説明

真空用切換弁装置

【課題】 ワーク保持用吸着部へ真空破壊用空気圧を供給してワークを離脱した際、圧力空気を大気開放ポートから速やかに排気すること。
【解決手段】 真空破壊用3ポート切換弁30は、供給通口31Gを装置本体10の圧力空気供給ポートP1へ連通させるとともに、装置本体10の内部通路10a、10eを通って、真空供給用3ポート切換弁20の弁本体21の内部通路21Gを通り、弁部材23を介して吸着側に接続する出力ポートP2へ連通し、排気ポートP4を装置本体10の圧力空気供給ポートP1とは同じ側の側面へ開口して大気中へ開放し、真空供給用3ポート切換弁20は、真空源Vへ接続する真空供給ポートP3と出力ポートP2とを、装置本体10の圧力空気供給ポートP1および真空破壊用3ポート切換弁30の排気ポートP4と同じ側の側面へ開口した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造分野における真空搬送装置に用いる真空用切換弁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の真空用切換弁装置として、特許文献1(特開2003−311671号公報)、特許文献2(特許第3866025号公報)に記載されたものが知られている。
特許文献1は、本出願人によるものであるが、このような真空用切換弁装置を搬送装置に用いた場合、所定位置まで半導体のようなワークを搬送し、ワーク保持用吸着部へ真空破壊用空気圧を供給してワークを離脱した後、吸着部から真空破壊用切換弁に至る内部通路内に圧力空気が残存しているため、吸着部がその位置に留まっていると、残留している内部の圧力空気はこの吸着部から大気中へ排出されるので、折角搬送して離脱した半導体などのワーク位置がその圧力でずれてしまったり、場合によっては吹き飛ばされたりするおそれがあり、また搬送装置が元の位置に戻った場合でも残存している圧力空気によって搬送するワークの位置がずれて所定位置を保持できなかったり、あるいは吹き飛ばしたりするおそれがあった。
【0003】
一方、特許文献2においては、ワーク保持用吸着部へ真空破壊用空気圧を供給してワークを離脱する際、圧力空気の一部が排気ポートから常時排出される構造をしているので、ワークを離脱した後、特許文献1の構造よりは短い時間で大気圧まで下降するが、吸着部から真空破壊用切換弁に至る内部通路が長い場合には、やはり前者と同様な問題点を有するものであった。
【0004】
そのため、全体として作業時間、即ちタクトタイムが長くかかってしまい、全体として生産性に寄与できない。また、特許文献2の構造においては、真空破壊用切換弁が作用している間は排気ポートから圧力空気の一部を排出しており、エネルギーの無駄な消費に繋がるという問題点もあった。
【特許文献1】特開2003−311671号公報
【特許文献2】特許第3866025号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述したように、従来の構造では、真空搬送したワークを離脱した際、吸着部へ導入した真空破壊用の圧力空気が、吸着部に至る配管通路内に残存しているため、その残存圧力空気がワーク離脱後も同じ吸着部から流出するため、その圧力空気が前述したような悪影響を与えるという問題があった。
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、ワーク保持用吸着部へ真空破壊用空気圧を供給してワークを離脱した際、圧力空気が排気ポートから速やかに排気することができる真空用切換弁装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の別の目的は、特許文献2の従来例に示すような、真空破壊時に大気中へ常時圧力空気の一部を排出して空気消費するのではなく、真空破壊用圧力空気が有効に作用する真空用切換弁装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、圧力空気源と接続する圧力空気供給ポートを有する装置本体と、前記装置本体の一方の側面に装着される真空破壊用3ポート切換弁と