説明

硬化性多成分材料の混合及び吐出

多成分材料を混合及び吐出するための方法、装置、器具、及びシステム。混合及び吐出は、混合された多成分材料を使用時点において供給することが可能な移動式の封鎖型ディスペンサーを用いて行うことができる。特定の実施形態では、多成分材料として混合される各成分をカートリッジで供給することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許法119条(e)に基づいて、いずれもその全容を本明細書に援用する2006年12月15日出願の発明の名称が「硬化性多成分材料の混合及び吐出のための装置及び方法」(DEVICES AND METHODS FOR MIXING AND DISPENSING CURABLE MULTI-COMPONENT MATERIALS)である米国仮特許出願第60/870,264号、及び、2007年9月19日出願の発明の名称が「硬化性多成分材料の混合及び吐出」(MIXING AND DISPENSING CURABLE MULTI-COMPONENT MATERIALS)である米国仮特許出願第60/973624号の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は一般的には混合材料の混合及び吐出の分野に関する。より詳細には本発明は、各成分の体積比が大きく異なる、粘度が大きく異なる、粘度が極端である、などの多成分材料を混合及び吐出するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
多成分材料の混合及び吐出には、特に混合後に硬化を開始するかポットライフが限定されているような材料の場合には多くの課題がある。こうした状況において生ずる課題として、混合材料を構成する各種成分の体積比を正確に制御することがある。混合材料中の各成分の体積比は、材料が硬化する速度、材料の最終的な強度、粘度、寿命などに影響を及ぼしうる。このため、成分/成分比の制御が重要となる場合がある。
【0004】
別の課題として各成分を完全に混合することがある。混合が不充分であると得られる混合材料の均一性が低下しうる。更に別の潜在的な課題として、混合材料中に空気が導入されることがある。多くの場合(特に高粘度材料の場合)、混合プロセスの際に混合材料中に導入される空気が逃げることができず、内部に空気が閉じ込められた最適とは言えない混合材料となってしまう場合がある。
【0005】
各成分の混合における別の潜在的な課題として、混合材料中に異物(例、埃など)が導入されることがある。これは、クリーニングが不充分な既に使用された器具を用いて各成分が混合されるような場合に特に問題となる。
【0006】
これらの問題の多くが生ずる特定の領域として、車両のボディーパネルの修理に使用されるボディーフィラーを得るために、反応性の成分(硬化剤及び充填剤など)を混合した自動車の車体修理材料に関連したものがある。一般に、今日使用されているボディーフィラーの成分はテクニシャンによって手で混合される。これは、大まかな量の充填剤を開放容器から混合用プラットフォームに手で(例えば手持ち式の道具を用いて)取った後、混合用プラットフォームに大まかな量の硬化剤を加えることによって行われる。次いでこれら2つの成分はテクニシャンによって例えばスキージ等の道具を用いて手で混合される。混合後、テクニシャンがボディーフィラーを車両に塗布する。テクニシャンは通常、サンドペーパーなどの研磨材を用いて元の車体の外形に一致するように車体修理材料を成形する。このプロセスを、車両の破損部分が充分に充填され、元の車体の外形に一致するまで2回以上繰り返すことができる。
【0007】
この解決法には上記に述べた問題の多くが伴う。例えば、各成分は一般にテクニシャンの判断に基づいて必要量が吐出される。この結果、充填剤:硬化剤の比が混合バッチ間で大きく異なりうる。これは、この比が大きい場合(例、10:1、20:1又は更に高い比)に特に当てはまる。
【0008】
硬化剤に対する充填剤の比が変動すると、混合ボディーフィラー材料の可使時間に影響しうる。硬化剤の量が多すぎるとボディーフィラーの硬化が早過ぎて充分な可使時間が得られず、一方、硬化剤の量が少なすぎるとボディーフィラーの硬化が理想よりも遅くなりうる。硬化剤が過剰であると、時間の経過と共にボディーフィラーに亀裂が生じうる。ある種のボディーフィラーでは、硬化剤が過酸化物及び/又は可塑剤を含有している。こうした材料は特に過剰量で加えられた場合に後で塗布される塗料層に着色してしまう可能性がある。
【0009】
ボディーフィラーを手で混合した場合に潜在的に生じうる別の課題として、充填剤と硬化剤の混合が不完全なためにボディーフィラーの硬化が不均一となることがある。この問題は、例えば充填剤と硬化剤の粘度が大きく異なったり、かつ/又は混合されるボディーフィラーが比較的大量である場合により顕著となりうる。
【0010】
ボディーフィラーの手による混合ではボディーフィラー中に空気が閉じ込められる可能性もある。閉じ込められた空気により、場合によっては仕上がった修理箇所にピンホールが形成され、修理の際に釉又は他の材料を追加してピンホールを充填する必要がある。
【0011】
空気が閉じ込められること以外に、手による混合では、混合を行うために使用する表面や道具が混合の前にクリーンでない場合にはボディーフィラー中に異物(例、埃、硬化したボディーフィラーの破片など)が導入されてしまう場合もある。こうした異物によってテクニシャンがボディーフィラーを修理箇所に均そうとする際に縞模様を生じる場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は多成分材料を混合及び吐出するための方法、装置、器具、及びシステムを提供するものである。混合及び吐出は、混合された多成分材料を使用時点において効果的に供給するために使用することが可能な移動式の封鎖型ディスペンサーを用いて好ましく行われる。実施形態によっては、多成分材料に混合される成分をカートリッジで供給することによって異なる多成分材料間での切り替えを簡単に行うことが可能である。
【0013】
本発明の方法、装置、器具、及びシステムの潜在的な効果として、1台のミキサー/ディスペンサーを使用して広範な添加成分を扱うことによって必要とされる異なる多成分材料が得られる点がある。各成分は粘度が大きく異なる場合もあれば、大きく異なる比で混合する必要がある場合もある。しかしながら本発明のミキサー/ディスペンサー及び方法は様々に異なる添加材料が用いられても、適切に混合された多成分材料を提供することが可能であることが好ましい。
【0014】
本発明は、例えば、異なる多成分材料を得るために混合される2種類以上の成分間の体積比が1:1以上、2:1以上、10:1以上、20:1以上、40:1以上、50:1以上といったように大きく異なる場合に効果的である。本発明の方法及び器具は、各成分がこうした異なる体積比で混合される異なる多成分材料を、操作者の最小の介入によって混合するように適合されることが好ましい。
【0015】
本発明は、成分材料が大きく異なる粘度比を有する場合にも効果的である。本発明の方法及び器具は、粘度比が1:1以上(例、大体等しい)、2:1以上、3:1以上、4:1以上、5:1以上、10:1以上、20:1以上、50:1以上、更には100:1以上であるような2種類以上の成分からなる多成分材料を混合及び吐出できることが好ましい。体積比が異なる場合と同様、本発明の方法及び器具は、各成分がこうした異なる粘度比を有する異なる多成分材料を、操作者の最小の介入によって混合するように適合することができる。
【0016】
本発明の方法及び器具の更なる他の潜在的効果は、添加成分が大きく異なる粘度を有する場合に本方法及び器具を使用して成分材料を多成分材料に混合することができる点にある。例えば、少なくとも1種類の成分の粘度が200Pa・s(200,000センチポアズ)以下、100Pa・s(100,000センチポアズ)以下、50Pa・s(50,000センチポアズ)以下、25Pa・s(25,000センチポアズ)以下、又は更には10Pa・s(10,000センチポアズ)以下であってよい。こうした低粘度成分を、例えば、200Pa・s(200,000センチポアズ)以上、300Pa・s(300,000センチポアズ)以上、1,000Pa・s(1,000,000センチポアズ)以上、1,500Pa・s(1,500,000センチポアズ)以上といった、比較的高い粘度を有する1種類以上の成分と混合しなければならない場合がある。この場合もやはり、本発明の方法及び器具は、各成分がこうした大きく異なる粘度を有する異なる多成分材料を、操作者の最小の介入によって混合するように適合されることが好ましい。
【0017】
先の段落で述べたように、本発明の方法及び器具は、添加成分が大きく異なる体積比で供給され、大きく異なる粘度比を有し、大きく異なる粘度を有する場合に各成分を多成分材料に混合するうえで効果的である。本発明の方法及び器具の潜在的に重要な効果の一つは、これらのすべての特性の異なる組合わせの下で、均一かつ正確に混合された多成分材料を提供できることにある点は理解されなければならない。
【0018】
例えば、本明細書に記載されるミキサー/ディスペンサー及び混合方法は、粘度比が10:1(ただし低粘度成分が、1:1以上〜50:1以上の体積比で10Pa・s(10,000センチポアズ)以下の粘度を有する)のように大きく異なる粘度の組合せを示す複数の成分を混合することが可能であれば好ましい。別の組合せの例では、同方法及び装置が、1:1以上〜50:1以上の範囲の異なる体積比で近い粘度(例、100Pa・s(100,000センチポアズ)±25Pa・s(25,000センチポアズ))を有する複数の成分からなる多成分材料を混合及び吐出することが可能であってもよい。更に別の例では、本発明のミキサー/ディスペンサー及び方法を使用して、粘度が400Pa・s(400,000センチポアズ)及び100Pa・s(100,000センチポアズ)(4:1の粘度比)である2種類の成分を40:1以上(粘度が高い方の成分の体積がより大きいものとする)の体積比で混合することができる。換言すれば、本発明の方法及び器具は、従来の混合機器によっては得られなかったような添加成分における柔軟性を好ましくは提供するものである。
【0019】
添加成分の変化しやすい特性によらず、本発明のディスペンサー、カートリッジ、及び方法は均一に混合された多成分材料を提供できるものであることが好ましい。
【0020】
幾つかの場合について粘度の面から述べたが、本発明に基づいて混合及び吐出される成分にはあらゆる流動性材料が含まれる。ここで流動性材料とは、混合室内に導入される1つ以上の他の流動性材料に流入及び混合することが可能な材料のことである。流動性材料としては例えば液体、気体、ペースト、ゲル、流動性固体(例、流動性粒子流)などが挙げられる。
【0021】
本発明のディスペンサーは移動式であることが好ましい。なお、本明細書でディスペンサーに関連して用いる「移動式」とは、ディスペンサーが選択された異なる場所で、混合された多成分材料を吐出するように使用者によって操作が可能であることを意味する。例えば、ディスペンサーが車体の修理に使用される場合、車両又は他の任意の選択された場所に混合材料を直接吐出するような位置に移動式ディスペンサーの吐出口が配置されるよう、移動式ディスペンサーを車両又は店舗周辺で移動させることができる。こうした移動式ディスペンサーは、例えば歯科修復材料などを混合及び吐出する目的で一般的に使用されているデスクトップ型又は固定式ディスペンサーとは異なるものである。
【0022】
実施形態によっては、本発明の移動式ディスペンサーは多成分材料を得るために混合されるそれぞれの量の成分以外に内蔵型の動力源を有していてもよい。例えば、圧縮空気(又は他の任意の気体)を動力源として使用する場合、ディスペンサーを内蔵型の圧縮空気源(例、バックパック、カート、車両などに搭載された1つ以上のタンク)に接続することができる。動力源が電気エネルギーである場合、例えば電池、燃料セルなどの携帯型の内蔵電源によって動力を与えることができる。
【0023】
多成分材料に混合される各成分は、より大きな供給源(例、バックパックに搭載された補充システム、カートに基づいた補充システム)から補充することが可能なカートリッジでディスペンサーに供給することもできる。こうしたシステムでは、使用者は、カートリッジ内の成分が多成分材料として混合及び吐出される際に、より大きな(それでもなお移動式の)供給源からディスペンサー内のカートリッジ(又はリザーバ)を繰り返し補充することができる。また、材料をより大きな供給源からディスペンサーに供給する場合、材料を直接加えることでカートリッジを用いる必要をなくすこともできる。
【0024】
本発明の方法、装置及びシステムの別の潜在的な効果として、少なくとも1つの成分に中空要素(例えばガラスマイクロスフェア、セラミックマイクロスフェアなど)が、混合された多成分材料中でその相当数が完全性を保つ(破砕されない)ようにして混入されているような多成分材料に成分を混合することができる点がある。例えば場合によっては、所定体積の混合多成分材料中の中空要素の少なくとも50%がその完全性を保つようにしてもよい。他の実施形態では、所定体積の混合多成分材料中の中空要素の75%以上(更には90%以上)がその完全性を保つことが好ましい。中空要素を(例えばマイクロスフェアの形態で)含んだ潜在的に好適な硬化性多成分材料の幾つかの例が2007年3月19日出願の米国特許出願第11/688,004号(代理人ドケット番号62714US002)に述べられている。
【0025】
混合された多成分材料中で中空要素がその完全性を保つことが有利であるが、本発明の方法及び装置の別の潜在的な効果として、多成分材料が、例えば手による混合法を行う際に多成分材料中に混入しうる空気をほとんど含まない点がある。こうした空気は中空要素(存在する場合)中に含まれておらず、このため、多成分材料が所定の表面に適用されて仕上げられる際にピンホール及び他の欠陥の原因となりうる。例えば、本発明に基づいて製造される所定体積の多成分材料(例、硬化性の車体修理材料)は5%以下、2%以下、1%以下、0.5%以下、0.25%以下(体積にして)の量の閉じ込められた空気を含んでいることが好ましい(ここで、閉じ込められた空気とは、多成分材料中の何らかの中空材料(存在する場合)に封入されていない空気のことである)。
【0026】
本発明の方法、装置、及びシステムの更なる別の潜在的な効果としては、各成分が容器から混合室内に直接吐出され、混合室から選択された場所へと直接適用されるような閉鎖プロセスによって多成分材料を混合及び吐出することができる点がある。例えば多成分材料が車体修理材料である場合には、混合された車体修理材料を混合室から本明細書で述べるようなあらゆる車両又は物品上に存在しうる修理箇所に直接吐出することができる。
【0027】
一態様において、本発明は硬化性の多成分材料を混合するための方法を提供する。本方法は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、更に第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約40:1以上であり、混合室内の第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以上であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約1:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、を含む。
【0028】
当業者であれば認識されるように、混合室は第1及び第2の流入口を有する代わりに1個のみの流入口を有してもよい。
【0029】
本方法は更に1以上の以下の特徴を有してもよい。すなわち、混合室内の第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約50:1以上であってもよい、混合室内の第1の成分の粘度は約200Pa・s(200,000cps)以上であってもよい、第2の成分の粘度に対する第1の成分の比は約3:1以上である、などである。
【0030】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約5:1以下であり、混合室内の第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以下であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約10:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、によって硬化性多成分材料を混合する方法を提供する。
【0031】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約5:1以下であり、混合室内の第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)〜約200Pa・s(200,000cps)であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約4:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、によって硬化性多成分材料を混合する方法を提供する。
【0032】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約5:1以下であり、混合室内の第1の成分の粘度は約200Pa・s(200,000cps)以上であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約2:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、によって硬化性多成分材料を混合する方法を提供する。
【0033】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約5:1〜約10:1であり、混合室内の第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以下であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約5:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、によって硬化性多成分材料を混合する方法を提供する。
