説明

移動ロボット、移動ロボット充電システム及び移動ロボット充電方法

【課題】
充電ステーションの電力供給用端子に対して適切に接触した状態を、時間差を生じることなく認識し、適切な端子の接触状態で充電可能な移動ロボットを提供すること。
【解決手段】
本発明にかかる移動ロボットは、充電用コネクタ22を揺動可能に支持する揺動軸22cと、充電用コネクタ22の充電側表面に設けられた充電用端子221と、充電用端子221とバッテリー21とを、電気的に導通可能/不能な状態とに切り換える切り換え部23と、充電用コネクタ22の、充電側表面から付与された外力に起因して生じる姿勢変化に基づいて信号を送信するセンサ部22eと、センサ部22eから送信された信号と、外力による充電用コネクタ22の揺動軸周りの揺動量とに基づいて、切り換え部を切り換え、バッテリー21と充電用端子221との間を電気的に導通する制御部15と、を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置された充電ステーションまで移動し、電力を供給されることで充電可能な移動ロボット、およびこのような移動ロボット充電システム、および移動ロボット充電方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
屋内や屋外を移動し、定められた作業や自律動作を行う移動型のロボットとして、内部に充電可能なバッテリーを備えるものが従来より知られている。このようなロボットは、内部のバッテリーに蓄えられた電気容量が所定量以下に減少すると、指定された位置座標等の目標地点に設けられた充電ステーションまで自律的に移動し、この充電ステーションにおいてバッテリーを充電した後、動作を継続することができる。
【0003】
このようなロボットが自律的な動作を行う自律移動型ロボットである場合、バッテリーの残存電気容量を自律的に把握し、必要に応じて電力を供給する充電ステーションに対して自律的に移動することができる。そして、充電を完了すると、充電ステーションから離脱し、さらに自律的な動作を継続する。
【0004】
ところで、前述のような自律的な動作を行うロボットを充電する場合、一般的には、充電ステーションに設けられた電力供給用の端子と、ロボットの充電用端子と適切に接触し、電力供給用の端子が適切量押し込まれた状態になった際に電力を供給するように構成される。そして、これらの端子の接触状態が適切であれば、充電ステーションはロボットに対して信号を送信し、その移動を停止させ、充電を開始する。(例えば特許文献1参照)
【特許文献1】特開2005−149808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような充電システムにおいては、移動するロボットが充電ステーションに対して移動し、充電用端子を充電ステーションの電力供給用端子に接触させた時刻と、充電ステーションからの信号によりロボットが停止する時刻とに微小な時間差が生じる。そのため、この微小時間の間にロボットが移動し、端子間の接触状態にずれが生じたり、互いに斜めに接触した状態のまま、充電が開始される場合がある。
【0006】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、充電ステーションに対して近接離間可能に移動する移動ロボットが、充電ステーションの電力供給用端子に対して適切に接触した状態を、時間差を生じることなく認識し、適切な端子の接触状態で充電可能な移動ロボット、および移動ロボット充電システム、および移動ロボット充電方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる移動ロボットは、充電ステーションに対して近接離間可能に移動するための移動手段と、充電可能なバッテリーを備えるロボット本体部と、充電ステーションからの電力を受け、前記バッテリーに電気を供給する充電用コネクタと、を備えるとともに、前記充電用コネクタを揺動可能に支持する揺動軸と、前記充電用コネクタの充電側表面に設けられた充電用端子と、前記充電用端子とバッテリーとを、電気的に導通可能な状態と導通不能な状態とに切り換える切り換え部と、前記充電用コネクタの、充電側表面から付与された外力により押込まれる押込み量に起因して生じる姿勢変化に基づいて信号を送信するセンサ部と、前記センサ部から送信された信号と、前記外力による充電用コネクタの揺動軸周りの揺動量とに基づいて、充電可能状態にあるか否かを判定するとともに、充電可能状態にあると判定された場合に、前記切り換え部を切り換え、バッテリーと充電用端子との間を電気的に導通する制御部と、を備えることを特徴としている。
【0008】
このような移動ロボットは、充電用端子が適切に充電ステーションの電力供給用端子に対して接触した状態を、時間差を生じることなく認識することができる。これによって、充電用端子が充電ステーションの電力供給用端子に対して適切に接触した状態を認識した後に、遅滞無く充電用コネクタとバッテリーとを電気的に導通可能な状態へ切り換えることが可能になる。
【0009】
なお、前記充電用コネクタの姿勢変化を検出するために、前記移動ロボットが移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、前記充電用コネクタの揺動量が所定量以下であり、かつ、前記充電用コネクタが所定の力以上で押し込まれた場合に、所定の姿勢変化が生じたと判断し、前記制御部が前記切り換え部を切り換えてバッテリーと充電用端子との間を電気的に導通するようにしてもよい。このように、充電用コネクタの姿勢変化に基づいて、バッテリーと充電用端子との間を電気的に導通するように切り換えるタイミングを判断することで、移動ロボットが充電ステーションに対して適切な姿勢をとる場合にのみ、充電を開始することができる。
