説明

端末情報管理方法

【課題】 携帯電話等の端末のアドレス帳に登録された電話番号又はメールアドレスが変更により使用不可となった場合に、新しい電話番号又はメールアドレスを通知する端末情報管理方法を、提供する。
【解決手段】 第1の端末1aの電話番号が更新された場合に、この第1の端末1aの更新前の電話番号又はメールアドレスをアドレス帳に登録していた第2の端末1bが、通信のためにサーバ装置2bと接続すると、第1の端末1aのユーザの許可を得たうえで、この第1の端末1aの新しい電話番号又はメールアドレスが、第2の端末1bに通知される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話機等の各種端末の電話番号やメールアドレスを管理する端末情報管理方法に、関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話機が普及してきており、その市場には、新しい機能が追加された新型機種が、続々と投入されている。このため、ユーザは、携帯電話機の耐用期間よりもはるかに短い期間で新型機種を購入し、旧型機種を新型機種に切り換えることが、一般的である。この新型機種への切り換えの際に、契約相手の通信会社が変わらなければ、ユーザは、それまで使用していた電話番号およびメールアドレスを、引き続き使用することができる。即ち、それまで使用されていた旧型機種の電話番号およびメールアドレスが、新型機種の電話番号として登録される。
【0003】しかし、新型機種への切り換えの際に、契約相手の通信会社が変わる場合には、旧型機種の電話番号およびメールアドレスを新型機種に引き継ぐことができない。即ち、機種の切り換えに伴い、新型機種には、旧型機種とは異なる電話番号およびメールアドレスが付与されることになる。
【0004】なお、ユーザは、電話をかける頻度の高い相手先の電話番号やメールアドレスを、携帯電話機の記憶部内に設けられた電子的なアドレス帳に、登録していることが多い。そして、機種の切り換えの際に、このアドレス帳に登録されている相手先に対して、電話番号およびメールアドレスの変更を自動通知するサービスが、提案されている。この通知を受けた人は、当該ユーザの電話番号およびメールアドレスが変更されたことを、知ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の電話番号の変更の通知を受けていない人は、当該ユーザの電話番号が変更されたことを、知ることができない。即ち、機種変更をしようとしているユーザのアドレス帳に登録された相手先以外の人に対しては、変更の通知がなされないので、これらの人は、当該ユーザの電話番号およびメールアドレスの変更を知ることができない。また、全ての人に電話番号およびメールアドレスの変更を通知してしまうと、いたずら電話や迷惑メールの被害にあうため、全ての人には電話番号およびメールアドレスの変更を知られたくない。
【0006】そこで、携帯電話等の端末のアドレス帳に登録されている相手先以外の人に対しても、自端末を特定する情報である電話番号やメールアドレス等の変更を許可した相手にだけ通知可能とする端末情報管理方法を提供することを、本発明の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による端末情報管理方法は、上記課題を解決するために、以下のような構成を採用した。
【0008】即ち、この端末情報管理方法は、自他を識別する端末特定情報が夫々付与された複数の端末と接続可能であるとともに少なくとも一対の前記端末同士を通信させることが可能なサーバコンピュータに、以下の複数の手順を実行させることを特徴としている。
【0009】これらの手順は、前記端末のユーザが、その端末特定情報を更新した場合に、更新前の端末特定情報と更新後の端末特定情報とを関連づけた更新テーブルを取得する更新内容取得手順と、前記各端末に個別に格納されるとともに他の端末の端末特定情報を登録したアドレス帳テーブルを、取得するアドレス帳取得手順と、前記アドレス帳取得手順で取得されたアドレス帳テーブルに登録された他の端末の端末特定情報が、前記更新内容取得手順で取得された更新テーブルに更新前の端末特定情報として登録されていた場合に、当該更新前の端末特定情報と関連づけられた更新後の端末特定情報を、前記アドレス帳テーブルを格納した端末へ通知する通知手順とから、少なくとも構成されている。
