説明

移動ロボットの位置推定方法及び装置

【課題】 信号発生装置によって発信された信号を正確に検出して移動ロボットの位置推定の正確度を高める方法及び装置を提供する。
【解決手段】 本発明は移動ロボットの位置推定方法及び装置に関するもので、本発明の一実施形態による移動ロボット位置推定方法は所定の信号発生装置から発信された第1信号及び第2信号を移動ロボットに具備された第1信号を受信するセンサと第2信号を受信する3個以上のセンサによって第1信号及び第2信号を受信する段階、第1信号から抽出された時間情報を使用して第2信号を受信する各センサまでの発信距離を計算する段階、及び発信距離から移動ロボットの位置を計算する段階を含み、第2信号は信号発生装置から2回以上発信され、第2信号を受信する各センサは最初受信された第2信号の測定結果によって、それ以降受信される第2信号の増幅の可否を計算する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動ロボットの位置推定方法及び装置に関するもので、より詳細には、信号発生装置によって発信された信号を利用して移動ロボットの位置を推定する移動ロボットの位置推定方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多くの機器は、固定された位置で機能を行う。しかし、固定されていない場合、その機能を効率的に発揮できない場合がある。最近、移動ロボットの開発が進行されつつ、ロボットの移動についての関心と研究が増大している。
【0003】
ところが、ロボットを移動させる操作において、ユーザが所望する位置を正確に表示することも難しいが、ロボットを該当位置に移動させることも難しい。従来には、ロボットを移動させるためにロボットをユーザが直接持って移動するか、またはリモコンで操作する方式が提示された。
【0004】
リモコンを使用する場合、ユーザが遠隔でロボットを制御できるという長所はあるが、ロボットの位置を正確に把握して障害物を避けたり、所望の位置まで移動させるようにロボットを自動制御するのに難点があった。特許文献1を参照すれば、リモコンを通じて掃除ロボットを制御するが、障害物を回避するために別途のセンサを付着して計算過程を行うなど、複雑に具現されている。また、信号が障害物で遮蔽されて、正しく抽出できない場合も発生する。
【0005】
したがって、リモコンを使用する場合のロボットの位置を正確に把握するため信号の正確な検出を可能にする方法が必要である。
【特許文献1】韓国公開特許第2002−0049784号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記問題点を改善するために案出されたものであって、信号発生装置によって発信された信号を正確に検出し移動ロボットの位置推定の正確度を高めることにその目的がある。
【0007】
本発明の他の目的は、ロボットの移動において目標地点まで正確に移動しつつも障害物を判断可能にすることである。
【0008】
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されず、言及されていない他の目的は下の記載から当業者に明確に理解されうる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例による移動ロボットの位置推定方法は所定の信号発生装置から発信された第1信号及び第2信号を移動ロボットに具備された前記第1信号を受信するセンサと前記第2信号を受信する3個以上のセンサによって前記第1信号及び第2信号を受信する段階、前記第1信号から抽出された時間情報を使用して前記第2信号を受信する各センサからの発信距離を計算する段階、及び前記発信距離から前記移動ロボットの位置を計算する段階を含み、前記第2信号は前記信号発生装置から2回以上発信され、前記第2信号を受信する各センサは最初受信された第2信号の測定結果によって、以降受信される第2信号の増幅の可否を計算する。
【0010】
本発明の一実施形態による移動ロボットの位置推定装置は所定の信号発生装置から発信された第1信号を受信する第1信号受信部、前記信号発生装置から発信された第2信号を受信する3個以上の第2信号受信部、前記第1信号から抽出された時間情報を使用して前記第2信号を受信する各センサまでの発信距離を計算する距離計算部、及び前記発信距離から前記移動ロボットの位置を計算する一計算部を含み、前記第2信号を前記信号発生装置から2回以上発生させ、前記距離計算部は前記第2信号受信部に最初受信された第2信号の測定結果によって、以降受信された第2信号の増幅の可否を計算する増幅値決定部を含む。
その他の実施例の具体的な事項は詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0011】
本発明を具現することによって、信号発生装置を利用して移動ロボットの位置を推定する方法及び装置を提供し得る。
本発明を具現することによって、信号検出能力を向上させロボットの位置推定の正確度を向上させ得る。
