説明

移動通信装置用の枢動型ディスプレイ

枢動および/または回動可能なディスプレイ(110)を備えるディスプレイシステム(105)を開示する。ディスプレイシステムは固定された位置にある基台(145)を備える。ディスプレイは基台に枢着され、それによりディスプレイは第1の位置と少なくとも第2の位置との間で操作可能である。さらにディスプレイは、同ディスプレイの頂面に対してほぼ垂直な軸線を中心として回動操作可能である。センサ(155)が付与され、ディスプレイの枢動および/または回動を検知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動通信装置に関する。より詳細には、本発明は移動通信装置用のユーザーインターフェース関する。
【背景技術】
【0002】
移動通信装置は近年において広く使用されるようになった。これらの装置は音声通信手段を提供するほかに、しばしば追加機能を備えている。例えば移動通信装置はしばしばテキストメッセージや電子メール機能、コンタクト管理アプリケーション、カレンダ、一体型写真撮影装置、テレビゲーム、および他の特定なアプリケーションを備えている。
【0003】
一般的には、移動通信装置は小型であって、ズボンのポケットや小さなハンドバッグに容易に入ることが極めて望ましい。従って、例えばキーボードおよび他の入力装置などのインターフェース部品のために活用できる装置は限定される。このため通常の移動通信装置は、装置の全特性を活用するために行われる接触的な入力動作の数と比較して少ないボタンしか備えていない。従って実態としては、しばしばキーボードの一部のボタンは複数の役割を果たすように使用される。テキストメッセージまたは電子メールを送信するときに、使用者は例えば特定の文字を選択するために通常は特定のボタンを多数回押す必要がある。このような方法によりテキストメッセージまたは電子メールを作成することは非常に煩雑である。
【0004】
さらに、従来型キーボードのボタンを備える装置において、テレビゲームを行うこともまた困難である。テレビゲーム中のある特定機能を実行させるために、キーボードのボタンを用いることは、直感に沿ったものではない。テレビゲームを行う人は、ボタンの選択のために相当な注意力を払わなければならず、これはゲーム体験から得られる満足感を減じさせる。同様に、従来型の移動通信装置のキーボードボタンを用いてインターネットを閲覧することは、初心者にとっては面倒である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、現存するユーザーインターフェースは、使用者が移動通信装置と対話する満足感を得やすくさせてはいない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における一実施態様は、枢動および/または回動できるディスプレイを備えるディスプレイシステムに関する。ディスプレイシステムは固定された位置にある基台を備える。ディスプレイは基台に対して枢着されており、そのためディスプレイは第1の位置と少なくとも第2の位置との間で操作可能である。さらにディスプレイは、同ディスプレイの頂面に対してほぼ直交する方向に延びる軸線を中心として回動操作可能である。
【0007】
ディスプレイシステムはまた少なくもと1つのセンサを備える。センサは電気センサ、もしくは光子または光によるセンサである。センサ出力はディスプレイの位置に対応している。例えばセンサは、ディスプレイの枢動方向、ディスプレイの枢動量、ディスプレイの回動方向、および/またはディスプレイの回動量を判定するための信号を出力することができる。
【0008】
請求項1に記載のディスプレイシステムはまた、ディスプレイを基台に対して枢着するディスプレイ支持体を有する。ディスプレイ支持体は、ディスプレイに固着された少なく
とも1つの支持部材を有する。ディスプレイ支持体はまた、支持部材に固着され、かつ基台に枢着された少なくとも1つのピボット部材を有する。さらに、ディスプレイシステムは少なくとも1つの突起を有する構造部材を有する。ピボット部材は同ピボット部材のほぼ周上に配置された溝を備え、その溝は該突起を受承するように配置されている。
【0009】
他の態様において、ディスプレイ支持体は基台に固着された少なくとも1つの支持部材を有する。ディスプレイ支持体はまた、該支持部材に固着され、かつディスプレイに枢着された少なくとも1つのピボット部材を有する。さらにディスプレイは少なくとも1つの突起を備え、ピボット部材は同ピボット部材のほぼ周上に配置された溝を備え、その溝は該突起を受承するように配置されている。
