説明

発光装置

【課題】本発明は、発光時間の蓄積、または高輝度の発光に伴った発光輝度の低下を低減できる発光装置について提供することを課題とする。また、本発明は、発光時間の蓄積、または高輝度の発光に伴った発光輝度の低下を低減できる駆動方法に関する。
【解決手段】本発明の発光装置は、発光色がそれぞれ異なる複数の発光素子からの発光が視覚的に混合することによって明度や色度の異なる複数の表示色を得ることができる装置である。そして、視覚的に混合された表示色を形成するときに、白色の発光を呈することを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子からの発光を用いて表示色を形成する発光装置およびその駆動方法
に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロルミネッセンス素子(発光素子)からの発光を利用した発光装置は、広視野
角、低消費電力である。近年、発光装置の開発分野では、テレビ受像機やカーナビゲーシ
ョンを初めとする各種情報処理機器に適用される表示装置としての市場を得るべく、高品
質な画像を提供できる発光装置の研究開発が盛んに行われている。
【0003】
ところで、発光素子の輝度は、発光時間が蓄積するに伴って次第に低下していく。また
、発光時間の蓄積に伴った輝度の低下は、高い輝度で発光させ続けたとき程顕著である。
このような輝度の低下は、特に表示装置として機能する発光装置においては、表示色の変
化を引き起こし、画質の劣化に繋がる。
【0004】
その為、発光時間の蓄積に伴った発光輝度の低下を低減した長寿命な発光素子の開発が
進められている。例えば、特許文献1では、回復電圧を与えることによって長寿命化を達
成できる発光素子の駆動方法について開示されている。このような発光素子の長寿命化は
、高品質な画像を表示できる発光装置を得る上でも重要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−55154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、発光時間の蓄積、または高輝度の発光に伴った発光輝度の低下を低減できる
発光装置について提供することを課題とする。また、本発明は、発光時間の蓄積、または
高輝度の発光に伴った発光輝度の低下を低減できる駆動方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発光装置の一は、発光色がそれぞれ異なる複数の発光素子からの発光が視覚的
に混合することによって明度や色度の異なる複数の表示色を得ることができる装置である
。そして、視覚的に混合された表示色を形成するときに、白色の発光を呈することを特徴
としている。
【0008】
本発明の発光装置の一は、それぞれ異なる発光色を呈する複数の第1の発光素子と、白
色を発光する第2の発光素子とを有している。そして、本発明の発光装置を駆動させたと
き、第1の発光素子への電流の供給を制御するために設けられた第2のトランジスタへ、
共通の第1のトランジスタを介して映像信号が入力される。この映像信号によって第2の
トランジスタがオン状態またはオフ状態となる。そして、発光素子は、それぞれ異なるタ
イミングで発光状態または非発光状態となる。ここで、少なくとも一の第1の発光素子が
発光したとき、白色を発光する第2の発光素子を発光させるステップをさらに含むことを
特徴としている。
【0009】
本発明の発光装置の一は、それぞれ異なる発光色を呈する複数の発光素子を有している
。そして、本発明の発光装置を駆動させたとき、発光素子への電流の供給を制御するため
に設けられた第2のトランジスタへ、共通の第1のトランジスタを介して映像信号が入力
される。この映像信号によって第2のトランジスタがオン状態またはオフ状態となる。そ
して、発光素子は、それぞれ異なるタイミングで発光状態または非発光状態となる。ここ
で、少なくとも一の発光素子が発光したとき、さらに、白色を呈するように少なくとも二
の発光素子を同時に発光させるステップをさらに含むことを特徴としている。
【0010】
本発明の発光装置の一は、ゲート信号線と、ソース信号線と、n(nは自然数、2≦n
)本の電流供給線と、電源と、映像信号の入力を制御する第1のトランジスタと、電流供
給線からの電流の供給を制御するn個の第2のトランジスタと、発光色がそれぞれ異なる
n個の第1の発光素子と、を有する。そして、第1のトランジスタにおいて、ゲート電極
はゲート信号線と電気的に接続し、第1の電極はソース信号線と電気的に接続している。
さらに、第1のトランジスタの第2の電極は第2のトランジスタのゲート電極と電気的に
接続している。ここで、m(mは自然数、2≦m≦n−1)番目の前記発光素子において
、第1の電極はm番目の第2のトランジスタを介してm番目の電流供給線と電気的に接続
し、第2の電極はm+1番目の第2のトランジスタを介してm+1番目の電流供給線と電
気的に接続している。また、n番目の発光素子において、第1の電極はn番目の第2のト
ランジスタを介してn番目の電流供給線と電気的に接続し、第2の電極は電源と電気的に
接続している。
【0011】
本発明の発光装置の一は、発光素子の電極と発光層とが交互に積層した層を含む。本発
明の発光装置は、さらに、駆動用トランジスタと、電流供給線とを含む。ここで、発光素
子の電極は、それぞれ異なる駆動用トランジスタを介して、それぞれ異なる電流供給線に
電気的に接続していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によって、白色の発光を呈する発光装置を得ることができる。また、白色の発光
をさせることによって、表示色の輝度を高めることができる。また、白色の発光をさせる
ことによって、画像のコントラストを向上させることができる。従って、例えば、赤色や
緑色、青色の発光素子からの発光を組み合わせて表示色を形成するときに、それぞれの発
光素子に掛かる負担を低減することができ、発光素子が長寿命化する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の発光装置に用いられる駆動回路の図。
【図2】本発明の発光装置の概略図。
【図3】本発明の発光装置に用いられる駆動回路の図。
【図4】本発明の発光装置の駆動方法について説明する図。
【図5】本発明の発光装置の駆動方法について説明する図。
【図6】本発明の発光装置に用いられる駆動回路の図。
【図7】本発明の発光装置の駆動方法について説明する図。
【図8】本発明の発光装置の画素部における上面図。
【図9】本発明の発光装置の画素部における断面図。
【図10】本発明を適用した電子機器について説明する図。
【図11】本発明の発光装置の駆動方法について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一態様について説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施する
ことが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から 逸脱することなくその形態及び詳細
を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本形態の記載内容
に限定して解釈されるものではない。
【0015】
(実施の形態1)
本発明の発光装置の画素部に含まれる回路について、図1を用いて説明する。
【0016】
図1は、本発明の発光装置に含まれる画素320の回路構成を表した図である。
スイッチング用トランジスタ301、駆動用トランジスタ302a、302b、302
c、302dは、それぞれ、ゲート電極と、ドレイン領域と、ソース領域とを含む三端子
の素子であり、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有する。ここで、ソース
領域とドレイン領域とは、トランジスタの構造や動作条件等によって、いずれがソース領
域またはドレイン領域であるかを限定することが困難であるため、一方を第1の電極、他
方を第2の電極として表記する。ここで、スイッチング用トランジスタとは、駆動用トラ
ンジスタへの映像信号の入力を制御するトランジスタである。また、駆動用トランジスタ
とは、入力された映像信号に依って、電流供給線からの電流の供給を制御し、発光素子の
発光・非発光を決定するトランジスタである。なお、スイッチング用トランジスタ301
、駆動用トランジスタ302a、302b、302c、302dのそれぞれについて、特
に限定はなく、MOS型トランジスタの他、有機化合物から成る半導体層を含む有機薄膜
トランジスタ等を用いることができる。また、スイッチング用トランジスタ301は、N
チャネル型またはPチャネル型のいずれでも構わない。また、駆動用トランジスタ302
a、302b、302c、302dは、Nチャネル型またはPチャネル型のいずれでも構
わないが、図1に示した例に依ると、共通の映像信号によって制御されるため、同極性で
あることが好ましい。
【0017】
また、発光素子303a、303b、303c、303dは、それぞれ、二端子の素子
である。発光素子303a、303b、303c、303dは、それぞれ、第1の電極と
第2の電極との間に発光層を有し、第1の電極と第2の電極との間の電位差によって電流
が流れたときに発光する。なお、駆動用トランジスタ302a、302b、302c、3
02dがPチャネル型であるとき、発光素子303a、303b、303c、303dに
おいて、第1の電極は陽極として機能し、第2の電極は陰極として機能する。一方、駆動
用トランジスタ302a、302b、302c、302dがNチャネル型であるとき、発
光素子303a、303b、303c、303dにおいて、第1の電極は陰極として機能
し、第2の電極は陽極として機能する。発光素子303a、303b、303c、303
dの発光色について特に限定はないが、それぞれ異なる発光色を呈することが好ましい。
また、いずれか一の発光素子が白色を呈するか、または少なくとも二の発光素子からの発
光を組み合わせて白色の発光を呈することが特に好ましい。発光素子303aは、発光が
発光装置外部に取り出されたときに、赤色の発光色を呈し、発光素子303bは、発光が
発光装置外部に取り出されたときに、緑色の発光色を呈し、発光素子303cは、発光が
発光装置外部に取り出されたときに、青色の発光色を呈し、発光素子303dは、発光が
発光装置外部に取り出されたときに、白色系の発光色を呈する。ここで、赤色の発光色と
は、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.6以上、yが0.35以下
の領域に座標を有する色をいう。また、緑色の発光色とは、CIE−XYZ表色系で表し
たときに、色度図のxが0.3以下、yが0.6以上の領域に座標を有する色をいう。青
色の発光色とは、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.15以下、y
が0.2以下の領域に座標を有する色をいう。また、白色の発光色とは、CIE−XYZ
表色系で表したときに、色度図のxが0.25以上0.35以下、yが0.25以上0.
