説明

発電装置

【課題】日常動作を利用して効率よく発電を行なうこと。
【解決手段】加重で変形する液体用のタンク1とタンク2を、靴内部の踵近傍と足の親指の付け根の辺りに配置してタンク間で液体の流動を発生させ、流動系路上にタービン3を設ける。タービン3では、ケーシング31の内部にローター32を偏心状態で配置し、ローター32に設けたベーンによって吸入口38から入る流体と排出口39から出る流体との間を隔絶し、吸入口側と排出口側との圧力差をベーンに与えることでローターを回転させる。このローターに磁石を設け、コイルとフェライトをケーシング31に設けることで、流体エネルギーを回転エネルギーに変換するタービンと、回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機を一体化させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の生活の動作によって電力を発生する発電装置に関し、特に歩行を行うことで電力を発生させ、携帯電気機器に電力を供給する発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯機器に搭載される機能が増加しその使用時間が伸びていることから、携帯電話や、音楽プレーヤーなどの電源が外出時に切れてしまうことがある。この問題を解決するには、機器に搭載される電池の容量が十分に大きいこと、もしくは外出時にもどこでも充電が出来ること、もしくは発電によって電力を得ることが必要である。
【0003】
しかし、現在の電池技術では電池の容量を大きくしようとすると、電池の大きさと重さが増えてしまい、携帯性が悪くなる。また外出時にどこでも充電ができるようなシステムは今のところない。また、手回し充電器など、携帯性の発電機は存在するが、意識的に力を入れて充電しなければならず疲れる。
【0004】
そこで、意識せずに発電を行うものとして、歩行発電が考案されている。例えば、特許文献1は、踵などの靴内部の稼動部分に圧電素子を配置し、歩行による応力により圧電素子にひずみを発生させ電力を得る方法を開示しており、特許文献2は、歩行運動により靴内部に取り付けられた磁石とコイルとの距離を変化させて電磁誘導により電力を得る方法を開示している。
【0005】
また、歩行運動により、靴内部のハンドルを体重により押し込み、その仕事によって発電機を回転させて電力を得る方法や、靴内部にポンプを配置し、歩行による圧力によって外部から空気を取り込み、タービンを回して発電機を回転させることで電力を得る方法なども考案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2004−96980号公報
【特許文献2】特許第2870330号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来の技術はその実用性に問題があった。例えば、圧電素子を用いる方法は、歩行時の違和感がほとんどないことが利点であるが、現状の技術では、靴底に入る大きさで出力はせいぜい数十mWである。例えば携帯電話などの通信機器の消費電力は1W以上であるが、1W以上を出力できるような材料は実用的なものはまだない。
【0008】
また、電磁誘導を用いる方法については、電磁誘導の起電圧は磁石とコイルの距離の変化の微分に比例するが、通常の歩行速度では1W以上の出力は期待できない。
【0009】
ハンドルを体重で押し込む方法は1W以上の出力を期待できるが、効率をあげるためには増速機構が必要である。そのため、従来の方法ではギアを用いているが、ギアから稼動時に騒音が発生するので、歩いているときに常に足元から音がすることとなり、利用者に不快感を与える。
【0010】
また、外部から取り込んだ空気圧でタービンを回す方法は、1W以上の出力を期待でき、増速機構として気体の圧力変化を利用するので騒音も無い。しかし、靴底近くの空気は地面に近いため、塵や、雨水などをとりこみやすい。そのため、タービンなどの稼動部分が磨耗もしくは劣化しやすくなる。また、空気は圧縮性を有する気体であるので、ポンプに体重をかけた際、かけ始めは気体が圧縮し、全体重のエネルギーを気体に伝えることができない。また、エネルギーの一部は熱となってポンプの壁を伝わって失われてしまう。
【0011】
以上のように、現状において無意識に発電をする技術は、得られる電力が小さい、利用者に不快感を与える、壊れやすい、エネルギーロスを生じるなどの問題点を有しており、どれも実用的ではなかった。
【0012】