【0034】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約5:1〜約10:1であり、混合室内の第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以上であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約2:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、によって硬化性多成分材料を混合する方法を提供する。
【0035】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約10:1〜約20:1であり、混合室内の第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以下であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約3:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、によって硬化性多成分材料を混合する方法を提供する。
【0036】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約10:1〜約20:1であり、混合室内の第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)〜約200Pa・s(200,000cps)であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約2:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、によって硬化性多成分材料を混合する方法を提供する。
【0037】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約10:1〜約20:1であり、混合室内の第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以上であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約2:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、によって硬化性多成分材料を混合する方法を提供する。
【0038】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約10:1〜約20:1であり、混合室内の第1の成分の粘度は約200Pa・s(200,000cps)以上であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約1.5:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、によって硬化性多成分材料を混合する方法を提供する。
【0039】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約20:1以上であり、混合室内の第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以下であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約2:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、によって硬化性多成分材料を混合する方法を提供する。
【0040】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有する混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給する工程と、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給する工程であって、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約20:1以上であり、混合室内の第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以上であり、第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の比は約1:1以上である工程と、供給時に第1の成分と第2の成分とを混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出する工程と、によって硬化性多成分材料を混合する方法を提供する。
【0041】
別の態様において、本発明は移動式混合ディスペンサーにおいて使用するためのカートリッジ装置であって、ハウジング内に配置された第1の空洞と、同ハウジング内に配置された第2の空洞とを有するカートリッジハウジングであって、第1の空洞及び第2の空洞はカートリッジハウジングの基部から、基部から遠方に位置する吐出端に向かって延在するカートリッジハウジングと、第1の空洞内に配置され、硬化性多成分材料の第1の成分を収容する第1の容器と、第2の空洞内に配置され、硬化性多成分材料の第2の成分を収容する第2の容器と、駆動軸線を規定するミキサー駆動通路と、ミキサー駆動通路内に配置された回転可能な駆動軸と、を備えるカートリッジ装置。
【0042】
上記の段落に述べられるカートリッジ装置は以下の特徴の内の1つ以上を有してもよい。すなわち、基部が平らであってよく、カートリッジハウジングを平らな水平面上に置かれた基部上に立てて置くことができるように駆動軸が基部を超えて突出しない。ミキサー駆動通路が第1の空洞と第2の空洞との間に配置されてもよい。硬化性多成分材料が硬化性車体修理材料であってもよい。ダイナミックミキサーをハウジングの供給端に取り付けるための手段をカートリッジハウジングが有してもよく、その際、駆動軸線は取付け手段を通じて延びる。
【0043】
別の態様において、本発明は移動式混合ディスペンサーにおいて使用するためのカートリッジ装置であって、ハウジング内部に配置される第1の空洞を有するカートリッジハウジングであって、第1の空洞は第1の空洞の長さに沿って延びる第1の軸線を横断する第1の断面積を有し、ハウジング内部に配置される第2の空洞を更に有し、第2の空洞は第2の空洞の長さに沿って延びる第2の軸線を横断する第2の断面積を有するカートリッジハウジングと、カートリッジハウジングの第2の空洞内に嵌合するサイズを有するスペーサーであって、前記第2の断面積の1%以上を占有するスペーサー断面積を画定すると共に前記第2の空洞内部に開放断面積を画定するスペーサーと、前記第1の空洞内部に配置される第1の容器であって、硬化性多成分材料の第1の成分を収容する第1の容器と、前記第2の空洞の開放断面積内部に配置される第2の容器であって、硬化性多成分材料の第2の成分を収容する第2の容器と、を備えるカートリッジ装置を提供する。
【0044】
別の態様において、本発明は混合及び吐出器具に2つ以上の成分材料を供給するための多成分パッケージであって、第1の軸線を規定する圧潰可能な第1の容器であって、内部に第1の成分が封入された第1の容器と、第2の軸線を規定する圧潰可能な第2の容器であって、内部に第2の成分が封入された第2の容器と、第1の容器及び第2の容器に取り付けられたキャップアセンブリであって、第1の容器の第1の端部に取り付けられた第1のキャップであって、第1の成分が第1の容器から流出して第1のキャップを通過するような流路を形成する第1のキャップと、第2の容器の第1の端部に取り付けられた第2のキャップであって、第2の成分が第2の容器から流出して第2のキャップを通過するような流路を形成する第2のキャップと、第1のキャップを第2のキャップに連結する、第1のキャップと第2のキャップとの間の機械的連結部とを有するキャップアセンブリと、を備える多成分パッケージ。
【0045】
別の態様において、本発明は多成分材料ディスペンサーであって、ハウジング包囲部材及びハウジング包囲部材から突出し、必要に応じて設けられるハンドルを有するフレームであって、ハウジング包囲部材は前端と後端とを有し、ハウジング包囲部材の前端と後端との間に長手方向の軸線が延びるフレームと、ハウジング包囲部材の前端付近に配置されたカートリッジ室と、カートリッジ室内に配置されるカートリッジであって、ハウジング内部に配置された第1の空洞であって、第1の軸線を規定する第1の体積を有する第1の空洞と、ハウジング内部に配置された第2の空洞であって、第2の軸線を規定する第2の体積を有する第2の空洞と、第1の空洞と第2の空洞との間に配置されるミキサー駆動通路であって、駆動軸を規定するミキサー駆動通路と、駆動軸に動作可能に連結された第1及び第2のプランジャであって、駆動軸の回転によって第1のプランジャは第1の空洞を通じて長手方向の軸線に沿って、第2のプランジャは第2の空洞を通じて長手方向の軸線に沿って前進するような第1及び第2のプランジャと、ハウジング包囲部材の前端に必要に応じて取り付けられるダイナミックミキサーであって、第1の空洞と流体連通した第1の流入口及び第2の空洞と流体連通した第2の流入口を有し、混合後に材料がダイナミックミキサーから流出する流出口を更に有するダイナミックミキサーと、を有するカートリッジと、を備え、ディスペンサーは移動式かつ手持ち式であって、ダイナミックミキサーの流出口を通じて混合された多成分材料を供給するように構成された、多成分材料ディスペンサーを提供する。
【0046】
別の態様において、本発明は多成分材料ディスペンサーであって、ハウジング包囲部材及びハウジング包囲部材から突出し、必要に応じて設けられるハンドルを有するフレームであって、ハウジング包囲部材は前端と後端とを有し、ハウジング包囲部材の前端と後端との間に長手方向の軸線が延びるフレームと、ハウジング包囲部材の前端付近に配置されたカートリッジ室と、内部にプランジャピストンが配置されたプランジャ室であって、ディスペンサーに接続された圧縮空気源からの圧縮空気を受容するように構成されたプランジャ室と、プランジャピストンに動作可能に連結された第1及び第2のプランジャであって、ハウジング包囲部材の前端に向かったプランジャピストンの運動によって、第1のプランジャは第1の空洞を通じて長手方向の軸線に沿って、第2のプランジャは第2の空洞を通じて長手方向の軸線に沿って前進するような第1及び第2のプランジャと、ディスペンサーに動作可能に取り付けられたエアモーターであって、圧縮空気源からの圧縮空気を受容するように構成されたエアモーターと、ハウジング包囲部材の前端に取り付けられたダイナミックミキサーであって、ミキサー駆動軸を介してエアモーターに動作可能に取り付けられると共に、第1の空洞と流体連通した第1の流入口及び第2の空洞と流体連通した第2の流入口を有し、混合後に材料がダイナミックミキサーから流出する流出口を更に有するダイナミックミキサーと、を備え、ディスペンサーは移動式かつ手持ち式であって、ダイナミックミキサーの流出口を通じて混合された多成分材料を連続的に供給するように構成された、多成分材料ディスペンサーを提供する。
【0047】
別の態様において、本発明は不飽和ポリエステル樹脂と触媒とのほぼ均質な混合物を含む硬化性多成分材料であって、該混合物は必要に応じて中空要素及び/又はスチレンを含み、該車体修理材料中の中空要素によって封入されていない空気の体積が硬化性多成分材料の体積の5%以下であるような、硬化性多成分材料を提供する。
【0048】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器と、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する封入された混合室を有する混合器とを備えた移動式ディスペンサーを提供することによって、硬化性多成分材料を混合するための方法を提供しうる。本方法は更に、第1の成分を第1の容器から第1の流入口を通じて混合室に供給することと、第2の成分を第2の容器から第2の流入口を通じて混合室に供給することと、を更に含む。混合室に供給される2つの成分の体積比は10:1以上であってよく、かつ/又は第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の粘度比が10:1以上であってよい。場合により、少なくとも一方の成分の粘度が100Pa・s(100,000センチポアズ)以下であってよく、かつ/又は少なくとも一方の成分の粘度が200Pa・s(200,000センチポアズ)以上であってよい。本方法は更に、供給時に混合室内で第1の成分と第2の成分とを連続的に混合して硬化性多成分材料を形成することと、硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出することと、を含んでもよい。本方法は、混合された硬化性多成分材料を混合室の流出口から選択された時間にパージすることを更に含んでもよい。
【0049】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器と、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する封入された混合室を有する混合器とを備えた移動式ディスペンサーを提供することによって、硬化性多成分材料を混合するための方法を提供しうる。本方法は更に、第1の成分を第1の容器から第1の流入口を通じて混合室に供給することと、第2の成分を第2の容器から第2の流入口を通じて混合室に供給することと、を更に含む。混合室に供給される各成分の体積比は10:1以上であってよく、かつ/又は第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の粘度比が10:1以上であってよい。本方法は更に、供給時に混合室内で第1の成分と第2の成分とを連続的に混合して硬化性多成分材料を形成することと、硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出することと、を含んでもよい。
【0050】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器と、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する封入された混合室を有する混合器とを備えた移動式ディスペンサーを提供することによって、硬化性多成分材料を混合するための方法を提供しうる。本方法は更に、第1の成分を第1の容器から第1の流入口を通じて混合室に供給することと、第2の成分を第2の容器から第2の流入口を通じて混合室に供給することと、を更に含む。第2の成分の粘度に対する第1の成分の粘度の粘度比は100:1以上であってよく、少なくとも一方の成分の粘度が100Pa・s(100,000センチポアズ)以下であってよい。場合により、少なくとも一方の成分の粘度が200Pa・s(200,000センチポアズ)以上であってよい。本方法は更に、供給時に混合室内で第1の成分と第2の成分とを連続的に混合して硬化性多成分材料を形成することと、硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出することと、を含んでもよい。
【0051】
別の態様において、本発明は、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器と、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する封入された混合室を有する混合器とを備えた移動式ディスペンサーを提供することによって、硬化性車体修理材料を混合するための方法を提供しうる。本方法は更に、第1の成分を第1の容器から第1の流入口を通じて混合室に供給することと、第2の成分を第2の容器から第2の流入口を通じて混合室に供給することと、を更に含む。混合室内の第2の成分に対する第1の成分の体積比は40:1以上であってよく、各成分の粘度比は10:1以上であってよい。場合により、少なくとも一方の成分の粘度が100Pa・s(100,000センチポアズ)以下であってよく、かつ/又は少なくとも一方の成分の粘度が200Pa・s(200,000センチポアズ)以上であってよい。本方法は更に、供給時に混合室内で第1の成分と第2の成分とを連続的に混合して硬化性多成分材料を形成することと、硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出することと、を含んでもよい。本方法は、混合された硬化性多成分材料を混合室の流出口から選択された時間にパージすることを更に含んでもよい。
【0052】
別の態様において、本発明は、異なる多成分材料を混合するための方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器と、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する封入された混合室を有する混合器と、を備えた移動式ディスペンサーを提供する工程を含む方法を提供してもよい。本方法は、第1の流入口を通じて第1の容器から混合室に第1の成分を供給することと、第2の流入口を通じて第2の容器から混合室に第2の成分を供給することとを更に含み、その際、混合室内における第2の成分に対する第1の成分(又はその逆)の体積比は約1:1以上であり、場合により、第2の成分の粘度は約200Pa・s(200,000cps)以下である。本方法は更に、供給時に混合室内で第1の成分と第2の成分とを連続的に混合して第1の硬化性多成分材料を形成することと、第1の成分及び第2の成分を含む第1の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出することと、を含む。本方法は更に、場合に応じてディスペンサー内の第1の容器を所定体積の第3の成分を収容した第3の容器と交換することと、場合に応じてディスペンサー内の第2の容器を所定体積の第4の成分を収容した第4の容器と交換することを更に含んでもよい。本方法は更に、場合に応じて第3の容器から第3の成分を第1の流出口を通じて混合室に供給することと、場合に応じて第4の容器から第4の成分を第2の流出口を通じて混合室に供給することと、を含んでもよく、その際、混合室内の第4の成分に対する第3の成分(又はその逆)の体積比は40:1以上であり、第4の成分の粘度に対する第3の成分の粘度(又はその逆)の粘度比は1:1以上であり、場合に応じて第4の成分の粘度は100Pa・s(100,000センチポアズ)以下である。本方法は更に、供給時に混合室内で第3の成分と第4の成分とを連続的に混合して第2の硬化性多成分車体修理材料を形成することと、第3の成分及び第4の成分を含む第2の硬化性多成分材料を混合室の流出口から吐出することと、を含んでもよい。本方法は更に、場合により、混合された第1又は第2の硬化性多成分材料を混合室の流出口から1つ以上の選択された時間にパージすることを更に含んでもよい。
