説明

管理システム及び表示制御方法

【課題】 多数の映像があった場合でも、状況に応じた表示を自動的に行うことができる管理システムを提供する。
【解決手段】 管理システム1は、マイク35、カメラ36及び電子黒板画面上の接触感知センサーからのセンサー情報に基づいて、センサー情報と地点の状況を対応させたテーブルを参照して、各地点A乃至Cの状況を判断する地点サーバー31、41、51と、地点サーバー31、41、51が判断した地点の状況に応じて、複数の映像の中から各地点A乃至Cの表示装置で表示する映像を選択する中央サーバー2とを備える。また、地点サーバー31は、各地点の表示装置の表示状況に応じて、地点Aを撮影した映像が地点Bの表示装置42乃至44で表示されている場合、地点Aに設置された照明装置37の照明を明るくする。また、地点サーバー41は、地点Bに設置された照明装置47の照明を暗くする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理システム及び表示制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多地点で映像が共有できるよう遠隔会議システム等の遠隔システムが提案されている。このような遠隔システムでは、各地点を撮影したTV映像、各地点で用いられるスライド画像、各地点に設置された電子黒板の画像をユーザーが手動で選択することによって、多地点のそれぞれに設けられた複数の表示装置に表示することができる。また、このような従来技術として以下のようなものが提案されている。
【0003】
特許文献1記載の遠隔教育システムは、配信局から得られる講義情報を各受講者側端末装置に送信し、受講者側端末装置に設けられた撮影装置及びマイクで、講義中、各受講者の映像及び音声を取得し、講義状況に応じて配信局から得られる講義映像及び講義音声に対して受講者側の映像及び音声を混合する処理を行って各受講者側端末装置に送信することで、個々の受講者に対するきめ細かな教育情報を提供することができるというものでる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−219382号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、地点数が多くなると、映像ソースの数が莫大となり、この中から表示装置に表示する映像をユーザーが手動で選択するのは、ユーザーの負担が大きくなるという問題がある。また、映像を選択するユーザーは、各地点の状況を完全に把握することはできないため、選択して表示すべき映像ソースを見落としてしまうことがある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、多数の映像があった場合でも、状況に応じた表示を自動的に行うことができる管理システム及び表示制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、少なくとも一つの表示装置がそれぞれ設置された複数の地点の表示を制御する管理システムであって、前記地点に設けられた所定のセンサーからのセンサー情報に基づいて、前記地点の状況を判断する判断手段と、前記判断手段が判断した地点の状況に応じて、複数の映像の中から前記表示装置で表示する映像を選択する表示制御手段とを備える管理システムである。本発明によれば、地点の状況に基づいて、複数の映像の中から表示装置で表示する映像を選択するので、地点数が多くなり、多数の映像があった場合でも、状況に応じた表示を自動的に行うことができる。よってユーザーの負担を軽減できる。また、選択して表示すべき映像ソースを見落とすということも無くなる。
【0008】
本発明の管理システムは更に、前記センサー情報と前記地点の状況を対応させたテーブルを格納するデータベースを備え、前記判断手段は、前記センサー情報に基づいて、前記テーブルを参照することによって、前記地点の状況を判断する。本発明によれば、データベースを参照することによって、各地点の状況を正確に判断することができる。
【0009】
本発明の管理システムは更に、前記判断手段が判断した地点の状況に応じて、前記地点に設置された撮影装置を制御する撮影制御手段を備える。本発明によれば、各地点の状況に応じた撮影が可能となる。
【0010】
本発明の管理システムは更に、前記表示装置の表示状況に応じて、前記複数の地点のうちの第1の地点を撮影した映像が第2の地点の表示装置で表示されている場合、該第1の地点に設置された照明装置の照明を明るくし、該第2の地点に設置された照明装置の照明を暗くするよう照明を制御する照明制御手段を備える。本発明によれば、自地点の映像が他の地点の人に見られているかをフィードバックすることで、各地点の状況を把握することができるため、他の地点との間でコミュニケーションが取り易くなる。