35以下の領域、好ましくは色度図のxが0.28以上0.32以下、yが0.28以上
0.32以下の領域に座標を有する色をいう。なお、CIE−XYZ表色系とは三刺激値
X、Y、Zに基づく表色系である。色度図は、三刺激値X、Y、Zに基づいてx、y座標
空間で色を表したものである。なお、色度とは、明度を除いた光の色の種別を数量的に規
定したものである。
【0018】
スイッチング用トランジスタ301において、ゲート電極はゲート信号線311と電気
的に接続し、第1の電極はソース信号線312と電気的に接続している。また、発光素子
303a、303b、303c、303dはそれぞれ直列に接続している。そして、駆動
用トランジスタ302aにおいて、第1の電極は電流供給線313aと電気的に接続し、
第2の電極は発光素子303aの第1の電極と電気的に接続している。駆動用トランジス
タ302bにおいて、第1の電極は電流供給線313bと電気的に接続し、第2の電極は
発光素子303bの第1の電極と電気的に接続している。また、駆動用トランジスタ30
2cにおいて、第1の電極は電流供給線313cと電気的に接続し、第2の電極は発光素
子303cの第1の電極と電気的に接続している。また、駆動用トランジスタ302dに
おいて、第1の電極は電流供給線313dと電気的に接続し、第2の電極は発光素子30
3dの第1の電極と電気的に接続している。なお、発光素子303dの第2の電極は、電
源316と電気的に接続している。駆動用トランジスタ302a、302b、302c、
302dのそれぞれのゲート電極は、互いに電気的に接続している。さらに、駆動用トラ
ンジスタ302a、302b、302c、302dのそれぞれのゲート電極と容量線31
5との間には、容量素子304が設けられており、駆動用トランジスタ302a、302
b、302c、302dのゲート電極の電位をそれぞれ保持できるようになっている。ま
た、スイッチング用トランジスタ301の第2の電極は、駆動用トランジスタ302a、
302b、302c、302dのそれぞれのゲート電極と電気的に接続している。
【0019】
なお、本形態では4つの発光素子が含まれた構成について説明しているが、発光素子の
個数はこれに限定されない。但し、少なくとも2つの発光素子が含まれていることが好ま
しい。また、駆動用トランジスタの個数についても特に限定はない。電流供給線の本数に
ついても特に限定はない。なお、n個(nは2以上が好ましい)の発光素子を含むとき、
n本の電流供給線と、n個の駆動用トランジスタとを含むことが好ましい。そして、m(
2≦m≦n)番目の発光素子において、第1の電極はm番目の電流供給線と電気的に接続
し、第2の電極はm+1番目の電流供給線または電源と電気的に接続していることが好ま
しい。
【0020】
次に、図1に示す回路の駆動方法について説明する。ゲート信号線311が選択される
と、スイッチング用トランジスタ301がON状態となり、スイッチング用トランジスタ
301を介してソース信号線312から駆動用トランジスタ302a、302b、302
c、302dのゲート電極へ、映像信号が入力される。ここで、スイッチング用トランジ
スタ301がNチャネル型トランジスタであり、駆動用トランジスタ302a、302b
、302c、302dがPチャネル型トランジスタであるとき、映像信号の電位がLow
Levelであれば駆動用トランジスタ302a、302b、302c、302dはO
N状態となり、映像信号がHigh Levelであれば駆動用トランジスタ302a、
302b、302c、302dはOFF状態となる。さらに、電流供給線313aと電流
供給線313bとをそれぞれ異なる電位としたとき、発光素子303aにおいて、第1の
電極と第2の電極との間に電位差が生じる。これにより、発光素子303aに電流が流れ
、発光素子303aは発光する。また、電流供給線313bと電流供給線313cとをそ
れぞれ異なる電位としたとき、発光素子303bにおいて第1の電極と第2の電極との間
に電位差が生じる。これにより、発光素子303bに電流が流れ、発光素子303bは発
光する。また、電流供給線313cと電流供給線313dとをそれぞれ異なる電位とした
とき、発光素子303cにおいて第1の電極と第2の電極との間に電位差が生じる。これ
により、発光素子303cに電流が流れ、発光素子303cは発光する。また、電流供給
線313dと電源316とをそれぞれ異なる電位としたとき、発光素子303dにおいて
第1の電極と第2の電極との間に電位差が生じる。これにより、発光素子303dに電流
が流れ、発光素子303dは発光する。
【0021】
以上のようにして、発光素子303a、303b、303c、303dを発光させるこ
とができる。なお、発光素子303a、303b、303c、303dはそれぞれ独立に
発光・非発光を制御される。従って、例えば、電流供給線313aと電流供給線313b
とをそれぞれ異なる電位にすると共に、電流供給線313b、313c、313dおよび
電源316を等電位とし、発光素子303aのみが発光するようにしてもよい。また、電
流供給線313aと電流供給線313bとをそれぞれ異なる電位にすると共に、電流供給
線313bと313c、電流供給線313cと313d、電流供給線313dと電源31
6をそれぞれ異なる電位とし、発光素子303a、303b、303c、303dが全て
発光するようにしてもよい。
【0022】
以上に説明したような回路は、白色の発光を呈するように発光素子を駆動させることが
できる。
【0023】
(実施の形態2)
本形態では、実施の形態1で説明した回路構成を有する画素を含む本発明の発光装置お
よびその駆動方法について説明する。
【0024】
図2は本発明を適用した発光装置を上面からみた模式図である。図2において、点線で
示された6510は駆動回路部(ソース側駆動回路)、6511は画素部、6512は駆
動回路部(ゲート側駆動回路)である。画素部6511には本発明の発光素子が設けられ
ている。駆動回路部6510および6512は外部入力端子であるFPC6503と基板
6500上に形成された配線群を介して接続している。FPC(フレキシブルプリントサ
ーキット)6503からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受
け取ることによって駆動回路部6510及び駆動回路部6512に信号が入力される。ま
たFPC6503にはプリント配線基盤(PWB)6513が取り付けられている。駆動
回路部6510には、シフトレジスタ6515、スイッチ6516、メモリ(ラッチ)6
517,6518が設けられており、駆動回路部6512にはシフトレジスタ6519、
バッファ6520が設けられている。
【0025】
なお、駆動回路部は、上記のように必ずしも画素部6511と同一基板上に設けられて
いる必要はなく、例えば、配線パターンが形成されたFPC上にICチップを実装したも
の(TCP)等を利用し、基板外部に設けられていてもよい。また、駆動回路部6510
、6512の回路構成についても上記のものに限定されず、上記と異なる機能を有する回
路がさらに設けられた構成であってもよい。
【0026】
図3に示すように、画素部6511には、列方向に延びた複数のソース信号線412が
行方向に並んで配列している。また、電流供給線413a、413b、413c、413
dを一組とした電流供給線413が行方向に並んで配列している。また、行方向に延びた
複数のゲート信号線411が列方向に並んで配列している。そして、画素部6511には
、実施の形態1で説明したものと同様の構成の回路420が含まれている。ゲート信号線
411と、ソース信号線412、電流供給線413、電源416、スイッチング用トラン
ジスタ401、駆動用トランジスタ402a、402b、402c、402d、発光素子
403a、403b、403c、403dとを含む回路420が、縦方向および横方向に
複数、配列している。なお、回路420には、さらに容量素子404が含まれていてもよ
い。回路420において、ゲート信号線411は実施の形態1におけるゲート信号線31
1に相当し、ソース信号線412は実施の形態1におけるソース信号線312に相当し、
電流供給線413a、413b、413c、413dは、それぞれ、実施の形態1におけ
る電流供給線313a、313b、313c、313dに相当し、電源416は実施の形
態1における電源316に相当し、容量線415は実施の形態1における容量線315に
相当する。また、スイッチング用トランジスタ401は実施の形態1におけるスイッチン
グ用トランジスタ301に相当し、駆動用トランジスタ402a、402b、402c、
402dは、それぞれ、実施の形態1における駆動用トランジスタ302a、302b、
302c、302dに相当し、容量素子404は実施の形態1における容量素子304で
相当する。また、発光素子403a、403b、403c、403dは、それぞれ、実施
の形態1における発光素子303a、303b、303c、303dに相当する。
【0027】