【0010】このように構成されると、ある端末のユーザが、端末特定情報を更新した場合に、この端末特定情報をアドレス帳テーブルに登録した端末に対して、更新後の端末特定情報が通知される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1は、本実施形態の全体構成を示す模式図である。携帯電話機等の端末1a,1bは、夫々、そのユーザが契約している通信会社のサーバ装置2a,2bと無線で接続されることにより、他の電話機(固定電話機,携帯電話機等の端末)と通信可能になる。なお、両サーバ装置2a,2bは、通信回線を介して互いに接続されている。
【0012】具体的には、第1の端末1aが、第1の通信会社が運営している第1のサーバ装置2aと接続され、第2の端末1bが、第2の通信会社が運営している第2のサーバ装置2bと接続された状態で、両サーバ装置2a,2b同士が通信することにより、両端末1a,1bは、互いに通話可能となる。
【0013】<端末>図2は、端末1aの構成を模式的に示すブロック図である。なお、第2の端末1bは、この第1の端末1aと同様に構成されている。この図2に示されるように、端末1aは、表示部11,入力部12,マイク13,スピーカ14,及び制御部15を、備えている。表示部11は、液晶ディスプレイを備えており、その画面に文字やイメージを表示する。入力部12は、テンキー及び操作キーを備えており、ユーザからの入力操作を受け入れる。マイク13及びスピーカ14は、ユーザの送受話に用いられる。これら表示部11,入力部12,マイク13,及びスピーカ14は、夫々、制御部15に接続されている。
【0014】制御部15は、送受信回路16及びメモリ17を備えている。送受信回路16は、無線によるデータの送受信を実行する回路である。メモリ17には、アドレス帳テーブル18が記憶されている。
【0015】図3は、アドレス帳テーブル18を示す模式図である。ユーザは、自分の端末1a(,1b)に、複数の相手先の氏名,電話番号,及びメールアドレスを、登録しておくことができる。具体的には、1人分のデータが、アドレス帳テーブル18の1レコードとして、登録される。この登録後、ユーザは、登録した相手先と通信する場合に、アドレス帳テーブル18における所望のレコードを選択するだけで、当該相手先の電話番号やメールアドレスを指定することができる。
【0016】このアドレス帳テーブル18は、「氏名」,「電話番号」及び「メールアドレス」のフィールドの他に、「通知許可設定」のフィールドを有している。この「通知許可」のフィールドには、ユーザの電話番号やメールアドレスが変更された場合に、当該変更内容を「氏名」のフィールドに対応する相手先に通知してよいかどうかを示す情報が、格納されている。なお、この通知は、後述する自動更新サービスにより実行される。
【0017】さらに、端末1aのメモリ17における図示せぬ領域には、自身の電話番号及びメールアドレスが、格納されている。そして、端末1aは、自身の電話番号又はメールアドレスと、所望の端末1bの電話番号又はメールアドレスとを、サーバ装置1aへ送信することにより、このサーバ装置1aを介して、端末1bと通信することができる。
【0018】<サーバ装置>図4は、サーバ装置2aの構成を模式的に示すブロック図である。このサーバ装置(サーバコンピュータ)2aは、制御部21,送受信回路22,及び記憶部23を、備えている。制御部21は、送受信回路22及び記憶部23と、夫々接続されている。送受信回路22は、端末1aのサービスエリア内に複数分散設置されている地上局を含み、該地上局を介して端末1aとデータの送受信を実行する。記憶部23は、例えば、ハードディスクから構成されている。この記憶部23には、ユーザテーブル24,更新テーブル25,及び履歴テーブル26が、格納されている。
