説明

皮膚状態または癌の処置のためのSCCE阻害剤としての縮合複素環化合物の使用

本発明は角質層キモトリプシン酵素(SCCE)の複素環阻害剤に関する。より具体的には、本発明は特定疾患、特に掻痒症のごとき皮膚疾患および卵巣癌のごとき癌の処置のための、構造式IまたはIIで示される化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
技術分野
本発明はセリンプロテアーゼ角質層キモトリプシン酵素(SCCE)活性の阻害法に関する。本発明はさらには疾患の処置、より具体的には皮膚疾患および卵巣癌の処置のための構造式IおよびIIで示されるSCCE阻害剤の使用に関する。
【0002】
背景技術
蛋白質分解酵素は多種多様な特性および機能を有する。故にそれらは細胞および組織における多数の生理学的および病理学的反応に関与する。特異的阻害剤の設計に実現性があるため、蛋白質分解酵素は疾患処置のための新薬ターゲットとして興味深い。
【0003】
セリンプロテアーゼ角質層キモトリプシン酵素(SCCE;EC3.4.21.−;Swiss Prot P49862、別名;カリクレイン7(WO 95/00651;Hansson Lらの“Cloning,expression and characterization of stratum corneum chymotryptic enzyme.A skin−specific human serine proteinase”J Biol Chem 1994,269:19420−19426;Yousefらの“The KLK7(PRSS6)gene,encoding for the corneum chymotryptic enzyme is a new member of the human kallikrein gene family−genomic characterization,mapping,tissue expression and hormonal regulation.”Gene 2000,254:119−128)は角化上皮において優先的に発現する。細胞間のデスモソーム分解による角化細胞の剥離にSCCEが関与することは多くの研究で示唆されている(Egelrud T.“Desquamation in the stratum corneum.”Acta Derm Venereol 2000,208:44−45)。角質層において抽出SCCEは全蛋白質分解活性の主要部分に関与し、例えば炎症性サイトカイン(Nylander−Lundqvist E,Egelrud T.“Formation of active IL−1 beta from pro−IL−1 beta catalyzed by stratum corneum chymotryptic enzyme.”Acta Derm Venereol 1997:77:203−206)または蛋白質分解酵素により活性化される細胞表面受容体(Macfarlane S Rらの“Proteinase−activated receptors.”Pharmacol Rev 2001,53:245−282)の前駆体アクチベーターとして作用することにより、皮膚の病態生理学における潜在的役割を有すると考えられている。
【0004】
さらにSCCEは乾癬病変(Ekholm E、Egelrud Tの“Stratum corneum chymotryptic enzyme in psoriasis.”Arch Dermatol Res 1999,291:195−200)およびアトピー性皮膚炎の慢性病変(Hansson Lらの“Epidermal overexpression of stratum corneum chymotryptic enzyme in mice;a model for chronic itchy dermatitis.”J Invest Dermatol.2002,118:444−449)においてアップレギュレートされていることが見出されている。当該結果はともに慢性炎症、上皮過剰増殖およびスケーリングに特徴づけられる2疾患においてケラチン生成細胞のSCCE発現に障害があることを示す。皮膚内の増大したSCCE活性は皮膚の病態生理学において重要な役割を担い、さらにSCCE活性阻害剤の使用により皮膚疾患処置のための新しい処置方針が提供される。
【0005】
ウィルスプロモーター下のヒトscce mRNAを過剰発現するトランスジェニックマウスを作成した(WO 02/062135)。唯一の表現型変化は皮膚で見られ、これはヒトの慢性炎症性皮膚疾患で見られたものと同様の多数の組織学的変化を示した。該トランスジェニックマウスは基底上皮ケラチン生成細胞においてヒトSCCEを発現し、上皮肥厚の増大、角質増殖、ならびにマクロファージおよび顆粒球から成る皮膚湿潤を含む病理学的な皮膚変化を生じることが見出された。ケラチン生成細胞分化の妨害、上皮過剰増殖、経皮水分蒸散量の増大およびケラチン生成細胞によるMHCII発現の誘発もあった。さらに、加齢とともに大部分のトランスジェニック動物は重篤な掻痒の徴候を示した(Hansson Lらの“Epidermal overexpression of stratum corneum chymotryptic enzyme in mice;a model for chronic itchy dermatitis.”J Invest Dermatol.2002,118:444−449;Ny A、Egelrud Tの“Transgenic mice overexpressing a serine protease in the skin:Evidence of Interferon γ−independent MHC II expression by Epidermal Keratinocytes.”Acta Derm Venereol.2003,83:323−327;Ny A、Egelrud Tの“Epidermal hyperproliferation precedes decreased skin barrier function in mice overexpressing stratum corneum chymotryptic enzyme.”Acta Derm Venereol.2004,84:18−22)。これらのトランスジェニックマウスは新しい処置戦略の発展のためおよび治療的に有用であるSCCE阻害剤の評価においてヒト皮膚疾患の有用な動物モデルとなろう。
【0006】
SCCEは卵巣癌において高度に過剰発現していることも見出されている(Tanimoto Hらの“The stratum corneum chymotryptic enzyme that mediates shedding and desquamation of skin cells is highly overexpressed in ovarian tumour cells.”Cancer 1999,86:2074−82;Kyriakopoulou LGらの“Prognostic value of quantitatively assessed KLK7 expression inovarian cancer.”Clin Biochem 2003,36:135−43)。故に、SCCE活性阻害は卵巣癌処置のための新しい治療方針とみなされる。
【0007】
発明の概要
SCCE活性が構造式IまたはIIで示される化合物により阻害され得るということが現在見出されている。さらに、かかる化合物は特に炎症性皮膚疾患のごとき皮膚疾患の回復に局所投与される場合に有効であることが見出されている。
【0008】
故に、第一の態様において本発明は皮膚疾患の処置または予防のための薬剤製造のための構造式IまたはII
【化1】

[式中、
XはOまたはSであり;Yは独立してO、S、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;
W、Q、VおよびTは独立してCH、CH、S、NまたはOであり;
環A、環B、環Cおよび環Dは飽和または部分的に飽和されている芳香族環であってよく;
【0009】
およびRが存在する場合には各々独立して
各々ハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されていてもよいC1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルか;H、ハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニルまたはテトラゾールであるか;
【0010】
またはRおよびRが環Aまたは環C中の隣接原子と結合する場合には一緒になって
−(CH
[ここで、n=1−5であり、該部分の1、2または3個のCH単位は1、2または3個のヘテロ原子で置換されていてもよく、各ヘテロ原子は独立してO、S、NHおよび窒素原子が隣接原子と二重結合するならばNから成る群から独立して選択され、また該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群から独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい]
部分を形成し;
【0011】
は各々1個またはそれ以上のハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニル、テトラゾール、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルで置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルは各々ハロゲン、CF、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、CON(R、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4アルコキシまたはカルバモイルで置換されていてもよく;および
【0012】
はC1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、C3−6−シクロアルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用に関する。
【0013】
別の態様において本発明は癌処置のための薬剤製造のための構造式IまたはIIで示される化合物の使用に関する。
【0014】
さらに別の態様において本発明は哺乳類における損傷したスキンバリアの調節および/または正常化のための方法であって、構造式IまたはIIで示される化合物の少なくとも1つまたはその医薬上許容される塩の有効量を、該調節および/または正常化の必要のある哺乳類へ投与することを含む方法に関する。
【0015】
さらなる態様において本発明は皮膚疾患の処置法であって、構造式IまたはIIで示される化合物の少なくとも1つまたはその医薬上許容される塩の有効量を、該処置の必要のある哺乳類へ投与することを含む方法に関する。
【0016】
さらなる態様において本発明は癌を患っている哺乳類の処置法であって、構造式IまたはIIで示される化合物の少なくとも1つまたはその医薬上許容される塩の有効量を、該処置の必要のある哺乳類へ投与することを含む方法に関する。
【0017】
さらなる態様において本発明は構造式IまたはIIで示される化合物またはその医薬上許容される塩の少なくとも1つを含有する化粧品またはスキンケア組成物に関連しており、該組成物は局所投与に適合し、かつクリーム、軟膏、ローション、リニメント剤、ゲル、ペースト、スティック、スプレー、シャンプー、石鹸、ヘアコンディショナーおよび散剤から成る群より選択される形態である。
【0018】
さらなる態様において本発明は美容上の皮膚状態の処置または予防のための構造式IまたはIIで示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用に関する。

本発明の他の態様は下記の開示および添付の請求の範囲から明らかであろう。
【0019】
発明の詳細な説明
定義
本明細書において用語「C1−8−アルキル」はメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチルおよびオクチルのごとき1ないし8個の炭素原子を有する直鎖または分岐鎖飽和炭化水素鎖を意味する。分岐鎖炭化水素鎖は任意の炭素において炭化水素鎖にて置換されているC1−8−アルキルを意味する。
【0020】
本明細書において用語「C2−8−アルケニル」は2ないし8個の炭素原子を有し、1個またはそれ以上の二重結合を含む直鎖または分岐鎖炭化水素鎖を意味する。C2−8−アルケニル基の具体例はアリル、ホモアリル、ビニル、クロチル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニルおよびオクテニルを含む。1個以上の二重結合を有するC2−8−アルケニル基の具体例はブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、ヘプタジエニル、ヘキサトリエニル、ヘプタトリエニルおよびオクタトリエニル基ならびにこれらの分岐型を含む。二重結合の位置は炭素鎖の任意の位置であってよい。
【0021】
本明細書において用語「C2−8−アルキニル」は2ないし8個の炭素原子および1個またはそれ以上の三重結合を含む直鎖または分岐鎖炭化水素鎖を意味する。C2−8−アルキニル基の具体例はアセチレン、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニルおよびオクチニル基ならびにこれらの分岐型を含む。当業者に知られているように「C2−8−アルキニル」がジ−イン(di−yne)またはエンジ−イン(enedi−yne)であるように1個以上の結合が不飽和であってもよい。三重結合の位置は炭素鎖の任意の位置であってよい。
【0022】
本明細書において用語「C3−6−シクロアルキル」は炭素原子を含んでなる3−、4−、5−および6−員環を包含することを意味し、ここで全ての炭素−炭素結合は飽和である。具体例はシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを包含する。
【0023】
本明細書において用いる用語「C1−6−アルコキシ」はメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシおよびヘキソキシのごときC1−6−アルキル−オキシを意味する。
【0024】
本明細書において用いる用語「C1−6−アルキルチオ」は炭素原子が硫黄原子と共有結合している直鎖または分岐鎖C1−6−アルキルを意味する。

