説明

皮膚疾患を治療するためのヘポキシリンとICHTHYINのモデュレータ

本発明は、皮膚疾患、乾燥性皮膚の治療、および炎症事象における皮膚を保護するための組成および方法に関する。本発明の出願では、特に、該皮膚疾患の治療および生物活性化合物のスクリーニングを目的とした新規な標的およびアプローチを提供する、皮膚疾患に関与する新規遺伝子および代謝経路の同定について開示する。本発明はさらに、上記方法を実施するのに使用可能な、プローブ、プライマ、ベクター、組換細胞などの各種産物および構築物も提供する。本発明は、哺乳動物の対象、特にヒトをはじめとする、各種対象における各種皮膚疾患、特に乾燥性および炎症性皮膚疾患を検出もしくは治療する目的で、使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の出願は、皮膚疾患を治療するための組成物と方法に関するものである。本発明の出願は特に、疾患を処置するためおよび生物活性型化合物をスクリーニングするための新規な標的あるいは手段を提供する、魚鱗癬さらに一般には皮膚の水分補給と炎症事象における皮膚の保護に関与する新しい遺伝子および代謝経路の特定について開示するものである。本発明は、上記方法を実施するのに使用可能なプローブ、プライマー、ベクター、および組換細胞などの各種産物および構築物も提供する。本発明は、特にヒトなど哺乳動物をはじめとするさまざまな対象における各種皮膚疾患、特に乾燥性皮膚疾患および炎症事象の検出もしくは治療に使用できる。
【0002】
ロイコトリエン(leukotriene)、ヘポキシリン(hepoxilin)、およびリポキシン(lipoxin)をもたらすアラキドン酸(“AA”)からの代謝経路は、主として、それらの数多くの中間物および産物の生化学的同定によって定義されてきた。
【0003】
ロイコトリエンおよびリポキシンは、5−リポキシゲナーゼおよび15−リポキシゲナーゼの各酵素の活性化に介在する、AA由来の効力ある脂質メディエータである。これらすべてが、AAからの異なる代謝経路によって生成される小脂質メッセンジャのエイコサノイドスーパーファミリーに属しており、走化性、血管透過性、平滑筋収縮、炎症など多様な生体機能、ならびに各種炎症および喘息などの過敏性症候群の病態生理に関与している。最近の書評には、それらの代謝、生物作用、および共通の関与、ならびに奇病に関する現在の知見がまとめられている。
【0004】
AAから開始するが、12−リポキシナーゼの活性下で進行する別の代謝経路は、ヘポキシリンファミリー(インスリン分泌で生物活性を示すヒドロキシエポキシド(hydroxy epoxid with a biological activity in insulin secretion)の頭字語)の複数のトリヒドロキシテトラエン産物をもたらす。ヘポキシリンおよびその他の中間物もしくは産物は、主として、インスリン分泌、血管透過性、血管収縮、シナプス伝達、細胞容積調節、もしくは好中球および血小板の活性化をはじめとする、広範囲にわたる機能を最終的にもたらす細胞膜内のカルシウムチャネルおよびカリウムチャネルに作用する。ただし、そのいっぽうで、この経路は、1980年代に発見されて以降、あまり注目されることはなかった。
【0005】
一群の皮膚科の奇病(15−20)、常染色体劣性先天性魚鱗癬症(ARCI)に関与している複数の遺伝子の同定に基づき、本発明者らは、以下に、12(R)−キラリティを有するヘポキシリンをもたらす新規な代謝経路と、さらに皮膚疾患におけるその予想外の関与および未公開の関与について開示する。したがって、本発明の出願は、新規な遺伝子、代謝産物、標的、ならびに特定の皮膚病態の治療あるいは予防のための治療的施法を開示する。
【0006】
さらに特には、本発明は、新しい形態の非症候性常染色体劣性先天性魚鱗癬症(ARCI)に関する、ICHTHYINと呼ばれる遺伝子のゲノム局在確認と同定について報告する。1個のナンセンス突然変異および5個のミスセンス突然変異をはじめとする、6カ所の同型接合突然変異部が、アルジェリア、コロンビア、シリアおよびトルコの14組の血縁家族のうち23名の患者の該遺伝子で特定された。ICHTHYINは、細胞膜内に局在化している新しいタンパク質ファミリー(PFAM:DUF803)に属する、複数の膜透過ドメインを有するタンパク質をコードし、トランスポータとGタンパク質共役受容体(GPCR)の両方に対し弱い相同性を有する。
【0007】
本明細書に記載する成果から、ICHTHYINは、ヘポキシリン経路からの12(R)−A3トリオキシリン(trioxilin)の主要な膜受容体であるということが自明の理として想定される。皮膚疾患における12(R)−ヘポキシリン代謝経路の関与を開示したのは、本出願が初めてのことである。さらに本発明者らは、12(R)−ヘポキシリン代謝経路における特定の遺伝子の役割について、はじめて提示している。
【0008】
このように本発明の特定の目的は、対象有来の生体試料における、ICHTHYIN遺伝子または対応するタンパク質における遺伝子変化の存在を評価することを含む、該対象における皮膚疾患の存在もしくは素因を検出、診断もしくは特徴付けする方法にあり、該遺伝子もしくはタンパク質における遺伝子変化の存在は、該対象における皮膚疾患の存在もしくは素因の指標となるものである。
【0009】
さらに以下に詳しく開示するように、遺伝子変化は、該遺伝子またはコード化されたタンパク質における1以上の残基の突然変異、欠失、挿入、スプライス部位突然変異、反転、追加および/または置換、通常は突然変異などである。生体試料は、ICHTHYIN遺伝子またはポリペプチドを含有する組織、細胞もしくは流体、好ましくは対象由来のゲノムDNAを含む試料である。
【0010】
本発明のさらなる局面は、ICHTHYIN遺伝子の全体もしくは特徴的部分に特異的にハイブリダイゼーションするかまたは増幅することができる核酸プローブおよびプライマにある。
【0011】
本発明のさらなる局面は、下記からなるICHTHYIN遺伝子を増幅するための方法であり、該方法は:
(i)ICHTHYIN遺伝子もしくはそのタンパク質を含有する生体試料の提供、
(ii)上記のようにプライマ(対)と前記試料との接触、ならびに
(iii)ICHTHYIN遺伝子もしくはmRNAの増幅
を含む。
【0012】
本発明のもうひとつの目的は、ICHTHYINタンパク質または関連受容体と候補化合物との接触することおよび、前記タンパク質に前記化合物が結合するかもしくはその活性をモデュレーションするかの判定することを含む、生物活性化合物を選択もしくは同定する方法である。特定の態様では、前記方法には、ICHTHYINタンパク質もしくは関連タンパク質を発現する組換宿主細胞と試験化合物とを接触させることおよび、前記タンパク質に結合するかもしくはその活性をモデュレーションする化合物を選択することとが含まれる。
【0013】
本発明のもうひとつの目的は、前記タンパク質を膜タンパク質として発現する、ICHTHYINタンパク質もしくは関連タンパク質をコードする遺伝子構築物を含む組換宿主細胞にある。この発明の組換細胞は、原核細胞もしくは真核細胞であってもよい。これは、各種起源の初代培養細胞もしくは樹立細胞株であってもよい。
【0014】
さらに本発明のさらなる局面は、ICHTHYINタンパク質または関連タンパク質に特異的に結合する抗体にある。
【0015】
本発明の別の目的は、皮膚疾患の治療を目的とした、薬剤(もしくは薬品)の製造のための、12(R)−ヘポキシリン経路の代謝産物もしくはその類似体(たとえばそのエステル誘導体、アミド誘導体)から選択される化合物の使用と、さらには、対応する治療法にある。化合物は、たとえば、12(R)−TXA3、12(R)−HXA3、12(R)−HXA3−C、12(R)−HXA3−Dおよび12(R)−HXA3−E、さらにICHTHYINタンパク質特に12(R)−TXA3の任意のリガントまたはその作用薬もしくは合成類似体から選択することができる。これらの化合物は、ヒトALOX12B遺伝子によってコードされたネイティブのまたは組換え12R−リポキシゲナーゼ、ヒトALOXE3遺伝子によってコードされた12R−エポキシド異性化酵素、エポキシドヒドロラーゼ、もしくは、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、グルタミルトランスペプチダーゼ、ジペプチダーゼ、またはこれら酵素の組合せを使用してアラキドン酸からインビトロで調製できる(図5)。ラセミ化合物HXA3を調製するための合成法も報告されている(39−40)。
【0016】
本発明のさらに別の目的は、12(R)−ヘポキシリン経路の代謝産物もしくはその類似体、および好ましくは局所適用向けの薬学的に許容可能な担体を有する化合物にある。
【0017】
本発明のさらに別の目的は、乾燥性皮膚炎の治療に有用な、12(R)−TXA3、12(R)−HXA3−C、12(R)−HXA3−Dおよび12(R)−HXA3−Eならびにそれらのエステル誘導体もしくはアミド誘導体などの12R−ヘポキシリン経路の代謝産物にある。
【0018】
対象における皮膚疾患特に乾燥性皮膚疾患、とりわけアトピー性皮膚、接触性皮膚炎、湿疹、乾癬症、もしくは魚鱗癬や掌蹠皮膚炎などの角質化疾患といった皮膚病を検出、診断、分類、治療(予防を含む)する目的、または、炎症性事象で皮膚を保護する目的、または、皮膚疾患の治療もしくは予防に使用するための化合物をスクリーニング、同定、選択もしくは産生する目的で本発明を使用してもよい。
【0019】
定義