【0019】なお、第2のサーバ装置2bは、第1のサーバ装置2aと同様に構成されている。さらに、両サーバ装置2a,2bの記憶部23に夫々格納された更新テーブル25は、互いに同一である。そして、両サーバ装置2a,2bの一方の更新テーブル25が更新された場合には、これら両サーバ装置2a,2b同士が通信することにより、他方の更新テーブル25も、同様に更新される。但し、両サーバ装置2a,2bの記憶部23には、いずれも、個別のユーザテーブル24及び履歴テーブル26が、格納されている。
【0020】図5は、ユーザテーブル24を示す模式図である。このユーザテーブル25は、サーバ装置2aを運営する通信会社と契約しているユーザ毎に設けられた複数のレコードを、有している。そして、このユーザテーブル24は、「氏名」,「電話番号」,「メールアドレス」及び「課金情報」のフィールドを、備えている。
【0021】図6は、更新テーブル25を示す模式図である。この更新テーブル25は、複数のレコードを有している。これら各レコードには、いずれも、ユーザの電話番号やメールアドレスが変更された場合における当該変更内容が、記録されている。これら電話番号及びメールアドレスは、端末特定情報と総称される。例えば、ユーザが、新型の端末1aを購入したことにより、新しい電話番号やメールアドレスを取得すると、端末特定情報の変更内容が、1つのレコードとして更新テーブル25に追加される。
【0022】この更新テーブル25は、「氏名」,「新電話番号」,「旧電話番号」,「新メールアドレス」,「旧メールアドレス」,「登録日時」及び「更新期限」のフィールドを、備えている。
【0023】「氏名」のフィールドには、電話番号又はメールアドレスに変更のあったユーザの氏名が格納されている。そして、このユーザの「新電話番号」,「旧電話番号」,「新メールアドレス」及び「旧メールアドレス」が、夫々該当するフィールドに格納されている。「登録日時」のフィールドには、当該レコードが作成された日時が格納されている。「更新期限」のフィールドには、後述する自動更新サービスの提供期間満了の日時が、格納されている。
【0024】図7は、履歴テーブル26を示す模式図である。この履歴テーブル26は、「通信先電話番号」,「通信先メールアドレス」,「通信元電話番号」,「通信元メールアドレス」及び「アクセス日時」のフィールドを、備えている。「通信先電話番号」及び「通信先メールアドレス」のフィールドには、夫々、後述する自動更新サービスの提供を受けるユーザの電話番号及びメールアドレスが、格納されている。「通信元電話番号」及び「通信元メールアドレス」のフィールドには、夫々、対応する「通信先電話番号」及び「通信先メールアドレス」の各フィールドに夫々電話番号及びメールアドレスが格納されているユーザの情報を自身の端末1a,1bのアドレス帳テーブル18に通信先として登録している人(通信元)の電話番号及びメールアドレスが、格納されている。「アクセス日時」のフィールドには、通信元からの発呼によって任意の相手との通信がなされた日時が、格納されている。なお、この履歴テーブル26のレコードは、後述する図9の108の処理において、通信先及び通信元の組に対応させて、作成される。
【0025】<自動更新サービス>ユーザは、自身の端末1a,1bの電話番号又はメールアドレスが更新された場合に、通信会社のサーバ装置2a,2bに当該更新内容を登録することにより、有償で、自動更新サービスを利用することができる。この自動更新サービスは、あるユーザの端末1aの電話番号又はメールアドレスが更新された場合に、このユーザの更新前の電話番号又はメールアドレスがそのアドレス帳テーブル18に登録されている別のユーザの端末1bに、当該更新内容を通知するサービスである。
【0026】なお、以下の説明は、あるユーザが、新しい端末1aを購入したため、それまで契約していた通信会社との契約を終了し、第1の通信会社と契約することになった場合の例を用いて、行われる。この契約関係の変更により、ユーザの電話番号及びメールアドレスが、更新されるものとする。
