説明

磁気によって金属インサートが所定位置に保持されるプラスチック部品の成型プロセス、成型装置、および前記インサートを固定するための磁石の使用

本発明は、特に窓(4)の周囲に沿って、縁取りビード(3)を成型する、またはプラスチックで作られた窓を成型するプロセスに関し、縁取りビード(3)またはプラスチック窓を形成するプラスチック材料は、トリムなどの少なくとも1つの強磁性インサート(2)が配置されている型空洞内に導入される。本発明は、2つの位置、すなわち、型空洞の内面を通じてインサート(2)に吸引力を印加する作動位置Aと、インサート(2)に吸引力を印加しない非作動位置Iと、の間を移動することができる少なくとも1つの磁石(40)によって、インサート(2)がプラスチック材料の導入中に型空洞(5)内の所定位置に保持されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窓の製造のための部品の成型の分野に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、成型による窓上のビーディングの製造、または(たとえばポリカーボネート製の)プラスチック窓の製造に関する。
【0003】
より具体的には、これは、特に窓の周囲上にビーディングを成型するため、またはプラスチック窓を成型するためのプロセスに関し、前記ビーディングのまたは前記プラスチック窓の構成プラスチックはそれぞれ、トリムなどのインサートが事前に配置されている成型空洞内に導入される。
【背景技術】
【0004】
国際公開第2007/018042号の先行技術は、型が閉鎖されている間および成型中にインサートを保持するために、電磁石を使用して金属インサートを固定するためのシステムを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2007/018042号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このシステムは、電磁石を制御するための電源を必要とするので、製造および使用するのが難しい。
【0007】
本発明の1つの目的は、ビーディングの成型中に金属インサートを保持するためのシステムを提供することによって先行技術の欠点を緩和することにあり、このシステムは単純で、製造および使用が容易である。
【0008】
本発明の別の目的は、特定の領域を提供する必要なく、および成型空洞で表面シールを使用する必要なく、成型空洞の壁を通じてインサートが保持されることを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、その最も広い文脈において、請求項1に記載されるように、特に窓の周囲上にビーディングを成型するための、またはプラスチック窓を成型するための、プロセスに関する。このプロセスによれば、前記成型品または前記プラスチック窓の構成プラスチックはそれぞれ、トリムなど、少なくとも1つの強磁性インサートが事前に配置されている成型空洞内に導入され、前記インサートは、成型空洞の内面にわたって前記インサートに吸引力を印加する作動位置A、および前記インサートに吸引力を印加しない非作動位置Iの、2つの位置の間で移動することが可能な少なくとも1つの磁石によって、前記プラスチックの導入中に前記成型空洞内の所定位置に保持される。
【0010】
本発明の文脈において、「強磁性」という用語は、通常と同様に、特定の要素が有する、外部磁界の効果の下で強力に磁化される特性(すなわち鉄、コバルト、ニッケル、およびそれらの多数の合金、特に鋼をベースとする要素)を意味すると理解され、これとは対照的に、「常磁性」要素(すなわちアルミニウム、クロミウム、白金などをベースとする要素)と称されるものは、確かに鉄と同じ性質の作用を受けるが、しかしこれらははるかに弱く、磁石は外部磁界が消失した後でさえも相当なレベルの磁気を保持する(すなわち残留磁化)強磁性体であることが、さらに想起される。
【0011】
好ましくは、磁石は2つの位置、すなわち作動位置Aおよび非作動位置Iの間を、回転動作Rおよび/または並進動作Tによって、移動することができる。
【0012】
本発明の一実施形態において、いくつかの磁石は単一の動作において一緒に移動することができる。
【0013】
本発明のこの実施形態において、前記セットの磁石は好ましくは、1つの群が前記インサートに吸引力を印加しない非作動位置Iにあるときに別の群が前記インサートに反発力を印加するように、2つの群の磁石に分割される。
【0014】
特に本発明のこの実施形態において、前記インサートは、常磁性ロッドを跨って成型空洞内に配置されてもよい。
【0015】
本発明によるプロセスを実行するために、磁石は好ましくは:
前記ビーディングまたは前記プラスチック窓のそれぞれの構成プラスチックの射出の開始前に作動位置Aに配置され、
