説明

管渠におけるライニング用管状体の製管装置及びその製管方法

【課題】
帯状部材を螺旋状に捲回して管状体を形成し、該形成された管状体の後方に新たに供給される帯状部材をもって該管状体を送出し形成する元押し式の製管において、帯状部材は管状体の内面側より供給され、機構の簡素化をなすとともに、所定の押込み力を導入をなしえる機構を得ること。
【解決手段】
外面ローラ2と内面ローラ3とからなり、帯状部材の閉合部位に、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第1駆動機構部4において、外面ローラ2の1巻目に当接する外径を2巻目以後に当接する規定径の外径よりも大径となす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、長尺の板状の帯状部材を螺旋状に捲回して管状体を形成し、該形成された管状体の後方に新たに供給される帯状部材をもって該管状体を送出し形成するいわゆる元押し式製管装置及びその成形方法に関し、特には、下水道管、上水道管及びガス管等の既設の管渠において、その管渠の内面に管状体を挿入し、ライニング層を施工するための管渠用ライニング施工装置並びにその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
管渠内へのライニング施工において、当該管渠が下水道管路の場合、人孔内の底部に製管装置を設置し、その製管装置により地上部より供給される帯状部材を螺旋状に捲回して管状体を形成し、該管状体を管渠内に送り込んでゆく工法、いわゆる「元押し式工法」は公知である(特許文献1〜4)。当該帯状部材は長尺体をなすとともに両側縁部に継手が形成され、連続的に供給される帯状部材の相接する継手相互を係合させて管状体が形成されるものである。
図9はこの元押し式工法に使用される従来の製管装置いわゆるライニング施工装置の概略構成を示す。
図において、Aはローラa,bよりなる接合機構部、Bはローラc,dよりなる挟着機構部、eは案内ローラ、Cはローラf,gよりなる送り機構部である。これらは機枠(図示せず)に取り付けられ、かつ油圧をもって駆動される。なお、a,c,fは外面ローラ,b,d,gは内面ローラである。
しかして、この元押し式製管装置においては、接合機構部Aで上方すなわち地上部から送り込まれてくる帯状部材100が先に製管された部分に外側から重ねられて被さる態様を採るものであり、製管される管の径が先に行くにつれ漸次拡径し、一定径の製管が得られず、更にまた、一定径の製管を得るため帯状部材の係合を接合機構部Aで強固になすと応力が次第に累積され、過大な応力となり、帯状部材の破損あるいは装置の故障を引き起し、製管に不具合な現象が生じるものである。
これを防止するため、送り機構部Cによりローラf,gの回転を接合機構部Aのローラa,bの回転よりも減速して制動を効かせ、径の絞り込みをなすようにしている。
しかし、この減速調整機構は特別な油圧制御回路を要し、ローラの回転調整に手間が懸かるばかりでなく、構造が複雑となり、製造費用のかかるものである。
【特許文献1】特開昭62−20987号公報
【特許文献2】特開昭62−103127号公報
【特許文献3】特開昭63−30116号公報
【特許文献4】特開平6−154846号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、この種の元押し式の管状体の形成において、従来の製管機の機構を抜本的に見直し、簡単な構造にしてより効率的な製管作用をなし得る新規な製管装置並びに製管方法を得ることを目的とする。
本発明は更に、この製管装置をもって管渠のライニング施工にも適用できるライニング施工装置並びに施工方法を得ることも他の目的とする。
本発明はこのため、外面ローラと内面ローラとの挟着駆動よりなる接合機構部・挟着機構部・送り機構部を主要構成とする従来の製管機において、接合機構部に改変を加えることにより、送り駆動部を廃することができるばかりでなく、一定径を得る製管制御がより容易になしえるとの知見のもとになされたものである。
本発明では、地上から送り込まれる帯状部材100を外側から重ねて被せて環状体を成形する従来の態様から改変し、当該帯状部材100を内側から重ねる新規な方式(内張り方式)での製管をなす着想によりこれを実現したものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は具体的には以下の構成を採る。
本発明の第1は螺旋巻き製管装置であって、請求項1に記載のとおり、
両側縁部に継手が形成され連続的に供給される長尺の帯状部材を螺旋状に捲回し、相接する継手相互を係合させて管状体を形成し、前記形成された管状体の後方に新たに供給される前記帯状部材をもって該管状体を送出し形成する製管装置であって、
前記形成される管状体と新たに供給される帯状部材との閉合部位に配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとからなり、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第1駆動機構部;
前記第1駆動機構部とは直径距離を隔てて配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとを有し、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第2駆動機構部;
を有し、
前記新たに供給される帯状部材は前記螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、
