説明

移動物体検知判定方法

【課題】不規則な動きをする移動物体も正しく検出することができる移動物体検知判定方法を提供する。
【解決手段】時系列で取得される画像から検出された移動物体の動き検出情報信号に基づいてアラーム判定する移動物体検知判定方法において、前記動き検出情報信号が動き検出信号若しくは非動き検出信号であり、該動き検出情報信号が動き検知手段3aから所定の時間間隔で出力されて計数手段3bの動き検出集計値が増減し、該動き検出集計値が予め設定したアラーム判定計数値に達したか否かによって、移動物体の存在を判定する移動物体検知判定方法であって、前記動き検出信号に基づいて計数手段3bの動き検出集計値が加算されるとともに、前記非動き検出信号に基づいて計数手段3bの動き検出集計値が減算され、計数手段3bの動き検出集計値がアラーム判定計数値に達した場合、撮像領域内に移動物体が存在すると判定しアラーム信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視対象領域を撮像した画像から移動物体を検出し、アラーム判定する移動物体検知判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視対象領域を撮像した画像からの移動物体の検出方法は、過去画面と現在画面とを差分処理し、画面全体から変化点を抽出し、変化点が検出される画面が何画面続いたかをカウントし、カウント値が設定回数以上であると判断されると、監視画像範囲内に移動物体が存在すると判断し検知信号を出力している。この種の移動物体検知判定方法としては、本出願人による移動物体抽出用画像作成方法があり、図5,図6を参照して説明する。なお、図5は従来例の処理画面の遷移を示し、移動物体抽出用画像から移動体を抽出してアラームを発生するまでを示し、図6は図5の処理画面を実行する移動物体抽出用画像作成装置による処理フローである。
【0003】
移動体検出には、例として図5に示す静止物、葉、移動物および影で分けた4種類からなる画像データを画像取得用リングバッファX1〜X5(以下、リングバッファと称する)に、サンプリングされた画像データを時間経過に対応して記憶し、画像処理して移動物体を抽出する。図6の処理フローを参照し説明する。先ず、ステップS1では、サンプリングした画像データをリングバッファX1〜X5へ記憶し、その画像取得過程で、ステップS2において、そのときの画像取得ポインタの値が5か否か判断し、画像取得ポインタが5でなければステップS3でそのときの画像ポインタを1増加し、次にサンプリングした画像データを取得し、画像取得ポインタの値が5になるまで繰り返し実行する。画像取得ポインタが5であればステップS4で画像取得用ポインタを1に設定し、次のステップへと進み、ステップS5にて差分ポインタを1に設定し、ステップS6に進む。なお、リングバッファX1〜X5に取得される画像データr1〜r5とし、r5が最新画像であり、r1〜r4は順次時系列に並ぶ過去の画像である。
【0004】
ステップS6ではリングバッファX1〜X5に記憶している5枚分(最新画像r5と過去4枚分の画像r1〜r4)の画像データから、最新画像r5と過去4枚分の画像r1〜r4の差分の絶対値を算出し、差分処理した画像データを、差分用ポインタを1増加しながら差分用メモリa〜dへ記憶し(図5の(1))、ステップS7に進む。ステップS7では差分用メモリa〜dの全画面の論理積(AND)を取りAND用メモリeへ記憶し(図5の(2))、ステップS8に進む。ステップS8ではAND用メモリeへ記憶した画像データを二値化し二値化メモリfに記憶する(図5の(3))。二値化した画像データは、ステップS9で多数決フィルタにより処理を行い、二値化用メモリgに記憶する(図5の(4))。ステップS10では二値化用メモリgに記憶した画像に対して再び多数決フィルタにより処理を行し、多数決フィルタを通した画像データを多数決メモリg1〜g3に記憶して移動物体抽出用画像データとしCPUへ出力する。このステップS1からステップS10までの処理を繰り返して移動物体抽出用画像を複数枚作成する。アラーム信号は、図5の多数決メモリg1〜g3に記憶した複数枚の移動物体抽出用画像データ(多数決画面)G1〜G3に示すように変化点(検知信号)が何回か連続したときに出力される(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2006−203500号公報(明細書全文,図面全図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の移動物体検知判定方法では、外乱の影響を排除すべく移動物体が監視領域を連続して移動すること、即ち検知信号が連続して5回出力されることがアラーム信号を出力する条件であったが、監視領域の画像を時間軸で見た場合、明らかに動き検知が密集しているにも拘わらず、動き検知信号が一回でも途絶えて検出できないと、カウンタをリセットして初めから計数を開始しており、所定カウント数を連続して計数できない限りアラーム信号を出力しないといった問題点があった。