説明

白色LED用積層体、及び白色LED

【課題】ブロード化され、太陽光が有するプロファイルにほぼ一致した発光スペクトルプロファイルを有する演色性にきわめて優れた白色LEDを提供すること。
【解決手段】粒子径の異なるII−VI族半導体ナノ結晶粒子を含む複数の層からなる白色LED用積層体であって、上記白色LED用積層体は、LEDの光出力方向に向かって、上記II−VI族半導体ナノ結晶粒子の粒子径が大きいものを含む層から小さいものを含む層となるように順次積層されており、上記白色LED用積層体の隣接する各層間において、上記II−VI族半導体ナノ結晶粒子に起因する発光スペクトルのピーク波長の差が、上記各層に含まれる半導体ナノ結晶粒子の発光スペクトルのピーク波長の半値幅以下であることを特徴とする白色LED用積層体を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白色LED用積層体、及び白色LEDに関する。さらに詳しくは、半導体ナノ結晶粒子による量子ドットを利用した、太陽光スペクトルとほぼ同一のプロファイルを有し、演色性及び発光効率に優れた白色LED用積層体、及びこれを備えた白色LEDに関する。
【背景技術】
【0002】
近年の省エネルギー化を目的として、白熱電球、蛍光灯の代替技術として、いわゆる白色LEDの利用が検討されている。白色LEDによる発光は、自然光である太陽光に近い白色光であることが理想的である。しかしながら、太陽光に近い白色光は、可視光線の全域にわたって連続したスペクトルによって実現される光であることが必要であるため、ある一定の狭い範囲に発光波長を有するLEDを使用しても、本来の意味での太陽光に近い白色光を実現することは技術上困難である。
【0003】
太陽光に近い白色光を実現するために、種々のLEDを組み合わせたLED構造が提案されている。例えば、人間の眼には光の三原色の混合や補色関係にある2色の混合も白色に見えるので、これを白色光の代用とする方法がいくつか考案されている。具体的には、青色LED、緑色LED、赤色LEDの光を混合させて白色光を発光させるLED構造がある。また、青色LEDの光を利用して、蛍光体を発光させるLED構造がある。蛍光体を利用するLED構造では、青色光の補色である黄色光の蛍光体を青色LEDで発光させて、青色LEDの青色光と蛍光体の黄色光の混合により白色光を発光させるLED構造と緑色光の蛍光体と赤色光の蛍光体を青色LEDで発光させて、青色LEDの青色光と蛍光体の緑色光、赤色光の3波長で白色光を発光させるLED構造がある。さらに、紫外線(UV)−LEDを励起光として、青色光の蛍光体、緑色光の蛍光体、赤色光の蛍光体を発光させて青色光、緑色光、赤色光の3波長で白色光を発光させるLED構造がある。
【0004】
しかしながら、上記白色LED構造は、光の三原色や補色関係にある二色の混合により、人の目には白色と感じるが、物体に照射後、反射された光では自然光(太陽光)の場合と異なり、いずれもその演色性がきわめて劣るという問題点を有する。
【0005】
そこで、白色LEDの演色性を向上させるために、白色LEDから発生する発光スペクトルプロファイルをブロード化し、自然光に近づける試みが提案されている。例えば、特許文献1には、結晶構造に著しい不規則性を有する結晶を母体とする広域な蛍光を発する蛍光体を得る試みが開示されている。また、特許文献2には、複数の半導体ナノ結晶白色発光デバイスが提案されており、赤色、緑色、青色発光半導体ナノ結晶の混色発光による白色LEDの演色性向上と有機発光体を無機発光体に置き換えることにより、その長寿命化が試みられていることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−222988号公報
【特許文献2】特表2009−527099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2に記載された白色LEDは、その発光スペクトルプロファイルのブロード化が十分ではないため、それらの発光スペクトルプロファイルは、太陽光が有するプロファイルと同一なものとはなっていない。このため、特許文献1及び特許文献2に記載された白色LEDは、その演色性が十分でないという問題点を有する。また、特許文献2に記載された白色LEDは、粒子径の異なる半導体ナノ結晶が混合された層から構成されているものであるため、粒子径の小さな半導体ナノ結晶からの短波長の発光は粒子径の大きな半導体ナノ結晶に吸収されて長波長の発光に変換され、短波長の発光が減少し、吸収、発光による波長変換時にエネルギー損失が発生し発光効率が低下するという問題点を有する。