穀類搬送用コンテナ
【課題】 取扱い性の良い穀類搬送用コンテナのスタンドを提供する。
【解決手段】 穀類排出装置を備えた平面略矩形状を呈する穀類搬送用コンテナの対面する両側面部より外側に張り出して設けた一対のスタンドは、非使用時に穀類コンテナ本体側面部にコンテナ本体より取外さずに収納可能に構成した。また、スタンドの水平杆部は垂直杆部側に折畳み可能であり、スタンドをコンパクトに収納可能に構成した。これらにより重量のあるスタンドの取扱性を向上させた穀類搬送用コンテナ。
【解決手段】 穀類排出装置を備えた平面略矩形状を呈する穀類搬送用コンテナの対面する両側面部より外側に張り出して設けた一対のスタンドは、非使用時に穀類コンテナ本体側面部にコンテナ本体より取外さずに収納可能に構成した。また、スタンドの水平杆部は垂直杆部側に折畳み可能であり、スタンドをコンパクトに収納可能に構成した。これらにより重量のあるスタンドの取扱性を向上させた穀類搬送用コンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、走行車の荷台に載置して、籾や麦等の穀物を圃場から乾燥機等の処理施設に搬送排出可能とした穀類搬送用コンテナに関するもので、特に走行車の荷台にコンテナを積み降ろしする時や格納時に使用するスタンドに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来知られた穀類搬送用コンテナは、例えば特開平９−１８３４８９号公報（従来技術１）の「穀類容器の取扱い装置」が公知である。
【０００３】
従来技術１の「穀類容器の取扱い装置」は、「運搬車の荷台上に搭載可能とした平面形状が長方形状の穀類容器の左右長辺側略中心位置に、台車構造の移動支持手段を着脱可能に軸支連結」した移動支持手段を有したもので、「移動支持手段を、キャスターを設けた台杆と、この台杆の上部中央に垂設した前記穀類容器を軸支する支持杆と、該支持杆の下部に上下動調節可能に設けられ、かつ前記垂直姿勢時における穀類容器の下部と連結する結合手段とにより構成」されたものである。
【特許文献１】特開平９−１８３４８９号公報（従来技術１）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
前記従来技術における穀類搬送用コンテナのスタンドである「移動支持手段」は、該コンテナが走行車の荷台に載置されて搬送排出作業に使用中は、該コンテナ本体より取り外されることになる。また、作業終了後には再度スタンドを取付け走行車よりコンテナを降ろし格納することとなる。このように、走行車に積み込み積み下ろしする度に重量のあるスタンドを取付け取外しする必要があり、作業者にとって非常に負担を強いられる作業となっていた。また、コンテナ本体より取り外されることによる、紛失やスタンドを外した場所に戻らないとコンテナ本体を降ろせないという問題があった。本発明は、これらの問題を改善するため、取扱い性の良い穀類搬送用コンテナのスタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記課題を解決するため、穀類排出装置を備えた平面略矩形状を呈する穀類搬送用コンテナの対面する両側面部の略中央部に設けられ、コンテナ本体両側面より外側に張り出して設けられコンテナ本体を上下方向回転可能に設けた一対のスタンドは、非使用時にコンテナ本体側面部に収納可能に構成した穀類搬送用コンテナを提案する。
【０００６】
また、スタンドは、キャスターを備えた水平杆部と、この水平杆部の長さ方向中央部から立設させた垂直杆部と、垂直杆部の上部より水平杆部と直交する方向に延設されコンテナ本体と連結するアームとにより構成され、前記垂直杆部は上下方向伸縮自在に構成された昇降機構を有し、前記コンテナ本体と連結するアームの垂直杆部側はコンテナの両側面と平行な面において回動自在であり、コンテナ本体との連結部側はアームをコンテナ本体から取外さずに垂直杆部をコンテナ本体側に移動可能に構成したことを特徴とした０００５欄に記載の穀類搬送用コンテナを提案する。
