説明

積層断熱材及び鉄道車両の空調ダクト用断熱材

【課題】車材燃試において不燃性であり、火災時における有害ガスの発生が少なく、且つ軽量な積層断熱材及び鉄道車両の空調ダクト用断熱材を提供する。
【解決手段】難燃性ポリオレフィン系発泡樹脂からなる発泡樹脂層11の少なくとも一方の面に、表皮材15が接着された積層断熱材10であって、表皮材15は、発泡樹脂層11に接着されたガラスクロス12と、ガラスクロス12の上に接合された厚さが10〜50μmのアルミ箔13と、アルミ箔13の上に形成された、乾燥塗膜量が2〜10g/mである、炭素粒子を5〜50質量%含有するコート樹脂の塗膜14とからなることを特徴とする積層断熱材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層断熱材に関し、例えば、鉄道車両の空調ダクト用断熱材、各分野のエアコン内の配管用又は鋼板用断熱材、ドレンバン断熱材や水道管パイプカバーとしても利用でき、特に、鉄道車両の空調ダクト用断熱材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道に関する技術上の基準を定める省令(平成13年12月25日国土交通省令第151号)の第83条第2項に「旅客車の車体は、予想される火災の発生及び延焼を防ぐことができる構造及び材質でなければならない。」とあるように、鉄道車両には、火災の発生を防ぐと共に、万一火災が発生したときには延焼を防ぐものを用いなくてはならない。その上、火災が発生しても人体に有毒な塩素ガスやシアン化系の有毒ガスを発生する塩化ビニルや耐炎化繊維等の樹脂系材料をできるかぎり使用しないことも望まれている。
【0003】
そこで、鉄道車両の空調ダクトに用いられる断熱材として、特許文献1には、樹脂発泡体の一方の面に金属箔と難燃繊維層からなる表面材を難燃繊維層が樹脂発泡体に接するように積層してなる難燃性複合断熱材が記載されている。
【0004】
しかし、この難燃性複合断熱材は、極難燃性の基準を満たすにとどまっており、燃焼による金属箔のひび入りを抑制し、且つ不燃の判定基準を満たすものではかった。そのため、火災による燃焼で金属箔が破損した場合には、樹脂発泡体が溶解して防災上有害となる裏面までの貫通穴を発生させる危険性があった。
【0005】
また、鉄道車両の空調ダクト用断熱材ではないものの、特許文献2には、フェノール樹脂フォーム層の片面或は両面に、コート量0.3〜5g/mの樹脂コートが施されたアルミニウム箔を積層して構成したことを特徴とする不燃性断熱パネルが記載され、特許文献3には、ガラス繊維と、炭素繊維と、耐炎化繊維と、低融点有機繊維とで構成された車両用断熱マット材が記載され、特許文献4には、耐炎化繊維、熱接着性繊維を含む繊維を混綿して形成した繊維層の少なくとも片面に水ガラス溶液を吹付けたのち、乾燥して成ることを特徴とする車両用断熱吸音材が記載されている。
【0006】
しかし、特許文献2の不燃性断熱パネルは、樹脂コートについてシリコーン焼付やエポキシ焼付の例示があることから、アルミニウムの防汚性や防食性の向上を意図しており、アルミニウム箔の輻射反射機能を阻害しない透明性と難燃性のある樹脂が好ましいとしている。また、もともと劇物であるフェノールを使用することから、ホルムアルデビド発散、火災異臭等の懸念があった。特許文献3の車両用断熱マット材は、炭素繊維や耐炎化繊維は高価であると共に、鉄道車両の空調ダクトに用いた場合には、繊維の飛散の問題があった。特許文献4の車両用断熱吸音材は、火災時に耐炎化繊維からシアン化水素等の有害なガスを発生させる懸念があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−267628号公報
【特許文献2】特開2003−239417号公報
【特許文献3】特許第4408219号公報
