説明

監視カメラシステム

【課題】レジスターの近辺で、強盗などの犯罪の抑止及び店員による内部犯行を抑止する監視カメラシステムの提供。
【解決手段】レジスターにカメラと催涙スプレーを設置し、強盗のなどの犯罪抑止をレジの特定操作とセンサ動作により行うことによって、犯罪抑止を行う。 レジスターに装備された監視カメラと現行監視カメラシステムやPOSシステムとの連動を行い、催涙スプレーにより強盗のなどの犯罪抑止と店員による内部犯罪抑止を行う装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視カメラシステムに関わり、特に、売場のレジスターの防犯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、犯罪発生件数の増加に伴い、監視カメラシステム等のカメラによって撮影した映像に関心が高くなっている。
警察等の捜査においても、防犯カメラ等の撮像装置で撮像して記録された映像が、マスコミ等の情報伝達機関の手を借りて公開され、犯罪検挙と捜査に利用されている。つまり、防犯のために、店舗、公園や学校等の公共施設、郵便局、道路、等の場所では、日常的に、監視カメラや防犯カメラ等の撮像装置(以降、撮像装置をカメラと総称する)によって、要所要所が撮影され、撮像された映像が記録されていることが一般的となってきている。そして、監視カメラの設置と、撮影及び記録とに対する認知度が上がってきている。
【0003】
例えば、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、銀行、ホテルなどの店舗でも監視カメラが設置され映像の記録を行っている。しかし、カメラの設置方式は、大半が、天井からの吊下げ式、若しくは、鉄塔等の高所であり、かつ、遠方からの撮影となる。その場合、俯瞰的な撮影しかできないため、強盗、等の発生時の映像は、上半身の頭上部からの映像であることが多い。このような場合、カメラと人物の距離がある程度離れているため、撮影された映像内で、犯罪者等の容疑者を特定若しくは確認できる映像は、頭上からの映像となる。更に、犯罪者等の容疑者がうつむいて(俯いて)いる場合などは、顔の表情や特徴が掴みにくく、犯罪者を正確に特定できるような映像が得られないことが多かった。
また、強盗が侵入した際に使用するために、侵入者を撃退若しくは威嚇する目的で催涙スプレーなどを設置しておいても、あわてたりして、咄嗟に、効果的に使用できることは少なかった。
また更に、最近では、強盗のような侵入者だけでなく、店員の内部犯罪者も増えてきており、管理用途としてのカメラの必要性も増加している。
【0004】
【特許文献1】特開2001−245278号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、従来は、特許文献1に記載されているように、店舗内に設けた防犯カメラとレジスター近傍に設けた防犯カメラによって店舗内の監視対象物を監視しかつ記録する技術があった。しかし、特許文献1では、レジスターが設置されている建物内の複数箇所に配設される防犯カメラと、防犯カメラで撮影した影像を記録する記録装置とを設けた防犯カメラの記録装置であって、レジスターの現金格納箱(ドロア)の開放信号、レジスターの近傍に設けられる警報スイッチの動作信号の少なくとも1つで、レジスター近傍を撮影する防犯カメラ及び記録装置を起動するようにしている。
しかし、特許文献1は、カメラ等の設置が天井等の高所であり、かつ、遠方からの撮影である。従って、上述したように、撮影された映像に写った容疑者を特定若しくは確認できる詳細な映像を得ることが難しい。また、強盗が侵入した際に使用する催涙スプレーなどでの威嚇も、催涙スプレーなどを効果的に使用できる機会が少なかった。
本発明の目的は、上記のような問題を解決し、レジスターの近辺で、強盗のなどの犯罪の抑止及び店員による内部犯行の抑止を期待できる監視カメラシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の監視カメラシステムは、レジスターに監視用の小型カメラと催涙スプレーを実装し、レジスター若しくはレジスターと共に運用するPOS( Point Of Sale )システムとの連動で、犯罪発生時の映像の収集(撮像)と記録を行うものである。
