説明

端子間の接続方法、および半導体素子の実装方法

【課題】良好な導通接続状態を実現し、端子間の電気的接続性を向上させる端子間の接続方法、および半導体素子の実装方法を提供する。
【解決手段】導電性粒子と、該導電性粒子の融点で硬化が完了しないバインダーと、還元剤とを含む導電性ペーストを介して、端子同士を対向させて配置させる端子配置工程と、50℃以上、前記導電性粒子の融点以下の温度領域、10〜300秒の処理時間、かつ−5〜5℃/秒の単位時間当たりの温度変化で前記導電性ペーストを加熱処理する第一の加熱処理工程と、前記導電性粒子の融点よりも高く、かつ前記バインダーの硬化が完了しない温度で前記導電性ペーストを加熱処理する第二の加熱処理工程と、前記バインダーを硬化させる硬化工程とを含むことを特徴とする端子間の接続方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば半導体チップやディスクリート部品などの電子部品に設けられた電極等の端子を外部端子に接続するのに好適な端子間の接続方法、および半導体素子の実装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体チップやディスクリート部品などの電子部品に設けられた電極等の端子を外部電極(端子)に接合する際には、導電性ペーストが使用されることが多い。このような導電性ペーストは、通常、バインダーと硬化剤と導電性粒子とを含有する。
近年、電子機器の小型化、軽量化、高速化、大容量化などに伴い、電子部品の高集積化や高密度化が要求されており、端子と配線基板との接続方法として、フリップチップ実装法が広く採用されている。
【0003】
フリップチップ法は、端子上にはんだを用いてバンプを形成し、該バンプを介して配線基板上に形成された電極に一括して接続する方法であり、実装面積を小さくしたり、配線が短いために電気特性を向上させたりできる。
端子間の接続に用いられる導電性ペーストは、金属などの導電性粒子をバインダー中に分散させることにより、対向する端子間にて導電性粒子が配列し、端子間の導通を可能にする一方、バインダーによって、隣接する端子間の絶縁性を確保する。
【0004】
しかし、導電性ペーストは、導電性粒子がバインダーに覆われているため、導電性粒子同士が配列しても、導電性粒子を覆うバインダーが導通不良を引き起こす場合があった。
そこで、互いに対向する電極等の端子の電気的接続性を向上させる接続方法が提案されている。例えば特許文献1には、導電性粒子と該導電性粒子の融点で硬化が完了しない樹脂成分とを含む金属フィラー含有樹脂を介して、端子同士を対向させて配置し、導電性粒子の融点よりも高く、かつ樹脂成分の硬化が完了しない温度に金属フィラー含有樹脂を加熱する加熱ステップを有する端子間の接続方法が開示されている。
【0005】
特許文献1に記載の方法によれば、導電性粒子の融点よりも高い温度に金属フィラー含有樹脂が加熱され、この温度にて硬化が完了しない樹脂成分内で導電性粒子が溶融することで、導電性粒子は樹脂成分内を自由に移動することが可能になり、結果、端子と金属フィラー含有樹脂との界面である端子表面に、溶融した導電性粒子が広がって「ぬれ」た状態となる。また、溶融した導電性粒子が樹脂成分内にて凝集して化学的に結合する。その結果、これらの溶融した導電性粒子が、対向する端子同士を電気的に接続するように配置される。その後、樹脂成分を硬化すれば、端子間を導通した状態で金属フィラー含有樹脂を介して対向する端子同士を接続することができる。
【特許文献1】特許第3769688号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のように、導電性粒子の融点よりも高く、かつ樹脂成分の硬化が完了しない温度に金属フィラー含有樹脂を加熱しても、良好な導通接続状態を実現するには必ずしも十分ではなかった。
【0007】
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、良好な導通接続状態を実現し、端子間の電気的接続性を向上させる端子間の接続方法、および半導体素子の実装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、鋭意検討した結果、導電性ペーストに用いられる導電性粒子の表面が、通常、酸化膜で被覆されている場合が多く、導電性粒子を溶融する際に酸化膜によって導電性粒子同士の融着が阻害されやすくなり、その結果、導通が低下しやすくなることを見出した。そして、導電性粒子の融点よりも高く、かつバインダーの硬化が完了しない温度に導電性ペーストを加熱する前に、導電性粒子の酸化膜を除去することで、導電性粒子同士が融着しやすくなり、導通の低下を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明の端子間の接続方法は、導電性粒子と、該導電性粒子の融点で硬化が完了しないバインダーと、還元剤とを含む導電性ペーストを介して、端子同士を対向させて配置させる端子配置工程と、50℃以上、前記導電性粒子の融点以下の温度領域、10〜300秒の処理時間、かつ−5〜5℃/秒の単位時間当たりの温度変化で前記導電性ペーストを加熱処理する第一の加熱処理工程と、該第一の加熱処理工程の後に、前記導電性粒子の融点よりも高く、かつ前記バインダーの硬化が完了しない温度で前記導電性ペーストを加熱処理する第二の加熱処理工程と、該第二の加熱処理工程の後に、前記バインダーを硬化させる硬化工程とを含むことを特徴とする。