本明細書において用いる用語「ハロゲン」はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を意味する。
【0025】
本明細書において用語「アリール」は炭素環式芳香族環系を意味する。さらに用語「アリール」は少なくとも2個のアリール環が化学結合している縮合環系を含む。本明細書において用語「ヘテロアリール」は芳香族環中の1個またはそれ以上の炭素原子が窒素、硫黄、リンまたは酸素のごとき1個またはそれ以上のヘテロ原子で置換されているアリール基を意味する。さらに、本明細書において用語「ヘテロアリール」は少なくとも1個のアリール環および少なくとも1個のヘテロアリール環または少なくとも2個のヘテロアリールが化学結合を共有している縮合環系を含む。
【0026】
「アリール」および「ヘテロアリール」の具体例は所望により置換されていてもよいフェニル、ビフェニル、インデン、フルオレン、ナフチル(1−ナフチル、2−ナフチル)、アントラセン(1−アントラセニル、2−アントラセニル、3−アントラセニル)、チオフェン(2−チエニル、3−チエニル)、フリル(2−フリル、3−フリル)、インドリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、キナゾリン、フルオレニル、キサンテニル、イソインダニル、ベンズヒドリル、アクリジニル、チアゾリル、ピロリル(2−ピロリル)、ピラゾリル(3−ピラゾリル)、イミダゾリル(1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、トリアゾリル(12,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル)、オキサゾリル(2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、チアゾリル(2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、ピリジル(2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル)、ピラジニル、ピリダジニル(3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル)、キノリル(2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、5−キノリル、6−キノリル、7−キノリル、8−キノリル)、イソキノリル(1−イソキノリル、3−イソキノリル、4−イソキノリル、5−イソキノリル、6−イソキノリル、7−イソキノリル、8−イソキノリル)、ベンゾ[b]フラニル(2−ベンゾ[b]フラニル、3−ベンゾ[b]フラニル、4ベンゾ[b]フラニル、5−ベンゾ[b]フラニル、6−ベンゾ[b]フラニル、7−ベンゾ[b]フラニル)、2,3−ジヒドロベンゾ[b]フラニル(2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、5−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、6−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、7(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]フラニル)、ベンゾ[b]チオフェニル(2−ベンゾ[b]チオフェニル、3−ベンゾ[b]チオフェニル、4−ベンゾ[b]チオフェニル、5−ベンゾ[b]チオフェニル、6−ベンゾ[b]チオフェニル、7−ベンゾ[b]チオフェニル)、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル(2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、3−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、5−(2,3−ジヒドロベンゾ[b]チオフェニル)、6−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、7−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[b]チオフェニル)、インドリル(1−インドリル、2−インドリル、3−インドリル、4−インドリル、5−インドリル、6−インドリル、7−インドリル)、インダゾール(1−インダゾリル、3−インダゾリル、4−インダゾリル、5−インダゾリル、6−インダゾリル、7−インダゾリル)、ベンゾイミダゾリル(1−ベンゾイミダゾリル、2−ベンゾイミダゾリル、4−ベンゾイミダゾリル、5−ベンゾイミダゾリル、6−ベンゾイミダゾリル、7−ベンゾイミダゾリル、8−ベンゾイミダゾリル)、ベンゾオキサゾリル(1−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(1−ベンゾチアゾリル、2−ベンゾチアゾリル、4−ベンゾチアゾリル、5−ベンゾチアゾリル、6−ベンゾチアゾリル、7−ベンゾチアゾリル)、カルバゾリル(1−カルバゾリル、2−カルバゾリル、3−カルバゾリル、4−カルバゾリル)、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン(5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−1−イル、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−3−イル、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−4−イル、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル)、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン(10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−1−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−2−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−3−イル、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−4−イルおよび10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン−5−イル)を含む。
【0027】
用語「脱離基」はハロゲン、スルホンまたはアシル基を含むがこれらに限定されない。他の適当な脱離基は当業者に明らかであろう。
【0028】
用語「保護基」(PG)は下記特徴を示す官能基を意味する:1)所望の官能基と良好な収率で選択的に反応して、保護が望まれる予定した反応に対して安定である基質を生じる;2)保護された基質から特異的に除去可能であり、所望の官能基を生じる;および3)かかる保護反応において生じた他の官能基に適合する試薬により、良好な収率で除去可能である。保護基はCH、ベンジル(Bn)、ブチルオキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、9−フルオレニルメトキシ−カルボニル(Fmoc)またはトシル(Ts)基を含むがこれらに限定されない。当業者には他の窒素の保護基は周知であろう。保護基の例は例えばGreeneらの(1991)“Protective Groups in Organic Chemistry,2”Ed.(John Wiley&Sons,Inc.,New York)において見られ得る。
【0029】
「カップリング剤」は酸または活性型の酸およびアミン、フェノール、アルコールまたはヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)およびその誘導体ならびにジシクロヘキシルカルボジイミドおよびエルジメチルアミノプロピルカルボジイミド(DCC、EIDAC)のごときカルボジイミドを含むがこれらに限定されない酸からの酸誘導体形成に適合する剤を意味する。当業者には適当なカップリング剤は周知であろう。活性型の酸は酸クロライド、無水酸、エステルおよび同様の誘導体を含むがこれらに限定されない。
【0030】
「閉環開始剤」は加水分解および脱水閉環の両方が開始可能である剤を意味する。これらは無水酢酸およびPのごとき有機および無機無水酸、濃硫酸、リン酸のごとき鉱酸、SOCl、PClおよびPOClのごとき酸クロライドを含むがこれらに限定されない。
【0031】
「所望」または「所望により」は続いて記載する事象または状況が存在してもしなくてもよいということ、ならびに該記載が該事象または状況が存在する事実および存在しない事実を包含するということを意味する。例えば「所望により置換されている...アリール」はアリールが置換されていてもいなくてもよいということ、ならびに該記載が置換されていないアリールおよび置換されているアリールを共に包含するということを意味する。
【0032】
「処置」は、任意の症状もしくは疾患状態の発症防止を目的としてか、または既に発症したかかる症状もしくは疾患状態の処置もしくは緩和を目的として、治療的に効果のある量で本明細書記載の化合物を投与することを意味する。故に、用語「処置」は予防的処置を包含することを意味する。

本明細書において省略形「SCCE」は角質層キモトリプシン酵素を意味する。

上記の特定の用語は上記構造式IおよびIIについて1回以上使用されてもよく、またかかる場合に各用語は他から独立して定義されるだろう。
【0033】
本発明の化合物は1個またはそれ以上の不斉中心を有していてもよく、分割された、純粋または部分的に純粋な立体異性体としての立体異性体(光学異性体)またはそのラセミ混合物が本発明の範囲内に包含されることが意図される。
【0034】
理解されるように、本明細書記載の構造式IまたはIIで示される化合物は有効なSCCE阻害剤である。しかしながら、構造式IまたはIIで示される個々の化合物間の阻害効果において多少のバリエーションが存在していてもよいため、発明者は構造式IまたはIIで示される化合物の阻害効果を評価するために用いられ得る適当な予備的アッセイを提供してきた。例えば、本明細書中の実施例1記載の「SCCE阻害剤試験」は化合物の力価を最初に評価するために行われてもよい簡単な試験である。故に、本明細書記載の方法および使用に好適な構造式IまたはIIで示される化合物は、本明細書記載の「SCCE阻害剤試験」で評価される場合に5μM未満のIC50値を有する化合物である。本明細書記載の「SCCE阻害剤試験」で評価される場合に、より好ましくは、化合物は4μM未満のIC50値を有し;さらにより好ましくは、化合物は3μM未満のIC50値を有し、さらにより好ましくは、化合物は2μM未満のIC50値を有し、最も好ましくは、化合物は0.5μMのごとき1μM未満のIC50値を有する。
【0035】
或いは、本明細書記載の方法および使用に好適な構造式IまたはIIで示される化合物は、本明細書記載の「SCCE阻害剤試験」で評価される場合に、該化合物のIC50値および2−フェニル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オンのIC50値の比が2.5未満である化合物である。本明細書記載の「SCCE阻害剤試験」で評価される場合に、より好ましくは、該比は2.0未満であり、さらにより好ましくは、該比は1.5未満、さらにより好ましくは、該比は1.0未満、最も好ましくは、該比は0.25のごとき0.5未満である。
【0036】
環系
構造式IおよびIIで示される化合物は下記のタイプの環(全て、構造式IおよびIIにおいて示され、上記および請求項1で定義されたように配置した置換基R、RおよびRを有する)を包含するが、これらに限定されない:

ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン、
ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−チオン、
3H−キナゾリン−4−オン、
3H−キナゾリン−4−チオン、
ベンゾ[d][1,3]チアジン−4−オン、
【0037】
チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン、
チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
チエノ[3,2−e][1,3]オキサジン−4−オン、
チエノ[2,3−e][1,3]オキサジン−4−オン、
チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−チオン、
チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−チオン、
【0038】
3H−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−チオン、
3H−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−チオン、
3H−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−オン、
3H−チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−オン、
1,6−ジチア−4−アザ−インデン−7−オン、
チエノ[2,3−d][1,3]チアジン−4−オン、
ピリド[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
ピラジノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
ピリミド[4,5−d][1,3]オキサジン−4−オン、
ピラゾロ[1,3]オキサジン−4−オン、
【0039】
イミダゾ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピペリジノ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピペラジノ[1,3]オキサジン−4−オン、
モルホリノ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピロリジノ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピロリノ[1,3]オキサジン−4−オン、
イミダゾリノ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピラゾリジノ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピラノ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピリジノ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピリダジノ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピリミジノ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピラジノ[1,3]オキサジン−4−オン、
フラノ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピロロ[1,3]オキサジン−4−オン、
【0040】
イソオキサゾロ[1,3]オキサジン−4−オン、
イソチアゾロ[1,3]オキサジン−4−オン、
フラザノ[1,3]オキサジン−4−オン、
テトラヒドロフラノ[1,3]オキサジン−4−オン、
テトラヒドロチオフェン[1,3]オキサジン−4−オン、
イミダゾリジノ[1,3]オキサジン−4−オン、
ピラゾリノ[1,3]オキサジン−4−オン、
オキサチオラノ[1,3]オキサジン−4−オン、
オキサゾロ[1,3]オキサジン−4−オン、
イソチアゾリジノ[1,3]オキサジン−4−オン、
チアゾリジノ[1,3]オキサジン−4−オン、
チアゾロ[1,3]オキサジン−4−オン、
オキサジアゾロ[1,3]オキサジン−4−オン、
チアジアゾロ[1,3]オキサジン−4−オン、
【0041】
5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
5,6,7,8−テトラヒドロ−1−オキサ−9−チア−3−アザ−フルオレン−4−オン、
5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−チオン、
5,6,7,8−テトラヒドロ−3,9−ジオキサ−1−アザ−フルオレン−4−オン、
5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−アザ−1−アザ−フルオレン−4−オン、
5,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−チオン、
5,6,7,8−テトラヒドロ−3H−ベンゾ[4,5]チエノ[2,3−d]ピリミジン−4−オン、
5,6,7,8−テトラヒドロ−3,9−ジチア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
2,3−ジヒドロ−1H−7−オキサ−8−チア−5−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−チオン、
1,2,3,5−テトラヒドロ−8−チア−5,7−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン−4−チオン、
1,2,3,5−テトラヒドロ−8−チア−5,7−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
【0042】
2,3−ジヒドロ−1H−5,8−ジチア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
2,3−ジヒドロ−1H−5,8−ジオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
1,2,3,8−テトラヒドロ−5−オキサ−7,8−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−3−オキサ−10−チア−1−アザ−ベンゾ[a]アズレン−4−オン、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−オキサ−10−チア−3−アザ−ベンゾ[a]アズレン−4−オン、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−3−オキサ−10−チア−1−アザ−ベンゾ[a]アズレン−4−チオン、
3,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−10−チア−1,3−ジアザ−ベンゾ[a]アズレン−4−チオン、
3,5,6,7,8,9−ヘキサヒドロ−10−チア−1,3−ジアザ−ベンゾ[a]アズレン−4−オン、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−3,10−ジチア−1−アザ−ベンゾ[a]アズレン−4−オン、
6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−3,10−ジオキサ−1−アザ−ベンゾ[a]アズレン−4−オンまたは
5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−3−オキサ−1,10−ジチア−ベンゾ[a]アズレン−4−オン
【0043】
本発明の好ましい実施態様において、環Aはヘテロ原子を含まず、また環Cは少なくとも1個の硫黄原子を含む。故に、本発明の好ましい実施態様において、化合物は一般式IaまたはIIa
【化2】

