説明

監視画像表示装置

【課題】各監視カメラからの画像を直感的に確認でき、監視地区の状況を容易に把握可能な監視画像表示装置を提供する。
【解決手段】カメラマーク部37のカメラマーク位置決定部38は、各監視カメラの位置情報に基づいて地図画像上での各監視カメラのカメラマークの位置を決定する。画像位置決定部41は、各監視カメラの撮影方向情報に基づいて、当該カメラマークの位置に対して撮影方向側に監視画像の画像位置を決定する。合成部47は、複数の監視カメラの各々について決定されたカメラマークの位置及び画像位置に応じて、地図画像に複数の監視カメラのカメラマーク及び監視画像を合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の監視カメラで撮像された監視画像を表示する監視画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各種の施設などの監視地区を監視するために、複数の監視カメラが監視地区に設けられ、それら複数の監視カメラの画像を見るために監視画像表示装置が用いられる。監視画像表示装置は、例えば、監視地区または外部のモニタリングセンタに配置される。
【0003】
このような監視画像表示装置については、複数の監視カメラの画像を表示するための代表的手法として、下記の3つの手法が提案されている。
【0004】
第1の手法では、モニタの画面をスクロール又は切り換えることによって複数のカメラの画像が表示される(例えば、特許文献1)。
【0005】
第2の手法では、モニタ画面が複数の領域に分割されて、それら複数の領域に複数のカメラの画像がそれぞれ表示される(例えば、特許文献2)。
【0006】
第3の手法では、モニタに監視地区の地図が表示され、地図上に監視カメラの設置場所が示される。地図の外側には複数のウインドウが表示され、それら複数のウインドウに複数のカメラの画像がそれぞれ表示される(例えば、特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平2−280491号公報
【特許文献2】特開2007−53568号公報
【特許文献3】特許第3946593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記第1の手法においては、1度に1つの監視カメラの画像しか見ることができない。すなわち、同時にすべての監視カメラの画面を確認できず、そのため、異常を見逃す可能性があるという問題がある。
【0009】
これに対して、第2の手法では、モニタを複数の領域に分割することにより、複数の監視カメラの画像を同時に表示することができる。しかしながら、モニタを見ても、各々のカメラがどの場所を映したかが分からず、画像と撮影場所の関係を把握しにくいという問題がある。
【0010】
また、第3の手法では、モニタにカメラ画像だけでなく、監視地区の地図が表示され、地図上にカメラ位置が示される。しかしながら、カメラ画像のウインドウは、地図の外側に設置されており、カメラ画像と地図は別々である。そのため、画像と撮影場所の関係を把握しにくいという問題は依然として残る。さらに、単にカメラ位置が地図上で示されても、ユーザは各カメラがどの場所でどの方向をどのように映したかを直感的に確認しにくく、また、監視地区全体の状況も把握しにくいという問題がある。
【0011】
このような問題は、モバイル監視カメラを利用する場合に特に顕著になる。モバイル監視カメラは、小型の監視カメラであり、人やその他の移動体に取付可能である。例えば、モバイル監視カメラは、警備員のヘルメットに装着可能である。モバイル監視カメラは、任意の場所を監視するのに便利である。このようなモバイル監視カメラを用いる場合、カメラの位置及び方向は常に変化している。単に複数のカメラ画像を並べる従来技術では、刻々と変化するカメラ位置や方向をリアルタイムに分かりやすくユーザに伝えることはできない。そのため、各カメラの画像を直感的に確認しにくく、監視地区全体の状況の把握も容易でない。
【0012】
上記の問題についてさらに言及すると、固定型の監視カメラを備えたシステムでは、オペレータは、カメラの場所を記憶できる。熟練したオペレータであれば、カメラ画像が単に並んでいるだけでも、監視地区の状況をある程度把握できる。しかしながら、モバイル監視カメラを用いる場合、カメラ位置及び方向が刻々と変化するので、熟練したオペレータといえども、単に並べられた画像を見ただけでは、各々の画像を確認したり、監視地区の状況を把握することは難しくなる。
【0013】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、各監視カメラからの画像を直感的に確認でき、監視地区の状況を容易に把握可能な監視画像表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、複数の監視カメラで撮像された監視画像を表示する監視画像表示装置であって、前記複数の監視カメラにより監視される監視地区の地図画像を生成する地図生成部と、各監視カメラの位置情報に基づいて前記地図画像上での前記各監視カメラのカメラマークの位置を決定するカメラマーク部と、前記各監視カメラの撮影方向情報に基づいて、当該カメラマークの位置に対して撮影方向側に前記監視画像の画像位置を決定する画像位置決定部と、決定された前記カメラマークの位置及び前記画像位置に応じて、前記地図画像に前記複数の監視カメラの当該カメラマーク及び前記監視画像を合成する合成部とを有する。
【0015】
