説明

移動する物体を光学的に検出するための方法、照明機器およびシステム

【課題】検出すべき物体について高い搬送速度で質の高い識別を提供する
【解決手段】移動する物体3を光学的に検出するための方法であって、物体3を照らすことを有し、その照らすことは、異なる強度および/またはパルス期間を有する光パルスL1,L2、および、光学的に検出可能な二次作用を物体3中に誘起する第2の光SLで行われ、ライン毎に組織されたモノクロームの光学エリアセンサー5での異なる照明のもとで物体3の像を撮ることを有し、各像から、異なる照明があるような、少なくともそのような数のラインZ5,Z15..Z55を読み出して一時的に保存することを有し、撮られた像からのラインZ5,Z15..Z55を順次結合して結合ラインK1−K6を形成することを有し、互いに結合されるラインZ5,Z15..Z55は、ラインピッチdまたはその倍数をそれぞれ有し、かつ、結合ラインK1−K6を、結合された全体像11へと組み立てる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送速度で移動させられる物体(object、対象物)を光学的に検出するための方法(process)、照明機器およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
カラーカメラを用いたバルク材料の検出と、それに続く選別は、確立された方法である。一般的な実施形態の種類は、例えば特許AT 410847に記載されている。この技術は、特にリサイクルの分野において用いられている。それを行うに当たっては、透過光検出および選別が主なものであり、それらにおいては、ガラスおよび透明な合成製造物が、それらを通る光を放射し、通過した光をカラーカメラを用いて集め、そしてそれを分析することによって処理される。この技術では、例えば、透明なガラスおよびプラスチック部分にあるラベルが大きな障害となるため、前段階の処理でそれらを除去するために、コストのかかる機械的な方法(例えばAT 503036 B1を参照)が用いられることさえある。しかしながら、収率を向上させるためには、ラベルといったような不透明な異物がそれらにくっついていても、透明な物体を識別する、ということが絶対的に望ましい。
【0003】
さらに、最近では、蛍光管システム、または、LEDベースの照明システム(例えば実用新案AT 004889U1に記載されている)もまた用いられている。工学技術の進歩により、ライン スキャン速度がますます高いカラーカメラが提供されているが、それが今度は、ますます短い照明時間(illumination times)を要求し、よって、検出すべき物体を照らすためにより高い輝度(luminances)を要求している。4〜20kHzのライン スキャン速度を有するシステム(それらは、既に先行技術となっているか、または近い将来利用可能となるであろう)のために要求される高い輝度は、もはや蛍光管または熱発光体では達成できない。したがって、輝度を上げるために、システムに発光ダイオード(LED)を発光体として備えることが既に示唆されている。黄色蛍光色素(yellow fluorescent dyes)を有する青色LED(いわゆる、白色光LED)による白色光の生成を組み合わせた、ビーム フォーカシングを行う光学システムがこの分野における標準として確立されている。しかしながら、色変換(color conversion)が効率的でないため、この種の照明は、能動的な冷却を必要とし、例えば、水冷によってコストのかかる様式で達成される。
【0004】
光に感度をもった素子(ピクセル)上にカラーフィルターを備えたカラーカメラ、または、3チップカメラは、今日、白色光照明と組み合わせて標準的な技術として用いられており、ここで各チップは、赤、緑、青という三原色の一つに感度を持っている。さらには、解像度に対する要求、それゆえピクセル数に対する要求は、ますます大きなものとなっている。今日、1000を越えるカラー トリプルが既に標準であり、限界を一桁上げることを目指して開発がなされている。これはピクセルサイズにさらなる低減を要求し、今度はそれが、照明機器の輝度に対する要求をさらに増加させ、また、カラーフィルターの質を低下させ、それらはどのみち問題がある。3チップカメラでは、色成分を分離するためおよび互いに対してセンサーを調整するための、必要とされる、光路の光学的な分岐(splitting)が、決定的に重要なものとして評価されることになる。
【0005】
しかしながら、そのような最新の機器を用いた場合でも、識別の質はいまだ満足できるものでなく、黒ずんだ(dark)くすんだガラスと、セラミクス、石、または、磁器由来のプラスチック部分との区別に関しては、特に満足できるものではない。未だ解決されていない問題として、今日のカメラシステムの不十分なダイナミックレンジがあり、これはしばしば、例えば、無色のガラスが物質の流れの中で、黒ずんだガラスおよび不透明な素材と混ざった場合に、誤った識別に繋がる。さらには、異なる種類の同じ基本物質(例えば、ガラスの流れの中の鉛ガラス)の間で区別できることもまた望ましいであろう。
【0006】
このように、検出すべき物体について高い搬送速度で質の高い識別を提供する、移動物体の光学的検出のための改善された方法に対する必要性がいまだに存在している。そのような方法は、比較的低い輝度を備えた照明機器を用いて行うことが可能であるべきだが、それと同時に、高輝度の条件(すなわち、高輝度のダイナミックレンジ)を扱うことも可能であるべきである。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、移動する物体を光学的に検出するための方法、照明機器、および、システムの提供における問題点に基づくものであり、本発明により、上述した先行技術の欠点が克服される。
【0008】
