説明

発光装置およびプロジェクター

【課題】複数の光出射部の間隔を大きくすることができ、発光装置がライトバルブの直下に配置された方式のプロジェクターに適用できる発光装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る発光装置100は、第1領域150と第2領域160とは、第1層の側面132に設けられる第1反射部181,183にて接続され、第1領域150と第3領域170とは、第1層の側面133に設けられる第2反射部182,185にて接続され、第2領域160と第3領域170とは、出射面となる第1層の側面131に接続され、第1領域150は、第1領域150の長手方向が出射面131に対して平行になるように設けられ、出射面131において第2領域160から出射される第1の光20と、出射面131において第3領域170から出射される第2の光22とは、同じ方向に出射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置およびプロジェクターに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパールミネッセントダイオード(Super Luminescent Diode、以下「SLD」ともいう)は、通常の発光ダイオード同様にインコヒーレント性を示し、かつ広帯域なスペクトル形状を示しながら、光出力特性では半導体レーザー同様に単一の素子で数百mW程度までの出力を得ることが可能な半導体発光素子である。
【0003】
SLDは、例えばプロジェクターの光源として用いられるが、高出力かつエテンデュの小さな光源を実現するためには、複数の利得領域から出射される光が、同一の方向に進むことが望ましい。特許文献1では、直線状の形状を有する利得領域と、反射面を介することによって屈曲した形状を有する利得領域と、を組合せることによって、2つの利得領域の光出射部(発光点)から出射される光を、同一の方向に進行させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−3833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光学系の損失低減と部品点数の削減とのため、SLDをライトバルブの直下に配置し、レンズアレイを用いて集光と均一照明とを同時に行う方式のプロジェクターが提案されている。このような方式のプロジェクターでは、レンズアレイに合わせて、光出射部を配置する必要がある。
【0006】
特許文献1に記載された技術では、複数の光出射部の間隔をピッチの異なる様々なレンズアレイに合わせて配置することが困難であり、上記の方式のプロジェクターに適用できない。
【0007】
本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、複数の光出射部の間隔を大きくすることができ、発光装置がライトバルブの直下に配置された方式のプロジェクターに適用できる発光装置を提供することにある。また、本発明のいくつかの態様に係る目的の1つは、上記発光装置を有するプロジェクターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る発光装置は、
電流を注入することによって光を発生させ、かつ当該光の導波路を形成する、第1層と、
前記第1層を挟み、かつ前記光の漏れを抑制する第2層および第3層と、
前記第1層に前記電流を注入する電極と、
を含み、
前記電極により得られる前記光の導波路は、帯状かつ直線状の形状を有する第1領域、帯状の第2領域、および帯状の第3領域、を有し、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層の側面に設けられる第1反射部にて接続され、
前記第1領域と前記第3領域とは、前記第1反射部が設けられる側面と異なる前記第1層の側面に設けられる第2反射部にて接続され、
前記第2領域と前記第3領域とは、前記第1反射部と前記第2反射部とが設けられる側面と異なる側面であって、出射面となる前記第1層の側面に接続され、
前記第1領域は、前記第1領域の長手方向が前記出射面に対して平行になるように設けられ、
前記出射面において前記第2領域から出射される第1の光と、前記出射面において前記第3領域から出射される第2の光とは、同じ方向に出射される。
【0009】
このような発光装置によれば、例えば、第1領域が出射面に対して平行ではない場合に比べて、利得領域の全長が増大することを抑制しつつ、光出射部の間隔を大きくすることができる。すなわち、小型化を図りつつ、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。これにより、多大な電流を流す必要はなく、消費電力を抑えることができる。さらに、資源が無駄となることもなく、製造コストを抑えることができる。
【0010】
本発明に係る発光装置において、
前記出射面は、前記第1層で発生する光の波長帯において、前記第1反射部と前記第2反射部の反射率よりも低い反射率を備えることができる。
【0011】
このような発光装置によれば、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0012】
本発明に係る発光装置において、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記第1反射部が設けられる前記側面の垂線に対して第1角度で傾いて前記第1反射部と接続し、
前記第1領域と前記第3領域とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記第2反射部が設けられる前記側面の垂線に対して第2角度で傾いて前記第2反射部と接続し、
前記第1角度および前記第2角度は、臨界角以上であることができる。
【0013】
このような発光装置によれば、第1反射部および第2反射部は、第1領域、第2領域、および第3領域に発生する光を、全反射させることができる。したがって、第1反射部および第2反射部における光損失を抑制することができ、効率よく光を反射させることができる。
【0014】
本発明に係る発光装置において、
前記第2領域と前記第3領域とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、同じ方向で前記出射面に接続されていることができる。
【0015】
このような発光装置によれば、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0016】
本発明に係る発光装置において、
前記第2領域と前記第3領域とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記出射面の垂線に対して傾いて前記出射面に接続することができる。
【0017】
このような発光装置によれば、第1領域、第2領域、および第3領域に発生する光を、多重反射させないことができる。その結果、直接的な共振器を構成させないことができるため、第1領域、第2領域、および第3領域に発生する光のレーザー発振を抑制することができる。
【0018】
本発明に係る発光装置において、
前記第2領域と前記第3領域とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記出射面の垂線に対して平行に前記出射面に接続することができる。
【0019】
このような発光装置によれば、後段の光学系の設計を容易にすることができる。
【0020】
本発明に係る発光装置において、
前記第2領域は、
直線状の第1部分と、直線状の第2部分と、を有し、
前記第3領域は、
直線状の第3部分と、直線状の第4部分と、を有し、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1反射部が設けられる前記側面、前記第2反射部が設けられる前記側面、および前記出射面とは異なる、前記第1層の側面に設けられる第3反射部にて接続され、
前記第3部分と前記第4部分とは、前記第1反射部が設けられる前記側面、前記第2反射部が設けられる前記側面、前記第3反射部が設けられる前記側面、および前記出射面とは異なる、前記第1層の側面に設けられる第4反射部にて接続されることができる。