【0010】
少なくとも1つのロック部材を有するディスプレイロック部は、ディスプレイシステムがロックモードにあるときには、ディスプレイが枢動しないようにするために備えられている。ロック部材は後退位置と伸張位置との間で操作可能である。後退位置においてロック部材はディスプレイとは接触していない。一方伸張位置においてロック部材はディスプレイと接触しており、その接触によりディスプレイが枢動することを防止する。ディスプレイロック部は、ディスプレイを伸張位置から後退させるディスプレイ後退要素をさらに備える。それによりディスプレイは後退位置に枢動し、ディスプレイは基台と接触することができる。この基台との接触によりディスプレイの枢動が防止される。
【0011】
ディスプレイは、接触力をかけることにより第1の位置から第2の位置に枢動することができる。ディスプレイは同ディスプレイと基台との間に配置された複数の張力部材を有する。張力部材は接触力が停止すると、ディスプレイを第2の位置から第1の位置に回帰させる。またスカートが備えられ、ディスプレイの外縁から基台または装置表面に延びており、隔壁を形成する。この隔壁は、例えば、塵埃や液体などの汚染物質がディスプレイシステムに侵入することを防止する。グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)はディスプレイ上にグラフィック情報を表示するとともに、ディスプレイの位置と関連する入力情報を受信する。
【0012】
さらに本発明は、基台と、同基台に枢着されたディスプレイとを有するディスプレイシステムを備え、ディスプレイは第1の位置と第2の位置との間で操作可能である装置を開示する。該装置は、ディスプレイシステムからのディスプレイ位置と対応する少なくとも1つの入力信号を受信する。装置はまた、該装置内において支持体構造上に枢設されたディスプレイと、同支持構造に送達された接触力に対応して該装置に入力情報を接続する手段とを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明における実施態様は、通信装置用のディスプレイシステムに関する。図1に一例としての通信装置100の斜視図を示す。図2には、2−2断面線における通信装置100の断面図を示す。図1,2に示すように、通信装置100は枢動型ディスプレイシステム105を備える。ディスプレイシステム105は通信装置100内に枢設されたディスプレイ110を備える。詳細には、ディスプレイ110は接触力をかけることにより枢動する。例えば、ディスプレイ110はX方向、Y方向、またはX方向およびY方向の任意の組み合わせ方向に枢動可能である。接触力をかけることにより、ディスプレイ110の頂面120に対して垂直な軸線115を中心としてディスプレイを回動させることができる。これにより、ディスプレイ110は枢動および回動をさせるように操作することができる。
【0014】
ディスプレイシステム105を使用することにより、人と通信装置との対話を大幅に改善することができる。例えば、ディスプレイシステムはグラフィカルユーザーインターフ
ェース(GUI)を備える。GUIはディスプレイ110上にグラフィック情報を表示するとともに、ディスプレイからディスプレイが配置されている位置に対応した入力情報を受信する。より詳細には、ディスプレイシステム105の枢動および/または回動する特性を活用するアプリケーションを通信装置110に付与することができる。
【0015】
例えば、ディスプレイ110の縁部に沿ってアルファベットの文字を表示するテキストメッセージエディタまたは電子メールエディタを備えることができる。特定の文字を選択するには、使用者は所望の文字が表示されているディスプレイ110の箇所に接触入力することができる。接触入力は、接触入力により決定された方向にディスプレイを枢動させる。1つ以上のセンサ155はその枢動方向を検知し、プロセッサにより処理可能な出力を発生させ、選択された文字をテキスト/電子メールエディタに提供する。
【0016】
別の実施例において、通信装置100上において遊戯するためのゲームを付与することができる。通信装置100上でのこのようなゲームは、他の種類の通信装置上でのゲームと比較すると、極めて直感的に理解可能である。使用者はディスプレイ110を操作して使用者のコマンドを入力するが、他方ではキーボードを用いて入力するからである。従って使用者はゲームに対して一層集中することができ、キー選択のために注意力を殆どそらすことがない。