前記第1駆動機構部において、
その外面ローラの1巻目に当接する外径を2巻目以後に当接する規定径の外径よりも大径となし、
前記第2駆動機構部において、その外面ローラの径を規定径となす、
ことを特徴とする。
本発明の帯状部材は所定の厚み・剛性をもって耐座屈性及び耐引張り性を有し、弾性あるいは塑性を有するものが使用され、また、その継手構成は以下の実施の形態で示されるものに限定されず、該帯状部材の縁部に沿って係合構造を有する一般のものを除外するものではない。
すなわち、以下の実施形態で詳述されるように、帯状部材の継手の係合は半係合状態及び全係合状態を採るが、これらの状態は相対的なものであって、所定の機能を奏するものを含むものである。
本発明の各機構は適宜機枠に配されるが、機枠の構造に限定されるものではなく、更には、管状体の形成を補助する案内機構部も適宜に配されるが、該案内機構部は特には必要がなく、かつ以下の実施の形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
上記本発明の構成において、
1)内面ローラは少なくとも挟着力を有すること、及び又は外面ローラは内面ローラより帯状部材に対して大きな把持力を有すること、
2)第1駆動機構部の内面ローラにつき、1巻目に当接する部分と2巻目に当接する部分は別体とされ、1巻目に当接する部分は回転フリーとされること、又は1巻目に当接する部分と2巻目に当接する部分とは別軸に取り付けられてもよいこと、
は適宜採択される選択的事項である。
以上の事項は、以下の第2、第3、第4発明に適用される。
【0005】
(作用)
第1駆動機構部と第2駆動機構部とは同期して回転駆動をなす。
新たに供給される帯状部材は、いわゆる内張り式として、螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、先行する管状体の帯状部材と第1駆動機構部の閉合位置で係合する。
第1駆動機構部において、1巻目に当接する外面ローラの外径は他よりも大径となっているので、2巻目とで周速が大きくなり、送り込み速度が大きくなって、正規径の長さよりも長めの帯状部材が供給される。
すなわち、当該第1駆動機構部から第2駆動機構部に至るまでに正規径の管状体に対し送込み力が付加される。しかして、先行する管状体に膨径作用が働き、管状体の縮径化を阻止する。
第2駆動機構部において、規定の周速となり、第1駆動機構部との間で正規の径が設定される。
特に、主係合部と副係合部を持つ帯状部材においては、第1駆動機構部で主係合部が作用し、第2駆動機構部で主係合部に副係合部が付加され、以後第1駆動機構部との間で正規径の管状体が成形される。
【0006】
本発明の第2は管渠内用ライニング施工装置であって、請求項2に記載のとおり、
管渠内において、その両側縁部に継手が形成され連続的に供給される長尺の帯状部材を螺旋状に捲回し、相接する継手相互を係合させて管状体を形成し、前記形成された管状体の後方に新たに供給される前記帯状部材をもって該管状体を送出し形成するライニング施工に使用される装置であって、
前記形成される管状体と新たに供給される帯状部材との閉合部位に配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとからなり、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第1駆動機構部;
前記第1駆動機構部とは直径距離を隔てて配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとを有し、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第2駆動機構部;
を有し、
前記新たに供給される帯状部材は前記螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、
前記第1駆動機構部において、その外面ローラの1巻目に当接する外径を2巻目以後に当接する規定径の外径よりも大となし、
前記第2駆動機構部において、その外面ローラの径を規定径となす、
ことを特徴とする。
【0007】
(作用)
本管渠内用ライニング施工装置は管渠の定位置に設置され、帯状部材は管渠を介して又は介さず順次供給される。また、第1駆動機構部と第2駆動機構部とは同期して回転駆動をなす。
新たに供給される帯状部材は、いわゆる内張り式として、螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、先行する管状体の帯状部材と第1駆動機構部の閉合位置で係合する。
第1駆動機構部において、1巻目に当接する外面ローラの外径は他よりも小径となっているので、2巻目とで周速が大きくなり、送り込み速度が大きくなって、これにより先行する管状体に送込み力が導入される。すなわち、先行する管状体に膨径作用が働き、先行する管状体との係合部に滑りが生じ、管状体の縮径化を阻止する。
第2駆動機構部において、規定の周速となり、第1駆動機構部との間で正規の径が設定される。
特に、主係合部と副係合部を持つ帯状部材においては、第1駆動機構部で主係合部が作用し、第2駆動機構部で主係合部に副係合部が付加され、以後第1駆動機構部との間で正規径の管状体が成形される。
【0008】
本発明の第3は螺旋巻き管状体の製管方法であって、請求項3に記載のとおり、
両側縁部に継手が形成され連続的に供給される長尺の帯状部材を螺旋状に捲回し、相接する継手相互を係合させて管状体を形成し、前記形成された管状体の後方に新たに供給される前記帯状部材をもって該管状体を送出し形成する製管方法であって、