【0044】
[式中、
XはOまたはSであり;Yは独立してO、S、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;TおよびWはCH、CHまたはSであり、ただしTおよびWの1つはSであり;また環A、環B、環Cおよび環Dは飽和または部分的に飽和されている芳香族であってもよい]
で示される。
【0045】
より好ましくは、X、YおよびZのいずれも硫黄ではなく、すなわち、上記構造式IaおよびIIaについて、XはOであり;Yは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;TおよびWはCH、CHまたはSであり、ただしTおよびWの1つはSである。さらにより好ましい実施態様において、環BおよびDは窒素原子を2個含まない。さらにより好ましい実施態様において、環AおよびCは芳香族であり、環BおよびDは部分的に飽和されている。
【0046】
故に、構造式IaまたはIIaで示される化合物の好ましい例は(R、R、Rは上記と同意義である):
【0047】
構造式
【化3】

で示されるベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、

構造式
【化4】

で示されるベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン、
【0048】
構造式
【化5】

で示されるチエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化6】

で示されるチエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化7】

で示されるチエノ[2,3−e][1,3]オキサジン−4−オン、
【0049】
構造式
【化8】

で示されるチエノ[3,2−e][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化9】

で示されるイソチアゾロ[5,4−d][1,3]オキサジン−4−オン
【0050】
構造式
【化10】

で示されるピリド[3,4−d][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化11】

で示されるピリド[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
【0051】
構造式
【化12】

で示されるピラジノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化13】

で示されるピリミド[4,5−d][1,3]オキサジン−4−オン、
【0052】
構造式
【化14】

で示されるピロロ[3,4−d][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化15】

で示されるピラゾロ[3,4−d][1,3]オキサジン−4−オン、
【0053】
構造式
【化16】

イミダゾ[4,5−d][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化17】

で示されるピラゾロ[4,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
【0054】
構造式
【化18】

で示されるフロ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化19】

で示されるフロ[3,4−d][1,3]オキサジン−4−オン、

構造式
【化20】

で示されるフロ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オンである。
【0055】
構造式IaまたはIIaで示される好ましい化合物の上記した例の中で、下記化合物は特に好ましい(R、R、Rは上記と同意義である):

構造式
【化21】

で示されるベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化22】

で示されるベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン、
【0056】
構造式
【化23】

で示されるチエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化24】

で示されるチエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
【0057】
構造式
【化25】

で示されるチエノ[2,3−e][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化26】

で示されるチエノ[3,2−e][1,3]オキサジン−4−オン、
【0058】
構造式
【化27】

で示されるイソチアゾロ[5,4−d][1,3]オキサジン−4−オン、
構造式
【化28】

で示されるピラゾロ[3,4−d][1,3]オキサジン−4−オン
【0059】
およびR置換基
上記のように、RおよびRが存在する場合には各々独立して
各々所望によりハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されていてもよいC1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルか;H、ハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニルまたはテトラゾールであるか;
【0060】
またはRおよびRが環Aまたは環C中の隣接原子と結合する場合には一緒になって
−(CH
[ここでn=1−5であり、該部分の1、2または3個のCH単位は所望により1、2または3個のヘテロ原子で置換されてよく、各ヘテロ原子はO、S、NHおよび窒素原子が隣接原子と二重結合するならばNから成る群より独立して選択され、また該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群より独立して選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されていてもよい]
部分を形成する。
【0061】
本発明の好ましい実施態様において、RおよびRが存在する場合には各々独立して
ハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで所望により置換されていてもよいC1−8−アルキルか;ハロゲン、C1−6−アルコキシであるか;
またはRおよびRが隣接原子と結合している場合には一緒になって
−(CH
[ここで、n=3、4または5であり、該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群より独立して選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されていてもよい]
部分を形成する。
【0062】
一般式IまたはIaで示される化合物に関する限り、RおよびRが存在する場合には、最も好ましくは、所望によりハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されているC1−8−アルキルか;ハロゲンまたはC1−6−アルコキシ、特にF、Cl、Br、I、O−CHまたはO−CH−CH、例えばClまたはO−CHである。本発明の1の実施態様において、RおよびRはいずれも存在しない。別の実施態様において、RおよびRの1つのみが存在する。さらに別の実施態様において、RおよびRは共に存在する。一般にRおよびRの少なくとも1つが存在することが好ましい。
【0063】
一般式IIまたはIIaで示される化合物に関する限り、RおよびRが存在する場合には、最も好ましくは、所望によりハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されているC1−8−アルキルであるか;
またはRおよびRが隣接原子と結合する場合には、一緒になって
−(CH
[ここでn=3、4または5であり、該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群より独立して選択される1、2または3個の置換基で所望により置換されていてもよい]
部分を形成する。
【0064】
特に好ましい例は−CH、−CH−CHおよび
構造式
【化29】

で示される5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
構造式
【化30】

で示される5,6,7,8−テトラヒドロ−1−オキサ−9−チア−3−アザ−フルオレン−4−オン、
【0065】
構造式
【化31】

で示される5,6,7,8−テトラヒドロ−3,9−ジオキサ−1−アザ−フルオレン−4−オン、
構造式
【化32】

で示される5,6,7,8−テトラヒドロ−5H−3−オキサ−1,9−ジアザ−フルオレン−4−オン、
【0066】
構造式
【化33】

で示される2,9−ジオキサ−4−アザ−フルオレン−1−オン、
構造式
【化34】

で示される2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
【0067】
構造式
【化35】

で示される2,3−ジヒドロ−1H−7−オキサ−8−チア−5−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
構造式
【化36】

で示される2,3−ジヒドロ−1H−5,8−ジオキサ−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
【0068】
構造式
【化37】

で示される1,2,3,8−テトラヒドロ−5−オキサ−7,8−ジアザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
構造式
【化38】

で示される6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−3−オキサ−10−チア−1−アザ−ベンゾ[a]アズレン−4−オン、
【0069】
構造式
【化39】

で示される6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−1−オキサ−10−チア−3−アザ−ベンゾ[a]アズレン−4−オン、
構造式
【化40】

で示される6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−3,10−ジオキサ−1−アザ−ベンゾ[a]アズレン−4−オン、
構造式
【化41】

で示される5,6,7,8,9,10−ヘキサヒドロ−3−オキサ−1,10−ジアザ−ベンゾ[a]アズレン−4−オンを包含する。
【0070】
構造式IIおよびIIaに関する限り、本発明の興味深い別の実施態様は、RおよびRがいずれも存在しない例を包含する。

の好ましい例はメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびフェニルを包含する。
【0071】
置換基
上記のように、Rは各々1個またはそれ以上のハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニル、テトラゾール、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルで所望により置換されているアリールまたはヘテロアリールであり、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルは各々所望によりハロゲン、CF、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、CON(R、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4アルコキシまたはカルバモイルで置換されていてもよい。
【0072】
より好ましくは、Rは各々所望によりハロゲン、CF、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、CON(R、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4アルコキシまたはカルバモイルで置換されていてもよいフェニル、1−ナフチル、4−ピリジニル、2−フラニルまたは2−チエニルか;ハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニルまたはテトラゾールであり;置換されているアリールまたはヘテロアリール基の好ましい具体例はフェニル、2−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、2−ヨードフェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニル、2−ヒドロキシフェニル、1−ナフチル、2−トリル、2−クロロ−4−ニトロフェニル、2−クロロ−5−ニトロフェニル、4−フルオロフェニル、4−ブロモ−フェニル、2−チエニル、2−フラニルおよび4−ピリジニルを包含する。
【0073】
一般に、アリールまたはヘテロアリール基はフッ素、塩素、NO、CFおよびOCFのごとき電子吸引基少なくとも1個で置換されていることが好ましい。最も好ましくは、塩素およびフッ素であり特に塩素が好ましい。さらに、好ましくは、Rはオルト位が置換されている(一または二置換)アリールまたはヘテロアリール環である。好ましいオルト位置換基は:フルオロ、クロロ、ヨード、ブロモ、メチル、メトキシ、ヒドロキシ、アセトキシまたはNHSO−アリールである。
【0074】
特定の、かつ好ましい化合物の例
本明細書記載の目的に適合する構造式Iで示される好ましい化合物の具体例は
2−フェニル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−1)
7−クロロ−2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−2)
2−(2−ヨード−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−3)
7−クロロ−2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン
(I−4)
2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−5)
【0075】
2−(2−クロロ−5−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−6)
5,7−ジクロロ−2−(ジメチルアミノ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オ (I−7)
2−ピリジン−4−イル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−8)
2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−9)
2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン
(I−10)
2−(2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−11)
7−クロロ−2−(4−エチル−フェニル)ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−12)
7−クロロ−2−(3−メチル−4−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−13)
N−[4−(6,7−ジメトキシ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)−フェニル]−アセトアミド (I−14)
4−(4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)−フェニルエステル酢酸 (I−15)
2−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−16)
6−クロロ−2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン
(I−17)
6−クロロ−2−フラン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン
(I−18)
2−(2−クロロフェニル)−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン
(I−19)
2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン
(I−20)
2−フラン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン (I−21)
を包含する。
【0076】
一般式Iで示される特に好ましい化合物の例は
7−クロロ−2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−2)
2−(2−ヨード−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−3)
7−クロロ−2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン
(I−4)
2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−5)
2−(2−クロロ−5−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−6)
2−(2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−11)
2−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン (I−16)
6−クロロ−2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン
(I−17)
6−クロロ−2−フラン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン
(I−18)
を包含する。
【0077】
構造式IIで示される好ましい化合物は:
6−エチル−2−(2−フルオロ−フェニル)−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン (II−1)
6−メチル−2−ナフタレン−1−イル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン (II−2)
6−エチル−2−o−トリル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン
(II−3)
6−エチル−2−(4−フルオロ−フェニル)−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン (II−4)
2−(2−クロロ−フェニル)−4H−チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン (II−5)
2−フェニル−4H−チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン
(II−6)
2−フラン−2−イル−5,6−ジメチル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン (II−7)
2−(4−フルオロ−フェニル)−4H−チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン (II−8)
2−(4−ブロモ−フェニル)−6−エチル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン (II−9)
6−(2−クロロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン (II−10)
6−フラン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン (II−11)
【0078】
6−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン (II−12)
6−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン (II−13)
6−チオフェン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキソ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン (II−14)
2−(2−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン (II−15)
2−(2−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン (II−16)
2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン (II−17)
2−ナフタレン−1−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン (II−18)
2−チオフェン−2−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4オン (II−19)
2−(3−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン (II−20)
2−ピリジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−3−オキサ−10−チア−1−アザ−ベンゾ[a]アズレン−4−オン (II−21)
である。
【0079】
構造式IIで示される特に好ましい化合物の例は:
6−エチル−2−(2−フルオロ−フェニル)−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン (II−1)
6−メチル−2−ナフタレン−1−イル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン (II−2)
6−エチル−2−o−トリル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン
(II−3)
6−エチル−2−(4−フルオロ−フェニル)−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン (II−4)
2−(2−クロロ−フェニル)−4H−チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン (II−5)
6−(2−クロロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン (II−10)
6−フラン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン (II−11)
6−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン (II−12)
6−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン (II−13)
6−チオフェン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキソ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン (II−14)
2−(2−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン (II−15)
2−(2−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン (II−16)
2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン (II−17)
を包含する。
【0080】
製造
一般式IおよびIIで示される化合物は下記方法により構造式IIIまたはIVまたはV/VIまたはVIIまたはVIIIで示される化合物から調製されてもよい:
【0081】
方法A):
1)構造式III
【化42】

