説明

皮膚外用組成物

【課題】優れた効果を有し、感覚刺激等の安全性上の問題がない化合物を有効成分とする不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤、ならびにこのような化合物を配合した皮膚外用組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(2)のグルタミン酸誘導体及びそれらの塩から選ばれる化合物を含有する皮膚外用組成物。該化合物は、不全角化抑制剤、毛穴縮小剤及び肌荒れ防止・改善剤として優れた効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮脂が原因の不全角化を抑制する不全角化抑制剤、毛穴周囲の皮脂中の刺激成分による不全角化を抑制し、毛穴周囲の皮膚を正常に保ち、毛穴のすり鉢状構造の目立ちを抑える毛穴縮小剤、不飽和脂肪酸により惹起される肌荒れを防止・改善する肌荒れ防止・改善剤、及びこれらの効果を有する皮膚外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特に若い女性を中心として、毛穴の目立ちに関する悩みが増えており、この目立ちを改善する皮膚外用剤が求められてきた。しかし毛穴の目立ちが発達するメカニズムが充分明らかではないこともあり、収斂化粧水や角栓の除去による対応が一般的となっている。あるいはファンデーションで見た目の改善を図ることも多い。けれども、例えば収斂化粧水は、肌を引き締めることを目的にしており、アルコールにより一時的に皮膚表面温度を下げたり、有機酸などにより、蛋白質を凝固させたりする作用による。そのため、皮膚への負荷が大きく、また毛穴の目立ちの根本的な解決となっておらず、その効果も充分ではなかった。
【0003】
また、グリコール酸やアスコルビン酸誘導体に毛孔縮小効果があるという報告もある(例えば、非特許文献1参照)ものの、その作用メカニズムや効果の程度など、不明な点も多い。
【0004】
また、角栓除去は毛穴に詰まった角栓を物理的に除去する方法である。この方法では、物理的な力が肌にダメージを与えることもあり、皮膚への副作用が問題となることがあった。またその効果も一時的で、角栓がすぐに再生してしまうことや、除去すると逆に毛穴が大きくなってしまうこともあり、必ずしも効果は充分ではなかった。
【0005】
正常な皮膚においては、顆粒層から角質層へと移行する最終分化過程において核を消失する「脱核」が生じるが、何らかの原因によってこの「脱核」が起こらないと、核を有した状態の表皮角化細胞が生成する。そして、このような状態を「不全角化」という。
本発明者らは毛穴の目立つメカニズムについて検討を行った結果、毛孔部周囲のすり鉢状に窪んだ部分が毛穴として認識され、この部分が広いと目立つこと、更にこのすり鉢状部分の角層が不全角化状態(本来消失しているはずの核が残存している)であることを明らかにした。したがって、不全角化の抑制剤が毛穴部分に作用し、毛孔部周囲のすり鉢状に窪んだ部分の角層の不全角化を抑制すれば毛穴として認識される面積が減少し、毛穴縮小剤として機能することを見出した。また、毛穴の目立つ人は皮脂量が多く、特に不飽和脂肪酸の比率が高いこと、この不飽和脂肪酸は不全角化を引き起こすことを明らかにした。このことから、毛穴の目立ちは皮脂中の不飽和脂肪酸が要因となっている可能性が高いことを見出した(非特許文献2及び3参照)。
【0006】
以上のように、本発明者らにより、毛穴の目立つメカニズムに関しては、皮脂が原因で起こる不全角化が一因になっていること、したがって、毛穴部分における不全角化を改善することにより、毛穴として認識される面積が減少し、毛穴の目立ちが改善されることが明らかにされた。そして、これらの知見に基づいて新規な不全角化抑制剤及び毛穴縮小剤を見出し、第一報として特許出願し(特許文献1参照)、更に効果に優れた新規な不全角化用製剤、毛穴縮小剤及び肌荒れ防止・改善剤を見出した(特許文献2及び特許文献3参照)。
【0007】
また、γ−アミノ酪酸(GABA)には不全角化抑制効果及び毛穴縮小効果が知られている(特許文献4参照)が、さらに安全性が高く、配合量の制限などの問題がなく広く汎用できる不全角化抑制剤、毛穴縮小剤が求められている。
また、本発明の効果を有するグルタミン酸の誘導体として、特許文献2にはベンゾイル−L−グルタミン酸、ベンゼンスルホニル−L−グルタミン酸、アセチル−L−グルタミン酸等が記載されているが、さらに効果に優れた化合物の開発が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−2289号公報
【特許文献2】特開2005−179342号公報
【特許文献3】特開2005−179343号公報
【特許文献4】特開2003−342195号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】矢沢等、フレグランスジャーナル、2002年、30巻、2号、p54〜58
【非特許文献2】飯田等、第102回日本皮膚科学会総会プログラム・抄録、2003年、103、p846
【非特許文献3】Katsuta et al.,Cosmetics & Toiletries magazine、2004年、119巻、10号、p59〜64
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、不全角化抑制、毛穴縮小、肌荒れ防止・改善等において優れた効果を有し、感覚刺激等の安全性上の問題がない、安全性の高い不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤、ならびに皮膚外用組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは上記課題を解決するために、不全角化抑制、毛穴縮小及び肌荒れ防止・改善において効果が高く、感覚刺激などの問題のない安全性の高い、製剤化の容易な化合物を探索すべく鋭意検討を重ねた結果、特定のグルタミン酸誘導体及びそれらの塩が優れた効果を有し、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明に係る皮膚外用組成物は、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で示されるグルタミン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選ばれる化合物の1種以上を含有することを特徴とする。また、本発明に係る不全角化抑制剤、毛穴縮小剤又は肌荒れ防止・改善剤は、下記一般式(1)又は下記一般式(2)で示されるグルタミン酸誘導体及びその塩からなる群から選ばれる化合物の1種以上を有効成分とする。
【0013】

【化1】


(一般式(1)中、Aはカルバモイル基、ベンジルオキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキル基又はアリル基を表す。)
【0014】
【化2】

【0015】
(一般式(2)中、Zは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、ベンジルオキシ基、あるいは下記一般式(3)又は下記一般式(4)で示される基を表す。また、Yは水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、アリルオキシ基、又はNRのいずれかを表す。但し、同時にZが一般式(4)でYがNRであることはない。また、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、又はベンジル基であるか、あるいは、RとR及びRとRは、それぞれ独立にそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数総和6以下の複素環を形成する。該複素環は、酸素原子を含んでもよい。また、R〜Rにおいて、前記炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、又は複素環は、水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、又はアリルオキシ基を置換基として有していてもよく、また、前記炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、又は複素環は、炭素数1〜3のアルキル基を置換基として有していてもよい。)
【0016】

【化3】


(一般式(3)中、X、X及びXは、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を表す。n、m及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、k及びqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)
【0017】
【化4】


(一般式(4)中、X、X、X3、k、n、m、pは前記一般式(3)に同じ。)
【0018】
前記一般式(1)で示されるグルタミン酸誘導体において、N−カルバモイルグルタミン酸、N−ベンジルオキシカルボニルグルタミン酸、N−メチルグルタミン酸が好適である。
【0019】
また、前記一般式(2)で示されるグルタミン酸誘導体において、Zがメチル基又はフェニル基であることが好適である。
また、Yが水酸基又はNRであることが好適である。
また、YがNRと同一であることが好適である。
また、RとRの少なくとも一方、及び/又は、RとRの少なくとも一方が、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基又はベンジル基であることが好適である。
また、RとRの少なくとも一方、及び/又は、RとRの少なくとも一方が、それぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基であることが好適である。
また、RとR及び/又はRとRは、それぞれ独立にそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数総和6以下の複素環を形成していることが好適である。
【0020】
また、N−アセチル−N’−メチルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−エチルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−n−プロピルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−ベンジルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロヘキシルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロペンチルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチルグルタミン酸 1−ピロリジンアミド、N−アセチルグルタミン酸 1−ピペリジンアミド、N−アセチルグルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−ベンゾイル−N’−メチルグルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−エチルグルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−n−プロピルグルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイルグルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジメチルグルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジエチルグルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラメチルグルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラエチルグルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチルグルタミン酸 ビス−1,5−モルホリンアミド、N−アセチルグルタミン酸 ビス−1,5−ピペリジンアミドが好適である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、特定構造のグルタミン酸誘導体又はその塩により、優れた効果を有し、感覚刺激などが生じない、安全性の高い新規な不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤が提供される。また、このようなグルタミン酸誘導体又はその塩を配合することにより、不全角化抑制、毛穴縮小、肌荒れ防止・改善などの機能を有する皮膚外用組成物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】ヒト正常角化細胞培養系において、それぞれ、エタノール添加、オレイン酸添加、又はオレイン酸とN−カルバモイル−L−グルタミン酸とを添加した系でのサイトカイン(IL−1α)量を測定した結果である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤、ならびに皮膚外用組成物は、下記一般式(1)又は一般式(2)で示されるグルタミン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選ばれる化合物の1種以上を有効成分とする。
【0024】
【化5】


(一般式(1)中、Aはカルバモイル基、ベンジルオキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキル基又はアリル基を表す。)
【化6】

【0025】
(一般式(2)中、Zは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、ベンジルオキシ基、あるいは下記一般式(3)又は下記一般式(4)で示される基を表す。また、Yは水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、アリルオキシ基、又はNRのいずれかを表す。但し、同時にZが一般式(4)でYがNRであることはない。また、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、又はベンジル基であるか、あるいは、RとR及びRとRは、それぞれ独立にそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数総和6以下の複素環を形成する。該複素環は、酸素原子を含んでもよい。また、R〜Rにおいて、前記炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、又は複素環は、水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、又はアリルオキシ基を置換基として有していてもよく、また、前記炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、又は複素環は、炭素数1〜3のアルキル基を置換基として有していてもよい。)
【0026】
【化7】


(一般式(3)中、X、X及びXは、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を表す。n、m及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、k及びqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)
【0027】
【化8】