【0010】
さらに、前記移動ロボットが、移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、充電可能状態にあると判定されると、前記制御部が、移動手段による移動を停止するように構成されることが好ましい。このような移動ロボットは、充電ステーションに対して充電する際に適切な姿勢をとった状態で、その動きを停止することができるため、充電用端子が充電ステーションの電力供給用端子に対して適切に接触した状態を維持しつつ、充電を開始することができる。
【0011】
また、前記移動ロボットが、移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、前記揺動量が所定量を超えた場合においては、前記移動手段により該揺動量を低減する方向に自己の向きを修正するように構成されることが好ましい。このように構成された移動ロボットは、充電ステーションに対して適切な姿勢をとりうるまで、何度でも充電ステーションに対する姿勢を変更するように移動を継続するため、充電ステーションに設けられた電力供給用端子に対して、充電用コネクタが不完全に接触した状態で充電動作が行われることがなくなる。
【0012】
また、前記揺動軸を回動制御可能に構成することで、移動ロボットが、移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、前記揺動量が所定量を超えた場合に、前記揺動量を低減する方向に前記揺動軸を回動させるようにしてもよい。このような、揺動軸の回動と、移動ロボットの姿勢変更とは、独立して、または同時に行われてもよい。
【0013】
さらに、前記移動ロボットは、充電用コネクタが外力を受けていない状態において、前記充電用コネクタを一定の姿勢に維持するための弾性力を付与する弾性部材をさらに備えていることが好ましい。このようにすると、充電用コネクタが外力を受けていない状態で常に一定の姿勢を維持できるため、充電用コネクタの姿勢変化した状態が確実に検出できるという効果が得られる。なお、このような弾性部材は複数設けられていることが好ましく、これら全ての弾性部材が所定距離押し込まれた場合に、前記制御部が前記切り換え部を切り換えてバッテリーと充電用端子との間を電気的に導通するようにしてもよい。
【0014】
また、本発明は、充電ステーションと、前記充電ステーションに対して近接離間可能に移動するための移動手段と、充電可能なバッテリーを備えるロボット本体部と、充電ステーションからの電力を受け、前記バッテリーに電気を供給する充電用コネクタと、を備える移動ロボットと、からなる移動ロボット充電システムをも提供するものであり、この移動ロボット充電システムは、前記移動ロボットが、前記充電用コネクタを揺動可能に支持する揺動軸と、前記充電用コネクタの充電側表面に設けられた充電用端子と、前記充電用端子とバッテリーとを、電気的に導通可能な状態と導通不能な状態とに切り換える切り換え部と、前記充電用コネクタの、充電側表面から付与された外力に起因して生じる姿勢変化に基づいて信号を送信するセンサ部と、前記センサ部から送信された信号と、前記外力による充電用コネクタの揺動軸周りの揺動量とに基づいて、充電可能状態にあるか否かを判定するとともに、充電可能状態にあると判定された場合に、前記切り換え部を切り換え、バッテリーと充電用端子との間を電気的に導通する制御部と、を備え、前記充電ステーションが、充電器本体と、電力供給用端子と、前記充電器本体および電力供給用端子とを電気的に導通可能な状態と導通不能な状態とに切り換えるスイッチ部と、該スイッチ部を制御するスイッチ制御部と、を備えることを特徴としている。
【0015】
このような移動ロボット充電システムにおいては、充電用端子が適切に充電ステーションの電力供給用端子に対して接触した状態を、時間差を生じることなく認識することができるとともに、移動ロボットの充電用コネクタとバッテリーとを電気的に導通可能な状態へ切り換え、充電ステーションからの電力を電力供給用端子を介して供給することができる。
【0016】
このような移動ロボット充電システムにおいては、充電ステーションにおける電力供給用端子が所定方向に移動可能に構成され、前記スイッチ制御部が、電力供給用端子の移動量に基づいて、スイッチ部を制御するように構成されていてもよい。このようにすると、充電用コネクタにより押し込まれた電力供給用端子の移動量に基づいて、移動ロボットが充電ステーションに対して相対的に適切な姿勢をとっているか否かを容易に判断することが可能になる。
【0017】
さらに本発明は、移動ロボットを充電ステーションにおいて充電するための移動ロボット充電方法をも提供するものであり、このような移動ロボット充電方法は、充電ステーションに対して近接離間可能に移動するための移動手段と、充電可能なバッテリーを備えるロボット本体部と、充電ステーションからの電力を受け、前記バッテリーに電気を供給する、姿勢変化可能な充電用コネクタと、前記充電用端子とバッテリーとを、電気的に導通可能な状態と導通不能な状態とに切り換える切り換え部と、を備える移動ロボットを、充電ステーションに備えられた電力供給用端子に前記充電用端子を接触させて移動ロボットを充電するためのものであって、前記充電用コネクタが、充電側表面から付与された外力に起因する姿勢変化の度合いに基づいて、移動ロボットを移動停止させるか否かを判断する第1のステップと、前記移動ロボットを移動停止させると判断した場合に、移動ロボットを停止するとともに、前記充電用コネクタとバッテリーとを電気的に導通可能な状態に切り換える第2のステップと、前記充電ステーションにおける電力供給用端子の押し込み量に基づいて、前記移動ロボットが充電可能状態にあるか否かを判断する第3のステップと、前記充電器本体および電力供給用端子とを電気的に導通可能な状態に切り換える第4のステップと、を備えることを特徴としている。