収集した映像は、レジスター内の記録ユニット若しくはレジスターと結合された記録装置に蓄積され、POSシステムなどと連動して映像を他システムヘ伝送し、レジスターを設置している店舗内の天井や壁面に設置されて、店内を監視しているカメラや、外部のシステムとの連動を行うものである。
【0007】
即ち、本発明の監視カメラシステムは、店舗内に設置された監視カメラシステムにおいて、レジスターと、上記レジスターの前に立つ人物の顔部分を下方から撮像するような視野角で設置されるカメラと、上記レジスターの前に立つ人物に向けて噴射するように設置される催涙スプレーと、制御部と、記録装置とを備え、上記制御部は、上記レジスタの特定の操作により、上記カメラと上記催涙スプレーを作動し、かつ、上記記録装置に上記カメラの撮像した映像を記録するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、犯罪の抑止及び事後検証が可能な監視カメラシステムが提供可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、店舗内のレジスターに監視カメラを内部若しくは外部に設置し、店舗内の天井や壁に設置されて監視する現行の監視カメラシステム、POS( Point Of Sale )システム、外部システム、等と連動させることでの犯罪抑止および犯人の早期検挙、並びに、店員等による内部犯罪抑止を行うものである。
【0010】
図1によって、本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の監視カメラシステムの一実施例の構成を説明するための図である。図1の実施例は、レジスターにカメラと催涙スプレー装置を内蔵したものである。図1(a)は、レジスター(以降、レジと称する)を横から見た模式的な断面図、図1(b)は、レジ110を、操作する店員(操作面)側をから見た模式的な正面図である。
110はレジスター(レジ)、120と122はカメラ、140と142は催涙スプレー、160はレジ110の側面に取り付けたマイク、112と116は表示器、113は表示器112の表示画面、117は表示器116の表示画面、114は操作ボタン、118はドロアである。なお、表示器116の表示画面117は、お客さんのレジ近辺での進行方向を想定した向きに応じて自在に設定される。
【0011】
カメラ120と122は、例えば、CCDカメラ等のビデオカメラで、レジ110に近接した客や店員の上半身を撮像できるよう、広角でかつ焦点距離を近目に設定している。また、表示器117の表示画面117をタッチパネルとし、タッチパネル操作可能としても良い。また、図1では、バーコード等、価格や品目等の商品情報を読み取るための装置(例えば、固定式若しくはハンディのスキャナー(バーコードリーダ))は、省略して図示していない。また、本発明の説明に不要な要素、例えば、レシートを打出すプリンタ、電源ケーブル、LAN( Local Area Network )ケーブル等は省略している。
レジ110は、コンビニエンスストア等の店舗で、お客と店員が立ったままで応対ができる高さとなるように適当な台上に載置されている。
【0012】
図1において、レジ110に取り付けれたカメラ120と122は、常に所定の時間毎に視野内を撮像する。撮像された映像は、後述する監視カメラシステムの伝達手段を介して、記録装置に所定の周期で継続的に記録される。記録装置に記録された映像は、所定の時間毎に若しくは随時、別の記録媒体若しくは記録装置に移動されて所定の期間保存される。
【0013】
図1において、店舗内の客が侵入し、レジ110のお客側に近づいて、レジ110の店員側にいる店員に対して、例えば、「レジ110内の売上金を出せ」と刃物等を出して店員を脅迫するような犯罪行為を始めた場合、店員は、ドロワ118を引き出すように操作 ボタン114等を操作する。この時、ドロワ118を引き出す通常の操作と少し違う操作をする。
監視カメラシステムは、この操作が実行されることにより、店舗内やレジ110に対する犯罪行為、又は、異常なことが発生して、レジ付近の店員が警報を出力するための信号が出力されたと認識する。なお、監視カメラシステムは、後述するシステム制御部の制御によって、レジ110及びPOSシステムを制御する。またレジ110とPOSシステムにおいても、内蔵の制御部によってそれぞれ制御され、内蔵の制御部は、上位の制御システムである監視カメラシステムのシステム制御部に制御される。
