説明

管理用シンボルを用いた情報管理方法、及び情報管理サーバ

【課題】 多数の電子データからなるコンテンツを管理しながら、動作を自動的に実行することが可能な、管理用シンボルを用いた情報管理方法、及び情報管理サーバを提供する。
【解決手段】 コンテンツごとに用意されたビット列と当該コンテンツの保存アドレスの関連付けが保持されて、前記ビット列が表現された管理用シンボルを発行する。後に、前記コンテンツとの関連付けを参照することで、ビット列に対応するコンテンツを特定する。また、事前に選択された動作種別を参照することで、コンテンツに対する動作を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理用シンボルを用いて、ネットワーク環境にあるサーバとクライアントの間でコンテンツを送受信して利用する情報管理方法、及び情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータの処理速度の向上や、記憶媒体の容量の増加等による技術進歩に合せて、入出力装置のデジタル化が進み、様々なデータ形式のデジタル情報(コンテンツ)が扱われるようになってきた。例えば、従来アナログ情報として扱われてきた、画像(写真)や音声、動画等がデジタル情報として扱われる機会が増加した。
また、通信技術の進歩にともない、それらのデジタル情報を簡便に送受信できるネットワーク環境が整ってきた。さらに、携帯電話等のモバイル機器にインターネット接続機能が付加されるようになり、デジタル情報にアクセスできる機会が大幅に増加した。そのため、時間的および地理的な条件に縛られることなく、様々な場面において情報をやり取りすることが可能となった。
【0003】
しかし、このようにデジタル情報を扱うための環境が整ってきている反面、情報機器の操作は依然として大多数の人には難しい。そのため、情報を扱う能力を持つ人と持たない人との格差、いわゆるデジタルデバイドは社会問題となりつつある。特に、中高年層においては、情報機器へ指示を与えるためのキーボード入力に抵抗を覚える人が多い。また、情報を扱う能力が優れた人でも、携帯電話などのモバイル用の情報機器に対しては、サイズが小さいことで携帯性に優れる反面、特に長い文字列等の入力が難しい、あるいは入力に時間がかかるという問題がある。
この問題に対し、特にインターネット上の住所にあたるURL(Uniform Resouce Locator)を情報機器に入力する方法として、URLが表現された平面上の2次元コードを、撮像機能付き携帯電話を用いて撮像する方法が知られている(特許文献1)。この方法では、URLを文字列として2次元コードに変換して表示するとともに、当該2次元コードの撮像画像を解析してURLを復元し、そのURLへのアクセスを容易に実行できる。
【0004】
【特許文献1】特開2003−233546号公報
【特許文献2】特開2005−108249号公報
【特許文献3】特開2005−222338号公報
【特許文献4】特開2004−140823号公報
【特許文献5】特開2005−115642号公報
【特許文献6】特開2002−099824号公報
【特許文献7】特開2005−078263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、我々の周囲に存在するデジタル情報は多様化しており、大容量のデジタル情報を扱う機会が増加している。一般に、文字情報や数値情報などを扱うテキストデータは数バイト程度の容量で済むが、静止画データや音楽データでは数キロ〜数メガバイト程度の容量が必要となる。さらに、動画データに至っては、数ギガバイト程度の容量が必要になることもある。
2次元コードでは、従来のバーコードに比べて、デジタル情報を高密度で表示することが可能である。しかし、この方法のように、平面上に配置したマークによって情報を表現する限り、画像データや音楽データ、動画データなどの容量の大きいデータの扱いには制限が設けられる。
このように、多様なデータ形式を扱う上では、セルのサイズを微小にすることによる2次元コードの高密度化のアプローチには限界がある。そのため、今まで2次元コードでは、我々の周囲に存在する様々な種類の情報のうちテキストデータ等による限られた情報だけを扱ってきた。
【0006】