前記形成される管状体と新たに供給される帯状部材との閉合部位に、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとからなり、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第1駆動機構部を配し、
前記第1駆動機構部とは直径距離を隔てて配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとを有し、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第2駆動機構部を配し、
前記新たに供給される帯状部材は前記螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、
前記第1駆動機構部において、その外面ローラの1巻目に当接する外径を2巻目以後に当接する規定径の外径よりも大径となし、
前記第2駆動機構部において、その外面ローラの径を規定径となし、
前記第2駆動機構部に至るまでの帯状部材に管状体の縮径を阻止するに足る送込み力を付加してなる、
ことを特徴とする。
【0009】
(作用)
第1駆動機構部と第2駆動機構部とは同期して回転駆動をなす。
新たに供給される帯状部材は、いわゆる内張り式として、螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、先行する管状体の帯状部材と第1駆動機構部の閉合位置で係合する。
第1駆動機構部において、1巻目に当接する外面ローラの外径は他よりも大径となっているので、2巻目とで周速が大きくなり、送り込み速度が大きくなって、これにより先行する管状体に送込み力が導入される。すなわち、先行する管状体に膨径作用が働き、先行する管状体との係合部に滑りが生じ、管状体の縮径化を阻止する。
第2駆動機構部において、規定の周速となり、第1駆動機構部との間で正規の径が設定される。
特に、主係合部と副係合部を持つ帯状部材においては、第1駆動機構部で主係合部が作用し、第2駆動機構部で主係合部に副係合部が付加され、以後第1駆動機構部との間で正規径の管状体が成形される。
【0010】
本発明の第4は管渠内のライニング施工方法であって、請求項5に記載のとおり、
管渠内の定位置において、両側縁部に継手が形成され連続的に供給される長尺の帯状部材を螺旋状に捲回し、相接する継手相互を係合させて管状体を形成し、前記形成された管状体の後方に新たに供給される前記帯状部材をもって該管状体を管渠内に送出し形成するライニング施工方法であって、
前記形成される管状体と新たに供給される帯状部材との閉合部位に、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとからなり、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第1駆動機構部を配し、
前記第1駆動機構部とは直径距離を隔てて配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとを有し、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第2駆動機構部を配し、
前記新たに供給される帯状部材は前記螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、
前記第1駆動機構部において、その外面ローラの1巻目に当接する外径を2巻目以後に当接する規定径の外径よりも大径となし、
前記第2駆動機構部において、その外面ローラの径を規定径となし、
前記第2駆動機構部に至るまでの帯状部材に管状体の縮径を阻止するに足る送込み力を付加してなる、
ことを特徴とする。
【0011】
(作用)
ライニング施工装置は管渠の定位置に設置され、帯状部材は管渠を介して又は介さず順次供給される。また、第1駆動機構部と第2駆動機構部とは同期して回転駆動をなす。
新たに供給される帯状部材は、いわゆる内張り式として、螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、先行する管状体の帯状部材と第1駆動機構部の閉合位置で係合する。
第1駆動機構部において、1巻目に当接する外面ローラの外径は他よりも大径となっているので、2巻目とで周速が大きくなり、送り込み速度が大きくなって、これにより先行する管状体に送込み力が導入される。すなわち、先行する管状体に膨径作用が働き、先行する管状体との係合部に滑りが生じ、管状体の縮化を阻止する。
第2駆動機構部において、規定の周速となり、第1駆動機構部との間で正規の径が設定される。
特に、主係合部と副係合部を持つ帯状部材においては、第1駆動機構部で主係合部が作用し、第2駆動機構部で主係合部に副係合部が付加され、以後第1駆動機構部との間で正規径の管状体が成形される。
【発明の効果】
【0012】
本第1ないし第4発明に共通して、新たに供給される帯状部材は、いわゆる内張り式として、螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給されるものであり、従来の元押し式の管状体の形成において、従来の送り機構部を含む複雑な機構が簡素化され、所定の送込み力が閉合部位から直ちに導入され、形成されうる管状体の膨径化を阻止し、かつ油圧操作よりも機械操作が主体となり、制御の容易化が図られ、管状体の成形が精確かつ容易となり、画期的である。