【0053】
別の態様において、本発明は移動式混合ディスペンサーにおいて使用するためのカートリッジ装置であって、ハウジング内部に配置される第1の空洞を有するカートリッジハウジングであって、第1の空洞は第1の空洞の長さに沿って延びる第1の軸線を横断する第1の断面積を有し、該カートリッジハウジングはハウジング内部に配置される第2の空洞を更に有し、第2の空洞は第2の空洞の長さに沿って延びる第2の軸線を横断する第2の断面積を有する、カートリッジハウジングと、カートリッジハウジングの第2の空洞内に嵌合するサイズを有するスペーサーであって、該スペーサーは前記第2の断面積の1%以上を占有するスペーサー断面積を画定すると共に前記第2の空洞内部に開放断面積を画定するスペーサーと、前記第1の空洞内部に配置される第1の容器であって、硬化性多成分材料の第1の成分を収容する第1の容器と、前記第2の空洞の開放断面積内部に配置される第2の容器であって、硬化性多成分材料の第2の成分を収容する第2の容器と、を備えるカートリッジ装置を提供してもよい。
【0054】
別の態様において、本発明は混合及び吐出器具に2つ以上の成分材料を供給するための多成分パッケージであって、第1の軸線を規定する管状の圧潰可能な第1の容器であって、内部に第1の成分が封入された第1の容器と、第2の軸線を規定する管状の圧潰可能な第2の容器であって、内部に第2の成分が封入された第2の容器と、第1の容器及び第2の容器に取り付けられたキャップアセンブリと、を有する多成分パッケージを提供してもよい。キャップアセンブリは、第1の容器の第1の端部に取り付けられた第1のキャップであって、第1の成分が第1の容器から流出して第1のキャップを通過するような流路を形成する第1のキャップと、第2の容器の第1の端部に取り付けられた第2のキャップであって、第2の成分が第2の容器から流出して第2のキャップを通過するような流路を形成する第2のキャップと、第1の軸線と第2の軸線とが互いにほぼ平行となるように第1のキャップを第2のキャップに連結する、第1のキャップと第2のキャップとの間の機械的連結部と、を備える。
【0055】
別の態様において、本発明は、バレルとバレルから突出する必要に応じて設けられるハンドルとを有するフレームであって、バレルは前端と後端を有し、バレルの前端と後端との間に長手方向の軸線が延びる、フレームと、バレルの前端の近傍に配置されるカートリッジ室と、必要に応じてカートリッジ室内に配置されるカートリッジと、を備えた多成分材料ディスペンサーを提供してもよい。カートリッジは、ハウジング内部に配置され、第1の軸線を規定する管状の第1の体積を有する第1の空洞と、ハウジング内部に配置され、第2の軸線を規定する円筒状の第2の体積を有する第2の空洞であって、第1の軸線と第2の軸線とは互いにほぼ平行である第2の空洞と、第1の空洞と第2の空洞との間に配置され、必要に応じて設けられるミキサー駆動通路であって、第1の軸線及び第2の軸線にほぼ平行な駆動軸線を規定するミキサー駆動通路と、を有してもよい。ディスペンサーは更に、駆動軸に動作可能に連結された第1及び第2のプランジャであって、駆動軸の回転によって第1のプランジャは第1の空洞を通じて長手方向の軸線に沿って、第2のプランジャは第2の空洞を通じて長手方向の軸線に沿って前進するような第1及び第2のプランジャを有してもよい。バレルの前端には必要に応じてダイナミックミキサーが取り付けられてもよい。ダイナミックミキサーは、第1の空洞と流体連通した第1の流入口、及び第2の空洞と流体連通した第2の流入口を有し、混合後に材料がダイナミックミキサーから流出する流出口を更に有する。ディスペンサーは、ダイナミックミキサーの流出口を通じて混合された多成分材料を連続的に供給するように構成された移動式かつ手持ち式のディスペンサーであることが好ましい。
【0056】
別の態様において、本発明は、バレルとバレルから突出する必要に応じて設けられるハンドルとを有するフレームを備えうる多成分材料ディスペンサーを提供してもよい。バレルは前端と後端を有し、バレルの前端と後端との間には長手方向の軸線が延びる。ディスペンサーは更に、バレルの前端の近傍に配置されるカートリッジ室と、内部にプランジャピストンが配置されたプランジャ室であって、ディスペンサーに接続された圧縮空気源からの圧縮空気を受容するように構成されたプランジャ室と、プランジャピストンに動作可能に連結された第1及び第2のプランジャであって、バレルの前端に向かったプランジャピストンの運動によって第1のプランジャは第1の空洞を通じて長手方向の軸線に沿って、第2のプランジャは第2の空洞を通じて長手方向の軸線に沿って前進する第1及び第2のプランジャと、ディスペンサーに動作可能に取り付けられた必要に応じて設けられるエアモーターであって、圧縮空気源からの圧縮空気を受容するように構成されたエアモーターと、バレルの前端に取り付けられた必要に応じて設けられるダイナミックミキサーであって、ミキサー駆動軸を介してエアモーターに動作可能に取り付けられると共に、第1の空洞と流体連通した第1の流入口及び第2の空洞と流体連通した第2の流入口を有し、混合後に材料がダイナミックミキサーから流出する流出口を更に有するダイナミックミキサーと、を有してもよい。ディスペンサーは更に、圧縮空気源及び混合室に動作可能に接続された必要に応じて設けられるパージ線であって、パージ線を通じて混合室に送られる圧縮空気が混合室内の材料を流出口を通じて混合室の外部に押し出すパージ線と、混合室と第1の流入口との間に配置された必要に応じて設けられる第1の逆止弁であって、パージ線を通じて混合室に圧縮空気が供給されると閉鎖する第1の逆止弁と、混合室と第2の流入口との間に配置された必要に応じて設けられる第2の逆止弁であって、パージ線を通じて混合室に圧縮空気が供給されると閉鎖する第2の逆止弁と、を有してもよい。ディスペンサーは、ダイナミックミキサーの流出口を通じて混合された多成分材料を連続的に供給するように構成された移動式かつ手持ち式のディスペンサーを与えてもよい。
【0057】
別の態様において、本発明は不飽和ポリエステル樹脂と触媒とのほぼ均質な混合物である硬化性車体修理材料であって、該混合物は必要に応じて中空要素及び/又はスチレンを含み、該車体修理材料中のいずれの中空要素によっても封入されていない空気の体積が硬化性車体修理材料の体積の5%以下であるような、硬化性多成分材料を提供する。これによりテクニシャンが車体修理材料を修理箇所(例、車両)に適用することができる。硬化時及び/又は硬化後に、テクニシャンは例えばサンドペーパーなどの研磨材を使用して車体修理材料を元の車体の外形に一致するように成形することができる。このプロセスを破損箇所が充分に充填され、外形が元通りになるまで2回以上繰り返すことができる。
【0058】
本明細書で述べる方法及び部品を、硬化性ではないが単に混合を必要とする材料を吐出するために使用することも可能である点に留意されたい。
【0059】
上記の要約は本発明のすべての特徴及び効果を記載することを目的としたものではない。むしろ本発明に対する一層の理解は、添付図面と共に以下の実施形態の詳細な説明及び特許請求の範囲を参照することによって明らかとなりかつ認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
本発明を以下の図面中の各図を参照しながら更に説明する。
【図1】本発明に基づいて多成分材料を混合及び吐出するために使用することが可能なディスペンサーの一例の断面図。
【図1A】本発明に基づいて多成分材料を混合及び吐出するために使用することが可能なディスペンサーの別の一例の断面図。
【図1B】異なるプランジャ反転機構の例を示すディスペンサーの一部の部分断面図。
【図1C】本発明に関連して用いることができるパージシステムを示すフロー図。
【図1D】図1及び1Aのディスペンサーにカートリッジを装填するための幾つかの代替的な方法の例を示す図。
【図1E】図1及び1Aのディスペンサーにカートリッジを装填するための幾つかの代替的な方法の例を示す図。
【図1F】図1及び1Aのディスペンサーにカートリッジを装填するための幾つかの代替的な方法の例を示す図。
【図1G】図1及び1Aのディスペンサーにカートリッジを装填するための幾つかの代替的な方法の例を示す図。
【図2A】本発明に基づいて多成分材料を混合及び吐出するための流路の一例を示すブロック図。
【図2B】弁構造の例示的実施形態を示す図。
【図2C】弁構造の例示的実施形態を示す図。
【図2D】弁構造の例示的実施形態を示す図。
【図2E】弁構造の例示的実施形態を示す図。
【図3】本発明の混合及び吐出装置で使用することが可能なカートリッジの一例を示す分解図。
【図4A】図3のカートリッジのカートリッジハウジングの、図3の線4A−4Aに沿った断面図。
【図4B】図3及び図4Aのカートリッジハウジングの代替例であるカートリッジハウジングの断面図。
【図5A】スペーサーを有する別の代替的カートリッジハウジングの断面図。
【図5B】異なるスペーサーを有する別の代替的カートリッジハウジングの断面図。
【図5C】本発明に関連するカートリッジにおいて使用することが可能な代替的スペーサーの斜視図。
【図5D】スペーサー及びスペーサーと共に使用されるように構成された成分容器を有する別の代替的カートリッジハウジングを示す分解斜視図。
【図5E】図5Dのスペーサー及び成分容器の分解斜視図。
【図6】カートリッジハウジングと関連して使用することが可能な2つの容器型インサートを互換可能な第2の容器と共に示す斜視図。
【図6A】圧潰可能な容器にキャップを取り付けるための異なる方法の例を示す図。
【図6B】圧潰可能な容器にキャップを取り付けるための異なる方法の例を示す図。
【図6C】圧潰可能な容器にキャップを取り付けるための異なる方法の例を示す図。
【図6D】圧潰可能な容器にキャップを取り付けるための異なる方法の例を示す図。
【図7】混合器の一例、及びハウジングに混合器を取り付けるための方法を示す断面図。
【図7A】別の例示的混合器の取り付け構造の斜視図。
【図7B】混合器を所定位置に保持するための代替的機構の例を示す図。
【図7C】混合器を所定位置に保持するための代替的機構の例を示す図。
【図7D】混合器を所定位置に保持するための代替的機構の例を示す図。
【図7E】混合器を所定位置に保持するための代替的機構の例を示す図。
【図7F】別の混合器及び混合器を保持するための取り付け構造を示す分解斜視図。
【図8】格納可能なミキサー駆動軸を有するカートリッジアセンブリの別の実施形態の分解斜視図。
【図9】図8のカートリッジアセンブリの区画の反対側を示す斜視図。
【図10A】本発明と関連して用いることが可能な別の例示的カートリッジアセンブリを示す図。
【図10B】本発明と関連して用いることが可能な別の例示的カートリッジアセンブリを示す図。
【図11A】混合器の流出口に取り付けられたフロー成形アタッチメントの一例を示す図。
【図11B】図11Aのフロー成形アタッチメントの斜視図。
【図12A】多成分材料を選択されたフロー形状又は断面形状で供給するために使用することが可能な代替的フロー成形アタッチメントを示す図。
【図12B】多成分材料を選択されたフロー形状又は断面形状で供給するために使用することが可能な代替的フロー成形アタッチメントを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下の本発明の例示的実施形態の詳細な説明において、説明文の一部をなすと共に本発明を実施することが可能な特定の実施形態を実例として示した添付図面を参照する。その他の実施形態の利用も可能である点、及び本発明の範囲から逸脱することなく構造的改変がなされうる点を理解されたい。
【0062】
本発明は、2種類以上の成分を混合して硬化性多成分材料を形成し、混合された材料を吐出する方法を含むものである。以下に述べる例示的実施形態は2種類の成分を含んでいるが、本発明を用いることによって、混合され、単一のシステムから吐出される3種類以上の成分を含む多成分材料を得ることもできる。
【0063】
混合は、各成分が周辺環境にほとんどあるいはまったく暴露されることなく容器から混合室内に直接吐出されるような閉鎖システム内で行われることが好ましい。この後、混合された多成分材料は混合の後、混合室から排出されて使用される。混合室内に空気が導入されたり存在したりしないように(1つ以上の成分中で与えられる中空要素中に含まれる空気又は他の気体を除く)容器から混合室への通路は封止されることが好ましい場合がある。
【0064】
本明細書で用いる「硬化性」なる語は、多成分材料中に使用される成分の混合後に硬化(不可逆的に固化する)する反応性の多成分材料のことを言う。硬化は熱及び/又は、電子線、紫外線、可視光線などの他のエネルギー源の作用によって促進されるか、又はこれらの作用を必要とする。別の場合では、化学触媒、水分などとの接触によって硬化を促進することができる。ここに明示したようなものの代わりに、又はそれに加えて他の硬化機序を用いることもできる。不可逆的固化には重合、架橋又はその両方が関与しうる。硬化の前には、硬化性多成分材料は異なる形状としたり、平滑化したり、塗りつけたり、噴霧したりといった操作が行えるような充分な展性及び/又は流動性を有していることが好ましい場合がある。
【0065】
本発明の潜在的な効果としては、例えば1:1以上、10:1以上、20:1以上、40:1以上、50:1以上といったように体積比が比較的幅広い成分を均一に混合できることがある。更に比較的大きな体積比で各成分を混合することは、これらの成分が例えば、1:1以上(例、概ね等しい)、2:1以上、5:1以上、10:1以上、20:1以上、50:1以上、100:1以上、又は1000:1以上といった比較的大きな粘度比を有する場合に複雑になりうる。本明細書で述べる例示的な装置及び器具は、これら及び他の課題を解決することで、こうした性質を有する多成分材料を混合及び吐出する際に生ずる問題に有効な解決策を与えうるものである。
【0066】
本発明の方法及び装置を使用してエポキシ、ウレタン、シリコーン、ビニルエステル、ポリエステル、ポリスルフィドなどの幅広い硬化性多成分材料を混合及び吐出することができる。本発明の方法及び装置の使用が有効な多成分材料の種類として、破損した車両及び他の機器(例、乗用車、トラック、船舶、風車の羽根、航空機、レクリエーショナル・ビークル、浴槽、保存容器、パイプラインなど)の修理に使用される硬化性の車体修理材料がある。硬化性車体修理材料は、互いに混合されて硬化性車体修理材料を形成する2種類の反応性成分(例、充填剤及び硬化剤)を含んでいることが好ましい。反応性成分の体積比はエポキシ又はウレタン化合物では1:1以上の範囲であり(以上とは例えば2:1、3:1などである)、不飽和ポリエステルと硬化剤としての過酸化物触媒では20:1以上でありうる。2種類の反応性成分の粘度は同じである場合も異なる場合もあり、このため、硬化性車体修理材料の混合及び吐出が困難となる結果、混合及び吐出は通常、手によって行われる。前述したようにこうした手による混合の結果、空気が閉じ込められたり、混合が不完全であったり、各成分の体積比が変動する。
【0067】
硬化性車体修理材料の充填剤成分には、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、タルク、粘土、顔料、分散安定剤(例、非晶質シリカ)、ガラスマイクロスフェアなどが含まれうる。充填剤には更にスチレンのような不飽和反応性希釈剤が含まれていてもよい。充填剤には更に、例えばアルミニウム、亜鉛めっき鋼、Eコート、プライマー、塗料など、一般的な修理表面に対する硬化性多成分材料の接着性を与える添加剤が含まれていてもよい。こうした接着性添加剤は例えば無水物機能性、シラン機能性、又はアミン機能性を有していてもよく、接着性添加剤はベース樹脂内に含まれていてもいなくてもよい。充填剤の粘度は100Pa・s(100,000センチポアズ)よりも高くてもよい。充填剤は更に例えば硬化反応の反応促進剤を含んでいてもよい。硬化性車体修理材料の対応する硬化剤成分は、触媒(例、過酸化物)、顔料、染料などが配合されたポリエステル可塑剤であってよい。硬化剤の稠度はペースト状から水状の稠度の範囲で異なりうるが、対応する充填剤よりも低粘度であってよい。特定の車体修理材料では、硬化剤は200Pa・s(200,000センチポアズ)以下の粘度を有しうる。
【0068】
硬化性車体修理材料を混合及び吐出する場合、本発明のディスペンサーによって、混合された硬化性車体修理材料を別のスキージ又は他の道具上に供給して修理を行う表面に適用してもよい。また、ディスペンサーを用いて混合された硬化性車体修理材料を修理箇所に直接供給してもよい。場合によっては、ディスペンサーを用いて硬化性車体修理材料の薄層を形成し、次いで最初の薄層が硬化する前に厚い層を形成する(ウェット・オン・ウェット法と呼ばれる場合もある)。方法によっては、硬化性車体修理材料を供給する前に修理表面をサンドペーパーで磨き、かつ/又はプライミングする。実施形態によっては、硬化性車体修理材料自体がプライム層として機能するようにしてもよい。
【0069】
図1は、中央ハウジング14から延びるピストル型グリップハンドル12を有するディスペンサー10の一例を示したものである。図のディスペンサー10は、トリガースイッチ21を介してモーター22に動作可能に接続された動力源20(例、電池)を有する。ディスペンサー10は更に、混合される成分が入った容器42及び44が内部に配置された区画16を有している。多成分材料の成分を供給するために用いられる容器は、固定された体積の成分を収容することが好ましく、例えば容器内の成分の体積は5000立方センチメートル以下、場合により2000立方センチメートル以下である。
【0070】
モーター22はボールネジ24に動作可能に連結されており、モーター22が軸線11を中心としてネジ24を回転させるようになっている。ネジ24は回転するに従って軸線11に沿ってフォロワ25を駆動し、軸線11に沿ったフォロワ25の運動の方向の制御は、例えばネジ24の回転方向を選択することによって行われる。
【0071】