【0018】
このような移動ロボット充電方法においては、充電用端子が適切に充電ステーションの電力供給用端子に対して接触した状態を、時間差を生じることなく認識することができるとともに、移動ロボットの充電用コネクタとバッテリーとを電気的に導通可能な状態へ切り換わり、かつ、充電ステーションからの電力が電力供給用端子を介して供給することができる。
【0019】
このような移動ロボット充電方法において、前記第2のステップが、移動ロボットが移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、前記充電用コネクタの揺動量が所定量以下であり、かつ、前記充電用コネクタが所定距離以上に押し込まれた場合に、前記制御部が前記切り換え部を切り換えてバッテリーと充電用端子との間を電気的に導通するようにしてもよい。
【0020】
さらに、前記移動ロボットが、移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、充電可能状態にあると判定されると、前記制御部が、移動手段による移動を停止するステップをさらに備えていてもよい。このようにすると、移動体が充電ステーションに対して充電する際に適切な姿勢をとった状態で、その動きを停止することができるため、充電用端子が充電ステーションの電力供給用端子に対して適切に接触した状態を維持したまま、充電を開始することができる。
【0021】
また、前記移動ロボットが、移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、前記揺動量が所定量を超えた場合に、前記移動手段により該揺動量を低減する方向に自己の向きを修正するステップをさらに備えるようにしてもよい。このようにすると、充電ステーションに対して適切な姿勢をとりうるまで、何度でも充電ステーションに対する姿勢を変更するように移動を継続するため、充電ステーションに設けられた電力供給用端子に対して、充電用コネクタが不完全に接触した状態で充電動作が行われることがなくなる。
【発明の効果】
【0022】
以上、説明したように、本発明によると、移動ロボットが、充電ステーションの電力供給用端子に対して適切に接触した状態を、時間差を生じることなく認識し、適切な端子の接触状態で充電可能にすることができる移動ロボット、移動ロボット充電システム及び移動ロボット充電方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に、図1から図6を参照しつつ本発明の実施の形態にかかる移動ロボットを含む移動ロボット充電システムについて説明する。この実施の形態においては、移動体ロボットは1対の車輪を駆動することで平面上を自律的に移動する車輪駆動型の車両である例を示すものとする。
【0024】
図1は、移動する平面としての床部1上の限られた移動マップP(破線に囲まれた領域)内を、移動ロボットとしての車両10が移動する一実施形態を概略的に示すものである。この実施の形態においては、平面1上の移動マップP内には充電ステーション100が載置されており、車両10は、移動マップP内を自律的に移動することができるものとする。
【0025】
図2に示すように、車両10は、箱型の車両本体10aと、移動手段としての1対の対向する車輪11、11と、キャスタ12と、車両本体10aの内部に設けられた車輪11、11を各々駆動する駆動部としてのモータ13、13と、を備える対向2輪型の車両である。すなわち、移動ロボット1の移動手段は、車輪11、キャスタ12、モータ13とで構成されており、車両10は、車輪11、11、キャスタ12とで車両本体10aが水平に支持されている。
【0026】
車両10は、さらに、車輪11の回転数を検出するためのカウンタ14と、車輪11を駆動するための制御信号を作成し、モータ13、13にその制御信号を送信する演算処理部としての制御部15を備えている。そして、制御部15内部に備えられた記憶部としてのメモリなどの記憶領域15aには、制御信号に基づいて車両10の移動速度や移動方向、移動距離などを制御するためのプログラムとともに、移動マップPによって特定される領域の大きさや形状、さらに、移動マップP内に予め載置される物体(例えば充電ステーション100)の位置が記憶されている。記憶領域15aに記憶された床部1上の移動マップPには、その全体に亘って略一定間隔d(例えば10cm)に配置された格子点を結ぶグリッド線を仮想的に描写されており、制御部15はこのようなグリッド線で囲まれたグリッド単位を用いて、車両10の自己位置に相当する場所、および目的地である移動終了点、および移動終了点における車両10の移動方向を特定している。なお、グリッド単位の間隔は、車両10の移動可能な曲率や絶対位置を認識する精度などの条件に応じて、適宜変更可能である。
【0027】
制御部15は、移動マップP上において特定された自己位置を移動始点とし、この移動始点から目的地である移動終点までの移動経路を作成する。制御部15は、移動マップP内の格子点上を結ぶことで概略的に定められた概略経路を作成した後に、この概略経路に対して所定のスムージング処理等を行うことで、直線と滑らかな曲線とを組み合わせた移動経路を作成する。そして、車両10は、移動速度や移動距離からリアルタイムに自己位置を算出し、作成された移動経路に沿って移動を行う。
【0028】
また、車両10は、自己位置を算出するために、カウンタ14で検知された車輪11、11の回転数を制御部15において積算することで、自己の移動速度や移動距離、移動方向など求め、これによって、移動マップ内における車両10の自己位置(オドメトリ位置)を算出する。そして、記憶した移動マップP上における移動始点を任意に定め、その移動始点からの移動距離および方向などから現在の自己位置を推定する。
