説明

空気入りタイヤの製造方法

【課題】トレッドを硬度が異なる少なくとも2種類のゴムコンパウンドで構成した空気入りタイヤの製造において、ゴムコンパウンド間の界面の接着故障を改善すると共に、生産性を向上するようにした空気入りタイヤの製造方法を提供する。
【解決手段】ゴム基材は共通であるが加硫系配合剤の配合が互いに異なり、かつJIS K6300−2規定のレオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線の加硫時間tc(80)〜tc(max)間の傾きが互いに異なる少なくとも2種類のマーチングキュア系ゴムコンパウンドの組み合わせによりトレッド1を構成した未加硫タイヤを成形し、この未加硫タイヤを、少なくとも2種類のゴムコンパウンド8a,8bのうち加硫時間tc(80)が最大のゴムコンパウンドの加硫時間tc(95)〜tc(max)の間で加硫成形することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気入りタイヤの製造方法に関し、さらに詳しくは、トレッドを硬度が異なる複数のゴムコンパウンドを組み合わせて構成した空気入りタイヤの製造において、ゴムコンパウンド間の界面の接着故障を改善すると共に、生産性を向上するようにした空気入りタイヤの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空気入りタイヤのトレッドの特性は、タイヤ性能に大きな影響を与え、転がり抵抗と湿潤路面の摩擦抵抗との関係や操縦安定性と低騒音性との関係など相反する特性を両立させることが困難な場合が多い。従来、この両立のために、トレッドを特性が異なる複数のゴムコンパウンドを組み合わせて構成するようにした多色トレッドの空気入りタイヤ提案がされている。
【0003】
特許文献1は、トレッドの中央域と両側ショルダー域とにゴム硬度が異なる2種類のゴムコンパウンドを配置することにより、操縦安定性と低騒音性を両立させることを提案している。しかし、このようにゴム硬度を異ならせるには、一般に組成の異なるゴムコンパウンドを組み合わせることになるが、ゴム組成の違いにより界面での接着が十分に得られないことにより剥離故障を起こすという問題がある。また、ゴム組成の違いにより製造工程におけるゴム混練工程を共通化できないことがあり、そのため生産性が低下するという問題があった。
【特許文献1】特開2001−10308号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、トレッドを硬度が異なる少なくとも2種類のゴムコンパウンドで構成した空気入りタイヤの製造において、ゴムコンパウンド間の界面の接着故障を改善すると共に、生産性を向上するようにした空気入りタイヤの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤの製造方法は、トレッドを硬度が異なる少なくとも2種類のゴムコンパウンドを組み合わせて構成した空気入りタイヤの製造方法において、ゴム基材は共通であるが加硫系配合剤の配合が互いに異なり、かつJIS K6300−2規定のレオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線の加硫時間tc(80)〜tc(max)間の傾きが互いに異なる少なくとも2種類のマーチングキュア系ゴムコンパウンドの組み合わせにより前記トレッドを構成した未加硫タイヤを成形し、該未加硫タイヤを、前記少なくとも2種類のゴムコンパウンドのうち加硫時間tc(80)が最大のゴムコンパウンドの加硫時間tc(95)〜tc(max)の間で加硫成形することを特徴とする。
【0006】
