説明

発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体、発泡用樹脂組成物および発泡体

【課題】発泡倍率に優れる発泡体の製造に適した発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体を提供する。
【解決手段】エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、密度(d)が860〜950kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10(g/10分)であり、単峰性の分子量分布を有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4〜30であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が2〜5であり、次の関係式を満たす発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体。
0.347×ln(MFR)+0.84<k1/k2<0.347×ln(MFR)+1.26
(ただし、上記式中のk1/k2は、伸張粘度非線形指数比である)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体、発泡用樹脂組成物および発泡体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エチレン−α−オレフィン共重合体からなる発泡体は、柔軟性、断熱性に優れるため、緩衝材や断熱材といった種々の用途に利用されている。このようなエチレン系樹脂からなる発泡体の製造方法としては、エチレン系樹脂と熱分解型発泡剤とを、熱分解型発泡剤が分解しない温度で溶融混合してシ−トに成形した後、該シートに電離性放射線を照射してシートを架橋し、次いで熱分解型発泡剤の分解温度以上にシートを加熱して発泡させる方法が知られている。
エチレン−α−オレフィン共重合体の一つとして、メタロセン触媒を用いて重合された共重合体が知られている。メタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、衝撃強度や引張強度等の機械的強度に優れる。そのため従来の発泡体が有する機械的強度と同程度の強度を有する発泡体を、該エチレン−α−オレフィン共重合体を用いて製造すると、従来品よりも発泡倍率の高い発泡体とすることができると期待されている。ところがメタロセン触媒を用いて重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体は、押出加工時の押出負荷が高く、また、メルトテンションやスウェル比が小さいために、成形加工性は十分ではなく、さらなる改良が求められていた。
【0003】
これに対して昨今では、新規なメタロセン触媒が検討され、該触媒により重合された成形加工性が改良されたエチレン−α−オレフィン共重合体を用いた架橋発泡用樹脂組成物および架橋発泡体が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−1792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載されたようなエチレン−α−オレフィン共重合体においても未だ歪硬化特性が十分に満足のいくものではなく、特許文献1に記載されたようなエチレン−α−オレフィン共重合体を用いて前記した方法で架橋発泡体を製造する場合に、照射する電子線の量を少なくすると発泡倍率の高い架橋発泡体が得られないことがあった。
かかる状況のもと、本発明が解決しようとする課題は、発泡倍率に優れる発泡体の製造に適した発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体、発泡用樹脂組成物、該発泡用樹脂組成物を用いて発泡体を製造する方法、ならびに発泡倍率に優れる発泡体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち本発明の第一は、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、密度(d)が860〜950kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10(g/10分)であり、単峰性の分子量分布を有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4〜30であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が2〜5であり、次の関係式を満たす発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体である。
0.347×ln(MFR)+0.84<k1/k2<0.347×ln(MFR)+1.26
(ただし、上記式中のk1/k2は、伸張粘度非線形指数比である)
本発明の第二は、前記発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部と、該エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対し、分解温度が120〜240℃である熱分解型発泡剤を1〜80重量部含有する発泡用樹脂組成物である。
本発明の第三は、前記発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体または発泡用樹脂組成物を用いて得られる発泡体である。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、発泡倍率に優れる発泡体の製造に適した発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体、発泡用樹脂組成物、該発泡用樹脂組成物を用いて発泡体を製造する方法、ならびに発泡倍率に優れる発泡体を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位とを含むエチレン−α−オレフィン共重合体である。該α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン等があげられ、これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を併用されていてもよい。α−オレフィンとしては、好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンである。
【0009】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体は、上記のエチレンに基づく単量体単位および炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位に加え、本発明の効果を損なわない範囲において、他の単量体に基づく単量体単位を有していてもよい。他の単量体としては、例えば、共役ジエン(例えばブタジエンやイソプレン)、非共役ジエン(例えば1,4−ペンタジエン)、アクリル酸、アクリル酸エステル(例えばアクリル酸メチルやアクリル酸エチル)、メタクリル酸、メタクリル酸エステル(例えばメタクリル酸メチルやメタクリル酸エチル)、酢酸ビニル等があげられる。
【0010】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常50〜99.5重量%である。またα−オレフィンに基づく単量体単位の含有量は、エチレン−α−オレフィン共重合体の全重量(100重量%)に対して、通常0.5〜50重量%である。
【0011】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体として、好ましくは、エチレンに基づく単量体単位および炭素原子数4〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有する共重合体であり、より好ましくは、エチレンに基づく単量体単位および炭素原子数5〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有する共重合体であり、さらに好ましくは、エチレンに基づく単量体単位および炭素原子数6〜8のα−オレフィンに基づく単量体単位を有する共重合体である。
【0012】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体としては、例えば、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体等があげられ、好ましくはエチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ブテン−1−オクテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン−1−オクテン共重合体である。
【0013】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の密度(以下、「d」と記載することがある。)は、860〜950kg/m3である。得られる成形体の機械的強度を高める観点から、好ましくは940kg/m3以下であり、より好ましくは935kg/m3以下である。また、得られる成形体の剛性を高める観点から、好ましくは870kg/m3以上であり、より好ましくは880kg/m3以上であり、更に好ましくは890kg/m3以上であり、特に好ましくは900kg/m3以上である。該密度は、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った後、JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定される。また、エチレン−α−オレフィン共重合体の密度は、エチレン−α−オレフィン共重合体中のエチレンに基づく単量体単位の含有量により変更することができる。
【0014】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレート(以下、「MFR」と記載することがある。)は、通常、0.1〜10g/10分である。該メルトフローレートは、成形加工時の押出負荷を低減する観点から、好ましくは0.9g/10分以上であり、更に好ましくは1.5g/10分以上であり更により好ましくは2.0g/10分以上である。また、得られる成形体の機械的強度を高める観点から、好ましくは9g/10分以下であり、より好ましくは8g/10分以下である。該メルトフローレートは、JIS K7210−1995に規定された方法において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、A法により測定される値である。また、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトフローレートが大きくなる。
【0015】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の重量平均分子量(以下、「Mw」と記載することがある。)と数平均分子量(以下、「Mn」と記載することがある。)との比(以下、「Mw/Mn」と記載することがある。)は、4〜30であり、Z平均分子量(以下、「Mz」と記載することがある。)と重量平均分子量(Mw)との比(以下、「Mz/Mw」と記載することがある。)は、2〜5である。Mw/Mnが小さすぎると、成形加工時の押出負荷が高くなることがある。Mw/Mnは、好ましくは5以上であり、より好ましくは6以上である。Mz/Mwが大きすぎると溶融状態にある重合体の分子鎖の緩和時間が長くなることがある。Mz/Mwは、好ましくは4.5以下であり、より好ましくは4以下であり、更に好ましくは3.5以下である。Mw/Mnが大きすぎるあるいはMz/Mwが小さすぎると、得られる成形体の機械的強度が低くなることがある。Mw/Mnは、好ましくは30以下であり、より好ましくは25以下であり、さらに好ましくは20以下であり、特に好ましくは15以下である。Mz/Mwは、好ましくは2.5以上であり、より好ましくは2.9以上である。なお、該Mw/Mnと該Mz/Mwとは、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)およびZ平均分子量(Mz)を測定し、MwをMnで除し、MzをMwで除すことにより求められる。また、該Mw/Mnは、後述する製造方法において、例えば、水素濃度または重合温度により変更することができ、水素濃度または重合温度を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のMw/Mnが大きくなる。該Mz/Mwは、後述する製造方法において、例えば、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)との使用割合により変更することができ、遷移金属化合物(A2)の使用割合を低くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のMz/Mwが小さくなる。
【0016】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体は、単峰性の分子量分布を示す。ここで、単峰性の分子量分布とは、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により測定された分子量分布曲線が1つのピークのみを有することを意味する。分子量分布が多峰性の場合、発泡体強度や伸びが低くなる傾向がある。
【0017】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体のスウェル比(以下、「SR」と記載することがある。)は、好ましくは1.2以上であり、更に好ましくは1.3以上である。スウェル比が小さすぎると、発泡倍率の高い発泡体や、厚みの厚い発泡体を得にくくなる傾向がある。また、該スウェル比は、発泡体表面の平滑性を高める観点からは、好ましくは3.0以下であり、より好ましくは2.8以下である。該スウェル比は、メルトフローレート(MFR)を測定する際に、温度190℃、荷重21.18Nの条件でオリフィスから、15〜20mm程度の長さで押出したエチレン−α−オレフィン共重合体のストランドを、空気中で冷却し、得られた固体状のストランドについて、押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)である。また、該スウェル比は、後述する製造方法において、例えば、重合時の水素濃度やエチレン圧または電子供与性化合物濃度により変更することができ、水素濃度を高く、またはエチレン圧を低くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のスウェル比が大きくなる。その他にも、重合時に予備重合を実施することなどでスウェル比を制御することができる。
【0018】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の流動の活性化エネルギー(以下、「Ea」と記載することがある。)は、発泡体の発泡倍率を高める観点から、好ましくは40kJ/mol以上であり、より好ましくは50kJ/mol以上である。また、流動の活性化エネルギーは、発泡体の機械的強度を高める観点からは、好ましくは110kJ/mol以下であり、より好ましくは90kJ/mol以下であり、更により好ましくは80kJ/molである。また、流動の活性化エネルギーは、後述する製造方法において、例えば、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)との使用割合により変更することができ、遷移金属化合物(A2)の使用割合を高くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のEaが大きくなる。
【0019】
流動の活性化エネルギー(Ea)は、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、190℃での溶融複素粘度(単位はPa・secである。)の角周波数(単位:rad/sec)依存性を示すマスターカーブを作成する際のシフトファクター(aT)からアレニウス型方程式により算出される数値であって、以下に示す方法で求められる値である。すなわち、130℃、150℃、170℃および190℃夫々の温度(T、単位:℃)におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線(溶融複素粘度の単位はPa・sec、角周波数の単位はrad/secである。)を、温度−時間重ね合わせ原理に基づいて、各温度(T)での溶融複素粘度−角周波数曲線毎に、190℃でのエチレン系共重合体の溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際に得られる各温度(T)でのシフトファクター(aT)を求め、夫々の温度(T)と、各温度(T)でのシフトファクター(aT)とから、最小自乗法により[ln(aT)]と[1/(T+273.16)]との一次近似式(下記(I)式)を算出する。次に、該一次式の傾きmと下記式(II)とからEaを求める。
ln(aT) = m(1/(T+273.16))+n (I)
Ea = |0.008314×m| (II)
T :シフトファクター
Ea:流動の活性化エネルギー(単位:kJ/mol)
T :温度(単位:℃)
上記計算は、市販の計算ソフトウェアを用いてもよく、該計算ソフトウェアとしては、Rheometrics社製 Rhios V.4.4.4などがあげられる。
なお、シフトファクター(aT)は、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線を、log(Y)=−log(X)軸方向に移動させて(但し、Y軸を溶融複素粘度、X軸を角周波数とする。)、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線に重ね合わせた際の移動量であり、該重ね合わせでは、夫々の温度(T)における溶融複素粘度−角周波数の両対数曲線は、各曲線ごとに、角周波数をaT倍に、溶融複素粘度を1/aT倍に移動させる。また、130℃、150℃、170℃および190℃の4点の値から(I)式を最小自乗法で求めるときの相関係数は、通常、0.99以上である。
【0020】
溶融複素粘度−角周波数曲線の測定は、粘弾性測定装置(例えば、Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800など。)を用い、通常、ジオメトリー:パラレルプレート、プレート直径:25mm、プレート間隔:1.5〜2mm、ストレイン:5%、角周波数:0.1〜100rad/秒の条件で行われる。なお、測定は窒素雰囲気下で行われ、また、測定試料には予め酸化防止剤を適量(例えば1000ppm。)を配合することが好ましい。
【0021】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体のメルトテンション(以下、「MT」と記載することがある。)は、MFRに対して関係式(1)を満足することが好ましい。
式(1)
5.73×MFR−0.59<MT<10.55×MFR−0.59 (1)
MT測定時に巻き取り速度を高めていき、破断した際のMTの値は、MFRに対して以下の経験式(2)
MT=αexp(βMw) (2)
で表現できることが、文献(D.Ancierno et al. Journal of Rheology, 29(3), 323-334 (1985) )により報告されている。また、MwとMFRの関係式は経験的に式(3)
Mn=A+Blog(MFR) (3)
で表現できることが文献(Mortimer et al. Journal of Applied Polymer Science, 8, 839-847 (1964)など)により報告されており、これらの式を組み合わせると、MTはMFRを使って経験的に
MT=C・MFR (C、Dは定数) (4)