【0014】
従って、監視カメラシステムは、以下の動作の少なくとも1つを実行する。
(1)レジ110に内蔵された催涙スプレー140を制御し、催涙スプレーを噴霧する。これによって、犯行者の威嚇撃退を行う。即ち、所定のキー操作を行うことでレジ110の前に立っている強盗行為等を始めた犯行者に向けて催涙スプレーを発射する。
(2)レジ110に取付けられたマイク140が集音する音声を中継し、外部監視センタに伝送する。若しくは、外部のスピーカに出力させる。スピーカが店舗の外に向けて音声出力されるように備付けられていれば、店舗外の人(通行者、等)がそれを知り、警察等に通報できる。また、大音量であれば、店舗内の犯行者にも聞こえ、外部に通報されたことを知って、あわてて逃げる可能性がある。また、内部のスピーカ(後述:図5のスピーカ570参照)であっても、大音量であれば、店舗外に聞こえる上、店舗内の犯行者が驚いて何もしないで逃げる可能性がある。なお、音声も記録装置に記録される。
(3)レジ110とネットワーク回線(後述:図2のネットワーク回線260参照)等で結合した外部のシステム、例えば、監視センタ(警備委託業者もしくは、警察署、等)に自動的に通報する。
(4)レジ110とネットワーク回線(後述:図2のネットワーク回線260参照)等で結合した店舗の別の部屋に自動的に通報する。別の部屋にいた人が、通報等の対応を行う。また、例えば、別の部屋が店舗監視ルームで店舗内を監視するシステムの制御部(後述:図5の制御部580参照)であれば、この店舗監視ルームで、監視員が操作することにより、警察への通報、店舗内の他のレジの催涙スプレーの発射や、更に防火設備があれば、消火器若しくは消火のための散水を開始する。また更に、店舗監視ルームの監視員は、犯行者の顔をもっと良く撮像するために、店舗内に設置したカメラ若しくは他のレジのカメラを操作して、犯行者を特定するための特徴(顔、体格、服装、等)をもっとよく記録できるように、それらカメラの画角を変更する。
(5)外部に店舗の広告や宣伝等を表示する案内を表示する表示灯に、「ただいま店内に強盗が侵入しています。危険ですから店内に入らないようにしてください。」と表示する。また、表示器を点滅させる。また、大音量のスピーカで知らせる。
なお、店舗内のカメラ(後述:図2のカメラ220参照)及びレジ110内蔵のカメラ120及び122が、通常は動作しないモードで使用している場合には、上記ドロワ118を引き出す通常の操作と似ているが異なる操作をした時に、カメラが撮像を開始して、撮像した映像を外部若しくは記録装置等に伝送するようにしても良い。
【0015】
また、レジの店員側にもカメラが内蔵されているため、レジの異常な操作に連動して、上記(1)〜(5)等が実行されることにより、強盗などが店員エリア内に侵入して店員エリア内(店員側)からレジを操作して現金を抜き取る異常操作する行為の抑止も可能である。
また更に、レジの店員側にもカメラ122が内蔵されていることにより、平常の労働時若しくは非番時に、店員が勝手にレジを操作して、現金を抜き取る不法行為を抑止できる。また、レジの店員側にカメラ122と催涙スプレー142取付けられていることにより、レジの店員側に犯行者が侵入して、レジ110のドロワ118を通常と異なる操作若しくは強引に開けようとすると、カメラ122の撮像と催涙スプレー142から催涙ガスが噴射されることにより、不法行為を抑止することができる。
【0016】
このように、レジ110に内蔵されたカメラ120若しくは122は、レジ110の異常操作又は催涙スプレー160若しくは162の噴射操作に起因するセンサ情報に連動して、お客様側若しくは店員エリア側の映像を取得する。従って、事後検証資料として利用することができる。
また設定により、レジ110の異常操作、他のセンサ(図示しない、例えば、銃声等の音を検知するセンサ、火災が発生した時の高温の熱検知センサ、又は立入り禁止領域境界に設置された赤外線センサやフェンスセンサ、等)と連動することよって、自動的に催涙スプレー140若しくは142の噴射、又は消火器の消火剤の噴射をすることも可能である。
