説明

管の接続構造

【課題】接続部の外径が大きくなることを抑制し、構造が簡単で接続作業も簡単な管の接続構造をえる。
【解決手段】接続対象1,2はそれぞれ互いに当接する当接面14,24を有するとともに当接面から接続対象の軸線方向に遠ざかるにしたがい半径方向外側への突出量が小さくなる傾斜突起13,23を周方向の複数個所に有し、接続対象1,2の当接面14,24が互いに当接している状態で双方の各傾斜突起13,23に半径方向外側から窓孔が嵌ることにより双方の傾斜突起を互いに引き付ける向きの力を発生させる箍3と、箍3の両端部を引き付けながら結合する結合部材を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状の接続対象を互いに接続する構造に関するもので、特に、外径の拡大を抑制することができ、密封構造にすることも容易な管の接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
管状の接続対象を互いに接続する構造は、管継ぎ手として様々のものが既に知られている。管継ぎ手は目的に応じて構成を分類することができ、一つの分類に属するものとして、接続部分を密封構造にして、管の内部を気密あるいは水密に保つことができる管継ぎ手もある。接続部分を密封構造にすることができる従来の管継ぎ手の代表的なものとして以下の構造を挙げることができる。
1.双方の管を溶接によって接続する構造。
2.双方の管の接合端にフランジを設け、双方のフランジをボルトで締結する構造。双方のフランジの相対向する面に溝を設け、この溝に沿ってO(「オー」と読む:以下同じ)リングを介在させ、Oリングによって密封構造としている。
3.双方の管の接合端に箍を嵌めることができるフランジを設けて双方のフランジの外周をテーパー形にし、蝶番で連結された箍を上記フランジの外周に嵌め、箍の締め付け力で上記双方のテーパー形フランジに引き付け力を発生させるもの。この場合も、双方のフランジの相対向する面に溝を設け、この溝に沿ってOリングを介在させると、Oリングによって密封構造とすることができる。
【0003】
上記1の溶接による接続構造によれば、双方の管が永久的に溶着されるため、メンテナンスなどのために分離することは事実上困難である。
上記2のボルトを用いてフランジを締結する構造によれば、双方の管の外径からフランジが外側に大きく突出する難点がある。また、Oリングを介在させる場合、Oリングを嵌める溝を高い精度で加工する必要があり、コスト高になる。
上記3のテーパー形フランジと箍によって双方の管を接続する構造によれば、上記2の構造と同様に、双方の管の外径からフランジが外側に大きく突出する難点がある。また、Oリングを介在させる場合、Oリングを嵌める溝を高い精度で加工する必要があり、コスト高になる。
【0004】
上記3の構造に類するものとして特許文献1および特許文献2に記載されている接続構造がある。特許文献1記載の発明は、管状の接続対象双方の接続端にフランジを設け、これらのフランジの突き合わせ面は筒の軸線に対し垂直面、上記突き合わせ面と反対側の面はテーパー形断面となっていて、これらのフランジの外周をバンドで取り巻き、バンドの両端をボルトで締め込んでバンドを縮径させ、管状の接続対象双方の接続面同士を密着方向に押圧するようにしたものである。接続対象の接続面の一方に形成した凹溝にOリングを装着し、上記接続面の他方に上記Oリングを密着させている。
【0005】
特許文献2に記載されている発明は、接続対象双方の接続端に断面形状が半円形の管状溝を有してなるフランジを設け、接続対象双方の上記管状溝が対向することによって形成される断面がほぼ円形の環状の空間にパッキンを介在させ、断面形状が略コ字状のクランプで上記双方のフランジを締めつけるようにしたものである。双方のフランジは、半円形の円弧面がクランプで締め付けられることにより圧着され、上記パッキンが押圧されて上記接続端が密閉される。
【0006】
特許文献1および特許文献2に記載されている接続構造も、前記3の構造と同様に、フランジを有することによって外径が大きくなる難点があり、Oリングを設ける場合、Oリングを配置するための溝を精度よく加工する必要があって製造コストが嵩む難点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−126661号公報