本第1及び第2の装置においては、前記した従来の送り機構部を含む複雑な機構が簡素化されるので、送り機構部の省略に伴い、装置の小型化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の管渠におけるライニング用管状体の製管装置及びその製管方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の一実施形態の管渠用ライニング施工装置Sを示す。すなわち、図1〜図3は本ライニング施工装置Sの全体の概略構成を示し、図4〜図6は本実施形態の特徴的構成部分を示す。図7はライニング施工要領を示す。また、図8は帯状部材の一態様を示す。
なお、本管渠用ライニング施工装置Sは管状体の成形に特定すると、製管機と同等であり、ライニングに特定されない。
これらの図において、Pは円形断面をなす管渠、Rは本ライニング施工装置Sによって製管されたライニング管を示す。なお、本装置Sによって製管されるライニング管Rの進行方向(矢印イ、図4及び図7参照)をもって、前部、後部とする。
【0014】
帯状部材100(図8参照)
本施工装置Sの構成の説明に先立って、本施工装置Sに適用される帯状部材について説明する。
図8は本実施形態のライニング施工装置Sに適用される帯状部材の一例を示す。
帯状部材100は本体が一定厚さの平板状をなし、その外面の長手方向に適宜数(図例では7)の突条(リブ)102が連続的に縦設される。突条102に先端部にはフランジ102aが形成される。突条102の相互間は溝104もしくは溝空間を形成する。内面106は実質的に平滑に形成される。
帯状部材100の両側には互いに内外に重合して係合する接合部100A,100Bが形成される。すなわち、前縁側接合部100Aはその前端部の突条102Aの基部が膨径され、その内面側より凹溝110が縦設され、更にこの突条102Aより張出し部112が連設される。後縁側接合部100Bは後端部の突条102Bより張出し部114が張設され、該張出し部114の端部寄りに前記前縁側接合部100Aの凹溝110に係合する凸条116が縦設される。
接合時において、相隣れる帯状部材100の前縁部と後縁部とが重なり合い、前縁側接合部100Aに後縁側接合部100Bが後記する駆動機構部4, 7の外面ローラと内面ローラとの挟着作用を受けて、凹溝110内に凸条116が、また、突条102Bのフランジ102a内に張出し部112の端部がそれぞれ嵌り込み、接合される。この場合、主たる係合(主係合)は凹溝110と凸条116とによりなされ、張出し部112と突条102Bとは従たる係合(副係合)をなす。
更に、本実施形態では張出し部112,114の当接部分にはシール材118が介装され、接合性を高める。なお、接合部100A,100Bにおける嵌合係合で十分であれば、当該シール材118を省略することができる。
帯状部材は合成樹脂の素材をもって作成され、特に成形性の観点から押出し形成により連続的に成形できる塩化ビニール(PVC)樹脂が好適である。
しかし、該帯状部材100の素材は限定されず、弾性、塑性の如何ようにも適用される。
【0015】
ライニング施工装置S(図1〜図6参照)
図1〜図6に示されるように、このライニング製管装置Sは、鋼製のアングル材もしくは板状体をもって構成され、四角筒状をなす機枠(フレーム)1と、該機枠1を介して取り付けられ、外面ローラ2と内面ローラ3とを有し作動流体をもって駆動される第1駆動機構部4と、同じく機枠1を介して取り付けられ、該第1駆動機構部4と対称位置に配される同じく外面ローラ5と内面ローラ6とを有する第2駆動機構部7と、の主要部からなり、更には、機枠1には複数の案内ローラ8よりなる案内機構部9を含む。
本発明において、機枠1及び案内機構部9は本質的事項ではなく、また、第1駆動機構部4及び第2駆動機構部7の公知部分も本質的事項ではない。
【0016】
以下、各部の構成につき詳述する。
機枠1(図1〜図3参照)
機枠1は鋼製のアングル材もしくは板状体をもって構成され、四角箱状をなし、前後は開放される。
詳しくは、該機枠1は、上下に上面板12及び底板13を有し、両側部には側板14をもって構成される。
上面板12は案内機構部9(9A)が取り付けられ、底板13は第1駆動機構部4及び第2駆動機構部7の取付け台となり、また他の案内機構部9(9B)も取り付けられる。第1駆動機構部4及び第2駆動機構部7は側板14を介して取り付けることもできる。該底板13は人孔の底面部(インバート)に載置される。
更には、上面板12には帯状部材100の通過する開口16が開設され、また底板13には成形される管状体を受け入れる凹部17が形成される。
細部については以下に順次説明する。
【0017】
第1駆動機構部4(図1〜図5参照)
第1駆動機構部4は、外面ローラ2と内面ローラ3とが取付箱体20内に所定の間隔を保って相平行して、かつ回転可能に保持される。外面ローラ2と内面ローラ3とはそれらの回転軸2aと回転軸3aとに装着された歯車機構21をもって連動する。該取付箱体20は底板13に位置調整可能に固定される。外面ローラ2と内面ローラ3とは、一方の回転軸2aの端部が油圧モータ22に連動し、歯車機構21をもって互いに逆方向に回転する。外面ローラ2は硬質素材(一般に金属)、内面ローラ3は軟質素材(一般に硬質ゴム)を採る。取付箱体20の後壁には油圧モータ22との連通をなす連通孔20aが開設される。なお、以上の構成は公知である。
該第1駆動機構部4の外面ローラ2と内面ローラ3とは、その間に帯状部材100が挿通されるとともに、相隣れる帯状部材100に少なくとも1巻目及び2巻目跨って配され、帯状部材100が送り込まれ、1回周した帯状部材100を挟着し、管状に接合する。