発光素子403a、403b、403c、403dのそれぞれの発光色について特に限
定はないが、いずれかひとつの発光素子は白色の発光色を呈することが好ましい。なお、
本形態では、発光素子403aは、発光が発光装置外部に取り出されたときに赤色の発光
色を呈し、発光素子403bは、発光が発光装置外部に取り出されたときに緑色の発光色
を呈し、発光素子403cは、発光が発光装置外部に取り出されたときに青色の発光色を
呈し、発光素子403dは、発光が発光装置外部に取り出されたときに白色の発光色を呈
するものとする。なお、赤色、緑色、青色、白色とは、それぞれ実施の形態1で説明した
ものと同様である。
【0028】
次に、駆動方法について説明する。図4は時間経過に伴ったフレームの動作について説
明する図である。図4において、横方向は時間経過を表し、縦方向はゲート信号線の走査
段数を表している。
【0029】
本発明の発光装置を用いて画像表示を行うとき、表示期間においては、画面の書き換え
動作と表示動作とが繰り返し行われる。この書き換え回数について特に限定はないが、画
像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないように少なくとも1秒間に60回程度とす
ることが好ましい。ここで、一画面(1フレーム)の書き換え動作と表示動作を行う期間
を1フレーム期間という。
【0030】
1フレームは、書き込み期間501aと保持期間501b、書き込み期間502aと保
持期間502b、書き込み期間503aと保持期間503b、書き込み期間504aと保
持期間504bとを含む4つのサブフレーム501、502、503、504に時分割さ
れている。
【0031】
まず、サブフレーム501において、1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われ
る。従って、行によって書き込み期間501aの開始時間が異なる。書き込み期間501
aが終了した後、保持期間501bへと移る。書き込み期間501aにおいて発光するた
めの信号を与えられた駆動用トランジスタに接続している発光素子は、保持期間501b
に発光層を挟む第1の電極と第2の電極との間に異なる電位が与えられたときに発光する
。本形態では、サブフレーム501において、発光素子403aに含まれる第1の電極と
第2の電極とにそれぞれ異なる電位が与えられ、発光素子403aが発光する。この時、
その他の発光素子403b、403c、403dのそれぞれに含まれる第1の電極と第2
の電極は等電位となるように電位が与えられている。保持期間501b終了した後、次の
サブフレーム502へ移り、サブフレーム501の場合と同様に1行目から最終行目まで
順に書き込み動作が行われる。そして、保持期間502bにおいて発光素子403bが発
光する。サブフレーム502において保持期間502bが終了した後、サブフレーム50
3へ移る。サブフレーム503では、発光素子403cが発光する。サブフレーム503
において保持期間503bが終了した後、サブフレーム504へ移る。サブフレーム50
4では発光素子403dが発光する。以上のような動作を繰り返し、サブフレーム504
の保持期間504b迄終了する。サブフレーム504における動作を終了したら次のフレ
ームへ移る。なお、本形態では、発光素子403a、403b、403c、403dの順
に発光させるが、発光する順について特に限定はなく、適宜順番を変えて発光させればよ
い。
【0032】
次に、書き込み期間における画素の駆動について説明する。書き込み期間において、n
行目(nは自然数)のゲート信号線411が選択され、ゲート信号線411に接続したス
イッチング用トランジスタ401がオンになる。この時、1列目から最終列目迄のソース
信号線に同時に映像信号が入力される。なお、各列のソース信号線412から入力される
映像信号は互いに独立したものである。ソース信号線412から入力された映像信号は、
各々のソース信号線に接続したスイッチング用トランジスタ401を介して駆動用トラン
ジスタ402a、402b、402c、402dのゲート電極に入力される。この時駆動
用トランジスタ402a、402b、402c、402dに入力された信号と、発光素子
403a、403b、403c、403dのそれぞれに含まれる第1の電極と第2の電極
との間の電位差に応じて発光素子403a、403b、403c、403dの発光・非発
光が決まる。例えば、駆動用トランジスタがPチャネル型である場合は、Low Lev
elの信号が入力されることによって発光素子403a、403b、403c、403d
のいずれかが発光する。一方、駆動用トランジスタがNチャネル型である場合は、Hig
h Levelの信号が入力されることによって発光素子403a、403b、403c
、403dのいずれかが発光する。
【0033】
ソース信号線への書き込みが終了すると共に、n行目(nは自然数)における書き込み
期間は終了し保持期間へと移る。次に、n+1行目が書き込み期間になり、上記と同様の
書き込み動作が行われる。以上のような動作を繰り返して1行目から最終行まで書き込み
動作が行われる。
【0034】
以上のように、発光素子403a、403b、403cが順に発光し、残像効果によっ
て各々の発光素子からの発光色が視覚的に混合されることによって、様々な表示色を得る
ことができる。なお、発光素子403a、403b、403cのそれぞれの発光素子に掛
かる電圧を変えることによって輝度が調節された発光を、適宜組み合わせ、所望の表示色
を得ることができる。また、白色を呈する発光素子403dが発光することによって、表
示色の輝度が、見かけ上、高くなったように視認される。従って、発光素子403a、4
03b、403cに掛かる電圧を大きくすることによりそれぞれの発光色の輝度を高くす
る方法を用いて表示色の輝度を高くする場合よりも、発光素子403a、403b、40
3cに掛かる負担を低減することができる。その結果、発光素子403a、403b、4
03cを長寿命化することができる。また、白色を呈する発光素子403dが発光するこ
とによって、以上に説明した発光装置は、コントラストの高い画像を表示させることがで
きる。
【0035】
なお、本実施の形態では、発光素子403a、403b、403cの全てが発光する態
様について説明したが、これに限らず、例えば発光素子403aと発光素子403bとを
発光、発光素子403cを非発光として所望の表示色を得てもよいし、または、また発光
素子403a、403b、403cのいずれか一を発光するようにして所望の表示色を得
てもよい。また、輝度が低い表示色を得たい場合は必ずしも白色を呈する発光素子403
dを発光させる必要はなく、一連の表示動作において白色を呈する発光素子403dを発
光させるタイミング、輝度等については適宜調節すればよい。
【0036】
(実施の形態3)
本形態では、実施の形態2で説明した本発明の発光装置の駆動方法と異なる本発明の発
光装置の駆動方法について説明する。なお、画素部の回路構成は実施の形態2で示したも
のと同様のものを用いることができるため、本形態においても図3に記載の符号を引用し
て説明する。
【0037】
以下に、本実施例の発光装置の動作について図5(A)、(B)を用いて説明する。図
5(A)、(B)は時間経過に伴ったフレームの動作について説明する図である。また図
5(B)は1フレームに含まれる複数のサブフレームの中の一つの第1のサブフレームに
おける、時間経過に伴ったフレームの動作について説明する図である。図5(B)におい
て、横方向は時間経過を表し、縦方向はゲート信号線の段数を表している。
【0038】
本実施の形態の発光装置において、1フレームは、図5(A)に示すように4つの第1
のサブフレーム601、602、603、604に時分割されている。そして第1のサブ
フレーム601は、さらに第2のサブフレーム611、612、613、614に時分割
されている(図5(B))。また、第1のサブフレーム602は、さらに第2のサブフレ
ーム621、622、623、624に時分割されている(図5(C))。第2のサブフ
レーム621、622、623、624はそれぞれ書き込み期間と保持期間とを含む。ま
た、第1のサブフレーム603は、さらに、第2のサブフレーム631、632、633
、634に時分割されている(図11(A))。第2のサブフレーム631、632、6
33、634はそれぞれ書き込み期間と保持期間とを含む。また、第1のサブフレーム6
04は、さらに第2のサブフレーム641、642、643、644に時分割されている
(図11(B))。第2のサブフレーム641、642、643、644はそれぞれ書き
込み期間と保持期間とを含む。発光するための信号を与えられた発光素子は、保持期間に
おいて発光状態となっている。第2のサブフレーム611、612、613、614のそ
れぞれにおける保持期間の長さの比は、第2のサブフレーム611b:第2のサブフレー
ム612b:第2のサブフレーム613b:第2のサブフレーム614b=23:22:2
