説明

監視システム

【課題】敷地内に誤って進入してきた車両に、表示板の点滅や音声による警告を行い、敷地内より速やかに退去させることができる無線応用システムを提供する。
【解決手段】ETCを用いて、構内入口から入る車両がETC車載器搭載車であるか否かを確認し、ETC車載器搭載車である場合にはDSRC無線等の狭帯域無線システムを使用してWCNを読み取り、読み取ったWCNが当該監視システムに登録済みであるか否かを確認することで構内入口を監視する。もし、WCNが登録されていないETC車載器搭載車である場合、若しくはETC車載器非搭載車の場合には、登録外と判定し、構内に設置したLED等の表示機やスピーカ等で警告する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)無線システム等の狭帯域無線システムを使用した車両や人物の監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、一般的な工場では、10トン級の大型トラックによる作業をしている場合もある。また、構内(敷地内)には、そのような大型トラックが頻繁に走っている。
ところが構内に、一般車両や部外者(老人、子供、等)が誤って進入することがあり、危険であることから、従来は、入口や構内に注意警告を促す看板等の設置することや、監視カメラを用いた監視システムによる監視を行っている。しかし、このような措置だけでは、一般車両や部外者の進入対策としては、万全とはいえなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−253828号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
敷地内(構内)に進入してきた車両、人物を管理すると共に、誤って進入した車両や人物に、表示板の点滅や音声による警告を行い、敷地内より速やかに退去させることができる無線応用システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の監視システムは、ETC(Electronic Toll Collection)を用いて、構内入口から入る車両がETC車載器搭載車であるか否かを確認し、ETC車載器搭載車である場合にはDSRC無線等の狭帯域無線システムを使用してWCN(Wireless Call Number)を読み取り、読み取ったWCNが当該監視システムに登録済みであるか否かを確認することで構内入口を監視する。もし、WCNが登録されていないETC車載器搭載車である場合、若しくはETC車載器非搭載車の場合には、登録外と判定し、構内に設置したLED(Light Emitting Diode)等の表示機やスピーカ等で警告し、かつ、退去経路を明示して速やかに退去させようとするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、所定の敷地内にサーバに未登録の車両が入ってきた場合に、当該車両に対して警告および退去のための誘導表示を行うことが可能となるため、一般車両や人物が誤って進入しても、迅速かつ確実に退去してもらうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の監視システムの一実施例を説明するための監視場所の平面図を示す図である。
【図2】本発明の監視システムの入門専用路を監視する監視装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の監視システムの出入口を監視する監視装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の監視システムの出入口を監視する監視装置の一実施例の構成を示すブロック図である
【図5】本発明の監視システムの安全誘導指示装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の監視システムの守衛所の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の監視システムの監視センタの一実施例の一部の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の監視システムの監視センタの一実施例の一部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の監視システムは、あらかじめ移動局に割り当てられたWCNを登録するサーバと、所定の敷地内に進入する前記移動局のWCNを取得するDSRCアンテナと、当該DSRCアンテナと接続され、前記移動局と通信するDSRC無線機と、前記DSRC無線機と前記サーバを接続する通信回線と、警報出力装置と、前記DSRC無線機と前記サーバと通信し前記敷地内に進入する移動局を監視する管理端末とを備え、前記管理端末は、前記DSRCアンテナが取得したWCNが、前記サーバに登録されたWCNであるか未登録のWCNであるかを確認し、未登録のWCNであった場合には、当該移動局に対して、前記警報出力装置を制御して警報を出力することを特徴とする監視システムである。DSRCシステムは、社団法人電波産業会「狭域通信システム標準規格ARIB STD−T75」として定められている。