【0011】
前記判断手段は、前記センサー情報に基づいて得られた前記地点にいる人物の位置、人物の動き、及び肌色領域の大きさのうち少なくとも1つを用いて、前記地点の状況を判断する。たとえばカメラ、RF(Radio Frequency)IDセンサーや赤外線センサーからのセンサー情報を用いて、地点にいる人物の位置、人物の動き、及び肌色領域の大きさによって地点の状況を判断できる。
【0012】
本発明の管理システムは更に、前記センサーがマイクの場合、該マイクからの音声信号を音声処理することによって前記地点内の音声の有無、音源の位置及び音声の大きさのうちの少なくともいずれか一つを求める音声処理手段を備え、前記判断手段は、前記音声処理手段の音声処理結果を用いて、前記地点の状況を判断する。本発明によれば、音声の有無、音源の位置及び音声の大きさによって、地点の状況を判断できる。
【0013】
前記表示制御手段は、前記複数の映像の重要度を求め前記表示装置で表示する映像を選択する。
【0014】
前記センサーは、カメラ、マイク、前記表示装置に設けられた画面接触センサー、RFIDセンサーおよび赤外線センサーのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする。
【0015】
本発明は、少なくとも一つの表示装置が設置された複数の地点の表示を制御する表示制御方法であって、所定のセンサーからのセンサー情報に基づいて、前記地点の状況を判断する判断ステップと、前記判断ステップで判断された地点の状況に応じて、複数の映像の中から前記表示装置で表示する映像を選択するステップとを有する表示制御方法である。本発明によれば、地点の状況に基づいて、複数の映像の中から表示装置で表示する映像を選択するので、地点数が多くなり、多数の映像があった場合でも、状況に応じた表示を自動的に行うことができる。よってユーザーの負担を軽減できる。
【0016】
前記判断ステップは、前記センサー情報と前記地点の状況を対応させたテーブルを参照することによって、前記地点の状況を判断する。本発明によれば、データベースを参照することによって、各地点の状況を正確に判断することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、多数の映像があった場合でも、状況に応じた表示を自動的に行うことができる管理システム及び表示制御方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
【0019】
図1は本発明による管理システムの全体構成を示す図である。図1に示すように、管理システム1は、中央サーバー2、地点Aの会議装置3、地点Bの会議装置4、地点Cの会議装置5を備え、会議装置3乃至5はネットワークを介して中央サーバー2に接続されている。地点Aの会議装置3は、地点サーバー31、表示装置32乃至34、マイク35、カメラ36及び照明装置37を備える。管理システム1は、少なくとも一つの表示装置がそれぞれ設置された複数の地点の表示を制御するものである。
【0020】
地点Bの会議装置4は、地点サーバー41、表示装置42乃至44、マイク45、カメラ46及び照明装置47を備える。地点Cの会議装置5は、地点サーバー51、表示装置52、53、マイク54、カメラ55及び照明装置56を備える。なお、地点Bの会議装置4及び地点Cの会議装置5は地点Aと同様であるためここでは説明を省略する。地点Aの会議装置3について説明する。
【0021】
地点Aの会議装置3は、地点Aの会議室に設置されるものである。地点サーバー31は、表示装置32乃至34、マイク35、カメラ36、照明装置37等の地点Aの会議装置3全体を制御する。この地点サーバー31は、センサーからのセンサー情報に基づいて地点Aの状況を判断する機能を有する。表示装置32乃至34は、例えば地点の会議室を撮影したTV映像、電子黒板の映像及びスライド等の資料を表示する。表示装置34は、電子黒板の機能を有し、この表示装置34は、電子黒板画面上の接触感知センサー(画面接触センサー)を備え、ペン又はタッチ入力の有無等の値をセンサー情報として地点サーバー31に送る。
【0022】
マイク35は、地点サーバー31によって制御され、地点Aの会議室内の音声を音声信号に変更し、この音声信号をセンサー情報として地点サーバー31に送る。カメラ36は、地点サーバー31によって制御され、地点Aの会議室内を撮影し、撮影した映像信号をセンサー情報として地点サーバー31に送る。照明装置37は、地点サーバー31によって制御され、地点Aの会議室内を照明するものである。また、地点Aの会議室内の照明状況を地点サーバー31に送る機能があってもよい。