磁石は好ましくは、前記ビーディングまたは前記プラスチック窓のそれぞれの構成プラスチックの射出の終了後に非作動位置Iに配置される。
【0016】
これに加えて、磁石は好ましくは、前記インサートが成型空洞内に配置された後に、作動位置Aに配置される。
【0017】
さらに、磁石は好ましくは、窓が型から外される前に、非作動位置Iに配置される。
【0018】
本発明はまた、本発明による成型プロセスを実行するための成型装置にも関し、成型空洞を含むこの装置は、その内部成型表面の前方に、成型空洞の内面にわたって前記インサートに吸引力を印加する作動位置A、および前記インサートに吸引力を印加しない非作動位置Iの、2つの位置の間で移動することが可能な、少なくとも1つの磁石を含む。
【0019】
さらに、前記磁石は好ましくは、並進動作Tにおいて移動可能な少なくとも1つのスライド上に、および/または回転動作Rにおいて移動可能な少なくとも1つのディスク上に、配置される。
【0020】
本発明はまた、本発明による成型プロセスを実行するための少なくとも1つの可動磁石の使用にも関する。
【0021】
有利なことに、本発明は、製造および使用が容易な単純な要素によって、成型作業中に、強磁性インサートの磁気吸引力による確実な保持を提供する。
【0022】
有利なことに、本発明は、成型作業後に、強磁性インサートの磁気反発によって、インサートを組み込むアセンブリを離型しやすくする。
【0023】
この磁気反発は、それ自体の上での磁石の動作によって実現されることも可能であるが、しかし本発明の文脈においては、少なくとも1つの磁石の1つの群が、前記インサートに吸引力を印加する作動位置にないときに、少なくとも1つの磁石の別の群が前記インサートに反発力を印加するようなやり方で、2つの群に分割された複数の磁石を使用することが、好ましい。
【0024】
やはり有利なことに、成型空洞の内面にわたって、この吸引磁力が印加されるか、またはこれらの吸引/反発磁力が印加される。このため、成型空洞表面上には、磁石を移動させることが可能な可動要素は存在しない。その結果、このインサート保持領域には封止がないので、型の保守が容易である。
【0025】
再び有利なことに、磁石とインサートとの間には直接接触がなく、これによってインサートの表面上のいかなる傷も、およびそのいかなる変形も、防止する。
【0026】
最後に、有利なこととして、電磁石がないので、(電磁石用の発電器型の)複雑な周辺機器がなく、(たとえば電磁石加熱による)膨張差の問題がない。
【0027】
本発明は、以下の添付図面とともに、後述の非限定例示的実施形態の詳細な説明を読むことで、より良く理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】ビーディングが成型されている間にビーディングに取り付けられるトリムを有する車両窓であって、トリムおよびビーディングが窓の底部において断面で示されている、車両窓の斜視図である。
【図2】インサートが所定位置に保持されていない、本発明の第一の実施形態における成型空洞の断面図である。
【図3】インサートが所定位置に保持されている、図2の成型空洞の断面図である。
【図4】インサートが所定位置に保持されていない、本発明の第二の実施形態における成型空洞の断面図である。
【図5】図4の磁石の上面図である。
【図6】インサートが所定位置に保持されている、図4の成型空洞の断面図である。
【図7】図6の磁石の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
これらの図中において、これらをよりわかりやすくするように、様々な要素は縮尺通りに描かれておらず、背景要素は通常は示されていない。
【0030】
図1は、可撓性ポリマーでできているビーディング3がその周囲に製造される、自動車の固定窓4を示す。
【0031】
ビーディング3の構成ポリマー材料は、熱可塑性物質(PVC、TPEなど)、ポリウレタンまたはEPDMタイプの合成ゴム、あるいはその他の適切な材料であってもよい。
【0032】
ビーディング3は、1つの成型要素が窓の内面を受け、1つの成型要素が窓の外面を受ける、2つの成型要素の間で、成型装置内でビーディング3を成型するステップを含むので、「カプセル化」製造プロセスと呼ばれるものを実行することによって製造され、これら2つの成型要素は、成型ステップの間は互いに閉鎖されている。
【0033】
図1において、ビーディング3は窓4の全周囲に沿って続いているが、しかしこのビーディングは、窓の周囲の一部分上にのみ、または窓のいずれかの部分にわたって、位置すればよい。
【0034】
窓の美的概観を改善するために、車両の外側から見えるビーディング3の一部がインサート2によって覆われるが、これはここではトリムからなり、ここでは窓の底部にのみ配置されるが、しかしこれは窓4の全周囲にわたって、および/または窓のいずれかの部分にわたって、配置されることも可能であろう。
