説明

硫黄成分検出装置

【課題】排気ガス中の硫黄成分を検出する。
【解決手段】排気ガスの流通路内に排気ガス中の硫黄成分を捕獲しうる金属又は金属化合物10を配置する。時間の経過に伴ない金属又は金属化合物10に捕獲された硫黄成分の量が増大したときにこの捕獲硫黄成分の量の増大に伴ない変化する金属又は金属化合物10の物性を計測し、計測された物性からガス中の硫黄成分を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は硫黄成分検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より排気ガス中のSOx濃度を検出するためのSOx濃度センサが公知である。これら公知のSOx濃度センサは通常固体電解質を用いており、SOxが硫酸イオンに変化することにより生ずる起電力を計測して排気ガス中のSOx濃度を検出するようにしている(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2004−239706号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながらこのようなSOx濃度センサを用いた従来の硫黄成分検出装置は高温のもとでしか作動せず、装置が大掛かりとなり、特にSOx濃度が低いときにはSOx濃度を検出しえないという大きな問題がある。このSOx濃度センサのように従来ではSOx濃度を瞬時に検出することばかりに目が向けられており、このようにSOx濃度を瞬時に検出しようとしている限りは上述した如き種々の問題が必然的に生ずる。
【0004】
そこで本発明者は発想を転換し、瞬時のSOx濃度を検出するのではなくて、長い期間に亘って排出されたSOxの積算量を検出することに目を向けたのである。そしてこのように発想の転換を行うと長い期間に亘って排出されたSOxの積算量ではあるが排気ガス中のSOx量を容易に検出しうることが判明したのである。
【0005】
なお、長い期間に亘って排出されたSOx量の積算量を検出することが要求されている場合に本発明を最も適切に適用することができる。また、瞬時のSOx濃度を検出しえなくても、或る一定期間におけるSOx濃度の平均値、又は或る一定期間における排出SOx量の平均値を検出しえれば十分の場合にも本発明を適用することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、流通するガス中に含まれる硫黄成分を検出するための硫黄成分検出装置において、ガスの流通路内にガス中の硫黄成分を捕獲しうる金属又は金属化合物を配置し、時間の経過に伴ないこれら金属又は金属化合物に捕獲された硫黄成分の量が増大したときにこの捕獲硫黄成分の量の増大に伴ない変化するこれら金属又は金属化合物の物性を計測し、計測された物性からガス中の硫黄成分を検出するようにしている。
【発明の効果】
【0007】
ガス中の硫黄成分を容易に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1は本発明を圧縮着火式内燃機関に適用した場合を示している。図1を参照すると、1は機関本体、2は排気マニホルド、3は排気管、4はNOx吸蔵還元触媒等の触媒、5は排気ガス中に含まれる硫黄成分、即ちSOxを検出するために排気管3内の排気ガス通路内に配置されたSOxセンサを夫々示している。
【0009】
なお、本発明は内燃機関からの排気ガス中のSOxの検出に適用できるばかりでなく、例えば工場等からの排出ガス中の硫黄成分の検出にも適用することができる。即ち、本発明はあらゆる技術分野におけるガス中の硫黄成分の検出に適用することができる。しかしながら以下、図1に示されるように本発明を内燃機関からの排気ガス中の硫黄成分の検出に適用した場合を例にとって説明する。
【0010】
図2は本発明による硫黄成分の検出原理を示している。本発明ではガスの流通路内にガス中の硫黄成分を捕獲しうる金属又は金属化合物、図1に示される実施例では排気ガスの流通路内に排気ガス中のSOxを捕獲しうる金属又は金属化合物が配置される。この金属又は金属化合物が図2(A)において符号10で模式的に示されている。図2(A)に示される金属又は金属化合物10は硫黄を含まない金属又は金属化合物からなる。本発明による実施例ではこの金属又は金属化合物10はアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、貴金属又はそれら金属の化合物からなる。
【0011】
次にこの金属又は金属化合物10としてアルカリ土類金属の一つであるバリウムBa又はその化合物を用いた場合を例にとって硫黄成分の検出方法について説明する。
バリウムBaは大気中では酸化バリウムBaOとなっている。この酸化バリウムBaOは排気ガス中に置かれると排気ガス中に含まれるCOやCO2によってただちに炭酸バリウムBaCO3に変化せしめられる。更にこの炭酸バリウムBaCO3は排気ガス中に含まれるNOxによって硝酸バリウムBa(NO32に変化せしめられる。
