説明

筆記者判定システム、筆記者判定方法、電子ペン、および情報処理装置

【課題】筆記途中および筆記完了後の筆記物についても筆記者の本人性確認を可能とする。
【解決手段】筆記座標を取得し筆記データとして格納する筆記読み取り部130と、筆記座標の取得開始に応じ開始通知を情報処理装置に送り、筆記座標の取得終了に応じ終了通知を情報処理装置に送る筆記時期通知部131と、取得要求に応じた生体情報取得と当該取得時の筆記座標取得等を実行し生体情報データとして格納する取得完了通知部132と、筆記データ群および生体情報データ群を情報処理装置に送るデータ送信部133とを有する電子ペン100と、生体情報の取得要求の送信等を前記終了通知を受信するまで繰り返し実行するデータ取得指示部10と、電子ペンより筆記データ群および生体情報データ群を受信して筆記座標群より筆跡画像を生成し、認証処理の結果を示す表示データが配置された筆跡画像を出力部に表示する結果表示部20とを有する情報処理装置50とから筆記者判定システム1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筆記者判定システム、筆記者判定方法、電子ペン、および情報処理装置に関するものであり、具体的には、筆記途中および筆記完了後の筆記物についても筆記者の本人性確認を可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
本人確認つまり個人認証の方法としては所有物認証(例:運転免許証等の各種証明書の確認)、知識認証(例:入力パスワードの確認)、生体認証(例:指紋の照合等)といった手法が存在する。こうした認証手法のなかで生体認証は、本人固有の特徴により個人認証をおこなうため、所有物認証や知識認証と違い偽造・盗用等の危険が少なく、本人確認の有効な手段とされている。この生体認証の代表的なものに、指静脈の照合による認証がある。この指静脈の照合による認証は、現在既に広範な業務において実用化されており、生体認証のなかでも簡便な個人認証手段として種々のプログラム等が開発され利用されている。
【0003】
例えば、コンピュータ操作に習熟していない対象者を含む電子決裁処理において、決裁順序を保って処理の高速化を可能とする、端末と電子決裁サーバとデジタルペンサーバと認証サーバとがネットワークにより接続された電子決裁システムであって、前記電子決裁サーバは、予めユーザIDとユーザの情報入力手段を示す情報とを対応付けて記憶する入力手段データベースと、前記端末から前記ネットワークを介してユーザIDを受信すると、該ユーザIDと前記入力手段データベースの情報に基づいてユーザの情報入力手段がデジタルペン入力か端末入力かを判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする電子決裁システム(特許文献1参照)などが提案されている。
【0004】
また、本人成り済ましを防止して契約等を確実・円滑化することを目的に、契約書等に署名等する者が署名等する際、確実に本人が署名等しているということを筆記中、その場にいる契約の相手方や契約があったことの証人となるべき第三者等本人以外の当事者又は第三者に視覚的または聴覚的に知らしめ、本人確認を確実・容易にすることができる本人確認筆記具(特許文献2参照)なども提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−33587号公報
【特許文献2】特開2006−51743号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えば、本人性を担保する必要があるデータ入力の前後に本人認証を実施する場合、実際にデータ入力など筆記を行った者と本人認証を受けた者とが異なる可能性を排除できない。つまり筆記者ないし被認証者について成りすましを防ぐことができず、入力データの本人性が揺らぎやすい。また、例えば筆記開始に合わせて電子ペンにて本人確認を行うとしても、筆記中の認証データを保持しない場合、筆記開始以後の筆記物に関して本人性を確認することが出来ない。
そこで本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、筆記途中および筆記完了後の筆記物についても筆記者の本人性確認を可能とする技術の提供を主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明の筆記者判定システムは、電子ペンと、電子ペンユーザの生体情報を予め記憶部に保持している情報処理装置とが通信可能に結ばれたコンピュータシステムである。
【0008】
このコンピュータシステムにおける前記電子ペンは、筆記者による把持箇所に備わる生体情報センサと、所定用紙での前記筆記者による筆記内容を光学装置で読み取って筆記座標を取得し、この筆記座標と当該筆記座標の取得時刻とを含む筆記データを記憶部に格納する筆記読み取り部と、前記筆記座標の取得開始に応じて、筆記座標取得の開始通知を情報処理装置に送信し、前記筆記座標の取得終了に応じて、筆記座標取得の終了通知を情報処理装置に送信する、筆記時期通知部と、前記開始通知の送信後、生体情報の取得要求を情報処理装置より受信した時、これに応じて前記生体情報センサによる前記把持箇所にある筆記者の生体部位の生体情報取得と、当該生体情報の取得時における筆記座標の前記光学装置からの取得とを実行し、前記生体情報およびこれに紐付いた筆記座標と、当該生体情報の取得時刻とを含む生体情報データを記憶部に格納し、生体情報の取得完了通知を情報処理装置に返信する取得完了通知部と、前記記憶部より前記筆記者に関する筆記データ群および生体情報データ群を読み出して情報処理装置に送信する、データ送信部とを備えている。
【0009】
また、前記コンピュータシステムにおける情報処理装置は、電子ペンより筆記座標取得の開始通知を受信した時、前記電子ペンに対する生体情報の取得要求の送信と、当該取得要求に応じて前記電子ペンより返信されてくる生体情報の取得完了通知の受信とを、前記電子ペンより筆記座標取得の終了通知を受信するまで、予め定めた所定間隔で繰り返し実行するデータ取得指示部と、前記電子ペンより送信される前記筆記データ群および前記生体情報データ群を受信して記憶部に格納し、前記生体情報データ群が含む各生体情報を前記記憶部の生体情報に照合して、前記筆記者に関して得た各取得時刻での筆記座標における生体情報に関する認証処理を実行し、前記筆記データ群が含む筆記座標群より筆跡画像を生成し、前記各取得時刻での筆記座標と前記筆記座標群とを照合して、前記筆跡画像中における前記各取得時刻での筆記座標の位置を特定し、ここで特定した前記筆跡画像中の各位置に、該当取得時刻での筆記座標に対応する生体情報の前記認証処理の結果を示す表示データを配置し、当該表示データが配置された筆跡画像を出力部に表示する結果表示部とを備える。
【0010】
また、本発明の筆記者判定方法は、筆記者による把持箇所に生体情報センサを備え、情報処理装置と通信可能な電子ペンと、電子ペンユーザの生体情報を予め記憶部に保持している情報処理装置がそれぞれ以下の処理を実行することを特徴とする。
【0011】
すなわち前記電子ペンが、所定用紙での前記筆記者による筆記内容を光学装置で読み取って筆記座標を取得し、この筆記座標と当該筆記座標の取得時刻とを含む筆記データを記憶部に格納する処理と、前記筆記座標の取得開始に応じて、筆記座標取得の開始通知を情報処理装置に送信し、前記筆記座標の取得終了に応じて、筆記座標取得の終了通知を情報処理装置に送信する処理と、前記開始通知の送信後、生体情報の取得要求を情報処理装置より受信した時、これに応じて前記生体情報センサによる前記把持箇所にある筆記者の生体部位の生体情報取得と、当該生体情報の取得時における筆記座標の前記光学装置からの取得とを実行し、前記生体情報およびこれに紐付いた筆記座標と、当該生体情報の取得時刻とを含む生体情報データを記憶部に格納し、生体情報の取得完了通知を情報処理装置に返信する処理と、前記記憶部より前記筆記者に関する筆記データ群および生体情報データ群を読み出して情報処理装置に送信する処理を実行する。
【0012】
また前記情報処理装置が、電子ペンより筆記座標取得の開始通知を受信した時、前記電子ペンに対する生体情報の取得要求の送信と、当該取得要求に応じて前記電子ペンより返信されてくる生体情報の取得完了通知の受信とを、前記電子ペンより筆記座標取得の終了通知を受信するまで、予め定めた所定間隔で繰り返し実行する処理と、前記電子ペンより送信される前記筆記データ群および前記生体情報データ群を受信して記憶部に格納し、前記生体情報データ群が含む各生体情報を前記記憶部の生体情報に照合して、前記筆記者に関して得た各取得時刻での筆記座標における生体情報に関する認証処理を実行し、前記筆記データ群が含む筆記座標群より筆跡画像を生成し、前記各取得時刻での筆記座標と前記筆記座標群とを照合して、前記筆跡画像中における前記各取得時刻での筆記座標の位置を特定し、ここで特定した前記筆跡画像中の各位置に、該当取得時刻での筆記座標に対応する生体情報の前記認証処理の結果を示す表示データを配置し、当該表示データが配置された筆跡画像を出力部に表示する処理を実行する。
【0013】
また、本発明の電子ペンは、電子ペン対応用紙への記入内容を読み取る光学装置と、他装置と通信を行う通信インターフェイスと、筆記者による把持箇所に備わる生体情報センサと、所定用紙での前記筆記者による筆記内容を光学装置で読み取って筆記座標を取得し、この筆記座標と当該筆記座標の取得時刻とを含む筆記データを記憶部に格納する筆記読み取り部と、前記筆記座標の取得開始に応じて、筆記座標取得の開始通知を情報処理装置に送信し、前記筆記座標の取得終了に応じて、筆記座標取得の終了通知を情報処理装置に送信する、筆記時期通知部と、前記開始通知の送信後、生体情報の取得要求を情報処理装置より受信した時、これに応じて前記生体情報センサによる前記把持箇所にある筆記者の生体部位の生体情報取得と、当該生体情報の取得時における筆記座標の前記光学装置からの取得とを実行し、前記生体情報およびこれに紐付いた筆記座標と、当該生体情報の取得時刻とを含む生体情報データを記憶部に格納し、生体情報の取得完了通知を情報処理装置に返信する取得完了通知部と、前記記憶部より前記筆記者に関する筆記データ群および生体情報データ群を読み出して情報処理装置に送信する、データ送信部と、を備えることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の情報処理装置は、電子ペンユーザの生体情報を予め記憶する記憶部と、他装置と通信を行う通信部と、電子ペンより筆記座標取得の開始通知を受信した時、前記電子ペンに対する生体情報の取得要求の送信と、当該取得要求に応じて前記電子ペンより返信されてくる生体情報の取得完了通知の受信とを、前記電子ペンより筆記座標取得の終了通知を受信するまで、予め定めた所定間隔で繰り返し実行するデータ取得指示部と、前記電子ペンより送信される前記筆記データ群および前記生体情報データ群を受信して記憶部に格納し、前記生体情報データ群が含む各生体情報を前記記憶部の生体情報に照合して、前記筆記者に関して得た各取得時刻での筆記座標における生体情報に関する認証処理を実行し、前記筆記データ群が含む筆記座標群より筆跡画像を生成し、前記各取得時刻での筆記座標と前記筆記座標群とを照合して、前記筆跡画像中における前記各取得時刻での筆記座標の位置を特定し、ここで特定した前記筆跡画像中の各位置に、該当取得時刻での筆記座標に対応する生体情報の前記認証処理の結果を示す表示データを配置し、当該表示データが配置された筆跡画像を出力部に表示する結果表示部と、を備えることを特徴とする。
【0015】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明の実施の形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、筆記途中および筆記完了後の筆記物についても筆記者の本人性確認が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態の筆記者判定システムの概略構成を示す図である。
【図2】本実施形態の電子ペンの概略構成を示す図である。
【図3】本実施形態の電子ペンにおける可動式スイッチ周辺の概略構成を示す図である。
【図4】本実施形態の電子ペンの内部構造に関する概略構成を示す図である。