III
で示される化合物を式RCOLで示される化合物と反応させ[ここで、R、R、R、Z、X、Y、W、Q、VおよびTは上記と同意義でありLはハロゲン、硫酸塩またはアシル基のごとき脱離基である]IVの構造を得る。
【0082】
2)構造式IV
【化43】

IV
[式中、R、R、R、Z、X、Y、W、Q、VおよびTは上記と同意義である]
で示される化合物を閉環開始剤と反応させ、式Iの構造を得る。かかる剤は酢酸無水物のごときカルボン酸無水物、濃硫酸、POCl、P、CFCOOHまたは同様の剤であり得る。
【0083】
方法B):
1)HOBtのごとき標準的なカップリング剤、またはDCCもしくはEDACのごときカルボジイミド、または酸もしくは活性型の酸およびアミンからのアミド結合形成に適する同様の剤を用いて、構造式III
【化44】

III
で示される化合物を式RCOOHで示される化合物と反応させ[ここで、R、R、R、Z、X、Y、W、Q、VおよびTは上記と同意義である]IVの構造を得る。
【0084】
2)構造式IV
【化45】

IV
[式中、R、R、R、Z、X、Y、W、Q、VおよびTは上記と同意義である]
で示される化合物を閉環開始剤と反応させ、式Iの構造を得る。かかる剤は酢酸無水物のごときカルボン酸無水物、濃硫酸、POCl、P、CFCOOHまたは同様の剤であり得る。
【0085】
方法C):
構造式IV
【化46】

IV
[式中、R、R、R、Z、X、Y、W、Q、VおよびTは上記と同意義である]
で示される化合物を閉環開始剤と反応させ、式Iの構造を得る。かかる剤は酢酸無水物のごときカルボン酸無水物、濃硫酸、POCl、P、CFCOOHまたは同様の剤であり得る。
【0086】
方法D):
構造式V
【化47】


[式中、R、R、R、Z、X、Y、W、Q、VおよびTは上記と同意義であり、RはC1−8アルキル基である]
で示される化合物を濃HSOもしくはPPh/EtN/CClBrのごとき閉環開始剤または加水分解および脱水閉環の両方を導入し得る同様の剤と反応させ、Iの構造で示される化合物を得る。
【0087】
方法E):
1)構造式VI
【化48】

VI
で示される化合物を式RCOLで示される化合物と反応させ[ここで、R、R、R、Z、X、Y、W、QおよびTは上記と同意義であり、Lはハロゲン、硫酸塩またはアシル基のごとき脱離基である]VIIの構造を得る。
【0088】
2)構造式VII
【化49】

VII
[式中、R、R、R、Z、X、Y、W、QおよびTは上記と同意義である]
で示される化合物を閉環開始剤と反応させ、式IIの構造を得る。かかる剤は酢酸無水物のごときカルボン酸無水物、濃硫酸、POCl、P、CFCOOHまたは同様の剤であり得る。
【0089】
方法F):
1)HOBtのごとき標準的なカップリング剤、またはDCCもしくはEDACのごときカルボジイミド、または酸もしくは活性型の酸およびアミンからのアミド結合形成に適する同様の剤を用いて、構造式VI
【化50】

VI
で示される化合物を式RCOOHで示される化合物と反応させる[ここで、R、R、R、Z、X、Y、W、QおよびTは上記と同意義である]。
【0090】
2)構造式VII
【化51】

VII
[式中、R、R、R、Z、X、Y、W、QおよびTは上記と同意義である]
で示される化合物を閉環開始剤と反応させ式IIの構造を得る。かかる剤は酢酸無水物のごときカルボン酸無水物、濃硫酸、POCl、P、CFCOOHまたは同様の剤であり得る。
【0091】
方法G):
構造式VII
【化52】

VII
[式中、R、R、R、Z、X、Y、W、QおよびTは上記と同意義である]
で示される化合物を閉環開始剤と反応させ、式IIの構造を得る。かかる剤は酢酸無水物のごときカルボン酸無水物、濃硫酸、POCl、P、CFCOOHまたは同様の剤であり得る。
【0092】
方法H):
構造式VIII
【化53】

VIII
[式中、R、R、R、Z、X、Y、W、QおよびTは上記と同意義であり、RはC1−8アルキル基である]
で示される化合物を濃HSOもしくはPPh/EtN/CClBrのごとき閉環開始剤または加水分解および脱水閉環の両方を開始し得る同様の剤と反応させ、構造IIで示される化合物を得る。
【0093】
上記した合成法の実施例は当業者に知られており、文献にも数回記載されている。例えば
E.P.PapadopoulosおよびC.D.Torres:Heterocycles 19(6)1039−1042,1982;
J.L.Gilmoreら:Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 6(6),679−682,1996;
M Davies、R.J.Hook、Wen Yang Wu:J Heterocyclic Chem 21 369−373,1984;
G.Hamprecht、B.Wuerzer:US特許第4,315,766号(1982);
H.Wamhoff;E.Kroth:Synthesis 405,1994
を参照のこと。
【0094】
一般式Iで示される化合物である下記例の合成はWO 99/48878に記載されている。これらの化合物は本発明に従い用いられ得る一般式Iで示される化合物の例である。

5,8−ジクロロ−2−(2−フルオロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−チオフェン−2−イル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
(2,6−ジクロロ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
(2,6−ジメトキシ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−]ベンゾオキサジン−4−オン、
(3−ブロモ−チオフェン−2−イル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
(2,3−ジクロロ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−ニトロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
【0095】
6−アセタミド−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−7−ニトロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−ニトロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
5−クロロ−2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−アミノ−2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−8−ヒドロキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
5,8−ジクロロ−2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
5−アミノ−2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
7−アミノ−2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−メトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−フルオロ−フェニル)−6−メトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−7−トリフルオロメチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
6,7−ジフルオロ−2−(2−フルオロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
6,7−ジフルオロ−2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
6,7−ジフルオロ−2−フラン−2−イル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
【0096】
2−(2−メトキシ−フェニル)−6−ニトロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−メトキシ−フェニル)−5−メチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−メトキシ−フェニル)−5−ニトロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−ニトロ−2−(2−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−ニトロ−2−o−トリル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
5−ニトロ−2−(2−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
5−ニトロ−2−(2−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−6−ニトロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−5−メチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−5−ニトロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−6−ニトロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−5−メチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−5−ニトロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−トリフルオロメチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−フルオロ−フェニル)−6−トリフルオロメチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−チオフェン−2−イル−6−トリフルオロメチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−フルオロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−チオフェン−2−イル−5−トリフルオロメチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−8−トリフルオロメチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−フルオロ−フェニル)−8−トリフルオロメチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−フラン−2−イル−8−トリフルオロメチル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−7−フルオロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
【0097】
5−ニトロ−2−(5−ニトロ−フラン−2−イル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,3−ジクロロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
6,7−ジフルオロ−2−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,3−ジフルオロ−フェニル)−6,7−ジフルオロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
6,7−ジフルオロ−2−(2−メトキシ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−ピリジン−3−イル)−6,7−ジフルオロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−5−カルボン酸メチルエステル、
2−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−5−カルボン酸メチルエステル、
4−オキソ−2−チオフェン−2−イル−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−5−カルボン酸メチルエステル、
2−フラン−2−イル−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−5−カルボン酸メチルエステル、
2−(2−フルオロ−フェニル)−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−5−カルボン酸エチルエステル、
2−(6−ニトロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)−フェニルエステル酢酸、
2−(5−メチル−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)−フェニルエステル酢酸、
2−(5−ニトロ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)−フェニルエステル酢酸
【0098】
一般式Iで示される化合物である下記実施例の合成はWO 00/30646に記載されている。これらの化合物は本発明に従い用いられ得る一般式Iで示される化合物の実施例である。

2−(2−フルオロフェニル)−4H−ピリド[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4H−ピリド[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
7−(エチルチオ)−2−(2−フルオロフェニル)−4H−ピリミド[4,5−d][1,3]オキサジン−4−オン、
7−(エチルチオ)−2−(2−メチルフェニル)−4H−ピリミド[4,5−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロフェニル)−7−(エチルチオ)−4H−ピリミド[4,5−d][1,3]オキサジン−4−オン
【0099】
一般式IIで示される化合物である下記実施例の合成はWO 00/30646に記載されている。これらの化合物は本発明に従い用いられ得る一般式IIで示される化合物の実施例である。