ここで、前記還元剤が、カルボン酸および/または酸無水物であることが好ましい。
【0010】
また、本発明の半導体素子の実装方法は、導電性粒子と、該導電性粒子の融点で硬化が完了しないバインダーと、還元剤とを含む導電性ペーストを介して、半導体チップの電極パッドと、該電極パッドに対応するように設けられた配線基板上の回路電極とを対向させて配置させる電極配置工程と、50℃以上、前記導電性粒子の融点以下の温度領域、10〜300秒の処理時間、かつ−5〜5℃/秒の単位時間当たりの温度変化で前記導電性ペーストを加熱処理する第一の加熱処理工程と、該第一の加熱処理工程の後に、前記導電性粒子の融点よりも高く、かつ前記バインダーの硬化が完了しない温度で前記導電性ペーストを加熱処理する第二の加熱処理工程と、該第二の加熱処理工程の後に、前記バインダーを硬化させる硬化工程とを含むことを特徴とする。
ここで、前記還元剤が、カルボン酸および/または酸無水物であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の端子間の接続方法、および半導体素子の実装方法によれば、良好な導通接続状態を実現し、端子間の電気的接続性を向上できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について詳細に説明する。
[導電性ペースト]
本発明に用いる導電性ペーストは、導電性粒子と、該導電性粒子の融点で硬化が完了しないバインダーと、還元剤とを含む。
なお、本発明において「良好な導通接続状態」とは、当該導電性ペーストを複数の端子を有する基材上に供給して硬化させた後、隣接する端子間に導電性粒子が存在しない状態のことを意味する。
【0013】
導電性粒子としては、スズ(Sn)、ビスマス(Bi)、インジウム(In)、銀(Ag)、銅(Cu)、亜鉛、(Zn)、鉛(Pb)等の金属や、これら金属からなる合金等が挙げられる。合金の具体例としては、例えばSn−Ag−Cu合金、Sn−Ag−Cu−Bi−In合金、Sn−Cu合金、Sn−Ag合金、Sn−Ag−Cu−Bi合金、Sn−Ag−Cu−In合金、Sn−Ag−Cu−Sb合金、Sn−Ag−Bi−In合金、Sn−Bi合金、Sn−Bi−In合金、Sn−Zn−Bi合金、Sn−Zn合金、Sn−Mn合金、Sn−Bi−Ag合金などが挙げられる。これらの導電性粒子は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0014】
導電性粒子の融点は、50℃を超え、かつ後述するバインダーの硬化完了温度未満であることが好ましい。導電性粒子の融点が上記範囲内であれば、端子間の接続を円滑に行うことができる。
また、導電性粒子の形状は略球形のものであってもよく、フレーク状のものであってもよい。
さらに、導電性粒子は、レーザー回折散乱法などで測定される平均一次粒子径が1〜100μmであることが好ましい。平均一次粒子径が1μm以上であれば、導電性ペーストとした際に、導電性を維持できる。一方、平均一次粒子径が100μm以下であれば、微量の塗布も容易になり、作業性を維持できる。
【0015】
導電性粒子の含有量は、導電性ペースト100体積%中、10〜70体積%が好ましく、20〜60体積%がより好ましい。導電性粒子の含有量が10体積%以上であれば、導電性粒子の接続が良好であり、導電性ペーストとした際に、導電性を維持できる。一方、導電性粒子の含有量が70体積%以下であれば、接続強度を維持できると共に、必要以上に製造コストが上がるのを抑制できる。
【0016】
バインダーとしては、絶縁性を有し、かつ前記導電性粒子の融点で硬化が完了しない樹脂であれば特に制限されず、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、硬化剤で硬化させる樹脂等が好適に使用できる。具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、フラン樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、シリコーン樹脂などが挙げられる。中でもエポキシ樹脂、アクリル樹脂が好ましい。これらバインダーは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0017】