【0027】図8は、更新内容の登録処理を示すフローチャートである。ユーザが、電話番号又はメールアドレスの更新内容を登録して自動更新サービスを申し込むために端末1aをサーバ装置2aに接続させて所定のコマンドを送信すると、このサーバ装置2aは、図8のフローチャートの処理を開始する。なお、端末1aは、サーバ装置2aと接続されたときに、自身の電話番号をサーバ装置2aに通知する。即ち、サーバ装置2aは、接続している端末1aの電話番号を知ることができる。
【0028】開始後最初のS001では、サーバ装置2aは、ユーザテーブル24を参照し、接続された端末1aの電話番号を含んだレコードを、特定する。
【0029】次のS002では、サーバ装置2aは、更新前の端末特定情報を取得する。具体的には、サーバ装置2aは、端末1aの表示部11に、更新前の「旧電話番号」,及び「旧メールアドレス」をユーザに入力させるためのガイダンスを、表示させる。すると、ユーザは、このガイダンスに従って、端末1aの入力部12を操作することにより、「旧電話番号」,及び「旧メールアドレス」を入力して、サーバ装置2aに通知する。なお、ガイダンスは、スピーカ14を通じた音声ガイダンスであってもよい。
【0030】次のS003では、サーバ装置2aは、更新テーブル25に新規のレコードを登録する。具体的には、サーバ装置2aは、ユーザテーブル24におけるS001で特定したレコードの「氏名」,「電話番号」及び「メールアドレス」の各フィールドの内容を、更新テーブル25の新規レコードにおける「氏名」,「新電話番号」,「新メールアドレス」の各フィールドに夫々格納する。さらに、サーバ装置2aは、S002で取得した「旧電話番号」,及び「旧メールアドレス」を、更新テーブル25の新規レコードにおける「旧電話番号」,及び「旧メールアドレス」の各フィールドに夫々格納する。なお、更新テーブル25の新規レコードにおける「登録日時」には、当該新規レコードが登録された時点の日時が格納される。また、更新テーブル25の新規レコードにおける「更新期限」には、「登録日時」から所定のサービス提供期間が経過した後の日時が格納される。
【0031】次のS004では、サーバ装置2aは、その旧電話番号に対応した通信会社が運営する他のサーバ装置2bに、更新テーブル25の新規レコードを通知する。すると、サーバ装置2bは、自身の更新テーブル25に当該新規レコードを追加する。このため、各サーバ装置2a,2bの更新テーブル25は、常に同一に保たれる。
【0032】次のS005では、サーバ装置2aは、ユーザテーブル24におけるS001で特定したレコードの「課金情報」に、自動更新サービスの費用を登録し、処理を終了する。ユーザは、この費用を支払うことにより、更新テーブル25における「登録日時」から「更新期限」までの間、自動更新サービスの提供を受けることができる。
【0033】なお、各サーバ装置2a,2bは、夫々、更新テーブル25の各レコードのうち、「更新期限」が過ぎたものを削除する処理を、定期的に実行している。このため、更新テーブル25には、「更新期限」が過ぎていないレコードのみが、含まれている。
【0034】上記の図8のフローチャートの処理により、更新テーブル25に、端末1aのユーザのレコードが登録されると、その「更新期限」が過ぎるまで、当該端末1aに対して、自動更新サービスが提供される。具体的には、更新テーブル25に第1の端末1aのレコードが登録された後、第2の端末1bがサーバ装置2bにアクセスしたときに、サーバ装置2bは、図9のフローチャートの処理を開始することにより、自動更新サービスを提供する。なお、サーバ装置2bは、端末1bが通話(通信)のためにアクセスしてきた場合に、当該端末1bが要求する通話(呼)を成立させながら、この通話の処理と並行して、図9のフローチャートの処理を実行する。
【0035】この図9のフローチャートの開始後最初のS101では、サーバ装置2bは、接続された端末1bから、アドレス帳テーブル18を取得する。