【図5】本実施形態の処理端末の概略構成を示す図である。
【図6】本実施形態の管理サーバの概略構成を示す図である。
【図7】本実施形態のDBサーバの概略構成を示す図である。
【図8】本実施形態のユーザ情報DBのデータ例を示す図である。
【図9】本実施形態の静脈データDBのデータ例を示す図である。
【図10】本実施形態の管理者IDパスワードDBのデータ例を示す図である。
【図11】本実施形態の座標・静脈データ登録DBのデータ例を示す図である。
【図12】本実施形態の静脈データ判別情報DBのデータ例を示す図である。
【図13】本実施形態の身分証明書DBのデータ例を示す図である。
【図14】本実施形態の用途DBのデータ例を示す図である。
【図15】本実施形態のログイン情報DBのデータ例を示す図である。
【図16】本実施形態の座標データ取得情報DBのデータ例を示す図である。
【図17】本実施形態の静脈データ取得情報DBのデータ例を示す図である。
【図18】本実施形態の使用ユーザ情報DBのデータ例を示す図である。
【図19】本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例1を示す図である。
【図20】本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例2を示す図である。
【図21】本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例3を示す図である。
【図22】本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例4を示す図である。
【図23】本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例5を示す図である。
【図24】本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例6を示す図である。
【図25】本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例7を示す図である。
【図26】本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例8を示す図である。
【図27】本実施形態における画面例1を示す図である。
【図28】本実施形態における画面例2を示す図である。
【図29】本実施形態における画面例3を示す図である。
【図30】本実施形態における画面例4を示す図である。
【図31】本実施形態における画面例5を示す図である。
【図32】本実施形態における画面例6を示す図である。
【図33】本実施形態における画面例7を示す図である。
【図34】本実施形態における画面例8を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の筆記者判定システム1を含むネットワーク構成図である。図1に示す筆記者判定システム1(以下、システム1)は、筆記途中および筆記完了後の筆記物についても筆記者の本人性確認を可能とするコンピュータシステムである。本実施形態では、前記システム1の適用例として、利用者の静脈情報等の生体情報の認証や筆記データ登録および認証、筆記者特定を行う認証管理サーバ群(管理サーバ300、DBサーバ400)と、筆記者の筆記に用いられる電子ペン100と、当該電子ペン100と前記認証管理サーバ群とのデータ授受を仲介する処理端末200とから前記システム1を構成する状況を想定する。この場合、前記認証管理サーバ群の運営や管理を行うのが部門A、筆記者が訪れて筆記を行う際の窓口となるのが部門B(店舗、司法書士事務所、各種公共施設等)、前記筆記者が部門Cとなる。
【0019】
例えば、クレジットカードを使用する場合、商品を購入する購入者が商品代金をクレジットカードで支払うべく、購入者本人がサインを行う。この際、商品購入先の店舗は購入者のサインを保存する。ここで、前記購入者は部門Cとなり、店舗は部門Bとなり、静脈情報を管理し、購入者の特定等を行うのが部門Aとなる。部門Aのサーバ群はインターネット等のWAN回線30を介して部門Bの処理端末200と結ばれている。部門Bの処理端末200で電子ペン100から取得した静脈情報と筆記情報は、前記部門Bの処理端末200から前記部門Aのサーバ群に転送される。前記部門Aのサーバ群では、前記処理端末200から得たデータ類を保管・管理し、筆記者に関する証明書として保持する。
【0020】
ただし上記の想定例のみならず、電子ペン100を用いて筆記がなされる様々な状況に本発明は適用してよい。また本実施形態では、「情報処理装置」として、前記処理端末200、管理サーバ300、およびDBサーバ400らの装置群を想定したが、前記処理端末200が前記管理サーバ300およびDBサーバ400の機能やデータを全て備えて、単体で「情報処理装置」をなすとしてもよい。
【0021】
−−−電子ペン−−−
前記システム1を構成する装置のうち、まずは電子ペン100について説明する。図2は、本実施形態の電子ペン100の概略構成を示す図である。図2で示すように、前記電子ペン100は、クロック機能105、電池110、バイブレータ111、LEDインジケータ112、圧力センサー113、光学ユニット114(=生体情報センサ)、撮像部115、赤外線ライトなどの光源116、可動式スイッチ部117で主として構成されている。
【0022】
前記バイブレータ111および前記LEDインジケータ112は、電子ペン100における出力インターフェイス142に該当し、例えば、筆記可能状態か否かを示す情報を出力する装置となる。前記圧力センサー113は、例えば筆圧を検知するセンサである。また前記光学ユニット114は、電子ペン対応用紙5に筆記がなされた際の筆記座標を取得する、電子ペンとして当然の機能である。
【0023】
また、前記撮像部115、光源116は、当該電子ペンを把持して筆記中の筆記者の指静脈を読み取る装置となる。前記光源116は、例えば赤外線ライト等であり、前記撮像部115の動作中に筆記者の指に光を照射して静脈撮影の光源を提供する。撮像部115は、この光源116で光が照射された指静脈の撮影を行うこととなる。
【0024】
また、前記可動式スイッチ部117は、筆記者が筆記開始時に指で押し込んで使用する装置であり、認証開始を検知するスイッチとなる。図3は、本実施形態の電子ペン100における可動式スイッチ周辺の概略構成を示す図である。筆記中の筆記者の指について、その静脈情報を読み取る機構は、図3に示すように電子ペン100のグリップ部分=把持箇所に配置されている。
【0025】
このグリップ部分は、筆記者が電子ペン100を握った際に人差し指や親指といった手指の一部が当接され、その静脈情報など生体情報をセンシング可能な位置に当たる。図中の(a)、(b)に示すように、前記可動式スイッチ部117において、筆記者の手指がペンと直接接触する箇所を光を透過するガラス板119とし、このガラス板119をヒンジ3で回転可能に電子ペン本体と接続している。前記ガラス板119は前記ヒンジ3により、スイッチ118に接触するまで下方に動かすことが出来る。
【0026】
この場合、前記撮像部115および光源116は、前記ガラス板119の回転後の傾斜に合わせ、前記ガラス板119と対面すべく傾斜をつけて設置されている。前記ガラス板119が回転して前記スイッチ118を下方に押し込んでスイッチがオン状態となった時、前記撮像部115は筆記者の手指が当接されたガラス板119と正対する。なお、前記スイッチ118は、前記電池110と撮像部115や光源116との間のオン・オフを切り替えるスイッチである。当該スイッチ118が前記ガラス板119により押されている間は「オン」状態となって、その結果、前記電池110から前記撮像部115や光源116へ駆動電流が供給される。駆動電流が供給された前記撮像部115や光源116は、指静脈情報の読み取り動作が可能となる。なお、前記電池110は、電源装置126に組み込まれている。この電源装置126が前記スイッチ118でのオン・オフを受けて、電池110から前記撮像部115や光源116への電流供給を管理する。
【0027】
前記電子ペン100は、そのほか図4に示す構造を備えている。前記電子ペン100は通信部125を備えており、この通信部125により(例:前記通信部125における通信プロトコルに応じてケーブル31で直接接続された)前記処理端末200と接続される。また前記電子ペン100は、必要な機能を備えるべく記憶部124に格納されたプログラム140をメモリ122に読み出し、演算装置たるCPU123により実行する。
【0028】
また、前記電子ペン100は、ボタン等の入力インターフェイス141、ごく小型の液晶ディスプレイやスピーカ、前記バイブレータ111、LEDインジケータ112などの出力インターフェイス142を有している。また、電子ペンとして、電子ペン対応用紙5への記入内容を読み取るべく撮像部120および光源121を当然に備えている。この撮像部120と光源121が図2の光学ユニット114となる。なお、前記撮像部120で読み取った記入内容のデータは前記記憶部124ないしメモリ122に蓄積される。なお、電子ペン100および電子ペン対応用紙5の基本技術は既存のもの(http://functionality.anoto.co.jp/cldoc/ajp24.htmなど参照)を適用すればよい。
【0029】
この電子ペン対応用紙5にはドット127が配置されている。各ドット127は電子ペン対応用紙5の座標平面における座標情報を表している。このドット127が配置された電子ペン対応用紙5において、前記電子ペン100の筆記具128による筆記がなされた場合、前記光学ユニット114(撮像部120および光源121)が筆記時に通過したドット127を読み取り、その座標情報を取得する。なお、前記筆記具128はノート等に記述を行うための、ボールペンなど一般筆記具である。
【0030】
続いて、前記電子ペン100が、例えばプログラム140に基づき構成・保持する手段につき説明を行う。前記電子ペン100は、前記処理端末200とのデータの送受信制御や、静脈画像の取得制御、文字データ取得取得制御、筆記状態確認の制御を行う、データ取得管理部129を備える。
【0031】
また、前記電子ペン100は、電子ペン対応用紙5の筆記者による筆記内容を前記光学ユニット114(光学装置)で読み取って筆記座標を取得し、この筆記座標と当該筆記座標の取得時刻とを含む筆記データを前記記憶部124に格納する筆記読み取り部130を備える。なお、前記筆記座標の取得時刻については、この筆記読み取り部130が前記クロック機能105に時刻問い合わせを行って時刻情報を取得する。
【0032】
また、前記電子ペン100は、前記筆記座標の取得開始に応じて、筆記座標取得の開始通知を情報処理装置50の前記処理端末200に送信し、前記筆記座標の取得終了に応じて、筆記座標取得の終了通知を情報処理装置50に送信する、筆記時期通知部131を備える。
【0033】
なお、前記筆記時期通知部131は、新たな筆記座標の取得が一定時間無いことの検知、前記記憶部124への新たな筆記データの格納が一定時間無いことの検知、電子ペン100に備わる圧力センサー113(=筆圧センサ)での測定筆圧が基準値まで低下したことの検知、電子ペン100に備わる所定インターフェイス(前記スイッチ118など)での筆記終了の指示受付のいずれかを契機にして前記筆記座標取得の終了通知を情報処理装置50に送信するとすれば好適である。
【0034】
また、前記電子ペン100は、前記開始通知の送信後、生体情報の取得要求を情報処理装置50より受信した時、これに応じて前記生体情報センサ(前記撮像部115及び光源116)による前記把持箇所にある筆記者の生体部位の生体情報取得と、当該生体情報の取得時における筆記座標の前記光学ユニット114からの取得とを実行し、前記生体情報およびこれに紐付いた筆記座標と、当該生体情報の取得時刻とを含む生体情報データを記憶部124に格納し、生体情報の取得完了通知を情報処理装置50に返信する取得完了通知部132を備える。なお本実施形態では、前記生体情報の取得要求は、前記処理端末200から受信し、前記生体情報の取得完了通知を前記処理端末200に返信することとなる。
【0035】
また、前記電子ペン100は、前記記憶部124より前記筆記者に関する筆記データ群および生体情報データ群を読み出して情報処理装置50に送信する、データ送信部133を備える。なお本実施形態では、前記筆記データ群および生体情報データ群を、前記処理端末200経由で管理サーバ300に送信することとなる。