以下に本発明の監視システムの一実施形態を図1〜図8の図面等を用いて説明する。なお、以下の説明は、本発明の一実施形態を説明するためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素若しくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、これらの実施形態も本願発明の範囲に含まれる。
【0009】
図1は、本発明の監視システムの一実施例を説明するための監視場所の平面図を示す図である。101および103は一般道、105は監視場所の構内、106は正門の守衛所、102は構内105内の外周道路、111は入門専用路、112および113はその他の出入口、11は入門専用路111の監視領域、12は出入口112の監視領域、13は出入口113の監視領域、151は入門専用路111のゲート部、152は出入口112のゲート部、153は出入口113のゲート部、171〜174は安全誘導指示装置の警報ユニットである。なお、構内105の広さは、例えば、縦方向に約100m、横方向に200m程度(守衛所106を除く)である。
監視領域11には監視装置(後述の図2の監視装置141参照)が設置され、監視領域12には監視装置(後述の図3の監視装置142参照)が設置され、監視領域13には監視装置(後述の図4の監視装置143参照)が設置され、また守衛所106内には、監視装置144(後述の図5参照)が設置され、監視システム全体の管理および監視装置141〜144全体を制御する監視センタ140が設置される(後述の図7、図8参照。)。例えば、監視センタ140は、監視装置143と同一建造物(例えば、4階建てのビルの2階に監視装置143、4階に監視センタ140)に設ける。
【0010】
監視装置141と監視センタ140間および監視装置142と監視センタ140間は、光ファイバ回線(図示しない)を使用して接続され、監視装置141と安全誘導指示装置の制御装置および警報ユニット171〜174間は、ツイストペア線(図示しない)で接続されている。また監視装置143と監視センタ140間は、LAN(Local Area Network)回線(図示しない)を使用して接続され、守衛所144と監視センタ140間は、近距離見通し内通信等の高速大容量無線通信システム(図示しない)によって接続されている。高速大容量無線通信システムは、例えば、実行スループット56Mbps(全二重)のデータ伝送量の当社製25GHz帯の小電力データ通信システム(SINELINK25G)である(SINELINKは商標)。
さらに守衛所144と出入口112のゲート部152の出口ゲートの出口開閉機(後述)間、および、守衛所144と出入口113のゲート部153の出口ゲートの出口開閉機(後述)間は、有線ケーブル(図示しない)で接続される。さらに、監視センタ140と出入口112のゲート部152の出口ゲートの出口開閉機(後述)間、および、監視センタ140と出入口113のゲート部153の出口開閉機(後述)間は、有線ケーブル(図示しない)で接続される。
【0011】
図1において、一般道101より構内105に分岐する入門専用路111がある。また、一般道103より、守衛所106の正門から構内105の外周道路102がつながり、外周道路103より構内105に分岐する出入口112および113がある。
一般道101から入門専用路111に、トラック等関係車両がノンストップで、約1日1000台が構内105に入るため、構内105のゲート部151のゲートは常に開いた状態である。そのため、入門専用路111を通って一般車両が誤って構内105に入ることがある。
なお、出入口112と113は、トラック等の関係車両を入れる専用口にはしていない。このため、常に開いた状態ではなく、ゲート部152やゲート部153を通行するためには、許可が必要である。許可は、例えば、守衛所106の警備員、監視センタ140の監視員等によって為される。
【0012】
図2と図5によって、本発明の監視システムの一実施例を、入門専用路111を通って、入構が許可された関係車両の他、一般車両や人物が誤って構内105に入る場合について説明する。
【0013】
