説明

発光装置とその製造方法と画像形成装置

【課題】多重露光の発光装置において、高解像度化を容易とするとともに、常時非発光の発光素子による階調異常を抑制する。
【解決手段】複数の単位回路Uとデータ線2と制御回路50と記憶部80とを備える発光装置100を提供する。単位回路Uは、発光素子Pを含み、その発光輝度を指定する指定データを入力し、このデータに基づいて発光素子Pを駆動する。制御回路50は、一定数のスポット像に係る指定データをデータ線2へ供給し、感光面302の進行方向に沿って第1ピッチで並ぶ一定数の単位回路Uの各々に転送させる。一定数の単位回路Uのうちの隣り合う単位回路U間では、発光期間が一定時間ずつずれている。一定時間および第1ピッチは、一定数のスポット像が互いに重なるように定められており、常時非発光の単位回路Uは、発光素子Pを非発光とする指定データを入力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定の速度で進行する感光面に光を照射して像を形成する発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一定の速度で進行する感光面に光を照射して像を形成する発光装置としては、感光体ドラムなどの像担持体の感光面に光を照射してドット(静電潜像)を形成する露光ヘッドが知られている。露光ヘッドは、感光面を横切る方向(X方向)に配列された複数の発光素子を備える。また、露光ヘッドの一種として、多重露光を行うものが知られている(特許文献1参照)。多重露光を行う露光ヘッドは、感光面の進行方向に沿ってY方向に配列された複数の発光素子を備え、これらの発光素子を互いに異なるタイミングで発光させることにより、像を重ねてドットを形成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−80608号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多重露光を行う露光ヘッドには、各発光素子の発光輝度を低く抑制可能という利点がある。例えば、特許文献1に記載の露光ヘッドでは、発光素子として有機EL素子が採用されており、有機EL素子の寿命は発光輝度が高いほど短くなるから、各発光素子の発光輝度を抑制すれば、発光素子の寿命が長くなる。また、一般に、多重露光を用いる露光ヘッドには回路が大規模化するという欠点があるが、特許文献1に記載の露光ヘッドでは、Y方向に配列された複数の発光素子間で、発光素子を駆動する回路の一部が共有されているから、回路の大規模化を抑制することができる。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の露光ヘッドでも、Y方向に配列された複数の発光素子を駆動する回路が一箇所に集約されて広い面積を占めており、この集約された回路がX方向に配列されているから、発光素子のX方向の配列ピッチを狭めること、すなわちX方向の高解像度化が困難である。また、特許文献1に記載の露光ヘッドには、発光素子へ駆動電流を供給する配線を、Y方向に並ぶ発光素子の数と同じ本数だけ、集約された回路から引き回す必要がある。これも、X方向の高解像度化を妨げる一因となる。
【0006】
ところで、露光ヘッドが備える複数の発光素子に、常に非発光となる発光素子が含まれる場合がある。この場合、多重露光を行わない露光ヘッドでは、形成すべきドットが形成されないという致命的な問題が発生する。多重露光を行う露光ヘッドでは、このような致命的な問題は発生し難いが、所望の階調と異なる階調のドットが形成されてしまう。例えば、特許文献1に記載の露光ヘッドでは、Y方向に配列された複数の発光素子の発光輝度が一律に指定されるから、これらの発光素子に常時非発光の発光素子が含まれる場合には、所望の階調と大きく異なる階調のドットが形成されることになる。
【0007】
そこで、本発明は、一定の速度で進行する感光面に光を照射してドットを形成する多重露光の発光装置において、高解像度化を容易とするとともに、常時非発光の発光素子による階調異常を抑制することを解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題を解決するために、本発明は、一定の速度で進行する感光面に光を照射してドットを形成する発光装置において、各々が、前記感光面に照射される光を発する発光素子を含み、前記発光素子の発光輝度を指定する指定データを入力し、入力した指定データを保持し、保持している指定データに基づいて前記発光素子を駆動する複数の単位回路と、前記複数の単位回路のうち、前記感光面の進行方向に沿って第1ピッチで並ぶ一定数の単位回路への指定データの転送に共用されるデータ線と、前記複数の単位回路に含まれる特定単位回路を示す特定データを記憶する記憶部と、一つのドットを構成する前記一定数の像に係る前記一定数の指定データを、前記記憶部に記憶された前記特定データに基づいて生成し、前記データ線へ供給し、前記一定数の単位回路の各々に転送させる制御回路とを備え、前記一定数の単位回路の前記発光素子が前記一定数の指定データに基づいて駆動される期間は、隣り合う単位回路間で一定時間ずつずれており、前記第1ピッチおよび前記一定時間は、前記一定数の単位回路が前記一定数の指定データに基づいて前記発光素子を駆動することによって前記感光面に形成される前記一定数の像が互いに重なるように定められていることを特徴とする発光装置(第1発光装置)を提供する。
【0009】
なお、ドットとは、感光面に形成される画像(静電潜像)の構成単位であり、この画像の解像度は単位長さあたりのドット数で表される。例えば、1インチあたり1200個のドットで構成される画像の解像度は1200dpiである。また、指定データは二つの階調(オン/オフ)のうちの一方を示すデータでもある。指定データが指定する大きさは階調毎に相違し、オンを示す指定データが指定する大きさは単位回路毎に相違しうる。また、特定単位回路は、例えば、発光素子が常時非発光の単位回路である。
【0010】
第1発光装置では多重露光が行われ、通常は、一つのドットが互いに重なる複数の像(スポット像)で構成される。これらの像の階調は同一であるから、第1発光装置によれば、各発光素子の発光輝度を低く抑制することができる。
【0011】
また、第1発光装置では、発光素子を含み、指定データを入力し、入力した指定データを保持し、保持している指定データに基づいて発光素子を駆動する機能を持った単位回路が、感光面の進行方向に沿って一定数だけ並び、これら一定数の単位回路への指定データの転送が1本のデータ線を共用して行われるから、感光面を横切る方向(感光面に平行で感光面の進行方向に直交する方向)において、発光素子を駆動する回路に占有される領域が狭くなる。よって、この発光装置によれば、高解像度化が容易となる。また、この発光装置には、感光面の進行方向に沿って並ぶ発光素子の数を増やしても、それが高解像度化を阻害する要因にはならないという利点もある。
【0012】
また、第1発光装置では、一つのドットを構成する一定数の像に係る一定数の指定データが、記憶部に記憶された特定データに基づいて生成される。したがって、第1発光装置によれば、例えば、発光素子が常時非発光の単位回路を特定単位回路としたとき、特定単位回路の発光素子が常時非発光であることを考慮して他の単位回路の発光素子の発光輝度を制御することができる。よって、第1発光装置によれば、常時非発光の発光素子による階調異常を抑制することができる。また、第1発光装置によれば、発光素子が所望の輝度と異なる輝度で発光する単位回路を特定単位回路とすることにより、所望の輝度と異なる輝度で発光する発光素子による階調異常を抑制することもできる。
