説明

端末装置システム及びクレードルと端末装置

【課題】本発明は、端末装置システム及びクレードルと端末装置とに関し、安定してクレードルを介して端末装置から情報を取得したり、端末装置を充電するものである。
【解決手段】表面上部に表示部を、表面下部に操作部を、裏面の下部に充電、データ通信を行なう端末装置4と、端末装置4を載置するクレードル1とよりなる端末装置システムであって、クレードル1の内部構造がレールと前記レール上を移動するスライダにレバーと端子を対抗して設け、レバーに端末装置4の自重がかかるとレバーの斜面により発生した水平分力によりスライダがバネに抗して移動し、前記斜面により発生した垂直分力により前記レールに設けたストッパとスライダの一部とが契合して前記端子が前記端末装置4に設けた接点と接触し他状態を維持するものである端末装置システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置システム及びクレードルと端末装置とに関し、クレードルを介して端末装置から情報を取得したり、端末装置を充電するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、端末装置から情報を取り出したり、端末装置に内蔵する電池を充電する電力を供給するクレードル及び端末装置がある。クレードルは信号の端子、充電の端子が常時露出しているものあるが、端子間のショート、端子と端末装置とのスレを防止するため端末装置をクレードルに挿入したときに、端子が突出してくるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008―85833号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の装置においては、クレードルから端子が飛び出してくる機構として、端末装置に押されるレバーと端子部分とをシーソー様に構成し、支点を中心とした回転動作で端子を端末装置の接点に押当てていた。
【0005】
しかし、回転動作で端子を突出させる構造では、端末装置に接するレバーの押上げ力が端末装置との接触当初は小さくてもシーソー部材の回転に比例して増大するため、端末装置をセットしてクレードルに保持している状態ではレバーの力で端末装置が浮き上がり易く、振動や少しの接触で端子と接点とが外れたり端末装置に「浮き」が発生して接触不良が発生する可能性があった。この現象は端子と接点との接触を考慮して端子のバネ性を強くすればなおさら助長される。
【0006】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、クレードルの端子と端末装置の接点が接触する際に端末装置を押上げる力を抑制しつつ端子と接点は十分な力で圧接され、かつスムーズな操作感覚を与える端末装置システム及びクレードルと端末装置を供給するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の端末装置システムは、表面に表示部及び操作部を有し裏面の下部に充電及びデータ通信を行なう接点を有する端末装置と、前記端末装置を載置するクレードルよりなる端末装置システムが、前記クレードルはレールと、レバーと端子を対向して設けてスライダとを有し、前記スライダは前記端末装置が前記レバーに当接した力で前記レール上を移動し、前記レールに設けたストッパと前記スライダの一部とが契合して前記端子が前記接点と接触した状態を維持するる構成を有している。
【0008】
この構成により、端子が接点に接触している間はレバーが端末装置を押上げる力を抑制しつつ、スムースな操作感覚を得ることができる。
【0009】
また、本発明クレードルでは、レールと、レバーと端子を対向して設けてスライダとを有し、前記スライダが前記レール上を移動するものであり、前記スライダは前記端末装置が前記レバーに当接した力で移動し、前記レールに設けたストッパと前記スライダの一部とが契合して前記端子が前記端末装置に設けた接点と接触し他状態を維持する構成を有している。
【0010】
この構成によっても、端子が接点に接触している間はレバーが端末装置を押上げる力を抑制しつつ、スムースな操作感覚を得ることができる。
【0011】
また、本発明の端末装置は、レールと、レバーと端子を対向して設けてスライダとを有し、前記スライダは前記端末装置の自重で前記レバーに当接した力で前記レール上を移動し、前記レールに設けたストッパと前記スライダの一部とが契合するクレードルに挿入される端末装置であって、前記レバーを自重で押し、前記クレードルから突出して出て来た端子と圧接される接点を前記レバーと当接する部材の裏面に設けた構成としている。
【0012】
この構成によっても、端子が接点に接触している間はレバーが端末装置を押上げる力を抑制しつつ、スムースな操作感覚を得ることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、クレードルの端子が端末装置の接点に安定して接触おり、かつ結果操作性に優れた端末装置システム及びクレードルと端末装置を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態におけるクレードルの斜視図