本発明の他の空気入りタイヤの製造方法は、トレッドを硬度が異なる少なくとも2種類のゴムコンパウンドを組み合わせて構成した空気入りタイヤの製造方法において、ゴム基材は共通であるが加硫系配合剤の配合が互いに異なり、かつJIS K6300−2規定のレオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線の加硫時間tc(max)〜tc(R95)間の傾きが互いに異なる少なくとも2種類のリバージョンキュア系ゴムコンパウンドの組み合わせにより前記トレッドを構成した未加硫タイヤを成形し、該未加硫タイヤを、前記少なくとも2種類のゴムコンパウンドのうち加硫時間tc(max)が最小のゴムコンパウンドの加硫時間tc(max)〜tc(R95)の間で加硫成形することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述した前者の本発明によれば、トレッドを構成する少なくとも2種類のマーチングキュア系ゴムコンパウンドとして、ゴム基材は共通であるが加硫系配合剤の配合を異ならせ、加硫曲線における加硫時間tc(80)〜tc(max)間の加硫速度の傾きを互いに異ならせたゴムコンパウンドを組み合わせたので、ゴム基材の共通化によりゴムコンパウンド間の親和性が大きいことにより強い界面接着性が得られ、しかもゴムコンパウンド間の硬度を互いに異ならせることができる。また、ゴムコンパウンド相互間でゴム基材が共通であるためゴム混練工程が共通化可能となって、生産性を向上することができる。
【0008】
また、後者の本発明によれば、トレッドを構成する少なくとも2種類のリバージョンキュア系ゴムコンパウンドとして、ゴム基材は共通であるが加硫系配合剤の配合を異ならせ、加硫曲線における加硫時間tc(max)〜tc(R95)間の加硫速度の傾きを互いに異ならせたゴムコンパウンドを組み合わせたので、同じくゴム基材の共通化によりゴムコンパウンド間の親和性が大きいことにより強い界面接着性が得られ、しかもゴムコンパウンド間の硬度を互いに異ならせることができる。また、ゴムコンパウンド相互間でゴム基材が共通であるため、上記同様にゴム混練工程が共通化可能となって、生産性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1は、本発明の製造方法により製造する空気入りタイヤの一例を示す断面図である。
【0010】
図1において、空気入りタイヤは、トレッド1、サイドウォール部2及びビード部3からなり、これらの内側に2プライからなるカーカス層5が挿入され、その両端部が左右一対のビードコア4,4間にそれぞれタイヤ内側から外側に巻き上げられている。カーカス層5の外周側には、ベルト層6がタイヤ1周にわたって配置され、さらにベルト層6の外側に、ベルトカバー7,7′が配置されている。
【0011】
上記トレッド1は、タイヤセンターの左右でゴム硬度の異なるゴムコンパウンド8a,8bで構成されている。好ましくは、車両装着時の外側に位置するゴムコンパウンドの硬度を内側のゴムコンパウンドよりも大きくすることで操縦安定性と低騒音性とを両立させることができる。両コンパウンド間のゴム硬度差は、タイヤサイズや用途に応じて設定することができる。
【0012】
本発明の空気入りタイヤにおいて、硬度が異なるゴムコンパウンドの配置は、2種類のみに限定されず、3種類以上であってもよく、また、タイヤ幅方向又はタイヤ径方向のいずれの方向に並べてもよい。また、ゴムコンパウンドの並べ方は、硬度が高い順に並べても、硬度が最大と最小のそれぞれのゴムコンパウンドを隣接させてもよい。
【0013】
以下、上述のように硬度が異なる2種類以上のゴムコンパウンドの組み合わせでトレッドを構成した空気入りタイヤの製造方法について説明する。
【0014】
まず、未加硫タイヤのトレッドに組み合わせ使用される2種類以上のゴムコンパウンドは、ゴム基材は互いに同じ共通のゴム材であるが、これらに配合される加硫系配合剤の種類及び/又は配合量が互いに異なっており、その相違により加硫曲線の特定の2点の加硫時間の間における傾きが互いに異なっている加硫特性が異なるゴムコンパウンドの組み合わせが使用される。ここで、ゴムコンパウンドの加硫曲線とは、JIS K6300−2「振動式加硫試験機による加硫特性の求め方」に準拠し、レオメータとしてロータレス加硫試験機を使用し、所定の試験温度でレオメータで検出されるトルクと加硫時間とを縦軸と横軸のグラフにして得られる曲線である。また、加硫曲線の傾きとは、特定の2点の加硫時間の差(△t)に対する2点の加硫時間におけるトルクの差(△M)の比△M/△tをいう。なお、上記レオメータの試験温度は実際にタイヤを加硫する温度と同じとする。
【0015】