【0023】
図2は、地点Aの地点サーバー31のブロック図である。図2に示すように、地点サーバー31は、送受信部302、状況データベース303、データベース304、画像処理部305、音声処理部306、状況判断部307、表示制御部308、撮影制御部309、マイク制御部310及び照明制御部311を備え、これらは内部バス312を介してそれぞれ接続されている。
【0024】
状況データベース303は、センサー情報と地点の状況IDの対応関係を示すテーブルを格納する。図4は、状況データベース303内のセンサー情報と状況IDとを対応させたテーブルを示す図である。図4に示すように、マイク35、カメラ36及び画面センサーからのセンサー情報を用いて、地点Aの会議室内の状況IDが特定され、地点Aの会議室内の状況が分かる。
【0025】
データベース304は、地点Aの表示装置32乃至34の設備情報を格納するテーブルを持つ。図5は、表示装置の設備情報を格納するテーブルを示す図である。図5に示すように、地点Aの表示装置32乃至34は表示順位が決定されており、重要が映像から表示装置33、表示装置32、表示装置34の順番で表示される。
【0026】
なお、地点Bの会議室は、3台の表示装置42乃至44があるため、図5で示したような表示順位に従って、映像を表示する。また、地点Cでは、地点A及び地点Bとは異なり、2台の表示装置52及び53が設置されているため、図6に示すような表示順位で映像を表示する。図6は、地点Cの地点サーバー51内の表示装置の設備情報テーブル例である。図6に示すように、地点Cの表示装置52及び53は表示順位が決定されており、重要な映像から表示装置52、表示装置53の順番で表示される。
【0027】
画像処理部305は、カメラ36で撮影した映像信号を画像処理し、人物の位置、人物の動きの大きさ、肌色領域の大きさなどの値を出力する。音声処理部306は、マイク35からの音声信号を音声処理し、音声の有無、音源の位置、音の大きさなどの値を出力する。
【0028】
状況判断部307は、画像処理部305の画像処理結果、音声処理部306の音声処理結果及び画面センサーからのセンサー情報に基づいて、状況データベースを参照することによって状況IDを特定し、地点Aの状況を判断する。例えば、図4に示したように、状況判断部307は、カメラ36からのセンサー情報の画像処理結果が「人物の動きあり」、マイク35からのセンサー情報の音声処理結果が「音源ひとつ」、画面センサーからのセンサー情報が「画面書き込みあり」の場合、地点Aの状況は、状況2「一人の人物が発言しながら画面に書き込んでいる」であると特定する。
【0029】
また、カメラ36からのセンサー情報の画像処理結果が「人物の動きあり」、マイク35からのセンサー情報の音声処理結果が「音源複数」、画面センサーからのセンサー情報が「画面書き込みなし」の場合、地点Aの状況は、状況3「複数の人物が同時に発言している」であると特定する。さらに、カメラ36からのセンサー情報の画像処理結果が「人物の動きなし」、マイク35からのセンサー情報の音声処理結果が「音源なし」、画面センサーからのセンサー情報が「画面書き込みなし」の場合、地点Aの状況は、状況4「誰も発言していない」であると特定する。
【0030】
また、状況判断部307は、例えば音声の大きさ及び動きの大きさから会議参加者のアクティビティレベルの値を計算する。アクティビティレベルの計算方法は、状況ID別々の計算方法であってもよい。表示制御部308は、地点Aのすべての状況IDと表示装置の設備情報(画面数など)を、中央サーバー2に送る。なお、中央サーバー2が地点Aの状況IDと表示装置の設備情報を予め保持していてもよい。ここで、地点の表示装置の設備情報には、表示装置の数、表示装置の順位が含まれる。
【0031】
表示装置の設備情報として、表示装置の数、表示装置の順位を用いる。各地点サーバー31〜51が持っている情報(地点Aでは例えば図5のような情報)を、中央サーバー2が全ての地点分のものを保持している。図5の例では、地点Aは、表示装置33>表示装置34>表示装置32の表示装置順位となる。中央サーバー2は、この情報を、各地点分、保持している。表示装置の設備情報は、どの地点のどの画面に、どの映像を出すのかを決定するのと、各地の照明の明るさを決定するのに使用する。
【0032】