ディスペンサー10はフォロワ25に動作可能に連結されたプランジャ26を更に有し、フォロワ25が区画16の方向に動くに従ってプランジャ26が区画16内に前進して容器42及び44内の各成分をハウジング14に取り付けられた混合器30内に押し出すようになっている。
【0072】
容器42及び44は容器42及び44から混合器30内へと流路が確立されるように配置されることが好ましい。図に示される実施形態では、容器42からの材料は流路43を通じて混合器30内に流入し、容器44からの材料は流路45を通じて混合器30内に流入する。
【0073】
混合器30が混合室内に1つ以上の可動要素を有するダイナミックミキサー(図1に示されるミキサー30)である場合、ディスペンサー10もダイナミックミキサーを作動させる要素を有することが好ましい。図1に示される実施形態では、ディスペンサー10は好ましくは区画16を通じて延びてダイナミックミキサー30に達するミキサー駆動軸28を有している。ミキサー駆動軸28はミキサー30の可動要素を動作させるようにダイナミックミキサー30と好ましく結合する。
【0074】
駆動軸28以外に、ディスペンサー10は主ネジ24及びミキサー駆動軸28の両方に動作可能に結合された、必要に応じて用いられるギアボックス29を更に有する。ギアボックス29はミキサー駆動軸28の回転速度が主ネジ24の回転速度と異なるようにミキサー駆動軸28の回転速度を調節できることが好ましい。多くの場合、ミキサー駆動軸はネジ24よりも高速で回転することが好ましい(場合によっては逆の構成が好ましい場合もある)。ギアボックス29は回転速度を一定に増加させてもよいが、ネジ24とミキサー駆動軸28の相対的な回転速度を選択的に調節することが可能なものでもよい。
【0075】
本発明に関連し、ディスペンサー10の多くの可能な変形例を提供することが可能である。例えば、単一のモーターでプランジャ26及びダイナミックミキサー30を動作させる代わりに、2個以上の別々のモーターを使用してもよい(これによりギアボックス29など特定の要素の必要性をなくすことができる)。更に、ディスペンサーと併せて使用されるミキサーはスタティックミキサーであってもよく、これによりミキサーを動作させる動力を供給する必要がなくなる。
【0076】
別の変形例では、ディスペンサー10に関して示したネジ24とフォロワ25の代わりにプランジャ26を駆動するための別の機構を使用することもできる。例えば、プランジャ26はチェーンドライブ、ラック・アンド・ピニオン、液圧などによって駆動することができる。場合によっては、モーター22をやはり使用してディスペンサー10を動作させるが、例えばエアコンプレッサーから空圧によってモーター22に動力を与えてもよい(ただし、ディスペンサー10に接続される空気配管は本明細書で説明する「移動式」ディスペンサーとしてのディスペンサーの使用を妨げないことが好ましい)。
【0077】
ディスペンサー110の1つの別の実施形態を図1Aに示す。図の実施形態では、ディスペンサー110を動作させる動力はディスペンサー110上の取り付け部120を通じて供給される圧縮空気によって与えられる。圧縮空気を使用することが好ましいが、他の適当な流体を代用することもできる。しかしながら圧縮空気はディスペンサーが使用されうる多くの施設で普通に入手できることから好ましい場合がある。圧縮空気の使用によって動力が与えられるディスペンサーの利点としては、可燃物(例、液体、気体、微粒子など)が危険性の問題を生ずる場所で使用される際の装置による火災の危険が大幅に低減しうる点である。
【0078】
図のディスペンサー110では、供給源(図示せず)からの圧縮空気が取り付け部120に供給され、圧縮空気をディスペンサー110に供給するトリガー121を用いて制御される。トリガー121が起動されると、圧縮空気がプランジャ室122及び空気モーター129に供給される。
【0079】
プランジャ室122に圧縮空気が供給されるとプランジャ126が取り付けられたピストン125が移動する。ピストン125が右側に移動すると(図1Aにおける視点で)、プランジャ126が前進して図1のディスペンサー10に関して述べたようにディスペンサー110から各成分を吐出させる。空気モーター129に圧縮空気が供給されると、モーター129はミキサー駆動軸128を回転させて必要に応じて使用されるダイナミックミキサー(図示せず)を動作させる。
【0080】
圧縮空気のプランジャ室122及びモーター129への供給を別々のレギュレータ123によって制御することで、プランジャ126の運動、及びモーター129がミキサー駆動軸128を回転させる速度を独立して制御することが可能である。
【0081】
実施形態によっては、本発明のディスペンサーを動作させるために用いられる動力源が内蔵型であることが好ましい場合がある。例えば、使用される動力が電気エネルギーである場合、動力は電池又は別の内蔵型の電気エネルギー源(例、燃料電池など)から供給されることが好ましい場合がある。動力源が圧縮気体である場合、移動用(例、バックパック、カート、車両などによる)に搭載することが可能な1つ以上のタンクで圧縮気体を供給することが好ましい場合がある。
【0082】
本発明のディスペンサーの他の潜在的な特徴としては、例えばシステム内部の圧力の限界値などに基づいてプランジャの前進を妨げるようなストップ機構などが含まれうる。ディスペンサーは、例えば多成分材料が供給される領域を照らすことができるように一体型の光源を更に有してもよい。光源はディスペンサーによって供給される多成分材料の硬化を促進することが可能な波長の電磁エネルギーを供給するものであってもなくてもよい。
【0083】
本発明のディスペンサーシステム及び方法に含まれうる、必要に応じて用いられる別の特徴として、プランジャが前進して多成分材料を吐出させた後にプランジャの移動を反転させるプランジャ反転機構がある。プランジャの反転は、プランジャが(吐出時におけるように)能動的に駆動されなくなった後においてもプランジャ(又はプランジャが駆動するシール)によって容器に作用する残圧を解放するうえで有用である。こうした残圧は解放されない場合、プランジャが能動的に駆動されなくなった後において多成分材料が滴ったりかつ/又は引き続いて吐出してしまう。
【0084】
プランジャ反転機構は、吐出の終了時に望ましくない滴りを低減させるうえで有用であるが、こうした反転機構はダイナミックミキサーを使用したシステムにおいて特に有用でありうる。吐出システムがスタティックミキサーを使用している場合、(例えば残圧によって)プランジャが能動的に駆動されなくなった後に吐出される多成分材料は、混合器自体が能動的に駆動されるものではないことから依然として混合される。しかしながらシステムが多成分材料の完全な混合を助けるために能動的に駆動される動的混合器を使用しており、プランジャが駆動されなくなった時点で駆動される混合器が駆動されなくなるような場合には、残圧によって引き続き混合器中に進入する成分が完全に混合されない場合がある。吐出が再び開始されると、混合器中の多成分材料の部分は混合が不完全である可能性があるにも関わらず吐出されてしまう。しかしながら、プランジャ反転機構は残圧による混合器への各成分の継続的な供給を低減又は防止するうえで有用である。
【0085】
プランジャの移動を反転させるプランジャ反転機構は様々な構造/装置によって実施することが可能であり、その幾つかの例を図1Bのディスペンサー110bに関して示す。図1Bはディスペンサー110bの一部分のみを示したものであり、潜在的に好適な複数のプランジャ反転機構のすべてをディスペンサー110上で示したものであるが、これらのプランジャ反転機構のいずれか1つを単独で用いても、吐出が終了した時点でプランジャを反転させる機能を行ううえで適当である。
【0086】
図1Bに示したディスペンサー110bの特徴として、プランジャ室122b、及び必要に応じて用いられるミキサー駆動軸(図示せず)を駆動するために使用されるモーター129bがある。図1Bにやはり示されるものとして、ピストン125b(プランジャ(図1Bには示されていない)に動作可能に連結される)を駆動するため、プランジャ室122bに圧縮空気を供給する目的で用いられるレギュレータ123bがある。
【0087】
図1Bに示される複数のプランジャ反転機構の中に、ディスペンサー110bが、ピストン125bに動作可能に取り付けられたプランジャ復帰ロッド190bを有する、プレートとバネの組合せがある(プランジャ復帰ロッド190bがディスペンサー110bの一部として設けられていない場合には、この機構を1つ以上のプランジャ自体上で用いることができる)。ピストン125bが右側に前進してプランジャ(図示せず)を駆動して成分材料が吐出されるに従ってプランジャ復帰ロッド190bも前進する。その前進の一部として、復帰ロッド190bに取り付けられたプレート192bがバネ(又は他の適当な弾性部材)191bと接触してこれを少なくとも部分的に圧縮するまで右側に移動する。するとプレート192bの下端193bがやがて障害物に達し、プレート192bが真っ直ぐ(図1Bにおいてより垂直な方向)となって、復帰ロッド190bが右側に引き続き前進することが可能となる。プランジャ室122bへの圧縮気体の供給が停止され、プランジャ室122b内の圧力が(例えば放出弁によって)低下すると、プレート192bの上端が左側に押されることによってプレート192bが復帰ロッド190bを把持する。バネがプレート192bを左側に押すため、復帰ロッド190bはバネ191bによって若干左側に動かされる。復帰ロッド190bが左側に動くとピストン125bもやはり左側に動かされ、これによりピストン125bに動作可能に連結されたプランジャも左に動き、成分材料に作用する圧力が取り除かれて滴りが生ずる可能性が低下する。
【0088】
図1Bに示されるプランジャ反転機構の別の例は、プランジャ室122bと前室195bとの間に配置される圧力調整弁194bである(図の実施形態では、前室195bはピストン125bが内部に進入する室である)。プランジャ室122b及び前室195bは、プランジャ室122b内部の圧力の上昇によってピストン125bが前進するに従って、前室195b内部の圧力が上昇するようにいずれも密封されることが好ましい。前室195b内部の圧力の上昇は圧力調整弁194bによって選択された圧力に制限されることが好ましい。プランジャ室122bへの圧縮気体の供給が停止され、プランジャ室122b内の圧力が(例えば放出弁によって)低下すると、前室195b内部の圧力上昇によってピストン125bが左側に好ましくは押される。ピストン125bが前室195b内の圧力によって左側に動かされるとピストン125bに動作可能に連結されたプランジャ(図示せず)もやはり左側に動かされ、これにより成分材料に作用する圧力が取り除かれて滴りが生ずる可能性が低下する。
【0089】
図1Bに示されるプランジャ反転機構の更なる別の例は、ピストン125bの前方に配置されるバネ196b(又は他の適当な弾性部材)の使用によってプランジャ(図示せず)を駆動するピストン125bの前進がバネ196bを圧縮又は変形するものである。プランジャ室122bへの圧縮気体の供給が停止され、プランジャ室122b内の圧力が(例えば放出弁によって)低下すると、バネ196bによってピストン125bが左側に好ましくは押される。ピストン125bがバネ196bによって左側に動かされるとピストン125bに動作可能に連結されたプランジャ(図示せず)もやはり左側に動かされ、これにより成分材料に作用する圧力が取り除かれて滴りが生ずる可能性が低下する。
【0090】
プランジャ反転機構の更なる別の例示的実施形態では、ピストン125b上(又は別の適当な場所)に配置される圧力放出弁198b、及びピストン125bが内部に進入する密封された前室195bを使用している。プランジャ室122b内に圧縮気体を供給するために使用されるトリガー(又は他のアクチュエータ)が解除されると、プランジャ室122b(又は少なくともその一部)内部の加圧気体が弁198bを通じて前室195bに供給される。前進室195内部の圧力上昇とプランジャ室122b内部の圧力低下の組合せによって、ピストン125bが左側に動かされることが好ましい。ピストン125bが前進室195b内の圧力によって左側に動かされると、ピストン125bに動作可能に連結されたプランジャ(図示せず)もやはり左側に動かされ、これにより成分材料に作用する圧力が取り除かれて滴りが生ずる可能性が低下する。
【0091】
更なる他の可能な代替例では、供給側の端部において混合器に結合すると共に、本明細書で述べたようにディスペンサーのモーターからの駆動軸と結合したミキサー駆動軸を有するカートリッジが例えば使用される。この結果、例えばカートリッジ区画16を横断するような別の駆動軸の必要性をなくすことができる。別の代替例では、駆動軸はディスペンサーの一部をなす一方で、カートリッジ及び/又は混合器の交換を容易にするために格納可能としてもよい。
【0092】
別の可能な代替例では、詰替え可能な容器を、多成分材料として混合される各成分の大容量のバルク供給源と共に使用することができる。バルク供給減はある程度移動が可能であるものがやはり好ましい。例えば、バルク成分供給源はバックパック型キャリア、カート、車両などに搭載することにより、例えば作業場、製造施設などにおいて使用者が移動させることが可能である。使用に際して、容器内の各成分が多成分材料として混合及び吐出される際にディスペンサー内の容器を移動式のバルク成分供給源から定期的に再充填することができる。
【0093】
更なる他の可能な代替例では、本発明のディスペンサーを既存の機器を使用してプランジャ及び/又はミキサー駆動軸を駆動するように構成することができる。こうした既存の機器としては例えば電気ドリル、空気レンチなどが挙げられる。
【0094】
本発明のディスペンサー及び/又は方法に取り入れることが可能な、必要に応じて用いられる別の特徴は、混合前に1つ以上の成分の温度を、及び/又は、混合時及び/又は混合後に多成分材料の温度を制御する温度制御装置の使用である。温度制御を利用して、例えば、各成分及び/又は混合された多成分材料の硬化速度、粘度、及び他の性質を制御することが可能である。例えば(あるシステムにおいては)加熱を利用して硬化速度を増大させ、(あるシステムにおいては)冷却を利用して硬化速度を低減させ、加熱を利用して特定の材料の粘度を低下させることなどができる。
【0095】
こうした温度制御は、例えば電気抵抗ヒーター、ペルチエ素子、冷却流体(例、水)、ファンなどの任意の適当な温度制御装置を用いて実現することができる。温度制御は容器内の成分で行ってもよく、混合器に各成分が到達する前に行ってもよい。また、温度制御は各成分が混合器内にある間に行ってもよい。更なる別の代替例では、混合された多成分材料が混合器及び/又はディスペンサーから吐出される際にその温度を制御することができる。
【0096】
本発明の特定のディスペンサー及び/又は方法においては、混合される成分の比に多少の変動があることが有用である場合がある。混合された多成分材料を構成する各成分の正確な比を制御することによって、様々な変化をもたらすことができる。混合された多成分材料を構成する各成分の比を調節することによって、例えば、混合された多成分材料の硬化速度、硬化後の多成分材料の1つ以上の物理的性質(例、硬さ、弾性、密度、導電率、熱伝導率、不透明度など)、多成分材料の(吐出時の)粘度などを変化させることができる。
【0097】
成分比の調節は任意の適当な方法及び装置によって行うことができる。1つの例として、少なくとも1つの成分の供給源と、各成分を混合して混合された多成分材料を形成するために用いられる混合器との間に配置される放出弁の使用がある。放出弁は、2状態型(開閉のいずれかの状態をとりうる)であってもよく、複数の別個の設定値の間で調節可能であってもよく、あるいは完全に開いた位置と完全に閉じた位置との間で無限に調節可能であってもよい。放出弁を通過する成分はリザーバに回収されることが好ましい場合がある(ただし必要ではない)(あるいは、放出弁を通過する成分を床又は他の回収点へと通過させてもよい)。
【0098】
混合されて多成分材料を形成する各成分の比を制御することの更に別の代替法として、異なる容器から材料を供給するために用いられる複数のプランジャを互いに独立して前進させることによって、ディスペンサー10によって供給される混合された多成分材料中の、容器42及び44に入れられた成分間の体積比をプランジャが前進する速度によって(少なくとも部分的に)制御することができる。
【0099】
本発明のディスペンサーに関して必要に応じて与えられる他の特徴としては、例えば、使用前、使用時、又は使用後にディスペンサーを支持する、フック又は他の要素(例、スタンドなど)、使用時にディスペンサーの重量の一部を支持する肩ひも(肩ひもは更なるカートリッジ、容器、混合器、フロー成形用アタッチメント、電池などを格納する要素を有してもよい)、ディスペンサー上のあらゆるコンプレッサー取り付け部に対する保護、ディスペンサー上のあらゆる制御部に対する保護などが含まれる。
【0100】
本発明のディスペンサーに関して含まれうる別の特徴は、選択された量の混合された多成分材料が製造された後、混合された多成分材料を混合室から取り除くために使用されるパージ機能である。パージングにより、混合された多成分材料は混合室の流出口を通じて外部に好ましくは押し出される。パージングを用いて多成分材料を取り除くことで、例えば混合室内で硬化性多成分材料が硬化してしまうと不可能となる混合器の再使用が可能となる。
【0101】
パージングは多くの形態で行いうる。場合によっては、硬化性多成分材料を形成しない1以上の成分を混合室に供給することによって混合室をパージすることができる。2成分からなる多成分材料の場合では、混合された多成分材料がすべて混合室からパージされる(単一成分によって押し出される)まで一方の成分のみを混合室に供給するとよい。こうしたパージ法を行うように構成されたディスペンサーは、選択された成分が混合室内に供給される一方で他の(1又は複数の)成分は供給されないように独立して動作することが可能なプランジャ(又は他の機構)を有することが好ましい。
【0102】
パージングの別の代替例では、圧縮空気、水、溶媒などの別の流動性物質を用いて混合室をパージすることができる。ディスペンサーが圧縮空気を(少なくとも部分的に)動力源としている場合、パージングは圧縮空気を用いて行うことが好ましい。図1Cは、圧縮空気をパージング物質として使用するための、並びに、プランジャ及びミキサー駆動軸を駆動するモーターを駆動するために必要とされるエネルギーを与えるための1つの可能な手段をフロー図で示したものである。図1Cに示されるシステムでは、通常圧縮空気をプランジャ室222及びミキサー駆動軸を駆動するエアモーター229に通過させる弁221に圧縮空気源220を接続することができる。しかしながら弁221は作動時には圧縮空気を混合室230に入るパージ線に通過させて、混合室内の混合された多成分材料を混合室の流出口から押し出す。混合室は混合される成分がこれを通じて混合室に流入する流入口を有しているため、これらの流入口には逆止弁を設けて、混合室に各成分を供給する容器への圧縮空気の流入を低減又は防止することが有利である。
