説明

監視映像記録装置

【課題】データ量を抑制しながら映像の全領域を高画質に記録する、監視映像記録装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の監視映像記録装置は、監視映像を圧縮画像データとして圧縮する画像圧縮処理手段100と、監視映像中に人物顔の有無を検出する顔検出処理手段102と、圧縮画像データを記録する記録手段101と、を備え、画像圧縮処理手段100は、顔検出処理手段102の検出結果に応じて監視映像の圧縮率を変更することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視映像を圧縮して記録媒体に記録する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の監視映像記録装置は、監視している画像の内容に関係なく予め設定した圧縮率で監視画像を圧縮したデータを記録するものであり、記録時間を長くするためには高い圧縮率とする必要があるため十分な画質が得られず、画質を良くするために圧縮率を下げると記録時間が短くなることから、記録時間の長さと画質が両立し難いという問題があった。
【0003】
この改善策として、人物の顔部分など特定部分のみに符号量を多く割り当て、高解像度化する技術がある(特許文献1)。又、画素数の高い原画像から、原画像より画素数の低い全体画像と部分画像を作成する技術も開示されており(特許文献2)、これによれば全体画像をズームアップした部分画像も高解像度にすることが出来る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−219396号公報
【特許文献2】特開2006−109119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述した技術は映像の特定領域のみの画質を向上させており、映像の全領域にわたって高画質にはなされていない。そこで、本発明はデータ量を抑制しながら映像の全領域を高画質にする監視映像記録装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の監視映像記録装置は、監視映像を圧縮画像データとして圧縮する画像圧縮処理手段と、監視映像中に人物顔の有無を検出する顔検出処理手段と、圧縮画像データを記録する記録手段と、を備え、画像圧縮処理手段は、顔検出処理手段の検出結果に応じて監視映像の圧縮率を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の監視映像記録装置において、画像圧縮処理手段は、顔検出処理手段の検出結果に応じて監視映像の圧縮率を変更することを特徴とする。人物顔を含む映像のみを低圧縮率にすることにより、データ量を抑制しながら映像の全領域を高画質にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る監視映像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る監視映像記録装置の動作を示す図である。
【図3】実施の形態1に係る監視映像記録装置の動作を示す図である。
【図4】実施の形態2に係る監視映像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態2に係る監視映像記録装置の動作を示す図である。
【図6】実施の形態3に係る監視映像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態3に係る監視映像記録装置の動作を示す図である。
【図8】実施の形態3に係る監視映像記録装置の動作を示す図である。
【図9】実施の形態4に係る監視映像記録装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
<構成>
図1は、実施の形態1の監視映像記録装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1の監視映像記録装置は、監視カメラからの映像を圧縮する画像圧縮処理手段100と、監視カメラからの映像中に人物顔の有無を検出する顔検出処理手段102と、画像圧縮処理手段100から出力される圧縮画像データを記録する圧縮画像データ記録手段101と、を備える。