導電性ペーストにおける前記導電性粒子とバインダーとの体積比は、10:90〜80:20が好ましい。導電性粒子とバインダーとの体積比が上記範囲以内であれば、導電性粒子同士の融着接続性や、導電性粒子と電極(端子)との融着接続性がより向上し、対向する端子間の導電性や電気的接続性がより高まる。
【0018】
還元剤としては、カルボン酸、酸無水物、アミン、アミノ酸、アミンの有機酸塩やアミンのハロゲン塩等のアミン系化合物、無機酸、無機酸塩などが挙げられる。中でもカルボン酸、酸無水物が好ましい。これら還元剤はいずれも、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
カルボン酸としては、アジピン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、グルタル酸、オレイン酸、リンゴ酸、クエン酸などが挙げられる。中でも、アジピン酸が好ましい。
酸無水物としては、マイレン酸、フマール酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸、リノレイン酸などが挙げられる。また、市販品を用いてもよく、例えば新日本理化社製の脂環式酸無水物「リカシッドMH−700」が好適である。
【0019】
還元剤、特にカルボン酸は、特定の温度に加熱すると、酸によって前記導電性粒子の表面を被覆している酸化膜を効果的に除去することができ、導電性粒子同士の融着性を向上させることができる。例えばカルボン酸としてアジピン酸を用いた場合、50℃以上に加熱すると溶解性が増し、効果的に酸によって酸化膜を除去できる。
また、酸無水物の場合は、触媒(硬化剤)の存在下で、特定の温度に加熱すると酸が発生する。この発生した酸によって、導電性粒子の表面を被覆している酸化膜を除去でき、導電性粒子同士の融着性を向上させることができる。例えば酸無水物として新日本理化社製の「リカシッドMH−700」を用いた場合、90℃以上に加熱すると酸が発生しやすくなる。
なお、還元剤の酸または還元剤から発生する酸は、導電性ペースト中のバインダーと反応して、導電性ペーストとしての性能が低下する場合があるが、本発明においては問題にならない程度である。
【0020】
ところで、上述したように、酸によって導電性粒子の表面を被覆している酸化膜が除去される際に、導電性ペースト中に気泡が生じる場合がある。この気泡は、酸化膜が除去(分解)する際に発生する水によるものと推測される。気泡の発生は、端子間の接続を阻害する要因となるが、還元剤の含有量を調節することで、気泡の発生を抑制することができる。
還元剤の含有量は、前記導電性粒子100質量部に対して1〜50質量部が好ましく、5〜30質量部がより好ましい。還元剤の含有量が1質量部以上であれば、導電性粒子の表面を被覆している酸化膜を十分に除去できる。一方、還元剤の含有量が50質量部以下であれば、導電性粒子の表面を被覆している酸化膜を除去する際に、水の発生を抑制できるので、結果、導電性ペースト中に気泡が生じるのを軽減できる。
【0021】
本発明に用いる導電性ペーストは、例えば前記バインダーとして硬化剤で硬化させる樹脂を用いる場合等、必要に応じて、硬化剤を含有してもよい。
硬化剤としては、前記バインダー(特に硬化剤で硬化させる樹脂)を硬化させることが可能なものであればよく、例えばイミダゾール系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、フェノール系硬化剤などが挙げられる。これら硬化剤はいずれも、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0022】
また、導電性ペーストは、上述した各成分以外にも、他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えばチキソトロピック付与剤、キレート剤、防錆剤、分散剤、消泡剤などが挙げられる。さらに、必要に応じてエチレングリコール系、プロピレングリコール系、ターピネオールなどの溶剤を含有してもよい。
【0023】
導電性ペーストは、以上説明した導電性粒子、バインダー、還元剤と、必要に応じて硬化剤、他の成分、溶剤とをプラネタリーミキサーやロールミルなどで混練することにより得られる。
このようにして得られる導電性ペーストは、半導体チップやディスクリート部品などの電子部品に設けられた電極等の端子を外部端子に接続するのに好適である。
ここで、本発明の端子間の接続方法の一例について、具体的に説明する。
【0024】
[端子間の接続方法]
本発明の端子間の接続方法は、端子配置工程と、第一の加熱処理工程と、第二の加熱処理工程と、硬化工程とを含む。
<(A):端子配置工程>