この構成により、地図画像上にカメラ位置を表すカメラマークが表示される。更に、地図画像上でカメラマークから撮影方向側に監視画像が表示される。したがって、ユーザは、各々の監視カメラがどの場所をどの向きに映しているかを直感的に確認できる。また、複数の監視カメラが監視地区のどの場所をどの向きで映しているかが一目で分かるので、監視地区の状況を容易に把握することができる。
【0016】
また、本発明の監視画像表示装置において、カメラマーク部は、撮影方向情報に基づいて、監視カメラの撮影方向を表すカメラマークを生成する。
【0017】
この構成により、各監視カメラの撮影方向を表すマークを地図画像上のカメラ位置に表示することができ、監視カメラの位置と方向の確認が更に容易になる。
【0018】
また、本発明の監視画像表示装置は、監視カメラに関する異常検出を表すアラーム信号に基づいて、前記監視カメラの監視画像を拡大するか否かを判断する画像拡大判断部と、前記画像拡大判断部の判断結果に応じて前記監視画像を拡大する画像生成部とを有する。
【0019】
この構成により、異常検出に関わる監視カメラの監視画像が拡大表示されるので、異常確認が容易になる。また、地図画像上で監視画像を拡大表示するので、異常状況の把握が容易になる。
【0020】
また、本発明の監視画像表示装置は、監視カメラに関する異常検出を表すアラーム信号に基づいて、前記監視カメラの監視画像をサブモニタに表示するか否かを判断するサブモニタ表示判断部を有する。
【0021】
この構成により、異常検出に関わる監視カメラの監視画像が、地図画像を表示するメインモニタとは別のサブモニタに表示される。ユーザは、サブモニタを見て異常状況を詳細に把握できる。
【0022】
また、本発明の監視画像表示装置は、複数の監視画像が地図画像上で重複するときに、重複した前記複数の監視画像を撮像した各監視カメラに関する異常検出を表すアラーム信号に基づいて前記複数の監視画像の画像位置を調整する重なり調整部を有する。
【0023】
この構成により、画像位置を調整することにより、複数の監視画像の重複を避けることができる。アラーム信号に応じて画像位置を調整するので、異常検出に関わる重要な画像を固定して、他の画像を移動できる。これにより、異常に関する情報をより分かりやすく正確にユーザに提示することができる。
【0024】
また、本発明の監視画像表示装置において、重なり調整部は、アラーム信号に基づいて、重複した複数の監視画像の多くても2つを表示対象に残す。
【0025】
この構成により、一部の画像を表示対象から除外することにより、複数の監視画像の重複を避けることができる。アラーム信号を参照することにより、異常検出に関わる重要な画像を残し、他の画像を表示対象から除外できる。これにより、異常に関する情報をより分かりやすく正確にユーザに提示することができる。
【0026】
また、本発明の監視画像表示装置において、アラーム信号は、監視画像の画像処理により検出される画像異常検出アラーム信号、監視カメラのアラーム操作部が手動操作されたことを示す手動アラーム信号、及び、前記監視カメラが当該位置情報に基づいて所定の重要場所を撮影することを検出する重要場所検出アラーム信号を含む。これにより、各種の異常に対して適切に対応することができる。
【0027】
また、本発明の別の態様は、複数の監視カメラと、前記複数のカメラで撮像された監視画像を表示する監視画像表示装置とを有する監視画像表示システムであって、前記複数の監視カメラは、撮像部と、当該監視カメラの位置を検出する位置検出部と、撮影方向を検出する方向検出部とを有し、前記監視画像表示装置は、前記複数の監視カメラにより監視される監視地区の地図画像を生成する地図生成部と、前記各監視カメラの位置情報に基づいて前記地図画像上での前記各監視カメラのカメラマークの位置を決定するカメラマーク部と、前記各監視カメラの撮影方向情報に基づいて、前記カメラマークの位置に対して撮影方向側に前記監視画像の画像位置を決定する画像位置決定部と、決定された前記カメラマークの位置及び前記画像位置に応じて、前記地図画像に前記複数の監視カメラの当該カメラマーク及び前記監視画像を合成する合成部とを有する。この態様でも本発明の利点が同様に得られる。
【0028】
また、本発明の別の態様は、複数の監視カメラで撮像された監視画像を表示するための監視画像処理方法であって、前記複数の監視カメラにより監視される監視地区の地図画像を生成し、前記各監視カメラの位置情報に基づいて前記地図画像上での前記各監視カメラのカメラマークの位置を決定し、前記各監視カメラの撮影方向情報に基づいて、当該カメラマークの位置に対して撮影方向側に前記監視画像の画像位置を決定し、決定された前記カメラマークの位置及び前記画像位置に応じて、前記地図画像に前記複数の監視カメラの当該カメラマーク及び前記監視画像を合成する。この態様でも本発明の利点が同様に得られる。
【0029】
また、本発明の別の態様は、複数の監視カメラで撮像された監視画像を表示する監視画像表示方法であって、前記複数の監視カメラにより監視される監視地区の地図画像上に、前記各監視カメラの位置を示すカメラマーク及び、前記カメラマークに対して撮影方向側に前記監視画像を表示する。この態様でも本発明の利点が同様に得られる。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、地図画像上にカメラ位置を表すカメラマークを表示すると共に、地図画像上でカメラマークから撮影方向側に監視画像を表示する構成を設けたことにより、各監視カメラからの画像を直感的に確認でき、監視地区の状況を容易に把握可能になるという効果を有する監視画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施の形態における監視画像表示部のブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における監視画像表示システムの全体構成を示す図