1:20=8:4:2:1となっている。第2のサブフレーム621、622、623、6
24のそれぞれにおける保持期間の長さの比は、第2のサブフレーム621b:第2のサ
ブフレーム622b:第2のサブフレーム623b:第2のサブフレーム624b=23
:22:21:20=8:4:2:1となっている。第2のサブフレーム631、632、
633、634のそれぞれにおける保持期間の長さの比は、第2のサブフレーム631b
:第2のサブフレーム632b:第2のサブフレーム633b:第2のサブフレーム63
4b=23:22:21:20=8:4:2:1となっている。第2のサブフレーム641、
642、643、644のそれぞれにおける保持期間の長さの比は、第2のサブフレーム
641b:第2のサブフレーム642b:第2のサブフレーム643b:第2のサブフレ
ーム644b=23:22:21:20=8:4:2:1となっている。これによって4ビッ
ト階調を表現することができる。但し、ビット数及び階調数はここに記すものに限定され
ず、例えば8つの第2のサブフレームを設け8ビット階調を行えるようにしてもよいし、
または、4ビット階調を4以上の第2のサブフレームによって表してもよい。
【0039】
先ず第1のサブフレーム601における動作について説明する。なお、第1のサブフレ
ーム601において、第2のサブフレーム611には書き込み期間611aと保持期間6
11bとが含まれ、第2のサブフレーム612には書き込み期間612aと保持期間61
2bとが含まれ、第2のサブフレーム613には書き込み期間613aと保持期間613
bとが含まれ、第2のサブフレーム614には書き込み期間614aと保持期間614b
がそれぞれ含まれている。まず、第2のサブフレーム611において、1行目から最終行
まで順に書き込み動作が行われる。従って、行によって書き込み期間の開始時間が異なる
。書き込み期間611aが終了した後に保持期間611bへと移る。当該保持期間におい
て、発光するための信号を与えられている発光素子は発光状態となる。また、保持期間6
11bが終了した後に次の第2のサブフレーム612へ移り、第2のサブフレーム611
の場合と同様に1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われた後、保持期間に移る。
以上のような動作を繰り返し、第2のサブフレーム614の保持期間迄終了する。以上よ
うにして第1のサブフレーム601を終了したら次の第1のサブフレーム602へ移る。
第1のサブフレーム602においても第1のサブフレーム601と同様に、第2のサブフ
レーム621から第2のサブフレーム624まで書き込み期間と保持期間とを繰り返す。
なお、図5(C)に示すように、第1のサブフレーム602において、第2のサブフレー
ム621には書き込み期間621aと保持期間621bとが含まれ、第2のサブフレーム
622には書き込み期間622aと保持期間622bとが含まれ、第2のサブフレーム6
23には書き込み期間623aと保持期間613bとが含まれ、第2のサブフレーム62
4には書き込み期間624aと保持期間624bがそれぞれ含まれている。また、図11
(A)に示すように、第1のサブフレーム603において、第2のサブフレーム631に
は書き込み期間631aと保持期間631bとが含まれ、第2のサブフレーム632には
書き込み期間632aと保持期間632bとが含まれ、第2のサブフレーム633には書
き込み期間633aと保持期間633bとが含まれ、第2のサブフレーム634には書き
込み期間634aと保持期間634bがそれぞれ含まれている。また、図11(B)に示
すように、第1のサブフレーム604において、第2のサブフレーム641には書き込み
期間641aと保持期間641bとが含まれ、第2のサブフレーム642には書き込み期
間642aと保持期間642bとが含まれ、第2のサブフレーム643には書き込み期間
643aと保持期間643bとが含まれ、第2のサブフレーム644には書き込み期間6
44aと保持期間644bがそれぞれ含まれている。第1のサブフレーム603において
も第1のサブフレーム601と同様に、第2のサブフレーム631から第2のサブフレー
ム634まで書き込み期間と保持期間とを繰り返す。第1のサブフレーム604において
も第1のサブフレーム601と同様に、第2のサブフレーム641から第2のサブフレー
ム644まで書き込み期間と保持期間とを繰り返す。このように、第1のサブフレーム6
01,602、603、604のそれぞれにおいて発光した時間の積算時間が、1フレー
ムにおける各々の発光素子の発光時間となる。なお、本形態では、第1のサブフレーム6
01において赤色の発光色を呈する発光素子403aが発光し、第1のサブフレーム60
2において緑色の発光色を呈する発光素子403bが発光し、第1のサブフレーム603
において青色の発光色を呈する発光素子403cが発光し、第1のサブフレーム604に
おいて白色の発光色を呈する発光素子403dが発光する。そして、それぞれの発光素子
の輝度は、第1のサブフレーム601、602、603、604のそれぞれにおいて発光
した積算時間によって決まる。
【0040】
なお、本形態では全ての行の書き込み期間が終了した後に保持期間に移っているが、こ
れに限らず、書き込み期間が終了した行から順に保持期間に移ってもよい。さらに、本形
態では全ての行の保持期間が終了した後に次の第2のサブフレームの書き込み期間に移っ
ているが、保持期間が終了した行から順に次の第2のサブフレームの書き込み期間に移っ
てもよい。その場合、1行目の書き込み期間から最終行までの書き込み期間を含めた書き
込み期間よりも保持期間が長いサブフレームにおいては、保持期間の後に消去期間を設け
、強制的に非発光の状態となるように制御してもよい。これによって、第2のサブフレー
ムの書き込み期間とその次の第2のサブフレームの書き込み期間とが重畳することを防ぐ
ことができる。
【0041】
なお、本実施の形態では、第2のサブフレーム611〜614、621〜624、63
1〜634、641〜644は保持期間の長いものから順に並んでいるが、必ずしも本実
施例のような並びにする必要はなく、例えば保持期間の短いものから順に並べられていて
もよいし、または保持期間の長いものと短いものとがランダムに並んでいてもよい。
【0042】
次に、書き込み期間における画素の駆動について説明する。書き込み期間において、n
行目(nは自然数)のゲート信号線411が選択され、ゲート信号線411に接続したス
イッチング用トランジスタ401がオンになる。この時、1列目から最終列目迄のソース
信号線に同時に映像信号が入力される。なお、各列のソース信号線412から入力される
映像信号は互いに独立したものである。ソース信号線412から入力された映像信号は、
各々のソース信号線に接続したスイッチング用トランジスタ401を介して駆動用トラン
ジスタ402a、402b、402c、402dのゲート電極に入力される。この時駆動
用トランジスタ402a、402b、402c、402dに入力された信号と、発光素子
403a、403b、403c、403dのそれぞれに含まれる第1の電極と第2の電極
との間の電位差に応じて発光素子403a、403b、403c、403dの発光・非発
光が決まる。例えば、駆動用トランジスタがPチャネル型である場合は、Low Lev
elの信号が入力されることによって発光素子403a、403b、403c、403d
のいずれかが発光する。一方、駆動用トランジスタがNチャネル型である場合は、Hig
h Levelの信号が入力されることによって発光素子403a、403b、403c
、403dのいずれかが発光する。
【0043】
ソース信号線への書き込みが終了すると共に、n行目(nは自然数)における書き込み
期間は終了し保持期間へと移る。次に、n+1行目が書き込み期間になり、上記と同様の
書き込み動作が行われる。以上のような動作を繰り返して1行目から最終行まで書き込み
動作が行われる。
【0044】
以上のように、発光素子403a、403b、403cが順に発光し、残像効果によっ
て各々の発光素子からの発光色が視覚的に混合されることによって、様々な表示色を得る
ことができる。なお、発光素子403a、403b、403cのそれぞれの発光素子の発
光時間を変えることによって輝度が調節された発光を、適宜組み合わせ、所望の表示色を
得ることができる。また、白色を呈する発光素子403dが発光することによって、表示
色の輝度が、見かけ上、高くなったように視認される。従って、発光素子403a、40
3b、403cの発光時間を長くすることによりそれぞれの発光色の輝度を高くする方法
を用いて表示色の輝度を高くする場合よりも、発光素子403a、403b、403cに
掛かる負担を低減することができる。その結果、発光素子403a、403b、403c
を長寿命化することができる。また、白色を呈する発光素子403dが発光することによ