2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−7−メチル−チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン、
5−メチル−2−(2−ニトロ−フェニル)−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−フラン−2−イル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−チオフェン−2−イル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
1−メチル−6−(2−ニトロフェニル)−ピラゾロ[3,4−d][1,3]オキサジン−4(1H)−オン、
6−(2−フルオロフェニル)−1−メチル−ピラゾロ[3,4−d][1,3]オキサジン−4(1H)−オン、
1−メチル−6−(2−メチルフェニル)−ピラゾロ[3,4−d][1,3]オキサジン−4(1H)−オン
【0100】
本発明に記載の構造のいくつかは化学薬品会社から購入可能である。例えばKey Organics、Chemical Diversity、Sigma−Aldrich、Maybridge、Specs、CSCおよびMerlin Chemicalsのごとき会社である。
【0101】
構造式Iで示される化合物の例は下記:

2−(2,5−ジメチル−ベンゾフラン−7−イル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3−ブロモ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3−ブロモ−フェニル)−7−クロロ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−フルオロ−フェニル)−6−メチル−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
ナフタレン−2−スルフィン酸[2−(4−オキソ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−2−イル)−フェニル]−アミド、
2−(4−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−ブロモ(5−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3,4−ジメチル−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6,7−ジメトキシ−2−p−トリル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−フェニル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6,7,8−トリメトキシ−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6,7−ジメトキシ−2−[2−(4−メトキシ−フェノキシ)−5−ニトロ−フェニル]−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
【0102】
5−クロロ−2−[2−(4−メトキシ−フェノキシ)−5−ニトロ−フェニル]−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−tert−ブチル−フェニル)−7−クロロ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−m−トリル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6,7−ジメトキシ−2−(5−メチル−2−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(4−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3,4−ジメチル−フェニル)−6,7−ジメトキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−[4−(5−エチル−ピリジン−2−イル)−フェニル]−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−6,7,8−トリメトキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−フルオロ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−フルオロフェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
5−クロロ−2−(3−トリフルオロメチルフェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−ニトロ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
【0103】
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−フルオロ−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(2−フルオロフェニル)−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2(2−(4−フルオロフェニルスルフォニル)アミドフェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン4−オン、
2−(2−ブロモ−5−メトキシ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−クロロメチル−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−tert−ブチル−フェニル)−6,8−ジメチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(3−クロロメチル−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−フェニル)−6−ヨード−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(2−クロロ−5−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−ブロモ−フェニル)−6−クロロ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6,7−ジメトキシ−2−(3−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(2,4−ジクロロフェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
【0104】
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−6−ヨード−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−ブロモ−2−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−(6,7−ジメトキシ−4−オキソ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−2−イル)−ピリジン−2−カルボン酸メチルエステル、
6,7−ジメトキシ−2−ピリジン−4−イル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−ブロモ−2−ピリジン−4−イル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
5−フルオロ−2−(2−フェノキシ−ピリジン−3−イル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6,7,8−トリメトキシ−2−(2−フェノキシ−ピリジン−3−イル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3−クロロ−5−トリフルオロメチル−ピリジン−2−イル)−6,7−ジメトキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−チオフェン−2−イル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6,7,8−トリメトキシ−2−(5−ニトロ−フラン−2−イル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−(5−ニトロ−フラン−2−イル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
5,8−ジクロロ−2−(2−フルオロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−チオフェン−2−イル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
【0105】
2−(2,6−ジクロロ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−(2−トリフルオロメトキシ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジフルオロ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2,6−ジメトキシ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3−ブロモ−チオフェン−2−イル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2,3−ジクロロ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2,4−ジクロロ−フェニル)−6−ニトロ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
6,8−ジブロモ−2−(2−フルオロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(2−クロロメチル−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−クロロ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3−トリル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−フルオロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−クロロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6,7 ジブロモ−2−フェニル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−ヨード−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3,4,5−トリメトキシ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(3−メトキシ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(4−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−(tert−ブチル)−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3−クロロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
【0106】
2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−クロロ−2−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−3,5−ジニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3,5−ジニトロ−2−メチル−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3,4−ジクロロ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2,4−ジニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3−クロロ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−(4−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6−メチル−2−フェニル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3−メチル−4−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−クロロ−3−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
【0107】
6−メチル−2−(3−トリル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(2−トリル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(3,5−ジニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−トリル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−クロロ−フェニル)−6−メチル−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−エトキシ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
2−(4−メチル−3−ニトロ−フェニル)−4H−3,1−ベンゾオキサジン−4−オン、
6,8−ジクロロ−2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン
である。
【0108】
構造式IIで示される化合物の例は下記:

2−tert−ブチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−(4−ブロモ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−(4−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−(2−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−メチル−5−チオフェン−2−イル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−フラン−2−イル−5−チオフェン−2−イル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−ブロモ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−(4−クロロ−フェニル)−5,6−ジメチル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
【0109】
2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2,5−ジフェニル−4H−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
8−クロロ−2−フェニル−4H−ベンゾフロ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−4H−ベンゾフロ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−(2−メチルフェニル)−1−フェニル−ピラゾロ[3,4−d][1,3]オキサジン−4(1H)−オン、
6−(2−フルオロフェニル)−1−フェニル−ピラゾロ[3,4−d][1,3]オキサジン−4(1H)−オン、
6−(2−クロロフェニル)−1−フェニル−ピラゾロ[3,4−d][1,3]オキサジン−4(1H)−オン
である。
【0110】
化合物の塩および水和物
本発明において、構造式IおよびIIで示される化合物は医薬上許容される塩、特に有機酸および金属酸の塩を含む酸付加塩の形態で調製されてもよい。かかる塩の例は蟻酸、フマル酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、琥珀酸、リンゴ酸、洒石酸、クエン酸、安息香酸、サリチル酸、アスコルビン酸、パモ酸、メタンスルホン酸、マロン酸等のごとき有機酸の塩を包含する。適当な無機酸付加塩は塩酸、臭化水素酸、硫酸およびリン酸等の塩を包含する。医薬上許容される無機または有機酸付加塩のさらなる例はJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)に記載の医薬上許容される塩を包含し、これらは当業者に知られている。
【0111】
医薬上許容される酸付加塩として本発明の化合物が形成し得る水和物もまた意図される。

酸付加塩は化合物合成の直接の生成物として得られてもよい。別法として、遊離塩を適当な酸を含有する適切な溶媒に溶解し、さらに溶媒蒸発または別の方法で塩と溶媒を分離することにより塩を単離してもよい。
【0112】
本発明の化合物は当業者に知られている方法を用いて標準的な低分子量の溶媒と溶媒和物を形成してもよい。構造式IおよびIIで示される化合物は医薬上許容される酸付加塩の形態で、または適切にはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属もしくは低級アルキルアンモニウムの塩として投与されてもよい。かかる塩は遊離塩基の形態とほぼ同程度の活性を示すと考えられる。
【0113】
医薬組成物および使用
別の態様において、本発明はその範囲内に医薬上許容される担体または希釈剤と共に、有効成分として構造式IおよびIIで示される化合物の少なくとも1つまたはその医薬上許容される塩を含有する医薬組成物を包含する。
【0114】
一般式IおよびIIで示される化合物は該化合物および医薬上許容される担体または希釈剤含有の医薬組成物に処方されてもよい。
【0115】
かかる担体は水、生理食塩水、エタノール、グリセロールもしくはプロピレングリコールのごときポリオールまたは植物油を包含する。本明細書で用いる「医薬上許容される担体」は任意および全ての溶媒、分散媒、コーティング、殺菌剤、防腐剤、等張化剤等も包含する。任意の慣用的な担体が有効成分およびその意図される使用に適合しない場合を除き、本発明の組成物におけるその使用が熟慮される。
【0116】
一般式IおよびIIで示される化合物含有の組成物は慣用法により調製されてもよく、慣用的な形態、例えばカプセル剤、錠剤、溶液または懸濁液であってよい。用いられる医薬担体は慣用的な固体または液体担体であってもよい。固体担体の例はラクトース、白土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸である。液体担体の例はシロップ、落花生油、オリーブ油および水である。同様に、該担体または希釈剤はグリセリルモノステアリン酸塩またはグリセリルジステアリン酸のごとき当業者に知られている任意の時間遅延物質(単独またはワックスとの混合)を包含する。該剤形は湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、防腐剤、甘味料または香料も含有してよい。本発明の剤形は当業者に知られている方法を用いて患者へ投与した後に有効成分が速効型、持続型または遅効型で放出されるように処方されてもよい。
【0117】
医薬組成物は滅菌され、有効化合物と有害反応を起こさない助剤、乳化剤、浸透圧に影響するための塩、バッファーおよび/または着色剤等と所望により混合され得る。
【0118】
投与経路は有効化合物を適切または所望の作用部位に効果的に輸送する局所、経口または非経口などの任意の経路であってもよく、例えば直腸、経皮、皮下、鼻腔内、筋肉内、局所、静脈、尿道内、点眼用の溶液または軟膏のごとき非経口であり、経口経路が好ましい。
【0119】
経口投与のための固体担体が用いられる場合、該調製物は錠剤にされ得るか、粉末または顆粒形態でハードゼラチンカプセルに充填され得るか、または該剤はトローチもしくはドロップの形態でもあり得る。
【0120】
固体担体の量は大いに異なってもよいが、通常は約25mgないし約1gであろう。液体担体が用いられる場合、該調製物はシロップ、乳濁液、ソフトゼラチンカプセルまたは水性または非水性の液体懸濁液または溶液のごとき滅菌注射液の形態であってよい。
【0121】
経鼻投与に関しては、該調製物は液体担体、特にエアロゾル用の水性担体に溶解または懸濁されている構造式Iで示される化合物を含有してもよい。該担体はプロピレングリコールのごとき溶解剤、界面活性剤、レシチン(ホスファチジルコリン)もしくはシクロデキストリンのごとき吸収促進剤またはパラベンのごとき防腐剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0122】
非経口の適用に関しては、注射溶液または懸濁液が特に適合し、好ましくは、ポリヒドロキシル化されたヒマシ油に溶解した有効化合物を有する水溶液である。
【0123】
タルクおよび/または炭水化物の担体もしくは結合剤等を有する錠剤、ドラジェーまたはカプセル剤は経口の適用に特に適合する。錠剤、ドラジェーまたはカプセル剤に好適な担体はラクトース、コーンスターチおよび/またはジャガイモ澱粉を含む。シロップまたはエリキシルは甘味担体が用いられ得る場合に使用され得る。
【0124】
慣用的な錠剤化技法により調製されてもよい典型的な錠剤は:
コア
有効化合物(遊離化合物またはその塩として) 100mg
コロイド状二酸化ケイ素(エアロシル) 1.5mg
セルロース、微結晶(アビセル) 70mg
修飾セルロースガム(Ac−Di−Sol) 7.5mg
ステアリン酸マグネシウム

