説明

真空ポンプ

ポンプのロータ(14)を支持するポンプインサート(50)は、ポンプボディ(26)と係合する環状の弾性支持体(52)を備え、弾性支持体(52)は、転がり軸受(10)のまわりに延びており、転がり軸受(10)は、ロータ(14)と係合するインナーレース(12)と、弾性支持体(52)に固定されて軸方向に予め負荷がかけられたアウターレース(16)と、それらレースの間に配置された複数の転がり要素(18)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略的には、ポンプ用インサート、そのようなインサートを含んだ真空ポンプ及びポンプ用インサートを組み立てる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真空ポンプは、典型的には、ボディとロータとを備え、ロータは、ポンプの入口に接続されたツールから気体を吸引すべく、ボディに対して回転するように支持される。ロータは、軸受装置によって支持され、軸受装置は、ロータの各端部に配置された2つの軸受、あるいは、ロータの各端部の中間に配置された2つの軸受を備える。通常、上部軸受は、磁気軸受形式のものであり、下部軸受は、転がり軸受形式のものである。
【0003】
図1に示されるように、典型的な転がり軸受10は、ロータ14まわりに延びるインナーレース12と、アウターレース16と、ケージ20によって支持されインナーレース12とアウターレース16との相対回転を許容する複数の転がり要素18とを備える。転がり軸受10は潤滑されており、荷重伝達潤滑被膜によって、回転摺動接触関係にある軸受構成要素の分離が確保され、摩擦や磨耗が最小にされる。転がり軸受10からの潤滑剤の漏出を防止するために、シールド要素22が設けられている。ラジアル減衰リング24は、アウターレース16の半径方向の動きを減衰するためのものであり、アウターレース16の半径方向端面とポンプボディ26との半径方向における間に配置されている。アキシアル減衰リング28は、アウターレース16の軸方向の動きを減衰するためのものであり、アウターレース16の軸方向端面とポンプボディ26との間に配置されている。転がり軸受10は、ロータ14の端部にねじ込まれたねじ付ナット30によって、ロータ14に固定されており、インナーレース12における図示上側の軸方向端面32は、ロータ14の当接面34に係合する。
【0004】
上部磁気軸受(図示せず)は、典型的には、ロータ14に搭載された一束の磁気軸受ロータリングと、そのロータリングの内側で同心に配置された一束の磁気軸受ステータリングと備える。ステータリングは、ポンプの入口を介してアクセスできる軸方向調整マウントに搭載される。マウントの軸方向位置は、一束のステータリングが軸方向にオフセットされるように調整される。リング間の反発力に起因して、ロータ14は軸方向に偏らされ、軸方向の負荷が予めロータ14にかけられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
転がり軸受10と減衰リング24,28は、通常、ポンプの点検の際に交換される。軸受のインナーレース12の軸方向上部端面と、アキシアル減衰リング28の軸方向上部端面36との間には、累積公差があるので、ロータ14は、これらの構成要素の交換のあとに異なる軸方向の位置をとる。ロータ14の位置の変化は、磁気軸受によってロータ14にかけられる軸方向の予負荷を変化させる。もし、この予負荷があまりにも高いと、転がり軸受10は、過度の磨耗を受ける。また、この予負荷があまりにも低いと、ポンプの使用中、ロータ14の構成要素はポンプボディ26の構成要素と衝突する。その結果、転がり軸受10が交換されるときには、軸方向の予負荷が要求値となることを保証すべく磁気軸受ステータリングの取付状態を調整するよう、ポンプをツールから取り外さなければならない。これは、ポンプの点検に要する時間を大幅に増加させる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ボディと、ロータのまわりにはめ込まれたインサートによってボディに対して回転するように支持されたロータとを備え、インサートは、複数の可撓性部材によって接続されたインナー環状部材及びアウター環状部材を備える金属の環状の弾性支持体を備え、その弾性支持体は、転がり軸受のまわりに延び、転がり軸受は、インナーレースと、弾性支持体のインナー環状部材に固定されて軸方向に予め負荷がかけられたアウターレースと、インナーレース及びアウターレースの間に配置された複数の転がり要素とを有する、真空ポンプを提供する。