【0036】
−−−処理端末−−−
次に、前記電子ペン100と共に、情報処理装置として筆記者判定システム1を構成する前記処理端末200について説明する。図7は、処理端末200の概略構成を示す図である。この処理端末200は、前記電子ペン100と所定の通信プロトコルに応じてケーブル31で直接接続されたコンピュータ端末である。
【0037】
前記処理端末200は、ハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置たる記憶部224に格納されたプログラム225を、RAMなど揮発性のメモリ222に読み出すなどしてCPU223により実行する。また、前記処理端末200は、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボードやボタン類などの入力装置206とのデータ授受を行う入力インターフェイス209、ディスプレイなどの出力装置205とデータ授受を行う表示部208を必要に応じて備えるとしてもよい。
【0038】
また前記処理端末200は、前記電子ペン100との間でケーブル31を介したデータ授受を担うNIC(Network Interface Card)など第1通信部201と、前記管理サーバ300との間でWAN30を介したデータ授受を担うNIC(Network Interface Card)など第2通信部207とを有している。各通信部201、207は、通信時のデータ暗号化処理など担うセキュリティ機能を備えている。
【0039】
続いて、前記処理端末200が、例えばプログラム225に基づき記憶部にて構成・保持する機能部につき説明を行う。前記処理端末200は、前記電子ペン100より筆記座標取得の開始通知を受信した時、前記電子ペン100に対する生体情報の取得要求の送信と、当該取得要求に応じて前記電子ペン100より返信されてくる生体情報の取得完了通知の受信とを、前記電子ペン100より筆記座標取得の終了通知を受信するまで、予め定めた所定間隔で繰り返し実行するデータ取得指示部10を備える。
【0040】
また、前記処理端末200は、前記電子ペン100より送信される前記筆記データ群および前記生体情報データ群を受信して記憶部224に格納し、これを前記管理サーバ300に送信する、結果表示部20を備える。この結果表示部20は、筆記者による筆跡画像中の各位置に、該当取得時刻での筆記座標に対応する生体情報の認証処理結果(管理サーバ300およびDBサーバ400で処理)を示す表示データが配置された画像を、前記管理サーバ300から得て、前記表示部208を介してディスプレイ205に表示する。
【0041】
なお、前記データ取得指示部10は、データ要求機能部202およびデータ送信機能部204を備えている。前記データ要求機能部202は、前記管理サーバ300および前記電子ペン100に対し、筆記データや生体情報データ、筆記者の個人情報といった各種データの取得要求を行う。また、前記データ送信機能部204は、当該処理端末200で取得した筆記者の個人情報や筆記データ等を、前記管理サーバ300へ送信する。
【0042】
また、前記結果表示部20は、データ取得機能203、データ送信機能部204、画面表示機能部205を備えている。前記データ取得機能203は、筆記者による筆記中に前記電子ペン100が取得・保存した筆記座標、指静脈データなどの生体情報、各種メッセージや処理結果、画像データ等を受信する。また、前記データ送信機能部204は、当該処理端末200で取得した筆記者の個人情報や筆記データ等を、前記管理サーバ300へ送信する。また、前記画面表示機能部205は、前記管理サーバ300から取得した画面データの前記ディスプレイ205等への表示処理を行う。
【0043】
−−−管理サーバ−−−
図5は、管理サーバ300の概略構成を示す図である。一方、前記管理サーバ300は、前記処理端末200とインターネットなどのWAN30で通信可能に結ばれたサーバ装置であり、筆記者によるシステムログインの処理や、筆記者の指静脈データなど生体情報に関する認証処理など、各種管理・認証の処理を実行するものとなる。
【0044】
この管理サーバ300は、ハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置たる記憶部324に格納されたプログラム325を、メモリ322などの揮発性メモリに読み出すなどしてCPU323により実行する。また、前記管理サーバ300は、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボードやボタン類などの入力装置309とデータ授受を行う入力インターフェイス313、ディスプレイなどの出力装置308とデータ授受を行う表示部312を必要に応じて備えるとしてもよい。
【0045】
また前記管理サーバ300は、前記処理端末200との間でインターネットなどのWAN30を介したデータ授受を担うNIC(Network Interface Card)など通信機能を含むHTTPサーバ301と、前記DBサーバ400との間でLAN35を介したデータ授受を担うNIC(Network Interface Card)など通信部311を有しており、前記処理端末200およびDBサーバ400と通信可能となっている。前記HTTPサーバ301は、前記処理端末200へ前記インターフェイス30経由で機能提供するためのアプリケーションを保持している。また、このHTTPサーバ301は、各筆記者の個人情報を扱うため、SSL認証等のセキュリティ機能を備えていても良い。
【0046】
続いて、前記管理サーバ300が、例えばプログラム325に基づき記憶部324にて構成・保持する機能部につき説明を行う。前記管理サーバ300は、前記電子ペン100より送信され、前記処理端末200経由で受信した前記筆記データ群および前記生体情報データ群を受信して前記DBサーバ400の該当データベースに格納し、前記生体情報データ群が含む各生体情報を前記DBサーバ400で管理している生体情報に照合して、前記筆記者に関して得た各取得時刻での筆記座標における生体情報に関する認証処理を実行し、前記筆記データ群が含む筆記座標群より筆跡画像を生成し、前記各取得時刻での筆記座標と前記筆記座標群とを照合して、前記筆跡画像中における前記各取得時刻での筆記座標の位置を特定し、ここで特定した前記筆跡画像中の各位置に、該当取得時刻での筆記座標に対応する生体情報の前記認証処理の結果を示す表示データを配置し、当該表示データが配置された筆跡画像を、前記処理端末200に送信(ないし表示部312を介してディスプレイ308に表示)する結果表示部20を備える。
【0047】
この結果表示部20には、データ要求機能部302、データ取得機能部303、データ変換機能部304、データDB機能部305、生体情報認証機能部306、ログイン処理部307、個人情報管理機能部310が含まれている。前記データ要求機能部302は、前記処理端末200の起動制御と、前記処理端末200を介した前記電子ペン100の起動制御を行い、筆記データや指静脈データの取得を開始させる制御や処理端末200への静脈認証要求制御を行う。
【0048】
また、前記データ取得機能部303は、前記処理端末200および前記DBサーバ400からの各データを受信する制御を行う。また、前記データ変換機能部304は、筆記中の筆記座標群のデータを元に、筆記文字をイメージ情報に変換する処理を行う。また、筆記座標群のデータを元に、かな・漢字等へのテキストデータ変換制御を行う機能を持つとしてもよい。
【0049】
また、前記データDB機能部305は、前記DBサーバ400のデータ処理部415と通信を行い、筆記データ及び指静脈データをデータベースに記録する制御を行う。また、前記生体認証機能部306は、事前登録済の指静脈データと筆記中に取得した指静脈データとに基づいて、筆記データが筆記者本人による筆記に基づくものか判定する機能を保持する。また、前記ログイン処理部307は、前記処理端末200から取得した情報をもとに前記DBサーバ400とログイン処理の制御を行う。また、前記個人情報管理機能部310は、個人情報の登録や検索の制御を行う機能を保持する。
【0050】
−−−DBサーバ−−−
図6は、DBサーバ400の概略構成を示す図である。このDBサーバ400は、前記管理サーバ300と協働して、筆記者の筆記データや生体情報、ログイン情報、個人情報などのI/O処理を行うサーバ装置である。このDBサーバ400は、図6に示すように、前記LAN35により前記管理サーバ300との通信可能であり、この管理サーバ300から転送された各情報を格納するデータベース機能を提供する。
【0051】
前記DBサーバ400は、ハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置たる記憶部424に格納されたプログラム425を、メモリ422などの揮発性メモリに読み出すなどしてCPU423により実行する。また、前記DBサーバ400は、コンピュータ装置が一般に備えている各種キーボードやボタン類などの入力装置414とデータ授受を行う入力インターフェイス417、ディスプレイなどの出力装置413とデータ授受を行う表示部416を必要に応じて備えるとしてもよい。また前記管理サーバ300は、前記管理サーバ300との間でLAN35を介してデータ授受を担うNIC(Network Interface Card)など通信部401を有している。
【0052】
このDBサーバ400は、例えば、プログラム425で実現する処理部としてデータ処理部415を備えている。このデータ処理部415は、各種DBのデータの更新、検索等の処理を行い、管理サーバ300との間のデータ送受信の制御を行う。
【0053】
また前記DBサーバ400は、前記記憶部424において、ユーザ情報DB402、静脈データDB403、管理者IDパスワードDB404、座標・静脈データ登録DB405、静脈データ判別情報DB406、身分証明書DB407、用途DB408、ログイン情報DB0409、座標データ取得情報DB410、静脈データ取得情報DB411、使用ユーザ情報DB412の各データベースを備えている。各データベースのデータ構造等については後述する。
【0054】
これまで示した前記システム1をなす、電子ペン100における各部129〜133、同じく処理端末200における各部10、20(202〜205)、同じく管理サーバ300における各部20(302〜310)、同じくDBサーバ400におけるデータ処理部415らはハードウェアとして実現してもよいし、各装置におけるメモリやHDD(Hard Disk Drive)などの適宜な記憶部に格納したプログラムとして実現するとしてもよい。この場合、各装置のCPUなど演算装置がプログラム実行に合わせて記憶部より該当プログラムをメモリに読み出して、これを実行することとなる。
【0055】
−−−データ構造例−−−
次に、本実施形態の前記システム1らが利用するデータベースのデータ構造例について説明する。図8〜図18はDBサーバ400中に構成するデータベースのデータ構成例である。図8に示すユーザ情報DB402は、筆記者判定の対象となる利用者=筆記者の情報を登録するデータベースであり、利用者登録時に利用者にユニークに割り当てられるユーザID1001をキーとして、利用者の個人情報である氏名1002、生年月日1003、住所1004を対応付けたレコードの集合体となっている。前記個人番号1005は、例えば、利用者登録時に使用した身分証明書記載の個人番号(保険証の番号、住基ID、免許証番号など)が格納される。また前記身分証明書種別1006は、利用者登録時の使用身分証の種別を後述する身分証明書DB(図13)で特定した値(種別6001の値)が格納される。
【0056】
また、図9に示す静脈データDB403は、前記利用者の指静脈データを登録するデータベースであり、例えば、ユーザID2001、氏名2002(図8のユーザ情報DB402でのユーザID1001、氏名1002と同一の値が格納される)をキーとして、指静脈データたる第1画像〜第3画像が対応付けたレコードの集合体となっている。例えば前記利用者は、利用登録時に指静脈データを3回取得する。前記指静脈データは、前記電子ペン100での前記グリップ部分に当接される手指と同じ手指の箇所についての指静脈データである。前記第1画像2003は1回目に取得した指静脈データであり、第2画像2004は2回目に取得した指静脈データであり、第3画像2005は3回目に取得した指静脈データである。