って、以上に説明した発光装置は、コントラストの高い画像を表示させることができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、発光素子403a、403b、403cの全てが発光する態
様について説明したが、これに限らず、例えば発光素子403aと発光素子403bとを
発光、発光素子403cを非発光として所望の表示色を得てもよし、または、また発光素
子403a、403b、403cのいずれか一を発光するようにして所望の表示色を得て
もよい。また、輝度が低い表示色を得たい場合は必ずしも白色を呈する発光素子403d
を発光させる必要はなく、一連の表示動作において白色を呈する発光素子403dを発光
させるタイミング、時間等については適宜調節すればよい。
【0046】
(実施の形態4)
本実施の形態では、実施の形態2で説明したものと異なる本発明の発光装置およびその
駆動方法について説明する。
【0047】
図6は、本発明の発光装置に含まれる画素720の回路構成を表した図である。
スイッチング用トランジスタ701、駆動用トランジスタ702a、702b、702
cは、それぞれ、ゲート電極と、ドレイン領域と、ソース領域とを含む三端子の素子であ
り、ドレイン領域とソース領域の間にチャネル領域を有する。ここで、ソース領域とドレ
イン領域とは、トランジスタの構造や動作条件等によって、いずれがソース領域またはド
レイン領域であるかを限定することが困難であるため、一方を第1の電極、他方を第2の
電極として表記する。ここで、スイッチング用トランジスタとは、駆動用トランジスタへ
の映像信号の入力を制御するトランジスタである。また、駆動用トランジスタとは、入力
された映像信号に依存して、電流供給線からの電流の供給を制御するし、発光素子の発光
・非発光を決定するトランジスタである。なお、スイッチング用トランジスタ701、駆
動用トランジスタ702a、702b、702cのそれぞれについて、特に限定はなく、
MOS型トランジスタの他、有機化合物から成る半導体層を含む有機薄膜トランジスタ等
を用いることができる。また、スイッチング用トランジスタ701は、Nチャネル型また
はPチャネル型のいずれでも構わない。また、駆動用トランジスタ702a、702b、
702cは、Nチャネル型またはPチャネル型のいずれでも構わないが、図6に示した例
によると、共通の映像信号によって制御されるため、同極性であることが好ましい。

【0048】
また、発光素子703a、703b、703cは、それぞれ、二端子の素子である。発
光素子703a、703b、703cは、それぞれ、第1の電極と第2の電極との間に発
光層を有し、第1の電極と第2の電極との間の電位差によって電流が流れたときに発光す
る。なお、駆動用トランジスタ702a、702b、702cがPチャネル型であるとき
、発光素子703a、703b、703c、において、第1の電極は陽極として機能し、
第2の電極は陰極として機能する。一方、駆動用トランジスタ702a、702b、70
2cがNチャネル型であるとき、発光素子703a、703b、703cにおいて、第1
の電極は陰極として機能し、第2の電極は陽極として機能する。発光素子703a、70
3b、703cの発光色について特に限定はないが、それぞれ異なる発光色を呈しするこ
とが好ましい。また、いずれか一の発光素子が白色を呈するか、または少なくとも二の発
光素子からの発光を組み合わせて白色の発光を呈することができることが特に好ましい。
発光素子713aは、発光が発光装置外部に取り出されたときに赤色の発光色を呈し、発
光素子713bは、発光が発光装置外部に取り出されたときに緑色の発光色を呈し、発光
素子713cは、発光が発光装置外部に取り出されたときに青色の発光色を呈する。ここ
で、赤色の発光色とは、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.6以上
、yが0.35以下の領域に座標を有する色をいう。また、緑色の発光色とは、CIE−
XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.3以下、yが0.6以上の領域に座標を
有する色をいう。青色の発光色とは、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のx
が0.15以下、yが0.2以下の領域に座標を有する色をいう。なお、CIE−XYZ
表色系とは三刺激値X、Y、Zに基づく表色系である。色度図は、三刺激値X、Y、Zに
基づいてx、y座標空間で色を表したものである。なお、色度とは、明度を除いた光の色
の種別を数量的に規定したものである。
【0049】
スイッチング用トランジスタ701において、ゲート電極はゲート信号線711と電気
的に接続し、第1の電極はソース信号線712と電気的に接続している。また、発光素子
703a、703b、703cはそれぞれ直列に接続している。そして、駆動用トランジ
スタ702aにおいて、第1の電極は電流供給線713aと電気的に接続し、第2の電極
は発光素子703aの第1の電極と電気的に接続している。駆動用トランジスタ702b
において、第1の電極は電流供給線713bと電気的に接続し、第2の電極は発光素子7
03bの第1の電極と電気的に接続している。また、駆動用トランジスタ702cにおい
て、第1の電極は電流供給線713cと電気的に接続し、第2の電極は発光素子703c
の第1の電極と電気的に接続している。なお、発光素子703cの第2の電極は、電源7
16と電気的に接続している。駆動用トランジスタ702a、702b、702cのそれ
ぞれのゲート電極は、互いに電気的に接続している。さらに、駆動用トランジスタ702
a、702b、702cのそれぞれのゲート電極と容量線715との間には、容量素子7
04が設けられており、駆動用トランジスタ702a、702b、702cのゲート電極
の電位をそれぞれ保持できるようになっている。また、スイッチング用トランジスタ70
1の第2の電極は、駆動用トランジスタ702a、702b、702cのそれぞれのゲー
ト電極と電気的に接続している。
【0050】
以上のような回路の駆動方法について説明する。
【0051】
ゲート信号線711が選択されると、スイッチング用トランジスタ701がON状態と
なり、スイッチング用トランジスタ701を介してソース信号線712から駆動用トラン
ジスタ702a、702b、702cのゲート電極へ、映像信号が入力される。ここで、
スイッチング用トランジスタ701がNチャネル型トランジスタであり、駆動用トランジ
スタ702a、702b、702cがPチャネル型トランジスタであるとき、映像信号の
電位がLow Levelであれば駆動用トランジスタ702a、702b、702cは
ON状態となり、映像信号がHigh Levelであれば駆動用トランジスタ702a
、702b、702cはOFF状態となる。さらに、電流供給線713aと電流供給線7
13bとをそれぞれ異なる電位としたとき、発光素子703aにおいて、第1の電極と第
2の電極との間に電位差が生じる。これにより、発光素子703aに電流が流れ、発光素
子703aは発光する。また、電流供給線713bと電流供給線713cとをそれぞれ異
なる電位としたとき、発光素子703bにおいて第1の電極と第2の電極との間に電位差
が生じる。これにより、発光素子703bに電流が流れ、発光素子703bは発光する。
また、電流供給線713cと電源716とをそれぞれ異なる電位としたとき、発光素子7
03cにおいて第1の電極と第2の電極との間に電位差が生じる。これにより、発光素子
703cに電流が流れ、発光素子703cは発光する。また、電流供給線713aと電流
供給線713b、電流供給線713bと電流供給線713c、電流供給線713cと電源
716とをそれぞれ同時に異なる電位とし、発光素子703a、703b、703cのそ
れぞれにおいて、第1の電極と第2の電極との間に電位差が生じたとき、発光素子703
a、703b、703cは同時に発光する。以上のようにして、発光素子703a、70
3b、703cを発光させることができる。なお、発光素子703a、703b、703
cが同時に発光することによって白色の発光を得ることができる。ここで、白色の発光色
とは、CIE−XYZ表色系で表したときに、色度図のxが0.25以上0.35以下、
yが0.25以上0.35以下の領域、好ましくは色度図のxが0.28以上0.32以
下、yが0.28以上0.32以下の領域に座標を有する色をいう。
【0052】
次に、以上に説明したような構成の回路を用いた発光装置の駆動方法について説明する

なお、本形態においても、発光装置は、図2の模式図のような構成となっている。
画素部6511には、列方向に延びた複数のソース信号線712が行方向に並んで配列
している。また、電流供給線713a、713b、713cを一組とした電流供給線71
3が行方向に並んで配列している。また、行方向に延びた複数のゲート信号線711が列
方向に並んで配列している。そして、画素部6511には、図6を用いてで説明したもの
と同様の構成の回路が含まれている。ゲート信号線711と、ソース信号線712、電流