で表現できることが分かる。C、Dは下記の遷移金属化合物の比などで変化するが、水素濃度以外の重合条件がほぼ同じであれば、C、Dの値はほとんど一定とみなせうる。今回の実施例ではエチレンと1−ヘキセン濃度が実施例ごとに若干異なるが、密度が920kg/m3前後とほぼ同等なので、水素濃度以外の重合条件はほぼ同等といえる。そこで実施例にあるデータから、遷移金属化合物(A):遷移金属化合物(B)=12.5:1で水素濃度以外の重合条件をほぼ一定に揃えた実施例のMTとMFRのプロットに対してMicrosoft Excelを用いて(4)式でフィッティングし、フィッティングの際に求まったCの値の30%をフィッティング結果のC,Dの係数部分に足して右辺を得た。有効数字は小数点以下2桁とした。同様に、遷移金属化合物(A):遷移金属化合物(B)=12.5:1で水素濃度以外の重合条件をほぼ一定に揃えた実施例のMTとMFRのプロットに対して同様に(4)式でフィッティングし、フィッティングの際に求まったCとDの絶対値の30%をフィッティング結果のC、Dの係数部分から引いて左辺を得た。
【0022】
メルトテンションが小さすぎると、発泡倍率が低下することがある。メルトテンションは好ましくはMFRとMTの関係式(1)'を、さらに好ましくはMFRとMTの関係式(1)''を、さらにより好ましくは(1)'''を満たす。関係式(1)'、(1)''、(1)'''は、関係式(1)の右辺、左辺を導出した際の、Cの値の30%を足し引きした部分を、それぞれ20%、15%、10%の足し引きに変更した以外は、全く同様にして導出したものである。
6.53×MFR−0.59<MT<9.74×MFR−0.59 (1)'
6.93×MFR−0.59<MT<9.34×MFR−0.59 (1)''
7.33×MFR−0.59<MT<8.94×MFR−0.59 (1)'''
【0023】
該メルトテンションは、190℃の温度および0.32g/分の押出速度で、直径2.095mm、長さ8mmのオリフィスから溶融したエチレン−α−オレフィン共重合体を押出し、押出された溶融したエチレン−α−オレフィン共重合体を6.3(m/分)/分の引取上昇速度でフィラメント状に引取る際の張力において、引取開始からフィラメント状のエチレン−α−オレフィン共重合体が切断されるまでの間の最大張力である。また、メルトテンションは、後述する製造方法において、例えば、重合中のエチレンの圧力により変更することができ、重合中のエチレンの圧力を低くすると、エチレン−α−オレフィン共重合体のメルトテンションが高くなる。また、適切な条件下で予備重合を実施することでもメルトテンションを高めることができる。
【0024】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の炭素数6以上の分岐数(以下、「NLCB」と記載することがある。)は、成形加工時の押出負荷をより低減する観点から、好ましくは0.1/1000C以上であり、より好ましくは0.15/1000C以上である。また、得られる発泡体の機械的強度を高める観点から、好ましくは3.5/1000C以下であり、より好ましくは3.0/1000C以下であり、さらに好ましくは2.5/1000C以下である。また、該NLCBは、後述する製造方法において、例えば、電子供与性化合物の濃度または遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)との使用割合により変更することができる。また、予備重合を実施することによっても制御しうる。
【0025】
LCBは、カーボン核磁気共鳴(13C−NMR)法によって測定された13C−NMRスペクトルから、5〜50ppmに観測されるすべてのピークの面積の総和を1000として、炭素原子数5以上の分岐が結合したメチン炭素に由来するピークの面積を求めることにより得られる。炭素原子数5以上の分岐が結合したメチン炭素に由来するピークは38.2ppm付近(参考:学術文献「Macromolecules」,(米国),American Chemical Society,1999年,第32巻,p.3817−3819)に観測される。この炭素原子数5以上の分岐が結合したメチン炭素に由来するピークの位置は、測定装置および測定条件によりずれることがあるため、通常、測定装置および測定条件毎に、標品の測定を行って決定する。また、スペクトル解析には、窓関数として、負の指数関数を用いることが好ましい。
【0026】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の歪硬化の強さを表す伸張粘度非線形指数kは、0.30よりも大きいことが好ましく、より好ましくは0.35よりも大きく、さらに好ましくは0.40よりも大きい。kが小さいと十分な歪硬化を示さないことを意味し、発泡倍率の高い発泡体を得にくくなる傾向がある。
【0027】
伸張粘度非線形指数kは、130℃の温度およびHencky歪における1s-1の歪速度で一軸伸張したときの溶融樹脂の粘度−時間曲線σ(t)を、130℃の温度およびHencky歪における0.1s-1の歪速度で一軸伸張したときの溶融樹脂の粘度−時間曲線σ0.1(t)で割って得られる曲線
α(t)=σ(t)/σ0.1(t) (5)
に対して、lnα(t)が一定値から上昇を始める時間をthとしth秒からth+0.5秒の間のlnα(t)の傾きとして算出される値である。
歪硬化が起こるまでの線形領域ではσ(t)=σ0.1(t)であり、α(t)は一定の値を示す。歪硬化が起こることでσ(t)は線形領域から外れて非線形領域になり上昇しα(t)は一定値から上昇する。
【0028】
溶融樹脂の粘度−時間曲線σ(t)の測定は、粘弾性測定装置(例えば、TAインスツルメント社製ARESなど。)を用いて行われる。なお、測定は窒素雰囲気下で行われる。
【0029】
本発明におけるエチレン−α−オレフィン共重合体は、高歪領域での歪硬化の強さと低歪領域での歪硬化の強さの比である、伸張粘度非線形指数比(k1/k2)が、式(6)の関係式
0.347×ln(MFR)+0.84<k1/k2<0.347×ln(MFR)+1.26 (6)
を満足することが好ましく、より好ましくは式(6)'の関係式を満足し、更に好ましくは式(6)''の関係式を満足する。
0.347×ln(MFR)+0.90<k1/k2<0.347×ln(MFR)+1.21 (6)'
0.347×ln(MFR)+0.95<k1/k2<0.347×ln(MFR)+1.16 (6)''
【0030】
ここで、k1は時刻tがth+0.5秒からth+1.0秒の間のlnα(t)の傾きであり、k2は時刻tがth秒からth+0.5秒の間のlnα(t)の傾きである。すなわち、伸張粘度非線形指数伸張粘度非線形指数比k1/k2は、高歪領域でも十分な歪硬化を示している場合、大きな値となり、高歪領域で、歪硬化が不十分であると小さな値となる。従来のエチレン−α−オレフィン共重合体は、高歪領域での歪硬化が不十分であったが、本発明におけるより好ましいエチレン−αオレフィン共重合体は、驚くべきことに、高歪領域でも高い歪硬化特性を示す。
本発明において伸張粘度非線形指数比は、理由は不明であるが、MFRの依存性が強く、その傾向を調べるべく測定データをプロットしたところ、横軸をln(MFR)とし、縦軸をk1/k2とした時に、直線が非常によい近似であることが分かった。式(6)の関係式については、横軸をMFR,縦軸をk1/k2としてプロットした実施例の全てのデータに対して、Microsoft Excelを用いてy=Aln(x)+Bでフィッティングすることにより得られた近似式k1/k2=0.3465×ln(MFR)+1.0531に対して、フィッティングの際に得られた係数Bの値の20%を近似式の係数Bに対して足すことで上限を、引くことで下限を導いた。式(6)'、(6)''は、Bの絶対値の20%足し引きした部分をそれぞれ15%、10%に変更した以外は式(6)と全く同様の方法で導いた。
【0031】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、下記一般式(1)で表される遷移金属化合物(A1)と、下記一般式(3)で表される遷移金属化合物(A2)と、後述の助触媒成分(B)とを接触させて形成される重合用触媒であって、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)とのモル比((A1)/(A2))を1〜30で、接触させる重合用触媒の存在下、気相重合法でエチレンと炭素原子数3〜20のα−オレフィンとを共重合する方法をあげることができる。(A1)/(A2)は、溶融状態におけるエチレン−α−オレフィン共重合体の分子鎖の緩和時間を短く、かつ機械強度を高める観点から、好ましくは、5以上であり、より好ましくは10以上である。また、(A1)/(A2)は、SRを高める観点から、好ましくは、20以下である。
【0032】


[式中、M1は元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、X1およびR1は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基または炭素原子数1〜20の置換アミノ基であり、複数のX1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR1は互いに同じであっても異なっていてもよく、Q1は下記一般式(2)で表される架橋基を表す。

(式中、mは1〜5の整数であり、J1は元素周期律表の第14族の原子を表し、R2は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基または炭素原子数1〜20の置換アミノ基であり、複数のR2は互いに同じであっても異なっていてもよい。)]
【0033】


[式中、M2は元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、X2、R3およびR4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基または炭素原子数1〜20の置換アミノ基であり、複数のX2は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR3は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR4は互いに同じであっても異なっていてもよく、Q2は、下記一般式(4)で表される架橋基を表す。

(式中、nは1〜5の整数であり、J2は元素周期律表の第14族の原子を表し、R5は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基または炭素原子数1〜20の置換アミノ基であり、複数のR5は互いに同じであっても異なっていてもよい。)]
【0034】
一般式(1)のM1および一般式(3)のM2は、元素周期律表の第4族の遷移金属原子を表し、例えば、チタン原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子などがあげられる。
【0035】
一般式(1)のX1、R1、一般式(3)のX2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基または炭素原子数1〜20の置換アミノ基であり、複数のX1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR1は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のX2は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR3は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR4は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0036】
1、R1、X2、R3およびR4のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0037】
1、R1、X2、R3およびR4の炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子数7〜20のアラルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基などがあげられる。
【0038】
炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などがあげられる。
【0039】
炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基としては、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロオクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などがあげられる。
【0040】
炭素原子数7〜20のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、ジフェニルプロピル基、ジフェニルブチル基などがあげられる。また、これらのアラルキル基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アラルキル基などがあげられる。
【0041】
炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などがあげられる。また、これらのアリール基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アリール基などがあげられる。
【0042】
また、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基としては、置換シリル基で置換されたハイドロカルビル基、置換アミノ基で置換されたハイドロカルビル基、ハイドロカルビルオキシ基で置換されたハイドロカルビル基などがあげられる。
【0043】
置換シリル基で置換されたハイドロカルビル基としては、トリメチルシリルメチル基、トリメチルシリルエチル基、トリメチルシリルプロピル基、トリメチルシリルブチル基、トリメチルシリルフェニル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基、ビス(トリメチルシリル)エチル基、ビス(トリメチルシリル)プロピル基、ビス(トリメチルシリル)ブチル基、ビス(トリメチルシリル)フェニル基、トリフェニルシリルメチル基などがあげられる。
【0044】
置換アミノ基で置換されたハイドロカルビル基としては、ジメチルアミノメチル基、ジメチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジメチルアミノブチル基、ジメチルアミノフェニル基、ビス(ジメチルアミノ)メチル基、ビス(ジメチルアミノ)エチル基、ビス(ジメチルアミノ)プロピル基、ビス(ジメチルアミノ)ブチル基、ビス(ジメチルアミノ)フェニル基、フェニルアミノメチル基、ジフェニルアミノメチル基、ジフェニルアミノフェニル基などがあげられる。
【0045】
ハイドロカルビルオキシ基で置換されたハイドロカルビル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、n−プロポキシメチル基、イソプロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、sec−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、フェノキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシエチル基、イソプロポキシエチル基、n−ブトキシエチル基、sec−ブトキシエチル基、tert−ブトキシエチル基、フェノキシエチル基、メトキシ−n−プロピル基、エトキシ−n−プロピル基、n−プロポキシ−n−プロピル基、イソプロポキシ−n−プロピル基、n−ブトキシ−n−プロピル基、sec−ブトキシ−n−プロピル基、tert−ブトキシ−n−プロピル基、フェノキシ−n−プロピル基、メトキシイソプロピル基、エトキシイソプロピル基、n−プロポキシイソプロピル基、イソプロポキシイソプロピル基、n−ブトキシイソプロピル基、sec−ブトキシイソプロピル基、tert−ブトキシイソプロピル基、フェノキシイソプロピル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、n−プロポキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基、n−ブトキシフェニル基、sec−ブトキシフェニル基、tert−ブトキシフェニル基、フェノキシフェニル基などがあげられる。
【0046】
1、R1、X2、R3およびR4の炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基としては、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基、炭素原子数6〜20のアリールオキシ基などがあげられる。
【0047】
炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−ヘプタデシルオキシ基、n−オクタデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−エイコソキシ基などがあげられる。また、これらのアルコキシ基が、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アルコキシ基などがあげられる。
【0048】
炭素原子数7〜20のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基などがあげられる。また、これらのアラルキルオキシ基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アラルキルオキシ基などがあげられる。
【0049】
炭素原子数6〜20のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、2,3−ジメチルフェノキシ基、2,4−ジメチルフェノキシ基、2,5−ジメチルフェノキシ基、2,6−ジメチルフェノキシ基、3,4−ジメチルフェノキシ基、3,5−ジメチルフェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、n−プロピルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、n−ブチルフェノキシ基、sec−ブチルフェノキシ基、tert−ブチルフェノキシ基、n−ヘキシルフェノキシ基、n−オクチルフェノキシ基、n−デシルフェノキシ基、n−テトラデシルフェノキシ基、ナフトキシ基、アントラセノキシ基などがあげられる。また、これらのアリールオキシ基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換されたハロゲン化アリールオキシ基などがあげられる。
【0050】
1、R1、X2、R3およびR4の炭素原子数1〜20の置換シリル基としては、アルキル基、アリール基などのハイドロカルビル基で置換されたシリル基をあげることできる。具体的には、例えば、メチルシリル基、エチルシリル基、n−プロピルシリル基、イソプロピルシリル基、n−ブチルシリル基、sec−ブチルシリル基、tert−ブチルシリル基、イソブチルシリル基、n−ペンチルシリル基、n−ヘキシルシリル基、フェニルシリル基などの1置換シリル基;ジメチルシリル基、ジエチルシリル基、ジ−n−プロピルシリル基、ジイソプロピルシリル基、ジ−n−ブチルシリル基、ジ−sec−ブチルシリル基、ジ−tert−ブチルシリル基、ジイソブチルシリル基、ジフェニルシリル基などの2置換シリル基;トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチル−ジメチルシリル基、トリ−n−ペンチルシリル基、トリ−n−ヘキシルシリル基、トリシクロヘキシルシリル基、トリフェニルシリル基などの3置換シリル基などがあげられる。
【0051】
1、R1、X2、R3およびR4の炭素原子数1〜20の置換アミノ基としては、例えば、アルキル基、アリール基などのハイドロカルビル基2つで置換されたアミノ基をあげることできる。具体的には、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、n−ブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、n−ヘキシルアミノ基、n−オクチルアミノ基、n−デシルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−イソブチルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジ−n−デシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジベンジルアミノ基、tert−ブチルイソプロピルアミノ基、フェニルエチルアミノ基、フェニルプロピルアミノ基、フェニルブチルアミノ基、ピロリル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基、カルバゾリル基、ジヒドロイソインドリル基などがあげられる。