(一般式(4)中、X、X、X3、k、n、m、pは前記一般式(3)に同じ。)
【0028】
本発明のグルタミン酸誘導体において、母核となるグルタミン酸は、D体、L体、DL体いずれであってもよく、またDL体の混合比もいずれであっても構わない。いずれの場合も本発明の効果は良好であるが、容易に本発明のグルタミン酸誘導体が得られるという点で、L体であることが好ましい。
【0029】
先ず、前記一般式(1)で示されるグルタミン酸誘導体について説明する。
前記一般式(1)中、Aはカルバモイル基、ベンジルオキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキル基又はアリル基のいずれかを表す。
炭素数1〜3のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基が挙げられる。
【0030】
一般式(1)のグルタミン酸誘導体として、N−カルバモイル−L−グルタミン酸、N−ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミン酸、N−メチル−L−グルタミン酸、N−エチル−L−グルタミン酸、N−n−プロピル−L−グルタミン酸、N−iso−プロピル−L−グルタミン酸、N−アリル−L−グルタミン酸、N−カルバモイル−DL−グルタミン酸、N−ベンジルオキシカルボニル−DL−グルタミン酸、N−メチル−DL−グルタミン酸、N−エチル−DL−グルタミン酸、N−n−プロピル−DL−グルタミン酸、N−iso−プロピル−DL−グルタミン酸、N−アリル−DL−グルタミン酸、N−カルバモイル−D−グルタミン酸、N−ベンジルオキシカルボニル−D−グルタミン酸、N−メチル−D−グルタミン酸、N−エチル−D−グルタミン酸、N−n−プロピル−D−グルタミン酸、N−iso−プロピル−D−グルタミン酸、N−アリル−D−グルタミン酸等が挙げられる。
【0031】
一般式(1)で示されるグルタミン酸誘導体のうち、最も好ましいものとしては、N−カルバモイル−L−グルタミン酸、N−ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミン酸、N−メチル−L−グルタミン酸、及びこれらの塩が挙げられる。これらは、一般式(1)のグルタミン酸誘導体の中でも不全角化抑制、毛穴縮小、肌荒れ防止・改善効果が最も良好であり、製剤への溶解性も良好で、安全性が高く、得られた皮膚外用組成物もそれらの効果が良好であり、本発明の目的を解決する点で最も優れている。
【0032】
次に、前記一般式(2)で示されるグルタミン酸誘導体について説明する。
一般式(2)中、Zは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、ベンジルオキシ基、あるいは上記一般式(3)又は上記一般式(4)で示される基を表す。一般式(2)で表される本発明のグルタミン酸誘導体は、Z部を有するアシルグルタミン酸誘導体である。
【0033】
Zにおいて、炭素数1〜4のアルキル基は、直鎖、分岐又は環状であることができる。
また、炭素数2〜4のアルケニル基は、直鎖、分岐又は環状でることができ、任意の位置に一つ以上の2重結合を有する。
【0034】
Zが炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアルケニル基である場合、−CO−Zで示されるアシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、プロペノイル基、ブタノイル基、2−ブテノイル基、3−ブテノイル基、2−メチルプロパノイル基、2−メチル−3−プロペノイル基、ペンタノイル基、2−メチルブタノイル基、2−メチル−2−ブテノイル基、2−メチル−3−ブテノイル基、2−エチルプロペノイル基、3−メチルブタノイル基、3−メチル−2−ブテノイル基、3−メチル−3−ブテノイル基、2,2−ジメチルプロパノイル基、2−ペンテノイル基、3−ペンテノイル基、4−ペンテノイル基、2,4−ペンタジエノイル基、シクロプロパンカルボニル基、シクロブタンカルボニル基、シクロプロピルアセチル基、1’−シクロプロペンカルボニル基、2’−シクロプロペンカルボニル基、1’−シクロブテンカルボニル基、2’−シクロブテンカルボニル基、1’,3’−シクロブタジエンカルボニル基、1’−シクロプロペンアセチル基、2’−シクロプロペンアセチル基が挙げられる。
これらのうち、本発明の効果が良好であること及び溶解性が良好であることから、アセチル基が好ましい。
【0035】
Zがベンジルオキシ基である場合、一般式(2)のグルタミン酸誘導体はベンジルオキシカルボニルグルタミン酸誘導体となる。
【0036】
一般式(3)において、X、X及びXは、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を表す。n、m及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、k及びqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。ただし、一般式(3)において、n+m+pの総和はqに依存して最大6である。
【0037】
、X及びXにおいて、炭素数1〜4のアルキル基は直鎖または分岐のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、1−メチルプロピル基が挙げられる。
また、炭素数1〜4のアルケニル基のアルケニルは、直鎖又は分岐であることができ、一つ以上の2重結合を有する。又、一般式(3)のシクロアルキル部との間で2重結合を有していてもよい。
また、炭素数1〜4のアルキルオキシ基は直鎖または分岐のアルキルオキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピロキシ基、iso−プロピロキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、2−メチルプロピロキシ基等が挙げられる。
また、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基のアルケニルは、直鎖又は分岐であることができ、一つ以上の2重結合を有する。
【0038】
、X及びXにおいて、炭素数1〜4のアルキルアミノ基は、直鎖または分岐のアルキル基を一つ又は2つ有するモノ又はジアルキルアミノ基である。例えば、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−n−プロピルアミノ基、N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチルアミノ基、N−iso−ブチルアミノ基、N−tert−ブチルアミノ基、N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N、N−ジメチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−n−プロピルアミノ基、N−メチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−メチルアミノ基、N−iso−ブチル−N−メチルアミノ基、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ基、N−(1−メチルプロピル)−N−メチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N−エチル−N−n−プロピルアミノ基、N−エチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−エチルアミノ基、N−iso−ブチル−N−エチルアミノ基、N−tert−ブチル−N−エチルアミノ基、N−エチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−メチル−N−n−プロピルアミノ基、N−エチル−N−n−プロピルアミノ基、N,N−ジ(n−プロピル)アミノ基、N−n−プロピル−N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−iso−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−tert−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−(1−メチルプロピル)−N−n−プロピルアミノ基、
【0039】
N−メチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−エチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−iso−プロピル−N−n−プロピルアミノ基、N,N−ジ(iso−プロピル)アミノ基、N−n−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−iso−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−tert−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N−(1−メチルプロピル)−N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−メチルアミノ基、N−n−ブチル−N−エチルアミノ基、N−n−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N,N−ジ(n−ブチルアミノ)基、N−n−ブチル−N−iso−ブチルアミノ基、N−n−ブチル−N−tert−ブチルアミノ基、N−n−ブチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−iso−ブチル−N−メチルアミノ基、N−iso−ブチル−N−エチルアミノ基、N−iso−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−n−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N,N−ジ(iso−ブチルアミノ)基、N−iso−ブチル−N−ter−ブチルアミノ基、
【0040】
N−iso−ブチル−N−tert−ブチルアミノ基、N−iso−ブチル−N−1−メチルプロピルアミノ基、N−ter−ブチル−N−メチルアミノ基、N−ter−ブチル−N−エチルアミノ基、N−ter−ブチル−N−n−プロピルアミノ基、N−ter−ブチル−N−iso−プロピルアミノ基、N,N−ジ(ter−ブチルアミノ)基、N−ter−ブチル−N−iso−ブチルアミノ基、N−n−ブチル−N−tert−ブチルアミノ基、N−ter−ブチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−メチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−エチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−(1−メチルプロピル)−N−n−プロピルアミノ基、N−(1−メチルプロピル)−N−iso−プロピルアミノ基、N−n−ブチル1−メチルプロピルアミノ基、N−iso−ブチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N−tert−ブチル−N−(1−メチルプロピル)アミノ基、N,N−ジ(1−メチルプロピル)アミノ基等が挙げられる。
【0041】
一般式(3)のX〜Xとしては、本発明の効果が良好であることから、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、又は水酸基が好ましい。さらには、溶解性が良好であることから、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、又は水酸基が好ましい。また、本発明の効果や溶解性の点から好ましいものとしては、n、m及びpが0である場合も挙げられる。
【0042】
一般式(3)においてkが0の場合、本発明のグルタミン酸誘導体はqに対応したシクロアルキルカルボニルグルタミン酸誘導体となり、kが1である場合は、qに対応したシクロアルキルメチルカルボニルグルタミン酸誘導体となり、kが2である場合は、qに対応したシクロアルキルエチルカルボニルグルタミン酸誘導体となる。また、qが0である場合、一般式(3)はシクロペンチル部を有し、qが1である場合、シクロヘキシル部を有し、qが2である場合、シクロヘプチル部を有することとなる。
これらのうち、本発明の効果が良好であることから、kが0であることが好ましく、また、qが1であることが好ましい。
【0043】
よって、Zが一般式(3)で示される基である場合、−CO−Z基の好ましい例としては、シクロヘキサンカルボニル基、4−メトキシシクロヘキサンカルボニル基、3−メトキシシクロヘキサンカルボニル基、2−メトキシシクロヘキサンカルボニル基、4−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル基、3−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル基、2−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニル基、シクロヘキシルアセチル基、4−メトキシシクロヘキシルアセチル基、3−メトキシシクロヘキシルアセチル基、2−メトキシシクロヘキシルアセチル基、4−ヒドロキシシクロヘキシルアセチル基、3−ヒドロキシシクロヘキシルアセチル基、2−ヒドロキシシクロヘキシルアセチル基、シクロヘキシルプロピオニル基、4−メトキシシクロヘキシルプロピオニル基、3−メトキシシクロヘキシルプロピオニル基、2−メトキシシクロヘキシルプロピオニル基、4−ヒドロキシシクロヘキシルプロピオニル基、3−ヒドロキシシクロヘキシルプロピオニル基、2−ヒドロキシシクロヘキシルプロピオニル基が挙げられ、特に好ましくはシクロヘキサンカルボニル基である。
【0044】
一般式(4)において、X、X、X3、k、n、m、pは前記一般式(3)の定義と同じであり、好ましいX、X、X3、k、m、pについても一般式(3)と同様である。ただし、一般式(4)において、n+m+pの総和は最大5である。
Zが一般式(4)で示される基である場合、−CO−Z基は、kが0である場合はX〜Xに対応したベンゾイル基、kが1である場合はX〜Xに対応したフェニルアセチル基、kが2である場合X〜Xに対応したフェニルプロピオニル基となる。一般式(4)においては、本発明の効果が良好であることから、kが0であることが好ましい。
【0045】
Zが一般式(4)である場合、−CO−Z基の好ましい例としては、ベンゾイル基、p−アニソイル(4−メトキシベンゾイル)基、m−アニソイル(3−メトキシベンゾイル)基、o−アニソイル(2−メトキシベンゾイル)基、4−エトキシベンゾイル基、3−エトキシベンゾイル基、2−エトキシベンゾイル基、4−プロポキシベンゾイル基、3−プロポキシベンゾイル基、2−プロポキシベンゾイル基、2,4−ジメトキシベンゾイル基、3,4−ジメトキシベンゾイル基、3,4,5−トリメトキシベンゾイル基、2,3,4−トリメトキシベンゾイル基、2−ヒドロキシベンゾイル(サリチル)基、3−ヒドロキシベンゾイル基、4−ヒドロキシベンゾイル基、2,4−ジヒドロキシベンゾイル基、3,4−ジヒドロキシベンゾイル基、3,4,5−トリヒドロキシベンゾイル(ガロイル)基、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイル基、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾイル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゾイル基、2−メチルベンゾイル(o−トルイル)基、3−メチルベンゾイル(m−トルイル)基、4−メチルベンゾイル(p−トルイル)基、2−エチルベンゾイル基、3−エチルベンゾイル基、4−エチルベンゾイル基、2−プロピルベンゾイル基、3−プロピルベンゾイル基、4−プロピルベンゾイル基、
【0046】
フェニルアセチル基、4−メトキシフェニルアセチル基、3−メトキシフェニルアセチル基、2−メトキシフェニルアセチル基、4−エトキシフェニルアセチル基、3−エトキシフェニルアセチル基、2−エトキシフェニルアセチル基、4−プロポキシフェニルアセチル基、3−プロポキシフェニルアセチル基、2−プロポキシフェニルアセチル基、2,4−ジメトキシフェニルアセチル基、3,4−ジメトキシフェニルアセチル基、3,4,5−トリメトキシフェニルアセチル基、2−ヒドロキシフェニルアセチル基、3−ヒドロキシフェニルアセチル基、4−ヒドロキシフェニルアセチル基、N−2,4−ジヒドロキシフェニルアセチル基、N−3,4−ジヒドロキシフェニルアセチル基、N−3,4,5−トリヒドロキシフェニルアセチル基、2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルアセチル基、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルアセチル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルアセチル基、2−メチルフェニルアセチル基、3−メチルフェニルアセチル基、4−メチルフェニルアセチル基、2−エチルフェニルアセチル基、3−エチルフェニルアセチル基、4−エチルフェニルアセチル基、2−プロピルフェニルアセチル基、3−プロピルフェニルアセチル基、4−プロピルフェニルアセチル基、
【0047】
フェニルプロピオニル基、4−メトキシフェニルプロピオニル基、3−メトキシフェニルプロピオニル基、2−メトキシフェニルプロピオニル基、4−エトキシフェニルプロピオニル基、3−エトキシフェニルプロピオニル基、2−エトキシフェニルプロピオニル基、4−プロポキシフェニルプロピオニル基、3−プロポキシフェニルプロピオニル基、2−プロポキシフェニルプロピオニル基、2,4−ジメトキシフェニルプロピオニル基、3,4−ジメトキシフェニルプロピオニル基、3,4,5−トリメトキシフェニルプロピオニル基、2−ヒドロキシフェニルプロピオニル基、3−ヒドロキシフェニルプロピオニル基、4−ヒドロキシフェニルプロピオニル基、N−2,4−ジヒドロキシフェニルプロピオニル基、N−3,4−ジヒドロキシフェニルプロピオニル基、N−3,4,5−トリヒドロキシフェニルプロピオニル基、2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルプロピオニル基、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニルプロピオニル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニルプロピオニル基、2−メチルフェニルプロピオニル基、3−メチルフェニルプロピオニル基、4−メチルフェニルプロピオニル基、2−エチルフェニルプロピオニル基、3−エチルフェニルプロピオニル基、4−エチルフェニルプロピオニル基、2−プロピルフェニルプロピオニル基、3−プロピルフェニルプロピオニル基、4−プロピルフェニルプロピオニル基等が挙げられる。これらのうち、本発明の効果が最も良好であることから、ベンゾイル基が好ましい。
【0048】
一般式(2)において、Yは水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、アリルオキシ基、又はNRのいずれかを表す。
Yが水酸基である場合、一般式(2)のグルタミン酸誘導体は、R及びRに対応した1−アミド体となる。よって、一般式(2)のグルタミン酸誘導体は、Z、R及びRに対応したアシルグルタミン酸−1−アミド体となる。
【0049】
Yが炭素数1〜3のアルキルオキシ基又はアリルオキシ基である場合、一般式(2)のグルタミン酸誘導体は、5−エステル体となる。よって、一般式(2)のグルタミン酸誘導体は、Y、Z、R及びRに対応したアシルグルタミン酸−1−モノアミド−5−エステル体となる。この場合、Yとして具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、アリルオキシ基が挙げられる。
【0050】
YがNRである場合、一般式(2)のグルタミン酸誘導体は、R〜Rに対応した1,5−ジアミド体となる。よって、一般式(2)のグルタミン酸誘導体は、Y、Z、R〜Rに対応したアシルグルタミン酸−1,5−ジアミド体となる。但し、Zが一般式(4)である場合、同時にYがNRとなることはない。
【0051】
一般式(2)のYとしては、安定性が良好であることから、水酸基又はNRであることが好ましい。
一般式(2)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、又はベンジル基であることができる。あるいは、RとR及び/又はRとRは、それぞれ独立にそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数総和6以下の複素環を形成してもよく、該複素環は酸素原子を含んでもよい。
【0052】
なお、R〜Rにおいて、前記炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、及び複素環は、水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基及びアリルオキシ基を置換基として有していてもよい。
また、R〜Rにおいて、前記炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、及び複素環は、炭素数1〜3のアルキル基を置換基として有していてもよい。
【0053】
及びRがいずれも水素原子でYが水酸基である場合、本発明のグルタミン酸誘導体はZに対応したアシルグルタミン酸−1−アミド又はアシルグルタミンアミドとなる。
【0054】
〜Rにおいて、炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基が挙げられる。
また、R〜Rにおいて炭素数1〜3のアルキル基及びアリル基は、水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基及びアリルオキシ基を置換基として有していてもよい。このような例としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−1−メチルエチル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基、2,2,3−トリヒドロキシプロピル基、2,1’−ジヒドロキシ−1−メチルエチル基、2−メトキシエチル基、2−メトキシプロピル基、3−メトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチルエチル基、2−メトキシ−1−メチルエチル基、2,3−ジメトキシプロピル基、2,2,3−トリメトキシプロピル基、2,1’−ジメトキシ−1−メチルエチル基、2−エトキシエチル基、2−エトキシプロピル基、3−エトキシプロピル基、1−エトキシ−1−メチルエチル基、2−エトキシ−1−メチルエチル基、2,3−ジエトキシプロピル基、2,2,3−トリエトキシプロピル基、2,1’−ジエトキシ−1−メチルエチル基、2−n−プロポキシエチル基、2−n−プロポキシプロピル基、3−n−プロポキシプロピル基、1−n−プロポキシ−1−メチルエチル基、2−n−プロポキシ−1−メチルエチル基、2,3−ジn−プロポキシプロピル基、2,2,3−トリn−プロポキシプロピル基、2,1’−ジn−プロポキシ−1−メチルエチル基、2−iso−プロポキシエチル基、2−iso−プロポキシ−iso−プロピル基、3−iso−プロポキシプロピル基、1−iso−プロポキシ−1−メチルエチル基、2−iso−プロポキシ−1−メチルエチル基、2,3−ジiso−プロポキシプロピル基、2,2,3−トリiso−プロポキシプロピル基、2,1’−ジiso−プロポキシ−1−メチルエチル基、2−アリロキシエチル基、2−アリロキシ−n−プロピル基、3−アリロキシプロピル基、1−アリロキシ−1−メチルエチル基、2−アリロキシ−1−メチルエチル基、2,3−ジアリロキシプロピル基、2,2,3−トリアリロキシプロピル基、2,1’−ジアリロキシ−1−メチルエチル基、2−ヒドロキシ−3−メトキシプロピル基、3−ヒドロキシ−2−メトキシプロピル基等が挙げられる。
【0055】
〜Rにおいて、炭素数3〜7のシクロアルキル基とは、その少なくとも一部が飽和炭素環を形成している総炭素数3〜7の飽和炭化水素基を意味する。
また、R〜Rにおいて、炭素数3〜7のシクロアルケニル基とは、その少なくとも一部が一つ以上の2重結合を有する不飽和炭素環を形成している総炭素数3〜7の不飽和炭化水素基を意味する。
【0056】
炭素数3〜7のシクロアルキル基又は炭素数3〜7のシクロアルケニル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、1−メチルシクロプロピル基、2−メチルシクロプロピル基、3−メチルシクロプロピル基、1−シクロプロピルエチル基、2−シクロプロピルエチル基、1,2−ジメチルシクロプロピル基、2,2−ジメチルシクロプロピル基、2,3−ジメチルシクロプロピル基、1−シクロプロピルプロピル基、2−シクロプロピルプロピル基、3−シクロプロピルプロピル基、(2’−メチルシクロプロピル)メチル基、(2’−エチルシクロプロピル)メチル基、1−エチルシクロプロピル基、2−エチルシクロプロピル基、1,2,3−トリメチルシクロプロピル基、2,2,3−トリメチルシクロプロピル基、1,2,2−トリメチルシクロプロピル基、(1’,2’−ジメチルシクロプロピル)メチル基、(2’,2’−ジメチルシクロプロピル)メチル基、(2’,3’−ジメチルシクロプロピル)メチル基、1−(1’−メチルシクロプロピル)エチル基、1−(2’−メチルシクロプロピル)エチル基、2−シクロプロピルプロピル基、2−(2’−メチルシクロプロピル)エチル基、1−(1’−メチルシクロプロピル)プロピル基、1−(2’−メチルシクロプロピル)プロピル基、2−エチル−1−メチルシクロプロピル基、2−エチル−2−メチルシクロプロピル基、3−シクロプロピルブチル基、2−シクロプロピルブチル基、1−シクロプロピルブチル基、2−シクロプロピル−1−メチルエチル基、3−(2’−メチルシクロプロピル)プロピル基、1−(2’−プロピルシクロプロピル)メチル基、3−シクロプロピル−2−メチルプロピル基、3−シクロプロピル−1−メチルプロピル基、3−シクロプロピルペンチル基、3−(2’−エチルシクロプロピル)エチル基、1,2−ジエチルシクロプロピル基、2,2−ジエチルシクロプロピル基、
【0057】
2−シクロプロピル−1−エチルエチル基、2−(2’,2’−ジメチルシクロプロピル)エチル基、2−(2’,3’−ジメチルシクロプロピル)エチル基、2−(2’,2’−ジメチルシクロプロピル)ブチル基、2−(2’,3’−ジメチルシクロプロピル)ブチル基、2−(2’−メチルシクロプロピル)−1−メチルエチル基、2−シクロプロピル−1−メチルブチル基、テトラメチルシクロプロピル基、(2’,2’,3’−トリメチルシクロプロピル)メチル基、1−(2’,2’−ジメチルシクロプロピル)エチル基、1−(2’,3’−ジメチルシクロプロピル)エチル基、1−(2’,2’−ジメチルシクロプロピル)−1−メチルメチル基、1−(2’,3’−ジメチルシクロプロピル)−1−メチルメチル基、1−(3’−メチルシクロプロピル)−1−メチルエチル基、1−(2’−メチルシクロプロピル)−1−メチルエチル基、1−(2’−エチルシクロプロピル)−1−メチルメチル基、1−シクロプロピル−1−メチルエチル基、シクロブチル基、シクロブチルメチル基、1−メチルシクロブチル基、2−メチルシクロブチル基、3−メチルシクロブチル基、1,2−ジメチルシクロブチル基、1,3−ジメチルシクロブチル基、2,2−ジメチルシクロブチル基、2,3−ジメチルシクロブチル基、2,4−ジメチルシクロブチル基、3,3−ジメチルシクロブチル基、1−エチルシクロブチル基、2−エチルシクロブチル基、3−エチルシクロブチル基、1−シクロブチルエチル基、2−シクロブチルエチル基、1−シクロブチル−1−メチルメチル基、(2’,2’−ジメチルシクロブチル)メチル基、(2’,3’−ジメチルシクロブチル)メチル基、(3’,3’−ジメチルシクロブチル)メチル基、(2’,4’−ジメチルシクロブチル)メチル基、1−(2’−メチルシクロブチル)エチル基、1−(3’−メチルシクロブチル)エチル基、
【0058】
1,2,2−トリメチルシクロブチル基、1,2,3−トリメチルシクロブチル基、1,3,3−トリメチルシクロブチル基、1,2,4−トリメチルシクロブチル基、2,2,3−トリメチルシクロブチル基、2,3,3−トリメチルシクロブチル基、2,3,4−トリメチルシクロブチル基、(2’−エチルシクロブチル)メチル基、(3’−エチルシクロブチル)メチル基、1−シクロブチルプロピル基、2−シクロブチルプロピル基、3−シクロブチルプロピル基、1−プロピルシクロブチル基、2−プロピルシクロブチル基、1−エチル−2−メチルシクロブチル基、2−エチル−2−メチルシクロブチル基、1−エチル−3−メチルシクロブチル基、3−エチル−3−メチルシクロブチル基、2−エチル−3−メチルシクロブチル基、3−エチル−2−メチルシクロブチル基、2−エチル−1−メチルシクロブチル基、3−エチル−1−メチルシクロブチル基、2−エチル−4−メチルシクロブチル基、4−エチル−2−メチルシクロブチル基、2−シクロブチル−1−メチルエチル基、2−(2’−メチルシクロブチル)エチル基、2−(3’−メチルシクロブチル)エチル基、シクロペンチル基、1−メチル−2−プロピルシクロブチル基、1−メチル−3−プロピルシクロブチル基、2−メチル−2−プロピルシクロブチル基、3−メチル−3−プロピルシクロブチル基、2−メチル−3−プロピルシクロブチル基、2−メチル−1−プロピルシクロブチル基、3−メチル−1−プロピルシクロブチル基、2−メチル−4−プロピルシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、(2’−メチルシクロペンチル)メチル基、(3’−メチルシクロペンチル)メチル基、1−シクロペンチルエチル基、2−シクロペンチルエチル基、1,2−ジメチルシクロペンチル基、2,2−ジメチルシクロペンチル基、2,3−ジメチルシクロペンチル基、
【0059】
3,3−ジメチルシクロペンチル基、1,3−ジメチルシクロペンチル基、2,5−ジメチルシクロペンチル基、2,4−ジメチルシクロペンチル基、3,5−ジメチルシクロペンチル基、3,4−ジメチルシクロペンチル基、1−シクロペンチル−1−メチルメチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−メチルシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロプロピレニル基、シクロプロピレニルメチル基、シクロブテニル基、シクロブタジエニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、2−メチルシクロペンタジエニル基、3−メチルシクロペンタジエニル基、2,2−ジメチル−1−シクロペンテニル基、2,3−ジメチル−1−シクロペンテニル基、2,4−ジメチル−1−シクロペンテニル基、2,5−ジメチル−1−シクロペンテニル基、3,3−ジメチル−1−シクロペンテニル基、3,4−ジメチル−1−シクロペンテニル基、3,5−ジメチル−1−シクロペンテニル基、4,4−ジメチル−1−シクロペンテニル基、4,5−ジメチル−1−シクロペンテニル基、5,5−ジメチル−1−シクロペンテニル基、1,2−ジメチル−2−シクロペンテニル基、1,3−ジメチル−2−シクロペンテニル基、1,4−ジメチル−2−シクロペンテニル基、1,5−ジメチル−2−シクロペンテニル基、2,3−ジメチル−2−シクロペンテニル基、2,4−ジメチル−2−シクロペンテニル基、2,5−ジメチル−2−シクロペンテニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、3,4−ジメチル−2−シクロペンテニル基、3,5−ジメチル−2−シクロペンテニル基、4,4−ジメチル−2−シクロペンテニル基、4,5−ジメチル−2−シクロペンテニル基、5,5−ジメチル−2−シクロペンテニル基、
【0060】
シクロペンテニルメチル基、1,2−ジメチル−3−シクロペンテニル基、1,3−ジメチル−3−シクロペンテニル基、2,2−ジメチル−3−シクロペンテニル基、2,3−ジメチル−3−シクロペンテニル基、2,4−ジメチル−3−シクロペンテニル基、2,5−ジメチル−3−シクロペンテニル基、3,4−ジメチル−3−シクロペンテニル基、3,5−ジメチル−3−シクロペンテニル基、1−(1’−シクロペンテニル)エチル基、1−(2’−シクロペンテニル)エチル基、1−(3’−シクロペンテニル)エチル基、2−(1’−シクロペンテニル)エチル基、2−(2’−シクロペンテニル)エチル基、2−(3’−シクロペンテニル)エチル基、1−シクロヘキセニル基、2−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、1,3−シクロヘキサジエニル基、1,4−シクロヘキサジエニル基、1,5−シクロヘキサジエニル基、2,4−シクロヘキサジエニル基、2,5−シクロヘキサジエニル基、2−メチル−1−シクロヘキセニル基、3−メチル−1−シクロヘキセニル基、4−メチル−1−シクロヘキセニル基、
【0061】
5−メチル−1−シクロヘキセニル基、6−メチル−1−シクロヘキセニル基、1−メチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−シクロヘキセニル基、3−メチル−2−シクロヘキセニル基、4−メチル−2−シクロヘキセニル基、5−メチル−2−シクロヘキセニル基、6−メチル−2−シクロヘキセニル基、1−メチル−3−シクロヘキセニル基、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3−メチル−3−シクロヘキセニル基、4−メチル−3−シクロヘキセニル基、5−メチル−3−シクロヘキセニル基、6−メチル−3−シクロヘキセニル基、1−シクロヘプテニル基、2−シクロヘプテニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロヘプテニル基、(1’−シクロヘキセニル)メチル基、(2’−シクロヘキセニル)メチル基、(3’−シクロヘキセニル)メチル基、(1’,3’−シクロヘキサジエニル)メチル基、(1’,4’−シクロヘキサジエニル)メチル基、(1’,5’−シクロヘキサジエニル)メチル基、(2’,4’−シクロヘキサジエニル)メチル基、(2’,5’−シクロヘキサジエニル)メチル基等が挙げられる。
【0062】
これら炭素数3〜7のシクロアルキル基又は炭素数3〜7のシクロアルケニル基は、前述したように、水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、アリルオキシ基、炭素数1〜3のアルキル基のいずれかを置換基として有していてもよい。炭素数1〜3のアルキルオキシ基及び炭素数1〜3のアルキル基としては、前述したものが挙げられる。
これら炭素数3〜7のシクロアルキル基又は炭素数3〜7のシクロアルケニル基のうち、本発明の効果が良好であることから、シクロヘキシル基、シクロペンチル基が好ましい。
【0063】
また、R〜Rにおいて、フェニル基又はベンジル基は、前述したように、水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、アリルオキシ基、炭素数1〜3のアルキル基のいずれかを置換基として有していてもよい。炭素数1〜3のアルキルオキシ基及び炭素数1〜3のアルキル基としては前述したものが挙げられる。
具体例としては、4−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、3−エトキシフェニル基、2−エトキシフェニル基、4−プロポキシフェニル基、3−プロポキシフェニル基、2−プロポキシフェニル基、4−アリルオキシフェニル基、3−アリルオキシフェニル基、2−アリルオキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2,4−ジヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基、2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル基、3−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、3−エチルフェニル基、4−エチルフェニル基、2−プロピルフェニル基、3−プロピルフェニル基、4−プロピルフェニル基、
【0064】
4−メトキシベンジル基、3−メトキシベンジル基、2−メトキシベンジル基、4−エトキシベンジル基、3−エトキシベンジル基、2−エトキシベンジル基、4−プロポキシベンジル基、3−プロポキシベンジル基、2−プロポキシベンジル基、4−アリルオキシベンジル基、3−アリルオキシベンジル基、2−アリルオキシベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、3,4,5−トリメトキシベンジル基、2−ヒドロキシベンジル基、3−ヒドロキシベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、2,4−ジヒドロキシベンジル基、3,4−ジヒドロキシベンジル基、3,4,5−トリヒドロキシベンジル基、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル基、3−ヒドロキシ−4−メトキシベンジル基、4−ヒドロキシ−3−メトキシベンジル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2−エチルベンジル基、3−エチルベンジル基、4−エチルベンジル基、2−プロピルベンジル基、3−プロピルベンジル基、4−プロピルベンジル基等が挙げられる。
これらのうち、本発明の効果が良好であること及び溶解性が良好であることから、フェニル基、ベンジル基が好ましい。
【0065】
〜Rとしては、本発明の効果が良好であること及び溶解性が良好であることから、RとRの少なくとも一方、及び/又は、RとRの少なくとも一方が、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基又はベンジル基であることが好ましく、特に好ましくは、RとRの少なくとも一方、及び/又は、RとRの少なくとも一方が、それぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基である。
【0066】
また、RとR及び/又はRとRは、それぞれ独立にそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数総和6以下の複素環を形成することも好適である。該複素環は不飽和結合を有していても構わない。また、酸素原子を含んでもよい。
このようなNR又はNRの具体例として、ピペリジン、ピロリジン、ピロール、モルホリン等が挙げられる。これら複素環は、前述したように、水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、アリルオキシ基、炭素数1〜3のアルキル基のいずれかを置換基として有していてもよい。
【0067】
好ましいNR又はNRとして、具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、n−プロピルアミノ基、iso−プロピルアミノ基、ヒドロキシエチルアミノ基、エトキシエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、メチルエチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、フェニルアミノ基、ベンジルアミノ基、ピペリジノ基、ピロリジノ基、ピローリノ基、モルホリノ基が挙げられる。
【0068】
本発明においては、グルタミン酸からの合成が容易であることから、NRはNRと同一であることが好ましい。但し、グルタミンやテアニンなどを原料として用いたり、適当な合成法により容易にNRがNRとは異なる本発明のグルタミン酸誘導体も得ることが可能であることから、本発明はこの限りではない。
【0069】
本発明において、一般式(2)で示されるグルタミン酸誘導体の好ましい例としては、N−アセチル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−n−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−ベンジル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロヘキシル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロペンチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピロリジンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピペリジンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−ベンゾイル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−n−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−モルホリンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−ピペリジンアミド、N−アセチル−N’−メチル−DL−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−エチル−DL−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−n−プロピル−DL−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−ベンジル−DL−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロヘキシル−DL−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロペンチル−DL−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−DL−グルタミン酸 1−ピロリジンアミド、N−アセチル−DL−グルタミン酸 1−ピペリジンアミド、N−アセチル−DL−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−ベンゾイル−N’−メチル−DL−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−エチル−DL−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−n−プロピル−DL−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−DL−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジメチル−DL−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジエチル−DL−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラメチル−DL−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラエチル−DL−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−DL−グルタミン酸 ビス−1,5−モルホリンアミド、N−アセチル−DL−グルタミン酸 ビス−1,5−ピペリジンアミド、N−アセチル−N’−メチル−D−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−エチル−D−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−n−プロピル−D−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−ベンジル−D−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロヘキシル−D−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロペンチル−D−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−D−グルタミン酸 1−ピロリジンアミド、N−アセチル−D−グルタミン酸 1−ピペリジンアミド、N−アセチル−D−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−ベンゾイル−N’−メチル−D−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−エチル−D−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−n−プロピル−D−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−D−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジメチル−D−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジエチル−D−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラメチル−D−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラエチル−D−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−D−グルタミン酸 ビス−1,5−モルホリンアミド、N−アセチル−D−グルタミン酸 ビス−1,5−ピペリジンアミド、ならびにこれらの塩からなる群から選ばれる化合物である。
【0070】
これらのうち、更に好ましくは、N−アセチル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−n−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−ベンジル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロヘキシル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロペンチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピロリジンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピペリジンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−ベンゾイル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−n−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−アセチル−N’
,N’’−ジメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’
,N’’−ジエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’
,N’ ,N’’,N’’−テトラメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’
,N’ ,N’’,N’’−テトラエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−モルホリンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−ピペリジンアミド、ならびにこれらの塩からなる群から選ばれる化合物である。これらは、一般式(2)で示される化合物の中でも不全角化抑制、毛穴縮小、肌荒れ防止・改善効果が最も良好であり、製剤への溶解性も良好で、安全性が高く、本発明の目的を解決する点で最も優れている。
【0071】
本発明に係るグルタミン酸誘導体及びそれらの塩は、公知の方法により合成することや、動植物や微生物等から抽出・精製することにより得ることができる。また、市販品としても入手可能であり、N−カルバモイル−L−グルタミン酸などは、例えばシグマ社から市販されている。また、N−べンジルオキシカルボニル−L−グルタミン酸及びN−メチル−DL−グルタミン酸などは、例えば東京化成株式会社から市販されている。また、N−メチル−L−グルタミン酸などは、例えば国産化学社から市販されている。
以下にその代表的な合成例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0072】
(合成例)
(1)N−アセチル−N’,N’’−ジメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド
N−アセチル−L−グルタミン酸5gにメタノール50mLを加え、10%塩酸メタノール溶液10mLを加えて加熱還流を1時間行った。空冷後、濃縮して得た残渣に、40%メチルアミンメタノール溶液20mLを加え、室温にて2時間攪拌した。反応液を濃縮、乾燥固化し、メタノールにて再結晶を行い、目的物3.8gを得た。
得られた目的物はNMR(JEOL EX−400、溶媒DMSO)により構造を確認した。
H−NMR(ppm):8.01(1H)、7.82(1H)、7.73(1H)、4.12(1H)、2.55(6H)、2.05(2H)、1.85(4H)、1.68(1H)。13C−NMR(ppm):171.8、171.8、169.2、62.3、31.8、28.1、25.5、25.4、22.5。
【0073】
(2)N−アセチル−N’,N’’−ジエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド
N−アセチル−L−グルタミン酸5gにメタノール50mLを加え、10%塩酸メタノール溶液50mLを加えて加熱還流を1時間行った。空冷後、濃縮して得た残渣に、70%エチルアミン水溶液20mLを加え、50℃にて2時間攪拌した。反応液を濃縮、乾燥固化し、メタノールにて再結晶を行い、目的物3.7gを得た。
【0074】
(3)N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド
N−アセチル−L−グルタミン酸5gにメタノール50mLを加え、10%塩酸メタノール溶液50mLを加えて加熱還流を1時間行った。空冷後、濃縮して得た残渣に、ジメチルアミン20mLを加え、50℃にて3時間攪拌した。反応液を濃縮、乾燥し、液状の目的物5.8gを得た。
【0075】
(4)N−アセチル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド
N−ベンジルオキシカルボニル−tert−ブチル−L−グルタミン酸−5−エステル10gを塩化メチレン200mLに溶解し、室温でメチルアミン塩酸塩g、トリエチルアミン4.9mL、EDCI6.7g、HOBt5.4gを加えて室温で一晩攪拌した。塩化メチレン50mLで希釈し、水50mL、2M塩酸50mL、飽和重曹水50mLで洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾去後、濃縮し、残渣9.1gを得た。得られた残渣をメタノール200mLに溶解し、5%Pd−C(50%wet)1gを加え、水素雰囲気下、室温で一晩攪拌し、濾過、濃縮し、残渣5.9gを得た。
【0076】
得られた残渣のうち1.02gを塩化メチレン30mLに溶解し、トリエチルアミン1.4mL、塩化アセチル525μlを加えて室温で一晩攪拌した。メタノール1mLを加えて10分間攪拌し、塩化メチレン50mLで希釈し、水50mL、2M塩酸50mL、飽和重曹水50mL、飽和食塩水50mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾去後、濃縮した。得られた残渣にジオキサン10mLを加え、室温で4M塩酸ジオキサン溶液を10mL加え、一晩室温で攪拌した。溶媒を減圧留去し、目的物0.4gを得た。
【0077】
(5)N−ベンゾイル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド
(4)で得られた残渣のうち1.02gを塩化メチレン30mLに溶解し、トリエチルアミン1.4mL、塩化ベンゾイル900μlを加えて室温で一晩攪拌した。N,N−ジメチルエチレンジアミン1mLを加えて10分間攪拌し、塩化メチレン50mLで希釈し、水50mL、2M塩酸50mL、飽和重曹水50mL、飽和食塩水50mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾去後、濃縮した。得られた残渣にジオキサン10mLを加え、室温で4M塩酸ジオキサン溶液を10mL加え、一晩室温で攪拌した。溶媒を減圧留去し、目的物1.4gを得た。
【0078】
(6)N−アセチル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド
N−ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミン酸−tert−ブチル−5−エステル10gを塩化メチレン200mLに溶解し、室温でエチルアミン塩酸塩トリエチルアミン4.9mL、EDCI6.7g、HOBt5.4gを加えて室温で一晩攪拌した。塩化メチレン50mLで希釈し、水50mL、2M塩酸50mL、飽和重曹水50mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾去後、濃縮し、残渣9.4gを得た。得られた残渣をメタノール200mLに溶解し、5%Pd−C(50%wet)1gを加え、水素雰囲気下、室温で一晩攪拌し、濾過、濃縮し、残渣6.2g得た。
【0079】
得られた残渣のうち1.15gを塩化メチレン30mLに溶解し、トリエチルアミン1.4mL、塩化アセチル525μlを加えて室温で一晩攪拌した。メタノール1mLを加えて10分間攪拌し、塩化メチレン50mLで希釈し、水50mL、2M塩酸50mL、飽和重曹水50mL、飽和食塩水50mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾去後、濃縮した。得られた残渣にジオキサン10mLを加え、室温で4M塩酸ジオキサン溶液を10mL加え、一晩室温で攪拌した。溶媒を減圧留去し、目的物0.6gを得た。
【0080】
(7)N−ベンゾイル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド
(6)で得られた残渣のうち1.15gを塩化メチレン30mLに溶解し、トリエチルアミン1.4mL、塩化ベンゾイル900μlを加えて室温で一晩攪拌した。N,N−ジメチルエチレンジアミン1mLを加えて10分間攪拌し、塩化メチレン50mLで希釈し、水50mL、2M塩酸50mL、飽和重曹水50mL、飽和食塩水50mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾去後、濃縮した。得られた残渣にジオキサン10mLを加え、室温で4M塩酸ジオキサン溶液を10mL加え、一晩室温で攪拌した。溶媒を減圧留去し、目的物1.6gを得た。
【0081】
(8)N−アセチル−N’−ベンジル−L−グルタミン酸−1−アミド
N−ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミン酸−tert−ブチル−5−エステル10gを塩化メチレン200mLに溶解し、室温でベンジルアミン3.75g、EDCI6.7g、HOBt5.4gを加えて室温で一晩攪拌した。塩化メチレン50mLで希釈し、水50mL、2M塩酸50mL、飽和重曹水50mLで洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾去後、濃縮し、得られた残渣をメタノール200mLに溶解し、5%Pd−C(50%wet)1gを加え、水素雰囲気下、室温で一晩攪拌し、濾過、濃縮し、残渣7.8g得た。
【0082】
得られた残渣のうち1.46gを塩化メチレン30mLに溶解し、トリエチルアミン1.4mL、塩化アセチル525μlを加えて10分間攪拌し、塩化メチレン50mLで希釈し、水50mL、2M塩酸50mL、飽和重曹水50mL、飽和食塩水50mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾去後、濃縮した。得られた残渣にジオキサン10mLを加え、室温で4M塩酸ジオキサン溶液を10mL加え、一晩室温で攪拌した。溶媒を減圧留去し、目的物1.3gを得た。
【0083】
(9)N−ベンゾイル−N’−ベンジル−L−グルタミン酸−1−アミド
(8)で得られた残渣のうち1.46gを塩化メチレン30mLに溶解し、トリエチルアミン1.4mL、塩化ベンゾイル900μlを加えて室温で一晩攪拌した。N,N−ジメチルエチレンジアミン1mLを加えて10分間攪拌し、塩化メチレン50mLで希釈し、水50mL、2M塩酸50mL、飽和重曹水50mL、飽和食塩水50mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾去後、濃縮した。得られた残渣にジオキサン10mLを加え、室温で4M塩酸ジオキサン溶液を10mL加え、一晩室温で攪拌した。溶媒を減圧留去し、目的物1.3gを得た。
【0084】
また、本発明のグルタミン酸誘導体は、必ずしも必要ではないが、塩として用いることもできる。塩としては、薬理学的又は製剤的に許容可能な塩であれば特に限定されないが、例えば無機塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩等が挙げられる。有機塩としては、メチルアミン塩、ピリジン塩、トリメチルアミン塩、トリエタノールアミン塩、メチル硫酸塩、p−トルエンスルフォン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、ベタイン塩、グリシン塩、セリン塩、タウリン塩などが挙げられるが、本発明はこれに限らない。塩は公知の方法によって得ることができる。
【0085】
皮膚の新陳代謝の過程において、皮膚の最外層(肌表面)まで移動してきた角化細胞はいずれ垢となって剥がれ落ちるが、この状態のときの角化細胞の核は、通常消失している。ところが、なんらかの原因で、皮膚の細胞の分化・増殖が乱れ、角化の速度が異常に速まることにより、表皮角化細胞が細胞内に核を有した未熟な状態で角質中に存在することがあり、これを不全角化という。本発明においては、この表皮角化細胞の不全角化を単に「不全角化」とも記載し、単に「不全角化」と記載した用語は、表皮角化細胞の不全角化の意である。
また、毛穴が目立つ広がった毛穴はすり鉢状になっており、毛穴の毛孔部周囲のすり鉢状部分の角質層は不全角化状態にある。したがって、不全角化が、毛穴の毛孔部(毛の出口部分)周囲の角質層に起こると、毛孔部周囲のすり鉢状化が起こり、この毛穴の広がったすり鉢状構造により毛穴が目立つことになる。
【0086】
本発明に係るグルタミン酸誘導体及びそれらの塩(以下、グルタミン酸誘導体類ということがある)は、いずれも後で証明するように優れた不全角化抑制効果、毛穴縮小効果及び肌荒れ防止・改善効果を有する。したがって、本発明に係るグルタミン酸誘導体類からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上は、不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤として有用であり、好適には皮膚外用組成物、特に不全角化抑制用、毛穴縮小用、あるいは肌荒れ防止・改善用の皮膚外用組成物に好適に肺及び/又はグルタミン酸誘導体及びその塩できる。
【0087】
このような用途は、いずれも前記本発明に係るグルタミン酸誘導体類の前記新規な効果の発見に基づく新規で有用な用途である。
本発明に係る一般式(1)又は一般式(2)で表されるグルタミン酸誘導体及びそれらの塩、ならびにこれを含有する皮膚外用組成物が、不全角化抑制作用、毛穴縮小作用、肌荒れ防止・改善作用を有することはこれまで知られておらず、本発明者らにより初めて見出されたものである。
【0088】
前記不全角化抑制剤、毛穴縮小剤、肌荒れ防止・改善剤、ならびに皮膚外用組成物はいずれも極めて応用範囲が広く、例えば、医薬部外品を含む化粧品、医薬品、食品等種々の分野に応用される。
【0089】
したがって、前記グルタミン酸誘導体類からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上を含有する組成物は不全角化抑制組成物、毛穴縮小組成物又は肌荒れ防止・改善組成物として有用であり、該組成物は不全角化抑制作用、毛穴縮小作用、肌荒れ防止・改善作用等優れた効果を発揮する。
【0090】
皮膚外用組成物としては、例えば、洗顔料,乳液,クリーム,ローション,ジェル,エッセンス(美容液),パック・マスク等の基礎化粧料、ファンデーション,口紅等のメーキャップ化粧料、歯磨剤等の口腔化粧品、芳香化粧品、毛髪化粧料、ボディ化粧品等の化粧料、軟膏剤等が挙げられる。
本発明に係る皮膚外用組成物は、例えば、顔用として鼻、頬等の毛穴の目立ちを改善し、肌荒れを防止・改善し、またボディー用として足等の脱毛処理後における毛穴の目立ちを改善し、肌荒れを防止・改善する。また、不全角化を抑制して肌状態を良好な状態に維持し、また改善し、更に毛穴を縮小することで、毛穴の目立ちを抑えた若々しくみずみずしい肌を提供することが可能である。
【0091】
本発明において組成物を調製する場合、前記グルタミン酸誘導体類からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上の含有量は、グルタミン酸誘導体類からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上単独でも調製可能であるが、前記組成物全量中0.01〜3.0質量%が好ましく、0.05〜1.0質量%がより好ましい。
【0092】
本発明に係る組成物は、例えば、水溶液,アルコール水溶液,油液等の溶液、乳液、クリーム、ゲル、ジェル、懸濁液、カプセル、マイクロカプセル、固形、粉末、顆粒等の形態、溶液(水溶液、アルコール水溶液、油液等)系、可溶化系、乳化系、ゲル系、ジェル系、分散系、エアゾール系、水−油2層系、水−油−粉末3層系等の剤型をとることができる。
【0093】
本発明に係る組成物は、常法に従って製造することができ、また組成物には、グルタミン酸誘導体類からなる群から選ばれる化合物の1種又は2種以上の他に、通常医薬部外品を含む化粧料、医薬組成物、食品等に用いられる成分、例えば油分、界面活性剤、粉末、色材、水、アルコール類、増粘剤、キレート剤、シリコーン類、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、各種薬効成分、防腐剤、pH調整剤、中和剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0094】
上記適宜配合される任意配合成分のうち、油分としては、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等の分岐鎖アルコール等の高級アルコール、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸、固形パラフィン、ビースワックス、硬化ヒマシ油、カルナウバロウ、バリコワックス等のワックス、牛脂、豚脂、羊脂、スクワラン、ヤシ油、パーム油、パーム核油、大豆油、オリーブ油、綿実油、ホホバ油、ヒマシ油、ラノリン等の動植物油脂、流動パラフィン、ワセリン等の鉱物油、トリメチルプロパントリイソステアレート、イソプロピルミリステート、グリセロールトリ−2−エチルヘキサネート、ペンタエリスリトールテトラ−2−エチルヘキサネート、シリコーン油、ポリオキシエチレン(以下、POEとも記載する。)ポリオキシプロピレン(以下、POPとも記載する。)ペンタエリスリトールエーテル等の合成油等が挙げられる。
【0095】
界面活性剤としては、セッケン用素地、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸セッケン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等の高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、POEラウリル硫酸ナトリウム等のアルキルエーテル硫酸エステル塩、ラウロイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシン酸塩、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム等の高級脂肪酸アミドスルホン酸塩、POEステアリルエーテルリン酸等のリン酸エステル塩、モノラウロイルモノエタノールアミドPOEスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸塩、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸モノナトリウム等のN−アシルグルタミン酸塩、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等の高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩、ロート油等の硫酸化油、POEアルキルエーテルカルボン酸、POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩、高級脂肪酸エステルスルホン酸塩、二級アルコール硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム、カゼインナトリウム等のアニオン系界面活性剤;
【0096】
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等のアルキルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム塩等のジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化セチルピリジニウム等のアルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、ジアルキルモルホリニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体、アミルアルコール脂肪酸誘導体、塩化ベンザルコニウム等のカチオン系界面活性剤;2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキシド−1−カルボキシエチロキシ二ナトリウム塩等のイミダゾリン系両性界面活性剤、アミドベタイン、スルホベタイン等のベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤;ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレエート等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸塩等のグリセリンポリグリセリン脂肪酸類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POE・メチルポリシロキサン共重合体等の親油性非イオン界面活性剤;POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノオレエート、POEグリセリンジステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEコレスタノールエステル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POPセチルエーテル、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POE脂肪酸アミド、POEアルキルアミン、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド等の親水性非イオン界面活性剤等が挙げられる。
【0097】
アルコール類としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール等が挙げられる。
【0098】
増粘剤としては、アラビアゴム、トラガントカム、ガラクタン、キャロプガム、グアーガム、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン(トウモロコシ、コムギ、ジャガイモ、コメ)等の植物系高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、結晶セルロース等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子、ポリビニルメチルエーテル、カルボキシビニルポリマー等のビニル系高分子、POE系高分子、POE・POP共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等の無機系水溶性高分子等の水溶性高分子等が挙げられる。
【0099】
キレート剤としては、シトラマル酸、アガル酸、グリセリン酸、シキミ酸、ヒノキチオール、没食子酸、タンニン酸、コーヒー酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレングリコールジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、フィチン酸、ポリリン酸、メタリン酸、ならびにこれらの類似体ならびにこれらのアルカリ金属塩およびカルボン酸エステル等が挙げられる。
【0100】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸オクチル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤等が挙げられる。
【0101】
保湿剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、D−マンニット、ブドウ糖、果糖、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グルコサミン、シクロデキストリン等が挙げられる。
【0102】
薬効成分としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、ビタミンD2、dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;アズレン、グリチルリチン等の抗炎症剤;アルブチン、4−メトキシサリチル酸カリウム、2−O−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド等の美白剤、エストラジオール等のホルモン類;酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤;L−メントール、カンフル等の清涼剤;その他塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、イオウ等を配合することができる。更に多様な薬効を示す各種抽出物を配合することができる。すなわちドクダミエキス、オウバクエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、ボタンピエキス、ヘチマエキス、ユキノシタエキス、ユーカリエキス、チョウジエキス、マロニエエキス、ヤグルマギクエキス、海藻エキス、タイムエキス等が挙げられる。
【0103】
防腐剤としては、メチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩酸クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、感光素、フェノキシエタノール、イソメチルチアゾリノン等が挙げられる。
【0104】
中和剤としては、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム等が挙げられる。
pH調整剤としては、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0105】
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、カロチノイド等が挙げられる。
上記成分は例示であり、これらに限定されるものではない。またこれら成分は、所望する形態に応じた処方に従い、適宜組み合わせて配合することが可能である。
【実施例】
【0106】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これら実施例により本発明の技術的範囲が限定されるものではない。配合量は特に断りのない限り質量%である。