【0036】次のS102では、サーバ装置2bは、S101で取得した端末1bのアドレス帳テーブル18と更新テーブル25とを比較する。具体的には、サーバ装置2bは、端末1bのアドレス帳テーブル18の各レコードのうちに、更新テーブル25のいずれかのレコードに含まれる「旧電話番号」又は「旧メールアドレス」と一致する「電話番号」又は「メールアドレス」を含んだレコードがあれば、当該レコードを処理候補として抽出するとともに、抽出した処理候補のレコードのうちの1つを、処理対象として指定する。
【0037】次のS103では、サーバ装置2bは、S102の処理によって端末1bのアドレス帳テーブル18内に該当するレコードが見つかったか否かをチェックする。そして、該当するレコードが見つかった場合に、処理をS104へ進め、それ以外の場合には、処理を終了する。
【0038】S104では、サーバ装置2bは、履歴テーブル26を参照し、その「通信先電話番号」又は「通信先メールアドレス」の各フィールドの内容が処理対象レコードにおける「電話番号」又は「メールアドレス」の各フィールドの内容と一致しているとともに、「通信元電話番号」又は「通信元メールアドレス」の各フィールドの内容が端末1bの電話番号又はメールアドレスと一致したレコードが存在しているか否かをチェックする。そして、該当するレコードが存在している場合に、履歴ありと判別して処理を終了し、それ以外の場合には、処理をS105へ進める。
【0039】S105では、サーバ装置2bは、サーバ装置2aを介して、処理対象レコードにおける「電話番号」が付与された端末1aと通信し、この端末1aに対して、当該端末1aの電話番号又はメールアドレスの更新内容を端末1bに通知してよいかどうかを、問い合わせる。すると、端末1aは、図10を参照して後述する処理を実行することにより、通知の可否を、サーバ装置2bへ回答する。
【0040】次のS106では、サーバ装置2bは、S105にて端末1aから通知可の回答を取得している場合には、処理をS107へ進め、それ以外の場合には、処理をS108へ進める。
【0041】S107では、サーバ装置2bは、端末1bのアドレス帳テーブルを更新する。具体的には、サーバ装置2bは、端末1bと通信して該端末1bに予め格納されたデータ更新プログラムを起動させることにより、この端末1bのアドレス帳テーブル18における処理対象レコードの「電話番号」及び「メールアドレス」の各フィールドに、更新テーブル25の「新電話番号」及び「新メールアドレス」の各フィールドの内容を上書きさせる。
【0042】S108では、サーバ装置2bは、履歴テーブル26に新規のレコードを追加する。具体的には、サーバ装置2bは、「通信先電話番号」及び「通信先メールアドレス」の各フィールドに処理対象レコードにおける電話番号及びメールアドレスが格納されているとともに「通信元電話番号」及び「通信元メールアドレス」の各フィールドに端末1bの電話番号及びメールアドレスが格納されているレコードを作成して、履歴テーブル26に登録する。なお、この新規のレコードにおける「アクセス日時」には、当該新規レコードが作成された時点の日時が格納される。この履歴テーブル26への登録がなされると、処理対象レコードは処理済となる。
【0043】次のS109では、サーバ装置2bは、S102で抽出した処理候補レコードに、処理済でないものがあるか否かをチェックする。そして、処理済でない処理候補レコードが残っている場合には、処理をS110へ進める。
【0044】S110では、サーバ装置2bは、S102で抽出した処理候補レコードのうちの処理済でないものの1つを、処理対象レコードとして指定し直した後、処理をS104に戻す。
【0045】これに対して、上述したS104乃至S110の処理ループを繰り返した結果として、全ての処理候補レコードが処理済となったとS109にて判断した場合には、サーバ装置2bは、処理をS111へ進める。
【0046】S111では、サーバ装置2bは、端末1bの表示部11に、処理結果を表示させる。具体的には、S107でアドレス帳テーブルが更新されていれば、その更新内容を表示させる。更新内容の表示後、処理は終了する。なお、この図9の処理の終了後も、サーバ装置2bは端末1bとの接続を維持する。その後、端末1bのユーザが、所望の通話を終了した時点で、端末1bとサーバ装置2bとの接続が終了する。通話の終了後、ユーザは、端末1bの表示部11を見て、処理結果を知ることができる。