【図3】監視画像表示システムの動作を示すフロー図
【図4】監視画像表示部の表示例を示す図
【図5】本発明の第2の実施の形態における監視画像表示部のブロック図
【図6】重なり調整部の動作を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施の形態の監視画像表示装置について、図面を用いて説明する。
【0033】
本発明の第1の実施の形態に係る監視画像表示装置の構成を図1に示し、監視画像表示装置を含む監視画像表示システムを図2に示す。まず、図2を参照して全体構成を説明し、次に図1を参照して監視画像表示装置について説明する。
【0034】
図2において、監視画像表示システム1は、複数の監視カメラ3と、情報処理部5と、監視画像表示部7とで構成される。監視画像表示部7は、情報処理部5を介して複数の監視カメラ3と接続される。監視画像表示部7が本発明の監視画像表示装置に相当する。
【0035】
本実施の形態では、監視カメラ3がモバイル監視カメラである。モバイル監視カメラは小型のカメラで構成され、例えば、警備員のヘルメットなどに取り付けられる。監視カメラ3は、その他の移動物体に取り付けられてもよい。図2では2つの監視カメラ3が示されているが、実際にはより多くの監視カメラ3が監視地区に配備され、監視地区内を動き回ってよい。
【0036】
各監視カメラ3は、図示のように、CCDカメラ11、位置センサ13、方向センサ15及びアラームスイッチ17を備える。
【0037】
CCDカメラ11は本発明の撮像部に相当し、画像情報を生成して情報処理部5へ出力する。以下、監視カメラ3で撮像される画像情報を、監視画像という。
【0038】
位置センサ13及び方向センサ15は、それぞれ本発明の位置検出部及び方向検出部として機能し、監視カメラ3の位置情報及び撮影方向情報をリアルタイムで情報処理部5に出力する。位置情報は監視地区における監視カメラ3の位置であり、撮影方向情報は監視カメラ3のレンズの向きである。以下の説明では、図示のように、位置情報及び撮影方向情報をカメラ位置及びカメラ方向という。位置センサ13は例えばGPSで構成され、方向センサ15は例えば地磁気センサで構成される。
【0039】
アラームスイッチ17は、本発明のアラーム操作部に相当し、手動で操作される。例えば、警備員に監視カメラ3が装着される場合、警備員は、監視地区を巡回中に異常を発見するとアラームスイッチ17を操作する。アラームスイッチ17は操作に反応して手動アラーム信号を情報処理部5に出力する。
【0040】
情報処理部5は、監視カメラ3から入力される監視画像及びカメラ位置を処理して画像認識及び位置解析を行い、処理結果を監視画像表示部7に提供する。情報処理部5は監視画像表示部7に設けられてよい。また、情報処理部5の処理機能を各々の監視カメラ3に持たせることも可能である。
【0041】
図2において、情報処理部5は、マルチプレクサ(MUX)21、画像認識ユニット23、位置解析ユニット25及びOR処理部27を備える。
【0042】
MUX21には、各々の監視カメラ3から監視画像、カメラ位置、カメラ方向及び手動アラーム信号が入力される。監視画像は、MUX21から画像認識ユニット23に供給されると共に、監視画像表示部7に出力される。また、カメラ位置、方向は、MUX21から位置解析ユニット25に供給されると共に、監視画像表示部7に出力される。手動アラーム信号は、MUX21からOR処理部27に供給される。
【0043】
画像認識ユニット23は、各々の監視カメラ3からの監視画像に対して認識処理を行い、画像異常を検出する。例えば、画像認識ユニット23は、監視画像中の人物を異常として検出する。画像認識ユニット23は、画像認識により画像中の人物が不審人物か否かを判定してもよい。また例えば、画像認識ユニット23は、移動物体を認識し、異常として検出してもよい。また例えば、画像認識ユニット23は、予め登録されていない静止物体を認識して異常として検出してもよい。画像認識ユニット23は、異常を検出すると、画像異常検出アラーム信号をOR処理部27に供給する。
【0044】
位置解析ユニット25は、各々の監視カメラ3のカメラ位置の情報を解析し、監視カメラ3が監視地区内の重要場所を撮影しているか否かを判定する。重要場所は、位置解析ユニット25に登録されている。重要場所は、例えば、監視地区の入口などの異常が発生しやすい場所である。
【0045】
位置解析ユニット25は、監視カメラ3の位置が重要場所と一致するか否かを判定してよい。また、位置解析ユニット25は、監視カメラ3から重要場所までの距離が所定の閾距離以下になった場合に、監視カメラ3が重要場所を撮影していると判定してよい。閾距離は、監視カメラ3が撮影可能な距離に応じて設定されてよい。撮影可能な距離とは、監視のために必要な解像度の画像を生成可能な距離である。また、位置解析ユニット25は、監視カメラ3から重要場所までの距離が閾距離以下であり、かつ、カメラ方向が重要場所を向いているときに(重要場所が監視カメラ3の画角内であるときに)、監視カメラ3が重要場所を撮影していると判定してよい。これにより、監視カメラ3の向きも考慮して、確実に重要場所の情報を得ることができる。
【0046】
位置解析ユニット25は、監視カメラ3が重要場所を撮影していると判断すると、重要場所検出アラーム信号をOR処理部27に供給する。
【0047】
OR処理部27は、画像異常検出アラーム信号、手動アラーム信号、重要場所検出アラーム信号のいずれかが入力されると、アラーム信号を監視画像表示部7に出力する。アラーム信号には、該当する監視カメラ3の識別情報が付加される。また、上記3つのアラーム信号の種別も、アラーム信号に付加されて監視画像表示部7に出力されてよい。