ゴムコンパウンドには、図2のように、加硫曲線のトルクが上昇し続けて明確な極大値(最大値M)をもたないものと、図3のように、極大値(最大値M)をもつものとがあり、前者をマーチングキュア系ゴムコンパウンドといい、後者をリバージョンキュア系ゴムコンパウンドという。マーチングキュア系ゴムコンパウンドのトルクの最大値Mは、JIS K6300−2の規定で、「加硫曲線の傾きが安定した領域での特定時間における値を最大値とする」との定義から、本発明において特定時間(トルク試験開始からの経過時間)は60分とし、加硫開始から60分経過時のトルクを最大値Mとするものとする。
【0016】
マーチングキュア系ゴムコンパウンドであるか、リバージョンキュア系ゴムコンパウンドであるかは、主として配合により決まる。マーチングキュア系ゴムコンパウンドの例としては、SBR/シリカ配合系コンパウンド等、リバージョンキュア系ゴムコンパウンドの例としては、天然ゴム配合系コンパウンド等がある。加硫曲線の傾き等は加硫系配合剤の種類及び/又は配合量で変化させることができる。加硫系配合剤とは、架橋反応させるための硫黄のほか、加硫促進剤や加硫遅延剤などをいう。これらは公知のものがいずれも使用可能である。
【0017】
本発明において、上述のようにトレッドに組み合わせる未加硫のゴムコンパウンドは、マーチングキュア系ゴムコンパウンドの相互間で組み合わせる場合と、リバージョンキュア系ゴムコンパウンドの相互間で組み合わせる場合とでは、加硫特性の相違を決める加硫曲線の傾きを設定する2点の加硫時間を以下のように異なったものとする。
【0018】
マーチングキュア系ゴムコンパウンド間の組み合わせの場合は、加硫時間tc(80)〜tc(max)の間における加硫曲線の傾きの相違によって加硫特性が互いに異なるものが組み合わされるようにする。また、リバージョンキュア系ゴムコンパウンド間の組み合わせの場合には、加硫時間tc(max)〜tc(R95)の間における加硫曲線の傾きの相違により加硫特性が互いに異なるものを組み合わせるようにする。
【0019】
ここで、加硫時間tc(80),tc(max),tc(R95)とは、JIS K6300−2の定義に従って規定されたものである。
【0020】
図2及び図3を参照して説明すると、それぞれの加硫曲線におけるトルクの最小値Mと最大値Mとのトルク差をM(=M−M)とすると、加硫時間tc(80)は、加硫開始からトルクがM+80%Mになる迄に要した時間、加硫時間tc(max)は、加硫開始からトルクが最大値Mになる迄に要した時間、加硫時間tc(R95)は、トルクが加硫開始から最大値Mを経たのち、M+95%Mに低下する迄に要した時間をいう。
【0021】
したがって、マーチングキュア系ゴムコンパウンド間の組み合わせの場合の加硫曲線の傾きは、加硫時間tc(80)のときのトルクM+80%Mと加硫時間tc(max)のときのトルクM(=M+M)とのトルク差△Mと、加硫時間tc(80)〜tc(max)間の時間差△tとの比△M/△tが互いに異なったゴムコンパウンド同士を組み合わせてトレッドを形成するのである。また、リバージョンキュア系ゴムコンパウンドの組み合わせの場合の場合には、加硫時間tc(max)のときのトルクM(=M+M)と加硫時間tc(R95)のときのトルクM+95%Mとのトルク差△Mと、加硫時間tc(max)〜tc(R95)間の時間差△tとの比△M/△tが互いに異なったゴムコンパウンド同士を組み合わせてトレッドを形成する。
【0022】
上述のようにトレッドが2種類のゴムコンパウンドの組み合わせで構成された未加硫タイヤは、金型に挿入して加硫成形する。加硫時間としては、マーチングキュア系ゴムコンパウンド同士が組合された未加硫タイヤの場合と、リバージョンキュア系ゴムコンパウンド同士が組合された未加硫タイヤの場合とでは、以下のように異なった時間が設定される。
【0023】
トレッドが2種類以上のマーチングキュア系ゴムコンパウンドからなる未加硫タイヤでは、トレッドを構成する複数のゴムコンパウンドのうち加硫時間tc(80)が最も大きいゴムコンパウンドを基準にして、そのゴムコンパウンドが有する加硫時間tc(95)とtc(max)との間で加硫を行うようにする。図4は、トレッドが2種類のマーチングキュア系ゴムコンパウンドA,Bからなる未加硫タイヤを加硫する場合を例示したものである。
【0024】