図2は、本発明の監視システムの入門専用路111を監視する監視装置141の一実施例の構成を示すブロック図である。監視カメラ211は、監視領域11内のゲート部151を通過する人物を撮像し、検出装置213に出力する。検出装置213は、監視カメラ211が撮像した画像から、進入した人物を周知の画像処理技術を用いて検出し、その検出情報を、監視カメラ211が撮像した画像と共にエンコーダ214に出力する。エンコーダ214は、検出装置213の検出した検出情報と共に、監視カメラ211が撮像した画像をLAN形式の信号にエンコードし、スイッチャ207に出力する。
監視カメラ221は、ゲート部151の車両を撮像し、スイッチャ207に出力する。
監視カメラ211および監視カメラ212の撮像視野範囲は、ゲート部151を人物や車両が通過する領域を含む大きさを有する。
【0014】
ループコイル203は、ゲート部151を通過する車両を検出可能な位置に設置され、ゲート部151を車両が通過するか否かを検出する。検出された結果情報は、ループコイル制御装置204を介してLAN接点変換器206に出力する。LAN接点変換器206は、入力された信号をLAN形式の信号に変換してスイッチャ207に出力する。また、LAN接点変換器206は、スイッチャ207から入力された信号を接点信号形式に変換して、ループコイル制御装置204に出力する。
【0015】
DSRCアンテナ201は、ゲート部151を通過する車両からETC車載器からのWCNを読み取り可能な位置に設けられ、ゲート部151を通過する車両のWCNを読み取り、DSRC無線機202を介してスイッチャ207に送信する。WCNは、あらかじめETC車載器ごとに割り当てられたIDである。
即ち、DSRCアンテナ201は、ゲート部151の監視領域である入口専用路111に対して、常時WCNを要求する信号を送信している。ETC車載器は、ETC車載器搭載車の通行によって入口専用路111に進入して、DSRCアンテナ201からのWCN要求信号を受信すると、その要求に応答して、ETC車載器に設定されているWCNをDSRCアンテナ201に送信する。
DSRCアンテナ201は、受信したWCNを読み取り、DSRC無線機202を介してスイッチャ207に送信する。
【0016】
スイッチャ207は、エンコーダ214、監視カメラ221、DSRC無線機202、LAN接点変換器206、LAN接点変換器251、およびメディアコンバータ252から入力される信号を切替え、指定された機器(エンコーダ214、監視カメラ221、DSRC無線機202、LAN接点変換器206、LAN接点変換器251、およびメディアコンバータ252)に出力するハブである。
LAN接点変換器251は、後述する図5の安全誘導指示装置の制御装置と、ツイストペア線(i)で接続して相互に通信する。
【0017】
メディアコンバータ252は、スイッチャ207から出力される電気信号を光信号に変換し成端箱253に出力する。成端箱253は、入力された光信号を光ファイバを介して後述する図7の監視装置143に出力する。また、成端箱253は、図7の監視装置143から光ファイバ(ii)を介して送信された光信号をメディアコンバータ252に出力する。メディアコンバータ252は、入力された成端箱253からの光信号を電気信号に変換してスイッチャ207に出力する。
【0018】
さて、本発明の監視システムの一実施例においては、トラック等関係車両は、ETC車載器を搭載している。そして、構内105に進入を許可されたトラックが搭載するETC車載器のWCNが、事前にその登録されている。登録されたWCNのリストは、例えば、後述する図8の車両管理装置802に保存される。
【0019】
図2において、ゲート部151を通行しようとする車両は、ループコイル203によって検出され、検出された情報が監視センタ140に送信される。
ゲート部151を通行しようとする車両が、ETC車載器搭載車である場合には、ループコイル203によって検出されると共に、DSRC無線機がWCNを読み取ることによって検出可能である。
もし、ループコイル203がゲート部151を通行しようとする車両を検出し、かつ、DSRC無線機がWCNを読み取れなかった場合には、ゲート部151を通行しようとする車両がETC車載器搭載車ではないと判定可能である。従って、監視センタ140は、この場合には、ゲート部151を通過する車両が通行許可を受けた車両(トラック等関係車両)ではないと判定する。
もし、ループコイル203がゲート部151を通行しようとする車両を検出し、かつ、DSRC無線機がWCNを読み取った場合には、ゲート部151を通行しようとする車両がETC車載器搭載車であると判定できる。この場合には、監視センタ140は、さらに読み取ったWCNが許可された(登録された)車両のWCNであるか否かを判定する。WCNが登録されたWCNでなければ、監視センタ140は、ゲート部151を通行しようとする車両が通行許可を受けた車両(トラック等関係車両)ではないと判定する。また、WCNが登録されたWCNであれば、監視センタ140は、ゲート部151を通行しようとする車両が通行許可を受けた車両(トラック等関係車両)であると判定する。