【0021】
このような発光装置によれば、第1領域、第2領域、および第3領域に発生する光を、第1反射部、第2反射部、第3反射部、および第4反射部において、全反射させやすくすることができる。
【0022】
本発明に係る発光装置において、
前記出射面は、前記第1層で発生する光の波長帯において、前記第3反射部と前記第4反射部の反射率よりも低い反射率を備えることができる。
【0023】
このような発光装置によれば、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0024】
本発明に係る発光装置において、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記第3反射部が設けられる前記側面の垂線に対して、第3角度で傾いて接続され、
前記第3部分と前記第4部分とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記第4反射部が設けられる前記側面の垂線に対して、第4角度で傾いて接続され、
前記第3角度および前記第4角度は、臨界角以上であることができる。
【0025】
このような発光装置によれば、第3反射部および第4反射部は、第1領域、第2領域、および第3領域に発生する光を、全反射させることができる。したがって、第3反射部および第4反射部における光損失を抑制することができ、効率よく光を反射させることができる。
【0026】
本発明に係る発光装置において、
前記第1領域の長さは、前記第2領域の長さおよび前記第3領域の長さよりも大きい、ことを特徴とすることができる。
【0027】
このような発光装置によれば、複数の光出射部の間隔を確実に大きくすることができる。
【0028】
本発明に係る発光装置は、
第1層と、前記第1層を挟む第2層および第3層と、を有する積層体を含み、
前記第1層は、
光を発生させて導波させる、第1利得領域、第2利得領域、および第3利得領域を有し、
前記第2層および前記第3層は、
前記第1利得領域、前記第2利得領域、および前記第3利得領域に発生する光の漏れを抑制する層であり、
前記第1層は、
前記積層体の外形を形成する、第1面、第2面、および第3面を有し、
前記第1利得領域、前記第2利得領域、および前記第3利得領域に発生する光の波長体において、前記第1面の反射率は、前記第2面の反射率および前記第3面の反射率よりも低く、
前記第1利得領域は、前記積層体の積層方向から見て、前記第2面から前記第3面まで、前記第1面に対して平行に設けられ、
前記第2利得領域は、前記第2面において前記第1利得領域と重なり、前記第2面から前記第1面まで設けられ、
前記第3利得領域は、前記第3面において前記第1利得領域と重なり、前記第3面から前記第1面まで設けられ、
前記第2利得領域と前記第3利得領域とは、互いに離間し、前記積層体の積層方向から見て、同じ傾きで傾いて前記第1面と接続している。
【0029】
このような発光装置によれば、小型化を図りつつ、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0030】
本発明に係るプロジェクターは、
本発明に係る発光装置と、
前記発光装置から出射された光を集光するマイクロレンズと、
前記マイクロレンズによって集光された光を、画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、
を含む。
【0031】
このようなプロジェクターによれば、レンズアレイのアライメントが容易で、均一性よく光変調装置を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図2】本実施形態に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図3】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図4】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す平面図。
【図5】本実施形態に係る発光装置の製造工程を模式的に示す断面図。
【図6】本実施形態の第1変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図7】本実施形態の第2変形例に係る発光装置を模式的に示す断面図。
【図8】本実施形態の第3変形例に係る発光装置を模式的に示す平面図。
【図9】本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
【図10】本実施形態に係るプロジェクターを模式的に示す図。
【図11】本実施形態に係るプロジェクターの光源を模式的に示す図。
【図12】本実施形態に係るプロジェクターの光源を模式的に示す断面図。
【図13】本実施形態に係るプロジェクターの光源を模式的に示す断面図。
【図14】本実施形態に係るプロジェクターの光源を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
1. 発光装置
まず、本実施形態に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る発光装置100を模式的に示す平面図である。図2は、本実施形態に係る発光装置100を模式的に示す図1のII−II線断面図である。なお、図1では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
【0035】
以下では、発光装置100がInGaAlP系(赤色)のSLDである場合について説明する。SLDは、半導体レーザーと異なり、端面反射による共振器の形成を抑えることにより、レーザー発振を防止することができる。そのため、スペックルノイズを低減することができる。
【0036】
発光装置100は、図1および図2に示すように、積層体120と、第1電極112と、第2電極114と、を含むことができる。
【0037】
積層体120は、基板102と、第2層104(以下「第1クラッド層104」ともいう)と、第1層106(以下「活性層106」ともいう)と、第3層108(以下「第2クラッド層108」ともいう)と、第4層110(以下「コンタクト層110」ともいう)と、絶縁層116と、を有することができる。
【0038】
基板102としては、例えば、第1導電型(例えばn型)のGaAs基板などを用いることができる。
【0039】
第1クラッド層104は、基板102上に形成されている。第1クラッド層104としては、例えば、n型のInGaAlP層などを用いることができる。なお、図示はしないが、基板102と第1クラッド層104との間に、バッファー層が形成されていてもよい。バッファー層としては、例えば、n型のGaAs層、AlGaAs層、InGaP層などを用いることができる。バッファー層は、その上方に形成される層の結晶性を向上させることができる。
【0040】
活性層106は、第1クラッド層104上に形成されている。活性層106は、第1クラッド層104と第2クラッド層108とに挟まれている。活性層106は、例えば、InGaPウェル層とInGaAlPバリア層とから構成される量子井戸構造を3つ重ねた多重量子井戸(MQW)構造を有する。
【0041】
活性層106の平面形状は、例えば、積層体120の平面形状と同じである。図1に示す例では、活性層106の平面形状は、六角形であり、第1面131、第2面132、第3面133、第4面134、第5面135、および第6面136を有している。面131〜136は、活性層106の面のうち第1クラッド層104または第2クラッド層108に面状に接していない面であり、積層体120の外形を形成している面である。面131〜136は、積層体120の積層方向から見て活性層106の側面(側壁)、言い換えれば積層体120の側面部、に設けられているともいえ、平坦な面である。
【0042】