【0048】
次に、図1を参照し、監視画像表示部7の構成を説明する。前述したように、監視画像表示部7が本発明の監視画像表示装置に該当する。監視画像表示部7には、監視画像、カメラ位置、カメラ方向が各々の監視カメラ3から情報処理部5を経由して入力され、また、情報処理部5からアラーム信号が入力される。監視画像表示部7は、カメラ位置、カメラ方向及びアラーム信号を処理して、複数の監視カメラ3の監視画像を好適に表示する。
【0049】
監視画像表示部7は、入力部31、地図サーバ33、地図生成部35、カメラマーク部37、画像位置決定部41、画像拡大判断部43、画像生成部45、合成部47、サブモニタ表示判断部49、メインモニタ51及びサブモニタ53で構成されている。カメラマーク部37は、カメラマーク位置決定部38及びカメラマーク生成部39を有する。
【0050】
入力部31は、監視画像、カメラ位置、カメラ方向及びアラーム信号を監視画像表示部7へと入力する。監視画像は、入力部31から画像生成部45に入力され、カメラ位置及びカメラ方向はカメラマーク位置決定部38及び画像位置決定部41に入力され、アラーム信号は画像拡大判断部43及びサブモニタ表示判断部49に入力される。
【0051】
地図サーバ33は地図記憶部であり、監視地区の地図データを記憶している。地図生成部35は、地図データから監視地区の地図画像を生成する。地図画像は後述のようにメインモニタ51に背景として表示される。
【0052】
カメラマーク部37のカメラマーク位置決定部38は、カメラ位置のデータに基づいて、地図画像上での各監視カメラ3のカメラマーク位置を決定する。カメラマーク位置は、監視地区内のカメラ位置と対応するように定められる。本実施の形態では、監視カメラ3がモバイル監視カメラであり、カメラ位置が刻々と変化する。そこで、リアルタイムに入力されるカメラ位置に合わせて、カメラマーク位置も変更される。カメラマーク位置は具体的には、メインモニタ51の画像上の座標データ(マーク座標)で表される。カメラマーク位置はカメラマーク位置決定部38からカメラマーク生成部39に供給される。
【0053】
カメラマーク生成部39は、カメラマーク位置決定部38により決定されたカメラマーク位置にカメラマークの画像を生成する。予め登録されたカメラマークの画像が、カメラマーク位置に貼り付けられてよい。
【0054】
カメラマークは、監視カメラ3の撮影方向も表す形状を有している。カメラマーク生成部39は、カメラマーク位置決定部38を介してカメラ方向の情報を取得し、カメラマークの方向を実際のカメラ方向に合わせる。
【0055】
画像位置決定部41は、各監視カメラ3のカメラ位置及びカメラ方向に基づいて、監視画像の画像位置を監視カメラ毎に決定する。画像位置とは、地図画像上で監視画像を貼り付ける位置である。画像位置は、地図上のカメラマーク位置の近傍であって、カメラマーク位置に対してカメラ方向側(撮影方向側)に定められる。カメラマーク位置と画像位置の距離は予め定められている。
【0056】
ここでは、カメラ位置とカメラマーク位置が対応するので、カメラ位置から画像位置が決定されている。画像位置決定部41は、カメラマーク位置決定部38からカメラマーク位置を取得し、カメラマーク位置から画像位置を決定してもよい。いずれの処理においても、画像位置はカメラマーク位置の近傍であり、撮影方向側に定められる。
【0057】
監視画像の画像位置は、カメラマーク位置と同様、具体的にはメインモニタ51の画像上の座標データで表される。画像位置は、画像位置決定部41から画像生成部45へと供給される。
【0058】
画像拡大判断部43は、アラーム信号に基づいて、各監視カメラ3の監視画像を拡大するか否かを判断する。画像拡大判断部43は、各々の監視カメラ3に関するアラーム信号が入力されたか否かを判定する。ある監視カメラ3のアラーム信号が入力された場合、画像拡大判断部43は、該当する監視カメラ3の監視画像を拡大するように画像生成部45に指示する。
【0059】
画像拡大判断部43は、具体的な処理としては、監視カメラ3毎に画像サイズを決定し、それら画像サイズを画像生成部45に指示してよい。画像サイズは、地図画像内の監視画像のサイズである。監視画像を拡大しない場合には、比較的小さい所定の基準サイズが適用される。監視画像を拡大する場合には、基準値より大きな所定の拡大サイズが適用される。
【0060】
画像生成部45は、画像位置決定部41と画像拡大判断部43からの指示に従って、入力された各監視カメラ3の監視画像を変換し、表示用の画像データを生成する。画像生成部45は、画像位置決定部41により決定された画像位置へと、各監視カメラ3の監視画像を位置させる。また、監視画像は、画像生成部45から指示された画像サイズへと変換される。したがって、画像を拡大しない場合は、基準サイズへと画像サイズへが変換される。画像拡大が指示された場合には、上述した所定の拡大サイズへと画像サイズが変換される。
【0061】
合成部47は、地図画像、カメラマーク及び監視画像を合成する。すなわち、合成部47は、地図生成部35により生成された地図画像と、カメラマーク部37のカメラマーク生成部39により生成されたカメラマークの画像と、画像生成部45により処理された監視画像とを合成する。これにより、複数の監視カメラ3のカメラマーク及び監視画像が地図画像上に貼り付けられる。各カメラマーク及び各監視画像は、該当する監視カメラ3についてのカメラマーク部37のカメラマーク位置決定部38及び画像位置決定部41での処理により決定されたカメラマーク位置及び画像位置へと貼り付けられる。また、監視画像は、画像拡大判断部43の判断結果に応じて拡大される。合成画像は、合成部47からメインモニタ51に出力され、表示される。