【0020】
ループコイル203は、ゲート部151を通行する人物を検出できない。このため、検出装置213が、監視カメラ211によって撮像された画像を画像処理し、通行する人物を検出する。検出された情報は、監視センタ140に送信される。
【0021】
次に、図5は、本発明の監視システムの安全誘導指示装置500の一実施例の構成を示すブロック図である。監視装置141のLAN接点切替器251とLAN(i)で接続された制御装置501には、監視装置141のスイッチャ207から制御信号が入力される。制御装置501は、入力された制御信号に基づいて警報ユニット171〜174を制御し、それぞれの警報ユニット171〜174に設けられたLED表示装置に所定の文字列を表示する。また、制御装置501は、それぞれの警報ユニット171〜174に設けられたスピーカを制御し、警報音や警告の疑似声を出力させる。なお、文字列、警報音、警告の疑似声は、あらかじめ定められた表示文字列、ブザー音、あるいは警告声であっても良い。また、警報ユニット171〜174は、パトライト(商標)等の警告表示灯であっても良い。
【0022】
さて、図1、図2および図5において、監視センタ140が、ゲート部141を通行した車両が登録車でないと判定した場合、若しくは、ゲート部141を人物が通行したと判定した場合の本発明の監視システムの一実施例を説明する。
監視センタ140は、構内105の私用道路内の表示機やスピーカ等の警報ユニット171〜174を用いて、ここは立ち入り禁止区域ということを一般車両へ認識させ、速やかに、表示機(LEDやパトライト)、スピーカ等の警告音で構内を退出するように注意する。好ましくは、退出をスムースに進ませるために、退出方向を上記表示機やスピーカ等で誘導し、移動を助けるようにしても良い。
【0023】
その際、入門専用路111を除く、退出口である出入口112、113の出口のゲート部152、153においては、ETC搭載車はWCNを読み取られ、未登録車両の場合には、WCNに基づいて、自動的にゲート部152若しくは153のゲートを開ける。ETC車載器非搭載車の場合には、ゲート部152、153に設けた構内電話等の連絡手段を用いて連絡し、守衛所144の警備員等と連絡をとる。守衛所144では、警備員等がゲート監視カメラ等で確認し、ゲート部152若しくは153のゲートを開ける(後述の図3、図4参照)。
【0024】
なお、入門専用路111以外の残りの出入口112、113に、例えば、後述する図3若しくは図4に示すゲート部にゲート開閉制御機構を設け、DSRC無線機を設置し、WCN登録済の車両の場合にはゲートを開けて、出入口112若しくは出入口113を通行できるようにしている。
また、本発明の監視システムにおいては、事前登録が基本であり、事前に登録されていない(未登録)のトラックやその他の車両に対して、ゲートが開かない。この時には、乗員がゲート部152、153についている構内電話等で守衛所144等に連絡し、出入口112、113のゲート部152、153出口のゲートを開けてもらうことになる。なお、守衛所144等の警備員や監視センタ140の監視員は、通常の場合、守衛所144等の管理PC画面や管理端末装置の画面に、未登録車両検出のアラームが通知され、未登録車両検出のアラーム情報が画面表示される。これによって、警備員や監視員は、即座に、未登録車両が検出されたゲート部を撮像している監視カメラの映像を見ることができる。従って、警備員や監視員は、画面表示を確認することによって、ゲート部152、153のゲートの開閉を手動で行うことが、迅速かつ適切に実行可能である。
【0025】
また、本発明の監視システムは、ETC車載器でなく、ITS(Intelligent Transport Systems)車載器を搭載した車両の場合にも適用可能である。例えば、ICカードが読める車載器であればそのまま差し込む。ICカードが読めないITS車載器であれば、別でカードリーダを用意し、USB等で接続してそのカードリーダ経由で、予め関係者全員に配布してある非接触カード等(社員証と兼用にもできる)を読み取らせる。当該カードが、社員証、入門証等であることによって、車両の管理はもちろん、人物の入門や退出の管理をするようにしても良い。
さらに、各監視装置141〜143に監視カメラを設け、各ゲート部を撮像させる。監視カメラが撮像した画像データを、ゲート部若しくは出入口の、場所、撮影日時、通過車両1台1台の静止画、およびWCN(認識されたコード、若しくは“コードなし”の情報)と関連付けて、後述するNDR(Network Digital Recorder)(商標)等の映像記録装置によって管理する。また、指定の車両、または指定の人物が、入門若しくは退出した(ゲートを通行した)場合に、所定のE−mailアドレスに通知する。