【0057】
図10に示す管理者IDパスワードDB404は、前記処理端末200を管理する管理者(電子ペン100が設置された店舗等の管理者など)について情報を格納しておくデータベースである。このデータベース404は、例えば、管理者ID3001をキーとして、パスワード3002、場所情報3003、および用途種別3004といったデータが対応付けたレコードの集合体となっている。前記管理者ID3001は、電子ペン100と処理端末200を設置している店舗や事務所等における処理端末200の管理者に関しユニークに割り当てられた値である。また前記パスワード3002は、前記管理者ID3001を使用する際に必要なパスワードである。また、前記場所情報3003は、前記電子ペン100と処理端末200を設置している店舗や事務所等の情報(店名など)を格納する。また前記用途種別3004は、後述する用途DB408(図14)における用途種別7001の値から、該当店舗等における筆記者判定の利用用途に対応した値を格納する。
【0058】
図11に示す座標・静脈データ登録DB405は、筆記中に取得した筆記データと筆記中に得た指静脈データ(生体情報)を登録するデータベースである。このデータベース405は、例えば、筆記者のユーザID4001をキーとして、筆記実施日たる日付4002、筆記実施時刻たる時刻4003、筆記データの筆記座標たる座標4004、筆記を開始、終了したことを示す開始終了フラグ4005(開始の場合「1」を、終了の場合には「2」を格納)、筆記中に指静脈データを取得した場合に「1」を格納する静脈取得フラグ4006、筆記中に取得した指静脈データに関しユニークに割り当てられる値を格納する画像ID4007、利用者による処理端末200でのログイン処理時に使用されたログインID4008、前記画像ID4007に対応している指静脈データを格納する画像4009といったデータが対応付けたレコードの集合体となっている。
【0059】
図12に示す静脈データ判別情報DB406は、筆記中に取得した指静脈データと、静脈データDB403(図9)内の指静脈データ(第1〜第3画像)との認証結果を登録するデータベースである。このデータベース406は、筆記者のユーザIDたるユーザID5001をキーとして、筆記中に取得した静脈データのIDたる画像ID5002、前記画像ID5002の認証結果たる判別結果5003(認証成功の場合は「1」を、認証失敗の場合は「0」を格納する)、筆記者が筆記を開始して最初に取得した静脈データを格納しているレコードに「1」を格納する開始フラグ5004といったデータが対応付けされたレコードの集合体となっている。
【0060】
図13に示す身分証明書DB407は、利用者登録時の本人確認に使用する証明書情報を登録しておくマスタデータベースであり、各身分証明書に対してユニークに割り当てられる種別6001、身分証明書の名称を証明書6002を格納する。
【0061】
図14に示す用途DB408は、筆記中に複数得た指静脈データと静脈データDB403の指静脈データとが一致して認証成功となった割合=筆記者認証適合率の基準値(以下閾値)を、用途別(例:クレジットカード決済用、小切手サイン用、公正証書記載用など)に格納しておくマスタデータベースである。用途毎に指定した閾値を超える筆記者認証適合率であれば筆記者を本人と判定することになる。前記用途種別7001は本システム1の用途毎にユニークに番号が割り当てられ、前記用途7002には本システム1の用途、前記閾値7003には用途毎に指定されている閾値の値が格納されている。
【0062】
図15に示すログイン情報DB409は、前記処理端末200の管理者のログイン情報を管理するデータベースで、管理者が処理端末200へログインする際に使用したIDを格納したログインID8001、ログイン時刻を格納したログイン時刻8002、処理端末200を停止した時間を格納したシステム終了時刻8003といったデータから構成される。
【0063】
図16に示す座標データ取得情報DB410は、前記電子ペン100から取得した座標データを格納するデータベースで、前記電子ペン100で筆記データ毎に一意に割り当てられるIDであるデータ取得ID9001をキーとして、筆記データ取得日を示す日付9002、筆記データ取得時の取得時刻9003、筆記データが含む筆記座標である座標9004といったデータを対応付けたレコードの集合体となっている。
【0064】
図17に示す静脈データ取得情報DB411は、指静脈データを前記電子ペン100から取得して格納するデータベースであり、座標データ取得情報DB410(図16)におけるデータ取得ID9001と同意のデータ取得ID10001をキーとして、筆記データ取得日たる日付10002、筆記データ取得時の取得時刻1003、筆記中に取得した指静脈データの画像にユニークに割り振られる画像ID10004、筆記中に取得した指静脈データである画像データ10005を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0065】
図18に示す使用ユーザ情報DB412は、電子ペン利用者が前記処理端末200を利用した時刻情報を保持しており、利用者のユーザID11001をキーとして、筆記を開始した時刻である認証時刻11002、筆記を終了した時刻である終了時刻11003、筆記データに一意に割り振られるデータ取得ID11004を対応付けたレコードの集合体となっている。
【0066】
−−−処理フロー例1−−−
以下、本実施形態における筆記者判定方法の実際手順について図に基づき説明する。なお、以下で説明する筆記者判定方法に対応する各種動作は、前記システム1を構成する電子ペン100、処理端末200、管理サーバ300、DBサーバ400らのメモリに読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0067】
図19は本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例1を示す図である。ここでは、筆記開始準備処理として、処理端末200の管理者が処理端末200を起動してログイン処理を行い、筆記者に関する個人情報検索を行う際の処理フローを示す。この場合、前記処理端末200の画面表示機能部205は、例えば、処理端末200の起動に応じてログイン画面700(図27)のデータを表示部208を介してディスプレイ205で表示(S101)する。
【0068】
また、前記処理端末200のデータ取得機能202は、前記ログイン画面700を介して管理者ID3001、パスワード3002の入力を受け付けて取得し、そのデータをデータ送信機能部204に渡す。このデータ送信機能部204は、管理サーバ300のデータ取得機能部303に前記データを含むログイン要求を送ることになる。
【0069】
この時、前記管理サーバ300のログイン処理部307は、前記データ送信機能部204から送られてきたログイン要求に応じてログイン処理を実行する(S102)。このログイン処理(S102)において、前記管理サーバ300のログイン処理部307は、ログイン要求が含む前記管理者ID3001、パスワード3002を前記管理者IDパスワードDB404に照合して管理者に関する認証を行う。また、前記ログイン処理部307は、ログインに使用されたログインIDを、前記ログイン情報DB409(図15)のログインID8001に、またログイン時刻をログイン時刻8002に格納する。なお、処理端末300からのログオフ時には、前記ログイン処理部307はログオフ時刻を前記ログイン情報DB409の終了時刻8003に格納することになる。
【0070】
上述のログイン処理実行後、前記管理サーバ300のログイン処理部307は、メニュー画面710(図28)のデータを、前記処理端末200のデータ取得機能203へ送信する。これに応じて、前記処理端末200の画面表示機能部205は、前記メニュー画面710を表示する(S103)。
【0071】
前記処理端末200のデータ取得機能202は、前記メニュー画面710において、「新規登録」ボタンの押下に伴い(S104:YES)、当該画面710を介して入力装置206で管理者ないし筆記者により入力された新規筆記者の登録情報を取得する。この場合、前記データ取得機能202は、前記新規筆記者の登録情報を前記データ送信機能部204に渡し、このデータ送信機能部204が前記登録情報を含む登録要求を管理サーバ300のデータ取得機能部303へ送信する(S105)。
【0072】
前記管理サーバ300のデータ取得機能部303は前記登録情報を受信し、前記個人情報管理部311に渡す。この個人情報管理部311は、図26に示す個人情報登録処理(S107)を行うことになる。図26に例示したフローについては後述する。この新規登録処理の終了後、前記管理サーバ300の個人情報管理部311は、新規筆記者に関する個人情報とその確認依頼メッセージを前記処理端末200に送信する(S111)。
【0073】
一方、前記処理端末200のデータ取得機能部203は、前記個人情報および前記確認依頼メッセージを受信してディスプレイ205に表示する(S113)。ここで前記個人情報が正しいという情報が入力装置206で入力された場合(S114:YES)、前記データ取得機能部203は、前記新規筆記者の情報の格納依頼を管理サーバ300の個人情報管理部311に送る(S116a)。前記管理サーバ300の個人情報管理部311は、前記格納依頼を受けて、前記新規筆記者の登録情報について格納処理(S116)を行う。この格納処理では、前記使用ユーザ情報DB412(図18)のユーザID11001、認証時刻11002、およびデータ取得ID11004の各欄へ対応データを格納する。前記ステップS116の後、処理はステップS120(図20)へ遷移する。
【0074】
なお、前記ステップ114において、前記個人情報が正しくないという情報が入力装置206で入力された場合(S114:No)、処理はステップS115へ遷移し、前記処理端末200の画面表示機能部205が再処理依頼メッセージをディスプレイ205に表示した後、前記ステップS103のメニュー画面表示に処理が戻る。
【0075】
他方、前記メニュー画面710(図28)において、「検索」ボタンが押下された場合(S104:No)、前記処理端末200の画面表示機能部205は、画面730(図30)をディスプレイ205に表示する。この時、前記処理端末200のデータ取得機能部203は、前記画面730を介して筆記者の氏名、生年月日のデータを取得する。それに続いて前記処理端末200の画面表示機能部205は、指静脈データの読み取りメッセージを含んだ画面740(図31)をディスプレイ205に表示する。この時、前記処理端末200のデータ要求機能部202は、前記ケーブル31を介して前記電子ペン100に起動要求を送信し、電子ペン100を起動させる。この時、筆記者は前記電子ペン100を把持しているものとする。
【0076】
一方、前記電子ペン100のデータ取得管理部129は、当該電子ペン100を把持している筆記者の手指に対し、前記撮像部115および光源116により指静脈データを取得するものとする。また前記電子ペン100のデータ取得管理部129は、取得した指静脈データを前記通信部125を経由して前記処理端末200のデータ取得機能203へ送信する。
【0077】
前記処理端末200のデータ送信機能部204は、前記画面730を介して取得した筆記者の氏名、生年月日のデータ、および前記電子ペン100から取得した指静脈データを、検索処理依頼と共に管理サーバ300のデータ取得機能部303に送信する(S106)。
【0078】
前記管理サーバ300の個人情報管理部311は、前記処理端末200から筆記者の氏名、生年月日、および指静脈データを受信し(S108)、ここで受信したデータを用いて図24に示す個人情報検索処理(S109)を実行する。この検索処理により前記個人情報管理部311は、前記筆記者についてDBサーバ400にて登録済みの個人情報を取得する。
【0079】
なお、前記ステップS109の結果、前記ユーザ情報DB402、静脈データDB403において一致する登録情報が検索できなかった場合(S110:No)、前記個人情報管理部311は、再入力依頼メッセージを処理端末200に送信し(S112)、処理を前記ステップS113に遷移させる。一方、前記ステップS109の結果、前記ユーザ情報DB402、静脈データDB403において一致する登録情報が検索できた場合(S110:YES)、前記個人情報管理部311は、検索できた個人情報とその確認依頼メッセージを送信する(S111)。