【0062】
サブモニタ表示判断部49は、アラーム信号に基づいて、各監視カメラ3の監視画像をサブモニタ53に表示するか否かを判断する構成である。サブモニタ表示判断部49は、各々の監視カメラ3に関するアラーム信号が入力されたか否かを判定する。そして、ある監視カメラ3のアラーム信号が入力された場合、サブモニタ表示判断部49は、該当する監視カメラ3の監視画像を画像生成部45から取得し、そして、監視画像をサブモニタ53に出力し、表示させる。
【0063】
したがって、サブモニタ53に表示される監視画像は、メインモニタ51で拡大された監視画像と同じになる。すなわち、ある監視カメラ3のアラーム信号が入力されると、該当する監視カメラ3の監視画像は、メインモニタ51上で拡大表示されると共に、サブモニタ53にも表示される。
【0064】
図1では、1つのサブモニタ53が示されている。しかし、実際には複数のサブモニタ53が好適に設けられる。複数の監視カメラ3に関してアラーム信号が生じた場合、それらの監視カメラ3の監視画像が、拡大表示され、かつ、サブモニタ53に表示される。
【0065】
以上に本実施の形態の監視画像表示システム1の構成について説明した。次に、監視画像表示システム1の動作を説明する。
【0066】
図3は、監視画像表示システム1の動作を示すフロー図である。図3に示すように、ステップS1〜S7が主に監視カメラ3の動作であり、ステップS9〜S19が主に情報処理部5の動作であり、ステップS21〜S27が主に監視画像表示部7の動作である。図3の処理が全部の監視カメラ3のために行われる。
【0067】
図3に示すように、まず、監視カメラ3の電源がオンになり(S1)、CCDカメラ11が監視画像を生成し、位置センサ13及び方向センサ15がカメラ位置及びカメラ方向を検出する。監視カメラ3は、監視画像を情報処理部5に出力し(S3)、また、カメラ位置及びカメラ方向も情報処理部5に出力する(S5)。また、監視カメラ3は、アラームスイッチ17の状態を検出し(S7)、アラームスイッチ17が押されると手動アラーム信号を情報処理部5に出力する。
【0068】
監視画像は、情報処理部5から監視画像表示部7へ出力されると共に、情報処理部5の画像認識ユニット23で処理される。画像認識ユニット23は、監視画像の認識処理を行い、画像上の異常の有無を検出する(S9)。
【0069】
また、カメラ位置及びカメラ方向は、情報処理部5から監視画像表示部7に供給されると共に、情報処理部5の位置解析ユニット25で処理される。位置解析ユニット25は、監視カメラ3が重要場所を撮影しているか否かを判定する(S11)。
【0070】
監視カメラ3から手動アラーム信号が入力された場合(S13、Yes)、または画像認識ユニット23が画像上の異常を検出した場合(S15、Yes)、または位置解析ユニット25により監視カメラ3が重要場所を撮影していると判断された場合(S17、Yes)、情報処理部5はアラーム信号を監視画像表示部7へ出力する(S19)。
【0071】
監視画像表示部7では、アラーム信号が入力されなければ、メインモニタ51の地図画像上に、監視カメラ3の位置及び向きを表すカメラマークを表示し(S25)、地図画像上でカメラマークの前(カメラマークに対して撮像方向側)に監視画像を表示する(S27)。より詳細には、図1を参照して説明したように、カメラマーク部37のカメラマーク位置決定部38がカメラマーク位置を決定し、カメラマーク生成部39がカメラマーク位置にカメラマークの画像を生成する。また、画像位置決定部41が画像位置を決定し、画像生成部45が、画像位置に従って監視画像を変換する。そして、合成部47がカメラマーク及び監視画像を地図画像に合成する。
【0072】
一方、アラーム信号が情報処理部5から入力された場合は、監視画像表示部7は、該当監視カメラ3の監視画像をサブモニタ53に表示する(S21)。この処理は、サブモニタ表示判断部49により行われる。また、画像拡大判断部43の判断に従って、画像生成部45が、メインモニタ51に表示すべき監視画像のサイズを拡大する(S23)。そして、上述と同様にカメラマークが地図画像上に表示され(S25)、監視画像が地図画像上でカメラマークの前に表示される(S27)。ここでは、ステップS23の拡大画像が表示される。
【0073】
図4は、本実施の形態における画面表示の例を示している。図4は、メインモニタ51と2つのサブモニタ53(第1サブモニタ、第2サブモニタ)を示している。
【0074】
図4の例では、監視地区に4つの監視カメラ3(カメラA、B、C、D)が配備されている。メインモニタ51には、背景画像として監視地区の地図画像を表示している。地図上には4台の監視カメラ3のカメラマークが表示されている。
【0075】
各々のカメラマークは、監視地区内での各監視カメラ3の位置と方向を示している。カメラ方向は、マークに付された線の方向で示されている。図4の例では、4つのマークの形状が異なっている。しかし、実際には、マーク形状が同じで、色などが異なってもよい。もちろん、形状と色の両方が異なってよい。
【0076】
また、各監視カメラ3のカメラマークの前(カメラ方向側)には、該当監視カメラ3の監視画像がリアルタイムで表示されている。
【0077】
ここで、カメラA、カメラBについてはアラーム信号が入力されていないとする。この場合、図示のように、比較的小さい基準サイズの監視画像が表示される。
【0078】
一方、カメラCは、監視地区のゲートの近くに位置しており、ゲートを向いて撮影している。このゲートは予め重要場所に登録されている。そのため、情報処理部5の位置解析ユニット25は、カメラCが重要場所を撮影していると判断し、アラーム信号を出力する。その結果、図4に示すように、カメラCの画像はメインモニタ51上で拡大されており、更に第1サブモニタに表示されている。
