説明

発泡組成物

【課題】表面修飾ナノ粒子を含む接着剤発泡組成物を提供する。
【解決手段】接着剤発泡組成物であって、発泡性組成物が形成された後1分以上の期間、該組成物中に保持された気孔を含有するものであって、モノマー、オリゴマー、ポリマーまたはそれらの組み合わせを含む発泡性ビヒクル、表面修飾ナノ粒子を含み、該粒子は100ナノメートル未満の粒径を有しており、かつ、0.1〜70重量%の範囲の量で存在している接着剤発泡組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表面修飾ナノ粒子を含む発泡組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
純粋な液体は一般的に界面活性剤が液体中に存在しなければ発泡することができない。界面活性剤は、液体の表面下に導入された気泡を液体中に維持できるように液体の表面張力を低下することによって機能する。界面活性剤は、また発泡した後、その発泡体を安定化することもできる。そのような界面活性剤には例えばイオン性、非イオン性およびポリマー性界面活性剤などがある。
【0003】
用途によっては、界面活性剤が組成物の表面に移動し、望ましくない結果になることもある。感圧接着剤組成物では、例えば界面活性剤が組成物の接着特性に影響を及ぼし、また貼薬の場合には、例えば包帯などの物品の表面に界面活性剤が存在すると、衛生上有害な結果をもたらすこともある。
【0004】
多くの発泡組成物には、さまざまな理由で無機粒子が含有されている。これらの粒子の中には、核剤として機能するものもある。例えば組成物のレオロジーの変更をはじめとする組成物の物理的特性を変化させるための充填剤として働くものもある。さらに、例えば疎水性ヒュームドシリカのように消泡剤として機能することがわかった粒子もある。ヒュームドシリカは、熱分解法シリカとしても知られているが、不可逆に結合して凝結体の形態となる平均サイズ200nm〜300nmの一次粒子を含む。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの面において、本発明は、ビヒクルおよびビヒクル中に配置された表面修飾ナノ粒子を含む発泡組成物を特徴とし、ナノ粒子はそれぞれ約100ナノメートル未満の粒径を有する。一実施形態において、発泡体は、本質的に界面活性剤を含まない。別の実施例において、発泡組成物は、さらに界面活性剤を含有する。さまざまな実施形態において、発泡組成物は、少なくとも約0.5重量%、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約5重量%または少なくとも約10重量%の表面修飾ナノ粒子を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
さまざまな実施形態において、ナノ粒子は、それぞれ約50ナノメートル以下、3ナノメートル〜50ナノメートル、約20ナノメートル以下、3ナノメートル〜20ナノメートル、および3ナノメートル〜10ナノメートルの粒径を有する。
【0007】
一実施形態において、ナノ粒子は、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、バナジア、セリア、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化スズ、アルミニウム/シリカ、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0008】
ある実施形態には、ナノ粒子が疎水基、親水基、およびそれらの組合せからなる群から選択された表面基を含有するものもある。ナノ粒子がシラン、有機酸、有機塩基、およびそれらの組合せからなる群から選択された薬剤から誘導された表面基を含有する実施形態もある。ナノ粒子がアルキルシラン、アリールシラン、アルコキシシラン、およびそれらの組合せからなる群から選択された薬剤から誘導されたオルガノシリル表面基を含有する実施形態もある。
【0009】
一実施形態において、ナノ粒子は、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、およびそれらの組合せからなる群から選択された薬剤から誘導された表面基を含有する。
【0010】
実施形態の中には、ビヒクルがモノマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらの組合せを含有するものもある。ビヒクルが熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、およびそれらの混合物からなる群から選択されたポリマーを含有する実施形態もある。ビヒクルが、天然ゴム、合成ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリクロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン‐ジエンモノマーゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンゴム、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレン酢酸ビニルゴム、シリコーンゴム、ポリビニルエーテル、およびそれらの組合せからなる群から選択されたポリマーを含有する実施形態もある。一実施形態において、ビヒクルはポリエステル、ポリウレタン、アミノ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、イソシアヌレート樹脂、ポリシロキサン樹脂およびそれらの混合物からなる群から選択されたポリマーを含有する。ビヒクルがポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、スチレン−アクリロニトリル、セルロースポリマー、塩素化ポリエーテル、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニリデンおよびそれらの混合物からなる群から選択されたポリマーを含有する実施形態もある。
【0011】
一実施形態において、ビヒクルは、アクリル樹脂を含有する。実施形態の中には、アクリル樹脂が炭素数1〜20の一価アルコールのアクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステルを含有することもある。
【0012】
実施形態の中には、ビヒクルが非重合性であるものもある。ビヒクルが本質的にポリマーを含有しない実施形態もある。一実施形態において、ビヒクルはポリオレフィンを含有する。実施形態の中には、ビヒクルがメタロセン重合ポリオレフィンを含有するものもある。
【0013】
ビヒクルがノボラック、レゾール樹脂、ポリ尿素樹脂、およびそれらの混合物からなる群から選択された樹脂を含有する実施形態もある。
【0014】
一実施形態において、ビヒクルは水、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アミン、アミド、炭化水素、ハロカーボン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0015】
別の実施形態において、発泡組成物はさらに発泡剤を含有する。
【0016】
一実施形態において、表面修飾ナノ粒子は統計的平均化ランダム表面修飾ナノ粒子を含む。
【0017】
一実施形態において、表面修飾ナノ粒子は、ビヒクルの溶解パラメーターと同様の溶解パラメーターを有する表面基を含有する。
【0018】
一実施形態において、表面修飾ナノ粒子はビヒクルに溶解するように見える。
【0019】
別の実施形態において、ビヒクルは接着剤組成物を含有する。ビヒクルが感圧接着剤組成物を含有する実施形態もある。一実施形態において、感圧接着剤組成物はアクリル樹脂を含有する。実施形態の中には、アクリル樹脂が炭素数1〜20の一価アルコールのアクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステルを含有するものもある。一実施形態において、感圧接着剤組成物はアクリル酸イソオクチルおよびアクリル酸コポリマーを含有する。
【0020】
別の実施形態において、ビヒクルはホットメルト接着剤組成物を含有する。
【0021】
もう1つの面において、本発明は、上記した発泡組成物を含有する接着テープ(例えば、感圧接着テープ)を特徴とする。接着テープはさらに支持体を有し、また発泡組成物は支持体上に配置されている実施形態もある。実施形態の中には、発泡組成物がアクリル樹脂を含有するものもある。一実施形態において、アクリル樹脂は、炭素数1〜20の一価アルコールのアクリル酸エステルまたはメタアクリル酸エステルを含有する。
【0022】
別の面において、本発明は、上記した発泡組成物を含有する物品を特徴とする。一実施形態において、物品はガスケットである。物品が車体成形品である実施形態もある。
【0023】
他の面において、本発明は、組成物中にボイドを形成するのに十分な量で発泡剤を本発明の組成物に導入することを含む発泡体の製造方法を特徴とする。ここで、本組成物は、ビヒクルおよびビヒクル中に配置された表面修飾ナノ粒子を含有し、表面修飾ナノ粒子が粒径約100ナノメートル以下である。実施形態の中には、発泡剤を導入する工程が組成物の機械的攪拌を含有するものもある。実施形態の中には、発泡剤を導入する工程が組成物の少なくとも1成分の化学的反応を含有するものもある。
【0024】