乾燥性皮膚疾患:本発明の文脈内では、「乾燥性皮膚」疾患は、一般に、皮膚保護機能の低下に関連するか、もしくはその機能低下が原因で生じる任意の病状および/または表皮の乾燥に伴う任意の病状を表す。乾燥および皮膚保護機能障害は、単一事象ではなく、表皮における化学的特性および形態における差異によって特徴付けられる(38)。この疾患もしくは病態の特異的例として、アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、乾癬、および魚鱗癬などの角質化疾患などがあげられる。皮膚疾患には、皮膚の炎症だけでなく、化学的(酸、水酸化ナトリウムなど)、物理的(たとえばX線、UVなど)、もしくは生物学的(たとえば感染)など各種の攻撃から生じる皮膚疾患も含まれる。
【0020】
ICHTHYIN遺伝子:本発明の文脈内では、ICHTHYIN遺伝子という用語は、図4(配列番号1)に開示されているような、ヘポキシリン代謝経路のリガンドの受容体、ならびにその任意の部分、多型性、スプライシングなどから生じる変異体およびそのオルソログなど、その自然発生変異体をコードしている配列を有する核酸分子を表す。「ICHTHYIN遺伝子」という用語は、プロモータ、ポリA、イントロン配列などの、ゲノムDNAもしくはRNAのコーディング部分および非コーディング部分に該当する。遺伝子という用語には、ゲノムDNA、cDNA、RNA(プレrRNA、メッセンジャRNAなど)など、もしくはその配列のすべてもしくは一部を含む任意の合成核酸の形態でのコーディング領域も含まれる。合成核酸には、たとえば、1以上のイントロンまたは1以上の突然変異を含む部分など、ICHTHYIN遺伝子の配列の少なくとも一部を含む、RNAから調製されたcDNAも含まれる。これらの核酸は、可能なかぎり最適な厳密条件下でハイブリダイゼーション技術によって公知のバンクから単離することができる。これらは遺伝学的にもしくは化学的に合成可能でもある。
【0021】
野生型ヒトICHTHYIN遺伝子の配列は、下記の登録番号により、文献から入手可能である:LocusID LOC348938;mRNA AK026158(GI:10438919);mRNA XM_371777(GI:42657191)。マウスICHTHYIN遺伝子の配列は、ハツカネズミ筋RIKEN cDNA 9530066K23Rik、LocusID 214112、AK035561(GI:26330753)と同一のmRNA NM_172524(GI:27369725)として特定される。ラットICHTHYIN遺伝子の配列は、LocusID LOC303070;mRNA XM_220330.2(GI:34870677)で特定することができる。
【0022】
遺伝子の一部もしくは部分とは、少なくとも3個のヌクレオチド、好ましくは少なくとも9個のヌクレオチド、さらに好ましくは少なくとも15個のヌクレオチドを意味し、1000個またはそれ以上ものヌクレオチドを含むことができる。このような部分は、当技術分野において、公知の任意の技術、たとえば、酵素的切断、化学合成もしくはその組合せによって取得することができる。ICHTHYIN遺伝子の特徴的部分は、上記のような配列に特異的な、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個の連続ヌクレオチドからなるフラグメントを表す。特徴的部分には、下記のような遺伝子変化も含まれる。
【0023】
ICHTHYINタンパク質:上記のようなICHTHYIN遺伝子によってコードされている任意のポリペプチド。特定の例として、野生型ヒトICHTHYINタンパク質の配列は、下記の登録番号により、文献から入手可能である:XP_371777(GI:41146935)(配列番号2)マウスタンパク質はNP_766112(27369726)として入手可能であり、ラットタンパク質はXP_220330.1;XP_220330.2(GI:34870678)として入手可能である。
【0024】
ICHTHYIN関連タンパク質:ICHTHYIN関連タンパク質としては、i)NIPA1(プラダー・ウィリー/アンジェルマン症候群における非刷り込み1)、ii)NIPA2(DUF803.0)、LocusID 81614、mRNA NM_030922もしくはBC011775(GI:33989168)、iii)LOC152519(DUF803.3)、iv)FLJ13955(DUF803.1)LocusID 79815、AK024017(GI:10436266)に等しいNM_024759(GI:13376096)、およびv)dJ462023.2(DUF803.4)を含む、アラキドン酸代謝経路に関与するとして本発明者らによって現在特定されている一群の受容体があげられる。BLAST分析により、上記遺伝子がICHTHYINのヒトパラログであるとして特定されている。これらの遺伝子の中の最初の3つは、ICHTHYINに最も近縁であり、最大57%の相同性を有する。「ICHTHYIN関連タンパク質」という用語には、野生型形態では、上記のタンパク質が含まれるだけでなく、たとえば多型性、スプライシングなどで生じるその自然発生変異体も含まれる。これらメンバーのアミノ酸およびヌクレオチド配列は、文献から入手可能である。本発明では、以下に、これらタンパク質が非常に有意な配列相同性を有しており、アラキドン酸代謝経路に関与する新しい受容体群を表していることを実証する。
【0025】
乾燥性皮膚疾患に関与する新規な遺伝子および代謝経路の同定
常染色体劣性先天性魚鱗癬(ARCI)の臨床的及び遺伝的異種群は、通常紅斑(1−3)を伴う、皮膚の全身落屑によって特徴付けられる。患者のほとんどが、コロジオン児として生まれる。この疾患は、2種類の主要な臨床形態すなわち葉状魚鱗癬(LI)もしくは非水泡型先天性魚鱗癬様紅皮症(NCIE)へと進行する可能性がある。推定発症率は、両形態で、300,000〜500,000件に一つの割合である。LIは、大きい、癒着性がある、暗色である、色素性であるなど魚鱗癬の特徴および、皮膚紅斑の非存在などにおいて、NCIEとは異なっている。NCIEでは、魚鱗癬は紅斑を背景として微細かつ白色であるが、これらは、四肢上では大きく、灰色をしている(3)。重複表現型については報告があるが、患者の年齢および体の部位によっていると考えられる。LIは、オルソ過角化症および軽度の局所性不全角化症によって組織学的に特徴付けられる。表皮角質層の厚さの肥大、正常もしくは顕著な顆粒層、および有糸分裂の亢進を伴う過角化症は、NCIEにおける過剰増殖性表皮欠損を示唆している(3)。顕著な皮膚血管および上部リンパ球浸潤が紅斑症を裏付けると考えられる。表皮の終末分化は、両方の形態で妨害され、保護機能が劣化したり、角質層脂質組成が欠落したりする(2−5)。LIは、より過剰増殖型の疾患である(5、6)NCIEに比べ、停留性魚鱗症であると考えられる。
【0026】
ARCIは、遺伝学的に異種であることが実証されている。5個の遺伝子の個所が突き止められている。すなわち、染色体14q11上のLI1(MIM 242300)、染色体2q33−35上のLI2(MIM 601277)、染色体19p12−q12上のLI3(MIM 604777)、非葉状非紅斑性先天性魚鱗症NNCI 19p13.2−p13.1(MIM 604781)、および染色体17p13上のNCIE1(MIM 242100)としても知られているLI5(MIM 606545)である(7−11)。これら遺伝子のうちの4つが、今日までに同定されている。すなわちLI1のトランスグルタミナーゼ1(TGM1)(12、13)、LI5/NCIE1の2個のリポキシゲナーゼ(ALOXE3およびALOX12B)(14)、およびLI3のABCA12(15)である。もうひとつの遺伝子、CGI−58もしくはABHD5は、キャナリン−ドルフマン症候群と呼ばれるNCIE2(MIM 242100)の症候性形態の根底をなすことが実証されている(16)。
【0027】
それぞれ3人および4人の罹患児童のいる2つの血縁大家族のゲノム全体をスキャンした結果、染色体5q33上の遺伝子の個所を突き止めるに至った。次に、その他の12の血縁家族が、染色体5q33に関連付けられる魚鱗癬に罹っていることが判明した。マイクロサテライト遺伝子型特定法により、発明者らは、組換現象に基づき、連鎖区間を2.3Mbに絞り込んだ。ハプロタイプ分析により、1Mbにまで区間を狭められた。発明者らは、12の候補遺伝子を配列決定によって除外して、ICHTHYINと名付けた新しい遺伝子内で突然変異を同定した。
【0028】
ARCIに罹患している患者における複数のTM領域を有する新しい遺伝子内の突然変異の同定は、これら疾患の分析における画期的な成果であるが、今まではこれら疾患に関する低い発症率と幅広い臨床および遺伝学的異種性が、臨床基準(2、3、6)、生化学基準(5、6,22)および超構造基準(23)を用いた分類計画を開発することを困難にしてきた。このことは、リポキシゲナーゼファミリーの2個の遺伝子(ALOX12BおよびALOXE3)が、この疾患で突然変異を起こすことが明らかとなった後に示唆された、ARCIの代謝起源を裏付けている(14)。ヒドロペルオキシド異性化酵素(24)として、ALOXE3が同定されたことにより、この知見が拡大された。ICHTHYINにおける突然変異によって生じるこのARCIの発現型は、患者の大部分でNCIE発現型を呈している、他のARCIに関してすでに報告のある発現型と類似している。必ずしもすべてのARCI患者が、コロジオン児として生まれるわけではない。これは、4つのアルジェリアの家族および2つのトルコの家族における9名の患者で認められたものである。
【0029】
本研究における主要な問題点のひとつが、絞り込まれた区間に存在しているすべての遺伝子の配列決定が必要とされる遺伝子の特定およびRNA発現によってしか推測できない、新しい遺伝子の探索であった。この遺伝子のRT−PCR、5‘および3’RACEによるこの遺伝子構造の詳細な特徴付けが必要なことは明らかであった。
【0030】