【0010】
<動作>
監視映像記録装置は、監視カメラの映像を所定の圧縮率で圧縮して記録する装置である。画像圧縮処理手段100は、監視カメラからの映像を例えばJPEGやMPEGなどの圧縮方式に従い圧縮画像データに変換する。一般に圧縮率が高いと、出力される圧縮画像データのサイズは小さくなり長時間の記録が可能となる反面、画質は悪くなる。逆に、圧縮率が低いと、圧縮画像データのサイズは大きくなり記録時間は短くなるが画質は良くなる。画像圧縮処理手段100はこの圧縮率を外部から可変調整することが可能である。
【0011】
顔検出処理手段102は周知の手法により、監視カメラからの映像中に人物顔の有無を検出する。例えば特開2004−252940号公報には、画像内の顔などのオブジェクトを検出する方法が開示されており、このような方法を用いることが出来る。判定結果は画像圧縮処理手段100に伝えられ、判定結果が人物顔の存在を示す場合に画像圧縮処理手段100は圧縮率を低くし、高画質な圧縮画像データを出力する。一方、顔検出処理手段102の判定結果が人物顔の不存在を示す場合、画像圧縮処理手段100は圧縮率を高くし、小さなサイズの圧縮画像データを出力する。
【0012】
圧縮画像データ記録手段101は図示しない記録媒体に画像圧縮処理手段100から出力される圧縮画像データを記録する。
【0013】
図1に示した実施の形態1の構成では、人物顔を検出することで監視カメラ映像中に人物が映っていることを判断できる。監視映像では不審人物とその周囲の状況の撮影が重要である。画像圧縮処理手段100は顔検出処理手段102による人物顔の有無判断に基づいて圧縮率を変化させるように動作する。人物顔が検出された時、すなわち人物が存在している画像は低圧縮で高画質となる。一方で、人物顔が検出されないときには高圧縮にすることにより圧縮画像データのサイズを小さく抑え、記録可能な時間を長くできる。
【0014】
上記構成としているので、人物顔が検出されてからの記録画像は高画質になり、またその人物顔が画面から消滅したあとは低画質ではあるが長時間記録可能な高圧縮となる。このように、人物顔の有無によって画像圧縮率を変化するようにしたので、監視上重要な不審人物が映っているときには高画質で記録し、人物顔が存在しないときは長時間記録に適した高圧縮での記録が可能となり、効率の良い監視映像の記録が実現できる。
【0015】
すなわち、実施の形態1の監視映像記録装置は、監視映像を圧縮画像データとして圧縮する画像圧縮処理手段100と、監視映像中に人物顔の有無を検出する顔検出処理手段102と、圧縮画像データを記録する記録手段101と、を備え、画像圧縮処理手段は、顔検出処理手段の検出結果に応じて監視映像の圧縮率を変更することを特徴とする。人物顔を検出した場合にのみ低圧縮率で圧縮すれば人物顔を含む映像のみ高画質にすることができ、データ量を抑制しながら必要な映像を高画質にすることが出来る。
【0016】
又、画像圧縮処理手段100は、圧縮率が可変の単一の画像圧縮処理手段を備え、当該処理手段により顔検出処理手段102の検出結果に応じて圧縮率を可変調整することを特徴とする。人物顔を検出した場合にのみ可変調整を行って低圧縮率で圧縮することにより、人物顔を含む映像のみ高画質にすることができ、データ量を抑制しながら必要な映像を高画質にすることが出来る。
【0017】
<圧縮率変更のタイミング>
画像圧縮処理手段100はMPEGによる画像圧縮を行うものとすると、イントラフレーム(Iフレーム)から圧縮率を変更するか、Iフレームを置換した上で圧縮率を変更する方法が考えられる。
【0018】
図2は、イントラフレームから圧縮率を変更する画像圧縮処理手段100の動作を説明する図である。画像圧縮処理手段100は、監視カメラからの映像を受け、顔検出処理手段102の判定結果に基づいて圧縮画像データ501を生成する。ここでは、映像500aから人物顔が含まれているものとする。圧縮画像データはMPEGデータであり、図2中、イントラフレーム(Iフレーム)を「I」、前方向予測によるフレーム(Pフレーム)を「P」と表記している。圧縮画像データ501はIフレームと、その後に続く5枚のPフレームの繰り返しになっている。
【0019】