【0026】
さらに、守衛所が複数あり、公道など有線ケーブルが設けられない場合は、近距離見通し内通信等による高速大容量無線通信システムシステムを使い、LAN回線を構築できる。
さらにまた、構内105に、ゲート部の出入り口以外の場所(例えば、柵)を人物が誤って乗り越えてきた(進入してきた)場合には、構内105を監視する監視システムで侵入者を検知し、管理PCにアラームと画像を表示することもできる。
【0027】
図3は、本発明の監視システムのゲート部152の出入口112を監視する監視装置142の一実施例の構成を示すブロック図である。
ゲート部152には、専用の出口と専用の入口とがそれぞれ設けられ、監視カメラ315は、ゲート部152のゲート出口から構内105を出る車両を撮像し、スイッチャ314に出力する。同様に、監視カメラ316は、ゲート部152のゲート入口から構内105に入る車両を撮像し、スイッチャ314に出力する。
【0028】
ループコイル305は、ゲート部152のゲート出口に設置され、車両が当該ゲート出口を通行しようとするか否かを検出する。検出された結果情報は、ループコイル制御装置307を介してLAN接点変換器308に出力する。LAN接点変換器308は、入力された信号をLAN形式の信号に変換してスイッチャ314に出力する。また、LAN接点変換器308は、スイッチャ314から入力された信号を接点信号形式に変換して、ループコイル制御装置307に出力する。ゲート306は、ループコイル制御装置307に制御され開閉される。
同様に、ループコイル309は、ゲート部152のゲート入口に設置され、車両が当該ゲート入口を通行しようとするか否かを検出する。検出された結果情報は、ループコイル制御装置312を介してLAN接点変換器313に出力する。LAN接点変換器313は、入力された信号をLAN形式の信号に変換してスイッチャ314に出力する。また、LAN接点変換器313は、スイッチャ314から入力された信号を接点信号形式に変換して、ループコイル制御装置309に出力する。ゲート310は、ループコイル制御装置312に制御され開閉される。
【0029】
また、ループコイル制御装置307は、LAN回線(iv)を介して、監視センタ140と守衛所144の開閉スイッチ遠隔制御ユニットに制御され、監視センタ140の監視員若しくは守衛所144の警備員の開閉スイッチ遠隔制御ユニットの制御に基づいてゲート306を開閉する。
DSRCアンテナ301は、ゲート部152のゲート出口を通行しようとする車両のWCNを読み取り、DSRC無線機302を介してスイッチャ314に送信する。
DSRCアンテナ303は、ゲート部152のゲート入口を通行しようとする車両のWCNを読み取り、DSRC無線機304を介してスイッチャ314に送信する。
ループコイル305は、ゲート部152のゲート出口を通行しようとする車両を検出できる位置に設けられ、DSRCアンテナ301は、ゲート部152のゲート出口を通行しようとする車両からETC車載器からのWCNを読み取り可能な位置に設けられる。また、ループコイル309は、ゲート部152のゲート入口を通行しようとする車両を検出できる位置に設けられ、DSRCアンテナ303は、ゲート部152のゲート入口を通行しようとする車両からETC車載器からのWCNを読み取り可能な位置に設けられる。
【0030】
スイッチャ314は、監視カメラ315、監視カメラ316、DSRC無線機304、LAN接点変換器308、LAN接点変換器313、およびメディアコンバータ317から入力される信号を切替え指定された機器に切替えて出力するハブである。
メディアコンバータ317は、スイッチャ314から出力される電気信号を光信号に変換し成端箱318に出力する。成端箱318は、入力された光信号を光ファイバ(iii)を介して後述する図7の監視装置143に出力する。また、成端箱318は、図7の監視装置143から光ファイバを介して送信された光信号をメディアコンバータ252に出力する。メディアコンバータ252は、入力された成端箱253からの光信号を電気信号に変換してスイッチャ207に出力する。
【0031】
図3の実施例によれば、ゲート部152のゲート出口若しくはゲート入口を通行しようとする車両は、ループコイル305若しくはループコイル309によって検出され、検出されたことを示す情報が監視センタ140に送信される。
ゲート部152を通行しようとする車両が、ETC車載器搭載車である場合には、ループコイル203によって検出されると共に、DSRC無線機がWCNを読み取ることによって検出可能である。
もし、ループコイル203によってゲート部152を通行しようとする車両が検出され、かつ、DSRC無線機でWCNが読み取れなかった場合には、ゲート部151を通行しようとする車両がETC車載器搭載車ではないと判定可能である。従って、監視センタ140は、この場合には、ゲート部152を通行しようとする車両が通行許可を受けた車両(トラック等の関係車両)ではないと判定する。