端子配置工程(以下、「(A)工程」という。)は、上述した導電性ペーストを介して、端子同士を対向させて配置させる工程である。具体的には、図1(a)に示すように、回路電極である複数の端子11を有する第一の配線基板10上に、導電性ペースト20を供給する。そして、図1(b)に示すように、第一の配線基板10の端子11と、第二の配線基板30に備わる複数の端子31との位置合わせを行って、第一の配線基板10上に供給された導電性ペースト20上に、第二の配線基板30を配置する。導電性ペースト20の供給方法としては、第一の配線基板10上に塗布したり、オフセット印刷やスクリーン印刷などにより印刷したりする方法が挙げられる。
【0025】
なお、第一の配線基板10の端子11は、第二の配線基板30の端子31に対応するようにパターニングされている。また、第一の配線基板10の端子11および第二の配線基板30の端子31の表面は、導電性粒子との接触を良好にするために、洗浄、研磨、メッキ、表面活性化などの処理を施しておいてもよい。
また、上述した気泡の発生は、配線基板中に含まれる水分が要因となることもあるが、導電性ペーストを供給する前に、所定の条件(すなわち、加熱温度や加熱時間)にて基板を予備加熱処理することで、気泡の発生をより抑制できる。
【0026】
(A)工程では、第一の配線基板10の端子11と、第二の配線基板30の端子31との距離(以下、「端子間距離」という)は、第一の配線基板10上の導電性ペースト20と、第二の配線基板30の端子31とが接触している程度の距離であればよい。
端子間同士が導電性ペーストを介して対向した状態では、導電性粒子21が導電性ペースト20内にて一様に分散している。
【0027】
<(B):第一の加熱処理工程>
第一の加熱処理工程(以下、「(B)工程」という。)は、50℃以上、導電性粒子の融点以下の温度領域、10〜300秒の処理時間、かつ−5〜5℃/秒の単位時間当たりの温度変化で導電性ペーストを加熱処理する工程である。
(B)工程を行うことによって、導電性ペーストに含まれる還元剤が加熱されることで、還元剤の酸または還元剤から発生する酸によって導電性粒子の表面を被覆している酸化膜を除去することができる。従って、次の工程において、溶融した導電性粒子同士が十分に融着しやすくなるので、導通の低下を抑制できる。
【0028】
(B)工程で加熱処理する際の温度領域(処理温度)は50℃以上、導電性粒子の融点以下である。温度領域が50℃以上であれば、還元剤の酸または還元剤から発生する酸が十分に作用するので導電性粒子の表面を被覆している酸化膜が除去されやすくなる。また、(A)工程から(B)工程の直前までは(すなわち、導電性ペーストの加熱温度が50℃になるまでは)、昇温速度等を気にすることなく導電性ペースト加熱することができるので、半導体素子などの生産性を維持できる。
一方、温度領域が導電性粒子の融点以下であれば、導電性粒子が溶融を開始する前に酸化膜を除去できるので、次の工程において、導電性粒子同士が十分に融着しやすくなり、導通の低下を抑制できる。
【0029】
温度領域は、下限値は、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。一方、温度領域の上限値は、用いる導電性ペーストに含まれる導電性粒子の融点に依存するので一概には決められないが、例えば導電性粒子としてSn−Ag−Cu合金を用いる場合は、210℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。また、導電性粒子としてSn−Bi合金を用いる場合は、130℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましい。
【0030】
(B)工程で加熱処理する際の処理時間は、10〜300秒である。処理時間が10秒以上であれば、還元剤の酸または還元剤から発生する酸が十分に作用するので導電性粒子の表面を被覆している酸化膜が除去されやすくなる。
一方、処理時間が300秒以下であれば、十分に酸化膜を除去できると共に、導電性ペースト中のバインダーの硬化を抑制できる。
処理時間は、20〜250秒が好ましく、30〜200秒がより好ましい。
なお、処理時間は導電性ペーストに含まれる導電性粒子の種類に影響を受けることがあり、導電性粒子の種類によっては好ましい処理時間が異なる場合がある。例えば導電性粒子としてSn−Ag−Cu合金を用いる場合、特に好ましい処理時間は20〜200秒である。また、例えば導電性粒子としてSn−Bi合金を用いる場合、特に好ましい処理時間は30〜250秒である。
【0031】
(B)工程で加熱処理する際の単位時間当たりの温度変化は、−5〜5℃/秒である。単位時間当たりの温度変化が−5℃/秒以上であれば、還元剤の酸または還元剤から発生する酸が十分に作用するので導電性粒子の表面を被覆している酸化膜が除去されやすくなる。一方、単位時間当たりの温度変化が5℃/秒以下であれば、導電性粒子の表面を被覆している酸化膜を十分に除去できる。
単位時間当たりの温度変化は、−3〜3℃/秒が好ましく、−1〜1℃/秒がより好ましい。
【0032】
なお、(B)工程は、上述した温度領域および処理時間内において、−5〜5℃/秒の単位時間当たりの温度変化で導電性ペーストを加熱処理する。すなわち、導電性ペーストを加熱処理する際の開始の温度と、終了の温度が上述した温度領域の範囲内になるように、所定の処理時間と単位時間当たりの温度変化を設定して、導電性ペーストを加熱処理する。