供給線713、電源716、スイッチング用トランジスタ701、駆動用トランジスタ7
02a、702b、702c、発光素子703a、703b、703cと容量素子704
とを含む図6の回路が、縦方向および横方向に複数、配列している。
【0053】
発光素子703a、703b、703cのそれぞれの発光色について特に限定はない。
なお、本形態では、発光素子703aは赤色の発光色を呈し、発光素子703bは緑色の
発光色を呈し、発光素子703cは青色の発光色を呈する。なお、赤色、緑色、青色とは
、それぞれ実施の形態1で説明したものと同様である。
【0054】
次に、駆動方法について説明する。図7は時間経過に伴ったフレームの動作について説
明する図であり、図7において、横方向は時間経過を表し、縦方向はゲート信号線の走査
段数を表している。
【0055】
本発明の発光装置を用いて画像表示を行うとき、表示期間においては、画面の書き換え
動作と表示動作とが繰り返し行われる。この書き換え回数について特に限定はないが、画
像をみる人がちらつき(フリッカ)を感じないように1秒間に60回とすることが好まし
い。ここで、一画面(1フレーム)の書き換え動作と表示動作を行う期間を1フレーム期
間という。
【0056】
1フレームは、書き込み期間801aと保持期間801b、書き込み期間802aと保
持期間802b、書き込み期間803aと保持期間803b、書き込み期間804aと保
持期間804bとを含む4つのサブフレーム801、802、803、804に時分割さ
れている。
【0057】
まず、サブフレーム801において、1行目から最終行まで順に書き込み動作が行われ
る。従って、行によって書き込み期間801aの開始時間が異なる。書き込み期間801
aが終了した後、保持期間801bへと移る。書き込み期間801aにおいて発光するた
めの信号を与えられた駆動用トランジスタに接続している発光素子は、保持期間801b
に発光層を挟む第1の電極と第2の電極との間に異なる電位が与えられたときに発光する
。本形態では、サブフレーム801において、発光素子703aに含まれる第1の電極と
第2の電極とにそれぞれ異なる電位が与えられ、発光素子703aが発光する。この時、
その他の発光素子703b、703cのそれぞれに含まれる第1の電極と第2の電極は等
電位となるように電位が与えられている。保持期間801b終了した後、次のサブフレー
ム802へ移り、サブフレーム801の場合と同様に1行目から最終行目まで順に書き込
み動作が行われる。そして、保持期間802bにおいて発光素子703bが発光する。サ
ブフレーム802において保持期間802bが終了した後、サブフレーム803へ移る。
サブフレーム803では、発光素子703cが発光する。サブフレーム803において保
持期間803bが終了した後、サブフレーム804へ移る。サブフレーム804では発光
素子703a、703b、703cが同時に、同じ強度となるように発光する。以上のよ
うな動作を繰り返し、サブフレーム804の保持期間804b迄終了する。サブフレーム
804における動作を終了したら次のフレームへ移る。なお、本形態では、発光素子70
3a、703b、703cの順に発光させるが、発光する順について特に限定はなく、適
宜順番を変えて発光させればよい。
【0058】
次に、書き込み期間における画素の駆動について説明する。書き込み期間において、n
行目(nは自然数)のゲート信号線711が選択され、ゲート信号線711に接続したス
イッチング用トランジスタ701がオンになる。この時、1列目から最終列目迄のソース
信号線に同時に映像信号が入力される。なお、各列のソース信号線712から入力される
映像信号は互いに独立したものである。ソース信号線712から入力された映像信号は、
各々のソース信号線に接続したスイッチング用トランジスタ701を介して駆動用トラン
ジスタ702a、702b、702cのゲート電極に入力される。この時、駆動用トラン
ジスタ702a、702b、702cに入力された信号と、発光素子703a、703b
、703cのそれぞれに含まれる第1の電極と第2の電極との間の電位差に応じて発光素
子703a、703b、703cの発光・非発光が決まる。例えば、駆動用トランジスタ
がPチャネル型である場合は、Low Levelの信号が入力されることによって発光
素子703a、703b、703cのいずれかが発光する。一方、駆動用トランジスタが
Nチャネル型である場合は、High Levelの信号が入力されることによって発光
素子703a、703b、703cの少なくとも一が発光する。
【0059】
ソース信号線への書き込みが終了すると共に、n行目(nは自然数)における書き込み
期間は終了し保持期間へと移る。次に、n+1行目が書き込み期間になり、上記と同様の
書き込み動作が行われる。以上のような動作を繰り返して1行目から最終行まで書き込み
動作が行われる。
【0060】
以上のように、発光素子703a、703b、703cが順に発光し、残像効果によっ
て各々の発光素子からの発光色が視覚的に混合されることによって、様々な表示色を得る
ことができる。なお、発光素子703a、703b、703cのそれぞれの発光素子に掛
かる電圧を変えることによって輝度が調節された発光を、適宜組み合わせ、所望の表示色
を得ることができる。また、発光素子703a、703b、703cが同時に同じ強度で
発光することによって白色発光をすることによって、表示色の輝度が、見かけ上、高くな
ったように視認される。従って、発光素子703a、703b、703cに掛かる電圧を
大きくすることによりそれぞれの発光色の輝度を高くする方法を用いて表示色の輝度を高
くする場合よりも、発光素子703a、703b、703cに掛かる負担を低減すること
ができる。その結果、発光素子703a、703b、703cを長寿命化することができ
る。また、白色を呈することによって、以上に説明した発光装置は、コントラストの高い
画像を表示させることができる。
【0061】
なお、本実施の形態では、発光素子703a、703b、703cの全てが発光する態
様について説明したが、これに限らず、例えば発光素子703aと発光素子703bとを
発光、発光素子703cを非発光として所望の表示色を得てもよし、または、また発光素
子703a、703b、703cのいずれか一を発光するようにして所望の表示色を得て
もよい。また、輝度が低い表示色を得たい場合は必ずしも発光素子703a、703b、
703cを用いて白色の発光させる必要はなく、一連の表示動作において白色を発光させ
るタイミング、輝度等については適宜調節すればよい。
【0062】
(実施の形態5)
実施の形態1で説明した構成を有する画素の上面図を図8に、図8における破談線a−
a'で表される部位の断面図を図9に示す。
【0063】
図8において、301、302a、302b、302c、302d、304、311,
312、313a、313b、313c、313d、315の各符号は、図1に付したも
のとそれぞれ同様のものを表す。
スイッチング用トランジスタ301と駆動用トランジスタ302a、302b、302
c、302dのゲート電極とは、ソース信号線312と同じ層で形成された配線を介して
接続している。
【0064】
駆動用トランジスタ302aは、図9に示すように、半導体層903aとゲート絶縁層
904とゲート電極905とが積層して構成されている。また、駆動用トランジスタ30
2bは、図9に示すように、半導体層903bとゲート絶縁層904とゲート電極905
とが積層して構成されている。
【0065】
図8に示すようにゲート電極905と重畳して容量線315が設けられている。図9に
示すようにゲート電極905と容量線315との間には絶縁層906を有し、容量素子3
04を構成している。
【0066】
半導体層903aと電流供給線313aとは、絶縁層906を貫通している接続部を介
して接続している。また、発光素子の電極908は、電流供給線313a等と同じ層に設
けられ、絶縁層906を貫通している接続部907aを介して半導体層903aと接続し
ている。このような構成とすることによって、駆動用トランジスタ302aは、電流供給
線313a、発光素子の電極908のそれぞれと電気的に接続される。
【0067】
半導体層903bと電流供給線313bとは、絶縁層906を貫通している接続部を介
して接続している。また、発光素子の電極909は、絶縁層906を貫通している接続部
907bを介して半導体層903bと接続している。このような構成とすることによって
、駆動用トランジスタ302bは、電流供給線313b、発光素子の電極909のそれぞ
れと電気的に接続される。なお、発光素子の電極909は電流供給線313a等を覆い、
開口部を有する絶縁層917上に設けられている。
【0068】
発光素子の電極908と発光素子の電極909との間には発光層913が設けられてい
る。また、発光素子の電極909上には発光層914、発光素子の電極910、発光層9
15、発光素子の電極911、発光層916、発光素子の電極912が順に積層されてい