【0012】
即ち、バリウムBaが用いられた場合には図2(A)に示される金属又は金属化合物10は酸化バリウムBaOか炭酸バリウムBaCO3か又は硝酸バリウムBa(NO32であり、この金属又は金属化合物10が排気ガス中に置かれた場合には硝酸バリウムBa(NO32となる。一般的に表現すると図2(A)に示される金属又は金属化合物10は酸化物か炭酸塩か又は硝酸塩からなり、この金属又は金属化合物10が排気ガス中に置かれた場合には硝酸塩となる。
【0013】
一方、排気ガス中にはCOやHCやNOxに比べれば少量ではあるが硫黄成分、即ちSOxが含まれており、このSOxは金属又は金属化合物10に捕獲されて図2(A)に示されるように硫黄を含む金属化合物11に変化する。バリウムBaが用いられた場合にはこの硫黄を含む金属化合物11は硫酸バリウムBaSO4である。従って金属又は金属化合物10が排気ガス中に置かれている場合には図2(B)に示されるように硝酸バリウムBa(NO32からなる金属化合物10の一部の硝酸バリウムBa(NO32が硫酸バリウムBaSO4に変化する。一般的に表現すると硝酸塩の一部が硫酸塩に変化する。この場合、金属化合物11における硫酸塩の割合は時間が経過するにつれて、即ち捕獲される硫黄成分の量が増大するほど高くなる。
【0014】
一方、図2(C)は金属又は金属化合物10が貴金属又はその化合物からなる場合を示している。この貴金属としてはパラジウムPd、ロジウムRh或いは白金Ptを用いることができ、図2(C)は一例としてパラジウムPdを用いた場合を示している。この場合には硫黄成分が捕獲されると金属酸化物PdOが硫化物PdSに変化する。
【0015】
硝酸塩が硫酸塩に変化すると、或いは金属酸化物が硫化物に変化すると物性が変化し、従ってこの物性の変化から捕獲された硫黄成分の量、即ちガス中の硫黄成分の量を推定することができる。そこで本発明では時間の経過に伴ない硫黄を含まない金属又は金属化合物10が硫黄を含む金属化合物11に変化したときに金属化合物11の物性を計測し、計測された物性からガス中の硫黄成分を検出するようにしている。
【0016】
即ち、本発明では別の言い方をすると、時間の経過に伴ない金属又は金属化合物10に捕獲された硫黄成分の量が増大したときにこの捕獲硫黄成分の量の増大に伴ない変化する金属又は金属化合物10の物性を計測し、計測された物性からガス中の硫黄成分を検出するようにしている。
【0017】
次に図3から図8を参照しつつ計測すべき物性と、計測すべき物性に応じた検出方法について説明する。なお、これら図3から図8については図2(B)に示される如く硝酸塩が硫酸塩に変化する場合を例にとって説明する。
【0018】
図3および図4は計測される物性が電気的物性である場合を示しており、図3は計測される電気的物性が電気抵抗である場合を示している。
図3(A)は硫黄Sの捕獲量と電気抵抗値Rとの関係を示している。図3(A)に示されるように硫黄Sの捕獲量が増大するほど、即ち硝酸塩から硫酸塩への変化量が多いほど電気抵抗値Rが増大する。従って電気抵抗値Rから硫黄Sの捕獲量、即ち排気ガス中のSOx量の積算値を求めることができる。
【0019】
図3(B)は図1に示されるSOxセンサ5の検出部を示している。図3(B)に示されるように排気ガスの流通路内に配置されているSOxセンサ5の検出部には一対の端子13により支持された検出用金属化合物片14と一対の端子15により支持された参照用金属化合物片14とが設けられている。検出用金属化合物片12は酸化物又は炭酸塩又は硝酸塩から形成されており、参照用金属化合物片14は硫酸塩から形成されている。排気ガスが流通すると参照用金属化合物片14は変化しないが検出用金属化合物片12は硝酸塩でない場合には硝酸塩に変化し、次いで排気ガス中に含まれるSOxにより硝酸塩が少しずつ硫酸塩に変化する。斯くして検出用金属化合物片12の電気抵抗値Rは次第に増大していくことになる。
【0020】
検出用金属化合物片12の電気抵抗値Rは周囲の温度が高くなると高くなる。従ってこのような温度変化が電気抵抗値Rに与える影響を除去するために参照用金属化合物片14が設けられており、例えば図3(C)に示されるようなホイーストンブリッジを用いて検出用金属化合物片12の電気抵抗値と参照用金属化合物片14の電気抵抗値との差から硫黄Sの捕獲量を求めるようにしている。図3(C)に示すようなホイーストンブリッジを用いたときに電圧計16に現われる電圧Vは図3(D)に示されるように硫黄Sの捕集量が増大するにつれて低下する。
【0021】
図4は計測される電気的物性が誘電率或いは静電容量である場合を示している。
図4(A)に示されるように硫黄Sの捕獲量が増大すると、即ち硝酸塩から硫酸塩への変化量が増大すると比誘電率が高くなり、従って静電容量Cが大きくなる。この場合のSOxセンサ5の検出部は図4(B)に示されるように図3(B)に示されるSOxセンサ5の検出部と同様な構造を有する。ただし、図4(B)に示される例では各端子13,15が対応する金属化合物片12,14の静電容量Cを検出しうる構造に形成されている。