この問題点は、請求項1の特徴を有する、移動する物体を光学的に検出するための方法(process、プロセス)、請求項11の特徴を有する照明機器、および、請求項16の特徴を有する移動物体の光学検出のためのシステムによって解決される。本発明の有利な実施形態およびさらなる特徴は、従属請求項および以下の詳細な説明より明らかとなる。
【0009】
本発明によれば、モノクロームセンサーが使用される。物体は、少なくとも1つのパルス光源からの順番に続く(sequence)光パルスで照らされる。加えて、該物体は、第2の光源からの第2の光で照らされてもよく、第2の光源からの該光は、光学的に検出可能な二次作用(secondary effect)を該物体中に誘起する。光パルス(複数)は、互いに異なる強度および/または異なるパルス期間を呈してもよい。
【0010】
よって、光による物体の照明についての以下の変形態様が提供される:
a)少なくとも1つのパルス光源からの順番に続く光パルスで物体を照らすこと。ここで、該光パルスは、異なる強度および/または異なるパルス期間を有する。
b)少なくとも1つのパルス光源からの順番に続く光パルスで物体を照らすこと。ここで全ての光パルスは、同一の強度およびパルス期間を有する。第2の光源からの第2の光で物体を追加的に照らすこと。第2の光源からの該光は、光学的に検出可能な二次作用を物体中に誘起する。
c)少なくとも1つのパルス光源からの順番に続く光パルスで物体を照らすこと。該光パルスの少なくともいくつかは、光の強度および/またはパルス期間において互いに異なる。第2の光源からの第2の光で物体を追加的に照らすこと。第2の光源からの光は、光学的に検出可能な二次作用を物体中に誘起する。
【0011】
光パルス毎に、物体の像が撮られ、それが、モノクロームのエリアセンサーにより一時的に保存される。照明の変形態様bおよびcでは、第2の光源がスイッチを入れられ、光パルス同士の間での中断時に、モノクロームのエリアセンサーにより物体の像が追加的に撮られる。
【0012】
撮られた像ごとから、ラインがモノクロームの光エリアセンサーから読み出される。これらの読み出されたラインは、互いに対するあるラインピッチを有し、物体のエリアセンサーへの投影は、前後に連なる光パルス同士の間で、および、任意選択的には第2の光の像の間に、該ラインピッチまたは該ラインピッチの倍数で移動する。したがって、該ラインピッチまたはその倍数はそれぞれ、前後に連なる光パルス同士の間でおよび任意選択的には第2の光の像の間で、物体が搬送速度で移動する距離に比例する。この像処理(イメージ プロセシング)では、各像のわずか数行のみが評価のために必要であり、それにより処理すべきデータの量が最小化されることが理解されよう。
【0013】
像の評価を向上させるために、各像から、少なくとも、強度および/またはパルス期間および/または色において互いに異なる光パルスが存在するような数の、ならびに、任意選択的には第2の光が存在するような数の、少なくともそのような数のラインが読み出されて一時的に保存されることが好ましい。
【0014】
たいていの使用例では、第2の光は、該光パルスよりも実質的に長く照射することを許容されることに留意すべきである。第2の光源は、間欠的に作動されてもよく、またさらには、連続的な作動であってもよい。結果として、第2の光源の技術的な実施のためおよびパルス光源のために必須の要件は適用され得ない。必要な予熱時間および遅いスイッチング挙動は、パルス光源としての作動のために光源を不適格とする特性である。第2の光源としての作動のためには、そのような特性は、全く許容され得る。第2の光源がより長い作動が可能であることに起因して、パルス光源によって可能であろう励起よりも長い励起が必要ような二次作用もまた、利用され得る。間欠的な作動では、第2の光源がオンの状態は、最も長い光パルスの光期間の倍の間続くことが好ましい。
【0015】
光パルスによる照明のもとでおよび任意選択的には第2の光源による照明のもとで撮られた像からの一時的に保存されたラインは、順次結合されて結合ラインを形成し、ここで、互いに結合されるラインは、互いに対して前記のラインピッチまたはその倍数をそれぞれ有する。結合ラインは、結合された全体像に組み立てられ得る。
【0016】
本発明によるこの処理を用いることにより、異なる照明のもとで撮られた像が得られる。したがって、これらの像の個々のラインを、最適な像情報を有する結合ラインが得られるように結合することが可能である。したがって、結合は、例えば、ライン情報を加え合わせること、および/または、ある像のラインについて他の像のラインに対する高低それぞれを評価することを有し得、ここで、高低それぞれの評価は、例えば高度に露光過多または露光不足の像において、ある像のラインの選択および他の像のラインの除外まで拡張されてもよい。
【0017】
非常に短くかつそれほど強くない光パルスによって、それぞれに、エリアセンサーに大きな負荷をかけることなく明るい断片を検出することが可能である。長くかつ/または強い光パルスによって、黒ずんだガラスを磁器および石から区別することができる。結果として、例えば、物質の流れの中で非常に様々な光透過性(完全に透明から非常にくすんだおよび暗い色まで)のガラスを高精度で識別すること、特にはまた、全ガラスの透過率全体がモノクロームの光エリアセンサーのダイナミックレンジよりも大きい場合に識別することが可能である。
【0018】
第2の光源(その光源の光は、光学的に検出可能な二次作用を物体中に誘起する)を用いる場合、さらに良い物質識別に役立つさらなる情報が得られる。
【0019】
