説明

磁気検出装置

【課題】小型で、MI素子の配置に関して自由度が高く、量産に適した磁気発生コイルを含む磁気検出装置を提供する。
【解決手段】磁気検出装置1は、配線32とAlからなる電極21を片方の面に有する下側ICチップ2と、配線31を片側の面に有する上側ICチップ4と、Si基板上に高透磁率膜を形成したMI素子5と、配線31と配線32を電気的に接続する接続端子33とを有する。下側ICチップ2と上側ICチップ4を面突合せで配置し、配線31、配線32の露出部を接続端子33により接続することで螺旋中心軸35を軸とした螺旋構造よりなる磁界発生部3を形成する。磁界発生部3は、下側ICチップ2と上側ICチップ4のそれぞれに対し面平行方向、つまりz軸方向に法線をもつ面に対し平行方向に形成され、中心にはMI素子5が配置される。また螺旋中心軸35とMI素子5の磁気反応方向が一致するように配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、WLP(Wafer Level Package)において構成される磁気バイアスコイルを含む磁気検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、MI(Magneto Impedance)素子を使用した磁気方位センサ等が製造されている。MI素子は、磁気や電波の磁気成分に基づいてそのインピーダンスを変化させ、電気的に応答する。これらのMI素子を使用した装置は、良好な感度を得るために磁気に対するインピーダンスの変化分がもっとも大きな磁気範囲を利用する。そのためには、MI素子に磁気バイアスを加える必要がある。
【0003】
従来の技術として、方位センサに搭載されたMI素子に磁気バイアスを加える手段として、ボビン状のケースに導線を巻回した磁界発生用のコイルが知られている(例えば、非特許文献1)。
【0004】
この方位センサは、二次元的に方位を検出するためにMI素子を2つ使用し、それぞれを磁気検出方向が直行するように配置している。また、磁界発生コイルは、それぞれのMI素子の磁気検出方向に対して45°をなす角度から磁界を加えるように配置されている。
【0005】
この磁界発生用コイルによると、1つのコイルで磁界を発生することにより2つのMI素子に同時に磁気バイアスを加えることができるため、方位センサを小型に構成することが可能である。
【非特許文献1】方位センサー、機能、[online]、カシオ計算機株式会社、[平成17年11月10日検索]、インターネット<URL:http://www.casio.co.jp/ww/PROTREK/special/index.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、従来の磁界発生コイルによると、ボビン状のケースを使用しているため、ケースに厚みがある以上は小型化に限界がある。また、コイルの構造上、MI素子と別の生産ラインを設ける必要が生じ、量産の効率化に限界がある。また、3軸以上の構成の磁気検出装置には使用できず、MI素子の配置等、方位センサの設計に制限が生じるという問題がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、小型で、MI素子の配置に関して自由度が高く、量産に適した磁気発生コイルを含む磁気検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は上記目的を達成するため、第1の基板と、前記第1の基板上に積層された絶縁樹脂による第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に積層され前記第1の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記基板上の電極と電気的に接続され第1のパターンを構成する第1のCuメッキ層と、前記第1のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層に設けられた開口部によって前記第1のCuメッキ層を露出させ形成される第1の電極とを有する第1のチップと、第2の基板と、前記第2の基板上に積層された絶縁樹脂による第3の絶縁膜と、前記第3の絶縁膜上に積層され前記第3の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記基板上の電極と電気的に接続され前記第1のパターンに対向して設けられ前記第1のパターンと電気的に接続されることにより螺旋構造をなす第2のパターンを構成する第2のCuメッキ層と、前記第2のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第4の絶縁層と、前記第4の絶縁層に設けられた開口部によって前記第2のCuメッキ層を露出させ形成される第2の電極とを有する第2のチップと、前記第1の電極と前記第2の電極を導電性材料で接続することによりなる前記螺旋構造内に配置されるMI(Magneto−Impedance)素子とからなることを特徴とする磁気検出装置を提供する。
【0009】
このような構成によれば、MI素子にバイアス磁界を加える螺旋構造が微細構造により形成されることにより、装置全体を小型に構成することができ、微小な電流でバイアス磁界を印加することが可能となる。また、基板上に電極を設けたことでMI素子の複雑な配線取り回しが必要なくなる。
【0010】
