説明

研磨方法及び配線形成方法

【課題】多ステップ研磨における前の工程が後の工程に負荷をかけることを防止することができる研磨方法を提供する。
【解決手段】研磨対象物上に形成された第1膜の大部分を研磨して除去する第1の研磨工程と、第1膜の残留部分を、配線部分を残して第2膜が表面に露出するまで研磨して除去する第2の研磨工程と、第1の研磨工程から第2の研磨工程に移行するときの第1膜の膜厚分布を予め設定する工程と、第1の研磨工程中に第1膜の厚さをうず電流センサにより測定して第1膜の膜厚分布を取得する工程と、取得された第1膜の膜厚分布が予め設定された第1膜の膜厚分布に一致するように第1の研磨工程における研磨条件を調整する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨方法に係り、特に半導体ウェハなどの研磨対象物を研磨して平坦化する研磨方法に関するものである。
また、本発明は、配線形成方法に係り、特に半導体ウェハなどの基板上に導電膜による配線を形成する配線形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。特に線幅が0.5μm以下の光リソグラフィの場合、焦点深度が浅くなるためステッパーの結像面の平坦度を必要とする。このような半導体ウェハの表面を平坦化する一手段として、化学機械研磨(CMP)を行うポリッシング装置が知られている。
【0003】
この種の化学機械研磨(CMP)装置は、研磨パッドを上面に有する研磨テーブルとトップリングとを備えている。そして、研磨テーブルとトップリングとの間に半導体ウェハを介在させて、研磨パッドの表面に砥液(スラリ)を供給しつつ、トップリングによって半導体ウェハを研磨テーブルに押圧して、半導体ウェハの表面を平坦かつ鏡面状に研磨している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−113653号公報
【特許文献2】特開平10−58309号公報
【特許文献3】特開平10−286758号公報
【特許文献4】特開2003−133277号公報
【特許文献5】特開2001−237208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、多ステップ研磨における前の工程が後の工程に負荷をかけることを防止することができる研磨方法を提供することを目的とする。
本発明は、ディフェクトを生じさせずに配線を形成することができる配線形成方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、多ステップ研磨、特に2ステップ研磨における前の工程が後の工程に負荷をかけることを防止することができる研磨方法が提供される。この研磨方法は、研磨対象物上に形成された第1膜の大部分を研磨して除去する第1の研磨工程と、上記第1膜の残留部分を、配線部分を残して第2膜が表面に露出するまで研磨して除去する第2の研磨工程とを有する。第1の研磨工程から上記第2の研磨工程に移行するときの第1膜の膜厚分布を予め設定する。上記第1の研磨工程中に上記第1膜の厚さをうず電流センサにより測定して上記第1膜の膜厚分布を取得する。上記取得された第1膜の膜厚分布が上記予め設定された第1膜の膜厚分布に一致するように上記第1の研磨工程における研磨条件を調整する。
【0007】
この方法によれば、実際の膜厚分布をモニタしながら、最終的に得たい膜厚分布を確実に得ることができる。すなわち、第1の研磨工程から第2の研磨工程への切替を常に所望の膜厚分布で行うことができるので、第1の研磨工程が第2の研磨工程に負荷をかけることを防止することができる。また、第2の研磨工程後のディッシングやエロージョンを抑制することができるとともに、第2の研磨工程の時間を短縮することができる。したがって、生産性の向上とコスト削減にもつながる。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、ディフェクトを生じさせずに配線を形成することができる配線形成方法が提供される。この配線形成方法は、基板上に平坦な導電性の薄膜を形成する第1の工程と、上記平坦な導電性の薄膜をケミカルエッチングにより除去する第2の工程とを有している。
【0009】
このように、基板上に平坦な導電性の薄膜を形成した後に、機械的な作用を伴わず、電気的な接続も必要としないケミカルエッチングにより、残った導電性の薄膜を除去するので、ディフェクトを生じさせずに配線を形成することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の研磨方法によれば、多ステップ研磨における前の工程が後の工程に負荷をかけることを防止することができる。
本発明の配線形成方法によれば、ディフェクトを生じさせずに配線を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】研磨装置の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示す研磨装置の研磨ユニットの一部を示す縦断面図である。
【図3】図2に示すトップリングのリテーナリングの一例を示す底面図である。
【図4】図2に示すトップリングのリテーナリングの他の例を示す底面図である。
【図5】図2に示すトップリングのリテーナリングの他の例を示す底面図である。
【図6】図2に示すトップリングのリテーナリングの他の例を示す底面図である。
【図7】図1に示す研磨装置の研磨ユニットの一部を模式的に示す平面図である。
【図8】図7に示す研磨ユニットに用いられる気体噴出機構を示す斜視図である。
【図9】図1に示す研磨装置の研磨ユニットの一変形例を示す平面図である。
【図10】図7に示す研磨ユニットの研磨パッドを示す斜視図である。
【図11】図10に示す研磨パッドの拡大縦断面図である。
【図12】図10に示す研磨パッドの変形例を示す拡大平面図である。
【図13】図1に示す研磨装置の研磨ユニットの変形例を示す平面図である。
【図14】図1に示す研磨装置の研磨ユニットの変形例を示す平面図である。
【図15】図1に示す研磨装置の研磨ユニットの変形例を示す平面図である。
【図16】図1に示す研磨装置の研磨ユニットの変形例を示す平面図である。
【図17】図1に示す研磨装置の研磨ユニットの変形例を示す平面図である。
【図18】図1に示す研磨装置の研磨ユニットの変形例を示す平面図である。
【図19】図1に示す研磨装置の研磨ユニットの変形例を示す平面図である。
【図20】図1に示す研磨装置の研磨ユニットの変形例を示す平面図である。
【図21】図1に示す研磨装置の研磨ユニットに用いられる研磨液供給ノズルの変形例を示す斜視図である。
【図22】図21に示す研磨液供給ノズルの縦断面図である。
【図23】図21に示す研磨液供給ノズルの変形例を示す斜視図である。
【図24】図1に示す研磨装置の研磨ユニットに用いられる研磨液供給ノズルの変形例を示す斜視図である。
【図25】図21に示す研磨液供給ノズルの変形例を示す斜視図である。
【図26】図1に示す研磨装置の研磨ユニットに用いられる研磨液供給ノズルの変形例を示す斜視図である。
【図27】図1に示す研磨装置の研磨ユニットに用いられる研磨液供給ノズルの変形例を示す平面図である。
【図28】図1に示す研磨装置の研磨ユニットに用いられる研磨液供給ノズルの変形例を示す模式図である。
【図29】従来の研磨装置における研磨液供給系を示す模式図である。