【特許文献2】特開2004−232772号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記従来の管の接続構造の技術課題を解決すること、すなわち、接続部の外径が大きくなることを抑制し、構造が簡単で接続作業も簡単な管の接続構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る管の接続構造は、
管状の接続対象を互いに接続する構造であって、
上記接続対象はそれぞれ互いに当接する当接面を有するとともに上記当接面から上記接続対象の軸線方向に遠ざかるにしたがい半径方向外側への突出量が小さくなる傾斜突起を周方向の複数個所に有し、
上記接続対象の当接面が互いに当接している状態で上記双方の各傾斜突起に半径方向外側から窓孔が嵌ることにより上記双方の傾斜突起を互いに引き付ける向きの力を発生させる箍と、
上記箍の両端部を引き付けながら結合する結合部材を有することを最も主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
接続対象の当接面が互いに当接している状態で双方の接続対象の各傾斜突起に、接続対象の半径方向外側から箍の窓孔を嵌め、箍の両端部を引き付けながら結合部材で結合する。箍の両端部を引き付けることにより、双方の傾斜突起を互いに引き付ける向きの力が発生し、双方の接続対象が接続される。箍は傾斜突起の最大高さよりも低い位置に置くことができるため、接続部の外径が大きくなることを抑制することができる。構造が簡単で接続作業も容易であるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る管の接続構造の実施例を示す正面図である。
【図2】上記実施例において接続対象を接続する前の態様を示す正面図である。
【図3】上記実施例の要部を拡大して示す正面図である。
【図4】図1中の線A−Aに沿う断面図である。
【図5】上記実施例中の箍を示す平面図である。
【図6】上記箍の正面図である。
【図7】上記実施例中の結合部材を示す正面図である。
【図8】上記結合部材の縦断面図である。
【図9】本発明に係る管の接続構造の利用例を概略的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る管の接続構造の実施例を、図面を参照しながら説明する。
【実施例】
【0013】
まず、本発明に係る管の接続構造の実施例の概略を、図1乃至図4を参照しながら説明する。図1乃至図4において、符号1,2は互いに接続される円筒形状あるいは管状の接続対象を示している。接続対象1,2は、それぞれ互いに当接する当接面14,24を有するとともに、当接面14,24から接続対象1,2の軸線方向に遠ざかるにしたがい半径方向外側への突出量が小さくなる傾斜突起13,23を周方向の複数個所に有している。上記実施例に係る管の接続構造はまた、接続対象1,2の当接面14,24が互いに当接している状態で双方の各傾斜突起13,23に半径方向外側から窓孔31が嵌ることにより双方の傾斜突起13,23を互いに引き付ける向きの力を発生させる箍3を有している。さらに、箍3の両端部を引き付けながら結合する結合部材4を有している。
【0014】
上記実施例をより詳細に説明する。図3、図4に示すように、接続対象1,2の互いに接続すべき端面にはそれぞれ第1接続リング11と第2接続リング21が適宜の固着手段によって結合されている。図示の実施例では、接続対象1と第1接続リング11双方の結合面の外周縁部が溶着され、双方の結合面が密閉されている。符号6は溶着部を示している。接続対象2と第2接続リング21双方の結合面の外周縁部も溶着され、双方の結合面が密閉されている。符号7は溶着部を示している。このように、本実施例では、製作の都合上、接続対象1、2にそれぞれ第1、第2接続リング11,21を結合しているが、双方の接続対象1,2の接続端部を直接加工して第1、第2接続リング11,21と同じ形状の接続端部を一体に形成してもよい。したがって、第1接続リング11は接続対象1の一部である接続端部として扱い、第2接続リング21は接続対象2の一部である接続端部として扱うものとする。
【0015】
双方の接続対象1,2の接続端部を構成している第1接続リング11と第2接続リング21の大部分の外径は、接続対象1,2の本体部分の外径よりも小さくなっている。これらの第1、第2接続リング11,21の小径部を図3においてそれぞれ符号12,22で示している。上記各小径部12,22に傾斜突起13,23が形成されている。各傾斜突起13,23は、接続対象1,2本体部分の外径以内に、したがって接続対象1,2本体部分を軸線方向から投影したときこの投影面から突出しない高さに形成されている。
【0016】