もし、ループコイル203によってゲート部152を通行しようとする車両が検出され、かつ、DSRC無線機でWCNが読み取った場合には、ゲート部152を通行しようとする車両がETC車載器搭載車であると判定される。この場合には、監視センタ140は、さらに読み取ったWCNを許可された(登録された)車両のWCNであるか否かを判定する。WCNが登録されたWCNでなければ、監視センタ140は、ゲート部152を通行しようとする車両が通行許可を受けた車両(トラック等の関係車両)ではないと判定する。また、WCNが登録されたWCNであれば、監視センタ140は、ゲート部152を通行しようとする車両が通行許可を受けた車両(トラック等の関係車両)であると判定する。
【0032】
図4は、本発明の監視システムの出入口113を監視する監視装置143の一実施例の構成を示すブロック図である。
図4は、図3とほぼ同様の構成であり、スイッチャ314と監視センタ140との通信手段が、図3の光ファイバ(iii)接続に対して、LAN(v)接続であることが異なる。なお、ループコイル制御装置307は、監視センタ140と守衛所144とに、LAN(vi)で接続されている。
他は、図3と同様なので、説明を省略する。
【0033】
次に、図5は、本発明の監視システムの安全誘導指示装置500の一実施例の構成を示すブロック図である。監視装置141のLAN接点切替器251とLAN(i)で接続された制御装置501には、監視装置141のスイッチャ207からの制御信号が入力される。制御装置501は、入力された制御信号に基づいて警報ユニット171〜174を制御し、それぞれの警報ユニット171〜174に設けられたLED表示装置に所定の文字列を表示する。また、制御装置501は、それぞれの警報ユニット171〜174に設けられたスピーカを制御し、警報音や警告の疑似声を出力させる。なお、文字列、警報音、警告の疑似声は、あらかじめ定められた表示文字列、ブザー音、あるいは警告声であっても良い。また、警報ユニット171〜174は、パトライト(商標)等の警告灯であっても良い。
【0034】
図6は、本発明の監視システムの守衛所144の一実施例の構成を示すブロック図である。開閉スイッチ遠隔制御ユニット604は、守衛所144の警備員が手動で操作して、遠隔に設置された(図1参照)監視装置142および143の出口ゲート306を開閉するもので、前述したように、LAN回線(iv)、(vi)で監視装置142、143のループコイル制御装置307に接続されている。なお、図3、図4では、出口ゲート306のループコイル制御装置307にしか接続していないが、入口ゲート310のループコイル制御装置312にも接続されて良いことはもちろんである。
高速無線装置603は、後述する図7の高速無線装置751と、近距離見通し内通信等の高速大容量無線通信システムで監視センタ140からの信号を受信し、スイッチャ602に出力する。同様に、高速無線装置603は、スイッチャ602から入力される信号を、監視センタ140の高速無線装置751に送信する。
スイッチャ602は、管理端末装置601および高速無線装置603から入力される信号を、切替えて出力するハブである。
【0035】
管理端末装置601は、例えば、PCであり、表示部、マウス、キーボード等を有し、表示部の表示画面をGUI(Graphical User Interface)操作で操作されるか、または、専用の操作器にて操作される。管理端末装置601の表示部には、監視員が確認できるように、監視員の操作若しくは所定の監視アプリケーションプログラムに従って、前述のGUI操作のために表示される図形の他、監視装置141〜144から送信されるそれぞれの監視カメラが取得した画像、検出装置が検出した人物の検出情報、ループコイルが検出した情報、DSRC無線機のWCN検出情報(ETCの検出情報)、各ゲートの開閉状態等の情報を、所定の表示形式で表示する。
なお、管理端末装置601と開閉スイッチ遠隔制御ユニット604とを直接接続し、管理端末装置601からの操作によって、開閉スイッチ遠隔制御ユニット604を操作するようにしても良い。
【0036】
図7は、本発明の監視システムの監視センタ140の一実施例の一部の構成を示すブロック図である。
監視カメラ711は、ゲート部152の出入口から構内105に進入する人物を撮像し、検出装置713に出力する。検出装置713は、監視カメラ711が撮像した画像から、進入した人物を周知の画像処理手段によって検出し、その検出情報を、監視カメラ711が撮像した画像と共にエンコーダ714に出力する。エンコーダ714は、監視カメラ711が撮像した画像をエンコードし、有線ケーブル(x)を介して、検出装置713の検出した検出情報と共に、監視センタ140内のスイッチャ715に出力する。