【0103】
本発明に関連して用いられるディスペンサー及びあらゆる容器/カートリッジには、無線自動識別装置(RFID)、バーコード、又は、混合される材料の特性の他の指標又は指示要素を組み込むことによって、材料の混合、供給などを潜在的に自動制御することが可能である。何らかの指標を用いた成分の識別を様々な方法で利用することができる。場合によっては、混合された多成分材料が供給される速度を変更する(例、増加、減少など)、動的混合要素の速度を変更する(例、増加、減少など)などしてもよい。ディスペンサーに関連して識別指標を用いた、可能な連結システム及び方法のいくつかの例が、例えば発明の名称が「材料認識装置を備えたディスペンサー及び材料認識方法」(DISPENSER WITH MATERIAL-RECOGNITION APPARATUS AND MATERIAL-RECOGNITION METHOD)である米国特許第7,040,566 B1号(ロドリアン(Rodrian)ら)に記載されている。
【0104】
本明細書で述べたように、本発明のディスペンサーは車両など、作業場で移動させることができるように移動式であることが好ましい。多成分材料として混合される成分の1以上が比較的低粘度(例、100Pa・s(100,000センチポアズ)以下、50Pa・s(50,000センチポアズ)以下、25Pa・s(25,000センチポアズ)以下)である場合、ディスペンサーシステムに弁を組み込むことによって、使用時にディスペンサーが異なる方向に操作される際に漏れを生ずるような低粘度の成分の不要な漏れを低減することが有利である。本発明に関連し、システム内部の多くの場所に弁を組み込むことができる。
【0105】
本明細書で述べたように、多成分材料として混合される各成分は、ハウジング、及びハウジング内部で成分が入れられる容器を有するカートリッジ式システムで提供されることが有利である。こうしたカートリッジ式システムは様々な方法で移動式ディスペンサーに装填することができる。図1Dは、カートリッジ140dがディスペンサー110dの上部装填区画116d内に装填される一例を示したものである。図1Eは、カートリッジ140eがヒンジを有するディスペンサー110eの区画116e内に装填される別の実施形態を示したものである。図1Fは、カートリッジ140fがディスペンサー110fの前面から区画116f内に装填される別の例を示したものである。図1Gは、カートリッジ140fを所定位置に固定するツイスト・アンド・ロック取り付け機構を用いてカートリッジ140fを区画116f内に装填する更に別の実施形態を示したものである。こうしたツイスト・アンド・ロック取り付け機能は図1D〜1Fに示される実施形態において用いられる更なるハウジングの必要性をなくすものである。
【0106】
図2Aは、本発明に基づいて多成分材料を混合及び吐出するための流路の一例をブロック図で示したものである。図2Aに示される要素に、混合される各成分が入れられる容器42及び44がある。好ましくは容器42及び44は、容器42に入った成分を受け入れるための流入口32及び容器44に入った成分を受け入れるための流入口34を有する混合器30に接続される。混合器30は、流入口32及び34に受け入れられた成分が流出口38を通過する前に混合される混合室36を更に有する。
【0107】
図2Aに示される流路は、容器42と流入口32との間に配置され、必要に応じて用いられる弁33、及び、容器44と流入口34との間に配置され、必要に応じて用いられる弁35を更に含む。好ましくは弁33及び35は、容器に入った成分の混合器30内への不要な移動を防止するために設けられる。混合室36がパージされる特定の実施形態では、弁33及び35の一方又は両方がやはり逆止弁であることによって、混合室36をパージするために用いられる物質が、各成分が供給される容器42及び44に流入することが防止(又はほぼ防止)される。
【0108】
図2Aの流路は混合器30の混合室36と流出口38との間に配置され、必要に応じて使用される弁37を更に含む。弁37は、混合された多成分材料が混合室36から混合器30の流出口38を通じて不要に吐出されることを防止するために好ましくは設けられる。
【0109】
図2Aに示される弁33、35及び37は、例えば弁によって遮断されている材料に重力が作用するような向きに容器、カートリッジ、及び/又はディスペンサーがある場合に、通常はすべて閉鎖されて材料の通過を防止できることが好ましい。これにより、本発明のディスペンサーシステムの使用時における材料の不要な漏れが低減又は防止される。各弁は、弁33及び35の場合には容器42及び44内の各成分からの、弁37の場合には混合室36内の混合された多成分材料からの液圧に応じて開放することが更に好ましい。
【0110】
本発明に関連して用いられる弁は圧力調整弁、すなわち、選択されたクラッキング圧を上回る圧力の上昇に応じて開放する弁(弁は逆止弁又はチェック弁としても機能しうる)として好ましくは述べることができる。クラッキング圧は、異なる向きにディスペンサーを操作した場合に、各成分が入った容器に外力(ピストン、ブラダーなどによる)が作用しない限り、漏れを生じないように選択されることが好ましい。これらの弁は、フラッパ弁、スリット弁、ボール弁などのいずれの好適な形態であってもよい。潜在的に好適な圧力調整弁の幾つかの例が例えば、公開日が2006年8月10日である、発明の名称が「液体供給装置」(LIQUID SUPPLY ASSEMBLY)の米国特許出願公開第2006/0175434号(エスコト(Escoto)ら)に見ることができる。
【0111】
潜在的に好適な弁の構成の幾つかの例を図2B〜2Eに示す。図2B〜2Eに示されるそれぞれの構造は、流路にまたがって介在されたシート(又はシート状構造)の形態で好ましくは与えられ、1以上のスリットがシートに形成されていることによってシートの一方の側面に作用する圧力がスリットを分離させて材料が弁構造を通過できるような通路が開くようになっている。図2Bに示される例示的な弁構造33bは、例えばバネ鋼、ナイロンなどの任意の適当な材料のシート状層であってよい本体を通じて形成されたスリット39bを有する。シートの厚さ並びにスリットの長さ及び向きは、所望のクラッキング圧又は開放圧が与えられるように選択することができる。図2Bのスリット39bは中心部で交差する4本の異なるスリットによって形成されるアスタリスク模様の形である。図2Cは弁構造33cが2本の交差するスリット39cを有する別の例示的な弁の構成を示す。図2Dは弁構造33dが螺旋状のスリット39dを有する更なる別の実施形態を示す。図2Eは湾曲した円弧としてスリット39eを有する弁構造33eの更なる別の実施形態を示す。他の多くの代替的な弁の構成が可能である。
【0112】
更なる別の弁の選択肢として、カートリッジの流出口にシリコーン弁が配置されたものがあり、弁の開口部は弁上に配置される開口部を有するシート(ナイロン、金属などから形成される)によって閉鎖される。平板なシートはシリコーン弁を覆って締結、溶接、接着又は取り付けがなされる。
【0113】
再び図2Aを参照すると、ディスペンサーは多成分材料として混合される各成分の比を制御するための1以上の放出弁を更に有してもよい。図2Aのフロー図では入口弁34と混合室36との間に1個のこうした放出弁31が配置されているが、放出弁は容器42及び/又は44と混合室36との間の流路の任意の適当な点に配置することができる。例えば、放出弁を出口弁33及び/又は35と混合室36内へのそれぞれの出口32及び34との間に配置することもできる。放出弁31は、放出弁31によって方向が変えられるすべての材料を収容するように構成されたリザーバ39に接続された状態が示されている。しかしながらこうしたリザーバ39は必須ではなく、いずれかのシステムの一部として含まれても含まれずともよい。放出弁31は、2状態型(開閉のいずれかの状態をとりうる)であってもよく、流路から分流される(混合室36から離れる方向)材料の量を調節できるように調節可能であってもよい。
【0114】
本発明に関連して使用することが可能なカートリッジ140の一例を図3に分解図で示す。図3のカートリッジ140は、本発明に基づくディスペンサー内部に嵌め込まれるような大きさ及び構成を好ましくは有するハウジング141を有している。図4Aは図3のカートリッジのカートリッジハウジング141の、図3の線4A−4Aに沿った断面図である。図のカートリッジ140は、第1の容器142及び第2の容器144を有する。第1の容器142は好ましくは第1の成分を収容し、第2の容器144は第2の成分を好ましくは収容する。第1の成分と第2の成分とは本明細書で述べたように混合されることによって第1の成分及び第2の成分の両方を含んだ多成分材料が得られる。
【0115】
第1の容器142は好ましくはハウジング141の第1の空洞146に嵌め込まれるような大きさを有し、第2の容器144は好ましくはハウジング141の第2の空洞148に嵌め込まれるような大きさを有する。図に示されるように、ハウジング141内の空洞146及び148は、互いにほぼ平行な軸線147及び149に沿って延びる真円筒であることが好ましい。空洞146及び148の別の構成として、非円形の断面形状(例、卵形、楕円形、半円形、矩形、三角形など)を有する管状の空洞、互いにほぼ平行ではない軸線に沿って延びる空洞などが考えられる。
【0116】
図に示すような特定の実施形態では、カートリッジハウジング141はハウジング141を通じて延びるミキサー駆動通路132を更に有している。ミキサー駆動通路132はカートリッジ140を貫通するミキサー駆動軸(図1に関連して示されるミキサー駆動軸28など)を受容するために設けることができる。ミキサー駆動通路132は、図に示される実施形態におけるように、第1の空洞146及び第2の空洞148を通じて延びる軸線147及び149の一方又は両方にほぼ平行である駆動軸線131に沿って延びることが好ましい。ミキサー駆動通路の代わりに、ハウジング141が一端においてダイナミックミキサーと結合し、他端において駆動機構と結合するハウジング軸を有してもよく、ハウジング軸を用いてダイナミックミキサーを駆動すれば、カートリッジ140を装填する際にハウジング141に別の駆動軸を挿通する必要がなくなる。
【0117】
図3の実施形態に関連して示される必要に応じて用いられる別の特徴は、第1の容器142及び第2の容器144の両方が取り付けられるキャップ150である。キャップ150は、容器142及び144の内部からキャップ150上のカートリッジ流出口152及び154に延びる流路(図示せず)を有することが好ましい。図のキャップ150は1個の部品からなる完全に一体型の部品であるが、本発明に関連して複合構造であるキャップを使用することも可能である(その一部の例を本明細書で述べる)。キャップ150は容器142及び144がハウジング141の空洞146及び148の内部に位置する際にハウジング141に取り付けられることが好ましい。
【0118】
容器142及び144内の各成分の吐出は、(カートリッジ流出口152及び154が配置されている)キャップ150と反対側の端部から空洞146及び148を通じてピストンを駆動することによって行うことが好ましい。容器142及び144は圧潰可能であることが好ましく、これにより各空洞を通じて駆動されるピストンが容器を圧し潰して内部の成分を圧潰可能な容器と流体連通したカートリッジ流出口から押し出す。圧潰可能な容器に潜在的に適した材料の例としては、歯科用印象材/修復材と関連して用いられるものなどのフィルム/箔の積層体が例えば挙げられる。圧潰可能な容器に潜在的に適した他の材料としては、薄い金属管、プラスチック容器、アコーディオン形の壁を有する容器などが挙げられる。
【0119】
図のカートリッジ140は、(それぞれ)空洞146及び148を通じて動かせるようなサイズに形成された、必要に応じて用いられるピストン156及び158を更に有している。ピストン156及び158は空洞146及び148内部に保持され、別々の要素がピストン156及び158に作用して、ピストンが内部に配置された空洞を通じて各ピストンを前進させる。ピストン156及び158はピストンが内部に配置される空洞の断面積全体にわたって延在することが好ましい。こうした実施形態では、ピストン156及び158はカートリッジ140がディスペンサーに装填されるのに先立って空洞146及び148内に配置される。また、ピストン156及び158はカートリッジ140の要素として与えられずともよく、カートリッジ140がディスペンサーに装填された後に空洞146及び148に挿入してもよい。ピストン156及び158は、プランジャが能動的に駆動されていない場合に残圧を解放するようにプランジャ反転機構(図1B及びその説明を参照)が設けられている場合に空洞146及び148内で両方向に動くことができるように構成されていることが好ましい。
【0120】
2個の空洞146及び148の異なる断面積は各空洞に挿入された容器142及び146の断面積に厳密に一致していることが好ましい。更に、容器142及び146の断面積の差は、カートリッジ140が使用されるディスペンサー内で混合される各成分間の体積比にも一致していることが好ましい(各プランジャが各空洞内で同じ速度で前進するものと仮定して)。換言すれば、容器146内の成分に対する容器142内の成分の体積比が、混合された多成分材料において50:1であるならば、空洞146の断面積は空洞148の断面積の50倍である(空洞の断面積比も50:1である)ことが好ましい。
【0121】
図4Bは、図3及び図4Aのカートリッジハウジング141の代替例であるカートリッジハウジング241の断面図である。代替的なハウジング241においては、第1の空洞246と第2の空洞248とはほぼ等しくなっている。ハウジング241と共にサイズが一致した容器が使用される場合、空洞246及び248のそれぞれの内部の容器から供給される各成分の体積比は1:1となる(各プランジャが各空洞内で同じ速度で前進するものと仮定して)。
【0122】
ハウジング241に関連して示される特徴として、空洞246を通じて延びる軸線247及び空洞248を通じて延びる軸線249がある。カートリッジ140のハウジング141に関連して述べたように、空洞246及び248の軸線247及び249は互いにほぼ平行であることが好ましい。図4Bには更に軸線231に沿って延び、必要に応じて用いられるミキサー駆動通路230が示されている。駆動通路の軸線231は空洞の軸線247及び249の一方又は両方に対してほぼ平行であることがやはり好ましい。
【0123】
図4A及び4Bのハウジング141及び241に関連して示される別の特徴は、第2の空洞148及び248に対する第1の空洞146及び246の位置である。異なるカートリッジは異なる体積比の成分を供給できることから、異なるカートリッジを同じディスペンサーと共に使用して、各成分が異なる比で供給された異なる多成分材料を混合及び吐出することが好ましい。例えば、カートリッジハウジング141をカートリッジにおいて使用して50:1の体積比で各成分を供給する一方で、カートリッジハウジング241をカートリッジにおいて使用して1:1の体積比で各成分を供給することができる。
【0124】
図4A及び図4Bに示されるように、2個のハウジング141及び241内の空洞が整列される軸線は、同じディスペンサー内で最小の手間(例えばプランジャのアラインメントなど)でカートリッジを置き換えることができるように両ハウジング141及び241内で同じ位置にあることが好ましい。更に、2個のハウジング内のミキサー駆動通路130及び230の位置も2個のハウジング141及び241の間で一致していてよい。
【0125】
図4A及び図4Bのハウジング141及び241は、多成分材料として混合される各成分が入れられた容器に対する各空洞の断面積が異なることによって異なる体積比を与えるという、1つの方法を示したものである。別の方法では、ハウジング内部の1つ以上の空洞の断面積を空洞内にスペーサーを設けることによって低減させることができる。空洞内におけるスペーサーの使用の一例を図5Aに示す。図5Aは、空洞346a及び348aが本明細書で述べられるような異なる成分の容器を受容するように構成された、別のハウジング341aを断面図にて示したものである。
【0126】
しかしながらハウジング341aは、ハウジング141及び241と異なり、第2の空洞348aの開放又は非占有断面積を低減するスペーサー360aを有している。スペーサー360aは、空洞348a内に残る開放又は非占有断面積361aが好ましくは第2の空洞348aの断面積よりも小さくなるように、選択された量だけ第2の空洞348aの断面積を低減するものである。スペーサー360aは、例えば第2の空洞348aの断面積の1%程度を占有しうる。他の例示的実施形態では、スペーサー360aは第2の空洞348aの断面積の1%以上、5%以上、更には10%以上を占有しうる。他の実施形態では、本発明のカートリッジハウジングの空洞内に設けられるスペーサーは空洞の断面積の25%以上を占有してもよい(内部に容器を配置するための開放空間は空洞の断面積の75%以下となる)。更なる他の実施形態では、スペーサーは空洞の断面積の50%以上を占有することが好ましい(内部に容器を配置するための開放空間は空洞の断面積の50%以下となる)。更なる他の実施形態では、スペーサーは空洞の断面積の75%以上、90%以上、95%以上、98%以上を占有することが好ましい(残りの体積/面積が成分の容器によって占有される)。
【0127】
本発明のカートリッジの空洞内に用いられるスペーサーは、空洞に挿入されることによって容器を受容することができる空洞内部の開放体積を小さくする、1個の部品からなる一体型の部品として与えることができる。また、スペーサーは2個以上の部品として与えてもよい。
【0128】
空洞内の開放された非占有断面積を減少させるために用いられるスペーサーは、スペーサーが配置される空洞内の中心に位置するような(領域361aのような)開放断面積を形成することが好ましい場合がある(図5Aに示される空洞348a内のスペーサー360aに見られる)。しかしこれは必ずしも必要ではない。