【0033】
例えば導電性ペーストを降温させる場合、すなわち単位時間当たりの温度変化が−5℃/秒以上、0℃/秒未満の場合、加熱処理の終了の温度が50℃未満にならないように、加熱処理の開始の温度および処理時間を設定する。例えば−5℃/秒で10秒間導電性ペーストを降温させる場合、加熱処理の開始の温度は100℃以上、導電性粒子の融点以下の範囲内に設定する。
一方、導電性ペーストを昇温させる場合、すなわち単位時間当たりの温度変化が0℃/秒を超え、5℃/秒以下の場合、加熱処理の終了の温度が導電性粒子の融点を越えないように、加熱処理の開始の温度および処理時間を設定する。例えば5℃/秒で10秒間導電性ペーストを昇温させる場合、加熱処理の開始の温度は50℃以上、導電性粒子の融点−50℃以下の範囲内に設定する。
なお、単位時間当たりの温度変化が0℃/秒の場合は、一定の温度にて導電性ペーストを加熱処理するので開始の温度と終了の温度が同じであるため、上述した温度領域内であれば、加熱処理の開始の温度は特に制限されない。
【0034】
<(C):第二の加熱処理工程>
第二の加熱処理工程(以下、「(C)工程」という。)は、前記(B)工程の後に、導電性ペースト中の導電性粒子の融点よりも高く、かつバインダーの硬化が完了しない温度で前記導電性ペーストを加熱処理する工程である。この加熱処理によって、導電性ペースト中のバインダーは硬化が完了した状態にはならず、好ましくはバインダー内を導電性粒子が動きやすくなる粘度を有した状態になるのがよい。
【0035】
(C)工程において、処理温度が導電性粒子の融点以上に達すると、図1(c)に示すように、導電性粒子が溶融すると共に、互いに近傍に位置する導電性粒子同士がバインダー内を移動して溶融凝集し始め、凝集体22を形成する。
さらに、(C)工程では、第一の配線基板10の端子11と、第二の配線基板30の端子31の表面に、溶融した導電性粒子が広がった、いわゆる「ぬれ」の状態が得られるようになる。そして、これら端子11および31の表面の「ぬれ」た導電性粒子に、導電性ペースト中の他の導電性粒子が集まり、図1(d)に示すように、導電性粒子同士が融着する。その結果、対抗する端子間が、複数の導電性粒子が融着してなる導電物質23によって電気的に接続された状態となり、端子間に導通経路が形成される。このように、端子間に導電物質23が形成されることにより、金属接合と同等レベルの接続抵抗を得ることができる。
【0036】
処理温度が導電性粒子の融点よりも高く、かつバインダーの硬化が完了しない温度で、導電性ペーストを加熱処理することで、導電性粒子を十分に溶融させると共に、バインダーが硬化しないので、バインダー内を導電性粒子が移動して、凝集しやすくなる。
(C)工程は、上述した温度領域内であれば、一定の温度で導電性ペーストを加熱処理してもよい。また、一定の温度で導電性ペーストを加熱処理する場合、導電性粒子の融点の10〜30℃程度高い温度で加熱処理するのが好ましく、これにより、導電性粒子が十分に溶融され、端子間の良好な導通が得られる。
(C)工程での処理時間は30〜200秒が好ましい。
【0037】
また、(C)工程では、第二の配線基板が配線基板に近づくように圧接して、端子間の距離を縮めてもよい。これにより、端子表面の「ぬれ」た導電性粒子に、他の導電性粒子が凝集しやすくなり、端子間がより電気的に接続されるようになる。第二の配線基板を第一の配線基板に近づける際の端子間の距離については特に限定されないが、例えば導電性粒子の粒子径の数倍〜数10倍となるように圧接するのが好ましく、具体的には1〜500μmである。
【0038】
<(D):硬化工程>
硬化工程(以下、「(D)工程」という。)は、前記(C)工程の後に、導電性ペースト中のバインダーを硬化させる工程であり、具体的には端子間の導通経路が確保された後に、バインダーを完全に硬化させる。これにより、第一の配線基板と第二の配線基板とが固着すると共に、硬化樹脂内に導電物質が保持される。
バインダーを硬化させる条件は、用いるバインダーの種類や性質によって処理温度(硬化温度)や処理時間などの設定を適宜調整すればよい。例えばバインダーとして熱硬化性樹脂を用いた場合、バインダーの硬化温度まで加熱すればよい。
【0039】
第一の配線基板と第二の配線基板との間に供給された導電性ペースト中のバインダーが硬化することにより、端子間の導通状態を確保することができる。また、バインダーが硬化することによって、第一の配線基板と第二の配線基板とを十分な機械強度で固着することができる。
【0040】
なお、各工程の間は、導電性ペーストを徐々に加熱するのが好ましい。すなわち、例えば図2に示すように(B)工程の前(すなわち(A)工程から(B)工程に移る間)と、(B)工程から(C)工程に移る間と、(C)工程から(D)工程に移る間は、各工程における所定の温度になるまで、導電性ペーストを徐々に加熱する。その際、昇温速度については特に制限されない。