なお、フェンスセンサではなく、例えば、レジカウンタの通常は商品等の物品が置かれないスペースに、ボタン若しくはマットレススイッチ等を設置しておき、異常若しくは特定の動作があった場合にそのボタン若しくはスイッチが押されることによりセンサ起動があるようにしても良い。
また、レジカウンタを無理に乗り越えようとする部分にバーを設け、バーに異常な負荷がかかった場合にセンサ起動があるようにしても良い。
また、レジカウンタを無理に乗り越えようとする部分に開閉可能なバーを設け、バーが固定位置から外れた場合にセンサ起動があるようにしても良い。
【0017】
図5は、本発明の一実施例のレジの構成を示すブロック図である。510はレジ、512はお客様が見えるように設置された表示器、520はお客様側のカメラ、540はお客様側の催涙スプレー、560はマイク、570はスピーカ、514は入力部、516は店員が見るための表示器、518はドロワ、580は制御部、バス530である。
【0018】
図5において、バス530は、レジ510を構成する各ユニット(カメラ520、催涙スプレー540、マイク560、スピーカ570、入力部514、表示器512と516、ドロワ518、制御部580)とを結合するデータバスであり、かつ、外部のシステム、例えば、後述する図2の監視カメラシステム、若しくは、外部の監視センタと結合するネットワーク回線260と通信可能に結合している。
具体的には、制御部580が、バス530を介して、レジ510を構成する各ユニットと相互にアクセスし、かつ、ネットワーク回線260を介して外部システムと相互にアクセスする。また、制御部580は、その内部にハードディスク等の記録手段を備え、動作プログラムの記録、取得した映像の記録、等を行う他、CPU( Central Processing Unit )を備えてレジ510を制御し、あるいはレジ519の状態等、外部システムからの要求に対して、若しくは動作プログラムに従って、外部システム特にPOSシステム及び外部の監視カメラとデータを相互に通信し動作処理を行う。
また、動作プログラムがPOSシステムを含むものであれば、内部のPOSシステムと連動してデータ処理を行う。
【0019】
次に、本発明の第2の実施例を図2〜図4によって説明する。図2は、本発明の監視カメラシステムの一実施例の構成を説明するための図である。図2の実施例は、本発明は、POSシステムと監視カメラとを連動させた実施例である。110はレジ、120はレジ110に内蔵したカメラ、140はレジ110に内蔵した催涙スプレー、160はレジ110の側面に取付けたマイク、122はレジ110の店員エリア側を撮像するカメラ、142はレジ110の店員エリア側に噴射される催涙スプレー、220はレジ近辺を撮像するカメラ、230はPOS( Point Of Sale )売上制御部、240は監視カメラ制御部、250は記録装置、260はネットワーク回線、290は不審者等の監視対象者である。なお、レジ110の店員エリア側には図示しない店員が立っている。
図3と図4は、図2の構成の監視カメラシステムにおける、一実施形態の運用形態の手順を説明するためのフローチャートである。
【0020】
図2〜図4の実施例の監視カメラシステムは、レジに小型監視カメラと催涙スプレーを実装させ、レジ等に併設されているPOS( Point Of Sale )システムとの連動で、犯罪発生時の映像記録を行うものである。
【0021】
図3の手順について、以下説明する。店舗内では、通常の販売活動が行われ、レジ110において店員が応対している。
不審者接近ステップ401では、帽子を深めにかぶった不審者290が近づいてきている。この時点では、不審者290が何らかの犯行を行うか否かは、店員は判断できない。
不審者行動開始ステップ402では、不審者290が、例えば、刃物等を出して、レジ110の売上金を渡すように店員に強要する。この時点で、不審者290が何らかの犯行を働こうとしていることが店員に分かる。
レジ特定操作ステップ403では、店員は、ドロワ212を引き出す操作を行う。ここで店員が実行する特定の操作は、ドロワ212を全部若しくは少し開ける操作であり、予め、強盗に強制されてレジ110のドロワ212を開け、強盗事件が発生したことを、関係する各システムに通報するための操作である。
この操作は、例えば、「合計ボタンを押しながら両替ボタンを押す」という操作である。
