説明

磁性ポリマー粒子

本発明は、強磁性、フェリ磁性および/または超常磁性粒子の群から選択される磁性粒子を含む、磁性粒子が架橋ポリアクリレートまたはポリアルキルアクリレートマトリクスに包埋されている、磁性ポリマー粒子に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式(I)の官能基を含む架橋ポリアクリレートまたはポリ[(アルキルアクリレート)]マトリクスに包埋されている強磁性、フェリ磁性および/または超常磁性粒子を含む磁性ポリマー粒子に関し、
−C(=O)−M−R (I)
ここで
Mは−O−、−NH−または−N(C1−C6−アルキル)−でありうる;
Rは水素またはYX基でありうるが、ここで
Yは下記でありうる
アルキレン基−(CH2l−、および1は整数1、2、3、4、5または6でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]g−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]h
ここでgおよびhは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
−CH2−CH2CH(OH)]−および/または−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)−
−[CH2−CH(OH)]m−および/または−[CH(OH)−CH2]n
ここでmおよびnは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2)b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、
ここでAおよびBは互いに独立して−NH−、−N(C1−C6−アルキル)−または−O−でありえ、およびaは整数1、2、3、4、5または6でありえ、およびbは整数1、2、3、4、5、6、7または8でありうる;
Xは下記でありうる
水素、−OH、−O−C1−C6−アルキル、−O−C6−C10−アリール、1、2、3、4、5または6炭素原子から成るアルキレン鎖を有する−O−C7−C14−アルキルアリールおよびC6−C12−アリールラジカル;
−C1−C6−アルキル、−C6−C12−アリール、ヘテロアリール、随意的にC1−C6−アルキレン基を介して結合しているイミダゾリルラジカル;
1、2、3、4、5または6炭素原子から成るアルキレン鎖を有するC7−C14−アルキルアリールおよびC6−C12−アリールラジカル;
次の一般式の置換基であって、
【化1】

ここで
1、R2およびR3は互いに独立して水素、C1−C6−アルキルおよび/またはC6−C10−アリール;
−CN、−NC、−N3
−C(=O)−R4およびR4は水素、OH、C1−C6−アルキル、−O−C1−C6−アルキル、C6−C10−アリールまたは−O−C6−C12−アリールでありうる;
−NH2、−NHR5およびR5は水素、C1−C6−アルキルおよび/またはC6−C12−アリールでありうる;
F、Cl、BrまたはI;
−SHまたは−S−S−H;
2−チオピリジルまたは4−チオピリジル;
−S(=O)−CH2−CF3
アシルイミダゾール、マレイミドまたはアズラクトン基でありうる;
または
RはY'X'L基でありうるが、ここで
Y'は下記でありうる
単結合;
アルキレン基−(CH2q−およびqは整数1、2、3、4、5または6でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]i−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]o
ここでiおよびoは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
−CH2−CH2CH(OH)−および/または−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)−
−[CH2−CH(OH)]r−および/または−[CH(OH)−CH2]s
ここでrおよびsは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2)b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、
ここでAおよびBは互いに独立して−NH−、−N(C1−C6−アルキル)−または−O−でありえ、およびaは整数1、2、3、4、5または6でありえ、およびbは整数1、2、3、4、5、6、7または8でありうる;
−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2)b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、
ここでAおよびBは−NH−でありえ、aは整数1または2でありえ、およびbは6でありうる;
X'は下記でありうる
単結合;
−CH(OH)−CH2−O−、−CH(OH)−CH2−S−、−CH(OH)−CH2−NH−、−CH(OH)−CH2−N(C1−C6−アルキル)−、−O−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)N(C1−C6−アルキル)−;
−CR12−R3CH−O−、−O−CR12−CHR3−、ここでR1、R2およびR3は上記の意味を有する;
−NH−または−N(C1−C6−アルキル)−;
Lは下記でありうる
−C(=O)−NH−(CH2u−[NH−(CH22]v−NH2およびuおよびvはそれぞれの場合に互いに独立して整数1、2、3または4でありうる;
−(CH2w−C(=O)OHおよびwは整数1、2、3、4、5または6でありうる;
たとえばε−Nを介して結合するニトリロ三酢酸残基のような三座、四座または五座キレート剤、分子量約500から200000Daのいわゆる低分子量、高分子量または直鎖ポリエチレンイミン残基、アミノラジカル、好ましくはポリアミン残基、スペルミジン、カダベリン、ジエチレントリアミン、スペルミン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザシクロオクタデカン、カルボン酸残基、または結合した抗体、好ましくは二次抗体、タンパク質、ビオチン、オリゴヌクレオチドまたはストレプトアビジン、IDA、DEOまたはTED(トリスカルボキシ−メチルエチレンジアミン)または
−CH2−CH2−N−(CH2COO-)[CH(COO-)CH2COO-)]。
【0002】
好ましい磁性ポリマーは一般式(I)の官能基を含み、ここで
Mは−O−、−NH−または−N(C1−C6−アルキル)−でありうる;
Rは水素;
または
−YX基でありうるが、ここで
Yは下記でありうる
アルキレン基−(CH2l−、および1は整数1、2、3、4、5または6でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]g−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]h
ここでgおよびhは互いに独立して整数1、2、3または4でありうる、
−CH2−CH2CH(OH)−および/または−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)−、
−[CH2−CH(OH)]m−および/または−[CH(OH)−CH2]n
ここでmおよびnは互いに独立して整数1、2、3または4でありうる;
−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2)b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、
ここでAおよびBは−NH−でありえ、aは整数1または2でありえ、およびbは6でありうる;
Xは下記でありうる
水素、−OH、−O−C1−C4−アルキル、−O−C6−C10−アリール、1、2、3、4、5または6炭素原子から成るアルキレン鎖を有する−O−C7−C14−アルキルアリールおよびC6−C12−アリールラジカル;
−C1−C6−アルキル、−C6−C12−アリール、ヘテロアリール、随意的にC1−C6−アルキレン基を介して結合しているイミダゾリルラジカル;
次の一般式の置換基であって、
【化2】

ここで
1、R2およびR3は互いに独立して水素、C1−C3−アルキル;
−NH2、−NHR5およびR5は水素、C1−C4−アルキルでありうる;
F、ClまたはBr;
−CN、−NC;
−SHまたは−S−S−H;
2−チオピリジルまたは4−チオピリジル;
−S(=O)−CH2−CF3(トレシル);
アシルイミダゾール、マレイミドまたはアズラクトン基でありうる;
または
RはY'X'L基でありうるが、ここで
Y'は下記でありうる
単結合;
アルキレン基−(CH2q−およびqは整数1、2、3、4、5または6でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]i−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]o
ここでiおよびoは互いに独立して整数1、2、3または4でありうる;
−CH2−CH2CH(OH)−および/または−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)−、
−[CH2−CH(OH)]r−および/または−[CH(OH)−CH2]s
ここでrおよびsは互いに独立して整数1、2、3または4でありうる;
−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2)b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、
ここでAおよびBは−NH−でありえ、aは整数1または2でありえ、およびbは6でありうる;
X'は下記でありうる
単結合;
−CH(OH)−CH2−O−、−CH(OH)−CH2−S−、−CH(OH)−CH2−NH−、−CH(OH)−CH2−、−N(C1−C3−アルキル)−、−O−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)N(C1−C3−アルキル)−;
−CR12−R3CH−O−、−O−CR12−CHR3−、ここでR1、R2およびR3は上記の意味を有する;
−NH−または−N(C1−C3−アルキル)−;
Lは下記でありうる
−C(=O)−NH−(CH2u−[NH−(CH22]v−NH2およびuおよびvはそれぞれの場合に互いに独立して整数1、2、3または4でありうる;
−(CH2w−C(=O)OHおよびwは整数1、2、3または4でありうる;
たとえばε−Nを介して結合するニトリロ三酢酸残基のような三座、四座または五座キレート剤、好ましくは分子量500から200000Daのいわゆる低分子量、高分子量または直鎖ポリエチレンイミン残基、ポリアミン残基、スペルミジン、カダベリン、ジエチレントリアミン、スペルミン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザシクロオクタデカン、カルボン酸残基、または結合した抗体、好ましくは二次抗体、タンパク質、ビオチン、オリゴヌクレオチドまたはストレプトアビジン、IDA、DEO、TED(トリスカルボキシメチルエチレンジアミン),
−CH2−CH2−N−(CH2COO-)[CH(COO-)CH2COO-)]。
【0003】
特に好ましい磁性ポリマーは一般式(I)の官能基を含み、ここで
Mは−O−または−NH−でありうる;
Rは水素;
または
YX基でありうるが、ここで
Yは下記でありうる
アルキレン基−(CH2l−および1は整数1、2、3、4、5または6でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]g−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]h
ここでgおよびhは互いに独立して整数1または2でありうる、
−CH2−CH2CH(OH)−および/または−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)−;
−[CH2−CH(OH)]m−および/または−[CH(OH)−CH2]n
ここでmおよびnは互いに独立して整数1または2でありうる、
Xは下記でありうる
水素、−OH、−O−C1−C4−アルキル、−O−C6−C10−アリール;
次の一般式の置換基であって、
【化3】

ここで、R1、R2およびR3は、互いに独立して水素またはC1−C2−アルキル;
−NH2
ClまたはBr;
−S(=O)−CH2−CF3でありうる;
または
RはY'X'L基でありうるが、ここで
Y'は下記でありうる
単結合;
アルキレン基−(CH2q−およびqは整数1、2または3でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]i−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]o
ここでiおよびoは互いに独立して整数1または2でありうる;
−[CH2−CH2CH(OH)]−,
−[CH2−CH(OH)]r−および/または−[CH(OH)−CH2]s
ここでrおよびsは互いに独立して整数1または2でありうる;
X'は下記でありうる
単結合;
−CH(OH)−CH2−O−、−CH(OH)−CH2−S−、−CH(OH)−CH2−NH−、−CH(OH)−CH2−N(C1−C3−アルキル)−、−O−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)N(C1−C3−アルキル)−;
−CR12−R3CH−O−、−O−CR12−CHR3−、ここでR1、R2およびR3は上記の意味を有する;
−NH−;
Lは下記でありうる
−C(=O)−NH−(CH22−[NH−(CH2u]v−NH2、ここでuは1または2でありえ、およびvは2でありうる;
−(CH2w−C(=O)OHおよびwは整数1または2でありうる;
たとえばε−Nを介して結合するニトリロ三酢酸残基のような三座、四座または五座キレート剤、好ましくは分子量500から200000Daのいわゆる低分子量、高分子量または直鎖ポリエチレンイミン残基、ポリアミン残基、スペルミジン、カダベリン、ジエチレントリアミン、スペルミン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザシクロオクタデカン、カルボン酸残基、または結合した抗体、好ましくは二次抗体、タンパク質、ビオチン、オリゴヌクレオチドまたはストレプトアビジン、IDA、DEOまたはDEOまたはTED(トリスカルボキシメチルエチレンジアミン)、
−CH2−CH2−N−(CH2COO-)[CH(COO-)CH2COO-)]。
【0004】
非常に特に好ましい磁性ポリマーは一般式(I)の官能基を含み、ここで
Mは−O−または−NH−でありうる;
Rは水素または
YX基でありうるが、ここで
Yは下記でありうる