同様に、監視カメラ721は、ゲート部153の出入口から構内105に進入する人物を撮像し、検出装置723に出力する。検出装置723は、監視カメラ721が撮像した画像から、進入した人物を周知の画像処理手段によって検出し、その検出情報を、監視カメラ721が撮像した画像と共にエンコーダ724に出力する。エンコーダ724は、監視カメラ721が撮像した画像をエンコードし、有線ケーブル(xi)を介して、検出装置723の検出した検出情報と共に、監視センタ140内のスイッチャ715に出力する。
なお、監視カメラ711だけを、ゲート部152の出入口を撮像可能な位置に設置し、検出装置713およびエンコーダ714を監視センタ140内に設け、監視カメラ711とスイッチャ715間を有線ケーブル(x)で接続するようにしても良い。同様に、監視カメラ721だけを、ゲート部152を撮像可能な位置に設置し、検出装置723およびエンコーダ724を監視センタ140内に設け、監視カメラ721とスイッチャ715間を有線ケーブル(xi)で接続するようにしても良い。
【0037】
スイッチャ715は、エンコーダ714(有線ケーブル(x))、エンコーダ724(有線ケーブル(xi))、メディアコンバータ754、メディアコンバータ752、高速無線装置751、有線ケーブル(v)、有線ケーブル(viii)、および有線ケーブル(ix)から入力される信号を切替え指定された機器に切替えて出力するハブである。
【0038】
メディアコンバータ752は、スイッチャ715から出力される電気信号を光信号に変換し成端箱753に出力する。成端箱753は、メディアコンバータ752から入力された光信号を光ファイバ(ii)を介して図2の監視装置141に出力する。また、成端箱753は、図2の監視装置141から光ファイバ(ii)を介して送信された光信号をメディアコンバータ752に出力する。メディアコンバータ752は、成端箱753から入力された光信号を電気信号に変換してスイッチャ715に出力する。
同様に、メディアコンバータ754は、スイッチャ715から出力される電気信号を光信号に変換し成端箱755に出力する。成端箱755は、メディアコンバータ754から入力された光信号を光ファイバ(iii)を介して図3の監視装置142に出力する。また、成端箱755は、図3の監視装置142から光ファイバ(iii)を介して送信された光信号をメディアコンバータ754に出力する。メディアコンバータ754は、成端箱755から入力された光信号を電気信号に変換してスイッチャ715に出力する。
【0039】
高速無線装置751は、図6の高速無線装置603と、近距離見通し内通信等の高速大容量無線通信システムで監視装置144からの信号を受信し、スイッチャ715に出力する。同様に、高速無線装置751は、スイッチャ715から入力される信号を、監視装置144の高速無線装置603に送信する。
【0040】
図8は、本発明の監視システムの監視センタ140の一実施例の一部の構成を示すブロック図である。本発明の監視システムでは、図7と図8とによって監視センタ140を構成している。例えば、図7の構成は、建物または施設の2階部分に設置され、図8の構成は、同じ建物または施設の4階に設置される。図8によって、監視センタ140内に設けられた他の機器の一実施例を説明する。なお、別の施設や建物でも良い。
図8において、NDR等の映像記録装置801は、LAN(v)で図7のスイッチャ215と接続され、相互にアクセスする。例えば、映像記録装置801は、スイッチャ715から入力されたデータを記憶部に書き込み、かつ、スイッチャ715から要求されたデータをスイッチャ715に読み出す。
また、車両管理装置802は、LAN(viii)で図7のスイッチャ215と接続され、相互にアクセスする。例えば、車両管理装置802は、スイッチャ715から入力されたデータを表示部に表示する。また例えば、車両管理装置802は、PCであり、表示部、マウス、キーボード等を有し、表示部の表示画面をGUI(Graphical User Interface)操作で操作されるか、または、専用の操作器にて操作される。車両管理装置802の表示部には、管理人が確認できるように、管理人の操作若しくは所定の監視アプリケーションプログラムに従って、前述のGUI操作のために表示される図形の他、監視装置141〜144や映像記録装置801からスイッチャ715を介して送信されるそれぞれの監視カメラが取得した画像、DSRCの検出情報、ETCの検出情報、各ゲートの開閉状態等の情報を、所定の表示形式で表示する。
【0041】
なお、上述の図3と図4の実施例で説明したように、出入口112と113では、監視センタ140は、WCNを許可された(登録された)車のWCNでなければ、ゲート部152および153を通行できない。
