説明

管制塔用表示装置、該管制塔用表示装置に用いられる航空機表示方法及び表示制御プログラム

【課題】管制官が表示画面を注視しているときでも、周辺空域に対して目視による監視を行うことができる管制塔用表示装置を提供する。
【解決手段】レーダ30から管制塔の周辺空域を飛行する航空機の位置情報paが取得され、位置情報paに基づいて、航空機の位置から管制塔の中心に向う直線と同管制塔の壁面又は窓面とが交わる交差位置がディスプレイに表示される。この場合、位置情報pa及び管制塔の緯度経度情報daに基づいて、管制塔の中心に対する航空機の相対位置情報pbが算出される。緯度経度情報da及び各ディスプレイの設置位置情報pjに基づいて、同各ディスプレイで表示可能な周辺空域の領域を表すウインドウ情報が算出され、かつ、相対位置情報pbが示す航空機の位置する領域を含むウインドウ情報に対応するディスプレイに、上記交差位置が所定のシンボルマークで表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、管制塔用表示装置、該管制塔用表示装置に用いられる航空機表示方法及び表示制御プログラムに係り、特に、空港などで航空交通を管制する場合に用いて好適な管制塔用表示装置、該管制塔用表示装置に用いられる航空機表示方法及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
空港などで航空交通の管制に用いられる管制塔用表示装置では、管制塔内に設置されたCRTディスプレイなどにより、管制室で使用されるレーダ表示装置の画面に準じた表示が行われる。ディスプレイは、一般的には、管制塔の滑走路に面した壁面付近の床面に設置され、管制システムから入力された航空機情報を、管制塔の周辺空域を俯瞰した形で画面表示するようになっている。このため、管制官は、この表示画面に基づいて航空機の位置を判断している。
【0003】
この種の関連する技術としては、たとえば、特許文献1に記載された交通情報表示装置がある。
この交通情報表示装置は、機上に搭載されている。そして、三次元透視フォーマットにより航空機の交通情報が表示され、パイロットが、動的交通状況を迅速に把握して、指示された操縦操作が妥当であるか否かを確認する。これにより、航空交通の安全性が改善される。
【特許文献1】特開平3−41600号公報(第6頁、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献を含む上記技術では、次のような問題点があった。
すなわち、上記管制塔用表示装置では、管制塔の管制官は、周辺空域を飛行する航空機の情報を得るために、管制塔用表示装置の表示画面を注視する必要があり、その間、航空機の位置関係を迅速に判断するなど、周辺空域の目視による監視を行うことが困難になる。このため、管制業務に支障を来し、航空機の安全かつ円滑な運航に支障を来すことがあるという問題点がある。また、管制塔用表示装置の表示内容を管制官が確認する際、管制官の視線の移動量が大きく、管制官が表示を確認している間、上記と同様に、周辺空域の目視による監視が行えず、航空機の安全な運航の実現に支障を来すという問題点がある。
【0005】
また、特許文献1に記載された交通情報表示装置では、航空交通の安全性が改善されるが、機上に搭載されて三次元透視フォーマットにより航空機の交通情報がパイロットに対して表示されるものであり、管制塔の管制官に対して交通情報を提示するものではないので、上記の問題点は、改善されない。
【0006】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、管制官が表示画面を注視しているときでも、周辺空域の目視による監視を行うことができる管制塔用表示装置、該管制塔用表示装置に用いられる航空機表示方法及び表示制御プログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明の第1の構成は、管制塔内の壁面に設置された複数の表示手段を有する管制塔用表示装置に係り、前記管制塔の周辺空域を飛行する航空機の位置情報を取得し、前記位置情報を当該航空機が存在する方向の前記表示手段に表示する航空機情報表示処理手段が設けられていることを特徴としている。
【0008】