【0013】
また、第1発光装置において、前記一定数の単位回路に、前記記憶部に記憶された前記記憶データで示される特定単位回路と、前記特定単位回路ではない非特定単位回路とが含まれる場合、前記制御回路は、前記特定単位回路には、前記発光素子が発光しない指定データを転送させ、前記非特定単位回路には、前記一定数と前記一定数の単位回路に含まれる前記特定単位回路の数とに応じた指定データを転送させるようにしてもよい。なお、指定データが発光素子の駆動エネルギーの大きさを指定するデータの場合、特定単位回路に転送される指定データが指定する大きさは、その発光素子を発光させない大きさとなり、非特定単位回路に転送される指定データが指定する大きさは、一定数と一定数の単位回路に含まれる特定単位回路の数とに応じた大きさとなる。
【0014】
この発光装置では、特定単位回路が、発光素子が常時非発光の単位回路であっても、発光素子が所望の輝度と異なる輝度で発光する単位回路であっても、特定単位回路の発光素子は発光しない。つまり、この発光装置によれば、ドットの階調制御において、発光素子が所望の輝度と異なる輝度で発光する単位回路を、発光素子が常時非発光の単位回路と同じ扱いとすることができる。そして、この発光装置では、非特定単位回路の発光素子が、一定数と特定単位回路の数とに応じた輝度で発光する。これは、例えば、非特定単位回路の発光素子の発光輝度を、一定数の単位回路に含まれる特定単位回路の数が多いほど高くすることが可能であることを意味する。よって、この発光装置によれば、常時非発光の発光素子による階調異常と所望の輝度と異なる輝度で発光する発光素子による階調異常との両方を回避することができる。
【0015】
なお、発光素子が所望の輝度と異なる輝度で発光する単位回路を特定単位回路とし、特定単位回路の発光特性を記憶しておき、記憶した発光特性に基づいて、非特定単位回路に転送させる指定データを生成する形態としても、所望の輝度と異なる輝度で発光する発光素子による階調異常の回避は可能である。しかし、発光特性の測定には少なからぬ手間がかかる。また、非特定単位回路に転送させる指定データの生成処理が複雑となってしまう。
【0016】
また、第1発光装置において、前記複数の単位回路に共通の共通電源配線を備え、前記複数の単位回路の各々は、前記共通電源配線から供給される電気エネルギーを用いて前記発光素子を駆動する駆動素子を備え、前記特定単位回路の前記駆動素子は、前記共通電源配線と電気的に切断されており、前記複数の単位回路のうちの前記特定単位回路ではない非特定単位回路の前記駆動素子は、前記共通電源配線と電気的に接続されているようにしてもよい(第2発光装置)。電気エネルギーとしては、電流や電圧を例示可能である。第2発光装置では、非特定単位回路の発光素子が発光しうるのに対し、特定単位回路の発光素子は発光し得ない。これは、一定数の単位回路に特定単位回路と非特定単位回路とが含まれる場合にも同様である。つまり、第2発光装置によれば、一定数の単位回路のうちの特定単位回路のみの発光素子を強制的に常時非発光とすることができる。
【0017】
なお、一定数の単位回路のうちの特定単位回路のみの発光素子を常時非発光とする方法としては、他に、発光素子が発光しない指定データを特定単位回路に転送させる方法があるが、この方法では、特定単位回路の発光素子と共通電源配線とが短絡している場合、すなわち常時発光する発光素子が存在する場合に対処不能である。これに対して、第2発光装置では、上記の短絡自体が発生しない。つまり、第2発光装置によれば、発光素子の常時発光を防止し、発光素子の常時発光に起因する階調異常を回避することができる。
【0018】
また、第1発光装置において、前記複数の単位回路に共通の共通電源配線を備え、前記複数の単位回路の各々は、前記共通電源配線から供給される電気エネルギーを用いて前記発光素子を駆動する駆動素子を備え、前記複数の単位回路の各々は、前記駆動素子と前記共通電源配線とを電気的に接続する個別電源配線を備えるようにしてもよい(第3発光装置)。第3発光装置では、共通電源配線と駆動素子との電気的接続を単位回路毎に切断することが可能である。したがって、第3発光装置によれば、発光素子の常時発光に起因する階調異常を回避することができる。
【0019】
また、第3発光装置において、透明な基板を備え、前記複数の単位回路および前記共通電源配線は、前記基板上に層を重ねて形成され、前記個別電源配線の層は、前記複数の単位回路に共通であり、前記共通電源配線の層よりも前記基板側に形成されているようにしてもよい(第4発光装置)。第4発光装置では、共通電源配線よりも個別電源配線の方が透明な基板に近いから、透明な基板側からレーザー光を照射して個別電源配線を切断することが容易となる。
【0020】
第3発光装置または第4発光装置において、透明な基板を備え、前記一定数の単位回路の各々の前記個別電源配線は太い部分と細い部分とを有するようにしてもよい。太い部分に比較して細い部分の切断は容易であるから、この発光装置によれば、個別電源配線の切断が容易となる。
【0021】
上記の各発光装置において、前記期間を発光期間とし、発光期間の長さをTeとし、前記一定数の単位回路への指定データの転送が休止されるブランク期間の長さをTbとし、前記一定数をmとし、qを0以上の整数としたとき、前記一定時間は、Te−Tbの1/mとTeのq倍との和であり、前記感光面がTeにおいて進行する距離をL2とし、前記感光面がTbにおいて進行する距離をL3としたとき、前記第1ピッチは、L2−L3の1/mとL2のq倍との和であるようにしてもよい。mは2以上の整数である。この発光装置によれば、一定数の像が互いに確実に重なる。
【0022】
また、本発明は、第2発光装置の製造方法であって、前記一定数の単位回路の各々の前記駆動素子と前記共通電源配線とを電気的に接続した後に、前記一定数の単位回路のうちの前記特定単位回路の前記駆動素子と前記共通電源配線とを電気的に切断することを特徴とする発光装置の製造方法を提供する。また、本発明は、第4発光装置の製造方法であって、前記基板上に、前記個別電源配線の層を形成した後に、前記共通電源配線の層を形成することを特徴とする発光装置の製造方法を提供する。また、本発明は、上記の各発光装置と、前記感光面を有する像担持体とを備え、複数のドットを含む画像を前記感光面に形成することを特徴とする画像形成装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発光装置100を備える画像形成装置の一部の構成を示す斜視図である。
【図2】発光装置100の平面図である。
【図3】発光装置100の発光素子とスポット像との位置関係を示す図である。
【図4】発光装置100の電気的構成を示すブロック図である。
【図5】発光装置100の単位回路Uxyの電気的構成を示す回路図である。
【図6】発光装置100の書込期間の動作を説明するための回路図である。
【図7】発光装置100の非書込期間の動作を説明するための回路図である。
【図8】単位回路Uxyの一部の構造を示す平面図である。
【図9】図8のA−A´線断面図である。
【図10】発光装置100の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図11】発光装置100によってドットが形成される様子(不良なし)を模式的に示す図である。