顔検出処理手段102は映像500aの前映像までは人物顔を検出しないため、画像圧縮処理手段100はこれらの映像を高圧縮率で圧縮する。映像500aで顔検出処理手段102は人物顔を検出するが、画像圧縮処理手段100は映像500aに対応するフレーム501aでは圧縮率の変更を行わない。フレーム501aはPフレームであり、途中のPフレームから圧縮率を下げて符号量を増大させても、見合った画質改善はなされないからである。よって、フレーム501aの次に来る最初のIフレーム501bにおいて、圧縮率を低圧縮率に変更し、Iフレーム501b以降の画像が高画質となる。
【0020】
すなわち、画像圧縮処理手段100はMPEG方式の圧縮を行い、顔検出処理手段102が人物顔を検出したフレーム以後の最初のイントラフレームから圧縮率を可変調整することを特徴とする。このように、圧縮率の変更をIフレームから始めることにより、MPEGにおいて最初の参照画像とするIフレームから画質が変化するので、圧縮率を下げても画質が改善されないなどの無駄がない、効率的な画像圧縮が行える。
【0021】
次に、別の方法として、置換したIフレームから圧縮率を変更する例を図3を用いて説明する。図3は監視カメラ映像を受けた画像圧縮処理100の画像圧縮動作を説明した図であり、図2と同一の構成要素には同一の番号を付している。画像圧縮処理100は監視カメラ映像500を受ける。映像500aから人物顔が含まれているものとする。顔検出処理が映像500aに人物顔が含まれていることを検出すると、画像圧縮処理100は映像500aに対応する画像圧縮データ501のフレーム502aがPフレームであればIフレームに置換し、当該Iフレーム502aから低圧縮率で圧縮する。よって、Iフレーム502a以降の画像が高画質となる。
【0022】
すなわち、画像圧縮処理手段100はMPEG方式の圧縮を行い、顔検出処理手段102が人物顔を検出したフレームがイントラフレームでない場合はイントラフレームに置換し、当該イントラフレームから圧縮率を可変調整することを特徴とする。このように、圧縮率の変更をIフレームから始めることにより、MPEGにおいて最初の参照画像とするIフレームから画質が変化するので、圧縮率を下げても画質が改善されないなどの無駄がない、効率的な画像圧縮が行える。
【0023】
<効果>
実施の形態1の監視映像記録装置によれば、既に述べたように以下の効果を奏する。すなわち、実施の形態1の監視映像記録装置は、監視映像を圧縮画像データとして圧縮する画像圧縮処理手段100と、監視映像中に人物顔の有無を検出する顔検出処理手段102と、圧縮画像データを記録する記録手段101と、を備え、画像圧縮処理手段は、顔検出処理手段の検出結果に応じて監視映像の圧縮率を変更することを特徴とする。人物顔を検出した場合にのみ低圧縮率で圧縮すれば人物顔を含む映像のみ高画質にすることができ、データ量を抑制しながら必要な映像を高画質にすることが出来る。
【0024】
又、画像圧縮処理手段100は、圧縮率が可変の単一の画像圧縮処理手段を備え、当該処理手段により顔検出処理手段102の検出結果に応じて圧縮率を可変調整することを特徴とする。人物顔を検出した場合にのみ可変調整を行って低圧縮率で圧縮することにより、人物顔を含む映像のみ高画質にすることができ、データ量を抑制しながら必要な映像を高画質にすることが出来る。
【0025】
すなわち、画像圧縮処理手段100はMPEG方式の圧縮を行い、顔検出処理手段102が人物顔を検出したフレーム以後の最初のイントラフレームから圧縮率を可変調整することを特徴とする。このように、圧縮率の変更をIフレームから始めることにより、MPEGにおいて最初の参照画像とするIフレームから画質が変化するので、圧縮率を下げても画質が改善されないなどの無駄がない、効率的な画像圧縮が行える。
【0026】
すなわち、画像圧縮処理手段100はMPEG方式の圧縮を行い、顔検出処理手段102が人物顔を検出したフレームがイントラフレームでない場合はイントラフレームに置換し、当該イントラフレームから圧縮率を可変調整することを特徴とする。このように、圧縮率の変更をIフレームから始めることにより、MPEGにおいて最初の参照画像とするIフレームから画質が変化するので、圧縮率を下げても画質が改善されないなどの無駄がない、効率的な画像圧縮が行える。
【0027】
(実施の形態2)
<構成>