【0017】
さらに、インターネットを閲覧するために通信装置100を用いることは、従来型の通信装置を用いることと比較すると大幅に煩雑でなくなる。具体的には、通信装置100のディスプレイ110は、従来型通信装置のキーボードを使用することと比較すると、枢動および/または回動させて、インターネットをナビゲートし、さらにウェッブページをスクロールすることができる。従って、通信装置100を用いることにより達成される満足感は、他の通信装置を用いて体感される満足感より極めて大きい。さらにディスプレイ110を使用することにより、通信装置100上でのメニュー選択および、例えば描画プログラムなどの他種のアプリケーションの実行が容易となる。従って通信装置100は、現在使用可能な通信装置または携帯情報端末より高能力な多機能ツールである。
【0018】
特に、通信装置100は通信信号を送受信できる所望の種類の通信装置である。例えば通信装置100は、電話、携帯電話などの移動局、携帯ラジオ、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)、携帯型コンピュータ、または他の携帯型の通信装置となり得る。一態様において、通信装置100は、ソフトウェアまたはファームウェアアプリケーションを実行するようにプログラムされたプロセッサを備える。
【0019】
ディスプレイ110は、通信装置に使用される任意の種類のディスプレイである。例えば、ディスプレイは液晶ディスプレイ(LCD)、LCOS(Liquid Crystal on Silicon)ディスプレイ、プラズマディスプレイ、または他の小型のディスプレイである。ディスプレイ110は正方形、長方形、円形、楕円形、三角形、または任意の所望の他形状である。さらに、ディスプレイ110は、タッチまたは非タッチスクリーンディスプレイである。ディスプレイ110がタッチスクリーンである構成において、タッチセンサは枢動接触力および回動接触力を感受するディスプレイ領域においては稼動しない。ディスプレイシステム105がディスプレイの移動を停止している(以下にさらに詳細に検討する)ロックモードを備えていれば、非稼動中のタッチセンサはロックモード中には再度稼動させることができる。それに代えて、タッチスクリーン、ならびに枢動接触力および回動接触力の双方からの入力を可能とすることができ、特に(必ずではないが)それらの入力情報が互いに区別可能な構成として入力を可能とすることができる。
【0020】
ディスプレイ110は、ディスプレイ110の底面125に固着された1つ以上の支持
部材130、および支持部材130に固着された少なくとも1つのピボット部材135を備える。ピボット部材135は通信装置100内部において基台145に枢着されている。例えば、ピボット部材135はほぼ球形をなすとともに、ソケット150内部に配置されており、それによりディスプレイをX方向およびY方向に枢動させることができる。ピボット部材135もまたほぼ球形をなして形成され、さらに使用者の接触感を付加するための窪みを備える。ピボット部材135およびソケット150は軸線115を中心とする回動のために設置されている。
【0021】
ピボット部材135は、ソケット150の開口180を介して載設されており、同開口はピボット部材135の外周よりも小さく、それによりピボット部材135をソケット内に保持できる。このような構成において、取付工程中には、ピボット部材135および/またはソケット150を一時的に変形させるに充分な力を用いて、ピボット部材135を当該箇所に押入する。それに代えて、保持リング(図示せず)または保持部材(図示せず)をピボット部材135の上部に配設し、ピボット部材135が確実にソケット150内に保持できるようにする。さらにそれに代えて、ソケット150から延びる一体型リップ(図示せず)を用い、ピボット部材135をソケット150内に保持することができる。
【0022】
別の実施態様において、支持部材130は基台145に固着され、さらにピボット部材135はディスプレイ110に枢着されている。この実施態様において、ピボット部材135を受承するソケットはディスプレイ110の底面に配置される。さらに、ディスプレイ110を基台145に枢着した他の構成が用いられ得るが、そのような構成は本発明の範囲内にある。
【0023】