単結合;
アルキレン基−(CH2l−および1は整数1、2、3、4、5または6でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]g−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]h
ここでgおよびhは互いに独立して整数1または2でありうる;
−[CH2−CH2CH(OH)]−
−[CH2−CH(OH)]m−および/または−[CH(OH)−CH2]n
ここでmおよびnは互いに独立して整数1または2でありうる;
Xは下記でありうる
水素;
次の一般式の置換基であって、
【化4】

ここで、
1、R2およびR3は、水素;
−NH2でありうる;
または
RはY'X'L基でありうるが、ここで
Y'は下記でありうる
単結合;
アルキレン基−(CH2q−およびqは整数1、2、3、4、5、または6でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]i−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]o
ここでiおよびoは互いに独立して整数1または2でありうる;
−CH2−CH2CH(OH)−または
−[CH2−CH(OH)]r−および/または−[CH(OH)−CH2]s
ここでrおよびsは互いに独立して整数1または2でありうる;
X'は下記でありうる
単結合;
CH(OH)−CH2−O−、−CH2−CH(OH)−O−;
−CR12−R3CH−O−、−O−CR12−CHR3−、ここでR1、R2およびR3は上記の意味を有する;
−NH−;
Lは下記でありうる
−C(=O)−NH−(CH22−[NH−(CH2u]v−NH2、ここでuは1または2でありえ、およびvは2でありうる;
−(CH2w−C(=O)OHおよびwは整数1または2でありうる;
ε−Nを介して結合するニトリロ三酢酸残基、
NTA、IDA/DEO、TED、スペルミンまたは二次抗体
−CH2−CH2−N−(CH2COO-)[CH(COO-)CH2COO-)]。
【0005】
本発明はさらに、磁性ポリマーを調製するための方法に、および試料から少なくとも一つの生体分子種を単離および/または分析するための方法に関する。
【0006】
近年、磁性粒子は、さまざまな生体分子を精製、分離および分析するための方法にますます用いられている。そのような磁性粒子は通常、ガラス様のまたはポリマー性のマトリクスに結合した、磁性のまたは磁化できる無機材料を含む。磁性粒子の表面はこの場合、たとえば細胞溶解物といった試料由来の特定の生体分子がこの表面へ選択的に結合されうるように構成されている。生体分子が結合した磁性粒子は、外部磁場を試料へ加えることによって試料から容易に除去されうる。生体分子はその後、磁性粒子の適当な処理によって溶出でき、およびそのようにして純粋な形でまたは濃縮された状態で得ることができる。
【0007】
米国特許出願2001/0014468 A1はポリビニルアルコールを基礎とする磁性ポリマー粒子を記載する。これらの粒子は、コロイド状に分散した磁性粒子を含むポリビニルアルコール水溶液が、ポリマー相と不混和性である少なくとも二つの乳化剤を含む有機溶媒と懸濁される方法によって調製される。有機溶液はさらに、水溶性架橋剤を含み、それによってポリビニルアルコール小滴が懸濁される間に架橋される。この方法で得られた磁性ポリマー粒子はその後、使用目的に基づいて活性化でき、または適当な官能基を有するポリマー側鎖によって官能化されうる。
【0008】
仏国特許出願FR 2531452 A1は、内部に強磁性粒子が分散している、多孔質高融点金属酸化物を含む磁性キャリヤーマトリクスを記載する。酸化物は過剰の二官能性側基を有する架橋ポリアミドを含浸されている。このマトリクスは、酵素を固定化するために使用される。
【0009】
米国特許第4,795,698号明細書は、少なくとも二種の遷移金属イオンをポリマーの存在下で共沈澱させることによって得られる磁性ポリマー粒子を記載する。該ポリマーは、磁性ポリマー沈澱を結合するために、適当な配位部位を含む。この方法で得られた粒子は、官能化ポリマーを適当に選択することによって、イムノアッセイ法に使用されうる。
【0010】
米国特許第4,358,388号明細書は、有機重合可能相中の磁性粒子の分散物、および少なくとも一つの乳化剤を含む水相から構成される均一な乳液の乳化重合によって調製される磁性ポリマー粒子を記載する。有機相は、重合可能なモノマーとして、少なくとも一つの芳香族ビニル化合物または少なくとも一つの芳香族ビニル化合物および共重合可能なモノマー、たとえばアルキルアクリル酸またはアルキルメタクリレートの混合物を含む。
【0011】
一つ以上の種の生体分子を磁性ポリマー粒子の表面上に特異的に結合する能力は、使用するポリマーの性質およびこのポリマー上に存在する官能基によって相当な程度決定される。さらに、固定化する反応の選択性が満たすべき必要条件は、固定化された生体分子の以降の使用目的に依存する。しばしば単に、固定化によって目的の生体分子種の濃縮を達成すれば十分である;別の用途では、可能な限り純粋な状態で、直接に、または以降の精製段階が少数で、目的の生体分子種を得るために、より高い選択性が必要であるかまたは少なくとも望ましい。磁性ポリマー粒子はさらに、磁性ポリマー粒子の使用を効率的および費用効果的にするために、固定化すべき生体分子種について可能な限り高い結合容量を有するべきである。しかし、原則として、高い結合容量は通常は、小さい粒子サイズまたは高い多孔性によってのみ達成されうるということが正しい。しかし、小さい粒子サイズは、ポリマー粒子の十分な磁性化を達成することを困難にする。
【0012】
先行技術で公知である磁性ポリマーは、しかし、せいぜい非常に低い多孔性を有するか、または全く有しないため、したがって固定化に利用可能な表面に不利な影響を与える。
【0013】
別の問題は、磁性粒子を適当なポリマーマトリクス中に組み込むことについてである。特に、磁性粒子および有機相の分離、重合の前または間の磁性粒子の凝集、およびポリマーマトリクスおよび磁性粒子の間の適当な接着を達成することが、しばしば問題を提示する。
【0014】
このように、十分に高い選択性で生体分子を固定化できる磁性ポリマー粒子の必要性がある。特に、さまざまな方法で官能化でき、および簡単に、好ましくは従来の化学的方法によって、適当な選択性で試料由来の生体分子を固定化できるリガンドで修飾されうる、磁性ポリマー粒子の必要性がある。さらに、修飾ポリマー粒子が各生体分子について最大の結合容量を有すること、および、同時に、最大の磁性化可能性を有することが意図された。
【0015】
本発明の目的は、したがって、上記で考察した先行技術の欠点を除去または少なくとも軽減することである。
【0016】
この目的は、独立請求項1で請求される磁性ポリマー粒子および独立請求項21で請求される方法によって達成される。本発明の他の実施形態、態様、詳細および長所は、従属請求項および下記の説明から明らかである。
【0017】
第一の態様では、本発明は、強磁性、フェリ磁性および/または超常磁性粒子の群から選択される磁性ポリマー粒子に関する。磁性粒子は架橋ポリアクリレートまたはポリ[アルキルアクリレート]マトリクスに包埋されている。ポリマーマトリクスはカルボキシ基−C(=O)OHまたはカルボキシルエステルまたはカルボキサミド基または一般式Iに記載される他の適当な誘導体化カルボキシル構造を含み、そのそれぞれが特にスペーサー基Yおよび反応基Xを有しうる。磁性ポリマー粒子は、好ましくは5ないし25μmの範囲の、特に好ましくは6ないし20μmの範囲の、非常に特に好ましくは10ないし15μmの範囲の平均粒子サイズ、および、好ましくは20ないし500nmの範囲の、特に好ましくは30ないし400nmの範囲のおよび非常に特に好ましくは80ないし250nmの範囲の最大孔半径を有する孔を有する。
【0018】
官能化可能なカルボキシル基、または置換基を有しおよび官能化可能なカルボキシル基を持つポリアクリレートまたはポリ[(アルキル)アクリル酸]マトリクスの使用は、適当な磁化可能性を確実にする相対的に大きいポリマー粒子の調製、および同時に、生体分子の固定化に適した多数のリガンドを用いたさらなる官能化を簡単な方法で可能にする。
【0019】
ポリマーマトリクスは最初は、遊離のアクリル酸またはたとえばメタクリル酸のような(アルキル)アクリル酸が重合すべきモノマーとして用いられている場合は、エステル化されていないカルボキシ基を含む。ポリマーマトリクスが他の官能化可能な基を含むべき場合は、適当に誘導体化されたアクリルまたは(アルキル)アクリルエステル−特にメタクリルエステル−をモノマーとして使用でき、そのエステル残基を少なくとも以降の段階で反応基へ変換することが可能であり、これは必要に応じて、さらなる官能化、特に生体分子を固定化するリガンド、またはリガンドが最終的に結合するスペーサー基の共有結合化を可能にする。
【0020】
したがって、磁性ポリマー粒子のポリマーマトリクスは、一般構造−Y−Xを有する官能基を含むことができ、ここでYはスペーサーであり、およびXは好ましくは反応基である。
【0021】
官能基の反応基Xとして、目的のリガンドをスペーサーへ結合する化学反応を可能にする任意の基を使用することが可能である。たとえば、スペーサー上での置換反応を可能にする、それによってリガンドがスペーサーへ共有結合される、反応基Xを使用することができる。そのような反応の例は、エーテル化、エステル化、アミド生成、イミノ結合の生成などである。
【0022】
官能基の反応基Xは、好ましくは、水素、ヒドロキシ、エポキシ、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、イミダゾリル−必要に応じてC1からC6アルキレン架橋を介して結合している、C(O)H、C(O)R、−C(O)OH、C(O)R、−NH2、−NHR、アジド、シアノ、イソシアノ、−SH、−SSH、チオピリジニル(2−または4−チオピリジル)、アリール、ハロゲン(hal)、トレシル(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)、アシルイミダゾリルおよびマレイミドリルまたはアズラクチル基から成る群から選択される。
【0023】
エポキシ基のうち、オキシラン−2−イル基が好まれるが、しかし下記に示す式に記載の置換エポキシ基を使用することもまた可能である:
【化5】

この場合、ラジカルR1、R2、およびR3は互いに独立して、水素、C1−C6−アルキル、C6−C12−アリール−好ましくはC1−C3−アルキルから成る群から選択されうる。
【0024】
1−C6−アルキル基とは、本発明との関連では 特に下記の基を意味する:C1:メチル;C2:エチル;C3:プロピル、イソプロピル、C4:ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、C5:n−ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、C6:ヘキシル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピルおよび/または1−エチル−2−メチルプロピル。アルキル基は随意的に、同一かまたは異なりうる、一つ以上の置換基−たとえばニトロ基、アミノ基および/または一つ以上のハロゲン原子によって置換されうる。低級、たとえば−C1−C3−アルキルラジカルは対応して定義される。
【0025】
シクロアザアルキル基とは、本発明に関連して、1から15個−好ましくは1から12個の炭素原子および1から15個−好ましくは1から6個、特に好ましくは3および4個の−窒素原子を有する、下記の群から選択される一つ以上の置換基で随意的に置換されうる、5から16員環の飽和環系を意味する:同一かまたは異なりうる、1から6炭素原子を有する低級アルキルラジカル(C1−C6−アルキル基)、1から6炭素原子を有するアルコキシ基(C1−C6−アルコキシ基)、ニトロ基、アミノ基、今度は随意的に1個、2個または3個の炭素原子を有するアルキレン基を介して環状部分構造へ結合されうる、および/または一つ以上のハロゲン原子。これらの環系のうち、ピロリジン、ピペリジンおよびピペラジンが好ましい。シクロアザアルキル系はさらにまた、たとえばモルホリンでの場合のように、窒素の他に、1、2、3または4個の酸素原子も環のメンバーとして有しうる。
【0026】
6から12炭素原子(C6−C12−アリール)を有するアリールラジカルとは、下記の群から選択される一つ以上の置換基で随意的に置換されうる芳香族置換基を意味する:同一かまたは異なりうる、1から6炭素原子を有する低級アルキルラジカル(C1−C6−アルキル基)、1から6炭素原子を有するアルコキシ基(C1−C6−アルコキシ基)、ニトロ基、アミノ基および/または一つ以上のハロゲン原子。好ましいアリールラジカルの実施形態は、たとえばフェニル、またはナフチル、またはフルオレニルといった縮合芳香族系、またはビフェニルといった他の系である。より小さいアリールラジカル(たとえばC6−C10−アリール)でも同様である。
【0027】
ヘテロアリールラジカルとは、本発明によると、少なくとも一つのヘテロ原子を有する主に5または6員環系である。実施形態の例は、一方ではピロリルおよびフラニルまたはイソチアゾリル、および他方ではピリジル、ピラジニルまたはトリアジニルである。
【0028】
7から14炭素原子を有するアラルキルラジカルとは、アルキレン架橋を介して結合しているアリールラジカルを意味する。さらに、芳香族部分構造および下記の群から選択される置換基によって随意的に芳香族部分構造が可能である:同一または異なりうる、1から6炭素原子を有する低級アルキルラジカル(C1−C6−アルキル基)、1から6炭素原子を有するアルコキシ基(C1−C6−アルコキシ基)、ニトロ基、アミノ基および/または一つ以上のハロゲン原子。アリールラジカルに6から10炭素原子を有しおよび脂肪族部分構造に1から3炭素原子を有するアラルキルラジカル、たとえばベンジルまたはフェネチルが本発明によると好ましい;ベンジルラジカルが特に好ましい。
【0029】
適当な反応性ハロゲン置換基は、F、Cl、BrおよびI、特にClおよびBrである。
【0030】
適当なスペーサーYは、適当な重合可能モノマーを与える合成上の考慮、またはその市販入手可能性に基づいて選択でき、または他にスペーサー基は固定化するリガンドを用いて後で実施すべき官能化を目的に選択される。「スペーサー」または「スペーサー基」は、本発明に関連して、ポリマーマトリクスのカルボキシ基と結合できおよびそれによってスペーサーに結合している反応基を付けることができ、およびリガンドと反応してマトリクスのポリマー構造から少し離れて結合を形成できる、すべての化学基を意味する。これらの「スペーサー」を用いることによって、リガンドに関して反応基の接近可能性を改善することが可能である。
【0031】
本発明の一実施形態では、官能基のスペーサーYは下記から成る群から選択される:
1.−(CH2l−および1は整数1、2、3、4、5または6でありうる;