即ち、移動物体は、常に一定速度で移動する訳ではなく、例えば、監視カメラに向かって緩慢に移動したり、監視領域(画角)内に入ったり出たり、或いは移動・停止を繰り返したり、また、これらが複合的に混在するような動きである場合があり、移動物体のこのような不規則な動きに対し、連続する動き検知信号を計数して移動物体の有無を判定する検出方法では、移動物体の検出漏れが発生するおそれがあった。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、監視画像による移動物体において、時間軸上での動き検知の密集度を考慮し、移動物体の移動が不規則な動きをする場合であっても移動物体を検出することができる移動物体検知判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記課題を達成したものであり、請求項1の発明は、撮像領域内を撮影し時系列で取得される画像から移動物体の動きを抽出して移動物体の動き検出し、移動物体の動き検出による動き検出情報信号に基づいてアラーム判定する移動物体検知判定方法において、
前記動き検出情報信号が動き検出信号若しくは非動き検出信号であり、該動き検出情報信号が動き検知手段から所定の時間間隔で出力されて計数手段の動き検出集計値が増減し、該動き検出集計値が予め設定したアラーム判定計数値に達したか否かによって、移動物体の存在を判定する移動物体検知判定方法であって、前記動き検出信号に基づいて前記計数手段の動き検出集計値が加算されるとともに、前記非動き検出信号に基づいて前記計数手段の動き検出集計値が減算され、前記計数手段の動き検出集計値が前記アラーム判定計数値に達した場合、前記撮像領域内に移動物体が存在すると判定しアラーム信号を出力することを特徴とする移動物体検知判定方法である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、撮像領域内を撮影し時系列で取得される画像から移動物体の動きを抽出して移動物体の動き検出し、移動物体の動き検出による動き検出情報信号に基づいてアラーム判定する移動物体検知判定方法において、前記動き検出情報信号が動き検出信号若しくは非動き検出信号であり、該動き検出情報信号が動き検知手段から所定の時間間隔で出力されて計数手段の動き検出集計値が増減し、該動き検出集計値が予め設定したアラーム判定計数値に達したか否かによって、移動物体の存在を判定する移動物体検知判定方法であって、前記動き検出信号に基づいて前記計数手段の動き検出集計値が加算されるとともに、前記非動き検出信号に基づいて前記計数手段の動き検出集計値が減算され、前記計数手段の動き検出集計値が前記アラーム判定計数値に達した場合、前記撮像領域内に移動物体が存在すると判定しアラーム信号を出力することを特徴とする移動物体検知判定方法であり、撮像領域内の移動体は、必ずしも常に一定に移動するわけではないし、移動体が移動や一時停止を繰り返したり、或いは移動体の全体又は一部が隠れたりする可能性があり、さらに、このようなことが複合的に混在するような動きをする場合があり、本発明では、移動体の不規則、或いは不連続な動きに対して対応することができる利点がある。
【0010】
また、本発明では、動き検出情報信号が所定のタイミングで出力されており、動き検出信号が出力されない場合、非動き検出信号が出力される。所定の時間間隔で出力される動き検出情報信号が、例えば1回でも動き検出信号が検出されない場合、非動き検出信号が出力されて計数手段の動き検出集計値が減算され、計数手段がその都度、リセットされて「0」になることはなく、再び動き検出信号が出力されると、計数手段の動き検出集計値が加算される移動物体検知判定方法であり、不連続な動き検出信号を計数手段が計数し、計数手段の動き検出集計値がアラーム判定計数値に達すれば、撮像領域内に移動物体が存在したものと判定することができる。また、動き検出信号が、例えば2回連続して検出できない場合、非動き検出信号が2回連続して出力され、計数手段の動き検出集計値はその都度減算され、非動き検出信号が連続して計数手段の動き検出集計値を減算し、計数手段の動き検出集計値の減算は、動き検出集計値が「0」以上である条件で減算される。動き検出集計値が「0」になればそれ以上減算されることはない。