【０００７】
さらに、スタンドの水平杆部は上下方向に折畳み可能である０００５欄または０００６欄記載のいずれかに記載の穀類搬送用コンテナを提案する。
【発明の効果】
【０００８】
前記のように、スタンドの非使用時に穀類コンテナ本体側面部に収納可能に構成したスタンドにより、コンテナ本体よりスタンドを外す作業が無くなり、重量のあるスタンドの取扱いが非常に楽になるとともに、コンテナ本体と常に一体であるため紛失するようなこともなく、スタンドが置いてある場所まで移動しないと降ろせないという不都合を回避できる。
【０００９】
また、スタンドはキャスターを備えた水平杆部によりコンテナ本体を移動自在であり、垂直杆部は上下方向伸縮自在に構成された昇降機構を有したことにより、走行車への積込み積み下ろしが容易で、格納時も格納高さを調整可能であり、コンテナ本体と連結するアームの垂直杆部側はコンテナの両側面と平行な面において回動自在であるため、格納時にはコンテナ本体を垂直姿勢に回動させ格納床面積を少なくすることも可能であり、コンテナ本体との連結部側はアームをコンテナ本体から取外さずにスタンドの垂直杆部をコンテナ本体側に移動可能に構成したことにより、スタンド収納時に重量物の持ち上げ作業等の負担を軽減することができる。
【００１０】
さらに、スタンドの水平杆部は上下方向に折畳み可能に構成すると、スタンドの収納時に非常にコンパクトに収納可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図１は本発明を実施した穀類搬送用コンテナの側面図、図２は同穀類搬送用コンテナのスタンドを使用している正面断面図、図３は同穀類搬送用コンテナのスタンドを収納した正面断面図、図４は同穀類搬送用コンテナのスタンドを収納した側面図、図５は走行車への積み下ろし作業時の正面視説明図、図６はコンテナ本体を垂直方向に回動させた側面図、図７はスタンドの昇降機構部の断面図である。
【００１２】
コンテナ本体１は、直方体状の底部側が機枠で構成され、上部が開放されていて、前後長手方向の両側壁を中央部に穀類が集まるように底部中央に向けて傾斜させ、該底部中央には前後方向に亘って設けたスクリュ軸１１がコンテナ本体１に設けたモータ１２により駆動され、貯留部１０に投入された穀類を前後方向一方端の排出口１３より排出できるように構成された穀類排出装置を備えている。
【００１３】
また図示されていないが排出口１３部にさらに移送用のホースを接続し遠方に排出することも可能である。コンテナ本体の開放された上部には増枠１４を設けることも可能であり、図１、図４、図６に示す増枠１４は本体内側へ折畳んだ状態を示したものである。
【００１４】
図１はスタンド２により穀類搬送用コンテナ本体１を水平に保持した側面図を示したもので、スタンド２は対面するコンテナ本体両側面の略中央部に設けられている。スタンド２は、キャスター２０１を備えた水平杆部２０と、この水平杆部２０の長さ方向中央部から立設させた垂直杆部２１と、垂直杆部２１の上部より水平杆部２０と直交する方向に延設されコンテナ本体１と連結するアーム２２とにより構成され、前記垂直杆部２１は後述する上下方向伸縮自在に構成された昇降機構３を有し、走行車への積み下ろし時に荷台面への上げ下ろしをスタンド上部に設けたハンドル２１４を廻すことで容易に行うことができる。
【００１５】
前記コンテナ本体１と連結するアーム２２の垂直杆部２１側はコンテナ本体１の両側面と平行な面において回動軸２２１を回動支点として回動自在であり、コンテナ本体１を通常使用状態の水平に保持可能であるとともに、図６に示すように垂直方向に回動させて前後方向を上下方向に向けた姿勢に保持することも可能で、作業終了後の保管時には少ない投影床面積に保管可能である。