2.下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]g−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]h
ここでgおよびhは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
−CH2−CH2CH(OH)−および/または−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)−
−[CH2−CH(OH)]m−および/または−[CH(OH)−CH2]n
ここでmおよびnは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
3.たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのような、アルキリデングリコール;
1.単糖、二糖または多糖;
2.ポリエチレンイミン;
3.ポリアクリル酸;
4.−CH2−CH(OH)−CH2または−CH2−C(CH2OH)H−
5.−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2)b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、ここでAおよびBは互いに独立して−NH−、−N(C1−C6−アルキル)−または−O−基、好ましくは−NH−でありうる、aは整数1、2、3、4、5または6−好ましくは1または2−でありうる、およびbは整数1、2、3、4、5、6、7または8−好ましくは6でありうる。
6.二官能性および/または三官能性架橋剤(たとえば下記の官能基を有する二官能性スペーサー:イミドエステルR−C(=NH)−OR'、ヒドラジド、マレイミド、アルデヒド、エポキシド、ヨード酢酸、ヨードアセトアミド、アシルイミダゾール、ジアゾニウムアリール、ハロゲン化物、およびBASED(ビス[b−(4−アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド)のような光反応性二官能性スペーサー;
7.ペプチドスペーサー。
【0032】
エポキシ官能化(X)ポリマーマトリクスとの関連において−CH2−スペーサー基(Y)の使用は、アクリル酸のカルボキシ基が特に単純な方法でエピクロロヒドリンまたはエピブロモヒドリンと反応できるため、特に有利である。同様に、アクリル酸モノマーのカルボキシ基が第一の段階でエピクロロヒドリンまたはエピブロモヒドリンとエステル化され、およびその後に反応基X、または反応基Xを含む基がエポキシ基を介して導入される場合、上記7)項のスペーサーを使用することが有利である。
【0033】
別の態様では、本発明は、架橋ポリアクリレートまたはポリ(アルキル)アクリル酸マトリクスに包埋されている強磁性、フェリ磁性または超常磁性粒子を含む磁性ポリマー粒子に関する。この場合、ポリアクリレートまたはポリ[(アルキル)アクリル酸]マトリクスは、R=Y'X'L型の基を含む。
【0034】
この態様に記載の磁性ポリマー粒子は、本発明の上記の第一の態様に記載の磁性ポリマー粒子の官能化によって単純な方法で得ることができる。したがって、第一の態様に記載の磁性ポリマー粒子に関してなされた記述は、本発明の第二の態様に記載の磁性ポリマー粒子にも同様に当てはまる。磁性ポリマー粒子に関する差はしたがって、第二の態様に記載される、適当なリガンド(一般式ではRで表される構造的性質−Y'−X'−L)を用いた追加の官能化に関して現れる。
【0035】
本発明のこの態様の一実施形態では、連結基X'によってリガンドがポリアクリレートまたはポリアルキルアクリレートマトリクスに結合される連結基X'は、−CH(OH)−CH2−O−、−CH(OH)−CH2−S−、−CH(OH)−CH2−NH−、−CH(OH)−CH2−NR−、−O−、−NH−、−NR−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)NRから成る群から選択され、およびここでRはC1−C3−アルキル基である。リガンドはこのように、イミノ基(−NH−)、アミド基(−C(=O)NH−)、カルボキシ基(−C(=O)O−)、オキソ基(−O−)またはチオ基(−S−)を介してポリマーマトリクスへ結合されうる。リガンドがポリアクリレートまたはポリ(アルキル)アクリル酸マトリクスの遊離カルボキシ基へ直接結合される場合には、共有結合化は、エステル化、アミド生成または、最新技術から公知であるカルボキシ基の他の誘導体化によって起こる。リガンドが共有結合されうる反応基−Xを有するスペーサー−Yの使用は、カルボキシ基への直接結合と比較して、可能な結合型の範囲をさらに拡大し、および(たとえば立体効果の消去によって)リガンドに関する反応基の接近可能性を改善しうる。
【0036】
したがって、本発明の一実施形態では、生体分子を固定化できるリガンドが、ポリマーマトリクスのカルボキシ基へ直接結合されている。代替的に、それらは上記の反応基の少なくとも一つを有するスペーサーを介してポリマーマトリクスのカルボキシ基へ間接的に結合されている。
【0037】
本発明のこの態様の別の一実施形態では、リガンドが適当な反応基Xを介して結合されうるスペーサーYとして使用されるラジカルは、下記から成る群から選択される:
a)−(CH2l−、l=整数1、2、3、4、5、または6である;
b)下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]g−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]h
ここでgおよびhは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
CH2−CH2CH(OH)および/またはCH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)]−
−[CH2−CH(OH)]m−および/または−[CH(OH)−CH2]n
ここでmおよびnは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
c)たとえば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールのような、アルキリデングリコール;
d)単糖、二糖または多糖;
e)ポリエチレンイミン;
f)ポリアクリル酸;
g)−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、ここでAおよびBは互いに独立して−NH−、−N(C1−C6−アルキル)−または−O−基、好ましくは−NH−である、nは1〜6、好ましくは1または2である、およびmは1〜8、好ましくは6である。
h)二官能性および/または三官能性架橋剤(たとえば下記の官能基を有する二官能性スペーサー:イミドエステルR−C(=NH)−OR'、ヒドラジド、マレイミド、アルデヒド、エポキシド、ヨード酢酸、ヨードアセトアミド、アシルイミダゾール、ジアゾニウムアリール、ハロゲン化物、およびBASED(ビス[b−(4−アジドサリチルアミド)エチル]ジスルフィド)のような光反応性二官能性スペーサー;
i)ペプチドスペーサー。
【0038】
これらのスペーサーは、マトリクスのカルボキシ基へ直接結合でき、または、他のスペーサー、特に本発明の第一の態様に関連して記載されたものを介して、スペーサーへ結合した反応基によって、カルボキシ基へ同様に結合できる。
【0039】
好ましくは生体分子を固定化できるリガンドは、特に、タンパク質、核酸、オリゴヌクレオチドまたは一次または二次抗体を固定化できるリガンドでありうる。特にリガンドとして三座、四座または五座キレート剤、好ましくはニトリロ三酢酸残基を使用することが可能である。ポリエチレンイミン残基もまた使用されうる。これらは分枝または非分枝でありうる。別の可能性は、アミノ基を含むラジカル、たとえば−(CH2n−NR1020型のアルキルアミノ基を使用することであり、ここでnは、0の他に、整数、好ましくは1、2、3、4、5または6、特に2、3、4、5または6であり、およびR10およびR20は互いに独立して−HおよびC1−C6−アルキル、特にC1−C3−アルキル、アミンおよび/またはポリアミン残基から成る群から選択される。別の可能性は、カルボン酸残基、タンパク質、ビオチン、オリゴヌクレオチド、ストレプトアビジンまたは結合した抗体を使用することである。ポリアミンは、好ましくは、2、3、4、5または6アミノ基を有する開鎖および環状ポリアミンから成る群から選択される.ポリアミンは、好ましくは、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、スペルミジン、カダベリン、ジエチレントリアミン、スペルミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ペンタエチレンヘキサアミン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザシクロオクタデカンおよびtris(2−アミノエチル)アミンなどから成る群から選択されうる。
【0040】
使用されうるカルボン酸残基は、特にカルボキシラジカル(−C(=O)OH)自体、アルキレンカルボキシラジカル(−アルキレン−C(=O)OH)であり、ここでアルキル架橋は分枝または非分枝C1−C12−アルキル基、好ましくは随意的に分枝または非分枝C2−C6−アルキル基でありうる;アリール部分構造へ結合したカルボキシ基(アリール−C(=O)OH)を使用することが皿に可能であり、たとえばフェニルカルボキシ基、すなわちこの場合には上述のアルキレン架橋がフェニル系によって置換されている。
【0041】
好ましくは本発明に関連して、好ましくは下記から成る群から選択される、強磁性またはフェリ磁性粒子の使用がある:γ−Fe23(磁赤鉄鉱)、Cr23、およびフェライト、特に(M2+O)Fe23型、ここでM2+は二価遷移金属陽イオンである、および好ましくはFe34(磁鉄鉱)である。しかし、同様に他の強磁性またはフェリ磁性粒子を使用することが可能である。これらの粒子は、5μm未満、好ましくは1μm未満、特に好ましくは0.05ないし0.8μmの範囲の、非常に特に好ましくは0.1ないし0.4μmの範囲の平均粒子直径を有する。
【0042】
適当な市販の強磁性またはフェリ磁性粒子の例は、バイオキサイド(Bayoxide)E AB 21(ランクセス社(Lanxess AG)、ドイツ、レーバークーゼン(Leverkusen))のようなγ−Fe23を基礎とする強磁性粒子、ランクセス社(ドイツ、レーバークーゼン)からバイオキサイドE 8706、E 8707、E 8710およびE 8713H型として、およびBASF社(BASF AG)(ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン(Ludwigshafen))から磁性色素(magnetic pigment)340および磁性色素345として入手可能なフェリ磁性磁鉄鉱である。
【0043】
さらにまた超常磁性粒子を使用することが可能である。適当な超常磁性材料は、Fe、Fe34、Fe23、超常磁性フェライト、Co、Nおよび二元および/または三元化合物(合金)である。ここで例として直径約300A以下の酸化鉄結晶に言及できる。
【0044】
ポリマーマトリクスは、本発明と関連して好ましくはジまたはポリアクリレートまたはジまたはポリ(アルキル)アクリレートを用いることによって架橋されている。これらは好ましくは、エチレングリコールアクリル酸、エチレングリコール(アルキル)アクリレート、特にエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコール(アルキル)アクリレート、特にポリエチレングリコールメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよびペンタエリスリトールトリアクリレート、グリセロールトリアクリレート、グリセロールトリメタクリレート、グリセロールプロピレートトリアクリレート、グリセロールプロピレートトリメタクリレートまたは他にジビニルベンゼンおよびその有機修飾された誘導体、たとえば、2−ヒドロキシ−1,4−ジビニルベンゼン、から成る群から選択される。これらの架橋剤は、使用されるアクリル酸および(アルキル)アクリル酸モノマーに関して特に適することが証明されている。
【0045】
別の態様では、本発明は磁性ポリマー粒子を調製するための方法に関する。この方法は:
a)第一の有機相中の磁性粒子の分散物の調製、ここで磁性粒子は強磁性、フェリ磁性または超常磁性粒子から成る群から選択され、およびここで第一の有機相は下記を含む
a.1.)アクリル酸、(アルキル)アクリル酸、または−C(=O)−O−Y−X型の置換カルボキシル基を含みここでYはスペーサー基でありおよびXは反応基であるアクリレートおよび(アルキル)アクリレートから成る群から選択される、一つ以上のアクリル酸モノマー、
a.2.)二つ以上のアクリル酸または(アルキル)アクリル酸基を含む、少なくとも一つの架橋剤、
a.3.)少なくとも一つの親油性フリーラジカル開始剤、および
a.4.)少なくとも一つの有機細孔形成剤、
b)その分散物を第二の有機相に混合およびホモジナイズして乳液を形成、ここで第二の有機相は
b1)少なくとも一つの液体疎水性化合物および
b2)少なくとも一つの界面活性物質を含む、
および
c)乳液のフリーラジカル重合、
の段階を含み、
ここで、この方法で得られた磁性ポリマー粒子は、好ましくは5ないし25μmの範囲、特に好ましくは6ないし20μmの範囲、非常に特に好ましくは10ないし15μmの範囲の平均粒子サイズ、および好ましくは20ないし500nmの範囲、特に好ましくは30ないし400nmの範囲、非常に特に好ましくは80ないし250nmの範囲の最大孔半径を有する孔を有する。
【0046】
既に上述したもののような磁性ポリマー粒子は、この方法によって得ることができる。
【0047】
乳液は好ましくは、混合物中に存在する酸素を追い出すため、フリーラジカル重合の前に、不活性ガスで洗浄される。相応に、その後の重合は好ましくは保護ガス雰囲気下で実施される。これに関連して保護ガスまたは不活性ガスとして特に適しているのは窒素またはアルゴンであり、より低いコストのため窒素が好ましい。しかし、他の保護ガス、特にヘリウムまたはクリプトンといった他の希ガスもまた使用されうる。
【0048】
磁性粒子は、分散物の調製前または調製中に、好ましくは磨砕および/または脱凝集化される。最初の磁性粒子の凝集はそれによって防がれ、および分散およびその後の乳液のホモジナイズが促進および改善される。超音波法、撹拌法および/またはたとえばボールミルでの粉砕法が、粉砕または脱凝集化に使用されうる。
【0049】
フリーラジカル重合は好ましくは、50℃以上の温度で、好ましくは50℃ないし120℃、好ましくは60℃ないし90℃の温度で実施される。
【0050】
本発明の方法の一実施形態では、第一の有機相中のモノマーは一般式(II)に記載の化合物であり:
2C=CR'−C(=O)−OZ (II)