このようなタイヤの加硫時間の設定により、2種類以上のマーチングキュア系ゴムコンパウンドをいずれも加硫不足がなく、実用レベルの加硫度を達成しながら、ゴムコンパウンド相互間で硬度が異なったトレッドの空気入りタイヤを成形することができる。タイヤの加硫時間を加硫時間tc(80)が最も大きいゴムコンパウンドを基準にして設定した理由は、2種類以上のマーチングキュア系ゴムコンパウンドをいずれも実用レベルの加硫度に加硫するためである。
【0025】
また、トレッドが2種類以上のリバージョンキュア系ゴムコンパウンドからなる未加硫タイヤの場合は、トレッドを構成する複数のゴムコンパウンドのうち加硫時間tc(max)が最も小さいゴムコンパウンドを基準にして、そのゴムコンパウンドが有する加硫時間tc(max)とtc(R95)との間で加硫を行うようにする。図5は、トレッドが2種類のリバージョンキュア系ゴムコンパウンドC,Dからなる未加硫タイヤを加硫する場合を例示したものである。
【0026】
このようなタイヤの加硫時間の設定により、2種類以上のリバージョンキュア系ゴムコンパウンドがいずれも実用レベルの加硫度を達成しながら、ゴムコンパウンド相互間で硬度が互いに異なったトレッドを有する空気入りタイヤを成形することができる。タイヤの加硫時間を、加硫時間tc(max)が最も小さいゴムコンパウンドを基準にして設定した理由は、2種類以上のリバージョンキュア系ゴムコンパウンドをいずれも実用レベルの加硫度に加硫するためである。
【0027】
トレッドを構成するゴムコンパウンドがマーチングキュア系又はリバージョンキュア系いずれの場合にも、必要に応じてカーボンブラック、各種樹脂、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、その他タイヤゴム用に一般的に配合可能な各種添加剤を配合することができる。これら添加剤の配合量は、本発明の目的に反しない限り、周知の配合量とすることができる。
【0028】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、これにより本発明の範囲が制限を受けるものではない。
【実施例】
【0029】
実施例1
図1のタイヤ構造の空気入りタイヤを、左右のトレッドをマーチングキュア系ゴムコンパウンドで構成し、ゴム基材を同一にし、加硫温度170℃で加硫成形することを共通条件にし、各ゴムコンパウンドの加硫系配合剤組成を表1に示すように異ならせた空気入りタイヤを作製した。なお、左右のマーチングキュア系ゴムコンパウンド(組成A、B)のJIS K6300−2に準拠して求めた170℃における加硫時間tc(max)、tc(80)、tc(95)及びtc(80)〜tc(max)間の加硫速度の傾きを表1に示す。
【0030】
空気入りタイヤを24時間静置した後、左右のトレッドゴム層を切り出し、ゴムの硬度をJIS K6253タイプAに準拠し測定した。得られた結果を、左側ゴムコンパウンドの硬度を100とする指数で表し、表1に示す。
【0031】
実施例2
図1のタイヤ構造の空気入りタイヤを、左右のトレッドをリバージョンキュア系ゴムコンパウンドで構成し、ゴム基材を同一にし、加硫温度170℃で加硫成形することを共通条件にし、各ゴムコンパウンドの加硫系配合剤組成を表1に示すように異ならせた空気入りタイヤを作製した。なお、左右のリバージョンキュア系ゴムコンパウンド(組成C、D)のJIS K6300−2に準拠して求めた加硫温度170℃における加硫時間tc(max)、tc(R95)及びtc(max)〜tc(R95)間の加硫速度の傾きを表1に示す。
【0032】
空気入りタイヤを24時間静置した後、左右のトレッドゴム層を切り出し、ゴムの硬度をJIS K6253タイプAに準拠し測定した。得られた結果を、左側ゴムコンパウンドの硬度を100とする指数で表し、表1に示す。
【0033】
【表1】

【0034】
表1において、各ゴム組成に使用した材料は以下の通りである。
・SBR;日本ゼオン社製SBR NIPOL 1712(スチレン含量23.5%)
・NR; RSS#4 サウスランド・ラバー
・シリカ;ZEOSIL 165GR、ローディア・シリカ・コリア社製
・CB;カーボンブラック、東海カーボン社製シーストKH
・カップリング剤;シランカップリング剤、デグッサ社製Si69
・亜鉛華;正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸;日本油脂社製ビーズステアリン酸YR