本発明のさらなる展開では、個々の光パルスの光は異なる波長を有する。可視波長領域の光を発するパルス光源を用いる場合には、各光パルスは一つの光の色に対応する。この実施形態は、各色成分が直接センサーに達し、そこで信号を生成するという利点を与える。対照的に、先行技術で使用されるようにカラーフィルターカメラおよびRGB照明では、光はどうしてもカラーフィルターに吸収されるため、青色および緑色のピクセルは赤色光および赤色信号成分にとって意味を持たない。同じことが他の色にも当てはまる。加えて、光量子の約50%のみがセンサーに到達するのを許容する非常に小さなピクセルサイズを有するカラーフィルターという、理想的でない技術的実施を基礎とした場合には、本発明による結果は、要求される照明の輝度が典型的には6分の1まで低減されるというものである。光についての要求におけるさらにはっきりした低減は、本発明にしたがって使用される2次元センサーによって達成され、それにおいては、光パルス毎におよび任意選択的には第2の光のもとでそれぞれ、複数のラインが露光され、それに続いてラインが順次組み立てられる。
【0020】
ラインの組み立て(assembling)は、強度および/またはパルス期間および/または色において異なる光パルスによる連続する照明のもとで、ならびに、任意選択的には第2の光のもとで、撮られた像からのラインを順次結合して結合ラインを形成することにより行うことができ、ここで、結合されるラインは、互いに対して、規定されたラインピッチまたは該ラインピッチの倍数を有する。
【0021】
代替的または付加的には、異なる時点において同等な照明のもとで記録されたモノクローム(monochromatic)のラインが、記録の間の時間的間隔およびその順番(シークエンス)内でのラインピッチを考慮して、順次結合されてインターライン(interline、中間ライン)が形成される。それに続いて、異なる照明に割り当てられるインターラインが、ラインピッチを考慮して結合されて結合ラインが形成される。次いで、結合ラインが、結合された全体像へと組み立てられる。
【0022】
高速でスイッチングを行う、狭い帯域からモノクロームまでの光源、好ましくは、発光ダイオードまたはレーザーを照明のために使用すれば、質の高い物体検出および高い処理速度が達成される。
【0023】
本発明の好ましい実施形態では、第2の光源はUV光源またはUV−C光源であり、これらは、例えば鉛ガラスなどの物体中にルミネセンスを誘導する。それにより、色が同じであるがルミネセンスを発し得ない物体を、物質の流れの中の他の物体から区別することができる。
【0024】
本発明の代替的な実施形態では、第2の光源は、物体中に熱吸収を誘導する熱放射を高い比率で持った光源である。これによって、例えば、材料に特異的な冷却効果を視覚化することができる。ここで、エリアセンサーは熱像をキャプチャーできる必要がある。
【0025】
フィルタリングにより得られる狭帯域の光で物体を照らすことにより、物体に当たる異質な光が少なくなるため、識別率が増加する。
【0026】
本発明は、透過光照明のために特に好ましい。透過光照明により、透明または半透明の物体が、不透明な物体からそれぞれ検出および区別される。
【0027】
搬送速度で移動させられる物体を照明するための本発明による照明機器は、少なくとも1つのパルス光源を有し、かつ、任意選択的には、光学的に検出可能な二次作用を物体中に誘起する少なくとも1つの第2の光源を有する。全ての光源が組み入れられるケーシングは、光源により生成される光の通過のための光の出口を有し、その光の出口は、少なくとも1つのフィルターガラスによって覆われ、該フィルターガラスは、識別のために必要な波長域を除いて、光源により生成される光の望ましくない波長域を広帯域の様態で弱める。この照明機器を用いることで、異質の光が大幅に排除されるため、物体の識別における高い精度が達成できる。結果として、本発明の技術的な実行のためには、可能な光源の選択は、狭帯域の放射特性を有する発光体に限定されない。
【0028】
高い光透過性を有する物質および非常に低い光透過性を有する物質の検出を可能とするために、パルス光源は異なる強度および/または異なるパルス期間の光パルスを生成することが想定される。高い率の識別のためには、パルス光源は、高速でスイッチングを行う、狭い帯域からモノクロームの光源、好ましくは、発光ダイオードまたはレーザーであることが好ましい。
【0029】
物質中にルミネセンスを誘導するために、第2の光源が、UV光源またはUV−C光源であることが想定される。
【0030】
物体に関する色情報が物体の識別において含まれるようにするために、該照明機器の1つの実施形態では、光源は、物体を照らするために異なる色の光を発生させることが想定される。
【0031】
移動する物体を光学的に検出するための当該装置は、物体を搬送するための運搬装置を有し、複数のセンサーラインを有するモノクロームの光エリアセンサー(例えば、CMOSセンサー)を有し、かつ、エリアセンサーおよび照明機器を制御するためのコンピュータを有し、該コンピュータは、物体の検出のための上述した本発明による処理を実行するために設計されたものである。
【0032】
システムの透過光作動のためには、運搬装置は半透明であり、かつ、照明機器およびエリアセンサーは運搬装置の反対側に配置されることが想定される。しかしながら、本発明によるシステムは、透過光の運用に限定されない。特に、運搬装置に対しカメラが位置する側と同じ側から第2の光源で物体を照らす(すなわち、第2の光源を入射光の操作にて使用する)ことが好都合であり得る。しかしながら、パルス光源もまた、カメラの側に配置され得る。特に、上述した照明機器全体をカメラの側に配置することもできる。
【0033】
本発明のシステムは、選別されるべき物体の検出に応じて、選別プラントを稼動させるためのコンピュータを設計することにより、材料選別プラントに拡張され得る。
【0034】
これより、図面を参照しながら、非限定的な例示的実施形態に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は、搬送速度で移動させられる物体の光学的な検出、および、それに続く選別のための、本発明によるシステムの模式的なブロック図を示している。
【図2】図2は、本発明による照明機器において使用されるフィルターガラスの波長に応じた減衰(ダンピング)の図表(チャート)を示している。