撮影制御部309は、状況判断部307が判断した地点の状況に応じて、地点Aに設置されたカメラ(撮影装置)36を制御する。撮影制御部309は、状況IDに対応したカメラワークを行う。各状況IDに対応したカメラワークの対応表は各地点サーバー31が保持する。撮影制御部309は、状況1「一人の人物が発言している」場合、発言している人物を撮影するようカメラ36を制御する。撮影制御部309は、カメラワークを実現するために、地点サーバー31に集められたセンサー情報を用いる。撮影制御部309は、複数あるカメラの中から撮影に使用するカメラの選択、パン・チルト・ズームカメラ制御を行う。あるカメラワークを実現するには、どのカメラを選択し、どのようなパン・チルト・ズーム値にすればよいかの計算方法は、あらかじめ地点サーバー31に記憶されている。マイク制御部310はマイク35を制御する。
【0033】
照明制御部311は、中央サーバー2からの各地点A、B及びCの表示状況に基づいて、照明装置37の照明コントロールを行う。例えば、照明制御部311は、各地点の表示装置の表示状況に応じて、地点Aを撮影した映像が地点Bの表示装置42乃至44で表示されている場合、地点Aに設置された照明装置37の照明を明るくなるように照明を制御する。このとき、地点Bに設置された照明装置47の照明を暗くするよう地点サーバー41によって制御される。このように、自地点の映像が他の地点の人に見られているかをフィードバックすることによって、各地点の状況を把握することができるため、他の地点との間でコミュニケーションが取り易くなる。なお、ここでは照明によって表示状況を知らせるようにしているが、例えばアイコン、他の照明、又は音声など用いて表示状況を知らせるようにしてもよい。
【0034】
図3は中央サーバー2のブロック図である。図3に示すように、中央サーバー2は、送受信部21及び表示制御部22を備える。送受信部21は、地点Aの会議装置3、地点Bの会議装置4及び地点Cの会議装置5から各地点の状況IDを取得する。表示制御部22は、各地点の状況IDに応じて、複数の映像の中から表示装置で表示する映像を選択する。詳細には、表示制御部22は、各地点の状況ID及びアクティビティレベル値に基づいて、TV映像、資料画像/映像の重要度を計算し、各地点サーバー31、41及び51へ画面表示の切替指令を出す。例えば、表示制御部22は、各地点の状況ID及びアクティビティレベル値に基づいて、「地点Aの電子黒板>地点AのTV映像>地点BのTV映像>地点CのTV映像」となる重要度の順位を求める。このとき、表示制御部22は、複数の地点が同じ状況IDを持つ場合、アクティビティレベル値で重要度順を計算する。
【0035】
ここでは、重要度という数値ではなく、重要度の順位を用いる。まずは、状況IDの順位が決められている。例えば、図4の例では、状況2>状況3>状況4となる。ここで、各地点の状況が、地点A:「状況2(一人の人物が発言しながら画面に書き込んでいる)」、地点B:「状況3(誰も発言していない)」、地点C:「状況3(誰も発言していない)」の場合、地点の重要度の順位は、地点A>地点B=地点Cとなる。地点Bと地点Cの順位が同じであるが、この場合はアクティビティレベル値が用いられる。
【0036】
例えば、地点Bのアクティビティレベルが40、地点Cのアクティビティレベルが30のときは、そのアクティビティレベルの数値の大きさによって、式(1)のようになる。
【0037】
地点A > 地点B > 地点C ・・ 式(1)
【0038】
次に、各状況IDに対応して、その地点のTV映像、資料画像/映像の重要度順位があらかじめ定まっている。例えば、
・地点Xが状況2:地点Xの電子黒板 > 地点XのTV映像 ・・ 式(2)
・地点Xが状況3:地点XのTV映像
・地点Xが状況4:地点XのTV映像
となっている。
【0039】
式(1)を保持しながら、式(2)を当てはめると、地点Aの電子黒板>地点AのTV映像>地点BのTV映像>地点CのTV映像というように、順位が一意に定まる。
【0040】
また、表示制御部22は、各地点の表示装置の設備情報を保持しており、各地点のどの表示装置にどのTV映像、資料画像等を表示させるか、重要度順をもとに決定する。
【0041】
重要度順が、地点Aの電子黒板>地点AのTV映像>地点BのTV映像>地点CのTV映像であるとき、地点Aについて決定すると、まず、「地点Aの電子黒板」が表示装置32にすでに表示されているとき、これを別の表示装置に変えずに、表示装置32に固定する。そして、「地点Aの電子黒板」と「地点AのTV映像」は、不要なので除外される。そして、地点Aの表示装置順位は、表示装置33>表示装置34>表示装置32(=すでに電子黒板が割り当て)なので、
・表示装置33:地点CのTV映像
・表示装置34:地点BのTV映像
・表示装置32:地点Aの電子黒板
というように、割り当てられていく。
【0042】