【0007】
組立中、インサートがロータにフィットしたとき、累積公差は大変小さくなるため、転がり軸受は、弾性支持体の内側に正確に位置決めされ得る。よって、転がり軸受が一組のインサート全体の弾性支持体に関して同じ位置に配置された状態で、一組のインサートが組みつけられる。その結果、転がり軸受がポンプの点検中に交換されたときにロータの位置は変化することなく、よって、ロータの軸方向の予負荷に変化はなく、且つ、点検中にツールからポンプを外す必要もない。転がり軸受のアウターレースに予め軸方向の負荷をかけることによって、転がり軸受におけるすべての内部クリアランスが除去され、それによって、半径方向及び軸方向の遊びがなくなり、システムの剛性が増加する。
【0008】
本発明は、インサート自体にも関連するものであり、したがって、本発明は、ポンプのロータのまわりにはめ込まれるインサートであって、複数の可撓性部材によって接続されたインナー環状部材及びアウター環状部材を備える金属の環状の弾性支持体を備え、該弾性支持体は転がり軸受のまわりに延び、その転がり軸受は、インナーレースと、前記弾性支持体のインナー環状部材に固定されて軸方向に予め負荷がかけられたアウターレースと、インナーレース及びアウターレースの間に配置された複数の転がり要素とを有する、インサートを提供する。
【0009】
インナーレースの軸方向端面は、好ましくは、弾性支持体の軸方向端面に対し軸方向にずれている。インナーレースの軸方向端面は、好ましくは、1〜3mmの範囲の距離だけ、弾性支持体の軸方向端面と軸方向にずれており、好適な実施の形態では、1.8mmだけ軸方向にずれている。
【0010】
アウターレースの外側面は、好ましくは、弾性支持体のインナー環状部材の内側面に固定されている。
【0011】
可撓性部材のそれぞれは、好ましくは、インナー環状部材及びアウター環状部材とほぼ同心の細長いアーチ状の部材である。好適な実施の形態では、これらの可撓性部材は、円周方向に整列されている。したがって、弾性支持体の可撓性部材は、弾性支持体のなかでの複数の一体的な板ばね(integral leaf springs)を提供し、それにより、弾性支持体の半径方向の剛性を決めている。弾性支持体の半径方向の可撓性は、例えば、有限要素解析を用い、駆動軸の振動特性に適合した所定のたわみ特性を有するように容易に設計することができる。50〜500N/mmの範囲の半径方向の低い剛性は、ポンプの必要な動力に合わせられている。半径方向の剛性を低下させることは、ポンプの2次モードの固有振動数を減少させ、それにより、ポンプの全速力における振動の伝達性を減少させ、したがって特定の軸がバランスを崩すようなポンプ振動のレベルを減少させる。このようにして、高速平衡化を行う必要なく不安定な振動の伝達を許容可能なレベルにし、ポンプごとに大きなコスト低減を提供する。
【0012】
弾性支持体は、好適には、例えば、鍛鋼、アルミニウム、チタニウム、リン青銅、ベリリウム銅、アルミニウム合金、または、チタニウム合金といった、金属で形成されている。この場合、弾性支持体の半径方向及び軸方向の剛性は、温度や時間で変化せず、すなわち、クリープによって変化しない。
【0013】
弾性支持体は、接着剤を使用してアウターレースに接着されている。
【0014】
本発明は、ポンプインサートの組立方法も提供し、その方法は、インナーレースと、アウターレースと、それらレースの間に配置された複数の転がり要素とを有する転がり軸受のまわりに、環状の弾性支持体を配置し、転がり軸受を、弾性支持体の内側で、弾性支持体の軸方向端面に関して所望の位置に配置し、所望の位置において、転がり軸受のアウターレースに予め負荷をかけながら転がり軸受のアウターレースに対して弾性支持体を固定する。
【0015】
上述したように、所望の位置において、インナーレースの軸方向端面は、好ましくは、軸方向に、弾性支持体の軸方向端面とずれている。スペーサは、インナーレースの端面が弾性支持体の端面と所望の距離だけずれた所望の位置に、転がり軸受を配置するために使用される。例えば、スペーサは、弾性支持体の端面と係合する支持体係合部分と、弾性支持体の端面がスペーサの支持体係合部分と係合されるときに弾性支持体のボア内に所望距離だけ突出する軸受係合部分とを有する。転がり軸受は、インナーレースの端面がスペーサの軸受係合部分と係合するようにして、弾性支持体の内側に速やかに配置され、よって、転がり軸受は、弾性支持体の内側の所望の位置に正確に配置される。弾性部材は、例えばスプリングであり、所望の位置に配置されたときに転がり軸受に軸方向の負荷をかけるため、スペーサとアウターレースとの間に配置される。