【図12】発光装置100によってドットが形成される様子(不良あり)を模式的に示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る発光装置の単位回路Uxyの構造を示す平面図である。
【図14】図13のB−B´線断面図である。
【図15】本発明の第2実施形態の変形例に係る発光装置の単位回路Uxyの構造を示す平面図である。
【図16】本発明に係る発光装置を備える画像形成装置の一例を示す縦断面図である。
【図17】本発明に係る発光装置を備える画像形成装置の他の例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。ただし、各図面においては、各部の寸法の比率が実際のものとは適宜に相違している。また、本発明は、以下に述べる実施形態に限定されるものではなく、これを変形して得られる各種の変形例や、これらを応用して得られる応用例をも技術的範囲に含みうる。なお、各図において共通する部分には同一の符号が付されている。
【0025】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光装置100の使用例を示す斜視図である。発光装置100は、電子写真方式の画像形成装置に内蔵され、感光体ドラム300の感光面302に光を照射して像(静電潜像)を形成する多重露光の露光ヘッドであり、発光装置100と感光体ドラム300との間にはレンズアレイ200が配置されている。レンズアレイ200は、例えば、セルフォック(セルフォック\SELFOCは日本板硝子株式会社の登録商標)レンズアレイである。
【0026】
感光体ドラム300は軸301を中心にA方向へ一定の速度で回転し、感光面302はA方向へ一定の速度で進行する。感光体ドラム300が一回転することにより、感光面302の全域は、感光体ドラム300の母線方向(X方向)に延在する照射位置R1を通過する。後に詳述するが、発光装置100は、光源として、X方向に配列された複数の発光素子を備えており、照射位置R1にある感光面302に光を照射する。
【0027】
図2は、発光装置100の平面図であり、レンズアレイ200側から眺めた場合のものである。この図に示すように、発光装置100は、X方向(行方向または主走査方)とX方向に直交するY方向(列方向または副走査方向)に延在しており、4行n列のマトリクス状に配列された複数の発光素子Pを備える。発光素子Pは、感光面302に照射される光を発する有機EL素子であり、有機EL材料で形成された発光層を含む発光機能層を二つの電極で挟んで構成されている。図1の照射位置R1内の感光面302には、発光素子Pからの光によってスポット像が形成される。
【0028】
発光素子P間のY方向の第1ピッチ(L4)は、後に詳述するが、同一列の4個の発光素子Pが1回ずつ発光することにより形成される4個のスポット像が互いに完全に重なって1個のドットを形成するように定められる。ドットは、感光面302に形成される画像(静電潜像)の構成単位である。一方、発光素子PのX方向の第2ピッチ(L2)は、要求される解像度に応じて定められる。例えば、要求される解像度が1200dpiの場合、L2は約21.2μmである。
【0029】
図1に示すように、Y方向は、照射位置R1における感光面302の進行方向(A方向)の接線と平行であり、A方向と略一致する。Y方向とA方向とは完全には一致しないが、照射位置R1のA方向の長さは、感光体ドラム300の径に比較して十分に短いから、照射位置R1において感光面302がY方向へ進行すると仮定したとしても、その仮定に基づく結論における誤差は十分に小さくなる。よって、以降の説明では、適宜、感光面302は照射位置R1においてY方向へ進行するとみなす。
【0030】
図3は、発光装置100の発光素子Pとスポット像との位置関係を示す図である。この図には、第x列の発光素子Px1〜Px4と、これらの発光素子と一対一で対応するスポット像SP1〜SP4とが示されている。領域R2は、図1のA方向へ進行する感光面302の一部であり、実際にはA方向の長さがL1の曲面領域であるが、ここでは、Y方向の長さがL1の平面領域とみなす。発光素子Px1〜Px4を一斉かつ瞬間的に発光させると、図3に示すように、照射位置R1の領域R2には、Y方向に並ぶスポット像SP1〜SP4が形成される。
【0031】
図4は、発光装置100の電気的構成を示すブロック図である。この図に示すように、発光装置100は、行方向(X方向)に延在する4本の制御線1と、列方向(Y方向)に延在するn本のデータ線2と、各々が制御線1とデータ線2との各交差に対応して設けられた4×n個の単位回路Uと、これらの単位回路Uを制御する制御回路50と、記憶部80とを備える。単位回路Uは、4行n列のマトリクス状に配列されており、X方向に沿ってn個ずつ、Y方向(A方向)に沿って4個ずつ並んでいる。
【0032】
制御回路50は、第y行の制御線1に制御信号Syを供給し、第x列のデータ線2にデータ信号Dxを供給することにより、第y行第x列の単位回路Uxyを制御する。データ信号Dxは、発光素子Pの駆動電流(駆動エネルギー)の大きさ(発光輝度)を指定する指定データを連ねた電圧信号である。指定データは、二つの階調(オン/オフ)のうちの一方を示すデータでもある。指定データが指定する大きさは階調毎に相違し、オンを示す指定データが指定する大きさは単位回路毎に相違しうる。
【0033】
単位回路Uxyは、発光素子Pxyを備え、データ線2から指定データを入力し、入力した指定データを保持し、保持している指定データで指定された大きさの駆動電流で発光素子Pxyを駆動する。つまり、制御回路50は、制御信号Sy及びデータ信号Dxを供給することにより、単位回路Uxyへ指定データを転送する。
【0034】
記憶部80は、特定データと非発光データとを不良単位回路(特定単位回路)毎に記憶する。不良単位回路は、発光素子Pが異常発光する単位回路Uである。4×n個の単位回路に含まれる不良単位回路の数が零であれば、記憶部80に記憶される特定データ及び不良指定データの数は共に零である。発光素子Pの異常発光としては、発光素子Pの常時発光や、発光素子Pの常時非発光、所望の輝度と異なる輝度での発光素子Pの発光がある。特定データは、対応する不良単位回路を示すデータであり、具体的には、4×n個の単位回路における当該不良単位回路の位置(行番号および列番号)を示す。非発光データは、対応する不良単位回路に入力された場合に当該不良単位回路の発光素子Pが非発光となるデータである。これらのデータは、例えば、発光装置100を用いた試験の結果に基づいて生成され、記憶部80に書き込まれる。
【0035】
また、制御回路50は、記憶部80に記憶された特定データ及び非発光データと、外部から供給される2値の画像データとに基づいて、データ信号Dを生成する。具体的には、制御回路50は、記憶部80に記憶された特定データで示される単位回路U(不良単位回路)については、当該特定データに対応する非発光データを指定データとし、不良単位回路とは異なる単位回路Uである非不良単位回路(非特定単位回路)については、画像データに応じた指定データを生成する。
【0036】
図5は、単位回路Uxyの電気的構成を示す回路図である。単位回路Uxyは、発光素子Pxyの他に、駆動トランジスタTR1と、制御トランジスタTR2と、容量素子C1とを備える。発光素子Pxyは、固定の電源電位Velが供給される給電線と接地線との間に介挿されており、給電線から発光素子Pxyに至る経路には駆動トランジスタTR1が介挿されている。容量素子C1は、第1電極E1及び第2電極E2を備える。
【0037】