【0035】
インサートは既製品であり、すなわちこれは、ビーディング3が内部に形成される射出型内に導入される前に形成されている。インサートは、たとえばArcelorMittal社より入手可能な鋼種S430などの磁化可能なステンレス鋼で作られてもよい。
【0036】
窓4は、一枚グレージングパネル、すなわち単一シートの材料からなってもよく、あるいはこれは複合ガラスパネル、すなわち積層ガラスパネルの場合には少なくとも1層の接着材料が、または複層グレージング(2枚グレージングまたは3枚グレージングなど)パネルの場合には少なくとも1つの中間領域が間に挿入されている、数枚の材料シートからなってもよい。シートは無機材料、具体的にはガラス、または有機材料、具体的にはプラスチックで作られてもよい。
【0037】
車両窓の場合、ガラスパネルは通常、その周囲上で少なくとも部分的に、装飾ストリップ(ここでは図示せず)を有する。この装飾ストリップは通常、ガラスパネルの内面に、または複合ガラスパネルの場合には中間面に塗布されたエナメルから生じるが、しかしこれはまた、使用される材料のシート、特に有機材料のシートの部分的および/または周囲着色から生じてもよい。
【0038】
成型によってビーディング3を製造するために、窓4は1つの型部、ここでは下型部50に位置決めされ、そして上型部50’が下型部の上に閉鎖されて、これら2つの型部の間の閉鎖空間に成型空洞5を形成するようになっている。
【0039】
ここで使用される成型システムは縦型成型機であるが、しかし水平成型機に適合させることも可能である。
【0040】
この成型空洞5の外周は、一方では下型部50の内面51によって、他方では上型部50’の内面51’によって、定義される。窓4の縁は、窓4の周囲上にビーディング3を成型するように、成型空洞内に貫通する。
【0041】
成型品3の構成プラスチックは、少なくとも1つの射出オリフィス6を通じて成型空洞内に射出される。
【0042】
型が閉鎖されてビーディング3の構成プラスチックが射出され始める前に、トリムなどのインサート2が下型部50内に、より具体的にはインサートの形状と類似だが凹凸逆の形状を有する凹部52内に、導入される。
【0043】
上型部50’は、その内面51’上に、インサート2を一時的に所定位置に保持するための少なくとも1つのピン7を含む。このため、上型部50’が下型部50の上に閉鎖されると、ピン7は一時的にインサート2を凹部52内の所定位置に保持する。
【0044】
図2および図3に示される第一の実施形態において、磁化媒介保持システムは、単一の磁石40を有するスライド41の並進動作によって起動されるのに対して、図4から図7に示される第二の実施形態では、この周りでのディスク42の回転によって起動され、このディスクはここではいくつかの磁石40、40’を有する。しかしながら、ディスクは1つの磁石のみを有することも可能である。
【0045】
さらに、本発明の第一の実施形態は、単純な磁気吸引力を用いる本発明の実現を示すのに役立つのに対して、本発明の第二の実施形態は、以下に説明されるように、磁気吸引力/反発力を用いる本発明の実現を示すのに役立つ。
【0046】
本発明によれば、前記プラスチックの成型空洞内への導入中に、前記成型空洞5内のインサート2に単純な吸引力を印加するために、少なくとも1つの磁石40が使用される。この磁石は2つの位置、すなわち成型空洞の内面にわたって前記インサート2に吸引力を印加する作動位置A(図3)、および前記インサート2に吸引力を印加しない非作動位置I(図2)の間で、移動することができる。
【0047】
インサート2に吸引力/反発力を印加するために、磁化媒介保持システムの作動位置(図6)では少なくとも1つの磁石40、40’が成型空洞の内面にわたってインサート2に吸引力を印加し、磁化媒介保持システムの非作動位置(図4)ではその他の磁石(それぞれ40’、40)が成型空洞の内面にわたって前記インサート2に反発力を印加するように、少なくとも2つの磁石40、40’はその極を逆にして配置される。
【0048】
吸引力(または随意的に反発力)が成型空洞の内面にわたって正しく印加されるために、少なくともインサート2が配置されるこの領域において、型の構成材料が強磁性ではないことが好ましいかもしれなく、ゆえにこれは常磁性である。この材料は、たとえばアルミニウムまたはアルミニウム合金であってもよい。
【0049】
図2は、第一の実施形態に関して、型が完全に閉鎖され、本発明による磁化媒介保持システムが起動される瞬間を示す。この図2において、磁化媒介保持システムがまだ起動していないことを明確に示すように、トリムは凹部52の底部53から特定の距離を空けて示されている。実際には、重力の影響の下で、トリムは凹部52の底部53に置かれている。