【0016】
本発明はさらに、真空ポンプの組立方法を提供し、その方法は、ボディと、そのボディに対して回転するように支持されたロータとを備えた真空ポンプの組立方法であって、上述したインサートがロータに沿ってスライドされることと、そのインサートがロータに固定されることとを含み、インサートは、弾性支持体の軸方向端面がボディに係合し且つ転がり軸受のインナーレースにおける軸方向端面がロータに係合するまで、該ロータに沿ってスライドされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ポンプのロータを支持する公知の転がり軸受の断面図である。
【図2】転がり軸受を含むポンプインサートの断面図である。
【図3】図2のポンプインサートにおける弾性支持体の斜視図である。
【図4】図2のポンプインサートの組立方法を示す図である。
【図5】ポンプのロータを支持する図2のポンプインサートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の好ましい特徴を、単に例として示した添付図面を参照して説明する。
【0019】
図2は、ポンプの軸受装置の一部であるポンプインサート50の断面図である。ポンプインサート50は、図1を参照して既に述べたような公知の転がり軸受10を備えており、転がり軸受10は、インナーレース12と、アウターレース16と、ケージ20によって支持されたインナーレース12及びアウターレース16の相対回転を許容する複数の転がり要素18とを備える。転がり軸受10は潤滑されており、荷重伝達潤滑被膜によって、回転摺動接触関係にある軸受構成要素の分離が確保され、摩擦や磨耗が最小にされる。転がり軸受10からの潤滑剤の漏出を防ぐために、シールド要素22が設けられている。
【0020】
図3に詳細に示されているように、転がり軸受10は、環状の弾性支持体52の内側に配置されている。弾性支持体52は、一体のインナー環状部材54及びアウター環状部材56を有する金属部材を備えている。環状部材54,56は、弾性支持体52における機械加工スロット60により形成された複数の一体的可撓性部材58によって接続されている。各可撓性部材58は、第1弾性ヒンジ62によってインナー環状部材54に接続され、第2弾性ヒンジ64によってアウター環状部材56に接続されている。各可撓性部材58は、インナー環状部材54及びアウター環状部材56とほぼ同心の細長いアーチ状の形態を有しており、図3に示されるように、可撓性部材58は、好適には、円周方向に整列されている。
【0021】
再び図2を参照すると、転がり軸受10のアウターレース16の外径面38は、弾性支持体52のインナー環状部材54における、軸方向に延びた内側円筒面66に対し、好適には接着剤を用いて固定されている。転がり軸受10は、好適には、弾性支持体52の内部に配置されており、その配置位置は、転がり軸受10のインナーレース12の軸方向端面32が、軸方向端面68から軸方向に所望距離Y離れた位置であり、距離Yは、好適には1mm〜3mm、本実施の形態では、1.8mmとなっている。
【0022】
図4は、ポンプインサート50の組立方法を図示する。転がり軸受10を弾性支持体52内の所望の位置に配置するため、スペーサ80が用いられる。スペーサ80は、弾性支持体52の軸方向端面68と係合する支持体係合部分82と、転がり軸受10のインナーレース12の軸方向端面32と係合する軸受係合部分84を有する。
支持体係合部分82は、弾性支持体52の軸方向端面68の上に配置された環状の平坦面86を有し、スペーサ80の軸受係合部分84は、弾性支持体52のボア70内に所望距離Yだけ突出する。転がり軸受10は、弾性支持体52のボア70内に挿入され、また、転がり軸受10は、インナーレース12の軸方向端面32がスペーサ80の軸受係合部分84における軸方向端面88と係合するまで、スペーサ80に向けて押し込まれる。それから、転がり軸受10は、好適には接着剤を用いて弾性支持体52に固定され、接着剤は、転がり軸受10のアウターレース16における外径面38を弾性支持体52のインナー環状部材54における円筒面66に接着する。