ここでR'はH−またはC1−C3−アルキルであり、Zは水素(−H)または一般式−Y−Xの基であり、およびYはスペーサーでありおよびXは上記で定義される通りであり、たとえば−OH、−NH2、−C(=O)OH、ハロゲン(hal)、トレシル、マレイミドおよびエポキシ基を含む群から選択される。スペーサーは、たとえば1が整数1、2、3、4、5または6である−(CH2l−基、または−CH2−CH(OH)−CH2−基でありうる。これに関連して適当なスペーサーは同様に、始めに定義されたすべての基の他に、前述の態様、特に本発明の第一の態様に記載の磁性ポリマー粒子に関連して言及されている基である。
【0051】
好ましい一実施形態では、第一の有機相中のモノマーは、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸およびアクリル酸、および一般式(III)のアクリル酸誘導体から成る群から選択される:
2C=CR'C(=O)O−(CH2cZ (III)
ここでR'はHまたはメチルでありうる、およびcは整数1、2、3、4、5、または6である、およびZはたとえば−OH、−NH2、−C(=O)OH、hal−、トレシル、マレイミドおよびエポキシ基を含む群から選択される。
【0052】
本発明の方法に使用されうる架橋剤は、一つ以上のアルキリデングリコールジアクリレートまたは一般式(III)アルキリデングリコール(アルキル)アクリレートである:
2C=CR"C(=O)O−[(Cd2dO)]e(C=O)CR'"= CH2 (IV)
ここで式(IV)においてR"およびR'"は互いに独立してHまたはC1−C3−アルキルであり、および好ましくはR"およびR'"は共にHまたはメチルであり、dは整数1、2、3または4−好ましくは1または2−であり、およびeは1ないし100の整数−好ましくは整数1、2、3、4、5、6、7、8、9または10、および特に好ましくは整数1、2、3、または4である。
【0053】
特にエチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートまたは、ω−ジ[アクリル酸(メタクリル酸)]−官能化ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール−たとえば、プロピレングリコールアクリレート、プロピレングリコール(アルキル)アクリレート、特にプロピレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコール(アルキル)アクリレート、特にポリプロピレングリコールメタクリレートまたはプロピレングリコールアクリレート、プロピレングリコール(アルキル)アクリレート、特にプロピレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコール(アルキル)アクリレート、特にポリプロピレングリコールメタクリレートまたはその混合物を、架橋剤として使用することが可能である。別の可能性は、少なくとも2個、好ましくは3個または4個の、アクリル酸または(アルキル)アクリル酸基を有するポリアクリレートまたはポリ(アルキル)アクリレートを使用することであり、ここでアルキル基は好ましくはC1−C3−アルキル基の群から選択され、および特に好ましくはメチルである。たとえば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、グリセロールトリアクリレート、グリセロールトリメタクリレート、グリセロールプロピレートトリアクリレート、グリセロールプロピレートトリメタクリレートまたは他にジビニルベンゼンおよびその有機修飾された誘導体、たとえば、2−ヒドロキシ−1,4−ジビニルベンゼンまたはその混合物またはこれらの化合物の上記の他の架橋剤との混合物が使用されうる。
【0054】
特に有機細孔形成剤として使用されうる化合物は、
a)一つ以上の水酸基、好ましくは1〜3個の水酸基を有し、4から20個のC原子、好ましくは4から16個のC原子および特に好ましくは4から8個のC原子を有する、脂肪族、分枝または非分枝アルコール
b)アルキリデングリコール、特にエチレングリコール、グリセロールなど
c)グルコースのような糖質、および
d)質量−平均分子量Mwが200ないし100000g/molでありおよびポリアルキリデングリコール誘導体、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンおよびポリスチレン、または上記a)、b)およびc)で言及された化合物の混合物から成る群から選択されるポリマー化合物
から成る群から選択される化合物である。
【0055】
特に、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(Mw:200〜20000g/mol)、ポリプロピレングリコール(Mw:200〜10000g/mol)、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル(Mw:200〜5000g/mol)、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル(Mw:200〜5000g/mol)、ポリエチレングリコールモノアルキルエステル(Mw:200〜20000g/mol)、ポリエチレングリコールジアルキルエステル(Mw:200〜5000g/mol)、ポリエチレングリコール二酸(Mw:1000〜20000g/mol)、ポリエチレンイミン(Mw:200〜100000g/mol)、ポリビニルピロリドン(Mw:10000〜40000g/mol)および/またはポリスチレン(Mw:200〜5000g/mol)から成る群から選択される細孔形成剤を使用することが可能である。特に本発明で使用されうる細孔形成剤は、エチレングリコールおよびポリエチレングリコール(Mw:1000〜6000g/mol)である。先端技術でいわゆるジェファーミン(jeffamine)としてよく知られているアミノ官能化ポリエチレングリコールもまた適している。
【0056】
使用されうる親油性フリーラジカル開始剤は、特にアゾイソブチロニトリル(AIBN)、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)、および1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)である。しかし、十分に親油性であって分散物に加えることができるならば、たとえば、過酸化ベンゾイルといった他のフリーラジカル開始剤を使用することもまた可能である。
【0057】
乳液を調製するのに用いられる疎水性液体は、フリーラジカル重合に対して有害作用を持たないように、十分に化学的に不活性であるべきである。その液体は、第一の有機相中の分散物の乳液が第二の有機相中に生じうるように、好ましくは第一の有機相と本質的に不混和性であるべきである。重合中にポリマーが系に不溶であることは、系の選択に重大である。
【0058】
疎水性液体は、必要に応じて、脂肪族または環状アルカン、特に一般式C22n+2でnが>6である脂肪族アルカン、脂肪族および環状アルケン、特に一般式C22nでnが>6である脂肪族アルケン、芳香族化合物、特にアルキルまたはアルケン基で置換されうる単環、二環または三環化合物、特にトルエン、キシレン、鉱物油、シリコン油、植物油またはパラフィン油、脂肪酸およびアルコールの化合物を基礎とする物質、および前述の物質の混合物、特に脂肪族アルカンおよび芳香族化合物の混合物から成る群から選択されうる。
【0059】
第二の有機相中の界面活性物質は、好ましくは、陽イオン性、陰イオン性および非イオン性乳化剤から成る群から選択される乳化剤である。界面活性物質として、たとえばソルビタンエステル、エトキシ化ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルおよび他の市販の界面活性化合物または化合物混合物を使用することが可能である。適当な界面活性物質の例は、ツイーン(Tween)(登録商標)20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、トリトン(Triton)(登録商標)X100(t−オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)、スパン(Span)85(登録商標)(ソルビタントリオレエート)(すべてシグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)(ドイツ、タウフキルヒェン(Taufkirchen))から入手可能)、ハイパーマー(Hypermer)2296(ユニケマ社(Uniqema)、オランダ、ゴーダ(Gouda)から入手可能)および同様の物質といった市販の物質である。
【0060】
本方法に使用されうる磁性粒子は、本発明の磁性粒子に関連して上に記載されるのと同一の粒子である。
【0061】
上述の成分は、本発明にしたがって下記の量比(重量%、wt%)(反応混合物に基づく)で混合される:
【0062】
架橋剤は好ましくは0.1〜20wt%の割合で、好ましくは0.5ないし5wt%の範囲で、特に好ましくは1〜4wt%で導入される。
【0063】
官能化モノマーは、0.1〜20wt%、好ましくは0.5〜5wt%、特に好ましくは1〜4wt%の割合で導入される。
【0064】
磁性材料または磁鉄鉱は、0.1〜20wt%、好ましくは0.5〜5wt%、特に好ましくは1〜4wt%の割合で導入される。
【0065】
開始剤またはフリーラジカル開始剤は、0〜5wt%、好ましくは0.01〜3wt%、特に好ましくは0.05〜0.5wt%の割合で導入される。
【0066】
洗浄剤(界面活性剤)は、0〜20wt%、好ましくは0.1〜10wt%、特に好ましくは0.1〜3wt%の割合で導入される。
【0067】
細孔形成剤は、0.1〜20wt%、好ましくは0.5〜5wt%、特に好ましくは1〜4wt%の割合で導入される。
【0068】
本発明に記載の使用に適した、結果として生じるポリマーは、有利に下記の組成を有する:
【0069】
架橋剤含量は、1〜95wt%、好ましくは10〜80wt%、特に好ましくは20〜70wt%および非常に特に好ましくは15〜40wt%である。
【0070】
本発明に記載の官能化モノマーから生じるポリマーは、磁性粒子中に1〜99wt%、好ましくは10〜80wt%、特に好ましくは20〜70wt%および非常に特に好ましくは30〜60wt%の比率で存在する。
【0071】
磁鉄鉱または磁性材料の含量は、1〜95wt%、好ましくは10〜80wt%、特に好ましくは20〜70wt%および非常に特に好ましくは30〜60wt%である。
【0072】
本発明の方法の別の一実施形態では、さらなる段階d)として、本方法によって得られた磁性ポリマー粒子に対して官能化が実施され、生体分子を固定化できる少なくとも一つのリガンドがポリマーマトリクスへ結合される。磁性粒子は、重合後に、たとえば官能化のようにさらに反応される前に、好ましくは単離および洗浄される。粒子は単純なろ過によって単離でき、および次いで溶媒で洗浄することによって精製されうる。洗浄に適する溶媒は、たとえば、トルエン、アセトンまたは水といった、有機および無機溶媒の両方である。
【0073】
本発明の方法の一変形では、リガンドは磁性ポリマー粒子の官能基の反応基へ直接結合される。その代替として、リガンドは、第一の段階d1)で、少なくとも2個の反応基を有するスペーサー化合物を磁性ポリマー粒子の官能基へ結合し、および次いで、第二の段階d2)で、好ましくは生体分子を固定化できるそのリガンドを、磁性ポリマー粒子へ共有結合することによって結合されうる。
【0074】
適当なリガンドおよびスペーサーは、たとえば、本発明の磁性粒子に関連して上に記載された基である。これらの基は、少なくとも2個の反応基を含む適当な化合物によって、ポリマー粒子へ結合されうる。
【0075】
本発明の第一のおよび第二の態様で上に記載された本発明の磁性ポリマー粒子は、上に記載の本発明の方法によって得ることができる。
【0076】
別の態様では、本発明は、下記の段階を含む、試料から少なくとも一つの種の生体分子を単離および/または分析する方法に関する:
a)少なくとも一つの生体分子種を含む試料の提供,
b)試料を本発明の磁性ポリマー粒子と、少なくとも一つの生体分子種が磁性ポリマー粒子へ結合する条件下で、接触させる、および
c)結合した生体分子と共に磁性ポリマー粒子を、少なくとも一つの磁場を用いて除去する。
【0077】
この方法の一実施形態では、少なくとも一つの生体分子種の、磁性ポリマー粒子からの溶出が、さらなる段階d)として後続する。
【0078】
本発明の方法によって調製された磁性ポリマー粒子は、このように、好ましくは生体分子を固定化または結合するのに使用されうる。これに関連して、磁性粒子に結合した生体分子種は、核酸、オリゴヌクレオチド、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、糖質、脂質、およびその組み合わせから成る群から選択されうる。特に、核酸およびオリゴヌクレオチド、好ましくはプラスミドDNA、ゲノムDNA、cDNA、PCRDNA、直鎖DNA、RNA、リボザイム、アプタマー、および化学的に合成または修飾された核酸またはオリゴヌクレオチドを磁性粒子へ結合することが可能である。「結合した」とはこれに関連して一般的に、生体分子が磁性ポリマー粒子と強い相互作用を生じるため、磁場の影響下で磁性ポリマー粒子と共に除去されうるほどであることを意味する。これらの相互作用は性質が異なりうる。たとえば、相互作用は共有結合および/または水素結合の形成および/またはファンデルワールス力に基づきうる。
【0079】
リガンドとしてたとえばNi−NTAのようなキレート剤で官能化された磁性ポリマー粒子は、特にタンパク質精製に使用されうる。
【0080】
ポリエチレンイミンのようなアミノ基を含むリガンドで、またはカルボン酸を含むリガンドで修飾された磁性ポリマー粒子は、特に核酸の単離および精製に使用されうる。二次抗体がリガンドとして磁性ポリマー粒子へ結合している場合、これらは一次抗体を単離および精製するために使用されうる。
【0081】
少なくとも一つの生体分子種を含む試料は、たとえば、血液、組織、細胞、植物材料などといった、相対的に複雑な試料でありうる。他の試料は、精製、増幅、または分析法の途中に得られる溶液、たとえばPCR溶液である。
【0082】
本発明の磁性粒子が使用されうる他の方法は、ハイブリダイゼーションによる核酸検出、抗体または有機高分子の結合、および生体分子または細胞の結合および検出である。磁性粒子は一般的に、生体分子または細胞の結合、検出および精製に使用されうる。
【0083】
本発明はさまざまな実施例によってさらに記載される。これらの実施例は単に本発明をさらに説明する役割を果たし、および限定的と理解してはならない。
【実施例】
【0084】
実施例1:多孔質ヒドロキシ官能化磁性ポリマー粒子の合成