【0052】
1として好ましくは、塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、3,4,5−トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシ基、ベンジル基である。
【0053】
1として好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0054】
2として好ましくは、塩素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、フェニル基、フェノキシ基、2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、3,4,5−トリフルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシ基、ベンジル基である。
【0055】
3として好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0056】
4として好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子である。
【0057】
一般式(1)のQ1は一般式(2)で表される架橋基を表し、一般式(3)のQ2は一般式(4)で表される架橋基を表す。
【0058】
一般式(2)のmおよび一般式(4)のnは1〜5の整数である。mとして好ましくは、1〜2であり、nとして好ましくは、1〜2である。
【0059】
一般式(2)のJ1および一般式(4)のJ2は、元素周期律表の第14族の遷移金属原子を表し、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子などがあげられる。好ましくは、炭素原子またはケイ素原子である。
【0060】
一般式(2)のR2、一般式(4)のR5は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基または炭素原子数1〜20の置換アミノ基であり、複数のR2は互いに同じであっても異なっていてもよく、複数のR5は互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0061】
2およびR5のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基および炭素原子数1〜20の置換アミノ基としては、X1、R1、X2、R3およびR4のハロゲン原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20の置換されていてもよいハイドロカルビルオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基および炭素原子数1〜20の置換アミノ基として例示したものをあげることができる。
【0062】
1およびQ2としては、メチレン基、エチリデン基、エチレン基、プロピリデン基、プロピレン基、ブチリデン基、ブチレン基、ペンチリデン基、ペンチレン基、ヘキシリデン基、イソプロピリデン基、メチルエチルメチレン基、メチルプロピルメチレン基、メチルブチルメチレン基、ビス(シクロヘキシル)メチレン基、メチルフェニルメチレン基、ジフェニルメチレン基、フェニル(メチルフェニル)メチレン基、ジ(メチルフェニル)メチレン基、ビス(ジメチルフェニル)メチレン基、ビス(トリメチルフェニル)メチレン基、フェニル(エチルフェニル)メチレン基、ジ(エチルフェニル)メチレン基、ビス(ジエチルフェニル)メチレン基、フェニル(プロピルフェニル)メチレン基、ジ(プロピルフェニル)メチレン基、ビス(ジプロピルフェニル)メチレン基、フェニル(ブチルフェニル)メチレン基、ジ(ブチルフェニル)メチレン基、フェニル(ナフチル)メチレン基、ジ(ナフチル)メチレン基、フェニル(ビフェニル)メチレン基、ジ(ビフェニル)メチレン基、フェニル(トリメチルシリルフェニル)メチレン基、ビス(トリメチルシリルフェニル)メチレン基、ビス(ペンタフルオロフェニル)メチレン基、
【0063】
シランジイル基、ジシランジイル基、トリシランジイル基、テトラシランジイル基、ジメチルシランジイル基、ビス(ジメチルシラン)ジイル基、ジエチルシランジイル基、ジプロピルシランジイル基、ジブチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基、シラシクロブタンジイル基、シラシクロヘキサンジイル基、ジビニルシランジイル基、ジアリルシランジイル基、(メチル)(ビニル)シランジイル基、(アリル)(メチル)シランジイル基等をあげることができる。
【0064】
1として好ましくは、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、ビス(シクロヘキシル)メチレン基、ジフェニルメチレン基、ジメチルシランジイル基、ビス(ジメチルシラン)ジイル基であり、より好ましくは、エチレン基、ジメチルシランジイル基である。また、Q2として好ましくは、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、ビス(シクロヘキシル)メチレン基、ジフェニルメチレン基、ジメチルシランジイル基、ビス(ジメチルシラン)ジイル基であり、より好ましくは、ジフェニルメチレン基である。
【0065】
一般式(1)で表される遷移金属化合物(A1)としては、M1をジルコニウム原子、X1を塩素原子としたものとして、メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0066】
メチレンビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0067】
メチレン(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレン(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0068】
メチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)メチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレンビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0069】
ジメチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(p−トリル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジビニルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジアリルシランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(ビニル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(アリル)(メチル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0070】
ジメチルシランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0071】
ジメチルシランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイル(インデニル)(メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、
【0072】
ジメチルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジエチルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジ(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジイソプロピルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジシクロヘキシルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチル)(メチル)シランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(n−プロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(イソプロピル)シランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(シクロヘキシル)(メチル)ビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(メチル)(フェニル)シランジイルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
【0073】
上記例示においてη5−インデニル基の置換体は、架橋基が1−位の場合、一置換体であれば、2−位、3−位、4−位、5−位、6−位および7−位の置換体を含み、架橋位が1−位以外でも同様に全ての組合せを含む。二置換体以上も同様に、置換基および架橋位の全ての組合せを含む。また、上記遷移金属化合物のX1のジクロリドをジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジプロポキシド、ジブトキシド、ビス(トリフルオロメトキシド)、ジフェニル、ジフェノキシド、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)、ビス(3,4,5−トリフルオロフェノキシド)、ビス(ペンタフルオロフェノキシド)、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシド)、ジベンジル等に変更した化合物を例示することができる。さらに、上記遷移金属化合物のM1のジルコニウムをチタンまたはハフニウムに変更した化合物を例示することができる。
【0074】
一般式(1)で表される遷移金属化合物(A1)として好ましくは、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジフェノキシド、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドである。
【0075】
一般式(3)で表される遷移金属化合物(A2)としては、M2をジルコニウム原子、X2を塩素原子とし、架橋基Q2をジフェニルメチレン基としたものとして、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0076】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0077】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0078】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0079】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0080】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0081】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0082】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0083】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0084】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0085】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0086】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0087】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0088】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0089】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0090】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0091】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0092】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0093】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0094】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0095】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジエチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0096】
ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0097】
ジフェニルメチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0098】
ジフェニルメチレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラエチル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0099】
ジフェニルメチレン(2−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラ−n−プロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0100】
ジフェニルメチレン(2−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−イソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリイソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトライソプロピル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0101】
ジフェニルメチレン(2−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−フェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ジフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラフェニル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
【0102】
ジフェニルメチレン(2−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,5−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4−ビス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(3,4,5−トリス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルメチレン(2,3,4,5−テトラキス(トリメチルシリル)−1−シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド等を例示することができる。
【0103】
上記遷移金属化合物のX2のジクロリドを、ジフルオライド、ジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジエチル、ジイソプロピル、ジメトキシド、ジエトキシド、ジプロポキシド、ジブトキシド、ビス(トリフルオロメトキシド)、ジフェニル、ジフェノキシド、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシド)、ビス(3,4,5−トリフルオロフェノキシド)、ビス(ペンタフルオロフェノキシド)、ビス(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノキシド)、ジベンジル等に変更した化合物を例示することができる。また、上記遷移金属化合物のQ2のジフェニルメチレン基を、メチレン基、エチレン基、イソプロピリデン基、メチルフェニルメチレン基、ジメチルシランジイル基、ジフェニルシランジイル基、シラシクロブタンジイル基、シラシクロヘキサンジイル基等に変更した化合物を例示することができる。さらに、上記遷移金属化合物のM2のジルコニウムをチタンまたはハフニウムに変更した化合物を例示することもできる。
【0104】
一般式(3)で表される遷移金属化合物(A2)として好ましくは、ジフェニルメチレン(1−シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドである。
【0105】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造に用いられる重合用触媒の調製に使用される助触媒成分(B)としては、下記成分(b1)、下記成分(b2)、下記成分(b3)および下記成分(b4)を接触させて形成される固体触媒成分があげられる。
(b1):下記一般式(5)で表される化合物
3x (5)
[式中、M3はリチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、鉛原子、アンチモン原子またはビスマス原子を表し、xはM3の原子価に相当する数を表す。Lは水素原子、ハロゲン原子または置換されていてもよいハイドロカルビル基を表し、Lが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
(b2):下記一般式(6)で表される化合物
6t-11H (6)
[式中、T1は酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、tはT1の原子価に相当する数を表す。R6はハロゲン原子、電子吸引性基、ハロゲン原子を含有する基または電子吸引性基を有する基を表し、R6が複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
(b3):下記一般式(7)で表される化合物
7s-222 (7)
[式中、T2は酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子を表し、sはT2の原子価に相当する数を表す。R7はハロゲン原子、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表す。]
(b4):粒子状担体
【0106】
一般式(5)のM3は、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、ルビジウム原子、セシウム原子、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、ゲルマニウム原子、スズ原子、鉛原子、アンチモン原子またはビスマス原子である。好ましくは、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、ゲルマニウム原子、スズ原子またはビスマス原子であり、より好ましくは、マグネシウム原子、亜鉛原子、スズ原子またはビスマス原子であり、更に好ましくは亜鉛原子である。