この発明の第2の構成は、管制塔内の壁面に設置された複数の表示手段を有する管制塔用表示装置に用いられる航空機表示方法に係り、前記管制塔の周辺空域を飛行する航空機の位置情報を取得し、前記位置情報を当該航空機が存在する方向の前記表示手段に表示する航空機情報表示処理を行うことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
この発明の構成によれば、管制塔の周辺空域に存在する航空機の位置情報が、表示手段上で当該航空機の存在する方向に直接表示されるので、管制官が航空機の捜索を迅速かつ容易に行うことができる。また、複数の航空機が近接して飛行している場合に、それらの航空機の相対位置が表示手段上で直感的に表示されるので、管制官の注意を喚起し、かつ航空機間の距離を安全に確保するための情報を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
航空機の位置情報を検出可能な位置情報検出手段から管制塔の周辺空域を飛行する航空機の位置情報を取得し、同位置情報に基づいて、航空機の位置から管制塔の中心に向う直線と管制塔の壁面又は窓面とが交わる交差位置を、該当する表示手段に表示する航空機情報表示処理手段が設けられている管制塔用表示装置を提供する。
【0011】
また、この発明では、上記航空機情報表示処理手段は、航空機の位置情報及び予め設定されている管制塔の緯度経度情報に基づいて、同管制塔の中心に対する航空機の相対位置情報を算出する中央処理装置と、上記管制塔の緯度経度情報及び予め設定されている各表示手段の設置位置情報に基づいて、各表示手段で表示可能な周辺空域の領域を表すウインドウ情報を算出し、かつ、上記相対位置情報に基づいて、当該相対位置情報が示す航空機の位置する領域を含む上記ウインドウ情報に対応する表示手段に上記交差位置を所定のシンボルマークで表示する表示制御装置とから構成されている。
【0012】
また、この発明では、上記中央処理装置は、予め設定されている航空機の飛行計画情報と上記相対位置情報とを対応付けたトラック情報を生成する構成とされ、上記表示制御装置は、上記トラック情報から得られる当該航空機に関する文字情報を上記シンボルマークに付加して上記表示手段に表示する構成とされている。
【0013】
また、この発明では、上記表示制御装置は、上記トラック情報から当該航空機の高度情報を抽出し、該高度情報に基づいて、低高度を飛行する航空機に対応するシンボルマークを上記表示手段の下部に表示する一方、高高度を飛行する航空機に対応するシンボルマークを上記表示手段の上部に表示する構成とされている。
【0014】
また、この発明では、上記表示制御装置は、上記相対位置情報に基づいて上記管制塔と当該航空機との距離を算出し、この算出結果に基づいて、遠距離に存在する航空機のシンボルマークを小さく表示する一方、近距離に存在する航空機のシンボルマークを大きく表示する構成とされている。
【0015】
また、この発明では、上記表示制御装置は、上記トラック情報から当該航空機の飛行方向を算出し、上記相対位置情報及び飛行方向に基づいて、上記管制塔側から見た当該航空機の姿勢及び飛行方向に合わせた航空機の形状を模したシンボルマークを表示する構成とされている。
【実施例1】
【0016】
図1は、この発明の第1の実施例である管制塔用表示装置が設けられている管制塔の一例を示す俯瞰透視図である。
この例の管制塔は、同図に示すように、十角筒形状に構成され、管制塔用表示装置として、中央処理装置1と、表示制御装置2と、同管制塔内の壁面に設置されたディスプレイ11,12,13,14,15,16,17,18,19,20とが設けられている。
【0017】
図2は、図1中の管制塔用表示装置の要部の電気的構成を示すブロック図である。
この管制塔用表示装置は、同図2に示すように、中央処理装置1と、表示制御装置2と、ディスプレイ11,12,…,20とから構成されている。中央処理装置1は、コンピュータで構成され、同コンピュータが動作するための表示制御プログラムが記録されている。特に、この実施例では、中央処理装置1は、たとえば、航空機の位置情報を検出可能なレーダ30から管制塔の周辺空域を飛行する航空機の位置情報paを取得する。レーダ30は、たとえば、航空管制などで使用される、1次レーダ、2次監視レーダ、警戒管制レーダ、又は放送型自動位置情報伝送・監視用レーダなどで構成されている。また、中央処理装置1は、航空機の位置情報pa及び予め設定されている管制塔の緯度経度情報daに基づいて、同管制塔の中心に対する航空機の相対位置情報pbを算出する。また、中央処理装置1は、飛行計画管理システム40で予め設定されて送信される航空機の飛行計画情報saと相対位置情報pbとを対応付けたトラック情報taを生成する。