図1に示す例では、面134,135は、面131と直交している。面136は、面131と対向している。面132は、面134,136と接続しており、面131に対して傾斜している。面133は、面135,136と接続しており、面131に対して傾斜している。例えば、面131,134,135,136は、劈開によって形成され、面132,133は、エッチング技術によって形成される。
【0043】
活性層106の一部は、第1利得領域150、第2利得領域160、および第3利得領域170を構成している。利得領域150,160,170は、光を発生させることができ、この光は、利得領域150,160,170内を、利得を受けつつ導波することができる。すなわち、利得領域150,160,170は、活性層106にて発生する光に対する導波路であるともいえる。
【0044】
第1利得領域150は、図1に示すように、積層体120の積層方向からの平面視にて、所定の幅を有する帯状かつ直線状の長手形状(長手方向と短手方向を有する形状)を備えている。また、積層体120の積層方向から見て(平面視において)、第2面132から第3面133へ向かう第1利得領域150の長手方向が、第1面131に対して平行になるように設けられている。第1利得領域150は、第2面132との接続部分に設けられた第1端面181と、第3面133との接続部分に設けられた第2端面182と、を有する。なお、第1利得領域150の長手方向とは、例えば、積層体120の積層方向からの平面視における、第1端面181の中心と、第2端面182の中心とを通る直線の延在方向である。また、第1利得領域150(と第1利得領域150を除いた部分と)の境界線の延在方向であってもよい。
【0045】
なお、「第1利得領域150は、第1面131に対して平行」とは、製造ばらつき等を考慮し、平面視において、第1面131に対する第1利得領域150の傾き角が±1°以内である、ということを意味している。
【0046】
第1利得領域150は、積層体120の積層方向からの平面視にて、第2面132の垂線P2に対して第1角度α1で傾いて第2面132と接続している。言い換えれば、第1利得領域150の帯状形状の長手方向は、垂線P2に対してα1の角度を有しているといえる。また、第1利得領域150は、第3面133の垂線P3に対して第2角度α2で傾いて第3面133と接続している。言い換えれば、第1利得領域150の帯状形状の長手方向は、垂線P3に対してα2の角度を有しているといえる。
【0047】
第1利得領域150の長さは、第2利得領域160の長さおよび第3利得領域170の長さよりも大きい。第1利得領域150の長さは、第2利得領域160の長さと、第3利得領域170の長さと、の和以上であってもよい。なお、「第1利得領域150の長さ」とは、第1端面181の中心と、第2端面182の中心と、の間の距離ともいえる。他の利得領域についても同様に、長さとは、2つの端面の中心間の距離ともいえる。
【0048】
第2利得領域160は、積層体120の積層方向からの平面視にて、第2面132から第1面131まで、例えば所定の幅を有する帯状かつ直線状の長手形状を備えている。第2利得領域160は、第2面132との接続部分に設けられた第3端面183と、第1面131との接続部分に設けられた第4端面184と、を有する。なお、第2利得領域160の長手方向とは、例えば、積層体120の平面視における、第3端面183の中心と、第4端面184の中心とを通る直線の延在方向である。また、第2利得領域160(と第2利得領域160を除いた部分と)の境界線の延在方向であってもよい。第2利得領域160の第3端面183は、第2面132において、第1利得領域150の第1端面181と重なっている。図示の例では、第1端面181と第3端面183とは、完全に重なっている。
【0049】
第2利得領域160は、例えば、積層体120の積層方向からの平面視にて、垂線P2に対して第1角度α1で傾いて第2面132と接続している。言い換えれば、第2利得領域160の長手方向は、垂線P2に対してα1の角度を有しているといえる。すなわち、第1利得領域150の垂線P2に対する角度と、第2利得領域160の垂線P2に対する角度とは、製造ばらつきの範囲で同じである。第1角度α1は、鋭角であって、臨界角以上である。これにより、第2面132は、利得領域150,160,170に発生する光を、全反射させることができる。なお、「第1利得領域150の垂線P2に対する角度と、第2利得領域160の垂線P2に対する角度が同じ」とは、エッチング等の製造はらつきを考慮し、例えば±2°程度以内である、ということを意味している。
【0050】
第2利得領域160は、積層体120の積層方向からの平面視にて、第1面131の垂線P1に対して角度βで傾いて第1面131と接続している。言い換えれば、第2利得領域160の長手方向は、垂線P1に対してβの角度を有しているといえる。角度βは、鋭角であって、臨界角より小さい角度である。なお、第2利得領域160が、第1面131の垂線P1と平行(β=0°)であってもよい。
【0051】
第3利得領域170は、積層体120の積層方向からの平面視にて、第3面133から第1面131まで、例えば所定の幅を有する帯状かつ直線状の長手形状を備えている。すなわち、第3利得領域170は、第3面133との接続部分に設けられた第5端面185と、第1面131との接続部分に設けられた第6端面186と、を有する。なお、第3利得領域170の長手方向とは、例えば、積層体120の平面視における、第5端面185の中心と、第6端面186の中心とを通る直線の延在方向である。また、第3利得領域170(と第3利得領域170を除いた部分と)の境界線の延在方向であってもよい。第3利得領域170の第5端面185は、第3面133において、第1利得領域150の第2端面182と重なっている。図示の例では、第2端面182と第5端面185とは、完全に重なっている。
【0052】
第2利得領域160と第3利得領域170とは、互いに離間している。図1に示す例では、第2利得領域160の第4端面184と、第3利得領域170の第6端面186とは、間隔Dで離間している。
【0053】
第3利得領域170は、例えば、積層体120の積層方向からの平面視にて、垂線P3に対して第2角度α2で傾いて第3面133と接続している。言い換えれば、第3利得領域170の長手方向は、垂線P3に対してα2の角度を有しているといえる。すなわち、第1利得領域150の垂線P3に対する角度と、第3利得領域170の垂線P3に対する角度とは、製造ばらつきの範囲で同じである。第2角度α2は、鋭角であって、臨界角以上である。これにより、第3面133は、利得領域150,160,170に発生する光を、全反射させることができる。なお、「第1利得領域150の垂線P3に対する角度と、第3利得領域170の垂線P3に対する角度が同じ」とは、エッチング等の製造はらつきを考慮し、例えば±2°程度以内である、ということを意味している。
【0054】
第3利得領域170は、積層体120の積層方向からの平面視にて、垂線P1に対して角度βで傾いて第1面131と接続している。言い換えれば、第3利得領域170の長手方向は、垂線P1に対してβの角度を有しているといえる。すなわち、第2利得領域160と第3利得領域170とは、平面視において、同じ向きで第1面131と接続しており、互いに平行である。より具体的には、第2利得領域160の長手方向と、第3利得領域170の長手方向とは、互いに平行である。これにより、第4端面184から出射される光20と、第6端面186から出射される光22とは、同一の方向に進むことができる。端面184,186は、光出射部であるといえる。なお、第3利得領域170が、第1面131の垂線P1と平行(β=0°)であってもよい。
【0055】
以上のとおり、角度α1,α2を臨界角以上とし、角度βを臨界角より小さくすることにより、第1面131の反射率を、第2面132の反射率および第3面133の反射率より低くすることができる。すなわち、第1面131は、光出射面となることができ、出射面に設けられた第4端面184および第6端面186は、利得領域150,160,170に発生する光を出射させる光出射部となることができる。第2面132および第3面133は、反射面となることができ、反射面に設けられた第1端面181および第3端面183は、利得領域150,160,170に発生する光を反射させる第1反射部となることができる。同様に、反射面に設けられた第2端面182および第5端面185は、利得領域150,160,170に発生する光を反射させる第2反射部となることができる。