【0080】
この時、前記処理端末200では前記管理サーバ300からの個人情報と確認依頼メッセージを受信・表示する(S113)。ここで前記個人情報が正しいという情報が入力装置206で入力された場合(S114:YES)、前記データ取得機能部203は、前記新規筆記者の情報の格納依頼を管理サーバ300の個人情報管理部311に送る(S116a)。前記管理サーバ300の個人情報管理部311は、前記格納依頼を受けて、前記新規筆記者の登録情報について格納処理(S116)を行う。この格納処理では、前記使用ユーザ情報DB412(図18)のユーザID11001、認証時刻11002、およびデータ取得ID11004の各欄へ対応データを格納する。前記ステップS116の後、処理はステップS120(図20)へ遷移する。
【0081】
なお、前記ステップ114において、前記個人情報が正しくないという情報が入力装置206で入力された場合(S114:No)、処理はステップS115へ遷移し、前記処理端末200の画面表示機能部205が再処理依頼メッセージをディスプレイ205に表示した後、前記ステップS103のメニュー画面表示に処理が戻る。
【0082】
−−−処理フロー例2−−−
図20は本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例2を示す図である。ここでは、上述の筆記開始前準備処理を受けて、筆記開始処理に関するフローを示す。なお、前処理フロー例1でのステップS116までの処理により、これから電子ペン100を用いた筆記を行おうとする筆記者の特定が完了している。
【0083】
この場合、前記処理端末200の画面表示機能部205は、電子ペンの使用準備の実施を要求するメッセージ(記憶部に予め保持)をディスプレイ205にて画面表示する(S120)。また前記処理端末200のデータ要求機能部202は、前記ケーブル31で接続された前記電子ペン100に対し、筆記開始要求を送信する(S121)。
【0084】
一方、前記電子ペン100のデータ取得管理部129は、前記筆記開始要求を受信し(S122)、前記可動式スイッチ部117の通電確認(S123)を行う。この通電確認は、例えば、前記可動式スイッチ部117において、前記ガラス板119が回転して前記スイッチ118を下方に押し込んでスイッチがオン状態となっている=前記電池110から前記撮像部115や光源116へ駆動電流が供給された状態、か否かを判定することになる。
【0085】
前記通電確認の結果、前記可動式スイッチ部117の前記スイッチ118がオフ状態となっており、指静脈データの取得が可能な状態になければ(S124、S125:No)、前記データ取得管理部129は、前記処理端末200のデータ取得機能部203に対し、エラー情報を送信する(S131)。また、前記処理端末200のデータ送信機能部204は、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303へエラー情報を送信する(S132)。この場合、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303は、前記エラー情報を受信し、前記データ要求機能部302がリトライメッセージを処理端末200に送信(S133)する。これにより、再度の筆記者認証実施要求メッセージを処理端末200の画面表示機能部205が表示する前記S120の処理へ移る。なお、前記リトライ実施後も前記ステップS125でエラーであった場合は、処理を最初から実施するよう、前記管理サーバ300のデータ要求機能部302がメッセージを前記処理端末200に送る。処理端末200の画面表示機能部205はこのメッセージを表示した後、前記メニュー画面710に戻る等の強制終了処理を行う。
【0086】
他方、前記ステップS125の判定にて、前記通電確認の結果が、前記可動式スイッチ部117の前記スイッチ118がオン状態となっており、指静脈データの取得が可能な状態であれば(S124、S125:YES)、前記電子ペン100のデータ取得管理部129は、例えば、前記バイブレータ111を振動させ、前記LEDインジケータ112を点灯(S126)させ、筆記開始可能状態であることを筆記者に知らせる。また、前記電子ペン100のデータ取得管理部129は、電子ペン100が筆記開始可能状態であることを前記処理端末200のデータ取得機能部203に通知する(S127)。
【0087】
一方、前記処理端末200のデータ取得機能部203は、前記電子ペン100より筆記開始可能状態の通知を受信し、前記データ送信機能部204が前記管理サーバ300のデータ取得機能部303へ筆記開始可能である通知を送信する(S128)。この場合、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303は、筆記開始可能の通知を受信し、前記データ要求機能部302が筆記開始メッセージを前記処理端末200のデータ取得機能部203に送信する(S129)。前記処理端末200の画面表示機能部205は、前記筆記開始メッセージを管理サーバ300から受信し、ディスプレイ205にて表示処理する(S130)。ここまでの処理により、前記筆記者による前記電子ペン100を用いた筆記の準備が完了したことになる。
【0088】
−−−処理フロー例3−−−
図21は本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例3を示す図である。ここでは、筆記データと指静脈データを取得するフローを示している。この場合、上記処理フロー例2のステップS130の実行後において、前記筆記者が前記電子ペン100を用いて電子ペン対応用紙5にて筆記を始めたとする。この時、前記電子ペン100の筆記具128を用いた筆記動作により、前記電子ペン対応用紙5上で筆跡が生じる。
【0089】
この時、前記電子ペン100の筆記読み取り部130は、前記電子ペン対応用紙5上に生じた筆跡の座標データ=筆記座標を、前記電子ペン対応用紙5に配置されている前記ドット127から、前記光学ユニット114(光源121と撮像部120)を用いて読み取り、前記光学ユニット114から受信する(S201)。前記光学ユニット114から筆記座標受信を開始したタイミングで、前記筆記読み取り部130は、前記筆記座標のデータ毎に重複しないデータ取得IDを採番(採番手法はデータ受信順に1ずつ番号をインクリメントするなど一般的なものでよい)する。このデータ取得IDの値は、筆記毎にユニークな値とし、筆記座標や指静脈データを特定する際のキーとなる。
【0090】
続いて前記電子ペン100の筆記時期通知部131は、前記筆記座標のデータを光学ユニット114から受信すると、筆記座標のデータ受信を開始したことを示す信号=筆記座標取得の開始通知を、前記処理端末200のデータ取得機能部203に送信する(S202)。一方、前記筆記読み取り部130は、前記メモリ122に前記筆記座標のデータを登録する(S211)。なお、前記筆記座標のデータは、前記処理端末200へ送信するまで、前記記憶部124に一旦データ保存するとしてもよい。また前記筆記読み取り部130は、前記筆記座標のデータ登録に伴い、登録データのエラーチェックも行うとすればよい(S212)。
【0091】
続いて、前記処理端末200において、前記データ取得機能部203が前記電子ペン100より筆記座標取得の開始通知を受信(S203)すると、前記データ要求機能202は、筆記座標取得の終了通知を受け取るまで、一定間隔ないしランダムのタイミングで生体情報たる指静脈データの取得要求信号を電子ペン100の前記取得完了通知部132に送信する(S204)。
【0092】
一方、前記電子ペン100の取得完了通知部132は、前記処理端末200のデータ要求機能202から前記指静脈データの取得要求信号を受信し(S205)、前記光源116および撮像部115により、前記筆記者の指静脈データを取得する。また、この指静脈データ取得時における筆記中文字の筆記座標、筆記時刻を前記光学ユニット114から取得(S206)する。前記取得完了通知部132は、ここで取得した筆記座標、筆記時刻、指静脈データをメモリ122に登録する(S207)。これらのデータは処理端末200に送信されるまで前記記憶部124にて保存するとてもよい。
【0093】
また、前記電子ペン100の取得完了通知部132は、前記ステップS207が完了したタイミングで、指静脈データの取得完了通知を、前記処理端末200のデータ取得機能部203に対して送信する(S208)。なお指静脈データ等の処理端末200への送信は、光学ユニット114からのデータ取得直後に行っても良い。
【0094】
その後、前記電子ペン100において、前記圧力センサー113が筆記時の圧力=筆圧を感知せず(或いは筆圧が所定基準値以下である時)、また前記可動式スイッチ部117において前記スイッチ118がオフ状態=ガラス板119から前記筆記者の手指が離れていることを前記筆記時期通知部131は検知し、筆記座標のデータ取得終了通知を前記処理端末200のデータ取得機能部203に送信する(S213)。
【0095】
またこれに合わせて、前記電子ペン100のデータ送信部133は、前記記憶部124に保存していた筆記座標データ及び指静脈データ取得時の筆記座標、筆記時刻、指静脈データを、前記処理端末200に転送する(S214)。この転送処理は、前記電子ペン100がクレードルなど処理端末200との接続インターフェイスに載置されたタイミングで実行するとしても良い。
【0096】
一方、前記処理端末200のデータ取得機能部203は、前記電子ペン100のデータ送信部133から前記筆記座標データ、指静脈データ取得時の筆記座標、筆記時刻、および指静脈データを受信する(S215)。また前記データ送信機能部204は、前記ステップS215で受信したデータを、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303へ送信し、結果照会処理(S216)を実行する。
【0097】
−−−処理フロー例4−−−
図22は本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例4を示す図である。ここでは、前記処理フロー例3にて示した結果照会処理(S216)についての処理フローを示す。この場合、前記処理端末200のデータ送信機能部204は、筆記終了により前記電子ペン100のデータ送信部133から転送されたメモリ蓄積データ(筆記座標データ、データ取得ID、指静脈データ取得時の筆記座標、筆記時刻、および指静脈データ)を、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303へ送信(S301)する。
【0098】
一方、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303は、前記メモリ蓄積データを受信し(S302)、生体情報認証機能部306に渡す。この生体情報認証機能部306は結果照合中を示すメッセージを前記処理端末200のデータ取得機能部203に送信する(S303)。この時、前記処理端末200の画面表示機能部205は、結果照合中メッセージを前記管理サーバ300から受信してディスプレイ205にて画面表示する(S304)。なお、前記管理サーバ300の生体情報認証機能306は、前記処理端末200から受信した前記メモリ蓄積データについて結果判定処理(S305)を行う。この結果判定処理については図23に基づき後述する。
【0099】
前記管理サーバ300の生体情報認証機能306は、前記結果判定処理(S305)で計算した筆記中の指静脈データの筆記者認証適合率と、ログイン処理時に取得した使用用途毎の前記閾値7003とを比較し(S306)、閾値以上であれば(S306:YES)判定結果を処理端末200のデータ取得機能部203に送信する(S307)。一方、処理端末200の画面表示機能部205は、前記判定結果を受信してディスプレイ205にて画面表示し(S308)、処理を完了する。この際に表示する画面770は図34のように筆跡中における指静脈データの取得箇所とその指静脈データの認証結果とがあわせて表示されるものとなる。
【0100】