【0107】
一般式(5)のxはM3の原子価に相当する数を表す。例えば、M3が亜鉛原子の場合、xは2である。
【0108】
一般式(5)のLは、水素原子、ハロゲン原子または置換されていてもよいハイドロカルビル基を表し、Lが複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0109】
Lのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0110】
Lの置換されていてもよいハイドロカルビル基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基、ハロゲン化アルキル基などがあげられる。
【0111】
Lのアルキル基としては、炭素原子数1〜20のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基、n−へプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基などがあげられる。好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基またはイソブチル基である。
【0112】
Lのハロゲン化アルキル基としては、炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基が好ましく、例えば、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモメチル基、ヨードメチル基、ジヨードメチル基、トリヨードメチル基、フルオロエチル基、ジフルオロエチル基、トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、クロロエチル基、ジクロロエチル基、トリクロロエチル基、テトラクロロエチル基、ペンタクロロエチル基、ブロモエチル基、ジブロモエチル基、トリブロモエチル基、テトラブロモエチル基、ペンタブロモエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロドデシル基、パーフルオロペンタデシル基、パーフルオロエイコシル基、パークロロプロピル基、パークロロブチル基、パークロロペンチル基、パークロロヘキシル基、パークロロオクチル基、パークロロドデシル基、パークロロペンタデシル基、パークロロエイコシル基、パーブロモプロピル基、パーブロモブチル基、パーブロモペンチル基、パーブロモヘキシル基、パーブロモオクチル基、パーブロモドデシル基、パーブロモペンタデシル基、パーブロモエイコシル基などがあげられる。
【0113】
Lのアラルキル基としては、炭素原子数7〜20のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(4,6−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、(n−テトラデシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、ジフェニルメチル基、ジフェニルエチル基、ジフェニルプロピル基、ジフェニルブチル基などがあげられる。好ましくは、ベンジル基である。また、これらのアラルキル基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換された炭素原子数7〜20のハロゲン化アラルキル基などがあげられる。
【0114】
Lのアリール基としては、炭素原子数6〜20のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、ジエチルフェニル基、トリエチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基などがあげられる。好ましくは、フェニル基である。また、これらのアリール基がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子などのハロゲン原子で置換された炭素原子数6〜20のハロゲン化アリール基などがあげられる。
【0115】
Lとして好ましくは、水素原子、アルキル基またはアリール基であり、より好ましくは、水素原子またはアルキル基であり、更に好ましくはアルキル基である。
【0116】
一般式(6)のT1は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子であり、好ましくは、窒素原子または酸素原子であり、より好ましくは酸素原子である。
【0117】
一般式(6)のtは、T1の原子価を表し、T1が酸素原子または硫黄原子の場合、tは2であり、T1が窒素原子またはリン原子の場合、tは3である。
【0118】
一般式(6)のR6は、ハロゲン原子、電子吸引性基、ハロゲン原子を含有する基、電子吸引性基を有する基を表し、電子吸引性基を含有する基または電子吸引性基を表し、R6が複数存在する場合、それらは互いに同じであっても異なっていてもよい。電子吸引性の指標としては、ハメット則の置換基定数σ等が知られており、ハメット則の置換基定数σが正である官能基が電子吸引性基としてあげられる。
【0119】
6のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などがあげられる。
【0120】
6の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、カルボニル基、ハイドロカルビルオキシカルボニル基、スルホン基、フェニル基などがあげられる。
【0121】
6のハロゲン原子を含有する基としては、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アラルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基などのハロゲン化ハイドロカルビル基;ハロゲン化ハイドロカルビルオキシ基;ハロゲン化ハイドロカルビルオキシカルボニル基などがあげられる。また、R6の電子吸引性基を有する基としては、シアノ化アリール基などのシアノ化ハイドロカルビル基、ニトロ化アリール基などのニトロ化ハイドロカルビル基などがあげられる。
【0122】
6のハロゲン化アルキル基としては、フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、ジヨードメチル基トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、トリヨードメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリブロモエチル基、2,2,2−トリヨードエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル基、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル基、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基 、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル基 、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル基などがあげられる。
【0123】
6のハロゲン化アリール基としては、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基、パーフルオロ−2−ナフチル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−トリクロロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラクロロ−4−ペンタクロロフェニルフェニル基、パークロロ−1−ナフチル基、パークロロ−2−ナフチル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジブロモフェニル基、3,5−ジブロモフェニル基、2,4,6−トリブロモフェニル基、3,4,5−トリブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−トリブロモメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラブロモ−4−ペンタブロモフェニルフェニル基、パーブロモ−1−ナフチル基、パーブロモ−2−ナフチル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,4−ジヨードフェニル基、2,6−ジヨードフェニル基、3,4−ジヨードフェニル基、3,5−ジヨードフェニル基、2,4,6−トリヨードフェニル基、3,4,5−トリヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨードフェニル基、ペンタヨードフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−トリヨードメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラヨード−4−ペンタヨードフェニルフェニル基、パーヨード−1−ナフチル基、パーヨード−2−ナフチル基などがあげられる。
【0124】
6の(ハロゲン化アルキル)アリール基としては、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基、3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェニル基などがあげられる。
【0125】
6のシアノ化アリール基としては、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基などがあげられる。
【0126】
6のニトロ化アリール基としては、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基などがあげられる。
【0127】
6のハイドロカルビルオキシカルボニル基としては、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基などがあげられ、より具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基などがあげられる。
【0128】
6のハロゲン化ハイドロカルビルオキシカルボニル基としては、ハロゲン化アルコキシカルボニル基、ハロゲン化アラルキルオキシカルボニル基、ハロゲン化アリールオキシカルボニル基などがあげられ、より具体的には、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロフェノキシカルボニル基などがあげられる。
【0129】
6として好ましくは、ハロゲン化ハイドロカルビル基であり、より好ましくは、ハロゲン化アルキル基またはハロゲン化アリール基であり、さらに好ましくは、フッ素化アルキル基、フッ素化アリール基、塩素化アルキル基または塩素化アリール基であり、特に好ましくは、フッ素化アルキル基またはフッ素化アリール基である。フッ素化アルキル基として好ましくは、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基であり、より好ましくは、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル基である。フッ素化アリール基として好ましくは、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェニル基、パーフルオロ−1−ナフチル基またはパーフルオロ−2−ナフチル基であり、より好ましくは、3,5−ジフルオロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基またはペンタフルオロフェニル基である。塩素化アルキル基として好ましくは、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル基、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル基または1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル基である。塩素化アリール基として好ましくは、4−クロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3.5−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、3,4,5−トリクロロフェニル基またはペンタクロロフェニル基である。
【0130】
一般式(7)のT2は、酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはリン原子であり、好ましくは、窒素原子または酸素原子であり、より好ましくは酸素原子である。
【0131】
一般式(7)のsは、T2の原子価を表し、T2が酸素原子または硫黄原子の場合、sは2であり、T2が窒素原子またはリン原子の場合、sは3である。
【0132】
一般式(7)のR7は、ハイドロカルビル基またはハロゲン化ハイドロカルビル基を表す。R7のハイドロカルビル基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基などがあげられ、Lのアルキル基、アラルキル基、アリール基として例示した基を例示することができる。R7のハロゲン化ハイドロカルビル基としては、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アラルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基などのハロゲン化ハイドロカルビル基などがあげられ、R6のハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、(ハロゲン化アルキル)アリール基として例示した基を例示することができる。
【0133】
7として好ましくは、ハロゲン化ハイドロカルビル基であり、より好ましくは、フッ素化ハイドロカルビル基である。
【0134】
成分(b1)の一般式(5)で表される化合物としては、M3が亜鉛原子である化合物として、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジ−n−ヘキシル亜鉛等のジアルキル亜鉛;ジフェニル亜鉛、ジナフチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛等のジアリール亜鉛;ジアリル亜鉛等のジアルケニル亜鉛;ビス(シクロペンタジエニル)亜鉛;塩化メチル亜鉛、塩化エチル亜鉛、塩化n−プロピル亜鉛、塩化イソプロピル亜鉛、塩化n−ブチル亜鉛、塩化イソブチル亜鉛、塩化n−ヘキシル亜鉛、臭化メチル亜鉛、臭化エチル亜鉛、臭化n−プロピル亜鉛、臭化イソプロピル亜鉛、臭化n−ブチル亜鉛、臭化イソブチル亜鉛、臭化n−ヘキシル亜鉛、よう化メチル亜鉛、よう化エチル亜鉛、よう化n−プロピル亜鉛、よう化イソプロピル亜鉛、よう化n−ブチル亜鉛、よう化イソブチル亜鉛、よう化n−ヘキシル亜鉛等のハロゲン化アルキル亜鉛;ふっ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、よう化亜鉛等のハロゲン化亜鉛等があげられる。
【0135】
成分(b1)の一般式(5)で表される化合物として好ましくは、ジアルキル亜鉛であり、さらに好ましくは、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジ−n−プロピル亜鉛、ジイソプロピル亜鉛、ジ−n−ブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、またはジ−n−ヘキシル亜鉛であり、特に好ましくはジメチル亜鉛またはジエチル亜鉛である。
【0136】
成分(b2)の一般式(6)で表される化合物としては、アミン、ホスフィン、アルコール、チオール、フェノール、チオフェノール、ナフトール、ナフチルチオール、カルボン酸化合物などがあげられる。
【0137】
アミンとしては、ジ(フルオロメチル)アミン、ビス(ジフルオロメチル)アミン、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2−フルオロフェニル)アミン、ビス(3−フルオロフェニル)アミン、ビス(4−フルオロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、ビス(2−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2−シアノフェニル)アミン、(3−シアノフェニル)アミン、ビス(4−シアノフェニル)アミン、ビス(2−ニトロフェニル)アミン、ビス(3−ニトロフェニル)アミン、ビス(4−ニトロフェニル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロブチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロペンチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロヘキシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロオクチル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロドデシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロペンタデシル)アミン、ビス(1H,1H−パーフルオロエイコシル)アミンなどをあげることができる。また、これらのアミンのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したアミンをあげることができる。
【0138】
ホスフィンとしては、上記アミンの窒素原子をリン原子に変更した化合物をあげることができる。それらのホスフィンは、上記アミン中のアミンをホスフィンに置き換えることによって表される化合物である。
【0139】
アルコールとしては、フルオロメタノール、ジフルオロメタノール、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1H,1H−パーフルオロブタノール、1H,1H−パーフルオロペンタノール、1H,1H−パーフルオロヘキサノール、1H,1H−パーフルオロオクタノール、1H,1H−パーフルオロドデカノール、1H,1H−パーフルオロペンタデカノール、1H,1H−パーフルオロエイコサノールなどをあげることができる。また、これらのアルコールのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したアルコールをあげることができる。
【0140】
チオールとしては、上記アルコールの酸素原子を硫黄原子に変更した化合物をあげることができる。それらのチオールは、上記アルコール中のノールをンチオールに置き換えることによって表される化合物である。
【0141】
フェノールとしては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,4−ジフルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,4−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリフルオロメチルフェノール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ペンタフルオロフェニルフェノールなどをあげることができる。また、これらのフェノールのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したフェノールをあげることができる。
【0142】
チオフェノールとしては、上記フェノールの酸素原子を硫黄原子に変更した化合物をあげることができる。それらのチオフェノールは、上記フェノール中のフェノールをチオフェノールに置き換えることによって表される化合物である。
【0143】