第一の段階で、8mlのツイーン(Tween)20(シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)ドイツ、タウフキルヒェン(Taufkirchen)、アルドリッチ品番27,4348)を、400mlのパラフィン油(シグマ・アルドリッチ社、ドイツ、タウフキルヒェン、アルドリッチ品番33,076−0)に溶解した。次いで、本質的に阻害剤を含まない、2mlのエチレングリコールジメタクリレート(シグマ・アルドリッチ社、ドイツ、タウフキルヒェン、アルドリッチ品番33,568−1)および9mlのヒドロキシエチルメタクリレート(シグマ・アルドリッチ社、ドイツ、タウフキルヒェン、アルドリッチ品番47,702−8)を、プラスチック容器、好ましくは50mlファルコン(Falcon)チューブ(BDバイオサイエンス社(BD Biosciences))へピペットで入れ、および10mlのポリエチレングリコール3400(シグマ・アルドリッチ社、ドイツ、タウフキルヒェン、アルドリッチ品番20,244−4)、0.3gのアゾビス−2−メチルプロピオニトリル(シグマ・アルドリッチ社、ドイツ、タウフキルヒェン、フルカ(Fluka)品番11630)および7.5gのBASF磁鉄鉱345(BASF社(BASF AG)、ドイツ、ルートヴィヒスハーフェン(Ludwigshafen))を加える。この混合物を次いでポリトロン(Polytron)ホモジナイザーで最高設定にて1分間ホモジナイズする。パラフィン油溶液の半分を500mlナルゲン(Nalgene)ボトルへ入れる。磁鉄鉱懸濁液を次いで加え、および混合物を氷中で冷却しながら120秒間ホモジナイズする。パラフィン油溶液の残り半分を保護ガス下で還流冷却器およびKPGスターラーを備えた1000ml三つ口フラスコへ入れる。最初の撹拌速度500rpmを後で600rpmへ上げる。酸化鉄懸濁液を次いで加える。反応混合物から次いで、保護ガスをフラスコに通じることによって酸素を除去する。反応温度を70℃へ上げて1時間および次いで80℃にて一夜保つ。翌日、混合物をろ過し、トルエン、アセトンおよび水で洗浄し、および真空乾燥器内で50℃にて乾燥する。この方法で得られた粒子は、ヒドロキシ官能化されており、マクロ孔を有し、および10ないし15μmの粒子直径を有する。
【0085】
実施例2:多孔質エポキシ官能化磁性ポリマー粒子の合成
第一の段階で、8mlのスパン(Span)60(シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、アルドリッチ品番31,822−1)を400mlのパラフィン油(シグマ・アルドリッチ社、アルドリッチ品番33,076−0)に溶解する。次いで、本質的に阻害剤を含まない、5mlのエチレングリコールジメタクリレートおよび5mlのグリシジルメタクリレート(シグマ・アルドリッチ社、アルドリッチ品番15−123−8)をファルコン(Falcon)チューブへピペットで入れ、および10mlのポリエチレングリコール(MW4600)(シグマ・アルドリッチ社、アルドリッチ品番37,300−1)、0.3gのアゾビス−2−メチルプロピオニトリルおよび7.5gのバイエル・バイオキサイド(Bayer Bayoxide)E 8710(ランクセス社(Lanxess AG)、ドイツ、レーバークーゼン(Leverkusen))を加える。この混合物をポリトロン(Polytron)ホモジナイザーで最高設定にて1分間ホモジナイズする。
【0086】
パラフィン油溶液の半分を500mlナルゲン(Nalgene)ボトルへ入れる。次いで磁鉄鉱懸濁液を加え、および混合物を氷中で冷却しながら120秒間ホモジナイズする。パラフィン油溶液の残り半分をその後、保護ガス下で還流冷却器およびKPGスターラーを備えた1000ml三つ口フラスコへ入れる。最初の撹拌速度500rpmを後で600rpmへ上げる。酸化鉄懸濁液を次いで加え、および保護ガスをフラスコに通じることによって反応混合物から酸素を除去する。反応温度を60℃に上げて1時間、および次いで70℃にて一夜保つ。翌日、混合物をろ過し、およびトルエン、アセトンおよび水で洗浄し、および真空乾燥器内で50℃にて乾燥するこの方法で得られた粒子は、エポキシ官能化されており、マクロ孔を有し、および10ないし15μmの粒子直径を有する。
【0087】
実施例3:多孔質カルボキシ官能化磁性ポリマー粒子の合成
第一の段階で、8mlのスパン(Span)60を400mlのパラフィン油(シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、アルドリッチ品番33,076−0)に溶解する。次いで、本質的に阻害剤を含まない、3mlのエチレングリコールジメタクリレートおよび7mlのメタクリル酸(シグマ・アルドリッチ社、アルドリッチ品番39,537−4)をファルコン(Falcon)チューブへピペットで入れ、および10mlのポリエチレングリコールMW2000(シグマ・アルドリッチ社、品番29,590−6)、0.3gのアゾビス−2−メチルプロピオニトリルおよび7.5gのバイエル・バイオキサイド(Bayer Bayoxide)E 8713Hを加える。この混合物をポリトロン(Polytron)ホモジナイザーで最高設定にて1分間ホモジナイズする。パラフィン油溶液の半分を500mlナルゲン(Nalgene)ボトルへ入れる。磁鉄鉱懸濁液を次いで加え、および混合物を氷中で冷却しながら120秒間ホモジナイズする。パラフィン油溶液の残り半分を次いで保護ガス下で還流冷却器およびKPGスターラーを備えた1000ml三つ口フラスコへ入れる。最初の撹拌速度500rpmを600rpmへ上げる。酸化鉄懸濁液を加える。反応混合物から次いで、保護ガスをフラスコに通じることによって酸素を除去する。反応温度を70℃へ上げて1時間および次いで80℃にて一夜保つ。翌日、混合物をろ過し、トルエン、アセトンおよび水で洗浄し、および真空乾燥器内で50℃にて乾燥する。この方法で得られた粒子は、カルボキシ官能化されており、マクロ孔を有し、および10ないし15μmの粒子直径を有する。
【0088】
実施例4:多孔質磁性ポリマー粒子のNi−ニトリロ三酢酸での化学修飾
実施例1からの多孔質磁性ポリマー粒子5gを250ml丸底フラスコ内で0.5M水酸化ナトリウム溶液100mlに懸濁する。次いでエピブロモヒドリン2mlを加え、および混合物をロータベーパー(Rotavapor)内で40℃にて4時間反応させる。懸濁液を次いでガラス吸引ろ過器を通してろ過し、および脱イオン水で6回洗浄する。残留物を次いで250ml丸底フラスコへ移し、a−N,N'−ビス(カルボキシメチル)リジンの0.5M溶液100mlに懸濁し(デーベリ(Doebeli)他、EP 0 253 303によって開示される合成)、およびロータベーパー内で一夜加熱する。混合物を次いで吸引ろ過し、および脱イオン水で4回洗浄する。磁性粒子を次いで2%濃度硫酸ニッケル溶液50mlに懸濁し、およびさらに3時間撹拌する。その後、磁気除去を用いて、粒子を水で3回洗浄し、50mlの20%エタノール含有100mM酢酸緩衝液pH6.0中に再懸濁しおよび保存する。
【0089】
実施例5:多孔質磁性ポリマー粒子のNi−ニトリロ三酢酸での化学修飾
実施例2からのポリマー粒子4gを250ml丸底フラスコ内で脱イオン水50mlに懸濁する。次いで2gのa−N,N'−ビス(カルボキシメチル)リジンリガンド(デーベリ(Doebeli)他、EP 0 253 303に記載される合成)を加え、および反応混合物をゆっくり撹拌しながら60℃にて10時間加熱する。混合物を次いで、磁気除去を用いて脱イオン水で4回洗浄する。磁性粒子を次いで2%濃度硫酸ニッケル溶液50mlに懸濁し、およびさらに3時間撹拌する。その後、磁気除去を用いて、粒子を水で3回洗浄し、50mlの20%エタノール含有100mM酢酸緩衝液pH6.0中に再懸濁しおよび保存する。
【0090】
実施例6:多孔質磁性ポリマー粒子のポリエチレンイミンでの化学修飾
実施例3からのポリマー粒子4gを、高分子量ポリエチレンイミン(シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、アルドリッチ品番40,872−7)の10%濃度水溶液pH10の50mlに懸濁し、および丸底フラスコへ移す。次いで200mgのN−ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩(シグマ・アルドリッチ社、フルカ(Fluka)品番56485)および200mgのN−3−ジメチルアミノ−N'−プロピルカルボジイミド塩酸塩(シグマ・アルドリッチ社、フルカ品番03449)を加え、および混合物をロータベーパー(Rotavapor)内で室温にて3時間撹拌する。混合物を次いで、磁気除去を用いて脱イオン水で6回洗浄し、および最後に脱イオン水50mlに懸濁する。
【0091】
実施例7:多孔質磁性ポリマー粒子のポリエチレンイミンでの化学修飾
実施例2からのポリマー粒子4gを、高分子量ポリエチレンイミン(シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、アルドリッチ品番40,872−7)の10%濃度水溶液pH10の50mlに懸濁し、および丸底フラスコへ移し、および撹拌しながら60℃にて10時間加熱する。混合物を次いで、磁気除去を用いて脱イオン水で6回洗浄し、および最後に脱イオン水50mlに懸濁する。
【0092】
実施例8:多孔質磁性ポリマー粒子のアミンでの化学修飾
実施例3からのポリマー粒子4gを、50mlの5%濃度スペルミン溶液(シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、フルカ(Fluka)品番85590)、pH10に懸濁し、および丸底フラスコへ移す。次いで200mgのN−ヒドロキシスルホスクシンイミドナトリウム塩(シグマ・アルドリッチ社、上記参照)および200mgのN−3−ジメチルアミノ−N'−プロピルカルボジイミド塩酸塩(シグマ・アルドリッチ社、上記参照)を添加し,および混合物をロータベーパー(Rotavapor)内で室温にて3時間撹拌する。混合物を次いで、磁気除去を用いて脱イオン水で6回洗浄し、および最後に脱イオン水50mlに懸濁する。
【0093】
実施例9:多孔質磁性ポリマー粒子のアミンでの化学修飾
実施例2からのポリマー粒子4gを、50mlの5%濃度スペルミン溶液(シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、上記参照)、pH10中で丸底フラスコへ移し、および撹拌しながら60℃にて10時間撹拌する。混合物を次いで、磁気除去を用いて脱イオン水で6回洗浄し、および最後に脱イオン水50mlに懸濁する。
【0094】
実施例10:多孔質カルボキシ官能化磁性ポリマー粒子の化学合成
実施例2からのポリマー粒子4gを、50mlの10%濃度6−アミノヘキサン酸溶液(シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、アルドリッチ品番A4,460−6)、pH9.5に懸濁し、丸底フラスコへ移し、および撹拌しながら60℃にて10時間加熱する。混合物を次いで、磁気除去を用いて脱イオン水で6回洗浄し、および最後に脱イオン水50mlに懸濁する。
【0095】
実施例11:多孔質磁性ポリマー粒子への二次抗体の結合
実施例2からのポリマー粒子2gを、100mM塩化ナトリウム中の1,6−ジアミノヘキサン(シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、アルドリッチ品番H1−1,169−6)10%濃度溶液pH9.5の50mlへ加え、および100ml丸底フラスコへ移す。次の段階で、250mgのN−ヒドロキシスルホスクシンイミドおよび250mgのN−3−ジメチルアミノ−N'−プロピルカルボジイミド塩酸塩を加える。フラスコを次いでロータベーパー(Rotavapor)へ移し、および反応混合物を室温にて3時間反応させる。
【0096】
冷却後、ポリマー懸濁液を、磁気除去を用いて脱イオン水で3回洗浄する。ビーズをリン酸緩衝生理食塩水4mlに懸濁し、およびリン酸緩衝生理食塩水中のスルホ−SMCC(ピアース社(Pierce)、米国イリノイ州ロックフォード(Rockford)から入手可能)10mg/ml溶液1mlを加える。懸濁液を直ちにボルテックスし、および次いで転倒型振とう機内で2時間反応させる。反応産物を上清から磁気除去によって除去し、および100mMリン酸緩衝液、pH7.0で2回洗浄する。次いで1mlの抗体溶液(1mg/mgヤギ抗マウスIgG;シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、シグマ品番M8642)および1mlのリン酸緩衝生理食塩水を加え、および反応混合物を転倒型振とう機内で2時間反応させる。上清を次いで産物から磁気除去によって除去する。磁性粒子をリン酸緩衝生理食塩水で3回洗浄し、および−20℃にて保存できる。
【0097】
実施例12:多孔質磁性ポリマー粒子への二次抗体の結合
実施例3からのポリマー粒子2gを、100mM塩化ナトリウム溶液中の1,6−ジアミノヘキサン(シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、上記参照)10%濃度溶液pH9.5の50mlへ加え、および100ml丸底フラスコへ移す。フラスコを次いでロータベーパー(Rotavapor)へ移し、および反応混合物を70℃にて10時間反応させる。冷却後、ポリマー懸濁液を、磁気除去を用いて脱イオン水で3回洗浄する。ビーズをリン酸緩衝生理食塩水4mlに懸濁し、およびリン酸緩衝生理食塩水中のスルホ−SMCC10mg/ml溶液1mlを加える。懸濁液を直ちにボルテックスし、および次いで転倒型振とう機内で2時間反応させる。反応産物を上清から磁気除去によって分離し、および100mMリン酸緩衝液、pH7.0で2回洗浄する。次いで1mlの抗体溶液(1mg/mg、二次ヤギ抗マウス)および1mlの緩衝生理食塩水を加え、および混合物を転倒型振とう機内で2時間反応させる。上清を次いで産物から磁気沈澱によって除去する。磁性粒子をリン酸緩衝生理食塩水で3回洗浄し、および−20℃にて保存できる。
【0098】
実施例13:Ni−NTA修飾された多孔質磁性ポリマー粒子でのタンパク質精製(変性条件)
5mlの細胞培養沈澱(大腸菌(E.coli)のプラスミドpQE16、形質転換および組み換えタンパク質の産生は『キアエクスプレッショニスト』("TheQiaexpressionist")第3版、キアゲン社(Qiagen GmbH)、ヒルデン(Hilden)、1997に記載されている)を、1mlの溶解緩衝液(6MグアニジンHCl、0.1 M NaH2PO4、0.01 M トリス×HCl、0.05% ツイーン(Tween)(登録商標)20、pH 8.0)に、ピペッティングで上下およびチューブを室温にて1時間振とうすることによって再懸濁する。溶解物を次いで10 000 gにて30分間遠心分離によって清澄化し、および上清を別のチューブへ移す。実施例4または5からの多孔質磁性ポリマービーズ5mgを第二のチューブへ入れ、および清澄化された溶解物溶液500μlを加える。懸濁液を転倒型振とう機で室温にて30分間インキュベートする。チューブを次いで適当な磁気分離器に置き、および上清をピペッティングによって除去する。次の段階で、500μlの洗浄緩衝液(8M尿素、0.1 M NaH2PO4、0.01 Mトリス×HCl、0.05%ツイーン(Tween)(登録商標)20、pH 6.3、を加え)、チューブを磁気分離器に1分間置き、および上清をピペッティングによって除去する。この洗浄段階を、洗浄緩衝液を用いて1回反復する。次いで100μlの溶出緩衝液(8 M 尿素、0.1 M NaH2PO4、0.01 Mトリス×HCl、0.05%ツイーン(Tween)(登録商標)20、pH4.5)を加え、懸濁液を転倒型振とう機で1分間インキュベートし、チューブを磁気分離器に1分間置き、および溶出液を回収する。 溶出段階を反復し、および溶出液を回収する。ブラッドフォード検定法によって測定されたタンパク質結合容量はおよそ10μg/g磁性粒子である。