【００１６】
スタンド２上部の外パイプ２１３に設けた回動軸ボス２２７には水平方向の回動軸２２１が回動自在に挿入されていて、回動軸２２１のコンテナ本体１側は、該コンテナ本体１側に延出したアーム２２がコンテナ本体１に設けた摺動ボス１５に挿入され保持されている。
【００１７】
また、コンテナ本体１を回動させる場合、回動軸ボス２２７のコンテナ本体１側には回動軸２２１と直交する面を有する回動固定板２２５が回動軸２２１に固着されて設けてあり、該回動固定板２２５の回動軸２２１の周囲に同心に複数設けた回動固定穴２２６と、外パイプ２１３の回動軸ボス２２７近傍に設けられ水平方向に抜き差し自在のコンテナ回動固定ピン２２４を回動固定穴２２６に差し込んでコンテナ本体１の希望姿勢に回動軸２２１を中心に回動させ固定することができる。
【００１８】
コンテナ本体１に設けた摺動ボス１５に挿入されたアーム２２は、コンテナ本体１の横方向に摺動可能に設けてあり、摺動ボス１５に設けた摺動固定穴にアーム２２に複数設けた摺動固定穴２２２を互いに一致させ摺動固定ピン２２３を差し込んでスタンドを図２に示す使用位置や図３に示す収納位置に固定することができる。本実施例においてアーム２２は丸軸で構成されているが、断面が四角状や長方形状の部材で構成しても良い。
【００１９】
図４はスタンド２を収納した状態の側面図を示したもので、コンテナ本体１を走行車に載置した後、コンテナ回動固定ピン２２４を抜き差しすることで、スタンド２の垂直杆部２１および水平杆部２０を回動軸２２１を中心に略９０度回動させ固定し、水平杆部２０の左右回動アーム２０３を垂直杆部２１側にそれぞれ回動させ折畳む。
【００２０】
そして、コンテナ本体１の摺動ボス１５の摺動固定ピン２２３を抜いてアーム２２をコンテナ本体１側に摺動させるとともに収納位置の摺動固定穴２２２に摺動固定ピン２２３を差し込んで固定し、スタンド２をコンテナ本体１の側面部のデッドスペース部を利用し収納する。スタンド２の長さがコンテナ本体１より出る場合は、昇降機構３や垂直杆部２１の中間部に設けた高さ調節部により伸縮調節する。
【００２１】
水平杆部２０は、垂直杆部２１の下方部の下部垂直杆２１１下方部に固着した水平杆固定板２０４に水平方向の水平杆回動支点軸２０５により回動自在に回動アーム２０３を取付けてあるとともに、水平杆固定板２０４と回動アーム２０３の双方に水平杆回動支点軸２０５と同芯に設け配置した水平杆固定穴２０６を互いに一致させ水平杆固定ピン２０２を差し込んで折畳み姿勢および使用姿勢に固定することができる。
【００２２】
図５においてコンテナ本体１を走行車Ａに載置する方法を説明する。コンテナ本体１両側面より外側にアーム２２部により張り出して設けられた左右スタンド２により、コンテナ本体１を走行車Ａの荷台高さより高く保持し、スタンド２のキャスター２０１によりコンテナ本体１を走行車Ａの荷台上に移動または走行車Ａの荷台をコンテナ本体１下方に移動させ、載置位置で左右のスタンド２のハンドル２１４を回転し昇降機構３によりコンテナ本体１を下降させ走行車Ａ上に載置する。
【００２３】
垂直杆部２１は、上方部と下方部の中間部に昇降機構３とは別にスタンド２の高さを走行車の荷台高さに調整可能に調整穴が設けてあり、内パイプ２１２と下部垂直杆２１１を嵌合させるとともに,双方に設けた調整穴を希望高さ位置に一致させ高さ調節固定ピン３０を挿入し固定する。積込み重量に制限がある場合等には、この部分より水平杆側を外しスタンドの重い部分を構成する上方部のみを収納することも可能である。
【００２４】
載置後は左右のスタンド２をコンテナ本体１の側面部に収納し、搬送排出作業を行う。また、作業終了後は載置作業と逆の工程で走行車Ａから降ろすことができる。
【００２５】