この操作が実施されると、管理者が保管するキーで開錠することによってロックを解除するか若しくは店員に教えて以内所定の操作を実行することによってロックを解除するかしかなく、店員は再びレジ110を操作することができない。
また、同時に、この特定の操作によって、システム制御部210は、レジ110で、何か犯罪行為が起きたことを検知する。
【0022】
そして、緊急情報受信ステップ404では、システム制御部210は、レジ110内蔵のカメラ120が起動していない場合には、緊急起動して、カメラ120が視野範囲内を撮像した映像を取得し、かつ記録部250に送信する。記録部250は、受信した映像を時刻情報、レジ番号、センサ情報等と共に記録する。更に、システム制御部210は、催涙スプレー140を制御して、催涙ガスを噴射する。
また更に、システム制御部210は、天井に取付けられたカメラ220を制御して、カメラ220の視野範囲内に当該レジ110が入るように、予め定められた位置情報に従ってパン角、チルト角、及びズーム倍率の少なくとも1つを制御する。その結果、カメラ220は、レジ110近傍の視野範囲内の映像を取得し、取得した映像を記録装置250に送信する。また、カメラ220が、画像処理等により、検出した物体を追尾する機能を有する監視カメラシステムであれば、検出した物体を追尾して、映像を取得し、取得した映像を記録装置250に送信する。記録装置250は、受信した映像を時刻情報、レジ番号、センサ情報等と共に記録する。
更に、システム制御部210は、スピーカ(図示しない、後述する図5のスピーカ570参照)を制御して、スピーカから予め定められた警報を大音量で出力させる。また、店舗前に店舗の広告を表示する表示灯がある場合(図6の表示灯601参照)には、表示灯が急に点滅を始めたり、表示灯に強盗事件が発生したことを表示し、かつ、表示灯にスピーカ等の音声出力機能が備えることにより、大音量で予め定められた警報を出力させる。また、その後は、マイク140から取得した音声を出力する。
このように、お客や犯行者には、通常の操作に見えるような操作を行うことにより、犯行者に疑問を持たせず外部に警報を出すことができ、かつ犯行者の撃退が期待できる。
【0023】
不審者特定ステップ406では、事件が収まった後、記録装置250に記録された映像から、不審者の特定を行う。不審者の特定は、記録された映像を、別の特定するための装置にコピー若しくは移動して行われ、現在通常に行われている画像処理技術を用いる。なお、この特定する技術に関しては、本願では述べない。
以上の収集した映像は、レジ内に蓄積されPOSシステムなどと連動して映像を他システムヘ伝送し、天井設置の監視カメラや外部システムとの連動を行うことができる。
このように、レジに内蔵若しくはレジ近辺の位置に、カメラを設置することによって、人物の立っている時の顔を下方から(近くでかつ上向きに)撮像でき、犯人の特定がし易くなる。
【0024】
次に、図4の手順について、以下説明する。店舗内では、通常の販売活動が行われ、レジ110において店員が応対している。
不審者接近ステップ401では、帽子を深めにかぶった不審者290が近づいてきている。この時点では、不審者290が何らかの犯行を行うか否かは、店員は判断できない。
不審者行動開始ステップ502では、不審者290が、例えば、レジカウンター(レジ110を載置した台)越しに、レジ110の売上金を抜取ろうとする。この時点で、不審者290が何らかの犯行を働いていると店員は判断できる。
【0025】
更に、レジ110が強盗などの犯罪者によって破壊された場合でも、店頭以外の離れた場所で、記録若しくは伝送された映像を確認することができる。
また、店員が、レジ110に対してある特定の操作を行うと、レジ110に内蔵された催涙スプレー142がガスを噴射でき、容疑者の威嚇撃退ができる。即ち、一定のキー操作を行うことでレジ110の店員エリア側にいる強盗などの犯罪者に向けて催涙スプレー142から催涙ガスを発射できる。なお、レジの店員エリア側から売上金を抜取ろうとする人間がいる場合には、そのレジに店員がいないことも多い。その場合には、他のレジから、所定の操作をすると、遠隔操作によって、該当するレジのカメラの撮像動作及び催涙スプレーの噴射動作が行われるようにしておくことによって、犯行者の撮像と撃退を試みることができる。