[試験例1] 不全角化抑制効果試験
試料溶液として、主に被験化合物の3質量%水溶液(30質量%エタノールを含む)を調製した。なお、pHは7.0〜7.5になるように、塩酸又は水酸化ナトリウムで調整した。また、被験化合物の溶解度が低い場合はそれに応じて溶液を調製した。
【0107】
ヘアレスマウス(HR−1;星野実験動物)のマウス背部に10質量%オレイン酸(溶媒:エタノール)を100μl塗布した。この後、試料溶液を100μlずつ塗布した。これを3日間続けた。その翌日、背部の皮膚状態をCCDカメラで観察し、肌荒れ状態(角層剥離及び紅斑)を評価した。コントロール(対照水溶液)塗布の肌状態を2.0、全く肌荒れのない状態を0.0とし、肌状態に応じて0.25点間隔で視感判定した。また同時に、ヘアレスマウス背部の角層をテープで採取し、ヘマトキシリンで核を染色して、不全角化の度合いを観察し、1.0〜3.0の範囲(0.25刻み)の不全角化値で評価した。なお、値が大きいほど有核角層細胞数が多い、すなわち不全角化が進んでいることを示す。結果を表1に示す。
なお、評価にあたっては、動物愛護管理法他関連法令を遵守し、社内動物実験審議会の承認を得た計画に基づき実施した。
【0108】
【表1】