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、ブロード化された発光スペクトルプロファイルを有し、太陽光が有するプロファイルにほぼ一致した発光スペクトルプロファイルを有し、演色性及び発光効率にきわめて優れた白色LEDを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、以上の状況に鑑み、半導体ナノ結晶粒子を含む複数の各層からなり、各層の積層順序及び隣接する各層に含まれる半導体ナノ結晶の発光ピーク間の波長差が制御された白色LED用積層体を用いることによって、太陽光が有するプロファイルにほぼ一致した発光スペクトルプロファイルを有し、演色性及び発光効率にきわめて優れた白色LEDが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には本発明は以下のものを提供する。
【0010】
(1) 粒径の異なるII−VI族半導体ナノ結晶粒子を含む層が複数積層された白色LED用積層体であって、
上記白色LED用積層体は、LEDの光出力方向に向かって、
上記II−VI族半導体ナノ結晶粒子の粒径が大きいものを含む層から小さいものを含む層となるように順次積層されており、
上記白色LED用積層体の隣接するII−VI族半導体ナノ結晶粒子を含む層間において、
上記II−VI族半導体ナノ結晶粒子に起因する発光スペクトルのピーク波長の差が、
上記II−VI族半導体ナノ結晶粒子の発光スペクトルの半値幅以下であることを特徴とする白色LED用積層体。
【0011】
(2) 上記発光スペクトルのピーク波長の差が10〜200nmであり、
上記発光スペクトルのピーク波長の半値幅が10〜200nmであることを特徴とする(1)記載の白色LED用積層体。
【0012】
(3) 上記II−VI族半導体ナノ結晶粒子がカドミウム化合物半導体結晶であることを特徴とする(1)又は(2)記載の白色LED用積層体。
【0013】
(4) 上記II−VI半導体ナノ結晶粒子が硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウムから選ばれるいずれかであることを特徴とする(1)〜(3)いずれか記載の白色LED用積層体。
【0014】
(5) (1)〜(4)いずれか記載の白色LED用積層体を備えたことを特徴とする白色LED。
【0015】
(6) 上記白色LEDは、電流注入型であることを特徴とする(5)記載の白色LED。
【0016】
(7) 上記白色LEDは、光励起型であることを特徴とする(5)記載の白色LED。
【0017】
(8) 前記白色LED用積層体が、透明ガラス基板、透明樹脂基板、透明フレキシブルガラス基板、又は、透明フレキシブル樹脂基板上に設置されていることを特徴とする(6)に記載の白色LED。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ブロード化され、太陽光が有するプロファイルにほぼ一致した発光スペクトルプロファイルを有し、演色性及び発光効率にきわめて優れた白色LED用積層体及びこれを備えた白色LEDを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】白色LED用積層体の層構造の断面図である。
【図2】発光スペクトルプロファイルのシミュレーション結果(半値幅40nm、ピーク波長間隔25nm)を示す。
【図3】発光スペクトルプロファイルのシミュレーション結果(半値幅40nm、ピーク波長間隔40nm)を示す。
【図4】発光スペクトルプロファイルのシミュレーション結果(半値幅40nm、ピーク波長間隔50nm)を示す。
【図5】電流注入型白色LEDの概略図である。
【図6】光励起型白色LEDの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明に係る白色LEDは、半導体ナノ結晶を含有する層が積層された白色LED用積層体を備えている。ここで、本発明に係る白色LEDの技術的特徴は、上記白色LED用積層体にあるので、まず白色LED用積層体について説明し、その後白色LEDについて説明する。
【0021】
<白色LED用積層体>
白色LED用積層体について図面を参照しながら、具体的に説明する。図1は、白色LED用積層体の実施形態を具体的に示した断面図である。図1に示すように、白色LED用積層体は、粒径の異なる半導体ナノ結晶粒子を含む層が複数積層されており、LEDの光出力方向に向かって半導体ナノ結晶粒子の粒径が大きいものを含む層から小さいものを含む層となるように順次積層されていることを特徴とするものである。以下、半導体ナノ結晶粒子、半導体ナノ結晶粒子を含む層(以下「半導体ナノ結晶粒子層」という。)、白色LED用積層体の積層構造について順次説明する。
【0022】
(半導体ナノ結晶粒子)
白色LED用積層体を構成する各半導体ナノ結晶粒子層に含まれる半導体ナノ結晶粒子は、いわゆる半導体結晶から構成される粒子である。半導体には、単元素半導体及び化合物半導体が含まれる。