コーティング
HPMC 約9mg
*Mywacett 9−40 T 約0.9mg
*フィルムコーティング用可塑剤として用いるアシル化したモノグリセリド
【0125】
局所投与に適合する本発明の医薬組成物はクリーム、軟膏、ローション、リニメント剤、ゲル、溶液、懸濁液、ペースト、スティック、スプレー、シャンプー、石鹸、ヘアコンディショナーまたは散剤であってもよい。
【0126】
局所投与は問題となる病理学的変化を示す身体部位中または周辺、例えば皮膚表面のごとき身体外部に投与されてもよい。該適用は組成物の単純塗布であってよく、または本発明の組成物を含む密封性包帯、例えば密封性膏薬のごとき、組成物と病変の接触度を高めるのに適した任意のデバイスを含んでもよい。該組成物はパッド、膏薬、ストリップ、ガーゼ、スポンジ材料、綿毛等に含浸または配分する。所望により、病変またはその周辺に組成物を注射する様式が用いられてもよい。
【0127】
本発明に従い、局所用組成物は調製物の全重量に基づいて1−80重量%の有効化合物を含有してもよく、例えば有効化合物は0.1−10%、0.5−5%、または2−5%などの0.001−25%w/wである。1種以上の有効化合物が組成物に処方されてもよい;すなわち他の医薬および/または化粧品化合物と共に一般式IおよびIIで示される化合物を含有する組成物もまた本発明の範囲内である。該組成物は病変の型、重篤度および所在に依存し、1日に1−10回適切に適用される。
【0128】
局所適用に関して、該調製物は局所適用のために適切に用いられる医薬用賦形剤と共に慣用的な薬務に従い処方されてもよい。任意の特定組成物の調製に用いられる担体の性質は、意図される当該組成物の投与法に依存するだろう。組成物中用いられ得る水以外の担体は緩和薬、溶媒、湿潤剤、増粘剤および散剤のごとき固体または液体を包含し得る。単独または1またはそれ以上の担体との混合で用いられ得る当該型の担体各々の例は下記の通りである:
【0129】
緩和薬としては、例えばステアリルアルコール、モノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、プロパン−2−ジオール、ブタン−1,3−ジオール、セチルアルコール、イソステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、オレイルアルコール、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、オクタデカノール、イソセチルアルコール、パルミチン酸セチル、ジメチルポリシロキサン、セバシン酸ジ−n−ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ポリエチレングリコール、トリエチレングリコール、ラノリン、ヒマシ油、アセチル化ラノリンアルコール、石油、鉱油、ミリスチン酸ブチル、イソステアリン酸、パルミチン酸、リノール酸イソプロピル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチルである。
【0130】
溶媒としては、例えば水、メチレンクロライド、イソプロパノール、ヒマシ油、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、植物および動物油、グリセロール、エタノール、プロパノール、プロピレングリコールおよび他のグリコールまたはアルコール、不揮発性油である。
【0131】
湿潤剤としては、例えばグリセリン、ソルビトール、2−ピロリドンカルボン酸ナトリウム、溶性コラーゲン、フタル酸ジブチル、ゼラチンである。
【0132】
散剤としては、例えばチョーク、タルク、カオリン、スターチおよびその誘導体、ガム、コロイド状二酸化ケイ素、ポリアクリル酸ナトリウム、化学修飾したケイ酸マグネシウムアルミニウム、水和ケイ酸アルミニウム、カルボキシビニルポリマー、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、モノステアリン酸エチレングリコールである。
【0133】
ゲル化または膨潤剤としては、例えばペクチン、ゼラチンおよびその誘導体、メチルセルロースのごときセルロース誘導体、カルボキシメチルセルロースまたは酸化セルロース、セルロースガム、クアガム、アカシアガム、カラヤガム、トラガカントゴム、ベントナイト、寒天、アルギナート、カルボマー、ゼラチン、ブラダーラック、セラトニア(ceratonia)、デキストランおよびその誘導体、ガティガム、ヘクトライト、イスパキュラハスク、キサンガムである。
【0134】
ポリマーとしては、例えばポリ乳酸またはポリグリコール酸ポリマーまたはその共重合体、パラフィン、ポリエチレン、ポリエチレンオキシド、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルピロリドンである。
【0135】
界面活性剤としては、例えばグリコールおよびグリセロールエステル、マクロゴールエーテルおよびエステル、ソルビタンエステル等の糖エーテルおよびエステルのごとき非イオン界面活性剤、アミン石鹸、金属石鹸、硫酸化脂肪族アルコール、アルキルエーテル硫酸塩、硫酸化油のごときイオン界面活性剤および両性界面活性剤ならびにレシチンである。
【0136】
バッファー剤としては、例えばナトリウム、カリウム、アルミニウム、マグネシウムまたはカルシウム塩(例えば塩化物、炭酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、酢酸塩、グルセプタートまたは洒石酸塩)である。
【0137】
局所適用に関しては、組成物のpHは原則として3ないし9等の非常に広い範囲内であってよい。本発明の好ましい実施態様において、約4ないし8のpHが好ましい。上記した慣用的なバッファー剤は所望のpHを得るために用いられてもよい。
【0138】
本発明の調製物は安定化剤、防腐剤、溶解剤、着色剤、キレート剤、ゲル形成剤、軟膏基剤、pH−調節剤、抗酸化剤、香料および皮膚保護剤等のごとき他の添加剤を含有してもよい。組成物がシャンプーまたは石鹸の形態である場合には、組成物は発泡剤、パール化剤および/またはコンディショナーをさらに含んでいてもよい。
【0139】
典型的な防腐剤はパラベン、ホルムアルデヒド、Kathon CG、Bronidox、ブロノポール、p−クロロ−m−クレゾール、クロルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム等を包含する。
【0140】
本発明の組成物がシャンプーまたは石鹸の形態である慣用的な成分が用いられてもよく、典型的な石鹸およびシャンプー基剤はベタイン、ラウリル硫酸ナトリウム、ノニルフェノール、イミダゾール、スルホ琥珀酸、リファッテニング剤(refattening agents)、湿潤剤およびコンディショナーのごとき成分を含む。
【0141】
さらに、有効化合物がポリマーマトリックスまたはナノ粒子またはリポソームまたはミセルと混合されるか、或いはイオン交換樹脂に吸収されるか、或いはポリマーにより輸送される、放出調節調製物の提供に有利であってよい。
【0142】
組成物は慣用的な薬務に従い処方されてよく:
半固形処方:ゲル、ペースト、混合物;
液体処方:溶液、懸濁液、浸液、乳濁液
であってよい。
【0143】
示されるように、本発明の医薬組成物は本発明の化合物そのもの、もしくはその機能性誘導体、またはかかる化合物の組み合わせを包含してもよい。適当な機能性誘導体の例は医薬上許容される塩、特に皮膚環境における使用に適合するものを包含する。該例はアミノ基を有する医薬上許容される塩、例えば特に皮膚環境においてアニオンを生じる酸を有する、医薬上許容される塩を包含する。該例はリン酸塩、硫酸塩、硝酸塩、ヨウ化物、臭化物、塩化物、ホウ酸塩、および酢酸、安息香酸、ステアリン酸等を含むカルボン酸由来のアニオンを包含する。
【0144】
アミノ基を有する他の誘導体はアミド、イミド、尿素、カルバミン酸等を包含する。
【0145】
他の適当な誘導体は塩、エステルおよびアミドを含む、本発明の化合物のカルボキシル基誘導体を包含する。該例はリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、アンモニウム、第二鉄、第一鉄、アンモニウムおよび低級(C1−6)−アルキルアンモニウム塩のごとき医薬上許容されるカチオンを有する塩を包含する。エステルは低級アルキルエステルを包含する。
【0146】
下記組成物の例は本発明に準じ医薬化粧品およびスキンケア処方の例を説明しているが、決して本発明の組成物の範囲を限定するものではない。
【0147】
好ましくは、構造式IまたはIIで示される化合物を含有する化粧品またはスキンケア組成物は局所投与に適合する形態であって、好ましくは、クリーム、軟膏、ローション、リニメント剤、ゲル、ペースト、スティック、スプレー、シャンプー、石鹸、ヘアコンディショナーまたは散剤の形態にある。かかる組成物は上記したように調製されてもよい。
【0148】
本発明の化粧品またはスキンケア組成物はざ瘡、乾皮症または皮膚肥厚および毛孔性角化症などの他の角質増殖状態のごとき美容上の皮膚状態の処置に適する。
【0149】
故に、さらなる態様において、本発明はざ瘡、乾皮症または皮膚肥厚および毛孔性角化症などの他の角質増殖状態のごとき美容上の皮膚状態の処置または予防のために構造式IまたはIIで示される化合物を使用することに関する。
【0150】
加えて、本発明の組成物は皮膚疾患、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、乾癬、ざ瘡、上皮角質増殖、表皮肥厚、上皮炎症、真皮炎症または掻痒症のごとき炎症性皮膚疾患の処置に適する。特に、皮膚疾患は掻痒症であってもよい。
【0151】
故に、さらなる態様において、本発明は皮膚疾患、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、乾癬、ざ瘡、上皮角質増殖、表皮肥厚、上皮炎症、真皮炎症または掻痒症のごとき炎症性皮膚疾患の処置のための薬剤製造において、構造式IまたはIIで示される化合物を使用することに関する。

本発明の好ましい実施態様において、該化合物および/または組成物は局所投与されるということは理解されよう。
【0152】
加えて、本発明の組成物は傷の処置に加えて細菌感染の処置のためにも用いられてよいということが熟慮される。
【0153】
さらに、構造式IまたはIIで示される化合物は癌、特に卵巣癌の処置に適するということが想定される。本発明の興味深い実施態様において、癌は例えば悪性黒色腫、基底細胞癌、卵巣癌、乳癌、非小細胞肺癌、腎細胞癌、膀胱癌、再発性表在性膀胱癌、胃癌、前立腺癌、膵癌、肺癌、子宮頸癌、子宮頸部異形成、喉頭乳頭腫症、大腸癌、結腸直腸癌およびカルチノイド腫瘍から成る群より選択される癌腫のごとき癌、特に卵巣癌である。
【0154】
故に、さらなる態様において、本発明は癌の処置、特に卵巣癌の処置のための薬剤製造のための構造式IまたはIIで示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用に関する。
【0155】
構造式IまたはIIで示される化合物は広い投与量範囲で有効である。例えば、成人ヒトの処置において、1日につき約0.05ないし約100mg、好ましくは、約0.1ないし約100mgの投与量が用いられてもよい。最も好ましい投与量は1日につき約0.1mgないし約70mgである。患者の投与計画を選択するにあたり、1日につき約20ないし約70mgの投与量で開始し、症状がコントロールされている場合には1日につき約0.1ないし約10mgの投与量に減じることが多くの場合必須とされてもよい。厳密な投与量は投与法、所望の処置、投与される形態、処置される対象および処置される対象の体重、ならびに担当の医師または獣医の好みおよび経験に依存するだろう。
【0156】
一般に、本発明の化合物は医薬上許容される担体と共に単位投与あたり約0.1ないし約100mgの有効成分を含有する単位投与の形態で投薬される。
【0157】
通常、経口、経鼻、経肺または経皮投与に適合する投与形は、医薬上許容される担体または希釈剤と混合されている、約0.001mgないし約100mg、好ましくは約0.01mgないし約50mgの構造式IまたはIIで示される化合物を含有する。
【0158】
該化合物は経口、直腸または非経口(皮下を含む)経路により医薬上許容される担体または希釈剤と同時にまたは共に投与されてもよい。頻繁に、そして好ましくは、該化合物はそのアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩の形態である。