第1接続リング11と第2接続リング21は半径方向内外に嵌り合うように、図示の実施例では、第1接続リング11の外周面に第2接続リング21の内周面が嵌り合うように形成されている。一方の接続リングである第1接続リング11は、第2接続リング21との嵌め合い面15の奥端に、第2接続リング21の先端面が当接する段状の当接面14を、第1接続リング11の中心軸線に対し直交する方向に有している。第2接続リング21の上記先端面は第1接続リング11の上記当接面14と当接する当接面24となっている。
【0017】
上記当接面14と上記嵌め合い面15とで接続リング11の周方向に形成されている角隅部には、この角隅部の全周を巡ってシール部材であるOリング8が配置されている。第2接続リング21は、第1接続リング11の嵌め合い面15の外周面に嵌る嵌め合い面25を有するとともに、第2接続リング21の中心軸線に対し直交する方向に形成された上記当接面24を有している。第1接続リング11の当接面14と第2接続リング21の当接面24とが当接し、上記Oリング8が第2接続リング21の当接面24に押圧されて、内外に嵌り合っている接続リング11,21の内部を密閉している。
【0018】
第1接続リング11の当接面14に続いて外周の一部が第1接続リング11の半径方向外側に突出し、この突出部は、当接面14から接続リング11の軸線方向に遠ざかるにしたがい半径方向への突出量が小さくなる前記傾斜突起13を構成している。第2接続リング21の当接面24も、当接面24に続いて外周の一部が第2接続リング21の半径方向外側に突出し、この突出部は、当接面24から接続リング21の軸線方向に遠ざかるにしたがい半径方向への突出量が小さくなる前記傾斜突起23を構成している。各接続リング11、21の傾斜突起13、23は、図4に示すように各接続リング11、21の周方向4箇所に等間隔で設けられている。双方の傾斜突起13、23が各接続リング11、21の軸線方向に重なった状態で各接続リング11、21の当接面14,24が当接するようになっている。双方の傾斜突起13、23が重なった状態における傾斜突起13、23の、接続リング11、21の軸線方向の断面形状は、図3に示すように2等辺三角形状になる。
【0019】
上記のように双方の接続リング11、21の当接面14,24が互いに当接している状態で、双方の接続リング11、21の各傾斜突起13,23に半径方向外側から箍3の窓孔31が嵌められる。箍3は、図5、図6に示すように、弾性体、例えば板バネを、円弧の一部を切除した形に成形したもので、箍3の長さ方向換言すれば円弧方向両端部は結合部材4を接続するための折り返し端部32となっている。したがって、箍3を平面方向から見ると、図5に示すように「Ω」字状になっている。箍3にはまた、周方向の4箇所に、かつ、各傾斜突起13,23に対応する位置に、箍3の周方向に長い長方形状の窓孔31が形成されている。各窓孔31の周方向の長さLは、傾斜突起13,23の周方向の長さよりも長い。接続リング11、21の軸線方向における各窓孔31の幅Wは、双方の接続リング11、21が接続されることによって互いに重なり合う双方の傾斜突起13,23を合わせた上記軸線方向の幅よりも狭い。
【0020】
箍3の周方向(円弧方向)両端部は、この両端部に形成されている折り返し端部32が結合部材4によって互いに引き付けられながら結合される。図7、図8は結合部材4を示している。図7、図8において、結合部材4は例えば金属板をプレス成形することによって製作することができ、両側縁部に、箍3の長さ方向両端部の折り返し端部32に接続するための折り返し端縁部41を有している。これらの折り返し端縁部41は結合部材4の幅が連続的に変化する傾斜縁42となっていて、箍3の長さ方向両端部の折り返し端部32に結合部材4の折り返し端縁部41をスライドさせながら掛け止めることにより、箍3の両端部を引き付けるように構成されている。結合部材4の平坦な面の中央部にはねじ孔43が設けられている。
【0021】
片方の接続対象2の一部をなす第2接続リング21の小径部22の長さは、他方の接続対象1の一部をなす第1接続リング11の小径部12の長さよりも長くなっていて、上記小径部22に、箍3の弾性を利用して箍3を暫定的に巻き付けることができるようになっている。図3において符号3Aは上記小径部22に暫定的に巻き付けられた箍3を示している。このように、第2接続リング21の小径部22に箍3を暫定的に巻き付けておき、第1、第2接続リング11、21の傾斜突起13,23が重なり合った状態で箍3を傾斜突起13,23の方に向かってスライドさせる。箍3は傾斜突起13,23の傾斜面に沿って箍3の径を広げられながらスライドし、箍3の窓孔31が傾斜突起13,23の位置と合致することによって、箍3はその弾性力により径を縮小する。