近年、我々の周囲に存在するデジタル情報が多様化すると共に、ネットワーク環境が整備されてきた。これにより、コンテンツに対して色々な利用方法が為されるようになってきた。例えば、ネットワーク上にある画像等のコンテンツを、携帯端末を利用していつでもどこからでも閲覧するようになってきた。また、コンテンツを転送して利用することで、複数の端末間で共有されるようになってきた。このように、多様なデータ形式のコンテンツに対して、コンテンツ毎に適した動作や、ユーザ毎にカスタマイズされた動作が為されるようになってきた。
特許文献1に記載の方法では、2次元コードの画像から所定のURLを復元することで、キーボード等からアドレスを入力することなく、インターネットから所定のURLにアクセスすることができる。しかし、この方法では、URLのキー入力の代替だけに利用しているに過ぎない。つまり、特許文献1に於いては、Webページを表示する手間を軽減しているだけであって、コンテンツやユーザ毎の動作が自動的に実行されることはない。
現状、コンテンツに応じて動作を変更するためには、その度毎に、ユーザが動作を指示する必要がある。そのため、これらコンテンツやユーザ毎の動作を自動的に実行して、ユーザに対する負荷を軽減することが望まれている。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ネットワーク環境にあるサーバとクライアントの間でコンテンツを送受信する、管理用シンボルを用いた情報管理方法、及び情報管理システムであって、多様なデータ形式のデジタル情報(コンテンツ)に対して、使用目的に応じた動作を自動的に実行することが可能な情報管理方法、及び情報管理サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係わる情報管理方法は、
ネットワークに接続されたサーバにて、電子データからなるコンテンツを管理する情報管理方法であって、
サーバからアクセス可能なストレージ領域にコンテンツが保存されること、
コンテンツごとに用意されたビット列と当該コンテンツの保存アドレスの関連付けが、サーバから参照可能なストレージ領域に保持されること、
前記ビット列が表現された管理用シンボルを、サーバにて発行すること、
クライアント端末で撮像された管理用シンボルから復元されるビット列を得ること、
前記コンテンツとの関連付けを参照することで、前記ビット列に対応するコンテンツを特定すること、
を特徴とする。
【0009】
本発明で扱うコンテンツは、静止画情報、動画情報、音声情報、文字情報等の、電子データからなる様々な種類のデジタル情報を対象とする。
静止画情報としては、例えばjpegやビットマップ等のデータ形式で表された画像データが考えられる。動画情報としては、例えばmpegやwmv、avi等のデータ形式で表された動画データが考えられる。音声情報としては、例えばmp3やwav等のデータ形式で表された音楽データが考えられる。
文字情報としては、例えばURL等のアドレス、名刺に記載された情報(住所・氏名・電話番号)、個人のメモ、等の任意のフォーマットで表されたテキストデータが考えられる。テキストデータは文字コードで表されており、文字コードとしては、EUCコードやShiftJisコード、ユニコード等が考えられる。
【0010】
上記以外にも特定のアプリケーションにより作成された情報であっても良い。例えば、ワープロソフトで作成されたデータや表計算ソフトで作成されたデータ、スケジュールソフトで作成されたデータ等が考えられる。
また、IDやパスワード等の認証情報や、暗号化されたビット列である暗号情報、実行形式のプログラム、等も考えられる。
【0011】
管理用シンボルは、平面上の画像パターンを変化させてビット列を表現したものである。本発明では、クライアント端末が有する撮像機能により管理用シンボルの画像を取得し、この画像を解析してビット列を復元する。
クライアント端末は、ネットワークを介してサーバにアクセスする。このとき、クライアント端末は予めサーバのアドレスを保持しており、プログラムがそれを参照して実行することが好ましい。
アクセスされたサーバは、ビット列からコンテンツを特定し、コンテンツに対する処理を行う。これらの動作を経て、ネットワークを介して、クライアント端末からコンテンツを利用することを可能にする。