【0047】図10は、端末1aによる通知の可否の判定処理を示すフローチャートである。上記図9のS105にて、サーバ装置2bが、第1の端末1aに対して、当該端末1aの電話番号又はメールアドレスの更新内容を第2の端末1b(通知相手)に通知してよいかどうか問い合わせると、第1の端末1aは、予めインストールされたプログラムを起動して、図10のフローチャートを開始する。
【0048】開始後最初のS201では、端末1aは、サーバ装置2bから、通知相手の端末1bの電話番号,メールアドレス,及びそのユーザの氏名を取得する。
【0049】次のS202では、端末1aは、自身のアドレス帳テーブル18を参照し、このアドレス帳テーブル18に、S201で取得した通知相手の電話番号又はメールアドレスが登録されているかどうかを、判別する。そして、端末1aは、登録されている場合には処理をS203へ進め、登録されていない場合には処理をS206へ進める。
【0050】S203では、端末1aは、自身のアドレス帳テーブル18のレコードのうち、S201で取得した通知相手の電話番号又はメールアドレスを含むものを特定し、特定したレコードの「通知許可設定」フィールドの内容が“OK”である場合に、通知が許可されていると判別して処理をS204へ進め、“NG”である場合に、通知が拒否されていると判別して処理をS205へ進める。
【0051】S204では、端末1aは、自身の新電話番号及び新メールアドレスを、端末1bに通知することを許可する旨を、サーバ装置2aを介してサーバ装置2bに通知した後、処理を終了する。
【0052】S205では、端末1aは、自身の新電話番号及び新メールアドレスを、端末1bに通知することを拒否する旨を、サーバ装置2aを介してサーバ装置2bに通知した後、処理を終了する。
【0053】S206では、端末1aは、S201で取得した通知相手の端末1bのユーザの氏名を、表示部11に表示する。ユーザは、この表示を見て、当該通知相手の端末1bに対して、自身の新電話番号及び新メールアドレスを通知することの可否を判断し、その判断結果を入力部12に入力する。
【0054】次のS207では、端末1aは、S206にて通知を許可する旨が入力された場合に、処理をS208へ進め、それ以外の場合には処理をS209へ進める。
【0055】S208では、端末1aは、自身の新電話番号及び新メールアドレスを、端末1bに通知することを許可する旨を、サーバ装置2aを介してサーバ装置2bに通知した後、処理を終了する。
【0056】S209では、端末1aは、自身の新電話番号及び新メールアドレスを、端末1bに通知することを拒否する旨を、サーバ装置2aを介してサーバ装置2bに通知した後、処理を終了する。
【0057】上述のように、この自動更新サービスは、ある端末1aの旧電話番号又は旧メールアドレスをアドレス帳テーブル18に登録している端末1bがサーバ装置2bにアクセスしてきたときに、この端末1bに対して、端末1aの新電話番号又は新メールアドレスを自動的又は略自動的に通知することができる。従って、電話番号又はメールアドレスの変更に伴うユーザの手間が軽減される。このため、ユーザは、新型機種購入の際に、電話番号又はメールアドレス変更を厭わずに、通信会社を自由に選択することができる。但し、この自動更新サービスは、ユーザが許可した相手に対してのみ新電話番号又は新メールアドレスを通知するので、ストーカーやスパムメールによる被害を防止することができる。
【0058】(付記1) 自他を識別する端末特定情報が夫々付与された複数の端末と通信可能なサーバコンピュータに実行させる端末情報管理方法であって、前記端末のユーザがその端末特定情報を更新した場合に、更新前の端末特定情報と更新後の端末特定情報とを関連づけた更新テーブルを取得する更新内容取得手順と、前記各端末に格納されている他の端末の端末特定情報を登録したアドレス帳テーブルを取得するアドレス帳取得手順と、前記アドレス帳取得手順で取得されたアドレス帳テーブルに登録された他の端末の端末特定情報が、前記更新内容取得手順において取得された更新テーブルに更新前の端末特定情報として登録されていた場合に、当該更新前の端末特定情報と関連づけられた更新後の端末特定情報を、前記アドレス帳テーブルを格納した端末へ通知する通知手順とを含むことを特徴とする端末情報管理方法。