【図3】図3は、時間的(temporal)に順番に続く光パルスおよび第2の光による照明のもとでの、光エリアセンサーによる像(イメージ)の記録の第一番目の経過時間の過程(path-time course)を、搬送方向において対応する物体の進路(route)と共に示している。
【図4】図4は、時間的に順番に続く光パルスおよび第2の光による照明のもとでの、光エリアセンサーによる像の記録の第二番目の経過時間の過程を、搬送方向において対応する物体の進路と共に示している。
【図5】図5は、時間的に順番に続く光パルスおよび第2の光による照明のもとでの、光エリアセンサーによる像の記録の第三番目の経過時間の過程を、搬送方向において対応する物体の進路と共に示している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1を参照して、搬送速度vで移動させられる物体3を光学的に検出するための本発明によるシステム1の例示的な実施形態を、これよりさらに詳細に説明する。当該システム1は、コンベヤーベルトの形態となっている運搬装置2を有する。代替物としては、例えば、コンベヤーシュートも考えることができるであろう。運搬装置2は、予め定められた搬送速度vにて、駆動ロール8により駆動される。運搬装置2の上を、システム1によって検出されるべき物体3が搬送されている。物体は、例えば、材料の流れから分別されるべきガラスまたはプラスチックの透明な断片である。しかしながら、代替的には、物体3は、また、ガラスの材料流から分別されるべき、ガラスもしくはプラスチックの色の付いたくすんだ断片または不透明部分(例、石)であってもよい。しかしながら、本発明によるシステム1の用途はここに示す例に限定されない。カメラ4が、物体3の投影(projections)Pを検出するためのモノクローム(黒/白)のエリアセンサー5を有しており、該投影は、該カメラ4の光学システムによって、エリアセンサー5の表面に放射されたものであって、該カメラが運搬装置2の上方に位置している。該カメラ4の光軸は、運搬装置2に直角に向けられるのが好ましい。これに関連して、実際上は、当然ながら多くの物体3が同時に検出され、また、より正確な区別のために、通常は複数のカメラ4が、運搬装置2の搬送方向を横切るように並べられることを述べておくべきであろう。しかしながら、本発明の説明の目的から、1つの物体3および1つのカメラ4のみについて言及する。
【0037】
物体3を照らすために、本発明による照明機器20が備えられる。当該照明機器20は、ケーシング21を有し、該ケーシング中に、3つのパルス光源LQ1、LQ2、LQ3と、2つの第2の光源LQ4、LQ5とが配置されている。パルス光源LQ1、LQ2、LQ3は、光学的な隔壁21によって、第2の光源LQ4、LQ5から隔離されている。異なる光源同士の間に隔壁21を用いることは、物体の検出にとって決定的なものではない。しかしながら、様々な光源の望ましくない光の部分をフィルタリングするために、異なるフィルターガラスが使用される場合、該隔壁によってフィルタリングを単純化することができる。
【0038】
高速でスイッチングを行う、狭い帯域からモノクロームまでの光源、好ましくは、発光ダイオードまたはレーザーが、パルス光源LQ1、LQ2、LQ3として使用される。パルス光源LQ1、LQ2、LQ3は、全て同じ色(例、白色)を有してもよく、または、異なる色(例、赤色、緑色および青色)の光を発してもよい。
【0039】
この例示的な実施形態では、第2の光源LQ4、LQ5は、UV光源またはUV−C領域の光を放出する蛍光灯である。UV光によって、例えば、鉛ガラス(lead glass)にルミネセンスを生じさせることができ、この二次作用をカメラ4によって検出することができる。別の有用な二次作用としては、物体3の冷却挙動(cooling behaviour)の検出である。この目的のために、エリアセンサー5は、熱像(heat image)を撮ることができなければならず、また、物体3において熱吸収を誘起する赤外線ランプを、第2の光源LQ4、LQ5として使用することが好ましい。
【0040】
当該照明機器20の一つの変形態様では、異なる強度(インテンシティ)の光パルス、および/または、異なるパルス期間の光パルスが、パルス光源LQ1、LQ2、LQ3を用いて生成され得る。異なる強度のパルスは、例えば、異なる個数の(単色の)パルス光源LQ1、LQ2、LQ3を同時に作動させることにより生成することができる。パルス光源LQ1、LQ2、LQ3、および、第2の光源LQ4、LQ5は、任意選択的には(optionally)、コンピュータ6により作動され、これについては以下にさらに詳細に説明する。視覚的(ビジュアル)な理由から、パルス光源LQ1、LQ2、LQ3は、図1では、互いの上にあるように示されていることに留意されたい。しかしながら、実際には、それらは水平に並んで配置され、運搬装置2を横切って配置される照明器具の側面(プロファイル)に一体化されていることが好ましい。
【0041】
ケーシング21は、光の出口23を有し、この光の出口は、運搬装置2に向いており、フィルターガラス24によって覆われている。該フィルターガラス24は、ケーシング21内に配置される光源LQ1からLQ5の波長を持った光の部分を除いて、広帯域の様態で光を弱める。これは、物体の識別のために決定的に重要である。フィルターガラス24の減衰挙動について、パルス光源LQ1、LQ2、LQ3が、それぞれ赤色、緑色および青色の光を発し、第2の光源LQ4、LQ5が、主にUV光を発するという例を仮定して、図2のダイヤグラムに示している。このダイヤグラムは、光の波長λの関数としての減衰ATTを示している。波長λ(LQ1)、λ(LQ2)、λ(LQ3)、λ(LQ4、LQ5)を有する光のもとでは、フィルターガラスの減衰効果は低いが、残りの波長域では高いことが分かる。
【0042】