【0079】
また、カメラDについては、カメラDの操作者が不審者を発見し、アラームスイッチ17を操作したとする。操作者は例えば前述の通り警備員である。この場合、カメラDのアラーム信号が監視カメラ3から情報処理部5を介して監視画像表示部7に入力される。その結果、図4に示すように、カメラDの画像も、メインモニタ51で拡大されており、更に第2サブモニタに表示されている。
【0080】
また、画像認識ユニット23がカメラDの監視画像から画像異常として図4の不審者を検出した場合も、カメラDのアラーム信号が情報処理部5から監視画像表示部7に入力される。そして、図4に示すように、カメラDの画像がメインモニタ51で拡大され、かつ、サブモニタ53に表示される。
【0081】
以上に本発明の第1の実施の形態について説明した。本実施の形態によれば、メインモニタ51の地図画像上に各監視カメラ3のカメラ位置を表すカメラマークが表示される。更に、地図画像上でカメラマークから撮影方向側に監視画像が表示される。したがって、ユーザは、各々の監視カメラ3がどの場所をどの向きに映しているかを直感的に確認できる。また、複数の監視カメラ3が監視地区のどの場所をどの向きで映しているかが一目で分かるので、監視地区の状況を容易に把握することができる。
【0082】
また、本実施の形態によれば、カメラマークが撮影方向を表す形状を有しており、監視カメラの位置と方向の確認が更に容易になる。
【0083】
また、本実施の形態によれば、各監視カメラ3に関するアラーム信号に基づいて監視画像が拡大される。異常検出に関わる監視カメラ3の監視画像が拡大表示されるので、異常確認が容易になる。また、地図画像上で監視画像を拡大表示するので、異常状況の把握が容易になる。
【0084】
また、本実施の形態によれば、各監視カメラ3のアラーム信号に基づいて監視画像がサブモニタ53に表示される。異常検出に関わる監視カメラ3の監視画像が、地図画像を表示するメインモニタ51とは別にサブモニタに表示される。ユーザは、サブモニタ53を見て異常状況を詳細に把握できる。
【0085】
また、本実施の形態によれば、各監視カメラのアラーム信号は、上記の画像異常検出アラーム信号、手動アラーム信号及び重要場所検出アラーム信号を含む。これにより、各種の異常に対して適切に対応することができる。
【0086】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、地図画像上で複数の監視画像が重なるのを好適に回避する技術を提供する。
【0087】
上述の実施の形態では、監視カメラ3がモバイル監視カメラであり、監視地区内を任意に移動する。そのため、複数の監視カメラ3が接近し、その結果、監視画像同士が重なる可能性がある。例えば、2つの監視カメラ3が、同じ場所を挟んで両側に位置したとする。この場合、各々のカメラマークの前方に監視画像が配置されて、2つの監視画像が重なる可能性がある。
【0088】
複数の監視画像が重なると、重要な情報が見逃される可能性がある。このような事態を避けるため、本実施の形態は、監視画像が重ならないように画像位置を調整する技術を提供する。本実施の形態は、特に、アラーム信号に基づいて好適な位置調整を行うように構成される。
【0089】
図5は、本実施の形態における監視画像表示部の構成を示している。図5において、監視画像表示部71は、重なり調整部73を有している。その他の構成は、図1に示される前述の実施の形態と同様である。
【0090】
重なり調整部73には、画像位置決定部41から各監視画像の画像位置が供給される。また、重なり調整部73には、画像拡大判断部43の判断結果が入力される。具体的には、各監視画像の画像サイズの情報が入力されてよい。また、重なり調整部73には、アラーム信号が入力される。重なり調整部73は、これらの情報を処理し、監視画像同士が重ならないように、監視画像の画像位置を調整するように構成されている。
【0091】
図6は、重なり調整部73の処理を示している。図6では、一つの監視カメラ3の監視画像が着目画像に設定され、他の一つの監視カメラ3の監視画像が相手画像に設定される。すべての監視画像の組合せが順次、着目画像と相手画像に設定される。1つの組合せでは、片方が着目画像に設定され、更にもう一方が着目画像に設定される。こうしてすべての組合せに対して図6の処理が行われる。
【0092】
図6に示されるように、重なり調整部73は、着目画像と相手画像が重なるか否かを判定する(S31)。ここでは、着目画像及び相手画像の画像位置及び画像サイズが参照されて、重複の有無が判定される。画像サイズの代わりに、各監視画像のアラーム信号が参照されてよい。監視画像のアラーム信号とは、該当する監視画像を撮像した監視カメラ3に関して発生したアラーム信号である。アラーム信号が有れば監視画像が拡大されるので、拡大サイズを用いて重なりが判定される。
【0093】
ステップS31の判定がYesの場合、重なり調整部73は、着目画像のアラーム信号の有無を判定する(S33)。着目画像のアラーム信号が無ければ、重なり調整部73は、相手画像のアラーム信号の有無を判定する(S35)。ステップS35がYesの場合、重なり調整部73は、着目画像の位置を相手画像と反対方向にずらし(S37)、ステップS31へ戻る。ここでは、着目画像の中心位置が相手画像の中心位置から離れるように、重なりが無くなるまで、画像位置が調整される。すなわち、重なり幅と同じ量だけ、画像位置が変更される。
【0094】
画像位置の調整方向は予め設定されてよく、例えば、画像位置が横方向にのみ調整されてよい。この場合、横方向の画像位置が、横方向の重なり幅だけ変更される。