【0129】
図5Bはカートリッジハウジング341bの空洞348b内に配置された別のスペーサー360bの断面図である。スペーサー360bは、空洞内の中心に位置しない開放された非占有断面積361bを空洞348b内に規定する。むしろ開放断面積361bは一方に偏奇しており、スペーサー360b自体はほぼ三日月形の断面を有している。他の多くの形状のスペーサーを本明細書で述べるような2つのスペーサー360a及び360bの代わりに使用することができる点は理解されたい。
【0130】
本発明に基づくカートリッジの空洞内に用いられるスペーサーは実質上圧縮不可能なものであるが、図5Cには、内部にスペーサーが配置される空洞を通じて動くプランジャによって圧縮されるように設計された、圧潰可能なスペーサーとして与えられる別の代替的スペーサー360cを示す。圧潰可能なスペーサー360cは、図5Cに示されるような一連のアコーディオン式の折り目又はひだ、又は他の任意の適当な圧縮可能な構造(例、圧縮性発泡体など)を有してもよい。
【0131】
スペーサー360cはその長さに沿って圧縮することができるが、スペーサー360c内部の開放された非占有空間361cの断面積は、スペーサー360cが長さに沿って圧縮される際に実質上変化しないことが好ましい。図のアコーディオン式のひだはこうした目的を実現するための構成の1つである。
【0132】
カートリッジ340dの更に別の実施形態及びその異なる要素の一部を図5D及び5Eに示す。カートリッジ340dは第1の容器342d及び内部に第2の容器344dが配置されたスペーサー360dを有する(図5Eを参照)。スペーサー360dは、カートリッジハウジング341d内に形成された空洞内部の選択された位置に第2の容器344dを位置決めするために用いられる。スペーサー360dは放射状の支柱362bを備えた中央の空洞361dを有し、放射状の支柱362dが中央空洞361dから外側に延びて、中央空洞361dを選択された位置に保持する。
【0133】
容器342d及び344dは、容器342d及び344dから材料が流出する流出口343d及び345dを(それぞれ)有する。図の実施形態では、これらの流出口はハウジング341dに設けられた空洞内部で偏心して配置される。しかしながら、スペーサー360dは第2の容器344dを流出口345dと同一直線上とならない位置に保持しているため、容器344dは、図5Eに見られるように材料が容器344dの本体から流出口345dへと移動するための流路を与える横断通路347dを有することが好ましい。
【0134】
横断通路347dは第2の容器344dの一部として示されているが、実施形態によっては横断通路347dをスペーサー360dの一部として設けてもよく、その場合、第2の容器344dから押し出された材料が横断通路347dを通じて流出口345dに流れるように第2の容器344dはスペーサー360d及び横断通路347dと嵌合される。
【0135】
図3を再び参照すると、図に示されるカートリッジ及び各要素をユニットとして供給することで、消費者はカートリッジ140を使用してカートリッジ内に収容された各成分を吐出及び混合した後、カートリッジ全体をユニットとして処分することができる。また、本発明に関連して用いられるカートリッジの異なる要素を再使用することで本発明の使用によって発生するコスト及び/又は廃棄物を低減することも可能である。
【0136】
一実施形態では、容器及び容器が取り付けられたキャップを使用後に廃棄し、一方でカートリッジハウジングを再使用することができる。場合によっては、カートリッジハウジング自体をディスペンサーと一体の部分としてもよい。こうしたシステムでは、多成分材料を得るために混合される各成分を保持する容器は一緒に与えられてもよく、あるいは使用者が異なる成分を選択的に合わせて選択された性質を有する多成分材料を生成することができるように別々に与えられてもよい。
【0137】
本発明に関連して用いられるカートリッジの他の変形例もまた考えられる。例えば、カートリッジは図3に示されるように並行して配置された空洞を有してもよいが、本発明に関連して用いられるカートリッジの一部のものは、例えば、発明の名称が「コーキング材及び着色剤を混合するための装置及び方法」(APPARATUS AND METHODS FOR MIXING CAULK AND COLORANT)である米国特許出願公開第2006/0151531号(チクシス(Tikusis))、発明の名称が「流体を異なる比で収容及び吐出するための2液型カートリッジ」(DUAL FLUID CARTRIDGE FOR STORING AND DISPENSING FLUIDS IN UNEQUAL RATIOS)である米国特許出願公開第2006/054636 A1号(ブレナン(Brennan)ら)、及び、発明の名称が「第1及び第2の成分を吐出するための2成分用ディスペンサー及び方法」(DISPENSER FOR TWO COMPONENTS AND METHOD FOR DISPENSING FIRSTAND SECOND COMPONENTS)である国際特許公報第2005/095225号(ハーモン(Hermon)ら)に記載されるような同軸型であってもよい。本発明のディスペンサー及び方法において混合される異なる成分を供給するために他の同軸型カートリッジの構成を使用することも可能である。
【0138】
別の変形例として、カートリッジ自体がミキサー駆動軸を有することによって、ミキサーからの駆動要素がカートリッジに設けられた軸を駆動するようなものがある。カートリッジに設けられた軸は、カートリッジ自体又はカートリッジが使用されるディスペンサーに搭載された混合器に連結される。
【0139】
図6は、カートリッジハウジング内で使用される容器をペアとすることで、選択された特性を有する多成分材料を得るという一実施形態である。容器242にキャップ252が取り付けられるのに対して、容器244aにキャップ254aが取り付けられる。キャップ252は、例えば本明細書で述べるように容器242が圧し潰される際に、容器242から材料が流出するノズル253を有することが好ましい。キャップ252は容器242からの材料の流出を制御するために設けられる、本明細書で述べたような弁(図示せず)を更に有することが好ましい。
【0140】
キャップ254aもまた、例えば本明細書で述べるように容器244aが圧し潰される際に、容器244aから材料が流出するノズル255aを有することが好ましい。キャップ254aは容器244aからの材料の流出を制御するために設けられる、本明細書で述べたような弁(図示せず)を更に有することが好ましい。
【0141】
2個の容器に取り付けられたキャップ252及び254aは、図6に示されるように2個のキャップが互いに取り付けられるように連結機構を有することが好ましい。図の実施形態では、キャップ252はキャップ254aが取り付けられる延長部256を有している。延長部256は、ダイナミックミキサーを駆動する駆動シャフトが挿通される、必要に応じて設けられる通孔257を有する。
【0142】
図6のシステムは、容器242に取り付けられた容器244aと交換可能な、必要に応じて用いられる容器244bを更に含んでもよい。容器244bもまた、キャップ254bを有することが好ましい。キャップ254bは、例えば本明細書で述べるように容器244bが圧し潰される際に容器244bから材料が流出するノズル255bを有することが好ましい。キャップ254bは、容器244bからの材料の流出を制御するために設けられる、本明細書で述べたような弁(図示せず)を更に有することが好ましい。
【0143】
異なる容器244a及び244bを異なる理由で使用してもよい。特定の実施形態(図6に示されるような)では、容器244a及び244bを使用して断面積の異なる複数の容器で同じ成分を供給してもよい。同じ容器242と組み合わせた場合、容器244a及び244bの異なる断面積を利用して2成分の異なる体積比を与えることができる。例えば、断面積がより小さい容器244bを使用することで、容器244b内の成分に対する容器242内の成分の体積比をより大きくすることができる。
【0144】
同じ容器242に対して異なる容器244a及び244bを使用することの別の潜在的な用途としては、容器242内の成分と混合するための異なる成分を供給することである。例えば、異なる容器244a及び244bに、容器242に入れられた充填剤と使用するための異なる硬化剤(例、異なる過酸化物硬化剤)を入れたり、異なる容器に2種類の異なる着色剤を入れたりしてもよい。
【0145】
キャップ252、254a及び254bのシステムでは、各キャップ254a及び254bに付随するノズル255a及び255bは、これらの異なるキャップが互いに取り付けられる際にキャップ252のノズル253に対して同じ位置に配置される(取り付けられる容器244a及び244bが異なる断面積を有していても)ことが好ましい場合がある。こうした共通の間隔は、ディスペンサーシステムにおいて異なるキャップ及び容器が用いられる場合に有利なものとなりうる。
【0146】
図6に関連して示される別の必要に応じて用いられる特徴として、容器244bが、圧潰可能な容器244bのキャップ254bと反対側の端部に配置される一体型のプランジャキャップ246bを有する点がある。一体型のプランジャキャップ246bは好ましくは剛性の材料で形成され、プランジャ(例、図1及び図1Aのプランジャ26及び126)との境界面を与えることで作用する力を容器244bの断面積全体に分配してもよい。図中、容器244bのみが必要に応じて用いられるプランジャキャップ246bを有しているが、ディスペンサー又はカートリッジと共に使用される容器のすべてが同様のエンドキャップを有しうる。
【0147】
図6の圧潰可能な容器とこれに付随するキャップとの間の取り付けの厳密な性質は異なりうる。特定の実施形態では、熱溶着、超音波溶着、化学溶着、機械的ファスナー(例、クランプ、クサビ嵌合リングなど)、接着剤、接着テープ、スピン溶着などを用いてキャップに取り付けることが可能なフィルム/箔の積層体から容器を形成することができる。
【0148】
図6A〜6Dは、本発明に関連した容器242にキャップ252を取り付けるための可能な方法の例をいくつか示したものである。図の例では、容器は、フィルム/箔の積層体、ポリマーフィルムなどの可撓性材料の形態であることが好ましいが、他の材料を容器に使用することも可能である。
【0149】
図6Aのキャップ252aはノズル253aを有し、容器242aの壁部241aはキャップ252aの内部に好ましくは位置する。図の実施形態では、壁部241aとキャップ252aの内側との間には接着剤243aによるシールが形成されている。接着剤243aは、ホットメルト接着剤、感圧性接着剤、硬化性接着剤(例、エポキシなど)、又は、キャップ252a内部において封止された壁部241aを保持することが可能な他の任意の適当な材料であってよい。
【0150】
使用時には、容器242aの壁部241aに任意の適当な方法によって開口部を形成することが好ましい場合がある。例えば壁部241aを穿孔、穿刺、断裂、破裂することなどによって、容器242a内の成分材料を、容器242aとキャップ252aとの間に接着材243aによって形成されたシールの間から漏れたり逃げたりすることなくノズル253aへと通過させることができる。
【0151】
図6Bは、容器242bがスリーブ243bを用いてキャップ252b内部で配置及び封止されている代替的構成を示したものである。スリーブ243bは、溶着(化学的、熱的、超音波など)によって容器242bに固定することで容器242bの壁部241bに固く取り付けることができる。スリーブ243bは、容器242bからの圧力の作用下で成分材料が吐出される際に、スリーブ243bがキャップ252bの内側と共に漏れ防止シールを形成するようにキャップ252bの内側に対して固定的に配置可能であることが好ましい。スリーブ243bは、変形してキャップ252bの内側に対してシールを形成すると共に容器の壁部241b(例、ポリエチレン、ポリウレタンなど)に対して固定されるような所望の可撓性を与える任意の適当な材料から形成されることが好ましい場合がある。場合によっては、スリーブ243bはキャップ252bの内側の相補的な構造と嵌合してシール性能を高めるような構造を有してもよい。
【0152】
別の代替例として、スリーブ243bを(例えば、スリーブをキャップと一体に成形することなどにより)キャップ252bに取り付けてもよい。こうした構成では、スリーブ243bは可撓性を有していても有していなくともよい(特に、容器242b内部の材料が吐出時に加圧される際に適正なシールを形成するうえで充分な可撓性を容器壁部241bが有する場合)。
【0153】
図6Cは、容器242Cとキャップ252Cとの間のシールを与える別の代替例を示したものである。図の実施形態では、キャップ252cの内側251cにOリング243cが取り付けられることによって、容器242cの壁部241cの外側に対するシールが与えられる。Oリング243cは例えば接着剤、インサート成型、フランジなどの任意の適当な方法によってキャップ252cの内側251cに取り付けてもよい。容器242c自体を例えば接着剤又は他の何らかの方法を用いて(Oリング243cに加えて)キャップ252cの内側251cに取り付けてもよく、その際、Oリング243cは壁部241cとキャップ252cの内側251cとの間のシールを与える。
【0154】
図6Dは、容器242dがキャップ252dの内側に取り付けられる更なる別の取り付け方法の例を示したものである。図6Dの実施形態では、Oリング243dが容器242dの壁部241dに取り付けられることによって、吐出動作時に容器242dが加圧される際に、壁部241d及び取り付けられたOリング243dがキャップ252dの内側251dに押し付けられて漏れ防止シールを形成する。図6Cに示される実施形態と同様、容器242d自体を例えば接着剤又は他の何らかの方法を用いてキャップ252dの内側251dに取り付けてもよく、その際、Oリング243dは壁部241dとキャップ252dの内側251dとの間のシールを与える。
【0155】
本明細書で述べるように、本発明のシステムは例えばディスペンサー10の混合器30のような混合器を有するものである。混合器はスタティックミキサー又はダイナミックミキサーの形態を取りうるものである。本発明に関連して使用することができる潜在的に好適なダイナミックミキサーの例としては、米国特許第5,249,862号(ヘロルド(Herold)ら)、同第6,394,643号(バビルウィッツ(Bublewitz)ら)、同第6,837,399号(ワグナー(Wagner)ら)、同第6,932,243号(ケラー(Keller)ら)他に述べられるダイナミックミキサーが挙げられる。他の潜在的に好適なダイナミックミキサーとしては、例えば米国特許出願公開第2003/0137898号(ワグナー(Wagner)ら)、同第2004/0085854号(パウザー(Pauser)ら)に述べられ得るものがある。潜在的に好適なスタティックミキサーとしては、米国特許第4,093,188号(ホーナー(Horner))、同第4,801,008号、(リッチ(Rich))、同第5,413,253号(シメン(Simmen))、及び同第5,609,271号(ケラー(Keller)ら)に述べられるものが挙げられ得る。
【0156】
いくつかの実施形態では、混合される各成分が入った容器に取り付けられた1乃至複数のキャップに混合器を取り付けてもよい。こうした実施形態では、混合器とキャップを一体構造の一体部分として設けることができる。他の実施形態では、混合器をカートリッジのキャップ又は容器のキャップに取り付けられる独立した要素として設けてもよい。更に他のシステムでは、容器/カートリッジが配置されるディスペンサーに混合器を取り付けてもよい。
【0157】
混合器が(カートリッジ自体又はカートリッジが使用されるディスペンサーに取り付けられるかによらず)独立した要素として与えられる実施形態では、様々な方法によって混合器を取り付けることが可能である場合がある。取り付け要素としては、螺刻された要素、スナップ・オン式取り付け要素、混合器を所定位置に保持する外付けのカラー、スナップタブなどが挙げられてもよい。潜在的に好適な取り付け方法の一例を図7に示す。この例では、混合器430の基部の辺縁上に延びる2個のタブ431によって混合器430がカートリッジ440に取り付けられている。タブ431はカートリッジ440からのノズル453及び455が混合器430の流入口432及び434内となるように混合器430が配置される際に弾性的に外側に動くことが好ましい。図7ではカラー439が破線で示されており、タブ431と共に混合器430を所定位置に保持するために利用されてもよい。カラー439は例えば螺刻、スナップ嵌め機構などの任意の適当な方法によって所定位置に保持されてもよい。
【0158】
図7は混合器をディスペンサー又はカートリッジのいずれかに取り付けるための一つの方法を示したものであるが、これに代わる取り付け方法を用いてもよい。図7Aは、混合器それ自体に混合器430aから延びるタブ431aが設けられている一例を示す。タブは、ディスペンサーの動作時に混合器430aが所定位置に保持されるようにディスペンサー又はカートリッジに設けられた相補的な溝又は開口部と嵌合することが好ましい。タブ431aの間隔、形状及び/又はサイズを利用してディスペンサー/カートリッジ上で混合器を正確に整列させてもよい。すなわち、混合器430aを取り付けるうえでタブ431aを相補的な溝/開口部と正確に整列させる必要がある場合がある。
【0159】
図7B〜7Eはカートリッジ又はディスペンサーに混合器を取り付けるための更なる代替的な方法を示したものである。図7Bにおいて、混合器430bは混合器430bから外側に延びる3本のアーム431bを有している。アーム431bはフランジ439bと共に、混合器430bが矢印401bによって示される方向に回転される際に混合器430bを所定位置に保持することが好ましい。例えばアーム431bはフランジ439bによって形成される溝に収まることが好ましい場合がある。混合器430bを回転させる代わりに、フランジ439bを矢印401bの方向に回転させ、混合器430bのアーム431bは固定しておくことも可能な場合がある。
【0160】
図7Cに示される機構は混合器430cから外側に延びる2本のアーム431cを有している。アーム431cはフランジ439cと共に、混合器430cが矢印401cによって示される方向に回転される際に混合器430cを所定位置に保持することが好ましい。例えばアーム431cはフランジ439cによって形成される溝に収まることが好ましい場合がある。混合器430cを回転させる代わりに、フランジ439cを矢印401cの方向に回転させ、混合器430cのアーム431cは固定しておくことも可能な場合がある。