本発明を具現することによって、信号発生装置と移動ロボットの間の障害物を判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の利点及び特徴、そしてこれを達成する方法は添付された図面に基づいて詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下で開示される実施例に限定されるものではなく、この実施例から外れて多様な形に具現でき、本明細書で説明する実施例は本発明の開示を完全にし、本発明が属する技術分野で当業者に発明の範ちゅうを完全に報せるために提供されるものであり、本発明は請求項及び発明の詳細な説明により定義されるだけである。一方、明細書全体に亙って同一な参照符号は同一な構成要素を示す。
【0013】
以下、本発明の実施形態によって、移動ロボットの位置推定方法及び装置を説明するためのブロック図またはフローチャートに関する図面を参考して本発明について説明する。
【0014】
この時、フローチャートの各ブロックとフロ−チャートの組合わせはコンピュータプログラムインストラクションにより実行可能なのが理解できるであろう。これらコンピュータプログラムインストラクションは、汎用コンピュータ、特殊用コンピュータまたはその他のプログラマブルデータプロセッシング装備のプロセッサーに搭載されうるので、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータプロセッシング装備のプロセッサーを通じて実行されるそのインストラクションがフローチャートのブロックで説明された機能を行う手段を生成するように機構を作れる。これらコンピュータプログラムインストラクションは特定方式で機能を具現するためにコンピュータまたはその他のプログラマブルデータプロセッシング装備を指向できるコンピュータ利用可能またはコンピュータ判読可能メモリに保存されることも可能なので、そのコンピュータ利用可能またはコンピュータ判読可能メモリに保存されたインストラクションはフローチャートのブロックで説明された機能を行うインストラクション手段を内包する製造品目を生産することも可能である。コンピュータプログラムインストラクションはコンピュータまたはその他のプログラム可能なデータプロセッシング装備上に搭載することも可能なので、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータプロセッシング装備上で一連の動作段階が実行されてコンピュータで実行されるプロセスを生成し、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータプロセッシング装備を行うインストラクションはフローチャートのブロックで説明された機能を実行するための段階を提供することも可能である。
【0015】
また、各ブロックは特定の論理的機能を行うための一つ以上の実行可能なインストラクションを含むモジュール、セグメントまたはコードの一部を示すことができる。また、いくつの代替実行例では、ブロックで言及された機能が順序を外れて発生することも可能であるということに注目せねばならない。例えば、連続して図示されている2つのブロックは、実質的に同時に行われてもよく、またはそのブロックが時々該当する機能によって逆順に行われてもよい。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による構成を示す図面である。図1において、信号発生装置110は、ロボット120に二種の信号130を発信する。信号発生装置110は壁面のように固定された位置から信号を発生させることができるが、好ましくは図1でのようにユーザによって操作可能なリモコン110’等の移動が可能な信号発生装置110から信号を発生させる。二種の信号は、速度によって分けられる。例えば、一種がRF信号である場合、発信から受信に至るまでに時間がほとんどかからない。そして、他種、例えば、距離を測定しうる程度の時間差を有する超音波信号のような信号を含む。二種の信号を発生させることによって、ロボット120はリモコン110’の位置を把握して移動しうる。
【0017】
また、リモコン110’を利用して複数の位置から信号を発信して移動ロボット120は各々に対するリモコン110’の位置を保存することができる。
【0018】
複数の保存された位置から移動ロボット120は移動経路パターンを形成し、形成された移動経路パターンによって移動をする。例えば掃除ロボット120’の場合にユーザは掃除する領域に対して各角地点でリモコン110’から信号を発信する。そして前述した方法で計算された各地点の位置が掃除ロボットに保存される。保存された各位置から掃除ロボット120’の掃除経路パターンを形成し、掃除経路パターンによって掃除ロボットを移動させつつ、掃除を行うことができる。
【0019】
移動経路パターンは複数の信号発生装置の位置を連結された閉曲線内に形成され得る。例えば掃除ロボットでカーペットを掃除しようとするとき、ユーザはカーペットの4角の位置からリモコンを利用して信号を順次発信する。このとき、各位置から発信される信号から移動ロボットはリモコンの四個の位置を計算して保存する。このとき四個の位置からカーペットの形状である直四角形の閉曲線を形成し得るが、このとき掃除ロボットの移動経路は形成された閉曲線内にジグザクまたは螺旋型などで生成され得る。このときカーペットの全面積を掃除することができるように閉曲線内に移動経路が生成されなければならないだろう。