【0056】
なお、図示はしないが、例えば、第1面131を反射防止膜で覆い、第2面132および第3面133を反射膜で覆ってもよい。これにより、利得領域150,160,170に発生する光が、第2面132および第3面133において、全反射しないような入射角度、屈折率等の条件下においても、利得領域150,160,170に発生する光の波長帯における第1面131の反射率を、第2面132の反射率および第3面133の反射率より低くすることができる。また、第1面131を反射防止膜で覆うため、利得領域150,160,170に発生する光を、第4端面184と第6端面186との間で直接的に多重反射させることを低減できる。この結果、直接的な共振器を構成させないことができるため、利得領域150,160,170に発生する光のレーザー発振を抑制することができる。反射膜および反射防止膜としては、SiO層、Ta層、Al層、TiN層、TiO層、SiON層、SiN層や、これらの多層膜などを用いることができる。また、面132,133をエッチングによって形成されたDBR(Distributed Bragg Reflector)として、高い反射率を得てもよい。
【0057】
さらに、角度βは、0°より大きい角度とすることができる。これにより、第4端面184と第6端面186との間で、利得領域150,160,170に発生する光を、直接的に多重反射させないことができる。その結果、直接的な共振器を構成させないことができるため、利得領域150,160,170に発生する光のレーザー発振を抑制または防止することができる。
【0058】
第2クラッド層108は、図2に示すように、活性層106上に形成されている。第2クラッド層108としては、例えば、第2導電型(例えばp型)のInGaAlP層などを用いることができる。
【0059】
例えば、p型の第2クラッド層108、不純物がドーピングされていない活性層106、およびn型の第1クラッド層104により、pinダイオードが構成される。第1クラッド層104および第2クラッド層108の各々は、活性層106よりも禁制帯幅が大きく、屈折率が小さい層である。活性層106は、光を発生させ、かつ光を増幅しつつ導波させる機能を有する。第1クラッド層104および第2クラッド層108は、活性層106を挟んで、注入キャリア(電子および正孔)並びに光を閉じ込める機能(光の漏れを抑制する機能)を有する。
【0060】
発光装置100は、第1電極112と第2電極114との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加する(電流を注入する)と、活性層106に利得領域150,160,170を生じ、利得領域150,160,170において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により発光が生じる。この生じた光を起点として、連鎖的に誘導放出が起こり、利得領域150,160,170内で光の強度が増幅される。
【0061】
例えば、図1に示すように、第2利得領域160に生じ、第2面132側に向かう光は、第2利得領域160内で増幅された後、第2面132(端面181,183)において反射して、第3面133に向かって第1利得領域150を進行する。そして、さらに第3面133(端面182,185)において反射して、第3利得領域170を進行して第6端面186から出射光22として出射される。このとき、利得領域150,170内においても光強度が増幅される。同様に、第3利得領域170に生じ、第3端面133側に向かう光は、第3利得領域170内で増幅された後、第3面133において反射して、第2面132に向かって第1利得領域150を進行する。そして、さらに第2面132において反射して、第2利得領域160を進行して第4端面184から出射光20として出射される。このとき、利得領域150,160内においても光強度が増幅される。
【0062】
なお、第2利得領域160に発生する光には、直接、第4端面184から出射光20として出射されるものもある。同様に、第3利得領域170に発生する光には、直接、第6端面186から出射光22として出射されるものもある。これらの光も同様に各利得領域160,170内において増幅される。
【0063】
コンタクト層110は、図2に示すように、第2クラッド層108上に形成されている。すなわち、コンタクト層110は、第2クラッド層108の活性層106側とは反対側に形成されているといえる。コンタクト層110は、第2電極114とオーミックコンタクトすることができる。コンタクト層110の上面113は、コンタクト層110と第2電極114との接触面であるといえる。コンタクト層110としては、例えば、p型のGaAs層などを用いることができる。
【0064】
コンタクト層110と、第2クラッド層108の一部とは、柱状部111を構成することができる。柱状部111の積層体120の積層方向から見た平面形状は、利得領域150,160,170の積層体120の積層方向から見た平面形状と同じである。すなわち、コンタクト層110の上面113の平面形状は、利得領域150,160,170の平面形状と同じであるといえる。例えば、柱状部111の平面形状によって、電極112,114間の電流経路が決定され、その結果、利得領域150,160,170の平面形状が決定される。なお、図示はしないが、柱状部111の側面を傾斜させることもできる。
【0065】
絶縁層116は、第2クラッド層108上であって、柱状部111の側方に形成されている。絶縁層116は、柱状部111の側面に接していることができる。絶縁層116の上面は、例えば、コンタクト層110の上面113と連続している。絶縁層116としては、例えば、SiN層、SiO層、SiON層、Al層、ポリイミド層などを用いることができる。
【0066】
絶縁層116として上記の材料を用いた場合、電極112,114間の電流は、絶縁層116を避けて、該絶縁層116に挟まれた柱状部111を流れることができる。絶縁層116は、活性層106の屈折率よりも小さい屈折率を有することができる。この場合、絶縁層116を形成した部分の垂直断面の有効屈折率は、絶縁層116を形成しない部分、すなわち、柱状部111が形成された部分の垂直断面の有効屈折率よりも小さくなる。これにより、平面方向において、利得領域150,160,170内に効率良く光を閉じ込めることができる。なお、図示はしないが、絶縁層116として上記の材料を用いず、空気層としてもよい。この場合、空気層が絶縁層116として機能することができる。
【0067】
第1電極112は、基板102の下の全面に形成されている。第1電極112は、該第1電極112とオーミックコンタクトする層(図示の例では基板102)と接していることができる。第1電極112は、基板102を介して、第1クラッド層104と電気的に接続されている。第1電極112は、発光装置100を駆動するための一方の電極である。第1電極112としては、例えば、基板102側からCr層、AuGe層、Ni層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。
【0068】
なお、第1クラッド層104と基板102との間に、第2コンタクト層(図示せず)を設け、基板102と反対側からのドライエッチングなどにより該第2コンタクト層を基板102と反対側に露出させ、第1電極112を第2コンタクト層上に設けることもできる。これにより、片面電極構造を得ることができる。この形態は、基板102が絶縁性である場合に特に有効である。
【0069】
第2電極114は、コンタクト層110の上面113に接して形成されている。さらに、第2電極114は、図2に示すように、絶縁層116上に形成されていてもよい。第2電極114は、コンタクト層110を介して、第2クラッド層108と電気的に接続されている。第2電極114は、発光装置100を駆動するための他方の電極である。第2電極114としては、例えば、コンタクト層110側からCr層、AuZn層、Au層の順序で積層したものなどを用いることができる。
【0070】