【0018】
表示制御装置2は、同表示制御装置2全体を制御するコンピュータとしてのCPU(中央処理装置)2a及び同CPU2aを動作させるための表示制御プログラムが記録されたROM(リード・オンリ・メモリ)2bを有している。特に、この実施例では、表示制御装置2は、位置情報paを当該航空機が存在する方向のディスプレイに表示する。この場合、表示制御装置2は、位置情報paに基づいて、航空機の位置から管制塔の中心に向う直線と同管制塔の壁面又は窓面とが交わる交差位置を、該当するディスプレイに表示情報dpとして表示する。また、表示制御装置2は、管制塔の緯度経度情報da及び予め設定されている上記各ディスプレイの設置位置情報pjに基づいて、同各ディスプレイ11,12,…,20で表示可能な周辺空域の領域を表すウインドウ情報を算出し、かつ、相対位置情報pbに基づいて、当該相対位置情報pbが示す航空機の位置する領域を含むウインドウ情報に対応するディスプレイに上記交差位置を所定のシンボルマークで表示する。また、表示制御装置2は、トラック情報taから得られる当該航空機に関する文字情報(たとえば、航空機のコールサイン、高度、速度及び管制塔からの距離などの文字情報)を上記シンボルマークに付加してディスプレイに表示する。
【0019】
ディスプレイ11,12,…,20は、輝度調整が容易で、かつ昼間でも視認性の高い有機ELディスプレイが用いられるが、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなどの薄型ディスプレイも使用可能である。
【0020】
図3は、表示制御装置2で算出されるウインドウ情報について説明する図、及び図4が、ディスプレイの表示画面の例を示す図である。
これらの図を参照して、この例の管制塔用表示装置に用いられる航空機表示方法の処理内容について説明する。
この管制塔用表示装置では、レーダ30から管制塔の周辺空域を飛行する航空機の位置情報paが取得され、同位置情報paが当該航空機が存在する方向のディスプレイに表示される。この場合、位置情報paに基づいて、航空機の位置から管制塔の中心に向う直線と同管制塔の壁面又は窓面とが交わる交差位置が、該当するディスプレイに表示される(航空機情報表示処理)。
【0021】
この航空機情報表示処理では、航空機の位置情報pa及び予め設定されている管制塔の緯度経度情報daに基づいて、同管制塔の中心に対する同航空機の相対位置情報pbが算出される(相対位置情報算出処理)。管制塔の緯度経度情報da及び予め設定されている各ディスプレイの設置位置情報pjに基づいて、同各ディスプレイで表示可能な周辺空域の領域を表すウインドウ情報が算出され、かつ、相対位置情報pbに基づいて、当該相対位置情報pbが示す航空機の位置する領域を含むウインドウ情報に対応するディスプレイに、上記交差位置が所定のシンボルマークで表示される(表示制御処理)。また、予め設定されている航空機の飛行計画情報saと相対位置情報pbとを対応付けたトラック情報taが生成され(トラック情報生成処理)、上記表示制御処理では、トラック情報taから得られる当該航空機に関する文字情報が上記シンボルマークに付加されてディスプレイに表示される。
【0022】
すなわち、レーダ30から航空機の位置情報paが送出され、また、飛行計画管理システム40から航空機の飛行計画情報saが送出されて中央処理装置1に入力される。中央処理装置1では、位置情報paと、同中央処理装置1で設定されている管制塔の緯度経度情報daとに基づいて、同管制塔の中心に対する航空機の相対位置情報pbが算出される。また、中央処理装置1では、相対位置情報pbと飛行計画情報saとを対応付けたトラック情報taが生成される。緯度経度情報da、相対位置情報pb及びトラック情報taは、表示制御装置2に入力される。
【0023】