【図30】他の研磨液供給系を示す模式図である。
【図31】図31(a)および図31(b)は、図30に示す研磨液供給系に用いられる流体圧バルブを示す模式図である。
【図32】図2に示すトップリングの変形例を示す縦断面図である。
【図33】図33(a)から図33(c)は、CMPによる銅ダマシン配線の平坦化プロセスを示す模式図である。
【図34】図34(a)はオーバーポリッシングの状態を示す模式図、図34(b)は研磨不足の状態を示す模式図である。
【図35】研磨液供給ノズルを揺動させて半導体ウェハの研磨を行うために使用した研磨装置の平面図である。
【図36】図36(a)は図35に示す研磨装置において研磨液供給ノズルを揺動させた半導体ウェハにおける研磨レートを示すグラフ、図36(b)は研磨液供給ノズルを揺動させないときの半導体ウェハにおける研磨レートを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図1から図36(b)を参照して詳細に説明する。なお、図1から図36(b)において、同一または相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0013】
図1は、研磨装置の一例を示す平面図である。図1に示すように、この研磨装置には、3つのウェハカセット10を装着できるようになっている。これらのウェハカセット10に沿って走行機構12が設けられており、この走行機構12の上には、2つのハンドを有する第1搬送ロボット14が配置されている。第1搬送ロボット14のハンドは、ウェハカセット10にアクセス可能となっている。
【0014】
また、研磨装置は、4つの研磨ユニット20を備えており、これらの研磨ユニット20は装置の長手方向に沿って配列されている。それぞれの研磨ユニット20には、研磨面を有する研磨テーブル22と、半導体ウェハを保持しかつ半導体ウェハを研磨テーブル22に対して押圧しながら研磨するためのトップリング24と、研磨テーブル22に研磨液やドレッシング液(例えば、水)を供給するための研磨液供給ノズル26と、研磨テーブル22のドレッシングを行うためのドレッサ28と、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素)の混合流体を霧状にして、1つまたは複数のノズルから研磨面に噴射するアトマイザ30とを備えている。
【0015】
研磨ユニット20の近傍には、長手方向に沿ってウェハを搬送する第1リニアトランスポータ32と第2リニアトランスポータ34とが設置されており、この第1リニアトランスポータ32のウェハカセット10側には、第1搬送ロボット14から受け取ったウェハを反転する反転機36が配置されている。
【0016】
また、この研磨装置は、第2搬送ロボット38と、第2搬送ロボット38から受け取ったウェハを反転する反転機40と、研磨後の半導体ウェハを洗浄する4つの洗浄機42と、反転機40および洗浄機42の間でウェハを搬送する搬送ユニット44とを備えている。これらの第2搬送ロボット38、反転機40、および洗浄機42は、長手方向に沿って直列に配置されている。
【0017】
このような研磨装置において、ウェハカセット10内のウェハは、反転機36、第1リニアトランスポータ32、第2リニアトランスポータ34を経て各研磨ユニット20に導入される。各研磨ユニット20ではウェハが研磨される。研磨後のウェハは、第2搬送ロボット38および反転機40を経て洗浄機42に導入され、ここで洗浄される。洗浄後のウェハは、第1搬送ロボット14によりウェハカセット10に戻される。
【0018】
図2は、研磨ユニット20の一部を示す縦断面図である。図2に示すように、研磨ユニット20の研磨テーブル22は、その下方に配置されたモータ50に連結されており、矢印で示すようにその軸心周りに回転可能になっている。また、研磨テーブル22の上面には研磨面を有する研磨パッド(研磨布)52が貼設されている。また、トップリング24はトップリングシャフト54に連結されており、トップリング24の下部外周部には、半導体ウェハWの外周縁を保持するリテーナリング56が設けられている。
【0019】
トップリング24は、モータ(図示せず)に連結されるとともに昇降シリンダ(図示せず)に連結されている。これによって、トップリング24は、矢印で示すように昇降可能かつその軸心周りに回転可能になっており、半導体ウェハWを研磨パッド52に対して任意の圧力で押圧することができるようになっている。
【0020】
このような構成の研磨ユニット20において、トップリング24の下面に半導体ウェハWを保持させ、回転している研磨テーブル22の上面の研磨パッド52に半導体ウェハWを昇降シリンダにより押圧する。そして、研磨液供給ノズル26の研磨液供給口57から研磨パッド52上に研磨液Qを供給し、半導体ウェハWの被研磨面(下面)と研磨パッド52の間に研磨液Qが存在した状態で半導体ウェハWの研磨が行われる。
【0021】
また、図2に示すように、研磨テーブル22の内部には、半導体ウェハWの膜厚を測定するうず電流センサ58が埋設されている。うず電流センサ58からの配線60は、研磨テーブル22および支持軸62内を通り、支持軸62の軸端に設けられたロータリコネクタ(またはスリップリング)64を経由してコントローラ66に接続されている。このうず電流センサ58が半導体ウェハWの下方を通過している間、通過軌跡上で連続的に半導体ウェハWの表面に形成された銅膜等の導電膜の膜厚を検出できるようになっている。
【0022】
ここで、半導体デバイスのさらなる高速化への要求に伴い、デバイス内の配線間の絶縁膜をより誘電率の小さい材料(例えばLow-k材など)にすることが検討されている。このような低誘電率材料は多孔質で機械的に脆い性質を有するため、Low-k材を用いた銅ダマシン配線の平坦化研磨プロセスにおいては、研磨時の半導体ウェハにかかる圧力(研磨圧力)を可能な限り小さくする(例えば13.79kPa(2psi)以下にする)ことが要求されている。
【0023】
しかしながら、一般に、研磨プロセスにおける研磨レートは、研磨圧力に依存し、研磨圧力の低下とともに低下する。したがって、銅の研磨に際しては、このような研磨レートの低下を補うため、より化学的な作用の強い研磨液を用いる場合がある。このような化学的作用が強い研磨液を使用した場合、研磨液と銅膜との間でより安定した化学反応が起こらなければ、均一で安定した研磨特性を得ることができない。このため、化学的作用が強い研磨液を用いた研磨プロセスにおいては、研磨パッドと半導体ウェハとの間に未反応の研磨液をより安定的に供給することが要望されている。
【0024】
この例では、トップリング24のリテーナリング56に溝を形成することにより、研磨パッド52と半導体ウェハWとの間に研磨液をより安定的に供給するようにしている。図3は、図2のリテーナリング56の一例を示す底面図である。図3に示すように、リテーナリング56の底面には、その外周面70と内周面72とを連通する複数の溝74が周方向に等間隔で形成されている。図3に示す例は、トップリング24の回転方向が時計回りの場合であり、それぞれの溝74の外周側開口部76は、内周面側開口部78よりも時計回り(トップリング24の回転方向)に進んだ位置に配置されている。このような溝74により、リテーナリング56の内側の半導体ウェハWと研磨パッド52との間に研磨液を効率的かつ安定的に供給することができる。
【0025】