外面ローラ2は小径部2Aと大径部2Bとからなり、これらの本体部は帯状部材100に当接され、該本体部の外周には適宜間隔を保って環状の鍔体2Cが突設される。鍔体2Cは帯状部材100の突条102間の溝104に遊隙を存して嵌まり込み、帯状部材100の送り込みを案内する。
内面ローラ3は大径部3Aと小径部3Bとからなる。
【0018】
第2駆動機構部7(図1〜図4参照)
第2駆動機構部7は、第1駆動機構部4と同様、外面ローラ5と内面ローラ6とが取付箱体24内に所定の間隔を保って相平行して、かつ回転可能に保持される。外面ローラ5と内面ローラ6とはそれらの回転軸5aと回転軸6aとに装着された歯車機構25をもって連動する。該取付箱体24は底板13に位置調整可能に固定される。外面ローラ5と内面ローラ6とは、一方の回転軸5aの端部は油圧モータ26に連動し、歯車機構25をもって互いに逆方向に回転する。外面ローラ5は硬質素材(一般に金属)、内面ローラ6は軟質素材(一般に硬質ゴム)を採る。取付箱体24の後壁には油圧モータ26との連通をなす連通孔24aが開設される。なお、以上の構成は公知である。
該第2駆動機構部7の外面ローラ5と内面ローラ6とは、その間に帯状部材100が挿通されるとともに、相隣れる帯状部材100に少なくとも1巻目及び2巻目跨って配され、帯状部材100が送り込まれ、1回周した帯状部材100を挟着し、管状に接合する。
外面ローラ5は同一径をもって帯状部材100に当接され、該本体部の外周には適宜間隔を保って環状の鍔体が突設される。
内面ローラ3は同一径をなす。
しかして、第2駆動機構部7は第1駆動機構部4と製管径の直径間隔を隔てて一定距離を存して配される。
【0019】
第1・第2駆動機構部4, 7の駆動機構はほぼ共通するものであるので、以下に第1駆動機構部4をもって共通的事項を説明する。
第1駆動機構部4において、油圧モータ22は取付箱体20に固設され、作動流体をもって駆動され、減速歯車を内蔵し、取付箱体20内に駆動軸22aが延設される。駆動軸22aは外面ローラ2の駆動軸2aに接続される。歯車機構21は、外面ローラ2の駆動軸2aに固定された第1歯車21aと、内面ローラ3の回転軸3aに固定された第2歯車21bとからなり、互いに噛合って逆回転動をなす。内面ローラ3は、図3に概略のみ示されるように、油圧ジャッキ28をもって押し付け移動が可能になっている。
第2駆動機構部7は、第1駆動機構部4に準じ、26aは油圧モータ26の駆動軸、25aは歯車機構25の第1歯車、25bは第2歯車である。本内面ローラ6にも油圧ジャッキ28が装備される。
この駆動系は公知であり、かつ又、他の駆動機構が適用されうるものであり、図例に限定されるものではない。
【0020】
案内機構部9(図1、図2参照)
案内機構部9は、案内ローラ8を主体とし、上面板12に取付け板30を介して取り付けられる上部案内機構部9Aと、底板13に取付け板31を介して取り付けられる下部案内機構部9Bと、からなる。これらの案内ローラ8は若干の位置調整が可能となっている。
これらの複数の案内ローラ、正規状態の内面ローラ3,6によって、それらの外接円は真円状が形成される。
【0021】
本実施形態において、第1駆動機構部4の外面ローラ2と内面ローラ3との組合せ態様を実質的特徴とし、第1駆動機構部4と第2駆動機構部7との配設関係、更には帯状部材100との関係を付加的特徴とする。
以下、詳しく説明する。
【0022】
第1駆動機構部4(図4, 図5, 図6参照)
第1駆動機構部4は上述したとおり、外面ローラ2と内面ローラ3とからなり、少なくとも1巻目と2巻目との帯状部材100に跨がって配される。このとき、1巻目の帯状部材100は2巻目との帯状部材100の内側面に配される。
外面ローラ2と内面ローラ3とは共に、規定の径部分(2A,3A)及び規定外の径部分(2B,3B)を有する。外面ローラ2においては、規定の外径をΦ1とし、1巻目に対応する径を規定外の拡大径Φ2とされ、2巻目あるいはそれ以後の巻目に対応する径を規定の径Φ1とされる。規定外径部分2Bにおいて、Φaは規定外径(拡大径)Φ2ないしは該規定外径Φ2より若干の細径(図5に示すもの)、Φbは細径部とされる。内面ローラ3においては、規定の外径をΦ3とし、1巻目に対応する径を規定外の縮小径Φ4とされ、2巻目あるいはそれ以後の巻目に対応する径を規定の外径Φ3とされる。外面ローラ2は駆動軸2aをもって一体に回転する。内面ローラ3は駆動軸3aをもってその規定径部分3Aが一体として回転されるが、規定外部分3Bは回転自由となっている。帯状部材100は外面ローラ2と内面ローラ3とにより挟着すなわち押圧作用をもって挟み付けられるものであるが、外面ローラ2の把持力が卓越する。
【0023】
第2駆動機構部7(図4参照)
第2駆動機構部7は外面ローラ5と内面ローラ6とからなり、少なくとも1巻目と2巻目との帯状部材100に跨がって配される。外面ローラ2と内面ローラ3とは共に、規定径とされる。
【0024】
帯状部材100
本帯状部材100において、主係合をなす部分、すなわち凹溝110と凸条116との係合(以下、主係合部という)、副係合をなす部分、すなわち張出し部112と突条102Bとの係合(以下、副係合部という)は、本実施形態の他の特徴的事項をなす。
すなわち、主係合部においては滑りを許容するが、副係合部においては張出し部112が突条102Bによって押圧され、係合力が付加され、滑りは阻止される。本実施形態において、主係合部のみによる係合は半係合状態を採り、主係合部及び副係合部による係合は全係合状態を採る。また、シール材118の存在によって係合力が一層増加する。