【0011】
さらにまた、本発明では、不連続な動き検出情報信号を計数手段が計数する経過時間を所定の値に設定することによって、所定時間が経過した場合は、計数手段の計数値をリセットするようにし、長時間計数してアラーム判定計数値に達するのを回避することも可能である。その際、所定時間が経過した際に、計数手段が直近の時間帯で動き検出信号を計数してアラーム判定計数値近傍に達しつつある場合を除いて、計数手段をリセットするように設定することも可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の移動物体検知判定方法の実施形態について図面を参照し説明する。図1は、本実施形態の移動物体検知判定方法における一処理フロ−を示し、この処理フロ−は、図2に示す移動物体検知判定アルゴリズムをプログラムとして有する移動物体検出装置1により、監視用テレビカメラなどから時系列で取得される画像から移動物体を検出してアラーム判定することができる。先ず、図2を参照して説明すると、移動物体検出装置1には、CPU(中央演算処理装置)が備えられ、移動物体検知判定を実行する処理プログラムに基づいて動作し、その主な制御機能としては、移動物体抽出手段2とアラーム判定手段3とを備えている。アラーム判定手段3には、動き検知手段3aと計数手段(アップダウンカウンタ)3bとアラーム判定値比較手段3cとが設けられている。移動物体検出装置1は、図3に示すように、監視用テレビカメラからのフレーム毎の画像データが移動物体抽出手段2の画像取得用リングバッファR1〜R5に取得されて画像処理されて静止物等の外乱が除去され、移動物体を抽出した画像データが得られる。なお、本発明は、アラーム判定手段3が主要部であり、移動物体抽出手段2は従来例を利用することができるが、上記従来例に限定するのものではない。
【0013】
次に、移動物体抽出手段2について、図3を参照し説明すると、監視用テレビカメラから時系列で、例えばフレーム画像t1〜t5の5枚の画像データが所定のサンプリング時間で画像取得用リングバッファR1〜R5に取得され、最終の画像t5と最初の画像t1が差分処理され、差分の絶対値に基づく処理画像u1が得られ、続いて最終の画像t5と二番目の画像t2とが差分処理され、処理画像u2が得られ、同様に画像t3,t4が最終の画像t5と夫々差分処理され、処理画像u3,u4が得られる。続いて、処理画像u1〜u4の論理積を取ることにより処理画像vが得られる。処理画像vに外乱因子が存在する場合が多く、外乱因子を除去すべく二値化処理されて二値化画像wが得られ、さらに、多数決フィルタにより処理されて移動物体として抽出した多数決画像xが得られる。監視領域である画角範囲内に移動物体を検出した多数決画像xが得られ、移動物体抽出手段2からは動き抽出画像が出力され、移動物体が抽出できない場合、移動物体抽出手段2からは非動き抽出画像が出力される。この動き抽出画像又は非動き抽出画像がアラーム判定手段3に入力されてアラーム判定処理が実行される。この動き抽出画像又は非動き抽出画像は、動き検出手段3aに入力され、動き検出情報信号が出力される。動き検出情報信号は動き検出信号「1」と非動き検出信号「0」である。動き検出情報信号が計数手段3bに所定のタイミングで入力される。計数手段3bは動き検出情報信号に基づいて加減算される。なお、本実施形態では、5枚のフレーム画像t1〜t5で移動物体の動き検知を行っているが、この実施形態に限定するものではない。
【0014】
本実施形態では、撮像領域内に移動物体が存在するか否かを判定するために、移動物体抽出手段2で得られる動き抽出画像又は非動き抽出画像がアラーム判定手段3に入力されて動き検知信号又は非動き検知信号が判定される。その処理フローについて、図1を参照し説明する。この処理フローは、先ず、ステップS1において、動き或いは非動き抽出画像内に動き検出があったか否かが動き検知手段3aで判定される。動き検知信号があった場合、ステップS2に進み、アップダウンカウンタ(以下、計数手段と称する)3bのカウント値を1加算し、ステップS4に進む。計数手段3bのカウント値(動き検出集計値)は、(A=A+1)で表される。一方、ステップS1において、非動き検知信号、即ち動き検知信号が検出できなかった場合、ステップS3に進み、計数手段3bのカウント値を減算しステップS4に進む。なお、カウント値を減算する条件は、計数手段3bのカウント値AがA>0であり、計数手段3bのカウント値Aが0であれば、計数手段3bのカウント値を減算することなく、ステップS4に進む。
