデヒドおよび芳香族−ホルムアルデヒド樹脂、カルバミン酸、スルホンアミド、エポキシ樹脂、ポリウレタンおよび/または天然油、またはこれらの物質の誘導体である。
【0223】
フィルム形成性ポリマーバインダーに加えて、印刷用インクは、溶剤、もし所望なら水、消泡剤、湿潤剤、レオロジーに影響を与える成分、酸化防止剤などの通常の成分を含む。
【0224】
本発明の発光性SiOフレークは公知の全ての印刷方法に採用できる。それらの例としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、青銅印刷およびオフセット印刷である。
【0225】
全ての公知のプラスチックは真珠光沢顔料で着色できるので、本発明の発光性SiOフレークの使用は、プラスチックの偽造防止材料の製造に限定されず、熱可塑性プラスチックおよび熱硬化性プラスチックの全ての材料着色用に、またそれらの表面仕上げ用の印刷用インクおよびワニスの着色用に好適である。本発明の顔料は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、セルロースアセテート、セルロースアセトブチレート、セルロースニトレート、セルロースプロピオネート、人工角、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、スチレン−アクリロニトリル共重合体および不飽和ポリエステル樹脂の着色に用いることができる。
【0226】
以下の実施例により本発明を説明するが、それらは本発明の範囲を限定するものではない。特に断らない限り、%および部はそれぞれ重量%および重量部である。
【0227】
実施例1
a)公開された手順(Inorg. Chem. 2000, Vol.39, No.21, 4678-4687)と同様にして、ケリダミック酸モノハイドレート(chelidamic monohydrate)7.0g(34.8mmol)を純エタノール15ml(325mmol)とCHCl3330ml中のトルエンスルホン酸10gで還流下に処理して、ジエチル−4−ヒドロキシピリジン−2,6−ジカルボキシレートを収率64%で製造した。
【0228】
測定値:C:55.15;H:5.46;N:5.77。C1113NO5に対する計算値:C:55.23;H:5.48;N:5.24%);
1H−NMR(DMSO−d6):δ1.33(t,6H)、4.36(q,4H)、7.58(s,2H)
【0229】
b)3−ブロモプロピル変性多孔質SiO
WO04/065295の実施例1と同様にして得た多孔質SiO(z=1.4〜1.6)1.0gを純エタノール100mlに懸濁させる。窒素下に3−ブロモプロピルトリメトキシシラン2.82ml(3.65g)の純エタノール25ml溶液を絶えず撹拌しながら滴下する。懸濁液を1時間撹拌し、ついで50℃に加熱し、50℃で22時間撹拌する。冷却した懸濁液を濾過し、純エタノールで洗浄し、残渣を真空中で60℃にて乾燥する。収量:0.99g。元素分析はw(C36Br)=1.5%の有機殻比率を示す。
【0230】
c)ジエチル−4−プロピルオキシピリジン−2,6−ジカルボキシレート変性多孔質SiO
の2.39g(10mmol)およびK2CO3の0.69g(5mmol)を窒素下に撹拌しながらDMF70mlに懸濁させる。1時間の連続撹拌ののち、の0.85gを撹拌下に室温にて加える。この懸濁液を75℃で16時間連続して撹拌しながら加熱する。
【0231】
冷却した懸濁液を濾過し、DMF、脱イオン水ついでメタノールで順次洗浄し、残渣を真空中60℃にて乾燥する。収量:0.81g。元素分析はw(C1418NO5)=2.6%の有機殻比率を示す。
【0232】
d)EuCl36H2Oの0.2g(0.5mmol)を脱イオン水30mlで希釈し、この溶液をpH=6に調整する。の0.32gを加え、この懸濁液を65時間pH=6にて撹拌する。懸濁液を濾過し、脱イオン水で繰り返し洗浄し、残渣を真空中で80℃にて乾燥する。収量:0.30g。元素分析はEu含有量3.67重量%、およびw(C1418NO5)=2.0%の有機殻比率を示す。
【0233】
実施例2
【化99】


(3−トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート52.4mgを8mlDMF中の4′−アミノフルオレセイン(4'-aminofluorescein)50mgに加え、反応が終了するまで撹拌する。反応生成物を濾過する。
【0234】
得られた黄色のDMF溶液にWO04/065295の実施例1と同様にして得た多孔質SiOフレーク(z=1.4〜1.6)を加える。この懸濁液を1時間撹拌し、ついで50℃に加熱し、22時間50℃にて撹拌する。冷却した懸濁液を濾過し、純エタノールで洗浄し、残渣を真空中で60℃にて乾燥する。
【0235】
実施例3
【化100】