【0020】
図2は、本発明の一実施形態による信号と移動機能との連動を示す図面である。リモコン230は、二種の信号を生成してロボット250に発信する。ロボット250のセンサ251、252、254、256は、第1信号発生部210で生成した信号262と第2信号発生部220で生成した信号264、266とを受信する。例えば、第1信号発生部210は、RF(無線周波数)またはIR(赤外線)信号を発生させ、これと同時に第2信号発生部220が超音波信号を発生させる場合、RFまたはIRの信号の特性上、第1信号発生部210が信号を送信すると同時にロボット250が第1信号を受信する一方、第2信号は、超音波の場合、一定時間後にロボット250のセンサに到着するので、第1信号が受信された時点と第2信号が受信された時点とを計算してリモコンの距離と位置とを計算しうる。一方、図2では、前記超音波信号の受信正確度を向上させるために2回の超音波信号を送信し、AGC(自動利得制御)信号、すなわち、最初に伝送される超音波信号264を通じて超音波信号の増幅の可否または増幅サイズを設定し、その次にセンシングされた超音波信号266の測定信号を受信可能にする。
【0021】
図2のように2回の信号を伝送する場合、超音波信号が歪曲されるか、波形が低くなった場合に、どのように増幅するかを判断する尺度となりうる。また、二種の相異なる信号を送信することによって、信号検出の正確度を高め距離情報を正確に計算しうる。第2信号発生部220で生成した信号を受信したとき、ロボット250は距離情報の正確な判断のために複数のセンサ252、254、256を使用する。前述したように第1信号を通じて第2信号の受信かかる時間を計算し、その結果、それぞれのセンサ252、254、256は、リモコンまでのそれぞれの長さL1、L2、L3を計算しうる。センサ間の距離とL1、L2、L3と計算してリモコンの位置を計算する。3つのセンサを使用し、センサの数が増えるほど、距離の正確度は比例しうる。但し、センサの数と計算量の増加という点が、トレードオフとなりうる。本明細書では、第2信号を受信するセンサが3つであり、第1信号を受信するセンサが1つである場合を例として説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。複数のセンサを使用して距離を測定する方法についての後述する。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態によるリモコンとロボットとの相互作用を示す図面である。
リモコン310は、ユーザがリモコンのボタンを押す場合、第1信号と第2信号とを送信する。第1信号と第2信号は、同時にまたは順次に送信しうる。ロボット320とあらかじめ約束された方式によって第1信号と第2信号とを送信しうる。
【0023】
ロボット320は、第1信号を受信し、受信した時刻であるtを記録する。そして、その次に受信される第2信号の受信時刻を測定する。この際、図2で説明したようにセンサによって受信される時刻が異なりうる。図3では、三つのセンサを使用して第2信号の受信時刻であるa1、a2、a3を測定した場合を示す。そして、前記した第1信号の受信時刻tとa1、a2、a3とを使用して、リモコンまでの距離を計算する。そして、リモコンの位置である距離及び角度情報R、θを計算してリモコンを基準としてロボットの位置を計算することができる。
【0024】
図4は、本発明の一実施形態による第2信号の受信方式を示す図面である。従来の方式410では、センサが基準値(Threshold)以上の信号が発生すれば、新たな信号が発生したと判断して、該当信号を検出する。しかし、この場合、送受信部の距離に変化が生じるか、送信部の方向がずれるなどの多様な要因により信号のサイズが小さくなれば、基準値より低いレベルで受信しうるが、このときには信号が検出され得ない。よって、本明細書では信号を受信可能にする1つの例示を提案している。
【0025】
450を見るとき、図2で説明した第2信号を2回に分けて送る。第1信号以後にAGC信号452を受信すれば、第2信号の受信に必要な増幅の程度を計算しうる。計算された増幅程度によって以後受信される測定信号454を増幅して検出しうる。
【0026】
図5は、本発明の一実施形態による第2信号の増幅を示す図面である。このような増幅メカニズムは、図2のセンサ252、254、256に具現されうる。第2信号は、増幅部550を通じて受信される。最初に受信される信号はAGC信号となる。レベル測定部510は、受信されたAGC信号のサイズ及び閾値(saturation)程度(閾値に対する到達の程度)を把握する。増幅値決定部520は、レベル測定部510で把握したデータを使用してこれから受信する測定信号に対する増幅値を決定する。この決定は、増幅部550にフィードバックされる。
【0027】