【0023】
単元素半導体としては、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)を使用することができる。化合物半導体としては、II−VI族の元素の組み合わせからなる化合物、III−V族の元素の組み合わせからなる化合物、IV−VI族の元素の組み合わせからなる化合物、I−III−VI族の元素の組み合せからなる化合物を化合物半導体として使用することができる。上記半導体の中でも、II−VI族の元素の組み合わせからなる化合物半導体ナノ結晶が好ましい。
【0024】
半導体結晶としては、具体的にシリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化亜鉛(ZnS)、セレン化亜鉛(ZnSe)、テルル化亜鉛(ZnTe)、酸化カドミウム(CdO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、酸化マグネシウム(MgO)、硫化マグネシウム(MgS)、セレンマグネシウム(MgSe)、テルルマグネシウム(MgTe)、酸化水銀(HgO)硫化水銀(HgS)、セレン化水銀(HgSe)、テルル化水銀(HgTe)、窒化アルミニウム(AlN)、リン化アルミニウム(AlP)、砒素化アルミニウム(AlAs)、アンチモンアルミニウム(AlSb)、窒化ガリウム(GaN)、リン化ガリウム(GaP)、砒素化ガリウム(GaAs)、アンチモンガリウム(GaSb)、窒化インジウム(InN)、リン化インジウム(InP)、砒素化インジウム(InAs)、アンチモンインジウム(InSb)、窒化タリウム(TlN)、リン化タリウム(TlP)、砒素化タリウム(TlAs)、アンチモンタリウム(TlSb)、硫化鉛(PbS)、セレン化鉛(PbSe)、テルル化鉛(PbTe)、銅インジウムセレン(CuInSe)、硫化銅インジウム(CuInS)、銅インジウムガリウムセレン(CuInGa(1−X)Se)を例示することができる。
【0025】
半導体ナノ結晶は、粒子サイズが10nm程度になると、量子サイズ効果が発現する。このようなナノ粒子は量子ドットと呼ばれ、主に半導体において、原子が数百個から数千個集まった10nm程度以下の小さな結晶である。電子は閉じこめられる領域が小さくなると電子の状態密度は離散化するという量子効果により禁制帯幅(バンドギャップ)が大きくなる。言い換えると、組成が同じ半導体でも粒子径が小さくなると半導体のバンドギャップが大きくなる。
【0026】
量子ドットは、構成元素、組成が同一な材料について粒子径を10nm以下で変化させることによりバンドギャップを制御することができる。光学特性では粒子径が小さくなれば吸収波長、発光波長とも短波長化する。すなわち、粒子径を小さくすればバンドギャップは大きくなり、吸収波長、発光波長とも短波長化する。これは、発光デバイス作製にとって、有効な制御手段となる。すなわち、粒子径を変えるだけで発光波長が連続的に異なる量子ドットを作製することが可能となる。
【0027】
また、量子ドットの発光は半導体のバンド間遷移に基づいているため発光ピークが急峻であることも特長である。上記2つの事実から、発光波長が連続的に異なることと発光ピークが急峻であることの2つの特長を持った複数の半導体ナノ結晶を発光させることにより、可視光線の全域に渡って、自然光(太陽光)と同一の連続したスペクトルを実現できる。
【0028】
波長が異なる急峻な発光ピークからブロードな太陽光プロファイルが実現できる状況のシミュレーション結果は、以下のようになる。まず、可視光領域の400nmから650nmでの複数の発光スペクトルの和である混合発光スペクトルについて、発光スペクトルはガウス分布に従うものとし、また、各発光スペクトルの半値幅を40nm、ピーク波長の間隔を25nm、40nm、50nmとした。間隔25nmの結果を図2、間隔40nmの結果を図3、間隔50nmの結果を図4に示す。
【0029】
図2よりピーク波長間隔が発光ピークの半値幅40nmより小さい25nmでは太陽光スペクトルのプロファイルと同等のプロファイルを得ることが可能である。図3よりピーク波長間隔が発光ピークの半値幅40nmと同じ40nmでは太陽光スペクトルのプロファイルとほぼ同等のプロファイルを得ることが可能である。図4よりピーク波長間隔が発光ピークの半値幅40nmより大きな50nmでは太陽光スペクトルのプロファイルを大まかに反映しているが、異なるプロファイルになることが分かった。
【0030】
また、LEDの作製においては、半導体ナノ結晶を粒子径の大きなものから小さなものに光出力方向に順次積層することにより、粒子径の小さな半導体ナノ結晶からの短波長の発光が粒子径の大きな半導体ナノ結晶に吸収されて長波長の発光に変換され、短波長の発光が減少し、吸収、発光による波長変換時にエネルギー損失が発生し発光効率が低下することを防ぐことができる。