【特許文献4】特開2010−89706号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、車材燃試(鉄道車両用材料燃焼試験)において不燃性であり、火災時における有害ガスの発生が少なく、且つ軽量であり、さらに、ステンレス製鋼板のダクト外装材裏面の結露防止とダクトの断熱による省エネを図ることができ、発泡樹脂のクッション効果を利用して音や振動を吸収、防音することでダクトからの騒音の低減を図ることができる積層断熱材及び鉄道車両の空調ダクト用断熱材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の積層断熱材は、難燃性ポリオレフィン系発泡樹脂からなる発泡樹脂層の少なくとも一方の面に、表皮材が接着された積層断熱材であって、前記表皮材は、前記発泡樹脂層に接着されたガラスクロスと、前記ガラスクロスの上に接合された厚さが10〜50μmのアルミ箔と、前記アルミ箔の上に形成された、乾燥塗膜量が2〜10g/mである、炭素粒子を5〜50質量%含有するコート樹脂の塗膜とからなることを特徴とする積層断熱材。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の鉄道車両の空調ダクト用断熱材は、上記積層断熱材からなる。
【0011】
ここで、本発明の各要素の態様を以下に例示する。
【0012】
1.発泡樹脂層
発泡樹脂層の難燃性ポリオレフィン系発泡樹脂としては、特に限定はされないが、難燃性のポリエチレンフォーム(ポリエチレン系発泡樹脂)、ポリプロピレンフォーム(ポリプロピレン系発泡樹脂)等が例示できる。また、充填材等の無機化合物や難燃剤等の有機化合物が添加されていてもよいし、されていなくてもよい。難燃性ポリオレフィン系発泡樹脂の具体例としては、東レ社の商品名「トーレペフFR」のPE(ポリエチレン)難燃グレードが挙げられる。
【0013】
ここで、有機化合物の難燃剤としては、特に限定はされないが、ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモシクロドデカン臭素等の臭素系難燃剤が例示できる。無機化合物の充填剤としては、特に限定はされないが、カーボンブラック、タルク、炭酸カルシウム等が例示でき、切断刃に対する影響が少なく、切断加工に用いる工具が長持ちすることから、カーボンブラックを含んでいることが好ましい。無機化合物の難燃剤としては、特に限定はされないが、三酸化アンチモン等が例示できる。
【0014】
発泡樹脂層の厚さは、特に限定はされないが、3〜100mmであることが好ましく、より好ましくは3〜30mmである。3mm未満であると、断熱性が著しく低下し、100mmを超えると、加工性が悪くなり価格的にも高くなる。なお、厚さはフレームラミネート加工による溶融接着や加熱後のプレス加工等で調整することができる。
【0015】
発泡樹脂層の発泡倍率は、特に限定はされないが、5〜80倍が好ましく、この範囲にあることで、機械的強度を維持しながら断熱性能を確保することができる。より好ましくは10〜40倍である。ここで好ましい発泡状態は、発泡サイズを極力抑え、発泡数を増加した状態である。
【0016】
2.ガラスクロス
ガラスクロスは、特に限定はされないが、汎用性のあるEガラス繊維からなるガラスクロスであることが好ましい。ガラスクロスの厚さは、特に限定はされないが、0.07〜0.3mmであることが好ましい。アルミ箔との接着に用いる接着剤の材質は、特に限定はされないが、アクリル系樹脂が好ましい。また、接着剤の量は、特に限定はされないが、固形分で1〜4g/mであることが好ましい。
【0017】
3.アルミ箔
アルミ箔の厚さが、10μm未満であると、燃焼によりアルミ箔が溶解しやすく、発泡樹脂が炎に直接晒されるおそれがあり、50μmを超えると、価格が高くなり、またカッターやはさみによる切断加工も困難となる。好ましくは、20〜30μmである。
【0018】
4.塗膜
