説明

発熱体の製造方法及び加熱装置の製造方法

【課題】帯状の発熱体を効率的に製造する方法を提供する事を目的とする。
【解決手段】基材となる金属板の表面に絶縁層を形成する工程(ステップS1)と、絶縁層を形成した後に、絶縁層上に導電発熱特性を有するヒーター材の粉末を粉末圧延により固着する粉末圧延工程(ステップS2)と、上記粉末圧延工程の後に、上記ヒーター材を焼成する熱処理工程(ステップS4)を有するという構成を採用することによって、ヒーター材が絶縁層を介して金属板の面上に固着することで、帯状の発熱体を製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気調理器や電気加熱器等の加熱装置に用いられる発熱体の製造方法及び、当該発熱体を用いた加熱装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、電気調理器や電気加熱器等に用いられる発熱体は、線状の電熱線であり、熱疲労や外部からの衝撃により断線しやすいという問題があった。
【0003】
従来、この問題を解決するために、上記発熱体を、波形状を有した帯状に形成することで、線状よりも断面積及び表面積を広くして、断線を抑制しつつ、加熱効率を向上させる発熱体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平5−157240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記帯状の発熱体は、製造方法に関して十分に記載されておらず、如何にして上記帯状の発熱体を製造するか不明であるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされた発熱体の製造方法及び加熱装置の製造方法であって、上記帯状の発熱体を効率的に製造する方法を提供する事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明は、基材となる金属板の表面に絶縁層を形成する工程と、上記絶縁層を形成した後に、上記絶縁層上に導電発熱特性を有するヒーター材の粉末を粉末圧延により固着する粉末圧延工程と、上記粉末圧延工程の後に、上記ヒーター材を焼成する熱処理工程とを有するという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、ヒーター材が絶縁層を介して金属板の面上に固着することで、帯状の発熱体を製造することができる。
【0007】
また、本発明は、上記絶縁層は、樹脂から形成されるという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、樹脂から形成される絶縁層を介してヒーター材が固着される。
【0008】
また、本発明は、上記絶縁層を形成した後に、上記絶縁層の表面に上記ヒーター材の固着を補助する樹脂層を形成するという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、ヒーター材が粉末圧延により絶縁層上に固着させやすくすることができる。
【0009】
また、本発明は、上記絶縁層は、セラミックから形成されるという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、絶縁層がセラミックから形成されて耐熱性を有しているため、発熱体が高温に発熱しても絶縁層の溶融等を抑制することができ、発熱体の発熱許容範囲を拡大させることができる。
【0010】
また、本発明は、上記粉末圧延工程の後であって、上記熱処理工程の前に、上記金属板を成型加工するという構成を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、上記熱処理工程の焼成前に、金属板を成型することで、発熱体の形状を所望の形状に成型させることができる。
【0011】
また、本発明は、上記記載の製造方法を有する加熱装置の製造方法を採用する。
このような構成を採用することで、本発明では、帯状の発熱体を有する加熱装置が得られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、基材となる金属板の表面に絶縁層を形成する工程と、上記絶縁層を形成した後に、上記絶縁層上に導電発熱特性を有するヒーター材の粉末を粉末圧延により固着する粉末圧延工程と、上記粉末圧延工程の後に、上記ヒーター材を焼成する熱処理工程とを有するという構成を採用することによって、ヒーター材が絶縁層を介して金属板の面上に固着することで、帯状の発熱体を製造することができる。