【0161】
更に別の保持機構を図7Dに示す。図7Dの混合器430dは、矢印401dによって示される方向に互いに接近する、混合器430dを所定位置に保持するための2個のフランジ439dによって所定位置に保持される。図7Dでは両方のフランジ439dが動くようになっているが、いくつかの実施形態によってはフランジ439dの一方のみを動かして対向するフランジ439dは固定されたままとすることも可能な場合がある。
【0162】
図7Eに混合器430eを保持するための更に別の保持機構を示す。この機構は、矢印401eの方向に点438eを中心として回転することによって所定位置に動くことで混合器430eを選択された位置に保持するフランジ439eを有する。
【0163】
図7Fは、別の混合器430fと、混合器430fをカートリッジ又はカートリッジが装填されるディスペンサー上に保持するための代替的保持機構を示したものである。図の混合器430fは、これらを通じて各成分が混合器430fに供給される流出口453fと455fとの間の距離にまたがる基部438fを有する。
【0164】
混合器430fは流出口453fと455fとの間の中央に配置される混合室436fを有することから、混合器430fは各成分を混合室436fに供給する通路(図示せず)を有することが好ましい場合がある。この通路は、流出口から流出する各成分が混合室436fに供給されるように流出口453f及び455fに対して漏れ防止シールを形成することが好ましい場合がある。
【0165】
更に図7Fに示されるシステムは、表面440fから突出する必要に応じて設けられる駆動軸428fを有することによって、混合器430fが本明細書で述べたようなダイナミックミキサーである場合に駆動軸428fが混合器430f内の被駆動要素と嵌合するようになっている。駆動軸428f及び混合器430fの相補的な混合室436fは流出口453fと455fと間の中央に示されているが、実施形態によってはこれらの構成が中央に位置しない場合もある。
【0166】
図7Fに示される保持機構は表面440fから延びるタブ439fを有している。混合器430fは、それ自体にも表面440f上のタブ439fと好ましくは嵌合する構造438fが設けられることによって、混合器430fが動作時に所定位置に保持されるようになっている。タブ439fの間隔、形状及び/又はサイズ並びに混合器430f上の関連する構造を利用して、ディスペンサー/カートリッジ上で混合器を正確に整列させてもよい。すなわち、混合器430fを取り付けて保持するうえでタブ439fを混合器430f上の相補的な構造と正確に整列させる必要がある場合がある。
【0167】
カートリッジ及び/又は器具に駆動軸が含まれるいくつかの実施形態では、駆動軸が格納可能であることによって混合器の取り外し及び/又は取り付けが容易に行えると有利な場合がある。格納可能な駆動軸の一実施形態を図8のカートリッジアセンブリ570に関連して示す。図のカートリッジアセンブリ570は、ディスペンサー(図示せず)に固定的又は取り外し可能に取り付けられる区画516の内部に受容及び保持されるように構成されたカートリッジ540を有している。カートリッジ540は多成分材料として混合される各成分が入れられる容器を含んでいることが好ましい場合がある。
【0168】
区画516は区画516内の通路(図示せず)に挿通される格納可能な駆動軸528を有している。駆動軸528の末端527は駆動軸の通常の位置、又は非付勢位置においては区画516の末端517から突出することが好ましい。しかしながら図の実施形態では、駆動軸528の末端527は、駆動軸528の末端527が区画516内に部分的又は完全に格納されるように駆動軸の非付勢位置から変位させることによって、駆動軸528の末端527が区画516からわずかに突出するかあるいはまったく突出しないようにすることができる。駆動軸528の末端527が格納されることによって、混合器(図示せず)の取り外し及び/又は交換を容易に行ってもよい。
【0169】
駆動軸528は1つ以上の弾性部材によって非付勢位置へと付勢(押圧)してもよい。図の実施形態では、駆動軸528はコイルバネ529によって(区画516から末端527が突出する)非付勢位置に保持されている。コイルバネ529が伸長位置にある時には、駆動軸528の末端527は図8に見られるように区画516から突出する。図の実施形態では、図9に見られるようにバネ529は区画516から突出するレバー526を用いて圧縮されることが好ましい。レバーを下方(図9において)に押すとバネ529は好ましくは圧縮され、駆動軸528の末端527を区画内に(部分的又は完全に)格納する。
【0170】
図の構造を用いることによって格納可能な駆動軸を与えられることが可能だが、他の多くの機構を使用するか、図の実施形態に見られる機構に置き換えることも可能である。例えば、コイルバネをエラストマー部材、板バネなどの任意の適当な弾性部材で置き換えることができる。
【0171】
本発明に関連して使用し得るカートリッジアセンブリ670の更なる別の実施形態を図10A及び図10Bに示す。カートリッジアセンブリ670は基部641に取り付けられた第1の容器642及び第2の容器646を有する。第1の容器642及び第2の容器646は基部641から、基部641から遠方に位置する吐出端に向かって延びている。
【0172】
タブ631を用いて混合器(図示せず)をカートリッジアセンブリ670に取り付けてもよい。ミキサー駆動軸628が必要に応じて混合器を駆動するように設けられることが好ましい。
【0173】
第1の容器642は材料を流出口653から混合器に供給し、第2の容器646は材料を流出口655から混合器に供給する。第2の容器646はそれ自体流出口655の外側に位置するため、カートリッジアセンブリ670は材料を第2の容器646から流出口655に供給するために用いられる通路654を有する。
【0174】
カートリッジアセンブリ670の潜在的な効果の1つとして、基部641が平らな面を与えることによってカートリッジアセンブリ670をテーブル又は他の平らな面、水平面上に立てて置くことができる点がある。立てて置くことができるとカートリッジアセンブリ670の使用及び保管に便利である。カートリッジアセンブリ670に駆動軸628が設けられる場合、カートリッジアセンブリ670を平らな水平面上に置かれた基部641上に立てて置くことができるように駆動軸628は基部641を超えて突出しないことが好ましい場合がある。
【0175】
本発明に関連して含まれうる別の特徴として、混合器430の流出口438(図7を参照)に各種のアタッチメントを取り付けることによって混合器から吐出される多成分材料に選択された形状を与えることができ得る点がある。図11Aは、混合器630の流出口638に取り付けられるフロー成形アタッチメント680を有する混合器630の一実施形態を示したものである。
【0176】
フロー成形アタッチメント680は、図の実施形態では、フロー成形アタッチメント680の通路682内に嵌合される隆起部681によって流出口638上に保持されている。例えば、螺刻された要素、カラー、差し込み式マウント、接着剤など、フロー成形アタッチメント680を流出口638上の所定位置に保持するための多くの代替的な方法を使用し得る。
【0177】
図11Aに示されるフロー成形アタッチメント680は、流出口684から吐出される多成分材料の流れが平たいリボン状の形状を有するように多成分材料の流れを広げることが好ましい場合がある。図11Bに、流出口684を有するフロー成形アタッチメント680と共に、フロー成形アタッチメント680の斜視図を示す。場合によっては、例えばフロー成形アタッチメント680の一部を取り除いて、フロー成形アタッチメント680の流出口684と、フロー成形アタッチメント680が取り付けられる流出口638との間の距離を短くすることによって流出口684の幅を小さくすることができる。
【0178】
図12A及び図12Bはいくつかの例示的かつ代替的なフロー成形アタッチメント780a及び780bを示したものであり、それぞれ、本発明に関連して用いる場合がある異なる形状のフロー成形アタッチメントを有している。本発明に関連して用いる場合がある、他の可能な代替的フロー成形アタッチメントは、発明の名称が「スタティックミキサー用アダプター」(ADAPTOR FOR A STATIC MIXER)である米国特許第6,520,702号(ハウザー(Heusser))、及び発明の名称が「吐出装置用のアプリケータ−」(APPLICATOR FOR A DISPENSING APPLIANCE)である米国特許出願公開第2005/0127119 A1号(ケラー(Keller))に述べられている場合がある。
【0179】
本明細書で述べるように、本発明のシステムは材料の流れを制御するための1つ以上の弁を有してもよい。これに関し、フロー成形アタッチメント自体が自己閉鎖型の弁を有してもよい(流路内の他の場所に配置された弁に加えて、又は流路内の他の場所に配置された弁の場所に加えて)点は認識されよう。
【0180】
図11A、図11B、図12A及び図12Bのフロー成形アタッチメントは、混合器の流出口に取り付けることが可能な独立した部品として示されているが、実施形態によってはフロー成形アタッチメントを混合器と一体に形成してもよい(その場合、アタッチメント機構は必要ではない)。
【0181】
粘度測定
多成分材料として混合される各成分の粘度が関係するような場合、すなわち、実際の粘度が求められるか、粘度比が関係するような状況では、Brookfieldデジタルレオメーター型番DV−IIIの操作使用説明書No.M/91−201−I297(ブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ(Brookfield Engineering Labs, Inc.)社、マサチューセッツ州、ストートン所在)に記載の方法を用いて各成分の粘度を求めてもよい。試験用に選択されるスピンドル及び剪断速度は予想される粘度範囲によって決まる。高粘度の材料(例、本発明に関連して使用されるボディーフィラー成分の一部のもののような、粘度が50Pa・s(50,000センチポアズ)〜10,000Pa・s(10,000,000センチポアズ)である材料)では、HelipathTバースピンドルを使用する。その際、スピンドルは装置における回転速度が毎分0.5回転〜毎分20回転でトルク範囲が10%〜100%となるように選択される。)本発明に関連して用いられる特定の例示的なボディーフィラー成分では、粘度の値をT−Cスピンドルを用いて毎分5回転で計測する。低粘度の材料(例、本発明に関連して使用される硬化剤の一部のもののような、粘度が50Pa・s(50,000センチポアズ)以下である材料)では、HA/HBスピンドルシリーズを使用して粘度の測定値を得る。粘度の値はすべて室温、すなわち摂氏約20℃で得たものである。
【0182】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において用いられる、単数形を示す「a」、「and」、及び「the」には、その文脈上明らかでない限り、複数が含まれる。したがって、例えば「スペーサー」と言う場合には、(特に明示されない限り)複数のスペーサー及び当業者には周知のその均等物が含まれるものである。
【0183】
特に断らない限り、明細書及び特許請求の範囲で使用される成分量、粘度などを表すすべての数値は、すべての場合において「約」という語によって修飾されているものと理解されたい。したがって別段の指示がない限り、本明細書及び添付の特許請求の範囲に記載される数値パラメータは、本発明が実現しようとする所望の性質に応じて変化しうるおおよその値である。各数値パラメータは、最低でも、かつ特許請求の範囲への均等論の適用を制限するものとしてではなく、報告される有効桁数を考慮し、通常の切り上げ/切り捨て法を適用することによって少なくとも解釈されなければならない。
【0184】
本発明の広い範囲を示す数値範囲及びパラメータがおおよその値であったとしても、具体例に記載される数値は可能な限り正確に報告している。しかしながら、いずれの数値もそれらの試験測定値における標準偏差から必然的に生じる一定の誤差を本来的に含むものである。
【0185】
発明の背景、発明の詳細な説明及び本明細書のそれ以外の箇所において引用した特許、特許文献、及び刊行物の完全な開示内容を、各々が個別に援用されたものとまったく同様にしてその全容を援用するものである。
【0186】
本発明の例示的実施形態を検討し、発明の範囲内で可能な変形例を参照した。本発明におけるこれら及び他の変形及び改変は本発明の範囲から逸脱することなく当業者にとって明らかであり、本発明が本明細書に記載される例示的実施形態に限定されないことは理解されるべきである。したがって本発明は特許請求の範囲及びその均等物によってのみ限定されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を含む混合器を更に備えた前記移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の前記容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約40:1以上であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以上であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約1:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項2】
前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比が約50:1以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記混合室内の前記第1の成分の粘度が約200Pa・s(200,000cps)以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比が約3:1以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記硬化性多成分材料が車体修理材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ディスペンサー内の前記第1の容器を、所定体積の第3の成分を収容した第3の容器と交換する工程と、
前記ディスペンサー内の前記第2の容器を、所定体積の第4の成分を収容した第4の容器と交換する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第3の容器から前記混合室に前記第3の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第4の容器から前記混合室に前記第4の成分を供給する工程と、
供給時に前記第3の成分と前記第4の成分とを前記混合室内で混合して第2の硬化性多成分車体修理材料を形成する工程と、
前記第3の成分及び前記第4の成分を含む前記第2の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
混合された前記第1の硬化性多成分材料又は前記第2の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から1つ以上の選択された時間にパージする工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記パージする工程が前記第1の成分のみを前記混合室に選択的に供給することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パージする工程が前記第2の成分のみを前記混合室に選択的に供給することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記パージする工程が圧縮空気を前記混合室に供給することを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の成分を供給する工程が、前記第1の容器と前記混合室との間に配置された弁に第1の成分を通過させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の成分を供給する工程が、前記第2の容器と前記混合室との間に配置された弁に第2の成分を通過させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記硬化性多成分材料を通常は閉じている弁を通じて前記混合室から流出させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記混合する工程が、1つ以上の混合要素を回転させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の成分及び前記第2の成分の一方又は両方が、複数の封入中空要素を含み、該複数の中空要素の大部分が、前記混合工程後にその完全性を保つ、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記封入中空要素がガラスマイクロスフェアを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記移動式ディスペンサーが手持ち式である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を含む混合器を更に備えた前記移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約5:1以下であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以下であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約10:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項19】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を含む混合器を更に備えた移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