、前記装置本体の他方の側面に装着される真空供給用3ポート切換弁とを有する真空用切換弁装置において、前記真空破壊用3ポート切換弁は、供給通口を前記装置本体の圧力空気供給ポートへ連通させるとともに、前記装置本体の内部通路を通って、前記真空供給用3ポート切換弁の弁本体の内部通路を通り、弁部材を介して吸着側に接続する出力ポートへ連通し、排気ポートを前記装置本体の圧力空気供給ポートとは同じ側の側面へ開口して大気中へ開放し、前記真空供給用3ポート切換弁は、真空源へ接続する真空供給ポートと前記出力ポートとを、前記装置本体の圧力空気供給ポートおよび前記真空破壊用3ポート切換弁の排気ポートと同じ側の側面へ開口したことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の真空用切換弁装置において、前記装置本体に有する圧力空気供給ポートと前記真空破壊用3ポート切換弁の供給通口とを連通する通路途中へ流量制御弁を装着し、真空破壊用圧力空気の供給量を調整可能に構成してなることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1記載の真空用切換弁装置において、前記装置本体に有する圧力空気供給ポートと前記真空破壊用3ポート切換弁の供給通口とを連通する通路途中へ圧力制御弁を装着し、真空破壊用圧力空気の圧力を調整可能に構成してなることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明は、請求項3記載の真空用切換弁装置において、前記圧力制御弁が減圧弁であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、圧力空気源と接続する圧力空気供給ポートを有する装置本体と、前記装置本体の一方の側面に装着される真空破壊用3ポート切換弁と、前記装置本体の他方の側面に装着される真空供給用3ポート切換弁とを有する真空用切換弁装置において、前記装置本体は、前記圧力空気供給ポートと、前記圧力空気供給ポートと接続し、前記真空破壊用3ポート切換弁側に開口する通口と、前記圧力空気供給ポートと直交する方向に貫通する内部通路とを有し、前記真空供給用3ポート切換弁は、弁本体と、前記弁本体の側面に取り付けられるソレノイドと、吸着側に接続するために前記弁本体の底面側に開口する出力ポートと、真空源に接続するために前記弁本体の底面側に開口する供給ポートと、前記出力ポートと接続するとともに前記弁本体の前記装置本体側の側面に開口するように前記弁本体に設けた内部通路と、前記出力ポートと接続するために前記弁本体の前記装置本体側の側面に設けた弁用開口と、前記供給ポートと接続するために前記弁本体の前記ソレノイド側の側面に設けた開口と、前記出力ポートと前記供給ポートとを接続するために前記弁本体に設けた連通穴と、前記連通穴を介して前記弁用開口と前記開口とに配される弁部材と、前記弁部材を前記開口方向へ押圧するバネと、前記弁部材を前記ソレノイドの可動鉄心を介して前記弁用開口方向へ押圧するバネとを有し、前記真空破壊用3ポート切換弁は、弁本体と、前記弁本体の側面に取り付けられるソレノイドと、前記真空用切換装置内を大気側と接続するために前記弁本体の底面側に開口する排気ポートと、前記排気ポートと接続するために前記弁本体に設けた弁用開口と、前記弁用開口と接続するとともに前記弁本体の前記装置本体側に開口するように前記弁本体に設けた出力口と、前記弁本体の前記ソレノイド側の側面に設けた開口と、前記通口と接続するとともに前記弁本体の前記装置本体側の側面に開口するように前記弁本体に設けた供給通口と、前記弁用開口と前記開口とを接続するために前記弁本体に設けた連通穴と、前記連通穴を介して前記弁用開口と前記開口とに配される弁部材と、前記弁部材を前記開口方向へ押圧するバネと、前記弁部材を前記ソレノイドの可動鉄心を介して前記弁用開口方向へ押圧するバネとを有し、前記装置本体の通口は、前記真空破壊用3ポート切換弁の供給通口と接続し、前記装置本体の内部通路は、前記真空破壊用3ポート切換弁の出力口と接続し、前記装置本体の内部通路は、前記真空供給用3ポート切換弁の内部通路と接続し、前記