説明

発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型

【課題】発泡樹脂材料を薄肉成形した後、金型を寸開操作して発泡樹脂材料を発泡させる方式を採用した発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型であって、ウエルドラインの生成を確実に防止するとともに、薄肉成形時における更なる薄肉化を可能とし、発泡倍率を高く設定して、より以上の軽量化を達成する。
【解決手段】可動側金型30の型面に断熱性に富むセラミック製絞付きシート60を積層形成することで、発泡樹脂材料Mの薄肉成形時における樹脂熱の低下を抑え、高温状態で発泡樹脂材料Mの流動性を高め、ウエルドラインWLの生成を防止するとともに、最大限の薄肉化を可能とし、発泡倍率の設定範囲を拡大できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形金型内で発泡樹脂材料を薄肉成形した後、金型を寸開操作し、次いで、発泡樹脂材料を発泡させて発泡樹脂成形品を成形する発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型に係り、特に、多点ゲートで樹脂を供給しても、ウエルドラインが生成されることなく、外観見栄えに優れ、かつ薄肉成形時の厚みを最大限薄肉に設定することが可能になることから、発泡倍率をより自由に設定できる発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型に関する。
【背景技術】
【0002】
図8,図9は発泡成形により所要形状に成形された自動車用ドアトリム1を示すもので、図8は正面図、図9は断面図である。そして、この自動車用ドアトリム1を成形する際に使用する従来の成形金型2は、図10に示すように、可動側金型3、固定側金型4、及び発泡樹脂材料Mを供給する射出機5とから構成されている。更に詳しくは、可動側金型3は、プレスラム3aに連結され、所定ストローク進退動作可能に構成されている。一方、固定側金型4は、射出機5から供給される発泡樹脂材料Mの樹脂通路となるホットランナ4a、ゲート4bが設けられており、この樹脂通路を通じて金型3,4間で形成されるキャビティC内に発泡樹脂材料Mが射出充填される。
【0003】
ところで、発泡樹脂材料Mを精度良く発泡させるためには、まず可動側金型3と固定側金型4との間の型クリアランスを狭く設定して、発泡樹脂材料Mを素早くキャビティC内に射出充填して、薄肉成形を行ない、その後、可動側金型3を寸開操作して、クリアランスを若干拡げた後、発泡樹脂材料Mを発泡させるという成形工法が多用されている。
【0004】
そして、図11に示すように、可動側金型3と固定側金型4との間の型クリアランスを狭くして薄肉成形を行なう際、発泡樹脂材料Mが複数のゲートからキャビティC内に充填されるが、両金型3,4の型面から樹脂熱が奪われ、ゲート4bから距離的に離れた遠隔地点では樹脂温度が低下するため、例えば、図8に示すように、ゲートG1,G2から供給される樹脂が会合する部位にはウエルドラインWLが生じ、外観性能を低下させる傾向がある。尚、ウエルドラインWLを解消するために、製品面に塗装を施す必要があり、トータルコストが高騰化するという欠点があった。尚、可動側金型3の型面には図11に示すように、製品意匠面としてエッチング絞6が加工されている。また、図12に示すように、薄肉成形時における板厚寸法を1.9mm以下に設定することは困難であり、最終製品の厚みが2.5〜3.3mmに設定されるため、発泡倍率を高く設定することができないことから、製品の軽量化を達成できないという問題点があった。尚、発泡樹脂成形品の射出成形方法であって、可動側金型3を寸開操作をさせる工法については、特許文献1に詳細に示されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−120252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、従来の発泡樹脂成形品の射出成形工法は、まず、発泡樹脂材料Mを薄肉成形した後、可動側金型3を寸開操作して発泡させるという型クリアランスを二段階で調整する方法が知られているが、発泡樹脂材料Mを薄肉成形する際、発泡樹脂材料Mを多点ゲートでキャビティC内に充填するため、ウエルドラインWLが生成され易く、特に、製品面となる可動側金型3面にエッチング絞6を採用した際、ウエルドラインWLが強く出る傾向にあり、外観性能を低下させる不具合があるとともに、このウエルドラインWLを解消させるためには、製品面への塗装が必要となり、塗装費用が嵩みコストアップを招来するという問題点が指摘されている。
【0007】
また、従来方法では、発泡樹脂材料Mが冷え易いため、薄肉成形が困難で、薄肉成形時の厚みを1.9mm以下にするのが難しく、そのため、発泡倍率も低く設定せざるを得ず、発泡倍率の設定に制限を受けることから、製品の軽量化が達成できないという問題点がある。
【0008】