【0015】
ステップS4では、計数手段3bのカウント値Aがアラ−ム判定回数nに達したか否かが判定され、カウント値Aがアラ−ム判定回数nに達していると、ステップS5に進み、計数手段3bを(A=n)としアラーム信号を出力するラーム処理が行われる。ステップS4において、カウント値Aがアラ−ム判定回数nに達していない場合、次の動き検知信号が入力されるまで待機状態となる。このような処理を繰り返し、アラーム判定がなされる。また、この待機状態が長時間経過した場合は、計数手段3bのカウント値Aをリセットすることも可能である。また、所定時間が経過し、計数手段3bのカウント値Aをリセットする際、計数手段3bのカウント値Aがその直前に計数され、しかもアラ−ム判定回数nの近傍の計数値であるか否かが判定され、直前に計数されたカウント値である場合、計数手段3bをリセットしないで所定時間待機状態とすることも可能である。
【0016】
次に、動き検知手段3aより出力される動き検知信号の一状態遷移について、図4(a),(b)を参照し説明する。図4(a),(b)において、「0」をアラームなし(非動き検知信号)、「1」をアラーム有りとする(動き検知信号)。動き検知手段3aから動き検知情報信号である動き検知信号或いは非動き検知信号が出力され、その状態遷移を時系列で示すと、「1101100111011…」であったとする。また、移動物体が存在したとするアラーム判定のアラーム判定回数nが5であるとする。図4(a)は、従来の移動物体検知判定方法を示し、従来カウンタの状態遷移から明らかなように、「1」が連続5回出現しないためのアラーム判定されることはないが、本実施形態では、状態遷移の「1101100111011…」を所定の移動物体検出アルゴリズムで計数手段3bがカウントしアラーム判定を行うことができる。
【0017】
先ず、図4(b)に示すように、最初のタイミングから2回連続してアラームの状態遷移が「1」であり、計数手段3bは順番にカウントしてカウント値が「2」となり、次のタイミングで動き検知の状態遷移が「0」となり、計数手段3bのカウント値は「1」が減算され、計数手段3bのカウント値は「1」となる。続くタイミングでは状態遷移が「1,1」と連続するので、計数手段3bのカウント値は順次加算されて「2,3」となる。再び動き検知の状態遷移が「0,0」となり、計数手段3bのカウント値は順次減算されて、「2,1」と遷移する。続いて、動き検知の状態遷移が「1,1,1」と1連続し、計数手段3bのカウント値は順次加算されて「2,3,4」となる。その後、動き検知の状態遷移が「0」となるために、計数手段3bのカウント値は減算されて「3」となるが、動き検知の状態遷移が「1,1」と連続し、計数手段3bのカウント値は順次加算されて「4,5」となる。計数手段3bのカウント値は、アラーム判定値比較手段3cで処理され、計数手段3bのカウント値がアラーム判定計数値「5」に達すると、移動物体が存在したと判定しアラーム信号が出力される。
【0018】
また、本実施形態では、計数手段3bのカウント値に重み付けして計数することができる。例えば、アラーム判定計数値が10であり、動き検知信号或いは非動き検知信号の動き検知の遷移状態が「11100111011…」であったとする。計数手段3bのカウント値は、動き検知信号「1」に対しカウント値に「2」を加算し、非動き検知信号「0」に対しカウント値に「2」を減算したものとすると、計数手段3bのカウント値の遷移状態は、「2464246868A」となる。この遷移状態のAはカウント値10を示しており、カウント値10は、アラーム判定値比較手段3cにて、アラーム判定計数値「10」に達したと判定され、アラーム処理が実行される。
【0019】
また、同様に動き検知の遷移状態が「11100111011…」であったとし、計数手段3bのカウント値は、動き検知信号「1」に対しカウント値に「2」を加算し、非動き検知信号「0」に対しカウント値に「1」を減算したとすると、計数手段3bのカウント値の遷移状態は、「2465468A」となる。この遷移状態のAはカウント値10を示しており、カウント値10は、アラーム判定値比較手段3cにて、アラーム判定計数値「10」に達したと判定され、アラーム処理が実行される。このように、後者のアラーム判定に達する時間は、前者のアラーム判定回数に達する時間より早めることが可能である。無論、動き検知信号「1」に対しカウント値に「2」を加算し、非動き検知信号「0」に対しカウント値に「3」を減算するように重み付けして、アラーム判定に至る時間を遅らせることができる。このような計数手段3bを計数する際の重み付けは、監視対象領域の移動物体の移動特性に応じて任意に設定することが可能であり、誤検出を防止し、より確実な移動物体の検出が可能である。