他方、前記ステップS306で、前記筆記者認証適合率が前記閾値に達していない場合(S306:No)、前記管理サーバ300の生体情報認証機能部306は、リトライするか問うメッセージを前記処理端末200に送信する(S309)。この時、前記筆記者らがリトライを希望する場合、前記処理端末200のデータ要求機能部202は入力装置206でリトライ指示を前記筆記者らから受け、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303にリトライ要求を送る(S311)。管理サーバ300のデータ取得機能部303は前記リトライ要求を受けて、前記メニュー画面710のデータを処理端末200に送る(S312)。例えば、前記リトライは2回までとし、それ以上は再度メニュー画面からの実施とするといった処理にしてもよい。
【0101】
なお、前記管理サーバ300は上記ステップS306の処理を行わず、前記ステップS305での前記判定結果を処理端末200に送るとしてもよい。
【0102】
また、前記ステップS306の処理で得た判定結果は、前記管理サーバ300から前記DBサーバ400の座標・静脈データ登録DB405などに登録される。従って、筆記中や筆記終了直後だけでなく、筆記終了から一定期間が経過した後でも筆記者や管理者等により照会出来る。この照会時には、個人番号、氏名、生年月日、性別、住所などを検索キーとして受け付ける照会処理用の画面(図29、図32、図33)を管理サーバ300が処理端末200に提示し、前記検索キーに該当する筆記者に関する過去の判定結果を前記DBサーバ400で検索し、検索結果を処理端末200に返信する。
【0103】
−−−処理フロー例5−−−
図23は本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例5を示す図である。ここでは、上記処理フロー例4での結果判定処理(S305)の詳細フローを示す。この場合、前記管理サーバ300のデータDB機能部305は、前記電子ペン100から受信した前記メモリ蓄積データのうち、例えば、筆記座標のデータ、当該筆記座標のデータ取得ID、筆記日付、筆記時刻の登録指示を前記DBサーバ400に送る(S401)。また前記データDB管理機能部305は、前記メモリ蓄積データのうち、例えば、指静脈データたる画像データ、指静脈データ取得時の筆記座標、および当該筆記座標のデータ取得ID、筆記日付、筆記時刻の登録指示を前記DBサーバ400に送る(S402)。
【0104】
一方、前記DBサーバ400のデータ処理部415は、前記管理サーバ300から前記登録指示を受けて、当該登録指示が含む前記データ取得ID、筆記日付、筆記時刻、筆記座標のデータを、前記座標データ取得情報DB410の対応欄9001、9002、9003、9004に格納する(S403)。
【0105】
また、前記DBサーバ400のデータ処理部415は、前記管理サーバ300から前記登録指示を受けて、当該登録指示が含む前記指静脈データたる画像データ、該当指静脈データ取得時の筆記座標、当該筆記座標のデータ取得ID、筆記日付、筆記時刻を、前記静脈データ取得情報DB411の対応欄10001、10002、10003、10004、10005に登録する(S404)。
【0106】
次に前記DBサーバ400のデータ処理部415は、図11の座標・静脈データ登録DB405の更新を行う。ここで前記データ処理部415は、前記ステップS403、s404で管理サーバ300から得たデータ取得IDを検索キーとし、前記使用ユーザ情報DB412の欄11001からユーザID4001を取得する。また前記データ処理部415は、前記データ取得IDを検索キーとし、前記座標データ取得情報DB410の欄9004から筆記座標データたる座標4004を取得する。また、前記データ処理部415は、前記データ取得IDを検索キーとし、前記座標データ取得情報DB410の欄9002より、筆記座標を取得した日付4002を、同様に筆記座標の取得時刻を欄9003から取得する。更に、前記データ処理部415は、前記データ取得IDを検索キーとし、前記静脈データ取得情報DB411の欄10004、10005から画像ID4007と指静脈データたる画像データ4009を取得する。
【0107】
こうして取得したデータを、前記データ処理部415は、前記座標・静脈データ登録DB405の対応欄に格納し更新処理を行うこととなる。なお、前記指静脈データを前記座標・静脈データ登録DB405に格納する際、前記データ処理部415は、前記静脈取得フラグ4006に「1」を格納する。また前記データ処理部415は、前記座標・静脈データ登録DB405に格納したデータのうち最初のレコード(=筆記開始して初めて得た筆記データ、指静脈データに対応する)には開始終了フラグ4005の欄に「1」を、最後のレコード(=筆記終了直近で得た筆記データ、指静脈データに対応する)には「2」を格納する。また前記データ処理部415は、前記座標・静脈データ登録DB405におけるログインID4008の欄には、図15のログイン情報DB0409のログインID8001の値を格納する。このログインID4008を検索キーとすることで、前記データ処理部415は、前記管理者IDパスワードDB404より、対応する場所情報3003、用途種別3004のデータを特定することができる。また、前記用途種別3004のデータは、前記用途DB408から前記用途7002、閾値7003の各データを取得するキーとできる。
【0108】
こうして各DBの更新が完了した前記DBサーバ400のデータ処理部415は、前記管理サーバ300に対し、DB更新終了情報を送信する(S405)。
他方、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303は、前記DB更新終了情報をDBサーバ400から受信しすると(S406)、前記DBサーバ400のデータ処理部415に対し、筆記中の前記筆記者について取得している指静脈データの画像IDを要求する(S407)。
【0109】
この時、前記DBサーバ400のデータ処理部415は、前記画像IDの要求を受信し(S408)、前記ステップS403、S404でのDB更新時に使用したデータ取得IDを検索キーとし、前記座標・静脈データ登録DB405に格納している静脈取得フラグ4006に「1」および「2」が格納されているレコードを検索する。この静脈取得フラグ4006に「1」および「2」が格納されているレコードは、筆記座標の取得開始と終了とを示しており、つまり、この間のレコードは、電子ペン100による電子ペン対応用紙5上での一連の筆跡(例:“あいうえおかきくけこ”など一文、所定文字数の文字列など)に対応するものとなる。
【0110】
また、前記データ処理部415は、前記静脈取得フラグ4006に「1」が格納されている該当レコードから、前記静脈取得フラグ4006に「2」が格納されている該当レコードに至るレコード群が含む各レコードについて、ユーザID4001、日付4002、時刻4003、座標4004、静脈取得フラグ4006、画像ID4007、ログインID4008、画像4009の各データを取得する(S408)。また前記データ処理部415は、これら前記座標・静脈データ登録DB405から取得したデータを、前記管理サーバ300のデータ取得部303に送信する(S409)。
【0111】
例えば、“あいうえおかきくけこ”の10文字からなる筆跡について、各1文字ごとに複数レコード(開始終了フラグ4005が「1」から「2」に至るまでレコード)が生成されており、前記10文字の各レコードからなるレコード群が前記管理サーバ300のデータ取得部303に送信されたとする。この時、前記管理サーバ300のデータ変換機能部304は、前記DBサーバ400から受信した各レコードの筆記座標群たる座標4004のデータ群を基に、前記“あいうえおかきくけこ”の筆跡を示すビットマップ形式等の筆跡画像を生成する(S410)。この筆跡画像の生成は、例えば、前記筆記座標群の各筆記座標を所定座標面上にプロットし、各筆記座標間を所定アルゴリズムに基づいて結ぶことで筆跡を生成する(筆記座標に基づいて筆跡画像を生成する手法については既存記述を採用すればよい)。
【0112】
また前記データ変換機能部304は、前記レコード群より前記静脈取得フラグ4006が「1」であるレコードを特定し、該当レコードより筆記座標を示す座標4004の値を読み取り、前記筆跡画像中における前記座標4004の値の対応位置に、例えば、指静脈データの取得箇所を示す○印の表示データと、該当箇所で取得した指静脈データの画像ID4006の表示データを配置する(S411)。
【0113】
例えば、前記処理端末200が電子ペン100に対し、指静脈データの取得要求を一定時間毎(例:0.3秒毎など)に通知した結果、前記電子ペン100で筆記された前記“あいうえおかきくけこ”の文字列のうち、“あ”、“う”、“お”、“か”、“け”の各文字の筆記中のタイミングの所定時刻で指静脈データの取得がなされたとする。また例えば、前記“あ”の文字の筆記中において、日付4002“20090202”の時刻4003“20時20分21秒22”に電子ペン100で取得された指静脈データの画像IDが“aaa0001”だったとする。この場合、筆跡画像中の前記“あ”の筆跡において、前記画像ID“aaa0001”および○印の表示が、当該画像ID“aaa0001”に対応する座標4004“123,321”の位置に配置されることになる。
【0114】
この時、前記データ変換機能部304は、前記指静脈データの取得時刻における筆記座標=前記静脈取得フラグが「1」であるレコードでの筆記座標、に対応する指静脈データの認証処理(後述するステップS412)の結果を生体情報認証機能部306から得て、前記認証処理結果を示す表示データを、前記筆跡画像中での所定位置(例:筆跡画像中における対応指静脈データの取得位置、或いは前記画像ID4006の表示データ欄における対応指静脈データの画像ID下段など)に配置し、その筆跡画像データを前記DBサーバ400ないし処理端末200に送信する(S414)。ここで送信した筆跡画像のデータ例としては、図34の画面770に示す通りである。この画面770では、筆跡画像771において、指静脈データの取得箇所を示す○印の表示データ772と、該当箇所で取得した指静脈データの画像ID4006の表示データ773とが配置されている。また、各指静脈データに関する認証処理結果を示す表示データ775を、前記画像ID4006の表示データ欄774における対応指静脈データの画像ID下段に配置している。
【0115】
前記管理サーバ300の生体情報認証機能部306は、図25に示す筆記中に取得した指静脈データに関する前記判定処理(S412)を実行した後、前記判定処理の結果として得る指静脈データの照合件数(上記例では、“あ”、“う”、“お”、“か”、“け”の各文字に対応する5件)と一致件数(認証成功の件数)、不一致件数(認証不成功の件数)から、筆記者認証適合率を計算(S413)する。筆記者認証適合率は照合件数中における一致件数の割合で算出する値であり、この算出結果の値が所定閾値を超えると前記“あいうえおかきくけこ”の一文について、筆記者は正当な者であると判定し、算出結果が所定閾値を超えないと前記“あいうえおかきくけこ”の一文について、筆記者は正当な者でないと判定する。この判定結果は、前記画面770での判定結果欄776において○=正当な筆記者、×=不正な筆記者で示す。なお、上記図25の処理フローについては後述する。
【0116】
−−−処理フロー例6−−−
図24は本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例6を示す図である。ここでは、個人情報検索処理(処理フロー例1でのステップS109)の処理フローを示す。この場合、前記処理端末200のデータ送信機能部204は、図28のメニュー画面710での「検索」ボタン押下に応じ、図30に示す検索画面730をディスプレイ205にて表示し、また、前記データ取得機能部203は前記画面730にて氏名、生年月日のデータを取得して、管理サーバ300のデータ取得部303に送信する(S501)。
【0117】
前記管理サーバ300の個人情報管理部311は、前記処理端末200から受信した氏名、生年月日の情報を基に、前記DBサーバ400のユーザ情報DB402を検索する(S502)。この時、前記ユーザ情報DB402のデータ処理部415は、前記氏名、生年月日をキーとした前記ユーザ情報DB402での検索を実行し、その検索結果を前記管理サーバ300に返信する(S503)。