(2)また、本発明は上記目的を達成するため、集積回路が形成された第1の半導体と、前記第1の半導体に積層された絶縁樹脂による第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に積層され前記第1の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記第1の半導体上の電極と電気的に接続され第1のパターンを構成する第1のCuメッキ層と、前記第1のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層に設けられた開口部によって前記第1のCuメッキ層を露出させ形成される第1の電極とを有する第1のチップと、集積回路が形成された第2の半導体と、前記第2の半導体上に積層された絶縁樹脂による第3の絶縁膜と、前記第3の絶縁膜上に積層され前記第3の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記第2の半導体上の電極と電気的に接続され前記第1のパターンに対向して設けられ前記第1のパターンと電気的に接続されることにより螺旋構造をなす第2のパターンを構成する第2のCuメッキ層と、前記第2のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第4の絶縁層と、前記第4の絶縁層に設けられた開口部によって前記第2のCuメッキ層を露出させ形成される第2の電極とを有する第2のチップと、前記第1の電極と前記第2の電極を導電性材料で接続することによりなる前記螺旋構造内に配置されるMI素子とからなることを特徴とする磁気検出装置を提供する。
【0011】
このような構成によれば、(1)の効果に加え、半導体集積回路を設けたことによりパッケージ中での信号処理が可能となり、パッケージ全体での小型化が可能となり、電子機器への搭載方法の自由度向上となる。また、パッケージ全体の製造が半導体製造プロセスによって可能となり量産化に適する。
【0012】
(3)また、本発明は上記目的を達成するため、集積回路が形成された第1の半導体と、前記第1の半導体に積層された絶縁樹脂による第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に積層され前記第1の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記第1の半導体上の電極と電気的に接続され第1のパターンを構成する第1のCuメッキ層と、前記第1のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層に設けられた開口部によって前記第1のCuメッキ層を露出させ形成される第1の電極とを有する第1のチップと、基板と、前記基板上に積層された絶縁樹脂による第3の絶縁膜と、前記第3の絶縁膜上に積層され前記第3の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記基板上の電極と電気的に接続され前記第1のパターンに対向して設けられ前記第1のパターンと電気的に接続されることにより螺旋構造をなす第2のパターンを構成する第2のCuメッキ層と、前記第2のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第4の絶縁層と、前記第4の絶縁層に設けられた開口部によって前記第2のCuメッキ層を露出させ形成される第2の電極とを有する回路基板と、前記第1の電極と前記第2の電極を導電性材料で接続することによりなる前記螺旋構造内に配置されるMI素子とからなることを特徴とする磁気検出装置を提供する。
【0013】
このような構成によれば、(2)の効果に加え、配線取り出し等を考慮した磁気検出装置を構成することが可能となる。また、複数方向の磁気検出装置を精度良く1枚の基板にまとめてパッケージ化することが可能となる。
【0014】
(4)また、本発明は上記目的を達成するため、集積回路が形成された第1の半導体と、前記第1の半導体に積層された絶縁樹脂による第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に積層され前記第1の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記第1の半導体上の電極と電気的に接続され第1のパターンを構成する第1のCuメッキ層と、前記第1のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層に設けられた開口部によって前記第1のCuメッキ層を露出させ形成される第1の電極とを有する第1のチップと、前記第1のパターンに対向して設けられ前記第1のパターンと電気的に接続されることにより螺旋構造をなすAuワイヤと、前記螺旋構造内に配置されるMI素子とからなることを特徴とする磁気検出装置を達成する。
【0015】
このような構成によれば、(2)の効果に加え、より薄型の磁気検出装置が可能となる。
【0016】
前記第1のチップと前記第2のチップは、任意の組み合わせでパルス発生装置またはデジタルフィルタの機能を有することが望ましい。
【0017】
前記パターンは50μm以下のピッチでCuメッキ層が配置されることが望ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、小型で、MI素子の配置に関して自由度が高く、量産に適した磁気発生コイルを含む磁気検出装置を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参考にして詳細に説明する。
【0020】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の第1の実施の形態に関する磁気検出装置の概略構成図である。
【0021】
(構成)
この磁気検出装置1は、パルス電圧を発生するパルス発生部20と、外部磁界に対してインピーダンス変化として電気的に応答するMI素子5と、MI素子5に磁気バイアスを加える磁気発生部3と、検出磁界より所望の周波数成分を取り出すためのデジタルフィルタ部40とを有する。この磁気発生部3は図示しない電源より電力を供給されている。