【0031】
量子ドットである半導体ナノ結晶粒子は、原料物質の加熱や冷却等の時間に対応するいわゆる反応時間を調整することによって得ることができる。反応時間は、半導体ナノ結晶粒子の粒径との関係から適宜決定することができる。半導体ナノ結晶粒子は、その粒径によって、発光スペクトルのピーク波長が異なるので、反応時間を調整することによって、異なる光学的特性を有する複数の半導体ナノ結晶粒子を得ることができる。
【0032】
例えば、半導体ナノ結晶がセレン化カドミウム結晶である場合は、反応時間を調整することにより、その粒径が1.0〜8.0nmの範囲であるセレン化カドミウム結晶粒子を得ることができる。セレン化カドミウム結晶粒子の発光スペクトルのピーク波長は、その粒径に依存するので、セレン化カドミウム結晶粒子の粒径を変化させることにより、発光スペクトルのピーク波長が異なるセレン化カドミウム結晶粒子を得ることができる。
【0033】
なお、上記量子ドットを形成する半導体ナノ結晶粒子は、市販されているので、所望の粒径を有する半導体ナノ結晶粒子を購入することにより容易に入手することができる。
【0034】
(半導体ナノ結晶粒子層)
白色LED用積層体は、上記半導体ナノ結晶粒子層から構成されている。
【0035】
各半導体ナノ結晶粒子層の膜厚は、量子ドットを形成する半導体ナノ結晶粒子の発光スペクトルに影響を及ぼすものでなければ、特に制限されるものではない。しかしながら、電流注入型白色LEDの場合は白色LED用積層体に電流を流すため薄い方が望ましい。白色LED用積層体の厚みは50〜100nmが望ましく、各半導体ナノ結晶粒子層の膜厚を5.0〜10.0nmとすることが好ましい。一方、光励起型白色LEDの場合は電流を流さないため特に制限されるものではない。各半導体ナノ結晶粒子層の膜厚が、上記範囲にあることにより各層から発生する発光スペクトルに影響を与えることなく、白色LED積層体を使用用途に応じた厚みとすることができるため好ましい。
【0036】
各半導体ナノ結晶粒子層における半導体ナノ結晶粒子の含有量は、白色LED積層体の発光スペクトルプロファイルが、太陽光の有するプロファイルと一致するように決定されるものである。
【0037】
半導体ナノ結晶粒子層の形成は、後述する溶液に半導体ナノ結晶を混合し、この混合液を塗布することにより行うことが望ましい。
【0038】
上記塗布液の塗布方法は、特に限定されないが、例えばスピンコーター、ディップコーター等を用いる方法が挙げられる。
【0039】
上記塗布方法により、形成された塗布膜は、乾燥手段により乾燥され、半導体ナノ結晶粒子層となる。
【0040】
(半導体ナノ結晶粒子層の積層構造)
白色LED用積層体は、上記半導体ナノ結晶粒子層が複数積層されることにより得ることができる。半導体ナノ結晶粒子層が複数積層されることにより、各層において量子サイズ効果が発揮され、各層より発生する発光スペクトルが重なり合うことにより、ブロード化された発光スペクトルプロファイルを得ることができる。
【0041】
白色LED用積層体は、LEDの光出力方向に向かって、半導体ナノ結晶粒子の粒径が大きいものを含む層から小さいものを含む層となるように順次積層されていることを特徴とする。
【0042】
白色LED用積層体を構成する各半導体ナノ結晶粒子層を上記のように順次積層することにより、粒径の小さい半導体ナノ結晶から発生する短波長の発光が粒径の大きい半導体ナノ結晶に吸収されて長波長の発光に変換され、短波長の発光が減少し、吸収、発光による波長変換時にエネルギー損失が発生し発光効率が低下することを防止する。つまり、本発明においては、白色LED用積層体を構成する各半導体ナノ結晶粒子層とその積層順を緻密に制御し、白色LEDの発光効率が低下することを防止しているものである。
【0043】
さらに、本発明の白色LED用積層体は、隣接する各半導体ナノ結晶粒子層間において、前記半導体ナノ結晶粒子に起因する発光ピーク波長の差が、各半導体ナノ結晶粒子層の発光ピークの半値幅以下となるように各層が順次積層されていることを特徴とする。
【0044】
隣接する各半導体ナノ結晶粒子層間において、これらの発光ピーク波長の差を各半導体ナノ結晶粒子層の発光ピークの半値幅以下とすることによって、各半導体ナノ結晶粒子層が発生する発光スペクトルのピークが近づき、重なり合うことになる。このように本発明においては、隣接する各半導体ナノ結晶粒子層間の発光スペクトルのピーク波長とその半値幅を制御することにより、白色LED用積層体が発生する発光スペクトルを滑らかにブロード化することができる。その結果、本発明に係る白色LED用積層体は、太陽光が発生する発光スペクトルにほぼ一致した発光スペクトルプロファイルを発生することができる。
【0045】