図６は、作業終了後に格納する場合の一例を示したもので、回動軸２２１を回動中心としコンテナ本体１を垂直方向に回動させて前後方向を上下方向に向けた姿勢に保持したもので、格納時には少ない投影床面積に保管可能である。
【００２６】
図７によりスタンド２の昇降機構３の構成を説明する。垂直杆部２１は、キャスター２０１を備えた水平杆部２０の長さ方向中央部から立設させて設けてあり、垂直杆部２１上方部に昇降機構３が設けてある。上方部外側の角パイプで構成された外パイプ２１３内側に嵌挿された内パイプ２１２の上端部側に、メスネジを有したメスネジボス２１７を固着し、これに外パイプ２１３内に設けた前記メスネジボス２１７ネジと螺合するネジを有するオスネジシャフト２１６を螺合させるとともに、該オスネジシャフト２１６の上端部を外パイプ２１３の上端部より突設させ、該突設部にハンドル２１４をピン２１９により固着し、ハンドル２１４先端部には操作用のグリップ２１５が設けてある。オスネジシャフト２１６の上方部に設けた座面と外パイプ２１３上端面との間にはスラストベアリング２１８が設けてあり、コンテナ本体１のスラスト荷重を受けている。このため、グリップ２１５を握りハンドル２１４を回転するとオスネジシャフト２１６が回転し、これに螺合したメスネジボス２１７を有する内パイプ２１２が外パイプ２１３に対し移動し、スタンド２が昇降する。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明を実施した穀類搬送用コンテナの側面図
【図２】同穀類搬送用コンテナのスタンドを使用している正面断面図
【図３】同穀類搬送用コンテナのスタンドを収納した正面断面図
【図４】同穀類搬送用コンテナのスタンドを収納した側面図
【図５】走行車への積み下ろし作業時の正面視説明図
【図６】コンテナ本体を垂直方向に回動させた側面図
【図７】スタンドの昇降機構部の断面図
【符号の説明】
【００２８】
１ コンテナ本体
１０ 貯留部
１１ スクリュ軸
１２ モータ
１３ 排出口
１４ 増枠
１５ 摺動ボス
２ スタンド
２０ 水平杆部
２０１ キャスター
２０２ 水平杆固定ピン
２０３ 回動アーム
２０４ 水平杆固定板
２０５ 水平杆回動支点軸
２０６ 水平杆固定穴
２１ 垂直杆部
２１１ 下部垂直杆
２１２ 内パイプ
２１３ 外パイプ
２１４ ハンドル
２１５ グリップ
２１６ オスネジシャフト
２１７ メスネジボス
２１８ スラストベアリング
２１９ ピン
２２ アーム
２２１ 回動軸
２２２ 摺動固定穴
２２３ 摺動固定ピン
２２４ コンテナ回動固定ピン
２２５ 回動固定板
２２６ 回動固定穴
２２７ 回動軸ボス
３ 昇降機構
３０ 高さ調節固定ピン
３１ 高さ調節穴
Ａ 走行車
【技術分野】
【０００１】
本発明は、走行車の荷台に載置して、籾や麦等の穀物を圃場から乾燥機等の処理施設に搬送排出可能とした穀類搬送用コンテナに関するもので、特に走行車の荷台にコンテナを積み降ろしする時や格納時に使用するスタンドに関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来知られた穀類搬送用コンテナは、例えば特開平９−１８３４８９号公報（従来技術１）の「穀類容器の取扱い装置」が公知である。
【０００３】
従来技術１の「穀類容器の取扱い装置」は、「運搬車の荷台上に搭載可能とした平面形状が長方形状の穀類容器の左右長辺側略中心位置に、台車構造の移動支持手段を着脱可能に軸支連結」した移動支持手段を有したもので、「移動支持手段を、キャスターを設けた台杆と、この台杆の上部中央に垂設した前記穀類容器を軸支する支持杆と、該支持杆の下部に上下動調節可能に設けられ、かつ前記垂直姿勢時における穀類容器の下部と連結する結合手段とにより構成」されたものである。
【特許文献１】特開平９−１８３４８９号公報（従来技術１）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