【0118】
他方、前記管理サーバで0300のデータ取得部303は、前記DBサーバ400からユーザ情報DB402での検索結果を受け取り、これを前記個人情報管理部311に渡す。前記個人情報管理部311は、前記ステップS503での検索の結果、前記氏名、生年月日に一致するレコードが前記ユーザ情報DB402で検索できなければ(S504:No)、前記処理端末200に氏名、生年月日の再入力を促すメッセージを送信する。一方、前記処理端末200の画面表示機能部205は前記メッセージを受信して、ディスプレイ205に表示し(S505)、本フローを終了する。
【0119】
一方、前記ステップS503での検索の結果、前記氏名、生年月日に一致するレコードが検索できた場合(S503:YES)、前記個人情報管理部311は、前記処理端末200のデータ受信機能部204に対し、指静脈データの取得要求を送信(S506)する。この場合、前記処理端末200のデータ受信機能部204は、前記管理サーバ300のデータ要求機能部302が送信した前記指静脈データの取得要求を受信し、また、これに応じて前記画面表示機能部205が指静脈データの取得要求メッセージをディスプレイ205にて表示(S507)する。
【0120】
それとともに前記処理端末200のデータ要求機能202は、前記電子ペン100を起動する。また前記データ取得管理部129は電子ペン100より指静脈データを取得する。前記電子ペン100のデータ取得管理部129は、指静脈データの取得後、例えば前記ケーブル31で処理端末200と接続された専用クレードルに前記電子ペン100が載置されると、もしくは前記スイッチ118がオフであることで筆記座標の取得が終了したと判定された場合、電子ペン100は、前記処理端末200のデータ取得機能部203に対し、取得した指静脈データ等を送信(S508)する。
【0121】
一方、前記処理端末200のデータ取得機能部203は前記指静脈データらを電子ペン100より取得する。また前記データ送信機能部204は、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303に前記指静脈データらを送信(S509)する。前記管理サーバ300のデータ取得機能部303は前記指静脈データらを取得し、前記データDB機能部305に渡す。前記データDB機能部305は、前記ユーザ情報DB402を前記氏名、生年月日で検索して取得したユーザID1001をキーとして、前記DBサーバ400の静脈データDB403での検索処理(S510)を行う。この時、前記DBサーバ400のデータ処理部415は、前記管理サーバ300のデータDB機能部305より得たユーザID1001をキー情報として静脈データDB403のユーザID2001を検索し、一致するユーザの第1画像2003、第2画像2003、第3画像2004の各データを取得し、ここで取得したデータを前記管理サーバ300に送信(S511)する。前記管理サーバ300のデータ取得機能部305は、前記DBサーバ400のデータ処理部415から送信されてきた前記指静脈の画像データを受信(S512)し、前記処理フロー例1でのステップS109に処理を戻す。
【0122】
−−−処理フロー例7−−−
図25は本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例7を示す図である。ここでは、前記処理フロー例でのステップS412=筆記中に取得した指静脈データに関する筆記者判定処理について示す。この場合、前記管理サーバ300の生体情報認証機能306は、前記レコード群より前記静脈取得フラグ4006が「1」であるレコードを、上記例の如く、“あ”、“う”、“お”、“か”、“け”の各文字に対応するレコードより特定したとする(S601、S602)。そして、この場合、前記生体情報認証機能306は、前記“あ”、“う”、“お”、“か”、“け”の計5文字に対応するレコードより特定したレコードの数=画像4009の件数をカウント(S603)する。
【0123】
また前記管理サーバ300のデータ取得機能部303は、前記ステップS601、S602で特定した画像4009(=指静脈データ)のデータと、前記個人情報検索処理(S109)ないし前記人情報登録処理(S107)で取得した筆記者の指静脈データたる前記第1画像2003、第2画像2004、第3画像2005を静脈データDB403から取得する(S604)。また、前記生体情報認証機能306は、前記指静脈データと前記第1〜第3画像との照合処理(S605)を行う。
【0124】
この指静脈データの照合処理(S605)では、前記生体情報認証機能306が前記画像4009のデータと第1画像2003との比較、前記画像4009のデータと第2画像2004との比較、前記画像4009のデータと第3画像2005との比較、をそれぞれ実行し、いずれか一つ以上の比較処理で一致がみられた場合は「同一」、つまり筆記者は正当であると判定する。
【0125】
前記ステップS605の処理で「同一」と判定した場合(S606:YES)、前記生体情報認証機能306は、一致した件数としてカウントして当該カウント値をメモリに格納し(S607)、前記静脈データ判別情報DB406の判定結果5003に認証成功であった情報をとして「1」を格納(S607)する。前記ステップS605にて、「同一」の判定とならなかった場合(S606:No)、前記生体情報認証機能306は、不一致件数としてカウントして当該カウント値をメモリに格納し(S609)、前記静脈データ判別情報DB406の判定結果5003に認証失敗であった情報として「0」を格納(S610)する。
【0126】
また、前記管理サーバ300のデータDB機能部305は、静脈データ判別情報登録(S611)として、前記個人情報検索処理(S109)ないし前記個人情報登録処理(S107)で取得したユーザID1001、前記処理フロー例4から引き継いだ前記画像ID4006、前記処理フロー例4から引き継いだ前記開始フラグ4005を、前記静脈データ判別情報DB406のユーザID5001、画像ID5002、開始フラグ5004に設定し、また、ここで設定したデータを前記DBサーバ400のデータ処理部415に送信する。
【0127】
一方、前記DBサーバ400のデータ処理部415は、静脈データ判別情報登録(S612)として、前記管理サーバ300での前記ステップS611にて設定された内容で、前記静脈データ判別情報DB406を更新し、DB更新情報を前記管理サーバ300のデータ取得機能部303に送信する(S613)。この場合、前記管理サーバのデータ取得機能部303は、前記DB更新情報を受信し(S614)、一連の処理を完了する。こうした一連の処理は、筆記中に取得した各指静脈データに対して実施し(S615)し、前記ステップS601を処理対象の指静脈データが無くなるまで繰り返す。
【0128】
−−−処理フロー例8−−−
図26は本実施形態の筆記者判定方法の処理フロー例8を示す図である。ここでは、処理フロー例1での前記個人情報登録処理(S107)について示す。この場合、前記管理サーバ300の個人情報管理部311は、図28に示すメニュー画面710での新規登録ボタンの押下データを処理端末200から受けて、新規登録を確認するメッセージを送信(S701)する。
【0129】
この時、前記処理端末200のデータ取得機能部203は前記メッセージを受信し、前記画面表示機能部205に渡す。前記画面表示機能部205は前記メッセージをディスプレイ205にて表示(S702)する。筆記者ないし管理者が、前記処理端末200の入力装置206にて新規登録を指示した場合(S703:YES)、前記データ取得機能部203は、該当筆記者の氏名、生年月日、性別、住所等のデータを入力装置206を介して取得する(S704)。また、前記データ取得機能部203は、静脈データの取得要求メッセージをディスプレイ205にて表示し、前記筆記者に対して指静脈データの読み取り動作を促す。
【0130】
前記筆記者が前記電子ペン100の前記ガラス板119に手指を載置し、前記撮像部115、光源116がその指静脈データを読み取ったとする。この指静脈データの読み取りは例えば3回実行され、これにより取得された指情報データは前記電子ペン100から処理端末200に送信される(S706)。前記処理端末200ではこの指静脈データを受信し、前記データ送信機能部204に渡す。このデータ送信機能部204は、前記メニュー画面710などで画面入力された個人情報(氏名、生年月日等・・)と、前記電子ペン100から得ている指静脈データとを、登録要求と共に前記管理サーバ300のデータ取得機能部303に送信する(S708)。
【0131】
この場合、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303は、前記個人情報と指静脈データとを含む前記登録要求を受信し(S709)、これを前記個人情報管理機能部310に渡す。前記個人情報管理機能部310は、前記電子ペン100から得た指静脈データや個人情報が既に登録済となっていないか、前記DBサーバ400のデータ処理部415に個人情報の検索依頼を送り、前記静脈データDB403での前記指静脈データをキーとした検索を実行する(S710)。
【0132】
前記DBサーバ400のデータ処理部415は、上記検索依頼に応じて検索処理を実行し、この検索結果を前記管理サーバ300のデータ取得機能部303に送信する(S711)。前記検索の結果、前記電子ペン100から得た指静脈データと同一の指静脈データがDBサーバ400で検索できた場合(S712:YES)、その旨を管理サーバ300が処理端末200に通知する。この時、前記処理端末200の画面表示機能204は、前記通知を受けて、指静脈データが登録済であることを示すメッセージをディスプレイ205に表示(S713)し、本フローを完了する。他方、前記検索の結果、前記電子ペン100から得た指静脈データと同一の指静脈データがDBサーバ400で検索できなかった場合(S712:No)、前記管理サーバ300の個人情報管理機能部310は、該当指静脈データおよび個人情報についてユーザIDを採番し(S715)、前記DBサーバ400に前記指静脈データおよび個人情報の登録要求を送る(S715)。
【0133】
一方、前記DBサーバ400のデータ処理部415は、前記管理サーバ300が採番したユーザIDを、前記ユーザ情報DB402のユーザID1001と、前記静脈データDB403のユーザID2001にそれぞれ格納し、前記ステップS704で得ている筆記者の氏名を前記ユーザ情報DB402の氏名1002に、前記静脈データDB403の氏名2002に格納する。また同様に、前記筆記者の生年月日を、前記ユーザ情報DB402の年月日1003に、前記筆記者の住所を住所1004に、前記筆記者の身分証明書情報(免許証番号等)を個人番号1005に、前記筆記者の身分証明書種別を身分証明書種別1006に格納する。また、前記ステップS706で電子ペン100にて3回読み取った指静脈データは、前記静脈データDB403の第1画像2003、第2画像2004、第3画像2005の各項目に設定する。
【0134】
こうして前記データ処理部415は、前記ユーザ情報DB402、静脈データDB403を更新する(S716、S717)。また前記データ処理部415は、前記ステップS716、S717での更新結果を、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303に送信する。一方、前記管理サーバ300のデータ取得機能部303は、前記登録結果を前記DBサーバ400から受信(S718)し、本フローは完了する。
【0135】
本実施形態の前記筆記者判定システム1は、以下の構成としてもよい。すなわち前記電子ペンの筆記時期通知部は、新たな筆記座標の取得が一定時間無いことの検知、前記記憶部への新たな筆記データの格納が一定時間無いことの検知、電子ペンに備わる筆圧センサでの測定筆圧が基準値まで低下したことの検知、電子ペンに備わる所定インターフェイスでの筆記終了の指示受付のいずれかを契機にして前記筆記座標取得の終了通知を情報処理装置に送信する、としてもよい。
【0136】