【0050】
この図2において、磁石40が配置されるスライド41が開放位置にあり、スライド41のハンドル43は下型部50を超えて突出しており、磁石40は凹部52の下方に配置されていないことがわかるだろう。
【0051】
図3において、トリムが示されており、これはハンドル43を押すことによって、図2の矢印Tで与えられる方向に沿って右から左へ並進的に移動させられ、そして今は凹部52の下方にある磁石40が、その吸引磁力の効果を通じてトリムを引き寄せるのを明確に示すように、凹部52の底部53に対して押しつけられている。
【0052】
この作動位置において、磁石は底部53から約2から10mmの距離dだけ離れている。
【0053】
一旦スライドが閉鎖されてしまうと、射出オリフィス6を通じての材料の射出が開始できる。
【0054】
図4は、第二の実施形態に関して、型が完全に閉鎖され、本発明による磁化媒介保持システムが起動される瞬間を示す。この図4において、図2と同様に、磁化媒介保持システムがまだ起動していないことを明確に示すように、トリムは凹部52の底部53から特定の距離を空けて示されている。
【0055】
この図4において、約3分の1回転だけ移動される下型部50の外側からアクセス可能なハンドル43によって、図4におけるその垂直配向中心軸の周りを回転的に移動することが可能なディスク42の上で、底部53から約2から10mmの距離dだけ離れて、2つの磁石40、40’が配置されているのがわかる。
【0056】
これら2つの磁石は、距離dと実質的に等しい高さで成型空洞の内面に固定されている青銅常磁性ロッド54によって分離されている。
【0057】
ディスク42の厚さはおよそ2から5mmである。
【0058】
図5は、さらにその上部に配置されたロッド54を備える、図4のディスク42の上面図である。
【0059】
図からわかるように、ロッド54は、その陰極が上向きに(トリムに向かって)配向されている磁石40と、その陽極が上向きに配向されている磁石40’との間の磁場の形成を妨害し、したがって、トリムに印加される目立った吸引力は存在しない。
【0060】
図6において、ハンドル43を押すことによって、図7の矢印Rで示されるようにその中心軸の周りで回転させられたディスク42が、今や磁石の磁性吸引力の効果を通じてトリム上に吸引力を印加するのを明確に示すように、トリムが凹部52の底部53に対して押しつけられた状態で示されている。
【0061】
この図7(ロッド54もその上に配置された、図6のディスク42の上面図)からわかるように、ロッド54はもはや、その陰極が上向きに(トリムに向かって)配向されている磁石40と、その陽極が上向きに配向されている磁石40’との間の磁場の形成を妨げず、したがって、主にトリムの縦方向に配向されたトリム上に印加される目立った吸引力は存在しない。
【0062】
この位置において、射出オリフィス6を通じての材料の射出が開始可能となる。
【0063】
本明細書に図示されない本発明のバージョンにおいて、磁石のセットが2つの群の磁石に分割され、1つの群がインサートに吸引力を印加しない非作動位置Iにあるときに別の群が前記インサートに反発力を印加するように、スライド上に複数の磁石を配置することが可能である。
【0064】
本発明の第一の実施形態において、(さらに随意的な)凹部52の形成以外に、インサートを受ける成型空洞の内面領域の特別な条件は存在しない。本発明の第二の実施形態において、一方では(さらに随意的な)凹部52の形成、および他方では(ディスク上の磁石の磁界を分離することにのみ有益な)ロッド54の位置決め以外に、成型空洞の内面領域の特別な条件は存在しない。したがって、本発明を実現するためには、インサートを受ける成型空洞の内面領域には、シールまたはその他の封止要素は存在しない。
【0065】
本発明によれば、作動位置に印加される磁気吸引力は、射出オリフィスを通じて射出される材料が、インサート2と成型空洞の底部53との間で滑らないようになっている。このため、トリムは成型後にその視認可能な面に、すなわち成型作業中に底部53に向けられるその面に、プラスチックを有していない。
【0066】
磁石の位置、および必要とされる磁石の数は、インサートの形状および寸法に依存し、インサートが重く大きいほど、多くの磁石が必要となる。大型インサートでは、ビーディングを成型するときに、可能であれば磁石のうちのいくつかだけを起動することによって全体的な吸引力を制御する際にある程度の柔軟性を有することができるようにするため、各々大きいサイズの磁石を少数よりも、各々小さいサイズの磁石を多数使用する方が、望ましいかもしれない。
【0067】
プラスチック窓の構成材料が、トリムなどの少なくとも1つのインサートが事前に配置されている成型空洞内に導入される、前記プラスチック窓を成型するための本発明を実行することも、可能である。