【0020】
上記の通り、本発明は、監視用テレビカメラから時系列で取得される画像を複数のブロックに分割し、各ブロックにおける移動物体の動きを検出して得られる動き検知信号或いは非動き検知信号に基づいてアラーム判定をする移動物体検知判定方法であり、予めアラーム判定回数が設定され、計数手段のアラーム判定計数値がアラーム判定回数(n)に達するとアラーム判定がなされる。移動物体抽出手段からの動き或いは非動き抽出画像が動き検知手段に入力されて動き検知が判定される。動き検知手段では、抽出画像に動きが検出されるか否がが判断され、動きが検出されると、動き検出信号「1」が出力され、動きが検出されない場合、非動き検出信号「0」が出力される。動き検出信号「1」若しくは非動き検出信号「0」が動き検出情報信号であり、この動き検出情報信号は、動き検知手段から所定の時間間隔で計数手段に入力され、計数手段の動き検出集計値が増減される。計数手段は、動き検出信号に基づいて動き検出集計値が加算され、非動き検出信号に基づいて計数手段の動き検出集計値が減算される。計数手段の動き検出集計値がアラーム判定回数に達した場合、監視領域内に移動物体が存在すると判定しアラーム信号を出力する。
【0021】
また、本発明では、不連続な動き検出情報信号を計数手段が計数する経過時間を所定の値に設定することによって、所定時間が経過した場合は、計数手段の計数値をリセットするようにし、長時間計数してアラーム判定計数値に達するのを回避することも可能である。その際、所定時間が経過した際に、計数手段が直近の時間帯で動き検出信号を計数してアラーム判定計数値がアラーム判定回数近傍の値に達している場合を除いて、計数手段をリセットするように設定することも可能である。
【0022】
さらに、本発明では、動き検出信号及び非動き検出信号に対し計数手段を計数する際の係数値の重み付けをしてアラーム判定に至る時間を調整することが可能であり、監視領域内の移動物体の移動特性に対応することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明の活用例としては、監視カメラを利用した移動物体監視に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施形態を示す処理フローを示す図である。
【図2】本実施形態における移動物体検出装置の機能ブロック図である。
【図3】本実施形態における移動物体抽出手段とアラーム判定手段を説明する処理図である。
【図4】本実施形態におけるアラーム判定手段を説明する状態遷移を示す説明図である。
【図5】従来の移動物体検出方法を示す説明図である。
【図6】従来の移動物体検出方法の処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1 移動物体検出装置
2 移動物体抽出手段
3 アラーム判定手段
3a 動き検知手段
3b 計数手段(アップダウンカウンタ)
3c アラーム判定値比較手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像領域内を撮影し時系列で取得される画像から移動物体の動きを抽出して移動物体の動き検出し、移動物体の動き検出による動き検出情報信号に基づいてアラーム判定する移動物体検知判定方法において、
前記動き検出情報信号が動き検出信号若しくは非動き検出信号であり、該動き検出情報信号が動き検知手段から所定の時間間隔で出力されて計数手段の動き検出集計値が増減し、該動き検出集計値が予め設定したアラーム判定計数値に達したか否かによって、移動物体の存在を判定する移動物体検知判定方法であって、前記動き検出信号に基づいて前記計数手段の動き検出集計値が加算されるとともに、前記非動き検出信号に基づいて前記計数手段の動き検出集計値が減算され、前記計数手段の動き検出集計値が前記アラーム判定計数値に達した場合、前記撮像領域内に移動物体が存在すると判定しアラーム信号を出力することを特徴とする移動物体検知判定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−193299(P2009−193299A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32953(P2008−32953)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000209751)池上通信機株式会社 (123)
【Fターム(参考)】