本発明は、上述した従来技術における問題点を解消し、課題を解決するためになされたものであり、人間の日常生活の何気ない動作の中で意識的な作業なしに携帯電気機器を充電し、携帯電気機器の電池切れを予防することのできる、実用的な発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明に係る発電装置は、流体の吸入口と排出口とを有する外筒部材と、前記外筒部材の内部に設けられ、前記外筒部材の内壁からの距離が不均一な回転自在のローターと、前記ローターから突出し、該突端が前記ローターの回転位置に関わらず前記外筒部材の内壁に接する複数のベーンと、前記ローターに対して固定され、前記ローターの回転に伴って移動する1以上の磁性体と、前記磁性体の移動に伴って生じる磁束密度変化を受けて電磁誘導を行なう電磁誘導手段と、を備え、前記吸入口側と前記排出口側との流体の圧力差を前記ベーンに受けて押圧が生じた場合に、前記ローターと前記外筒部材との距離の変化によって前記ローターが所定方向に回転し、該回転によって前記電磁誘導手段から電力を取り出すことを特徴とする。
【0014】
また、請求項2の発明に係る発電装置は、請求項1に記載の発明において、前記電磁誘導手段は、前記外筒部材に対して固定されたフェライトコアと、前記フェライトコアに巻かれた導線コイルと、を備えて構成されることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3の発明にかかる発電装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記ローターを前記外筒部材の中心に対して偏心した位置に設けたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項4の発明にかかる発電装置は、請求項1または2に記載の発明において、前記外筒部材は、内壁が略円形かつ内周の一部が内側方向に隆起した形状であり、前記ローターは前記外筒部材と中心位置が同一であることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5の発明にかかる発電装置は、請求項1〜4のいずれか一つに記載の発明において、外部からの加重によって内容積が変化する2以上の液体用タンクと、利用者の動作に伴って前記液体用タンクに対する加重が変化するように前記利用者の体に装着するための装着手段と、前記内容積の変化に基づき前記2以上の液体用タンクの間で液体を流動させる流動経路とを備え、前記流動経路上に前記外筒部材を設けたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項6の発明にかかる発電装置は、請求項5に記載の発明において、前記装着手段は靴であり、前記利用者の足の爪先近傍に体重がかかる状態と踵近傍に体重がかかる状態とで異なる液体用タンクに加重が加わることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によれば発電装置は、流体の吸入口と排出口とを有する外筒部材の内部に外筒部材内壁からの距離が不均一な回転自在のローターを設け、ローターから突出したベーンを外筒部材の内壁に接触させることで吸入口側と排出口側との流体の圧力差を複数のベーンに受けてローターを所定方向に回転させると共に、ローターに1以上の磁性体を固定し、磁性体の移動に伴って生じる磁束密度変化を受けて電磁誘導を行なうので、流量が少なく極低回転でも流体の持つ圧力によりタービンを回転させ、タービンの回転を利用して効率よく発電することができる。
【0020】
そのため、歩行など人間の日常生活の何気ない動作によって液体の流動を発生させ、流動のエネルギーを効率よく利用した発電を行なうことができ、意識的な作業なしに携帯電気機器を充電し、携帯電気機器の電池切れを予防することのできる、実用的な発電装置を得ることができるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項2の発明によれば発電装置は、流体の吸入口と排出口とを有する外筒部材の内部に外筒部材内壁からの距離が不均一な回転自在のローターを設け、ローターから突出したベーンを外筒部材の内壁に接触させることで吸入口側と排出口側との流体の圧力差を複数のベーンに受けてローターを所定方向に回転させると共に、ローターに1以上の磁性体を固定し、ケーシングにフェライトコアと導線コイルを設けているので、ローターの回転から効率よく発電することのできる、構成の簡易な発電装置を得ることができるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項3の発明によれば発電装置は、流体の吸入口と排出口とを有する外筒部材の内部に回転自在のローターを偏心させて設け、ローターから突出したベーンを外筒部材の内壁に接触させることで吸入口側と排出口側との流体の圧力差を複数のベーンに受けてローターを所定方向に回転させると共に、ローターに1以上の磁性体を固定し、磁性体の移動に伴って生じる磁束密度変化を受けて電磁誘導を行なうので、流量が少なく極低回転でも流体の持つ圧力によりタービンを回転させ、タービンの回転を利用して効率よく発電することができる。
【0023】