【0025】
組立て
本施工装置Sは、人孔内に設置されるものであるので、人孔内の搬入を容易とするため、各部は分割可能され、組立て可能となっている。
【0026】
諸元
本施工装置Sの主たる諸元の一例を示す。
第1駆動機構部4については、外面ローラ2の外径Φ1(規正値)は61. 5mm、Φ2は67.5mm、内面ローラ3の外径Φ3(規正値)は60mm、
Φ4は54mmを採る。第2駆動機構部7については、外面ローラ5、内面ローラ6とも上記の規正値(61. 5mm、60mm)を採る。また、管状体Rの内径は290〜568mmを採る。
【0027】
製管(管状体Rの成形)
本ライニング施工装置Sを使用してなされる管状体の成形作用を説明する。
第1駆動機構部4及び第2駆動機構部7は同期回転駆動をなす。
[第1過程]
第1駆動機構部4に帯状部材100が送り込まれると、該帯状部材100は外面ローラ2と内面ローラ3とに挟着され、その送り込み力により下方へ送り出される。なお、1巻目の帯状部材100は2巻目との帯状部材100の内側面から供給されることは既に述べたとおりである。ここで、1巻目において、外面ローラ2は規定径Φ1よりも拡径され、内面ローラ3は規定径Φ3よりも縮径(一部拡径)されたものとなっているので、該帯状部材100の後縁寄りの径は小径となる。また、その送り込み速度も外面ローラ2の拡大径により規正速度よりも大きいものとなる。
そして、該1巻目の帯状部材100(100a)の全体は外面ローラ2の拡大径部2Bにより内径方向へ押し込まれ、かつ該1巻目の帯状部材100aの前縁は、2巻目の帯状部材100bの後縁のその接合部100Aの突条102Aが同じく規定径外の拡大径部分2Bによって内径方向に押し込まれ、その凹溝110が先行の1巻目の帯状部材100aの前端の凸条116に嵌め込まれる。すなわち、該帯状部材100aの前縁の係合部100Bにおいて、2巻目の帯状部材100の後縁とで主係合部が係合する。
後述するように、外面ローラ2の拡大径部2Bは帯状部材100aを内径方向に押圧する機能を有する外、その円周長が大きくなっており、周速が速く、帯状部材100aの送り量を増大する。
更に、本実施形態では、2巻目の帯状部材100(100b)の突条102Aに当接する外面ローラ2の規定外径部分の径Φaは規定外径Φ2より若干小さくなっているので、帯状部材100bの突条102を内径方向に押込み力を付与し、凹溝110と凸条116とが係合した後は、該ローラ2の径Φaの径部分と帯状部材100aのフランジとの間で若干の空隙αを生じる。このαにより過度な外面ローラ2からの押付け力が付与されない。なお、このαすなわちΦaは設計的なもので、許容すれば、該ΦaはΦ2と同径もしくは図例とは異なる径を採用し得るものである。
一方、規定外径部分2BのΦb部分においては、1巻目の帯状部材100aの前端の突条102と2巻目の帯状部材100bの張出し部112とは押付けが付与されず、副係合部は外れている。
よって、当該部分(図5のa部)は半係合状態となる。
その状態のまま、下部案内機構部9Bを介して、第2駆動機構部7に送り込まれる。
図6は本第1過程を模式的に示す。すなわち、図における二点鎖線部は帯状部材100の送り量の増大に伴う膨径状態を示す。
【0028】
[第2過程]
第2駆動機構部7において、その外面ローラ5と内面ローラ6とは規定径を保持し、1巻目の帯状部材100の前縁の係合部は先行の2巻目の帯状部材100の後縁と、副係合部が係合し、主係合部とともに一体化する(この状態は図5のb部と同等である。当該部分では主係合並びに副係合が係合する)。すなわち、全係合状態となる。帯状部材100は外面ローラ5と内面ローラ6とで挟着され、その送り込み力により送り出される。
この状態で該1巻目の帯状部材100の上部は上部案内機構部9Aを介して、径を保持したまま、第1駆動機構部4へ送り込まれる。
【0029】
[第3過程]
2巻目に至ると、第1駆動機構部4において、外面ローラ2と内面ローラ3とは規定径となっているので、正規状態を保持し、換言すれば第2駆動機構部7の状態を保持し、2巻目の帯状部材100を全係合状態に保持し、かつ、外面ローラ2と内面ローラ3との挟着力により前方への送り込み力を与える。なお、図例(図5)では第1駆動機構部4の外面ローラ2と内面ローラ3とは3巻目の帯状部材100に達していないが、この状態を除外するものではない。
これにより、上記第2過程での第2駆動機構部7とこの第1駆動機構部4とでライニング管Rの径が規定径として定まり、かつそれらのローラ2,3,5,6の周速度をもって前方(イ方向)へ送り出される。
【0030】
[第4過程]
以後の帯状部材100は第1駆動機構部4と第2駆動機構部7との間で規制された径を保って前方へ送り出される。
【0031】
[製管作用]
留意すべきは、叙上の作用において、第1過程において、新たに供給される帯状部材は管状体の内側面から供給され、1巻目は先行の2巻目と主係合部の係合となり、半係合状態となり、かつ送り速度が大きいことから、当該係合部で滑りが生じ、当該半周部分で送込み量の増加による膨れが生じるものである。ここに捲回作用による製管動作に押込み力が付加されることになる。
第2過程において、規定径により、1巻目は先行の2巻目と全係合状態となる。しかし、第1過程の押込み力を受けて、その係合部には若干の滑りが生じることが許容される。
第3過程において、2巻目はその後縁は1巻目との係合で滑りが生じるが、その前縁は3巻目と全係合をなし、対応する第2駆動機構部7とで管状体の正規径が保持される。