一定時間後に測定信号が受信されれば、増幅部550は、該当信号を前記決定された増幅値によって増幅する。増幅された信号は、測定信号検出部530を通じて測定信号であるか否かを判断し、測定信号と判断されれば、時刻計算部540を通じて受信された時刻を検出する。検出された時刻は、図3で説明したようなa1、a2、a3になり、各センサが測定した測定信号の受信時刻を比較してリモコンの位置を計算しうる。
【0028】
図6は、本発明の一実施形態による信号のレベルに基づいて増幅の可否を判断する過程を示す図面である。図6は、閾値に到達していない場合の増幅を示す。
【0029】
センシングされる信号は、図6のような信号レベル内の多様な領域のうち、1つを満足させる。この際、判断の根拠は、信号の包絡線(Envelope)610の高さhになりうる。閾値領域620に到達できない信号の場合、電圧レベル比較器を用いて、それぞれの比較器出力を用いて期待領域に出力がくるように調整する。例えば、630のような信号は包絡線の高さが低く、期待領域に含まれないので、期待領域に含まれるように増幅させる。
【0030】
図7は、図6に続き、本発明の一実施形態による受信した信号の波形検出過程を示す図面である。図7は、閾値に到達した場合の増幅を示す。
【0031】
入力された信号710の波形検出時点から最初信号が特定電圧レベルV1を通過した時刻t1と特定電圧レベルV2を通過した時点t2とを用いて、受信信号の最大振幅hを予測する。Hを用いて現在の増幅部のゲイン(gain)を調整する。例えば、ゲイン調節比率は1/2*1/h=1/(2h)となりうる。
【0032】
図8は、図6及び図7の過程を通じて計算されたt1、t2を使用してhを推定する過程を示す図面である。
実験を通じてt1、t2の入力値とhとの関係をテーブルで保存するか、または回帰式で求めうる。図8の810のように2つの電圧V1とV2との差とt1及びt2の差の比率を求め、これを通じて所定のピーク値を算出しうる。
【0033】
図8で入力されたt1、t2とあらかじめ定義されたV1、V2を通じて傾度xを算出しうる。傾度xにP1とP2とを代入してピーク値peak(h)を予測しうる。810は、前記過程を通じて算出した予測値と実際値とを比較したグラフである。
【0034】
図8のグラフ820を説明すれば、算術的に計算された値(または予測された値)は一定に増加する一方、元の値、すなわち、実際ピーク値は計算された値の周辺に存在することが分かる。このような結果をフィードバックして、実際ピーク値と計算された値との差が大きい場合、P1、P2の値を調節する方案も可能である。
【0035】
図6ないし図8の過程を通じてAGC信号を測定すれば、2番目に受信される信号の測定信号を処理する過程が必要である。
【0036】
図9は、本発明の一実施形態による測定信号の受信時刻を測定する過程を示す図面である。2番目の信号(測定信号)950がピーク時間測定部900に入力されれば、包絡線感知部910は包絡線を受信する。その結果、952のような波形を算出する。これは微分器(Differentiator)920に入力されて微分器を通じて954のように信号の微分された結果が算出される。微分された結果を使用して、比較部930は特定レベルと比較して956のようにピークされた信号を生成する。そして、該当信号が到達した時刻を測定する。測定した時刻taは、以前に受信した第1信号の受信時刻と比較してリモコンの位置を測定しうる。ピーク時間測定部900は、第2信号を受信する各センサに含まれうる。
【0037】
距離の測定は、第2信号を受信する複数の各センサにより受信された第2信号のうち、測定信号のピーク時間測定を通じてリモコンまでの距離を計算することを通じてなされる。計算する一実施形態は式(1)の通りである。
L=v*T(m)、v=.61*(温度)+331.5(m/s)、T=信号の時間差 (1)
第1信号と第2信号とが受信された時点の時間差Tを式(1)に代入して距離を求めうる。
【0038】
図10は、本発明の一実施形態によるセンサがセンシングした結果による距離情報を用いた状況判断の過程を示す図面である。
【0039】
リモコン1010で送信した第2信号は、3つのセンサ1001、1002、1003で受信され、各センサが受信して計算した距離情報L1、L2、L3によりリモコン1010の位置を把握しうる。一方、このような位置把握以外にも、リモコンとセンサとの間に如何なる異なる障害物が存在しているか否かも判断しうる。
【0040】
まず、三角形の2辺の長さの和は、一辺の長さより長いというまとめに基づいて、式(2)、式(3)、式(4)が導出される。この市、センサ2つが一直線に存在できるので、2辺の長さの和は、一辺の長さより長いか、同じであるという仮定に基づいて次のような式を展開しうる。
【0041】

≦L+d、|L−L|≦d
|L−L|≦d+Δ (第1条件) (2)

≦L+d、|L−L|≦d
|L−L|≦d+Δ (第2条件) (3)

≦L+d、|L−L|≦d
|L−L|≦d+Δ (第3条件) (4)
第1、2、3条件をいずれも満足する時には、障害物が存在していない正常状態と判別する。一方、前記3条件のうち、1つのみを満足する時、すなわち、1センサの距離が過度に長いか、短い場合には、次のような判断が可能である。