【0023】
図4に図示されるように、弾性部材90は、好適には、スペーサ80と転がり軸受10との間に配置された引張ばねである。弾性部材90は、好適には、該弾性部材を適所に保持すようにスペーサ80の平坦面86に接続された一端を有する。転がり軸受10がスペーサ80に向けて動かされるとき、弾性部材90は、スペーサ80と転がり軸受10のアウターレース16との間で圧縮され、アウターレース16に軸方向負荷を付与する。転がり軸受10が所望の位置に配置されると、この弾性部材90により公知のような軸方向負荷がアウターレース16にかけられ、組み立てられたポンプインサート50において、アウターレース16には、軸方向に予め負荷がかけられる。
【0024】
一セットのポンプインサート50は、順次、スペーサ80を使用しながら組み立てられ、そのセット内では、各転がり軸受10が弾性支持体52に関して同じ位置に配置され、各転がり軸受10に同じような負荷が予め軸方向にかけられる。
【0025】
図5は、真空ポンプのロータ14まわりの本来の位置にあるポンプインサート50を示す。ポンプを組み立てる間、ロータ14がその回転が抑止されるように保持された状態で、ポンプインサート50は、ロータ14の端部15に配置され、さらに、弾性支持体52の軸方向端面68がポンプボディ26に係合し且つ転がり軸受10のインナーレース12における軸方向端面32がロータ14の当接面34に係合するまで、ロータ14に沿ってスライドされる。それから、オイルナット(ねじ付ナット)30が、ロータ14の端部にねじ込まれ、転がり軸受10のインナーレース12をロータ14に固定する。ポンプに、ロータを支持する軸受装置の磁気軸受形成部が設けられているならば、磁気軸受の磁気軸受ステータリングの搭載を調整し、ロータ14に所望の軸方向の負荷を予め付与する。
【0026】
ポンプの点検中、ツールを外すときには、ロータ14は再度、その回転が抑止されたままとなり、オイルナットがロータ14から外され、ポンプインサート50がポンプから取り外される。それから、新しいポンプインサート50が、ロータ14に挿入されて適所までスライドされ、さらに、ポンプインサート50を適所に保持すべくオイルナット30がロータ上に戻される。弾性支持体52の軸方向端面68と転がり軸受10のインナーレース12における軸方向端面32との間にある累積公差は非常に小さいので、ロータ14の軸方向位置は、ほとんど変化せず、仮にあったとしても、ポンプインサート50を変更したことによるものである。その結果、ロータ14に予めかける軸方向の負荷を調整するために、ポンプをツールから外す必要がない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インナーレースと、アウターレースと、それらレースの間に配置された複数の転がり要素とを有する転がり軸受のまわりに、環状の弾性支持体を配置し、
前記転がり軸受を、前記弾性支持体の内側で、該弾性支持体の軸方向端面に関して所望の位置に配置し、
前記所望の位置において、前記転がり軸受の前記アウターレースに予め負荷をかけながら該転がり軸受の該アウターレースに対して前記弾性支持体を固定する、
ポンプインサートの組立方法。
【請求項2】
前記所望の位置において、前記インナーレースの軸方向端面は、前記弾性支持体の前記軸方向端面に対し、軸方向に離隔されている、
請求項1のポンプインサートの組立方法。
【請求項3】
前記転がり軸受を前記所望の位置に位置決めするためスペーサが用いられ、前記インナーレースの前記軸方向端面は、前記弾性支持体の前記軸方向端面に対し、所望の距離だけ、軸方向に離隔されている、
請求項2のポンプインサートの組立方法。
【請求項4】
前記スペーサは、前記弾性支持体の前記軸方向端面と係合する支持体係合部分と、軸受係合部分とを有し、該軸受係合部分は、前記弾性支持体の前記軸方向端面が前記スペーサの前記支持体係合部分によって係合するときに、所望の距離だけ前記弾性支持体のボア内に突出し、
前記転がり軸受は、前記インナーレースの前記軸方向端面が前記スペーサの前記軸受係合部分と係合するように、前記弾性支持体の内側に位置決めされる、
請求項3のポンプインサートの組立方法。
【請求項5】
前記転がり軸受が前記所望の位置に位置決めされるときに該転がり軸受に軸方向の負荷をかけるべく、前記スペーサと前記アウターレースとの間には、弾性部材が設けられる、