駆動トランジスタTR1は、ソースとゲートの間の電圧Vgsに応じた駆動電流を生成して発光素子Pxyへ供給するものであり、そのソースは給電線及び容量素子C1の第1電極E1に、そのゲートは容量素子C1の第2電極E2に、そのドレインは発光素子Pxyに接続されている。容量素子C1は、書き込まれた電圧を保持するためのものであり、この保持電圧が電圧Vgsとなる。
【0038】
一方、容量素子C1の第2電極E2と第x列のデータ線2との間には制御トランジスタTR2が介挿されている。制御トランジスタTR2はスイッチング素子として機能し、そのゲートは第y行の制御線1に接続されている。つまり、制御信号Syがアクティブレベルの期間に限り、制御トランジスタTR2がオン状態となって容量素子C1への電圧(指定データ)の書き込みが行われる。
【0039】
単位回路Uxyは、容量素子C1に指定データが書き込まれる書込期間と、容量素子C1に指定データが書き込まれない非書込期間とを巡回的に迎える。書込期間では、図6に示すように、制御トランジスタTR2はオン状態を維持する。したがって、容量素子C1に、電源電位Velとデータ信号Dxとの差電圧が書き込まれる。電源電位Velは固定であるから、この電圧は、データ信号Dxのレベルによって定まる。また、書込期間では、この差電圧に応じた駆動電流が駆動トランジスタTR1から発光素子Pxyへ供給される。次の非書込期間では、図7に示すように、制御トランジスタTR2はオフ状態を維持する。したがって、発光素子Pxyには、容量素子C1の保持電圧に応じた駆動電流が供給される。つまり、発光素子Pxyは、書込期間の開始から次の書込期間の開始までの期間(発光期間)において、この書込期間において書き込まれたデータ信号Dxに応じた輝度で発光する。
【0040】
図8は、単位回路Uxyの一部の構造を示す平面図であり、図9は、図8のA−A´線断面図である。ただし、これらの図では、理解を容易とするために、適宜、一部の図示を省略してある。図9に示すように、単位回路Uxyの一部は、回路基板60と、回路基板60上に形成された半導体層61と、回路基板60上に半導体層61を覆って形成された透明な第1絶縁層62と、第1絶縁層62上に形成された第1金属層63と、第1絶縁層62上に第1金属層63を覆って形成された透明な第2絶縁層64と、第2絶縁層64上に形成された第2金属層65と、第2金属層65上に形成された発光機能層66と、発光機能層66上に形成された共通電極67と、共通電極67上に設けられた封止基板68と、共通電極67と封止基板68との間に充填された充填材69とを有する。
【0041】
回路基板60は、4×n個の単位回路Uなどの回路が形成される透明な基板であり、例えばガラスで形成されている。回路基板60上には複数の半導体層61が配置されており、総ての半導体層61が第1絶縁層62に覆われている。この図に示す半導体層61は、単位回路Uxyの駆動トランジスタTR1を構成する。第1金属層63の一部は、単位回路Uxyにおいて、ゲート配線70となっている。ゲート配線70には、半導体層61に重なるゲート電極が含まれている。第2金属層65は、単位回路Uxyについて、互いに電気的に接続されていない二つの部分を含む。これらの二つの部分のうちの一方がソース配線71であり、他方がドレイン配線72である。
【0042】
ソース配線71は、半導体層61に重なっている第1部分と、第1部分に接していない第2部分と、第1部分と第2部分との両方に接している第3部分とに分かれている。第1部分は、駆動トランジスタTR1のソース電極711であり、コンタクトホールを通じて半導体層61に接している。第2部分は、4×n個の単位回路Uに共通の共通電源配線3の一部となっている。第3部分は、単位回路Uxy専用の個別電源配線712である。図示しない電源からの電源電位Velは、共通電源配線3から個別電源配線712を介してソース電極711へ供給される。
【0043】
ドレイン配線72の半導体層61に重なる部分は、駆動トランジスタTR1のドレイン電極となっており、コンタクトホールを通じて半導体層61に接している。ドレイン配線72の発光機能層66に重なる部分は透明であり、発光素子Pxyの二つの電極のうちの一方となっている。共通電極67は、4×n個の発光素子Pに共通の透明な電極であり、その発光機能層66に重なる部分は、発光素子Pxyの二つの電極のうちの他方となっている。発光機能層66は透明であり、有機EL材料で形成された発光層を含み、一方の電極と他方の電極とに挟まれている。封止基板68は、回路基板60上に形成された回路を封止するための透明な基板であり、例えばガラスで形成されている。充填材69は、回路基板60上に形成された回路と封止基板68との間の空間を埋めるためのものであり、例えば樹脂で形成されている。
【0044】
単位回路Uxyの構造は上述の通りであるから、何らかの不都合によって駆動トランジスタTR1のソース電極711とドレイン配線72とが短絡すると、発光素子Pxyが常時発光してしまう。短絡時の常時発光を避ける方法の一つとして、単位回路Uxy付近で共通電源配線3を切断し、発光素子Pxyを常時非発光とする方法がある。しかし、共通電源配線3は4×n個の単位回路Uに共通の配線であるから、単位回路Uxy付近で共通電源配線3を切断すると、単位回路Uxyが共通電源配線3の先端に接続されていない限り、他の発光素子Pも常時非発光となってしまう。
【0045】
そこで、本実施形態では、短絡時の常時発光を避ける方法として、単位回路Uxy専用の個別電源配線712を切断して共通電源配線3とソース電極711とを分離することにより、共通電源配線3と駆動トランジスタTR1とを電気的に切断し、発光素子Pxyを常時非発光とする方法を採用している。この方法であれば、単位回路Uxyが共通電源配線3の先端に接続されていなくとも、発光素子Pxyのみを常時非発光とすることができる。
【0046】
なお、本実施形態において、共通電極67、封止基板68及び充填材69を透明としたのは、発光素子Pxyからの光が封止基板68を透過して出射するようにするためであり、その必要がなければ、これらの部材を不透明としてもよい。また、発光素子Pxyの一方の電極(回路基板60側の電極)を透明としたのは、発光素子Pxyからの光が回路基板60を透過して出射するようにするためであり、その必要がなければ、この電極を不透明としてもよい。また、回路基板60上に形成された回路と封止基板68との間の空間を埋めない場合には、充填材69は不要である。また、本実施形態ではいわゆる缶封止を採用しているが、これに代えて膜封止を採用してもよい。この場合、封止基板68及び充填材69が不要となり、回路基板60上に形成された回路が樹脂などの膜で覆われることになる。
【0047】
図10は、発光装置100の動作を説明するためのタイミングチャートである。理解を容易とするため、この図には、データ信号D1〜Dnのうち、第x列のデータ信号Dxのみを示してある。また、この図では、発光期間の長さをTe、書込期間の長さをTw、ブランク期間の長さをTbとしてある。Teは、感光面302がL2だけ進行する時間でもあり、L2は感光面302がTeにおいて進行する距離でもある。ブランク期間は、第x列の4個の単位回路Ux1〜Ux4のいずれにも指定データが転送されない期間であり、総ての列に共通である。なお、本実施形態では、制御回路50がTbにわたって特定のデータ信号Dx(指定データDb)を供給するが、これを変形し、ブランク期間には制御回路50からデータ信号Dxが供給されないようにしてもよい。
【0048】