ICHTHYINは、その7−9TMドメインで明らかに膜に会合している。皮膚疾患と相関関係のある突然変異の存在、発現プロファイル、および特定の代謝経路の遺伝学的組織をはじめとする本明細書に記載する成果に基づき、ICHTHYINは、ヘポキシリン経路の膜受容体であり、特に、R−キラリティを有するヘポキシリン経路からのリガンドの受容体であり、さらに具体的には、12(R)−トリオキシリンA3(12(R)−TXA3)の受容体であるということが指摘される。本発明は、画期的であり、R−キラリティを有するヘポキシリン代謝産物の受容体を初めて報告し、12(R)−ヘポキシリン経路と皮膚疾患との間の相関関係の問題を解く鍵を与えるものである。
【0031】
さらに、本発明について、以下に、魚鱗癬で突然変異することが突き止められている他の遺伝子についても開示する。すなわちCGI−58タンパク質もしくはアブヒドロラーゼ(abhydrolase)5(12、13、16)およびトランスポーターABCA12(15)であるが、これらは、膜アラキドン酸がヘポキシリン、トリオキシリン、およびR−キラリティの誘導体に形質転換される、ヘポキシリン代謝経路にも属している(25、26)。
【0032】
ICHTHYINタンパク質をはじめとするこの新規な代謝経路の同定は、患者に単純な治療を施すための確たる機会を与えるものである。特に、ICHTHYINだけでなく関連するタンパク質は入手しやすく、リガンド−受容体相互作用で高い特異性と感度を有する、リガンドの類似体、作用薬および拮抗薬の計画および合成を可能にするものである。
【0033】
皮膚疾患を診断するための方法
本発明は、皮膚疾患に罹患している(もしくは皮膚疾患を発症するリスクのある)患者では、ICHTHYIN遺伝子またはコードされたポリペプチドが、遺伝学的変化を生じていることを開示する。このように、この遺伝子およびポリペプチドは、対象における皮膚疾患の素因、存在もしくは進行状況を監視するのに好適な、貴重なバイオマーカーであることが指摘される。
【0034】
この点に関し、本発明の特定の目的は、対象からの生体試料における、ICHTHYIN遺伝子もしくは対応するタンパク質における遺伝子変化の存在を評価することを含む、対象における皮膚疾患の存在もしくは皮膚疾患の素因を検出、診断もしくは特徴付けする方法にあり、前記遺伝子もしくはタンパク質における遺伝子変化の存在は、前記対象における皮膚疾患の存在もしくは素因の指標となる。
【0035】
ICHTHYIN遺伝子もしくはポリペプチドにおける変化は、前記遺伝子もしくはコード化ポリペプチドにおける1以上の残基の、突然変異、欠失、反転、挿入、スプライス部位突然変異、追加および/または置換など、任意の遺伝子変化であると考えられる。好ましい遺伝子変化は、コーディングもしくは非コーディング領域における突然変異、特には、コード化ポリペプチドにおけるアミノ酸配列における変化、たとえばアミノ酸置換、フレームシフトおよび/または切断ポリペプチド配列などをもたらす、コーディング領域における突然変異である。ICHTHYIN遺伝子における遺伝子変化の特定の例が表1に開示されているが、これらには、次のナンセンス突然変異および5つのミスセンス突然変異が含まれる。すなわちエクソン2における247C→T(R83X)および239G→T(G80V)、エクソン4における341C→A(A114N)、エクソン5における437C→T(S146F)および523C→G(H175N)、およびエクソン6における703G→A(G235R)である。付番は、開始ATGコドン(メチオニンに対応)のAの1で始まるコーディング配列のみに対応している(図4、太字を参照)。NCBIの基準配列である登録番号XM_371777の配列を参照すると、ATGの1=Aはbp106に対応しており、TGAのbp1320=A(停止コドンに対応)まで続いている。配列化cDNAである登録番号AK026158の配列を参照すると、ATGの1=Aは、bp107に対応しており、TGAのbp1321=A(停止コドンに対応)まで続いている。アミノ酸残基の付番は、XP_371777を表している。
【0036】
マウス、ラット、およびヒト間で高度に保存されている遺伝子の部分に、現在同定されている突然変異が生じている。これらの配列の変化はいずれも、地中海沿岸地域の対照母集団から得た100例の正常な染色体では認められなかった。
【0037】
これらの方法には、通例、対象由来の生体試料におけるICHTHYIN遺伝子もしくはポリペプチドにおける突然変異の存在の検出が含まれる。生体試料には、細胞、組織、臓器、流体など、もしくはそれらの断片など、核酸もしくはポリペプチドを含む任意の物質が含有されている。このような生体試料の特定の例として、白血球または、血液、血漿もしくは尿などの流体、生検組織、皮膚および粘膜があげられるが、これらは、非侵襲的方法によってもしくは必要に応じて組織採取から取得することが可能であろう。さらに、ICHTHYIN遺伝子は、上記の細胞、組織もしくは流体内で発見されるので、通常、遺伝子が検出もしくは分析に利用できるように、その試料は処置する。処置には、従来の固定技術、細胞溶解(機械的もしくは化学的もしくは物理的)、または、たとえば免疫組織や生物学で使用するその他のなんらかの従来の方法などを含め得る。
【0038】
第一の変異体では、本発明は、変化したICHTHYINポリペプチドの存在を検出するための方法を提供する。これは、免疫検定(ELISA、EIA、RIAなど)法をはじめとする、当業者にとって公知の好適な技術によって判定可能である。これは、ICHTHYINポリペプチドに特異的な任意のアフィニティ試薬、好ましくは抗体もしくはフラグメントあるいはその誘導体、特には、変化したICHTHYINポリペプチドに特異的な任意のアフィニティ試薬を使用して行うことができる。特定の態様では、ICHTHYINポリペプチドは、抗ICHTHYIN抗体(もしくはそのフラグメント)、より好ましくは上記のようなモノクローナル抗体で検出する。抗体(もしくはアフィニティ試薬)は、(放射能、蛍光、酵素、化学など)任意の好適な方法によりラベル標識可能である。または、たとえば抗ICHTHYIN抗体に結合するラベル標識された第二の試薬(たとえば抗体)を用いて、ICHTHYIN抗体免疫複合体を突き止め(および/または定量化し)てもよい。
【0039】
本発明の第二の変異体では、変化したICHTHYIN遺伝子の存在が検出される。これは、いかに述べるように、各種技術を用いて実施することができる。
【0040】
特定の態様では、この方法には、試料におけるICHTHYIN遺伝子の全体または一部の特徴付けおよび野生型ICHTHYIN遺伝子に対する前記遺伝子の比較が含まれる。比較は、(部分的)配列決定、ゲル移動、ハイブリダイゼーションなどの方法によって行うことができる。
【0041】
別の特定の態様では、この方法には、特異的核酸プローブに対する選択的ハイブリダイゼーションによって試料内のICHTHYIN遺伝子の全体もしくは一部を検出することが含まれる。本発明の別の方法には、ICHTHYIN遺伝子もしくはその一部の増幅および増幅産物における変化の存在の判定が含まれる。
【0042】
特定の態様では、ICHTHYIN遺伝子の変化を、定量的RT−PCR、LCR(リガーゼ連鎖反応)、TMA(転写介在増幅)、PCE(酵素増幅免疫検定)もしくはbDNA(分岐DNA信号増幅)の各種検定によって評価する。
【0043】
特定の実施例では、ICHTHYIN遺伝子の変化を、インビトロもしくはエクスビボcDNA合成、ICHTHYIN特異的オリゴヌクレオチドプライマによる(PCR)増幅、およびPCR産物分析によって判定する。
【0044】
ICHTHYINmRNAもしくは遺伝子のRT−PCR増幅は、任意のICHTHYIN特異的プライマ対を用いて実施することができる。特に、任意のプライマは、増幅ステップで使用するためのICHTHYIN遺伝子の任意のフラグメントおよび特には、フォワード配列およびリバース配列を有するプライマ対など、当業者によって計画可能であるが、前記対の前記プライマは、ICHTHYIN遺伝子の領域(もしくはICHTHYIN遺伝子に隣接する領域)とハイブリダイズし、少なくともICHTHYIN遺伝子の一部もしくは遺伝子の変化を含むICHTHYIN遺伝子の一部の増幅を可能にする。特定の態様では、ICHTHYINcDNAは、第一のプライマセットで現在のプロトコルを用いて調製することができる。すなわち、PT4A 5’ GCCACGCGGGGGACAAT 3’(配列番号3)、AK1M 5’ CCTGCAGGCACTGATGTAAA 3’(配列番号4)、ならびに下記からなる群から選択された第二のプライマセットである。
【0045】
【表1】

【0046】
本発明のプライマは、約50個未満のヌクレオチドを含んでいることが好ましいが、さらに好ましくは30個未満のヌクレオチド、通例は、約25個もしくは20個未満のヌクレオチドを含んでいる。さらに、好ましいプライマは、通常、少なくとも5個、好ましくは少なくとも8個のヌクレオチドを含み、特異性を確保している。プライマの配列は、ICHTHYIN遺伝子の配列に基づいて調製し、それらとの完全な相補性を可能にすることが好ましい。本発明のプライマの特定の例が、表2に列挙されている。
【0047】
本発明の核酸プローブには、ICHTHYIN遺伝子の核酸配列のすべてもしくは特徴的部分、好ましくは少なくともその特徴的部分、すなわち上記突然変異の少なくともひとつを有する部分が含まれる(もしくはこれらに特異的にハイブリダイズする)。該プローブは8〜1000個の、もしくは8個〜1000個以上(たとえば遺伝子の配列全体など)のヌクレオチドを有していてもよい。プローブは、単鎖であることが最も好ましい。プローブは、放射能、蛍光、酵素、化学などのような任意の公知の技術を用いて標識してもよい。この標識には、たとえばPhosphor32、ビオチン(16−dUTP)、ジゴキシゲニン(11−dUTP)などを使用できる。