【0042】
図11は、図10のセンサの位置による領域を分割して表示したものである。
【0043】
(1)1センサの距離が過度に長い場合には、1センサのみが障害物により遮蔽された場合が多い。
例えば、第2条件のみ満足し、そのセンサの長さLが、他の2センサの長さより長い場合、3つの場合に分けられる。まず、|L−L|<Δを満足する場合、図11の(a)領域にリモコンの発信部が存在することを示す。そして、(L>>L)の場合、0°方向に発信部が存在し、(L>>L)の場合180°方向に発信部が存在する。
【0044】
一方、第2条件のみ満足し、そのセンサの長さLが他の2つのセンサより短い場合、2つの場合に分けられる。まず、|L−L|<Δを満足する場合、(b)領域に発信部が存在する。他の場合には、障害物の存在のみ確認しうる。
【0045】
(2)1センサの距離が過度に短い場合には、2センサが障害物により遮蔽された場合が高い。
一方、前記3つの条件式(2、3、4)のうち、2つのみ満足する場合、障害物の存在のみ確認可能である。
【0046】
図12は、本発明の一実施形態による障害物がない場合、リモコンの位置を計算する過程を示す。
各センサの位置情報とリモコンまでの距離情報L、L、Lの情報を知っているので、式(5)の解答を求めてx、y、zを求める。座標(x、y、z)は、リモコンの位置を示し、(0、0、0)は、ロボットの中心座標を示す。
【0047】
【数1】

前記方程式の解を通じてx、y、zを求め、ユーザの位置を求める。そして、ユーザのリモコンまでの距離Rと角度Θを式(6)のように求める。
【0048】
【数2】

図13は、本発明の一実施形態による障害物がある場合、2つのセンサを使用してリモコンの位置を計算する過程を示す。この場合、3つのセンサのうち、障害物によって1センサのみ遮蔽され、残りの2つのセンサは遮蔽されていない場合である。
【0049】
各センサの位置情報とリモコンまでの距離情報L、Lの情報を知っているので、式(7)の解答を求めてx、y、zを求めうる。
【0050】
【数3】

そして、式(8)のような公式を使用して2次元上の距離と方向とを求める。
【0051】
【数4】

図14は、本発明の一実施形態によるフローチャートである。ロボットが遠隔制御装置から信号を受信して距離及び方向を計算し、障害物の存否を確認した後に移動する過程を示す図面である。
【0052】
信号発生装置から第1信号及び第2信号を受信する(S1410)。第1信号は、前述したようにRF/IR信号のように、送信後から受信時まで時間差のほとんどない信号を採択でき、第2信号は、第1信号より遅く伝達される属性を有する信号であって、超音波などとなりうる。第2信号は、信号受信の正確性のために2回以上送信しうる。ロボットは、最初に受信された第2信号(例えば、前述したAGC信号)で第2信号の増幅量を計算する(S1420)。計算された増幅量によって2番目の第2信号(例えば、前述した測定信号)の到着時間を測定する。この際、到着時間を測定する一実施形態で、信号のピーク時点を求めるが、この際、所定電圧に到達した時間と電圧との間の比率差を計算してピークとなる時点を計算する(S1430)。
【0053】
第1信号及び前記計算された第2信号の受信時刻の差に基づいて信号発生装置を基準として距離及び方向を計算する(S1440)。また、このような距離結果に基づいて障害物有無を判断する(S1450)。障害物有無の判断は、図11及び図13で説明した。判断の結果、障害物が存在する場合(S1460)、信号発生装置の位置を予測または判断して信号発生装置側にロボットを移動する(S1470)。障害物が存在するが、2つのセンサを用いて位置測定が可能な場合、ロボットは計算された位置に移動し、位置測定が可能でない場合は、障害物が存在していない位置に移動する。一方、障害物が存在していない場合、S1440段階で計算された方向に計算された距離ほど移動する(S1480)。
【0054】
図15は、本発明の一実施形態によるロボットの構成要素を示す図面である。
前記各構成要素は、ソフトウェアまたはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)または注文型半導体(ASIC)のようなハードウェア構成要素を意味する。しかし、前記構成要素は、ソフトウェアまたはハードウェアに限定されるものではない。アドレッシング可能な保存媒体に存在すべく構成されても良く、1つまたはそれ以上のプロセッサーを実行させるように構成されても良い。構成要素から提供される機能は、より少数の構成要素及びモジュールで結合されるか、追加的な構成要素とモジュールにさらに分離されうる。複数の構成要素を結合して特定の機能を行う一つの構成要素で具現されることもある。のみならず、前記構成要素は、システム内の1つまたはそれ以上のコンピュータを実行させるように具現されることもある。
【0055】
ロボット1500は、複数の信号受信部1505、1510、1511、1512と距離計算部1520、位置計算部1545を含む。また障害物判断部1550、移動部1560をさらに含み得る。リモコンのような進行発生装置から発信される第1信号と第2信号は、該当信号受信部に各々受信される。この際、第2信号は、複数の信号受信部1510、1511、1512に受信される。