【0109】
表1から明らかなように、N−カルバモイル−L−グルタミン酸、N−ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミン酸、N−メチル−L−グルタミン酸、N−メチル−DL−グルタミン酸、N−アセチル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−n−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−ベンジル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロヘキシル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロペンチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピロリジンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピペリジンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−ベンゾイル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−n−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−モルホリンアミド及びN−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−ピペリジンアミドなど、本発明にかかるグルタミン酸誘導体に、不飽和脂肪酸により惹起される角層剥離及び紅斑などの肌荒れを抑える効果が見られた。
【0110】
また、本発明にかかるグルタミン酸誘導体は不全角化値を低下させ、不全角化の抑制効果が認められた。不全角化の抑制は、毛穴縮小に有効である。
一方、比較例であるN−アセチルグルタミンにはこれらの効果はなく、N−アセチルグルタミン酸の効果は、本発明化合物に比して劣るものであった。
【0111】
[試験例2] オレイン酸塗布による肌荒れに対する改善効果試験
オレイン酸塗布による肌荒れに対する改善効果をさらに調べるため、塗布前と塗布後での水分蒸散量(TEWL値)を測定し、その差の値をコントロール(対照水溶液)と比較し、効果を調べた。試料の調製及び塗布方法は試験例1に従った。なお、TEWLはTEWA
meter TM210(Courage+Khazaka社)を用いて測定した。
【0112】
ヘアレスマウス(HR−1、各群4匹)のマウス背部に10質量%オレイン酸(溶媒:エタノール)を100μl塗布した。この後試料溶液を100μlずつ塗布した。これを3日間続けた。その翌日、背部のTEWL値を測定し、4匹の値を平均した。結果を表2に示す。ΔTEWL値が大きいほど肌荒れが悪化したことを示す。
【0113】
【表2】