塗膜に炭素粒子を5〜50質量%含有するコート樹脂を用いることにより、燃焼時の着火、発煙、溶解を抑制しつつ、炭化層を形成することでアルミ箔の破損を防止できる。炭素粒子の含有率が5質量%未満であると、十分な防炎性能が期待できず、燃焼時にアルミ箔の破損や樹脂からの発煙が発生しやすくなる。一方、50質量%を超えると、塗膜を薄く均一に塗布することが困難となり、塗装強度も著しく低下する。好ましい炭素粒子の含有率は、12〜40質量%である。なお、炭素粒子の含有率は、コート樹脂の固形分中の比率である。また、乾燥塗膜量が2g/m未満であると、塗膜の厚さが2μm以下となり、アルミ箔が破損しやすくなる。一方、20g/mを超えると、発煙が増加し、表面の変色や発泡樹脂層が変形しやすくなり、不燃性を満足できなくなる。
【0019】
コート樹脂としては、特に限定はされないが、アクリル系樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、シリコーン樹脂等を例示できる。また、コート樹脂は、複合処理として、撥水剤、吸水剤、抗菌剤、防かび剤、消臭剤、芳香剤等の有機物、チタニアや金属粉等の無機遮熱材、無機抗菌剤、マイナスイオン発生物質等の無機物を混合したり、樹脂に混ぜて上塗りしていてもよいし、していなくてもよい。
【0020】
炭素粒子としては、特に限定はされないが、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、グラファイト等のカーボンブラックや、木炭又は活性炭の粉末等が例示でき、炭素量が多く、燃焼時に気化しにくいことから、カーボンブラックが好ましい。
【0021】
5.表皮材
表皮材を発泡樹脂層に接着する方法としては、特に限定はされないが、発泡樹脂層の接着面を表面溶解させて圧着させるフレームラミネート加工や、ホットメルト、スプレー塗布又はロールコーター等による接着剤塗工による接着や、熱可塑性樹脂の融着シートによる加熱接着等が例示できる。蒸気や有機揮発性のガスの発生及び残留がないことから、フレームラミネート加工や融着シートを用いた乾式の熱融着による接着が好ましい。
【0022】
融着シートの形態は、特に限定はされないが、フィルムでもよいし、不織布でもよい。また、融着シートの重量目付は、特に限定はされないが、10〜30g/mであることが好ましい。融着シートの材質としては、特に限定はされないが、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂や、ポリアミド系樹脂等が例示でき、価格的に安く、燃焼時の有毒ガスの発生もなく悪臭もないことから、ポリエチレンであることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、車材燃試において不燃性であり、火災時における有害ガスの発生が少なく、且つ軽量であり、さらに、ステンレス製鋼板のダクト外装材裏面の結露防止とダクトの断熱による省エネを図ることができ、発泡樹脂のクッション効果を利用して音や振動を吸収、防音することでダクトからの騒音の低減を図ることができる積層断熱材及び鉄道車両の空調ダクト用断熱材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施例の積層断熱材の断面模式図である。
【図2】鉄道車両の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0025】
本発明の実施例の積層断熱材10は、図1に示すように、発泡樹脂11の上面に表皮材15が接着されたものである。そして表皮材15は、発泡樹脂11の上面に接着されたガラスクロス12と、ガラスクロス12の上面に接着されたアルミ箔13と、アルミ箔13の上面に形成されたコート樹脂の塗膜14とからなっている。また、積層断熱材10は、図2に示すように、鉄道車両20の天井裏に設けられたステンレス製の空調ダクト21の内面に貼着されて、鉄道車両の空調ダクト用断熱材として用いられている。
【0026】