図4は、実施の形態2の監視映像記録装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1と同一の構成要素には同一の番号を付している。実施の形態2の監視映像記録装置は、監視カメラからの映像中に人物顔の有無を検出する顔検出処理手段102と、監視カメラからの映像を圧縮する画像圧縮処理手段として、所定の第1圧縮率で圧縮し、第1圧縮画像データとして出力する第1画像圧縮処理手段200aと、第1圧縮率よりも低い第2圧縮率で圧縮し、第1圧縮画像データとして出力する第2画像圧縮処理手段200bとを備え、顔検出処理手段102の検出結果に応じて第1、第2画像圧縮処理手段の出力を選択する圧縮画像データ選択手段201と、圧縮画像データ選択手段102が選択した圧縮画像データを記録する圧縮画像データ記録手段101と、を備える。
【0028】
すなわち、画像圧縮処理手段は、第1圧縮率で監視映像を圧縮し、第1圧縮画像データとして出力する第1画像圧縮処理手段200aと、第1圧縮率よりも低い第2圧縮率で監視映像を圧縮し、第2圧縮画像データとして出力する第2画像圧縮処理手段200bと、検出結果に応じて第1圧縮画像データ又は第2圧縮画像データを選択する選択手段201と、を備え、記録手段101は、選択手段201で選択された圧縮画像データを記録することを特徴とする。人物顔を検出した場合に低圧縮率の圧縮画像データを選択し、検出しない場合には高圧縮率の圧縮画像データを選択することにより、データ量を抑制しながら必要な映像を高画質にすることが出来る。
【0029】
<動作>
次に、実施の形態2の監視映像記録装置の動作を説明する。第1画像圧縮処理手段200aは監視カメラの映像を受け、これを第1圧縮率で圧縮し、第1圧縮画像データとして圧縮画像データ選択手段201へ出力する。第2画像圧縮処理手段200bも同様に、監視カメラの映像を受け、これを第2圧縮率で圧縮し、第2圧縮画像データとして圧縮画像データ選択手段201へ出力する。
【0030】
顔検出処理手段102は、監視カメラの映像を受け、その中の人物顔の有無を検出して検出信号を圧縮画像データ選択手段201に出力する。圧縮画像データ選択手段201は、顔検出処理手段102から検出信号を受け、監視カメラの映像中に人物顔が検出されていなければ第1画像圧縮処理手段200aで生成された高圧縮率の第1圧縮画像データを選択する。監視カメラの映像中に人物顔が検出されていれば、第2画像圧縮処理手段200bで生成された亭圧縮率の第2圧縮画像データを選択する。圧縮画像データ選択手段201が選択した圧縮画像データは、圧縮画像データ記録手段101によって記録媒体(図示せず)に記録される。
【0031】
図2に示した実施の形態2の構成では、監視カメラからの映像に対して高圧縮画像データを出力する第1画像圧縮処理手段200aと、低圧縮画像データを出力する第2画像圧縮処理手段200bを設け、それら2つの画像圧縮処理手段200a、200bから出力される圧縮画像データを人物顔の有無に応じて選択的に切り替えて記録するようにしたので、画像圧縮処理手段が圧縮率を随時変更できないような場合においても、人物顔が存在するときには高画質で、人物画が無いときには長時間記録に適した高圧縮で記録することが可能となる。
【0032】
本実施の形態では、高圧縮を行う第1画像圧縮処理手段200aと、低圧縮を行う第2画像圧縮処理手段200bを設け、それらを切り替えて記録するような構成としたので、画像圧縮処理手段が圧縮率を随時変更できないような場合においても、実施の形態1の場合と同様に、監視上重要な不審人物が映っているときには高画質で記録し、人物顔が存在しないときは長時間記録に適した高圧縮で記録する効率的な運用が可能になる。
【0033】
第1、第2画像圧縮処理手段がMPEG方式の圧縮を行うとすれば、圧縮画像データ選択手段201における圧縮画像データの選択変更のタイミングは、実施の形態1と同様、Iフレームから圧縮率を変更するか、Iフレームを置換した上で圧縮率を変更する方法を用いる。以下には前者の方法について詳述する。
【0034】
2つの画像圧縮処理手段200a、200bがMPEGによる画像圧縮を行う本実施の形態による圧縮画像データ選択手段201による圧縮画像データの選択方法を図5により説明する。図5において、監視カメラ映像500に対して第1画像圧縮処理手段200aが高圧縮率で圧縮した高圧縮画像データ503を出力し、第2画像圧縮処理手段200bは低圧縮率で圧縮した低圧縮画像データ504を出力する。圧縮画像データ選択手段201は高圧縮画像データ503と低圧縮画像データ504を選択して圧縮画像データ505を出力する。