また、地点Bの表示装置順位が、表示装置43>表示装置44>表示装置42の場合、同様に「地点BのTV映像」は除外され、
・表示装置43:地点Aの電子黒板
・表示装置44:地点AのTV映像
・表示装置42:地点CのTV映像
と割り当てられる。
【0043】
表示制御部22は、重要度の高いTV映像、資料画像を順位の高い表示装置に表示させる画面制御命令を生成する。送受信部21は、画面制御命令を各地点サーバー31、41及び51に送る。画面制御命令には、どの表示装置にどのTV映像/資料画像を表示するかという命令が含まれる。また、中央サーバー2は、画面制御命令と共に、TV映像/資料画像そのものを送るかまたはTV映像/資料画像のへのリンク/IPを送る。地点サーバー31は中央サーバー2からの画面制御命令に基づいて、画面表示を切り替える。
【0044】
上記の例では、地点Aでは、
・表示装置33:地点CのTV映像
・表示装置34:地点BのTV映像
・表示装置32:地点Aの電子黒板
と決定される。
【0045】
地点Bでは、
・表示装置43:地点Aの電子黒板
・表示装置44:地点AのTV映像
・表示装置42:地点CのTV映像
と決定される。
【0046】
地点Cでは、
・表示装置52:地点Aの電子黒板
・表示装置53:地点AのTV映像
と決定され、各地点のサーバー31〜51に上記のように切り替えるよう命令が送られる。
【0047】
また、中央サーバー2では、各TV映像/資料画像が、いくつの表示装置で表示されているかを計算し、これに基づいて各地点の照明光量を制御する。上記の例では、
・地点Aの電子黒板:2地点(地点Aは自地点なので除外)
・地点AのTV映像:2地点
・地点BのTV映像:1地点
・地点CのTV映像:1地点
となる。
【0048】
各地点には、光量制御可能な照明が、部屋全体あるいは壁、天井を照らすもの、各表示装置のまわりに設置してある。TV映像に対しては、部屋全体の照明を、資料画像・電子黒板画像の場合は対応する表示装置の照明を制御する。上記の例では、
・地点Aの電子黒板:→地点Aで電子黒板が表示されている表示装置32
・地点AのTV映像→地点Aの部屋全体
・地点BのTV映像→地点Bの部屋全体
・地点CのTV映像→地点Cの部屋全体
の照明が制御される。
【0049】
各照明の光量Lは、L=(すべての地点数−1)*(L_MAX−L_MIN)+L_MINで定まる。ここで、L_MIN、L_MAXは、それぞれ、あらかじめ設定した各照明の最小、最大光量である。よって、例えば地点Bの部屋全体の照明光量は、L_MIN=30,L_MAX=100のとき、地点Bの部屋全体の照明光量=(3地点−1)*(100−30)+30=65となる。
【0050】
中央サーバー2は、以上の計算をすべての地点のすべての照明について計算し、それぞれの光量を各地点のサーバー31〜51に送って制御する。
【0051】
次に動作について説明する。図7は、各地点の状況判断時の処理フローチャートである。地点Aの会議装置3において、画像処理部305は、カメラ36で撮影した映像信号を画像処理し、人物の位置、動きの大きさ、肌色領域の大きさなどの値を求め出力すると、状況判断部307は画像処理結果を取得する(ステップS11)。音声処理部306は、マイク35からの音声信号を音声処理し、音声の有無、音源の位置、音の大きさなどの値を求め出力すると、状況判断部307は音声処理結果を取得する(ステップS12)。
【0052】
画面接触センサーが、ペン又はタッチ入力の有無などの値を出力すると、状況判断部307は、画面センサーからのセンサー情報を取得する(ステップS13)。状況判断部307は、センサー情報を用いて、状況データベース33を参照し、状況IDから地点Aの状況を判断する(ステップS14)。この時、撮影制御部309は状況判断部307が特定した状況IDに基づいて、カメラ36を制御する。これにより、地点Aで発言者にカメラを向けることができる。地点Bの会議装置4及び地点Cの会議装置5においても、図7で示した処理と同様の処理が行われる。これにより、各地点の会議室の状況が特定される。
【0053】
図8は、映像選択時の処理フローチャートである。ステップS21で、送受信部21は、各地点A乃至Cの会議装置3乃至5から状況IDを取得する。表示制御部22は、各地点A乃至Cの状況IDを知ることで、例えば、地点Aの状況「発言しながら電子黒板に書いている」、地点B「何もなし」、地点C「何もなし」という状況を知ることができる。ステップS22で、表示制御部22は、各地点の状況ID及びアクティビティレベル値に基づいて、TV映像、資料画像/映像の重要度を計算し、ステップS23で、表示順位を決定する。例えば、表示順位の決定の結果、「(1)地点Aの電子黒板>(2)地点AのTV映像>(3)地点BのTV映像>(4)地点CのTV映像」となる。表示制御部22は、このような画面表示の切替指令を各地点サーバー31乃至51へ出す。