上記のように、適当な投与量範囲は投与の厳密な様式、投与される形態、投与される適応症、関与する対象および関与する対象の体重、ならびに担当の医師または獣医の好みおよび経験に依存して異なる。
【0159】
構造式IおよびIIで示される化合物の処置上の使用とは別に、該化合物はin vitroにおけるSCCE活性の研究のための有用なツールとなろう。

本発明は下記の非限定的な実施例によりさらに説明される。
【0160】
実施例
実施例1.阻害性化合物の同定法
活性型SCCEの調製
本質的にWO95/00651に従い、活性型組換えヒトSCCEを得た。ヒトSCCEをコードするcDNAをマウスMTプロモーター制御下のBPVベクターに導入し、C127形質移入細胞で発現させた。得たSCCEを精製し、固定化ウシトリプシンを用いて活性化した。
【0161】
SCCE阻害剤の同定(「SCCE阻害剤試験」)
本質的にWO95/00651に従い、発色基質S−2586(MeO−Suc−Arg−Pro−Tyr−pNA)(Chromogenix、モルンダル、スウェーデン)を用いて405nmの吸光度変化を測定することによりSCCE活性を測定した。阻害剤をDMSOに溶解し、適合する濃度で反応混合液(10mM リン酸ナトリウム、pH7.2、0.5M NaCl、2.5μg/ml SCCE)に添加し、10分間インキュベートし、ついで基質S−2586を添加して最終濃度を1mMとし、酵素反応を開始させた。60分後、405nmの吸光度変化を記録し、SCCE活性の指標とした。アッセイ温度は37℃だった。10μMまたはそれ以下の濃度でSCCE活性に阻害効果を示す化合物についてIC50値を決定した。該IC50値を、SCCE阻害剤である本発明の化合物を同定するために用いた。
【0162】
結果
表1A
【表1−1】



【表1−2】


【表1−3】


【表1−4】

【0163】
表1B
【表2−1】


【表2−2】


【表2−3】

【0164】
実施例2.In vivo 化合物評価
動物モデル
WO02/062135に従い、SV40初期プロモーター制御下でヒトSCCEを過剰発現するトランスジェニックマウスを作成した。これらのトランスジェニックマウスはヒトの乾癬病変およびアトピー性皮膚炎の慢性病変で見られる発現(すなわち基底層からの距離とともに増大する基底細胞における発現)パターンと同様なSCCE−発現パターンを示す。該トランスジェニックマウスは著しい角質増殖、上皮肥厚の増大および真皮炎症と共に病理学的な皮膚変化を発現する。生後8−10週からトランスジェニックマウスは掻痒の徴候を示し、その頻度は加齢とともに増大する。上皮肥厚の増大を含む皮膚形態学における著しい増大変化は高い経皮水分蒸散量ももたらす。
【0165】
In vivo SCCE阻害剤効果
生後6−9ヶ月のトランスジェニックマウスを、上記のようにSCCE阻害剤として同定した化合物I−3(2−(2−ヨード−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン)で8日間毎日処置した。該物質を初めDMSOに溶解し、45% イソプロパノール、6% 1,2−プロパネジオール含有の担体(DMSOで最終濃度を1.2%にした)中に処方した。2つの異なる濃度(300μMおよび30μM)の阻害剤を処方した。
【0166】
該研究は各群3−4匹のマウスでの4つの異なる処置を含む。研究で用いる各マウスはSCCEトランスジェニック動物に典型である表現型変化を有した。
【0167】
処置:
−高投与量(300μM)の化合物I−3
−低投与量(30μM)の化合物I−3
−正対照(ベタメタゾン含有医薬処方(Betnovat、グラクソスミスクラインAB))
−負対照、担体(有効物質不含医薬処方)
【0168】
該剤形(500μl/マウス)を1日1回(午後遅く)マウスの耳周辺部および背部に適用した。マウスを8日間処置し、さらに経皮水分蒸散量(TEWL)の測定を処置期間中行った。
【0169】
経皮水分蒸散量(TEWL)
マウス背部のTEWLをDermaLAB(Cortex Technology ApS、Hadsund、デンマーク)の蒸発計で製造プロトコルに従い測定した。測定前、マウスにDormicum、Hypnormおよび滅菌水を(1:1:2)混合として腹膜内注射した。用いた用量は体重1グラム当たり2.5μlだった。0、3、5および8日の午前に、1分間のTEWLを2回繰り返して測定した。
【0170】
結果−TEWL
両濃度の阻害剤は正対照(ベタメタゾン)の約半分の効力でTEWLを改善した。図1を参照のこと。
【0171】
組織学的変化
処置最終日(8日)後に屠殺したマウスについて皮膚形態学の組織学的研究を行った。組織試料を24時間室温(RT)でリン酸バッファー(4% ホルムアルデヒド)に固定し、ついで標準的な組織学的手法を用いてパラフィン包埋した。組織形態を分析するために包埋組織を薄切し(5μm)、ついで標準的な組織学的プロトコルを用いてヘマトキシリンおよびエオシン(H/E)で染色した。
【0172】
結果−組織学的変化
両濃度の阻害剤は正対照群(ベタメタゾン)で見られた副作用(表皮が異常に薄い)なく、担体群より高い度合いで皮膚形態に正の効果を有する。表2を参照のこと。
【0173】
表2.処置後の皮膚形態
【表3】

【図面の簡単な説明】
【0174】
【図1】図1はSCCE阻害剤である化合物I−3(2−(2−ヨード−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン)を局所適用した、SCCEトランスジェニックマウスにおける経皮水分蒸散量(TEWL)に対する影響を示す。□=30μM 阻害剤、星印=300μM 阻害剤、○=対照(担体)、◇=ベタメタゾン、−−−−=野生型マウスにおける正常TEWLレベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚疾患の処置または予防のための薬剤製造のための構造式IまたはII
【化1】

[式中、
XはOまたはSであり;Yは独立してO、S、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;
W、Q、VおよびTは独立してCH、CH、S、NまたはOであり;
環A、環B、環Cおよび環Dは飽和または部分的に飽和された芳香族環であってよく;
およびRが存在する場合には各々独立して
各々ハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されていてもよいC1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルか;H、ハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニルまたはテトラゾールであるか;
またはRおよびRが環Aまたは環C中の隣接原子と結合する場合には、一緒になって
−(CH
[ここで、n=1−5であり、該部分の1、2または3個のCH単位は1、2または3個のヘテロ原子により置換されていてもよく、各々のヘテロ原子はO、S、NHおよび窒素原子が隣接原子と二重結合するならばNから成る群より独立して選択され、また該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい]
部分を形成し;
は各々1個またはそれ以上のハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニル、テトラゾール、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルで置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルは各々ハロゲン、CF、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、CON(R、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4アルコキシまたはカルバモイルで置換されていてもよく;および
はC1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、C3−6−シクロアルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
【請求項2】
皮膚疾患がアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、乾癬、ざ瘡、上皮角質増殖、表皮肥厚、上皮炎症、真皮炎症および掻痒症から成る群より選択される請求項1記載の使用。
【請求項3】
皮膚疾患が掻痒症である請求項2記載の使用。
【請求項4】
癌の処置のための薬剤製造のための構造式IまたはII
【化2】

[式中、
XはOまたはSであり;Yは独立してO、S、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;
W、Q、VおよびTは独立してCH、CH、S、NまたはOであり;
環A、環B、環Cおよび環Dは飽和または部分的に飽和されている芳香族環であってよく;
およびRが存在する場合には各々独立して、
各々ハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されていてもよいC1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルか;H、ハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニルまたはテトラゾールであるか;
またはRおよびRが環Aまたは環C中の隣接原子と結合する場合には、一緒になって
−(CH
[ここで、n=1−5であり、該部分の1、2または3個のCH単位は1、2または3個のヘテロ原子により置換されていてもよく、各ヘテロ原子はO、S、NHおよび窒素原子が隣接原子と二重結合するならばNから成る群より独立して選択され、また該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい]
部分を形成し;
は各々1個またはそれ以上のハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニル、テトラゾール、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルで置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルは各々ハロゲン、CF、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、CON(R、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4アルコキシまたはカルバモイルで置換されていてもよく;および
はC1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、C3−6−シクロアルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
【請求項5】
癌が卵巣癌である請求項4記載の使用。
【請求項6】
化合物が構造式IaまたはIIa
【化3】

[式中、
XはOまたはSであり;Yは独立してO、S、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;
TおよびWはCH、CHまたはSであり、ただしTおよびWの1つはSであり;
環A、環B、環Cおよび環Dは飽和または部分的に飽和されている芳香族環であってよく;
、RおよびRは請求項1に定義のものである]
で示される化合物から選択されるものである、請求項1ないし5いずれかに記載の使用。
【請求項7】
XがOであり;Yが独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNである請求項6記載の使用。
【請求項8】
環Aおよび環Cが芳香族環であり環Bおよび環Dが部分的に飽和されている請求項7記載の使用。
【請求項9】
化合物が下記構造式:
【化4】

[式中、R、RおよびRは請求項1で定義のものである]
の1つを有する化合物から選択されるものである、請求項8記載の使用。
【請求項10】
およびRが存在する場合には各々独立して、
ハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されていてもよいC1−8−アルキルか;ハロゲン、C1−6−アルコキシであるか;
またはRおよびRが隣接原子と結合する場合には、一緒になって
−(CH
[ここで、n=3、4または5であり、該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい]
部分を形成する請求項9記載の使用。
【請求項11】
およびRが存在する場合には独立して塩素またはO−CHである請求項10記載の使用。
【請求項12】
化合物が下記構造式:
【化5】

[式中、Rは請求項1で定義のものである]
の1つを有する化合物から選択されるものである、請求項10記載の使用。
【請求項13】
が各々ハロゲン、CF、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、CON(R、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4アルコキシまたはカルバモイルで置換されていてもよいフェニル、1−ナフチル、4−ピリジニル、2−フラニルまたは2−チエニルか;ハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニルまたはテトラゾールである、請求項1ないし12いずれかに記載の使用。
【請求項14】
化合物が
2−フェニル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−ヨード−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−5−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
5,7−ジクロロ−2−(ジメチルアミノ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−ピリジン−4−イル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−ヒドロキシ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(4−エチル−フェニル)ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−(3−メチル−4−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
N−[4−(6,7−ジメトキシ−4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)−フェニル]−アセトアミド、
4−(4−オキソ−4H−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−2−イル)−フェニルエステル酢酸、
2−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−クロロ−2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン、
6−クロロ−2−フラン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロフェニル)−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン、
2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン、
2−フラン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン、