一方、隣接する各半導体ナノ結晶粒子層間において、これらの発光スペクトルのピーク波長の差を各半導体ナノ結晶粒子層の発光スペクトルのピークの半値幅を超えるものとした場合には、各半導体ナノ結晶粒子層が発生する発光スペクトルのピークが近づくことができず、隣接する各半導体ナノ結晶粒子層から発生する発光スペクトルは十分な重なりにはならない。このため、白色LED用積層体が発生する発光スペクトルは、ブロード化することができない。
【0046】
このように本発明の白色LED用積層体においては、隣接する各層に存在する量子ドットを利用し、隣接する各層間の発光スペクトル間の波長差を調整し、各層より発生する波長が連続的に異なる発光波長であることを利用することにより可視光線の全域に亘ってブロード化され、太陽光が有するプロファイルに一致した発光スペクトルプロファイルを形成することができる。
【0047】
例えば、セレン化カドミウム結晶粒子を使用し、その粒径が1.0〜8.0nmである複数のセレン化カドミウム結晶粒子を作製し、これらの粒径の異なるセレン化カドミウム結晶粒子を含有する層を順次積層することにより、400〜650nmの発光スペクトルを有する白色LED用積層体を得ることができる。この白色LED用積層体においては、隣接する各層における発光ピーク波長の間隔を25nmに設定し、かつ各セレン化カドミウム結晶の発光ピーク波長の半値幅が40nmとなるように設定している。発光ピーク波長の間隔を発光ピーク波長の半値幅より小さくなるように設定することにより、各セレン化カドミウム結晶粒子層から発光される発光スペクトルが重なりあって、滑らかにブロード化した発光スペクトルプロファイルを得ることができる。
【0048】
<白色LED>
本発明に係る白色LEDは、上記白色LED用積層体を備えていることを特徴とする。以下、図面を参照して、電流注入型白色LED及び光励起型白色LEDについて説明する。
【0049】
(電流注入型白色LED)
本発明の電流注入型白色LED2の構成について図5を用いて説明する。透明導電膜28を有する基板29の上に、正孔注入層27、正孔輸送層26、白色LED用積層体25、正孔阻止層24、電子輸送層23、電子注入層22、電極21を積層した構造になっている。
【0050】
透明導電膜28は、ITO(SnドープIn)、SnO、AZO(AlZnO)、GZO(GaZnO)、IZO(InZnO)のいずれか一種類もしくはそれらの組み合わせでよい。作製方法はスパッタ法、塗布法等でよい。
【0051】
基板29は、可視光線領域(波長400から700nm付近)において透明であればよく、ガラス基板、樹脂基板、フレキシブルガラス基板、フレキシブル樹脂基板などが好ましく用いられる。ここでフレキシブルとは可撓性の意味であり、フレキシブル基板とは、可撓性を有する程度の厚さを有する板状又はシートを意味するものである。樹脂基板又はフレキシブル樹脂基板における樹脂としては、アイオノマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、ナイロン、ポリアミド、セロファン等が例示できる。
【0052】
正孔注入層27は、ポリアニリン、ポリピロール、銅フタロシアニン、PEDOT:PSSのいずれか一種類もしくはそれらの組み合わせでよい。作製方法は真空蒸着法、スピンコーター等による塗布法が望ましい。正孔輸送層26は、TPD、トリフェニル四重体、α−NPD、TACPのいずれか一種類もしくはそれらの組み合わせでよい。作製方法は真空蒸着法、スピンコーター等による塗布法が望ましい。
【0053】
白色LED用積層体25は、半導体ナノ結晶を粒子径の大きなものから小さなものに光出力方向に順次積層すればよい。粒子径の異なる各半導体ナノ結晶群はpolyisobutylene、1,7−diaminoheptane、カルバゾール等の架橋分子との混合体であればよい。作製方法はスピンコーターによる塗布が望ましい。各半導体ナノ結晶の発光ピークの半値幅が10nmから200nmの間で望ましくは20nmから100nmであればよい。
【0054】
各半導体ナノ結晶の発光ピークの波長差が5nmから200nmの間で望ましくは10nmから100nmであればよい。正孔阻止層24は、TAZ、バンクプロイン(BCP)、Bphen、PCBIのいずれか一種類もしくはそれらの組み合わせでよい。作製方法は真空蒸着法、スピンコーター等による塗布法が望ましい。
【0055】
電子輸送層23は、トリアゾール誘導体、シロール誘導体、オキサゾール誘導体(PBO)、オキサゾール誘導体(OXO−7)、ボロン誘導体、Alq3のいずれか一種類もしくはそれらの組み合わせでよい。作製方法は真空蒸着法、スピンコーター等による塗布法が望ましい。電子注入層22はAlq3でよい。作製方法は真空蒸着法、スピンコーター等による塗布法が望ましい。
【0056】