【0114】
表2から明らかなように、N−カルバモイル−L−グルタミン酸、N−ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミン酸、N−メチル−L−グルタミン酸、N−メチル−DL−グルタミン酸、N−アセチル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−n−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−ベンジル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロヘキシル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロペンチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピロリジンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピペリジンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−ベンゾイル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−n−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−モルホリンアミド及びN−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−ピペリジンアミドなど、本発明にかかるグルタミン酸誘導体を塗布することにより、ΔTEWL値が対照水溶液に比べ有意に低くなり、肌荒れ防止・改善効果が認められた。
一方、比較例であるN−アセチルグルタミンにはこのような効果はなく、N−アセチルグルタミン酸の効果は本発明化合物に比して劣るものであった。
【0115】
[試験例3] 感覚刺激試験
女性官能者1名(敏感肌)にそれぞれ試験例1で調製した対照水溶液と試料水溶液各1mLをそれぞれ左右のいずれかの頬部に綿棒を用いて塗布し、塗布直後から10分後まで、30秒毎に刺激感を評価し、最終的な評価を申告してもらった(n=2)。刺激感の評価は以下の4段階の評価点基準に基づき行い、評価点の平均を算出して以下の基準に分類した。結果を表3に示す。
【0116】
(評価点基準)
3:ピリピリ感、ホテリ感、チクチク感、カユミ等の刺激が非常に強く、継続不可能。
2:ピリピリ感、ホテリ感、チクチク感、カユミ等の刺激が強い、許容不可。
1:ピリピリ感、ホテリ感、チクチク感、カユミ等の刺激をやや感じるが、許容可。
0:特に刺激を感じない。
【0117】
(評価基準)
A:評価点平均0.2未満
B:評価点平均0.2以上1.0未満
C:評価点平均1.0以上2.0未満
D:評価点平均2.0以上
【0118】
【表3】