以上より明らかなとおり、帯状部材100の管状体の後端で、第1駆動機構部4により付加的な送込み力が導入され、管状体の成形に細りが阻止され、従前の送り機構部を有する製管機に劣らない正規の管状体が成形される。
更に、油圧駆動されるローラの回転系が単純化され、油圧による制御の容易化がなされることも大きな特長である。
【0032】
ライニング施工
本ライニング施工装置Sを使用してなされる管渠内でのライニング施工について説明する。
図7は下水道管渠における施工例の概要を示す。
図において、Qは人孔、Pは円形管渠を示す。Hは人孔Qの底部のインバート、IはインバートHの上面である。また、Eは地盤、Tは路面を示す。
地上部において、帯状部材100の繰出し装置(図示せず)が設置され、帯状部材100はこの繰出し装置により人孔Qの開口Oより人孔Q内に設置された本ライニング施工装置Sに連続的に供給される。また、200は油圧源である。
【0033】
ライニング施工は以下の手順に基づいてなされる。
(1) 本ライニング施工装置Sを人孔Q内に搬入し、人孔Qの底部のインバートHに設置する。
この設置において、本施工装置Sの底板13は人孔QのインバートHの上面Iに載置され、形成される管状体RはインバートHの溝の曲率に合致する。地上に配した油圧駆動源200より油圧配管210を介して本施工装置Sの各油圧部に接続する。
(2) 地上から繰り出された帯状部材100を本ライニング施工装置Sの駆動機構4,7の初動操作をもって初期管状体Rを形成する。
(3) 初期管状体Rが形成された後、引き続き、順次地上より供給される帯状部材100を本ライニング施工装置Sを巡行駆動し、駆動機構4,7を同期駆動する。これにより、本施工装置Sは所期の機能により管状体Rが形成され、管渠P内に管状体Rが進行してゆく。
地上より新たに供給される帯状部材100は、管状体Rの内面側より供給されるものであるので、形成される管状体Rは膨径する傾向があるが、所期の押込み力の付加作用により管状体Rは正規の径を保持することができる。
(4) 管状体Rが次の人孔Q(図示せず)に到達すれば、本施工装置Sの駆動を停止し、本施工装置Sを解体・撤去するとともに、各人孔Q内に突出した管状体Rを切除する。
(5) 各人孔Qにおいて管渠Pと管状体Rとの間を密封し、管渠Pの全長において管渠Pと管状体Rとの間隙部に固結性の裏込め材220を注入し、その固結を待って、ライニング施工は完了する。
【0034】
上記において、管状体Rの成形は既述のとおりであり、第1駆動機構部4において適宜の送込み力(押込み力)が導入され、第2駆動機構部7以降は一定の規定径の管状体Rの成形がなされる。
本施工装置Sの態様は一例であり、状況に応じて各工程は変更されうるものである。例えば、インバート面での高さ調整、油圧源200の人孔Q内への設置、あるいは裏込め材220の注入の省略は適宜なされる。
【0035】
(本実施形態の効果)
この実施の形態の管渠内でのライニング施工によると、下水の流下状態で工事が実施され、バイパス流路の確保が不要となり、経済的に工事をなすことができる。併せて、本施工装置Sは従来のものよりも機構が簡単であることから小型化が達成され、狭隘な下水人孔に好適である。従来の送り機構部の省略化に伴う機械高の低減も施工の容易化に寄与するものである。
【0036】
本発明は叙上の実施の形態にのみ限定されるものではなく、本発明の基本的技術思想の範囲内で種々設計変更が可能である。すなわち、以下の態様は本発明の技術的範囲内に包含される。
1)駆動源につき、本実施形態では油圧式を持ったが、空気圧あるいは電力をもって駆動されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の管渠用ライニング施工装置の一実施形態を示す正面図。
【図2】図1の背面図。
【図3】図1及び図2の3−3線断面図。
【図4】第1・第2駆動機構部の配管関係を示す概略構成図。
【図5】第1駆動機構部の詳細図。
【図6】本施工装置の作動原理を示す説明図。
【図7】管渠内のライニング施工の要領図。
【図8】(a)図は本発明で使用される帯状部材の一態様を示す断面図。 (b) 図はこの帯状部材相互の接合関係を示す断面図。
【図9】従来のライニング施工装置の機構要領図。
【符号の説明】
【0038】
S…管渠用ライニング施工装置、P…管渠、R…管状体(ライニング管)、1…機枠、2…外面ローラ、2A…規定径部、2B…拡径部、3…内面ローラ、3A…規定径部、3B…縮径部、4…第1駆動機構部、5…外面ローラ、6…内面ローラ、7…第2駆動機構部、8…案内ローラ、9…案内機構部、100…帯状部材、100A, 100B…接合部、110, 116…主係合部、112, 102B…副係合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側縁部に継手が形成され連続的に供給される長尺の帯状部材を螺旋状に捲回し、相接する継手相互を係合させて管状体を形成し、前記形成された管状体の後方に新たに供給される前記帯状部材をもって該管状体を送出し形成する製管装置であって、
前記形成される管状体と新たに供給される帯状部材との閉合部位に配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとからなり、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第1駆動機構部;
前記第1駆動機構部とは直径距離を隔てて配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとを有し、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第2駆動機構部;