【0099】
実施例14:ポリエチレンイミン修飾された多孔質磁性ポリマービーズを用いるウイルスの濃縮
ウイルス血漿1mlを2mlエッペンドルフ(Eppendorff)チューブへ入れる。次いで実施例5からのポリエチレンイミン修飾粒子の懸濁液200μlを、濃度10mg/mlでRNアーゼフリー水200μlへ加える。混合物をボルテックスし、続いて室温にて15分間インキュベートし、およびチューブの上端の粒子の残留物を除去するために2000rpmにて2秒間遠心分離する。粒子を次いで5分間にわたって磁気によって除去する。上清を同時に粒子を除去せずに廃棄する。続いて、13.2mlの「AL」緩衝液(キアゲン社(Qiagen GmbH)、ドイツ、ヒルデン(Hilden)、品番19075)を82.9μlの定量標準(コバス(Cobas)TaqMan用、ロシュ社(Roche))およびキャリヤーRNA(キアンプ(QIAamp)(登録商標)ミンエルート・バキューム(MinElute Vacuum)キットの、キアゲン社、ドイツ、ヒルデン、品番57714)と共に、75μlのプロテアーゼ溶液(キアンプ(登録商標)ミンエルート・キットの)および7mlの再懸濁緩衝液(キアンプ(登録商標)ミンエルート・キットの)と混合する。
【0100】
15μlの酵素溶液(スミテスト(Smitest)溶液I、JSR株式会社、茨城)、380μlの試料希釈剤(スミテスト溶液II)、および5μlの沈澱剤(スミテスト溶液IV)を加える。スミテスト溶液の添加直後、試料をボルテックスで混合する。その後55℃にて30分間インキュベートし、続いて2000rpmにて短い遠心分離段階を行う。粒子をピペッティング上下によって再懸濁する。粒子の懸濁液をウルトラフリー(Ultrafree)MCフィルター(ミリポア社(Millipore Corporation))に乗せ、チューブに栓をし、およびヒンジ部をはさみで切り開く。ろ過器具を次いで2mlエッペンドルフ(Eppendorff)チューブに入れる。それを10000rpmにて3分間遠心分離する。ろ過器具を取り外しおよび廃棄する。次いで、RTからの品質標準を含む250μlのスミテスト溶液III(タンパク質溶液用)およびcRNA(キャリヤーRNA/ロシュ・ダイアグノスティックス社(Roche Diagnostics))を加える。混合物を直ちにボルテックスし、および55℃にて15分間インキュベートする。次いで600μlのイソプロパノールを加え、およびチューブを20回転倒することによって混合する。それを次いで氷上で15分間インキュベートし、および続いて15000rpmおよび4℃にて10分間遠心分離する。上清を粒子を再懸濁することなく注意深く除去する。500μlの70%エタノールを加え、およびチューブを3回転倒することによって混合する。それを12000rpmおよび4℃にて3分間遠心分離し、および次いで500μlの70%エタノールを加え、および再びチューブを3回転倒することによって混合する。遠心分離を再び、12000rpmおよび4℃にて3分間実施する。上清を除去および廃棄する。15000rpmにて10秒間の遠心分離後の上清を除去する。粒子を室温にて10分間乾燥する。粒子を60μlのRNアーゼフリー水に再懸濁し、およびサーモミキサーを用いて室温にて10から15分間振とうする。溶出液50μlを、コバス(Cobas)TaqMan(ロシュ社(Roche))のマスターミックス50μlと合わせ、およびリアルタイムPCRによって調べる。この手順を用いて、ミンエルート(MinElute)を用いて精製されている非濃縮血清と比較して、CT値の低下を発見することが可能である。
【0101】
実施例15:アミノ修飾された多孔質磁性ポリマー粒子を用いる核酸精製
標準プラスミドpUC21の1mg/ml溶液10μlを、300μlの100mM酢酸アンモニウムpH5.5、および実施例7または8からのアミノ修飾多孔質磁性ポリマー粒子100mg/ml懸濁液20μlへ、1.5mlエッペンドルフ(Eppendorff)チューブ内で加える。溶液を10秒間パルスボルテックスによって徹底的に混合し、およびDNA結合を、チューブを1100rpmにてエッペンドルフ・サーモミキサー内で5分間振とうすることによって補助する。粒子を上清から、マイクロチューブ磁気分離器、たとえば12チューブ磁気分離器(キアゲン社(Qiagen GmbH)、ドイツ、ヒルデン(Hilden)、品番36912)での磁気除去によって分離し、および上清を廃棄する。次いで二回蒸留水500μlを加え、およびチューブを10秒間パルスボルテックスする。粒子を次いで上清から磁気除去によって除去し、および上清を廃棄する。この洗浄系列を反復し、および磁気除去後に上清を再び廃棄する。粒子を次いで、0.1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム、シグマ・アルドリッチ社(Sigma−Aldrich)、フルカ(Fluka)品番71725)を含む50μlの「TE」緩衝液(10 mMトリス/Cl; pH 8.0、1 mM EDTA)に懸濁し、および懸濁液を10秒間パルスボルテックスすることによって徹底的に混合する。チューブを次いで磁気分離器に置き、および上清を第二のエッペンドルフチューブへ移す。精製後、溶出液のDNA含量は、OD320測定によって、およびポリアクリルアミドゲル電気泳動によって測定されうる。その代替として、DNAは高塩含量の緩衝液(たとえば1.25mlのNaCl;50mMMOPS、pH8.5、15%イソプロパノール)によって溶出されうるが、しかし以降の生化学反応に使用可能にするためにDNAを続いて沈澱しなければならない。
【0102】
実施例16:二次抗体で修飾された多孔質磁性ポリマー粒子への一次抗体の結合
3.4×105/mlヒトCD3+および4.2×105/ml CD3−懸濁細胞を、10 mM Na2HPO4、100 mM NaCl(pH7.5)および10%ウシ胎仔血清(FCS)を含む溶液中で混合する。次いで実験1回当たり3.32×106 細胞を用いる。混合物をCD3特異的モノクローナル抗体(マウス抗ヒトCD3 PerCP/ベクトンディッキンソン社(Becton Dickinson GmbH)、ドイツ、ハイデルベルク(Heidelberg)、品番555330)と共に振とうせずに30分間インキュベートする。続いて、1 mlのリン酸緩衝生理食塩水(10 mM Na2HPO4、100 mM NaCl/pH 7.5)を加え、および混合物を1000rpmにて遠心分離する。上清をピペッティングで除去し、および粒子をリン酸緩衝生理食塩水1mlに再懸濁する。次いで、実施例11または12の通りに二次抗体(ヤギ抗マウスIgG)で官能化された磁性粒子の25mg/ml懸濁液200μlを加える。粒子を時々振とうによって20分間インキュベートおよび混合する。次の段階で、チューブを磁気分離器に置き、および上清を第二のチューブへ移す。続いて、さらなる段階で、20μlのマウス抗ヒトCD3 PerCPを加えおよび15分間インキュベートし、洗浄し、および蛍光励起細胞分取(FACS)によって分析する。シグナルの分析は、
a)染色されていない細胞、
b)CD3PerCP染色された、および分離されていない細胞混合物、
c)分離抗体とインキュベートされ、続いて染色抗体(CD3 PerCP)とインキュベートされた細胞および
d)CD3 Per CPで染色された、磁気除去された細胞
を示した。
FACS結果は、CD3発現ジャーカット(Jurkat)細胞の、39.3から5.44%へ少なくとも85%の枯渇を示した。
【0103】
実施例17:カルボキシル修飾された多孔質磁性ポリマー粒子を用いる核酸精製(ゲル抽出)
DNA1μgを含むゲル断片200mgを、400μlの「QX1」緩衝液(キアゲン社(Qiagen GmbH)、ドイツ、ヒルデン(Hilden)、品番20912)に入れ、および5秒間パルスボルテックスすることによって徹底的に混合する。次いで実施例3または10に記載のカルボキシル修飾多孔質磁性ポリマー粒子の50mg/ml懸濁液50μlを加え、および混合物を新たなパルスボルテックスによって混合する。混合物を次いでヒートブロック上で50℃にて5分間加熱し、および再び10秒間パルスボルテックスによって混合する。粒子を次いで上清から磁気除去によって除去し、および上清を廃棄する。次の段階で、「QX1」緩衝液500μlを加え、および懸濁液を5秒間パルスボルテックスすることによって徹底的に混合する。除去段階を次いで反復し、および上清を再び廃棄する。続いて「PE」緩衝液(キアゲン社、ドイツ、ヒルデン、品番19065)を用いる2回の洗浄段階を行い、および各上清を廃棄する。粒子を次いで、磁気分離器をこの間外さずに、チューブを10分間回転することによって1回乾燥する。乾燥段階後、100μlの「EB」緩衝液(キアゲン社、ドイツ、ヒルデン、品番19068)を加え、および懸濁液を15秒間パルスボルテックスすることによって混合する。上清を粒子から磁気分離器によって除去し、および別のチューブへ移す。溶出段階を反復し、および溶出液を回収しおよび短いパルスボルテックスによってホモジナイズする。精製DNAの純度および量は、ゲル電気泳動およびOD測定によって測定されうる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性粒子がポリアクリレートまたはポリ[(アルキルアクリレート)]マトリクスに包埋されている点で特徴づけられ、磁性ポリマー粒子が20ないし500nmの範囲の最大孔半径を有する点で特徴づけられる、磁性ポリマー粒子。
【請求項2】
30ないし400nmの範囲の最大孔半径を有する点で特徴づけられる、請求項1で請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項3】
80ないし250nmの範囲の最大孔半径を有する点で特徴づけられる、請求項2で請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項4】
5から25μmの範囲の平均粒子サイズを有する点で特徴づけられる、請求項1から3のいずれかで請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項5】
6ないし20μmの範囲の平均粒子サイズを有する点で特徴づけられる、請求項4で請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項6】
10ないし15μmの範囲の平均粒子サイズを有する点で特徴づけられる、請求項5で請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項7】
強磁性、フェリ磁性および/または超常磁性挙動を示す点で特徴づけられる、請求項1から6のいずれかで請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項8】
磁性粒子が、γ−Fe23(磁赤鉄鉱)、Cr23から成る群からの強磁性および/またはフェリ磁性粒子、請求項7で請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項9】
磁性粒子が(M2+O)Fe23型のフェライトの群から選択される強磁性またはフェリ磁性粒子であり、M2+が二価遷移金属陽イオンである、請求項8で請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項10】
磁性材料がFe34(磁鉄鉱)である点で特徴づけられる、請求項9で請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項11】
架橋剤含量1〜95wt%、官能化ポリマー含量1〜99wt%、および磁性材料含量1〜95wt%を有する点で特徴づけられる、請求項1から10のいずれかで請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項12】
架橋剤含量10〜80wt%、官能化ポリマー含量10〜80wt%、および磁性材料含量10〜80wt%を有する点で特徴づけられる、請求項11で請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項13】
架橋剤含量20〜70wt%、官能化ポリマー含量20〜70wt%、および磁性材料含量20〜70wt%を有する点で特徴づけられる、請求項12で請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項14】
架橋剤含量15〜40wt%、官能化ポリマー含量30〜60wt%、および磁性材料含量30〜60wt%を有する点で特徴づけられる、請求項13で請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項15】
強磁性、フェリ磁性および/または超常磁性粒子が、一般式(I)の官能基を含む架橋ポリアクリレートまたはポリ[アルキルアクリレート]マトリクスに包埋されている点で特徴づけられる、前記請求項のいずれかで請求される磁性ポリマー粒子であって
−C(=O)−M−R (I)
ここで
Mは−O−、−NH−または−N(C1−C6−アルキル)−でありうる;
Rは水素またはYX基でありうるが、ここで
Yは下記でありうる
アルキレン基−(CH2l−、および1は整数1、2、3、4、5または6でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]g−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]h
ここでgおよびhは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
−CH2−CH2CH(OH)−および/または−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)−
−[CH2−CH(OH)]m−および/または−[CH(OH)−CH2]n
ここでmおよびnは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2)b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、
ここでAおよびBは互いに独立して−NH−、−N(C1−C6−アルキル)−または−O−でありえ、およびaは整数1、2、3、4、5または6でありえ、およびbは整数1、2、3、4、5、6、7または8でありうる;