ディスプレイ110が円形であったり、通信装置100の前面160からずれていたりする構成においては、軸線115を中心とする限定的または非限定的な回動が可能となる。ディスプレイ110が前面160からずれておらず、かつディスプレイ110が円形ではない場合には、軸線115を中心とした一定量の回動が可能となる。例えば、ディスプレイ110の外縁175よりも大きい外縁170を備えた、通信装置100のディスプレイ凹部165を設ける。これにより、ディスプレイ凹部165の外縁170とディスプレイの外縁175との隙間が形成され、ディスプレイ凹部165内においてディスプレイ110の一定量の回動が可能となる。
【0024】
1つ以上のセンサ155を通信装置100に付与し、ディスプレイ110の枢動および/または回動を検知する。センサ155はディスプレイ110の位置、および/またはディスプレイ110の移動を検知することが可能な任意の種類のセンサである。例えば、センサ155は電気パッドなどの電気センサである。センサ155はまた、例えばディスプレイ110から基台に延びる機械構造物であって、歪みゲージなどの機械構造物の伸縮量に対応した信号を出力するような電気機械センサである。センサはまた、光子または光によるセンサであってもよい。光子によるセンサは光子源および光子検知器を備える。光子によるセンサはセンサに対するディスプレイ110の特定部分の位置、および/またはセンサに対するディスプレイの回動を測定する。
【0025】
一態様において、センサ155は通信装置100内部に付与され、さらにディスプレイ110直下に配置される。例えばセンサ155は、ディスプレイ凹部165中にある基台145の隆起部分185上に配置される。センサ155は、例えばディスプレイ底面125の移動を監視することにより、ディスプレイ110の移動を検知する。別の態様において、センサ155はソケット150に近接したり、ソケット150の内部に配置されたりして、ピボット部材135または支持部材130の移動を検知する。
【0026】
センサ155が電気によるセンサである場合には、接触部材がセンサ155の出力状態
を変化させるように付与される。例えば、接触部材140がディスプレイ110の底面125上に付与されたり、接触部材がピボット部材135上に付与されたりする。ディスプレイ110が特定の方向に枢動されたときに、接触部材140が特定の1つのセンサ155と接触するように、接触部材140は配置される。
【0027】
電気によるセンサには複数の出力状態が付与されている。例えば、センサ155は2つの出力状態を有する。1つのセンサ155の第1の出力状態は、センサ155が接触部材140とは接触していないことを示し、1つのセンサ155の第2の出力状態は、センサ155が接触部材140と接触していることを示す。このようにして、ディスプレイが枢動されているか否かと、枢動の方向とが判定される。
【0028】
センサ155が光子によるセンサである場合には、センサ155はディスプレイ110、接触部材135、および/または支持部材130の特定部分の位置を測定し、測定データを作成する。この測定データを用いて、ディスプレイ110の位置、ディスプレイの枢動方向、ディスプレイの枢動量、ディスプレイの回動方向、および/またはディスプレイの回動量が計算される。
【0029】
使用されるセンサの種類が何であるかにかかわらず、センサ155からの出力は通信装置100のプロセッサにより処理され、ディスプレイ110の位置が判定される。例えば、センサが電気的なタッチパッドである場合には、プロセッサは、センサ155が接触している場合に、どのセンサ155が接触部材140と接触しているかを判別する。光子によるセンサが使用されている場合には、プロセッサはセンサからの測定データを用いてディスプレイの位置を計算する。
【0030】
図3A,3Bには、代替案であるピボット構造を備えるディスプレイシステム300の拡大図を示す。図3Aは中立位置にあるディスプレイ110を示し、図3Bは傾斜した位置、すなわち接触位置にあるディスプレイ110を示す。ディスプレイ110は支持部材130に固着され、支持部材130はピボット部材335に固着されている。ピボット部材は溝350を有し、溝350は、例えば溝350内に嵌合する基台345の一部などの突部355を受承する。図示した実施態様において、一本の溝350がピボット部材335の外周を周回して延びているが、本発明はそれに限定されない。例えば、外周を周回して延びてはいない1つ以上の小溝をピボット部材335上に配置することができる。
【0031】