本発明の実施例として、表皮材等を変更した4種類の積層断熱材を作製し、それぞれについて、燃焼試験を行うと共にカッターを用いた切断性の評価を行った。また、表皮材等を変更した7種類の比較例の積層断熱材を作製し、それらについても同じく、燃焼試験及びカッターを用いた切断性の評価を行った。それぞれの積層断熱材に用いた表皮材及び表皮材と発泡樹脂との接着方法を表1に示すと共に、それぞれの燃焼試験による判定、アルミ箔のひび入り、カッター切断性及び総合評価も表1に示す。
【0027】
【表1】

【0028】
各積層断熱材について説明する。各試料とも、発泡樹脂は、カーボンブラックを含有したポリエチレンフォームである東レ社の商品名「トーレペフFR」(厚さ5mm、嵩密度32kg/m)である。ガラスクロスは、材質がJIS−R3414−EP11Eであり厚さ0.11mmのものである。アルミ箔は、材質が1N30のアルミニウムである。アルミ箔とガラスクロスとの接着は、固形分が4g/mのアクリル系の接着剤による接着である。
【0029】
実施例1の積層断熱材は、コート樹脂はカーボンブラックを50質量%含有するアクリル系樹脂である。塗膜は乾燥塗膜量が6g/mのものである。アルミ箔は厚さが10μmのものである。また、表皮材と発泡樹脂との接着は、エチレン系樹脂の融着フィルム(30g/m)を用い、表皮材と発泡樹脂とを積層した状態で170℃で1分間加熱し、冷間ローラーで圧着保持させる接着である。
【0030】
実施例2の積層断熱材は、コート樹脂がカーボンブラックを25質量%含有するアクリル系樹脂である点と、塗膜の乾燥塗膜量が2g/mである点と、アルミ箔の厚さが50μmである点とが実施例1の積層断熱材と異なり、その他の点は実施例1の積層断熱材と同じである。
【0031】
実施例3の積層断熱材は、コート樹脂がカーボンブラックを5質量%含有するアクリル系樹脂である点と、アルミ箔の厚さが20μmである点とが実施例1の積層断熱材と異なり、その他の点は実施例1の積層断熱材と同じである。
【0032】
実施例4の積層断熱材は、塗膜の乾燥塗膜量が10g/mである点と、アルミ箔の厚さが30μmである点と、表皮材と発泡樹脂との接着が発泡樹脂の接着面を200℃で瞬間加熱し、フレームラミネート装置で連続圧着させる接着である点とが実施例1の積層断熱材と異なり、その他の点は実施例1の積層断熱材と同じである。
【0033】
比較例1の積層断熱材は、表皮材が厚さが50μmのアルミ箔のみからなり(従って、塗膜及びガラスクロスがない)、表皮材と発泡樹脂との接着が発泡樹脂の接着面を200℃で瞬間加熱し、フレームラミネート装置で連続圧着させる接着である。
【0034】
比較例2の積層断熱材は、表皮材が厚さが20μmのアルミ箔とガラスクロスとからなり(従って、塗膜がない)、表皮材と発泡樹脂との接着が発泡樹脂の接着面を200℃で瞬間加熱し、フレームラミネート装置で連続圧着させる接着である。
【0035】
比較例3の積層断熱材は、アルミ箔の厚さが9μmである点が実施例1の積層断熱材と異なり、その他の点は実施例1の積層断熱材と同じである。
【0036】
比較例4の積層断熱材は、コート樹脂がカーボンブラックを4質量%含有するアクリル系樹脂である点と、アルミ箔の厚さが20μmである点とが実施例1の積層断熱材と異なり、その他の点は実施例1の積層断熱材と同じである。
【0037】
比較例5の積層断熱材は、塗膜の乾燥塗膜量が1g/mである点と、アルミ箔の厚さが20μmである点とが実施例1の積層断熱材と異なり、その他の点は実施例1の積層断熱材と同じである。
【0038】
比較例6の積層断熱材は、塗膜の乾燥塗膜量が12g/mである点と、アルミ箔の厚さが30μmである点とが実施例1の積層断熱材と異なり、その他の点は実施例1の積層断熱材と同じである。
【0039】
比較例7の積層断熱材は、発泡樹脂単体である。
【0040】
各試料は、次のようにして試験を行った。
【0041】
(1)燃焼試験(鉄道車両用材料燃焼試験)
○試験方法