【図2】(a)本発明の実施の形態におけるクレードルと端末装置の使用状態を示す斜視図、(b)本発明の実施の形態におけるクレードルに端末装置をセットした状態を示す斜視図
【図3】本発明の実施の形態におけ端末装置の裏面を示す図
【図4】本発明の実施の形態におけるスライダを示す図
【図5】本発明の実施の形態におけるスライドレール示す図
【図6】本発明の実施の形態におけるクレードルの構成を示す図
【図7】本発明の実施の形態におけるクレードルを断面により構成を示す図
【図8】本発明の実施の形態における端末装置がセットされていない状態でのスライダとスライドレールの位置を示す図
【図9】本発明の実施の形態における端末装置がセットされた状態でのスライダとスライドレールの位置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態の端末装置について、図面を用いて説明する。本実施の形態では、宅配便の業者が荷物の受け渡しに関する処理に用いる端末装置とクレードルの場合を例示する。
【0016】
本発明の実施の形態のクレードルと端末装置の外観と使用状態を、図1から図3を参照して説明する。なお、以下では、本発明に特徴的な構成(主要な構成)を中心に説明する。
【0017】
図1にはクレードル1の外観を、図2(a)、図2(b)にはクレードル1と端末装置4の使用状態を、図3は端末装置4の裏面を示している。クレードル1は上方に向けて端末装置を受け入れる凹部3があり、凹部の底面近くの側面に飛び出してくる端子32をガイドする端子ガイド2がある。
【0018】
図2(a),図2(b)、及び図3に示す端末装置4は表面にLCDで構成された表示部とテンキー、ファンクションキーで構成された入力部があり裏面には荷物に貼られたバーコードを読取る光学ヘッド部21、端末装置を保持するためのグリップ22、充電、データ通信を行なう接点23がある。
【0019】
またクレードル1には図6、断面図である図7に示すように内部にスライダ31、スライドレール基台40が内蔵されている。
【0020】
図4に示すようにスライダ31には、端子32に向かい合う位置にレバー33がある。端子32は導電性がよく、バネ性が高いリン青銅やピアノ線を金メッキしたものを用いる。端子32は図2(a)に示す状態では凹部3に出てきておらず、金属クリップ等の異物が転がり込んでもショートしないようにしている。たとえ金属の異物が凹部に落下しても端子ガイドは側面に構成されているため、端子32が突出する動作で底部に落下し、端子32からの充電、データの取り出し等の動作に深刻な影響を与えることは無い。
【0021】
また、レバー33と端子32は一体のスライダ31上に構成されている。また端子は線バネで形成されており、かつ突出部が長いためターミナルホルダ36で根元を位置決めされてスライダ基板37にハンダ付けで電気的に接続されている。スライダ基板37は端子32をターミナルホルダ36とともに固定し、さらに図示していない柔軟なフレキシブル基板でボディ51に設けた外部とのコネクタ(図示せず)に接続されている。
【0022】
またスライダ31は図5に示すスライドレール基台40に設けたスライドレールA41、スライドレールB42によってガイドされて摺動移動する。スライドレール基台40にはスライダ31のスライドピンB35が押当てられ停止するストッパB45、スライダを付勢するバネ43が取り付けられている。バネ43は対象形状でスライダ31の両側に設けたバネの外れ防止フランジを設けたバネ掛け38に係り、スライダ31を押す。
【0023】
スライダ31はバネ43により端末装置が挿入されていないときはスライドピンA34がスライドレールA41に乗り、スライドピンB35スライドレールB42に乗っていてストッパB45に押当てられている状態で停止している。この位置が、端末装置が挿入されていない状態の定位置である。
【0024】
この定位置では端子32はクレードルの凹部に出ておらず、レバー33が凹部3内に出ている。図7の断面図に示すように凹部3はレバーに向けて端末装置の表示部が上を向く方向で挿入されるように角度が付けられており、レバー33を端末装置が押す際の水平分力多くなってスライダ31が移動しやすい構成としている。またこの角度を付けることによって図2(b)に示すようにクレードルにセットした場合の端末装置の表示を見易くする効果もある。
【0025】
図1に示す凹部3に端末装置4を挿入するとレバー33の斜面に端末装置の下前面のコーナが接し、斜面によりスライダ31に水平分力が生じスライダが移動する。スライダには同時に垂直分力も発生しているためスライダに設けたスライドピンB35はスライドレールの一端に設けたストッパA44のところまで来るとストッパA44に入り込み停止する。反対に端末装置4をクレードル1から取り出すと垂直分力なくなるためスライドピンB35はストッパA44からはずれ、バネ43により定位置まで戻される。
【0026】