一実施形態において、発泡剤は、液体、気体および固体の発泡剤からなる群から選択される。発泡剤が空気、窒素、酸素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、亜酸化窒素、およびそれらの混合物からなる群から選択された気体を含有する実施形態もある。発泡剤がビヒクルの成分の分解生成物を含有する実施形態もある。
【0025】
別の面において、本発明は、テープの製造方法を特徴とし、この方法では、a)ビヒクルおよび粒径約100ナノメートル未満の複数の表面修飾ナノ粒子を含む組成物を発泡させること、およびb)支持体上に組成物を塗布することを実質的に同時に行う。
【0026】
一面において、本発明は、所定のビヒクルと表面修飾ナノ粒子との相溶性の決定方法を特徴とし、この方法では、a)表面修飾ナノ粒子を選択すること、b)表面修飾ナノ粒子をビヒクルと混合し組成物を形成すること、およびc)発泡剤を組成物に導入することを含み、組成物が持続性発泡体を形成すれば、表面修飾ナノ粒子はビヒクルと相溶である。
【0027】
他の面において、本発明は、所定のビヒクルと表面修飾ナノ粒子との相溶性の決定方法を特徴とし、この方法では、a)表面修飾ナノ粒子を選択すること;およびb)表面修飾ナノ粒子をビヒクルと混合し組成物を形成することを含み、表面修飾ナノ粒子がビヒクルに溶解するように見える場合に、表面修飾ナノ粒子はビヒクルと相溶である。
【0028】
ある面では、本発明は、所定のビヒクル用の相溶表面修飾ナノ粒子の選択方法を特徴とし、この方法は、約100ナノメートル未満の粒径を有し、かつ所定のビヒクルの溶解パラメーターと実質的に同様の溶解パラメーターを有する表面基が結合した表面修飾ナノ粒子を選択すること、ビヒクルに表面修飾ナノ粒子を分散させること、およびビヒクルを形成することを含み、持続性発泡体が存在すれば、表面修飾ナノ粒子はビヒクルと相溶であることを意味する。
【0029】
別の面において、本発明は、a)上記した方法によって特定した表面修飾ナノ粒子を所定のビヒクルに添加すること、およびb)ビヒクルを発泡させることを含む組成物の発泡方法を特徴とする。
【0030】
「表面修飾ナノ粒子」という用語は、粒子の表面に結合した表面基を含有する粒子を指す。表面基は粒子の性質を変更する。
【0031】
「持続性発泡体」という用語は、組成物が形成された後1分以上の期間、組成物中に気孔が存在することを意味する。
【0032】
「粒径」および「粒度」という用語は、粒子の最大断面寸法を意味する。粒子が凝結体の形態で存在すれば、「粒径」および「粒度」という用語は、凝結体の最大断面寸法を意味する。
【0033】
本発明者らは、表面修飾ナノ粒子を含む組成物は持続性発泡体を形成することができることを発見した。驚くべきことに、これらの組成物は界面活性剤の不存在下で持続性発泡体を形成することができる。本発明は、適切な表面修飾ナノ粒子が組成物中に分散されるときに発泡可能なさまざまな組成物によって広範な用途を有する。
【0034】
表面修飾ナノ粒子を含有しない組成物に比べて、例えば、空隙数の増加、空隙の大きさの均一化、およびそれらの組合せなど発泡を改良するために表面修飾ナノ粒子含有組成物を配合することも可能である。
【0035】
揮発性有機化合物および揮発性溶媒を含まない発泡組成物を配合することも可能である。
【0036】
本発明の他の特徴は、下記の好ましい実施形態の説明および請求項から明らかとなろう。
【0037】
発泡組成物は、表面修飾ナノ粒子、例えば粒径100ナノメートル未満の無機ナノ粒子をビヒクル中に配置して含有する。発泡組成物は、気孔、すなわち気泡を組成物の表面に、組成物中に分散して、またはそれらの組合せで含有する。用途によっては、気孔が組成物中に均一に分散されている。発泡体は持続し、好ましくは気孔が独立気泡の形態で存在する気泡構造を含む。
【0038】
表面修飾ナノ粒子は、好ましくはビヒクル中に分散された個々の非会合(すなわち、非凝結)ナノ粒子であり、かつ好ましくは非可逆には相互に会合しない。「会合する」または「会合している」という用語は、例えば、共有結合、水素結合、静電気引力、ロンドン力、疎水性相互作用などを含む。
【0039】
表面修飾ナノ粒子で形成される組成物に、発泡する組成物の性能をはじめとする組成物の望ましい特性に支障をきたすことになる粒子凝集または凝結がないように、表面修飾ナノ粒子は選択される。表面修飾ナノ粒子は発泡するビヒクルと相溶であるように選択される。さまざまな成分を含有するビヒクルに対して、表面修飾ナノ粒子はビヒクルの少なくとも1成分と相溶であるように選択してもよい。
【0040】
表面修飾ナノ粒子は、ナノ粒子の溶解性特徴を変更する表面基を有する。粒子を、例えば得られた組成物が発泡したら持続性発泡体を形成するように粒子が配置されているビヒクルの成分をはじめとするビヒクルと相溶にするように、表面基は選択される。組成物が重合可能である場合、例えば表面基はビヒクルの少なくとも一成分と会合または反応して組成物のポリマー網の一部になるように選択される。
【0041】
表面修飾ナノ粒子のビヒクルとの相溶性の一評価法は、発泡剤が組成物に導入されるとき、得られた組成物が持続性発泡体を形成するかどうかを決定することを含む。透明ビヒクルに対して、表面修飾ナノ粒子の透明ビヒクルとの相溶性の有用な一評価法は、表面修飾ナノ粒子とビヒクルを結合させることと、得られた組成物が透明であるように表面修飾ナノ粒子がビヒクルに溶解するように見えるかどうかを観察することを含む。表面修飾粒子の無機粒子成分の性質により、表面修飾粒子はビヒクルに実際には溶解しない、すなわち表面基のビヒクルとの相溶性により、表面修飾ナノ粒子はビヒクルに溶解しているように見えるが、表面修飾ナノ粒子はビヒクルに分散されている。表面修飾ナノ粒度が増加するにつれて、ビヒクルのもやは一般的に増加する。好ましい表面修飾ナノ粒子はビヒクルから沈殿しないように選択される。ビヒクルと表面修飾ナノ粒子の相溶性を評価するさらなる工程は、発泡剤を続いて導入すると、組成物が発泡するかどうかを決定することを含む。
【0042】
好適な表面基は、表面基とビヒクルの溶解パラメーターに基づいて選択することもできる。好ましくは、表面基、または表面基が誘導される薬剤は、発泡されるビヒクルの溶解パラメーターと同様の溶解パラメーターを有する。発泡されるビヒクルが疎水性である場合、例えば当業者は疎水性ビヒクルと相溶である表面修飾粒子を実現するためにさまざまな疎水性表面基の中から選択することができる。同様に、発泡されるビヒクルが親水性である場合、当業者は親水性表面基から選択することができ、発泡されるビヒクルがフルオロカーボンである場合、当業者はさまざまなフルオロカーボン表面基の中から選択することができる。粒子は、結合して、ビヒクルの溶解パラメーターと同様な溶解パラメーターを有する粒子を提供する少なくとも2つの異なる表面基を含有する。
【0043】
表面基は、統計的平均化ランダム表面修飾ナノ粒子を提供するように選択してもよい。
【0044】
凝結することなくその後ビヒクル中に分散することができる表面修飾ナノ粒子を提供するのに十分量の表面基が粒子の表面上に存在する。単層、好ましくは連続単層を形成するのに十分量の表面基が粒子の表面上に存在するのが好ましい。
【0045】
表面修飾基は、表面修飾剤から誘導してもよい。概略的に、表面修飾剤は式A−Bによって表され、式中、A基は粒子の表面に結合することが可能で、B基は組成物の成分に反応するかまたは反応しなくてもよい相溶基である。相溶基は、粒子を相対的により極性に、相対的により極性でない、つまり相対的に非極性にするように選択することができる。
【0046】
表面修飾剤の好適なクラスには、例えば、シラン、有機酸、有機塩基、およびアルコールがある。
【0047】
特に有用な表面修飾剤には、シランがある。有用なシランの例には、例えば、アルキルクロロシラン、アルコキシシラン、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ポリトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ(t−ブトキシ)シラン、ビニルトリス(イソブトキシ)シラン、ビニルトリス(イソプロペノキシ)シラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シランなど;トリアルコキシアリールシラン;イソオクチルトリメトキシ−シラン;N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカーバメート;N−(3−トリエトキシシリルプロピル)メトキシエトキシエトキシエチルカーバメート;シラン官能性(メタ)アクリレート、例えば3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)メチルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)メチルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロペニルトリメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシランなど;ポリジアルキルシロキサン、例えば、ポリジメチルシロキサンなど、アリールシラン、例えば置換または非置換アリールシランなど、アルキルシラン、例えば置換または非置換アルキルシラン、例えばメトキシおよびヒドロキシ置換アルキルシラン、およびそれらの組合せを含むオルガノシランがある。
【0048】