本発明によるシステム1は、透過光処理での稼動を意図されており、該処理のために、照明機器は運搬装置2の下方に配置され、光は上向きに照射され、カメラ4は運搬装置2の上方に配置されて物体3を通過する光を検出する。透過光処理のためには、当然ながら、運搬装置2は透明である(例えば、透明な合成素材から作られたコンベヤーベルトを有する)ことが必要である。オプションの拡散板7は、照明機器20によって供給される光を均質化するために機能する。
【0043】
モノクロームの(monochromatic、単色の)光エリアセンサー5は、ライン(lines、行)とカラム(columns、縦の行)(典型的には、1024×1024ピクセル)にて配置されるセンサードットのアレイとして設計され、該アレイでは、ピクセルの輝度信号はラインごとに読み出され得る。好ましい実施形態では、エリアセンサー5は、CMOSセンサーとして設計される。エリアセンサー5の輝度値は、コンピュータ6によりラインごとに読み出され、一時的に保存され、後述する本発明による検出方法(検出プロセス)に従って評価される。この例示的な実施形態では、評価の結果は、一方では、少なくとも以後の選別装置8を作動させる制御出力信号CTRであり、他方では、駆動ロール8の速度を再調整する速度制御信号SPDである。
【0044】
次に、物体3の光学的な検出のための本発明による方法(当該光学検出システム1において実施される方法である)を、図3を参照して説明する。図3は、異なる時点t1、t2、t3、t4、t5におけるモノクロームのエリアセンサー5の上面図を示しており、説明を単純化する目的から、単に30行のセンサーラインを有すると仮定している。さらに、図3は、時点t1、t2、t3、t4、t5における搬送方向への物体3の経路の過程(あるいは、正確には、センサー表面へのその投影)を示している。続く説明のためには、実際の物体3の輪郭とその投影の輪郭とが、カメラ4の光学システムに起因して、図中のセンサー5の表面で一致するという、単純化した仮定で十分である。
【0045】
本発明によれば、物体3は、それぞれの時点(instant、瞬間)t1、t2、t4、t5おいて、順番に続く一つの光パルスL1、L2で照らされる。光パルスL1は、光パルスL2よりも長いパルス期間を有する。加えて、光パルスL1の強度は、光パルスL2の強度よりも大きい。光パルスL1およびL2は、同じ色を有するか、または、異なる色を有するかのいずれかである。光パルスL1は、時点t1およびt4において発せられ、光パルスL2は、時点t2およびt5において発せられる。ブロード(broad)でエネルギーの強い光パルスL1を用いれば、例えば、割れたガラスの非常に黒ずんだ破片からなる物体3にその光を通過させることができる。弱くかつ短い光パルスL2を用いれば、透明なガラスまたはプラスチックからなる物体3に、エリアセンサー5に過剰な負荷をかけることなく、光を通過させることができる。
【0046】
当該システム1の、任意選択的ではあるが有利な特徴として、物体3を検出可能な二次作用から、付加的な情報が得られる。この目的のために、第2の光SLを提供する第2の光源LQ4、LQ5が、時点t1においてスイッチを入れられ、そして連続的な作動を維持される。時点t3において、パルス光に中断が起こっているが、第2の光SLはアクティブなまま継続され、従って、第2の光SLは、時点t3においてエリアセンサー5が撮る像(イメージ)のための照明を与える。第2の光SLは、物体3中に任意選択的に検出可能な二次作用を生成する。例えば、第2の光SLがUV光からなる場合、鉛ガラスを含有する物体3は、ルミネセンスを生ずることになる。該ルミネセンスはエリアセンサー5によって記録される。この順番に続く一つの光パルスL1、L2、および、パルスの中断(そこでは、像は、第2の光SLの下で撮られる)は、任意(arbitrary)ではあるが、それ自体を周期的に継続して繰り返す。図示した例示的な実施形態では、この順番(シークエンス)の周期的な繰り返しは、時点t4における2番目の光パルスL1で起きている。
【0047】
時点t1、t2、t3、t4、t5において、光パルスL1とL2および第2の光SLのそれぞれによる様々な照明のもとで、物体3のそれぞれの一つの像がエリアセンサー5によって撮られる。しかしながら、コンピュータ6によってこの各々の像から全てのラインが読み出されるわけではなく、特定のもののみ、即ち、異なる光パルスが存在するような、少なくともそのような数のライン(即ち、この例では、3つのライン)が各像から読み出される。さらには、読み出されるラインは、互いに対してラインピッチdを有しなければならず、該ラインピッチは、前後に連なる光パルス同士の間において、物体3のエリアセンサー5への投影が移動する距離に一致する。このラインピッチdは、前後に連なる光パルス同士の間において、実際の物体3が搬送速度vで搬送方向に移動する距離sに比例する。本発明の実際の実施に従えば、次のことが想定され得る。即ち、光パルスL1、L2が存在するおよびパルスの中断時に第2の光SLが存在する時点t1、t2、t3、t4、t5同士の間の時間的間隔(タイムインターバル)は、それぞれの場合において同一であること、ならびに、搬送速度vは、それぞれ、均一であるか、あるいは、時点t1、t2、t3、t4、t5の間で該搬送速度が均一であると疑問の余地無くみなすことができるほどにゆっくり変化するものであることが想定され得る。これらの条件のもとでの結果は、ラインピッチdが一定であり、そして例示的な本実施形態では、10のラインを有するように決定されている。このようにして、例えば、ラインZ5、Z15、および、Z25が、各像から読み出されて一時的に保存される。
【0048】
続いて、時点t1、t2、t3、t4、および、t5において、異なる光パルスL1、L2および第2の光SLでの照明のもとでそれぞれ撮られた像からの一時的に保存されたラインは、物体3のセンサー5への投影が、それぞれの場合において、個々の像同士の間でラインピッチdで移動しているという事実を考慮に入れて、コンピュータ6において結合(コンビネーション)アルゴリズム10によって互いに結合され、結合ラインK1、K2、K3が形成される。