このように、スライダ31スライドピンBがストッパAに契合している間はバネ43による戻し力が抑止されているため、接点23と端子32とが安定して接触する。
【0027】
さらに、スライドピンB35とストッパA44との契合は端子32が端末装置の接点23を押す圧接力をも相殺しているため、接触力がさらに安定して、安全なデータの読み出し、電力の供給を行なうことができる。
【0028】
図8、図9はスライダ31、スライドレールA41とスライドレールB42と一体であるスライドレール基台40との位置関係を示す。図9はスライドピンB35がストッパA44に契合する様子を示したものである。図8は定位置にスライダ31がある状態を示している。
【0029】
図9の状態を保持するためには図2(b)のようにレバー33から端末装置の自重による垂直分力が必要である。端末装置の垂直分力が無い状態ではスライドピンB35とストッパA44の契合が浅くかつバネ43による垂直分力がスライダ31の自重による垂直分力に勝るためスライドピンB35とストッパA44との契合が解かれて、スライダ31はバネ43により定位置に押戻されるまたスライダ31、レール等は摩擦計数が低く、かつ磨り減りにくい樹脂(例えばフッ素樹脂)で作られるのが好ましい。
【0030】
また端子32はバネ性を有しているため、バネ定数を下げると振動が発生しやすい。かといって高いバネ定数を与えると端末装置の接点を傷めてしまうことも考えられる。このため低いバネ定数で変移を大きくして接点を構成するのほうが動作として安定しやすいが、可動範囲が大きいため接触点が安定しないという問題が発生する。
【0031】
この矛盾を解決するため、端子32はスライダ基板37への固定部分近くをターミナルホルダでガイドし、接点近くの端子32は端子ガイド2に設けたスリットの間を通して端子32の先端部の横方向の変移と振動を抑制している。
【0032】
図3に示す端末装置4は装置裏面のグリップ22の下部(操作部の反対側)に充電あるいはデータ通信を行なうための接点23を設けている。端末装置の表面の下部、特に端部はレバー33と接するためゆるいカーブが施され、硬質のプラスチック、金属などで構成されているのが好ましい。ここにカーブを設け、硬質の材料とすることは端末装置の対落下性能を向上させる効果も有する。
【0033】
以上、本発明の実施の形態を例示により説明したが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではなく、請求項に記載された範囲内において目的に応じて変更・変形することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明にかかる端末装置は、端末装置及び端末装置の充電、通信を行なうクレードルに関する。
【符号の説明】
【0035】
1 クレードル
2 端子ガイド
3 凹部
4 端末装置
23 接点
31 スライダ
32 端子
33 レバー
34 スライドピンA
35 スライドピンB
41 スライドレールA
42 スライドレールB
43 バネ
44 ストッパA
45 ストッパB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に表示部及び操作部を有し裏面の下部に充電及びデータ通信を行なう接点を有する端末装置と、
前記端末装置を載置するクレードルとよりなる端末装置システムが、
前記クレードルは、
レバーと端子とを対面させて設けたスライダと、
前記スライダをガイドするレールを前記端子装置が挿入される凹部の下位に設け、
前記スライダは前記端末装置が前記レバーに当接した力で前記レール上を移動し、前記レールに設けたストッパと前記スライダの一部とが契合して前記端子が前記接点と接触した状態を維持することを特徴とする端末装置システム。
【請求項2】
端末装置を載置するクレードルが
レールと、レバーと端子を対向して設けてスライダとを有し、
前記スライダが前記レール上を移動するものであり、
前記スライダは前記端末装置が前記レバーに当接した力で移動し、前記レールに設けたストッパと前記スライダの一部とが契合して前記端子が前記端末装置に設けた接点と接触し他状態を維持することを特徴とするクレードル。
【請求項3】
レールと、レバーと端子を対向して設けてスライダとを有し、
前記スライダは前記端末装置の自重で前記レバーに当接した力で前記レール上を移動し、前記レールに設けたストッパと前記スライダの一部とが契合するクレードルに挿入される端末装置であって、
前記レバーを自重で押し、前記クレードルから突出して来た端子と圧接される接点を前記レバーと当接する部材の裏面に設けたことを特徴とする携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−62677(P2013−62677A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−199668(P2011−199668)
【出願日】平成23年9月13日(2011.9.13)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】