シラン官能性(メタ)アクリレートを使用するシリカの表面修飾法は、例えば米国特許第4,491,508号および同第4,455,205号(Olsenら);米国特許第4,478,876号および同第4,486,504号(Chung)、および米国特許第5,258,225号(Katsamberis)に記載がある。
【0049】
有用な有機酸性表面修飾剤は、例えば、炭素の酸素酸(例えば、カルボン酸)、硫黄、リン、およびそれらの組合せを包含する。
【0050】
カルボン酸官能性を有する極性表面修飾剤の代表例には、CH3O(CH2CH2O)2CH2COOH(以下、MEEAA)、化学構造CH3OCH2CH2OCH2COOH(以下、MEAA)を有する2−(2−メトキシエトキシ)酢酸、および琥珀酸モノ(ポリエチレングリコール)がある。
【0051】
カルボン酸官能性を有する非極性表面修飾剤の代表例には、オクタン酸、ドデカン酸、オレイン酸がある。
【0052】
好適なリン含有酸の例には、ホスホン酸、例えばオクチルホスホン酸、ラウリルホスホン酸、デシルホスホン酸、ドデシルホスホン酸、オクタデシルホスホン酸がある。
【0053】
有用な有機塩基性表面修飾剤は、例えば、アルキルアミン、例えばオクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミンを包含する。
【0054】
他の有用な非シラン表面修飾剤の例には、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸β−カルボキシエチル、琥珀酸モノ−2−(メタクリロイルオキシエチル)、およびそれらの組合せがある。極性特徴と反応性とをナノ粒子に付与する有用な表面修飾剤は、琥珀酸モノ(メタクリロイルオキシポリエチレングリコール)である。
【0055】
好適な表面修飾アルコールの例には、例えば、脂肪族アルコール、例えばオクタデシル、ドデシル、ラウリルおよびフルフリルアルコール、脂環式アルコール、例えばシクロヘキサノール、芳香族アルコール、例えばフェノール、ベンジルアルコール、およびそれらの組合せがある。
【0056】
ビヒクルが芳香族環含有エポキシ樹脂を包含する場合、有用な表面修飾基は芳香族環を包含することができる。エポキシ樹脂組成物に特に好適な表面修飾基の例は米国特許第5,648,407号(Goetzら)に記載されている。
【0057】
ナノ粒子の表面修飾にはさまざまな方法が有効であり、例えばナノ粒子(例えば、粉末またはコロイド分散物の形態)に表面修飾剤を添加し、表面修飾剤とナノ粒子とを反応させることを包含する。他の有用な表面修飾法は、例えば米国特許第2,801,185号(Iler)および同第4,522,958号(Dasら)に記載されている。
【0058】
好ましくは、ナノ粒子は無機である。好適な無機ナノ粒子の例には、シリカ、およびジルコニア、チタニア、セリア、アルミナ、酸化鉄、バナジア、酸化アンチモン、酸化スズ、アルミナ/シリカ、およびそれらの組合せを含む金属酸化物ナノ粒子がある。ナノ粒子は、約100nm未満、好ましくは約50nm以下、より好ましくは3nm〜50nm、さらにより好ましくは3nm〜20nm、最も好ましくは5nm〜10nmの平均粒径を有する。ナノ粒子が凝結すると、凝結粒子の最大断面寸法はこれらの粒子範囲のいずれかにある。
【0059】
有用な表面修飾ジルコニアナノ粒子には、粒子の表面に吸着したオレイン酸とアクリル酸の組合せがある。
【0060】
有用な表面修飾シリカナノ粒子には、例えばアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、イソオクチルトリメトキシシラン、およびそれらの組合せを含む、シラン表面修飾剤で表面修飾したシリカナノ粒子がある。シリカナノ粒子は、例えばアルコール、オルガノシラン、例えばアルキルトリクロロシラン、トリアルコキシアリールシラン、トリアルコキシ(アルキル)シラン、それらの組合せ、およびオルガノチタネートおよびそれらの混合物を含む多数の表面修飾剤で処理できる。
【0061】
ナノ粒子は、コロイド分散物の形態でもよい。市販の有用な未修飾シリカ出発原料の例には、NALCO 1040、1050、1060、2326、2327、2329コロイド状シリカの製品名でNalco Chemical Co., Naperville,ILから入手可能なナノサイズのコロイド状シリカがある。
【0062】
有用な金属酸化物コロイド分散物として、コロイド状酸化ジルコニウムの好適な例が米国特許第5,037,579号に記載され、コロイド状酸化チタニウムの有用な例が1998年7月30日出願の発明の名称「透明金属酸化物コロイドおよびセラマーを製造するためのナノサイズの金属酸化物粒子」(Arneyら)のPCT公開第WO00/06495号に記載されている。
【0063】
表面修飾ナノ粒子とビヒクルを結合させるために、さまざまな方法を採用することができる。一方法には、表面修飾ナノ粒子のコロイド分散物とビヒクルが結合される。組成物中に存在する溶媒はその後除去され、表面修飾ナノ粒子がビヒクル中に分散して残存する。溶媒は、蒸発、例えば蒸留、回転蒸発またはオーブン乾燥などによって除去することができる。コロイド分散物、例えば水性コロイド分散物には、任意でビヒクルの添加前に、共溶媒(例えば、メトキシ−2−プロパノールまたはN−メチルピロリドン)をコロイド分散に添加し、水の除去を補助する。ビヒクルが添加された後、水と共溶媒は除去される。
【0064】
表面修飾ナノ粒子のコロイド分散物をビヒクルに導入するための別法は、表面修飾ナノ粒子のコロイド分散物を乾燥して粉末にし、続いてナノ粒子が分散されることになるビヒクルまたはビヒクルの少なくとも一成分を添加することを含む。乾燥工程はオーブン乾燥または噴霧乾燥などのスプレー従来手段などによって達成することができる。表面修飾ナノ粒子は、好ましくは乾燥時の非可逆凝集または非可逆凝結を避けるために十分量の表面基を有する。乾燥時間および乾燥温度は、好ましくは100%未満の表面被覆を有するナノ粒子のために最小限に抑える。
【0065】
発泡可能な組成物を提供するのに十分量の、好ましくは持続性発泡体を形成可能な組成物を提供するのに十分量の表面修飾ナノ粒子のコロイド分散物をビヒクルに添加することができる。表面修飾ナノ粒子は、組成物中にさまざまな量、組成物の総重量に基づいて例えば0.1乾燥重量%〜70乾燥重量%、好ましくは0.5乾燥重量%〜30乾燥重量%、より好ましくは0.8乾燥重量%〜30乾燥重量%、より好ましくは1乾燥重量%〜10乾燥重量%、最も好ましくは2乾燥重量%〜10乾燥重量%で存在してもよい。表面修飾ナノ粒子は、好ましくはビヒクル中に分散、より好ましくはビヒクル中に均一に分散する。
【0066】
表面修飾剤および表面修飾粒子と組成物の他成分との相溶性(例えば、溶解性または混和性)を改良するため、共溶媒を組成物に添加することができる。
【0067】
発泡組成物のビヒクルはさまざまな成分を包含することができ、かつ固体、液体、およびそれらの混合物の形態でよい。好ましくは、発泡前に、ビヒクルは例えば溶液、乳濁液、懸濁液、分散液、シロップ、融液を含む液体である。ビヒクルは、例えば粘着性、剛性、硬度、密度、体積、透明性、柔軟性、追従性、弾性、クリープ、強度モジュラス伸び、耐薬品性、耐熱性、耐環境性、圧縮性を含む発泡組成物の望ましい特性に基づいて選択される。
【0068】
ビヒクルの例には、水のような無機液体、および例えば酸、アルコール、ケトン、アルデヒド、アミン、エーテル、炭化水素、ハロカーボン、モノマー、オリゴマー、ポリマーを含む有機液体がある。
【0069】
有用な有機ビヒクルの例には、熱硬化性ゴム、熱可塑性ゴム、およびエラストマー、例えばニトリルゴム(例えば、アクリロニトリル−ブタジエン)、ポリイソプレンゴム、ポリクロロプレンゴム、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンモノマーゴム(EPDM)、サントプレン(登録商標)ポリプロピレンEPDMエラストマー、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチレンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンゴム、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンゴム、ポリイソブチレンゴム、エチレン酢酸ビニルゴムなど、シリコーンゴム、例えばポリシロキサン、メタクリレートゴムなど、ポリアクリレートゴム、例えばアクリル酸イソオクチルとアクリル酸のコポリマー、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリビニルエーテル、ポリウレタンおよびそれらのブレンドと組合せ、例えばそれらの線形、ラジアル形、星形、テーパー形ブロックコポリマーを含む天然および合成ゴム樹脂がある。
【0070】
他の有用なエラストマーには、例えばフルオロエラストマー、例えばポリトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ素化エチレン‐プロピレンコポリマー、フルオロシリコーン、クロロエラストマー、例えば塩化ポリエチレン、およびそれらの組合せがある。
【0071】