ナフトールとしては、パーフルオロ−1−ナフトール、パーフルオロ−2−ナフトール、4,5,6,7,8−ペンタフルオロ−2−ナフトール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノールなどをあげることができる。また、これらのナフトールのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したナフトールをあげることができる。
【0144】
ナフチルチオールとしては、上記ナフトールの酸素原子を硫黄原子に変更した化合物をあげることができる。それらのナフチオールは、上記ナフトール中のナフトールをナフチルチオールに置き換えることによって表される化合物である。
【0145】
カルボン酸化合物としては、例えば、ペンタフルオロベンゾイックアシッド、パーフルオロエタノイックアシッド、パーフルオロプロパノイックアシッド、パーフルオロブタノイックアシッド、パーフルオロペンタノイックアシッド、パーフルオロヘキサノイックアシッド、パーフルオロヘプタノイックアシッド、パーフルオロオクタノイックアシッド、パーフルオロノナノイックアシッド、パーフルオロデカノイックアシッド、パーフルオロウンデカノイックアシッド、パーフルオロドデカノイックアシッドなどをあげることができる。
【0146】
成分(b2)の一般式(6)で表される化合物として好ましくは、アミン、アルコールまたはフェノール化合物であり、アミンとして好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミンまたはビス(ペンタフルオロフェニル)アミンであり、アルコールとして好ましくは、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノールまたは1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールであり、フェノールとして好ましくは、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールまたは3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)フェノールである。
【0147】
成分(b2)の一般式(6)で表される化合物としてより好ましくは、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノールまたは2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールであり、さらに好ましくは、3,5−ジフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノールまたは1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールである。
【0148】
成分(b3)の一般式(7)で表される化合物としては、水、硫化水素、アミン、アニリン化合物などをあげることができる。
【0149】
アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、イソペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−エイコシルアミン等のアルキルアミン;ベンジルアミン、(2−メチルフェニル)メチルアミン、(3−メチルフェニル)メチルアミン、(4−メチルフェニル)メチルアミン、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(ペンタメチルフェニル)メチルアミン、(エチルフェニル)メチルアミン、(n−プロピルフェニル)メチルアミン、(イソプロピルフェニル)メチルアミン、(n−ブチルフェニル)メチルアミン、(sec−ブチルフェニル)メチルアミン、(tert−ブチルフェニル)メチルアミン、(n−ペンチルフェニル)メチルアミン、(ネオペンチルフェニル)メチルアミン、(n−ヘキシルフェニル)メチルアミン、(n−オクチルフェニル)メチルアミン、(n−デシルフェニル)メチルアミン、(n−テトラデシルフェニル)メチルアミン、ナフチルメチルアミン、アントラセニルメチルアミン等のアラルキルアミン;アリルアミン;シクロペンタジエニルアミンなどがあげられる。
【0150】
また、アミンとしては、フルオロメチルアミン、ジフルオロメチルアミン、トリフルオロメチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルアミン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミンなどのハロゲン化アルキルアミンなどがあげられる。また、これらのアミンのフルオロをクロロ、ブロモまたはヨードに変更したアミンをあげることができる。
【0151】
アニリン化合物としては、アニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、2,3−ジメチルアニリン、2,4−ジメチルアニリン、2,5−ジメチルアニリン、2,6−ジメチルアニリン、3,4−ジメチルアニリン、3,5−ジメチルアニリン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,3,5−トリメチルアニリン、2,3,6−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5−トリメチルアニリン、2,3,4,5−テトラメチルアニリン、2,3,4,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、ペンタメチルアニリン、2−エチルアニリン、3−エチルアニリン、4−エチルアニリン、2,3−ジエチルアニリン、2,4−ジエチルアニリン、2,5−ジエチルアニリン、2,6−ジエチルアニリン、3,4−ジエチルアニリン、3,5−ジエチルアニリン、2,3,4−トリエチルアニリン、2,3,5−トリエチルアニリン、2,3,6−トリエチルアニリン、2,4,6−トリエチルアニリン、3,4,5−トリエチルアニリン、2,3,4,5−テトラエチルアニリン、2,3,4,6−テトラエチルアニリン、2,3,5,6−テトラエチルアニリン、ペンタエチルアニリンなどをあげることができる。また、これらのアニリン化合物のエチルをn−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−デシル、n−ドデシル、n−テトラデシルなどに変更したアニリン化合物などがあげられる。
【0152】
また、アニリン化合物としては、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)アニリン、3,4,5−トリ(トリフルオロメチル)アニリンなどをあげることができる。また、これらのアニリン化合物のフルオロをクロロ、ブロモ、ヨードなどに変更したアニリン化合物をあげることができる。
【0153】
成分(b3)の一般式(7)で表される化合物として好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−オクチルアミン、アニリン、2,6−ジメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、ベンジルアミン、トリフルオロメチルアミン、ペンタフルオロエチルアミン、パーフルオロプロピルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロペンチルアミン、パーフルオロヘキシルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロドデシルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、パーフルオロエイコシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、特に好ましくは、水、トリフルオロメチルアミン、パーフルオロブチルアミン、パーフルオロオクチルアミン、パーフルオロペンタデシルアミン、2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、3,4,5−トリフルオロアニリン、ペンタフルオロアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ビス(トリフルオロメチル)アニリン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)アニリン、または3,4,5−トリス(トリフルオロメチル)アニリンであり、もっとも好ましくは水またはペンタフルオロアニリンである。
【0154】
成分(b4)の粒子状担体としては、重合用触媒調製用の溶媒あるいは重合溶媒に不溶な固体状物質が好適に用いられ、多孔質の物質がより好適に用いられ、無機物質または有機ポリマーが更に好適に用いられ、無機物質が特に好適に用いられる。
【0155】
成分(b4)の粒子状担体は、粒径の整ったものであることが好ましく、成分(b4)の粒子状担体の粒径の体積基準の幾何標準偏差は、好ましくは2.5以下であり、より好ましくは2.0以下であり、更に好ましくは1.7以下である。
【0156】
成分(b4)の粒子状担体の無機物質としては、無機酸化物、粘土、粘土鉱物などをあげることができる。また、これらを複数混合して用いてもよい。
【0157】
無機酸化物としては、SiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、ThO2、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、SiO2−TiO2−MgO、ならびに、これら2種以上の混合物をあげることができる。これらの無機酸化物の中では、SiO2および/またはAl23が好ましく、特にSiO2(シリカ)が好ましい。なお、上記無機酸化物は少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO32、Al(NO33、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有してもよい。
【0158】
また、無機酸化物には通常、表面に水酸基が生成し存在しているが、無機酸化物として、表面水酸基の活性水素を種々の置換基で置換した改質無機酸化物を使用してもよい。改質無機酸化物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン等のトリアルキルクロロシラン;トリフェニルクロロシラン等のトリアリールクロロシラン;ジメチルジクロロシラン等のジアルキルジクロロシラン;ジフェニルジクロロシラン等のジアリールジクロロシラン;メチルトリクロロシラン等のアルキルトリクロロシラン;フェニルトリクロロシラン等のアリールトリクロロシラン;トリメチルメトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン;トリフェニルメトキシシラン等のトリアリールアルコシキシラン;ジメチルジメトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン;ジフェニルジメトキシシラン等のジアリールジアルコキシシラン;メチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン;フェニルトリメトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン;テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン;1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のアルキルジシラザン;テトラクロロシラン;メタノール、エタノール等のアルコール;フェノール;ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、ブチルオクチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム;ブチルリチウム等のアルキルリチウム等と接触された無機酸化物をあげることができる。
【0159】
更に、トリアルキルアルミニウムとの接触後、ジエチルアミンおよびジフェニルアミン等のジアルキルアミン、メタノールおよびエタノール等のアルコール、フェノールと接触された無機酸化物を例示することができる。
【0160】
また、無機酸化物は水酸基同士が水素結合することにより無機酸化物自体の強度が高まっていることがある。その場合、仮に表面水酸基の活性水素全てについて種々の置換基で置換してしまうと、粒子強度の低下等を招く場合がある。よって、無機酸化物の表面水酸基の活性水素は必ずしも全て置換する必要はなく、表面水酸基の置換率は適宜決めればよい。表面水酸基の置換率を変化させる方法は特に限定されない。該方法としては、例えば、接触に使用する化合物の使用量を変化させる方法を例示することができる。
【0161】
粘土または粘土鉱物としては、カオリン、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、アロフェン、ヒシンゲル石、バイロフィライト、タルク、ウンモ群、スメクタイト、モンモリロナイト群、ヘクトライト、ラポナイト、サポナイト、バーミキュライト、リョクデイ石群、パリゴルスカイト、カオリナイト、ナクライト、ディッカイト、ハロイサイトなどをあげることができる。これらの中で好ましくは、スメクタイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ラポナイト、サポナイトであり、更に好ましくはモンモリロナイト、ヘクトライトである。
【0162】
無機物質としては、無機酸化物が好適に用いられる。無機物質は、乾燥し実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥させたものが好ましい。加熱処理は、通常、目視で水分を確認できない無機物質について温度100〜1,500℃で、好ましくは100〜1,000℃で、さらに好ましくは200〜800℃で実施される。加熱時間は、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。加熱乾燥の方法としては、加熱中に乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させて乾燥する方法、減圧下で加熱減圧する方法等をあげることができる。
【0163】
無機物質の平均粒子径は、通常1〜5000μmであり、好ましくは、5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmであり、更に好ましくは10〜100μmである。細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積は、好ましくは10〜1000m2/gであり、より好ましくは100〜500m2/gである。
【0164】
成分(b4)の粒子状担体の有機ポリマーとしては、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体が好ましい。
【0165】
活性水素を有する官能基としては、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ヒドロキシ基、ヒドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、カルバゾリル基等があげられる。好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基、チオール基である。特に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはヒドロキシ基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
【0166】
非プロトン供与性のルイス塩基性官能基は、活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基であり、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基、ニトリル基、アジド基、N−置換イミノ基、N,N−置換アミノ基、N,N−置換アミノオキシ基、N,N,N−置換ヒドラジノ基、ニトロソ基、ニトロ基、ニトロオキシ基、フリル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、N,N−置換カルバモイル基、チオアルコキシ基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、置換スルホン酸基等があげられる。好ましくは、複素環基であり、さらに好ましくは、酸素原子および/または窒素原子を環内に有する芳香族複素環基である。特に好ましくは、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基であり、最も好ましくはピリジル基である。なお、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
【0167】
有機ポリマーにおいて、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基の含有量は、有機ポリマーを構成する重合体単位グラムあたりの官能基のモル量として、好ましくは0.01〜50mmol/gであり、より好ましくは0.1〜20mmol/gである。
【0168】
上記の活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体の製造方法としては、例えば、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基と1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーを単独重合させる方法、該モノマーと重合性不飽和基を有する他のモノマーとを共重合させる方法をあげることができる。このとき更に重合性不飽和基を2個以上有する架橋重合性モノマーをも一緒に共重合することが好ましい。
【0169】
上記の重合性不飽和基としては、ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチン基等のアルキニル基等をあげることができる。
【0170】
活性水素を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、ビニル基含有1級アミン、ビニル基含有2級アミン、ビニル基含有アミド化合物、ビニル基含有ヒドロキシ化合物などをあげることができる。該モノマーの具体例としては、N−(1−エテニル)アミン、N−(2−プロペニル)アミン、N−(1−エテニル)−N−メチルアミン、N−(2−プロペニル)−N−メチルアミン、1−エテニルアミド、2−プロペニルアミド、N−メチル−(1−エテニル)アミド、N−メチル−(2−プロペニル)アミド、ビニルアルコール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オールなどがあげられる。
【0171】
活性水素原子を有しないルイス塩基部分を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、ビニルピリジン、ビニル(N−置換)イミダゾール、ビニル(N−置換)インダゾールなどをあげることができる。
【0172】
重合性不飽和基を有する他のモノマーとしては、例えば、エチレン、α−オレフィン、芳香族ビニル化合物、環状オレフィンなどをあげることができる。該モノマーの具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンである。これらのモノマーは2種以上を用いてもよい。好ましくは、エチレン、スチレンである。また、重合性不飽和基を2個以上有する架橋重合性モノマーとしては、ジビニルベンゼン等をあげることができる。
【0173】
有機ポリマーの平均粒子径は、通常1〜5000μmであり、好ましくは5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。比表面積は、好ましくは10〜1000m2/gであり、より好ましくは50〜500m2/gである。
【0174】
有機ポリマーは、乾燥され、実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱処理により乾燥されたものが好ましい。加熱処理の温度は、目視で水分を確認できない有機ポリマーについては、通常30〜400℃であり、好ましくは50〜200℃であり、更に好ましくは70〜150℃である。加熱時間は、好ましくは10分間〜50時間であり、より好ましくは1時間〜30時間である。加熱乾燥の方法としては、加熱中に、乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させて乾燥する方法、減圧下で加熱乾燥する方法等をあげることができる。