【0022】
径を縮小するときの箍3の弾性力により、箍3の窓孔31の幅W方向の縁が傾斜突起13,23の傾斜面に当たり、傾斜突起13,23を互いに圧接させようとする向きの分力が生じる。箍3の両端の折り返し端部32には結合部材4の折り返し端縁部41が掛け止められ、箍3の両端部が結合される。箍3の両端の折り返し端部32に結合部材4を掛け止めるに際しては、上記折り返し端部32に結合部材4の折り返し端縁部41をスライドさせながら掛け止める。結合部材4の折り返し端縁部41は結合部材4の幅が連続的に変化する傾斜縁42となっているため、上記折り返し端縁部41をスライドさせながら折り返し端部32に掛け止めることにより、箍3の両端の折り返し端部32が上記傾斜縁42によって強力に引き付けられ、箍3の窓孔31の縁が傾斜突起13,23の傾斜面に当たることによって生じる上記分力がより強力になる。
【0023】
上記分力により第1、第2接続リング11、21の当接面14,24が互いに押圧され、図1、図3に示すように、第1、第2接続リング11、21が接続され、結果的には、管状の部材である第1の接続対象1と第2の接続対象2が接続される。上記のように第1、第2接続リング11、21の当接面14,24が互いに押圧されることにより、シール部材であるOリング8が第1、第2接続リング11、21間で押圧され、内外に嵌り合う第1、第2接続リング11、21の内部をOリング8が密閉している。
【0024】
箍3の両端の折り返し端部32を引き付ける力は結合部材4の両端の傾斜縁42によって生じるため、結合部材4には箍3の両端の折り返し端部32から抜け出る向きの分力が働く。そこで、結合部材4のねじ孔43に止めねじ30をねじ込み、止めねじ30の先端を第1接続リング11または第2接続リング21の表面に突き当てることにより、結合部材4の抜け止めを行っている。
【0025】
以上説明した管の接続構造の実施例は、接続対象1,2の互いに当接する当接面14,24から接続対象1,2の軸線方向に遠ざかるにしたがい半径方向外側への突出量が小さくなる傾斜突起13,23を周方向の複数個所に設け、これら傾斜突起13,23の半径方向外側から箍3の窓孔31を嵌めることにより、双方の傾斜突起13,23を互いに引き付ける向きの力を発生させるように構成されている。そして、箍3の両端部を引き付けながら結合する結合部材4を有している。上記傾斜突起13,23は接続対象1,2の外径よりも半径方向内側に設けることができるため、接続部の外径が接続対象1,2の外径よりも増大することを回避することができる。
【0026】
互いに接続される双方の接続対象1,2の接続端部は小径部12,22になっていて、片方の接続対象の小径部に箍3を暫定的に巻き付かせることができるように構成されているため、上記箍3を上記小径部に沿ってスライドさせながらその窓孔31を双方の傾斜突起13,23に嵌めることができ、箍3を傾斜突起13,23に嵌める作業が容易になる。
【0027】
箍3から結合部材4を外し、箍3を傾斜突起13,23から外せば、接続対象1,2を分離することができる。箍3を傾斜突起13,23から外すとき、傾斜突起13,23の傾斜面に沿って箍3をスライドさせ、片方の接続対象の小径部に箍3を移動させておけば、再び接続対象1,2を接続するときの作業性が良くなるばかりでなく、箍3を無くしてしまう恐れもない。したがって、接続対象1,2に内蔵されている装置や回路などのメンテナンスが容易になる。
【0028】
弾性体によって円弧の一部が切除された形に形成された箍3の両端は結合部材4で結合され、かつ、結合部材4による箍3の両端の引き付け力で双方の接続対象1,2が接続される構造になっているため、接続対象1,2を接続するのに必要な箍3を装着するための作業性が向上する。
【0029】
双方の接続対象1,2の接続端にはそれぞれ第1、第2接続リング11,21が固着され、第1、第2接続リング11,21を接続することによって接続対象1,2が接続されるようになっている。このような構成にすれば、接続対象1,2の接続端を直接加工するのではなく、第1、第2接続リング11,21を加工して接続対象1,2に接続すればよく、加工が容易である。また、第1、第2接続リング11,21の肉厚を厚くし、この肉厚内に小径部12,22を形成し、かつ、傾斜突起13,23を形成することができるので、接続構造部分の外径が拡大することを避けるための構造に適している。