ここで、これらの溝74の外周側開口部76の開口率は、研磨液の化学的な作用の強さによって決定され、約10%〜約50%とする。例えば、ある研磨液を用いる場合、開口率0%では、研磨パッド52と半導体ウェハWとの間に研磨液が供給されにくく、十分な研磨レートが得られない。一方、外周側開口部76の開口率が極端に高い場合(例えば50%を越える場合)には、一度溝74を通ってリテーナリング56の内側に入った研磨液が、別の溝74を通って外側に流れ出し、研磨液が研磨パッド52と半導体ウェハWとの間に有効に保持されにくくなる。したがって、外周側開口部76の開口率を約10%〜約50%の範囲とすれば、研磨パッド52と半導体ウェハWとの間に研磨液を有効に供給することができ、安定した研磨レートを得ることができる。また、外周側開口部76の開口率を約10%〜約50%の範囲とすれば、溝74を介して反応後の不活性な研磨液を効果的に外部に排出することができる。なお、それぞれの溝74の寸法および溝74間のピッチは、上述した外周側開口部76の開口率に応じて設定される。
【0026】
トップリング24の回転方向が反時計回りの場合には、図4に示すように、溝74の向きを図3の場合と逆にするのがよい。あるいは、図5に示すように、溝74を放射状に等間隔に配置して、トップリング24がどちらに回転しても使用できるようにしてもよい。この場合において、図6に示すように、それぞれの溝74の内周側開口部78を外周側開口部76よりも大きくしてもよい。
【0027】
また、リテーナリング56の溝74の効果をより効果的なものとするために、トップリング24の回転速度を研磨テーブル22の回転速度に対して1/1以下が好ましいが、より好ましくは約1/3〜約1/1.5とする。この場合において、研磨テーブル22の回転方向とトップリング24の回転方向とは同一方向であってもよいし、あるいは逆方向であってもよい。研磨テーブル22とトップリング24の回転速度を上記のように設定して研磨装置を運転することで、より均一性に優れた研磨を行うことが可能となる。
【0028】
すなわち、トップリング24の回転速度が高いと、トップリング24の外周部に位置するリテーナリング56によって、研磨パッド52と半導体ウェハWとの間への研磨液の流入が阻害され、効率的な研磨液の供給を行うことができなくなる。トップリング24の回転速度を低くすれば、上述したリテーナリング56に形成された溝74を介して研磨液を効率的に研磨パッド52と半導体ウェハWとの間に供給することが可能となり、より均一性に優れた研磨を行うことが可能となる。
【0029】
図7は、図1に示す研磨装置の研磨ユニット20の一部を模式的に示す平面図である。図7に示すように、アトマイザ30は、トップリング24に対して研磨テーブル22の回転方向の上流側に配置されており、研磨パッド52に向けて洗浄液と気体の混合流体を噴射する流体噴射機構として機能する。例えば、アトマイザ30から、窒素ガスと純水または薬液との混合流体が研磨パッド52に向けて噴射される。この混合流体は、1)液体微粒子化、2)液体が凝固した微粒子固体化、3)液体が蒸発した気体化(これらを霧状化またはアトマイズという)された状態で研磨パッド52に向けて噴射される。
【0030】
このように混合流体を霧状化した状態で研磨パッド52に噴射することで、研磨パッド52の凹部に落ち込んだ研磨液や研磨屑を混合流体中の気体によって掻き出し、さらに純水や薬液などの洗浄液によって洗い流すことができる。これにより、スクラッチの原因となる研磨パッド52上に存在する研磨液や研磨屑を効果的に除去することができる。
【0031】
通常、CMPにおいては、研磨後の研磨面に、残留砥粒や研磨屑(銅研磨では銅錯体)などの研磨残渣が存在している。これらの研磨残渣を放置しておくと、後の研磨において半導体ウェハの表面に傷をつけたり、研磨液の化学的作用が抑制されて研磨レートが減少したりする原因となる。したがって、研磨中の研磨面には研磨残渣がなるべく存在しないようにすることが望まれる。このため、通常のCMPでは、研磨間のインターバルに、ドレッサによって研磨面のドレッシングが行われるとともに、アトマイザによって洗浄液と気体の混合流体を研磨面に吹き付けて、研磨残渣を研磨面から除去するアトマイジングが行われる。
【0032】
図7に示すように、アトマイザ30に対して研磨テーブル22の回転方向の下流側には、アトマイザ30から噴出された混合流体を研磨パッド52上から排出する排出機構80が配置されている。また、アトマイザ30と排出機構80の上方には、アトマイザ30と排出機構80とを覆うカバー82が設けられている。このカバー82の材質としては、フッ素樹脂などの撥水性を有する材料を用いることが好ましい。このカバー82は、研磨テーブル22の径方向に関しては開口していてもよい。
【0033】
図7に示す排出機構80は、研磨パッド52に接触する接触部材84と、この接触部材を保持する保持部材(図示せず)とを備えている。接触部材84としては、摩擦係数の低い材質からなる部材を用い、摩耗量が少なくなるようにすることが好ましく、また、シール性(液密性)の高い材質から形成されることが好ましい。また、この場合において、排出機構80は、接触部材84または保持部材を押圧する押圧機構(図示せず)を備え、この押圧機構による押圧力を制御しつつ接触部材84を研磨パッド52に接触させてもよい。このような押圧機構としては、気体や水などの流体の圧力を利用したシリンダ機構やボールねじ機構を用いることができる。
【0034】
ところで、従来のCMPにおいては、研磨中にアトマイジングを行うと、洗浄液が研磨面上に導入されることにより研磨液の濃度が変化し、これによって研磨特性が変化してしまうことから、研磨中のアトマイジングは行われていなかった。この例によれば、上述した排出機構80により、アトマイザ30からの洗浄液を即時に研磨テーブル22の外部に排出することができる。したがって、研磨面を常に清浄な状態に保つことができ、研磨装置の研磨特性を安定させることができる。このように、この例の研磨装置によれば、研磨中にアトマイザ30によるアトマイジング(In-situアトマイジング)が可能となる。
【0035】
また、研磨中のドレッサ28によるドレッシング(In-situドレッシング)と、このアトマイザ30によるアトマイジング(In-situアトマイジング)を組み合わせることにより、研磨中に研磨パッド52のコンディショニングを行うことが可能となる。このため、研磨間のインターバルを短縮することができ、装置のスループットを向上させることができる。
【0036】
なお、図7に示す例では、接触部材84が研磨テーブル22の径方向に延びているが、接触部材84は研磨テーブル22の径方向に対して所定の角度(0°から90°)だけ傾いた方向に延びていてもよい。
【0037】
また、上記接触部材84に代えて、または接触部材84に加えて、研磨パッド52に向けて気体を噴出する気体噴出口を有する気体噴出機構を備えてもよい。図8は、そのような気体噴出機構86を示す斜視図である。図8に示すように、気体噴出機構86は、研磨パッド52に向けて乾燥空気や乾燥窒素などの気体を噴出する複数の気体噴出口88と、噴出する気体の噴出量、噴出圧力、および噴出方向を制御する制御部(図示せず)を有しており、この気体噴出口88からの気体の噴出によりアトマイザ30からの洗浄液を研磨テーブル22の外部に排出することができるようになっている。この場合において、エアカーテンのように扇形状になるように気体を噴出することが好ましい。また、気体噴出口88の形状をスリット状にして気体を噴出する方向を制御することとしてもよい。