【0048】
本発明は、通常の技術を用いてICHTHYIN遺伝子に基本的に適用可能である、特定の検出技術もしくは標識技術によって拘束もしくは制限すべきではないということは理解すべきである。
【0049】
本発明は、ICHTHYIN遺伝子および、場合により、核酸増幅もしくはハイブリダイゼーション反応のための試薬に特異的な、少なくともプライマもしくはプローブを有する上記方法を実施するためのキットにも関するものである。試薬には、抗体、プローブ、プライマ、デバイス、支持体などを含むことができる。
【0050】
本発明は、突然変異ICHTHYIN遺伝子配列もしくはその特徴的部分を有する核酸にも関するものである。
【0051】
例に示されているように、本発明では、以下に示すように、対象におけるICHTHYIN遺伝子の変化の存在と、皮膚疾患の存在もしくは発症もしくは素因との間の因果関係を実証する。
【0052】
生物活性化合物をスクリーニングする方法
さらなる局面では、本発明は、ICHTHYIN遺伝子もしくはポリペプチドを、生物活性剤、特には乾燥性皮膚疾患および/またはヘポキシリン経路に活性を有する化合物をスクリーニングするための標的として使用することにも関する。
【0053】
本発明の特定の目的は、生物活性化合物を選択もしくは特定する方法にあり、ICHTHYINタンパク質または関連タンパク質と候補化合物を接触させること、および前記化合物が前記タンパク質に結合しているかまたは前記タンパク質の活性をモデュレーションしているかを判定することとが含まれる。結合は、リガンド置換、競合検定、標識化合物を用いた直接結合、免疫沈降反応、ゲル移動などの当技術分野でそれ自体公知である任意の技術によって判定することができる。活性のモデュレーションは、構造の変化の評価またはICHTHYINもしくは前記関連タンパク質が介在する、任意の2次信号の判定もしくは測定によって判定することができる。この方法は、ICHTHYINもしくは関連タンパク質または、脂質膜内もしくは無傷細胞によって発現される、支持体上に固定された単離形態とすることのできる、そのフラグメント(たとえばリガンド結合ドメインなど)を用いて実施してもよい。
【0054】
特定の態様では、この方法には、ICHTHYIN(もしくは関連)タンパク質またはそのフラグメント、通例はそのリガンド結合フラグメントを発現する組換宿主細胞と試験化合物の接触させることおよび、前記タンパク質と結合するかもしくはその活性をモデュレーションする化合物を選択することとが含まれる。本発明の特定の目的でもあるこのような組換細胞は、膜タンパク質として前記タンパク質を発現している、ICHTHYIN(もしくは関連)タンパク質をコードする遺伝子構築物を有している任意の細胞とすることができる。組換細胞は、原核細胞もしくは真核細胞であってよい。原核細胞の例としては、バクテリア細胞、特にE.coliがあげられる。真核細胞には、酵母細胞(たとえばサッカロミセス、クルイベロミセスなど)、哺乳動物細胞、植物細胞、昆虫細胞などが含まれる。哺乳動物細胞の特定の例として、げっ歯類、イヌ科、ウマ科、ウシ科、ヒツジ科、ヒトなどをはじめとするさまざまな種から得た、もしくはさまざまな組織細胞型(たとえばケラチノ細胞、線維芽細胞、肝細胞、筋細胞、神経細胞、腎細胞、卵巣細胞など)から得た初代細胞もしくは樹立細胞培養物などがあげられる。
【0055】
組換細胞は、従来の組換え技術によって、たとえば、膜タンパク質としての前記タンパク質の発現を可能にする条件下で、ICHTHYIN(もしくは関連)タンパク質をコードする遺伝子構築物の選択された細胞型に導入することによって調製することができる。遺伝子構築物は、当技術分野で公知の技術に従って調製可能な任意のプラスミド、コスミド、人工染色体、ウイルス、ファージ、エピゾームなどであってよい。構築物は通例、コーディング配列の上流、すなわち選択された細胞内でICHTHYINを発現させるプロモータ領域を有している。この構築物には、複製の起源、もしくはマーカー遺伝子、もしくは相同領域(細胞のゲノムへの部位特異的統合を可能にする)、インテグラーゼなども含まれる。この構築物は、エレクトロポレーション、カルシウムリン酸塩沈降反応法、共役法、裸DNAトランスファ、トランスフェクション、感染などの、本技術分野でそれ自体公知である技術によって細胞(もしくはそれらの原細胞)に導入してもよい。導入は、リポソーム、カチオン脂質、ポリマーなどの促進剤の存在下で実施することができる。組換細胞を選択し、従来の条件下で培養してもよい。ICHTHYINもしくは関連タンパク質の細胞面発現は、たとえば抗体もしくはリガンドの存在下における任意の結合検定によって確認できる。
【0056】
これに関して、本発明の特定の目的は、プロモータ、好ましくは異種プロモータの制御下で、ICHTHYINタンパク質をコードする核酸配列を有する遺伝子もしくは核酸構築物にある。異種プロモータは、天然に存在する細胞におけるICHTHYIN発現を制御しない任意のプロモータであってよい。このようなプロモータの例として、ウイルス性プロモータ(たとえば、CMV、LTR、TK、SV40、など)、細胞プロモータ(PGK、HASなど)、バクテリアプロモータ(Trp、Lacなど)、酵母プロモータ、さらには、任意の人工プロモータ配列もしくはキメラプロモータ配列があげられる。この構築物は、上記のようにベクターに取り込むことができる。
【0057】
本発明の特定の局面は、ICHTHYIN、NIPA1、NIPA2、LOC152519、FLJ13955およびdJ462023.2またはそれらのリガンド結合フラグメントもしくはサブユニットから選択される受容体を発現する組換宿主細胞と候補化合物とを接触させることと、前記タンパク質に結合するかもしくはその活性をモデュレーションする化合物を選択することとを有する、生物活性化合物を選択もしくは同定するための方法にある。
【0058】
本発明の別の特定の局面は、ICHTHYIN、NIPA1、NIPA2、LOC152519、FLJ13955およびdJ462023.2、または、それらのリガンド結合フラグメントもしくはサブユニットから選択された受容体を発現する組換宿主細胞と候補化合物とを接触させることと、前記タンパク質に結合するかもしくはその活性をモデュレーションする化合物を選択することを含む、アラキドン酸代謝をモデュレーションする化合物を選択もしくは同定する方法にある。
【0059】
ICHTHYINのリガンド結合ドメインは、アミノ酸残基1と60との間のタンパク質のNH2末端領域にある。したがって、上記の選択法では、ICHTHYINタンパク質の少なくともアミノ酸残基1〜60を有する、タンパク質もしくはポリペプチドを使用することが好ましい。
【0060】
本発明の好ましい化合物は、上記タンパク質に結合する能力および対応するリガンドの作用薬として作用する能力に基づいて選択する。
【0061】
本発明の別の方法には、前記タンパク質をコードする遺伝子と候補分子とを接触させることと、前記遺伝子に結合するかもしくは前記タンパク質の発現をモデュレーションする分子を選択することとが含まれる。特定の分子とは、前記遺伝子の発現を刺激する分子、特に前記遺伝子の転写プロモータを刺激する分子、である。
【0062】
本発明の文脈においては、各種候補化合物を異なる検定フォーマット(マイクロタイトレーションプレートなど)を用いて平行して試験することができる。結合を生じさせることができるだけの十分な時間、化合物を細胞と接触させた後、結合もしくは活性を上記のように評価することができる。本発明は、ICHTHYIN受容体もしくはそのアクチベータの作用薬をスクリーニングするのに特に好適である。
【0063】
抗体
本発明のもうひとつの態様は、ICHTHYINポリペプチドもしくは関連タンパク質に結合する抗体に関するものである。抗体は、ポリプローナル抗体もしくはモノクローナル抗体であってよい。さらに、抗体という用語には、フラグメントおよびその誘導体、特に、実質的に同じ抗原特異性を備えた該モノクローナルもしくはポリクローナル抗体のフラグメントおよび誘導体も含まれる。これらには、抗体フラグメント(たとえば、Fab、Fab‘2、CDRなど)、ヒト化抗体、多機能抗体、単鎖抗体(ScFv)などが含まれる。これらは、動物の免疫化および血清の採取(ポリクローナル)もしくは脾臓細胞の採取など、(適切な細胞株と融合させることによってハイブリドーマを産生するための)従来の方法によって産生させることができる。
【0064】
さまざまな種からポリクローナル抗体を産生するには、抗原を一般にはアジュバント(たとえば、フロイントのアジュバント)と組み合わせて動物に、通常皮下注射にて投与する。注射は繰り返し行ってもよい。血液試料を採取し、免疫グロブリンもしくは血清を分離させる。モノクローナル抗体は、たとえばHarlowら(Antibodies: A laboratory Manual, CSH Press, 1988)が報告しているように、さまざまな種から産生することができる。要するに、これらの方法には、抗原により動物を免疫化することと、続いて脾臓細胞を回収し、その後骨髄腫細胞などの不死化細胞と融合させることとが含まれる。生成されるハイブリドーマは、モノクローナル抗体を産生し、個々のクローンを単離するため限界希釈によって選択することができる。抗体は、たとえばWardら(Nature 341 (1989) 544)に公開されているように、免疫グロブリンの組合せライブラリの選択により産生してもよい。
【0065】
FabもしくはF(ab’)2フラグメントは、従来の技術により、プロテアーゼ消化によって産生することができる。ヒト化抗体は、前述のように(Jones 1986; Riechmann 1988)調製することができる。