る。そして、発光素子の電極908と発光層913と発光素子の電極909とから成る第
1の発光素子と、発光素子の電極909と発光層914と発光素子の電極910とから成
る第2の発光素子と、発光素子の電極910と発光層915と発光素子の電極911とか
ら成る第3の発光素子と、発光素子の電極911と発光層916と発光素子の電極912
とから成る第4の発光素子をそれぞれ構成している。なお、発光素子の電極908,90
9、910、911、912は、それぞれ、開口部を有する絶縁層918、919、92
0を間に挟んで、異なる層に設けられている。そして、第1の発光素子、第2の発光素子
、第3の発光素子、第4の発光素子は、それぞれ、絶縁層917、918、919、92
0の開口部に設けられている。
【0069】
ここで、発光素子の電極909、910、911は、実施の形態1で記載した発光素子
における第1の電極と第2の電極との両方を兼ねている。例えば、発光素子の電極909
は第1の発光素子に対しては第2の電極として機能し、第2の発光素子に対しては第1の
電極として機能する。また、発光素子の電極912は、第4の発光素子に対する第2の電
極としての機能と、実施の形態1で記載し電源316としての機能を兼ねている。また、
図8では、発光素子の電極908,909、910、911の大きさはそれぞれ異なり、
順に小さくなるように描かれているが、これはそれぞれの電極が異なる層に設けられてい
ることを示すために便宜的に表したものであり、発光素子の電極908,909、910
、911の大きさを限定するものではない。
【0070】
なお、スイッチング用トランジスタ301、駆動用トランジスタ302a、302b、
302c、302dの構造について特に限定はなく、トップゲート型またはボトムゲート
型のいずれでも構わない。また、シングルドレイン構造でもよいし、LDD(Light
ly Doped Drain)構造でもよい。また、シングルゲート構造でもよいし、
マルチゲート構造でもよい。また、スイッチング用トランジスタ301、駆動用トランジ
スタ302a、302b、302c、302dのそれぞれに含まれる半導体層の結晶性に
ついても特に限定はなく、非晶質、または結晶質、または結晶質と非晶質との両方を含む
もの、セミアモルファスなのもののいずれでも構わない。ここで、セミアモルファスな半
導体とは、次のようなものである。非晶質と結晶構造(単結晶、多結晶を含む)の中間的
な構造を有し、自由エネルギー的に安定な第3の状態を有する半導体であって、短距離秩
序を持ち格子歪みを有する結晶質な領域を含んでいるものである。また少なくとも膜中の
一部の領域には、0.5〜20nmの結晶粒を含んでいる。ラマンスペクトルが520cm
-1よりも低波数側にシフトしている。X線回折ではSi結晶格子に由来するとされる(1
11)、(220)の回折ピークが観測される。未結合手(ダングリングボンド)の中和
剤として水素またはハロゲンを少なくとも1原子%またはそれ以上含ませている。所謂微
結晶半導体(マイクロクリスタル半導体)とも言われている。珪化物気体をグロー放電分
解(プラズマCVD)して形成する。珪化物気体としては、SiH4、その他にもSi2
6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4などを用いることができる。この珪
化物気体をH2、又は、H2とHe、Ar、Kr、Neから選ばれた一種または複数種の希
ガス元素で希釈しても良い。希釈率は2〜1000倍の範囲。圧力は概略0.1Pa〜1
33Paの範囲、電源周波数は1MHz〜120MHz、好ましくは13MHz〜60M
Hz。基板加熱温度は300℃以下でよく、好ましくは100〜250℃。膜中の不純物
元素として、酸素、窒素、炭素などの大気成分の不純物は1×1020/cm3以下とすること
が望ましく、特に、酸素濃度は5×1019/cm3以下、好ましくは1×1019/cm3以下とす
る。なお、セミアモルファスなものを有する半導体を用いたTFT(薄膜トランジスタ)
の移動度はおよそ1〜10m2/Vsecとなる。
【0071】
また、発光層913、914、915、916についても特に限定はなく、単層または
多層のいずれでも構わない。また、発光層を構成する物質についても特に限定はない。ま
た、本形態では、発光層913は赤色の発光を、発光層914は緑色の発光を、発光層9
15は青色の発光を、発光層916は白色の発光を、それぞれ呈するが、各発光素子の発
光色はこれに限定されるものではない。
【0072】
赤色に発光する発光層913を形成するには、例えば、4−ジシアノメチレン−2−メ
チル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−9−ジュロリジルエテニル) ]−4H−
ピラン(略称:DCJT)、4−ジシアノメチレン−2−t−ブチル−6−[2−(1,1
,7,7−テトラメチルジュロリジン−9-イルエテニル)] −4H−ピラン(略称:DC
JTB)やペリフランテン、2,5−ジシアノ−1,4−ビス[2−(10−メトキシ−1,
1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イルエテニル)]ベンゼン等を含む発光層と
すればよい。この他、金属錯体等の励起三重項状態からの発光を得られる物質を用いても
構わない。
【0073】
また、緑色に発光する発光層914を形成するには、N,N'−ジメチルキナクリドン(
略称:DMQd)、クマリン6やクマリン545T、トリス(8−キノリノラト)アルミニ
ウム(略称:Alq)等を含む発光層とすればよい。この他、金属錯体等の励起三重項状
態からの発光を得られる物質を用いても構わない。
【0074】
また、青色に発光する発光層915を形成するには、9,9'−ビアントリル、9,10
−ジフェニルアントラセン(略称:DPA)や9,10−ビス(2−ナフチル)アントラセ
ン(略称:DNA)等を含む発光層とすればよい。この他、金属錯体等の励起三重項状態
からの発光を得られる物質を用いても構わない。
【0075】
なお、発光層913、914、915、916の一部には、キャリア(電子・正孔)輸
送性の高い物質から成る層を設けてもよい。これによって、発光部位が電極と近接するこ
とによって生じ得る消光を防止することができる。
ここで電子輸送性の高い物質としては、例えばトリス(8−キノリノラト)アルミニウ
ム(略称:Alq3)、トリス(5−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:
Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]−キノリナト)ベリリウム(略称:B
eBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)−4−フェニルフェノラト−アルミ
ニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯
体等が挙げられる。また正孔輸送性の高い物質としては、例えば4,4'−ビス[N−(
1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:α−NPD)や4,4'
−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニル−アミノ]−ビフェニル(略称:T
PD)や4,4',4''−トリス(N,N−ジフェニル−アミノ)−トリフェニルアミン
(略称:TDATA)、4,4',4''−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フ
ェニル−アミノ]−トリフェニルアミン(略称:MTDATA)などの芳香族アミン系(
即ち、ベンゼン環−窒素の結合を有する)の化合物が挙げられる。
【0076】
また、発光層913、914、915、916の一部には、発光素子の電極から発光層
913、914、915、916への電子または正孔の注入を補助するための層を設けて
もよい。
【0077】
電子注入性を補助できる物質としては、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(
CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)等のようなアルカリ金属又はアルカリ土類金属
の化合物が挙げられる。また、この他、Alq3のような電子輸送性の高い物質とマグネ
シウム(Mg)のようなアルカリ土類金属との混合物であってもよい。また、正孔の注入
を補助できる物質としては、例えば、モリブデン酸化物(MoOx)やバナジウム酸化物
(VOx)、ルテニウム酸化物(RuOx)、タングステン酸化物(WOx)、マンガン
酸化物(MnOx)等の金属酸化物が挙げられる。また、この他、フタロシアニン(略称
:H2Pc)や銅フタロシアニン(CuPC)等のフタロシアニン系の化合物が挙げられ