【0029】
さらに、車両本体10aの前面には、移動する方向に現れた障害物等を認識するためのカメラ16が固定されており、このカメラ16で認識した画像や映像等の情報が制御部15に入力された結果、前記プログラムに従って車両の移動する方向や速度等が決定される。このように構成された車両10は、1対の車輪11、11の駆動量をそれぞれ独立に制御することで、直進や曲線移動(旋回)、後退、その場回転(両車輪の中点を中心とした旋回)などの移動動作を行うことができる。そして、車両10は、外部からの移動場所を入力して指定する入力部(図示せず)からの指令にしたがって、移動マップP内の指定された目的地までの移動経路を自律的に作成し、その移動経路に追従するように移動することで、目的地に到達する。
【0030】
さらに、車両10は、後述する充電ステーションの信号送信部からの信号を受けて、その受信した信号を制御部15に送信する受信部17と、充電ができない異常状態である旨を外部に対して告知する告知部(図示せず)を備えている。この受信部17によって、充電ステーションから送信される信号内容に基づいて、車両10の移動を制御することができる。
【0031】
また、車両10は、モータ13、13に電力を供給するためのバッテリー21と、充電用コネクタ22と、バッテリー21とを充電用コネクタ22とを接続する切り換え部としての電気回路23と、を含む充電部20を備えており、後述する充電ステーションに充電用コネクタ22を接続することによって、バッテリー21を充電するものとする。なお、バッテリー21に蓄えられた電力の残量は、制御部15によって定期的に監視されている。以下、充電部20について図3を用いて詳細に説明する。
【0032】
図3に示すように、充電部20に含まれる充電用コネクタ22は、略円筒形状の支持部材22aと、支持部材22aの先端に固定された、車両10の外部に表面220を露出する板状部材22bと、支持部材22aの後端を揺動自在に支持する揺動軸22cと、を備えている。また、板状部材22bには、車両10の内部から表面220へ向けた方向に各々付勢力を与える、弾性部材としての複数のバネ部材22dが取り付けられているとともに、これらのバネ部材22dが押し縮められた力を検出することで、板状部材22bに加わった外力を推定するためのセンサ部22eが設けられている。
【0033】
支持部材22aは、図3に示すように、揺動軸22cを中心として板状部材22bを揺動自在に支持するとともに、板状部材22bの表面220から内部へ向く方向について、その変形量(歪み量)を検出する歪センサ(図示せず)を備えている。これによって、支持部材22aに接続された板状部材22bが、支持部材22aの伸びる方向について外力を受けた場合に、その外力によって支持部材22aが歪む量を検出し、検出した歪み量に基づいた信号を制御部15に送信する。制御部15では、受け取った信号から、板状部材22bが受けた外力の大きさを推定する。
【0034】
なお、板状部材22bに対して外部から作用した力の大きさを検出する手段としては、前述のような歪センサに限られるものではない。例えば、板状部材および支持部材が、表面220に対して略垂直な方向に摺動可能に構成されるとともに、その摺動動作に抗する付勢力を与えるような力センサを備えている場合は、この力センサによって、板状部材に対して外部から作用する力の大きさを求めることができる。
【0035】
また、板状部材22bは、その表面に所定の面積を有する、充電用端子221を備えており、この充電用端子221と電気的に導通するリード線222が、電気回路23に接続されている。この充電用端子221が、後述する充電ステーションの電力供給用端子と接触することで、バッテリー21に電力を供給することができる。
【0036】
バネ部材22dは、揺動軸22c周りに揺動可能に支持された板状部材22bを、板状部材22が外力を受けない状態においては、車両10の表面と略水平である一定の姿勢を保つように支持している。そして、センサ部22eによって、各々のバネ部材22dの収縮によって生じる弾性力を検出し、検出した弾性力に基づいた信号を送信する。送信した信号は、図示しないA/D変換機を介して制御部15に送信され、制御部15においては、板状部材22bが受けた外力の大きさが推定されるとともに、各バネ部材22dに作用する力に基づいて、板状部材22bの揺動量および揺動方向が推定される。
【0037】
電気回路23は、充電用端子221に導通したリード線222と、バッテリー21とを接続しているとともに、充電用端子221とバッテリーとを電気的に導通した状態と、電気的に遮断した状態とを切り換える、切り換え部として作用している。充電用端子とバッテリーとを電気的に導通/遮断した状態への切り換えは、制御部15によって制御されている。
【0038】
制御部15は、前述のように、歪みセンサからの信号や、センサ部22eからの信号を受けて、充電端子221とバッテリーとを電気的に導通させるか否かを判断する。この切り換えを行う判断の詳細については後述する。
【0039】
次に、充電ステーション100について、図4を用いて説明する。図4に示すように、充電ステーション100は、充電器101aを有する充電器本体101と、電力供給部110と、を備えている。
【0040】
電力供給部110は、移動ロボットの充電用端子221に接触する一対の電力供給用端子111と、電力供給用端子を固定する板状の固定部材112と、固定部材112に対して、充電ステーションの内部から外側へ向けた方向に付勢力与える複数のバネ部材113と、バネ部材113に固定され、バネ部材113が外部からの力によって押し縮められた収縮量を検出する検出部114と、を備えている。検出部114は、複数のバネ部材113のうち、最も押し縮められた量の少ないバネ部材の収縮量に基づいて、後述するスイッチ制御部に信号を送信する。固定部材112は、外部からの力が作用しなくなると、バネ部材の復元力によって、元の位置および姿勢に戻る。