また、請求項4の発明によれば発電装置は、内壁が略円形かつ内周の一部が内側方向に隆起した形状である外筒部材に対してローターを同心状態で配置し、ローターから突出したベーンを外筒部材の内壁に接触させることで、吸入口側と排出口側との流体の圧力差を複数のベーンに受けて押圧が生じた場合に、内壁の隆起の有無によって発生するベーン毎の押圧の差に基づいてローターを所定方向に回転させると共に、ローターに1以上の磁性体を固定し、磁性体の移動に伴って生じる磁束密度変化を受けて電磁誘導を行なうので、流量が少なく極低回転でも流体の持つ圧力によりタービンを回転させ、タービンの回転を利用して効率よく発電することができる。
【0024】
また、請求項5の発明によれば発電装置は、利用者の動作によって液体を流動させ、流動の圧力と運動量を効率的に利用して発電するので、人間の日常生活の何気ない動作の中で意識的な作業なしに効率的に発電可能な発電装置を得ることができるという効果を奏する。
【0025】
また、請求項6の発明に係る発電装置は、利用者の体重移動によって液体を流動させ、流動の圧力と運動量を効率的に利用して発電するので、歩行などの動作を利用して効率的に発電可能な発電装置を得ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る発電装置の好適な実施例について詳細に説明する。
【実施例】
【0027】
本発明は、流速や流量が大きく変化するエネルギー源から回転エネルギーをとりだすものであるが、本実施例では、人間の歩行から流動を発生させ、かかる流動をエネルギー源として取り出した回転エネルギーを発電に利用する場合について説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施例である回転装置を有した靴の概要構成を説明する説明図である。同図に示すように、靴の内部には歩行時に最も圧力がかかる2点、例えば踵と、足の親指の付け根の辺りにそれぞれやわらかいタンク1とタンク2を配置する。そしてタンク1とタンク2は液体で満たし、パイプ41で接続する。
【0029】
従って、歩行動作によってタンク1とタンク2に交互に圧力が加わると、パイプ41内を液体が移動する。この移動経路上に回転装置であるタービン3を設け、タービン3と発電機を接続することで発電機を動作させて発電を行なうことができる。
【0030】
タービン3は、円形のケーシング(外筒)31の中にローター32が偏心されて配置されている。ローター32には複数のベーン(同図ではベーン33a,33b,33c,33d,33e,33fの6つ)が収納されていて、各ベーンはバネによって押されて常にケーシング31の内壁と接触している。バネは、ベーンに対してそれぞれ設け、例えばベーン33aにはバネ34aが対応する。
【0031】
ローター32には複数の磁石(同図では35a,35b,35c,35d,35e,35fの6つ)が埋め込まれている。そして図1および図2のA−A線断面図に示すように、ケーシング31には磁石を上面と下面から挟むようにコの字型のフェライトコアがついており、フェライトコアにはコイルが巻かれている。
【0032】
これにより、ローターの磁石のN極からフェライトコアを通ってコイルの中を通り、ローターの磁石のS極に帰るという磁路が形成される。例えば磁石35aから出た磁束は、フェライトコア36aを通って、コイル37aの中を通り再び磁石35aに戻る。
【0033】
また、吸入口38と排出口39はケーシング31の側面から液体を内部に出し入れできるようにつながっている。
【0034】
次に動作について説明する。吸入口38の部分の液体と排出口39の部分の液体に圧力差が発生すると、各ベーンに断面積×圧力の力がかかる。ローターは偏心しているので、全てのベーンにかかる力の総和がローターの回転力となる。
【0035】
ローター32が回転するにつれてケーシング31内部の各ベーンで挟まれた空間の体積は変化していく。吸入口側ではその体積が増えることにより液体は空間内部に流れ込み、排出口側ではその体積が減ることにより、液体は外へと押し出されていく。この一連の流れで液体はその圧力差と体積の積に当たるエネルギーを各ベーンを介してローター32に伝えることができる。
【0036】
高圧側と低圧側がベーンによって完全に仕切られているので、従来の例えばプロペラタービンなどのように流体が羽根にエネルギーを伝えることなくすり抜けてしまうことが無い。そのため、回転数ゼロの領域からエネルギーをロスすることなく確実に圧力を回転エネルギーに変換することができる。
【0037】
そして、ローターが回転すると、ローターに埋め込まれた磁石も回転し、ローターの上部と下部に交番磁界が発生する。この交番磁界により、フェライトコアの中の磁束密度が変化し、コイルに誘導起電力が発生し、電力を取り出すことができる。
【0038】