【0066】
本発明の好ましい抗体は、ICHTHYINポリペプチドもしくは関連タンパク質のフラグメント、好ましくは、その免疫原フラグメント、たとえば少なくともエピトープ、好ましくは少なくとも5個のアミノ酸からなるエピトープを有するフラグメントによる免疫化によって調製される。好ましい態様では、ICHTHYINのフラグメントは、C−17−Kペプチド(配列番号9):Cys Asp Asn Ile Glu Leu Ala Ser Thr Ser Ser Pro Glu Glu Lys Pro Lysである。
【0067】
別の好ましい抗体は、変化したICHTHYINポリペプチド、特に突然変異ICHTHYINポリペプチドに特異的に結合するモノクローナル抗体である。
【0068】
抗体は、共有結合により、あるいは非共有結合的に、直接もしくは結合剤やリンカーを介して、トキシン、ラベル、薬物もしくは他の治療薬などの異種部分に結合することができる。
【0069】
本発明の抗体には、治療用、診断用、精製、検出、予防などをはじめとするさまざまな用途がある。インビトロでは、これらは、作用薬をスクリーニング薬としてもしくは生体試料から得た抗原を精製する目的で使用することができる。これらはさらに、対象から採取した試料、通例は哺乳動物、具体的にはヒト対象者から採取した血液試料におけるICHTHYINポリペプチドの存在(または量)を検出もしくは定量するのに使用することができる。本発明の抗体は、特に治療という観点では、ICHTHYIN受容体の作用薬もしくは拮抗薬としても使用することができる。
【0070】
皮膚疾患を治療するための新規な化合物および方法
上記のように、本発明では、(R)−キラリティを有するヘポキシリンをもたらす新規な代謝経路ならびに、皮膚疾患におけるその予想外の関与および未公開の関与について開示する。このように本発明の適用により、この代謝経路から得られる化合物、さらにはその類似体、もしくは作用薬ないしは本代謝経路に関与する遺伝子の発現をモデュレーションする化合物を用いて、特定の皮膚の病態を治療もしくは予防するための新規な治療法の計画を可能にする(図5を参照)。
【0071】
本発明の特定の目的は、より具体的には、皮膚疾患もしくは乾燥性皮膚病態の治療を目的とした薬剤を製造するための12(R)ヘポキシリン経路の代謝産物もしくはその類似体(たとえばエステル誘導体、アミド誘導体など)から選択される化合物の使用にある。この化合物は、12(R)−TXA3、12(R)−HXA3、12(R)−HXA3−C、12(R)−HXA3−Dおよび12(R)−HXA3−Eからなる群から選択することが好ましい(図3)。
【0072】
12−(R)−TXA−3は、12−(R)−トリオキシリン A−3、すなわち8,11R,12R−トリヒドロキシエイコサ−(5Z,9E,14Z)−トリエン酸(化式C2034)を表す。
12−(R)−HXA−3は、12−(R)−ヘポキシリン A−3、すなわち8−(R,S)−ヒドロキシ−(11R,12R)−エポキシエイコサ−(5Z,9E,14Z)−トリエン酸(化式C2032)を表す。
12−(R)−HXA−3−Cは、12−(R)−ヘポキシリン A−3−C、すなわち8−(R,S)−ヒドロキシ−(11S)−グルタチオニル−(12R)−ヒドロキシエイコサ−(5Z,9E,14Z)−トリエン酸(化式C304910S)を表す。
12−(R)−HXA−3−Dは、12−(R)−ヘポキシリン A−3−D、すなわち8−(R,S)−ヒドロキシ−(11S)−システイニルグリシニル−(12R)−ヒドロキシエイコサ−(5Z,9E,14Z)−トリエン酸(化式C2542S)を表す。
12−(R)−HXA−3−Eは、12−(R)−ヘポキシリン A−3−E、すなわち8−(R,S)−ヒドロキシ−(11S)−システイニル−(12R)−ヒドロキシエイコサ−(5Z,9E,14Z)−トリエン酸(化式C2339NOS)を表す。
【0073】
これらの化合物は、ヒトALOX12B遺伝子によってコードされているネイティブのもしくは組換12R−リポキシゲナーゼ、ヒトALOXE3遺伝子によってコードされている12R−エポキシド異性化酵素、エポキシドヒドロラーゼ(ヒト可溶性)、またはグルタチオンS−トランスフェラーゼ、グルタミルトランスペプチダーゼ、ジペプチダーゼもしくはこれら酵素の組合せ(図5)を用いてアラキドン酸からインビトロで調製可能である。ラセミHXA3の調製のための合成法についてもすでに報告がある(39−40)。
【0074】
代謝産物の類似体は、同種の生物活性を有するどの化合物でもよい。通例は、類似体は、追加置換基もしくは別の置換基または化学官能基を含む、基本的に同じコア構造を有する合成分子である。このような類似体は、本技術分野で公知の、薬物設計技術に従って産生することができる。類似体には、安定性すなわちインビボ半減期が向上している代謝産物もしくは、より簡単に産生可能であるような代謝産物の置換形態もしくは誘導形態が含まれる。類似体という用語は、プロメディカメントすなわちインビボで代謝産物に形質転換される化合物も特に取り込んでいる。このような類似体は、上記のスクリーニング法のどれかひとつを用いてスクリーニングすることができる。
【0075】
さらに特定の態様では、化合物は、ICHTHYINタンパク質のリガンド、特に上記のようなスクリーニング法を用いて同定もしくは選択されたリガンドである。
【0076】
特定の好ましい態様では、化合物は、12(R)−TXA3もしくはその作用薬すなわち同じ受容体に結合し、これを活性化させる化合物である。
【0077】
この点に関して、本発明の特定の目的は、乾燥性皮膚(乾燥症)をはじめとする皮膚疾患の治療および、炎症性皮膚疾患やその他の皮膚への侵襲に対する保護を目的とした薬剤(または組成物)を製造するための、12(R)−TXA3またはその作用薬もしくは合成類似体の使用にある。
【0078】
本発明は皮膚疾患を治療するための方法にも関し、前記疾患を治療するのに効果的な量の12(R)−ヘポキシリン経路の代謝産物もしくはその類似体を、それらを必要としている対象に投与することを含んでいる。化合物は、経口、全身、局所などさまざまな経路を通じて、特に局所投与により投与することができる。化合物は、生理食塩水、等張緩衝液、ゲル、ペースト、軟膏などの適切な緩衝液もしくは賦形剤で剤形してもよい。
【0079】
この点に関して、本発明の他の目的は、12(R)−ヘポキシリン経路の代謝産物もしくはその類似体、および特に局所適用向けの薬学的に許容可能な担体を含む組成、特に化粧品組成物にある。
【0080】
本発明の特定の組成は、12(R)−TXA3またはその作用薬もしくは合成類似体、および特に局所適用向けの薬学的に許容可能な担体を含む。
【0081】
局所適用の場合には、組成は、軟膏、ゲル、クリーム、石鹸、フォーム、油薬、スプレーなどの形態であってよい。好適な賦形剤としては、インビボで無毒な任意のビヒクルもしくは作用剤があげられる。皮膚に対する局所適用例では、この組成は、ローション、美容液、乳液など、液体状もしくは半液体状のどちらかとすることができる、水性もしくは油性溶液、懸濁液、もしくは分散液の形態であってよい。この組成は、水中油型もしくは油中水型のいずれかの乳化形態とすることができる。これはさらに、無水クリームもしくはゲル、微粒子、分散液などの形態であってもよい。
【0082】
好適な賦形剤としては、単独もしくは組み合わせた(複数も可)、可溶化剤、安定化剤、浸透剤、乳化剤、界面活性剤などがあげられる。化粧品組成物には、ゲル化剤、酸化防止剤、溶剤、香料添加剤、保存料などの添加剤も含まれる。これら薬剤の個々の量は、通例、総組成重量の0.01〜15%の範囲内で、当業者が調整可能である。本発明で使用するのに好適な乳化剤には、非限定的に、グリセロール、ポリソルベート、ステアリン酸塩をあげることができる。好適なゲル化剤には、非限定的に、カルボキシビニルおよびアクリルコポリマー、多糖類(たとえば、ヒドロキシプロピルセルロースなど)、ポリアクリルアミド、粘土、ステアリン酸アルミ二ウム、エチルセルロース、およびポリエチレンなどがあげられる。該当する場合、局所投与では、メチルセルロースなどの増粘剤も使用可能である。
【0083】
経口投与の場合、化合物は、錠剤、カプセル、アンプルなど、従来の投与形態に剤形化できる。経粘膜もしくは経皮投与の場合には、化合物は、ゲル、スプレー、パッチなどの浸透剤の存在下で、剤形化可能である。
【0084】
上記の方法、用途、および組成は、進行の軽減、発症の予防、兆候の抑止、もしくは疾患の根絶など、皮膚疾患の治療を目的として、単独でもしくは他の薬剤との組み合わせで使用することができる。化合物は、反復投与の使用など、担当医が調整できる各種プロトコルに従って、投与することができる。代表的用量は、たとえば0.01〜1000mgの活性剤/回のように変えてもよい。
【0085】
上記のように、皮膚疾患は、乾燥性皮膚疾患、特にアトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎、湿疹、乾癬、もしくは魚鱗症および掌蹠角皮症などの角質化疾患のような皮膚病の群から選択される。
【0086】
別の局面では、皮膚疾患は、日焼け、酸、UVなどによる、任意の皮膚の炎症もしくは襲撃から選択される。
【0087】
本発明は、一般に、特に局所投与向けの薬学的に許容可能なビヒクルもしくは賦形剤と組み合わせて、(抗体もしくはそのフラグメントまたは任意の合成分子など)ICHTHYINタンパク質の作用薬もしくは拮抗薬を含む薬学的組成物にも関するものである。
【0088】
本発明のさらなる局面および利点を、例証に過ぎなく、本出願の範囲を限定していないと考えるべき以下の実施例で開示する。
【0089】
実施例
材料と方法
対象と試料