図8に示すように、制御信号Syは、周期がTeのパルスであり、第y行の単位回路Uに共通の各種期間を定める。具体的には、制御信号Syが非アクティブレベルからアクティブレベルへ遷移してから次に非アクティブレベルからアクティブレベルへ遷移するまでの期間が、第y行の発光期間(Te)となり、制御信号Syが非アクティブレベルからアクティブレベルへ遷移してから非アクティブレベルへ遷移するまでの期間が第y行の書込期間(Tw)となり、制御信号Syがアクティブレベルから非アクティブレベルへ遷移してからアクティブレベルへ遷移するまでの期間が第y行の非書込期間となる。
【0049】
制御信号S1〜S4が非アクティブレベルからアクティブレベルへ遷移するタイミングは、一定の時間(Tp)ずつずれている。つまり、発光期間および書込期間は行毎にTpずつずれている。ただし、Tpずつずれているのは、同一のドットに係る期間ではなく、異なるドットに係る期間である。同一のドットに係る期間は、行毎に、一定時間(Te+Tp)ずつずれている。例えば、図8では、k番目のドットに係る単位回路Ux2用の指定データD2kが単位回路Ux2の容量素子C1に書き込まれる書込期間は、k番目のドットに係る単位回路Ux1用の指定データD1kが単位回路Ux1の容量素子C1に書き込まれる書込期間からTe+Tpだけ遅れている。
【0050】
同一のドットに係る期間を行毎にずらすのは、多重露光を行うからである。また、一定時間を、Teではなく、Te+Tpとしたのは、一本のデータ線2を同一列の複数の単位回路Uで共用するためである。一般的な多重露光では一定時間としてTeが採用されるが、一定時間としてTeを採用すると、書込期間が行間で重なってしまう。例えば、図8において、k+1番目のドットに係る指定データD1k+1が単位回路Ux1の容量素子C1に書き込まれる書込期間と、k番目のドットに係る指定データD2kが単位回路Ux2の容量素子C1に書き込まれる書込期間とが重なってしまう。これでは、一本のデータ線2を同一列の複数の単位回路Uへの指定データの転送で共用することができない。これが、一定時間をTe+Tpとした理由である。
【0051】
Tpは、書込期間(Tw)が行間で重ならないようにするために、Teとの剰余がTw以上となるように定められている。この剰余は、ブランク期間(Tb)を確保するために、Te−Tbの1/4以下でなければならない。そこで、本実施形態では、Te−Tbの1/4をTpとしている。もちろん、Tp>Twである。
【0052】
一方、第1ピッチ(図2のL4)は、同一列の4個の発光素子Px1〜Px4に対応するスポット像が感光面302において完全に重なるように、Te+Tpに応じて定められている。具体的には、Tbにおいて感光面302が進行する距離をL3としたとき、L2−L3の1/4とL2との和をL4としている。もちろん、L2>L3である。TpはTe−Tbの1/4であるから、Te+TpはTeとTe−Tbの1/4との和であり、Teにおいて感光面302が進行する距離はL2であるから、Tbにおいて感光面302が進行する距離をL3としたとき、Te−Tbにおいて感光面302が進行する距離はL2−L3となり、Te+Tpにおいて感光面302が進行する距離はL2−L3の1/4とL2との和となる。
【0053】
図11及び図12は、それぞれ、発光装置100によってドットが形成される様子を模式的に示す図である。各図に示す様子は、第x列の発光素子Px1〜Px4が照射位置R1の領域R2にk番目のドットを形成するときのものであり、図11は、単位回路Ux1〜Ux4の総てが非不良単位回路である場合の様子を、図12は、単位回路Ux3のみが不良単位回路である場合の様子を示す。
【0054】
図11に示すように、単位回路Ux1〜Ux4の総てが非不良単位回路の場合には、まず、第1行の発光期間(Te)および書込期間が開始する。この書込期間では、単位回路Ux1の容量素子C1に指定データD1kが書き込まれ、この発光期間では、発光素子Px1が指定データD1kに応じた輝度で発光し続ける。この指定データD1kは、制御回路50において画像データに基づいて生成され、発光素子Px1は、指定データD1kが示す階調がオンであれば一定の輝度(第1輝度)で発光し続け、オフであれば発光しない。前者であれば、各図に示すように、Y方向に延在するスポット像SP1が領域R2に形成される。スポット像SP1の階調は、第1輝度に相当する第1階調となる。
【0055】
第1行の発光期間の終了からTpが経過すると、第2行の発光期間(Te)および書込期間が開始する。この書込期間では、単位回路Ux2の容量素子C1に指定データD2kが書き込まれ、この発光期間では、発光素子Px2が指定データD2kに応じた輝度で発光し続ける。この指定データD2kは、制御回路50において画像データに基づいて生成され、発光素子Px2は、指定データD2kが示す階調がオンであれば第1輝度で発光し続け、オフであれば発光しない。前者であれば、図示のように、Y方向に延在するスポット像SP2が領域R2に形成される。スポット像SP2の階調は、第1輝度に相当する第1階調となる。スポット像SP1が形成済みであれば、スポット像SP2はスポット像SP1と完全に重なる。
【0056】
第2行の発光期間の終了からTpが経過すると、第3行の発光期間(Te)および書込期間が開始する。この書込期間では、単位回路Ux3の容量素子C1に指定データD3kが書き込まれ、この発光期間では、発光素子Px3が指定データD3kに応じた輝度で発光し続ける。この指定データD3kは、制御回路50において画像データに基づいて生成され、発光素子Px3は、指定データD3kが示す階調がオンであれば第1輝度で発光し続け、オフであれば発光しない。前者であれば、図示のように、Y方向に延在するスポット像SP3が領域R2に形成される。スポット像SP3の階調は、第1輝度に相当する第1階調となる。スポット像SP1及びSP2のうち、少なくとも一つのスポット像が形成済みであれば、スポット像SP3は形成済みのスポット像と完全に重なる。
【0057】
第3行の発光期間の終了からTpが経過すると、第4行の発光期間(Te)および書込期間が開始する。この書込期間では、単位回路Ux4の容量素子C1に指定データD4kが書き込まれ、この発光期間では、発光素子Px4が指定データD4kに応じた輝度で発光し続ける。この指定データD4kは、制御回路50において画像データに基づいて生成され、発光素子Px4は、指定データD4kが示す階調がオンであれば第1輝度で発光し続け、オフであれば発光しない。前者であれば、Y方向に延在するスポット像SP4が領域R2に形成される。スポット像SP4の階調は、第1輝度に相当する第1階調となる。スポット像SP1、SP2及びSP3のうち、少なくとも一つのスポット像が形成済みであれば、スポット像SP4は、形成済みのスポット像と完全に重なる。
【0058】
この時点で形成済みのスポット像の最大数は4であり、領域R2には、最大で4個の第1階調のスポット像を重ねて構成される像が形成される。この像がk番目のドットである。このように、発光装置100によれば、一つのドットが複数のスポット像を重ねて構成されうるから、各発光素子Pの発光輝度を低く抑制することができる。
【0059】
図12に示すように、単位回路Ux3のみが不良単位回路である場合にも、単位回路Ux1〜Ux4の総てが非不良単位回路の場合と同様にスポット像が形成される。ただし、図12の場合には、記憶部80に、単位回路Ux3の位置を示す特定データと、発光素子Px3を非発光とするための非発光データとが対応付けて記憶されている。このため、図12の場合では、この非発光データが指定データD3kとして用いられ、オンを示す指定データは、発光素子Pを第1輝度よりも高い第2輝度で発光させる大きさを指定する。