【0038】
このような気体噴出機構86を有する排出機構80によっても、アトマイザ30からの洗浄液を即時に研磨テーブル22の外部に排出することができる。したがって、研磨面を常に清浄な状態に保つことができ、研磨装置の研磨特性を安定させることができる。
【0039】
ところで、LSIにおいては、配線の微細化により高速化、高集積化、低消費電力化が行われ、高性能化が実現されている。配線の微細化は、全体としてほぼ国際半導体技術ロードマップ(ITRS)の予測に則って技術開発が行われてきた。また、抵抗が小さい銅配線や誘電率の小さいLow-k材への転換が配線の微細化と併行して進み、平坦化プロセスとして、銅ダマシン平坦化プロセス(銅CMPプロセス)に対する需要が増加する見通しとなっている。
【0040】
ここで、銅ダマシン平坦化プロセスにおいて、Low-k材やポーラスLow-k材とのインテグレーションを実現する場合には、微細化に伴う平坦化特性のさらなる向上に加え、これらの材料の機械的強度が低いことによる研磨時の材料破壊に対する対策が必要となる。
【0041】
これらの課題を解決するためには、加工面圧(研磨圧力)を低くすることが考えられる。通常の銅CMPでは、銅錯体を形成した後、その銅錯体を機械的に除去することによって研磨が進行する。しかしながら、通常のCMP装置で使用されている研磨液では、形成される銅錯体の強度が高いために、研磨圧力を低くすると、同時に研磨レートの低下を招いてしまうという問題がある。
【0042】
最近では、低い研磨圧力の条件でも機械的に除去できるような、機械的強度の低い銅錯体を形成する研磨液が開発されている。この種の研磨液は化学反応性が強いため、半導体ウェハの被研磨面への研磨液の供給量および供給分布が、研磨レートや研磨レートの面内均一性に大きく影響する。
【0043】
従来のCMP装置では、固定された1つの研磨液供給口から研磨液が供給されるので、半導体ウェハの被研磨面に対する研磨液の供給量の分布に偏りが生じ、研磨レートの面内均一性が悪化する。これは特に研磨面と半導体ウェハとの相対速度が高い場合に顕著となる。また、無駄な研磨液の供給量が多くなり、研磨コストの増加につながってしまう。したがって、いかに半導体ウェハの被研磨面に研磨液を均一かつ効率的に供給するかが重要となる。
【0044】
この例では、研磨液供給ノズル26の研磨液供給口57(図2参照)を研磨中に移動させることで研磨液を半導体ウェハの被研磨面に均一かつ効率的に供給している。すなわち、図1に示すように、この例における研磨液供給ノズル26は、軸27を中心に旋回可能となっており、研磨中に研磨液供給ノズル26が旋回機構(移動機構)により旋回されるようになっている。
【0045】
研磨液供給ノズル26から研磨パッド52上には研磨液が供給されるが、この研磨パッド52上に供給された研磨液は、トップリング24と研磨テーブル22との間の相対移動に伴い半導体ウェハの被研磨面に供給されることとなる。上述したように、研磨中に研磨液供給ノズル26を旋回させ、その先端にある研磨液供給口57(図2参照)を移動させることで、研磨パッド52上に供給された研磨液がトップリング24と研磨テーブル22との間の相対移動に伴い半導体ウェハの全面に均一に行き渡るように、研磨液を研磨パッド52上に適切に分布させることができる。
【0046】
このように、この例における研磨液供給ノズル26によれば、半導体ウェハの被研磨面への研磨液の供給量の分布を均一にすることができる。したがって、研磨レートを改善し、研磨レートの面内均一性を向上させることができる。また、効率的な研磨液の供給が実現されるので、研磨液の使用量を減少させることができ、研磨液の無駄をなくして研磨コストを低減することができる。
【0047】
この例では、円弧を描くように研磨液供給ノズル26を旋回移動させた例について説明したが、これに限られるものではない。例えば、研磨液供給ノズル26を直線移動させてもよいし、回転移動や揺動移動、往復移動をさせてもよい。また、研磨液供給ノズル26の移動速度を移動中に一定(例えば、50mm/s)にしてもよく、あるいは変化させてもよい。また、研磨液供給口57から供給される研磨液の量を移動中に変化させる液量制御機構を設けてもよい。また、研磨液供給口57の走査範囲は、研磨テーブル22の半径内で、かつ半導体ウェハの直径をカバーする範囲とするのが好ましい。
【0048】
また、図1に示す例では、研磨液供給ノズル26が研磨テーブル22の径方向に延びているが、図9に示すように、研磨液供給ノズル26が研磨テーブル22の径方向に対して所定の角度(0°から45°)だけ傾いた方向に延びていてもよい。
【0049】
通常、CMPでは、研磨パッド上に保持された研磨液の化学的機械的作用により半導体ウェハの研磨を行うが、従来の研磨パッドの研磨液の保持量は小さく、したがって、大部分の研磨液は使用されずに研磨パッドから外部に排出されていた。研磨液は非常に高価であり、研磨コストに大きな影響を及ぼすため、研磨液の使用効率を向上することが研磨コストを低減するために必要である。
【0050】
また、研磨圧力が低く(6.89kPa(1psi)以下)、相対速度が高い(2m/s以上)研磨では、研磨面への研磨液の液膜が増加するような条件下において、半導体ウェハと研磨面との間でハイドロプレーニング現象による滑りが生じる。このような現象は、研磨面に断面積の小さな同心円状の溝が形成されている場合や研磨テーブルの中心の1点から研磨面上に研磨液を供給するなど、研磨面への研磨液の供給が不均一な場合などに特に顕著に現れる。このようなハイドロプレーニング現象が生じると、研磨圧力が半導体ウェハと研磨面との間に作用しなくなるため、研磨レートが低下してしまう。一方、研磨液を研磨面から積極的に排出するとすれば、研磨面の研磨液の保持力が小さくなり、研磨レートが低下するとともに、研磨液の使用効率が下がってしまう。このため、適量の研磨液を研磨面に保持して研磨面上に均一な研磨液膜を形成することが要望されている。
【0051】
このような要望を満たすために、この例では、研磨パッド52の表面に断面積が0.38mm以上である溝を形成している。図10は研磨パッド52を示す斜視図であり、図11は図10の拡大断面図である。図10に示すように、研磨パッド52の表面には複数の円形溝90が同心円状に形成されており、溝90間のピッチP(図11参照)は例えば2mmである。図11に示す例では、溝90の幅Wが0.5mm、深さDが0.76mmとなっており、溝90の断面積は0.38mmとなっている。また、溝90の深さを従来のものよりも大きくし、例えば1mm以上とするのが好ましい。
【0052】
また、図12に示すように、同心円状の溝90と溝90とを接続する直線状の細溝92を形成してもよい。このような細溝92により研磨液が遠心力を受けにくくなる。細溝92は、円周方向に対して所定の角度だけ傾斜した溝とするのが好ましく、例えば、円周方向に対する傾斜角度αを30°、細溝92間のピッチPを2mmとする。また、この細溝92の幅は溝90の幅の30%程度とすることが好ましい。
【0053】
この例では、研磨パッド52に同心円状の溝90を形成した例を説明したが、溝90の形状は、これに限られるものではない。例えば、研磨パッド52の表面に、上述した断面積を有する螺旋状の溝を形成してもよい。法線方向に対する角度を一定(例えば45°)にした螺旋状の溝を形成すれば、一定の遠心力によって研磨液を排出することができる。
【0054】