以上、本実施形態に係る発光装置100の一例として、InGaAlP系の場合について説明したが、発光装置100は、発光利得領域が形成可能なあらゆる材料系を用いることができる。半導体材料であれば、例えば、AlGaN系、GaN系、InGaN系、GaAs系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、ZnCdSe系などの半導体材料を用いることができる。
【0071】
本実施形態に係る発光装置100は、例えば、プロジェクター、ディスプレイ、照明装置、計測装置などの光源に適用されることができる。
【0072】
本実施形態に係る発光装置100は、例えば、以下の特徴を有する。
【0073】
発光装置100によれば、第1利得領域150は、第2面132から第3面133まで、光出射部184,186が形成される第1面131に対して、平行に設けられている。そのため、例えば、第1利得領域が第1面に対して平行ではない場合に比べて、利得領域の全長が増大することを抑制しつつ、光出射部の間隔を大きくすることができる。すなわち、光出射面に垂直な方向の素子長の小型化を図りつつ、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。これにより、発光装置100では、多大な電流を流す必要はなく、消費電力を抑えることができる。さらに、資源が無駄となることもなく、製造コストを抑えることができる。より具体的には、発光装置100では、光出射部184,186の間隔Dを0.262mm以上3mm未満とし、角度βを5°以下(0°を含む)とし、利得領域150,160,170の全長を1.5mm以上3mm以下とすることができる。
【0074】
例えば、利得領域の全長が大きくなると、一般的に、高出力化を図ることはできるが、反転分布を得るために多大な電流を流さなくてはならず、その結果、所定の光出力以上で用いなければ、高効率化を図ることができない。すなわち、所定の光出力未満では、効率が悪化してしまう。さらに、利得領域の全長が大きくなる分、素子全体の面積が大きくなり、資源の無駄や製造コストの向上などの問題が生じる。本実施形態に係る発光装置100では、このような問題を回避することができる。
【0075】
発光装置100によれば、第1利得領域150および第2利得領域160は、第2面132の垂線P2に対して第1角度α1で傾いて第2面132と接続し、第1利得領域150および第3利得領域170は、第3面133の垂線P3に対して第2角度α2で傾いて第3面133と接続することができる。角度α1,α2は、臨界角以上である。そのため、面132,133は、利得領域150,160,170に発生する光を、全反射させることができる。したがって、発光装置100では、面132,133(端面181,183および端面182,185)における光損失を抑制することができ、効率よく光を反射させることができる。さらに、面132,133に反射膜を形成する工程が不要となるので、製造コストおよび製造に必要な材料・資源を削減することができる。
【0076】
発光装置100によれば、第1利得領域150の長さを、第2利得領域160の長さおよび第3利得領域170の長さより大きくすることができる。これにより、光出射部184,186の間隔Dを確実に大きくすることができる。
【0077】
2. 発光装置の製造方法
次に、本実施形態に係る発光装置の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る発光装置100の製造工程を模式的に示す断面図であって、図2に対応している。図4は、本実施形態に係る発光装置100の製造工程を模式的に示す平面図であって、図1に対応している。図5は、本実施形態に係る発光装置100の製造工程を模式的に示す断面図であって、図2に対応している。
【0078】
図3に示すように、基板102上に、第1クラッド層104、活性層106、第2クラッド層108、およびコンタクト層110を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などを用いることができる。基板102、第1クラッド層104、活性層106、第2クラッド層108、およびコンタクト層110の平面形状は、例えば長方形である。
【0079】
図4に示すように、コンタクト層110、第2クラッド層108、活性層106、第1クラッド層104、基板102をパターニングして、第2面132および第3面133を形成する。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術を用いて行われる。なお、図示はしないが、活性層106の第2面132および第3面133が露出されれば、クラッド層104の一部および基板102は、パターニングされなくてもよい。また、面134,135,136は、フォトリソグラフィー技術およびエッチング技術によってパターニングすることで、面132,133と同時に形成してもよいが、後述の柱状部111および電極112,114を作製後に劈開等によって形成してもよい。
【0080】
図5に示すように、コンタクト層110および第2クラッド層108をパターニングする。本工程により、柱状部111を形成することができる。
【0081】
図2に示すように、柱状部111の側面を覆うように絶縁層116を形成する。具体的には、まず、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、塗布法などにより、第2クラッド層108の上方(コンタクト層110上を含む)に絶縁部材(図示せず)を成膜する。次に、例えば、エッチング技術などを用いて、コンタクト層110の上面113を露出させる。以上の工程により、絶縁層116を形成することができる。
【0082】
次に、コンタクト層110上および絶縁層116上に第2電極114を形成する。次に、基板102の下面下に第1電極112を形成する。第1電極112および第2電極114は、例えば、真空蒸着法により形成される。なお、第1電極112および第2電極114の形成順序は、特に限定されない。
【0083】
以上の工程により、本実施形態に係る発光装置100を製造することができる。
【0084】
発光装置100の製造方法によれば、小型化を図りつつ、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる発光装置100を得ることができる。
【0085】
3. 発光装置の変形例
次に、本実施形態の変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。以下、本実施形態の変形例に係る発光装置において、本実施形態に係る発光装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0086】
3.1. 第1変形例に係る発光装置
まず、本実施形態の第1変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態の第1変形例に係る発光装置200を模式的に示す平面図である。なお、図6では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
【0087】
発光装置100の例では、図1に示すように、第2利得領域160は、第2面132から第1面131まで帯状かつ直線状の長手形状を備えていたに設けられていた。同様に、第3利得領域170は、第3面133から第1面131まで帯状かつ直線状の長手形状を備えていた。これに対し、発光装置200では、図6に示すように、第2利得領域160は、第4面134を介して第2面132から第1面131まで設けられ、第3利得領域170は、第5面135を介して第3面133から第1面131まで設けられている。発光装置200では、第4面134および第5面135は、積層体120の積層方向から平面視にて、第1面131に対して傾いている。面134,135は、例えば、エッチング技術によって形成される。
【0088】
より具体的には、第2利得領域160は、第2面132から第4面134まで所定の幅を有する帯状かつ直線状の長手形状を備える第1利得部分162と、第4面134から第1面131まで所定の幅を有する帯状かつ直線状の長手形状を備える第2利得部分164と、を有する。