Xは下記でありうる
水素、−OH、−O−C1−C6−アルキル、−O−C6−C10−アリール、1、2、3、4、5または6炭素原子から成るアルキレン鎖を有する−O−C7−C14−アルキルアリールおよびC6−C12−アリールラジカル;
−C1−C6−アルキル、−C6−C12−アリール、ヘテロアリール、随意的にC1−C6−アルキレン基を介して結合しているイミダゾリルラジカル;
1、2、3、4、5または6炭素原子から成るアルキレン鎖を有するC7−C14−アルキルアリールおよびC6−C12−アリールラジカル;
次の一般式の置換基であって、
【化1】

ここで
1、R2およびR3は互いに独立して水素、C1−C6−アルキルおよび/またはC6−C10−アリール;
−CN、−NC、−N3
−C(=O)−R4およびR4は水素、OH、C1−C6−アルキル、−O−C1−C6−アルキル、C6−C10−アリールまたは−O−C6−C12−アリールでありうる;
−NH2、−NHR5およびR5は水素、C1−C6−アルキルおよび/またはC6−C10−アリールでありうる;
F、Cl、BrまたはI;
−SHまたは−S−S−H;
2−チオピリジルまたは4−チオピリジル;
−S(=O)−CH2−CF3
アシルイミダゾール、マレイミドまたはアズラクトン基でありうる;
または
RはY'X'L基でありうるが、ここで
Y'は下記でありうる
単結合;
アルキレン基−(CH2q−およびqは整数1、2、3、4、5または6でありうる;
ヒドロキシ置換アルキレン基
−[CH2−CH(OH)−CH2]i−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]o
ここでiおよびoは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
−CH2−CH2CH(OH)−および/または−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)−
−[CH2−CH(OH)]r−および/または−[CH(OH)−CH2]s
ここでrおよびsは互いに独立して整数1、2、3、4、5または6でありうる;
−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2)b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、
ここでAおよびBは互いに独立して−NH−、−N(C1−C6−アルキル)−または−O−でありえ、およびaは整数1、2、3、4、5または6でありえ、およびbは整数1、2、3、4、5、6、7または8でありうる;
−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2)b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、
ここでAおよびBは−NH−でありえ、aは整数1または2でありえ、およびbは6でありうる;
X'は下記でありうる
単結合;
−CH(OH)−CH2−O−、−CH(OH)−CH2−S−、−CH(OH)−CH2−NH−、−CH(OH)−CH2−N(C1−C6−アルキル)−、−O−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)N(C1−C6−アルキル)−;
−CR12−R3CH−O−、−O−CR12−CHR3−、ここでR1、R2およびR3は上記の意味を有する;
−NH−または−N(C1−C6−アルキル)−;
Lは下記でありうる
−C(=O)−NH−(CH2u−[NH−(CH22]v−NH2およびuおよびvはそれぞれの場合に互いに独立して整数1、2、3または4でありうる;
−(CH2w−C(=O)OHおよびwは整数1、2、3、4、5または6でありうる;
たとえばε−Nを介して結合するニトリロ三酢酸残基のような三座、四座または五座キレート剤、好ましくは分子量500から200000Daのいわゆる低分子量、高分子量または直鎖ポリエチレンイミン残基、アミノラジカル、好ましくはポリアミン残基、スペルミジン、カダベリン、ジエチレントリアミン、スペルミン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザシクロオクタデカン、カルボン酸残基、または結合した抗体、好ましくは二次抗体、タンパク質、ビオチン、オリゴヌクレオチドまたはストレプトアビジン、IDA、DEOまたはTEDまたは
−CH2−CH2−N−(CH2COO-)[CH(COO-)CH2COO-)]。
【請求項16】
一般式(I)の官能基を含む点で特徴づけられる、請求項15で請求される磁性ポリマー粒子であって、
Mは−O−、−NH−または−N(C1−C6−アルキル)−でありうる;
Rは水素
または
−YX基でありうるが、ここで
Yは下記でありうる
アルキレン基−(CH2l−、および1は整数1、2、3、4、5または6でありうる;
ヒドロキシ置換アルキレン基
−[CH2−CH(OH)−CH2]g−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]h
ここでgおよびhは互いに独立して整数1、2、3または4でありうる;
−CH2−CH2CH(OH)−および/または−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)−、
−[CH2−CH(OH)]m−および/または−[CH(OH)−CH2]n
ここでmおよびnは互いに独立して整数1、2、3または4でありうる;
−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2)b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、
ここでAおよびBは−NH−でありえ、aは整数1または2でありえ、およびbは6でありうる;
Xは下記でありうる
水素、−OH、−O−C1−C4−アルキル、−O−C6−C10−アリール、1、2、3、4、5または6炭素原子から成るアルキレン鎖を有する−O−C7−C14−アルキルアリールおよびC6−C12−アリールラジカル;
次の一般式の置換基であって、
【化2】

ここで
1、R2およびR3は互いに独立して水素、C1−C3−アルキル;
−NH2、−NHR5およびR5は水素、C1−C4−アルキルでありうる;
F、ClまたはBr;
−CN、−NC;
−SHまたは−S−S−H;
2−チオピリジルまたは4−チオピリジル;
−S(=O)−CH2−CF3(トレシル);
アシルイミダゾール、マレイミドまたはアズラクトン基でありうる;
または
RはY'X'L基でありうるが、ここで
Y'は下記でありうる
単結合;
アルキレン基−(CH2q−およびqは整数1、2、3、4、5または6でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]i−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]o
ここでiおよびoは互いに独立して整数1、2、3または4でありうる;
−CH2−CH2CH(OH)−および/または−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)−;
−[CH2−CH(OH)]r−および/または−[CH(OH)−CH2]s
ここでrおよびsは互いに独立して整数1、2、3または4でありうる;
−(CH2a−CH(OH)−CH2−A−(CH2)b−B−C(=O)−[シクロ−C610]−CH2−、
ここでAおよびBは−NH−でありえ、aは整数1または2でありえ、およびbは6でありうる;
X'は下記でありうる
単結合;
−CR12−R3CH−O−、−O−CR12−CHR3−、ここでR1、R2およびR3は上記の意味を有する;
−CH(OH)−CH2−O−、−CH(OH)−CH2−S−、−CH(OH)−CH2−NH−、−CH(OH)−CH2−、−N(C1−C3−アルキル)−、−O−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)N(C1−C3−アルキル)−;
−CR12−R3CH−O−、−O−CR12−CHR3−、ここでR1、R2およびR3は上記の意味を有する;
−NH−または−N(C1−C3−アルキル)−;
Lは下記でありうる
−C(=O)−NH−(CH2u−[NH−(CH22]v−NH2およびuおよびvはそれぞれの場合に互いに独立して整数1、2、3または4でありうる;
−(CH2w−C(=O)OHおよびwは整数1、2、3または4でありうる;
たとえばε−Nを介して結合するニトリロ三酢酸残基のような三座、四座または五座キレート剤、好ましくは分子量500から200000Daのいわゆる低分子量、高分子量または直鎖ポリエチレンイミン残基、ポリアミン残基、スペルミジン、カダベリン、ジエチレントリアミン、スペルミン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザシクロオクタデカン、カルボン酸残基、または結合した抗体、好ましくは二次抗体、タンパク質、ビオチン、オリゴヌクレオチドまたはストレプトアビジン、IDA、DEO、TEDまたは
−CH2−CH2−N−(CH2COO-)[CH(COO-)CH2COO-)]。
【請求項17】
一般式(I)の官能基を含む点で特徴づけられる、請求項16で請求される磁性ポリマー粒子であって、
Mは−O−または−NH−でありうる;
Rは水素
または
YX基でありうるが、ここで
Yは下記でありうる
単結合;
アルキレン基−(CH2l−および1は整数1、2、3、4、5または6でありうる;
ヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]g−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]h
ここでgおよびhは互いに独立して整数1または2でありうる;
CH2−CH2CH(OH)−および/または−CH2−CH2−CH(OH)−CH2−CH2CH(OH)−;
−[CH2−CH(OH)]m−および/または−[CH(OH)−CH2]n
ここでmおよびnは互いに独立して整数1または2でありうる、
Xは下記でありうる
水素、−OH、−O−C1−C4−アルキル、−O−C6−C10−アリール;
次の一般式の置換基であって、
【化3】

ここで、R1、R2およびR3は、互いに独立して水素またはC1−C2−アルキル;
−NH2
ClまたはBr;
−S(=O)−CH2−CF3でありうる;
または
RはY'X'L基でありうるが、ここで
Y'は下記でありうる
単結合;
アルキレン基−(CH2q−およびqは整数1、2または3でありうる;
ヒドロキシ置換アルキレン基
−[CH2−CH(OH)−CH2]i−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]o
ここでiおよびoは互いに独立して整数1または2でありうる;
−[CH2−CH2CH(OH)]−または
−[CH2−CH(OH)]r−および/または−[CH(OH)−CH2]s
ここでrおよびsは互いに独立して整数1または2でありうる;
X'は下記でありうる
単結合;
−CR12−R3CH−O−、−O−CR12−CHR3−、ここでR1、R2およびR3は上記の意味を有する;
−CH(OH)−CH2−O−、−CH(OH)−CH2−S−、−CH(OH)−CH2−NH−、−CH(OH)−CH2−N(C1−C3−アルキル)−、−O−、−C(=O)O−、−C(=O)NH−、−C(=O)N(C1−C3−アルキル)−;
−NH−;
Lは下記でありうる
たとえばε−Nを介して結合するニトリロ三酢酸残基のような三座、四座または五座キレート剤、好ましくは分子量500から200000Daのいわゆる低分子量、高分子量または直鎖ポリエチレンイミン残基、スペルミジン、カダベリン、ジエチレントリアミン、スペルミン、1,4−ビス(3−アミノプロピル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザシクロオクタデカン、カルボン酸残基、または結合した抗体、好ましくは二次抗体、タンパク質、ビオチン、オリゴヌクレオチドまたはストレプトアビジン
−C(=O)−NH−(CH22−[NH−(CH2u]v−NH2、ここでuは2でありえ、およびvは2でありうる;
−(CH2w−C(=O)OHおよびwは整数1または2でありうる;
NTA、IDA、TEDまたは
−CH2−CH2−N−(CH2COO-)[CH(COO-)CH2COO-)]。
【請求項18】
一般式(I)の官能基を含む点で特徴づけられる、請求項17で請求される磁性ポリマー粒子であって、
Mは−O−または−NH−でありうる;
Rは水素または
YX基でありうるが、ここで
Yは下記でありうる
アルキレン基−(CH2l−および1は整数1、2、3、4、5または6でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]g−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]h
ここでgおよびhは互いに独立して整数1または2でありうる;
−CH2−CH2CH(OH)−;
−[CH2−CH(OH)]m−および/または−[CH(OH)−CH2]n
ここでmおよびnは互いに独立して整数1または2でありうる;
Xは下記でありうる
水素;
次の一般式の置換基であって、
【化4】

ここで、
1、R2およびR3は、水素;
−NH2でありうる;
または
Y'X'L基であって、ここで
Y'は下記でありうる
単結合;
アルキレン基−(CH2q−およびqは整数1、2、3、4、5、または6でありうる;
下記の種類のヒドロキシ置換アルキレン基:
−[CH2−CH(OH)−CH2]i−および/または−[CH2-CH(CH2OH)−]o
ここでiおよびoは互いに独立して整数1または2でありうる;
−CH2−CH2CH(OH)−または
−[CH2−CH(OH)]r−および/または−[CH(OH)−CH2]s
ここでrおよびsは互いに独立して整数1または2でありうる;
X'は下記でありうる
単結合、
−CH(OH)−CH2−O−、−CH2−CH(OH)−O−、
−CR12−R3CH−O−、−O−CR12−CHR3−、ここでR1、R2およびR3は上記の意味を有する;
−NH−;
Lは下記でありうる
たとえばニトリロ三酢酸残基のような三座、四座または五座キレート剤、ポリエチレンイミン残基、アミノラジカル、好ましくはポリアミン残基、カルボン酸残基または結合した抗体、タンパク質、ビオチン、オリゴヌクレオチド、スペルミンまたはストレプトアビジン、二次抗体
−C(=O)−NH−(CH22−[NH−(CH2u]v−NH2、ここでuは1または2でありえ、およびvは2でありうる;
−(CH2w−C(=O)OHおよびwは整数1または2でありうる;
NTA、IDA/DEO、TEDまたは
−CH2−CH2−N−(CH2COO-)[CH(COO-)CH2COO-)]。
【請求項19】