【0236】
濃塩酸40μlを水1ml中のローダミンB50mgに加える。この混合物を蒸発乾燥する。この残渣にCH2Cl25mlを加える。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)23.3mgと(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン20.3mgを加え、反応混合物を反応が終了するまで撹拌し、ついで濾過する。
【0237】
得られた赤色のCH2Cl2溶液にWO04/065295の実施例1と同様にして得た多孔質SiOフレーク(z=1.4〜1.6)を加える。この懸濁液を1時間撹拌し、ついで50℃に加熱し、22時間50℃にて撹拌する。冷却した懸濁液を濾過し、純エタノールで洗浄し、残渣を真空中で60℃にて乾燥する。
【0238】
実施例4
【化101】

【0239】
7−メトキシクマリン−4−酢酸の50mgをジオキサン4mlに加える。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)44mgと(3−アミノプロピル)トリメトキシシラン38.3mgを加え、反応混合物を反応が終了するまで撹拌し、ついで濾過する。
【0240】
得られた赤色のジオキサン溶液にWO04/065295の実施例1と同様にして得た多孔質SiOフレーク(z=1.4〜1.6)を加える。この懸濁液を1時間撹拌し、ついで50℃に加熱し、22時間50℃にて撹拌する。冷却した懸濁液を濾過し、純エタノールで洗浄し、残渣を真空中で60℃にて乾燥する。
【0241】
実施例5
【化102】

【0242】
3−アミノプロピルトリメトキシシランとの反応で変性された多孔質酸化ケイ素粒子5mgをバイアル瓶に入れ、エタノール(500マイクロリットル)とフルオレセインイソチオシアネート(1ミリグラム)の溶液を加える。反応が終了したのちバイアル瓶から着色した溶液を除去した。粒子をエタノール中で5回洗浄する。ついでこのバイアル瓶を超音波浴に1時間置き、そして粒子を3回洗浄した。
【0243】
粒子に配合される着色剤の量は、粒子に着色剤を吸収させる時間を変えることにより制御する。着色剤は粒子にしっかりと付いていた。
【0244】
実施例6:多孔質SiO中のY23:Eu
Y(NO33の1.0g(3.6mmol)とEuCl3−6水和物の0.134g(0.36mmol)を脱イオン水50mlで希釈する。多孔質SiOz(BET:647m2/g、z=1.74)1gを撹拌下にこの溶液に加える。3時間後、尿素9.0gの脱イオン水50ml溶液を室温にて撹拌下に加える。この懸濁液を100℃で6時間連続して撹拌しながら加熱する。冷却後、懸濁液を綿ふるいで濾過し、脱イオン水で洗浄し、残渣を真空中で80℃にて乾燥し、引き続いて900℃にて14時間、ついで1000℃にて3時間焼成する。収量:1.19g。BET表面積は、Y23:Euで孔を充填した後で268m2/gに、そして焼成後で186m2/gに低下した。この化合物は励起波長254nmで611nmに赤色蛍光を示す。
【0245】
実施例7−多孔質SiO中のEu2(WO43
Na2WO42H2Oの2.0gを脱イオン水10mlで希釈する。多孔質SiOz(BET:773m2/g)1.2gを撹拌下に加える。4時間の撹拌後、この懸濁液を濾過し、残渣を真空中で80℃にて乾燥する。生成物を超音波を用いて乾燥エタノールに再分散させる。EuCl30.5gの乾燥エタノール溶液をゆっくり加える。この懸濁液を濾過し、エタノール、エタノール/水1:1、水、最後にエタノールで順次洗浄し、残渣を真空中で60℃にて乾燥する。引き続き、生成物を場合により600℃にて焼成する。得られた化合物はEu2(WO4314重量%の孔充填率を示し、励起波長254nmで強い赤色蛍光を呈する。
【0246】
実施例8−多孔質SiO中の蛍光有機顔料、
【化103】