また、上述した溝90に加えて、あるいは溝90に代えて、開口面積が2.98mm以上の複数の孔(直径1.95mm以上の孔)を研磨パッド52に形成してもよい。このように、大きな開口面積を有する複数の孔を研磨パッド52の表面に形成することで、研磨面における研磨液の保持量を増やすことができ、研磨液の使用効率を向上させることができる。このような孔の開口面積は、好ましくは3.14mm(直径2mm)以上、より好ましくは19.63mm(直径5mm)以上である。また、孔の形状は、丸形や楕円形とすることができ、孔の配置は、同心状、千鳥状、格子状などとすることができる。
【0055】
ここで、CMPプロセスは、主に(1)半導体ウェハを研磨パッドに押圧し、研磨パッドにスラリを供給しながら半導体ウェハを研磨する主研磨工程と、(2)半導体ウェハの研磨後にスラリを水に換えて半導体ウェハの研磨(洗浄)を行う水ポリッシュ工程という2つの工程からなる。(1)の主研磨工程では、半導体ウェハの表面の余分な膜材料を研磨により除去し、(2)の水ポリッシュ工程では、半導体ウェハの表面に付着しているスラリや研磨生成物を洗浄および除去する。
【0056】
上述したように、配線構造の微細化に伴いより絶縁性の高い絶縁膜が求められており、絶縁性の高い膜の材料として、ポーラスLow-k材などが候補として挙がっているが、これらの材料は機械的強度が極めて低い。したがって、従来のCMP装置における研磨圧力は13.79〜34.47kPa(2〜5psi)であったが、今後は13.79kPa(2psi)以下、さらに6.89kPa(1psi)以下にすることが要求される。
【0057】
このように、Low-k材を含む半導体ウェハを研磨する場合には、低い研磨圧力(例えば3.45kPa(0.5psi))で研磨を行う必要がある。この場合には、主研磨工程と水ポリッシュ工程の双方を低研磨圧力で行う必要があるが、低研磨圧力で水ポリッシュ工程を行うと、スラリ等の付着物を完全には除去できず、これらの付着物が半導体ウェハの表面に残留してしまう場合がある。
【0058】
したがって、この例においては、以下のように水ポリッシュ工程を行う。低研磨圧力での主研磨工程後に、主研磨工程と同等かそれ以下の圧力で半導体ウェハを研磨パッド52に押圧し、線速度が1.5m/s以上、好ましくは2m/s以上、さらに好ましくは3m/s以上になるように、研磨テーブル22を回転させる。純水(DIW)を流量1l/minで研磨パッド52上に供給して水ポリッシングする。これにより、低圧研磨後のウェハの表面を適正に洗浄することができる。あるいは、純水(DIW)に代えて、薬液、例えばクエン酸液などのウェハの表面に付着したスラリの脱離を促進させる薬液を供給して薬液ポリッシングしてもよい。なお、洗浄工程の時間を例えば通常の10秒から20秒に延ばしても同様の効果が得られるが、この場合には、スループットが低下してしまうため、上述した高速回転での水ポリッシングまたは薬液ポリッシングを行うことが好ましい。
【0059】
上述した例では、研磨液供給ノズル26の先端に設けた研磨液供給口57から研磨液を供給する例を説明したが、研磨液供給ノズル26はこれに限られるものではない。例えば、図13に示すように、研磨液供給口57が形成された円板100と、この円板100を取り付けたアーム102とを備えた研磨液供給ノズル26aを用いることもできる。この場合には、アーム102を旋回させずに円板100のみを回転させながら研磨液を供給してもよいし、アーム102を旋回させ、かつ円板100を回転させながら研磨液を供給してもよい。また、アーム102を直線移動させてもよい。さらに、研磨液供給口57の移動速度、すなわち、アーム102の移動速度および/または円板100の回転速度を移動中に変化させてもよい。また、研磨液供給口57から供給される研磨液の量を移動中に変化させる液量制御機構を設けてもよい。
【0060】
また、図14に示すように、複数の研磨液供給口57を有する研磨液供給ノズル26bを用いることもできる。この場合において、研磨液供給ノズル26bを旋回移動させても、直線移動させても、回転移動や揺動移動、往復移動をさせてもよい。また、研磨液供給ノズル26bの移動速度を移動中に変化させてもよい。また、各研磨液供給口57から供給される研磨液の量を個別に制御する液量制御機構を設けてもよい。さらに、各研磨液供給口57の孔径を変えてもよい。例えば、半径方向内側に向かうにしたがって研磨液供給口57の孔径が小さくなるように構成してもよい。また、図14に示す例では、研磨液供給ノズル26bが研磨テーブル22の径方向に延びているが、図15に示すように、研磨液供給ノズル26が研磨テーブル22の径方向に対して所定の角度(0°から45°)だけ傾いた方向に延びていてもよい。
【0061】
また、研磨液供給ノズルを移動させるのではなく、研磨液供給ノズル内で研磨液供給口を移動させてもよい。例えば、図16に示すように、内部で移動可能な研磨液供給口57aを有する研磨液供給ノズル26cを用いることもできる。図16に示す例では、研磨液供給口57を直線移動させているが、これに限られるものではない。例えば、研磨液供給口57を旋回移動させてもよいし、回転移動や揺動移動、往復移動をさせてもよい。この場合において、研磨液供給ノズル26cを旋回させずに研磨液供給口57aのみを移動させながら研磨液を供給してもよいし、研磨液供給ノズル26cを旋回させ、かつ研磨液供給口57aを移動させながら研磨液を供給してもよい。また、研磨液供給口57aの移動速度を移動中に変化させてもよい。また、研磨液供給口57aから供給される研磨液の量を移動中に変化させる液量制御機構を設けてもよい。さらに、図17に示すように、図16に示す研磨液供給ノズル26cを複数設けてもよい。
【0062】
また、図18に示すように、複数の研磨液供給口57が形成された円板100と、この円板100を取り付けたアーム102とを備えた研磨液供給ノズル26dを用いることもできる。この場合には、アーム102を旋回させずに円板100のみを回転させながら研磨液を供給してもよいし、アーム102を旋回させ、かつ円板100を回転させながら研磨液を供給してもよい。また、アーム102を直線移動させてもよい。さらに、研磨液供給口57の移動速度、すなわち、アーム102の移動速度および/または円板100の回転速度を移動中に変化させてもよい。各研磨液供給口57から供給される研磨液の量を個別に制御する液量制御機構を設けてもよい。さらに、各研磨液供給口57の孔径を変えてもよい。例えば、半径方向内側に向かうにしたがって研磨液供給口57の孔径が小さくなるように構成してもよい。また、図18に示す例では、研磨液供給口57が同一円周上に配置されているが、研磨液供給口57を複数の円周上に同心状に配置してもよいし、あるいは単一の直線上や複数の直線上に配置してもよい。
【0063】
また、図19に示すように、複数の研磨液供給口57が形成された中空ロール104を備えた研磨液供給ノズル26eを用いることもできる。このロール104は、研磨テーブル22の表面に対して平行な回転軸を中心として回転可能に構成される。研磨液供給口57は、直線状に配置したり、螺旋状に配置したり、あるいはランダムに配置してもよい。この場合において、ロール104を回転させながら研磨液を供給してもよいし、ロール104を旋回および回転させながら研磨液を供給してもよい。さらに、研磨液供給口57の移動速度、すなわち、ロール104の回転速度および/または旋回速度を移動中に変化させてもよい。各研磨液供給口57から供給される研磨液の量を個別に制御する液量制御機構を設けてもよい。さらに、各研磨液供給口57の孔径を変えてもよい。例えば、半径方向内側に向かうにしたがって研磨液供給口57の孔径が小さくなるように構成してもよい。また、ロール104の長手方向の位置によって供給される研磨液が異なるように、ロール104を複数のゾーンに分割してもよい。さらに、図19に示す例では、研磨液供給ノズル26eのロール104が研磨テーブル22の径方向に延びているが、ロール104が研磨テーブル22の径方向に対して所定の角度(0°から45°)だけ傾いた方向に延びていてもよい。