【0030】
本発明に係る管の接続構造の適用範囲は特に限定されないが、例えば、液体中に没した状態で使用する機器に適用することができる。図9はその一例である受圧式液面計の例を示す。図9において、符号10は受圧式液面計、符号20は液体が貯蔵されるタンクを示している。タンク20の底面近くには液面計10が設置され、液面計10はタンク20に貯蔵された液体に没している。液面計10は前述のとおり第1、第2の管状の部材である接続対象1、2からなり、接続対象1、2は前述の接続構造によって接続されている。受圧式液面計は、センサ部分とこのセンサによる検出信号を処理して液面の高さを演算する回路部分からなる。図2において符号9は、上記センサ部分と回路部分を電気的に接続するケーブルコネクタを示している。ケーブルコネクタ9およびケーブルは、接続対象1、2が接続されることにより接続対象1、2内に密封される。
【符号の説明】
【0031】
1 接続対象(第1の管)
2 接続対象(第2の管)
3 箍
4 結合部材
8 Oリング(シール部材)
11 第1接続リング
12 小径部
13 傾斜突起
14 当接面(段部)
15 嵌め合い面
21 第2接続リング
22 小径部
23 傾斜突起
24 当接面(先端面)
25 嵌め合い面
30 止めねじ
31 窓孔
32 折り返し端部
41 折り返し端縁部
42 傾斜縁
43 ねじ孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状の接続対象を互いに接続する構造であって、
上記接続対象はそれぞれ互いに当接する当接面を有するとともに上記当接面から上記接続対象の軸線方向に遠ざかるにしたがい半径方向外側への突出量が小さくなる傾斜突起を周方向の複数個所に有し、
上記接続対象の当接面が互いに当接している状態で上記双方の各傾斜突起に半径方向外側から窓孔が嵌ることにより上記双方の傾斜突起を互いに引き付ける向きの力を発生させる箍と、
上記箍の両端部を引き付けながら結合する結合部材を有する管の接続構造。
【請求項2】
双方の接続対象の接続端部は小径部になっていて、これらの小径部に傾斜突起が形成されている請求項1記載の管の接続構造。
【請求項3】
小径部に形成されている傾斜突起は、接続対象本体部分の外径以内に形成されている請求項2記載の管の接続構造。
【請求項4】
箍は、円弧の一部が切除された形の弾性体からなり、箍の円弧方向両端部は結合部材を接続するための折り返し端部となっている請求項1記載の管の接続構造。
【請求項5】
結合部材は、箍の円弧方向両端部の折り返し端部に接続するための折り返し端縁部を有し、この折り返し端縁部は結合部材の幅が連続的に変化する傾斜縁となっていて、上記箍の円弧方向両端部の折り返し端部に上記結合部材の上記折り返し端縁部をスライドさせて掛け止めることにより上記箍の両端部を引き付けるように構成されている請求項4記載の管の接続構造。
【請求項6】
双方の接続対象の接続端部は小径部になっていて、少なくとも片方の接続対象の小径部に箍を暫定的に巻き付かせることができる請求項4記載の管の接続構造。
【請求項7】
互いに接続すべき接続対象の端面にはそれぞれ半径方向内外に嵌り合う接続リングが固着され、これらの接続リングに傾斜突起が形成されている請求項1記載の管の接続構造。
【請求項8】
内外に嵌り合う接続リングの一方は、嵌め合い面の奥端に他方の接続リングの端面が当接する段状の当接面を有し、この当接面と上記嵌め合い面とで接続リングの周方向に形成される角隅部にシール部材が配置され、このシール部材は上記他方の接続リングの端面に押圧されて上記内外に嵌り合う接続リングの内部を密閉している請求項7記載の管の接続構造。
【請求項9】
箍に形成されている窓孔は、接続対象の周方向の長さが接続対象の傾斜突起の周方向の長さよりも長い請求項1記載の管の接続構造。
【請求項10】
箍に形成されている窓孔は、接続対象の軸線方向の幅が、双方の接続対象が接続されることによって互いに重なり合う双方の傾斜突起を合わせた上記軸線方向の幅よりも狭い請求項1または9記載の管の接続構造。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−19438(P2013−19438A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−151885(P2011−151885)
【出願日】平成23年7月8日(2011.7.8)
【出願人】(391014631)ムサシノ機器株式会社 (14)
【Fターム(参考)】