【0041】
ところで、例えば特許文献1に記載されているような従来の接続方法、すなわち図3に示すように、端子配置工程((A)工程)の後に第一の加熱処理((B)工程)を行わずに、導電性ペースト中の導電性粒子の融点よりも高く、かつバインダーの硬化が完了しない温度で前記導電性ペーストを加熱処理すると((C)工程)、導電性粒子の表面を被覆している酸化膜によって、導電性粒子同士の融着が阻害されやすくなり、その結果、導通が低下することがあった。
【0042】
しかし本発明であれば、図2に示すように、(C)工程の前に(B)工程を有するので、該(B)工程によって、導電性粒子の表面を被覆している酸化膜を除去でき、(C)工程にて、導電性粒子同士が十分に融着しやすくなる。従って、導通の低下を抑制し、端子間の電気的接続性を向上できる。
上述した本発明の端子間の接続方法は、半導体素子を実装する場合に特に好適である。
ここで、本発明の半導体素子の実装方法の一例について説明する。
【0043】
[半導体素子の実装方法]
本発明の半導体素子の実装方法は、前記端子間の接続方法を利用して、半導体チップの電極パッドと、該電極パッドに対応するように設けられた配線基板上の回路電極とを接続する方法である。
【0044】
(A)工程では、端子である回路電極(以下、「ランド」という。)を有する配線基板上に、導電性ペーストを供給し、ついで、配線基板のランドと、半導体チップ上に設けられた電極パッド(端子)との位置合わせを行って、配線基板上に供給された導電性ペースト上に、半導体チップを配置する。
導電性ペーストの供給方法は、端子間の接続方法の場合と同様である。
【0045】
(B)工程では、50℃以上、導電性粒子の融点以下の温度領域、10〜300秒の処理時間、かつ−5〜5℃/秒の単位時間当たりの温度変化で導電性ペーストを加熱処理する。これにより、導電性ペーストに含まれる還元剤が加熱されることで、還元剤の酸または還元剤から発生する酸によって導電性粒子の表面を被覆している酸化膜を除去することができる。従って、次の工程において、導電性粒子同士が十分に融着しやすくなるので、導通の低下を抑制できる。
【0046】
(C)工程では、前記(B)工程の後に、導電性ペースト中の導電性粒子の融点よりも高く、かつバインダーの硬化が完了しない温度で前記導電性ペーストを加熱処理する。この加熱処理によって、導電性粒子が溶融すると共に、互いに近傍に位置する導電性粒子同士がバインダー内を移動して溶融凝集し始める。さらに、(C)工程では、ランド表面および電極パッド表面に、溶融した導電性粒子が広がった、いわゆる「ぬれ」の状態が得られるようになる。そして、これらランドおよび電極パッドの表面の「ぬれ」た導電性粒子に、導電性ペースト中の他の導電性粒子が集まり、導電性粒子同士が融着する。その結果、ランドと電極パッドとの間(以下、「対抗電極間」という。)が、複数の導電性粒子が融着してなる導電物質によって電気的に接続された状態となり、対抗電極間に導通経路が形成される。このように、対抗電極間に導電物質が形成されることにより、金属接合と同等レベルの接続抵抗を得ることができる。
【0047】
(D)工程では、前記(C)工程の後に、導電性ペースト中のバインダーを硬化させる。これにより、配線基板と半導体チップとが固着すると共に、硬化樹脂内に導電物質が保持され、対抗電極間の導通状態を確保することができる。
【0048】
なお、本発明は、半導体チップ上の電極パッドと、配線基板上のランドとの接続に限定されるものではない。すなわち、ランドが形成されている側とは反対側の配線基板の表面における接着、光学部品等の電子部品と配線基板との接合など、種々の電気的接続に利用することができる。特に、融点の低い導電性粒子を含む導電性ペーストを用いれば、発光ダイオードや光受光素子などの耐熱性の低い電子部品にも適用できる。
【0049】
以上説明したように、本発明の端子間の接続方法は、半導体チップに設けられた電極パッド、光学部品、ディスクリート部品等の各種電子部品の電極、配線基板に設けられた電極など、種々の外部接続用の端子に用いることができる。
【実施例】
【0050】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
ここで、各実施例および比較例で用いた導電性ペーストを構成する成分、および導電性粒子の融点の測定方法について、以下に示す。
(1)導電性粒子(M705):96.5Sn−3Ag−0.5Cuの合金、千住金属工業社製、「M705」、融点220℃、平均一次粒子径40μm。
(2)導電性粒子(♯139):42Sn−58Biの合金、千住金属工業社製、「♯139」、融点139℃、平均一次粒子径40μm。
(3)バインダー:ビスフェノールF樹脂、ジャパンエポキシレジン社製、「jER807」。
(4)硬化剤:イミダゾール触媒、四国化成工業社製、「2PZ」、融点137〜147℃。