【0041】
充電器本体101は、床部1に設置された充電器本体101の内部に、電力源としての充電器101aを備えているとともに、電力供給部110と充電器101aとをリード線102aを介して接続するスイッチ部としてのスイッチ回路102と、スイッチ回路102を制御するスイッチ制御部103と、信号送信部104と、を備えている。
【0042】
スイッチ回路102は、電力供給用端子111とバッテリーとを電気的に導通した状態と、電気的に遮断した状態とを切り換えるものであり、スイッチ制御部103は、検出部114によって検出された、外部から作用する力によって電力供給用端子111の押し込まれた量を推定し、外力によって電力供給用端子111が所定量以上に押し込まれた場合に、電力供給用端子111と充電器101aとを電気的に導通させるようにスイッチ回路102を制御している。また、信号送信部104は、スイッチ制御部103によって、外力によって電力供給用端子111が所定量以上に押し込まれていないと判断された場合に、車両10に対して信号を送信し、充電用端子と電力供給用端子とが適切に接触していないことを通知する。
【0043】
なお、図示は省略するが、電力供給用端子111の両側には、車両10の移動を規定するためのガイド部が設けられており、移動ロボットが充電を行うために充電ステーション近傍に近づいた際に、その移動する方向および姿勢を規定することができる。
【0044】
このように構成された移動ロボットおよび充電ステーションにより、移動ロボットを充電するための手順について、図5および図6に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、図5は、車両10における制御フローであり、このような制御フローが開始されるまでは、車両10は、移動を停止しており、バッテリーには移動可能な量の電力が蓄えられた状態であり、さらに、電気回路23は、充電部20に含まれる充電用コネクタ22とバッテリー21とを電気的に遮断した状態に維持されている。また、図6は充電ステーション100における制御フローを表すものであり、充電ステーション100においても、このような制御フローが開始されるまでは、スイッチ回路102は電力供給部110と充電器101aとをリード線102aを電気的に遮断した状態に維持されているものとする。
【0045】
まず、充電が行われる際の車両10における制御について説明する。図5に示すように、まず、車両10がバッテリー21から供給される電力によってモータ13を駆動し、移動を開始すると、車両10は、自己位置を取得しつつ移動動作を行う一方、制御部15によってバッテリー21の電力残量が監視される(STEP101)。そしてバッテリー21が充電の必要な状態か否かを判断し(STEP102)、バッテリー21の電力残量が所定量以上であり、充電する必要がない場合はSTEP101に戻って車両10の移動を継続する。
【0046】
一方、制御部15によって、バッテリーに蓄積された電力残量が所定量を下回ると判断されると、車両10は、その際の自己位置を取得し、その自己位置から、記憶された移動マップPに内に位置する充電ステーションの位置までの移動経路を作成する(STEP103)。なお、この充電ステーションまでの移動経路は、車両10が、充電ステーションの電力供給部110に対して、充電用端子221を接触させる経路を含むように作成される。
【0047】
そして、車両10は、充電部20に含まれる充電用コネクタ22を、充電ステーション100の電力供給部110へ向けて移動し、充電用コネクタ22の充電用端子221を電力供給部110の電力供給用端子111へ接触させる(STEP104)。なお、制御部15は、充電用端子221を電力供給用端子111へ接触させる際に、モータ13からの動力を低減させることで移動ロボットの移動速度を徐々に下げる。そして、車両10は電力供給部両側のガイド部によって、その移動する方向および姿勢を規定され、充電用端子221を電力供給用端子111に緩やかに接触させ、徐々に充電用端子221で電力供給用端子111を押し込む。
【0048】
車両10が充電用端子221を電力供給用端子111に対して押し込むと、車両の充電用コネクタ22の板状部材22bがその表面側から力を受ける。センサ部22eは、バネ部材22dからの力を受け、その力に基づいた信号を制御部15へ送信する。制御部15は、センサ部22eからの信号を受けて、板状部材22bに作用した外力が所定の大きさ以上の場合に、板状部材の揺動量および揺動方向を推定する(STEP105)。
【0049】
そして、推定した板状部材22bの揺動量が、所定の閾値と比較することで、充電用端子221が電力供給用端子111に対して適切に接触しているか否かを判断する(STEP106)。板状部材22bの揺動量が所定の閾値に満たない場合は、制御部15は、モータ13の駆動を停止し(STEP107)、充電用端子221と電力供給用端子111との接触が適切に維持された状態で、車両10と充電ステーション100との相対位置を定める。車両10が停止すると、制御部15は、電気回路23を切り換えて、充電用コネクタ22とバッテリー21とを電気的に導通した状態とし(STEP108)、充電ステーション100からの電力供給を待つ。
【0050】