真空供給用3ポート切換弁のソレノイドのON時に、前記可動鉄心が吸引され、前記真空供給ポートが前記真空供給用3ポート切換弁の開口、前記連通穴および前記弁用開口を介して前記出力ポートと接続され、前記真空供給用3ポート切換弁のソレノイドのOFF時に、前記出力ポートは前記真空供給用3ポート切換弁の内部通路、前記装置本体の内部通路、前記真空破壊用3ポート切換弁の出力口および前記真空破壊用3ポート切換弁の弁用開口を介して前記排気ポートと接続され、前記真空破壊用3ポート切換弁のソレノイドのON時に、前記可動鉄心が吸引され、前記真空破壊用3ポート切換弁の開口が前記連通穴を介して前記弁用開口と接続され、前記出力口、前記装置本体の内部通路および前記真空供給用3ポート切換弁の弁用開口を介して前記出力ポートと接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
1.ワーク保持用吸着部へ真空破壊用空気圧を供給してワークを離脱した際、圧力空気が排気ポートから速やかに排気することができ、短時間で次の吸着動作に移行していくことができ、タクトタイムを短くすることが可能となった。
2.真空破壊時に大気中へ常時圧力空気の一部を排出して空気消費するのでなく、ワークの離脱時のみ大気中へ圧力空気を排出するように構成しているので、真空破壊用圧力空気が有効に作用するよう構成することができる。
【0011】
3.真空破壊用切換弁において、供給破壊空気の流入量を有効に制御できるので、ワークの形状等、目的に合わせて対応することができるという実用面での効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1〜図3は、本発明の第一実施形態に係る真空用切換弁装置を示す。
本実施形態に係る真空用切換弁装置は、概略直方体状の装置本体10の両側に、2ポジション3ポート方式の電磁弁から成る真空供給用切換弁20と真空破壊用切換弁30とを配置することによって構成されている。
【0013】
真空供給用切換弁20は、弁本体21とソレノイド22とを有しており、弁本体21の中央部両側面方向から夫々底面を有する弁用通口21A、21Bが形成してあり、夫々の弁用通口21A、21Bの底面に弁座21C、21Dが形成してある。そして、この底面間には弁座21C、21Dの周固複数個所に所定の大きさの連通穴21Eが貫通形成してある。
【0014】
弁用通口21Aには、装置本体10の真空供給用切換弁20側の側面に形成された環状突起部10Aが嵌合してあり、この環状突起部10Aと弁用通口21Aとによる空間には弁部材23が配置され、この弁部材23と装置本体10の真空供給用切換弁20側の側面との間にはコイルバネ24が装着してある。環状突起部10Aの中心部に座ぐリ穴10Bが形成され、コイルバネ24の真空供給用切換弁20側の端部が挿入配置されている。また、弁部材23は、その外周部を弁支持部材25で保持している。この弁支持部材25は、図2に示すように、弁部材23を支持する円環部25Bと、周囲が複数個の長手方向に突出する脚部25Aとを有しており、この脚部25Aが前述した弁本体21の連通穴21E内を通過して伸び、コイルバネ24の押圧力で弁部材23によりソレノイド22方向へ押圧され、先端がソレノイド22の可動鉄心(プランジャー)22A端面へ当接している。さらに、このソレノイド22の可動鉄心22Aは、常時コイルバネ22Bにより装置本体10方向へ押圧支持されている。そして、この時、支持部材25の両側にコイルバネ24とコイルバネ22Bとの押圧力が作用するが、通常ソレノイド22がOFF状態で可動鉄心22Aの端面の弁シート22Cが弁座21Dを密閉するように、コイルバネ22Bをコイルバネ24より押圧力を強く設定してある。
【0015】
一方、真空破壊用切換弁30は、弁本体31とソレノイド32とを有しており、弁本体31の中央部両側面方向から夫々底面を有する弁用通口31A、31Bが形成してあり、夫々の穴の底面に弁座31C、31Dが形成してある。そして、この底面間には弁座31C、31Dの周囲複数個所に所定の大きさの連通穴31Eが貫通形成してある。