したがって、このようにして、時点t1において光パルスL1による照明のもとで撮られた像のラインZ5は、時点t2において光パルスL1による照明のもとで撮られた像のラインZ15、および、時点t3において第2の光SLのもとで撮られた像のラインZ25と結合され、結合ラインK1を形成する。ここで用いている「結合」は、ラインの情報を加え合わせることを含み得るが、一つのラインの情報を選択すること、または、2つを重ね合わせることを含んでもよい。光パルスL1、L2が異なる色を有する場合、ラインZ5、Z15の各々は、異なる色のための色チャンネルとして理解することができる。このアプローチが、異なる色の3つの光パルス(すなわち、それぞれ赤色、緑色および青色)に拡張された場合、生じる結合ラインK1は、RGB像の色情報を含む。これと類似して、時点t2のラインZ5、時点t3のラインZ15、および、時点t4のライン25は、互いに結合され、結合ラインK2を形成する。同様に、時点t3のラインZ5、時点t4のラインZ15、および、時点t5のラインZ25は互いに結合され、結合ラインK3を形成する。その搬送方向に対して横方向である物体3の直線断面をそれぞれの場合に表す全ての結合ラインが決定されるまで、このプロセス(処理)は続けられる。結合ラインは、結合された全体像11へと組み立てられ、結合された全体像11が選別基準に関して調べられる。結合された全体像11が選別基準を満たしている場合、制御信号CTRが生成される。結合された全体像11の結合ラインK1、K2、K3などは、それぞれの場合において、互いに対してラインピッチdを示すことを言及すべきである。より高い解像度のためには、各像からより多くのラインを読み出すこと、および/または、個々の光パルス間の時間的間隔を減少させることが要求される。
【0049】
どのようにすれば、本発明の方法によって、物体3を照らすのに必要な発光強度を少量まで低減できるのかについて、図4のダイヤグラムおよび説明図(illustration)に基づいてこれより示す。図4の説明図は、2つの順番に続いた(t1−t3;t4−t6)光パルスL1、L2と、第2の光SLとが、異なる色R、G、Bで示されていること、および、照明のための異なる光パルスと第2の光とがそれぞれある場合の2倍の多さのライン(すなわち、6つのライン)が、撮られる像毎に読み出されることが異なるということを除いては、図3の説明図に対応している。それらは、ラインZ5、Z15、Z25、Z35、Z45、Z55であり、これらは、それぞれの場合において、上述したようにして決定された10ラインのラインピッチdを有する。図3に基づいて上述した方法とは対照的に、図4に従う本発明の変形態様では、等しい光パルスを持った照明のもとで、または、第2の光のもとでそれぞれに記録された、順番に続く2つの照明のこれらのラインは、物体3の投影が順番(シークエンス)毎に移動するという事実を考慮に入れて、互いに対して先ず加え合わせられる。コンピュータ6における計算上の手間を最小化するという理由から、ある順番の照明の終わりと、次の順番の照明の開始との間での中断が、ある順番の照明中の個々の像の記録同士の間の時間的間隔と、同じ期間を有するように決定されている。したがって、2つの順番同士の間のラインピッチは30ラインである。これは、次のラインの加え合わせを行うことを意味する:
時点t1のラインZ5と、時点t4のラインZ35とを、インターラインI11へ;
時点t1のラインZ15と、時点t4のラインZ45とを、インターラインI12へ;
時点t1のラインZ25と、時点t4のラインZ55とを、インターラインI13へ;
時点t2のラインZ5と、時点t5のラインZ35とを、インターラインI21へ;
時点t2のラインZ15と、時点t5のラインZ45とを、インターラインI22へ;
時点t2のラインZ25と、時点t5のラインZ55とを、インターラインI23へ;
時点t3のラインZ5と、時点t6のラインZ35とを、インターラインI31へ;
時点t3のラインZ15と、時点t6のラインZ45とを、インターラインI32へ;
時点t3のラインZ25と、時点t6のラインZ55とを、インターラインI33へ。
【0050】
インターラインI11、I12、I13は、強い光パルスL1による照明のもとで撮られた像の輝度情報のみを含んでいる。
インターラインI21、I22、I23は、短く弱い光パルスL2による照明のもとで撮られた像の輝度情報のみを含んでいる。
インターラインI31、I32、I33は、第2の光SLのもとで撮られた像の輝度情報のみを含んでいる。
【0051】
以下では、異なる照明のインターラインは、ラインピッチdを考慮に入れて、加え合わせアルゴリズム10(図3に類似する)にしたがって、結合ラインK1、K2、K3等へと組み立てられる。例えば、結合ラインK1は、インターラインI11、I22、I33から組み合わせられている。結合ラインK2およびK3のためには、インターラインI12およびI13が使用されるが、残りの結合ラインのためには、以前に検出されたインターラインまたは未来のインターライン(これらは、明確にする目的から、図4には示していない)が評価される必要があるであろう。結合ラインK1、K2、K3などは、結合された全体像11へと組み立てられる。
【0052】
図5を参照して、どのようにすれば、本発明の方法によって、異なる照明がある場合に、より多くの量のセンサーラインを読み出すことによって著しい有利性を達成できるのかについてこれより示す。一つの使用例では、物体の複数の解像度を、像の記録頻度を変えることなく獲得できる。さらなる使用例では、物体の解像度を変えることなく、わずかな記録の頻度で済ませることができ、それゆえ、光パルス インターバルの増倍を抑制し、従って、光エネルギーの増倍を抑制することができる。図5の説明図は、時間の順番(シークエンス)t1’−t5’が、図3の順番t1−t5に示した時間の順番の2倍の時間的スパンを構成しているという違いを除いては、図3の図に対応している。これはまた、連続する光パルス同士の間で、物体3が搬送速度vで移動する距離sは、図2における距離sの2倍の長さを有するという事実からも注目に値するものであって、そのことは、次の式によって示されるとおりである:
t2’−t1’=2x(t2−t1)
s’=2xs
【0053】
さらには、異なる照明がある場合の2倍の多さのライン(すなわち、6ライン)が、撮られた像毎に読み出される。それらは、ラインZ5、Z15、Z25、Z35、Z45、Z55であり、これらは、それぞれの場合において、上述したようにして決定された10ラインのラインピッチdを有する。単純化した仮定が、検出装置が単に60ラインを示すということに当てはまる。適合された結合アルゴリズム10’により、図3とは異なる記録状況を考慮に入れる必要がある。第1の例の場合の2倍のセンサーラインが照明(光パルスL1、光パルスL2、第2の光SL)毎に記録されるという事実の結果、結合アルゴリズム10’もまた、同数の光パルスまたは第2の光のそれぞれに対して、上記の例の2倍の、異なる照明のもとで記録されたラインを与える。結合アルゴリズム10’により、時点t1’において強い光パルスL1による照明のもとで撮られた像のラインZ15が、時点t2’において弱い光パルスL2での照明のもとで撮られた像のラインZ35、および、時点t3’において第2の光SLのもとで撮られた像のラインZ55と結合され、結合ラインK1を形成する。
これに類似して、
t1’のラインZ5、t2’のラインZ25、および、t3’のラインZ45が、結合されてK2を形成し、
t2’のラインZ15、t3’のラインZ35、および、t4’のラインZ55が、結合されてK3を形成し、
t2’のラインZ5、t3’のラインZ25、および、t4’のラインZ45が、結合されてK4を形成し、
t3’のラインZ15、t4’のラインZ35、および、t5’のラインZ55が、結合されてK5を形成し、かつ、
t3’のラインZ5、t4’のラインZ25、および、t5’のラインZ45が、結合されてK6を形成する。
結合ラインK1、K2、K3、K4、K5、K6などは、結合された全体像11へと組み立てられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送速度(v)で移動させられる物体(3)を光学的に検出するのための方法であって、その特徴が、
− 物体(3)を照らすことであり、その照らすことは、
少なくとも1つのパルス光源(LQ1、LQ2、LQ3)から、順番に続く光パルス(L1、L2)によって行われ、該光パルス(L1、L2)は、異なる強度および/または異なるパルス期間を有するものであり、または、
少なくとも1つのパルス光源(LQ1、LQ2、LQ3)から、順番に続く光パルス(L1、L2)によって行われ、該光パルスは、異なる強度および/または異なるパルス期間を任意選択的に有し、かつ、第2の光源(LQ4、LQ5)からの第2の光(SL)によって行われ、第2の光源からの光は、光学的に検出可能な二次作用を物体(3)中に誘起するものであり、
− 各光パルス(L1、L2)の期間中に、複数のセンサーラインを有する、モノクロームの光エリアセンサー(5)(例えば、CMOSセンサー)によって物体(3)の像を撮ることであり、かつ、任意選択的には、光パルス同士の間で第2の光(SL)のもとで物体(3)の像を撮ることであり、
− 各像のライン(Z5、Z15 .. Z55)を読み出し、一時的に保存することであり、ここで、読み出されたラインは、互いに関してあるラインピッチ(d)を有し、物体(3)のエリアセンサー(5)への投影(P)は、前後に連なる光パルス(L1、L2)同士の間においておよび任意選択的には第2の光(SL)による照明の間において、ラインピッチ(d)またはラインピッチの倍数で移動し、かつ、ラインピッチ(d)またはその倍数は、それぞれ、前後に連なる光パルス(L1、L2)同士の間においておよび任意選択的には第2の光(SL)による照明の間において、物体(3)が搬送速度(v)で移動させられる距離(s、s’)に比例するものであり、
− 光パルス(L1、L2)による照明および任意選択的には第2の光(SL)による照明のもとで撮られた像からのライン(Z5、Z15 .. Z55)を順次結合して結合ライン(K1−K6)を形成することであり、ここで、互いに結合されるライン(Z5、Z15 .. Z55)は、互いに対して前記のラインピッチ(d)またはその倍数をそれぞれ有するものであり、かつ、
− 結合ライン(K1−K6)を、結合された全体像(11)に組み立てることである、
前記方法。
【請求項2】
光パルス(L1、L2)が、異なる波長/色を有することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
強度および/またはパルス期間および/または色において互いに異なる光パルス(L1、L2)が存在するような数の、ならびに、任意選択的には第2の光(SL)が存在するような数の、少なくともそのような数のライン(Z5、Z15 .. Z55)が、各像から読み出されて一時的に保存されることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
2つの光パルス(L1、L2)同士の間において、または、光パルスと光の中断との間において、それぞれに、物体(3)の投影(P)が、読み出されるべきライン(Z5、Z15、 .. Z55)同士の間のラインピッチ(d)で移動するようにまたは該ラインピッチ(d)の整数倍で移動するように、光パルス(L1、L2)による照明のもとでの、および、任意選択的には光パルス同士の間のパルスの中断時における第2の光(SL)のもとでの、物体(3)の順番の撮像が調整されており、