【0022】
各金属化合物片12,14の静電容量Cは例えば図4(C)に示されるような充放電回路を用いて計測することができる。即ち、図4(C)において切換スイッチ17を接点aに接続して検出用金属化合物片12を充電した後に切換スイッチ17を接点bに接続して検出用金属化合物片12を放電させると電流計19には図4(D)に示されるような放電電流Iが流れる。この放電電流Iを積分するとその積分値は静電容量Cを表わしている。
【0023】
同様に、図4(C)において切換スイッチ18を接点aに接続して参照用金属化合物片14を充電した後に切換スイッチ18を接点bに接続して参照用金属化合物片14を放電することにより参照用金属化合物片14の静電容量Cを求めることができる。検出用金属化合物片12の静電容量Cと参照用金属化合物片14の静電容量Cとの静電容量差は硫黄Sの捕獲量が増大するほど小さくなり、斯くしてこの静電容量差から硫黄Sの捕獲量を求めることができる。
【0024】
図5は計測される物性が機械的物性である場合を示しており、更に計測される機械的物性が体積変化である場合を示している。
図5(A)に示されるように体積は硫黄Sの捕集量が増大するほど減少する。図5(B),(C),(D)はこの体積の変化を利用して硫黄Sの捕集量を求めるようにしている。
【0025】
図5(B)に示す例ではSOxセンサ5の検出部上に検出用金属化合物片12と参照用金属化合物片14とが載置されており、検出用金属化合物片12の壁面と参照用金属化合物片14の壁面上には夫々歪を検出するための、例えば歪ゲージ20,21が取付けられている。なお、図5(B)において符号22,23は各歪ゲージ20,21のリード線を示している。
【0026】
この例では検出用金属化合物片12の歪を計測することによって検出用金属化合物片12の体積変化が計測され、参照用金属化合物片14の歪を計測することによって参照用金属化合物片14の体積変化が計測され、これら計測された体積変化の差から硫黄Sの捕獲量が求められる。
【0027】
一方、図5(C)に示す例でもSOxセンサ5の検出部上に検出用金属化合物片12と参照用金属化合物片14とが載置されているが、この例では検出用金属化合物片12の体積変化および参照用金属化合物片14の体積変化による静電容量の変化を検出するようにしている。
【0028】
図5(D)に示される例では検出用金属化合物片24と参照用金属化合物片25からなるバイメタル素子がSOxセンサ5の検出部上に取付けられている。この例では検出用金属化合物片24の硫黄Sの捕集量が増大するにつれてバイメタル素子の湾曲量が大きくなり、従ってこの湾曲量の大きさから硫黄Sの捕集量を求めることができる。
【0029】
図6から図8は計測される物性が熱的物性である場合を示しており、更に計測される熱的物性が熱容量および熱伝導性である場合を示している。
図6(A)に示されるように硫黄Sの捕獲量が増大するほど金属化合物片の熱容量は減少する。従って図6(B)に示されるように金属化合物片の周囲の温度が上昇したときに金属化合物片の中心温度の上昇率は硫黄Sの捕獲量が増大するほど高くなる。
【0030】
図7(A)はSOxセンサ5の検出部を示している。図7(A)に示される例では一対のリード線27を有する検出用サーミスタ素子26と、一対のリード線29を有する参照用サーミスタ素子28とが設けられている。更にこの例では検出用サーミスタ素子26の周囲が検出用金属化合物30によって包囲されており、参照用サーミスタ素子28の周囲が参照用金属化合物31によって包囲されている。
【0031】
この例では検出用金属化合物30周りの温度が変化したときの検出用サーミスタ素子26の抵抗値の変化の応答性から検出用金属化合物30の熱容量が推定され、参照用金属化合物31周りの温度が変化したときの参照用サーミスタ素子28の抵抗値の変化の応答性から参照用金属化合物31の熱容量が推定され、これら熱容量の差から硫黄Sの捕集量が求められる。
【0032】
即ち、具体的に言うと図7(B)に示されるようなホイーストンブリッジを用いて検出用サーミスタ素子26の抵抗値と参照用サーミスタ素子28の抵抗値との差が電圧の形で求められる。この場合、この抵抗値の差を現わしている電圧計32の電圧Vは図7(C)に示されるように検出用金属化合物30に捕獲される硫黄Sが増大するほど低下する。
【0033】
図8(A)に示される例では検出用金属化合物30と参照用金属化合物31とが酸化触媒を担持した多孔質のキャップ33で覆われている。このようなキャップ33を設けると排気ガス中に含まれるSO2その他の硫黄化合物が捕獲されうるSO3に酸化される。その結果、排気ガス中に含まれる硫黄成分の捕獲率が向上し、斯くして硫黄成分の検出精度が高められる。
【0034】