る。また、正孔注入性が高く正孔輸送性も高い物質であるポリスチレンスルフォン酸(P
SS)とポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とを混合した高分子材料等を用
いてもよい。
【0078】
なお、高分子系有機発光材料は低分子系に比べて物理的強度が高く、素子の耐久性が高
い。また塗布により成膜することが可能であるので、素子の作製が比較的容易である。
【0079】
白色に発光する発光層916を形成するには、例えば、Alq3、部分的にナイルレッ
ドをドープしたAlq3、Alq3、p−EtTAZ、TPD(芳香族ジアミン)を蒸着法
により順次積層することで白色を得ることができる。また、スピンコートを用いた塗布法
により発光層を形成する場合には、塗布した後、真空加熱で焼成することが好ましい。例
えば、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(PE
DOT/PSS)を全面に塗布、焼成し、その後、色素(1,1,4,4−テトラフェニ
ル−1,3−ブタジエン(TPB)、4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(p−ジ
メチルアミノ−スチリル)−4H−ピラン(DCM1)、ナイルレッド、クマリン6など
)をドープしたポリビニルカルバゾール(PVK)溶液を全面に塗布、焼成すればよい。
【0080】
なお、駆動用トランジスタ302a、302b、302c、302dが、それぞれ、P
チャネル型であるときは、発光層913、914、915、916は、ぞれぞれ、発光領
域を中心として、発光素子の電極908側に正孔を輸送し易い層が、発光素子の電極91
2側に電子を輸送しやすい層が設けられて成ることが好ましい。また、駆動用トランジス
タ302a、302b、302c、302dが、それぞれ、Nチャネル型であるときは、
発光層913、914、915、916は、ぞれぞれ、発光領域を中心として、発光素子
の電極908側に電子を輸送し易い層が、発光素子の電極912側に正孔を輸送しやすい
層が設けられて成ることが好ましい。
【0081】
また、発光素子の電極909、910、911は、可視光を透過できる物質で形成する
ことが好ましい。このような物質としては、インジウム錫酸化物、酸化珪素を含むインジ
ウム錫酸化物、酸化インジウムに2〜20[%]の酸化亜鉛(ZnO)を混合してなるイン
ジウム亜鉛酸化物、酸化亜鉛に数 [%]の酸化ガリウム(Ga23)を混合して成る亜鉛
ガリウム酸化物等が挙げられるが、これらと異なる物質を用いても構わない。
【0082】
また、発光素子の電極908,912は、少なくとも一方が、先に述べたような、可視
光を透過できる物質で形成されていることが好ましい。そして、一方の電極が可視光を透
過できる物質から成るとき、他方の電極は、陰極として機能する場合においては、アルミ
ニウム等の仕事関数の小さい物質で形成することが好ましく、陽極として機能する場合に
おいては、銀等の仕事関数の高い物質で形成することが好ましい。
【0083】
以上のような構成を有する本発明の発光装置は、白色発光を呈することができる。また
、第1の発光素子と第2の発光素子と第3の発光素子の中の少なくとも一の素子からの発
光によって表示色を形成するときに、白色を呈する第4の発光素子を発光を利用して、表
示色の輝度を、高めることができる。
【0084】
(実施の形態6)
本発明を適用した発光装置を実装した電子機器の一実施例を図10に示す。
【0085】
図10(A)は、本発明を適用して作製したコンピュータであり、本体5521、筐体
5522、表示部5523、キーボード5524などによって構成されている。本発明の
発光装置を表示部として組み込むことでコンピュータを完成できる。なお、コンピュータ
の態様について特に限定はなく、デスクトップ型のものの他ラップトップ型のものでもよ
い。
【0086】
図10(B)は、本発明を適用して作製した携帯電話であり、本体5552には表示部
5551と、音声出力部5554、音声入力部5555、操作スイッチ5556、555
7、アンテナ5553等によって構成されている。本発明発光装置を表示部として組み込
むことで携帯電話を完成できる。
【0087】
図10(C)は、本発明を適用して作製したテレビ受像機であり、表示部5531、筐
体5532、スピーカー5533などによって構成されている。本発明の発光装置を表示
部として組み込むことでテレビ受像機を完成できる。
【0088】
以上のように本発明の発光装置は、各種電子機器の表示部として用いるのに非常に適し
ている。
【0089】
なお、本形態では、コンピュータについて述べているが、この他に携帯電話、カーナビ
ゲイション、或いは照明機器等に本発明の発光装置を実装しても構わない。
【0090】
以上ような本発明を適用した電子機器は、本発明の発光装置を表示部として用いている
ことによって、長期間に渡り、劣化の少ない良好な表示画像を得ることができるものであ
る。
【符号の説明】
【0091】
301 スイッチング用トランジスタ
302a 駆動用トランジスタ
302b 駆動用トランジスタ
302c 駆動用トランジスタ
302d 駆動用トランジスタ
303a 発光素子
303b 発光素子
303c 発光素子
303d 発光素子
304 容量素子
311 ゲート信号線
312 ソース信号線
313a 電流供給線
313b 電流供給線
313c 電流供給線
313d 電流供給線
315 容量線
316 電源

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1乃至第4の配線と、
第1乃至第3のトランジスタと、
第1及び第2の発光素子と、を有し、
前記第1の発光素子は、第1の導電層と、前記第1の導電層上の第1の発光層と、前記第1の発光層上の第2の導電層とを有し、
前記第2の発光素子は、前記第2の導電層と、前記第2の導電層上の第2の発光層と、前記第2の発光層上の第3の導電層とを有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
第1の導電層と、
前記第1の導電層上の第1の発光層と、
前記第1の発光層上の第2の導電層と、
前記第2の導電層上の第2の発光層と、
前記第2の発光層上の第3の導電層と、を有し、
前記第1の導電層は、第1のトランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続され、
前記第2の導電層は、第2のトランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続されていることを特徴とする発光装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1の導電層は、銀を有し、
前記第2の導電層は、可視光を透過することができる物質を有し、
前記第3の導電層は、アルミニウムを有することを特徴とする発光装置。
【請求項4】
請求項2又は3において、
前記第1の発光層からの発光と前記第2の発光層からの発光とを混合すると白色を呈することを特徴とする発光装置。
【請求項5】
第1の導電層と、
前記第1の導電層上の第1の発光層と、
前記第1の発光層上の第2の導電層と、
前記第2の導電層上の第2の発光層と、
前記第2の発光層上の第3の導電層と、
前記第3の導電層上の第3の発光層と、
前記第3の発光層上の第4の導電層と、を有し、
前記第1の導電層は、第1のトランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続され、
前記第2の導電層は、第2のトランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続され、
前記第3の導電層は、第3のトランジスタのソース及びドレインの一方に電気的に接続されていることを特徴とする発光装置。
【請求項6】
請求項5において、
前記第1の導電層は、銀を有し、
前記第2の導電層及び前記第3の導電層は、可視光を透過することができる物質を有し、
前記第4の導電層は、アルミニウムを有することを特徴とする発光装置。
【請求項7】
請求項5又は6において、
前記第1の発光層からの発光、前記第2の発光層からの発光、及び前記第3の発光層からの発光のうち、少なくとも2つの発光を混合すると白色を呈することを特徴とする発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−181553(P2012−181553A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−132690(P2012−132690)
【出願日】平成24年6月12日(2012.6.12)
【分割の表示】特願2005−117181(P2005−117181)の分割
【原出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】