本発明の一実施例では、入口専用路111を間違えて通行した、許可されていない車が構内から出る場合には、監視センタ140若しくは守衛所144から、出入口112のゲート部152若しくは出入口113のゲート部153に、手動で制御信号が送信されることによって、出口ゲートが開くようにして、構内105から外に出ることができるようにしている。
しかし、入口専用路111を通行する未登録の車が検出された場合に、監視センタ140に一時的に登録され、出口ゲートのいずれか1つが開になったことを検出して、一時的な登録を解除するようにしても良い。この結果、監視センタ140若しくは守衛所144から、監視員若しくは警備員が手動で操作する必要が無くなり、出入口の出口ゲートを1回だけ自動的に開閉を実行することができる。
【0042】
なお、上記実施例では、車のゲート通行をループコイルおよびループコイル制御装置が検出していた。しかし、取り扱う製品によっては、どこの運送会社がどれくらいの量の製品を運んできたかを管理する。従って、1台1台、トラックの積荷の量を測定する。例えば、その方法としては、1台1台のトラックを重量計で測定している。この重量計を用いることによって重量の変化を検出し、変化を検出して車のゲート通行を検出するようにしても良い。
即ち、重量計を設置している場所に、DSRC無線機を取り付けておけば、ETC車載器のWCNコードや、ITS車載器およびカードリーダのカード情報等で、自動的に重量(積荷)と車両(運送会社)と人物などをサーバに登録(関連付け)できる。
なお、本発明の監視システムにおける各装置において、可能な電源供給システムは、任意であり、システムの設置条件等にもよるので、特に言及はしない。また、装置の信頼性を高めるために、無停電電源装置(UPS:Uninterruptible Power Supply)等を使用することはもちろん、便宜的なシステムとして、ツイストペア線、LANケーブル、等の使用によるPoE(Power over Ethernet(登録商標))を、一部または全部のシステムに適用しても良い(Ethernet(登録商標)は商標)。また、PLC(Power Line Communications)によって信号伝送するようにしても良い。
【符号の説明】
【0043】
11〜13:監視領域、 101、103:一般道、 102:外周道路、 105:構内、 106:守衛所、 111:入門専用路、 112、113:出入口、 140:監視センタ、 141〜144:監視装置、 151〜153:ゲート部、 171〜174:警報ユニット、 201:DSRCアンテナ、 202:DSRC無線機、 203:ループコイル、 204:ループコイル制御装置、 206、251:LAN接点変換器、 207:スイッチャ、 211、221:監視カメラ、 213:検出装置、 214:エンコーダ、 252:メディアコンバータ、 253:成端箱、 301、303:DSRCアンテナ、 302、304:DSRC無線機、 305、309:ループコイル、 306、310:ゲート、 307、312:ループコイル制御装置、 308、313:LAN接点変換器、 314:スイッチャ、 315、316:監視カメラ、 317:メディアコンバータ、 318:成端箱、 500:安全誘導指示装置、 501:制御装置、 601:管理端末装置、 602:スイッチャ、 603:高速無線装置、 604:開閉スイッチ遠隔制御ユニット、 801:映像記録装置、 802:車両管理装置、 803:管理端末装置、 804:開閉スイッチ遠隔制御ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
あらかじめ移動局に割り当てられたWCNを登録するサーバと、所定の敷地内に進入する前記移動局のWCNを取得するDSRCアンテナと、当該DSRCアンテナと接続され、前記移動局と通信するDSRC無線機と、前記DSRC無線機と前記サーバを接続する通信回線と、警報出力装置と、前記DSRC無線機と前記サーバと通信し前記敷地内に進入する移動局を監視する管理端末とを備え、前記管理端末は、前記DSRCアンテナが取得したWCNが、前記サーバに登録されたWCNであるか未登録のWCNであるかを確認し、未登録のWCNであった場合には、当該移動局に対して、前記警報出力装置を制御して警報を出力することを特徴とする監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−59029(P2012−59029A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201826(P2010−201826)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】