表示制御装置2では、各ディスプレイの設置位置情報pjに基づいて、たとえば図3に示すように、管制塔の中心と各ディスプレイの左端の延長線A(又は、延長線C)と、管制塔の中心と各ディスプレイの右端の延長線B(又は、延長線A)とが算出され、各ディスプレイの延長線A(又は、延長線C)と延長線B(又は、延長線A)とで形成される領域を示すウインドウ情報が算出される。そして、入力された相対位置情報pbに基づいて、当該相対位置情報pbが示す航空機の位置に対応するウインドウが算出され、当該ウインドウに該当するディスプレイに、航空機の表示情報dpがシンボルマークで表示される。この場合、管制塔の中心Mと当該航空機の位置とを結ぶ直線が仮想的に形成され、図4中の表示D1に示すように、シンボルマークは、同直線がディスプレイ11又はディスプレイ11の設置された壁面と交わる交差位置を同ディスプレイ11の位置まで鉛直方向に延長した箇所に表示される。また、当該シンボルマークに、トラック情報taから得られる航空機のコールサイン、高度、速度及び管制塔からの距離などの文字情報(たとえば、“JPN1234 ”、“120 ”[フィート]、“20”[マイル]、“JPN5678 ”、“280 ”[フィート]、“35”[マイル])が付加されて表示される。
【0024】
以上のように、この第1の実施例では、管制塔の周辺空域に存在する航空機の位置情報paが、ディスプレイ上で当該航空機の存在する方向に直接表示されるので、管制官が航空機の捜索を迅速かつ容易に行うことができる。また、複数の航空機が近接して飛行している場合に、それらの航空機の相対位置がシンボルマーク及び文字情報により直感的に表示されるので、管制官の注意を喚起し、航空機間の距離を安全に確保するための情報が提供される。
【実施例2】
【0025】
図5は、この発明の第2の実施例である管制塔用表示装置のディスプレイの表示画面の例を示す図である。
この実施例では、図2中の表示制御装置2に代えて、新たな機能が付加された図示しない表示制御装置2Aが設けられている。表示制御装置2Aは、表示制御装置2の機能に加え、トラック情報taから当該航空機の高度情報を抽出し、同高度情報に基づいて、低高度を飛行する航空機に対応するシンボルマークをディスプレイの下部に表示する一方、高高度を飛行する航空機に対応するシンボルマークを同ディスプレイの上部に表示する。
【0026】
この場合、たとえば、ディスプレイの下端が0フィート、及び上端が5000フィート以上に設定され、0〜5000フィートに存在する航空機が、ディスプレイ内で高度情報に対応して上下方向をずらした状態で表示される。たとえば、図5中の表示D2に示すように、低高度を飛行する航空機のシンボルマークはディスプレイ11の下部に表示され、高高度を飛行する航空機のシンボルマークがディスプレイ11の上部に表示される。なお、5000フィートを超える高度を飛行する航空機の位置情報は、画面上端に表示される。これにより、この第2の実施例では、航空機の高度が管制官に直感的に提示されるので、第1の実施例の利点に加え、管制官は、より容易に航空機を発見することが可能となる。
【実施例3】
【0027】
図6は、この発明の第3の実施例である管制塔用表示装置のディスプレイの表示画面の例を示す図である。
この実施例では、上記第2の実施例の表示制御装置2Aに代えて、新たな機能が付加された図示しない表示制御装置2Bが設けられている。表示制御装置2Bは、表示制御装置2Aの機能に加え、相対位置情報pbに基づいて管制塔と当該航空機との距離を算出し、この算出結果に基づいて、遠距離に存在する航空機のシンボルマークを小さく表示する一方、近距離に存在する航空機のシンボルマークを大きく表示する。
【0028】
この場合、たとえば、管制塔から5マイル以内に存在する航空機のシンボルマークが最大サイズ、及び同60マイル以遠に存在する航空機のシンボルマークが最小サイズに設定され、5〜60マイル圏内に存在する航空機が、ディスプレイ内で管制塔からの距離に応じてシンボルマークのサイズを変更した状態で表示される。たとえば、図6中の表示D3に示すように、遠距離に存在する航空機のシンボルマークは小さく表示され、近距離に存在する航空機のシンボルマークが大きく表示される。これにより、この第3の実施例では、航空機の管制塔からの距離が管制官に直感的に提示されるので、第1及び第2の実施例の利点に加え、管制官は、滑走路に接近している航空機の捜索を容易に行うことが可能となる。
【実施例4】
【0029】
図7は、この発明の第4の実施例である管制塔用表示装置のディスプレイの表示画面の例を示す図である。
この実施例では、上記第3の実施例の表示制御装置2Bに代えて、新たな機能が付加された図示しない表示制御装置2Cが設けられている。表示制御装置2Cは、表示制御装置2Bの機能に加え、トラック情報taから当該航空機の飛行方向を算出し、相対位置情報pb及び飛行方向に基づいて、管制塔側から見た当該航空機の姿勢及び飛行方向に合わせた航空機の形状を模したシンボルマークを表示する。たとえば、図7中の表示D4に示すように、左側の航空機は、管制塔から近距離に存在して左方向に飛行する一方、右側の航空機が、管制塔から遠距離に存在し、画面に対する垂直方向から稍右寄りの方向に飛行している。これにより、この第4の実施例では、航空機の飛行方位を含む3次元的な位置関係が管制官に直感的に提示されるので、第1乃至第3の実施例の利点に加え、管制官は、航空機の捜索を容易に行うことが可能となり、航空機間の安全な間隔を維持することが容易になる。