皮膚科専門医が、家族の臨床データと血統情報を記録した。文書によるインフォームドコンセントを取得した後に、各協力家族から血液試料を採取した。抹消血の白血球からのDNA抽出および細胞株の樹立を、標準の手順を用いて実施した。
【0090】
遺伝子解析
遺伝子型特定は、ABIパネル(Linkage Mapping Set2, LMS2, Applied Biosystems)および全ゲノムワイドスキャン用MegaBaseキャピラリーシーケンサーからの400個の高多様型マイクロサテライトマーカーを用いて実施した。公に入手可能なマイクロサテライトによる精細マッピングに、ABI377シーケンサーを使用した。必要最低限の連鎖相を想定して、ハプロタイプを構築した。常染色体劣性遺伝、完全浸透度(full penetrance)、一般母集団における1/500,000の発症率を仮定して、連鎖プログラムを使用した。血統ファイルに血縁関係を組み込んだLINKAGE5.1パッケージ(36)のMLINKプログラムで、対合LODの得点を算出した。
【0091】
突然変異のスクリーニング
突然変異分析は、14家族のうちの罹患患者および両親、ならびに両親がいない場合には補足的に罹患してない兄弟姉妹で実施した。発明者らは、Primer3プログラム(http://www-genome.wi.mit.edu/genome_software/other/primer3.html)(37)を使用して増幅のためのエクソンに隣接し、ICHTHYIN遺伝子(表2)の配列を決定するイントロンオリゴヌクレオチドプライマを設計した。表2に示されているPCR条件セットを使用した。Hot MasterTM Taq DNAポリメラーゼ(Eppendorf)により、50ngのゲノムDNA(5μl中に)を含む45μlの体積中で、タッチダウンPCR反応を実施した。すなわち、95℃で5分間の初期変性ステップ、94℃で40秒間および68℃で30秒間からなる増幅を6サイクル、そして72℃で30秒間の伸張ステップ、続いて94℃で40秒間、最適なアニーリング温度で30秒間および72℃で30秒間の処理を30サイクル、および5分間の最終伸長ステップを実施した。1〜2μlの精製PCR産物を、体積15μl中で、0.5μlのセンスもしくはアンチセンスプライマ(20μM)および2μlのBigDyeターミネータ混合液(Applied Biosystems)に添加した。線形増幅は、96℃での初期5分間の変性ステップ、96℃で10秒間の変性を25サイクル、および56〜60℃での4分間のアニーリング/伸張ステップからなっていた。反応産物を精製し、Applied Biosystems Sequencer 3700上で配列を決定した。コード領域全体およびエクソン/イントロン間境界に関する、すべての患者およびコントロールから得たフォワード鎖およびリバース鎖の配列を決定した。配列は、Unix上でPhred Phrapプログラムを用いて解析した。
【0092】
リンパ芽球様細胞、角化細胞、および線維芽細胞の培養とRNA抽出
リンパ芽球様細胞株は、標準の手順を用いて樹立した。リンパ球から得た全RNAを、製造元の指示に従って、RNA-PLUS(Quantum-Appligene)キットを使用して抽出した。正常固体の日常的成形外科手術で除去された皮膚から、ヒト角化細胞および線維芽細胞を取得した。皮膚試料を初代角化細胞培養のために処理し、ウシ下垂体抽出物(25μg/ml)および組換表皮生長因子(0.1ng/ml)を補足した無血清角化細胞培地で、Invitrogen Life Technology提供の製品を使用してInvitrogen Life Technologyが記述している標準の手順に従って細胞を成長させた。初代線維芽細胞培養では、発明者らは、10%のウシ胎児血清および2%L−グルタミンを含むDMEM(Dulbecco's Modified Eagle's Medium)を使用した。2代にわたって培養物を成長させ、90%の密集度に達した時点で収穫した。製造元の指示に従い、培養細胞(QIAGEN)から全RNAを単離するため、QIAamp RNA Mini Protocolを用いて全RNAを単離した。製造元(QIAGEN)提供のOligotex direct mRNAプロトコルに従って、mRNAを単離した。
【0093】
5’RACE(Rapid Amplification of cDNA Ends)および増幅産物のクローニング
製造元の指示に従って、Advantage 2 Polymerase Mix(Clontech)を使用し、メラノーマ、胎盤、および胃に由来するMarathon-Ready cDNA(Clontech)により、5’RACEを実施した。APIプライマおよび、cDNA配列から発明者らが設計した5個の遺伝子特異的アンチセンスプライマのひとつを用いて、94℃で1分間の初期変性ステップから、94℃で30秒間および68℃で4分間の処理30サイクルで、PCRを実施した。PCR産物を可視化するため、2%のアガロースゲル上にこれらを負荷した。
【0094】
RT―PCRおよびRapid−ScanTM遺伝子発現パネル
オリゴdTプライマとRT−PCRキット(Life Technologies)を用いてRT−PCRを実施し、cDNAの第一鎖を生成した。全コーディング領域、3’UTRおよび5’UTR領域に渡る、4個のプライマ対(表2)で角化細胞、線維芽細胞、胎盤、およびリンパ球からのcDNAの増幅を実施した。
製造元の指示(Rapid-Scan, OriGene Technologies)に従い、ICHTHYIN転写産物に特異的なプライマ対RT_4を用いて、24のヒト組織を含む遺伝子発現パネルの試験を行った。角化細胞、線維芽細胞、胎盤、およびリンパ球における発現の試験も行った。
【0095】
追加登録番号
Online Mendelian Inheritance in Man(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Omim):アブヒドロラーゼドメインに含まれる以下の5つ(ABHD5);前述のCGI58、Comparative Gene Identification 58[CGI58;MIM 604780];アラキド酸リポキシゲナーゼ3[ALOXE3;MIM607206];アラキド酸塩12−リポキシゲナーゼ,R型[ALOX12B;MIM603741];ATP結合カセット、サブファミリA、メンバー12[ABCA12;MIM607800];キャナリン−ドルフマン症候群[CDS;MIM275630];;および非葉状非紅斑性先天性魚鱗症[NNCI;MIM604781];葉状魚鱗癬[LI;MIM242300];葉状魚鱗癬1[LI1;MIM604777];葉状魚鱗癬2[LI2;MIM601277];葉状魚鱗癬3[LI3;MIM604777];葉状魚鱗癬5[LI5;MIM606545];非水泡性魚鱗癬様紅皮症[NCIE1,MIM242100];非水泡性魚鱗癬様紅皮症[NCIE2,MIM604780];プラダー・ウィリー症候群/アンジェルマン症候群染色体領域における非刷り込み遺伝子1[NIPA1 MIM6008145];プラダー・ウィリー症候群/アンジェルマン症候群染色体領域における非刷り込み遺伝子2[NIPA2 MIM6008146];プレセニリン1[PSEN1;MIM104311];トランスグルタミナーゼ1[TGM1;MIM190195];痙性対麻痺6、常染色体優性[SPG6;MIM600363]。
【0096】
結果
臨床的特徴と患者の出身地
発明者らは、23名の患者(女性12名、男性11名)および50名の罹患していない家族構成員からなる14家族について分析を行った。DNAを入手できた個人は、図1に示すとおりである。両親がまたいとこ同士(F1)および一世代離れたまたいとこ同士(F14)である2家族を除き、すべてが、いとこ同士の婚姻からの血縁家族である(表1)。ほとんどの家族が、地中海沿岸地域の諸国出身で(アルジェリア出身8家族、トルコ出身4家族、シリア出身1家族)、コロンビア出身が1家族であった。
患者の大多数(60%)が、NCIEに似た臨床像を呈したアルジェリア出身の4家族(F2、F4、F9、F14)およびトルコ出身の2家族(F6、F8)の患者を除き、コロジオン児として生まれた。彼らは、顔面および体躯における紅斑、微細な白い剥落および頚部、臀部および脚部上の大きな茶色の剥落を伴う一般的な魚鱗癬を呈していた(図2を参照)。ただし、これら家族の一部は、さらに葉状の発現型を示していた。患者すべてが掌蹠角皮症を発症しており、ほとんどが皮膚が黄色く、ひび割れており、一部は爪の湾曲を伴っていた。
【0097】
連鎖、連鎖不均衡およびハプロタイプ分析
発明者らは、先ず、罹患した患者が3人および4人いる2組の血縁家族(F1とF14)における同型接合性マッピングによって染色体5q33.2−q34上のICHTHYIN遺伝子の場所を特定した。この新しい遺伝子座に魚鱗癬が連鎖しているさらに多くの家族を特定するため発明者らが、われわれのDNAコレクションをスクリーニングする前に、マーカーD5S410(AFM191xd8)とD5S422(AFM211yc7)との間の同型接合性領域をいくつかの追加マイクロサテライトマーカーで確認した。合計81家族について分析を行った。そのうち64家族は血縁関係にあり、17家族は血縁関係になかったが、罹患した家族の構成員は複数であった。これら家族のすべてで、染色体2q33−35、3p2、14q11、17p13、19p12−q12、および19p13.2−p13.1(7−11)上の遺伝子座を網羅する30のマイクロサテライトマーカーパネルを用いて、既知の6つの魚鱗癬の個所を事前に排除しておいた。これら家族のうちの12家族(F2〜F13)で、新しい個所に対する魚鱗癬の連鎖が認められた。次に、発明者らは、マーカーAFM336xe9(D5S2077)とAFMb351xf9(D5S2050)との間の15.1Mbの区間で合計29個のマイクロサテライトにより精細マッピングを実施した(図2)。D5S378に関するΘ=0.00での最大対LODスコアは、16.38であった。1Mbの共分離領域は、すべての患者で同型接合型であり、動原体のマーカーAFMa083xb9(D5S2112)に関しては家族5の患者1名、テロメアのマーカーAFMb343xe9(D5S2049)に関しては家族14の患者1名で、同型接合性の欠損を伴う組換事象によって定義された。遺伝子型決定の結果は、図3に示すとおりである。7家族(F5〜F11)の中の患者が遺伝子を含む区間内で2〜5のマーカー(2−7−4−4−3)のハプロタイプを共有していた。出身地が異なる(アルジェリア、コロンビア、およびトルコ)これら7家族は、同じミスセンス突然変異を継承していることが後に明らかとなった。アルジェリア出身の他の3家族(F2〜F4)は、同じナンセンス突然変異を呈していたが、同じハプロタイプを共有していたのはそのうちの2家族だけであった。