および二量体
【0247】
バルビツール酸の5.0gを蟻酸250mlで希釈する。多孔質SiOz(BET:712m2/g)5.0gを撹拌下に加える。18時間の撹拌後、この懸濁液を濾過し、残渣を真空中で120℃にて20時間乾燥する。生成物をエタノール160mlに再分散させ、トリエチルアミン0.1gを加え、この混合物を78℃に加熱する。エタノール中にジメチルアミノベンズアルデヒド1.5gの溶液を加熱式の滴下ロートを用いて65℃にて撹拌下にゆっくり加える。この懸濁液を75分間撹拌し、冷却し、濾過し、エタノールと水で順次洗浄し、残渣を真空中で100℃にて乾燥する。得られた化合物は蛍光顔料9重量%の孔充填率を示し、励起波長254nmで強い赤色蛍光を呈する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機または無機の発光性の化合物または組成物を含む、SiOフレーク(式中、0.70≦z≦2.0、特に0.95≦z≦2.0)、特に多孔質SiOフレーク。
【請求項2】
発光性の化合物または組成物が、クマリン、ベンゾクマリン、キサンテン、ベンゾ[a]キサンテン、ベンゾ[b]キサンテン、ベンゾ[c]キサンテン、フェノキサジン、ベンゾ[a]フェノキサジン、ベンゾ[b]フェノキサジンおよびベンゾ[c]フェノキサジン、ナフタルイミド、ナフトラクタム、アズラクトン、メチン、オキサジンおよびチアジン、ジケトピロロピロール、ペリレン、キナクリドン、ベンゾキサンテン、チオエピンドリン、ラクタムイミド、ジフェニルマレイミド、アセトアセトアミド、イミダゾチアジン、ベンズアントロン、ペリレンモノイミド、ペリレン、フタルイミド、ベンゾトリアゾール、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、ジベンゾフランおよびトリアジンから選択される蛍光性有機着色剤を含む請求項1記載の多孔質SiOフレーク。
【請求項3】
発光性の化合物が、以下から選択される請求項2記載の多孔質SiOフレーク:

【化1】


のキサンテン着色剤
〔式中、A1は、OまたはN−Z(Zは、HもしくはC1−C8アルキル、または、場合により、R2もしくはR4と結合して5または6員環を形成し、または、R2およびR4それぞれと結合して2つの縮合6員環を形成する);A2は、−OHまたは−NZ2;R1、R1’、R2、R2’、R3およびR4は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、シアノ、CF3、C1−C8アルキル、C1−C8アルキルチオ、C1−C8アルコキシ、アリール、およびヘテロアリールから選択され;R1’、R2’またはR1からR4のいずれかのアルキル部分は、場合により、ハロゲン、カルボキシ、スルフォ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノ、アルコキシ、シアノ、ハロアセチルまたはヒドロキシで置換され;R1’、R2’またはR1からR4のいずれかのアリールまたはヘテロアリール部分は、場合により、ハロゲン、シアノ、カルボキシ、スルフォ、ヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ(C1−C8)アルキルアミノ、C1−C8アルキル、C1−C8アルキルチオおよびC1−C8アルコキシからなる群より選択される1〜4個の置換基で置換され;R0は、ハロゲン、シアノ、CF3、C1−C8アルキル、C1−C8アルケニル、C1−C8アルキニル、アリール、または

【化2】


のヘテロアリール
(式中、X1、X2、X3、X4およびX5は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、シアノ、CF3、C1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8アルキルチオ、C1−C8アルケニル、C1−C8アルキニル、SO3HおよびCO2H、ただし、追加的にX1からX5のいずれかのアルキル部分はさらにハロゲン、カルボキシ、スルフォ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノ、アルコキシ、シアノ、ハロアセチルまたはヒドロキシで置換され、および、場合により、X1からX5のうちの隣接するいずれか2個の置換基は合わさって縮合芳香環を形成し、場合により、その芳香環はさらにハロゲン、シアノ、カルボキシ、スルフォ、ヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ(C1−C8)アルキルアミノ、(C1−C8)アルキル、C1−C8アルキルチオおよびC1−C8アルコキシから選択される1〜4個の置換基で置換される)〕;