【0119】
表3に明らかなように、N−カルバモイル−L−グルタミン酸、N−ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミン酸、N−メチル−L−グルタミン酸、N−メチル−DL−グルタミン酸、N−アセチル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−n−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−ベンジル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロヘキシル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロペンチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピロリジンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピペリジンアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−ベンゾイル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−n−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−モルホリンアミド及びN−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−ピペリジンアミドなど、本発明にかかるグルタミン酸誘導体は、感覚刺激の問題がなく、安全性が高いことが確認された。
一方、比較例として用いたγ−アミノ酪酸は従来効果物質として開示されているが、γ−アミノ酪酸は肌の敏感な被験者にとっては、感覚刺激を有するという結果であった。
【0120】
[試験例4] オレイン酸による炎症性サイトカイン産生亢進に対する抑制効果
クラボウから購入したヒト正常角化細胞(Strain
No.070413-902)を、75cm2フラスコにて3日間KGM培地で培養した。常法によりトリプシン処理し細胞を回収後、KGM培地に4万cells/0.5mlとなるように24ウェルプレート(コーニング)に播種した。3日間さらに培養後、オレイン酸、又はオレイン酸と被験化合物とを添加した。オレイン酸、被験化合物はそれぞれ2×10−3%、0.05%となるように添加した。コントロールとしては、オレイン酸の代わりにエタノールを添加した。8時間後、培養液を回収し、IL−1α量を定量キット(R&D systems)で測定した。
代表例として、N−カルバモイル−L−グルタミン酸を被験化合物とした場合の結果を図1に示す。
図1からわかるように、オレイン酸によって引き起こされる、炎症性サイトカインの一種であるIL−1αの産生亢進を、本発明化合物が抑制することが明らかとなった。
【0121】
また、下記表4は、上記試験において、オレイン酸(10mMエタノール溶液)およびN−アセチル−N’,N”−ジエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド(50mM水溶液)をそれぞれ10μM(2.8×10−4%)および500μM(0.012%)となるように添加した場合の結果である。表4からも、オレイン酸によって引き起こされる、炎症性サイトカインの一種であるIL−1αの産生亢進を、本発明化合物が有意に抑制することが理解される。
【0122】