【0089】
第1利得部分162は、第2面132との接続部分に設けられた第3端面183と、第4面134との接続部分に設けられた第7端面187と、を有する。第2利得部分164は、第4面134との接続部分に設けられた第8端面188と、第1面131との接続部分に設けられた第4端面184と、を有する。第7端面187と第8端面188とは、第4面134において、例えば、完全に重なっている。言い換えれば、第1利得部分162と第2利得部分164とは、第4面134(端面187,188)にて接続されている。第4面134(端面187,188)は、反射面(第3反射部)として機能する。なお、第1利得部分162の長手方向とは、例えば、積層体120の平面視における、第3端面183の中心と、第7端面187の中心とを通る直線の延在方向である。また、第1利得部分162(と第1利得部分162を除いた部分と)の境界線の延在方向であってもよい。同様に、第2利得部分164の長手方向とは、例えば、積層体120の平面視における、第4端面184の中心と、第8端面188の中心とを通る直線の延在方向である。また、第2利得部分164(と第2利得部分164を除いた部分と)の境界線の延在方向であってもよい。
【0090】
第1利得部分162および第2利得部分164の各々は、積層体120の積層方向から平面視にて、第4面134の垂線P4に対して第3角度α3で傾いて第4面134と接続している。言い換えれば、第1利得部分162の長手方向および第2利得部分164の長手方向の各々は、垂線P4に対してα3の角度を有しているといえる。第3角度α3は、鋭角であって、臨界角以上である。これにより、第4面134は、利得領域150,160,170に発生する光を、全反射させることができる。
【0091】
第3利得領域170は、第3面133から第5面135まで所定の幅を有する帯状かつ直線状の長手形状を備える第3利得部分172と、第5面135から第1面131まで所定の幅を有する帯状かつ直線状の長手形状を備える第4利得部分174と、を有する。
【0092】
第3利得部分172は、第3面133との接続部分に設けられた第5端面185と、第5面135との接続部分に設けられた第9端面189と、を有する。第4利得部分174は、第5面135との接続部分に設けられた第10端面190と、第1面131との接続部分に設けられた第6端面186と、を有する。第9端面189と第10端面190とは、第5面135において、例えば、完全に重なっている。言い換えれば、第3利得部分172と第4利得部分174とは、第5面135(端面189,190)にて接続されている。第5面135(端面189,190)は、反射面(第4反射部)として機能する。なお、第3利得部分172の長手方向とは、例えば、積層体120の平面視における、第5端面185の中心と、第9端面189の中心とを通る直線の延在方向である。また、第3利得部分172(と第3利得部分172を除いた部分と)の境界線の延在方向であってもよい。同様に、第4利得部分174の長手方向とは、例えば、積層体120の平面視における、第6端面186の中心と、第10端面190の中心とを通る直線の延在方向である。また、第4利得部分174(と第4利得部分174を除いた部分と)の境界線の延在方向であってもよい。
【0093】
第3利得部分172および第4利得部分174の各々は、積層体120の積層方向から平面視にて、第5面135の垂線P5に対して第4角度α4で傾いて第5面135と接続している。言い換えれば、第3利得部分172の長手方向および第4利得部分174の長手方向の各々は、垂線P4に対してα4の角度を有しているといえる。第4角度α4は、鋭角であって、臨界角以上である。これにより、第5面135は、利得領域150,160,170に発生する光を、全反射させることができる。
【0094】
第2利得部分164および第4利得部分174の各々は、積層体120の積層方向から平面視にて、第1面131の垂線P1に対して角度βで傾いており、互いに平行である。言い換えれば、第2利得部分164の長手方向および第4利得部分の長手方向の各々は、垂線P1に対してβの角度を有しているといえる。なお、角度βは0°であっても良い。
【0095】
発光装置200によれば、発光装置100の例に比べて、第1角度α1および第2角度α2を大きくすることができる。そのため、発光装置200では、利得領域150,160,170に発生する光を、第2面132および第3面133において、全反射させやすくすることができる。
【0096】
3.2. 第2変形例に係る発光装置
次に、本実施形態の第2変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態の第2変形例に係る発光装置300を模式的に示す断面図であって、図2に対応している。
【0097】
発光装置100の例では、図2に示すように、絶縁層116が形成されている領域と、絶縁層116が形成されていない領域、すなわち柱状部111を形成している領域との間に屈折率差を設けて、光を閉じ込める屈折率導波型について説明した。これに対し、発光装置300においては、柱状部111を形成することによって屈折率差を設けないこととし、図7に示すように、利得領域150,160,170がそのまま導波領域となる、利得導波型であることができる。
【0098】
すなわち、発光装置300では、コンタクト層110および第2クラッド層108は、柱状部を構成せず、その側方に絶縁層116も形成されない。絶縁層116は、利得領域150,160,170の上方以外のコンタクト層110上に形成されている。つまり、絶縁層116は利得領域150,160,170の上方に開口を有し、該開口ではコンタクト層110の上面113が露出している。第2電極114は、その露出しているコンタクト層110上および絶縁層116上に形成されている。
【0099】
第2電極114との接触面となるコンタクト層110の上面113は、利得領域150,160,170と同じ平面形状を有している。図示の例では、第2電極114とコンタクト層110との接触面の平面形状によって、電極112,114間の電流経路が決定され、その結果、利得領域150,160,170の平面形状が決定されている。なお、図示はしないが、第2電極114は、絶縁層116上には形成されず、利得領域150,160,170の上方のコンタクト層110上にのみ形成されていてもよい。
【0100】
発光装置300によれば、発光装置100と同様に、小型化を図りつつ、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる。
【0101】
3.3. 第3変形例に係る発光装置
次に、本実施形態の第3変形例に係る発光装置について、図面を参照しながら説明する。図8は、本実施形態の第3変形例に係る発光装置400を模式的に示す平面図である。なお、図8では、便宜上、第2電極114の図示を省略している。
【0102】
発光装置100の例では、図1に示すように、第1利得領域150、第2利得領域160、および第3利得領域170は、1つずつ設けられていた。これに対し、発光装置400では、図8に示すように、第1利得領域150、第2利得領域160、および第3利得領域170の各々は、複数設けられている。
【0103】
すなわち、第1利得領域150、第2利得領域160、および第3利得領域170は、利得領域群450を構成することができ、発光装置400では、複数の利得領域群450が設けられている。図示の例では、3つの利得領域群450が設けられているが、その数は特に限定されない。
【0104】
複数の利得領域群450は、第1面131の垂線P1の延びる方向と直交する方向に沿って、配列されている。より具体的には、隣り合う利得領域群450において、一方の利得領域群450の第6端面186と、他方の利得領域群450の第4端面184と、の間隔がDとなるように(光出射部の間隔となるように)配列されている。これにより、後述するレンズアレイに、簡易に光20,22を入射させることができる。
【0105】
発光装置400によれば、発光装置100の例に比べて、高出力化を図ることができる。
【0106】
4. プロジェクター