【0012】
本方法では、管理用シンボルをコンテンツの保存アドレスに関連付けて発行し、コンテンツが特定できるようにする。管理用シンボルと保存アドレスの関連付けは、ビット列を介して、サーバから参照可能なストレージ領域に保持すると良い。この関連付けを保持するストレージ領域は、自サーバ内の領域であっても良いし、ネットワーク上の他のサーバが管理する領域であっても良い。
コンテンツの保存アドレスは、ネットワーク上の住所にあたるURLや、サーバ内のフォルダを指し示すファイルパス等からなる。具体的には、サーバ名、ポート番号、フォルダ名、ファイル名等で構成されると良い。コンテンツを保存するストレージ領域は、自サーバ内の領域であっても良いし、ネットワーク上の他のサーバが管理する領域であっても良い。
【0013】
本発明のサーバは、常時ネットワークに接続されていることが好ましく、ネットワークへの接続が可能な撮像機能付きクライアント端末の要求に応じて、所定の動作を実行すると良い。
サーバでは、複数のユーザ(クライアント端末)からの要求に応じて、複数のコンテンツを同時に管理することが可能である。
また、サーバは、1台のサーバマシンによって、全ての役割(管理用シンボルの発行、コンテンツに対する動作、等)を実行しても良い。また、複数のサーバマシンを用意して、これらの役割を分散させて実現しても良い。すなわち、本発明のサーバとは、ネットワークに常時接続された1台以上のサーバマシンからなるサーバシステムを意味する。
【0014】
また、本発明に係わる情報管理方法は、
前記コンテンツの保存アドレスは、サーバから参照可能なストレージ領域に保持されたデータベースに記録されること、
コンテンツごとに用意された前記ビット列は、前記データベースのレコード番号と対応付けられること、
レコード番号と対応付けられた前記ビット列には、冗長なデータが含まれていること、
前記管理用シンボルは、平面上に配置された複数のセルにデータマークを表示してビット列を表現する2次元コードであること、
冗長なデータが含まれた前記ビット列は、公開されない規則に基づいて前記2次元コードに表現されること、
を特徴とする。
【0015】
上記において、多数のコンテンツに係るビット列やアドレス情報等のデータ集合を、データベースを用いてサーバで一元的に管理する。その際、行をレコード、列をフィールドとしたテーブル形式からなるデータベースを用いる。すなわち、各レコードがフィールドに記録された複数の情報を持つ。
データベースを用いることで、大量のコンテンツを扱うことが可能となり、また、サーバに多数のユーザが同時にアクセスしても処理できる。さらに、ストレージ領域への格納に無駄がなく、効率的に資源を活用できる。
データベースには、所定のフィールドにアクセスした日付やユーザ等のログ情報を登録することで、コンテンツの緻密な管理が可能となる。
データベースは、SQL等の汎用的な言語で記述すると良い。また、MySQL、PostgreSQL、Oracle等の一般的に普及しているアプリケーションを利用すると良い。
【0016】
上記において、レコードに対してコンテンツを割り当て、さらに一つの管理用シンボルを対応させる。また、フィールドの一つ(保存アドレスフィールド)にコンテンツの保存アドレスを割り当てると良い。これにより、管理用シンボルからコンテンツを特定することが可能となる。
レコードの管理は、データベースのレコードの順に、連番で割り振られたレコード番号を用いて行うと良い。この場合、所望のレコードの検索が、レコード数が膨大であっても高速に実施できる。このレコード番号は、2進数列で表したビット列で管理することが好ましい。
【0017】
上記において、全てのレコード番号に対応付けられたビット列を用意すると良い。管理用シンボルは、このビット列を表現することで、任意のレコードと関連付けられる。管理用シンボル読み取り後、このビット列からレコード番号を復元する。
ここで言うビット列は、コンピュータが扱う情報の最小単位であり、2進数列における各桁の1または0の組み合せによって情報を表現する。
【0018】
本方法のように、ビット列に冗長なデータが含まれるようにし、かつ、このビット列を公開されない規則に基づいて管理用シンボルに表現する場合、レコード数に対してビット数が増加するため、第三者がランダムに作成してもレコード番号に対応させることはできない。これにより、悪意を持った第三者によるアクセスを回避できる。