溝350は突部355の厚さ360よりも広い幅を備える。これにより、突部355はディスプレイ110に枢動と回動とをさせる一方、ディスプレイ110をディスプレイ凹部内に保持する役目をも果たす。基台345はスペーサ部材365により通信装置100の他の部分から離間されており、これによりピボット部材335が何物にも妨げられずに枢動および回動をすることを可能とする。なお、ピボット部材335が基台345に固着され、かつディスプレイ110に枢着されている代替案が実行され得ることは留意されるべきである。
【0032】
図4A,4Bにはディスプレイシステム400の拡大図を示す。図4Aは中立位置にあるディスプレイ110を示し、図4Bは傾斜した位置、すなわち接触位置にあるディスプレイ110を示す。ディスプレイシステム400はスカート405を有する。ディスプレイ110が円形または楕円形である実施態様においては、スカート405は図示したように、ディスプレイ110の外縁175から基台145の隆起部分185の外縁に延びている。他の構成(図示せず)において、スカート405はディスプレイ110の外縁175からディスプレイ凹部の外縁に延びている。スカート405は、ディスプレイ110の外縁175と、基台145の隆起部分185の外縁410(またはディスプレイ凹部の外縁)との外縁全長に延び、それにより、塵埃および他の汚染物質がディスプレイ凹部165
に侵入することを防止する。そのような汚染物質はディスプレイシステム400の適切な操作を妨害する。スカート405は任意の適する工程により設置される。例えば、スカート405の辺415,420はディスプレイ110および基台145の外縁175,410に夫々接着剤またはエポキシ材料により接着できる。
【0033】
スカート405は、ゴム、シリコーン、布、または汚染物質の大部分がディスプレイ凹部165に侵入することを防止する任意の他の材料からなる。さらに、スカート405は弾性を有する材料からなる。そのため、スカート405は、接触力がディスプレイ110にかかっていないときには、ディスプレイ110が中立位置に回帰するようにしてディスプレイ110を傾斜させることができる。例えば、図4Aに示すような中立位置において、ディスプレイは接触部材140がセンサ155に接触しないように配置される。図4Bに示すように、接触力が作用してディスプレイ110を枢動させると、スカート405は必要に応じて伸縮して枢動動作を可能とする。
【0034】
さらに、ディスプレイシステム400はディスプレイ凹部165の内部に配置されるとともに、ディスプレイ110から基台145に延びる弾性部材425を備える。弾性部材はスカート405に加えて付与しても、スカート405に代えて付与してもよい。弾性部材425はゴム、シリコーン、または適切な弾性を有する任意の他の材料からなる。図4Aに示すように、弾性部材425はまた、接触力がディスプレイ110にかからないときには、ディスプレイ110を傾斜させるようにして用い、ディスプレイ110を中立位置に回帰させる。図4Bに示すように接触力がかかりディスプレイ110を枢動させると、弾性部材425は必要に応じて伸縮して枢動することを可能とする。一構成において、例えば歪みゲージなどのセンサ155を弾性部材425と一体化させ、ディスプレイ110の枢動または回動を検知することができる。
【0035】
一実施例において、通信装置に対してディスプレイの移動を防止するロックモードを付与することが望ましい。一例としてのロック機構を図5A,5Bに示す。図5Aに、ロック部材505を有するディスプレイシステム500を図示する。ロック部材505は伸張位置と後退位置との間で操作可能である。伸張位置とはロック部材505がディスプレイ110に着座し、ディスプレイ110の移動を防止する位置であり、後退位置とはディスプレイ110が自由に移動できる位置である。1つ以上のアクチュエータ510はロック部材505を伸張および後退をさせる。アクチュエータ510は、ロック部材505の移動を行わせるとともに、ロック部材505を所望位置に保持することができる任意の種類の装置である。例えば、アクチュエータ510はソレノイドである。さらにアクチュエータ510は、ロック部材505に付勢力を加え、ロック部材505の特定方向への移動を促進させるばね515を備える。
【0036】