6−エチル−2−(2−フルオロ−フェニル)−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−メチル−2−ナフタレン−1−イル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−エチル−2−o−トリル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−エチル−2−(4−フルオロ−フェニル)−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−フェニル)−4H−チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−フェニル−4H−チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−フラン−2−イル−5,6−ジメチル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(4−フルオロ−フェニル)−4H−チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(4−ブロモ−フェニル)−6−エチル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−(2−クロロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
6−フラン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
6−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
6−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
6−チオフェン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキソ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
2−(2−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−(2−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−ナフタレン−1−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−チオフェン−2−イル−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4オン、
2−(3−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−ピリジン−4−イル−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−3−オキサ−10−チア−1−アザ−ベンゾ[a]アズレン−4−オン
から成る群より選択される化合物またはその医薬上許容される塩である請求項1ないし13いずれかに記載の使用。
【請求項15】
化合物が
7−クロロ−2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−ヨード−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
7−クロロ−2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−4−ニトロ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−5−ニトロ−フェニル)−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−フルオロ−フェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロフェニル)−6,7−ジメトキシ−ベンゾ[d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−クロロ−2−チオフェン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン、
6−クロロ−2−フラン−2−イル−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−4−オン、

6−エチル−2−(2−フルオロ−フェニル)−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−メチル−2−ナフタレン−1−イル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−エチル−2−o−トリル−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−エチル−2−(4−フルオロ−フェニル)−チエノ[2,3−d][1,3]オキサジン−4−オン、
2−(2−クロロ−フェニル)−4H−チエノ[3,2−d][1,3]オキサジン−4−オン、
6−(2−クロロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
6−フラン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
6−フェニル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
6−(4−フルオロ−フェニル)−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキサ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
6−チオフェン−2−イル−2,3−ジヒドロ−1H−5−オキソ−8−チア−7−アザ−シクロペンタ[a]インデン−4−オン、
2−(2−フルオロ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−(2−メトキシ−フェニル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン、
2−フェニル−5,6,7,8−テトラヒドロ−3−オキサ−9−チア−1−アザ−フルオレン−4−オン
から成る群より選択される化合物またはその医薬上許容される塩である請求項14記載の使用。
【請求項16】
化合物が本明細書記載の「SCCE阻害剤試験」において評価される場合に5μM未満のIC50値を有する化合物である請求項1ないし15いずれかに記載の使用。
【請求項17】
化合物が本明細書記載の「SCCE阻害剤試験」において評価される場合に1μM未満のIC50値を有する化合物である請求項16に記載の使用。
【請求項18】
化合物が本明細書記載の「SCCE阻害剤試験」において評価される場合に0.5μM未満のIC50値を有する化合物である請求項17に記載の使用。
【請求項19】
哺乳類において損傷したスキンバリアを調節および/または正常化する方法であって、構造式IまたはII
【化6】

[式中、
XはOまたはSであり;Yは独立してO、S、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;
W、Q、VおよびTは独立してCH、CH、S、NまたはOであり;
環A、環B、環Cおよび環Dは飽和または部分的に飽和されている芳香族環であってよく;
およびRが存在する場合には各々独立して
各々ハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されていてもよいC1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルか;H、ハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニルまたはテトラゾールであるか;
またはRおよびRが環Aまたは環C中の隣接原子と結合している場合には一緒になって−(CH
[ここで、n=1−5であり、該部分の1、2または3個のCH単位は1、2または3個のヘテロ原子で置換されていてもよく、各ヘテロ原子はO、S、NHおよび窒素原子が隣接原子と二重結合するならばNから成る群より独立して選択され、また該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい]
部分を形成し;
は各々1個またはそれ以上のハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニル、テトラゾール、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルで置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルは各々ハロゲン、CF、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、CON(R、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4アルコキシまたはカルバモイルで置換されていてもよく;および
はC1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、C3−6−シクロアルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシである]
で示される化合物の少なくとも1つまたはその医薬上許容される塩の有効量を、該調節および/または正常化の必要のある哺乳類へ投与することを含む方法。
【請求項20】
哺乳類における皮膚疾患の処置法であって、構造式IまたはII
【化7】

[式中、
XはOまたはSであり;Yは独立してO、S、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;
W、Q、VおよびTは独立してCH、CH、S、NまたはOであり;
環A、環B、環Cおよび環Dは飽和または部分的に飽和されている芳香族環であってよく;
およびRが存在する場合には各々独立して
各々ハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されていてもよいC1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルか;H、ハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニルまたはテトラゾールであるか;
またはRおよびRは環Aまたは環C中の隣接原子と結合している場合には一緒になって−(CH
[ここで、n=1−5であり、該部分の1、2または3個のCH単位は1、2または3個のヘテロ原子で置換されていてもよく、各ヘテロ原子はO、S、NHおよび窒素原子が隣接原子と二重結合するならばNより成る群より独立して選択され、また該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい]
部分を形成し;
は各々1個またはそれ以上のハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニル、テトラゾール、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルで置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルは各々ハロゲン、CF、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、CON(R、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4アルコキシまたはカルバモイルで置換されていてもよく;および
はC1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、C3−6−シクロアルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシである]
で示される化合物の少なくとも1つまたはその医薬上許容される塩の有効量を、該処置の必要のある哺乳類へ投与することを含む方法。
【請求項21】
皮膚疾患がアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、乾癬、ざ瘡、上皮角質増殖、表皮肥厚、上皮炎症、真皮炎症および掻痒症から成る群より選択される、請求項20記載の方法。
【請求項22】
皮膚疾患が掻痒症である請求項21記載の方法。
【請求項23】
癌を患っている哺乳類の処置法であって、構造式IまたはII
【化8】

[式中、
XはOまたはSであり;Yは独立してO、S、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;
W、Q、VおよびTは独立してCH、CH、S、NまたはOであり;
環A、環B、環Cおよび環Dは飽和または部分的に飽和されている芳香族環であってよく;
およびRが存在する場合には各々独立して
各々ハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されていてもよいC1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルか;H、ハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニルまたはテトラゾールであるか;
またはRおよびRが環Aまたは環C中の隣接原子と結合している場合には一緒になって
−(CH
[ここで、n=1−5であり、該部分の1、2または3個のCH単位は1、2または3個のヘテロ原子で置換されていてもよく、各ヘテロ原子はO、S、NHおよび窒素原子が隣接原子と二重結合するならばNから成る群より独立して選択され、また該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい]
部分を形成し;
は各々1個またはそれ以上のハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニル、テトラゾール、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルで置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルは各々ハロゲン、CF、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、CON(R、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4アルコキシまたはカルバモイルで置換されていてもよく;および
はC1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、C3−6−シクロアルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシである]
で示される化合物の少なくとも1つまたはその医薬上許容される塩の処置上の有効量を、該処置の必要のある哺乳類へ投与することを含む方法。
【請求項24】
癌が卵巣癌である請求項23記載の方法。
【請求項25】
化合物が請求項6ないし18いずれかに記載の化合物である請求項19ないし24いずれかに記載の方法。
【請求項26】
構造式IまたはII
【化9】

[式中、
XはOまたはSであり;Yは独立してO、S、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;
W、Q、VおよびTは独立してCH、CH、S、NまたはOであり;
環A、環B、環Cおよび環Dは飽和または部分的に飽和されている芳香族環であってよく;
およびRが存在する場合には各々独立して
各々ハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されていてもよいC1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルか;H、ハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニルまたはテトラゾールであるか;
またはRおよびRが環Aまたは環C中の隣接原子と結合している場合には一緒になって
−(CH
[ここで、n=1−5であり、該部分の1、2または3個のCH単位は1、2または3個のヘテロ原子で置換されていてもよく、各ヘテロ原子はO、S、NHおよび窒素原子が隣接原子と二重結合するならばNから成る群より独立して選択され、該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい]
部分を形成し;
は各々1個またはそれ以上のハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニル、テトラゾール、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルで置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルは各々ハロゲン、CF、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、CON(R、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4アルコキシまたはカルバモイルで置換されていてもよく;および
はC1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、C3−6−シクロアルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシである]
で示される化合物の少なくとも1つまたはその医薬上許容される塩を含有する化粧品またはスキンケア組成物であって、局所投与に適合し、かつクリーム、軟膏、ローション、リニメント剤、ゲル、ペースト、スティック、スプレー、シャンプー、石鹸、ヘアコンディショナーおよび散剤から成る群より選択される形態である組成物。
【請求項27】
化合物が請求項6ないし18いずれかに記載の化合物である請求項26記載の組成物。
【請求項28】
美容上の皮膚状態の処置または予防のための構造式IまたはII
【化10】

[式中、
XはOまたはSであり;Yは独立してO、S、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;Zは独立してO、NHまたは窒素原子が隣接の炭素原子と二重結合するならばNであり;
W、Q、VおよびTは独立してCH、CH、S、NまたはOであり;
環A、環B、環Cおよび環Dは飽和または部分的に飽和されている芳香族環であってよく;
およびRが存在する場合には各々独立して
各々ハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6−アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rで置換されていてもよいC1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルか;H、ハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニルまたはテトラゾールであるか;
またはRおよびRが環Aまたは環C中の隣接原子と結合する場合には一緒になって
−(CH
[ここで、n=1−5であり、該部分の1、2または3個のCH単位は1、2または3個のヘテロ原子で置換されていてもよく、各ヘテロ原子はO、S、NHおよび窒素原子が隣接原子と二重結合するならばNから成る群より独立して選択され、また該部分はハロゲン、OH、NH、NHR、N(R、NHCOR、C1−6アルコキシ、トリフルオロメトキシ、カルバモイル、CONHRまたはCON(Rから成る群より独立して選択される1、2または3個の置換基で置換されていてもよい]
部分を形成し;
は各々1個またはそれ以上のハロゲン、CF、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、CON(R、CONHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4−アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリール、ヘテロアリールオキシ、アルキルフェニル、テトラゾール、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルで置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールであり、C1−8−アルキル、C2−8−アルケニル、C2−8−アルキニルまたはC3−6−シクロアルキルは各々ハロゲン、CF、OCF、COOH、CN、CONH、CONHR、CON(R、OH、NO、NH、NHR、N(R、NHCOR、NHSO、SONH、SONHR、SO、SOR、C1−4アルコキシまたはカルバモイルで置換されていてもよく;および
はC1−4−アルキル、C2−4−アルケニル、C2−4−アルキニル、C3−6−シクロアルキル、C1−6−アルコキシ、C1−6−アルキルチオ、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールまたはヘテロアリールオキシである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩の使用。
【請求項29】
美容上の皮膚状態がざ瘡または角質増殖症である請求項28記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2006−526581(P2006−526581A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508134(P2006−508134)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【国際出願番号】PCT/DK2004/000388
【国際公開番号】WO2004/108139
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(504421981)アレクシス・アクチボラゲット (1)
【氏名又は名称原語表記】AREXIS AB
【Fターム(参考)】