請求項4のポンプインサートの組立方法。
【請求項6】
前記弾性支持体は、接着剤を用いて前記アウターレースに接着される、
請求項1乃至5の何れか一項のポンプインサートの組立方法。
【請求項7】
前記弾性支持体は、複数の可撓性部材によって接続されたインナー環状部材及びアウター環状部材を備えており、前記アウターレースの外側面は、前記弾性支持体の前記インナー環状部材における内側面に固定されている、
請求項1乃至6の何れか一項のポンプインサートの組立方法。
【請求項8】
ポンプのロータのまわりにはめ込まれるインサートであって、複数の可撓性部材によって接続されたインナー環状部材及びアウター環状部材を具備する金属の環状の弾性支持体を備え、該弾性支持体は転がり軸受のまわりに延びており、その転がり軸受は、インナーレースと、前記弾性支持体のインナー環状部材に固定されて軸方向に予め負荷がかけられたアウターレースと、前記インナーレース及びアウターレースの間に配置された複数の転がり要素とを有するものである、インサート。
【請求項9】
前記インナーレースの軸方向端面は、前記弾性支持体の軸方向端面と軸方向にずれている、請求項8のインサート。
【請求項10】
前記インナーレースの軸方向端面は、1〜3mmの範囲の距離だけ、前記弾性支持体の軸方向端面と軸方向にずれている、請求項8又は9のインサート。
【請求項11】
前記アウターレースの外側面は、前記弾性支持体のインナー環状部材における内側面に固定されている、請求項8乃至10の何れか一項のインサート。
【請求項12】
前記可撓性部材のそれぞれは、前記インナー環状部材及びアウター環状部材とほぼ同心の細長いアーチ状の部材である、請求項8乃至11の何れか一項のインサート。
【請求項13】
前記可撓性部材は、円周方向に整列されている、請求項12のインサート。
【請求項14】
前記可撓性部材は、前記弾性支持体において複数の一体的な板ばねをもたらす、請求項8乃至13の何れか一項のインサート。
【請求項15】
前記金属は、鍛鋼、アルミニウム、チタニウム、リン青銅、ベリリウム銅、アルミニウム合金及びチタニウム合金のうちの一つで構成される、請求項8乃至14の何れか一項のインサート。
【請求項16】
前記弾性支持体は、接着剤を使用して前記アウターレースに接着されている、請求項8乃至15の何れか一項のインサート。
【請求項17】
ボディと、軸受装置によって該ボディに対して回転するように支持されたロータとを備え、前記軸受装置は、請求項8乃至16の何れか一項のインサートを備える、真空ポンプ。
【請求項18】
ボディと、ロータのまわりにはめ込まれたインサートによって該ボディに対して回転するように支持されたロータとを備え、前記インサートは、複数の可撓性部材によって接続されたインナー環状部材及びアウター環状部材を具備する金属の環状の弾性支持体を備え、該弾性支持体は、転がり軸受のまわりに延びており、該転がり軸受は、インナーレースと、前記弾性支持体のインナー環状部材に固定されて軸方向に予め負荷がかけられたアウターレースと、前記インナーレース及びアウターレースの間に配置された複数の転がり要素とを有する、真空ポンプ。
【請求項19】
ボディと、該ボディに対して回転するように支持されたロータとを備える真空ポンプの組立方法であって、請求項8乃至16の何れか一項のインサートが、前記ロータに沿ってスライドされることと、該インサートが該ロータに固定されることとを含み、前記インサートは、前記弾性支持体の軸方向端面が前記ボディに係合し且つ前記転がり軸受の前記インナーレースにおける軸方向端面が前記ロータに係合するまで、該ロータに沿ってスライドされる、真空ポンプの組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−516972(P2010−516972A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546816(P2009−546816)
【出願日】平成20年1月9日(2008.1.9)
【国際出願番号】PCT/GB2008/050022
【国際公開番号】WO2008/093134
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(507261364)エドワーズ リミテッド (85)
【Fターム(参考)】