【0059】(付記2) 前記アドレス帳取得手順において取得されたアドレス帳テーブルに登録された他の端末の端末特定情報が、前記更新内容取得手順で取得された更新テーブルに更新前の端末特定情報として登録されていた場合に、当該更新前の端末特定情報と関連づけられた更新後の端末特定情報を、前記アドレス帳テーブルを格納した端末へ通知することの可否を判定する可否判定手順を、さらに含み、前記通知手順は、前記可否判定手順において通知可と判定された場合にのみ実行されることを特徴とする付記1記載の端末情報管理方法。
【0060】(付記3) 前記可否判定手順は、前記更新前の端末特定情報に該当するユーザの端末に対して、通知の可否を問い合わせることにより、通知の可否を判定することを特徴とする付記2記載の端末情報管理方法。
【0061】(付記4) 前記可否判定手順は、更新テーブルを登録したユーザが登録しておいた通知の許可を示す通知許可情報が存在する場合に、通知可と判定することを特徴とする付記2記載の端末情報管理方法。
【0062】(付記5) 前記アドレス帳テーブルを格納した端末及びこのアドレス帳テーブルに登録された他の端末に関する前記通知手順もしくは前記可否判定手順の実行履歴を記録する履歴記録手順を、さらに備え、前記通知手順および前記可否判定手順は、アドレス帳テーブルを格納した端末及びこのアドレス帳テーブルに登録された他の端末に関する前記実行履歴が存在しない場合にのみ、実行されることを特徴とする付記2乃至4のいずれかに記載の端末情報管理方法。
【0063】(付記6) 前記アドレス帳取得手順は、前記端末が前記サーバコンピュータにアクセスしたときに、実行されることを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の端末情報管理方法。
【0064】(付記7) 自他を識別する端末特定情報が夫々付与された複数の端末と通信可能なサーバコンピュータに実行させる端末情報管理プログラムであって、前記端末のユーザがその端末特定情報を更新した場合に、更新前の端末特定情報と更新後の端末特定情報とを関連づけた更新テーブルを取得する更新内容取得手順と、前記各端末に格納されている他の端末の端末特定情報を登録したアドレス帳テーブルを取得するアドレス帳取得手順と、前記アドレス帳取得手順で取得されたアドレス帳テーブルに登録された他の端末の端末特定情報が、前記更新内容取得手順において取得された更新テーブルに更新前の端末特定情報として登録されていた場合に、当該更新前の端末特定情報と関連づけられた更新後の端末特定情報を、前記アドレス帳テーブルを格納した端末へ通知する通知手順とを前記サーバコンピュータに実行させることを特徴とする端末情報管理プログラム。
【0065】(付記8) 自他を識別する端末特定情報が夫々付与された複数の端末と通信可能なサーバコンピュータにおいて、前記端末のユーザがその端末特定情報を更新した場合に、更新前の端末特定情報と更新後の端末特定情報とを関連づけた更新テーブルを取得する更新内容取得手順と、前記各端末に格納されている他の端末の端末特定情報を登録したアドレス帳テーブルを取得するアドレス帳取得手順と、前記アドレス帳取得手順で取得されたアドレス帳テーブルに登録された他の端末の端末特定情報が、前記更新内容取得手順において取得された更新テーブルに更新前の端末特定情報として登録されていた場合に、当該更新前の端末特定情報と関連づけられた更新後の端末特定情報を、前記アドレス帳テーブルを格納した端末へ通知する通知手順とを、前記サーバコンピュータに実行させるプログラムを備えたことを特徴とする端末情報管理装置。