約5:1以下であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)〜約200Pa・s(200,000cps)であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約4:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項20】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を含む混合器を更に備えた前記移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約5:1以下であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約200Pa・s(200,000cps)以上であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約2:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項21】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を含む混合器を更に備えた前記移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約5:1〜約10:1であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以下であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約5:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項22】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を含む混合器を更に備えた前記移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約5:1〜約10:1であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以上であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約2:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項23】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を含む混合器を更に備えた前記移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約10:1〜約20:1であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以下であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約3:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項24】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を含む混合器を更に備えた前記移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約10:1〜約20:1であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)〜約200Pa・s(200,000cps)であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約2:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項25】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を含む混合器を更に備えた前記移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約10:1〜約20:1であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以上であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約2:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項26】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を有含む混合器を更に備えた前記移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約10:1〜約20:1であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約200Pa・s(200,000cps)以上であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約1.5:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項27】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を含む混合器を更に備えた前記移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約20:1以上であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以下であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約2:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項28】
硬化性多成分材料を混合する方法であって、所定体積の第1の成分を収容した第1の容器と、所定体積の第2の成分を収容した第2の容器とを備えた移動式ディスペンサーであって、第1の流入口、第2の流入口及び流出口を有する混合室を含む混合器を更に備えた前記移動式ディスペンサーを提供する工程と、
前記第1の流入口を通じて前記第1の容器から前記混合室に前記第1の成分を供給する工程と、
前記第2の流入口を通じて前記第2の容器から前記混合室に前記第2の成分を供給する工程であって、前記混合室内における前記第2の成分に対する前記第1の成分(又はその逆)の体積比は約20:1以上であり、前記混合室内の前記第1の成分の粘度は約10Pa・s(10,000cps)以上であり、前記第2の成分の粘度に対する前記第1の成分の粘度の比は約1:1以上である工程と、
供給時に前記第1の成分と前記第2の成分とを前記混合室内で混合して第1の硬化性多成分材料を形成する工程と、
前記第1の成分及び前記第2の成分を含む前記第1の硬化性多成分材料を前記混合室の流出口から吐出する工程と、を含む方法。
【請求項29】
移動式混合ディスペンサーにおいて使用するためのカートリッジ装置であって、ハウジング内に配置された第1の空洞と、前記ハウジング内に配置された第2の空洞とを有するカートリッジハウジングであって、前記第1の空洞及び前記第2の空洞は前記カートリッジハウジングの基部から、該基部から遠方に位置する吐出端に向かって延在するカートリッジハウジングと、
前記第1の空洞内に配置され、硬化性多成分材料の第1の成分を収容する第1の容器と、
前記第2の空洞内に配置され、前記硬化性多成分材料の第2の成分を収容する第2の容器と、
駆動軸線を規定するミキサー駆動通路と、
前記ミキサー駆動通路内に配置された回転可能な駆動軸と、を備えるカートリッジ装置。
【請求項30】
前記基部が平らであり、前記カートリッジハウジングを平らな水平面上に置かれた前記基部上に立てて置くことができるように前記駆動軸が前記基部を超えて突出しない、請求項29に記載のカートリッジ装置。
【請求項31】
前記ミキサー駆動通路が前記第1の空洞と前記第2の空洞との間に配置される、請求項29に記載のカートリッジ装置。
【請求項32】
前記硬化性多成分材料が硬化性車体修理材料を含む、請求項29に記載のカートリッジ装置。
【請求項33】
前記カートリッジハウジングがダイナミックミキサーを前記ハウジングの供給端に取り付けるための手段を更に含み、前記駆動軸線が前記取り付け手段を通じて延びる、請求項29に記載のカートリッジ装置。
【請求項34】
移動式混合ディスペンサーにおいて使用するためのカートリッジ装置であって、ハウジング内部に配置される第1の空洞を含むカートリッジハウジングであって、前記第1の空洞は前記第1の空洞の長さに沿って延びる第1の軸線を横断する第1の断面積を含み、前記カートリッジハウジングは前記ハウジング内部に配置される第2の空洞を更に含み、前記第2の空洞は前記第2の空洞の長さに沿って延びる第2の軸線を横断する第2の断面積を有するカートリッジハウジングと、
前記カートリッジハウジングの前記第2の空洞内に嵌合するサイズを有するスペーサーであって、前記第2の断面積の1%以上を占有するスペーサー断面積を画定すると共に前記第2の空洞内部に開放断面積を画定する前記スペーサーと、
前記第1の空洞内部に配置される第1の容器であって、硬化性多成分材料の第1の成分を収容する前記第1の容器と、
前記第2の空洞の前記開放断面積内部に配置される第2の容器であって、前記硬化性多成分材料の第2の成分を収容する前記第2の容器と、を備えるカートリッジ装置。
【請求項35】
前記第1の断面積と前記第2の断面積がほぼ等しい、請求項34に記載のカートリッジ装置。
【請求項36】
前記スペーサー断面積が前記第2の断面積の25%以上を含む、請求項34に記載のカートリッジ装置。
【請求項37】
前記スペーサー断面積が前記第2の断面積の50%以上を含む、請求項34に記載のカートリッジ装置。
【請求項38】
前記スペーサーが剛性のスリーブを含む、請求項34に記載のカートリッジ装置。
【請求項39】
前記スペーサーが、圧縮可能なスリーブの非圧縮長の25%以下の圧縮長へと前記第2の軸線に沿って圧縮することができる前記圧縮可能なスリーブを含む、請求項34に記載のカートリッジ装置。
【請求項40】
前記硬化性多成分材料が硬化性車体修理材料を含む、請求項34に記載のカートリッジ装置。
【請求項41】
前記第1の軸線と前記第2の軸線とが互いにほぼ平行である、請求項34に記載のカートリッジ装置。
【請求項42】
前記第1の空洞と前記第2の空洞との間に配置されるミキサー駆動通路であって、前記第1の軸線及び前記第2の軸線にほぼ平行な駆動軸線を規定するミキサー駆動通路をカートリッジハウジングが更に含む、請求項34に記載のカートリッジ装置。
【請求項43】
前記カートリッジハウジングが、ダイナミックミキサーを前記ハウジングの供給端に取り付けるための手段を更に含み、前記駆動軸線が前記取り付け手段を通じて延びる、請求項42に記載のカートリッジ装置。
【請求項44】
混合装置及び吐出装置に2つ以上の成分材料を供給するための多成分パッケージであって、
第1の軸線を規定する圧潰可能な第1の容器であって、内部に第1の成分が封入された第1の容器と、
第2の軸線を規定する圧潰可能な第2の容器であって、内部に第2の成分が封入された第2の容器と、
前記第1の容器及び前記第2の容器に取り付けられたキャップアセンブリであって、前記第1の容器の第1の端部に取り付けられた第1のキャップであって、前記第1の成分が前記第1の容器から流出して第1のキャップを通過するような流路を規定する第1のキャップと、
前記第2の容器の前記第1の端部に取り付けられた第2のキャップであって、前記第2の成分が前記第2の容器から流出して第2のキャップを通過するような流路を規定する第2のキャップと、前記第1のキャップを前記第2のキャップに連結する、
前記第1のキャップと前記第2のキャップとの間の機械的連結部とを有するキャップアセンブリと、を含む多成分パッケージ。
【請求項45】
前記第1のキャップと前記第2のキャップとが互いに連結される際に、前記第1の軸線と前記第2の軸線とが互いにほぼ平行となる、請求項44に記載のパッケージ。
【請求項46】
前記キャップアセンブリが、前記第1のキャップに穿通された通孔として駆動通路を含み、前記駆動通路が前記第1の軸線及び前記第2の軸線にほぼ平行な駆動軸線を規定する、請求項44に記載のパッケージ。
【請求項47】
ハウジング内部に配置され、前記第1の軸線に沿って延びる第1の体積を含む第1の空洞と、前記ハウジング内部に配置され、前記第2の軸線に沿って延びる第2の体積を有する第2の空洞とを含むカートリッジ装置を更に含み、前記第1の容器が前記第1の空洞内部に配置され、前記第2の容器が前記第2の空洞内部に配置される、請求項44に記載のパッケージ。
【請求項48】
多成分材料ディスペンサーであって、ハウジング包囲部材及び、ハウジング包囲部材から突出し、必要に応じて設けられるハンドルを含むフレームであって、前記ハウジング包囲部材は前端と後端とを有し、前記ハウジング包囲部材の前記前端と前記後端との間に長手方向の軸線が延びるフレームと、
前記ハウジング包囲部材の前記前端付近に配置されたカートリッジ室と、
カートリッジ室内に配置されるカートリッジであって、
前記ハウジング内部に配置された第1の空洞であって、
第1の軸線を規定する第1の体積を含む第1の空洞と、前記ハウジング内部に配置された第2の空洞であって、
第2の軸線を規定する第2の体積を含む第2の空洞と、前記第1の空洞と前記第2の空洞との間に配置されるミキサー駆動通路であって、駆動軸を規定するミキサー駆動通路と、
前記駆動軸に動作可能に連結された第1及び第2のプランジャであって、前記駆動軸の回転によって前記第1のプランジャは前記第1の空洞を通じて前記長手方向の軸線に沿って、前記第2のプランジャは前記第2の空洞を通じて前記長手方向の軸線に沿って前進する第1及び第2のプランジャと、
前記ハウジング包囲部材の前記前端に必要に応じて取り付けられるダイナミックミキサーであって、前記第1の空洞と流体連通した第1の流入口及び前記第2の空洞と流体連通した第2の流入口を含み、混合後に材料がダイナミックミキサーから流出する流出口を更に含む前記ダイナミックミキサーと、を有するカートリッジと、を含み、前記ディスペンサーは移動式かつ手持ち式であって、
前記ダイナミックミキサーの前記流出口を通じて混合された多成分材料を供給するように構成された、多成分材料ディスペンサー。
【請求項49】
前記ダイナミックミキサーの前記流出口に保持されたフロー成形アタッチメントを更に含む、請求項48に記載のディスペンサー。
【請求項50】
前記混合室に動作可能に接続されたパージ線と、前記混合室と前記第1の流入口との間に配置された第1の逆止弁と、前記混合室と前記第2の流入口との間に配置された第2の逆止弁と、を更に含む、請求項48に記載のディスペンサー。
【請求項51】
多成分材料ディスペンサーであって、
ハウジング包囲部材及び、前記ハウジング包囲部材から突出し、必要に応じて設けられるハンドルを含むフレームであって、前記ハウジング包囲部材が前端と後端とを含み、前記ハウジング包囲部材の前記前端と前記後端との間に長手方向の軸線が延びるフレームと、
前記ハウジング包囲部材の前記前端付近に配置されたカートリッジ室と、
内部にプランジャピストンが配置されたプランジャ室であって、前記ディスペンサーに接続された圧縮空気源からの圧縮空気を受容するように構成されたプランジャ室と、
前記プランジャピストンに動作可能に連結された第1のプランジャ及び第2のプランジャであって、前記ハウジング包囲部材の前記前端に向かった前記プランジャピストンの運動によって、前記第1のプランジャは前記前記第1の空洞を通じて前記長手方向の軸線に沿って、前記第2のプランジャは前記第2の空洞を通じて前記長手方向の軸線に沿って前進するような前記第1のプランジャ及び第2のプランジャと、
前記ディスペンサーに動作可能に取り付けられたエアモーターであって、前記圧縮空気源からの圧縮空気を受容するように構成されたエアモーターと、
前記ハウジング包囲部材の前記前端に取り付けられたダイナミックミキサーであって、ミキサー駆動軸を介して前記エアモーターに動作可能に取り付けられると共に、前記第1の空洞と流体連通した第1の流入口及び前記第2の空洞と流体連通した第2の流入口を有し、混合後に材料が前記ダイナミックミキサーから流出する流出口を更に含むダイナミックミキサーと、を備え、前記ディスペンサーは移動式かつ手持ち式であって、前記ダイナミックミキサーの前記流出口を通じて混合された多成分材料を連続的に供給するように構成された、多成分材料ディスペンサー。
【請求項52】
前記圧縮空気源及び前記混合室に動作可能に接続されたパージ線を更に含み、前記パージ線を通じて前記混合室に送られる圧縮空気が前記混合室内の材料を前記流出口を通じて前記混合室の外部に押し出す、請求項51に記載の多成分材料ディスペンサー。
【請求項53】
前記混合室と前記第1の流入口との間に配置された第1の逆止弁であって、前記パージ線を通じて前記混合室に圧縮空気が供給されると閉鎖する第1の逆止弁を更に含む、請求項52に記載の多成分材料ディスペンサー。
【請求項54】
前記混合室と前記第2の流入口との間に配置された第2の逆止弁であって、前記パージ線を通じて前記混合室に圧縮空気が供給されると閉鎖する第2の逆止弁を更に含む、請求項53に記載の多成分材料ディスペンサー。
【請求項55】
不飽和ポリエステル樹脂と触媒との実質的に均質な混合物を含む硬化性多成分材料であって、前記混合物が必要に応じて中空要素及び/又はスチレンを含有し、前記車体修理材料中の中空要素によって封入されていない空気の体積が硬化性多成分材料の体積の5%以下である、硬化性多成分材料。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【公表番号】特表2010−512996(P2010−512996A)
【公表日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541625(P2009−541625)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【国際出願番号】PCT/US2007/087668
【国際公開番号】WO2008/076941
【国際公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】