強度および/またはパルス期間および/または色において互いに異なる光パルス(L1、L2)による、および、任意選択的には第2の光(SL)による、順番の照明で撮られた像からのライン(Z5、Z15 .. Z55)が順次結合されて結合ライン(K1、K2、K3)が形成され、結合された該ライン(Z5、Z15 .. Z55)が、互いに対してラインピッチ(d)またはその倍数を有することを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
強度および/またはパルス期間および/または色において互いに異なる光パルス(L1、L2)に起因する、および、任意選択的には第2の光(SL)に起因する、異なる照明があるような数の少なくとも2倍の数のライン(Z5、Z15 .. Z55)を、複数読み出し、かつ、一時的に保存すること、および、
異なる時点において同等な照明のもとで記録されたこれらのモノクロームのライン(Z5、Z15 .. Z55)を、像の記録の間の時間的間隔および順番の照明内でのラインピッチ(d)を考慮に入れて、順番に結合して、インターライン(I11、I12、I13;I21、I22、I23;I31、I32、I33)を形成すること、
それに続いて、異なる照明に割り当てられるインターライン(I11、I12、I13;I21、I22、I23;I31、I32、I33)を、ラインピッチ(d)を考慮して結合して、結合ライン(K1、K2、K3)を形成すること、および、
結合ライン(K1、K2、K3)を、結合された全体像(11)へと組み立てること、を特徴とする、請求項3または4記載の方法。
【請求項6】
高速でスイッチングを行う、狭い帯域からモノクロームまでの光源、好ましくは、発光ダイオードまたはレーザーが、パルス光源(LQ1、LQ2、LQ3)として使用されることを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
第2の光源(LQ4、LQ5)が、物体(3)中にルミネセンスを誘導する、UV光源またはUV−C光源であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
第2の光源(LQ4、LQ5)が、物体(3)中に熱吸収を誘導する熱放射を高い比率で持つ光源であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
物体(3)が、フィルタリングによる狭帯域の光で照らされることを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
物体(3)が透明な運搬装置(2)の上を移動させられ、かつ、物体の照明が、運搬装置(2)を通過して起こり、光エリアセンサー(5)が、運搬装置(2)に対して物体(3)と同じ側に位置していることを特徴とする、上記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
搬送速度(v)で移動させられる物体(3)を照らすための照明機器(20)であって、当該照明機器は、
少なくとも1つのパルス光源(LQ1、LQ2、LQ3)、および、任意選択的には少なくとも1つの第2の光源(LQ4、LQ5)をその特徴とし、第2の光源の光は、物体(3)において光学的に検出可能な二次作用を誘起し、かつ、
ケーシング(21)をその特徴とし、該ケーシングには、全ての光源が組み入れられ、かつ、該ケーシングは、光源(LQ1、LQ2、LQ3、LQ4、LQ5)によって生成される光の通過のための光の出口(23)を有し、該光の出口(23)は、少なくとも1つのフィルターガラス(24)によって覆われ、該フィルターガラスは、検出のために必要な光の部分を除いて、該ケーシング内に配置された光源の光を広帯域の様態で弱めるものである、
前記照明機器。
【請求項12】
パルス光源(LQ1、LQ2、LQ3)が、異なる強度および/または異なるパルス期間の光パルス(LQ1、LQ2)を生成するように作動し得ることを特徴とする、請求項11記載の照明機器。
【請求項13】
パルス光源(LQ1、LQ2、LQ3)が、高速でスイッチングを行う、狭い帯域からモノクロームまでの光源、好ましくは、発光ダイオードまたはレーザーであることを特徴とする、請求項11または12記載の照明機器。
【請求項14】
第2の光源(LQ4、LQ5)がUV光源またはUV−C光源であることを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載の照明機器。
【請求項15】
光源(LQ1、LQ2、LQ3、LQ4、LQ5)が、異なる波長/色の光を生成することを特徴とする、請求項11〜14のいずれかに記載の照明機器。
【請求項16】
搬送速度(v)で移動させられる物体(3)を光学的に検出するための装置であって、当該装置は、物体(3)を搬送するための運搬装置(2)を有し、
その特徴が、
請求項11〜15のいずれかに記載の照明機器(20)にあり、
複数のセンサーラインを有するモノクロームの光エリアセンサー(5)(例、CMOSセンサー)にあり、かつ、
エリアセンサー(5)および照明機器(20)を制御するためのコンピュータ(6)にあり、該コンピュータ(6)は、請求項1〜10のいずれかに記載の方法を実行するために設計されている、
前記装置。
【請求項17】
運搬装置(2)が半透明であること、および、照明機器(20)およびエリアセンサー(5)が運搬装置(2)の反対側に配置されていることを特徴とする、請求項16記載のシステム。
【請求項18】
コンピュータ(6)が、選別プラント(9)を稼動させること(CTR)のために設計されていることを特徴とする、請求項16または17記載のシステム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−7772(P2011−7772A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−59672(P2010−59672)
【出願日】平成22年3月16日(2010.3.16)
【出願人】(509236841)エーファーカー ディ ケルシュアグル ゲーエムベーハー (3)
【Fターム(参考)】