【0056】
距離計算部1520は、第1信号及び第2信号の受信結果に基づいて信号発生装置までの距離を計算する。この際、距離計算において、増幅値決定部1530は、最初に送信される第2信号を使用し、以後送信される信号の増幅の可否を計算する。さらに詳細には、図5から提示されたように、増幅値決定部は最初に送信された第2信号のサイズを測定するレベル測定部の結果を使用して所定閾値を満足させ得ない場合、以後送信される信号の増幅の可否を計算して増幅量をフィードバックして設定する。
【0057】
ピーク時間測定部1540は、図7ないし図9に提示されたように、第2信号のサイズが第1測定値を満足する時間t1と第2測定値を満足する時間t2とを計算して第2信号の包絡線の高さを計算し、前記包絡線がピークとなる時刻を計算する。
【0058】
位置計算部1545は距離計算部1520で計算された各センサまでの距離に基づき進行発生装置を基準とした移動ロボットの位置または移動ロボットを基準とした信号発生装置の位置を計算する。
【0059】
また本発明の移動ロボットの位置推定装置は障害物判断部1550を含むことができ、信号発生装置とロボットの内だの障害物を判断する。障害物を判断する過程は図11に示した。
【0060】
距離計算部1520は、計算された距離と方向とを移動部1560に伝達し、移動部1560はロボット1500を移動させる。
【0061】
または、本発明の移動ロボットの位置推定装置は位置計算部から計算された信号発生装置または移動ロボットの位置を保存する保存部をさらに含み得る。
【0062】
また、保存部に保存された複数の信号発生装置の位置をさらに含み得る。移動経路パターン形成部によって形成されたロボットの移動経路によって移動部は移動ロボットを移動させ得る。
【0063】
本発明が属する技術分野で当業者ならば本発明がその技術的思想や必須特徴を変更せずとも他の具体的な形に実施されうるということが理解できるであろう。したがって、前述した実施例はあらゆる面で例示的なものであり、限定的なものと理解してはならない。本発明の範囲は前述した詳細な説明よりは特許請求の範囲によって現れ、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその均等概念から導かれるあらゆる変更または変形された形が本発明の範囲に含まれると解釈せねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、ロボット移動関連の技術分野に好適に適用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態による構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による信号と移動機能との連動を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるリモコンとロボットとの相互作用を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による第2信号の受信方式を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による第2信号の増幅を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による信号のレベルに基づいて増幅の可否を判断する過程を示す図である。
【図7】図6に続き、本発明の一実施形態による受信した信号の波形検出過程を示す図である。
【図8】図6及び図7の過程を通じて計算されたt1、t2を使用してhを推定する過程を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による測定信号の受信時刻を測定する過程を示す図面である。
【図10】本発明の一実施形態によるセンサがセンシングした結果による距離情報を用いた状況判断の過程を示す図である。
【図11】図10のセンサの位置による領域を分割して表示した図である。
【図12】本発明の一実施形態による障害物のない場合、リモコンの位置を計算する過程を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態による障害物がある場合、2つのセンサを使用してリモコンの位置を計算する過程を示す図である。
【図14】本発明の一実施形態によるフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態によるロボットの構成要素を示す図である。
【符号の説明】
【0066】
510 レベル測定部
520 増幅値決定部
530 測定信号検出部
540 時刻計算部
900 ピーク時間測定部
910 包絡線感知部
920 微分器
930 比較部
1500 ロボット
1505 第1信号受信部
1510、1511、1512 第2信号受信部
1520 距離計算部
1530 増幅値決定部