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、多点ゲート方式を採用した発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型であって、まず狭いクリアランスの金型間で薄肉成形した後、可動側金型を寸開操作して発泡樹脂材料を発泡させるという二段階駆動方式であって、ウエルドラインが解消され、外観見栄えを良好に保つとともに、薄肉成形時における厚みを最大限薄肉に設定できるため、発泡倍率を広範囲に設定できる発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、可動側金型と固定側金型との型クリアランスを狭く設定して型締めし、両金型間に形成されるキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填することにより薄肉成形を行なった後、可動側金型を寸開操作し、発泡樹脂材料を発泡させて発泡樹脂成形品を成形する発泡樹脂成形品の成形方法において、前記可動側金型の型面には、断熱性に富むセラミック製絞付きシートが積層形成されていることにより、発泡樹脂材料の射出充填時、発泡樹脂材料の流動性を高めることで厚みを最大限薄肉に設定した薄肉成形を可能とし、発泡倍率設定範囲を拡大したことを特徴とする。
【0010】
更に、本発明方法に使用する成形金型は、可動側金型と固定側金型との型クリアランスを狭く設定して型締めし、両金型間に形成されるキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填することにより薄肉成形を行なった後、可動側金型を寸開操作し、発泡樹脂材料を発泡させて発泡樹脂成形品を成形する発泡樹脂成形品の成形金型であって、前記成形金型は、所定ストローク可動する可動側金型と、発泡樹脂材料を供給する射出機を付設した固定側金型とから構成され、上記発泡樹脂成形品の製品面となる可動側金型の型面には、断熱性に富むセラミック製絞付きシートが積層一体化されることで、発泡樹脂材料の薄肉成形時における流動性を高め、かつウエルドラインの解消を可能にし、発泡倍率設定範囲を拡大したことを特徴とする。
【0011】
ここで、発泡樹脂成形品としては、例えば、ドアトリム、ラゲージトリム、トランクトリム等の自動車用内装部品や鉄道車両や家屋内の内装材、各種包装容器等の広範囲な用途に適用できる。また、発泡樹脂材料としては、汎用の熱可塑性樹脂に発泡剤を添加した構成であり、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤や重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤が使用できる。
【0012】
次いで、本発明方法に使用する成形金型は、可動側金型、固定側金型、固定側金型に連設される射出機とから構成される。そして、可動側金型の型面を製品表面として、固定側金型の型面を製品裏面とする。更に、可動側金型の型面には、断熱性に富むセラミック製絞付きシートが積層されている。例えば、シート状のセラミックシートが真空焼き付け等により金型の型面に積層一体化されている。
【0013】
また、本発明は、発泡樹脂成形品の成形方法であって、可動側金型と固定側金型とを型締めし、型クリアランスを狭くした状態のキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填して薄肉成形を行なう。その後、可動側金型を寸開操作して発泡させるという二段階の型クリアランス調整を行なうことが特徴であるが、薄肉成形時の型クリアランスを1.5〜1.6mmの範囲に設定することにより、発泡倍率を高めることができる。
【0014】
従って、本発明方法によれば、可動側金型の型面に断熱性に富むセラミック製絞付きシートが積層されているため、発泡樹脂材料をキャビティ内に射出充填して薄肉成形する際、従来のエッチング絞に比べ樹脂熱が可動側金型側に奪われることがなく、樹脂温度を高温に保ったままキャビティ内への射出充填が可能となるため、ウエルドラインの生成を抑えるとともに、流動性が高まることから、型クリアランスを最大限薄肉に設定することができ、発泡倍率を高く設定することができる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明した通り、本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型によれば、可動側金型と固定側金型との間のキャビティ内に発泡樹脂材料を射出充填させ、型クリアランスを狭めて薄肉成形する際、可動側金型(製品面側金型)の型面に断熱性に富むセラミック製絞付きシートが積層されているため、樹脂熱が可動側金型に奪われることがなく、発泡性樹脂を高温のまま流動させることができ、ウエルドラインが生成されないことから、発泡樹脂成形品の外観見栄えを高め、かつウエルドラインを隠すための製品面の塗装等の後加工も必要でなくなり、加工コストを引き下げることができるという効果を有する。
【0016】