本発明の言うビット列の冗長性は、ビット列がレコードの総数よりも多くの数を表現できる場合を指す。このビット列は、レコード番号を2進数列で表したビット列に、冗長なデータを付加して作成されると良い。このとき、冗長なデータは元のビット列に混在することで、レコード番号が第三者から分からないようにする。
上記において、冗長なビット列を、公開されない規則に基づいて管理用シンボルに表現すると良い。規則が第三者に分からないようにするためには、独自の表示規則を持った2次元コードを利用することや、ビット列に対して暗号化を行うこと、等が考えられる。
【0019】
本方法の好適な一例として、2進数列からなるレコード番号に余分な桁を付加し、共通鍵暗号を用いて暗号化する方法が挙げられる。この場合、付加される位置や、数値はどこでも良く、例えば、レコード番号の上位に、全て0からなる数列(00…0)を付加すると良い。
共通鍵暗号では、ビット列からなる鍵を介して、ビット列を第三者に知られ得ないものに変換する。このとき、変換後のビット列は、変換前と桁数が等しいまま、規則性が乱されて配列される。
共通鍵暗号化技術としては、標準暗号化方式であるDES(Data Encryption Standard)やトリプルDES、AES(Advanced Encryption Standard)、等を利用すると良い。
【0020】
上記において、管理用シンボルとして2次元コードを用いると良い。2次元コードでは、従来のバーコードに比べて埋め込まれる情報量が大きく、膨大な数のコンテンツが対象となる。
2次元コードは、格子状に配列したセルと、位置決めシンボルとで構成される。セルにはデータマークが印され、このデータマークの表示の仕方によってビット列を表現する。例えば、データマークの有無を1と0に対応させて表現すると良い。もしくは、カラー2次元コードでは、色成分として、3原色(C,M,Y、または、R,G,B)のデータマークを用いて、それらを重ね合せて表現すると良い。
【0021】
上記において、光学的な撮像装置を用いて、管理用シンボルの画像データを取得すると良い。この画像データを、コンピュータを用いて解析することで、各セルの表示が識別され、元のビット列を復元することが可能となる。
画像データの解析は、クライアント端末からサーバに画像データを送信して、サーバ上で実施すると良い。この場合、クライアント端末で解析する場合に比べ、処理能力が高いため解析時間が短い。また、この場合、クライアント端末に独自のアプリケーションを置かなくても良い。
復元されたビット列から、レコード番号を取得する処理は、サーバにて実施すると良い。この場合、第三者にレコード番号が知られないため、レコードに対する不当なアクセスを回避できる。
【0022】
また、本発明に係わる情報管理方法は、
前記ビット列に含まれた冗長なデータは誤り訂正符合であること、
前記誤り訂正符号による符号化および復号化はサーバにて実施されること、
前記2次元コードにおけるセルの表示規則が公開されないこと、
を特徴とする。
【0023】
ビット列に付加する冗長なデータとしては、誤り訂正符号が好適である。誤り訂正符合は、データの誤りを訂正するため、所定の変換規則により付加されるデータである。誤り訂正符合を付加した場合、管理用シンボルを読み取る際にデータの一部にエラーが生じても、元のビット列を復元できる。
本方法では、誤り訂正符号の本来の目的である誤り訂正と、セキュリティの確保を兼ねることで、第三者からのアクセス防止を目的として新たにビットを付加する必要がない。そのため、多数のコンテンツを、少ないビット数で管理できるという利点を有する。
誤り訂正符号としては、公知の技術であるリードソロモン符号や、BCH(Bose−Chaudhuri−Hocquenghem)符号、拡張BCH符号、等を用いることができる。
【0024】
2次元コードとしては、セルの表示規則が第三者に知られないものを利用すると良い。QRコード等の仕様が公開された2次元コードでは、表示規則が公開されているため、冗長性が付加される前のビット列が第三者に知られ易い。一方、公開されない独自の表示規則を用いた場合には、第三者に知られ得ない。