一方、STEP106において、板状部材22bの揺動量が所定量以上であると判断された場合は、充電用端子221と電力供給用端子111とが適切に接触されていないと判断し、車両の姿勢を変更する(STEP206)。このような車両の姿勢変更は、モータ13により左側の車輪と右側の車輪とを異なる方向に駆動させることで行われる、いわゆる「その場回転」により実現される。なお姿勢変更を行う程度は、推定した板状部材22bの揺動量および揺動した方向に基づいて、適宜決定される。そして、このような車両10の姿勢変更を行った後、再度STEP106に戻って板状部材の揺動量が所定の閾値以内となったか否かを確認する。このように、充電用端子221と電力供給用端子111とが適切に接触されていると判断されるまで、車両10の姿勢が変更され続ける。
【0051】
STEP108において、充電ステーションからの電力供給を待っている状態となった後は、充電ステーション100の電力供給が開始されるか否かを監視し(STEP109)、電力が供給されるとバッテリー21に蓄積された電力が十分な量になるまで電力供給を継続する。そして、バッテリーに十分な量の電力が蓄積された後に、制御部15は、電気回路23を切り換えて充電用コネクタ22とバッテリー21とを電気的に遮断した状態とする(STEP110)。そして、移動を継続するか否かを判断し(STEP111)、移動を継続する場合は、バッテリー残量の不足を検知した際に、次に移動予定であった目的地を読み出し、充電ステーションにおいて停止している位置からその目的地までの移動経路を作成する(STEP212)。そして、その移動経路に従って移動を行い、STEP101に戻ってバッテリーの蓄積電力量を監視しつつ、移動を継続する。一方、STEP111において移動を継続しないと判断した場合は、充電ステーションから若干離れて充電用端子と電力供給用端子との接触を解除させた後に、その動きを停止して次の指令を待つ(STEP112)。
【0052】
一方、STEP109において、充電ステーションから電力が供給されない場合は、充電ステーション側の信号送信部104からの信号を受信部17が受信し、電力供給部における電力供給用端子111が所定量押し込まれていないと判断される。そして、制御部15は、モータ13を駆動させて車両10を充電ステーション100側に微小量だけ近接させる(STEP209)。そして、再度充電ステーションから電力の供給がされるか否かを判断し(STEP210)、電力が供給されると、バッテリーを充電し、STEP110に戻って、バッテリーに十分な量の電力が蓄積された後に、充電用コネクタ22とバッテリー21とを電気的に遮断する。また、STEP210において、電力供給がなされない場合は、充電ステーション側にシステム上の異常が生じていると判断し、車両10の移動を停止し、異常である旨を告知部により周囲に告知する(STEP211)。
【0053】
なお、本実施形態において、充電ステーションから車両に対して信号を送信する機構が備えられていない場合や、車両が信号を受信する機能を有しない場合は、STEP109において、充電ステーションから電力供給が行われないと、所定時間経過したことにより、電力供給部における電力供給用端子111が所定量押し込まれていないと判断するようにしてもよい。
【0054】
次に、図6を用いて充電ステーション100側の制御フローについて説明する。充電ステーション100は、車両10が移動し、充電を行わない間は特に動作をせず、車両10が充電のために充電ステーションに近接した際に動作する。
【0055】
まず、スイッチ制御部103は、電力供給用端子に車両10の充電用端子が接触することで、検出部114によって力が検出されると、検出された力に基づいて、電力供給用端子111が所定量以上に押し込まれたか否かを検出する(STEP301)。そして、電力供給用端子111が所定量以上にいると判断すると、スイッチ制御部103は、スイッチ回路102を切り換えて、電力供給用端子111と充電器101aとを電気的に導通させる(STEP302)。
【0056】
一方、電力供給用端子111が所定量以上に押し込まれていない場合は、信号送信部104より車両10に対して信号を送信し、充電用端子と電力供給用端子とが適切に接触していないことを通知する(STEP312)。そして、再度STEP301に戻って電力供給用端子111が所定量以上に押し込まれたか否かを検出する。
【0057】
充電器101aにより車両10のバッテリー21に充電を行い、バッテリーに十分な電力が蓄積され、充電用端子と電力供給用端子との接触が解除されたことを検知すると(STEP303)、スイッチ制御部103は、スイッチ回路102を切り換えて、電力供給用端子111と充電器101aとを電気的に遮断した状態に戻す(STEP304)。
【0058】
このように、充電ステーションにおいては、電力供給用端子が外部から押し込まれた量に基づいてスイッチ回路が制御され、電力供給用端子と充電器101aとの電気的な導通が切り換えられる。
【0059】
このように、本実施形態においては、車両10は、充電用コネクタの充電側表面から付与された外力により押込まれる押込み量に起因して生じる揺動量に基づいて、充電可能状態にあるか否かを判定するとともに、充電可能状態にあると判定された場合に、前記切り換え部を切り換え、バッテリーと充電用端子との間を電気的に導通するように制御される。その一方で、充電可能状態にないと判定された場合であっても、検出した揺動量から車両の姿勢を修正し、再度充電可能な姿勢をとるように制御可能であるため、移動ロボットとしての車両は、充電用端子を常に適切な姿勢で電力供給用端子に接触させて、充電効率のよい状態で充電を行うことができる。また、充電を行うために適切な姿勢をとった時点を車両側で把握することができるため、車両が適切な姿勢をとった時から時間差を生じることなく車両の動きを停止することができる。
【0060】