【0054】
この画面表示の切替指令によって、各地点A乃至Cの表示装置の表示が制御される。例えば、地点Aでは、表示装置32は、地点CのTV映像を表示し、表示装置33は地点Aの電子黒板を表示し、表示装置34は、地点BのTV映像を表示する。また、地点Bでは、表示装置42が地点AのTV映像を表示し、表示装置43が地点Aの電子黒板を表示する。また、地点Cでは、表示装置52が地点Aの電子黒板を表示し、表示装置53が地点AのTV映像を表示する。
【0055】
次に、照明装置の制御について説明する。図9は、照明装置の制御時の処理フローチャートである。中央サーバー2は、各地点のTV映像/資料画像がどの地点で表示されているのかを示す画面表示状況から、各地点の照明の光量を計算する。そして、中央サーバー2は、ステップS31で、各地点の照明の光量を各地点サーバー31、41および51へ送る。地点Aの会議装置3において、ステップS32で、送受信部302は、照明の光量を取得する。ステップS33で、照明制御部311は、受け取った照明の光量に基づいて、照明装置37を制御する。
【0056】
例えば、照明制御部311は、各地点の画面表示状況に基づいて、地点Aの会議室のTV映像が他地点で表示されている場合は、照明装置37の照明を明るくする。なお、地点B/Cの会議室においては、地点Aしか表示されていない場合、地点Bの会議室及び地点Cの会議室の照明を暗くして、どの地点の会議室が見られているかどうかを参加者に伝える。これによって、コミュニケーションを図り易くする。また、照明制御部311は、各地点の画面表示状況に基づいて、受信した情報に基づいて照明装置37の光量を例えば、TV映像の表示数が多くなるに従って、部屋全体の照明を明るくし、資料画像の表示数が多くなるに従って、資料画像が表示されている画面周辺の照明を明るくする。なお、照明の明るさは、表示数ではなく、表示されている地点にいる人数の合計であってもよい。また、中央サーバー2は、画面表示状況を地点サーバー31へ送るのと同様に、地点サーバー41及び51にも送る。これにより地点Bの会議装置4及び地点Cの会議装置5においても地点Aの会議装置と同様に処理が行われる。
【0057】
なお、会議装置3乃至5において、ユーザーによる明示的な表示装置の切り替え操作も可能である。ユーザーは、各地点サーバー31乃至51、中央サーバー2に対して、どの地点のどの画面に、どのTV映像/資料画像を表示させるか操作することができる。操作後、変更点を中央サーバー2に送信し、中央サーバー2は各地点の照明の制御を行う。また、ユーザーが自動画面切り替えに戻したり、中央サーバー2が画面切り替え命令を出すまで、ユーザーが操作した画面表示を維持するようにしてもよい。
【0058】
本実施形態によれば、映像ソースの中から自動的に選択して、各地点の画面に表示させることができる。また、ある地点のTV映像が他地点の画面に表示されている場合、その地点の部屋の照明を明るくして、他地点の人に見られていることをフィードバックするので、各地点の画面表示の情報から、TV映像が表示されている地点の照明を制御することができる。各地点で参加している人は、自地点のTV映像が他地点の人に見られているかを知ることができる。なお、上記実施例において、センサーに、カメラ、マイク、前記表示装置に設けられた画面接触センサー、RFIDセンサーまたは赤外線センサーを用いることができる。状況判断部307は、センサー情報に基づいて得られた地点にいる人物の位置、人物の動き、または肌色領域の大きさなどを用いて、地点の状況を判断するようにしてもよい。
【0059】
なお、本発明による表示制御方法は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を用いて実現され、プログラムをハードディスク装置や、CD−ROM、DVDまたはフレキシブルディスクなどの可搬型記憶媒体等からインストールし、または通信回路からダウンロードし、CPUがこのプログラムを実行することで、各ステップが実現される。
【0060】
以上本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。なお、上記実施形態では会議を例にとって説明したが本発明はこれに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本実施形態によるシステムの全体構成を示す図である。
【図2】本実施形態による地点Aの地点サーバーのブロック図である。
【図3】本実施形態による中央サーバーのブロック図である。