また、図3に示したように、内周が円形のケーシング31に対し、周の一部について内壁を内側に狭くする隆起部31aを設け、ローター32を同心で配置してもよい。この構成では、ローター32には複数のベーン(同図ではベーン33g,33h,33i,33j,33k,33lの6つ)を取り付け、各ベーンはゴムなど柔らかい素材で構成している。各ベーンは、簡単に曲がり、曲がった状態において伸びる側に弾性を有する。ベーンの長さは、ローター32の側面から外筒部材31内側までの距離よりも長いため、折れ曲がった状態でケーシング31とローター32の間にあり、各ベーンの先端はベーンの復元力(弾性力)によりケーシング31を押し付けている。
【0039】
この図3に示した構成での動作について説明する。吸入口38の部分の液体と排出口39の部分の液体に圧力差が発生すると、各ベーンに断面積×圧力の力がかかる。その力の回転方向成分がローター32の回転力となる。例えば、吸入口38の圧力が高くなった時、ベーン33hとベーン33lに圧力がかかる。ベーン33lにかかる圧力はローターを時計回りに回す力となり、ベーン33hにかかる圧力はローターを反時計回りに回す力となる。
【0040】
ここで、ベーン33hは内側に狭くなったケーシングによって曲げられていることにより、ベーンにかかる力の回転方向成分は小さくなっている。ローターは各ベーンにかかる力の回転方向成分の総和によって回転をするため、結果として時計回りに回りだす。
【0041】
すなわち、ケーシング31の隆起部31aは、ローター内での流体の流動経路の断面積を変化させることで、ローター32の回転方向を規定する効果を生み出す。
【0042】
ローター32が回転するにつれてケーシング31内部の各ベーンで挟まれた空間の体積は変化していく。吸入口側ではその体積が増えることにより液体は空間内部に流れ込み、排出口側ではその体積が減ることにより、液体は外へと押し出されていく。この一連の流れで液体はその圧力差と体積の積に当たるエネルギーを各ベーンを介してローター32に伝えることができる。
【0043】
さらに、図3に示した構成では、ローター32に単一の磁石35gを設け、ケーシング31に単一のフェライトコア36gを設け、フェライトコア36gにコイル37gを巻きつけている。
【0044】
図3のように構成した場合であっても、図1に示した構成と同様に、吸入口側と排出口側との流体の圧力差を用いて効率よくローター32を所定の方向に回転させることができ、ローターに埋め込まれた磁石の回転によって交番磁界が発生させて電力を取り出すことができる。なお、磁石の数とフェライトコアの数は任意に設定することができ、磁石の数とフェライトコアの数とが同一である必要もない。
【0045】
このように、流体エネルギーを回転エネルギーに変換するタービンと、回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機を一体化させることにより、装置を小型化することができ、靴底など狭い場所に組み込むのに最適になる。
【0046】
また、流体の満たされたタービン内部から外部の空気中に動力軸を取り出す必要が無いため、ローターをケーシングの中に完全に密閉することができ、Oリングなどのシーリングに係る損失をなくすことができる。
【0047】
つづいて、靴内部の構造例について、図4を参照してさらに詳しく説明する。同図に示すように、タンク1とタンク2は、パイプ41およびパイプ42によって繋がれる。さらにパイプ43がパイプ41と42とを接続し、逆止弁51,52,53,54により、パイプ43には常に一方向にしか液体は流れない。
【0048】
例えば、タンク1に圧力をかけたときは、逆止弁51,53が閉じて逆止弁52からパイプ43を通り逆止弁54へ液体が流れる。同様に、タンク2に圧力を掛けた場合には、逆止弁52,54が閉じて逆止弁51からパイプ43を通り逆止弁53へ液体が流れる。
【0049】
パイプ43の途中にあるタービン3は、パイプ43に流れる液体の圧力と運動量によって回転する。そして、この回転によってタービン3は交流電流を発生する。蓄電素子7は発生した電力を蓄える素子である。また、充電回路6は、タービン3と蓄電素子7の間にあり、タービン3で発生する交流電流を整流する機能と蓄電素子7の電圧を調整する機能を有する。
【0050】
なお、ここでは発生した電源を一旦蓄電素子8に蓄積する場合の構成を例に説明を行なっているが、例えばタービン3で発生した電流を直接外部に出力するなど、任意の構成とすることもできる。
【0051】
上述してきたように、ベーンはケーシング31の壁に接しながら回ることにより、吸入側と排出側とが繋がることなく完全に隔てられている。これにより、流量が少なく極低回転でも流体の持つ圧力によりタービンを回転させることができる。
【0052】
そのため、安定した流速、流量が得られないために利用することができなかった様々なエネルギーを利用できるようになる。それは例えば、波の力や、人の歩行などに起因する力、ビルの間に吹く突風などである。
【0053】