有用な熱可塑性樹脂の例には、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン、スチレン−アクリロニトリル、セルロース、塩化ポリエーテル、エチレン酢酸ビニル、フルオロカーボン、例えばポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素化エチレン‐プロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアミド、例えばポリカプロラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンセバカミド、ポリウンデカノアミド、ポリラウロアミド、ポリアクリルアミド、ポリイミド、例えばポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリアルキレンテレフタレート、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリアルキレンオキサイド、例えばポリフェニレンオキシド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリイソシアヌレート、ビニルポリマー、例えばポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、ポリ塩化ビニリデン、およびそれらの組合せがある。
【0072】
有用な熱硬化性樹脂には、例えばポリエステル、ポリウレタン、およびそれらのハイブリッドとコポリマー、例えばアシル化ウレタンおよびアシル化ポリエステル、アミノ樹脂(例えばアミノプラスト樹脂)、例えばアルキル化尿素型アルデヒド樹脂、メラミン型アルデヒド樹脂など、アクリレート樹脂、例えば、アクリレートおよびメタクリレート、アクリル酸ビニル、アクリル化エポキシ、アクリル化ウレタン、アクリル化ポリエステル、アクリル化アクリル樹脂、アクリル化ポリエーテル、ビニルエーテル、アクリル化オイル、アクリル化シリコーン、アルキド樹脂、例えばウレタンアルキド樹脂、ポリエステル樹脂、反応性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、例えばレゾール樹脂、ノボラック樹脂、フェノール型アルデヒド樹脂、フェノール/ラテックス樹脂、エポキシ樹脂、例えばビスフェノールエポキシ樹脂、脂肪族および脂環式エポキシ樹脂、エポキシ/ウレタン樹脂、エポキシ/アクリレート樹脂、エポキシ/シリコーン樹脂、イソシアネート樹脂、イソシアヌレート樹脂、アルキルアルコキシシラン樹脂を含むポリシロキサン樹脂、反応性ビニル樹脂、およびそれらの混合物がある。
【0073】
ビヒクルは、接着剤組成物、例えば、感圧、ホットメルト、熱硬化性および熱可塑性接着剤組成物を提供するように選択されてもよい。ビヒクルは感圧接着剤組成物、例えば溶媒塗布可能、ホットメルト塗布可能、放射線(電子ビーム、化学線、例えば、可視、UV、熱線)硬化可能な水性乳濁型接着剤、およびそれらの組合せのどれでも含有することができる。好適な感圧接着剤組成物には、例えば、粘着ゴム接着剤、例えば天然ゴム、オレフィン、シリコーン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリウレタン、スチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー、他のエラストマー、およびアクリル酸イソオクチルとアクリル酸のコポリマーを含む粘着および非粘着アクリル系接着剤組成物などがある。
【0074】
アクリレート感圧接着剤は、当技術分野では公知である。これらの接着剤の多くはアクリル酸アルキルエステルのコポリマー、および任意にはコモノマーの小部分である。有用なアクリル酸エステルには、炭素数1〜20の一価アルコールのアクリル酸またはメタアクリル酸エステル、例えばアクリル酸イソオクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクタデシル、およびそれらの組合せがある。アクリレート系接着剤組成物用の他の有用なモノマーには、エチレン性不飽和モノマー、例えばアクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、N−オクチルアクリルアミド、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、およびそれらの組合せがある。他の有用なエチレン性不飽和モノマーには、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、置換アクリルアミド、例えばN,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロニトリル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸2‐フェノキシエチル、アクリル酸ベンジル、およびそれらの組合せがある。
【0075】
ビヒクルは、他の構成要素、例えば開始剤、硬化剤、硬化促進剤、触媒、架橋剤、粘着付与剤、可塑剤、染料、難燃剤、カップリング剤、顔料、耐衝撃性改良剤、流れ調整剤、発泡剤、充填剤、ガラスおよびポリマーの微小球・微粒子、他の粒子、例えば導電性粒子、熱導電性粒子、繊維、帯電防止剤、酸化防止剤、およびUV吸収剤を包含することもできる。
【0076】
ビヒクルがモノマーを包含する場合、重合は、例えば溶媒重合、乳化重合、懸濁重合、バルク重合、例えば化学線、例えば可視、紫外線、電子ビーム、およびそれらの組合せを使用するプロセスを含む放射線重合をはじめとして、化学重合または放射線重合できるさまざまな従来フリーラジカリル重合法によって達成することができる。
【0077】
有用なフリーラジカル開始剤には、熱および光活性開始剤がある。使用される開始剤の種類は重合法によって異なる。光開始剤の例には、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルのようなベンゾインエーテル、アニソインメチルエーテルのような置換ベンゾインエーテル、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンのような置換アセトフェノン、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンのような置換α−ケトールなどがある。
【0078】
ビヒクルは、コポリマー性光開始剤、例えば2−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロペノイル)フェノキシ]エチル−2−メチル−2−N−プロペノイルアミノプロパノエート、およびCiba−Geigyから商品名DAROCUR ZLJ 3331で入手可能な重合性光開始剤、光酸生成開始剤、例えばSartomer(Exton,PA)から商品名SarCat CD−1012で入手可能なジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート、および商品名SarCat CD−1011(Sartomer)で入手可能なトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートを含有することもできる。
【0079】
好適な熱開始剤の例には、ベンゾイルペルオキサイド、ジベンゾイルペルオキサイド、ジラウリルペルオキサイド、シクロヘキサンペルオキサイド、メチルエチルケトン ペルオキサイド、ヒドロペルオキサイド、例えばブチルヒドロペルオキサイド、クメンヒドロペルオキサイド、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、過安息香酸t−ブチル、アゾ化合物、例えば2,2−アゾ‐ビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、およびそれらの組合せのような過酸化物がある。市販の熱開始剤の例には、VAZO 64(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル))、VAZO 52、VAZO 65、VAZO 68などDuPont Specialty Chemical(Wilmington,DE)から「VAZO」の商品名で入手可能な開始剤、およびElf Atochem North America,(Philadelphia,PA)から商品名「Lucidol」で入手可能な熱開始剤、およびUniroyal Chemical Co.(Middlebury,CT)から商品名Celogenで入手可能な開始剤などがある。
【0080】
組成物に存在するモノマーの重合を促進するのに有効量の開始剤が使用され、その使用量は、例えば開始剤の種類、開始剤の分子量、得られる接着剤組成物の対象とする用途、例えば重合温度を含む重合法によって変動するであろう。
【0081】
組成物は、組成物の特性を変化させるように架橋されてもよい。架橋は、γまたは電子ビーム光線のような高エネルギー光線を利用することによって、架橋剤を使用するかまたは使用しないで達成される。架橋剤または架橋剤の組合せは、重合性モノマーの混合物に添加され、架橋を促進する。
【0082】
有用な放射線硬化架橋剤には、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2−エチレングリコールジアクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、1,12−ドデカノールジアクリレート、およびそれらの組合せを含む米国特許第4,379,201号(Heilmannら)に記載されているような多官能性アクリレート、および米国特許第4,737,559号(Kellenら)に記載されているような共重合性芳香族性ケトンコモノマーがある。好適な紫外線源には、例えば中圧水銀ランプと紫外線ブラックライトがある。