なお、前述の実施形態においては、充電用コネクタ22は、支持部材22aに固定された板状部材22bを揺動軸22cに対して揺動自在となるように構成されているが、揺動軸を別途設けられたモータ等によって、回動制御自在に構成してもよい。このようにすると、前述のSTEP106において、板状部材の揺動量が所定量以上であると判断された場合に、車両の姿勢を変更することなく、揺動軸を回動することで板状部材を揺動させ、充電に適切な姿勢に調整することができる。このようにすると、特に、板状部材の揺動量の閾値を超えた程度が微小な場合に、車両全体を移動させることなく板状部材の充電用端子と充電部の電力供給用端子とを適切に接触させることができるので、好適である。このように、板状部材の揺動量の閾値からのずれ度合いの程度に応じて、揺動軸を回動することによる姿勢変更を行う場合と、車輪を駆動して車両全体の姿勢を変更する場合とに分けて制御を行うようにすると、より好適である。
【0061】
また、前述の実施形態においては、車両の姿勢を変更する際に、左右の車輪を逆方向に駆動することによる「その場回転」による姿勢変更を行っているが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、車両の姿勢を変更する必要があると判定されると、所定距離だけ充電ステーションから離れるように後退し、再度充電ステーションの電力供給部に対して近接する動作を行うようにしてもよい。
【0062】
また、前述の実施形態においては、移動ロボットとしての車両の移動経路は、グリッドマップを用いつつ作成されているが、これに代えて、室内GPSやその他の手段により作成することも可能である。いずれの手段によって移動経路が作成される場合であっても、移動ロボットとしての車両が、充電ステーションに対して近接する、充電ステーション近くの所定エリア内における移動経路については、特に精度よく経路を特定するように移動経路を作成することが好ましい。このようにすることで、充電ステーションの電力供給部に対して、移動ロボットが適切な姿勢で近接しやすくなる。
【0063】
また、前述の実施形態において、移動ロボットの一例として、車輪を駆動することで移動する車両を用いて説明を行っているが、これに代えて、脚式歩行型のロボットや、その他の手段により移動する移動ロボットにおいても、本発明を適用することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の実施の形態に係る移動ロボット充電システムの一例を概略的に示す概略図である。
【図2】図1に示す移動ロボット充電システムに含まれる、移動ロボットとしての車両の内部構成を概念的に示す概略図である。
【図3】図1に示す車両の充電部の内部を概略的に示す図である。
【図4】図1に示す充電ステーションの電力供給部の内部を概略的に示す図である。
【図5】図1に示す移動ロボットとしての車両が充電を行う際の制御フローを示すフローチャートである。
【図6】図1に示す充電ステーションが車両のバッテリーに充電を行う際の制御フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1・・・床部(平面)
10・・・車両(移動ロボット)
10a・・・車両本体
11・・・車輪(移動手段)
13・・・駆動部
15・・・制御部
15a・・・記憶領域
20・・・充電部
21・・・バッテリー
22・・・充電用コネクタ
22a・・・支持部材
22b・・・板状部材
22c・・・揺動軸
22d・・・バネ部材(弾性部材)
22e・・・センサ部
221・・・充電用端子
23・・・電気回路(切り換え部)
100・・・充電ステーション
101・・・充電器本体
101a・・・充電器
110・・・電力供給部
111・・・電力供給用端子
102・・・スイッチ回路(スイッチ部)
103・・・スイッチ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電ステーションに対して近接離間可能に移動するための移動手段と、充電可能なバッテリーを備えるロボット本体部と、充電ステーションからの電力を受け、前記バッテリーに電気を供給する充電用コネクタと、を備える移動ロボットであって、
前記充電用コネクタを揺動可能に支持する揺動軸と、
前記充電用コネクタの充電側表面に設けられた充電用端子と、
前記充電用端子とバッテリーとを、電気的に導通可能な状態と導通不能な状態とに切り換える切り換え部と、
前記充電用コネクタの、充電側表面から付与された外力により押込まれる押込み量に起因して生じる姿勢変化に基づいて信号を送信するセンサ部と、
前記センサ部から送信された信号と、前記外力による充電用コネクタの揺動軸周りの揺動量とに基づいて、充電可能状態にあるか否かを判定するとともに、充電可能状態にあると判定された場合に、前記切り換え部を切り換え、バッテリーと充電用端子との間を電気的に導通する制御部と、
を備えることを特徴とする移動ロボット。
【請求項2】
前記移動ロボットが、移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、前記充電用コネクタの揺動量が所定量以下であり、かつ、前記充電用コネクタが所定の力以上で押し込まれた場合に、前記制御部が前記切り換え部を切り換えてバッテリーと充電用端子との間を電気的に導通することを特徴とする請求項1に記載の移動ロボット。
【請求項3】
前記移動ロボットが、移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、充電可能状態にあると判定されると、前記制御部が、移動手段による移動を停止することを特徴とする請求項1または2に記載の移動ロボット。
【請求項4】
前記移動ロボットが、移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、前記揺動量が所定量を超えた場合に、前記移動手段により該揺動量を低減する方向に自己の向きを修正することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の移動ロボット。