また、コイル、フェライト、磁石という発電機の要素をタービンに組み込むことにより、流体エネルギーを回転エネルギーに変換するタービンと、回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機を一体化させ、装置の小型化を実現することができ、靴底などの狭い場所に組み込むのに最適になる。また、流体の満たされたタービン内部から外部の空気中に動力軸を取り出す必要がないため、ローターをケーシングの中に完全に密閉することができ、Oリングなどのシーリングに係る損失をなくすことができる。
【0054】
なお、本実施例に示した構成はあくまで一例であり、適宜変更して実施することができるものである。例えば、設置場所も靴の中に限らず、圧力差を生じさせる場所、例えば股関節などに設置し、股関節を曲げたり伸ばしたりする動作によって発電をすることも可能である。
【0055】
さらに利用者が手回しなどで発電を行なう場合や、波の力、ビル風を利用するにも、本発明を適用することで効率的にエネルギーを取り出すことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上のように、本発明にかかる発電装置は、流体の持つエネルギーの電気エネルギーへの変換に適しており、特に靴の底などの小型にしなければならない場所に配置することに適している。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の実施例である回転装置を有した靴の概要構成を説明する説明図である(その1)。
【図2】図1に示したタービンのA−A線断面図である。
【図3】本発明の実施例である回転装置を有した靴の概要構成を説明する説明図である(その2)。
【図4】図1および図3に示した靴内部の構造例について説明する説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1,2 タンク
3 タービン
31 ケーシング
32 ローター
33a〜33l ベーン
34a バネ
35a〜35g 磁石
36a〜36g フェライトコア
37a〜37g コイル
38 吸入口
39 排出口
41〜43 パイプ
51〜54 逆止弁
6 充電回路
7 蓄電素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の吸入口と排出口とを有する外筒部材と、
前記外筒部材の内部に設けられ、前記外筒部材の内壁からの距離が不均一な回転自在のローターと、
前記ローターから突出し、該突端が前記ローターの回転位置に関わらず前記外筒部材の内壁に接する複数のベーンと、
前記ローターに対して固定され、前記ローターの回転に伴って移動する1以上の磁性体と、
前記磁性体の移動に伴って生じる磁束密度変化を受けて電磁誘導を行なう電磁誘導手段と、
を備え、
前記吸入口側と前記排出口側との流体の圧力差を前記ベーンに受けて押圧が生じた場合に、前記ローターと前記外筒部材との距離の変化によって前記ローターが所定方向に回転し、該回転によって前記電磁誘導手段から電力を取り出すことを特徴とする発電装置。
【請求項2】
前記電磁誘導手段は、前記外筒部材に対して固定されたフェライトコアと、前記フェライトコアに巻かれた導線コイルと、を備えて構成されることを特徴とする請求項1に記載の発電装置。
【請求項3】
前記ローターを前記外筒部材の中心に対して偏心した位置に設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の発電装置。
【請求項4】
前記外筒部材は、内壁が略円形かつ内周の一部が内側方向に隆起した形状であり、前記ローターは前記外筒部材と中心位置が同一であることを特徴とする請求項1または2に記載の発電装置。
【請求項5】
外部からの加重によって内容積が変化する2以上の液体用タンクと、
利用者の動作に伴って前記液体用タンクに対する加重が変化するように前記利用者の体に装着するための装着手段と、
前記内容積の変化に基づき前記2以上の液体用タンクの間で液体を流動させる流動経路とを備え、
前記流動経路上に前記外筒部材を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の発電装置。
【請求項6】
前記装着手段は靴であり、前記利用者の足の爪先近傍に体重がかかる状態と踵近傍に体重がかかる状態とで異なる液体用タンクに加重が加わることを特徴とする請求項5に記載の発電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−141934(P2008−141934A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328665(P2006−328665)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】