【化3】


のベンゾ[a]キサンテン着色剤
〔式中、nは0〜4の整数、各X0は独立してH、ハロゲン、シアノ、CF3、C1−C8アルキル、C1−C8アルコキシ、C1−C8アルキルチオ、C1−C8アルケニル、C1−C8アルキニル、アリール、ヘテロアリール、SO3HおよびCO2Hからなる群より選択され;
1、A2、R0、R1、R1’、R2’、およびR4は上記定義のとおりであり、X0のアルキル部分は、さらに、ハロゲン、カルボキシ、スルフォ、アミノ、モノもしくはジアルキルアミノ、アルコキシ、シアノ、ハロアセチルまたはヒドロキシで置換されていてもよく、場合により、R1、R1’、R2’、およびR4のいずれかのアリールまたはヘテロアリール部分は、ハロゲン、シアノ、カルボキシ、スルフォ、ヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ(C1−C8)アルキルアミノ、C1−C8アルキル、C1−C8アルキルチオおよびC1−C8アルコキシからなる群より選択される1〜4個の置換基で置換される〕;

【化4】


のベンゾ[b]キサンテン着色剤
〔式中、n1は0〜3の整数;X0、A1、A2、R0、R1、R1’、R2’、R3およびR4は上記定義のとおりである〕;

【化5】


のベンゾ[b]キサンテン着色剤
〔式中、n1は0〜3の整数;X0、A1、A2、R0、R1、R1’、R2’、R2およびR3は上記定義のとおりである〕;

【化6】


のクマリン着色剤
〔式中、A1、R1、R1’、R2’、R2、R3、およびR4は上記定義のとおりか、または、R2およびR3は、互いに独立して、ハロゲン、シアノ、CF3、C1−C8アルキル、アリール、または、

【化7】


のヘテロアリール
(式中、X1、X2、X3、X4およびX5は上記定義のとおりか、または、R2およびR3は結合して縮合ベンゼン環を形成し、場合により、ハロゲン、シアノ、カルボキシ、スルフォ、ヒドロキシ、アミノ、モノもしくはジ(C1−C8)アルキルアミノ、(C1−C8)アルキル、C1−C8アルキルチオおよびC1−C8アルコキシから選択される1〜4個の置換基で置換される)〕;

【化8】


〔式中、R2”は、R2’について上記した意味を有し、場合により、A1はR2およびR4の各々と結合して5もしくは6員環を形成していてもよく、またはR2およびR4の各々と結合して2個の縮合6員環を形成してもよく、n1、X0、A1、R1、R1’、R2’、R2、R3およびR4は上記定義のとおりである〕。
【請求項4】
発光性の化合物が、以下から選択される、請求項1または2記載の多孔質SiOフレーク:

【化9】


の化合物〔式中、R4は−N(C252であり、R2

【化10】


の基である〕;
ならびに、

【化11】




の化合物〔式中、R300はH、C1−C8アルキル、またはC1−C8アルコキシである〕;

【化12】


の化合物〔式中、R301はC1−C8アルキルである〕;

【化13】


の化合物〔式中、R302はH、またはメトキシである〕;

【化14】


の化合物;

【化15】


の化合物
〔式中、R101およびR102は、独立して、水素、またはC1−C18アルキル、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−アミル、tert−アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシルまたはオクタデシルである〕;

【化16】


の化合物。
【請求項5】
発光性の化合物がSiOフレークに化学的に結合している、請求項1記載のSiOフレーク、特に多孔質SiOフレーク。
【請求項6】
発光性の化合物が、有機発光性化合物であり、

【化17】


の基−X1−(X2X2−X3−を介してSiOフレークに化学的に結合している、請求項5記載のSiOフレーク、特に多孔質SiOフレーク:
〔式中、式
【化18】


は有機発光性化合物、X2は0または1、
3は基−Si(OR1132O−(式中、R113はH、または−OSi−である。)、
2は、スペーサー基、特に、
−(CHR′)p−
−{(CHR′)q−O−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−S−(CHR′)r}−
−{(CHR′)q−NR′−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−Si(R′)2−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−(CH=CH)−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−Ar−(CHR′)r}−
−{(CHR′)q−CO−NR′−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−CO−Ar−NR′−(CHR′)r}s−、
(ただし、R′は、場合によりスルフォン酸塩で置換されていてもよい水素、C1−4アルキルまたはアリール、Arは、場合によりスルフォン酸塩で置換されるフェニレン、pは1〜20、好ましくは1〜10、qは1〜10、rは1〜10、およびsは1〜5である。)、
1は、−NR114C(=O)−、−OC(=O)−、−SC(=O)−、−C(R114')=N−NH−、−SO2−CH2−CH2−O−、−SO2−CH2−CH2−S−、−SO2−CH2−CH2−NH−、