図8(B)に示される例ではSOxセンサ5の検出部に検出用熱電対34と参照用熱電対35とが設けられている。この例では検出用熱電対34の測温接点36の周囲が検出用金属化合物37によって包囲され、参照用熱電対35の測温接点38の周囲が参照用金属化合物39によって包囲される。この例では検出用金属化合物37周りの温度が変化したときの検出用熱電対34の起電力の変化の応答性から検出用金属化合物37の熱容量が推定され、参照用金属化合物39周りの温度が変化したときの参照用熱電対35の起電力の変化の応答性から参照用金属化合物39の熱容量が推定され、これら熱容量の差から硫黄Sの捕獲量が求められる。
【0035】
具体的には検出用熱電対34の起電力と参照用熱電対35の起電力との差から硫黄Sの捕獲量が求められる。
【0036】
図18(C)に示される例では検出用金属化合物30と参照用金属化合物31とを夫々加熱するためのヒータ40,41が設けられている。この例では周囲の温度が変化しない場合でもこれらヒータ40,41を発熱させることによって検出用金属化合物30と参照用金属化合物31との熱容量の差を求めることができる。
【0037】
また、検出用金属化合物30を高温にすると検出用金属化合物30から捕獲されているSOxが放出され、検出用金属化合物30が再生される。従ってこの例ではヒータ40を発熱することによって検出用金属化合物30の温度を上昇させ、それによって検出用金属化合物30を再生ことができる。なお、この場合、排気ガスの空燃比を一時的にリッチにしても検出用金属化合物30を再生することができる。
【0038】
なお、排気ガス中にリンPが含まれている場合には硫黄SおよびリンPの双方が捕獲されるがリンPの量は少ないので硫黄Sの捕獲量を求めれば十分である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】圧縮着火式内燃機関を示す図である。
【図2】硫黄成分の検出原理を説明するための図である。
【図3】硫黄成分の検出方法を説明するための図である。
【図4】硫黄成分の検出方法を説明するための図である。
【図5】硫黄成分の検出方法を説明するための図である。
【図6】硫黄成分の検出方法を説明するための図である。
【図7】硫黄成分の検出方法を説明するための図である。
【図8】硫黄成分の検出方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0040】
5 SOxセンサ
12 検出用金属化合物片
14 参照用金属化合物片
26 検出用サーミスタ素子
28 参照用サーミスタ素子
30,37 検出用金属化合物
31,38 参照用金属化合物
34 検出用熱電対
35 参照用熱電対

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流通するガス中に含まれる硫黄成分を検出するための硫黄成分検出装置において、ガスの流通路内にガス中の硫黄成分を捕獲しうる金属又は金属化合物を配置し、時間の経過に伴ない該金属又は金属化合物に捕獲された硫黄成分の量が増大したときにこの捕獲硫黄成分の量の増大に伴ない変化する該金属又は金属化合物の物性を計測し、計測された物性からガス中の硫黄成分を検出するようにした硫黄成分検出装置。
【請求項2】
ガスの流通路内に硫黄を含まない金属又は金属化合物を配置し、時間の経過に伴ない該硫黄を含まない金属又は金属化合物が硫黄を含む金属化合物に変化したときに金属化合物の物性を計測し、計測された物性からガス中の硫黄成分を検出するようにした請求項1に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項3】
上記硫黄を含まない金属化合物が酸化物又は炭酸塩又は硝酸塩からなり、上記硫黄を含む金属化合物が硫酸塩からなる請求項2に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項4】
上記硫黄を含む金属化合物が硫化物からなる請求項2に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項5】
上記流通するガスが内燃機関から排出された排気ガスであり、上記硫黄成分が排気ガス中に含まれるSOxである請求項1に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項6】
上記計測される物性は電気抵抗および誘電率で代表される電気的物性である請求項1に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項7】
上記計測される物性は体積変化で代表される機械的物性である請求項1に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項8】
上記計測される物性は熱容量および熱伝導性で代表される熱的物性である請求項1に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項9】
ガスの流通路内に配置された金属又は金属化合物は硫黄を捕獲したときに硫酸塩に変化する検出用金属化合物からなり、計測された検出用金属化合物の物性からガス中の硫黄成分を検出するようにした請求項1に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項10】