次に、本実施形態に係るプロジェクターについて、図面を参照しながら説明する。図9は、本実施形態に係るプロジェクター700を模式的に示す図である。図10は、本実施形態に係るプロジェクター700の一部を模式的に示す図である。なお、図9では、便宜上、プロジェクター700を構成する筐体を省略し、さらに光源600を簡略化して図示している。また、図10では、便宜上、光源600、レンズアレイ702、および液晶ライトバルブ704について図示し、さらに光源600を簡略化して図示している。
【0107】
プロジェクター700は、図9に示すように、赤色光、緑色光、青色光を出射する赤色光源600R、緑色光源600G、青色光源600Bを含む。光源600R,600G,600Bは、本発明に係る発光装置を有する。以下の例では、本発明に係る発光装置として発光装置400を有する光源600R,600G,600Bについて説明する。
【0108】
図11は、本実施形態に係るプロジェクター700の光源600を模式的に示す図である。図12は、本実施形態に係るプロジェクター700の光源600を模式的に示す図11のXII−XII線断面図である。
【0109】
光源600は、図11および図12に示すように、発光装置400と、ベース610と、サブマウント620と、を有することができる。
【0110】
2つの発光装置400と、サブマウント620とは、構造体630を構成することができる。構造体630は、複数設けられ、図11に示すように、発光装置400の光出射部となる端面184,186の配列方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に配列している。構造体630は、X軸方向の光出射部の間隔と、Y軸方向の光出射部の間隔と、が同じになるように、配列されることができる。これにより、発光装置400から出射される光を、簡易に、レンズアレイ702に入射させることができる。
【0111】
構造体630を構成する2つの発光装置400は、サブマウント620を挟んで配置されている。図11および図12に示す例では、2つの発光装置400は、サブマウント620を介して第2電極114同士が対向するように配置されている。サブマウント620の第2電極114と接する面には、例えば、配線が形成されている。これにより、複数の第2電極114の各々に、個別に電圧を供給することができる。サブマウント620の材質としては、例えば、窒化アルミニウム、酸化アルミニウムが挙げられる。
【0112】
ベース610は、構造体630を支持している。図12に示す例では、ベース610は、複数の発光装置400の第1電極112と接続されている。これにより、ベース610は、複数の第1電極112の共通電極として機能することができる。ベース610の材質としては、例えば、銅、アルミニウムが挙げられる。図示はしないが、ベース610は、ペルチェ素子を介して、ヒートシンクと接続されていてもよい。
【0113】
なお、構造体630の形態は、図11および図12に示す例に限定されない。例えば、図13に示すように、構造体630を構成する2つの発光装置400は、サブマウント620を介して、一方の発光装置400の第1電極112と、他方の発光装置400の第2電極114とが対向するように配置されていてもよい。また、図14に示すように、2つの発光装置400の第1電極112が、共通電極となるように配置されていてもよい。
【0114】
図9に示すように、プロジェクター700は、さらに、レンズアレイ702R,702G,702Bと、透過型の液晶ライトバルブ(光変調装置)704R,704G,704Bと、投射レンズ(投射装置)708と、を含む。
【0115】
光源600R,600G,600Bから出射された光は、各レンズアレイ702R,702G,702Bに入射する。図10に示すように、レンズアレイ702は、光源600側に、光出射部184,186から出射される光20,22が入射する平坦面701を有することができる。平坦面701は、複数の光出射部184,186に対応して複数設けられ、等間隔で配置されている。また、平坦面701の法線は、光20,22の光軸に対して傾斜している。したがって、平坦面701によって、光20,22の光軸を、液晶ライトバルブ704の照射面705に対して、直交させることができる。特に、第1面131と第2利得領域160ならびに第3利得領域170とのなす角度βが0°でない場合、光20,22は各光出射部184,186から第1面131の垂線P1に対して傾いて出射されるため、平坦面701が設けられることが望ましい。
【0116】
レンズアレイ702は、液晶ライトバルブ704側に、凸曲面703を有することができる。凸曲面703は、複数の平坦面701に対応して複数設けられ、等間隔で配置されている。平坦面701において光軸が変換された光20,22は、凸曲面703によって、集光される、または拡散角を小さくされることにより、重畳(一部重畳)されることができる。これにより、均一性よく液晶ライトバルブ704を照射することができる。
【0117】
以上のように、レンズアレイ702は、光源600から出射される光20,22の光軸を制御して、光20,22を集光させることができる。
【0118】
図9に示すように、各レンズアレイ702R,702G,702Bによって集光された光は、各液晶ライトバルブ704R,704G,704Bに入射する。各液晶ライトバルブ704R,704G,704Bは、入射した光をそれぞれ画像情報に応じて変調する。そして、投射レンズ708は、液晶ライトバルブ704R,704G,704Bによって形成された像を拡大してスクリーン(表示面)710に投射する。
【0119】
また、プロジェクター700は、液晶ライトバルブ704R,704G,704Bから出射された光を合成して投射レンズ708に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)706を、含むことができる。
【0120】
各液晶ライトバルブ704R,704G,704Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム706に入射する。このプリズムは、4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は、投射光学系である投射レンズ708によりスクリーン710上に投射され、拡大された画像が表示される。
【0121】
プロジェクター700によれば、小型化を図りつつ、複数の光出射部の間隔を大きくすることができる発光装置400を有する。そのため、プロジェクター700では、レンズアレイ702のアライメントが容易で、均一性よく液晶ライトバルブ704を照射することができる。
【0122】
なお、上述の例では、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いてもよいし、反射型のライトバルブを用いてもよい。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。また、投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
【0123】
また、光源600とレンズアレイ702とは、アライメントされた状態でモジュール化されることが可能である。さらに、光源600とレンズアレイ702とライトバルブ704とが、アライメントされた状態でモジュール化されていてもよい。
【0124】
また、光源600を、光源600からの光をスクリーン上で走査させることにより、表示面に所望の大きさの画像を表示させる画像形成装置である走査手段を有するような走査型の画像表示装置(プロジェクター)の光源装置にも適用することが可能である。
【0125】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0126】
上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。したがって、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0127】
10 光、20 光、22 光、100 発光装置、102 基板、104 第2層、