【0083】
重合性モノマー組成物は、連鎖移動剤を包含してもよい。好ましくは、連鎖移動剤は重合前のモノマー混合物に溶解する。好適な連鎖移動剤の例には、トリエチルシランとメルカプタンがある。
【0084】
好ましくは、組成物は、表面修飾ナノ粒子がビヒクル中に分散された後、より好ましくは表面修飾ナノ粒子がビヒクル中に均一に分散した後、発泡する。組成物は、例えば米国特許第5,024,880号、同第4,895,745号、同第4,748,061号(Vesleyら)に記載されているようなさまざまな発泡方法によって発泡できる。
【0085】
組成物は、さまざまな機構、例えば、機械的機構、化学的機構、およびそれらの組合せなどを使用して組成物に気泡を形成することによって発泡される。
【0086】
有用な機械的発泡機構は、例えば、組成物の攪拌、例えば振盪、攪拌、高速攪拌、およびそれらの組合せと、組成物への気体の注入、例えばノズルの組成物表面下への挿入および組成物への気体の吹込みと、それらの組合せとを含む。
【0087】
有用な化学的発泡機構は、例えば化学反応、例えば熱分解の際に気体を放出する成分を含む組成物成分の分解を介する現場での気体の発生と、例えば液体ガスを含む組成物成分の蒸発と、組成物の減圧または組成物の加熱による組成物中の気体の揮発と、それらの組合せとを含む。
【0088】
原則として、組成物を発泡させるために、例えば化学的発泡剤と、無機および有機発泡剤などの物理的発泡剤などいかなる発泡剤も使用できる。
【0089】
化学的発泡剤の例には、水およびアゾ系、カーボネート系、ヒドラジド系分子、例えば4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニル)ヒドラジド、4,4’−オキシベンゼンスルホニルセミカルバジド、アゾジカルボンアミド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、アゾジカルボン酸バリウム、アゾジイソブチロニトリル、ベンゼンスルホンヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン、アゾジカルボン酸の金属塩、シュウ酸ヒドラジド、ヒドラゾカルボン酸、ジフェニルオキサイド−4,4’−ジスルホヒドラジド、テトラゾール化合物、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸化合物とポリ炭酸の調製品、クエン酸と重炭酸ナトリウムの混合物、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソ‐テレフタルアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、およびそれらの組合せがある。
【0090】
好適な物理的無機発泡剤には、例えば窒素、アルゴン、酸素、水、空気、ヘリウム、六フッ化硫黄、およびそれらの組合せがある。
【0091】
有用な物理的有機発泡剤には、二酸化炭素、脂肪族炭化水素、脂肪族アルコール、例えば塩化メチレンなど完全または部分ハロゲン化脂肪族炭化水素、およびそれらの組合せがある。好適な脂肪族炭化水素発泡剤の例には、例えばメタン、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、およびそれらのブレンドを含む炭化水素のアルカン系列がある。有用な脂肪族アルコールには、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、およびそれらの組合せがある。好適な完全または部分ハロゲン化脂肪族炭化水素には、例えばフルオロカーボン、クロロカーボン、クロロフルオロカーボン、およびそれらの組合せがある。
【0092】
フルオロカーボン発泡剤の例には、フッ化メチル、パーフルオロメタン、フッ化エチル、1,1−ジフルオロエタン(HFC−152a)、フルオロエタン(HFC−161)、1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、ペンタフルオロエタン(HFC−125)、ジフルオロメタン(HFC−32)、パーフルオロエタン、2,2−ジフルオロプロパン、1,1,1−トリフルオロプロパン、パーフルオロプロパン、ジクロロプロパン、ジフルオロプロパン、パーフルオロブタン、パーフルオロシクロブタン、およびそれらの組合せがある。
【0093】
有用な部分ハロゲン化クロロカーボンおよびクロロフルオロカーボン発泡剤には、塩化メチル、塩化メチレン、塩化エチル、1,1,1−トリクロロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン(HCFC−141b)、1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン(HCFC−142b)、クロロジフルオロメタン(HCFC−22)、1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC−123)、1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタン(HCFC−124)、およびそれらの組合せがある。
【0094】
有用な完全ハロゲン化クロロフルオロカーボンの例には、トリクロロモノフルオロメタン(CFC−11)、ジクロロジフルオロメタン(CFC−12)、トリクロロ‐トリフルオロエタン(CFC−113)、ジクロロテトラフルオロエタン(CFC−114)、クロロヘプタフルオロプロパン、ジクロロヘキサフルオロプロパン、およびそれらの組合せがある。
【0095】
発泡剤は、単一の成分で、混合物で、およびそれらの組合せで、ならびに他の共発泡剤との混合物で使用できる。望ましい発泡密度を実現するのに十分な量で発泡剤が組成物に添加される。
【0096】
ビヒクルは核剤を包含してもよい。核剤は常用の核剤のどれでもよい。核剤の添加量は望ましい気泡の大きさ、選択された発泡剤、ビヒクルの密度によって異なる。小粒子形態の無機核剤の例には、クレー、タルク、シリカ、珪藻土がある。有機核剤は所定の温度で分解または反応することができる。
【0097】
有機核剤の一例は、ポリカルボン酸のアルカリ金属塩と炭酸塩または重炭酸塩との組合せである。有用なポリカルボン酸のアルカリ金属塩の例には、2,3−ジヒドロキシ−ブタン二酸一ナトリウム塩(すなわち、重酒石酸ナトリウム)、ブタン二酸一カリウム塩(すなわち、重琥珀酸カリウム)、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸三ナトリウム塩および三カリウム塩(すなわち、それぞれクエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム)、エタン二酸二ナトリウム塩(すなわち、シュウ酸ナトリウム)、2−ヒドロキシ−1,2,3−プロパントリカルボン酸などのポリカルボン酸、およびそれらの組合せがある。炭酸塩または重炭酸塩の例には、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、およびそれらの組合せがある。検討された一組合せは、クエン酸一ナトリウムまたは酒石酸一ナトリウムなどのポリカルボン酸モノアルカリ金属塩と、炭酸塩または重炭酸塩との組合せである。異なる核剤の混合物をビヒクルに添加することが考えられる。他の有用な核剤には、クエン酸と重炭酸ナトリウムの化学量論的混合物がある。
【0098】
発泡組成物の成分は、さまざまな用途に使用するのに好適な発泡組成物を提供するように選択することができる。発泡用途の代表例には、接着剤、浮揚物、自動車産業用途、例えば車体成形品、自動車板ガラスに関連する用途、例えばガスケット、シーラント、建設業用途、例えば構造構成材、例えば目止め材木、成形木部、支柱、梁、成形構造部材、軽量セラミック、例えばブロック、ボード、パネル、ルーフデッキ、フローリングのような予備流延および現場流延建設材料、例えばセメント質および石膏材料、埋立地カバー、臭気遮蔽物、ダストカバー、消化泡、耐火泡、液体閉じ込め材(例えば、オイルフェンス)、油井、トンネルのような空隙、および地盤に存在する空隙のための充填剤がある。他の発泡用途には、パッキング、商業用クリーニング製品、例えば垂直型クリーニング施工用クリーナー、墨、脱墨組成物、表面被覆、例えば紙および織物処理用発泡被膜がある。
【0099】
発泡組成物は、発泡パーソナルケア製品、例えばヘアトリートメント組成物、シェービング組成物、スキントリートメント組成物;医療用途、例えば包帯、創傷被覆材;家庭用および工業用用途、例えばカップ、皿、耳栓、クッション、枕、絶縁材、音の抑制、振動の吸収のための緩衝材(例えば、マシンカバーの振動の緩衝)、およびそれらの組合せ、およびバッフルを含む用途に使用するために配合することもできる。
【0100】
別の実施形態において、発泡組成物は、煤塵、湿気、有機蒸気、およびそれらの組合せからある区域を密封するガスケットあるいはシールとして有用であるように配合される。封止用途の例には、ラインプリンタの部品間の間隙の封止、電子装置の封止、天空アセンブリの封止がある。
【0101】
発泡組成物は、柔軟で追従性があり、間隙を充填したり不規則な表面を接着させるのに好適な発泡体を提供するように配合できる。粗いまたは不規則な表面を接着する場合、好ましくは発泡テープの特性と配合はさらに接着区域にわたって均一に圧力を配分する発泡テープを提供するように選択される。発泡体は、密封し、振動を緩衝し、振動を弱め、衝撃に抵抗し、広範囲の温度に耐え、良好な絶縁特性を提供するかまたはこれらの特性の組合せを提供するボンドラインを提供するように配合される。