更に、本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型によれば、可動側金型の型面に断熱性に富むセラミック製絞付きシートを積層しているため、樹脂を高温のまま流動させることができ、薄肉成形が可能となることから、最終製品の厚みに応じて可動側金型を寸開させて発泡反応を行なわせれば、発泡倍率を高く設定することができ、製品仕様により発泡倍率の設定自由度を拡大することにより、製品の軽量化を達成できるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明に係る発泡樹脂成形品の成形方法並びに成形金型の実施例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
【実施例】
【0018】
図1乃至図7は本発明の一実施例を示すもので、図1は本発明方法により成形されたドアトリムを示す正面図、図2は同ドアトリムの構成を示す断面図、図3は同ドアトリムの成形に使用する成形金型の全体構成を示す説明図、図4乃至図7は本発明方法の各工程を示す説明図である。
【0019】
図1,図2において、本発明方法により成形されるドアトリム10は、車両の左側ドアパネルの室内面側に内装される仕様であり、発泡樹脂成形品単体から構成され、後述する成形方法により所望の曲面形状に成形され、中央には乗員が肘を掛けて休めるようにアームレスト11が室内側に膨出するように成形されている。このアームレスト11の上方には、インサイドハンドルエスカッション12が設けられており、アームレスト11の下方には、備品を収容できるドアポケット用開口13が開設され、ドアポケット用開口13のフロント側には、ドアトリム10と一体、あるいは別体にスピーカグリル14が設けられている。尚、図1中G1,G2はそれぞれゲート位置を便宜的に示している。
【0020】
そして、このドアトリム10は、2.5〜3.3mmの均一な厚みを有しており、図2に拡大して示すように、中央の発泡層10aの表裏面側にスキン層10bが積層されている。そして、ドアトリム10の製品表面は、成形金型から絞模様が忠実に転写され、かつこのドアトリム10は多点ゲート方式で成形されるが、ウエルドラインWL(図8で示す)が生成されることがなく、優れた外観性能を備えている。
【0021】
このように、ドアトリム10は、外観性能に優れるとともに、発泡樹脂成形品から構成されるため、軽量化に大きく貢献している。尚、ドアトリム10の成形材料としては、汎用の熱可塑性樹脂に発泡剤を添加した構成であり、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アイオノマー系樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン(ABS)樹脂等が使用でき、発泡剤としては、アゾジカルボンアミド等の有機発泡剤や重炭酸ナトリウム等の無機発泡剤が使用できる。尚、本実施例では、ポリプロピレン系樹脂に発泡剤(重炭酸ナトリウム)が添加された発泡樹脂材料が使用されている。
【0022】
次いで、ドアトリム10の成形に使用する成形金型20の構成について、図3を基に説明する。成形金型20は、可動側金型30と、固定側金型40と、固定側金型40に連設される射出機50とから大略構成されている。更に詳しくは、可動側金型30は、プレスラム31の駆動により所定ストローク量進退動作可能であり、固定側金型40には、射出機50から供給される発泡樹脂材料Mの通路となるホットランナ41、ゲート42が設けられている。尚、符号43は、成形後の発泡樹脂成形品を突き出すためのエジェクタピンを示す。ところで、本発明に係る成形金型20の特徴は、可動側金型30の型面に断熱性に富むセラミック製絞付きシート60が積層されていることが特徴である。このセラミック製絞付きシート60は、真空焼き付けにより可動側金型30の型面に積層されているが、化学的蒸着法や物理的蒸着法及び溶射法において、可動側金型30の型面にセラミックスの硬質皮膜を形成しても良い。
【0023】
次いで、図4乃至図7に基づいて、本発明の各工程について説明する。まず、図4に示すように、可動側金型30をプレスラム31の駆動により下死点まで下降させ、可動側金型30と固定側金型40との型クリアランスd1を最小限にする。この型クリアランスd1は断熱性に富むセラミック製絞付きシート60を積層することで1.9mm以下に設定することが可能となり、好ましくは型クリアランスd1を1.5〜1.6mmに調整するのが良い。
【0024】
そして、型クリアランスd1を狭く設定した状態で射出機50から発泡樹脂材料Mをホットランナ41、ゲート42を通じてキャビティC内に射出充填する。この時の樹脂流れを図5に示すが、可動側金型30の型面には断熱性に富むセラミック製絞付きシート60が積層されているため、樹脂熱の低下が少なく、そのため、各ゲート42から供給される樹脂が会合してもウエルドライン(図8中WLで示す)が生成されることがない。以上が発泡樹脂の薄肉成形である。次いで、型クリアランスをd1に設定した薄肉成形が完了すれば、図6に示すように、可動側金型30を寸開操作させて両金型30,40間の型クリアランスをd2に設定して、発泡樹脂成形品の発泡反応を誘起させる。この時、図7に示すように、1.5〜1.6mmに調整していた薄肉成形時の型クリアランスd1については、発泡反応時の型クリアランスd2を2.5〜3.3mmに設定する。従って、製品厚みは従来と変わらないけれども、薄肉成形時の板厚(薄肉成形時の型クリアランスd1と等しい)を薄肉に設定できるため、その分発泡倍率を高く調整でき、軽量化に貢献できる。