(5)還元剤(カルボン酸):アジピン酸、和光純薬工業社製、融点152℃。
(6)還元剤(酸無水物):脂環式酸無水物、新日本理科社製、「リカシッドMH−700」。
【0051】
導電性粒子の融点の測定は、示差走査熱量計(SIIナノテクノロジー社製、「DSC6220」を用い、昇温速度5℃/秒にて熱分析を行い、融点を測定した。
【0052】
[導電性ペーストの調製および評価]
<導電性ペーストA>
表1に示す配合量(質量部)の各成分をプラネタリーミキサーにて混練し、導電性ペーストAを調製した。
得られた導電性ペーストAを23℃にて放置し、初期の5倍の粘度になるのに要した時間を計測し、ライフ性の評価とした。結果を表1に示す。なお、導電性ペーストの粘度が初期の5倍になると、基板上への供給(ディスペンスや印刷など)が困難となる。
【0053】
<導電性ペーストB〜F>
各成分の配合量(質量部)を表1に示す値に変更した以外は、導電性ペーストAと同様にして導電性ペーストB〜Fを調製し、ライフ性の評価を行った。結果を表1に示す。
【0054】
【表1】

【0055】
表1から明らかなように、導電性ペーストA〜Dは、還元剤を含有しているので、還元剤を含まない導電性ペーストE、Fに比べてライフ性が劣っていた。これは、導電性ペーストを23℃で放置することで、還元剤がバインダーと反応することによるものと考えられる。
ただし、還元剤としてカルボン酸を用いた導電性ペーストA、Cでも1週間は23℃で放置可能であるため、実用上は問題ない範囲である。還元剤として酸無水物を用いた導電性ペーストB、Dは、3週間も放置可能であり、長期間の使用が可能であった。
【0056】
[実施例1]
導電性ペーストAを用い、以下のようにして導電性粒子の溶融凝集性について評価した。
<試験片の作製>
まず、図4(a)に示すように、直径φが0.5mmの銅ランド110をピッチpが1.0mmになるようにガラスエポキシ基板100上に形成した。なお、ピッチpとは隣接する銅ランド同士の中心間距離のことである。
ついで、図4(b)に示すように、ガラスエポキシ基板100上に、導電性ペースト200を印刷により供給し、さらに導電性ペースト200上にカバーガラス400を配置し、試験片とした((A)工程)。
ついで、110℃まで導電性ペーストを加熱し、その後、処理温度(加熱温度)110℃、処理時間10秒、単位時間当たりの温度変化0℃/秒にて導電性ペーストを加熱処理した((B)工程)。
ついで、240℃まで導電性ペーストを加熱し、その後、処理温度(加熱温度)240℃、処理時間100秒にて導電性ペーストを加熱処理した((C)工程)。
ついで、250℃まで導電性ペーストを加熱し、その後、処理温度(硬化温度)250℃、処理時間(硬化時間)300秒にて導電性ペーストを硬化した((D)工程)。
なお、(C)工程および(D)工程での処理温度は一定とした。また、導電性ペーストの加熱および硬化にはホットプレートを用いた。さらに、各工程間の昇温速度が10℃/秒になるように調整した。
【0057】
<バインダーの硬化性試験>
(C)工程の終了後における、バインダーの硬化の進行具合を確認した。確認方法は以下の通りである。
図4(a)に示すガラスエポキシ基板100上に、試験片の作製で使用した導電性ペーストを印刷により供給した。これを試験片の作製の(B)工程および(C)工程と同じ条件にて加熱処理した。基板上の導電性ペースト(バインダー)の硬化状態を以下の評価基準にて評価した。なお「○」の場合は(C)工程の終了後もバインダーの硬化が完了していないことを意味し、「×」の場合は(C)工程が終了するまでにバインダーの硬化がかなり進行したことを意味する。
○:導電性ペーストは液状であり、指で触ると導電性ペーストが付着した。
×:導電性ペーストは固体状であり、指で触っても導電性ペーストが付着しない。
【0058】
<評価>
硬化後の試験片を冷却した後、カバーガラス側からCCDカメラにより導電性ペーストの様子を観察し、以下の評価基準にて導電性粒子の溶融凝集性について評価した。結果を表2に示す。
○:隣接する銅ランド間に導電性粒子が確認できない。
×:隣接する銅ランド間に導電性粒子が確認できる。
【0059】
[実施例2〜10、比較例1〜17]
表2に示す導電性ペーストを用い、(B)工程における処理時間および(C)工程における処理温度(加熱温度)を表2に示す値に変更した以外は、実施例1と同様にして、バインダーの硬化性試験、および導電性粒子の溶融凝集性について評価した。結果を表2に示す。
【0060】
【表2】

【0061】
表2から明らかなように、導電性粒子の融点よりも高く、かつ前記バインダーの硬化が完了しない温度で導電性ペーストを加熱処理(第二の加熱処理工程;(C)工程)する前に、50℃以上、前記導電性粒子の融点以下の温度領域、10〜300秒の処理時間、かつ0℃/秒の単位時間当たりの温度変化で導電性ペーストを加熱処理(第一の加熱処理工程;(B)工程)した実施例1〜10では、導電性粒子の融点に達する前に導電性粒子の表面を被覆している酸化膜を除去することができたので、第二の加熱処理工程にて導電性粒子が十分に溶融、凝集して、導電性粒子同士が融着した。これは、第一の加熱処理工程にて還元剤が加熱されることで、酸によって酸化膜が除去されたことによるものと推測できる。なお、各実施例においては、(C)工程の終了後もバインダーの硬化は完了していなかった。