【0098】
候補遺伝子の除外と新規な遺伝子ICHTHYINにおける突然変異の同定
マーカーUT2159とAFMb343xe9(LOC91937、HAVCR1、HAVCR2、CRSP9、MGC26988)との間における初期2.3Mb区間における5つの遺伝子の配列を決定し、7つの既知の遺伝子すべてを精製された1Mbの区間(CYFIP2、PRO133 ADAM19、SOX30、FLJ20546、FLJ38273、およびENTH)で特定した。これら12の遺伝子のコーディング領域もしくはエクソン−イントロン境界では、突然変異は認められなかった。したがって、発明者らは、マーカーAFMa083xb9(D5S212)と、AFMb343xe9(D5S2049)との間のGenBankからのヒトmRNAおよびESTの分析に着手した。ひとつのmRNA(AK026158、AF131815)は、皮膚および角化細胞をはじめとする表皮組織に高頻度に発現するので、特に関心が持たれた。対応する遺伝子の配列決定により、6種類の突然変異が明らかとなった。
【0099】
ICHTHYIN遺伝子の構造とそのcDNA
404個のアミノ酸からなるタンパク質をコードする3094bp(ポリ−Aテールを含む)のcDNA(AK026158、FLJ22505)に対応する3077bpの新規に予測された配列(XM_371777)を提起した。このmRNAとBAC配列AC008676との間におけるBLAST分析の結果が、他の公開データベースに記載されている6個のエクソンの存在を裏付けた。発明者らは、5種類のプライマで5’RACEを実施し、これら5’RACEの産物の一部をサブクローン化したが、発明者らは、5’末端の伸長を同定できなかった。重複RT−PCRによって配列を確認し、産物の配列を決定し、公開データベースの配列と比較した。BLAST分析の結果、1匹のマウス(NM_172524)および1匹のラットmRNAのオルソログ(XM_220330)は、ヌクレオチド配列の相同性が83%および84%で、タンパク質配列の相同性が74%および75%であることが明らかとなった。3299bpのマウスmRNAが、全長であると報告されている一方で、ラットmRNAは、わずか1272bp長である。ヒト、マウス、およびラットから取得したオルソログの複数のヌクレオチド配列(http://prodes.toulouse.inra.fr/multalin/)は、相同性92%の高度に保存された配列を示していた。
【0100】
ICHTHYIN遺伝子の突然変異分析
ICHTHYIN遺伝子の6個のエクソンおよびエクソン−イントロン間の境界の配列決定から、14組の血縁家族における6種類の異なる同型接合性突然変異が明らかとなった(表1)。1つがナンセンス突然変異で、5つがミスセンス突然変異であった。エクソン2における247C→T(R83X)および239G→T(G80V)、エクソン4における341C→A(A114N)、エクソン5における437C→T(S146F)および523C→G(H175N)、ならびにエクソン6における703G→A(G235R)である。突然変異はすべて、マウス、ラット、およびヒト間で高度に保存されている遺伝子の部分に存在していた。これらの配列の変化はいずれも、地中海沿岸地域のコントロール母集団由来の100の正常な染色体には認められなかった。
【0101】
発現分析
発明者らは、RAPID−SCANTM遺伝子発現パネルおよび培養された角化細胞、繊維芽細胞、胎盤、およびリンパ球(データ表示せず)由来のRNAを用い、1111bpのフラグメントに対するプライマ対RT_4(表2)でICHTHYIN特異的RT−PCRにより組織の発現を分析した。ICHTHYIN転写産物がほとんどの被検組織で発現することが明らかとなった。これは、脳、肺、胃、皮膚、および白血球で高度に発現し、他の組織では低度の発現が認められたが、肝臓、甲状腺、および胎児の脳は例外で、発現は検出されなかった。ICHTHYIN転写産物の強固な発現が、正常な皮膚生検から得られた培養角化細胞で認められた。同じ皮膚生検由来の培養繊維芽細胞、胎盤、およびリンパ球における発現は希薄であった。
【0102】
ICHTHYINタンパク質の配列分析と保存された残基の同定
404個のアミノ酸からなる配列は、44kDaの算出分子量を有するタンパク質に相当する。この配列を、ExPASyサーバー(www.expasy.org)を介して入手可能な配列シグナル、膜透過(TM)領域、およびタンパク質の配位に関するトポロジ予測プログラム、Biology WorkBench (http://biowb.sdsc.edu/)から入手できるタンパク質解析ツール、およびタンパク質データベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov)を介した相同性検索にこの配列を提出した。このタンパク質は、原形質膜内に局在することが予測されるが、シグナル配列を所有していない。このタンパク質は、PSORTII、SMART、およびBPROMPTの各プログラムならびにDense Alignment Surface(DAS)法を用いて7−9TMドメインを含むと判定された。この構造は、新しいタンパク質ファミリ(PFAM:DUF803)を定義している。ProtFun2.1サーバ(http://www.cbs.dtu.dk/services/ProtFun/)を用いた分析で、輸送活性および結合活性下で機能カテゴリーおよび遺伝子オントロジーカテゴリーにICHTHYINを分類する。
【0103】
複数のTMドメインを備えた新規のタンパク質ファミリ
BLAST分析でICHTHYINの5個のヒトパラログを同定し(上に列挙)、このうち最初の3個のパラログがICHTHYINにもっとも密接に関連し、相同性が最大57%であった。これら遺伝子のうちの4個は、同じ基本構造を持っており、これらは5と8のエクソン間で、1)染色体15q11.2上のNIPA1(プラダー・ウィリー/アンジェルマン症候群における非刷り込み1)もしくはSPG6、2)同じく染色体15q11.2上のNIPA2(DUF803.0)、3)染色体4p12上のLOC152519(DUF803.3)、4)染色体8q22.2上のFLJ13955(DUF803.1)、および5)染色体1p36.12−p35.1上のdJ462023.2(DUF803.4)である。FLJ13955およびdJ462023.2遺伝子は12個のエクソンを持ち、互いに50%近い相同性および他のパラログとは25%の相同性を持つことが予測される。これらの配列の一部には、GeneWise、GenScan、Gnomonなどの自動分析パイプラインによって注釈を付けたが、さらに完全に分析を行ったNIPA1およびNIPA2を除き、長すぎるかもしくは不完全であった可能性がある(19、20a)。NIPA1には2つの転写産物が特定され、ひとつは2.2kbで、もうひとつはもっと大きくて長い3‘UTRを備えている7.5kbであり、ほとんどの組織に低レベルで、しかしニューロン組織では高レベルに存在している(19)。
シノラブディス エレガンス(Caenorhabditis elegans)、ショウジョウバエ(Drosophila)、マウス、および植物をはじめとする真核生物で52の相同体が特定された(IPR008521;http://ebi.ac.uk/interpro/)。シュードモナス・デニトリフィカンス(Pseudomonas denitrificans)(ORF6、SW:YCB6_PSEDE)(20b)における仮説輸送タンパク質およびsriファミリの7TMドメインを有するC.エレガンスケモレセプタ(WP:CE33629)との弱いBLASTP類似も、明らかになった。
複数アミノ酸配列で高い相同性およびファミリの6個のタンパク質のTM領域配置の保存性の両方を確認できる(図3)。
6個のヒトDUF803タンパク質の複数の配列の並び(CLUSTALW)およびGPCRデータベース(GPCRDB, May 2003 発表; http://www.gpcr.org/7tm/)由来の347のヒトGPCRタンパク質配列からなる系統樹(Tree Top, http://www.genebee.msu.su./services/phtree_reduced.html)では、グルタミン酸塩とフリズルド/テイスト(frizzled/taste)2受容体(21)との間の分枝としてDUF803タンパク質が特定されている。
【0104】
ICHTHYINで同定された突然変異には、切断タンパク質の合成をもたらす第二のエクソンにおけるナンセンス突然変異が含まれている。5つのミスセンス突然変異のうちの4つが、予測されたTMドメインすなわち第二(AA80)、第三(AA146)、第四(AA175)、および第六(AA235)のドメインのひとつの内側に存在していた。5番目の突然変異(AA114)は、第二と第三のTM領域間に配置されている。