【0030】
以上、この発明の実施例を図面により詳述してきたが、具体的な構成は同実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更などがあっても、この発明に含まれる。
たとえば、管制塔は、図1に示す形状に限定されず、円筒形状や八角筒形状などでも良い。また、図7中の航空機は、ヘリコプタでも良い。
【産業上の利用可能性】
【0031】
この発明は、空港などで航空交通を管制する管制塔用表示装置全般に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】この発明の第1の実施例である管制塔用表示装置が設けられている管制塔の一例を示す俯瞰透視図である。
【図2】図1中の管制塔用表示装置の要部の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】表示制御装置2で算出されるウインドウ情報について説明する図である。
【図4】ディスプレイの表示画面の例を示す図である。
【図5】この発明の第2の実施例である管制塔用表示装置のディスプレイの表示画面の例を示す図である。
【図6】この発明の第3の実施例である管制塔用表示装置のディスプレイの表示画面の例を示す図である。
【図7】この発明の第4の実施例である管制塔用表示装置のディスプレイの表示画面の例を示す図である。
【符号の説明】
【0033】
1 中央処理装置(航空機情報表示処理手段の一部)
2 表示制御装置(航空機情報表示処理手段の一部)
2a CPU(中央処理装置)(表示制御装置の一部)
2b ROM(リード・オンリ・メモリ)(表示制御装置の一部)
11,12,…,20 ディスプレイ(表示手段)
30 レーダ(位置情報検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管制塔内の壁面に設置された複数の表示手段を有する管制塔用表示装置であって、
前記管制塔の周辺空域を飛行する航空機の位置情報を取得し、前記位置情報を当該航空機が存在する方向の前記表示手段に表示する航空機情報表示処理手段が設けられていることを特徴とする管制塔用表示装置。
【請求項2】
所定形状の管制塔内の壁面に設置された複数の表示手段を有する管制塔用表示装置であって、
航空機の位置情報を検出可能な位置情報検出手段から前記管制塔の周辺空域を飛行する航空機の位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて、前記航空機の位置から前記管制塔の中心に向う直線と前記管制塔の壁面又は窓面とが交わる交差位置を、該当する前記表示手段に表示する航空機情報表示処理手段が設けられていることを特徴とする管制塔用表示装置。
【請求項3】
前記航空機情報表示処理手段は、
前記航空機の位置情報及び予め設定されている前記管制塔の緯度経度情報に基づいて、前記管制塔の中心に対する前記航空機の相対位置情報を算出する中央処理装置と、
前記管制塔の緯度経度情報及び予め設定されている前記各表示手段の設置位置情報に基づいて、前記各表示手段で表示可能な前記周辺空域の領域を表すウインドウ情報を算出し、かつ、前記相対位置情報に基づいて、当該相対位置情報が示す航空機の位置する領域を含む前記ウインドウ情報に対応する前記表示手段に前記交差位置を所定のシンボルマークで表示する表示制御装置とから構成されていることを特徴とする請求項2記載の管制塔用表示装置。
【請求項4】
前記中央処理装置は、
予め設定されている航空機の飛行計画情報と前記相対位置情報とを対応付けたトラック情報を生成する構成とされ、
前記表示制御装置は、
前記トラック情報から得られる当該航空機に関する文字情報を前記シンボルマークに付加して前記表示手段に表示する構成とされていることを特徴とする請求項3記載の管制塔用表示装置。
【請求項5】
前記表示制御装置は、