【0035】
503aは監視カメラ映像中に人物顔が映り始めたときの高圧縮画像データ503で、503cは人物顔が映り始めてから最初のIフレームに対する高圧縮画像データ503で、503bは503cの1つ前のフレームに対する高圧縮画像データ503である。504は第2画像圧縮処理手段200bから出力される低圧縮画像データであり、504a,b,cは第1画像圧縮処理手段200aから出力される503a,b,cと同様である。
【0036】
人物顔が出現した時点から切り替えると、圧縮画像データ505aより前は第1画像圧縮処理手段200aから出力される高圧縮画像データ503であり、圧縮画像データ505a以降は第2画像圧縮処理手段200bから出力される低圧縮画像データ504となる。
【0037】
本実施例では、選択の切り替えを人物顔が出現した時点から最初に現れるIフレームから行っており、圧縮画像データ505b以前は第1画像圧縮処理手段200aから出力される高圧縮画像データ503であり、圧縮画像データ505c以降は第2画像圧縮処理手段200bから出力される低圧縮画像データ504となるように、圧縮画像データ選択手段201は選択を行う。これにより、圧縮画像データの切り替えの最初の圧縮画像データはIフレームに対応したものとなる。
【0038】
本実施の形態2では、圧縮画像データ選択手段201による第1画像圧縮処理手段200aおよび第2画像圧縮処理手段200bから出力される圧縮画像データの選択切り替えを、Iフレームの前後において行うようにしたので、MPEGが最初の参照画像とするIフレームから画質が変化する。途中のPフレームから切り替えた場合には圧縮率の不整合による画質改善が少ないなどの問題が生じるが、Iフレームで切り替えることにより、無駄のない効率的な記録が行える。
【0039】
すなわち、実施の形態2に係る監視映像記録装置において、画像圧縮処理手段100はMPEG方式の圧縮を行い、圧縮画像データ選択手段201は、顔検出処理手段102が人物顔を検出したフレーム以後の最初のイントラフレームから圧縮画像データの選択変更を行うことを特徴とする。このように、圧縮率の変更をIフレームから始めることにより、MPEGにおいて最初の参照画像とするIフレームから画質が変化するので、圧縮率を下げても画質が改善されないなどの無駄がない、効率的な画像圧縮が行える。
【0040】
あるいは、顔検出処理手段102が人物顔を検出したフレームがイントラフレームでない場合はイントラフレームに置換し、当該イントラフレームから圧縮画像データの選択変更を行うことを特徴とする。このように、圧縮率の変更をIフレームから始めることにより、MPEGにおいて最初の参照画像とするIフレームから画質が変化するので、圧縮率を下げても画質が改善されないなどの無駄がない、効率的な画像圧縮が行える。
【0041】
<効果>
実施の形態2の監視映像記録装置によれば、既に述べた通り以下の効果を奏する。すなわち、実施の形態2の監視映像記録装置において、画像圧縮処理手段は、第1圧縮率で監視映像を圧縮し、第1圧縮画像データとして出力する第1画像圧縮処理手段200aと、第1圧縮率よりも低い第2圧縮率で監視映像を圧縮し、第2圧縮画像データとして出力する第2画像圧縮処理手段200bと、検出結果に応じて第1圧縮画像データ又は第2圧縮画像データを選択する選択手段201と、を備え、記録手段101は、選択手段201で選択された圧縮画像データを記録することを特徴とする。人物顔を検出した場合に低圧縮率の圧縮画像データを選択し、検出しない場合には高圧縮率の圧縮画像データを選択することにより、データ量を抑制しながら必要な映像を高画質にすることが出来る。
【0042】
又、画像圧縮処理手段100はMPEG方式の圧縮を行い、圧縮画像データ選択手段201は、顔検出処理手段102が人物顔を検出したフレーム以後の最初のイントラフレームから圧縮画像データの選択変更を行うことを特徴とする。このように、圧縮率の変更をIフレームから始めることにより、MPEGにおいて最初の参照画像とするIフレームから画質が変化するので、圧縮率を下げても画質が改善されないなどの無駄がない、効率的な画像圧縮が行える。
【0043】