【0022】
デジタルフィルタ部40は、デジタルバンドパスフィルタと、整流部と、デジタルローパスフィルタと、波形整形部とからなるFIR(Finite Impulse Response)フィルタもしくはIIR(Infinite Impulse Response)フィルタ形式により構成される。
【0023】
図2Aは本発明の第1の実施の形態に係る磁気検出装置の構成を示す斜視図である。図2Bは、図2AのA−A部における切断面を示す図である。なお、一部詳細に説明するため、図面を一点鎖線で示している。
【0024】
磁気検出装置1は、配線32とAlからなる電極21を片方の面に有する下側ICチップ2と、配線31を片側の面に有する上側ICチップ4と、Si基板上に高透磁率膜を形成したMI素子5と、配線31と配線32を電気的に接続する接続端子33とを有する。配線31および配線32は電極21と電気的に接続され、電極21には図示しない電源より電力が供給されている。
【0025】
下側ICチップ2および配線32は、WLPにより作製される。下側ICチップ2は、Si基板に半導体プロセスによって回路パターンが設けられており、図1に示したパルス発生部20の機能を有している。回路パターンはSiOによるパッシベーション膜34により絶縁され、電極21のみ表面に現れている。下側ICチップ2は絶縁樹脂36により電極21以外を覆い、絶縁樹脂36の表面上に配線32がCuメッキにより50μm以下の可能な限り狭小なピッチで形成されている。現状では最小ピッチは1μmである。配線32は、絶縁樹脂36に開口された部分より下側ICチップ2上の電極21と電気的に接続されている。また、配線32の表面は絶縁樹脂36により絶縁されており、接続端子33取り付け部分のみ露出している。
【0026】
上側ICチップ4および配線31は、WLPにより作製される。上側ICチップ4は、Si基板に半導体プロセスによって回路パターンが設けられており、図1に示したデジタルフィルタ部40の機能を有している。回路パターンはパッシベーション膜34により絶縁され、さらに絶縁樹脂36により覆われた後、その表面上に配線31がCuメッキにより50μm以下の可能な限り狭小なピッチで形成されている。配線31の表面は絶縁樹脂36により絶縁されており、接続端子33取り付け部分のみ露出している。
【0027】
上記した下側ICチップ2と上側ICチップ4を面突合せで配置し、配線31、配線32の露出部を接続端子33により接続することで螺旋中心軸35を軸とした螺旋構造よりなる磁界発生部3を形成する。磁界発生部3は、下側ICチップ2と上側ICチップ4のそれぞれに対し面平行方向、つまり図2A、図2Bに示すz軸方向に法線をもつ面に対し平行方向に形成され、中心にはMI素子5が配置される。また螺旋中心軸35とMI素子5の磁気反応方向が一致するように配置される。なお、磁気反応方向とは、図2A、図2Bに示すy軸方向である。
【0028】
配線31と配線32とは、Cuメッキにより配線32の上に円柱状の接続端子33を形成して半田バンプで接合するか、半田バンプのみを接続端子33として用いて接合する。
【0029】
また、MI素子5は図示しない下側ICチップ2上の電極と電気的に接続されており、図1に示したパルス発生部20より信号が入力される。また、MI素子5は図示しない上側ICチップ4上の電極と電気的に接続されており、図1に示したデジタルフィルタ部40に信号を出力する。
【0030】
(動作)
以下に、本発明の実施の形態における磁気検出装置の動作を図1から図4を参照しつつ説明する。
【0031】
MI素子5はつづら折れ状パターンの長手方向にて外部磁界に反応し、インピーダンスが変化する。パルス発生部20の出力は、MI素子5のインピーダンス変化に基づき変化し、デジタルフィルタ部40へと入力される。デジタルフィルタ部40は、所望の帯域の周波数信号のみを図示しない搭載機器の信号処理部へと出力する。
【0032】
図3は、MI素子5の磁気応答特性を示すグラフである。縦軸にMI素子の感度、横軸に外部磁界Bを示す。
【0033】
図3のI部に示すように、磁気発生部3による磁気バイアスがない場合は、外部磁界Bの変化に対しMI素子のインピーダンスはほぼ変化を表さない。図3のII部に示すように、8×10−4T程度の磁気バイアスがある場合は、大きなインピーダンス変化を示すため十分な電気的応答を得ることができる。上記の理由により、磁気発生部3に電力を供給し、磁気バイアスを調整することによって磁気検出装置1として十分な感度を得ることができるようになる。
【0034】
(第1の実施の形態の効果)
上記した実施の形態によると、WLPにより上側ICチップ4および下側ICチップ2を作製したため、プリント基板では実現できない50μm以下のピッチにより形成された微細構造により配線31および配線32が形成可能となり、従来のコイルに比べコイルサイズに対する巻数を多くすることができる。その結果、磁界発生部3において所望の磁気バイアスを微小電流で得ることが可能となり省電力になる。
【0035】
また、コイルパターンを狭小ピッチで巻数を多くすることができるため、コイルの幅、長さを短くでき、装置をチップレベルで構成することが可能となる。また、IC上に磁気発生部3とMI素子5用の電極を設けたことにより配線引回し等によるスペースの制限がなくなり搭載機器設計の際に配置の自由度が向上する。
【0036】
また、複数の軸に対し磁気検出をする場合、それぞれの軸のMI素子に対し磁気発生部を設けることで、MI素子の配置の自由度が向上する。
【0037】
また、磁気発生部3の配線31、配線32は、半導体製造プロセスにより形成され、MI素子5のマウントもチップマウンタにより可能となるので、新たな設備を設けることなしに磁気検出装置1を半導体製造プロセスによって製造でき、量産化に適する。