燃焼試験方法は、鉄道に関する技術上の基準を定める省令 国土交通省令第151号の第5節車両の火災対策等の第83条により行った。具体的には、B5判の大きさの試料(182mm×257mm)を45°傾斜した状態で保持し、燃焼容器の底の中心が試料の下面中心の垂直方向25.4mmのところにくるように、コルクの台にのせ、純エタノール0.5ccを入れて着火し、燃料が燃え尽きるまで放置して行った。なお、表皮材を有する試料は、表皮材側が下側(火炎にさらされる側)になるようにして燃焼試験を行った。
○燃焼性判定
燃焼性判定は、鉄運第81号に記載の判定基準により、純エタノールの燃焼中と燃焼後とに分けて行い、燃焼中は試料への着火、着炎、発煙状態、炎の状態等を観察し、燃焼後は、残炎、残じん、炭化、変形状態を観察して、燃焼性判定を行った。また、併せて、燃焼後のアルミ箔のひび入りの有無も目視観察した。
【0042】
(2)カッター切断性試験
市販のカッターを用いて手加工で約1m切断して行った。目視により切断部位のアルミ箔にカエリが確認されなかったものを良いと評価し、カエリが確認されたものを悪いと評価した。
【0043】
(3)総合評価
燃焼性判定に加え、燃焼後のアルミ箔のひび入りの有無及びカッタ―切断性も評価項目に入れて総合評価した。○が不燃性で良好であり、△がやや難があるが不燃性良好、×が不合格とした。
【0044】
本発明の実施例の積層断熱材は次の効果が得られた。
・表1に示すように、車材燃試において不燃性の判定であった。
・燃焼試験後のアルミ箔にひびが入ることもなかった。
・塩化ビニル樹脂やフェノール樹脂等のように加熱・燃焼により有毒ガスを発生する樹脂を使用していないことから、火災時における有害ガスの発生を少なくすることができた。
・厚さが10〜50μmのアルミ箔を用いたことから、軽量であり、また、カッター等で容易に切断加工を行うことができた。特に、アルミ箔の厚さが10〜30μmのものは、カエリが生じることなく切断することができた(カエリはゴミの付着原因となる)。
・発泡樹脂を備えることから、ステンレス製鋼板のダクト外装材裏面の結露防止とダクトの断熱による省エネを図ることができた。
・発泡樹脂を備えることから、発泡樹脂のクッション効果を利用して音や振動を吸収、防音することでダクトからの騒音の低減を図ることができた。
【0045】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
【符号の説明】
【0046】
10 積層断熱材
11 発泡樹脂層
12 ガラスクロス
13 アルミ箔
14 塗膜
15 表皮材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
難燃性ポリオレフィン系発泡樹脂からなる発泡樹脂層(11)の少なくとも一方の面に、表皮材(15)が接着された積層断熱材(10)であって、
前記表皮材(15)は、前記発泡樹脂層(11)に接着されたガラスクロス(12)と、前記ガラスクロス(12)の上に接合された厚さが10〜50μmのアルミ箔(13)と、前記アルミ箔(13)の上に形成された、乾燥塗膜量が2〜10g/mである、炭素粒子を5〜50質量%含有するコート樹脂の塗膜(14)とからなることを特徴とする積層断熱材。
【請求項2】
前記難燃性ポリオレフィン系発泡樹脂は、カーボンブラックを含んだ難燃性ポリエチレン系発泡樹脂である請求項1記載の積層断熱材。
【請求項3】
前記発泡樹脂層(11)と前記表皮材(15)との接着に、熱可塑性樹脂の融着シートを用いた請求項1又は2記載の積層断熱材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層断熱材からなる鉄道車両の空調ダクト用断熱材。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−149713(P2012−149713A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9324(P2011−9324)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(390029735)日本グラスファイバー工業株式会社 (20)
【Fターム(参考)】