【0102】
発泡組成物は、テープの形態、例えば感圧接着テープでもよい。有用な発泡テープ構成は、例えば裏当てまたは剥離ライナーなどの支持体上に配置された、または任意でロール状に巻かれた発泡組成物を含む。実施例の中には、発泡テープ構成が発泡テープの表面上に配置された接着剤組成物を含み、発泡テープの一面に接着層を有するテープ、すなわち片面塗布接着発泡テープを形成するものもある。別の実施形態においては、発泡組成物が、発泡テープの主な2面上に接着層を有し、両面塗布発泡テープとして知られるテープの形態であり得る。
【0103】
接着発泡体には、例えば、2つの基材の接着、例えばフック、ハンガー、ホルダーを含む物品を使用する搭載用途、例えば箱のような容器を2つ以上付着させて後に剥がす接合用途、例えば壁、床、天井、カウンターを含む表面への物品の接着、および機械的締結物、マスチック樹脂、液状糊の代替などさまざまな有用な用途がある。他の接着発泡用途には、例えば構造的接着剤あるいは現場発泡接着剤としての用途がある。
【0104】
他の実施形態において、発泡組成物は、例えばスクリム、フィルム、繊維、およびそれらの組合せを発泡体に分散して、または例えば交互層、相互貫入層、およびそれらの組合せの形態で発泡組成物とともに層状構成に配置されるものも含めて、他の成分を包含する。他の有用な発泡構成には、発泡の層を含む多層発泡構成があり、ここで、複数の層は、例えば密度、組成物など少なくとも1つの特性において異なる。
【0105】
発泡組成物は、例えば打抜き、架橋、滅菌など後処理にかけることもできる。
【実施例】
【0106】
本発明は、下記の実施例によってさらに説明される。実施例で使用されている部、割合、パーセント、量は、断りのない限りすべて重量に基づくものである。
【0107】
実施例
試験方法
実施例で使用される試験方法を以下に示す。
【0108】
L値の測定
試料のL値は、Hunter Lab D25A Optical Sensor比色計(Hunter Associates Laboratory,Reston,VA)を使用して測定する。L値は、1〜100の評価で試料の明度または暗度を示すものである(値1は黒、値100は白である)。試料を比色計に置き、比色計の校正に使用される「黒」コントロールパネルを試料の後ろに置く。「L」値は測定機器から読み取られる。この試験方法によれば、試料中の窒素含量が相対的に高いと気泡は相対的により分散し、相応してより光散乱し、その結果「L」値は高くなる。
【0109】
ペンタメチル(2−[トリス(2−メトキシエトキシ)シリル]エチル)ジシロキサンカップリング剤の調製
ペンタメチル(2−[トリス(2−メトキシエトキシ)シリル]エチル)ジシロキサンカップリング剤(「シランカップリング剤A」)は、143.86gのトリス(2−メトキシエトキシ)ビニルシラン(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI)と76.14gのペンタメチルジシロキサン(Gelest,Inc.,Tullytown,PA)を145gのヘプタン中で混合反応させて調製した。白金(0)ジビニルテトラメチルジシロキサン触媒(米国特許第3,814,730号の方法によって調製)の1滴を0.3gのヘプタンに添加し、溶液とした。この溶液の0.1gを上記の反応混合物に添加し、加熱することなく、窒素雰囲気中で一晩攪拌した。赤外分光法(IR)を使用し、Si−Hのピークの消失によって完結が確認されるまでこの反応を続けた。減圧蒸留によって、組成物からヘプタンを除去し、シランカップリング剤Aを得た。
【0110】
シランカップリング剤A表面修飾シリカナノ粒子の調製
シランカップリング剤Aで表面修飾したシリカナノ粒子は下記のように調製された。525gの平均粒度5nm、表面積約600平方メートル/グラムを有する15重量%固形分のアンモニア安定化コロイド状シリカNALCO2326 (製造業者Nalco Chemical Co.,Naperville,ILの報告)、83.7gのシランカップリング剤A、1010gの1−メトキシ−2−プロパノール(Aldrich)を容積1ガロンのガラスジャー中で混合反応させた。混合物の入ったジャーを密封し、ベント式オーブンに入れ、一晩80℃で加熱した。それから混合物を乾燥用蒸発皿に移し、流動オーブン中で150℃で乾燥させ、118.8gの白色粒子状固体を得た。
【0111】
シランカップリング剤A/γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面修飾シリカナノ粒子の調製
シランカップリング剤Aとγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランで表面修飾されたシリカナノ粒子は下記のように調製された。106.93gのシランカップリング剤A、3.25gのSILQUEST A−174 γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(OSi Specialties Inc.,Endicott,NY)、1940gの1−メトキシ−2−プロパノール、1000gのNALCO 2326コロイド状シリカを容積1ガロンのガラスジャー中で反応させた。混合物の入ったジャーを密封した。それから混合物を振盪して十分混合し、オーブンに入れ、一晩80℃で加熱した。それから、混合物を流動オーブン中150℃で乾燥させ、白色粒子状固体を得た。
【0112】
イソオクチルシラン表面修飾シリカナノ粒子の調製
イソオクチルトリメトキシシランで表面修飾したシリカナノ粒子は下記のように調製された。61.42gのBS1316 イソオクチルトリメトキシシラン(Wacker Silicones Corp.,Adrian,MI)、1940gの1−メトキシ−2−プロパノール、1000gのNALCO 2326コロイド状シリカを容積1ガロンのガラスジャー中で反応させた。混合物を振盪して十分混合し、それから一晩80℃のオーブン中に入れた。混合物を流動オーブン中150℃で乾燥させ、白色粒子状固体を得た。
【0113】
メトキシエトキシエトキシエトキシウレイドプロピルトリエトキシシランカップリング剤の調製
メトキシエトキシエトキシエトキシウレイドプロピルトリエトキシシランカップリング剤(「シランカップリング剤B」)は、50.02gのトリエチレングリコールモノメチルエーテル(Aldrich)と46gのメチルエチルケトンを電磁攪拌棒を装備した容積250mlの丸底フラスコに仕込んで調製した。メチルエチルケトンの大半は回転蒸発で除去した。76.03gの3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン(United Chemical Technologies,Bristol,PA)と約3mgのジブチル錫ジラウレート(Aldrich)をフラスコに添加し、混合物を攪拌した。反応は穏やかに発熱しながら進行した。反応を約16時間行ったところ、赤外分光法によるイソシアネートのピークは小さかった。さらに0.1gのトリエチレングリコールモノメチルエーテルを組成物に追加し、残りのメチルエチルケトンを減圧下70℃で回転蒸留によって除去し、シランカップリング剤Bを得た。赤外分光法を使用した検出では、イソシアネートのピークは観察されなかった。
【0114】
シランカップリング剤B表面修飾シリカナノ粒子の調製
シランカップリング剤B表面修飾シリカナノ粒子は、200.0gの平均粒度20nm、表面積約150平方メートル/グラムを有する40重量%固形分のアンモニア安定化コロイド状シリカNalco2327(製造業者Nalco Chemical Co.,Naperville,ILの報告)を容積1クオートのガラスジャー中に仕込んで調製した。攪拌しながら、226gの脱イオン水と8.47gのシランカップリング剤Bをコロイド分散物に添加した。ジャーを密封し、18時間80℃に過熱し、透明な青色がかった18重量%のシランカップリング剤B表面修飾シリカナノ粒子のコロイド分散水を得た。
【0115】
シランカップリング剤A/シランカップリング剤B表面修飾シリカナノ粒子のアクリル酸イソオクチル/アクリル酸(81.5/18.5)液の調製
シランカップリング剤A/シランカップリング剤B表面修飾シリカナノ粒子は、400.43gのNalco2326コロイド状シリカを容積1クオートのガラスジャー中に仕込んで調製した。452.97gの1−メトキシ−2−プロパノール、6.43gのシランカップリング剤B、31.40gのシランカップリング剤Aを混合し、攪拌しながらコロイド状シリカに添加した。ジャーを密封し、18時間80℃に加熱し、シランカップリング剤A/シランカップリング剤B表面修飾シリカナノ粒子のスラリー(「スラリーA」)を得た。
【0116】
容積1リットルの丸底フラスコに、239.07gのスラリーAと30.03gのアクリル酸イソオクチルを仕込んだ。減圧下回転蒸発で、組成物から水とアルコールを除去した。ロータリーエバポレータからフラスコをはずし、266.56gのスラリーAと30.17gのアクリル酸イソオクチルを追加した。減圧下回転蒸発で、残っているアルコールと水を除去した。再びロータリーエバポレータからフラスコをはずし、323.28gのスラリーAと30.04gのアクリル酸イソオクチルを追加した。減圧下回転蒸発で、残っているアルコールと水を除去した。
【0117】