106 第1層、108 第3層、110 第4層、111 柱状部、
112 第1電極、113 第4層の上面、114 第2電極、116 絶縁層、
120 積層体、131 第1面、132 第2面、133 第3面、134 第4面、
135 第5面、136 第6面、150 第1利得領域、160 第2利得領域、
162 第1利得部分、164 第2利得部分、170 第3利得領域、
172 第3利得部分、174 第4利得部分、181 第1端面、182 第2端面、
183 第3端面、184 第4端面、185 第5端面、186 第6端面、
187 第7端面、188 第8端面、189 第9端面、190 第10端面、
200〜400 発光装置、450 利得領域群、600 光源、610 ベース、
620 サブマウント、630 構造体、700 プロジェクター、701 平坦面、
702 レンズアレイ、703 凸曲面、704 液晶ライトバルブ、705 照射面、
706 クロスダイクロイックプリズム、708 投射レンズ、710 スクリーン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流を注入することによって光を発生させ、かつ当該光の導波路を形成する、第1層と、
前記第1層を挟み、かつ前記光の漏れを抑制する第2層および第3層と、
前記第1層に前記電流を注入する電極と、
を含み、
前記電極により得られる前記光の導波路は、帯状かつ直線状の形状を有する第1領域、帯状の第2領域、および帯状の第3領域、を有し、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層の側面に設けられる第1反射部にて接続され、
前記第1領域と前記第3領域とは、前記第1反射部が設けられる側面と異なる前記第1層の側面に設けられる第2反射部にて接続され、
前記第2領域と前記第3領域とは、前記第1反射部と前記第2反射部とが設けられる側面と異なる側面であって、出射面となる前記第1層の側面に接続され、
前記第1領域は、前記第1領域の長手方向が前記出射面に対して平行になるように設けられ、
前記出射面において前記第2領域から出射される第1の光と、前記出射面において前記第3領域から出射される第2の光とは、同じ方向に出射される、ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記出射面は、前記第1層で発生する光の波長帯において、前記第1反射部と前記第2反射部の反射率よりも低い反射率を備える、ことを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記第1領域と前記第2領域とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記第1反射部が設けられる前記側面の垂線に対して第1角度で傾いて前記第1反射部と接続し、
前記第1領域と前記第3領域とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記第2反射部が設けられる前記側面の垂線に対して第2角度で傾いて前記第2反射部と接続し、
前記第1角度および前記第2角度は、臨界角以上である、ことを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項において、
前記第2領域と前記第3領域とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、同じ方向で前記出射面に接続されている、ことを特徴とする発光装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記第2領域と前記第3領域とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記出射面の垂線に対して傾いて前記出射面に接続する、ことを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項4において、
前記第2領域と前記第3領域とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記出射面の垂線に対して平行に前記出射面に接続する、ことを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれか1項において、
前記第2領域は、
直線状の第1部分と、直線状の第2部分と、を有し、
前記第3領域は、
直線状の第3部分と、直線状の第4部分と、を有し、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1反射部が設けられる前記側面、前記第2反射部が設けられる前記側面、および前記出射面とは異なる、前記第1層の側面に設けられる第3反射部にて接続され、
前記第3部分と前記第4部分とは、前記第1反射部が設けられる前記側面、前記第2反射部が設けられる前記側面、前記第3反射部が設けられる前記側面、および前記出射面とは異なる、前記第1層の側面に設けられる第4反射部にて接続される、ことを特徴とする発光装置。
【請求項8】
請求項7において、
前記出射面は、前記第1層で発生する光の波長帯において、前記第3反射部と前記第4反射部の反射率よりも低い反射率を備える、ことを特徴とする発光装置。
【請求項9】
請求項7または8において、
前記第1部分と前記第2部分とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記第3反射部が設けられる前記側面の垂線に対して、第3角度で傾いて接続され、
前記第3部分と前記第4部分とは、前記第1層、前記第2層、および前記第3層の積層方向から見て、前記第4反射部が設けられる前記側面の垂線に対して、第4角度で傾いて接続され、
前記第3角度および前記第4角度は、臨界角以上である、ことを特徴とする発光装置。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項において、
前記第1領域の長さは、前記第2領域の長さおよび前記第3領域の長さよりも大きい、ことを特徴とする発光装置。
【請求項11】
第1層と、前記第1層を挟む第2層および第3層と、を有する積層体を含み、
前記第1層は、
光を発生させて導波させる、第1利得領域、第2利得領域、および第3利得領域を有し、
前記第2層および前記第3層は、
前記第1利得領域、前記第2利得領域、および前記第3利得領域に発生する光の漏れを抑制する層であり、
前記第1層は、
前記積層体の外形を形成する、第1面、第2面、および第3面を有し、
前記第1利得領域、前記第2利得領域、および前記第3利得領域に発生する光の波長体において、前記第1面の反射率は、前記第2面の反射率および前記第3面の反射率よりも低く、
前記第1利得領域は、前記積層体の積層方向から見て、前記第2面から前記第3面まで、前記第1面に対して平行に設けられ、
前記第2利得領域は、前記第2面において前記第1利得領域と重なり、前記第2面から前記第1面まで設けられ、
前記第3利得領域は、前記第3面において前記第1利得領域と重なり、前記第3面から前記第1面まで設けられ、
前記第2利得領域と前記第3利得領域とは、互いに離間し、前記積層体の積層方向から見て、同じ傾きで傾いて前記第1面と接続している、ことを特徴とする発光装置。
【請求項12】
請求項1ないし11のいずれか1項に記載の発光装置と、
前記発光装置から出射された光を集光するマイクロレンズと、
前記マイクロレンズによって集光された光を、画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置によって形成された画像を投射する投射装置と、
を含む、ことを特徴とするプロジェクター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−190907(P2012−190907A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51570(P2011−51570)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】