【化19】


(式中、R115はクロロ、置換されているアミノ基、OH、またはOR116、ただしR116はC1−4アルキル;−C(=O)NH−、−S−CH2−C(=O)−NH−、−O−CH2−C(=O)−NH−、または−NH−CH2−C(=O)−NH−、−NH−C(=S)−NH−、−S−C(=S)−NH−、−NH−C(=O)−NH−、−S−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−NH−、−NR114−、−S−、または−O−、ただし、R114は水素、またはC1−8アルキル、R114’は水素、またはC1−8アルキルである)〕。
【請求項7】
有機発光性化合物が、クマリン、ベンゾクマリン、キサンテン、ベンゾ[a]キサンテン、ベンゾ[b]キサンテン、ベンゾ[c]キサンテン、フェノキサジン、ベンゾ[a]フェノキサジン、ベンゾ[b]フェノキサジンおよびベンゾ[c]フェノキサジン、ナフタルイミド、ナフトラクタム、アズラクトン、メチン、オキサジンおよびチアジン、ジケトピロロピロール、ペリレン、キナクリドン、ベンゾキサンテン、チオエピンドリン、ラクタムイミド、ジフェニルマレイミド、アセトアセトアミド、イミダゾチアジン、ベンズアントロン、ペリレンモノイミド、ペリレン、フタルイミド、ベンゾトリアゾール、ピリミジン、ピラジン、トリアゾール、ジベンゾフランおよびトリアジンから選択される、
請求項6記載のSiOフレーク、特に多孔質SiOフレーク。
【請求項8】
発光性着色剤が、無機発光性化合物であり、
【化20】


−X4−(X2X2−X3
の基を介してSiOフレークに化学的に結合している請求項6記載のSiOフレーク、特に多孔質SiOフレーク:
〔式中、X2は0または1、
【化21】


は、部分的な構造M−L−(式中、Mは金属、特に希土類金属、さらに特にテルビウム(Tb)、プラセオジム(Pr)、ユーロピウム(Eu)、ランタン(La)およびジスプロジウム(Dy)、またLはX4に化学的に結合しているリガンドである)を有する無機発光性錯体化合物、または、
【化22】


は、部分的な構造
【化23】


(式中、C−NはX4に化学的に結合したシクロメタル化リガンドであり、M′は原子量が40を超える、好ましくは72を超える金属である。)を有する無機発光性錯体化合物であり、
3は、基−Si(OR1132O−、ただしR113はH、または−OSi−である、
2は、スペーサー基、特に、
−(CHR′)p−
−{(CHR′)q−O−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−S−(CHR′)r}−
−{(CHR′)q−NR′−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−Si(R′)2−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−(CH=CH)−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−Ar−(CHR′)r}−
−{(CHR′)q−CO−NR′−(CHR′)r}s−
−{(CHR′)q−CO−Ar−NR′−(CHR′)r}s−、
(ただし、R′は、場合によりスルフォン酸塩で置換されていてもよい水素、C1−4アルキルまたはアリール、Arは、場合によりスルフォン酸塩で置換されているフェニレン、pは1〜20、好ましくは1〜10、qは1〜10、rは1〜10、およびsは1〜5である)であり、
4は、−NR114C(=O)−、−OC(=O)−、−SC(=O)−、−C(R114’)=N−NH−、−SO2−CH2−CH2−O−、−SO2−CH2−CH2−S−、−SO2−CH2−CH2−NH−、
【化24】