【表4】

【0123】
以下に本発明に係る組成物の製剤例として皮膚外用組成物を示す。なお、いずれの皮膚外用組成物も常法によって製造した。配合量はいずれも質量%である。また、いずれの皮膚外用組成物も不全角化抑制、毛穴縮小、肌荒れ防止・改善等の優れた効果を有していた。
【0124】
[製剤例1]化粧水
(1)1,3−ブチレングリコール 6.0
(2)グリセリン 4.0
(3)オレイルアルコール 0.1
(4)POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
(5)POE(15)ラウリルアルコールエステル 0.5
(6)エタノール 10.0
(7)N−カルバモイル−L−グルタミン酸 1.0
(8)精製水 残余
【0125】
[製剤例2]化粧水
(アルコール相)
(1)エタノール 10.0
(2)オレイルアルコール 0.1
(3)POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
(4)POE(15)ラウリルエーテル 0.5
(5)防腐剤 適量
(6)香料 適量
(7)N−ベンジルオキシカルボニル−L−グルタミン酸 0.7
(水相)
(8)1,3−ブチレングリコール 6.0
(9)グリセリン 4.0
(10)イオン交換水 残余
【0126】
[製剤例3]化粧水
エチルアルコール 5.0
グリセリン 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 0.2
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.03
トリメチルグリシン 1.0
ポリアスパラギン酸ナトリウム 0.1
α−トコフェロール2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム 0.1
チオタウリン 0.1
N−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−ピペリジンアミド 1.0
グリシルグルシン 0.5
緑茶エキス 0.1
西洋ハッカエキス 0.1
イリス根エキス 0.1
EDTA3ナトリウム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.05
水酸化カリウム 0.02
フェノキシエタノール 適量
精製水 残余
香料 適量
【0127】
[製剤例4]化粧水
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 4.0
エリスリトール 1.0
N−メチル−L−グルタミン酸 1.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
クエン酸 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
フェノキシエタノール 適量
N−ヤシ油脂肪酸アシルL−アルギニンエチル・DL−ピロリドンカルボン酸
0.1
精製水 残余
【0128】
[製剤例5]化粧水
グリセリン 1.0
ジプロピレングリコール 12.0
エタノール 8.0
N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラエチル
−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド 2.0
POEメチルグルコシド 3.0
POE(24)POP(13)デシルテトラデシルエーテル 0.5
クエン酸 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.5
チオタウリン 0.1
アデノシン3リン酸−2ナトリウム 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
EDTA3ナトリウム 0.01
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
パラベン 適量
精製水 残余
香料 適量
【0129】
[製剤例6]クリーム
(1)ステアリン酸 5.0
(2)ステアリルアルコール 4.0
(3)イソプロピルミリステート 18.0
(4)グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
(5)プロピレングリコール 10.0
(6)N−アセチル−L−グルタミン酸 ビス−1,5−モルホリンアミド
1.0
(7)水酸化カリウム 0.2
(8)亜硫酸水素ナトリウム 0.01
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(11)イオン交換水 残余
【0130】
[製剤例7]クリーム
ステアリン酸 6.0
ソルビタンモノステアリン酸エステル 2.0
POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5
プロピレングリコール 10.0
グリセリントリオクタノエート 10.0
スクワラン 5.0
N−アセチル−N’−メチル−L−グルタミン酸−1−アミド 0.1
グリシルグリシン 1.0
ジヒドロリポ酸 0.1
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適量
イオン交換水 残余
【0131】
[製剤例8]クリーム
流動パラフィン 10.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
グリセリン 10.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
エリスリトール 1.0
N−アセチル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド 3.0
ポリエチレングリコール1500 5.0
スクワラン 15.0
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 5.0
水酸化カリウム 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
酢酸トコフェロール 0.05
パラオキシ安息香酸エステル 適量
ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.3
ポリビニルアルコール 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.2
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレンTR−2) 0.1
精製水 残余
【0132】
[製剤例9]クリーム
流動パラフィン 8.0
ワセリン 3.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
ステアリルアルコール 3.0
ベヘニルアルコール 2.0
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 4.0
トレハロース 1.0
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 4.0
モノイソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 2.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 2.0
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.05
水酸化カリウム 0.015
油溶性甘草エキス 0.1
レチノールパルミテート(100万単位) 0.25
酢酸トコフェロール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 適量
フェノキシエタノール 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
エデト酸三ナトリウム 0.05
4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.01
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.1
N−ベンゾイル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド 1.0
β−カロチン 0.01
ポリビニルアルコール 0.5
ヒドロキシエチルセルロース 0.5
カルボキシビニルポリマー 0.05
精製水 残余
香料 適量
【0133】
[製剤例10]クリーム
A.水相
イオン交換水 残余
ポリエチレングリコール400 0.1
グリセリン 12.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
エデト酸ナトリウム 0.01
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.04
メチルパラベン 0.1
N−アセチル−N’,N’’−ジメチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド
2.0
N−ステアロイルグルタミン酸ナトリウム 0.8
B.油相
流動パラフィン 35.0
メドウフォーム油 3.0
メトキシケイ皮酸オクチル 3.0
2−ヘプチルウンデカン酸 0.2
イソステアリン酸 0.2
グリチルレチン酸ステアリル 0.02
香料 0.05
【0134】
[製剤例11]クリーム
α−オレフィンオリゴマー 10.0
ワセリン 1.0
マイクロクリスタリンワックス 3.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 5.0
グリセリン 10.0
ジプロピレングリコール 2.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
エリスリトール 2.0
N−アセチル−N’,N’’−ジエチル−L−グルタミン酸−1,5−ジアミド
3.0
スクワラン 1.0
グリセリン脂肪酸エステルエイコサン二酸縮合物 0.1
イソステアリン酸 1.0
2−エチルヘキサン酸セチル 5.0
塩化ナトリウム 0.5
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
グリチルレチン酸ステアリル 0.05
コウボエキス 0.1
4−(1−ピロリジン)酪酸 1.0
リン酸L−アスコルビルマグネシウム 2.0
酢酸トコフェロール 0.5
チオタウリン 0.1
DL−ピロリドンカルボン酸ナトリウム 1.0
ウコンエキス 0.1
エデト酸3ナトリウム 0.1
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 2.0
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.1
トウツバキ種子油 1.0
パラベン 適量
精製水 残余
香料 適量
【0135】
[製剤例12]美容液
(A相)
(1)エチルアルコール(95%) 10.0
(2)POE(20)オクチルドデカノール 1.0
(3)パントテニルエチルエーテル 0.1
(4)グリシルグリシン 1.5
(5)メチルパラベン 0.15
(B相)
(6)水酸化カリウム 0.1
(C相)
(7)グリセリン 5.0
(8)ジプロピレングリコール 10.0
(9)N−アセチル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド 0.3
(10)カルボキシビニルポリマー 0.2
(11)精製水 残余
【0136】
[製剤例13]美容液
(A相)
95%エタノール 10.0
POE(20)オクチルドデカノール 1.0
メチルパラベン 0.15
パントテニルエチルエーテル 0.1
N−アセチル−N’−ベンジル−L−グルタミン酸−1−アミド 2.5
(B相)
水酸化カリウム 0.1
(C相)
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 10.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
カルボキシビニルポリマー 0.2
イオン交換水 残余
【0137】
[製剤例14]乳液
デカメチルシクロペンタシロキサン 15.0
トリメチルシロキシケイ酸 5.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 5.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
マルチトール液 2.0
マカデミアナッツ油 2.0
スクワラン 2.0
ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5
2−エチルヘキサン酸セチル 2.0
N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピペリジンアミド 2.0
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.2
L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム 0.1
α−トコフェロール2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム 0.1
酢酸トコフェロール 0.05
魚コラーゲン 0.4
コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.001
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
エデト酸三ナトリウム 0.005
ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.05
ケイ酸アルミニウムマグネシウム 0.3
パラベン 適量
精製水 残余
【0138】
[製剤例15]乳液
ワセリン 5.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
ベヘニルアルコール 0.6
バチルアルコール 0.5
ジプロピレングリコール 2.0
1,3−ブチレングリコール 4.0
キシリット 1.0
N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピロリジンアミド 2.0
ポリエチレングリコール1500 1.0
スクワラン 5.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
酵母エキス 0.1
シャクヤクエキス 0.1
EDTA3ナトリウム 0.05
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.15
精製水 残量
香料 適量
【0139】
[製剤例16]乳液
イオン交換水 残量
ダイナマイトグリセリン 7.0
ジプロピレングリコール 5.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
アセチル化ヒアルロン酸 0.002
カルボキシビニルポリマー 0.3
キサンタンガム 0.1
水酸化カリウム 0.1
N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.1
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 2.0
N−アセチル−N’−エチル−L−グルタミン酸−1−アミド 1.0
スクワラン 4.5
パルミチン酸デキストリン 2.0
水素添加ポリイソブテン 1.0
EDTA・3Na・2HO 0.05
メチルパラベン 0.15
エチルパラベン 0.1
酸化防止剤 適量
消泡剤 適量
【0140】
[製剤例17]ジェル
(1)95%エタノール 10.0
(2)ジプロピレングリコール 15.0
(3)POE(15モル)オレイルアルコールエーテル 2.0
(4)亜硫酸水素ナトリウム 0.03
(5)N−アセチル−N’−シクロペンチル−L−グルタミン酸−1−アミド 1.2
(6)カルボキシビニルポリマー(カーボポール941) 1.0
(7)苛性カリ 0.15
(8)L−アルギニン 0.1
(9)香料 適量
(10)防腐剤 適量
(11)精製水 残余
【0141】
[製剤例18]ジェル
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
水酸化カリウム 0.1
魚類コラーゲン 20.0
グリシルグリシン 1.0
N−アセチル−N’,N’−ジメチル−L−グルタミン酸−1−アミド 1.0
N−ベンゼンスルホニルγ―アミノ酪酸 0.5
エデト酸−3Na 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.25
パラオキシ安息香酸エステル 適量
精製水 残余
【0142】
[製剤例19]ジェル
ジメチルポリシロキサン 5.0
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール1500 3.0
ポリエチレングリコール20000 3.0
セチルアルコール 3.0
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
アスコルビン酸グルコシド 2.0
N−ベンゾイル−N’−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド 1.0
酢酸トコフェロール 0.1
オウゴンエキス 0.1
ユキノシタエキス 0.1
エデト酸三ナトリウム 0.1
キサンタンガム 0.3
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレンTR−2) 0.05
寒天末 15.0
フェノキシエタノール 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
精製水 残余
【0143】
[製剤例20]パック
エタノール 3.0
グリセリン 5.0
1,3−ブチレングリコール 6.0
ポリエチレングリコール1500 5.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 2.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
ビワ葉エキス 0.1
N−アセチル−N’−シクロペンチル−L−グルタミン酸−1−アミド 1.8
L−グルタミン酸ナトリウム 0.1
ウイキョウエキス 0.1
ハマメリスエキス 0.1
オウバクエキス 0.1
ジオウエキス 0.1
ユーカリ油 0.05
ジモルホリノピリダジノン 0.1
キサンタンガム 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.5
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレンTR−1) 0.05
水酸化カリウム 0.05
フェノキシエタノール 適量
精製水 残余
【0144】
[製剤例21]ピールオフ型パック
(アルコール相)
95%エタノール 10.0
POE(15モル)オレイルアルコールエーテル 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
N−アセチル−N’−シクロペンチル−L−グルタミン酸−1−アミド 1.8
(水相)
グルタチオン 3.0
アルブチン 3.0
ポリビニルアルコール 12.0
ポリエチレングリコール1500 1.0
イオン交換水 残余
【0145】
[製剤例22]ピールオフ型パック
エタノール 10.0
1,3−ブチレングリコール 6.0
ポリエチレングリコール4000 2.0
オリーブ油 1.0
マカデミアナッツ油 1.0
N−アセチル−L−グルタミン酸 1−ピロリジンアミド 2.0
ヒドロキシステアリン酸フィトステリル 0.05
乳酸 0.05
乳酸ナトリウム 0.1
L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム 0.1
α−トコフェロール2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム 0.1
ビタミンEアセテート 0.1
魚コラーゲン 0.1
コンドロイチン硫酸ナトリウム 0.1
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ポリビニルアルコール 12.0
パラオキシ安息香酸エステル 適量
精製水 残余
香料 適量
【0146】
[製剤例23]粉末入りパック
(アルコール相)
95%エタノール 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
色剤 適量
N−メチル−DL−グルタミン酸 0.7
(水相)
プロピレングリコール 7.0
亜鉛華 25.0
カオリン 20.0
イオン交換水 残余
【0147】
[製剤例24]クレイパック
エタノール 3.0
ステアリルアルコール 1.0
ベヘニルアルコール 1.0
グリセリン 10.0
ジプロピレングリコール 5.0
1,3−ブチレングリコール 6.0
果糖 0.1
硬化油 2.0
イソステアリン酸 0.06
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 12.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 0.8
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 0.1
N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラエチル−L−グルタミン酸
−1,5−ジアミド 1.2
酸化チタン 15.0
酸化亜鉛 2.0
カオリン 7.0
L−アルギニンL−アスパラギン酸塩 0.1
ビタミンEアセテート 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
EDTA3ナトリウム 0.1
ベントナイト 3.0
パラオキシ安息香酸エステル 適量
精製水 残余
香料 適量
【0148】
[製剤例25]固形パウダリ−ファンデ−ション
ジメチルポリシロキサン 5.0
イソステアリン酸 0.5
リンゴ酸ジイソステアリル 1.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 3.0
N−ベンゾイル−L−グルタミン酸 1−モルホリンアミド 3.0
セスキイソステアリン酸ソルビタン 1.0
球状PMMA被覆雲母 4.0
微粒子酸化亜鉛 1.0
微粒子酸化チタン 3.0
合成金雲母 1.0
金属石鹸処理タルク 残余
球状シリカ 3.0
ベンガラ被覆雲母チタン 1.0
無水ケイ酸被覆雲母 6.0
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
D−δ−トコフェロール 0.1
エチルパラベン 適量
トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル 0.1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルへキシル 3.0
球状ポリアクリル酸アルキル粉末 2.0
流動パラフィン含有ポリアクリル酸アルキル粉末 4.0
メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆タルク 20.0
メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆セリサイト 15.0
メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆酸化チタン 10.0
メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆顔料(色剤) 5.0
【0149】
[製剤例26]油中水型乳化ファンデ−ション
ジメチルポリシロキサン 15.0
デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 5.0
高分子量アミノ変性シリコーン 0.1
グリセリン 5.0
N−アセチル−N’−n−プロピル−L−グルタミン酸−1−アミド 5.0
1,3−ブチレングリコール 10.0
パルミチン酸 0.5
マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 0.1
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム 0.2
アルキル変性シリコン樹脂被覆黄酸化鉄 2.0
アルキル変性シリコン樹脂被覆ベンガラ 1.0
アルキル変性シリコン樹脂被覆黒酸化鉄 0.3
アルキル変性シリコン樹脂被覆酸化チタン 10.0
アルキル変性シリコン樹脂被覆酸化タルク 15.0
シリコーン被覆紡錘状酸化チタン 3.0
L−グルタミン酸ナトリウム 0.5
酢酸DL−α−トコフェロール 0.1
パラオキシ安息香酸エステル 適量
トリメトキシケイヒ酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル 0.1
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 15.0
球状ナイロン末 1.0
精製水 残余
香料 適量