【0068】
この場合、インサートはその後、前記窓の表面上に直接オーバーモールドされる。
【0069】
本発明は、例示によって先のように説明される。当然ながら、当業者は、請求項によって定義される特許の範囲をそれによって逸脱することなく、本発明の様々な実施形態を作り出すことが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に窓(4)の周囲上にビーディング(3)を成型するための、またはプラスチック窓を成型するためのプロセスにして、前記ビーディング(3)の、または前記プラスチック窓の構成プラスチックがそれぞれ、トリムなどの少なくとも1つの強磁性インサート(2)が事前に配置されている成型空洞内に導入される成型プロセスであって、前記インサート(2)が、成型空洞の内面にわたって前記インサート(2)に吸引力を印加する作動位置A、および前記インサート(2)に吸引力を印加しない非作動位置Iの、2つの位置の間で移動することが可能な少なくとも1つの磁石(40、40’)によって、前記プラスチックの導入中に前記成型空洞(5)内の所定位置に保持されることを特徴とする、成型プロセス。
【請求項2】
前記磁石(40、40’)が、回転動作Rおよび/または並進動作Tによって、2つの位置、すなわち作動位置Aおよび非作動位置Iの間を移動することができることを特徴とする、請求項1に記載の成型プロセス。
【請求項3】
いくつかの磁石(40、40’)が、単一の動作において一緒に移動することができることを特徴とする、請求項1または2に記載の成型プロセス。
【請求項4】
前記セットの磁石(40、40’)が、1つの群が前記インサート(2)に吸引力を印加しない非作動位置Iにあるときに、別の群が前記インサート(2)に反発力を印加するように、2つの群の磁石に分割されることを特徴とする、請求項3に記載の成型プロセス。
【請求項5】
前記インサート(2)が、常磁性ロッド(54)を跨って成型空洞(5)内に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の成型プロセス。
【請求項6】
前記磁石(40、40’)が、前記ビーディング(3)または前記プラスチック窓(4)のそれぞれの構成プラスチックの射出の開始前に作動位置Aに配置され、前記磁石(40、40’)が、前記ビーディング(3)または前記プラスチック窓のそれぞれの構成プラスチックの射出後に非作動位置Iに配置されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の成型プロセス。
【請求項7】
前記磁石(40、40’)は、前記インサートが成型空洞内に配置された後に作動位置Aに配置されることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の成型プロセス。
【請求項8】
前記磁石(40、40’)は、窓(4)が型から外される前に非作動位置Iに配置されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の成型プロセス。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の成型プロセスを実行するための成型装置において、成型空洞(5)が、その内部成型表面の前方に、成型空洞の内面にわたって前記インサート(2)に吸引力を印加する作動位置A、および前記インサート(2)に吸引力を印加しない非作動位置Iの、2つの位置の間で移動することが可能な少なくとも1つの磁石(40、40’)を含むことを特徴とする、成型装置。
【請求項10】
前記磁石(40、40’)が、並進動作Tにおいて移動可能な少なくとも1つのスライド(41)上に、および/または回転動作Rにおいて移動可能な少なくとも1つのディスク(42)上に配置されることを特徴とする、請求項9に記載の成型装置。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか一項に記載の成型プロセスを実行するための、少なくとも1つの移動可能な磁石(40、40’)の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−521911(P2012−521911A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502742(P2012−502742)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050570
【国際公開番号】WO2010/112745
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(500374146)サン−ゴバン グラス フランス (388)
【Fターム(参考)】