【0060】
第2輝度としては、第1輝度をf、同一列の単位回路Uの数をg、これらの単位回路Uに含まれる不良単位回路の数をhとしたき、f+(f×h)/(g−h)が好適である。このように第2輝度を定めることにより、不良単位回路の存在がドットの階調に与える悪影響を排除することができる。本実施形態ではg=4であり、図12ではh=1であるから、第2輝度はf+f/3で表される。
【0061】
上述したように、図12の場合には、オンを示す指定データは、発光素子を第2輝度で発光させる大きさを指定するから、スポット像SP1、SP2及びSP4の階調は、第2輝度に相当する第2階調となる。また、非発光データが指定データD3kとして用いられるから、発光素子Px3は非発光となり、スポット像SP3は形成されない。したがって、第4行の発光期間(Te)の終了時に形成済みのスポット像の最大数は3となり、領域R2には、最大で3個の第2階調のスポット像を重ねて構成される像が形成される。この像がk番目のドットである。
【0062】
ところで、不良単位回路が、発光素子Pが常時発光する単位回路Uである場合、非発光データを指定データとして用いても、この発光素子Pの発光を止めることはできない。そこで、本実施形態では、前述したように、この発光素子Pを常時非発光としている。発光素子Pを常時非発光とする手順は、具体的には、次に述べる通りである。
【0063】
まず、発光装置100を製造する。このとき、各単位回路Uの駆動トランジスタTR1は、共通電源配線3と電気的に接続されている。次に、試験により、各種の不良単位回路を特定する。ここで特定される不良単位回路には、発光素子Pが常時発光する単位回路Uのみならず、発光素子Pが常時非発光の単位回路Uや、発光素子Pが所望の輝度と異なる輝度で発光する単位回路Uも含まれる。次に、特定した不良単位回路に対応する特定データ及び非発光データを記憶部3に記憶させる一方、発光素子Pが常時発光する不良単位回路の個別電源配線712を切断する。この切断は、いわゆるレーザーカットであり、個別電源配線712の切断位置に焦点が合うように回路基板60側からレーザー光を照射して行われる。
【0064】
以上説明したように、発光装置100では、発光素子Pが常時発光する単位回路Uや、発光素子Pが常時非発光の単位回路U、発光素子Pが所望の輝度と異なる輝度で発光する単位回路Uの発光素子Pは発光せず、これらの不良単位回路のうちの少なくとも一つと同一列の他の単位回路Uの発光素子が、同一列の不良単位回路の発光素子Pが発光しないことによる階調の不足分を補うように発光する。したがって、発光装置100によれば、常時非発光の発光素子Pによる階調異常、常時発光する発光素子Pによる階調異常、および所望の輝度と異なる輝度で発光する発光素子Pによる階調異常を回避することができる。
【0065】
また、発光装置100では、発光素子Pと制御トランジスタTR2と容量素子C1と駆動トランジスタTR1とを有する単位回路UがY方向に配列され、同一列の4個の単位回路Uへの指定データの転送が1本のデータ線2を用いて行われるから、X方向において、発光素子Pを駆動する回路に占有される領域が狭くなる。よって、発光装置100には、高解像度化が容易という利点がある。また、発光装置100には、Y方向に並ぶ発光素子Pの数を増やしても、それが高解像度化を阻害する要因にはならないという利点もある。
【0066】
ところで、理論的には、qを0以上の整数としたとき、Te−Tbの1/4とTeのq倍との和をTe+Tpとし、L2−L3の1/4とL2のq倍との和をL4としても、4個のスポット像を完全に重ねて1個のドットを得ることができる。しかし、q=0の場合にはL2>L4となってしまう。つまり、L4が製造上のボトルネックとなり、L2を十分に短くすることが困難となってしまう。Y方向の高解像度化は時間的な制御によって達成可能であるが、X方向の解像度はL2で定まってしまうから、L2を十分に短くすることが困難ならば、X方向の高解像度化も困難となる。また、Te−Tbを無制限に長くすれば、画像の形成に要する時間もL4も無制限に長くなってしまう。そして、L4が無制限に長くなれば、発光装置100が無制限に大型化してしまう。つまり、TpとしてはTe−Tbの1/4が好適であり、L4としてはL2−L3の1/4とL2との和が好適である。
【0067】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る発光装置について説明する。この発光装置が発光装置100と異なる点は、単位回路Uの構造のみである。本実施形態に係る単位回路Uxyの構造を図13及び図14に示す。これらの図では、理解を容易とするために、適宜、一部の図示を省略してある。これらの図に示すように、本実施形態に係る単位回路Uxyでは、第1金属層63が、ゲート配線70の他に、ゲート配線70と電気的に接続されていない個別電源配線73を含み、第2金属層65が、ドレイン配線72の他に、ドレイン配線72と電気的に接続されていない二つの部分を含む。
【0068】
これら二つの部分の一方はソース配線74であり、他方は共通電源配線3の一部である。両者は互いに接していない。ソース配線74は、半導体層61に重なっているソース電極711と、他の部分とに分かれる。ソース電極711は、コンタクトホールを通じて半導体層61に接しており、他の部分は、コンタクトホールを通じて個別電源配線73に接している。個別電源配線73は、コンタクトホールを通じて共通電源配線3に接しており、共通電源配線3からの電源電位Velは、個別電源配線73を介してソース電極711へ供給される。
【0069】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る発光装置では、発光装置100と同様に、4×n個の単位回路U及び共通電源配線3が回路基板60上に層を重ねて形成され、4×n個の単位回路Uの個別電源配線73を含む第1金属層63は、共通電源配線3の一部を含む第2金属層65よりも下側(回路基板60側)に配置されている。つまり、切断されうる個別電源配線73が回路基板60の近くに配置されている。よって、本実施形態に係る発光装置によれば、レーザーカットが容易となる。
【0070】
<変形例>
上述した第2実施形態を変形し、レーザーカットを更に容易としてもよい。この変形例に係る発光装置の単位回路Uxyの構造を図15に示す。この図の構造では、個別電源配線が、共通電源配線3とソース配線74との間でくびれており、くびれた部分において切断される。つまり、個別電源配線は太い部分と細い部分とを有し、細い部分において切断されるから、レーザーカットが更に容易となる。なお、これと同様の変形を第1実施形態に対して行ってもよい。
【0071】
また、上述した実施形態および変形例では、発光素子Pの行数(m)を4としたが、これに限るものではなく、複数であればよい。この場合、TpとしてはTe−Tbの1/mが好適であり、L4としてはL2−L3の1/mとL2との和が好適である。また、ブランク期間の長さを零としてもよい。この場合、TpとしてはTeの1/mが好適であり、L4としてはL2の1/mとL2との和が好適である。例えば、発光装置100において、ブランク期間の長さが零の場合、Teの1/4がTpとなり、L2の1/4とL2との和、すなわちL2の5/4がL4となる。このとき、L2が約21.2μmであれば、L4は約26.5μmとなる。
【0072】