【請求項5】
前記揺動軸が回動制御可能であり、移動ロボットが、移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、前記揺動量が所定量を超えた場合に、前記揺動量を低減する方向に前記揺動軸を回動させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の移動ロボット。
【請求項6】
前記充電用コネクタが外力を受けていない状態において、前記充電用コネクタを一定の姿勢に維持するための弾性力を付与する弾性部材をさらに備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の移動ロボット。
【請求項7】
前記弾性部材が複数設けられており、全ての弾性部材が所定距離押し込まれた場合に、前記制御部が前記切り換え部を切り換えてバッテリーと充電用端子との間を電気的に導通することを特徴とすることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の移動ロボット。
【請求項8】
充電ステーションと、
前記充電ステーションに対して近接離間可能に移動するための移動手段と、充電可能なバッテリーを備えるロボット本体部と、充電ステーションからの電力を受け、前記バッテリーに電気を供給する充電用コネクタと、を備える移動ロボットと、からなる移動ロボット充電システムであって、
前記移動ロボットが、
前記充電用コネクタを揺動可能に支持する揺動軸と、
前記充電用コネクタの充電側表面に設けられた充電用端子と、
前記充電用端子とバッテリーとを、電気的に導通可能な状態と導通不能な状態とに切り換える切り換え部と、
前記充電用コネクタの、充電側表面から付与された外力に起因して生じる姿勢変化に基づいて信号を送信するセンサ部と、
前記センサ部から送信された信号と、前記外力による充電用コネクタの揺動軸周りの揺動量とに基づいて、充電可能状態にあるか否かを判定するとともに、充電可能状態にあると判定された場合に、前記切り換え部を切り換え、バッテリーと充電用端子との間を電気的に導通する制御部と、を備え、
前記充電ステーションが、
充電器本体と、電力供給用端子と、前記充電器本体および電力供給用端子とを電気的に導通可能な状態と導通不能な状態とに切り換えるスイッチ部と、該スイッチ部を制御するスイッチ制御部と、を備えることを特徴とする移動ロボット充電システム。
【請求項9】
前記電力供給用端子が所定方向に移動可能であり、前記スイッチ制御部が、電力供給用端子の移動量に基づいて、スイッチ部を制御することを特徴とする請求項8に記載の移動ロボット充電システム。
【請求項10】
充電ステーションに対して近接離間可能に移動するための移動手段と、充電可能なバッテリーを備えるロボット本体部と、充電ステーションからの電力を受け、前記バッテリーに電気を供給する、姿勢変化可能な充電用コネクタと、前記充電用端子とバッテリーとを、電気的に導通可能な状態と導通不能な状態とに切り換える切り換え部と、を備える移動ロボットを、充電ステーションに備えられた電力供給用端子に前記充電用端子を接触させて移動ロボットを充電するための移動ロボット充電方法であって、
前記充電用コネクタが、充電側表面から付与された外力に起因する姿勢変化の度合いに基づいて、移動ロボットを移動停止させるか否かを判断する第1のステップと、
前記移動ロボットを移動停止させると判断した場合に、移動ロボットを停止するとともに、前記充電用コネクタとバッテリーとを電気的に導通可能な状態に切り換える第2のステップと、
前記充電ステーションにおける電力供給用端子の押し込み量に基づいて、前記移動ロボットが充電可能状態にあるか否かを判断する第3のステップと、
前記充電器本体および電力供給用端子とを電気的に導通可能な状態に切り換える第4のステップと、
を備えることを特徴とする移動ロボット充電方法。
【請求項11】
前記第2のステップが、移動ロボットが移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、前記充電用コネクタの揺動量が所定量以下であり、かつ、前記充電用コネクタが所定距離以上に押し込まれた場合に、前記制御部が前記切り換え部を切り換えてバッテリーと充電用端子との間を電気的に導通することを特徴とする請求項9に記載の移動ロボット充電方法。
【請求項12】
前記移動ロボットが、移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、充電可能状態にあると判定されると、前記制御部が、移動手段による移動を停止するステップをさらに備えることを特徴とする請求項10または11に記載の移動ロボット充電方法。
【請求項13】
前記移動ロボットが、移動手段により移動しつつ、充電用コネクタに外力が付与された状態において、前記揺動量が所定量を超えた場合に、前記移動手段により該揺動量を低減する方向に自己の向きを修正するステップをさらに備えることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の移動ロボット充電方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−129696(P2008−129696A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−311484(P2006−311484)
【出願日】平成18年11月17日(2006.11.17)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】