・老防剤;老化防止剤、フレキシス社製SANTOFLEX 6PPD
・オイル;昭和シェル石油社製エキストラクト 4号S
・イオウ;鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤1;大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
・加硫促進剤2;フレキシス社製PERKACIT DPG GRS
・加硫遅延剤;フレキシス社製SANTOGARD PVI DS Powder
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の空気入りタイヤの製造方法において、空気入りタイヤの一例を示すタイヤ子午線方向の断面図である。
【図2】(A)(B)は、本発明においてマーチングキュア系の加硫曲線の解析方法を模式的に示す説明図である。
【図3】(A)(B)は、本発明においてリバージョンキュア系の加硫曲線の解析方法を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明の空気入りタイヤの製造方法において、マーチングキュア系ゴムコンパウンドの組み合わせを模式的に示す説明図である。
【図5】本発明の空気入りタイヤの製造方法において、リバージョンキュア系ゴムコンパウンドの組み合わせを模式的に示す説明図である。
【符号の説明】
【0036】
1 トレッド
8a,8b ゴムコンパウンド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレッドを硬度が異なる少なくとも2種類のゴムコンパウンドを組み合わせて構成した空気入りタイヤの製造方法において、
ゴム基材は共通であるが加硫系配合剤の配合が互いに異なり、かつJIS K6300−2規定のレオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線の加硫時間tc(80)〜tc(max)間の傾きが互いに異なる少なくとも2種類のマーチングキュア系ゴムコンパウンドの組み合わせにより前記トレッドを構成した未加硫タイヤを成形し、該未加硫タイヤを、前記少なくとも2種類のゴムコンパウンドのうち加硫時間tc(80)が最大のゴムコンパウンドの加硫時間tc(95)〜tc(max)の間で加硫成形する空気入りタイヤの製造方法。
【請求項2】
トレッドを硬度が異なる少なくとも2種類のゴムコンパウンドを組み合わせて構成した空気入りタイヤの製造方法において、
ゴム基材は共通であるが加硫系配合剤の配合が互いに異なり、かつJIS K6300−2規定のレオメータによるトルク検出から得られた加硫曲線の加硫時間tc(max)〜tc(R95)間の傾きが互いに異なる少なくとも2種類のリバージョンキュア系ゴムコンパウンドの組み合わせにより前記トレッドを構成した未加硫タイヤを成形し、該未加硫タイヤを、前記少なくとも2種類のゴムコンパウンドのうち加硫時間tc(max)が最小のゴムコンパウンドの加硫時間tc(max)〜tc(R95)の間で加硫成形する空気入りタイヤの製造方法。
【請求項3】
前記加硫系配合剤が、硫黄と加硫促進剤及び加硫遅延剤の少なくとも一つとからなる請求項1又は2に記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項4】
前記少なくとも2種類のゴムコンパウンドを前記トレッドのタイヤ幅方向に組み合わせた請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。
【請求項5】
前記少なくとも2種類のゴムコンパウンドを前記トレッドのタイヤ径方向に組み合わせた請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−162017(P2008−162017A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−350515(P2006−350515)
【出願日】平成18年12月26日(2006.12.26)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】