【0064】
また、図20に示すように、研磨液供給口としてのスリット106が形成されたロール104を備えた研磨液供給ノズル26fを用いることもできる。この場合において、ロール104を回転させながら研磨液を供給してもよいし、ロール104を旋回および回転させながら研磨液を供給してもよい。さらに、ロール104の回転速度および/または旋回速度を移動中に変化させてもよい。また、スリット106から供給される研磨液の量を制御する液量制御機構を設けてもよい。さらに、スリット106の開口幅を位置によって変化させてもよい。例えば、半径方向内側に向かうにしたがってスリット106の開口幅が小さくなるように構成してもよい。また、ロール104の長手方向の位置によって供給される研磨液が異なるように、ロール104を複数のゾーンに分割してもよい。さらに、図20に示す例では、研磨液供給ノズル26fのロール104が研磨テーブル22の径方向に延びているが、ロール104が研磨テーブル22の径方向に対して所定の角度(0°から45°)だけ傾いた方向に延びていてもよい。
【0065】
また、図20に示す例では、螺旋状のスリット106がロール104に形成されているが、直線状のスリットを用いることもできる。図21は、直線状のスリットが形成された研磨液供給ノズル26gを示す斜視図、図22は、図21の縦断面図である。図22に示すように、研磨液供給ノズル26gは、内部に圧力室108を有する圧力保持部110と、圧力保持部110から下方に延びるスリット112を形成するスリット部114とを備えている。この圧力保持部110は、圧力室108に供給される研磨液Qの圧力を制御してスリット112から吐出される研磨液Qの流量を調整する。直線状にスリット112が形成されているため、研磨液Qがスリット112から幅方向に一様に噴出される。また、図23に示すように、圧力室108を複数の室に分割し、各室に供給される研磨液Qの流量を変化させることで、幅方向に流量が異なるように研磨液を噴出することもできる。なお、図21および図22に示す研磨液供給ノズル26gは、研磨テーブル22の径方向に沿って配置してもよいし、あるいは研磨テーブル22の径方向に対して所定の角度(0°から45°)だけ傾いた方向に沿って配置してもよい。
【0066】
また、図24に示すような研磨液供給ノズル26hを用いて研磨パッド52上に供給される研磨液を分散させることもできる。この研磨液供給ノズル26hは、研磨液供給口57から噴出される研磨液Qを分散させる末広がり形状の分散板(分散スカート)116を備えている。この研磨液供給ノズル26hによれば、研磨液供給口57から噴出された研磨液Qが分散スカート116上を流れる間に多方向に分散され、この分散された状態で研磨パッド52に供給される。分散スカート116には、溝を形成したり、研磨液の流れを規制する抵抗部材を設けたりしてもよい。また、分散スカート116の表面を荒らして抵抗をつけてもよい。分散スカート116の材質としては、フッ素樹脂などの耐薬品性を有する材料を用いることが好ましい。また、図25に示すように、図21に示す研磨液供給ノズル26gに分散スカート116を取り付けてもよい。
【0067】
また、図26に示すような研磨液供給ノズル26iを用いて研磨パッド52上に供給される研磨液を分散させることもできる。この研磨液供給ノズル26iは、円板状のノズル本体118と、ノズル本体118の下面に取り付けられた分散板120とを備えている。研磨液はノズル本体118および分散板120の中心部に形成された貫通孔(図示せず)を介して研磨パッド52上に供給される。分散板120の下面は抵抗のある材質で形成されている。この研磨液供給ノズル26iによれば、研磨液供給口57から研磨パッド52上に供給された研磨液は、分散板120の外側に出るまでの間に分散板120の下面により多方向に分散される。分散板120の材質としては、フッ素樹脂などの耐薬品性を有する材料を用いることが好ましい。
【0068】
また、図27に示すように、研磨液供給ノズル26に対して研磨テーブル22の回転方向の下流側に、研磨パッド52と接触する分散板122(接触部材)を設けて研磨パッド52上に供給される研磨液を分散させることもできる。この分散板122により、研磨液供給ノズル26から供給された研磨液Qが半径方向に拡散され、研磨パッド52上の研磨液の分布が均一になる。この分散板122は、例えばフッ素樹脂などの耐摩耗性を有する弾性体から形成されることが好ましい。また、分散板122は、研磨テーブル22の径方向に沿って配置してもよいし、あるいは研磨テーブル22の径方向に対して所定の角度(0°から45°)だけ傾いた方向に沿って配置してもよい。さらに、分散板122を静止させておいてもよいが、分散板122を旋回移動、直線移動、または回転移動や揺動移動、往復移動をさせてもよい。この場合において、分散板122の移動速度を移動中に変化させてもよい。また、図28に示すように、分散板122に複数のスリット124を設けてスリット124を介して研磨液Qを分散させてもよい。このスリット124は、シャッターなどにより寸法(スリット124の幅や高さ、ピッチ)を調整できるようになっていることが好ましい。
【0069】
なお、図9および図13から図28に示すような研磨液供給手段を用いる場合、研磨パッド52は、図10に示すような同心円状に溝が形成されたパッドのように、研磨パッド52の半径方向に複数に分割された領域が形成されているものを用いることが好ましい。このような研磨パッドを用いることで、供給された研磨液が研磨パッド上で混合されずに各々の分割された領域に保持されたまま、半導体ウェハの被研磨面に効率よく供給される。
【0070】
ところで、従来のCMP装置においては、複数の研磨液供給口が設けられる場合、図29に示すように、CMP装置500の外部に大流量の研磨液循環系502が設けられ、CMP装置500から研磨液循環系502に1本の研磨液供給ライン504が接続される。この研磨液供給ライン504は、CMP装置500内で複数のライン506に分岐して各研磨液供給口に接続される。したがって、研磨液供給ノズルの形状によっては、各研磨液供給口からの研磨液の供給量に差が生じやすく、均一な研磨液供給のためには、各研磨液供給口の調整やバルブの設置が必要であった。
【0071】
この例においては、図30に示すように、研磨装置200の外部に、研磨液タンク202、圧送ポンプ204、背圧弁206、および配管208から構成される大流量の研磨液循環系210が設けられている。各研磨液供給口57からは複数の研磨液供給ライン212が延びており、これらの研磨液供給ライン212が直接研磨液循環系210の配管208に接続されている。このような構成とすることで、半導体ウェハへの均一な研磨液供給が可能となり、研磨レートを改善することができ、研磨レートの面内均一性を大幅に向上させることができる。
【0072】