ここで言う表示規則とは、所定のビット列の各ビットがどのセルに対応し、また、その値がどの表示に対応するかを定めたものである。一般に、2次元コードでは、格子状に配置したセルに番号を付けて、データマークの有無をビット列の1または0に対応させる。本方法は、ビット列の値と、セルの表示との対応関係を公開しないことを特徴とする。
【0025】
上記の表示規則は、発行する2次元コードごとに変えることが好ましい。すなわち、2次元コードには、複数の変換規則を用意しておいて、発行ごとに選んで処理を行うと良い。選択された変換規則は、上記のビット列を表現する以外の領域に情報として埋め込んでおくことで、ビット列の復元時に参照して利用することができる。この変換規則は、公開されずにサーバで管理すると良い。
誤り訂正符号を付加した後のビット列は、各ビットの値と、各セルの表示(データマークの有無)を一対一で対応させて変換すると良い。カラー2次元コードの場合は、各ビットの値は、各色成分でのセル表示(データマークの有無)に対応させると良い。これにより、セルの読み取りエラーはビット列のエラーに対応し、誤り訂正が適用できる。
具体的には、ビットの位置とセル番号の対応関係を変換するか、セルの表示の種類を変換すると良い。これらを同時に行うと、変換の組み合せが増加してセキュリティがさらに向上する。また、これらの変換は、ビット列に対して行っても良い。すなわち、ビットの位置を入れ替えるか、ビットの値を反転させる、または、これらを同時に行うと良い。
【0026】
リードソロモン等の誤り訂正符号では、誤りが連続して発生するバーストエラーに対して効率的な訂正が為される。一方、2次元コードで発生するセルの読み取りエラーは、特定の領域に偏る傾向がある。また、カラー2次元コードでは、特定の色成分に偏る傾向がある。
ビット列のセルへの表示は、2次元コードのエラーの偏りを訂正するのに適したものが好ましい。すなわち、誤り訂正の単位であるシンボルに複数のエラービットが含まれるように、ビットとセルの関係を構成すると良い。また、表示規則を変換する場合も、この関係を維持したものであると良い。
具体的には、特定の領域にエラーが偏ることから、特定の領域内に配置された複数のセルを単位としてシンボルに対応させてビット列を構成すると良い。また、カラー2次元コードにおいて、特定の色成分にエラーが偏ることから、同じ色成分からなる複数のセル表示を単位として、これらをシンボルに対応させてビット列を構成すると良い。
【0027】
また、本発明に係わる情報管理方法は、
前記データベースにおいて、前記レコード番号の所定の使用期間または回数を制御する為の情報を記録する制御フィールドを設けること、
前記制御フィールドを参照して、前記使用期間または回数が超過したレコード番号の使用を停止すること、
前記レコード番号の停止期間を管理し、一定の期間が経過した後、当該レコード番号を再び使用すること、
を特徴とする。
【0028】
上記において、新たに管理用シンボルを発行する際に、過去に用いられたレコードを開放して再び使用する。この場合、用意されたレコードが有効に活用されるため、定常的に、より多くのコンテンツを登録することができる。もしくは、必要なレコード数が抑えられるため、管理用シンボルの表示サイズを小さくできる。
【0029】
レコードを再利用する場合、過去に使っていた別のユーザによるアクセスを避けなければならない。そのため、一定期間、そのレコードを使用停止にして上記の問題を回避すると良い。
一般に、コンテンツによって、期待されるセキュリティレベルや、使用期間のサイクルが異なる。そのため、本方法では、目的に応じた複数の停止期間を用意すると良い。
【0030】
上記において、制御フィールドを設けることで、サーバにて、コンテンツの利用期間や回数を管理できる。すなわち、コンテンツ提供者が、利用可能な期間や回数を設定し、目的に応じた制限を設けることができる。
例えば、指定された期間の終了後に、コンテンツの送信を停止できる。また、アクセス回数に制限を設けて、一定の回数以降では送信を停止できる。
【0031】
本発明に係わる情報管理方法は、
ネットワークに接続されたサーバにて、電子データからなるコンテンツを管理する情報管理方法であって、
サーバからアクセス可能なストレージ領域にコンテンツが保存されること、