前記従来技術における穀類搬送用コンテナのスタンドである「移動支持手段」は、該コンテナが走行車の荷台に載置されて搬送排出作業に使用中は、該コンテナ本体より取り外されることになる。また、作業終了後には再度スタンドを取付け走行車よりコンテナを降ろし格納することとなる。このように、走行車に積み込み積み下ろしする度に重量のあるスタンドを取付け取外しする必要があり、作業者にとって非常に負担を強いられる作業となっていた。また、コンテナ本体より取り外されることによる、紛失やスタンドを外した場所に戻らないとコンテナ本体を降ろせないという問題があった。本発明は、これらの問題を改善するため、取扱い性の良い穀類搬送用コンテナのスタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記課題を解決するため、穀類排出装置を備えた平面略矩形状を呈する穀類搬送用コンテナの対面する両側面部の略中央部に設けられ、コンテナ本体両側面より外側に張り出して設けられコンテナ本体を上下方向回転可能に設けた一対のスタンドは、非使用時にコンテナ本体側面部に収納可能に構成した穀類搬送用コンテナを提案する。
【０００６】
また、スタンドは、キャスターを備えた水平杆部と、この水平杆部の長さ方向中央部から立設させた垂直杆部と、垂直杆部の上部より水平杆部と直交する方向に延設されコンテナ本体と連結するアームとにより構成され、前記垂直杆部は上下方向伸縮自在に構成された昇降機構を有し、前記コンテナ本体と連結するアームの垂直杆部側はコンテナの両側面と平行な面において回動自在であり、コンテナ本体との連結部側はアームをコンテナ本体から取外さずに垂直杆部をコンテナ本体側に移動可能に構成したことを特徴とした０００５欄に記載の穀類搬送用コンテナを提案する。
【０００７】
さらに、スタンドの水平杆部は上下方向に折畳み可能である０００５欄または０００６欄記載のいずれかに記載の穀類搬送用コンテナを提案する。
【発明の効果】
【０００８】
前記のように、スタンドの非使用時に穀類コンテナ本体側面部に収納可能に構成したスタンドにより、コンテナ本体よりスタンドを外す作業が無くなり、重量のあるスタンドの取扱いが非常に楽になるとともに、コンテナ本体と常に一体であるため紛失するようなこともなく、スタンドが置いてある場所まで移動しないと降ろせないという不都合を回避できる。
【０００９】
また、スタンドはキャスターを備えた水平杆部によりコンテナ本体を移動自在であり、垂直杆部は上下方向伸縮自在に構成された昇降機構を有したことにより、走行車への積込み積み下ろしが容易で、格納時も格納高さを調整可能であり、コンテナ本体と連結するアームの垂直杆部側はコンテナの両側面と平行な面において回動自在であるため、格納時にはコンテナ本体を垂直姿勢に回動させ格納床面積を少なくすることも可能であり、コンテナ本体との連結部側はアームをコンテナ本体から取外さずにスタンドの垂直杆部をコンテナ本体側に移動可能に構成したことにより、スタンド収納時に重量物の持ち上げ作業等の負担を軽減することができる。
【００１０】
さらに、スタンドの水平杆部は上下方向に折畳み可能に構成すると、スタンドの収納時に非常にコンパクトに収納可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１１】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図１は本発明を実施した穀類搬送用コンテナの側面図、図２は同穀類搬送用コンテナのスタンドを使用している正面断面図、図３は同穀類搬送用コンテナのスタンドを収納した正面断面図、図４は同穀類搬送用コンテナのスタンドを収納した側面図、図５は走行車への積み下ろし作業時の正面視説明図、図６はコンテナ本体を垂直方向に回動させた側面図、図７はスタンドの昇降機構部の断面図である。