したがって、本発明では、ヒーター材の粉末を金属板上に固着させることで幅広の帯状の発熱体を容易に製造でき、且つ、基材が金属板から形成されていることで所望の形状に成型加工できる発熱体を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の図面において、同一の部材には同一の参照符号が付されている。また、理解を容易にするために、これらの図面は、縮尺を適宜変更している。
【0014】
始めに、本実施形態において製造される発熱体の構成について説明する。
図1は、本実施形態における発熱体1を示す斜視図である。
発熱体1は、基材となる金属板21と、金属板21の両面に形成される絶縁層22と、各絶縁層22上に積層される発熱層23とを有する。
【0015】
金属板21は、発熱体1の形状の骨格となるものであり、例えば、ステンレスの板等が用いられる。
発熱層23は、導電発熱特性を有するヒーター材から形成され、通電すると熱を発する構成となっている。
絶縁層22は、発熱層23に通電する電流が、金属板21に漏電することを防止するために金属板21と発熱層23との間に形成されるものである。
以下、上記構成の発熱体1の製造方法について説明する。
【0016】
(第1実施形態)
先ず、絶縁層22が樹脂から形成される発熱体1の製造方法について図2及び図3を参照して説明する。
図2は、第1実施形態における発熱体1の製造工程を示すフローチャートである。
図3は、導電発熱特性を有するヒーター材の材料粉末2を粉末圧延により金属板21に固着させる粉末圧延装置Dの構成図を示す。
ここで、先に、図3に示す粉末圧延装置Dの構成について説明する。
【0017】
粉末圧延装置Dは、導電発熱特性を有するヒーター材の材料粉末2を貯蓄するホッパ3A及びホッパ3Bと、ホッパ3Aに貯蓄された材料粉末2を後述する圧延ローラ4Aの周面に向けて搬送して供給するベルトフィーダ5Aと、ホッパ3Bに貯蓄された材料粉末2を後述する圧延ローラ4Bの周面に向けて搬送して供給するベルトフィーダ5Bと、圧延ローラ4Aの周面及び圧延ローラ4Bの周面に供給された材料粉末2及び絶縁層22が形成された金属板21を圧延する圧延ローラ4A、4Bとを有する構成となっている。
【0018】
材料粉末2としては、例えば、アルミニウム(Al)合金から成るヒーター材の粉末が用いられる。
【0019】
ホッパ3Aは、材料粉末2を貯蓄し、断面形状が下方に向かうに従って漸次縮径する中空構造を有する構成となっている。なお、ホッパ3Bもホッパ3Aと同様の構成となっており、ホッパ3Aと所定の距離で離間して対称的に設けられる。
【0020】
ベルトフィーダ5Aは、ホッパ3Aの下方に設けられ、不図示の回転駆動機構と接続されて回転駆動することで、ホッパ3Aの下部から供給される材料粉末2を搬送する構成となっている。また、ベルトフィーダ5Aは、搬送先が、圧延ローラ4Aの上方に位置しており、材料粉末2を圧延ローラ4Aの周面上に供給する構成となっている。なお、ベルトフィーダ5Aは、圧延ローラ4Aの幅と略同一の幅を有しており、圧延ローラ4Aの幅方向に亘って均一に、材料粉末2を供給可能な構成となっている。
ベルトフィーダ5Bも、ベルトフィーダ5Aと同様の構成となっており、ホッパ3Bの下方に設けられ、材料粉末2を圧延ローラ4Bの周面上に供給する構成となっている。
【0021】
圧延ローラ4A、4Bは、一対となっており、ベルトフィーダ5A及びベルトフィーダ5Bの下方に設けられる。また、圧延ローラ4A、4Bは、互いの周面が所定の間隔で平行対峙するように配置される。そして、圧延ローラ4A、4Bは、不図示の回転駆動機構により回転駆動することによって、圧延ローラ4A、4Bの間に挿入される部材を圧延する構成となっている。
【0022】
続いて、図2を参照して発熱体1の製造工程について説明する。
【0023】
始めに、金属板21の表面に樹脂を塗布し、絶縁層22を形成させる(ステップS1)。
絶縁層22は、樹脂から構成されており、例えば、ポリフェニレンサルファイド(以下、PPSと称する)を金属板21の表面上に均一の厚さで塗布した後、乾燥して形成される(図3参照)。
なお、絶縁層22は、上記粉末圧延装置Dにより、PPSを粉末状にしたもの粉末圧延により金属板21の表面上に形成されても良い。