デジタル情報の種類に応じて用意された動作種別の選択によって、前記コンテンツに対する動作が設定されること、
前記コンテンツと関連付けられた管理用シンボルをサーバにて発行すること、
クライアント端末で撮像された管理用シンボルに関連付けられたコンテンツを特定すること、
前記動作種別を参照することでコンテンツに対する動作を決定すること、
前記動作はサーバ上のプログラムの処理を介して実行されること、
を特徴とする。
【0032】
上記において、動作種別はコンテンツに対する動作内容を定める。動作種別を設定する際には、ユーザが、予め用意された動作種別の中から選択すると良い。また、予めデフォルトの動作種別を設けておき、ユーザが選択しない場合には自動的に選択されると良い。
上記において、多様なデジタル情報を対象とし、デジタル情報の種類ごとに想定される動作種別を用意すると良い。このとき、同じデータ形式のデジタル情報に対して、複数の動作種別を用意しても良い。この場合、データ形式が同じであっても、目的に応じた別の動作を設定できる。
多様な動作を実現するため、コンテンツに対する動作内容に応じて、サーバからネットワーク上の様々なマシンにアクセスすると良い。すなわち、管理用シンボルを撮像したクライアント端末へのアクセスの他、自サーバ内のストレージ領域へのアクセスや、他サーバへのアクセス、等が考えられる。
【0033】
コンテンツに対する動作は、コンテンツをサーバからクライアント端末に送信することで、クライアント端末上で実現されるケースが考えられる。
例えば、コンテンツが画像データや動画データの場合は、クライアント端末のディスプレイにて画像を表示することや動画を再生すること、等が考えられる。また、コンテンツが音楽データの場合は、クライアント端末にて音声を再生することが考えられる。
コンテンツがテキストデータであった場合には、例えば、URL等のアドレスの場合、当該アドレスにクライアント端末からアクセスしてWEBページを表示することが考えられる。また、コンテンツが個人情報(住所・氏名・電話番号)の場合、クライアント端末のアドレス帳に追加する、等が考えられる。
コンテンツが特定のアプリケーションにより作成された情報であった場合には、アプリケーションに応じた動作を実行すると良い。
【0034】
前記コンテンツは複数の電子データで構成されていても良い。この場合、複数の電子データの処理方法を予め定めておき、管理用シンボルを読み取り後、それに従い処理すると良い。例えば、コンテンツが複数の画像データから為る場合は、クライアント端末の表示画面に各画像データを順番にアルバム表示する、等が考えられる。
また、コンテンツには異なる種類の電子データが混在していても良い。例えば、コンテンツに音楽データと音楽に関する情報が記述されたテキストデータが含まれる場合に、音楽データのダウンロードと、前記テキストデータの表示とを同時に行う、等が考えられる。本発明では、この例のように、複数の電子データに対して、それぞれ異なる動作を割り当てても良い。
【0035】
コンテンツに対する動作は、クライアント端末に送信することなく、サーバにおいて実現されるケースも考えられる。例えば、サーバがネットワーク上の個人ページ(いわゆるMyページ)を管理している場合に、コンテンツであるURL(テキストデータ)を、この個人ページに用意されたブックマークリストに追加する、等が考えられる。
その際、上記の動作と同時に、クライアント端末へのコンテンツの送信を組み合せても良い。例えば、コンテンツであるURLを、サーバ上の個人ページに追加すると同時に、クライアント端末に送信して、このURLのWEBページをクライアント端末上で表示する、等が考えられる。
【0036】
コンテンツに対する動作は、コンテンツを他のサーバに送信して実現されるケースも考えられ、例えば、他サーバで管理された個人ページにURLを追加することが考えられる。
また、他サーバに、画像データや音楽データ等の電子データを送信して、このサーバに設けられたストレージ領域に保存しても良い。
さらに、認証情報であるIDやパスワードを他サーバが管理するWEBサイトに送信して、このサイトにアクセスするための認証に利用する、等が考えられる。
このように、他サーバにアクセスすることで、情報の送信や認証等の様々な機能を得ることができる。
【0037】