更にまた、強盗などが店員エリア内に侵入して店員エリア内からレジ110を操作して現金を抜き取る異常操作する行為の抑止及び犯人の特定、若しくは平常時に店員のレジ110の操作で現金を抜き取る行為の抑止及び犯人の特定ができる。
【0026】
上記のように、レジスターに内蔵されたカメラが、レジスターの異常操作又はスプレー噴射操作に起因するセンサ情報に連動して、店員エリア側を向いた映像を取得し、事後検証資料として利用することができる。
またこのように、レジに内蔵若しくはレジ近辺の位置に、カメラを設置することによって、人物の立っている時の顔を下方から(近くでかつ上向きに)撮像でき、犯人の特定がし易くなる。
なおまた、店員のレジスターの売上金抜取り防止対策として、更に、通常のレジ操作でドロワが引き出される都度、カメラが作動し、そのレジの識別番号、売上げ金額、釣銭金額、及び時刻と連動させて記録装置に記録することによって、店員の犯罪行為の摘発ができ。
また設定により、レジスターの異常操作、他のセンサと連動することよって、自動的に催涙スプレーを発射するようにしても良い。
【0027】
また、上記図1及び図2の実施例では、レジに近づいた犯行者若しくは店員を撮像するカメラ、及び催涙スプレーは、レジに内蔵若しくは近傍に設置していた、しかし、レジにじかにとるつけず、レジ台若しくはレジに備えられた固定式若しくはハンディのスキャナー(バーコードリーダ)に取り付けても良いし、レジの近辺の適当な場所にあれば良いことは勿論である。
特に、催涙スプレーは、ハンディのスキャナー(バーコードリーダ)に取り付けておけば、店員が握りる部分にボタン若しくはトリガーを押すか引けば噴射口から催涙ガスが出、それと連動して、カメラの撮像動作や警報が発せられるようにしても良い。
【0028】
また、図2の実施例では、POSシステムを外部に備えていたが、POSシステムを一台のレジ若しくは個々のレジが備えても良い。また更にそれぞれのレジを統合するPOSシステムがあっても良い。
【0029】
以上の機能によって、犯罪の抑止及び事後検証が可能な監視カメラシステムが提供可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の監視カメラシステムの一実施例を説明するための図。
【図2】本発明の監視カメラシステムの一実施例の構成を説明するための図。
【図3】本発明の監視カメラシステムの一実施例の運用手順を説明するためのフローチャート。
【図4】本発明の監視カメラシステムの一実施例の運用手順を説明するためのフローチャート。
【図5】本発明の一実施例のレジの構成を示すブロック図。
【図6】本発明の監視カメラシステムの一実施例の構成を説明するための図。
【符号の説明】
【0031】
110:レジスター、 112,116:表示器、 113,117:表示画面、 114:操作ボタン、 118:ドロア、 120,122:カメラ、 140,142:催涙スプレー、 160:マイク、 220:カメラ、 230:POS売上制御部、 240:カメラ制御部、 250:記録装置、 260:ネットワーク回線、 290:監視対象者、 510:レジ、 512:表示器、 514:入力部、 516:表示器、 518:ドロワ、 520:カメラ、 バス:530、 540:催涙スプレー、 560:マイク、 570:スピーカ、 580:制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗内に設置された監視カメラシステムにおいて、レジスターと、上記レジスターの前に立つ人物の顔部分を下方から撮像するような視野角で設置されるカメラと、上記レジスターの前に立つ人物に向けて噴射するように設置される催涙スプレーと、制御部と、記録装置とを備え、
上記制御部は、上記レジスタの特定の操作により、上記カメラと上記催涙スプレーを作動し、かつ、上記記録装置に上記カメラの撮像した映像を記録することを特徴とする監視カメラシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−122996(P2009−122996A)
【公開日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−296790(P2007−296790)
【出願日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】