【図4】センサー情報と状況IDとを対応させたテーブルを示す図である。
【図5】表示装置の設備情報を格納するテーブルを示す図である。
【図6】地点Cの地点サーバー51内の表示装置の設備情報テーブル例である。
【図7】各地点の状況判断時の処理フローチャートである。
【図8】映像選択時の処理フローチャートである。
【図9】照明装置の制御の際の処理フローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 管理システム 305 画像処理部
2 中央サーバー 306 音声処理部
3、4、5 会議装置 307 状況判断部
31、41、51 地点サーバー 308 表示制御部
302 送受信部 309 撮影制御部
303 状況データベース 310 マイク制御部
304 データベース 311 照明制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの表示装置がそれぞれ設置された複数の地点の表示を制御する管理システムであって、
前記地点に設けられた所定のセンサーからのセンサー情報に基づいて、前記地点の状況を判断する判断手段と、あ
前記判断手段が判断した地点の状況に応じて、複数の映像の中から前記表示装置で表示する映像を選択する表示制御手段とを備えることを特徴とする管理システム。
【請求項2】
前記管理システムは更に、前記センサー情報と前記地点の状況を対応させたテーブルを格納するデータベースを備え、
前記判断手段は、前記センサー情報に基づいて、前記テーブルを参照することによって、前記地点の状況を判断することを特徴とする請求項1記載の管理システム。
【請求項3】
前記管理システムは更に、前記判断手段が判断した地点の状況に応じて、前記地点に設置された撮影装置を制御する撮影制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の管理システム。
【請求項4】
前記管理システムは更に、前記表示装置の表示状況に応じて、前記複数の地点のうちの第1の地点を撮影した映像が第2の地点の表示装置で表示されている場合、該第1の地点に設置された照明装置の照明を明るくし、該第2の地点に設置された照明装置の照明を暗くするよう照明を制御する照明制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の管理システム。
【請求項5】
前記判断手段は、前記センサー情報に基づいて得られた前記地点にいる人物の位置、人物の動き、及び肌色領域の大きさのうち少なくとも1つを用いて、前記地点の状況を判断することを特徴とする請求項1記載の管理システム。
【請求項6】
前記管理システムは更に、前記センサーがマイクの場合、該マイクからの音声信号を音声処理することによって前記地点内の音声の有無、音源の位置及び音声の大きさのうちの少なくともいずれか一つを求める音声処理手段を備え、
前記判断手段は、前記音声処理手段の音声処理結果を用いて、前記地点の状況を判断することを特徴とする請求項1記載の管理システム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記複数の映像の重要度を求め前記表示装置で表示する映像を選択することを特徴とする請求項1記載の管理システム。
【請求項8】
前記センサーは、カメラ、マイク、前記表示装置に設けられた画面接触センサー、RFIDセンサーおよび赤外線センサーのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載の管理システム。
【請求項9】
少なくとも一つの表示装置が設置された複数の地点の表示を制御する表示制御方法であって、
所定のセンサーからのセンサー情報に基づいて、前記地点の状況を判断する判断ステップと、
前記判断ステップで判断された地点の状況に応じて、複数の映像の中から前記表示装置で表示する映像を選択するステップとを有することを特徴とする表示制御方法。
【請求項10】
前記判断ステップは、前記センサー情報と前記地点の状況を対応させたテーブルを参照することによって、前記地点の状況を判断することを特徴とする請求項9記載の表示制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−270172(P2006−270172A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−81386(P2005−81386)
【出願日】平成17年3月22日(2005.3.22)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】