を有し、
前記新たに供給される帯状部材は前記螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、
前記第1駆動機構部において、
その外面ローラの1巻目に当接する外径を2巻目以後に当接する規定径の外径よりも大径となし、
前記第2駆動機構部において、その外面ローラの径を規定径となす、
ことを特徴とする螺旋巻き製管装置。
【請求項2】
管渠内において、その両側縁部に継手が形成され連続的に供給される長尺の帯状部材を螺旋状に捲回し、相接する継手相互を係合させて管状体を形成し、前記形成された管状体の後方に新たに供給される前記帯状部材をもって該管状体を送出し形成するライニング施工に使用される装置であって、
前記形成される管状体と新たに供給される帯状部材との閉合部位に配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとからなり、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第1駆動機構部;
前記第1駆動機構部とは直径距離を隔てて配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとを有し、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第2駆動機構部;
を有し、
前記新たに供給される帯状部材は前記螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、
前記第1駆動機構部において、その外面ローラの1巻目に当接する外径を2巻目以後に当接する規定径の外径よりも大となし、
前記第2駆動機構部において、その外面ローラの径を規定径となす、
ことを特徴とする管渠内のライニング施工装置。
【請求項3】
両側縁部に継手が形成され連続的に供給される長尺の帯状部材を螺旋状に捲回し、相接する継手相互を係合させて管状体を形成し、前記形成された管状体の後方に新たに供給される前記帯状部材をもって該管状体を送出し形成する製管方法であって、
前記形成される管状体と新たに供給される帯状部材との閉合部位に、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとからなり、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第1駆動機構部を配し、
前記第1駆動機構部とは直径距離を隔てて配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとを有し、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第2駆動機構部を配し、
前記新たに供給される帯状部材は前記螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、
前記第1駆動機構部において、その外面ローラの1巻目に当接する外径を2巻目以後に当接する規定径の外径よりも大径となし、
前記第2駆動機構部において、その外面ローラの径を規定径となし、
前記第2駆動機構部に至るまでの帯状部材に管状体の縮径を阻止するに足る送込み力を付加してなる、
ことを特徴とする螺旋巻き管状体の製管方法。
【請求項4】
第1駆動機構部から第2駆動機構部に至るまで帯状部材は半係合状態を採り、第2駆動機構部以降は全係合状態を採る請求項3に記載の螺旋巻き管状体の製管方法。
【請求項5】
管渠内の定位置において、両側縁部に継手が形成され連続的に供給される長尺の帯状部材を螺旋状に捲回し、相接する継手相互を係合させて管状体を形成し、前記形成された管状体の後方に新たに供給される前記帯状部材をもって該管状体を管渠内に送出し形成するライニング施工方法であって、
前記形成される管状体と新たに供給される帯状部材との閉合部位に、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとからなり、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第1駆動機構部を配し、
前記第1駆動機構部とは直径距離を隔てて配され、該帯状部材を挟着かつ駆動する外面ローラと内面ローラとを有し、少なくとも1巻目と2巻目とに跨がって配される第2駆動機構部を配し、
前記新たに供給される帯状部材は前記螺旋状に捲回されて形成される管状体に対して内側面から供給され、
前記第1駆動機構部において、その外面ローラの1巻目に当接する外径を2巻目以後に当接する規定径の外径よりも大径となし、
前記第2駆動機構部において、その外面ローラの径を規定径となし、
前記第2駆動機構部に至るまでの帯状部材に管状体の縮径を阻止するに足る送込み力を付加してなる、
ことを特徴とする管渠内のライニング施工方法。
【請求項6】
第1駆動機構部から第2駆動機構部に至るまで帯状部材は半係合状態を採り、第2駆動機構部以降は全係合状態を採る請求項5に記載の管渠内のライニング施工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−126647(P2008−126647A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−317878(P2006−317878)
【出願日】平成18年11月26日(2006.11.26)
【出願人】(592012650)足立建設工業株式会社 (20)
【Fターム(参考)】