上記おいて、サーバ上のプログラムは、コンテンツに動作種別に応じた動作を実行する。その際、動作はコンテンツに影響を及ぼすものであって、動作の前後で電子データに変化が生じるものである。すなわち、電子データの移動、複製、削除、変換、等を伴う。動作の実行に必要な情報(移動先のアドレス、変換方法、等)は、これを実行するプログラムが取得すると良い。
例えば、コンテンツがURL等のアドレスの場合に、サーバ上のプログラムは、動作種別に応じて、クライアント端末と、個人ページを管理する他のサーバのどちらに送信するかを決定し、それを実行することが考えられる。また、クライアント端末で音楽データを再生する場合に、送信の許可を定めた他の情報を参照し、かつ、その結果に基づいて送信/停止を実行すること、等が考えられる。
【0038】
上記において、1つの動作種別に複数の動作が存在しても良く、その場合、プログラムはそれらを組み合せて実行すると良い。
例えば、クライアント端末上で、画像データや動画データを再生する場合には、クライアント端末にコンテンツを送信する他、画像サイズや配置等を所定の形式に変換する、等が考えられる。
【0039】
上記において、コンテンツをクライアント端末上で利用する場合、クライアント端末は、サーバからコンテンツとともにその動作種別を受信すると良い。クライアント端末では、予めプログラムを保持しており、受信した動作種別を参照して、それに応じた動作を実行すると良い。その際、クライアント端末でも動作種別に関するテーブルを保持し、このテーブル参照して動作に必要な情報を取得すると良い。
他のサーバにコンテンツを送信する場合においても、同様に、コンテンツとともに送信された動作種別を参照して動作を実行すると良い。このように、本発明では、サーバからアクセスするマシンに動作種別を送信することで、マシン間で動作種別を共有し、各マシンにおいて目的に応じた動作が実現される。
【0040】
また、本発明に係わる情報管理方法は、
前記管理用シンボルとコンテンツとの関連付けは、サーバから参照可能なストレージ領域に保持されたデータベースに記録されること、
前記データベースは、コンテンツに対する動作を設定するための動作種別フィールドを有すること、
前記コンテンツに対する動作は、データベースの動作種別フィールドを参照して決定されること、
を特徴とする。
【0041】
上記において、管理用シンボルと動作種別の関連付けにデータベースを用いる。これにより、コンテンツを登録する際に所定のフィールド(動作種別フィールド)に動作種別を格納しておくことができる。その後、管理用シンボルを解読してコンテンツが登録されたレコードを特定し、前記フィールドを参照して動作種別を取得すると良い。
【0042】
上記において、動作種別をサーバ上で管理することから、管理用シンボルを発行した後でもコンテンツに対する動作に変更を加えることが可能である。この変更は、所定のプログラムを用いて、動作種別フィールドに登録された動作種別を変更することで実現すると良い。
例えば、コンテンツとして、音楽データや画像データ、動画データを対象とする場合に、一定の期限内であれば、これらのデータをクライアント端末に送信する。一方、期限が過ぎた場合には、動作種別を変更することによって、送信を停止するとともに、送信期間の終了を告げるテキストを表示する。
【0043】
また、本発明に係わる情報管理方法は、
前記コンテンツは、一つ以上の画像データからなること、
サーバにて、クライアント端末の表示画面に関する情報を取得すること、
サーバ上のプログラムにより、前記画像データをクライアント端末の表示画面に合せて変換すること、
変換された前記画像データをサーバからクライアント端末に送信した後、当該画像データはクライアント端末の表示画面に表示されること、
を特徴とする。
【0044】
アルバム表示では、携帯端末にて複数の画像データを受信し、この携帯端末のディスプレイにそれらの画像を表示する。携帯端末のユーザは、表示された画像を閲覧することができる。表示方法としては、複数の画像をサムネイル表示した後、ユーザに選択された画像を拡大表示すると良い。また、複数の画像を一定時間間隔ごとに、もしくはユーザの指示ごとに、画像を切り替えながら順次拡大表示しても良い。
【0045】