弁用通口31Aには、装置本体10の真空破壊用切換弁30側の側面に形成された環状突起部10Cが嵌合してあり、環状突起部10Cと弁用通口31Aとによる空間には弁部材33が配置され、この弁部材33と装置本体10の真空破壊用切換弁30側の側面との間にはコイルバネ34が装着してある。環状突起部10Cの中心部に座ぐり穴10Dが形成され、コイルバネ34の左端部が挿入配置されている。また、弁部材33は、その外周部を弁支持部材35で保持している。この弁支持部材35は、図2に示すように、真空供給用切換弁20と同様に、弁部材33を支持する円環部35Bと、周囲が複数個の長手方向に突出する脚部35Aとを有しており、この脚部35Aが前述した弁本体31の連通穴31E内を通過して伸び、コイルバネ34の押圧力で弁部材33をソレノイド32方向へ押圧し、先端がソレノイド32の可動鉄心(プランジャー)32A端面へ当接している。さらに、このソレノイド32の可動鉄心32Aは、常時コイルバネ32Bにより装置本体10方向へ押圧支持されている。そしてこの時、弁支持部材35の両側にコイルバネ34とコイルバネ32Bとの押圧力が作用するが、通常ソレノイド32がOFF状態で可動鉄心32Aの瑞面の弁シート32Cが弁座31Dを密閉するように、コイルバネ32Bをコイルバネ34より押圧力を強く設定してある。なお、図中26、36は手動切換弁を示す。
【0016】
次に、これらの2つの切換弁構造における開口と通路の構成について説明する。
図1において、装置本体10の底面には圧力空気源へ接続される圧力供給ポートPlが開口し、装置本体10の内部を垂直に形成され、途中に縮径部10aを有し、上端から開口するネジ穴10bへ連通させている。そして、ネジ穴10b底面近くから真空破壊用切換弁30側へ接続する通口10cが開口している。また、この主弁本体10の真空破壊用切換弁30側の側面の下方へ形成した内部通路10dは、主弁本体10の内部を通って真空供給用切換弁20側の上方に開口する内部通路10eと繋がっている。
【0017】
一方、真空供給用切換井20の弁本体21の底面部には、間隔をおいて2つのポートが開口しており、装置本体10に近い方が、吸着パッドなどの真空機器へ接続される出力ポートP2、ソレノイド22側に近い方が、真空供給源である真空発生機器(真空ポンプ等)Vへ接続される真空供給ポートP3である。出力ポートP2は弁用通口21Aへ連通し、真空供給ポートP3は、弁座21Dの中心へ弁口21Fとして開口している。また、装置本体10の真空供給用切換弁20側の端面に開口する内部通路10eと連通する内部通路21Gが、弁座21Cの中心部へ21として開口する。
【0018】
また、真空破壊用切換弁30の弁本体31の底面部には、排気ポートP4が開口し、弁座31Cの中心へ弁口31Fとして開口している。
さらに、装置本体10において、上端から開口するネジ穴10bには流量制御弁40が装着されており、その内部に長手方向に移動する弁機能が内蔵され、先端の円錐部分41が縮径部10aと係合して、圧力供給ポートPlから流入する真空破壊用圧縮空気(正圧)の量を制御可能に構成している。即ち、通口10cから供給通口31Gを通って破壊用切換弁30側へ流入する流量が制御される。また、弁用通口31Aは出力口31Jを介して装置本体10の開口10dに連通している。
【0019】
図3は、本実施形態に係る真空用切換弁装置の回路構成を示す。
図3に基づいて本実施形態に係る真空用切換弁装置の動作を説明する。
先ず、真空吸着時の動きを説明する。図1および図3において、真空供給用切換弁20のソレノイド22をONする。すると、可動鉄心22Aがソレノイド22方向へ吸引され、従って弁座21Dが開き、真空供給ポートP3が弁口21F、穴21B、連通穴21Eから弁用通口21Aと連通して、出力ポートP2と接続される。従って、真空源Vは、真空供給用切換弁20内を通って真空吸着装置SAへ連通し、ワークWが吸着保持される。
【0020】
図示していないが、これらの切換弁が搬送装置に一体化されていて保持したワークWは所定の場所へ搬送される。
次に、所定位置に搬送されたワークWを離脱する場合を説明する。