電極21は、仕事関数の小さなCs、Rb、K、Na、Ba、Ca、Li等のアルカリ金属やアルカリ土類金属、それらの合金であるAl:Li、Mg:Agのいずれか一種類もしくはそれらの組み合わせでよい。作製方法はスパッタ法、蒸着法、塗布法等でよい。
【0057】
上記構成で作製した白色LEDの透明導電膜側に+、電極側に−の電圧を印加して、電流を流すことにより半導体ナノ結晶層に電子輸送層側から電子が注入され、正孔輸送層側から正孔が注入される。
【0058】
半導体ナノ結晶層に注入された電子と正孔は架橋分子を経由して拡散し、半導体ナノ結晶中で電子と正孔が再結合して半導体ナノ結晶のバンドギャップエネルギーに相当する波長の発光が起こる。
【0059】
半導体ナノ結晶を粒子径の大きな同一粒子径群から小さな同一粒子径群へ光出力方向に順次積層することにより、光出力方向に長波長から短波長の順に発光させることができる。
【0060】
半導体ナノ結晶同一粒子径群によるこの短波長から長波長の発光ピーク間の波長差が各発光ピークの半値幅以下となるように調整し、かつ、異なる粒子径の半導体ナノ結晶群の濃度比を制御することにより太陽光スペクトルと同等の発光スペクトルを得ることができる。
【0061】
(光励起型白色LED)
本発明の光励起型白色LED3の構成について図6を用いて説明する。短波長発光デバイスチップ33を搭載したリフレクター34の中でIn添加GaN発光デバイスチップである短波長発光デバイスチップ33を包含して樹脂層32があり、樹脂層32の上に複数の半導体ナノ結晶を含む白色LED用積層体31を備えた構造になっている。
【0062】
短波長発光デバイスチップ33は、200nmから500nmの間に発光ピークを持ち、ZnO、AlN、Al添加GaN、GaN、In添加GaNでよい。リフレクター34は、可視光の反射率が大きく、耐環境性に優れたものであればよい。樹脂層32に用いることができる樹脂は、絶縁性で光劣化に強く、可視光領域の透過率が高く、熱安定性がよいエポキシ樹脂、シリコーン樹脂でよい。複数の半導体ナノ結晶を含む白色LED用積層体31の樹脂層はエポキシ樹脂、シリコーン樹脂でよく、半導体ナノ結晶を粒子径の大きな結晶群から小さな結晶群に光出力方向に順次積層すればよい。
【0063】
各半導体ナノ結晶の発光ピークの半値幅が10nmから200nmの間で望ましくは20nmから100nmであればよい。各半導体ナノ結晶の発光ピークの波長差が5nmから200nmの間で望ましくは10nmから100nmであればよい。
【0064】
上記構成で作製した白色LEDの短波長LEDチップに電圧を印加して、電流を流すことにより短波長LEDチップが発光し、短波長光の一部は樹脂層、複数の半導体ナノ結晶を含む樹脂層を通過して白色LED外に放出される。残りの短波長光の多くは複数の半導体ナノ結晶を含む樹脂層のなかの複数の半導体ナノ結晶に吸収される。短波長光を吸収した半導体ナノ結晶中では電子と正孔が光励起され再び再結合して半導体ナノ結晶のバンドギャップエネルギーに相当する波長の発光が起こる。
【0065】
半導体ナノ結晶の粒子径が異なると発光波長が異なるため、粒子径を制御して異なる粒子径の半導体ナノ結晶群を粒子径の大きなものから小さなものに光出力方向に順次積層して、半導体ナノ結晶層を作製することにより、光出力方向に長波長から短波長の順に発光させることができる。
【0066】
このことにより、粒子径の小さなナノ結晶からの短波長の発光が粒子径の大きなナノ結晶に吸収されて長波長の発光に変換され、短波長の発光が減少し、吸収、発光による波長変換時にエネルギー損失が発生し発光効率が低下することを防ぐことができる。
【0067】
光出力方向に長波長から短波長の順に連続した発光において異なる粒子径の半導体ナノ結晶群による発光ピーク波長間の波長差が各発光ピーク波長の半値幅以下となるように調整し、かつ、異なる粒子径の半導体ナノ結晶群の濃度比を制御することにより太陽光スペクトルと同等の発光スペクトルを得ることができる。
【実施例】
【0068】
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0069】
<実施例1>
(CdSeナノ結晶の合成)
Trioctylphosphne−oxide(TOPO)とHexadecylamine(HDA)を混合した配位溶媒をフラスコ中で300℃に加熱した後、CdSeナノ結晶の原料であるDimethyl−CadmiumとTrioctylphosphine−Selenideの混合希釈溶液を注射器で素早く注入し、一度200℃に冷却後、240℃に保持した。保持時間を変えて取り出し、保持時間の短い方から、順次合成液1、合成液2のように名称を付け計9個の合成液を得た。これらの計9個の合成液のうち合成液1は、CdSeの粒子径がおよそ1.8nmであり、合成液の付番が上がるにつれて粒子径が大きくなり、合成液9はおよそ7.0nmとなっている。
【0070】
(ZnSコート)