【0066】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の端末情報管理方法によると、端末のアドレス帳テーブルに登録された他の端末の端末特定情報が、当該端末特定情報の変更に伴って使用不可となった場合に、前記アドレス帳テーブルを格納した端末に対して、新しい端末特定情報が通知される。従って、端末特定情報が変更された場合のユーザの手間が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の全体構成を示す模式図
【図2】 端末の構成を模式的に示すブロック図
【図3】 アドレス帳テーブルを示す模式図
【図4】 サーバ装置の構成を模式的に示すブロック図
【図5】 ユーザテーブルを示す模式図
【図6】 更新テーブルを示す模式図
【図7】 履歴テーブルを示す模式図
【図8】 更新内容の登録処理を示すフローチャート
【図9】 自動更新サービスを提供する処理を示すフローチャート
【図10】 通知の可否の判定処理を示すフローチャート
【符号の説明】
1a,1b 端末
11 表示部
12 入力部
15 制御部
17 メモリ
18 アドレス帳テーブル
2a,2b サーバ装置
21 制御部
23 記憶部
24 ユーザテーブル
25 更新テーブル
26 履歴テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】自他を識別する端末特定情報が夫々付与された複数の端末と通信可能なサーバコンピュータに実行させる端末情報管理方法であって、前記端末のユーザがその端末特定情報を更新した場合に、更新前の端末特定情報と更新後の端末特定情報とを関連づけた更新テーブルを取得する更新内容取得手順と、前記各端末に格納されている他の端末の端末特定情報を登録したアドレス帳テーブルを取得するアドレス帳取得手順と、前記アドレス帳取得手順で取得されたアドレス帳テーブルに登録された他の端末の端末特定情報が、前記更新内容取得手順において取得された更新テーブルに更新前の端末特定情報として登録されていた場合に、当該更新前の端末特定情報と関連づけられた更新後の端末特定情報を、前記アドレス帳テーブルを格納した端末へ通知する通知手順とを含むことを特徴とする端末情報管理方法。
【請求項2】前記アドレス帳取得手順において取得されたアドレス帳テーブルに登録された他の端末の端末特定情報が、前記更新内容取得手順で取得された更新テーブルに更新前の端末特定情報として登録されていた場合に、当該更新前の端末特定情報と関連づけられた更新後の端末特定情報を、前記アドレス帳テーブルを格納した端末へ通知することの可否を判定する可否判定手順を、さらに含み、前記通知手順は、前記可否判定手順において通知可と判定された場合にのみ実行されることを特徴とする請求項1記載の端末情報管理方法。
【請求項3】前記可否判定手順は、前記更新前の端末特定情報に該当するユーザの端末に対して、通知の可否を問い合わせることにより、通知の可否を判定することを特徴とする請求項2記載の端末情報管理方法。
【請求項4】前記可否判定手順は、更新テーブルを登録したユーザが登録しておいた通知の許可を示す通知許可情報が存在する場合に、通知可と判定することを特徴とする請求項2記載の端末情報管理方法。
【請求項5】前記アドレス帳テーブルを格納した端末及びこのアドレス帳テーブルに登録された他の端末に関する前記通知手順もしくは前記可否判定手順の実行履歴を記録する履歴記録手順を、さらに備え、前記通知手順および前記可否判定手順は、アドレス帳テーブルを格納した端末及びこのアドレス帳テーブルに登録された他の端末に関する前記実行履歴が存在しない場合にのみ、実行されることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の端末情報管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2003−229957(P2003−229957A)
【公開日】平成15年8月15日(2003.8.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−25221(P2002−25221)
【出願日】平成14年2月1日(2002.2.1)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】