【0095】
また、ステップS35がNoの場合も、重なり調整部73は、着目画像の位置を相手画像と反対方向にずらし(S41)、ステップS31へ戻る。この処理は、ステップS39と同様である。ただし、位置調整量は、重なり部分の幅の半分とされる。この場合、2つの画像位置が両方とも調整されて、重なりが解消される。
【0096】
また、ステップS33がYesの場合も、重なり調整部73は、相手画像のアラーム信号の有無を判定する(S37)。相手画像のアラーム信号が無ければ、重なり調整部73は、着目画像の位置を変更せず(S43)、ステップS31へ戻る。
【0097】
また、ステップS37がYesの場合、重なり調整部73は、ステップS41に進む。重なり調整部73は、前述したように、着目画像の位置を相手画像と反対方向に、重なり幅の半分だけずらし、ステップS31へ戻る。
【0098】
上記の処理によれば、着目画像にアラーム信号が無く、相手画像にアラーム信号が有れば、相手画像を避けるように着目画像の位置が調整される。
【0099】
また、着目画像にアラーム信号が有り、相手画像にアラーム信号が無ければ、画像位置は変更されない。この場合は、相手画像の画像位置が調整されることになる。
【0100】
また、着目画像と相手画像の両方にアラーム信号が無ければ、両方の画像位置が同じ量だけ調整される。着目画像と相手画像の両方にアラーム信号が有る場合も、両方の画像位置が同じ量だけ調整される。
【0101】
このようにして、本実施の形態によれば、アラーム信号が発生した監視カメラ3の監視画像は固定され、アラーム信号が発生していない監視カメラ3の監視画像がずらされる。また、2つの監視カメラ3にアラーム信号が発生していれば、両方の監視画像がずらされる。
【0102】
アラーム信号が発生しているということは、監視画像の確認が重要であることを意味する。上記の処理により、このような重要な監視画像を動かさないようにして、確認作業を容易にできる。
【0103】
「3つ以上の監視画像が重なる場合」
上記の処理では、2つの監視画像の重なりを解消するように画像位置が調整された。重なり調整部73は、3つ以上の監視画像が重なるか否かも判定する。そして、重なり調整部73は、3つ以上の監視画像が重なる場合、アラーム信号の重要度に応じて2つの監視画像を残し、残りの1以上の監視画像を表示対象から除外する。重なり調整部73は、表示対象からの除外の指示を画像生成部45に送る。画像生成部45は、重なり調整部73の指示に従い、指定された監視画像を合成部47へ供給しないように動作する。
【0104】
上記の処理では、アラーム信号の重要度が高い2つの監視画像が残される。アラーム信号の重要度は、以下のように定められてよい。
【0105】
入力されるアラーム信号は、手動アラーム信号、画像異常検出アラーム信号、重要場所検出アラーム信号の種別を含んでいるとする。手動アラーム信号の重要度は一番高く設定される。手動アラーム信号は、操作者の判断によって発生しているからである。重要場所検出アラーム信号の重要度は一番低く設定される。
【0106】
また、画像異常検出アラーム信号に関しては、画像中の異常部分のサイズに応じて重要度が決定されてよい。この処理のために、アラーム信号と共に、異常部分のサイズの情報が情報処理部5から監視画像表示部7に供給される。異常部分は、例えば、画像認識により不審者として検出された部分である。異常部分が大きいほど、監視カメラ3が異常に接近していると考えられる。そこで、異常部分が大きいほど、アラーム信号の重要度が高いと判定される。
【0107】
また、重要場所検出アラーム信号に関しては、カメラ位置と重要場所の距離が近いほど、アラーム信号の重要度が高いと判定されてよい。この処理のために、カメラ位置と重要場所の距離が、アラーム信号と共に監視画像表示部7に供給される。
【0108】
重なり調整部73は、上記の判定基準に基づき、アラーム信号の重要度が高い2つの監視画像を残し、残りの監視画像を表示対象から除外する。
【0109】
なお、重なった3つ以上の監視画像のうちで、2つの監視画像だけにアラーム信号だけが発生していたとする。この場合は、それら2つの監視画像が残される。
【0110】
また、1つの監視画像にだけアラーム信号が発生していたとする。この場合、適当なもう一つの監視画像が残されてよい。例えば、アラーム信号が生じた監視カメラ3に最も近い監視カメラ3が選ばれてよい。
【0111】
以上に本発明の第2の実施の形態について説明した。本実施の形態によれば、複数の監視画像が地図画像上で重複するときに、重複した複数の監視画像に関わるアラーム信号に基づいて複数の監視画像の画像位置が調整される。画像位置を調整することにより、複数の監視画像の重複を避けることができる。また、アラーム信号に応じて画像位置を調整するので、異常検出に関わる重要な画像を固定して、他の画像を移動できる。これにより、異常に関する情報をより分かりやすく正確にユーザに提示することができる。
【0112】
また、本実施の形態によれば、アラーム信号に基づいて、重複した複数の監視画像の多くても2つが表示対象に残される。一部の画像を表示対象から除外することにより、複数の監視画像の重複を避けることができる。また、アラーム信号を参照することにより、異常検出に関わる重要な画像を残し、他の画像を表示対象から除外できる。これにより、異常に関する情報をより分かりやすく正確にユーザに提示することができる。
【0113】
なお、上記の例では、3つ以上の監視画像が重複したときに、2つの監視画像が残され、残りが除外された。しかし、本発明は上記処理に限定されない。例えば3つの画像が残されてもよい。