計測される物性が該検出用金属化合物の電気抵抗である請求項9に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項11】
計測される物性が該検出用金属化合物の静電容量である請求項9に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項12】
計測される物性が該検出用金属化合物の体積変化である請求項9に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項13】
上記検出用金属化合物の歪を計測することによって検出用金属化合物の体積変化を計測するようにした請求項12に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項14】
計測される物性が該検出用金属化合物の体積変化により変化する静電容量である請求項9に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項15】
上記検出用金属化合物に加えて硫酸塩からなる参照用金属化合物を上記ガスの流通路内に配置し、計測された検出用金属化合物の物性と計測された参照用金属化合物の物性との差異からガス中の硫黄成分を検出するようにした請求項9に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項16】
上記検出用金属化合物と上記参照用金属化合物とを酸化触媒を担持した多孔質のキャップで覆うようにした請求項15に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項17】
計測される物性が該検出用金属化合物の熱容量である請求項9に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項18】
サーミスタ素子の周囲を検出用金属化合物によって包囲し、検出用金属化合物周りの温度が変化したときのサーミスタ素子の抵抗値の変化の応答性から検出用金属化合物の熱容量が推定される請求項17に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項19】
上記検出用金属化合物に加えて硫酸塩からなる参照用金属化合物を上記ガスの流通路内に配置すると共に参照用サーミスタ素子の周囲を参照用金属化合物によって包囲し、検出用金属化合物内に配置されているサーミスタ素子の抵抗値と参照用サーミスタ素子の抵抗値との差からガス中の硫黄成分が検出される請求項18に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項20】
上記検出用金属化合物と上記参照用金属化合物とを夫々加熱するためのヒータが設けられている請求項19に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項21】
熱電対の測温接点の周囲を検出用金属化合物によって包囲し、検出用金属化合物周りの温度が変化したときの熱電対の起電力の変化の応答性から検出用金属化合物の熱容量が推定される請求項17に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項22】
上記検出用金属化合物に加えて硫酸塩からなる参照用金属化合物を上記ガスの流通路内に配置すると共に参照用熱電対の測温接点の周囲を参照用金属化合物によって包囲し、検出用金属化合物内に測温接点が配置されている熱電対の起電力と参照用熱電対の起電力との差からガス中の硫黄成分が検出される請求項21に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項23】
上記検出用金属化合物と上記参照用金属化合物とを夫々加熱するためのヒータが設けられている請求項22に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項24】
上記計測された物性からガス中に含まれる硫黄成分の積算量が検出される請求項1に記載の硫黄成分検出装置。
【請求項25】
ガスの流通路内に配置された金属又は金属化合物はアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、貴金属又はそれら金属の化合物である請求項1に記載の硫黄成分検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−175623(P2008−175623A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−8047(P2007−8047)
【出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】