前述したように、真空供給用切換弁20が作動してワークWが所定位置に到達すると、真空供給用切換弁20がOFFする。すると、図3の状態にもどる。コイルバネ22Bの押圧力により可動鉄心22Aとさらに弁部材23が装置本体10方向へ移動し、弁口21Fは閉鎖し、弁口21Hが開口し、出力ポートP2は内部通路21G、10e、10d、出力口3lJ、弁用通口31A、弁口31Fを通じて排気ポートP4と連通し、真空吸着装置内の真空が大気側と連通し、大気が流入して真空が破壊されていく。
【0021】
真空供給用切換弁20がOFFして僅かな時間経過後、さらに真空破壊用切換弁30がONする。すると、可動鉄心32Aにより密閉していた弁口孔31Hが開口し、連通穴31Eを通じて弁用通口31Aと連通する。従って、これまで排気ポートP4に連通していた弁用通口31A部は、圧力空気源側と連通し、真空破壊用圧力空気が急激に真空供給装置SAへ流入し、吸着していたワークWは離脱される。
【0022】
ワークWの所定位置への離脱が完了すると、真空破壊用切換弁30がOFFする。それにより、また図1の状態にもどる。すると、圧力供給ポートPlは可動鉄心32Aによって閉鎖される。そして、真空供給装置SAへ流入していた圧力空気は、排気ポートP4から流出し、これらの内部通路内を大気圧へ戻していく。
図4および図5は、本発明の第二実施形態に係る真空用切換弁装置を示す。
【0023】
本実施形態に係る真空用切換弁装置は、図4に示すように、図1における流量制御弁40の代りに、レギュレータ(減圧弁)140を装着している。
このレギュレータ140の機能は、通常一般的な構造でよく、空気圧源からの圧力を2次側へ所定の圧力にして選出するものである。
このレギュレータ140は、装置本体110に内蔵されたカートリッジ式のものを示しており、装置本体110のポートP1と通口110cとを結ぶ垂直通路へ形成した穴110Aへ、レギュレータ本体141が挿着される。このレギュレータ本体141の上部には調圧機構が内蔵され、下方には逆止弁機構が内蔵される。調圧機構はピストン142と、ピストン142を下方に押圧するバネ143と、ネジ144とから構成され、ネジ144を操作することでバネ143を介してピストン142を上下方向へ作動させる。
【0024】
逆止弁機構は、球体145と、この球体145を上方へ押圧するバネ146からなり、ピストン142の先端小径部142aが常時球体145へ当接している。
装置本体110の下方には、通口141aが形成され、上方には通口141bが半径方向に形成され、ピストン143の先端小径部142aが通る穴142cを通して連通するように構成されている。
【0025】
従って、ネジ144を回転操作することで、ピストン142の先端小径部142aで球体145を押し下げることになり、球体145と装置本体110の穴142aの隙間量を制御することで、供給ポートP1から真空破壊用切換弁130を介して真空吸着側へ流入する破壊用空気圧力を所定の圧力に制御することができる。
その他の構造は、第一実施形態と同じであり、詳細な説明は省く。
【0026】
本実施形態に係る真空用切換弁装置は、可変絞り弁40に代えてレギュレーク(減圧弁)140を装置本体110内へ内蔵して、圧力供給ポートPlからの圧力空気を真空破壊用切換弁130へ供給させるよう構成したので、以下のような新しい効果をさらに生むことができる。
通常、減圧弁は空気圧源と弁装置の間へ接続し、後続する機器の圧力を一定にしているが、多くの空気圧機器を使用する場合、他の機器の動作によって本発明の真空切換弁装置における真空破壊用空気圧が低下したりして圧力変動の影響を受けかねないので、このように切換弁の近くへ減圧弁を配置することで前述したような圧力変動の影響を受けにくくすることができ、従って半導体等の搬送において、常時一定した条件で搬送件業が実施できる。
【0027】
なお、本実施形態では、レギュレータ(減圧弁)140をカートリッジ式にして装置本体110へ組み込んだが、例えば、装置本体110の下部にサブベースを設け、このサブタンクへ内蔵して、空気圧源と接続するようにしても、同様な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の第一実施形態を示す真空用切換弁装置の部分断面正面図である。