図5Bには、可動ソケット部材からなるロック機構を備えるディスプレイシステム550を図示する。ソケット部材560はピボット部材135を保持するソケット150を備える。ソケット部材560は伸張位置と後退位置との間で操作可能である。伸張位置とはディスプレイ110が自由に移動できる位置であり、後退位置とはディスプレイ110が基台145の隆起部分185に着座し、ディスプレイ110の移動を防止する位置である。1つ以上のアクチュエータ510はソケット部材560の伸張および後退をさせ、さらにアクチュエータはばね515を備える。本願明細書に開示したロック機構は単なる例であり、本発明はそれに限定させるものではなく、他の種類のロック機構が使用され得ることは留意するべきである。
【0037】
本発明の好ましい実施態様を図示しかつ説明してきたが、本発明はそれらに限定されるものではない。等業者においては、請求項に記載された本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多くの修正、変更、改変、代用、および等価物を想起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明を理解することに有用な、一例としての枢動型ディスプレイシステムを有する通信装置の斜視図。
【図2】図1の通信装置を2−2線における断面図。
【図3A】本発明を理解することに有用な、枢動型ディスプレイシステムの代替実施態様の拡大図。
【図3B】本発明を理解することに有用な、枢動型ディスプレイシステムの代替実施態様の拡大図。
【図4A】本発明を理解することに有用な、枢動型ディスプレイシステムの一例としての実施態様の拡大図。
【図4B】本発明を理解することに有用な、枢動型ディスプレイシステムの一例としての実施態様の拡大図。
【図5A】本発明を理解することに有用な、枢動型ディスプレイシステムの別例の実施態様の拡大図。
【図5B】本発明を理解することに有用な、枢動型ディスプレイシステムの別例の実施態様の拡大図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台と、
基台に枢着され、かつ第1の位置と少なくとも第2の位置との間で操作可能であるディスプレイと、
少なくとも1つのセンサとを備え、
該センサの出力はディスプレイの位置に対応するディスプレイシステム。
【請求項2】
該センサはディスプレイの枢動方向を判定するために使用される信号を出力する請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項3】
該センサはディスプレイの枢動量を判定するために使用される信号を出力する請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項4】
ディスプレイは、同ディスプレイを基台に対して枢着するディスプレイ支持体をさらに備える、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項5】
前記ディスプレイ支持体は、
ディスプレイに対して固着された少なくとも1つの支持部材と、
少なくとも1つの支持部材に固着され、かつ基台に枢着された少なくとも1つのピボット部材とを備える、請求項4に記載のディスプレイシステム。
【請求項6】
前記ディスプレイ支持体は、
基台に固着された少なくとも1つの支持部材と、
少なくとも1つの支持部材に固着され、かつディスプレイに枢着された少なくとも1つのピボット部材とを備える、請求項4に記載のディスプレイシステム。
【請求項7】
ディスプレイは、ディスプレイの頂面に対してほぼ直交する方向に延びる軸線を中心として回動操作可能である、請求項1に記載のディスプレイシステム。
【請求項8】
該センサはディスプレイの回動方向を検出する請求項7に記載のディスプレイシステム。
【請求項9】
該センサはディスプレイの回動量を検出する請求項7に記載のディスプレイシステム。
【請求項10】
ディスプレイシステムがロックモードにあるとき、ディスプレイが枢動することを防止するディスプレイロック部をさらに備える請求項1に記載のディスプレイシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2007−512791(P2007−512791A)
【公表日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541707(P2006−541707)
【出願日】平成16年11月23日(2004.11.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/039546
【国際公開番号】WO2005/055620
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】