あるいは、顔検出処理手段102が人物顔を検出したフレームがイントラフレームでない場合はイントラフレームに置換し、当該イントラフレームから圧縮画像データの選択変更を行うことを特徴とする。このように、圧縮率の変更をIフレームから始めることにより、MPEGにおいて最初の参照画像とするIフレームから画質が変化するので、圧縮率を下げても画質が改善されないなどの無駄がない、効率的な画像圧縮が行える。
【0044】
(実施の形態3)
<構成>
図6に、実施の形態3の監視映像記録装置の構成を示す。実施の形態1と同一の構成要素には同一の番号を付している。実施の形態3の監視映像記録装置は、実施の形態1に対して画像圧縮処理手段100の前段に監視カメラの映像を遅延させる映像バッファ300を付加したものである。それ以外の構成は実施の形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0045】
すなわち、実施の形態3に係る監視映像記録装置は、監視映像を所定時間遅延させるバッファ300を備え、画像圧縮処理手段100はバッファ300で遅延された監視映像を圧縮することを特徴とする。これにより、バッファ300を備えた監視映像記録装置において、データ量を抑制しながら必要な映像を高画質にすることが出来る。
【0046】
<動作>
図6に沿って、実施の形態3の監視映像記録装置の動作を説明する。映像バッファ300は監視カメラからの映像を受け、これを所定時間記憶した後に画像圧縮処理手段100に出力する。その結果、監視カメラの映像は所定時間遅延して画像圧縮処理手段100に入力されることになる。
【0047】
顔検出処理手段102は監視カメラの映像を受け、映像中に人物顔の有無を検出するが、検出するために所定の時間を要する。そのため、監視カメラ映像中に人物顔が映った瞬間に顔検出処理手段102の検出結果が変化するのではなく、少しの時間遅れを伴って人物顔”有”の検出結果が画像圧縮処理手段100に出力される。
【0048】
図7は、顔検出処理手段102と映像バッファ300の動作を示す図である。監視カメラ映像500の中の、映像500aから人物顔が含まれている。顔検出処理102が映像500aに人物顔が含まれていることを検出するのには所定の時間を要するが、ここでは1フレーム分だけ遅延して判定結果を出力するものとする。映像バッファ300は顔検出処理102の検出に要する時間に合わせ、監視カメラ映像500を1フレーム分遅延させた映像700を出力する。これにより、顔検出処理手段102の検出に要する時間が補償され、画像圧縮処理手段100に入力される映像に人物顔が出現したと同時に顔検出処理手段102の検出結果出力が変化し、監視カメラ映像中に人物顔が映った瞬間から圧縮率を変更することが出来る。
【0049】
すなわち、実施の形態3に係る監視映像記録装置において、映像バッファ300は顔検出処理手段102の顔検出に要する時間と同じ時間だけ監視映像を遅延させることを特徴とする。これにより、人物顔の出現や消滅と一致して圧縮率の変更が可能となり、全く無駄のない効率的な監視映像の記録が可能となる。
【0050】
あるいは、図8に示すように映像バッファ300の遅延時間を顔検出処理手段102の検出に要する時間よりも長く設定しても良い。顔検出処理102は監視カメラ映像500に対し、1フレーム分遅延し判定結果を出力する。これに対し、映像バッファ300は監視カメラ映像500を5フレーム遅延させた映像800を出力する。その結果、画像圧縮処理手段100は、顔検出処理102から人物顔”有”との判定結果を受けた4フレーム後に、人物顔を含む映像フレームを受けることになる。よって、画像圧縮処理手段100は、判定結果を受けると同時に圧縮率を変更すれば、人物顔が現れる少し前から圧縮率を変化することになる。
【0051】
すなわち、映像バッファ300は顔検出処理手段102の顔検出に要する時間よりも長く監視映像を遅延させることを特徴とする。これにより、人物顔が現れる少し前から圧縮率の変更が可能で、人物顔の撮り逃しを少なくすることが出来る。
【0052】
<効果>
実施の形態3の監視映像記録装置によれば、既に述べたとおり以下の効果を奏する。すなわち、実施の形態3に係る監視映像記録装置は、監視映像を所定時間遅延させるバッファ300を備え、画像圧縮処理手段100はバッファ300で遅延された監視映像を圧縮することを特徴とする。これにより、バッファ300を備えた監視映像記録装置において、データ量を抑制しながら必要な映像を高画質にすることが出来る。