【００１２】
コンテナ本体１は、直方体状の底部側が機枠で構成され、上部が開放されていて、前後長手方向の両側壁を中央部に穀類が集まるように底部中央に向けて傾斜させ、該底部中央には前後方向に亘って設けたスクリュ軸１１がコンテナ本体１に設けたモータ１２により駆動され、貯留部１０に投入された穀類を前後方向一方端の排出口１３より排出できるように構成された穀類排出装置を備えている。
【００１３】
また図示されていないが排出口１３部にさらに移送用のホースを接続し遠方に排出することも可能である。コンテナ本体の開放された上部には増枠１４を設けることも可能であり、図１、図４、図６に示す増枠１４は本体内側へ折畳んだ状態を示したものである。
【００１４】
図１はスタンド２により穀類搬送用コンテナ本体１を水平に保持した側面図を示したもので、スタンド２は対面するコンテナ本体両側面の略中央部に設けられている。スタンド２は、キャスター２０１を備えた水平杆部２０と、この水平杆部２０の長さ方向中央部から立設させた垂直杆部２１と、垂直杆部２１の上部より水平杆部２０と直交する方向に延設されコンテナ本体１と連結するアーム２２とにより構成され、前記垂直杆部２１は後述する上下方向伸縮自在に構成された昇降機構３を有し、走行車への積み下ろし時に荷台面への上げ下ろしをスタンド上部に設けたハンドル２１４を廻すことで容易に行うことができる。
【００１５】
前記コンテナ本体１と連結するアーム２２の垂直杆部２１側はコンテナ本体１の両側面と平行な面において回動軸２２１を回動支点として回動自在であり、コンテナ本体１を通常使用状態の水平に保持可能であるとともに、図６に示すように垂直方向に回動させて前後方向を上下方向に向けた姿勢に保持することも可能で、作業終了後の保管時には少ない投影床面積に保管可能である。
【００１６】
スタンド２上部の外パイプ２１３に設けた回動軸ボス２２７には水平方向の回動軸２２１が回動自在に挿入されていて、回動軸２２１のコンテナ本体１側は、該コンテナ本体１側に延出したアーム２２がコンテナ本体１に設けた摺動ボス１５に挿入され保持されている。
【００１７】
また、コンテナ本体１を回動させる場合、回動軸ボス２２７のコンテナ本体１側には回動軸２２１と直交する面を有する回動固定板２２５が回動軸２２１に固着されて設けてあり、該回動固定板２２５の回動軸２２１の周囲に同心に複数設けた回動固定穴２２６と、外パイプ２１３の回動軸ボス２２７近傍に設けられ水平方向に抜き差し自在のコンテナ回動固定ピン２２４を回動固定穴２２６に差し込んでコンテナ本体１の希望姿勢に回動軸２２１を中心に回動させ固定することができる。
【００１８】
コンテナ本体１に設けた摺動ボス１５に挿入されたアーム２２は、コンテナ本体１の横方向に摺動可能に設けてあり、摺動ボス１５に設けた摺動固定穴にアーム２２に複数設けた摺動固定穴２２２を互いに一致させ摺動固定ピン２２３を差し込んでスタンドを図２に示す使用位置や図３に示す収納位置に固定することができる。本実施例においてアーム２２は丸軸で構成されているが、断面が四角状や長方形状の部材で構成しても良い。
【００１９】
図４はスタンド２を収納した状態の側面図を示したもので、コンテナ本体１を走行車に載置した後、コンテナ回動固定ピン２２４を抜き差しすることで、スタンド２の垂直杆部２１および水平杆部２０を回動軸２２１を中心に略９０度回動させ固定し、水平杆部２０の左右回動アーム２０３を垂直杆部２１側にそれぞれ回動させ折畳む。
【００２０】
そして、コンテナ本体１の摺動ボス１５の摺動固定ピン２２３を抜いてアーム２２をコンテナ本体１側に摺動させるとともに収納位置の摺動固定穴２２２に摺動固定ピン２２３を差し込んで固定し、スタンド２をコンテナ本体１の側面部のデッドスペース部を利用し収納する。スタンド２の長さがコンテナ本体１より出る場合は、昇降機構３や垂直杆部２１の中間部に設けた高さ調節部により伸縮調節する。