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)及び下記一般式(2)で示されるグルタミン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選ばれる化合物の1種以上を含有することを特徴とする皮膚外用組成物。
【化1】


(一般式(1)中、Aはカルバモイル基、ベンジルオキシカルボニル基、炭素数1〜3のアルキル基又はアリル基を表す。)
【化2】


(一般式(2)中、Zは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、ベンジルオキシ基、あるいは下記一般式(3)又は下記一般式(4)で示される基を表す。また、Yは水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、アリルオキシ基、又はNRのいずれかを表す。但し、同時にZが一般式(4)でYがNRであることはない。また、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、又はベンジル基であるか、あるいは、RとR及び/又はRとRは、それぞれ独立にそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数総和6以下の複素環を形成する。該複素環は、酸素原子を含んでもよい。また、R〜Rにおいて、前記炭素数1〜3のアルキル基、アリル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、又は複素環は、水酸基、炭素数1〜3のアルキルオキシ基、又はアリルオキシ基を置換基として有していてもよく、また、前記炭素数3〜7のシクロアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、又は複素環は、炭素数1〜3のアルキル基を置換基として有していてもよい。)
【化3】


(一般式(3)中、X、X及びXは、それぞれ独立して炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルケニル基、炭素数1〜4のアルキルオキシ基、炭素数2〜4のアルケニルオキシ基、水酸基、アミノ基、炭素数1〜4のアルキルアミノ基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を表す。n、m及びpはそれぞれ独立に0〜3の整数を表し、k及びqはそれぞれ独立に0〜2の整数を表す。)
【化4】


(一般式(4)中、X、X、X3、k、n、m、pは前記一般式(3)に同じ。)
【請求項2】
請求項1記載の皮膚外用組成物において、前記一般式(1)で示されるグルタミン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選ばれる化合物の1種以上を含有することを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項3】
請求項2記載の皮膚外用組成物において、N−カルバモイルグルタミン酸、N−ベンジルオキシカルボニルグルタミン酸、N−メチルグルタミン酸及びその塩から選ばれる化合物の1種以上を含有することを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項4】
請求項1記載の皮膚外用組成物において、前記一般式(2)で示されるグルタミン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選ばれる化合物の1種以上を含有することを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項5】
請求項4記載の皮膚外用組成物において、Zがメチル基又はフェニル基であることを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項6】
請求項4又は5記載の皮膚外用組成物において、Yが水酸基又はNRであることを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項7】
請求項4〜6の何れかに記載の皮膚外用組成物において、YがNRと同一であることを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項8】
請求項4〜7の何れかに記載の皮膚外用組成物において、RとRの少なくとも一方、及び/又は、RとRの少なくとも一方が、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基又はベンジル基であることを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項9】
請求項4〜8の何れかに記載の皮膚外用組成物において、RとRの少なくとも一方、及び/又は、RとRの少なくとも一方が、それぞれ独立に水素原子、メチル基又はエチル基であることを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項10】
請求項4〜7の何れかに記載の皮膚外用組成物において、RとR及び/又はRとRは、それぞれ独立にそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数総和6以下の複素環を形成していることを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項11】
請求項4記載の皮膚外用組成物において、N−アセチル−N’−メチルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−エチルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−n−プロピルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−ベンジルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロヘキシルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチル−N’−シクロペンチルグルタミン酸−1−アミド、N−アセチルグルタミン酸 1−ピロリジンアミド、N−アセチルグルタミン酸 1−ピペリジンアミド、N−アセチルグルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−ベンゾイル−N’−メチルグルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−エチルグルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイル−N’−n−プロピルグルタミン酸−1−アミド、N−ベンゾイルグルタミン酸 1−モルホリンアミド、N−アセチル−N’,N’’−ジメチルグルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’
,N’’−ジエチルグルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラメチルグルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチル−N’,N’,N’’,N’’−テトラエチルグルタミン酸−1,5−ジアミド、N−アセチルグルタミン酸 ビス−1,5−モルホリンアミド、及びN−アセチルグルタミン酸 ビス−1,5−ピペリジンアミド、及びそれらの塩から選ばれる化合物の1種以上を含有することを特徴とする皮膚外用組成物。
【請求項12】
前記一般式(1)又は前記一般式(2)で示されるグルタミン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選ばれる化合物の1種以上を有効成分とする不全角化抑制剤又は毛穴縮小剤。
【請求項13】
前記一般式(1)又は前記一般式(2)で示されるグルタミン酸誘導体及びそれらの塩からなる群から選ばれる化合物の1種以上を有効成分とする肌荒れ防止・改善剤。

【図1】
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【公開番号】特開2009−242392(P2009−242392A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59720(P2009−59720)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】