【0053】
又、実施の形態3に係る監視映像記録装置において、映像バッファ300は顔検出処理手段102の顔検出に要する時間と同じ時間だけ監視映像を遅延させることを特徴とする。これにより、人物顔の出現や消滅と一致して圧縮率の変更が可能となり、全く無駄のない効率的な監視映像の記録が可能となる。
【0054】
あるいは、映像バッファ300は顔検出処理手段102の顔検出に要する時間よりも長く監視映像を遅延させることを特徴とする。これにより、人物顔が現れる少し前から圧縮率の変更が可能で、人物顔の撮り逃しを少なくすることが出来る。
【0055】
(実施の形態4)
<構成>
図9に、実施の形態4の監視映像記録装置の構成を示す。実施の形態2と同一の構成要素には同一の番号を付している。実施の形態4の監視映像記録装置は、実施の形態2に対して第1、第2画像圧縮処理手段200a,bの前段に映像バッファ300を付加したものである。それ以外の構成は実施の形態2と同様であるため、説明を省略する。
【0056】
すなわち、実施の形態4に係る監視映像記録装置は、監視映像を所定時間遅延させるバッファ300を備え、画像圧縮処理手段200a,bはバッファ300で遅延された監視映像を圧縮することを特徴とする。これにより、バッファ300を備えた監視映像記録装置において、データ量を抑制しながら必要な映像を高画質にすることが出来る。
【0057】
<動作>
図9に沿って、実施の形態4の監視映像記録装置の動作を説明する。映像バッファ300は監視カメラからの映像を受け、これを所定時間記憶した後、第1画像圧縮処理手段200a及び第2画像圧縮処理手段200bにそれぞれ出力する。その結果、監視カメラの映像は同じ時間だけ遅延して第1画像圧縮処理手段200a及び第2画像圧縮処理手段200bに入力されることになる。
【0058】
顔検出処理手段102は監視カメラの映像を受け、映像中に人物顔の有無を検出するが、検出するために所定の時間を要する。そのため、監視カメラ映像中に人物顔が映った瞬間に顔検出処理手段102の検出結果が変化するのではなく、少しの時間遅れを伴って人物顔”有”の検出結果が圧縮画像データ選択手段201に出力される。
【0059】
そのため、例えば映像バッファ300の遅延時間を、顔検出処理手段102の検出に要する時間と同一にすれば(実施の形態3について説明した図7の場合と同様、同図参照)、顔検出処理手段102の検出に要する時間を補償して同期を取ることが出来る。あるいは、映像バッファ300の遅延時間を顔検出処理手段102の検出に要する時間よりも長くすれば(実施の形態3について説明した図8の場合と同様、同図参照)、映像バッファ300における遅延時間と顔検出処理に要する時間の差分だけ、圧縮画像データ選択手段201は顔検出処理手段102の検出信号を受けてから圧縮画像データの選択変更を行うタイミングをずらすことが出来る。
【0060】
すなわち、実施の形態4に係る監視映像記録装置において、映像バッファ300は顔検出処理手段102の顔検出に要する時間と同じ時間だけ監視映像を遅延させることを特徴とする。これにより、人物顔の出現や消滅と一致して圧縮率の選択切替が可能となり、全く無駄のない効率的な監視映像の記録が可能となる。
【0061】
あるいは、映像バッファ300は顔検出処理手段102の顔検出に要する時間よりも長く監視映像を遅延させることを特徴とする。これにより、人物顔が現れる少し前から圧縮率の選択切替が可能で、人物顔の撮り逃しを少なくすることが出来る。
【0062】
<効果>
実施の形態4の監視映像記録装置によれば、既に述べたように以下の効果を奏する。すなわち、実施の形態4に係る監視映像記録装置は、監視映像を所定時間遅延させるバッファ300を備え、画像圧縮処理手段200a,bはバッファ300で遅延された監視映像を圧縮することを特徴とする。これにより、バッファ300を備えた監視映像記録装置において、データ量を抑制しながら必要な映像を高画質にすることが出来る。
【0063】
すなわち、実施の形態4に係る監視映像記録装置において、映像バッファ300は顔検出処理手段102の顔検出に要する時間と同じ時間だけ監視映像を遅延させることを特徴とする。これにより、人物顔の出現や消滅と一致して圧縮率の選択切替が可能となり、全く無駄のない効率的な監視映像の記録が可能となる。