Trioctylphosphne−oxide(TOPO)配位溶媒をフラスコ中で240℃に加熱した後、CdSeナノ結晶を注入し、ZnSコート用原料のDimethyl−ZincとTrimethylsilyl Sulfideの混合希釈溶液を一滴ずつゆっくりと滴下してZnSのコート層を形成し、CdSe/ZnS/TOPO系分散液を得た。なお、この操作は、上記の合成液毎に行い、合成液1についてはZnSコート済液1、合成液2についてはZnSコート済液2のように名称を付け計9個の液を得た。
【0071】
(ナノ結晶の精製)
CdSe/ZnS/TOPO系分散液に脱水メタノールを加えて遠心分離後、上澄み液を除去する。沈殿成分にトルエンを加えて遠心分離後、上澄み成分をCdSe/ZnS半導体ナノ結晶トルエン分散液とした。この操作は、上記のZnSコート済液毎に行い、ZnSコート済液1については精製液1、ZnSコート済液2については精製液2のように名称を付け計9個の液を得た。なお、本実施例で製造される精製液、すなわち粒子径の異なるCdSe/ZnS半導体ナノ結晶トルエン分散液は、エヴィデントテクノロジー社(米国)、NN−ラボズ社(米国)、NANOCO社(英国)より購入することができる。このようにして作製した精製液を下記表1に示す。
【0072】
【表1】

【0073】
(電流注入型白色LEDの作製)
ITO透明導電膜を有するガラス基板の上に、正孔注入層であるPEDOT:PSSをスピンコーターで塗布し、加熱乾燥した。つぎに、正孔輸送層であるTPDを真空蒸着法で作製した。半導体ナノ結晶層は、次のように作製した。まず9個の精製液それぞれについて1,7−diaminoheptaneの架橋分子の混合体を作製した。この混合液は精製液と同じ付番とした。すなわち精製液1から混合液1を、精製液2から混合液2を作製した。続いて、正孔輸送層の上に混合液1をスピンコーターで塗布し、加熱乾燥した。次に混合液2を混合液1の上にスピンコーターで塗布し、加熱乾燥した。このように順次付番の小さい混合液から付番の大きな混合液の順にスピンコーターで塗布し、加熱乾燥した。正孔阻止層と電子輸送層は、トリアゾール誘導体であるTAZを真空蒸着法で作製した。つぎに、電子注入層であるAlq3を真空蒸着法で作製した。最後に、Mg:Ag/Ag電極を真空蒸着法で作製した。上記構成で作製した白色LEDの透明導電膜側に+、電極側に−の電圧を印加して、電流を流すことによりITO透明導電膜方向に発光させた。
【0074】
(スペクトル測定)
発光スペクトルは分光放射計(相馬光学製 太陽分光放射計S−2440)でスペクトルのプロファイルを確認した。この結果、太陽光スペクトルのプロファイルと同等のプロファイルが得られた。
【0075】
<実施例2>
(光励起型白色LEDの作製)
リフレクターの中に発光ピーク波長450nmのIn添加GaN発光ダイオードチップを接着させた後、リフレクター内の電極とIn添加GaN発光ダイオードチップの電極をワイヤーボンディングで接続した。つぎに、シリコーン樹脂をリフレクター内でIn添加GaN発光ダイオードチップを包含する程度に注入した。また、樹脂面を平坦にしておいた。半導体ナノ結晶層は、次のように作製した。実施例1で作製した精製液1を除く8個の精製液を用いて、8個の精製液それぞれについて、シリコーン樹脂との混合液を作製した。この混合液は精製液と同じ付番とした。すなわち、精製液2から混合液2を、精製液3から混合液3を作製した。続いて、In添加GaN発光ダイオードチップを包含したシリコーン樹脂の上に、混合液8をスピンコーターで塗布し、加熱乾燥した。次に混合液7を混合液8の上にスピンコーターで塗布し、加熱乾燥した。このように順次付番の大きい混合液から付番の小さな混合液の順にスピンコーターで塗布し、加熱乾燥した。上記構成で作製した白色LEDに電圧を印加して、電流を流すことにより発光させた。
【0076】
(スペクトル測定)
発光スペクトルは分光放射計(相馬光学製 太陽分光放射計S−2440)でスペクトルのプロファイルを確認した。この結果、太陽光スペクトルのプロファイルと同等のプロファイルが得られた。
【0077】
<比較例1>
実施例1で作製した9個の精製液を混合し、混合精製液とした。電流注入型白色LEDの作製において、混合精製液を用いて半導体ナノ結晶層を作製した以外は、実施例1と同じ操作で電流注入型白色LEDの作製を行った。作製した電流注入型白色LEDの発光スペクトルを測定した結果、実施例1に比較し強度がおよそ20%低下した。
【0078】
<比較例2>
実施例1で作製した精製液1を除く8個の精製液を混合し、混合精製液とした。光励起型白色LEDの作製において、混合精製液を用いて半導体ナノ結晶層を作製した以外は、実施例2と同じ操作で光励起型白色LEDの作製を行った。作製した光励起型白色LEDの発光スペクトルを測定した結果、実施例2に比較し強度がおよそ20%低下した。