【図2】図1に示す弁支持部材の外観形状の斜視図である。
【図3】図1の回路説明図である。
【図4】本発明の第二実施形態を示す真空用切換弁装置の部分断面正面図である。
【図5】図4の回路説明図である。
【符号の説明】
【0029】
10、110 装置本体
10A、10C 環状突起
10B 座ぐり穴
20 真空供給用切換弁
21、31 弁本体
21A、21B、31A、31B 弁用通口
21C、21D、31C、31D 弁座
21E、31E 連通穴
22、32 ソレノイド
22A、32A 可動鉄心(プランジャー)
22B、24、32B、34 コイルバネ
23、33 弁部材
25、35 弁支持部材
30 真空破壊用切換弁
31G 供給口
31J 出力口
40 流量制御弁
140 レギュレータ(減圧弁)
P 圧力空気源
P1 圧力供給ポート
P2 出力ポート
P3 真空供給ポート
P4 排気ポート
V 真空源
SA 真空吸着装置
W ワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力空気源(P)と接続する圧力空気供給ポート(P1)を有する装置本体(10)と、前記装置本体(10)の一方の側面に装着される真空破壊用3ポート切換弁(30)と、前記装置本体(10)の他方の側面に装着される真空供給用3ポート切換弁(20)とを有する真空用切換弁装置において、
前記真空破壊用3ポート切換弁(30)は、供給通口(31G)を前記装置本体(10)の圧力空気供給ポート(P1)へ連通させるとともに、前記装置本体(10)の内部通路(10a、10e)を通って、前記真空供給用3ポート切換弁(20)の弁本体(21)の内部通路(21G)を通り、弁部材(23)を介して吸着側に接続する出力ポート(P2)へ連通し、排気ポート(P4)を前記装置本体(10)の圧力空気供給ポート(P1)とは同じ側の側面へ開口して大気中へ開放し、
前記真空供給用3ポート切換弁(20)は、真空源(V)へ接続する真空供給ポート(P3)と前記出力ポート(P2)とを、前記装置本体(10)の圧力空気供給ポート(P1)および前記真空破壊用3ポート切換弁(30)の排気ポート(P4)と同じ側の側面へ開口した
ことを特徴とする真空用切換弁装置。
【請求項2】
前記装置本体(10)に有する圧力空気供給ポート(P1)と前記真空破壊用3ポート切換弁(30)の供給通口(31G)とを連通する通路途中へ流量制御弁(40)を装着し、真空破壊用圧力空気の供給量を調整可能に構成してなることを特徴とする請求項1記載の真空用切換弁装置。
【請求項3】
前記装置本体(10)に有する圧力空気供給ポート(P1)と前記真空破壊用3ポート切換弁(30)の供給通口(31G)とを連通する通路途中へ圧力制御弁(140)を装着し、真空破壊用圧力空気の圧力を調整可能に構成してなることを特徴とする請求項1記載の真空用切換弁装置。
【請求項4】
前記圧力制御弁(140)が減圧弁であることを特徴とする請求項3記載の真空用切換弁装置。
【請求項5】
圧力空気源(P)と接続する圧力空気供給ポート(P1)を有する装置本体(10)と、前記装置本体(10)の一方の側面に装着される真空破壊用3ポート切換弁(30)と、前記装置本体(10)の他方の側面に装着される真空供給用3ポート切換弁(20)とを有する真空用切換弁装置において、
前記装置本体(10)は、前記圧力空気供給ポート(P1)と、前記圧力空気供給ポート(P1)と接続し、前記真空破壊用3ポート切換弁(30)側に開口する通口(10c)と、前記圧力空気供給ポート(P1)と直交する方向に貫通する内部通路(10d,10e)とを有し、