【0024】
次いで、粉末圧延装置Dを用いて、金属板21に形成された絶縁層22上に材料粉末2を粉末圧延により固着させる(粉末圧延工程:ステップS2)。
粉末圧延装置Dは、図3に示すように、ホッパ3A内に貯蓄された材料粉末2をベルトフィーダ5Aの駆動によって、ホッパ3A下部から搬出させ、圧延ローラ4Aに向けて搬送する。そして、ベルトフィーダ5Aは、圧延ローラ4Aの周面に、圧延ローラ4Aの幅方向に亘り連続的に材料粉末2を供給する。また、それと同時に、粉末圧延装置Dは、ホッパ3B内に貯蓄された材料粉末2をベルトフィーダ5Bの駆動によって、圧延ローラ4Bに向けて搬送し、圧延ローラ4Bの周面に供給する。
【0025】
圧延ローラ4A、4Bは、所定の距離で回転駆動することによって、圧延ローラ4A,4B間に供給された材料粉末2と、圧延ローラ4A、4Bの間に上方から下方へ挿通されて搬送される絶縁層22が形成された金属板21とを圧延する。当該圧延によって、材料粉末2は、粉体層となって金属板21に形成された絶縁層22上に固着されることとなる。
【0026】
そして、粉末圧延工程により一体となった、金属板21、絶縁層22及び材料粉末2を所望の形状に成型加工する(ステップS3)。
一体となった金属板21、絶縁層22及び材料粉末2は、例えば、図6に示すような、波形状の発熱体1を製造するために、波形状のプレス金型等を用いて成型加工されることとなる。
【0027】
最後に、所望の形状に成型された金属板21、絶縁層22及び材料粉末2を加熱炉内に載置して加熱し、材料粉末2を焼成する(熱処理工程:ステップS4)。
材料粉末2は、材料粉末2の融点以下の温度で加熱して焼結させることで、絶縁層22上に材料粉末2が強固に固着して、発熱層23となる(図1及び図6参照)。
なおここで、樹脂から成る絶縁層22が、熱硬化性を有するものであれば熱硬化して金属板21上に強固に固着する。
【0028】
上記熱処理工程によって、所望の形状を有した帯状の発熱体1が製造されることとなる。
【0029】
したがって、上述した本発明の第1実施形態によれば、基材となる金属板21の表面に絶縁層22を形成する工程と、絶縁層22を形成した後に、絶縁層22上に導電発熱特性を有するヒーター材の材料粉末2を粉末圧延により固着する粉末圧延工程と、上記粉末圧延工程の後に、上記ヒーター材を焼成する熱処理工程をと有するという構成を採用することによって、ヒーター材が絶縁層22を介して金属板21の面上に固着することで、帯状の発熱体1を製造することができる。
つまり、第1実施形態では、ヒーター材の材料粉末2を金属板21上に固着させることで幅広の帯状の発熱体1を容易に製造でき、且つ、基材が金属板21から形成されていることで所望の形状に成型加工できる発熱体1を製造することができる。
【0030】
また、第1実施形態において、絶縁層22は、樹脂から形成されるという構成を採用することで、樹脂から形成される絶縁層22を介してヒーター材が固着され、発熱時において金属板21に発熱層23を流れる電流が漏電することを防止することができる。
【0031】
また、第1実施形態において、上記粉末圧延工程の後であって、上記熱処理工程の前に、金属板21を成型加工するという構成を採用することで、上記熱処理工程の焼成前に、金属板21を成型することで、発熱体1の形状を所望の形状に成型させることができる。
【0032】
(第2実施形態)
続いて、絶縁層22がセラミックから形成される発熱体1の製造方法について図4及び図5を参照して説明する。
図4は、第2実施形態における発熱体1の製造工程を示すフローチャートである。
図5は、第2実施形態における発熱体1の製造工程を説明する図である。
なお、以下の説明において、第1実施形態と構成を同じくする部分の説明は割愛する。
【0033】
上記第1実施形態では、絶縁層22が樹脂から形成されているため、発熱体1が、例えば、約250度以上の温度に発熱してしまうと、絶縁層22に用いられる樹脂の種類によっては、溶融、熱変形、破壊等してしまう可能性があるため、発熱体1の発熱許容範囲は、およそ250度以下であることが好ましいものであった。したがって、第2実施形態では、第1実施形態よりも発熱体1の発熱許容範囲を拡大させるため、絶縁層22に耐熱性を有するセラミックを採用することとした。
なお、第2実施形態では、材料粉末2は、例えば、ニッケル(Ni)が10〜30wt%、クロム(Cr)が30wt%で、残部が鉄(Fe)と不可避不純物からなる合金であるヒーター材の粉末が用いられる。