【0175】
助触媒成分(B)は、成分(b1)、成分(b2)、成分(b3)および成分(b4)を接触させて形成されるものである。成分(b1)、成分(b2)、成分(b3)および成分(b4))の接触順序としては、次の順序があげられる。
<1> 成分(b1)と成分(b2)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触される。
<2> 成分(b1)と成分(b2)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触される。
<3> 成分(b1)と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触される。
<4> 成分(b1)と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触される。
<5> 成分(b1)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触される。
<6> 成分(b1)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触される。
<7> 成分(b2)と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触される。
<8> 成分(b2)と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触される。
<9> 成分(b2)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触される。
<10> 成分(b2)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b3)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触される。
<11> 成分(b3)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触される。
<12> 成分(b3)と成分(b4)とが接触され、該接触による接触物と成分(b2)とが接触され、該接触による接触物と成分(b1)とが接触される。
【0176】
成分(b1)、成分(b2)、成分(b3)および成分(b4)との接触は、不活性気体雰囲気下で実施されることが好ましい。接触温度は、通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。接触時間は、通常1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。また、接触には溶媒が用いられていてもよく、用いられることなくこれらの化合物が直接接触されていてもよい。
【0177】
溶媒が使用される場合、成分(b1)、成分(b2)、成分(b3)および成分(b4)、およびそれらの接触物と反応しないものが用いられる。しかしながら、上述のように、段階的に各成分が接触される場合には、ある段階においてある成分と反応する溶媒であっても、該溶媒が他の段階において各成分と反応しない溶媒であれば、該溶媒は他の段階で用いられることができる。つまり、各段階における溶媒は相互に、同じかまたは異なる。該溶媒としては、例えば、脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒等の非極性溶媒;ハロゲン化物溶媒、エーテル系溶媒、アルコール系溶媒、フェノール系溶媒、カルボニル系溶媒、リン酸誘導体、ニトリル系溶媒、ニトロ化合物、アミン系溶媒、硫黄化合物等の極性溶媒をあげることができる。具体例としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、2,2,4−トリメチルペンタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、ジフルオロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化物溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチル−エーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル系溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒;フェノール、p−クレゾール等のフェノール系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のカルボニル系溶媒;ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル等のリン酸誘導体;アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;ニトロメタン、ニトロベンゼン等のニトロ化合物;ピリジン、ピペリジン、モルホリン等のアミン系溶媒;ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化合物をあげることができる。
【0178】
成分(b1)、成分(b2)および成分(b3)とが接触されてなる接触物(c)と、成分(b4)とが接触される場合、つまり上記の<1>、<3>、<7>の各方法において、接触物(c)を製造する場合の溶媒(s1)としては、上記の脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒またはエーテル系溶媒が好ましい。
【0179】
一方、接触物(c)と成分(b4)とが接触される場合の溶媒(s2)としては、極性溶媒が好ましい。溶媒の極性を表す指標としては、ETN値(C.Reichardt,“Solvents and Solvents Effects in Organic Chemistry”, 2nd ed., VCH Verlag (1988).)等が知られており、0.8≧ETN≧0.1なる範囲を満足する溶媒が特に好ましい。
【0180】
かかる極性溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロジフルオロメタンクロロホルム、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン、o−ジクロロベンゼン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、アセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、無水酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、リン酸トリエチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ベンゾニトリル、ニトロメタン、ニトロベンゼン、エチレンジアミン、ピリジン、ピペリジン、モルホリン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどをあげることができる。
【0181】
溶媒(s2)として更に好ましくは、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、アニソール、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールであり、特に好ましくは、ジ−n−ブチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタノール、シクロヘキサノールであり、最も好ましくは、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールである。
【0182】
前記溶媒(s2)としては、これら極性溶媒と炭化水素溶媒との混合溶媒が用いられることができる。炭化水素溶媒としては、脂肪族炭化水素溶媒や芳香族炭化水素溶媒として例示した化合物が用いられる。極性溶媒と炭化水素溶媒との混合溶媒としては、例えば、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘキサン/1−プロパノール混合溶媒、ヘキサン/2−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/1−プロパノール混合溶媒、ヘプタン/2−プロパノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、トルエン/1−プロパノール混合溶媒、トルエン/2−プロパノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒、キシレン/1−プロパノール混合溶媒、キシレン/2−プロパノール混合溶媒などをあげることができる。好ましくは、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、ヘプタン/メタノール混合溶媒、ヘプタン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒、キシレン/メタノール混合溶媒、キシレン/エタノール混合溶媒である。更に好ましくは、ヘキサン/メタノール混合溶媒、ヘキサン/エタノール混合溶媒、トルエン/メタノール混合溶媒、トルエン/エタノール混合溶媒である。最も好ましくはトルエン/エタノール混合溶媒である。また、トルエン/エタノール混合溶媒における、エタノール分率の好ましい範囲は10〜50体積%であり、更に好ましくは15〜30体積%である。
【0183】
成分(b1)、成分(b2)および成分(b3)を接触させて形成される接触物(c)と、成分(b4)とが接触される場合、つまり上記の<1>、<3>、<7>の各方法において、溶媒(s1)および溶媒(s2)として、共に炭化水素溶媒を用いることもできる。この場合、成分(b1)、成分(b2)および成分(b3)が接触された後、得られた接触物(c)と成分(b4)とが接触されるまでの時間は短い方が好ましい。時間として好ましくは0〜5時間であり、更に好ましくは0〜3時間であり、最も好ましくは0〜1時間である。また、接触物(c)と成分(b4)とが接触される温度は、通常−100℃〜40℃であり、好ましくは−20℃〜20℃であり、最も好ましくは−10℃〜10℃である。
【0184】
上記の<2>、<5>、<6>、<8>、<9>、<10>、<11>、<12>の場合、上記の非極性溶媒、極性溶媒いずれも使用されることができる。好ましくは、非極性溶媒である。なぜならば、成分(b1)と成分(b3)との接触物や、成分(b1)と成分(b2)との接触物と成分(b3)とが接触されてなる接触物は、一般的に非極性溶媒に対し溶解性が低いので、これら接触物が生成する時に反応系内に成分(b4)が存在する場合、該接触物が成分(b4)の表面に析出し、より固定化されやすい、と考えられるからである。
【0185】
成分(b1)の使用量1モルあたりの成分(b2)および成分(b3)の使用量としては、下記の関係式(V)を満足することが好ましい。
|M3の原子価−成分(b2)のモル量−2×成分(b3)のモル量|≦1 (V)
また、成分(b1)の使用量1モルあたりの成分(b2)の使用量は、好ましくは0.01〜1.99モルであり、より好ましくは0.1〜1.8モルであり、更に好ましくは0.2〜1.5モルであり、最も好ましくは0.3〜1モルである。成分(b1)の使用量1モルあたりの成分(b3)の好ましい使用量、より好ましい使用量、更に好ましい使用量、最も好ましい使用量は、M3の原子価、上記の成分(b1)の使用量1モルあたりの成分(b2)の使用量、および上記関係式(I)によってそれぞれ算出される。
【0186】
成分(b1)および成分(b2)の使用量は、助触媒成分(B)に含まれる成分(b1)に由来する金属原子が、助触媒成分(B)1gあたりに含まれる金属原子のモル数として、好ましくは0.1mmol以上となる量であり、より好ましくは0.5〜20mmolとなる量である。
【0187】
反応をより速く進行させるため、上記のような接触の後に、より高い温度での加熱工程を付加してもよい。加熱工程では、より高温とするために、沸点の高い溶媒を使用することが好ましく、加熱工程を行う際に、接触で用いた溶媒を他のより沸点の高い溶媒に置き換えてもよい。
【0188】
助触媒成分(B)は、このような接触の結果、原料である成分(b1)、成分(b2)、成分(b3)および/または成分(b4)が未反応物として残存していてもよいが、予め未反応物を除去する洗浄処理を行った方が好ましい。その際の溶媒は、接触時の溶媒と同じでも異なっていてもよい。このような洗浄処理は不活性気体雰囲気下で実施するのが好ましい。接触温度は、通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。接触時間は、通常1分間〜200時間であり、好ましくは10分間〜100時間である。
【0189】
また、このような接触や洗浄処理の後、生成物から溶媒を留去し、その後0℃以上の温度で減圧下1時間〜24時間乾燥を行うことが好ましい。より好ましくは0℃〜200℃の温度で1時間〜24時間であり、更に好ましくは10℃〜200℃の温度で1時間〜24時間であり、特に好ましくは10℃〜160℃の温度で2時間〜18時間であり、最も好ましくは15℃〜160℃の温度で4時間〜18時間である。
【0190】
遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)の合計の使用量は、助触媒成分(B)1gあたり、通常、1〜10000μmol/gであり、好ましくは10〜1000μmol/gであり、より好ましくは20〜500μmol/gである。
【0191】
重合用触媒の調製において、遷移金属化合物(A1)、遷移金属化合物(A2)および助触媒成分(B)に加え、有機アルミニウム化合物(C)を接触させてもよい。有機アルミニウム化合物(C)の使用量は、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)の合計のモル数1モルあたりの有機アルミニウム化合物(C)のアルミニウム原子のモル数として、好ましくは、0.1〜1000であり、より好ましくは0.5〜500であり、更に好ましくは1〜100である。
【0192】
有機アルミニウム化合物(C)としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム;ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムクロライド;メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、n−プロピルアルミニウムジクロライド、n−ブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、n−ヘキシルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジクロライド;ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ヘキシルアルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウムハイドライド;メチル(ジメトキシ)アルミニウム、メチル(ジエトキシ)アルミニウム、メチル(ジ−tert−ブトキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアルコキシ)アルミニウム;ジメチル(メトキシ)アルミニウム、ジメチル(エトキシ)アルミニウム、メチル(tert−ブトキシ)アルミニウム等のジアルキル(アルコキシ)アルミニウム;メチル(ジフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、メチルビス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のアルキル(ジアリールオキシ)アルミニウム;ジメチル(フェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジイソプロピルフェノキシ)アルミニウム、ジメチル(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム等のジアルキル(アリールオキシ)アルミニウム等をあげることができる。これらの有機アルミニウム化合物は、一種類のみを用いても、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0193】
有機アルミニウム化合物(C)として好ましくは、トリアルキルアルミニウムであり、より好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムであり、更に好ましくは、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムである。
【0194】
また、重合用触媒の調製において、遷移金属化合物(A1)、遷移金属化合物(A2)および助触媒成分(B)に加え、電子供与性化合物(D)を接触させてもよい。電子供与性化合物(D)の使用量は、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)の合計のモル数1モルあたりの電子供与性化合物(D)のモル数として、好ましくは0.01〜100であり、より好ましくは0.1〜50であり、更に好ましくは0.25〜5である。
【0195】
電子供与性化合物(D)としては、トリエチルアミン、トリノルマルオクチルアミンをあげることができる。
【0196】
遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)と助触媒成分(B)と、必要に応じて、有機アルミニウム化合物(C)と電子供与性化合物(D)との接触は、不活性気体雰囲気下で実施されることが好ましい。接触温度は通常−100〜300℃であり、好ましくは−80〜200℃である。接触時間は通常1分間〜200時間であり、好ましくは30分間〜100時間である。また、接触は、各成分が重合反応槽に別々に投入されて、重合反応器内で行われてもよい。
【0197】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、気相重合法により、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法があげられる。好ましくは、連続気相重合法である。該重合法に用いられる気相重合反応装置としては、通常、流動層型反応槽を有する装置であり、好ましくは、拡大部を有する流動層型反応槽を有する装置である。反応槽内に撹拌翼が設置されていてもよい。
【0198】
重合用触媒、各触媒成分を重合反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。
【0199】
エチレンとα−オレフィンを気相重合する場合、重合温度としては、通常、エチレン−α−オレフィン共重合体が溶融する温度未満であり、好ましくは0〜150℃であり、より好ましくは30〜100℃である。重合反応槽には、不活性ガスを導入してもよく、分子量調節剤として水素を導入してもよい。また、有機アルミニウム化合物(C)、電子供与性化合物(D)を導入してもよい。
【0200】
重合に用いるα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセンなどの炭素原子数3〜20のα−オレフィンがあげられる。これらは単独で用いられていてもよく、2種以上を併用されていてもよい。好ましくは1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンである。エチレンとα−オレフィンとの組み合せとしては、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/1−オクテン、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセン、エチレン/1−ブテン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/1−ブテン/1−オクテン、エチレン/1−ヘキセン/1−オクテン等があげられ、好ましくはエチレン/1−ヘキセン、エチレン/4−メチル−1−ペンテン、エチレン/1−ブテン/1−ヘキセン、エチレン/1−ブテン/1−オクテン、エチレン/1−ヘキセン/1−オクテンである。