ここで、図30に示すように、各研磨液供給ライン212には、研磨液供給口57から供給される研磨液の流量を調整する流量調整弁として流体圧バルブ214が設けられている。この流体圧バルブ214は、図31(a)および図31(b)に示すように、柔軟性のある研磨液供給ライン212の管212aを流体の圧力によって押圧して管の径を絞る管圧縮部216を有している。この管圧縮部216は管212aを囲むように配置されている。図31(b)に示すように、流体圧によって管212aが絞られることによって、管212a内を流れる研磨液Qの流量が減少する。この流体圧バルブ214は、流体圧により管212aを絞るので、管212aの摩耗を防止することができる。
【0073】
ここで、トップリングのリテーナリングは、(1)研磨対象物(半導体ウェハ)の外周縁部の保持、および(2)研磨面(研磨パッド)を押付することによる被研磨対象物の研磨プロファイルの制御を行っている。研磨面圧が低い状態で、上述したような機械的強度の低い銅錯体を形成する研磨液を用いる場合には、過剰なリテーナリングの研磨面への押付は、研磨対象物の表面への研磨液の供給を律速させる。したがって、リテーナリングの研磨面への押付荷重は小さい方がよい。しかしながら、リテーナリングの押付荷重が小さいと、研磨対象物がトップリングから飛び出しやすくなる。したがって、リテーナリングの押付荷重を低くした状態であっても研磨対象物の飛び出しを防止することができるリテーナリングが要望されている。
【0074】
このような要望に応えるために、図32に示すように、研磨パッド52を押圧して半導体ウェハWと研磨パッド52との接触状態を調整する押圧部材300と、半導体ウェハWがトップリング24から飛び出すのを防止するリング状のガイド部材302とから構成されるリテーナリング356を用いてもよい。ガイド部材302は押圧部材300よりも径方向内側、すなわち半導体ウェハWに近接する位置に配置されている。このようなリテーナリング356を用いることにより、研磨圧力が小さい場合においても、半導体ウェハWがトップリング24から飛び出すことを防止しつつ、半導体ウェハWの研磨プロファイルの制御を行うことができる。
【0075】
また、ガイド部材302は、ねじやエアシリンダにより上下方向に位置調整可能となっており、研磨パッド52の表面からの高さを調整することができる。また、ガイド部材302の径方向幅は6mm以下であることが好ましく、半導体ウェハWよりも硬度の小さい材質から形成されていることが好ましい。
【0076】
半導体デバイスの製造工程において、CMPによる銅ダマシン配線の平坦化プロセスにおいては、配線部分を残してバリアメタル上まで銅膜が完全に除去されるが、一般に、バリアメタル上まで銅膜を除去する工程は、図33(a)から図33(c)に示すように、(1)初期銅膜400の大部分を高速に除去するとともに、初期段差を緩和し、若干の銅膜400aを残留させる第1の工程(バルク銅研磨工程、図33(a)から図33(b)の工程)と、残りの銅膜400aを、配線部分400bを残してバリアメタル402上まで完全に除去する第2の工程(銅クリア工程、図33(b)から図33(c)の工程)とから構成される。
【0077】
バルク銅研磨工程においては、初期段差をできる限り緩和(平坦化)し、銅膜400aをできる限り薄く、しかも均一に残すことにより、銅クリア工程への負荷を低減することができる。例えば、バルク銅研磨工程後の残留銅膜400aの厚さが100〜150nm程度、好ましくは100nm以下、厚さのレンジが50nm以下程度となるように研磨することが好ましい。また、一般的には、銅クリア工程では、図34(a)に示すような、銅を除去した後のディッシング410やエロージョン412を抑制するため、研磨圧力を低くして研磨がなされる。
【0078】
ここで、従来のCMP装置では、ウェハ面内のある特定位置の膜厚の情報からプロセスの切替のタイミングを決定していた。この方法では、研磨中の膜厚分布に関係なく切替のタイミングが決定されるため、例えば、研磨プロファイルが変化した場合であっても、測定されるウェハ上の位置の膜厚が所定値になりさえすれば、プロセスの切替が行われてしまう。
【0079】
仮に、測定される位置よりも非常に残膜の厚い部分が他の位置に存在した場合、図34(b)に示すように、次の銅クリア工程の終了後に銅膜の残留414が生じるおそれがある。また、逆に、測定される位置よりも非常に残膜の薄い部分が他の位置に存在した場合、図34(a)に示すように、その位置でディッシング410やエロージョン412が生じるおそれがある。
【0080】
このような問題を防止するために、以下のような方法を採用することができる。すなわち、バルク銅研磨工程から銅クリア工程に移行するときの銅膜の膜厚分布を予め設定し、記憶装置に格納しておく。バルク銅研磨工程中には、うず電流センサ58(図2参照)により半導体ウェハの銅膜の膜厚分布を取得する。シミュレーションソフトウエアにより、予め設定された膜厚分布と研磨中にうず電流センサ58により取得された膜厚分布とを瞬時に比較し、設定された膜厚分布とするために必要な研磨条件のシミュレーションを行う。シミュレーションによって得られた研磨条件に基づいて、設定された膜厚分布になるようにトップリング24によるプロファイル制御を行う。例えば、現在の残膜分布において研磨量が不足している領域に対して研磨レートを高めるような制御を行う。このようなプロファイル制御により、結果的に銅クリア工程直前の銅残膜が均一となるように、あるいは予め決められた膜厚分布となるようにする。そして、実際の膜厚分布が設定された膜厚分布と一致したときに、バルク銅研磨工程から銅クリア工程に切り替える。
【0081】
このような方法により、実際の研磨形状(膜厚分布)をモニタしながら、最終的に得たい膜厚分布を確実に得ることができる。すなわち、バルク銅研磨工程から銅クリア工程への切替を常に所望の膜厚分布で行うことができるので、バルク銅研磨工程のプロセス変動(研磨レートの変動や研磨プロファイルの変動)に影響されず、常に一定の条件で銅クリア工程を開始することができる。したがって、次工程である銅クリア工程への負荷を最小限にとどめることができる。これは、銅クリア工程後のディッシング410やエロージョン412を抑制することに寄与するだけでなく、銅クリア工程の時間短縮(過研磨時間の抑制)にも寄与し、生産性の向上とコスト削減にもつながる。
【0082】
配線形成工程において、半導体ウェハ上の導電膜を研磨するときには、研磨が終了したときに存在するディフェクト(例えば、導電膜の半導体ウェハ表面上への残留414、スクラッチやピット416(図34(a)および図34(b)参照))は、次の配線形成工程に影響を及ぼすのみならず、最終的に形成された電気回路の電気特性の劣化にも影響を及ぼす。したがって、研磨の終了時にこれらのディフェクトをなくすことが要望される。
【0083】
CMPにおいては、導電膜の残留に対して、初期膜以上に研磨(オーバーポリッシング)を行って導電膜の残留414をなくすこともなされるが、一般にオーバーポリッシングを長時間行うと、図34(a)に示すように、配線部においてディッシング410やエロージョン412が発生してしまう。また、機械的な作用による研磨を行うため、スクラッチやピット416の発生は避けられない。
【0084】