前記トラック情報から当該航空機の高度情報を抽出し、該高度情報に基づいて、低高度を飛行する航空機に対応するシンボルマークを前記表示手段の下部に表示する一方、高高度を飛行する航空機に対応するシンボルマークを前記表示手段の上部に表示する構成とされていることを特徴とする請求項4記載の管制塔用表示装置。
【請求項6】
前記表示制御装置は、
前記相対位置情報に基づいて前記管制塔と当該航空機との距離を算出し、この算出結果に基づいて、遠距離に存在する航空機のシンボルマークを小さく表示する一方、近距離に存在する航空機のシンボルマークを大きく表示する構成とされていることを特徴とする請求項4又は5記載の管制塔用表示装置。
【請求項7】
前記表示制御装置は、
前記トラック情報から当該航空機の飛行方向を算出し、前記相対位置情報及び飛行方向に基づいて、前記管制塔側から見た当該航空機の姿勢及び飛行方向に合わせた航空機の形状を模したシンボルマークを表示する構成とされていることを特徴とする請求項4、5又は6記載の管制塔用表示装置。
【請求項8】
管制塔内の壁面に設置された複数の表示手段を有する管制塔用表示装置に用いられる航空機表示方法であって、
前記管制塔の周辺空域を飛行する航空機の位置情報を取得し、前記位置情報を当該航空機が存在する方向の前記表示手段に表示する航空機情報表示処理を行うことを特徴とする航空機表示方法。
【請求項9】
所定形状の管制塔内の壁面に設置された複数の表示手段を有する管制塔用表示装置に用いられる航空機表示方法であって、
航空機の位置情報を検出可能な位置情報検出手段から前記管制塔の周辺空域を飛行する航空機の位置情報を取得し、前記位置情報に基づいて、前記航空機の位置から前記管制塔の中心に向う直線と前記管制塔の壁面又は窓面とが交わる交差位置を、該当する前記表示手段に表示する航空機情報表示処理を行うことを特徴とする航空機表示方法。
【請求項10】
前記航空機情報表示処理では、
前記航空機の位置情報及び予め設定されている前記管制塔の緯度経度情報に基づいて、前記管制塔の中心に対する前記航空機の相対位置情報を算出する相対位置情報算出処理と、
前記管制塔の緯度経度情報及び予め設定されている前記各表示手段の設置位置情報に基づいて、前記各表示手段で表示可能な前記周辺空域の領域を表すウインドウ情報を算出し、かつ、前記相対位置情報に基づいて、当該相対位置情報が示す航空機の位置する領域を含む前記ウインドウ情報に対応する前記表示手段に前記交差位置を所定のシンボルマークで表示する表示制御処理とを行うことを特徴とする請求項9記載の航空機表示方法。
【請求項11】
予め設定されている航空機の飛行計画情報と前記相対位置情報とを対応付けたトラック情報を生成するトラック情報生成処理を行い、
前記表示制御処理では、
前記トラック情報から得られる当該航空機に関する文字情報を前記シンボルマークに付加して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項10記載の航空機表示方法。
【請求項12】
前記表示制御処理では、
前記トラック情報から当該航空機の高度情報を抽出し、該高度情報に基づいて、低高度を飛行する航空機に対応するシンボルマークを前記表示手段の下部に表示する一方、高高度を飛行する航空機に対応するシンボルマークを前記表示手段の上部に表示することを特徴とする請求項11記載の航空機表示方法。
【請求項13】
前記表示制御処理では、
前記相対位置情報に基づいて前記管制塔と当該航空機との距離を算出し、この算出結果に基づいて、遠距離に存在する航空機のシンボルマークを小さく表示する一方、近距離に存在する航空機のシンボルマークを大きく表示することを特徴とする請求項11又は12記載の航空機表示方法。
【請求項14】
前記表示制御処理では、
前記トラック情報から当該航空機の飛行方向を算出し、前記相対位置情報及び飛行方向に基づいて、前記管制塔側から見た当該航空機の姿勢及び飛行方向に合わせた航空機の形状を模したシンボルマークを表示することを特徴とする請求項11、12又は13記載の航空機表示方法。
【請求項15】
コンピュータに請求項1乃至7のいずれか一に記載の管制塔用表示装置を制御させるための表示制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−245346(P2009−245346A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−93456(P2008−93456)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】