前記真空供給用3ポート切換弁(20)は、弁本体(21)と、前記弁本体(21)の側面に取り付けられるソレノイド(22)と、吸着側に接続するために前記弁本体(21)の底面側に開口する出力ポート(P2)と、真空源(V)に接続するために前記弁本体(21)の底面側に開口する供給ポート(P3)と、前記出力ポート(P2)と接続するとともに前記弁本体(21)の前記装置本体(10)側の側面に開口するように前記弁本体(21)に設けた内部通路(21G)と、前記出力ポート(P2)と接続するために前記弁本体(21)の前記装置本体(10)側の側面に設けた弁用開口(21A)と、前記供給ポート(P3)と接続するために前記弁本体(21)の前記ソレノイド(22)側の側面に設けた開口(21B)と、前記出力ポート(P2)と前記供給ポート(P3)とを接続するために前記弁本体(21)に設けた連通穴(21E)と、前記連通穴(21E)を介して前記弁用開口(21A)と前記開口(21B)とに配される弁部材(23,25)と、前記弁部材(23,25)を前記開口(21B)方向へ押圧するバネ(24)と、前記弁部材(23,25)を前記ソレノイド(22)の可動鉄心(22A)を介して前記弁用開口(21A)方向へ押圧するバネ(22B)とを有し、
前記真空破壊用3ポート切換弁(30)は、弁本体(31)と、前記弁本体(31)の側面に取り付けられるソレノイド(32)と、前記真空用切換装置内を大気側と接続するために前記弁本体(31)の底面側に開口する排気ポート(P4)と、前記排気ポート(P4)と接続するために前記弁本体(31)に設けた弁用開口(31A)と、前記弁用開口(31A)と接続するとともに前記弁本体(31)の前記装置本体(10)側に開口するように前記弁本体(31)に設けた出力口(31J)と、前記弁本体(31)の前記ソレノイド(32)側の側面に設けた開口(31B)と、前記通口(31B)と接続するとともに前記弁本体(31)の前記装置本体(10)側の側面に開口するように前記弁本体(31)に設けた供給通口(31G)と、前記弁用開口(31A)と前記開口(31B)とを接続するために前記弁本体(31)に設けた連通穴(31E)と、前記連通穴(31E)を介して前記弁用開口(31A)と前記開口(31B)とに配される弁部材(33,35)と、前記弁部材(33,35)を前記開口(31B)方向へ押圧するバネ(34)と、前記弁部材(33,35)を前記ソレノイド(32)の可動鉄心(32A)を介して前記弁用開口(31A)方向へ押圧するバネ(32B)とを有し、
前記装置本体(10)の通口(10c)は、前記真空破壊用3ポート切換弁(30)の供給通口(31G)と接続し、前記装置本体(10)の内部通路(10d)は、前記真空破壊用3ポート切換弁(30)の出力口(31J)と接続し、前記装置本体(10)の内部通路(10e)は、前記真空供給用3ポート切換弁(20)の内部通路(21G)と接続し、
前記真空供給用3ポート切換弁(20)のソレノイド(22)のON時に、前記可動鉄心(22A)が吸引され、前記真空供給ポート(P3)が前記真空供給用3ポート切換弁(20)の開口(22B)、前記連通穴(21E)および前記弁用開口(21A)を介して前記出力ポート(P2)と接続され、
前記真空供給用3ポート切換弁(20)のソレノイド(22)のOFF時に、前記出力ポート(P2)は前記真空供給用3ポート切換弁(20)の内部通路(21G)、前記装置本体(10)の内部通路(10e、10d)、前記真空破壊用3ポート切換弁(30)の出力口(31J)および前記真空破壊用3ポート切換弁(30)の弁用開口(31A)を介して前記排気ポート(P4)と接続され、
前記真空破壊用3ポート切換弁(30)のソレノイド(32)のON時に、前記可動鉄心(32A)が吸引され、前記真空破壊用3ポート切換弁(30)の開口(31B)が前記連通穴(31E)を介して前記弁用開口(31A)と接続され、前記出力口(31J)、前記装置本体(10)の内部通路(10d、10e)および前記真空供給用3ポート切換弁(20)の弁用開口(21A)を介して前記出力ポート(P2)と接続される
ことを特徴とする真空用切換弁装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−213051(P2008−213051A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−49938(P2007−49938)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【出願人】(303061454)クロダニューマティクス株式会社 (11)
【Fターム(参考)】