(式中、R115はクロロ、置換されているアミノ基、OH、またはOR116、ただしR116はC1−4アルキル、−C(=O)NH−、−S−CH2−C(=O)−NH−、−O−CH2−C(=O)−NH−、または−NH−CH2−C(=O)−NH−、−NH−C(=S)−NH−、−S−C(=S)−NH−、−NH−C(=O)−NH−、−S−C(=O)−NH−、−O−C(=O)−NH−、−NR114−、−S−、または−O−、ただしR114は水素、またはC1−8アルキル、R114’は水素、またはC1−8アルキルである)〕。
【請求項9】
発光性の化合物が無機蛍光体である、請求項1記載の多孔質SiOフレーク。
【請求項10】
無機蛍光体が、硫化物ならびにセレン化物、例えば亜鉛およびカドミウムの硫化物および硫化セレン化物、アルカリ土類の硫化物および硫化セレン化物、および酸素硫化物、酸素を主とする蛍光体、例えばホウ酸塩、アルミン酸塩、ケイ酸塩、ハロ燐酸塩および燐酸塩、ゲルマン酸塩、酸化物、砒酸塩、バナジウム酸塩、硫酸塩、およびタングステン酸塩およびモリブデン酸塩ならびにハライド蛍光体から選択される、請求項9記載の多孔質SiOフレーク。
【請求項11】
無機蛍光体が、場合により銅および銀、マンガン、金、希土類、および亜鉛などの付活剤を含むZn1−yCdS(0≦y≦0.3);ユーロピウム、セリウム、またはサマリウムなどの希土類で活性化されたMgSまたはCaS;Y22S:Eu3+,Y22S:Tb3+、Gd22S:Tb3+、Sr312202:Eu2+、Y3Al512:Ce3+、Ce0.65Tb0.35MgAl1119、BaMg2Al1627:Eu2+、Y2Al3Ga212:Tb3+、ZnSiO4:Mn、Y2SiO5:Ce3+、3Ca3(PO42・Ca(F,Cl)2:Sb3+、Mn2+、(Sr、Mg)3(PO42:Sn2+;LaPO4:Ce3+、Tb3+;Zn3(PO42:Mn2+;Cd5Cl(PO42:Mn2+;Sr3(PO42・SrCl2:Eu2+;およびBa227:Ti4+、3Sr3(PO42・SrCl2:Eu2+、Y23:Eu3+、Y23:Eu3+、Tb3+、ZnO:Zn、6MgO・As25:Mn4+、YVO4:Eu3+、Ce3+および場合によりマンガンで活性化されたアルカリ金属およびアルカリ土類金属硫酸塩;MgWO4、CaWO4、アルカリ金属ハロゲン化物、場合により、Tl、GaまたはInを含み、例えばLiI/Eu、NaI/Tl、CsI/Tl、CsI/Na、LiF/Mg、LiF/Mg、TiおよびLiF/Mg、Na;CaF2:Mn;CaF2:Dy、(Zn,Mg)F2:Mn2+,KMgF3:Mn2+、MgF2:Mn2+、(Zn,Mg)F2:Mn2+、Eu2(WO43、LaOCl:Tb3+、LaOBr:Tb3+およびLaOBr:Ce3+から選択される、請求項10記載の多孔質SiOフレーク。
【請求項12】
有機発光性化合物が、ジスチリルベンゼン、ジスチリルビフェニル、ジビニルスチルベン、トリアジニルアミノスチルベン、スチルベニル−2h−トリアゾール、ベンズオキサゾール、フラン、ベンゾ[b]フラン、およびベンズイミダゾール、1,3−ジフェニル−2−ピラゾリン、クマリン、ナフタルイミド、および1,3,5−トリアジン-2-イル誘導体から好ましくは選択される蛍光増白剤である、請求項1または6記載のSiOフレーク(式中、0.70≦z≦2.0、特に0.95≦z≦2.0)、特に多孔質SiOフレーク。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか1項記載の顔料の、インクジェット印刷、繊維染色、表面コーティング着色、インク印刷、プラスチック、化粧品、セラミック用およびガラス用つや出し剤における使用。
【請求項14】
高分子量の有機材料、および高分子量の有機材料に対して0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜30重量%の請求項1〜12のいずれか1項記載の発光性SiOフレークを含む組成物。
【請求項15】
化粧用調整物または化粧用配合物であって、化粧用調整物または化粧用配合物の全重量に対して0.0001〜90重量%の請求項1〜11のいずれか1項記載の発光性SiOフレーク、および10〜99.9999%の化粧品用に好適なキャリア材料、を含む化粧用調整物または化粧用配合物。
【請求項16】
請求項1〜11のいずれか1項または請求項12記載の有機または無機の発光性の化合物または組成物を場合により含む、多孔質SiOフィルムを含む基材。

【公表番号】特表2008−506801(P2008−506801A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520811(P2007−520811)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【国際出願番号】PCT/EP2005/053214
【国際公開番号】WO2006/008239
【国際公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【出願人】(396023948)チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド (530)
【氏名又は名称原語表記】Ciba Specialty Chemicals Holding Inc.
【Fターム(参考)】