【0034】
以下、図4及び図5を参照して、第2実施形態における発熱体1の製造工程に従って説明する。
【0035】
始めに、金属板21の表面にセラミックからなる絶縁層22を形成させる(ステップS5)。
絶縁層22は、未焼成のセラミックから構成されており、例えば、シリカやアルミナ等を溶媒に溶かして金属板21の表面上に均一の厚さで塗布した後、乾燥して形成される(図5(a)参照)。
なお、選択されるセラミックの種類は、材料粉末2の焼成温度近傍の温度で焼成できるものを選択するのが好ましい。
【0036】
次いで、金属板21に形成された絶縁層22上に樹脂を塗布する(ステップS1)。
当該樹脂を塗布する意図は、絶縁層22がセラミックから形成されているため延性が乏しく、直接粉末圧延によって絶縁層22上に材料粉末2が固着することが難くなるため、セラミックより延性が高い樹脂から形成される層を絶縁層22上に設けることで、材料粉末2を絶縁層22に固着し易くさせるためである。樹脂を塗布した後、乾燥させることで、樹脂層24が絶縁層22上に形成される(図5(b)参照)。
【0037】
そして、粉末圧延装置D(図3参照)を用いて、金属板21に形成された絶縁層22上に樹脂層24を介して材料粉末2を粉末圧延により固着させる(粉末圧延工程:ステップS2)。
粉末圧延工程によって、材料粉末2は、図5(c)に示すように、絶縁層22上に樹脂層24を介して固着されることとなる。
【0038】
そして、粉末圧延工程により一体となった、金属板21、絶縁層22、樹脂層24及び材料粉末2を所望の形状に成型加工する(ステップS3)。
【0039】
次いで、成型された、金属板21、絶縁層22、樹脂層24及び材料粉末2を加熱炉にいれて脱樹脂処理を行う(ステップS6)。
ここで、材料粉末2の絶縁層22上への固着を補助するという役目を終えた樹脂層24を約400度程度で加熱することで樹脂を揮発させ脱樹脂処理を行うこととなる。当該脱樹脂処理を行うことで、製品の仕上がり等の質を向上させることができる。
【0040】
最後に、脱樹脂処理を経た金属板21、絶縁層22及び材料粉末2を加熱炉内に載置して加熱し、材料粉末2及び未焼成のセラミックから成る絶縁層22を焼成する(熱処理工程:ステップS4)。
材料粉末2は、材料粉末2の融点以下の温度で加熱されて焼結し、絶縁層22上に材料粉末2が強固に固着して発熱層23となる。また、絶縁層22は、焼成されて硬化することで形状が固定される。
【0041】
上記熱処理工程によって、材料粉末2が焼結して発熱層23となり、また、セラミックから成る絶縁層22が焼結して、所望の形状の発熱体1が製造される(図6参照)。
【0042】
したがって、上述した第2実施形態によれば、絶縁層22を形成した後に、絶縁層22の表面に上記ヒーター材の材料粉末2の固着を補助する樹脂層24を形成するという構成を採用することで、材料粉末2が粉末圧延により絶縁層22上に固着させやすくすることができる。
【0043】
また、第2実施形態において、絶縁層22は、セラミックから形成されるという構成を採用することで、絶縁層22がセラミックから形成されて耐熱性を有しているため、発熱体が高温に発熱しても絶縁層22の溶融等を抑制することができ、発熱体1の発熱許容範囲を拡大させることができる。
【0044】
(第3実施形態)
第3実施形態では、上記第1及び第2実施形態において製造された発熱体1を用いた加熱装置50の製造方法について図6及び図7を参照して説明する。
図6は、発熱体1を用いた加熱部30の側面図を示す。
図7は、加熱部30が複数設けられた加熱装置50の平面図を示す。
【0045】
加熱部30は、波形状に成型された発熱体1と、発熱体1を厚さ方向から挟持する一対の支持板30A及び支持板30Bから構成される。
【0046】
支持板30Aは、金属板21A及び絶縁層22Aから構成されており、発熱体1が有する発熱層23に対して絶縁層22Aが対峙するように固着される。このような構成によって、発熱層23に流れる電流が金属板21Aが設けられる側に漏電することを防止することができる。
支持板30Bは、支持板30Aが設けられた側に対して逆側に設けられて、支持板30Aと同様に、金属板21B及び絶縁層22Bから構成され、発熱体1が有する発熱層23に対して絶縁層22Bが対峙するように固着される。