また、上述した実施形態および変形例では、不良単位回路の発光素子を一律に非発光としたが、発光素子が所望の輝度と異なる輝度で発光する不良単位回路については、発光素子を発光させるようにしてもよい。例えば、この不良単位回路に、発光素子が所望の輝度で発光するような指定データを転送させるようにしてもよいし、この不良単位回路の発光素子の輝度と所望の輝度との差を打ち消すような指定データを、当該不良単位回路と同一列の非不良単位回路に転送させるようにしてもよい。
【0073】
また、上述した実施形態および変形例では、発光素子Pとして電流で駆動される有機EL素子を採用しているが、これに限るものではなく、電圧で駆動される発光素子を採用可能である。つまり、発光素子Pとして、電流や電圧などの電気エネルギーを駆動エネルギーとする任意の発光素子を採用可能である。また、本実施形態について前述したように、変形例に係る発光装置も、特定の方向に一定の速度で進行する感光面に光を照射して画像を形成する電子写真方式の画像形成装置において露光ヘッドとして用いられる。
【0074】
<応用例>
図16は、本発明に係る発光装置を備える画像形成装置の一例を示す縦断面図である。この画像形成装置は、ベルト中間転写体方式を利用したタンデム型のフルカラー画像形成装置であり、上述した実施形態または変形例に係る4個の発光装置を、それぞれ、ライン型の露光ヘッドとして備えている。
【0075】
この画像形成装置では、同様な構成の4個の露光ヘッド10K,10C,10M,10Yが、同様な構成である4個の感光体ドラム(像担持体)110K,110C,110M,110Yの露光位置(照射位置)にそれぞれ配置されている。この画像形成装置には、駆動ローラ121と従動ローラ122とが設けられており、これらのローラ121,122には無端の中間転写ベルト120が巻回されて、矢印に示すようにローラ121,122の周囲を回転させられる。図示しないが、中間転写ベルト120に張力を与えるテンションローラなどの張力付与手段を設けてもよい。
【0076】
この中間転写ベルト120の周囲には、外周面に感光層を有する4個の感光体ドラム110K,110C,110M,110Yが互いに所定の間隔をおいて配置される。添え字K,C,M,Yはそれぞれ黒、シアン、マゼンタ、イエローの顕像を形成するために使用されることを意味している。他の部材についても同様である。感光体ドラム110K,110C,110M,110Yは、中間転写ベルト120の駆動と同期して回転駆動される。
【0077】
各感光体ドラム110(K,C,M,Y)の周囲には、コロナ帯電器111(K,C,M,Y)と、露光ヘッド10(K,C,M,Y)と、現像器114(K,C,M,Y)が配置されている。コロナ帯電器111(K,C,M,Y)は、対応する感光体ドラム110(K,C,M,Y)の外周面を一様に帯電させる。露光ヘッド10(K,C,M,Y)は、対応する感光体ドラム110(K,C,M,Y)の帯電させられた外周面(感光面)に静電潜像を書き込む。各露光ヘッド10(K,C,M,Y)は、X方向が感光体ドラム110(K,C,M,Y)の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、上記の複数の発光素子Pによって感光体ドラムに光を照射することにより行う。現像器114(K,C,M,Y)は、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラムに顕像すなわち可視像を形成する。
【0078】
このような4色の単色顕像形成ステーションにより形成された黒、シアン、マゼンタ、イエローの各顕像は、中間転写ベルト120上に順次一次転写されることにより、中間転写ベルト120上で重ね合わされ、この結果としてフルカラーの顕像が得られる。中間転写ベルト120の内側には、4つの一次転写コロトロン(転写器)112(K,C,M,Y)が配置されている。一次転写コロトロン112(K,C,M,Y)は、感光体ドラム110(K,C,M,Y)の近傍にそれぞれ配置されており、感光体ドラム110(K,C,M,Y)から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写コロトロンの間を通過する中間転写ベルト120に顕像を転写する。
【0079】
最終的に画像を形成する対象としてのシート102は、ピックアップローラ103によって、給紙カセット101から1枚ずつ給送されて、駆動ローラ121に接した中間転写ベルト120と二次転写ローラ126の間のニップに送られる。中間転写ベルト120上のフルカラーの顕像は、二次転写ローラ126によってシート102の片面に一括して二次転写され、定着部である定着ローラ対127を通ることでシート102上に定着される。この後、シート102は、排紙ローラ対128によって、装置上部に形成された排紙カセット上へ排出される。
【0080】
図17は、本発明に係る発光装置を備える画像形成装置の他の例を示す縦断面図である。この画像形成装置は、ベルト中間転写体方式を利用したロータリー現像式のフルカラー画像形成装置であり、上述した実施形態または変形例に係る1個の発光装置をライン型の露光ヘッドとして備えている。
【0081】
感光体ドラム165の周囲には、コロナ帯電器168、ロータリー式の現像ユニット161、露光ヘッド167、中間転写ベルト169が設けられている。コロナ帯電器168は、感光体ドラム165の外周面を一様に帯電させる。露光ヘッド167は、感光体ドラム165の帯電させられた外周面(感光面)に静電潜像を書き込む。露光ヘッド167は、以上に例示した各態様の発光装置であり、X方向が感光体ドラム165の母線(主走査方向)に沿うように設置される。静電潜像の書き込みは、これらの発光素子Pから感光体ドラム165に光を照射することにより行う。
【0082】
現像ユニット161は、4つの現像器163Y,163C,163M,163Kが90°の角間隔をおいて配置されたドラムであり、軸161aを中心にして反時計回りに回転可能である。現像器163Y,163C,163M,163Kは、それぞれイエロー、シアン、マゼンタ、黒のトナーを感光体ドラム165に供給して、静電潜像に現像剤としてのトナーを付着させることにより感光体ドラム165に顕像すなわち可視像を形成する。
【0083】
無端の中間転写ベルト169は、駆動ローラ170a、従動ローラ170b、一次転写ローラ166およびテンションローラに巻回されて、これらのローラの周囲を矢印に示す向きに回転させられる。一次転写ローラ166は、感光体ドラム165から顕像を静電的に吸引することにより、感光体ドラムと一次転写ローラ166の間を通過する中間転写ベルト169に顕像を転写する。
【0084】
具体的には、感光体ドラム165の最初の1回転で、露光ヘッド167によりイエロー(Y)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Yにより同色の顕像が形成され、さらに中間転写ベルト169に転写される。また、次の1回転で、露光ヘッド167によりシアン(C)像のための静電潜像が書き込まれて現像器163Cにより同色の顕像が形成され、イエローの顕像に重なり合うように中間転写ベルト169に転写される。そして、このようにして感光体ドラム165が4回転する間に、イエロー、シアン、マゼンタ、黒の顕像が中間転写ベルト169に順次重ね合わせられ、この結果フルカラーの顕像が転写ベルト169上に形成される。最終的に画像を形成する対象としてのシートの両面に画像を形成する場合には、中間転写ベルト169に表面と裏面の同色の顕像を転写し、次に中間転写ベルト169に表面と裏面の次の色の顕像を転写する形式で、フルカラーの顕像を中間転写ベルト169上で得る。
【0085】