約38.4%シリカ含有の粘性コロイド分散物が147.03g得られた。20.56gのアクリル酸を144gの粘性コロイド分散物に添加し、十分混合した。
【0118】
実施例1
18重量%シランカップリング剤B表面修飾シリカナノ粒子のコロイド分散水0.1gを脱イオン水0.9gに添加して、実施例1を調製した。それから、試料を手で振盪し発泡させた。発泡は1分を超えて安定していることが観察された。
【0119】
比較例1
実施例1で振盪させた時間と同時間1gの脱イオン水を振盪させて、比較例1を調製した。発泡は視認されなかった。
【0120】
実施例2
0.04gのイソオクチルシラン表面修飾シリカナノ粒子を1.96gのトルエンに添加して、実施例2を調製した。それから、試料を手で振盪し発泡させた。発泡は1分を超えて安定していることが観察された。
【0121】
比較例2
実施例2で振盪させた時間と同時間2gのトルエンを振盪させて、比較例2を調製した。発泡は視認されなかった。
【0122】
実施例3
0.04gのシランカップリング剤A表面修飾シリカナノ粒子を1.96gの酢酸エチルに添加して、実施例3を調製した。それから、試料を振盪し発泡させた。発泡は1分以上安定していることが観察された。
【0123】
比較例3
実施例3で振盪させた時間と同時間2gの酢酸エチルを振盪させて、比較例3を調製した。発泡は視認されなかった。
【0124】
組成物Aの調製
87.5部のアクリル酸イソオクチル、12.5部のアクリル酸、0.04部のイルガキュア(IRGACURE)651 2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン光開始剤(Ciba Specialty Chemicals,Tarrytown,NY)を反応させ、それから混合物を紫外線を使用して部分重合して、シロップを調製し、約3000cPsの粘度を有するシロップを得た。0.19gのイルガキュア651と0.55gの1,6−ヘキサンジオールジアクリレートをシロップに追加して、組成物Aを調製した。対照1〜6および実施例4〜11のために、30gの組成物Aを使用した。
【0125】
対照1〜6
対照1は組成物Aであった。
【0126】
窒素を低圧(すなわち、2psi未満)でガラスろ過管を経由して組成物に通して組成物を攪拌し、対照1を発泡させた。ガラスろ過管は約6インチの長さで、名目上直径10mm、長さ16mmガラスノズル端を有し、窒素源に取り付けられていた。組成物を約2分攪拌するかまたは試料の泡立ちが視認できなくなるまで攪拌した。
【0127】
それから、ノッチ付バーコーターを使用して3ミル厚のシリコーン塗布透明ポリエチレンテレフタレート剥離ライナー間に発泡した試料を40ミル厚に塗布し、電球から試料までの距離が約6.3mmになるように2球収納照明器具(Model XX−15L(UVP San Gabriel,CA))中の15ワットBlacklight F15T8−BL電球(General Electric Co.)1個の直下に塗布した試料をただちに置いて、硬化させた。それから、試料を約3分光線に暴露し、現場発泡を不可逆的に固定した。
【0128】
98重量%の組成物Aと2重量%のダウコーニング1250界面活性剤(ダウコーニング,Midland,MI)を反応させて、対照2を調製した。それから、対照1に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0129】
98重量%の組成物Aと2重量%の乾燥NALCO2326シリカナノ粒子を反応させて、対照3を調製した。それから、対照1に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0130】
98重量%の組成物Aと2重量%のAEROSIL R−972ジチルシリル修飾ヒュームドシリカ(Degussa Corp.,Ridgefield Park,NJ)を反応させて、対照4を調製した。それから、対照1に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0131】
98重量%の組成物Aと2重量%のCABOSIL M−5疎水性ヒュームドシリカ(Cabot Corp.,Naperville,IL)を反応させて、対照5を調製した。それから、対照1に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0132】
98重量%の組成物Aと2重量%のAEROSIL R805 n−オクチルシリル修飾ヒュームドシリカ(DeGussa)を反応させて、対照6を調製した。それから、対照1に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0133】
実施例4〜11
98重量%の組成物Aと2重量%のイソオクチルシラン表面修飾シリカナノ粒子を反応させて、実施例4を調製した。
【0134】
その後、窒素を低圧(すなわち、2psi未満)でガラスろ過管を経由して組成物に通して組成物を攪拌し、実施例4の組成物を発泡させた。ガラスろ過管は約6インチの長さで、名目上直径10mm、長さ16mmガラスノズル端を有し、窒素源に取り付けられていた。組成物を約2分攪拌するかまたは試料の泡立ちが視認できなくなるまで攪拌した。
【0135】
それから、ノッチ付バーコーターを使用して3ミル厚のシリコーン塗布PET剥離ライナー間に発泡した試料を40ミル厚に塗布し、電球から試料までの距離が約6.3mmになるように2球収納照明器具(Model XX−15L(UVP San Gabriel,CA))中の15ワットBlacklight F15T8−BL電球(General Electric Co.)1個の直下に塗布した試料をただちに置いて、硬化させた。それから、試料を約3分光線に暴露し、現場発泡を不可逆的に固定した。
【0136】
99.7重量%の組成物Aと0.3重量%のシランカップリング剤A/γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面修飾シリカナノ粒子を反応させて、実施例5を調製した。それから、実施例4に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0137】
99.3重量%の組成物Aと0.7重量%のシランカップリング剤A/γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面修飾シリカナノ粒子を反応させて、実施例6を調製した。それから、実施例4に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0138】
98.5重量%の組成物Aと1.5重量%のシランカップリング剤A/γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面修飾シリカナノ粒子を反応させて、実施例7を調製した。それから、実施例4に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0139】
98重量%の組成物Aと2重量%のシランカップリング剤A/γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン表面修飾シリカナノ粒子を反応させて、実施例8を調製した。それから、実施例4に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0140】
98重量%の組成物Aと2重量%のシランカップリング剤A/シランカップリング剤B表面修飾シリカナノ粒子/アクリル酸イソオクチル/アクリル酸組成物を反応させて、実施例9を調製した。それから、実施例4に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0141】
98重量%の組成物Aと2重量%のシランカップリング剤A表面修飾シリカナノ粒子を反応させて、実施例10を調製した。それから、実施例4に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0142】
97重量%の組成物A、2重量%のシランカップリング剤A表面修飾シリカナノ粒子、1重量%のダウコーニング1250界面活性剤を反応させて、実施例11を調製した。それから、実施例4に記載のように、試料組成物を発泡させ、硬化させた。
【0143】
対照1〜6と実施例4〜11の発泡硬化させた試料のL値は、L値試験法によって測定された。結果を第1表に示す。
【0144】
【表1】

【0145】
熱可塑性組成物の発泡
対照7〜8および実施例12〜13
ASTM D1238で測定される融点60℃、溶融流量5g/10分を有するENGAGE8200熱可塑性ポリオレフィンエラストマー(DuPont Dowエラストマー,Wilmington,DE)約45gをPLASTI−CORDER2軸ローターニーダー(C.W.Brabender Instruments,South Hackensack,NJ)で溶融させて、試料を調製した。一旦試料が溶融すると、2重量%のCELOGEN754−A発泡剤(Uniroyal Chemical Co.)をポリマー溶融物に混合した。ナノ粒子を含有した組成物に対して、発泡剤が完全にポリマーに混合した後、2重量%のナノ粒子(第2表に特定された種類)をポリマー混合物に添加した。それから、混合物をニーダーから取り出した。
【0146】
それから、ポリマー混合物を2枚のポリエステルフィルムの間に置き、油圧プレスで(上部と下部を約135℃に加熱)平坦化して、厚さを約0.1mm〜1.3mmした。
【0147】