【0201】
また、エチレンとα−オレフィンとの共重合においては、必要に応じて、他の単量体を重合反応槽に導入し、本発明の効果を損なわない範囲において、該他の単量体を共重合させてもよい。該他の単量体としては、ジオレフィン、環状オレフィン、アルケニル芳香族炭化水素、α,β−不飽和カルボン酸等をあげることができる。
【0202】
これらの具体例としては、例えば、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,4−ペンタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、ノルボルナジエン、5−メチレン−2−ノルボルネン、1,5−シクロオクタジエン、5,8−エンドメチレンヘキサヒドロナフタレン、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,3−シクロオクタジエン、1,3−シクロヘキサジエン等のジオレフィン;シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、5−アセチルノルボルネン、5−アセチルオキシノルボルネン、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−シアノノルボルネン、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−テトラシクロドデセン、8−シアノテトラシクロドデセン等の環状オレフィン;スチレン、2−フェニルプロピレン、2−フェニルブテン、3−フェニルプロピレン等のアルケニルベンゼン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−エチルスチレン、m−エチルスチレン、o−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、3,4−ジメチルスチレン、3,5−ジメチルスチレン、3−メチル−5−エチルスチレン、p−第3級ブチルスチレン、p−第2級ブチルスチレン等のアルキルスチレン、ジビニルベンゼン等のビスアルケニルベンゼン、1−ビニルナフタレン等のアルケニルナフタレン等のアルケニル芳香族炭化水素;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;α,β−不飽和カルボン酸のナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム等の金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル;マレイン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和カルボン酸グリシジルエステル等があげられる。
【0203】
本発明のエチレン−α−オレフィン共重合体の製造方法としては、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)と助触媒成分(B)と、必要に応じて、更に、有機アルミニウム化合物(C)と電子供与性化合物(D)とを用いて、少量のオレフィンを重合(以下、予備重合と称する。)して得られた予備重合固体成分を、重合用触媒成分または重合用触媒として用いて、エチレンとα−オレフィンとを共重合する方法が好ましい。
【0204】
予備重合で用いられるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、シクロペンテン、シクロヘキセンなどをあげることができる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは、エチレンのみ、あるいはエチレンとα−オレフィンとを併用して、更に好ましくは、エチレンのみ、あるいは1−ブテン、1−ヘキセンおよび1−オクテンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとエチレンとを併用して用いられる。
【0205】
予備重合固体成分中の予備重合された重合体の含有量は、助触媒成分(B)1g当たり、好ましくは0.01〜1000gであり、より好ましくは0.05〜500gであり、更に好ましくは0.1〜200gである。
【0206】
予備重合方法としては、連続重合法でもバッチ重合法でもよく、例えば、バッチ式スラリー重合法、連続式スラリー重合法、連続気相重合法である。予備重合を行う重合反応槽に、遷移金属化合物(A1)と遷移金属化合物(A2)と助触媒成分(B)と、必要に応じて、有機アルミニウム化合物(C)と電子供与性化合物(D)とを投入する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で投入する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で投入する方法が用いられる。
【0207】
予備重合をスラリー重合法で行う場合、溶媒としては、通常、飽和脂肪族炭化水素化合物が用いられ、例えば、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン等があげられる。これらは単独あるいは2種以上組み合わせて用いられる。飽和脂肪族炭化水素化合物としては、常圧における沸点が100℃以下のものが好ましく、常圧における沸点が90℃以下のものがより好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサンが更に好ましい。
【0208】
また、予備重合をスラリー重合法で行う場合、スラリー濃度としては、溶媒1リットル当たりの助触媒成分(B)の量が、通常0.1〜600gであり、好ましくは0.5〜300gである。予備重合温度は、通常−20〜100℃であり、好ましくは0〜80℃である。予備重合中、重合温度は適宜変更してもよい。また、予備重合中の気相部でのオレフィン類の分圧は、通常0.001〜2MPaであり、好ましくは0.01〜1MPaである。予備重合時間は、通常2分間〜15時間である。
【0209】
予備重合された予備重合固体触媒成分を重合反応槽に供給する方法としては、通常、窒素、アルゴン等の不活性ガス、水素、エチレン等を用いて、水分のない状態で供給する方法、各成分を溶媒に溶解または稀釈して、溶液またはスラリー状態で供給する方法が用いられる。
【0210】
本発明の発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体には、必要に応じて、公知の添加剤を含有させてもよい。該添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー等があげられる。
【0211】
本発明の架橋発泡用樹脂組成物は、前記発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体と、分解温度が120〜240℃である熱分解型発泡剤とを含有する。該熱分解型発泡剤は特に限定されるものではなく、公知の熱分解型発泡剤が使用できる。また複数の熱分解型発泡剤を併用してもよい。
【0212】
熱分解型発泡剤としては、炭酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等の無機系発泡剤;アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム、アゾビスブチロニトリル、ニトロジグアニジン、N,N-ジニトロペンタメチレンテトラミン、N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソテレフタルアミド、p-トルエンスルホニルヒドラジド、p-トルエンスルホニルセルカルバジド、p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、アゾビスイソブチロニトリル、p,p'-オキシビスベンゼンスルホニルセミカルバジッド、5-フェニルテトラゾール、トリヒドラジノトリアジン、ヒドラゾジカルボンアミド等の有機系発泡剤等が挙げられる。これらの中でもアゾジカルボンアミド、炭酸水素ナトリウム、p'-オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジドを用いることが経済性の観点から好ましい。成形温度範囲が広いことや、気泡が微細な架橋発泡成形体が得られることから、アゾジカルボンアミドおよび炭酸水素ナトリウムを含有する発泡剤を用いることが特に好ましい。
【0213】
本発明における熱分解型発泡剤は、分解温度が120〜240℃である。分解温度が200℃より高い熱分解型発泡剤を使用する場合には、発泡助剤を併用することにより分解温度を200℃以下に下げて使用することが好ましい。発泡助剤としては、酸化亜鉛、酸化鉛などの金属酸化物;炭酸亜鉛等の金属炭酸塩;塩化亜鉛等の金属塩化物;尿素;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ラウリン酸亜鉛、2−エチルヘキソイン酸亜鉛、二塩基性フタル酸鉛等の金属石鹸;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジマレート等の有機錫化合物;三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛等の無機塩類をあげることができる。
【0214】
熱分解型発泡剤として、熱分解型発泡剤と発泡助剤と樹脂とから構成されるマスターバッチを用いることもできる。マスターバッチに用いられる樹脂の種類は本発明の効果が阻害されなければ特に限定はされないが、本発明の樹脂組成物に含まれるエチレン−α−オレフィン共重合体、または高圧法低密度ポリエチレンであることが好ましい。マスターバッチに含有される熱分解型発泡剤および発泡助剤の合計量は、該マスターバッチを構成する樹脂を100重量%とするとき、通常5〜90重量%である。
【0215】
より微細な気泡を有する発泡体を得るためには、発泡核剤を併用することが好ましい。発泡核剤としてはタルク、シリカ、マイカ、ゼオライト、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、アルミノシリケート、クレー、石英粉、珪藻土類の無機充填剤;ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンからなる粒径100μm以下のビーズ;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、安息香酸ナトリウム、安息香酸カルシウム、安息香酸アルミニウム、酸化マグネシウム等の金属塩を例示することができ、これらを2種類以上組み合わせてもよい。
【0216】
本発明の発泡用樹脂組成物は、前記したエチレン−α−オレフィン共重合体100重量部と、該共重合体100重量部に対し、熱分解型発泡剤を1〜80重量部含有することが好ましく、10〜70重量部含有することがより好ましい。
【0217】
本発明の発泡用樹脂組成物は、必要に応じ、架橋助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、顔料、充填剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤などの公知の添加剤を含有していてもよい。
【0218】
本発明の発泡用樹脂組成物は、必要に応じ、前記エチレン−α−オレフィン共重合体とは異なる熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーを含有してもよい。該熱可塑性樹脂や熱可塑性エラストマーとしては、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体の金属塩、ポリプロピレン、ポリスチレン、ABS樹脂、スチレン・ブタジエンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレンブロック共重合体およびその水素添加物などのスチレン系重合体、ポリエチレンテレフタレートおよびポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル類、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6・66などのポリアミド類、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリアセタール、ポリフェニレンスルフィド、エチレン・プロピレン共重合ゴム、スチレン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。
【0219】
前記発泡用樹脂組成物を、該組成物に含まれる熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度で混練して、押出成形や射出成形することにより、無架橋の発泡体を得ることができる。また、該発泡用樹脂組成物を用いて、以下の方法で架橋発泡体を得ることができる。
【0220】
まず、発泡用樹脂組成物を、該樹脂組成物に含まれる熱分解型発泡剤が分解しない温度で混練して架橋発泡体原反を得る。架橋発泡体原反の形状は特に限定されない。例えばシートに成形する方法としては、カレンダーロールでシート状に成形する方法、プレス成形機でシート状に成形する方法、Tダイまたは環状ダイから溶融押出ししてシート状に成形する方法などがあげられる。混練温度は、熱分解型発泡剤の分解温度より50℃以上低く、かつ成分(A)の融点よりも20℃以上高い温度であることが好ましい。
【0221】
次に、前記架橋発泡体原反に電離性放射線を照射し、架橋を行う。架橋発泡体原反に照射する電離性放射線としては、α線、β線、γ線、電子線、中性子線、X線などが挙げられる。これらのうちコバルト−60のγ線、または電子線が好ましい。架橋発泡体原反がシート状である場合、電離性放射線は少なくとも一面から照射すればよい。
【0222】
電離性放射線の照射は、公知の電離性放射線照射装置を用いて行われ、照射量は、通常5〜200kGyであり、好ましくは30〜100kGyである。本発明の発泡用樹脂組成物は、従来の発泡用樹脂組成物に比べて、少ない放射線照射量で、発泡倍率に優れる架橋発泡体を製造することができる。
【0223】
架橋発泡体原反を架橋した後、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡せしめることにより、架橋発泡体を得ることができる。
架橋した架橋発泡体原反を加熱して発泡せしめる方法としては、公知の方法を適用することができ、縦型熱風発泡法、横型熱風発泡法、横型薬液発泡法等の架橋発泡体原反を連続的に加熱発泡処理できる方法が好ましい。加熱温度は、熱分解型発泡剤の分解温度以上の温度であり、好ましくは、熱分解型発泡剤の分解温度から5〜50℃高い温度である。また、加熱時間は、オーブンで加熱する場合、通常3〜7分である。
【0224】
電離性放射線によって架橋させる場合、架橋助剤を含む樹脂組成物を用いて得られる架橋発泡体原反を使用することで、発泡倍率および強度に優れる発泡体を得ることができる。架橋助剤とは、架橋タイプの熱可塑性樹脂組成物の架橋度を高め、樹脂組成物の機械的特性を向上するためのものであり、分子内に二重結合を複数持つ化合物が好ましく用いられる。架橋助剤としては、例えば、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、トルイレンビスマレイミド、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、p−キノンジオキシム、ニトロベンゼン、ジフェニルグアニジン、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリレート等を挙げることができる。また、これらの架橋助剤は、複数を組み合せて使用してもよい。
【0225】
架橋助剤の添加量は、架橋発泡用樹脂組成物に含まれる熱可塑性樹脂の合計100重量部に対して、0.01〜4.0重量部であることが好ましく、0.05〜2.0重量部であることがより好ましい。
【0226】
電離性放射線によって架橋させる場合、架橋剤を使用することで発泡倍率および強度に優れる発泡体を得ることができる。架橋剤としては、発泡用樹脂組成物に含まれる樹脂成分の流動開始温度以上の分解温度を有する有機過酸化物が好適に用いられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジターシャリーブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジターシャリーブチルパーオキシヘキシン、α,α−ジターシャリーブチルパーオキシイソプロピルベンゼン、ターシャリーブチルパーオキシケトン、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエートなどをあげることができる。
【0227】
本発明の発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体、または前記発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体および熱分解型発泡剤を含む発泡用樹脂組成物を用いて、次の方法で無架橋の発泡体を製造することもできる。
発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体または発泡用樹脂組成物を、押出機中で溶融混練し、ここに物理発泡剤を注入してさらに混練した後、押出機より低圧条件下に押出して発泡せしめる方法である。ここで「押出機より低圧条件下」とは、例えば大気圧条件である。また、発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体または発泡用樹脂組成物と物理発泡剤とを併用して、射出成形によって無架橋の発泡体を製造することもできる。
物理発泡剤としては、メタノール、エタノール、プロパン、ブタン、ペンタンなどの低沸点有機溶剤の蒸気;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、フロン、三フッ化窒素などのハロゲン系不活性溶剤の蒸気;二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、アスタチンなどの不活性ガスが挙げられる。
発泡用樹脂組成物を用いて上記の方法で発泡体を製造する場合、該樹脂組成物に含まれる熱分解型発泡剤の量は、該組成物に含まれる樹脂成分100重量部に対し、0.1〜5重量部であることが好ましい。
【0228】
本発明により得られる無架橋発泡体および架橋発泡体は、いずれも緩衝材、断熱材、遮音材、保温保冷材等に好適に用いられる。
【実施例】
【0229】
以下、実施例および比較例により本発明を説明する。
実施例および比較例での物性は、次の方法に従って測定した。
【0230】
(1)密度(d、単位:Kg/m3
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、試料には、JIS K6760−1995に記載のアニーリングを行った。
【0231】
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10分)
JIS K7210−1995に規定された方法において、荷重21.18N、温度190℃の条件で、A法により測定した。
【0232】
(3)スウェル比(SR)
(2)のメルトフローレートの測定において、温度190℃、荷重21.18Nの条件で、オリフィスから15〜20mm程度の長さで押出したエチレン−α−オレフィン共重合体のストランドを、空気中で冷却し、固体状のストランドを得た。次に、該ストランドの押出し上流側先端から約5mmの位置でのストランドの直径D(単位:mm)を測定し、その直径Dをオリフィス径2.095mm(D0)で除した値(D/D0)を算出し、スウェル比とした。
【0233】
(4)分子量分布(Mw/Mn、Mz/Mw)
ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法を用いて、下記の条件(1)〜(8)により、z平均分子量(Mz)、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定し、Mw/MnとMz/Mwを求めた。クロマトグラム上のベースラインは、試料溶出ピークが出現するよりも十分に保持時間が短い安定した水平な領域の点と、溶媒溶出ピークが観測されたよりも十分に保持時間が長い安定した水平な領域の点とを結んでできる直線とした。