【0025】
以上説明したように、本発明方法は、可動側金型30の型面に断熱性に富むセラミック製絞付きシート60を積層一体化するという簡単な金型構成を採用するだけで、従来多点ゲート方式を採用した発泡樹脂成形品では避けられなかったウエルドラインWLを解消できるため、外観性能を良好に維持でき、かつ成形後の製品面の塗装も廃止でき、生産性を高めることができるとともに、発泡倍率も自由に調整できるため、軽量化に貢献することができる。尚、上述した実施例では、セラミック製絞付きシート60を可動側金型30の型面のみに積層したが、固定側金型40の型面に絞無しのセラミックシートを積層し、可動側金型30と固定側金型40の相方にセラミックシートを積層しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0026】
実施例はドアトリム10の成形方法並びに成形金型について説明したが、ドアトリム10以外の内装部品、例えば、ラゲージトリム、トランクトリム等の自動車用内装部品、あるいは鉄道車両や家屋内の内装材や包装容器等の発泡樹脂成形品全般に適用することができる。また、実施例では、可動側金型30の型面にセラミック製絞付きシート60を真空焼き付けにより積層形成したが、可動側金型30の表面に、化学的蒸着法、物理的蒸着法、あるいは溶射法によってセラミックス絞を形成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明方法により成形したドアトリムを示す正面図である。
【図2】図1中II−II線断面図である。
【図3】図1に示すドアトリムの成形に使用する成形金型の全体構成を示す説明図である。
【図4】図3に示す成形金型を使用するドアトリムの成形方法における薄肉成形時の状態を示す説明図である。
【図5】本発明方法における薄肉成形時の樹脂流れの状態を示す説明図である。
【図6】図3に示す成形金型を使用するドアトリムの成形方法における発泡反応時の状態を示す説明図である。
【図7】本発明方法により成形した発泡樹脂成形品の発泡前と発泡後の厚み変化を示す説明図である。
【図8】従来工法により成形したドアトリムを示す正面図である。
【図9】図8中IX−IX線断面図である。
【図10】従来のドアトリムの成形方法を示す説明図である。
【図11】従来のドアトリムの成形方法における薄肉成形時の樹脂流れを示す説明図である。
【図12】従来のドアトリムの発泡前と発泡後の厚み変化を示す説明図である。
【符号の説明】
【0028】
10 ドアトリム
10a 発泡層
10b スキン層
20 成形金型
30 可動側金型
31 プレスラム
40 固定側金型
41 ホットランナ
42 ゲート
50 射出機
60 セラミック製絞付きシート
C キャビティ
M 発泡樹脂材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動側金型(30)と固定側金型(40)との型クリアランスを狭く設定して型締めし、両金型(30,40)間に形成されるキャビティ内に発泡樹脂材料(M)を射出充填することにより薄肉成形を行なった後、可動側金型(30)を寸開操作し、発泡樹脂材料(M)を発泡させて発泡樹脂成形品(10)を成形する発泡樹脂成形品の成形方法において、
前記可動側金型(30)の型面には、断熱性に富むセラミック製絞付きシート(60)が積層形成されていることにより、発泡樹脂材料(M)の射出充填時、発泡樹脂材料(M)の流動性を高めることで厚みを最大限薄肉に設定した薄肉成形を可能とし、発泡倍率設定範囲を拡大したことを特徴とする発泡樹脂成形品の成形方法。
【請求項2】
可動側金型(30)と固定側金型(40)との型クリアランスを狭く設定して型締めし、両金型(30,40)間に形成されるキャビティ内に発泡樹脂材料(M)を射出充填することにより薄肉成形を行なった後、可動側金型(30)を寸開操作し、発泡樹脂材料(M)を発泡させて発泡樹脂成形品(10)を成形する発泡樹脂成形品の成形金型(20)であって、
前記成形金型(20)は、所定ストローク可動する可動側金型(30)と、発泡樹脂材料(M)を供給する射出機(50)を付設した固定側金型(40)とから構成され、上記発泡樹脂成形品の製品面となる可動側金型(30)の型面には、断熱性に富むセラミック製絞付きシート(60)が積層一体化されることで、発泡樹脂材料(M)の薄肉成形時における流動性を高め、かつウエルドラインの解消を可能にし、発泡倍率設定範囲を拡大したことを特徴とする発泡樹脂成形品の成形金型。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−248435(P2009−248435A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−98602(P2008−98602)
【出願日】平成20年4月4日(2008.4.4)
【出願人】(000124454)河西工業株式会社 (593)
【Fターム(参考)】