一般に残留した導電膜414は、研磨除去が難しいため、過剰のオーバーポリッシングを必要とする。この場合には、ディッシング410やエロージョン412,およびスクラッチやピット416が発生しやすくなる。これを避けるために、上述したバルク銅研磨工程をCMPで行い、その後のCMPによる銅クリア工程を銅膜の残りが50nm以下となったところで止め、その後の銅クリア工程をケミカルエッチングにより行い、銅膜を除去するという方法を用いることができる。このように、機械的な作用を伴わないケミカルエッチングにより銅クリア工程を行えば、ディフェクトを生じさせずに銅膜の研磨を行うことができる。
【0085】
ケミカルエッチングにおけるエッチャントとしては、硫酸、硝酸、ハロゲン酸(特にフッ酸、塩酸)などの酸、アンモニア水などのアルカリ、過酸化水素などの酸化剤とフッ化水素や硫酸などの酸との混合物を用いることができる。また、バルク銅研磨工程において導電性の薄膜の厚さを測定し、該測定された厚さが所定の厚さ、好ましくは100nm以下になったときに、バルク銅研磨工程から銅クリア工程に切り替えるのが好ましい。この場合の膜厚の測定は、導電膜に光を照射して膜厚を測定する光学式センサ、導電膜に発生するうず電流を検出して膜厚を測定するうず電流センサ(図2参照)、研磨テーブル22の回転トルクを検出して導電膜の膜厚を測定するトルク検知センサ、導電膜に超音波をあてて膜厚を測定する超音波式センサのうち少なくとも1つを使用することができる。
【0086】
上述したケミカルエッチングは、CMP装置を用いて銅膜の薄膜を形成するバルク銅研磨工程に限らず、他のプロセスとも組み合わせることができる。すなわち、基板上に平坦な導電性の薄膜を形成する種々のプロセスの後に、その導電性の薄膜をケミカルエッチングにより除去することができる。
【0087】
例えば、電解研磨により薄膜を形成した後に、その薄膜をケミカルエッチングにより除去してもよい。電解研磨は、機械的な作用を用いずに研磨を行うことができるため、スクラッチやピット416の発生が低減されるものの、電気的な接続がなされないような導電膜の残留(例えば絶縁材料上に形成された微小な導電膜の残留)が生じると、その残留した導電膜の除去ができないという問題がある。しかしながら、電解研磨により平坦な導電性の薄膜を形成した後に、電気的な接続を必要としないケミカルエッチングによりその導電性の薄膜を除去することとすれば、ディフェクトを生じさせずに導電膜の除去をすることができる。この場合において、電解研磨の方法は特定のものに限定されるものではない。例えば、イオン交換体を用いた電解研磨またはイオン交換体を用いない電解研磨のいずれであってもよい。また、電解研磨においては、超純水、純水、または500μS/cm以下の液体または電解液を用いることが好ましい。例えば、特開2003−145354号公報に記載されている電解加工装置を用いて上述の電解研磨を行うこととしてもよい。
【0088】
また、平坦めっきにより薄膜を形成した後に、その薄膜をケミカルエッチングにより除去することもできる。さらに、上述の例では、銅膜(Cu)を形成および除去する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、Ta、TaN、WN、TiN、Ruのうちの少なくとも1つを含む導電性薄膜を形成した後に、その薄膜をケミカルエッチングにより除去してもよい。
【0089】
図35に示す研磨装置において、実際に研磨中に研磨液供給ノズル26を揺動させて半導体ウェハの研磨を行った。図36(a)は、このときの結果を示すグラフである。図36(b)に示す研磨液供給ノズル26を揺動させない場合のグラフと比較すればわかるように、研磨中に研磨液供給ノズル26を揺動させることにより、半導体ウェハの面内均一性が向上した。
【0090】
これまで本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0091】
20 研磨ユニット
22 研磨テーブル
24 トップリング
26 研磨液供給ノズル
28 ドレッサ
30 アトマイザ(流体噴出機構)
52 研磨パッド(研磨布)
56,356 リテーナリング
57 研磨液供給口
58 うず電流センサ
70 外周面
72 内周面
74 溝
80 排出機構
82 カバー
84 接触部材
86 気体噴出機構
88 気体噴出口
100 円板
116 分散スカート
120,122 分散板
124 スリット
210 研磨液循環系
212 研磨液供給ライン
300 押圧部材
302 ガイド部材
400 銅膜
402 バリアメタル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨対象物上に形成された第1膜の大部分を研磨して除去する第1の研磨工程と、
前記第1膜の残留部分を、配線部分を残して第2膜が表面に露出するまで研磨して除去する第2の研磨工程と、
前記第1の研磨工程から前記第2の研磨工程に移行するときの第1膜の膜厚分布を予め設定する工程と、
前記第1の研磨工程中に前記第1膜の厚さをうず電流センサにより測定して前記第1膜の膜厚分布を取得する工程と、
前記取得された第1膜の膜厚分布が前記予め設定された第1膜の膜厚分布に一致するように前記第1の研磨工程における研磨条件を調整する工程と、
を有することを特徴とする研磨方法。
【請求項2】
前記取得された第1の膜の膜厚分布が前記予め設定された第1膜の膜厚分布に一致したときに、前記第1の研磨工程から前記第2の研磨工程に移行することを特徴とする請求項1に記載の研磨方法。
【請求項3】
基板上に平坦な導電性の薄膜を形成する第1の工程と、
前記平坦な導電性の薄膜をケミカルエッチングにより除去する第2の工程と、
を有することを特徴とする配線形成方法。
【請求項4】
前記第1の工程は、化学的機械的研磨によりなされることを特徴とする請求項3に記載の配線形成方法。
【請求項5】
前記第1の工程は、電解研磨によりなされることを特徴とする請求項3に記載の配線形成方法。
【請求項6】
前記電解研磨は、イオン交換体を用いた電解研磨であることを特徴とする請求項5に記載の配線形成方法。
【請求項7】
前記ケミカルエッチングのエッチャントは、硫酸、硝酸、ハロゲン酸、過酸化水素、アンモニア水、およびこれらの混合物のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項3から6のいずれか一項に記載の配線形成方法。
【請求項8】
前記第1の工程において、前記導電性の薄膜の厚さを測定し、該測定された厚さが所定の厚さになったときに前記第1の工程を終了することを特徴とする請求項3から7のいずれか一項に記載の配線形成方法。
【請求項9】
前記所定の厚さは100nm以下であることを特徴とする請求項8に記載の配線形成方法。
【請求項10】
前記導電性の薄膜は、Cu、Ta、TaN、WN、TiN、およびRuのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項3から9のいずれか一項に記載の配線形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【公開番号】特開2011−176342(P2011−176342A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87638(P2011−87638)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【分割の表示】特願2004−334548(P2004−334548)の分割
【原出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】