それから、試料を約1インチ×1インチ片に切断した。各試料の厚さをキャリパーゲージを使用して測定した。それから、試料を約180℃のオーブンに入れ、発泡剤を活性化し、試料を発泡させた。それから、発泡試料を2、5、10、または15分後にオーブンから取り出し、室温まで冷却した。キャリパーゲージを使用して、試料厚みを再び測定した各時間間隔で厚さの平均成長率を測定した。成長率が高いほど発泡性が高い。測定結果を第2表に示す。
【0148】
【表2】

【0149】
他の実施形態は請求項の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビヒクル、および
前記ビヒクル中に配置された表面修飾ナノ粒子を含み、前記ナノ粒子がそれぞれ約100ナノメートル未満の粒径を有する発泡組成物。
【請求項2】
前記発泡体が本質的に界面活性剤を含有しない、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項3】
界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項4】
前記表面修飾ナノ粒子が前記組成物の少なくとも約0.5重量%を占める、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項5】
前記ナノ粒子がそれぞれ約50ナノメートル以下の粒径を有する、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項6】
前記ナノ粒子が、シリカ、チタニア、アルミナ、ジルコニア、バナジア、セリア、酸化鉄、酸化アンチモン、酸化スズ、アルミニウム/シリカ、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項7】
前記ナノ粒子が、疎水基、親水基、およびそれらの組合せからなる群から選択される表面基を含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項8】
前記ナノ粒子が、シラン、有機酸、有機塩基、およびそれらの組合せからなる群から選択される薬剤から誘導された表面基を含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項9】
前記ナノ粒子が、アルキルシラン、アリールシラン、アルコキシシラン、およびそれらの組合せからなる群から選択される薬剤から誘導されたオルガノシリル表面基を含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項10】
前記ナノ粒子が、カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸、およびそれらの組合せからなる群から選択される薬剤から誘導された表面基を含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項11】
前記ビヒクルが、モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはそれらの組合せを含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項12】
前記ビヒクルが、熱可塑性ポリマー、熱硬化性ポリマー、エラストマー、およびそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項13】
前記ビヒクルが、ポリエステル、ポリウレタン、アミノ樹脂、アルキド樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、イソシアヌレート樹脂、ポリシロキサン樹脂、およびそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項14】
前記ビヒクルがアクリル樹脂を含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項15】
前記ビヒクルが非重合性である、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項16】
前記ビヒクルが本質的にポリマーを含有しない、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項17】
前記ビヒクルがポリオレフィンを含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項18】
前記ビヒクルがメタロセン重合ポリオレフィンを含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項19】
前記ビヒクルが、ノボラック樹脂、レゾール樹脂、ポリ尿素樹脂、およびそれらの混合物からなる群から選択される樹脂を含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項20】
前記ビヒクルがアクリル酸イソオクチルおよびアクリル酸を含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項21】
前記ビヒクルが、水、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アミン、アミド、炭化水素、ハロカーボン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項22】
発泡剤をさらに含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項23】
前記表面修飾ナノ粒子が、前記ビヒクルの溶解パラメーターと同様の溶解パラメーターを有する表面基を含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項24】
前記表面修飾ナノ粒子が前記ビヒクルに溶解するように見える、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項25】
前記ビヒクルが接着剤組成物を含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項26】
前記ビヒクルが感圧接着剤組成物を含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項27】
前記感圧接着剤組成物がアクリル樹脂を含む、請求項26に記載の発泡組成物。
【請求項28】
前記ビヒクルがホットメルト接着剤組成物を含む、請求項1に記載の発泡組成物。
【請求項29】
請求項1に記載の発泡組成物を含む接着テープ。
【請求項30】
請求項1に記載の発泡組成物を含む感圧接着テープ。
【請求項31】
前記発泡組成物がアクリル樹脂を含む、請求項30に記載の感圧接着テープ。
【請求項32】
請求項1に記載の発泡組成物を含む物品。
【請求項33】
発泡組成物の製造方法であって、前記方法が前記組成物中にボイドを形成するのに十分な量で発泡剤を請求項1に記載の組成物に導入する工程を含む、方法。
【請求項34】
前記発泡剤を導入する工程が前記組成物を攪拌することを含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記発泡剤を導入する工程が前記組成物の少なくとも1成分の化学反応を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記発泡剤が、液体、気体および固体の発泡剤からなる群から選択される、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記発泡剤が、空気、窒素、酸素、二酸化炭素、ヘリウム、アルゴン、亜酸化窒素、およびそれらの混合物からなる群から選択される気体を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記発泡剤が前記組成物の1成分の分解生成物を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
テープの製造方法であって、前記方法が、
a) 請求項1に記載の組成物を形成する工程、および
b) 前記組成物を支持体上に塗布する工程
を実質的に同時に含む、方法。
【請求項40】
所定のビヒクルと表面修飾ナノ粒子との相溶性の決定方法であって、前記方法が
a) 表面修飾ナノ粒子を選択する工程、
b) 前記表面修飾ナノ粒子を前記ビヒクルと混合して組成物を形成する工程、および
c) 発泡剤を前記組成物に導入する工程
を含み、ここで、前記組成物が持続性発泡体を形成するかまたは前記ビヒクルに溶解するように見える場合に、前記表面修飾ナノ粒子が前記ビヒクルと相溶性である、方法。
【請求項41】
組成物を発泡させる方法であって、
a) 請求項40に記載の方法によって同定された表面修飾ナノ粒子を請求項40に記載の所定のビヒクルに添加する工程、および
b) 前記ビヒクルを発泡させる工程
を含む、方法。

【公開番号】特開2008−208341(P2008−208341A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−10862(P2008−10862)
【出願日】平成20年1月21日(2008.1.21)
【分割の表示】特願2002−563227(P2002−563227)の分割
【原出願日】平成13年12月26日(2001.12.26)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】