(1)装置:Waters製Waters150C
(2)分離カラム:TOSOH TSKgelGMH6−HT
(3)測定温度:140℃
(4)キャリア:オルトジクロロベンゼン
(5)流量:1.0mL/分
(6)注入量:500μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準物質:標準ポリスチレン
【0234】
(5)流動の活性化エネルギー(Ea、単位:kJ/mol)
粘弾性測定装置(Rheometrics社製Rheometrics Mechanical Spectrometer RMS−800)を用いて、下記測定条件で130℃、150℃、170℃および190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線を測定し、次に、得られた溶融複素粘度−角周波数曲線から、Rheometrics社製計算ソフトウェア Rhios V.4.4.4を用いて、190℃での溶融複素粘度−角周波数曲線のマスターカーブを作成し、活性化エネルギー(Ea)を求めた。
<測定条件>
ジオメトリー:パラレルプレート
プレート直径:25mm
プレート間隔:1.5〜2mm
ストレイン :5%
角周波数 :0.1〜100rad/秒
測定雰囲気 :窒素
【0235】
(6)メルトテンション(MT、単位:cN)
東洋精機製作所製メルトテンションテスターを用い、190℃の温度および0.32g/分の押出速度で、直径2.095mm、長さ8mmのオリフィスからエチレン−α−オレフィン共重合体を溶融押出し、該押出された溶融したエチレン−α−オレフィン共重合体を引取ロールにより6.3(m/分)/分の引取上昇速度でフィラメント状に引取り、引取る際の張力を測定した。引取開始からフィラメント状のエチレン−α−オレフィン共重合体が切断するまでの間の最大張力をメルトテンションとした。
【0236】
(7)炭素数5以上の分岐数(NLCB、単位:1/1000C)
カーボン核磁気共鳴法によって、次の測定条件により、カーボン核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定し、下記算出方法より求めた。
<測定条件>
装置 :Bruker社製 AVANCE600
測定溶媒:1,2−ジクロロベンゼン/1,2−ジクロロベンゼン−d4
=75/25(容積比)の混合液
測定温度:130℃
測定方法:プロトンデカップリング法
パルス幅:45度
パルス繰り返し時間:4秒
測定基準:トリメチルシラン
窓関数 :負の指数関数
<算出方法>
5〜50ppmに観測されるすべてのピークの総和を1000として、38.22〜38.27ppm付近にピークトップを有するピークのピーク面積を求めた。当該ピークのピーク面積は、高磁場側で隣接するピークとの谷のケミカルシフトから、低磁場側で隣接するピークとの谷のケミカルシフトまでの範囲でのシグナルの面積とした。なお、本条件によるエチレン−1−オクテン共重合体の測定では、炭素数6の分岐が結合したメチン炭素に由来するピークのピークトップの位置は、38.21ppmであった。
【0237】
(8)溶融樹脂の伸張粘度測定
伸張粘度測定装置(TAインスツルメント社製ARES)を用いて、Hencky歪における0.1s−1と1s−1の歪速度で、130℃での溶融樹脂の伸張粘度−時間曲線を測定した。測定試験片としては、プレス成形して得られる18mm×10mm、厚さ0.7mm、のシ一トを用いた。
【0238】
(9)発泡体密度(d、単位:Kg/m3
JIS K7112−1980のうち、A法に規定された方法に従って測定した。なお、発泡体試料にはアニーリングは行っていない。
【0239】
(10)発泡倍率(単位:倍)
上記の(1)密度の方法で求めた樹脂の密度と(9)で求めた発泡体密度から、下記式により算出した。
発泡倍率=樹脂の密度/発泡体の密度
【0240】
[実施例1]
(1)固体触媒成分の調製
窒素置換した撹拌機を備えた反応器に、窒素流通下で300℃において加熱処理したシリカ(デビソン社製 Sylopol948;50%体積平均粒子径=55μm;細孔容量=1.67ml/g;比表面積=325m2/g)2.8kgとトルエン24kgとを入れて、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.9kgとトルエン1.4kgとの混合溶液を反応器の温度を5℃に保ちながら30分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に95℃に昇温し、95℃で3時間撹拌し、ろ過した。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで6回、洗浄を行った。その後、トルエン7.1kgを加えスラリーとし、一晩静置した。
【0241】
上記で得られたスラリーに、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液(ジエチル亜鉛濃度:50重量%)1.73kgとヘキサン1.02kgとを投入し、撹拌した。その後、5℃に冷却した後、3,4,5−トリフルオロフェノール0.78kgとトルエン1.44kgとの混合溶液を、反応器の温度を5℃に保ちながら60分間で滴下した。滴下終了後、5℃で1時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で1時間撹拌した。その後、22℃に冷却し、H2O0.11kgを反応器の温度を22℃に保ちながら1.5時間で滴下した。滴下終了後、22℃で1.5時間撹拌し、次に40℃に昇温し、40℃で2時間撹拌し、更に80℃に昇温し、80℃で2時間撹拌した。撹拌後、室温にて、残量16Lまで上澄み液を抜き出し、トルエン11.6kgを投入し、次に、95℃に昇温し、4時間撹拌した。撹拌後、室温にて、上澄み液を抜き出し、固体生成物を得た。得られた固体生成物をトルエン20.8kgで4回、ヘキサン24リットルで3回、洗浄を行った。その後、乾燥することにより、固体触媒成分を得た。
【0242】
(2)予備重合
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付き反応器に、常温下でブタン80リットルを投入し、次に、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド32.4mmolを投入した。その後、反応器内の温度を50℃まで上昇させ、2時間攪拌した。反応器内の温度を30℃まで降温し、エチレンを0.1kg、水素を常温常圧として0.1L投入した。次に、実施例1(1)に記載の方法と同様にして調製した、固体触媒成分697 gを投入した。その後、トルエン300mlに溶解したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド2.59mmolを投入した。系内が安定した後、トリイソブチルアルミニウム140mmolを投入して重合を開始した。
【0243】
重合開始後、反応器内の重合温度を30℃で0.5時間運転を行い、その後30分かけて50℃まで昇温して、その後は50℃で重合を行った。最初の0.5時間は、エチレンを0.6kg/hrで供給し、水素を常温常圧として0.7リットル/hrの速度で供給し、重合開始後0.5時間からは、エチレンを3.2kg/hr、水素を常温常圧として9.6リットル/hrの速度で供給し、合計6時間の予備重合を実施した。重合終了後、反応器内圧力を0.6MPaGまでパージし、スラリー状予備重合触媒成分を乾燥器に移送して、窒素流通乾燥を実施して、予備重合触媒成分を得た。該予備重合触媒成分中のエチレン重合体の予備重合量は、粒子状固体触媒成分1g当り21.3gであり、予備重合触媒成分の嵩密度は461kg/m3であった。
【0244】
(3)気相重合
連続式流動床気相重合装置を用い、重合温度:86℃、圧力:2.0MPaG、ホールドアップ量:80kg、ガス組成:エチレン88.5mol%、水素0.69mol%、1−ヘキセン1.33mol%、窒素8.7mol%、循環ガス線速度:0.34m/s、上記実施例3(1)で得た予備重合触媒成分の供給量:66.0g/hr、トリイソブチルアルミニウムの供給量:20mmol/hrの条件で、エチレンと1−ヘキセンとの共重合を行ったところ、18.6kg/hrの生成速度でエチレン−1−ヘキセン共重合体の粒子を得た。得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体の粒子を押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下PE(1))を得た。得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体を用いた物性評価の結果を表1に示した。
PE(1)を用いて、以下の方法により発泡体を得た。
【0245】
(4)架橋発泡体の成形
PE(1)ペレット100重量部と、該PE(1)ペレット100重量部に対して、成熱分解型発泡剤であるアゾジカルボンアミド<ADCA>(三協化成(株)製 商品名 セルマイクCE;分解温度208℃)20重量部、ステアリン酸亜鉛1.5重量部、およびヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバジャパン(株)製 商品名IRGANOX1010)0.5重量部を約120℃の設定温度にてブラベンダーで回転数25rpmで混練した後、得られた混練物を130℃のプレス上の金型に投入し、15分余熱した後、加圧、冷却を行い厚み2mmの未架橋かつ未発泡のシートを得た。次に、該シートを電子線加速器により800kvで照射量30kGyの電子線を照射し、未発泡の架橋シートを得た。該架橋シートを220℃のオーブンにて加熱し、架橋発泡体を得た。得られた架橋発泡体の物性を表2に示す。
【0246】
[実施例2]
連続式流動床気相重合装置を用い、重合温度:86℃、圧力:2.0MPaG、ホールドアップ量:80kg、ガス組成:エチレン88.0mol%、水素0.92mol%、1−ヘキセン1.34mol%、窒素9.4mol%、循環ガス線速度:0.33m/s、上記実施例1(2)で得た予備重合触媒成分の供給量:89.8g/hr、トリイソブチルアルミニウムの供給量:20mmol/hrの条件で、エチレンと1−ヘキセンとの共重合を行ったところ、15.8kg/hrの生成速度でエチレン−1−ヘキセン共重合体の粒子を得た。得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体の粒子を押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下PE(2))を得た。得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体を用いた物性評価の結果を表1に示した。
PE(1)の代わりにPE(2)を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋発泡体を得た。得られた架橋発泡体の物性を表2に示す。
【0247】
[実施例3]
連続式流動床気相重合装置を用い、重合温度:86℃、圧力:2.0MPaG、ホールドアップ量:80kg、ガス組成:エチレン85.9mol%、水素1.11mol%、1−ヘキセン1.39mol%、窒素11.5mol%、循環ガス線速度:0.34m/s、上記実施例1(2)で得た予備重合触媒成分の供給量:96.1g/hr、トリイソブチルアルミニウムの供給量:20mmol/hrの条件で、エチレンと1−ヘキセンとの共重合を行ったところ、19.6kg/hrの生成速度でエチレン−1−ヘキセン共重合体の粒子を得た。得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体の粒子を押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ヘキセン共重合体(以下PE(3))を得た。得られたエチレン−1−ヘキセン共重合体を用いた物性評価の結果を表1に示した。
PE(1)の代わりにPE(3)を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋発泡体を得た。得られた架橋発泡体の物性を表2に示す。
【0248】
[比較例1]
減圧乾燥後アルゴンで置換した内容積3リットルの撹拌機付きオートクレーブ内を真空にし、水素をその分圧が0.025MPaになるように加え、1−ヘキセンを180ml、重合溶媒としてブタンを650g仕込み、70℃まで昇温した。その後、エチレンを、その分圧が1.6MPaになるように加え系内を安定させた。ガスクロマトグラフィー分析の結果、系内のガス組成は、水素=1.56mol%であった。これに、有機アルミニウム化合物(C)として濃度を1mol/lに調整したトリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液 0.9mlを投入した。次に、濃度を2μmol/mlに調整したラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド[遷移金属化合物(A1)に相当]のトルエン溶液 0.2mlと、濃度を0.1μmol/mlに調整したジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド[遷移金属化合物(A2)に相当]のトルエン溶液 0.3mlを投入し、続いて上記実施例1(1)で得られた固体触媒成分18.8mgを投入した。重合中は、エチレン/水素混合ガス(水素=0.22mol%)を連続的に供給しながら、70℃で180分間重合した。その後、ブタン、エチレン、水素をパージして、エチレン−1−ヘキセン共重合体179gを得た。得られた共重合体は実施例1と同様にロール混練を行った。ロール混練後、得られた共重合体(以下PE(4))の物性評価の結果を表1に示した。
PE(1)の代わりにPE(4)を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋発泡体を得た。得られた架橋発泡体の物性を表2に示す。
【0249】
[比較例2]
(1)予備重合触媒成分の調製
予め窒素置換した内容積210リットルの撹拌機付きオートクレーブに、ブタン80リットルを投入した後、ラセミ−エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムジフェノキシド34.5mmolを投入し、オートクレーブを50℃まで昇温して撹拌を2時間行った。次にオートクレーブを30℃まで降温して系内が安定した後、エチレンをオートクレーブ内のガス相圧力で0.03MPa分仕込み、実施例1の(1)に記載の固体触媒成分0.7kgを投入し、続いてトリイソブチルアルミニウム140mmolを投入して重合を開始した。エチレンを0.7kg/Hrで連続供給しながら30分経過した後、50℃へ昇温するとともに、エチレンと水素をそれぞれ3.5kg/Hrと10.2リットル(常温常圧体積)/Hrで連続供給することによって合計4時間の予備重合を実施した。重合終了後、エチレン、ブタン、水素ガスなどをパージして残った固体を室温にて真空乾燥し、上記固体触媒成分1g当り15gのポリエチレンが予備重合された予備重合触媒成分を得た。
【0250】
(2)エチレン−α−オレフィン共重合体の製造
上記で得た予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテン、1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を84℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を1.4%、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ブテンモル比を2.3%、1−ヘキセンモル比をそれぞれ1.0%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持した。平均重合時間4hrであった。得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ヘキセン−1−ブテン共重合体(以下PE(5))を得た。得られた共重合体の物性評価の結果を表1に示した。
(3)架橋発泡体の成形
PE(1)の代わりにPE(5)を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋発泡体を得た。得られた架橋発泡体の物性を表2に示す。
【0251】
[比較例3]
上記比較例2(1)で得た予備重合触媒成分を用い、連続式流動床気相重合装置でエチレンと1−ブテン、1−ヘキセンの共重合を実施し、重合体パウダーを得た。重合条件としては、重合温度を81.4℃、重合圧力を2MPa、エチレンに対する水素モル比を1.82%、エチレンと1−ブテンと1−ヘキセンとの合計に対する1−ブテンモル比を2.46%、1−ヘキセンモル比をそれぞれ0.76%とした。重合中はガス組成を一定に維持するためにエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、水素を連続的に供給した。また、上記予備重合触媒成分とトリイソブチルアルミニウムを連続的に供給し、流動床の総パウダー重量80kgを一定に維持した。平均重合時間4hrであった。得られた重合体パウダーを押出機(神戸製鋼所社製 LCM50)を用いて、フィード速度50kg/hr、スクリュー回転数450rpm、ゲート開度50%、サクション圧力0.1MPa、樹脂温度200〜230℃の条件で造粒することによりエチレン−1−ヘキセン−1−ブテン共重合体(以下PE(6))を得た。得られた共重合体の物性評価の結果を表1に示した。
PE(1)の代わりにPE(6)を用いた以外は実施例1と同様にして、架橋発泡体を得た。得られた架橋発泡体の物性を表2に示す。
【0252】
【表1】

【0253】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンに基づく単量体単位と炭素原子数3〜20のα−オレフィンに基づく単量体単位を有するエチレン−α−オレフィン共重合体であって、密度(d)が860〜950kg/m3であり、メルトフローレート(MFR)が0.1〜10(g/10分)であり、単峰性の分子量分布を有し、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4〜30であり、Z平均分子量(Mz)と重量平均分子量(Mw)との比(Mz/Mw)が2〜5であり、次の関係式を満たす発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体。
0.347×ln(MFR)+0.84<k1/k2<0.347×ln(MFR)+1.26
(ただし、上記式中のk1/k2は、伸張粘度非線形指数比である)
【請求項2】
請求項1に記載の発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部と、該エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対し、分解温度が120〜240℃である熱分解型発泡剤を1〜80重量部含有する発泡用樹脂組成物。
【請求項3】
請求項2に記載の発泡用樹脂組成物を、熱分解型発泡剤が分解しない温度で混練して架橋発泡体原反を得、該架橋発泡体原反に電離性放射線を照射した後、前記熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して、前記放射線照射した架橋発泡体原反を発泡せしめる架橋発泡体の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載の方法で得られる架橋発泡体。
【請求項5】
請求項1に記載の発泡用エチレン−α−オレフィン共重合体または請求項2に記載の発泡用樹脂組成物を押出機中で溶融混練し、物理発泡剤を注入してさらに混練した後、押出機より低圧条件下に押出して発泡せしめる発泡体の製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法で得られる発泡体。

【公開番号】特開2011−132402(P2011−132402A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−294384(P2009−294384)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】