【0105】
染色体15q11.2および8q22.2上の遺伝子型決定ならびに既知の他の遺伝子座が排除された家族におけるNIPA2およびFLJ13955の突然変異分析。
ICHTHYINパラログの二つ、すなわちNIPA2およびFLJ13955は、角化細胞に強く発現するとして記述した(SAGE)。連鎖を試験する目的で、ARCIの形態でこれらのパラログを有している個所について、65の血縁家族(103名の罹患構成員を含む226名の個人)で遺伝子型を特定した。われわれのDNAコレクションからの残り52の血縁家族と13の新規血縁家族が対象である。染色体8q22.2もしくは15q11.2に対する連鎖が、12家族で示唆されたが、エクソンおよびエクソン/イントロン間境界に関する2個の候補遺伝子の配列を決定した段階では、突然変異は認められなかった。
【0106】
作用薬および拮抗薬をスクリーニングするための方法
1)二重鎖cDNAのクローニング:ICHTHYINの二重鎖cDNAのクローニングを、標準の方法およびキット(SuperScript Double-Stranded cDNA Synthesisキット)を用いて実施した。この二重鎖cDNAのICHTHYIN特異的プライマについて、詳細に説明する。
【0107】
2)ウイルスベクターにおける発現研究:下記を目的とした標準の方法を用いた後で完全な二重鎖cDNAが複数のベクターで発現する。
a.永久細胞株の樹立、
b.レポーターGPCR遺伝子を用いたコトランスフェクション実験、
c.イオン(Ca、Cl、H)流出の分析
d.ARCIで示唆された他の遺伝子の発現分析
【0108】
3)(R)‐トリオキシリンA3の化学合成:
a.(R)‐トリオキシリンA3などの代謝産物を化学合成する。
b.結合実験を実施するために、同位体で代謝産物にラベル標識する。
c.ARCIで示唆されている他の遺伝子の発現を誘導した主要調節因子としてのトリオキシリンの生物活性(TGM1、ABCA12、ALOX12B、ALOXE3、ABHD5、ICHTHYIN、STS、ALDH3A2における突然変異を有する患者の細胞由来のRNAの定量PCR)についての調査研究を行う。
【0109】
4)結合実験における作用薬および拮抗薬のスクリーニングを実施する。
【0110】
【表2】

【0111】
【表3】





【0112】
【表4】







【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】家族F1〜F14の血統 ICHTHYINにおける突然変異。家族F4およびF10のうちの2名の罹患している患者、1名の親および1名の正常対照における配列を示している。
【図2】親のハプロタイプおよび対応する突然変異。同型接合性の欠失が、灰色で示されている。マーカーa083xb9とD5S378との間の最小分離区間内における、突然変異および共通の対立遺伝子が赤で示されている。対立遺伝子番号は、遺伝子型決定の結果を入手できない場合には、0として示されている。各罹患児童の父方および母方の対立遺伝子が表されている。
【図3】本発明の活性化合物の構造
【図4】ICHTHYIN遺伝子コーディング部位のヌクレオチド配列
【図5】新規な代謝経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚疾患の処置を目的とした薬剤を製造するための、12(R)−ヘポキシリン経路の代謝産物もしくはその類似体から選択される化合物の使用。
【請求項2】
前記化合物が、12(R)−TXA3、12(R)−HXA3、12(R)−HXA3−C、12(R)−HXA3−Dおよび12(R)−HXA3−E、ならびにそれらのエステル誘導体もしくはアミド誘導体から選択される、請求項1記載の使用。
【請求項3】
前記化合物が、ICHTHYINタンパク質のリガンドである、請求項1記載の使用。
【請求項4】
前記化合物が、12(R)−TXA3またはその作用薬もしくは拮抗薬である、請求項1記載の使用。
【請求項5】
皮膚疾患の処置を目的とした薬剤を製造するための、12(R)−TXA3またはその作用薬もしくは合成類似体の使用。
【請求項6】
皮膚疾患が、乾燥性皮膚疾患、特にアトピー性皮膚、接触性皮膚炎、湿疹、乾癬、もしくは魚鱗癬症および掌蹠角皮症などの角質化疾患といった皮膚病、または皮膚の炎症から選択される、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用。
【請求項7】
12(R)−ヘポキシリン経路の代謝産物もしくはその類似体、および薬学的に許容可能な局所適用向け担体を含有する組成物。
【請求項8】
12(R)−TXA3またはその作用薬もしくは合成類似体、および薬学的に許容可能な局所適用向け担体を含有する組成物。
【請求項9】
特に局所投与向けの薬学的に許容可能なビヒクルもしくは賦形剤と組み合わせた、ICHTHYINタンパク質の作用薬もしくは拮抗薬を含有する薬剤組成物。
【請求項10】
対象由来の生体試料中の、ICHTHYIN遺伝子もしくは対応するタンパク質における遺伝子変化の存在を評価することを含む、対象における皮膚疾患の存在もしくはその素因を検出、診断、もしくは特徴づけする方法であって、該遺伝子もしくはタンパク質における遺伝子変化の存在が、該対象における該皮膚疾患の存在もしくはその素因の指標となる、方法。
【請求項11】
遺伝子変化が、該遺伝子もしくはコードされたタンパク質における1以上の残基の突然変異、欠失、反転、追加および/または置換である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
生体試料中のICHTHYIN遺伝子もしくはタンパク質における突然変異の存在を検出することを含む、請求項11記載の方法。
【請求項13】
生体試料が、ICHTHYIN遺伝子もしくはポリペプチドを含有する組織、細胞もしくは流体を含み、試料が対象由来のゲノムDNAを含むことが好ましい、請求項10〜12のいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
試料中のICHTHYIN遺伝子の存在を検出するための、ICHTHYIN遺伝子の核酸配列の全体もしくは特徴的部分を含んでおり、標識されている、核酸プローブ。
【請求項15】
ICHTHYIN遺伝子の領域とハイブリダイゼーションし、ICHTHYIN遺伝子の少なくとも一部の増幅を可能にする、フォワード配列およびリバース配列を含むプライマ対。
【請求項16】
遺伝子変化を含むICHTHYIN遺伝子の少なくとも一部の増幅を可能にする、請求項15記載のプライマ対。
【請求項17】
ICHTHYINタンパク質に特異的に結合する抗体。
【請求項18】
皮膚疾患が、特にアトピー性皮膚、接触性皮膚炎、湿疹、乾癬、もしくは魚鱗癬および掌蹠角皮症などの角質化疾患といった皮膚病から選択される乾燥性皮膚疾患である、請求項10〜13のいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
ICHTHYINもしくは関連タンパク質と候補化合物とを接触させることと、該化合物が、該タンパク質に結合するかもしくは該タンパク質の活性をモデュレーションするかを判定することとを含む、生物活性化合物を選択もしくは同定する方法。
【請求項20】
ICHTHYINもしくは関連タンパク質を発現する組換宿主細胞と試験化合物とを接触させることと、該タンパク質に結合もしくはその活性をモデュレーションする化合物を選択することとを含む、請求項19記載の方法。
【請求項21】
ICHTHYINもしくは関連タンパク質をコードしている遺伝子構築物を有し、膜タンパク質として該タンパク質を発現する組換宿主細胞。
【請求項22】
原核細胞である、請求項21記載の組換細胞。
【請求項23】
真核細胞である、請求項21記載の組換細胞。
【請求項24】
異種プロモータの制御下でICHTHYINタンパク質をコードする、核酸配列を有する核酸構築物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3−1】
image rotate

【図3−2】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5−1】
image rotate

【図5−2】
image rotate


【公表番号】特表2008−505618(P2008−505618A)
【公表日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−514211(P2007−514211)
【出願日】平成17年6月3日(2005.6.3)
【国際出願番号】PCT/IB2005/001763
【国際公開番号】WO2005/117897
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
【出願人】(500366598)インセルム(アンスティチュ・ナショナル・ドゥ・ラ・サンテ・エ・ドゥ・ラ・ルシェルシュ・メディカル) (17)
【氏名又は名称原語表記】INSERM(INSTITUT NATIONAL DE LA SANTE ET DE LA RECHERCHE MEDICALE)
【出願人】(506402193)コンソルティウム・ナシオナル・ドゥ・ルシェルシュ・アン・ジェノミック・コンポザント・サントル・ナシオナル・ドゥ・ジェノティパージュ (1)
【氏名又は名称原語表記】CONSORTIUM NATIONAL DE RECHERCHE EN GENOMIQUE COMPOSANTE CENTRE NATIONAL DE GENOTYPAGE
【Fターム(参考)】