【0079】
<比較例3>
電流注入型白色LEDの作製において、付番の大きい混合液から小さい混合液の順にスピンコーターによる塗布を行って半導体ナノ結晶層を作製した以外は、実施例1と同じ操作で電流注入型白色LEDの作製を行った。作製した電流注入型白色LEDの発光スペクトルを測定した結果、実施例1に比較し強度がおよそ40%低下した。
【0080】
<比較例4>
光励起型白色LEDの作製において、付番の小さい混合液から大きい混合液の順にスピンコーターによる塗布を行って半導体ナノ結晶層を作製した以外は、実施例2と同じ操作で光励起注入型白色LEDの作製を行った。作製した光励起型白色LEDの発光スペクトルを測定した結果、実施例2に比較し強度がおよそ40%低下した。
【0081】
<比較例5>
白色LED用積層体を構成する各半導体ナノ粒子層に含まれるセレン化カドミウム結晶の発光スペクトルのピーク波長の間隔を50nmとした以外は、実施例1と同様にして電流注入型白色LEDを作製した。発光スペクトルは分光放射計(相馬光学製 太陽分光放射計S−2440)でスペクトルのプロファイルを確認した。この結果、太陽光スペクトルのプロファイルを大まかに反映しているが、異なるプロファイルが得られた。
【0082】
<比較例6>
白色LED用積層体を構成する各半導体ナノ粒子層に含まれるセレン化カドミウム結晶の発光スペクトルのピーク波長の間隔を50nmとした以外は、実施例2と同様にして光励起型白色LEDを作製した。発光スペクトルは分光放射計(相馬光学製 太陽分光放射計S−2440)でスペクトルのプロファイルを確認した。この結果、太陽光スペクトルのプロファイルを大まかに反映しているが、異なるプロファイルが得られた。
【符号の説明】
【0083】
1 白色LED用積層体
11 半導体ナノ結晶粒子層1
12 半導体ナノ結晶粒子層2
18 半導体ナノ結晶粒子層8
19 半導体ナノ結晶粒子層9
2 電流注入型白色LED
21 電極
22 電子注入層
23 電子輸送層
24 正孔阻止層
25 白色LED用積層体
26 正孔輸送層
27 正孔注入層
28 透明導電膜
29 基板
3 光励起型白色LED
31 白色LED用積層体
32 樹脂層
33 短波長発光デバイスチップ
34 リフレクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒径の異なるII−VI族半導体ナノ結晶粒子を含む層が複数積層された白色LED用積層体であって、
前記白色LED用積層体は、LEDの光出力方向に向かって、
前記II−VI族半導体ナノ結晶粒子の粒径が大きいものを含む層から小さいものを含む層となるように順次積層されており、
前記白色LED用積層体の隣接するII−VI族半導体ナノ結晶粒子を含む層間において、
前記II−VI族半導体ナノ結晶粒子に起因する発光スペクトルのピーク波長の差が、
前記II−VI族半導体ナノ結晶粒子の発光スペクトルの半値幅以下であることを特徴とする白色LED用積層体。
【請求項2】
前記発光スペクトルのピーク波長の差が10〜200nmであり、
前記発光スペクトルのピーク波長の半値幅が10〜200nmであることを特徴とする請求項1記載の白色LED用積層体。
【請求項3】
前記II−VI族半導体ナノ結晶粒子がカドミウム化合物半導体結晶であることを特徴とする請求項1又は2記載の白色LED用積層体。
【請求項4】
前記II−VI半導体ナノ結晶粒子が硫化カドミウム、セレン化カドミウム、テルル化カドミウムから選ばれるいずれかであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の白色LED用積層体。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか1項記載の白色LED用積層体を備えたことを特徴とする白色LED。
【請求項6】
前記白色LEDは、電流注入型であることを特徴とする請求項5記載の白色LED。
【請求項7】
前記白色LEDは、光励起型であることを特徴とする請求項5記載の白色LED。
【請求項8】
前記白色LED用積層体が、透明ガラス基板、透明樹脂基板、透明フレキシブルガラス基板、又は、透明フレキシブル樹脂基板上に設置されていることを特徴とする請求項6に記載の白色LED。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−212862(P2012−212862A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−37380(P2012−37380)
【出願日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【出願人】(000183303)住友金属鉱山株式会社 (2,015)
【Fターム(参考)】