ポリマーマトリクスがジまたはポリアクリレートまたはジまたはポリアルキルアクリレートと架橋している、前記請求項のいずれかで請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項20】
架橋剤が、エチレングリコールアクリレート、エチレングリコール(アルキル)アクリレート、特にエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコール(アルキル)アクリレート、特にポリエチレングリコールメタクリレートまたはエチレングリコールアクリレート、エチレングリコール(アルキル)アクリレート、特にエチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコール(アルキル)アクリレート、特にポリエチレングリコールメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートおよびペンタエリスリトールトリアクリレートまたはプロピレングリコールアクリレート、プロピレングリコール(アルキル)アクリレート、特にプロピレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコール(アルキル)アクリレート、特にポリプロピレングリコールメタクリレートまたはプロピレングリコールアクリレート、プロピレングリコール(アルキル)アクリレート、特にプロピレングリコールメタクリレート、ポリプロピレングリコールアクリレート、ポリプロピレングリコール(アルキル)アクリレート、特にポリプロピレングリコールメタクリレートから成る群から選択される、請求項19で請求される磁性ポリマー粒子。
【請求項21】
a)強磁性、フェリ磁性または超常磁性粒子から選択される磁性粒子の、第一の有機相中の分散物の調製、ここで第一の有機相は少なくとも下記を含む
a.1.)アクリル酸、メタクリル酸、または−C(=O)−O−Y−X型の置換カルボキシル基を有しYがスペーサー基でありおよびXが反応基であるアクリレートおよびメタクリレートから成る群から選択される、一つ以上のアクリル酸モノマー、
a.2.)二つ以上のアクリル酸または(アルキル)アクリル酸基を含む、少なくとも一つの架橋剤、
a.3.)少なくとも一つの親油性フリーラジカル開始剤、および
a.4.)少なくとも一つの有機細孔形成剤
b)該分散物および第二の有機相をホモジナイズして乳液を形成、ここで第二の有機相は
b1)少なくとも一つの液体疎水性化合物および
b2)少なくとも一つの界面活性物質を含む、および
c)乳液のフリーラジカル重合、
の段階を含み、
この方法で得られた磁性ポリマー粒子が、好ましくは5ないし25μmの範囲、特に好ましくは6ないし20μmの範囲、非常に特に好ましくは10ないし15μmの範囲の平均粒子サイズ、および、好ましくは20ないし500nmの範囲、特に好ましくは30ないし400nmの範囲、非常に特に好ましくは80ないし250nmの範囲の最大孔半径を有する、
磁性ポリマー粒子を調製するための方法。
【請求項22】
フリーラジカル重合前に乳液が不活性ガス流で洗浄され、およびフリーラジカル重合が不活性ガス雰囲気中で実施される、請求項21で請求される方法。
【請求項23】
分散物の調製前または調製中に、磁性粒子が磨砕および/または脱凝集化される、請求項21または22で請求される方法。
【請求項24】
フリーラジカル重合が温度50℃ないし120℃にて実施される、請求項21から23のいずれかで請求される方法。
【請求項25】
フリーラジカル重合が温度60℃ないし90℃にて実施される、請求項24で請求される方法。
【請求項26】
第一の有機相中のモノマーが一般式IIに記載の化合物である、前記請求項のいずれかで請求される方法:
2C=CR'−C(=O)− (II)
ここでR'はH−またはC1−C3−アルキルである、
および
Rは水素または請求項15から18のいずれかに記載の一般式−Y−Xの基である、
および
Xは好ましくは−OH、−NH2、−C(=O)OH、hal、トレシル、マレイミドおよびエポキシ基を含む群から選択される。
【請求項27】
スペーサーYが−(CH2l−基でありおよび1が整数1、2、3、4、5または6である、請求項26で請求される方法。
【請求項28】
第一の有機相中のモノマーが、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、メタクリル酸およびアクリル酸、および一般式(III)のアクリル酸誘導体から成る群から選択される、請求項21から27のいずれかで請求される方法。
2C=CR'C(=O)O−(CH2cZ (III)
ここで
1はHまたはメチルである;
cは整数1、2、3、4、5または6である;
Zは−OH、−NH2、−C(=O)OH、ハロゲン、トレシル、マレイミドおよびエポキシ基を含む群から選択される。
【請求項29】
架橋剤が少なくとも一つのアルキリデングリコールジアクリレートまたは一般式(IV)のアルキリデングリコール(アルキル)アクリレートである、請求項21から28のいずれかで請求される方法:
2C=CR"C(=O)O−[(Cd2dO)]e(C=O)CR'"= CH2 (IV)
ここで一般式(IV)でR"およびR'"は互いに独立してHまたはC1−C3−アルキルであり、および好ましくはR"およびR'"は共にHまたはメチルであり、dは整数1、2、3または4−好ましくは1または2−であり、およびeは1ないし100の整数−好ましくは整数1、2、3、4、5、6、7、8、9または10および特に好ましくは整数1、2、3、または4である。
【請求項30】
dが整数1または2でありおよびeが整数1、2、3、4である点で特徴づけられる、請求項29で請求される方法。
【請求項31】
架橋剤がエチレングリコールジアクリレートまたはエチレングリコールジメタクリレートまたはその混合物である点で特徴づけられる、請求項21から30のいずれかで請求される方法。
【請求項32】
架橋剤が少なくとも二つのアクリルまたはメタクリル基を有するポリアクリレートまたはポリメタクリレートである点で特徴づけられる、請求項21から30のいずれかで請求される方法。
【請求項33】
架橋剤が3または4個のアクリルまたはメタクリル基を有するポリアクリレートまたはポリメタクリレートである点で特徴づけられる、請求項21から30のいずれかで請求される方法。
【請求項34】
架橋剤がペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートおよびペンタエリスリトールトリメタクリレートまたはその混合物から成る群から選択される点で特徴づけられる、請求項21から30のいずれかで請求される方法。
【請求項35】
有機細孔形成剤が、
a)一つ以上の水酸基、好ましくは1、2または3個の水酸基を有し、4から20個のC原子、好ましくは4から16個のC原子および特に好ましくは4から8個のC原子を有する、脂肪族、分枝または非分枝アルコールまたは
b)アルキリデングリコール、特にエチレングリコールおよび
c)質量−平均分子量Mwが200ないし100000g/molでありおよびポリアルキリデングリコール誘導体、ポリエチレンイミン、ポリビニルピロリドンおよびポリスチレンから成る群から選択されるポリマー化合物
から成る群から選択される、請求項21から34のいずれかで請求される方法。
【請求項36】
親油性フリーラジカル開始剤が、アゾイソブチロニトリル(AIBN)、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチル吉草酸ニトリル)、および1,1'−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)から成る群から選択される、請求項21から35のいずれかで請求される方法。
【請求項37】
疎水性液体が、脂肪族または環状アルカン、特に一般式C22n+2でnが>6である脂肪族アルカン、脂肪族および環状アルケン、特に一般式C22nでnが>6である脂肪族アルケンから成る群から選択される、請求項21から35のいずれかで請求される方法。
【請求項38】
疎水性液体が、アルキルまたはアルケン基で置換されうる芳香族またはヘテロ芳香族化合物である、請求項21から35のいずれかで請求される方法。
【請求項39】
疎水性液体がトルエンである、請求項38で請求される方法。
【請求項40】
界面活性物質が、陽イオン性、陰イオン性および非イオン性乳化剤から成る群から選択される乳化剤である、請求項21から39のいずれかで請求される方法。
【請求項41】
磁性粒子が強磁性および/またはフェリ磁性粒子である、請求項21から40のいずれかで請求される方法。
【請求項42】
磁性粒子が、γ−Fe23(磁赤鉄鉱)、Cr23、およびフェライトから成る群から選択される点で特徴づけられる、請求項41で請求される方法。
【請求項43】
フェライトが(M2+O)Fe23であり、M2+が二価遷移金属陽イオンである点で特徴づけられる、請求項42で請求される方法。
【請求項44】
磁性粒子が好ましくはFe34(磁鉄鉱)である点で特徴づけられる、請求項42で請求される方法。
【請求項45】
架橋剤が0.1〜20wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項21から44のいずれかで請求される方法。
【請求項46】
架橋剤が0.5ないし5wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項45で請求される方法。
【請求項47】
架橋剤が1ないし4wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項46で請求される方法。
【請求項48】
官能化モノマーが0.1ないし20wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項21から47のいずれかで請求される方法。
【請求項49】
官能化モノマーが0.5ないし5wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項48で請求される方法。
【請求項50】
官能化モノマーが好ましくは1ないし4wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項49で請求される方法。
【請求項51】
磁性材料が0.1ないし20wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項21から50のいずれかで請求される方法。
【請求項52】
磁性材料が0.5ないし5wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項51で請求される方法。
【請求項53】
磁性材料が1ないし4wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項52で請求される方法。
【請求項54】
開始剤が0ないし5wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項21から53のいずれかで請求される方法。
【請求項55】
開始剤が0.01ないし3wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項54で請求される方法。
【請求項56】
開始剤が0.05ないし0.5wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項55で請求される方法。
【請求項57】
洗浄剤が0ないし20wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項21から56のいずれかで請求される方法。
【請求項58】
洗浄剤が0.1ないし10wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項57で請求される方法。
【請求項59】
洗浄剤が0.1ないし3wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項58で請求される方法。
【請求項60】
細孔形成剤が0.1ないし20wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項21から59のいずれかで請求される方法。
【請求項61】
細孔形成剤が0.5ないし5wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項60で請求される方法。
【請求項62】
細孔形成剤が1ないし4wt%の割合で使用される点で特徴づけられる、請求項61で請求される方法。
【請求項63】
段階d)好ましくは生体分子を磁性ポリマーへ固定化できるリガンドを結合することによる磁性ポリマー粒子の官能化、をさらに含む、請求項21から62のいずれかで請求される方法。
【請求項64】
リガンドが、第一の段階d1)で、少なくとも二つの反応基を有するスペーサー化合物を磁性ポリマー粒子のカルボキシル基と共有結合することによって結合され、およびその後、第二の段階d2)で、リガンドの結合が磁性ポリマー粒子を固定化できる、請求項63で請求される方法。
【請求項65】
生体分子を含む試料から少なくとも一つの生体分子種を単離および/または分析するための、下記の段階を含む方法:
a)少なくとも一つの生体分子種を含む試料を提供する、
b)試料を請求項1から20のいずれかで請求される磁性ポリマー粒子と、少なくとも一つの生体分子種が磁性ポリマー粒子と結合する条件下で、接触させる、
c)結合した生体分子と共に磁性ポリマー粒子を、少なくとも一つの磁場を用いて除去する。
【請求項66】
方法がさらなる段階:
d)少なくとも一つの生体分子種の、磁性ポリマー粒子からの溶出
を含む、請求項65で請求される方法。
【請求項67】
少なくとも一つの生体分子種が、核酸、オリゴヌクレオチド、タンパク質、ポリペプチド、ペプチド、糖質、脂質、およびその組み合わせから成る群から選択され、および特に、核酸およびオリゴヌクレオチド、好ましくはプラスミドDNA、ゲノムDNA、cDNA、PCRDNA、直鎖DNA、RNA、リボザイム、アプタマー、および化学的に合成または修飾された核酸またはオリゴヌクレオチドから選択される、請求項65または66で請求される方法。
【請求項68】
少なくとも一つの生体分子種を含む試料が、血液、組織、細胞、植物材料、またはPCR溶液といった増幅溶液から成る群から選択される、請求項65から67のいずれかで請求される方法。

【公表番号】特表2009−518489(P2009−518489A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−543838(P2008−543838)
【出願日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069448
【国際公開番号】WO2007/065933
【国際公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(599072611)キアゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (83)
【Fターム(参考)】