1540 ピーク時間測定部
1550 障害物判断部
1560 移動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の信号発生装置から発信された第1信号及び第2信号を、移動ロボットに具備された前記第1信号を受信するセンサと、前記第2信号を受信する3個以上のセンサによって前記第1信号及び第2信号を受信する段階と、
前記第1信号から抽出された時間情報を使用して前記第2信号を受信する各センサまでの発信距離を計算する段階、および
前記発信距離から前記信号発生装置の位置を計算する段階を含み、
前記第2信号は前記信号発生装置から2回以上発信され、前記第2信号を受信する各センサは最初受信された第2信号の測定結果によって、それ以降に受信される第2信号の増幅の可否を計算する移動ロボットの位置推定方法。
【請求項2】
前記発信距離を計算する段階は、前記第1信号及び前記第2信号の受信時刻の差についての情報を使用して前記発信距離を計算する請求項1に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項3】
前記第2信号は、前記第1信号と所定の時間間隔をおいて送信される請求項2に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項4】
前記増幅の可否は、前記最初に発信された第2信号が所定の閾値を満足させ得ない場合、それ以後発信される信号の増幅の可否を計算して増幅量を前記センサにフィードバックして設定する請求項1に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項5】
前記発信距離を計算段階は、前記第2信号のサイズが第1測定値を満足する時間t1と第2測定値を満足する時間t2とを計算して、前記第2信号の包絡線の高さを計算し、前記包絡線の高さが最高となる時刻を利用して計算する段階を含む請求項1に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項6】
前記包絡線の高さが最高となる時刻を計算する段階は、
前記t1とt2との比率と、前記第1測定値での電圧の値V1と前記第2測定値での電圧の値V2間の比率を計算する段階を含む請求項5に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項7】
所定センサが第2信号を受信できなかったり、または第2信号を受信して計算した前記発信距離の異なるセンサが受信して計算した発信距離と比較して数学的関係式を充足させない場合、前記進行発生装置と前記移動ロボットとの間に障害物が存在すると判断する段階をさらに含む請求項1に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項8】
前記第2信号を受信するセンサが3個であり、
前記判断する段階は、前記センサで受信して計算した前記第2信号が発信された位置までの距離を各々L1、L2、L3とし、前記3つのセンサ間の距離を各々d1、d2、d3とするとき、前記L1、L2、L3、d1、d2、d3のうち所定の組合わせによって三角形を構成する段階と、
前記構成された三角形の各辺の長さを、三角形の2辺の長さの和が残りの一辺の長さより長いという前記数学的関係式に代入して計算した結果、障害物が存在すると判断する段階と、をさらに含む請求項7に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項9】
前記信号発生装置の位置に前記移動ロボットを移動させる段階をさらに含む請求項1に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項10】
前記信号発生装置はリモコンである請求項1に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項11】
前記第1信号は無線周波数または赤外線である請求項1に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項12】
前記第2信号は超音波である請求項1に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項13】
前記信号発生装置の位置を保存する段階をさらに含む請求項1に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項14】
複数の前記保存された信号発生装置の位置から前記移動ロボットの移動経路としてパターンを形成する段階、及び
前記移動経路パターンによって前記移動ロボットが移動する段階をさらに含む請求項13に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項15】
前記移動経路パターンは前記複数の信号発生装置の位置を連結する閉曲線内に形成される請求項14に記載の移動ロボットの位置推定方法。
【請求項16】
所定の信号発生装置から発信された第1信号を受信する第1信号受信部と、
前記信号発生装置から発信された第2信号を受信する3個以上の第2信号受信部と、