このような支持板30A及び支持板30Bによって、波形状の発熱体1を厚さ方向から挟持すると、支持板30Aと発熱体1との間で複数の中空空間40Aが、また、支持板30Bと発熱体1との間で複数の中空空間40Bが形成されることとなる。
【0047】
続いて、加熱部30を用いた加熱装置50の構成を図7を参照して説明する。
加熱装置50は、複数の加熱部30と、加熱部30に電流を流し発熱させる電極51A(陽極)及び電極51B(陰極)とを有する構成となっている。
加熱部30は、所定の曲率で湾曲した円弧形状のものが同心で径方向に所定間隔で配置されており、発熱体1の発熱層23の一端が電極51Aと接合され、他端が電極51Bと接合される。
なお、当該接合には、ロウ材を用いても良い。
【0048】
このような構成の加熱装置50は、電極51A及び電極51Bによって、発熱体1を通電すると発熱層23が発熱し、例えば、図7において紙面垂直方向に流れる気体に中空空間40A及び中空空間40B(図6参照)を通過する過程で熱を加えることによって熱風とさせることができる。
したがって、第3実施形態では、加熱装置50は、発熱体1を波形状を有した帯状に形成することで、線状よりも断面積が広くなり断線を抑制できるため製品寿命が延び、また、空気と触れる表面積が広くなるため加熱効率を向上させることができる。
【0049】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0050】
例えば、上述の第3実施形態では、加熱部30において、発熱体1を挟持する支持板30A、30Bを用いると説明した。しかしながら、支持板30A、30Bの代わりに、直線形状の発熱体1を2つ用いて挟持する構成であっても良い。さらに、加熱部30は、発熱体1を組み合わせてハニカム構造に形成されても良い。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態における発熱体を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態における発熱体の製造工程を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態における粉末圧延装置の構成図である。
【図4】本発明の第2実施形態における発熱体の製造工程を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態における発熱体の製造工程を説明する図である。
【図6】本発明の第3実施形態における加熱部の側面図である。
【図7】本発明の第3実施形態における加熱装置の平面図である。
【符号の説明】
【0052】
1…発熱体、2…材料粉末(粉末)、21…金属板、22…絶縁層、24…樹脂層、50…加熱装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材となる金属板の表面に絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層を形成した後に、前記絶縁層上に導電発熱特性を有するヒーター材の粉末を粉末圧延により固着する粉末圧延工程と、
前記粉末圧延工程の後に、前記ヒーター材を焼成する熱処理工程とを有することを特徴とする発熱体の製造方法。
【請求項2】
前記絶縁層は、樹脂から形成されることを特徴とする請求項1に記載の発熱体の製造方法。
【請求項3】
前記絶縁層を形成した後に、前記絶縁層の表面に前記ヒーター材の固着を補助する樹脂層を形成することを特徴とする請求項1に記載の発熱体の製造方法。
【請求項4】
前記絶縁層は、セラミックから形成されることを特徴とする請求項3に記載の発熱体の製造方法。
【請求項5】
前記粉末圧延工程の後であって、前記熱処理工程の前に、前記金属板を成型加工することを特徴とする請求項1〜4に記載の発熱体の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5に記載の製造方法を有する加熱装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−277353(P2009−277353A)
【公開日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−124500(P2008−124500)
【出願日】平成20年5月12日(2008.5.12)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】