【００２１】
水平杆部２０は、垂直杆部２１の下方部の下部垂直杆２１１下方部に固着した水平杆固定板２０４に水平方向の水平杆回動支点軸２０５により回動自在に回動アーム２０３を取付けてあるとともに、水平杆固定板２０４と回動アーム２０３の双方に水平杆回動支点軸２０５と同芯に設け配置した水平杆固定穴２０６を互いに一致させ水平杆固定ピン２０２を差し込んで折畳み姿勢および使用姿勢に固定することができる。
【００２２】
図５においてコンテナ本体１を走行車Ａに載置する方法を説明する。コンテナ本体１両側面より外側にアーム２２部により張り出して設けられた左右スタンド２により、コンテナ本体１を走行車Ａの荷台高さより高く保持し、スタンド２のキャスター２０１によりコンテナ本体１を走行車Ａの荷台上に移動または走行車Ａの荷台をコンテナ本体１下方に移動させ、載置位置で左右のスタンド２のハンドル２１４を回転し昇降機構３によりコンテナ本体１を下降させ走行車Ａ上に載置する。
【００２３】
垂直杆部２１は、上方部と下方部の中間部に昇降機構３とは別にスタンド２の高さを走行車の荷台高さに調整可能に調整穴が設けてあり、内パイプ２１２と下部垂直杆２１１を嵌合させるとともに,双方に設けた調整穴を希望高さ位置に一致させ高さ調節固定ピン３０を挿入し固定する。積込み重量に制限がある場合等には、この部分より水平杆側を外しスタンドの重い部分を構成する上方部のみを収納することも可能である。
【００２４】
載置後は左右のスタンド２をコンテナ本体１の側面部に収納し、搬送排出作業を行う。また、作業終了後は載置作業と逆の工程で走行車Ａから降ろすことができる。
【００２５】
図６は、作業終了後に格納する場合の一例を示したもので、回動軸２２１を回動中心としコンテナ本体１を垂直方向に回動させて前後方向を上下方向に向けた姿勢に保持したもので、格納時には少ない投影床面積に保管可能である。
【００２６】
図７によりスタンド２の昇降機構３の構成を説明する。垂直杆部２１は、キャスター２０１を備えた水平杆部２０の長さ方向中央部から立設させて設けてあり、垂直杆部２１上方部に昇降機構３が設けてある。上方部外側の角パイプで構成された外パイプ２１３内側に嵌挿された内パイプ２１２の上端部側に、メスネジを有したメスネジボス２１７を固着し、これに外パイプ２１３内に設けた前記メスネジボス２１７ネジと螺合するネジを有するオスネジシャフト２１６を螺合させるとともに、該オスネジシャフト２１６の上端部を外パイプ２１３の上端部より突設させ、該突設部にハンドル２１４をピン２１９により固着し、ハンドル２１４先端部には操作用のグリップ２１５が設けてある。オスネジシャフト２１６の上方部に設けた座面と外パイプ２１３上端面との間にはスラストベアリング２１８が設けてあり、コンテナ本体１のスラスト荷重を受けている。このため、グリップ２１５を握りハンドル２１４を回転するとオスネジシャフト２１６が回転し、これに螺合したメスネジボス２１７を有する内パイプ２１２が外パイプ２１３に対し移動し、スタンド２が昇降する。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明を実施した穀類搬送用コンテナの側面図
【図２】同穀類搬送用コンテナのスタンドを使用している正面断面図
【図３】同穀類搬送用コンテナのスタンドを収納した正面断面図
【図４】同穀類搬送用コンテナのスタンドを収納した側面図
【図５】走行車への積み下ろし作業時の正面視説明図
【図６】コンテナ本体を垂直方向に回動させた側面図
【図７】スタンドの昇降機構部の断面図
【符号の説明】
【００２８】
１ コンテナ本体
１０ 貯留部
１１ スクリュ軸
１２ モータ
１３ 排出口
１４ 増枠
１５ 摺動ボス
２ スタンド
２０ 水平杆部
２０１ キャスター
２０２ 水平杆固定ピン
２０３ 回動アーム
２０４ 水平杆固定板