【0038】
〔第2の実施の形態〕
【0039】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る磁気検出装置を示す斜視図である。また、一部詳細に説明するため、図面を一点鎖線で示している。なお、以下の説明において、第1の実施の形態と同一の構成および機能を有する部分については共通の符号を付している。
【0040】
(構成)
【0041】
磁気検出装置1は、配線32とAlからなる電極21を片方の面に有する回路基板2Aと、配線31を片側の面に有する上側ICチップ4と、Si基板上に高透磁率膜を形成したMI素子5と、配線31と配線32を電気的に接続する接続端子33とを有する。配線31および配線32は電極21と電気的に接続され、電極21には図示しない電源より電力が供給されている。
【0042】
配線31と配線32は接続端子33により電気的に接続されることにより、螺旋中心軸35を中心として螺旋構造を構成する。MI素子5は螺旋中心軸35上にその中心が位置するように、また螺旋中心軸35とMI素子5の磁気反応方向が一致するように配置される。なお、磁気反応方向とは、図4に示すy軸方向である。
【0043】
なお、上側ICチップ4は、Si基板に半導体プロセスによって回路パターンが設けられており、図1に示したパルス発生部20とデジタルフィルタ部40の機能を有している。
【0044】
また、MI素子5は図示しない上側ICチップ4上の電極と電気的に接続されており、図1に示したパルス発生部20とデジタルフィルタ部40とでそれぞれ信号を送受信する。
【0045】
(第2の実施の形態の効果)
上記した実施の形態によると、第1の実施の形態の効果に加え、共通の回路基板2A上に複数の磁気検出装置1を半導体製造プロセスを用いて磁気検出する各軸に対して設置することにより、方位センサ等の軸ズレを抑え精度を向上させることができる。また、回路基板2Aを使用したことにより、配線取り出しも含めて磁気検出装置を構成することが可能となり、パッケージとして小型にデザインすることが可能となる。また、方位センサ等の磁気検出装置のパッケージとして構成することができるため、電子機器への搭載が簡潔になり、製造リードタイムを短くすることができる。
〔第3の実施の形態〕
【0046】
図5は、本発明の第3の実施の形態に係る磁気検出装置を示す斜視図である。
【0047】
(構成)
磁気検出装置1は、ワイヤ配線31aと、配線32とAlからなる電極21とを片方の面に有する下側ICチップ2と、Si基板上に高透磁率膜を形成したMI素子5とを有する。配線32と電極21は電気的に接続され、電極21には図示しない電源より電力が供給されている。
【0048】
ワイヤ配線31aと配線32が電気的に接続されることにより、螺旋中心軸35を中心として螺旋構造を構成する。MI素子5は螺旋中心軸35上にその中心がくるように、また螺旋中心軸35とMI素子5の磁気反応方向が一致するように配置される。なお、磁気反応方向とは、図5に示すy軸方向である。
【0049】
なお、下側ICチップ2は、Si基板に半導体プロセスによって回路パターンが設けられており、図1に示したパルス発生部20とデジタルフィルタ部40の機能を有している。
【0050】
また、MI素子5は図示しない下側ICチップ2上の電極と電気的に接続されており、図1に示したパルス発生部20とデジタルフィルタ部40とでそれぞれ信号を送受信する。
【0051】
なお、ワイヤ配線31aとMI素子5は図示しない封止樹脂により保護する。
【0052】
(第3の実施の形態の効果)
上記した実施の形態によると、第1の実施の形態の効果に加え、図5に示すz方向の厚みを抑えることができるため、薄さを求められる電子機器への搭載に適した形状となる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1の実施の形態に関する磁気検出装置の概略構成図である。
【図2A】本発明の第1の実施の形態に係る磁気検出装置の構成を示す斜視図である。
【図2B】図2AのA−A部における切断面を示す図である。
【図3】MI素子5の磁気応答特性を示すグラフである。縦軸にMI素子のインピーダンス、横軸に外部磁界Bを示す。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る磁気検出装置を示す斜視図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る磁気検出装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0054】
1 磁気検出装置
2 下側ICチップ
2A 回路基板
3 磁気発生部
4 上側ICチップ
5 MI素子
20 パルス発生部
21 電極
31a ワイヤ配線
31 配線
32 配線
33 接続端子
34 パッシベーション膜
35 螺旋中心軸
36 絶縁樹脂
40 デジタルフィルタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板と、前記第1の基板上に積層された絶縁樹脂による第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に積層され前記第1の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記基板上の電極と電気的に接続され第1のパターンを構成する第1のCuメッキ層と、前記第1のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層に設けられた開口部によって前記第1のCuメッキ層を露出させ形成される第1の電極とを有する第1のチップと、