【0064】
あるいは、映像バッファ300は顔検出処理手段102の顔検出に要する時間よりも長く監視映像を遅延させることを特徴とする。これにより、人物顔が現れる少し前から圧縮率の選択切替が可能で、人物顔の撮り逃しを少なくすることが出来る。
【0065】
本発明は、人物顔有無を判断し、適切なタイミングで画像圧縮率を変更するようにし、効率的な記録を可能ならしめる効果を奏するため、監視映像記録装置に好適である。又、圧縮率の効果的な制御が可能であることを活かし、遠隔の監視システムなどへの適用も可能である。
【符号の説明】
【0066】
100 画像圧縮処理手段、101 圧縮画像データ記録手段、102 顔検出処理手段、200a 第1画像圧縮処理手段、200b 第2画像圧縮処理手段、201 圧縮画像データ選択手段、300 映像バッファ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視映像を圧縮画像データとして圧縮する画像圧縮処理手段と、
前記監視映像中に人物顔の有無を検出する顔検出処理手段と、
前記圧縮画像データを記録する記録手段と、を備え、
前記画像圧縮処理手段は、前記顔検出処理手段の検出結果に応じて前記監視映像の圧縮率を変更することを特徴とする、監視映像記録装置。
【請求項2】
前記画像圧縮処理手段は、圧縮率が可変の単一の画像圧縮処理手段を備え、当該処理手段により前記検出結果に応じて前記圧縮率を可変調整することを特徴とする、請求項1に記載の監視映像記録装置。
【請求項3】
前記画像圧縮処理手段は、第1圧縮率で前記監視映像を圧縮し、第1圧縮画像データとして出力する第1画像圧縮処理手段と、
前記第1圧縮率よりも低い第2圧縮率で前記監視映像を圧縮し、第2圧縮画像データとして出力する第2画像圧縮処理手段と、
前記検出結果に応じて前記第1圧縮画像データ又は第2圧縮画像データを選択する選択手段と、を備え、
前記記録手段は、前記選択手段で選択された前記圧縮画像データを記録することを特徴とする、請求項1に記載の監視映像記録装置。
【請求項4】
前記画像圧縮処理手段はMPEG方式の圧縮を行い、
前記顔検出処理手段が人物顔を検出したフレーム以後の最初のイントラフレームから前記圧縮率を可変調整することを特徴とする、請求項2に記載の監視映像記録装置。
【請求項5】
前記画像圧縮処理手段はMPEG方式の圧縮を行い、
前記顔検出処理手段が人物顔を検出したフレームがイントラフレームでない場合はイントラフレームに置換し、当該イントラフレームから前記圧縮率を可変調整することを特徴とする、請求項2に記載の監視映像記録装置。
【請求項6】
前記画像圧縮処理手段はMPEG方式の圧縮を行い、
前記選択手段は、前記顔検出処理手段が人物顔を検出したフレーム以後の最初のイントラフレームから前記圧縮画像データの選択変更を行うことを特徴とする、請求項3に記載の監視映像記録装置。
【請求項7】
前記画像圧縮処理手段はMPEG方式の圧縮を行い、
前記顔検出処理手段が人物顔を検出したフレームがイントラフレームでない場合はイントラフレームに置換し、当該イントラフレームから前記圧縮画像データの選択変更を行うことを特徴とする、請求項3に記載の監視映像記録装置。
【請求項8】
前記監視映像を所定時間遅延させるバッファを備え、
前記画像圧縮処理手段は前記バッファで遅延された前記監視映像を圧縮することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の監視映像記録装置。
【請求項9】
前記バッファは前記顔検出処理手段の顔検出に要する時間と同じ時間だけ前記監視映像を遅延させることを特徴とする、請求項8に記載の監視映像記録装置。
【請求項10】
前記バッファは前記顔検出処理手段の顔検出に要する時間よりも長く前記監視映像を遅延させることを特徴とする、請求項8に記載の監視映像記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−245807(P2010−245807A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91816(P2009−91816)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】