２０５ 水平杆回動支点軸
２０６ 水平杆固定穴
２１ 垂直杆部
２１１ 下部垂直杆
２１２ 内パイプ
２１３ 外パイプ
２１４ ハンドル
２１５ グリップ
２１６ オスネジシャフト
２１７ メスネジボス
２１８ スラストベアリング
２１９ ピン
２２ アーム
２２１ 回動軸
２２２ 摺動固定穴
２２３ 摺動固定ピン
２２４ コンテナ回動固定ピン
２２５ 回動固定板
２２６ 回動固定穴
２２７ 回動軸ボス
３ 昇降機構
３０ 高さ調節固定ピン
３１ 高さ調節穴
Ａ 走行車
【特許請求の範囲】
【請求項１】
穀類排出装置を備えた平面略矩形状を呈する穀類搬送用コンテナの対面する両側面部の略中央部に設けられ、コンテナ本体両側面より外側に張り出して設けられコンテナ本体を上下方向回転可能に設けた一対のスタンドは、非使用時にコンテナ本体側面部に収納可能に構成したことを特徴とした穀類搬送用コンテナ。
【請求項２】
スタンドは、キャスターを備えた水平杆部と、この水平杆部の長さ方向中央部から立設させた垂直杆部と、垂直杆部の上部より水平杆部と直交する方向に延設されコンテナ本体と連結するアームとにより構成され、前記垂直杆部は上下方向伸縮自在に構成された昇降機構を有し、前記コンテナ本体と連結するアームの垂直杆部側はコンテナの両側面と平行な面において回動自在であり、コンテナ本体との連結部側はアームをコンテナ本体から取外さずに垂直杆部をコンテナ本体側に移動可能に構成したことを特徴とした請求項１に記載の穀類搬送用コンテナ。
【請求項３】
スタンドの水平杆部は上下方向に折畳み可能であることを特徴とした請求項１または請求項２のいずれかに記載の穀類搬送用コンテナ。
【請求項１】
穀類排出装置を備えた平面略矩形状を呈する穀類搬送用コンテナの対面する両側面部の略中央部に設けられ、コンテナ本体両側面より外側に張り出して設けられコンテナ本体を上下方向回転可能に設けた一対のスタンドは、非使用時にコンテナ本体側面部に収納可能に構成したことを特徴とした穀類搬送用コンテナ。
【請求項２】
スタンドは、キャスターを備えた水平杆部と、この水平杆部の長さ方向中央部から立設させた垂直杆部と、垂直杆部の上部より水平杆部と直交する方向に延設されコンテナ本体と連結するアームとにより構成され、前記垂直杆部は上下方向伸縮自在に構成された昇降機構を有し、前記コンテナ本体と連結するアームの垂直杆部側はコンテナの両側面と平行な面において回動自在であり、コンテナ本体との連結部側はアームをコンテナ本体から取外さずに垂直杆部をコンテナ本体側に移動可能に構成したことを特徴とした請求項１に記載の穀類搬送用コンテナ。
【請求項３】
スタンドの水平杆部は上下方向に折畳み可能であることを特徴とした請求項１または請求項２のいずれかに記載の穀類搬送用コンテナ。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２００７−１６８８６６（Ｐ２００７−１６８８６６Ａ）
【公開日】平成１９年７月５日（２００７．７．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−３６９７４６（Ｐ２００５−３６９７４６）
【出願日】平成１７年１２月２２日（２００５．１２．２２）
【出願人】（０００１７１７４６）株式会社ササキコーポレーション (192)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年７月５日（２００７．７．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年１２月２２日（２００５．１２．２２）
【出願人】（０００１７１７４６）株式会社ササキコーポレーション (192)
【Ｆターム（参考）】
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