前記第1信号から抽出された時間情報を使用して前記第2信号を受信する各センサまでの発信距離を計算する距離計算部、および
前記発信距離から前記信号発生装置の位置を計算する位置計算部を含む、
前記第2信号を前記信号発生装置から2回以上発信され、前記距離計算部は前記第2信号受信部に最初に受信された第2信号の測定結果によってそれ以降受信される第2信号の増幅の可否を計算する増幅値決定部を含む移動ロボットの位置推定装置。
【請求項17】
前記距離計算部は、前記第1信号及び前記第2信号の受信時刻の差についての情報を使用して前記発信距離を計算する時刻計算部を含む請求項16に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項18】
前記第2信号は、前記第1信号と所定の時間間隔をおいて発信される請求項17に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項19】
前記距離計算部は、前記最初に発信された第2信号のサイズを測定するレベル測定部を含み、前記レベル測定部が測定した結果、所定閾値を満足しない場合、前記増幅値決定部は、以後発信される信号の増幅の可否を計算して増幅量をフィードバックして設定する請求項16に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項20】
前記距離計算部は、前記第2信号のサイズが第1測定値を満足する時間t1と第2測定値を満足する時間t2とを計算して前記第2信号の包絡線の高さを計算し、前記包絡線の高さが最高となる時刻を計算するピーク時間測定部を含む請求項16に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項21】
前記ピーク時間測定部は、前記t1とt2との比率と、前記第1測定値での電圧の値V1と前記第2測定値での電圧の値V2との間の比率を計算する請求項20に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項22】
前記距離計算部は、所定センサが第2信号を受信できないか、または第2信号を受信して計算した前記発信距離が異なるセンサが受信して計算した発信距離と比較して数学的関係式を充足させない場合、前記進行発生装置と前記移動ロボットとの間に障害物が存在すると判断する障害物判断部をさらに含む請求項16に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項23】
前記第2信号を受信するセンサが3個であり、前記センサが受信して計算した前記第2信号が発信された位置までの距離を各々L1、L2、L3とし、前記3つのセンサ間の距離を各々d1、d2、d3である場合、前記障害物判断部は、前記L1、L2、L3、d1、d2、d3のうち、所定の組合わせによって三角形を構成し、前記構成された三角形の各辺の長さを三角形の2辺の長さの和が残りの一辺の長さより長いという前記数学的関係式に代入して計算した結果、障害物が存在すると判断する請求項22に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項24】
前記信号発生装置の位置に前記移動ロボットを移動させる移動部をさらに含む請求項16に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項25】
前記信号発生装置はリモコンである請求項16に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項26】
前記第1信号は無線周波数または赤外線である請求項16に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項27】
前記第2信号は超音波である請求項16に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項28】
前記信号発生装置の位置を保存する段階をさらに含む請求項16に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項29】
前記保存部に保存された複数の前記信号発生装置の位置から前記移動ロボットの移動経路パターンを形成する移動経路パターン形成部、及び
前記移動経路パターンによって前記移動ロボットを移動させる移動部をさらに含む請求項28に記載の移動ロボットの位置推定装置。
【請求項30】
前記移動パターンは前記複数の信号発生装置の位置を連結した閉曲線内に形成される請求項29に記載の移動ロボットの位置推定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−322433(P2007−322433A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148235(P2007−148235)
【出願日】平成19年6月4日(2007.6.4)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】