また、前記情報処理装置の結果表示部は、情報処理装置に備わる入力部にて、筆記者の本人性確認依頼を受け付けた時に、前記記憶部に格納されている、前記筆記データ群および前記生体情報データ群を読み出して、前記生体情報データ群が含む各生体情報を前記記憶部の生体情報に照合して、前記筆記者に関して得た各取得時刻での筆記座標における生体情報に関する認証処理を実行し、前記筆記データ群が含む筆記座標群より筆跡画像を生成し、前記各取得時刻での筆記座標と前記筆記座標群とを照合して、前記筆跡画像中における前記各取得時刻での筆記座標の位置を特定し、ここで特定した前記筆跡画像中の各位置に、該当取得時刻での筆記座標に対応する生体情報の前記認証処理の結果を示す表示データを配置し、当該表示データが配置された筆跡画像を出力部に表示する、としてもよい。
【0137】
以上、本実施形態によれば、筆記開始前或いは筆記終了後のみならず、筆記者による筆記途中のタイミングについても筆記者の本人認証を実施することができる。また、電子ペンで記入した筆跡など筆記内容とともに、筆跡中の認証タイミング、その認証結果までも表示することが可能となる。そのため、こうした表示を筆記中に行えば、筆記中にその場で本人認証の結果を確認し、筆記者の真正性や筆記内容の改竄防止、筆記者の成りすましなどを防ぐことができる。またさらに、上記筆跡や認証結果等のデータを保存することで、筆記終了後であっても、筆跡に関する筆記者確認を実現することができる。
つまり、筆記途中および筆記完了後の筆記物についても筆記者の本人性確認が可能となる。
【0138】
以上、本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0139】
1 筆記者判定システム
5 電子ペン対応用紙
10 データ取得指示部
20 結果表示部
30 WAN回線
31 ケーブル
35 LAN
50 情報処理装置(処理端末+管理サーバ+DBサーバ)
100 電子ペン
105 クロック機能
110 電池
111 バイブレータ
112 LEDインジケータ
113 圧力センサー
114 光学ユニット
115 撮像部(静脈認証用)
116 光源(静脈認証用)
117 可動式スイッチ部
118 スイッチ
119 ガラス板
120 撮像部(筆記情報用)
121 光源(筆記情報用)
122、222、322、422 メモリ
123、223、323、423 CPU
124、224、324、424 記憶部
125 通信部
126 電源装置
127 筆記座標
128 筆記具
129 データ取得管理部
130 筆記読み取り部
131 筆記時期通知部
132 取得完了通知部
133 データ送信部
140、225、325、425 プログラム
200 処理端末
201 第1通信部
202 データ要求機能部
203 データ取得機能部
204 データ送信機能部
205 ディスプレイ装置(出力部)
206 キーボード・マウス装置(入力部)
207 第2通信部
300 管理サーバ
301 HTTPサーバ
302 データ要求機能部
303 データ取得機能部
304 データ変換機能部
305 データDB機能部
306 生体情報認証機能部
307 ログイン処理部
308 ディスプレイ(出力部)
309 キーボード・マウス(入力部)
310 個人情報管理機能部
311 通信部
400 DBサーバ
401 通信部
402 ユーザ情報DB
403 静脈データDB
405 座標・静脈データの登録DB
406 静脈データ判別情報DB
407 身分証明書DB
408 用途DB
409 ログイン情報DB
410 座標データ取得情報DB
411 静脈データ取得情報DB
413 ディスプレイ
414 マウス・キーボード
415 データ処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ペンと、電子ペンユーザの生体情報を予め記憶部に保持している情報処理装置とが通信可能に結ばれたコンピュータシステムであり、
前記電子ペンが、
筆記者による把持箇所に備わる生体情報センサと、
所定用紙での前記筆記者による筆記内容を光学装置で読み取って筆記座標を取得し、この筆記座標と当該筆記座標の取得時刻とを含む筆記データを記憶部に格納する筆記読み取り部と、
前記筆記座標の取得開始に応じて、筆記座標取得の開始通知を情報処理装置に送信し、前記筆記座標の取得終了に応じて、筆記座標取得の終了通知を情報処理装置に送信する、筆記時期通知部と、
前記開始通知の送信後、生体情報の取得要求を情報処理装置より受信した時、これに応じて前記生体情報センサによる前記把持箇所にある筆記者の生体部位の生体情報取得と、当該生体情報の取得時における筆記座標の前記光学装置からの取得とを実行し、前記生体情報およびこれに紐付いた筆記座標と、当該生体情報の取得時刻とを含む生体情報データを記憶部に格納し、生体情報の取得完了通知を情報処理装置に返信する取得完了通知部と、
前記記憶部より前記筆記者に関する筆記データ群および生体情報データ群を読み出して情報処理装置に送信する、データ送信部とを備え、
前記情報処理装置が、
電子ペンより筆記座標取得の開始通知を受信した時、前記電子ペンに対する生体情報の取得要求の送信と、当該取得要求に応じて前記電子ペンより返信されてくる生体情報の取得完了通知の受信とを、前記電子ペンより筆記座標取得の終了通知を受信するまで、予め定めた所定間隔で繰り返し実行するデータ取得指示部と、
前記電子ペンより送信される前記筆記データ群および前記生体情報データ群を受信して記憶部に格納し、前記生体情報データ群が含む各生体情報を前記記憶部の生体情報に照合して、前記筆記者に関して得た各取得時刻での筆記座標における生体情報に関する認証処理を実行し、前記筆記データ群が含む筆記座標群より筆跡画像を生成し、前記各取得時刻での筆記座標と前記筆記座標群とを照合して、前記筆跡画像中における前記各取得時刻での筆記座標の位置を特定し、ここで特定した前記筆跡画像中の各位置に、該当取得時刻での筆記座標に対応する生体情報の前記認証処理の結果を示す表示データを配置し、当該表示データが配置された筆跡画像を出力部に表示する結果表示部とを備える、
ことを特徴とする筆記者判定システム。
【請求項2】
前記電子ペンの筆記時期通知部は、
新たな筆記座標の取得が一定時間無いことの検知、前記記憶部への新たな筆記データの格納が一定時間無いことの検知、電子ペンに備わる筆圧センサでの測定筆圧が基準値まで低下したことの検知、電子ペンに備わる所定インターフェイスでの筆記終了の指示受付のいずれかを契機にして前記筆記座標取得の終了通知を情報処理装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の筆記者判定システム。
【請求項3】
前記情報処理装置の結果表示部は、
情報処理装置に備わる入力部にて、筆記者の本人性確認依頼を受け付けた時に、前記記憶部に格納されている、前記筆記データ群および前記生体情報データ群を読み出して、前記生体情報データ群が含む各生体情報を前記記憶部の生体情報に照合して、前記筆記者に関して得た各取得時刻での筆記座標における生体情報に関する認証処理を実行し、前記筆記データ群が含む筆記座標群より筆跡画像を生成し、前記各取得時刻での筆記座標と前記筆記座標群とを照合して、前記筆跡画像中における前記各取得時刻での筆記座標の位置を特定し、ここで特定した前記筆跡画像中の各位置に、該当取得時刻での筆記座標に対応する生体情報の前記認証処理の結果を示す表示データを配置し、当該表示データが配置された筆跡画像を出力部に表示する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の筆記者判定システム。
【請求項4】
筆記者による把持箇所に生体情報センサを備え、情報処理装置と通信可能な電子ペンが、
所定用紙での前記筆記者による筆記内容を光学装置で読み取って筆記座標を取得し、この筆記座標と当該筆記座標の取得時刻とを含む筆記データを記憶部に格納する処理と、
前記筆記座標の取得開始に応じて、筆記座標取得の開始通知を情報処理装置に送信し、前記筆記座標の取得終了に応じて、筆記座標取得の終了通知を情報処理装置に送信する処理と、
前記開始通知の送信後、生体情報の取得要求を情報処理装置より受信した時、これに応じて前記生体情報センサによる前記把持箇所にある筆記者の生体部位の生体情報取得と、当該生体情報の取得時における筆記座標の前記光学装置からの取得とを実行し、前記生体情報およびこれに紐付いた筆記座標と、当該生体情報の取得時刻とを含む生体情報データを記憶部に格納し、生体情報の取得完了通知を情報処理装置に返信する処理と、
前記記憶部より前記筆記者に関する筆記データ群および生体情報データ群を読み出して情報処理装置に送信する処理を実行し、
電子ペンユーザの生体情報を予め記憶部に保持している情報処理装置が、
電子ペンより筆記座標取得の開始通知を受信した時、前記電子ペンに対する生体情報の取得要求の送信と、当該取得要求に応じて前記電子ペンより返信されてくる生体情報の取得完了通知の受信とを、前記電子ペンより筆記座標取得の終了通知を受信するまで、予め定めた所定間隔で繰り返し実行する処理と、
前記電子ペンより送信される前記筆記データ群および前記生体情報データ群を受信して記憶部に格納し、前記生体情報データ群が含む各生体情報を前記記憶部の生体情報に照合して、前記筆記者に関して得た各取得時刻での筆記座標における生体情報に関する認証処理を実行し、前記筆記データ群が含む筆記座標群より筆跡画像を生成し、前記各取得時刻での筆記座標と前記筆記座標群とを照合して、前記筆跡画像中における前記各取得時刻での筆記座標の位置を特定し、ここで特定した前記筆跡画像中の各位置に、該当取得時刻での筆記座標に対応する生体情報の前記認証処理の結果を示す表示データを配置し、当該表示データが配置された筆跡画像を出力部に表示する処理を実行する、
ことを特徴とする筆記者判定方法。
【請求項5】
電子ペン対応用紙への記入内容を読み取る光学装置と、
他装置と通信を行う通信インターフェイスと、
筆記者による把持箇所に備わる生体情報センサと、
所定用紙での前記筆記者による筆記内容を光学装置で読み取って筆記座標を取得し、この筆記座標と当該筆記座標の取得時刻とを含む筆記データを記憶部に格納する筆記読み取り部と、
前記筆記座標の取得開始に応じて、筆記座標取得の開始通知を情報処理装置に送信し、前記筆記座標の取得終了に応じて、筆記座標取得の終了通知を情報処理装置に送信する、筆記時期通知部と、
前記開始通知の送信後、生体情報の取得要求を情報処理装置より受信した時、これに応じて前記生体情報センサによる前記把持箇所にある筆記者の生体部位の生体情報取得と、当該生体情報の取得時における筆記座標の前記光学装置からの取得とを実行し、前記生体情報およびこれに紐付いた筆記座標と、当該生体情報の取得時刻とを含む生体情報データを記憶部に格納し、生体情報の取得完了通知を情報処理装置に返信する取得完了通知部と、
前記記憶部より前記筆記者に関する筆記データ群および生体情報データ群を読み出して情報処理装置に送信する、データ送信部と、
を備えることを特徴とする電子ペン。
【請求項6】
電子ペンユーザの生体情報を予め記憶する記憶部と、
他装置と通信を行う通信部と、
電子ペンより筆記座標取得の開始通知を受信した時、前記電子ペンに対する生体情報の取得要求の送信と、当該取得要求に応じて前記電子ペンより返信されてくる生体情報の取得完了通知の受信とを、前記電子ペンより筆記座標取得の終了通知を受信するまで、予め定めた所定間隔で繰り返し実行するデータ取得指示部と、
前記電子ペンより送信される前記筆記データ群および前記生体情報データ群を受信して記憶部に格納し、前記生体情報データ群が含む各生体情報を前記記憶部の生体情報に照合して、前記筆記者に関して得た各取得時刻での筆記座標における生体情報に関する認証処理を実行し、前記筆記データ群が含む筆記座標群より筆跡画像を生成し、前記各取得時刻での筆記座標と前記筆記座標群とを照合して、前記筆跡画像中における前記各取得時刻での筆記座標の位置を特定し、ここで特定した前記筆跡画像中の各位置に、該当取得時刻での筆記座標に対応する生体情報の前記認証処理の結果を示す表示データを配置し、当該表示データが配置された筆跡画像を出力部に表示する結果表示部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2011−18127(P2011−18127A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−161027(P2009−161027)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】