従って、実施例では良好な導通接続状態を実現できた。
【0062】
一方、(C)工程の前に(B)工程を行わなかった比較例1、3、5、7は、導電性粒子の溶融凝集性が実施例に比べて劣っていた。これは、(B)工程を行わなかったため、導電性粒子の表面を被覆している酸化膜が除去されにくく、その結果、導電性粒子同士の融着が妨げられたものと考えられる。
また、(B)工程での処理時間が400秒と長かった比較例2、4、6、8は、導電性粒子の溶融凝集性が実施例に比べて劣っていた。さらに、(C)工程が終了するまでにバインダーの硬化がかなり進行していた。これは、(B)工程を行ったことで、酸化膜を除去することはできたものの、処理時間が長すぎたため、バインダーの硬化反応が(B)工程から徐々に進行し、(C)工程が終了するまでにかなり進行したことにより、溶融した導電性粒子がバインダー内を移動しにくくなり、その結果、導電性粒子同士の融着が妨げられたものと考えられる。
【0063】
さらに、還元剤を含有しない導電性ペーストを用いた比較例9〜17では、第二の加熱処理工程の前に第一の加熱処理工程を行っても(特に比較例10、11、14〜16)、導電性粒子の凝集性が実施例に比べて劣っていた。これは、還元剤を含有しない導電性ペーストを用いたため、酸によって酸化膜が除去されなかったため、導電性粒子同士の融着性が低下したことによるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の端子間の接合方法の一例を説明する説明図である。
【図2】本発明の端子間の接合方法の各工程における処理時間と導電性ペーストの処理温度の関係を示すグラフである。
【図3】従来の端子間の接合方法の各工程における処理時間と導電性ペーストの処理温度の関係を示すグラフである。
【図4】(a)は実施例および比較例で作製した基板の一例を示す上面図であり、(b)は(A)工程を説明する断面図である。
【符号の説明】
【0065】
10:第一の配線基板、11:端子、20:導電性ペースト、21:導電性粒子、22:凝集体、23:導電物質、30:第二の配線基板、31:端子、100:ガラスエポキシ基板、110:銅ランド、200:導電性ペースト、400:カバーガラス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性粒子と、該導電性粒子の融点で硬化が完了しないバインダーと、還元剤とを含む導電性ペーストを介して、端子同士を対向させて配置させる端子配置工程と、
50℃以上、前記導電性粒子の融点以下の温度領域、10〜300秒の処理時間、かつ−5〜5℃/秒の単位時間当たりの温度変化で前記導電性ペーストを加熱処理する第一の加熱処理工程と、
該第一の加熱処理工程の後に、前記導電性粒子の融点よりも高く、かつ前記バインダーの硬化が完了しない温度で前記導電性ペーストを加熱処理する第二の加熱処理工程と、
該第二の加熱処理工程の後に、前記バインダーを硬化させる硬化工程とを含むことを特徴とする端子間の接続方法。
【請求項2】
前記還元剤が、カルボン酸および/または酸無水物であることを特徴とする請求項1に記載の端子間の接続方法。
【請求項3】
導電性粒子と、該導電性粒子の融点で硬化が完了しないバインダーと、還元剤とを含む導電性ペーストを介して、半導体チップの電極パッドと、該電極パッドに対応するように設けられた配線基板上の回路電極とを対向させて配置させる電極配置工程と、
50℃以上、前記導電性粒子の融点以下の温度領域、10〜300秒の処理時間、かつ−5〜5℃/秒の単位時間当たりの温度変化で前記導電性ペーストを加熱処理する第一の加熱処理工程と、
該第一の加熱処理工程の後に、前記導電性粒子の融点よりも高く、かつ前記バインダーの硬化が完了しない温度で前記導電性ペーストを加熱処理する第二の加熱処理工程と、
該第二の加熱処理工程の後に、前記バインダーを硬化させる硬化工程とを含むことを特徴とする半導体素子の実装方法。
【請求項4】
前記還元剤が、カルボン酸および/または酸無水物であることを特徴とする請求項3に記載の半導体素子の実装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−188063(P2009−188063A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−24448(P2008−24448)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000224123)藤倉化成株式会社 (124)
【Fターム(参考)】