画像形成装置には、シートが通過させられるシート搬送路174が設けられている。シートは、給紙カセット178から、ピックアップローラ179によって1枚ずつ取り出され、搬送ローラによってシート搬送路174を進行させられ、駆動ローラ170aに接した中間転写ベルト169と二次転写ローラ171の間のニップを通過する。二次転写ローラ171は、中間転写ベルト169からフルカラーの顕像を一括して静電的に吸引することにより、シートの片面に顕像を転写する。二次転写ローラ171は、図示しないクラッチにより中間転写ベルト169に接近および離間させられるようになっている。そして、シートにフルカラーの顕像を転写する時に二次転写ローラ171は中間転写ベルト169に当接させられ、中間転写ベルト169に顕像を重ねている間は二次転写ローラ171から離される。
【0086】
以上のようにして画像が転写されたシートは定着器172に搬送され、定着器172の加熱ローラ172aと加圧ローラ172bの間を通過させられることにより、シート上の顕像が定着する。定着処理後のシートは、排紙ローラ対176に引き込まれて矢印Fの向きに進行する。両面印刷の場合には、シートの大部分が排紙ローラ対176を通過した後、排紙ローラ対176が逆方向に回転させられ、矢印Gで示すように両面印刷用搬送路175に導入される。そして、二次転写ローラ171により顕像がシートの他面に転写され、再び定着器172で定着処理が行われた後、排紙ローラ対176でシートが排出される。
【0087】
なお、以上に例示した以外の電子写真方式の画像形成装置にも本発明に係る発光装置を露光ヘッドとして採用することができる。例えば、中間転写ベルトを使用せずに感光体ドラムから直接シートに顕像を転写するタイプの画像形成装置や、モノクロの画像を形成する画像形成装置にも本発明に係る発光装置を応用することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
1……制御線、100……発光装置、2……データ線、3……共通電源配線、50……制御回路、60……記憶部、63……第1金属層、65……第2金属層、712,73……個別電源配線、P……発光素子、TR1……駆動トランジスタ、U……単位回路。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の速度で進行する感光面に光を照射してドットを形成する発光装置において、
各々が、前記感光面に照射される光を発する発光素子を含み、前記発光素子の発光輝度を指定する指定データを入力し、入力した指定データを保持し、保持している指定データに基づいて前記発光素子を駆動する複数の単位回路と、
前記複数の単位回路のうち、前記感光面の進行方向に沿って第1ピッチで並ぶ一定数の単位回路への指定データの転送に共用されるデータ線と、
前記複数の単位回路に含まれる特定単位回路を示す特定データを記憶する記憶部と、
一つのドットを構成する前記一定数の像に係る前記一定数の指定データを、前記記憶部に記憶された前記特定データに基づいて生成し、前記データ線へ供給し、前記一定数の単位回路の各々に転送させる制御回路とを備え、
前記一定数の単位回路の前記発光素子が前記一定数の指定データに基づいて駆動される期間は、隣り合う単位回路間で一定時間ずつずれており、
前記第1ピッチおよび前記一定時間は、前記一定数の単位回路が前記一定数の指定データに基づいて前記発光素子を駆動することによって前記感光面に形成される前記一定数の像が互いに重なるように定められている
ことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記一定数の単位回路に、前記記憶部に記憶された前記記憶データで示される特定単位回路と、前記特定単位回路ではない非特定単位回路とが含まれる場合、前記制御回路は、前記特定単位回路には、前記発光素子が発光しない指定データを転送させ、前記非特定単位回路には、前記一定数と前記一定数の単位回路に含まれる前記特定単位回路の数とに応じた指定データを転送させる
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記複数の単位回路に共通の共通電源配線を備え、
前記複数の単位回路の各々は、前記共通電源配線から供給される電気エネルギーを用いて前記発光素子を駆動する駆動素子を備え、
前記特定単位回路の前記駆動素子は、前記共通電源配線と電気的に切断されており、
前記複数の単位回路のうちの前記特定単位回路ではない非特定単位回路の前記駆動素子は、前記共通電源配線と電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記複数の単位回路に共通の共通電源配線を備え、
前記複数の単位回路の各々は、前記共通電源配線から供給される電気エネルギーを用いて前記発光素子を駆動する駆動素子を備え、
前記複数の単位回路の各々は、前記駆動素子と前記共通電源配線とを電気的に接続する個別電源配線を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
透明な基板を備え、
前記複数の単位回路および前記共通電源配線は、前記基板上に層を重ねて形成され、
前記個別電源配線の層は、前記複数の単位回路に共通であり、前記共通電源配線の層よりも前記基板側に形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
透明な基板を備え、
前記一定数の単位回路の各々の前記個別電源配線は太い部分と細い部分とを有する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の発光装置。
【請求項7】
前記期間を発光期間とし、発光期間の長さをTeとし、前記一定数の単位回路への指定データの転送が休止されるブランク期間の長さをTbとし、前記一定数をmとし、qを0以上の整数としたとき、前記一定時間は、Te−Tbの1/mとTeのq倍との和であり、
前記感光面がTeにおいて進行する距離をL2とし、前記感光面がTbにおいて進行する距離をL3としたとき、前記第1ピッチは、L2−L3の1/mとL2のq倍との和である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
請求項3に記載の発光装置の製造方法であって、
前記一定数の単位回路の各々の前記駆動素子と前記共通電源配線とを電気的に接続した後に、前記一定数の単位回路のうちの前記特定単位回路の前記駆動素子と前記共通電源配線とを電気的に切断する
ことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項9】
請求項5に記載の発光装置の製造方法であって、
前記基板上に、前記個別電源配線の層を形成した後に、前記共通電源配線の層を形成する
ことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発光装置と、
前記感光面を有する像担持体とを備え、
複数のドットを含む画像を前記感光面に形成することを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−11423(P2011−11423A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−156601(P2009−156601)
【出願日】平成21年7月1日(2009.7.1)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】