第2の基板と、前記第2の基板上に積層された絶縁樹脂による第3の絶縁膜と、前記第3の絶縁膜上に積層され前記第3の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記基板上の電極と電気的に接続され前記第1のパターンに対向して設けられ前記第1のパターンと電気的に接続されることにより螺旋構造をなす第2のパターンを構成する第2のCuメッキ層と、前記第2のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第4の絶縁層と、前記第4の絶縁層に設けられた開口部によって前記第2のCuメッキ層を露出させ形成される第2の電極とを有する第2のチップと、
前記第1の電極と前記第2の電極を導電性材料で接続することによりなる前記螺旋構造内に配置されるMI(Magneto−Impedance)素子とからなることを特徴とする磁気検出装置。
【請求項2】
集積回路が形成された第1の半導体と、前記第1の半導体に積層された絶縁樹脂による第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に積層され前記第1の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記第1の半導体上の電極と電気的に接続され第1のパターンを構成する第1のCuメッキ層と、前記第1のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層に設けられた開口部によって前記第1のCuメッキ層を露出させ形成される第1の電極とを有する第1のチップと、
集積回路が形成された第2の半導体と、前記第2の半導体上に積層された絶縁樹脂による第3の絶縁膜と、前記第3の絶縁膜上に積層され前記第3の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記第2の半導体上の電極と電気的に接続され前記第1のパターンに対向して設けられ前記第1のパターンと電気的に接続されることにより螺旋構造をなす第2のパターンを構成する第2のCuメッキ層と、前記第2のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第4の絶縁層と、前記第4の絶縁層に設けられた開口部によって前記第2のCuメッキ層を露出させ形成される第2の電極とを有する第2のチップと、
前記第1の電極と前記第2の電極を導電性材料で接続することによりなる前記螺旋構造内に配置されるMI素子とからなることを特徴とする磁気検出装置。
【請求項3】
集積回路が形成された第1の半導体と、前記第1の半導体に積層された絶縁樹脂による第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に積層され前記第1の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記第1の半導体上の電極と電気的に接続され第1のパターンを構成する第1のCuメッキ層と、前記第1のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層に設けられた開口部によって前記第1のCuメッキ層を露出させ形成される第1の電極とを有する第1のチップと、
基板と、前記基板上に積層された絶縁樹脂による第3の絶縁膜と、前記第3の絶縁膜上に積層され前記第3の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記基板上の電極と電気的に接続され前記第1のパターンに対向して設けられ前記第1のパターンと電気的に接続されることにより螺旋構造をなす第2のパターンを構成する第2のCuメッキ層と、前記第2のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第4の絶縁層と、前記第4の絶縁層に設けられた開口部によって前記第2のCuメッキ層を露出させ形成される第2の電極とを有する回路基板と、
前記第1の電極と前記第2の電極を導電性材料で接続することによりなる前記螺旋構造内に配置されるMI素子とからなることを特徴とする磁気検出装置。
【請求項4】
集積回路が形成された第1の半導体と、前記第1の半導体に積層された絶縁樹脂による第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に積層され前記第1の絶縁膜に設けられた開口部を介して前記第1の半導体上の電極と電気的に接続され第1のパターンを構成する第1のCuメッキ層と、前記第1のCuメッキ層上に積層された絶縁樹脂による第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層に設けられた開口部によって前記第1のCuメッキ層を露出させ形成される第1の電極とを有する第1のチップと、
前記第1のパターンに対向して設けられ前記第1のパターンと電気的に接続されることにより螺旋構造をなすAuワイヤと、
前記螺旋構造内に配置されるMI素子とからなることを特徴とする磁気検出装置。
【請求項5】
前記第1のチップと前記第2のチップは、任意の組み合わせでパルス発生装置またはデジタルフィルタの機能を有することを特徴とする請求項2から4に記載の磁気検出装置。
【請求項6】
前記パターンは50μm以下のピッチでCuメッキ層が配置されることを特徴とする請求項1から4に記載の磁気検出装置。

【図1】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2007−263645(P2007−263645A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−87111(P2006−87111)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】