【0114】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0115】
以上のように、本発明にかかる監視画像表示装置は、各監視カメラからの画像を直感的に確認でき、監視地区の状況を容易に把握可能になる効果を有し、モバイル監視カメラ等の監視画像を表示するために有用である。
【符号の説明】
【0116】
1 監視画像表示システム
3 監視カメラ
5 情報処理部
7 監視画像表示部
11 CCDカメラ
13 位置センサ
15 方向センサ
17 アラームスイッチ
23 画像認識ユニット
25 位置解析ユニット
31 入力部
33 地図サーバ
35 地図生成部
37 カメラマーク部
38 カメラマーク位置決定部
39 カメラマーク生成部
41 画像位置決定部
43 画像拡大判断部
45 画像生成部
47 合成部
49 サブモニタ表示判断部
51 メインモニタ
53 サブモニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の監視カメラで撮像された監視画像を表示する監視画像表示装置であって、
前記複数の監視カメラにより監視される監視地区の地図画像を生成する地図生成部と、
各監視カメラの位置情報に基づいて前記地図画像上での前記各監視カメラのカメラマークの位置を決定するカメラマーク部と、
前記各監視カメラの撮影方向情報に基づいて、当該カメラマークの位置に対して撮影方向側に前記監視画像の画像位置を決定する画像位置決定部と、
決定された前記カメラマークの位置及び前記画像位置に応じて、前記地図画像に前記複数の監視カメラの当該カメラマーク及び前記監視画像を合成する合成部と、
を有することを特徴とする監視画像表示装置。
【請求項2】
カメラマーク部は、撮影方向情報に基づいて、監視カメラの撮影方向を表すカメラマークを生成することを特徴とする請求項1に記載の監視画像表示装置。
【請求項3】
監視カメラに関する異常検出を表すアラーム信号に基づいて、前記監視カメラの監視画像を拡大するか否かを判断する画像拡大判断部と、前記画像拡大判断部の判断結果に応じて前記監視画像を拡大する画像生成部とを有することを特徴とする請求項1に記載の監視画像表示装置。
【請求項4】
監視カメラに関する異常検出を表すアラーム信号に基づいて、前記監視カメラの監視画像をサブモニタに表示するか否かを判断するサブモニタ表示判断部を有することを特徴とする請求項1に記載の監視画像表示装置。
【請求項5】
複数の監視画像が地図画像上で重複するときに、重複した前記複数の監視画像を撮像した各監視カメラに関する異常検出を表すアラーム信号に基づいて前記複数の監視画像の画像位置を調整する重なり調整部を有することを特徴とする請求項1に記載の監視画像表示装置。
【請求項6】
重なり調整部は、アラーム信号に基づいて、重複した複数の監視画像の多くても2つを表示対象に残すことを特徴とする請求項5に記載の監視画像表示装置。
【請求項7】
アラーム信号は、監視画像の画像処理により検出される画像異常検出アラーム信号、監視カメラのアラーム操作部が手動操作されたことを示す手動アラーム信号、及び、前記監視カメラが当該位置情報に基づいて所定の重要場所を撮影することを検出する重要場所検出アラーム信号を含むことを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の監視画像表示装置。
【請求項8】
複数の監視カメラと、前記複数のカメラで撮像された監視画像を表示する監視画像表示装置とを有する監視画像表示システムであって、
前記複数の監視カメラは、
撮像部と、
当該監視カメラの位置を検出する位置検出部と、
撮影方向を検出する方向検出部とを有し、
前記監視画像表示装置は、
前記複数の監視カメラにより監視される監視地区の地図画像を生成する地図生成部と、
前記各監視カメラの位置情報に基づいて前記地図画像上での前記各監視カメラのカメラマークの位置を決定するカメラマーク部と、
前記各監視カメラの撮影方向情報に基づいて、前記カメラマークの位置に対して撮影方向側に前記監視画像の画像位置を決定する画像位置決定部と、
決定された前記カメラマークの位置及び前記画像位置に応じて、前記地図画像に前記複数の監視カメラの当該カメラマーク及び前記監視画像を合成する合成部と、
を有することを特徴とする監視画像表示システム。
【請求項9】
複数の監視カメラで撮像された監視画像を表示するための監視画像処理方法であって、
前記複数の監視カメラにより監視される監視地区の地図画像を生成し、
前記各監視カメラの位置情報に基づいて前記地図画像上での前記各監視カメラのカメラマークの位置を決定し、
前記各監視カメラの撮影方向情報に基づいて、当該カメラマークの位置に対して撮影方向側に前記監視画像の画像位置を決定し、
決定された前記カメラマークの位置及び前記画像位置に応じて、前記地図画像に前記複数の監視カメラの当該カメラマーク及び前記監視画像を合成することを特徴とする監視画像処理方法。
【請求項10】
複数の監視カメラで撮像された監視画像を表示する監視画像表示方法であって、
前記複数の監視カメラにより監視される監視地区の地図画像上に、
前記各監視カメラの位置を示すカメラマーク及び、前記カメラマークに対して撮影方向側に前記監視画像を表示することを特徴とする監視画像表示方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−268186(P2010−268186A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117371(P2009−117371)
【出願日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】