アルバム表示において、携帯端末に画像データを送信する際に、サーバにて、携帯端末に適した加工を施すと良い。すなわち、携帯端末のディスプレイの表示画素数に合せて画像データの画像サイズを変換すると良い。また、携帯端末の表示色数に合せて画像データの色数を変換すると良い。
一般に、携帯端末に最適化された画像は、デジタルカメラ等で撮像した画像よりもデータ容量が小さい。本発明では、画像の送信前に、サーバにて画像を変換することで通信への負荷が抑えられ、画像データを素早く受信できる。また、サーバは処理能力が高いため、携帯端末に最適化された画像を素早く表示できる。
複数の画像をサムネイル表示する場合に、サムネイル用の縮小画像をサーバにて作成し、これらの画像を携帯端末に送信すると良い。この場合、選択された画像のみ拡大表示用の画像データを送信することで、通信への負荷が抑えられる。
【0046】
また、本発明に係わる情報管理方法は、
クライアント端末を使用するユーザの情報が記録されたユーザ情報テーブルが、サーバから参照可能なストレージ領域に保持されること、
前記コンテンツに対する動作の設定は、前記ユーザ情報テーブルにユーザが選択した動作種別が記録されて為されること、
サーバにてクライアント端末から情報を取得し、当該クライアント端末を使用するユーザを特定すること、
前記コンテンツに対する動作は、前記ユーザ情報テーブルを参照して決定されること、
を特徴とする。
【0047】
ユーザ情報テーブルは、ユーザを識別するための情報と、ユーザごとに個別に設定された情報が記録されたテーブルである。ユーザを識別するための情報としては、ユーザ毎のIDやパスワード、ユーザが使用するクライアント端末固有の番号、等が考えられる。ユーザごとに個別に設定された情報としては、ユーザが定めた動作内容や、個人用ストレージ領域のアドレス、当該ストレージ領域への認証情報、等が考えられる。
上記において、クライアント端末からアクセスされたサーバは、このクライアント端末からユーザIDやパスワード、クライアント端末の固有番号、等を受信して、ユーザを識別すると良い。固有番号を受信して識別する場合には、ユーザは使用開始時に登録して置くだけで、利用するごとにIDやパスワードを入力しなくて済むというメリットがある。
コンテンツに対する動作は、デジタル情報の種類に応じて、ユーザ情報テーブルにて予め内容を定めておくと良い。これにより、管理用シンボルの読み取り後、情報の種類を判定し、その結果から、ユーザ情報テーブルを参照して動作を決定することができる。例えば、コンテンツがURLであると判定された場合に、URLをネットワーク上の個人ページにブックマーク登録する。
【0048】
情報の種類は、コンテンツごとにサーバ内に保持されたデータベースに記録しておき、当該データベースを参照して取得すると良い。
もしくは、コンテンツのファイル名に付けられた拡張子から、情報の種類としてデータ形式を取得しても良い。例えば、拡張子がjpgであればコンテンツが画像情報(jpeg画像データ)であると判定し、拡張子がmpgであればコンテンツが動画情報(mpeg動画データ)であると判定する、等である。
さらには、コンテンツのファイルを解析することで、データ形式を取得しても良い。例えば、データのヘッダ情報を解析することでデータ形式を特定すると良い。データ形式がテキストデータである場合には、テキストデータの文字列を解析することで、URLやメールアドレス等のコンテンツの種類を特定する事ができる。
【0049】
また、本発明に係わる情報管理方法は、
クライアント端末を使用するユーザの情報が記録されたユーザ情報テーブルが、サーバから参照可能なストレージ領域に保持されること、
前記ユーザ情報テーブルに、ユーザの個人用ストレージ領域のアドレスを特定できる情報が記録されること、
サーバにてクライアント端末から情報を取得し、当該クライアント端末を使用するユーザを特定すること、
ストレージ領域に保存された前記コンテンツが、特定された前記ユーザの個人用ストレージ領域に格納されること、
を特徴とする。
【0050】
個人用ストレージ領域は、通常、サーバ上に用意されたユーザ毎に専用のストレージ領域を指す。このストレージ領域はネットワーク上に存在すればよく、コンテンツを管理するサーバ内に存在する必要は無い。
個人用ストレージ領域には、一般に、ユーザ認証が設定されており、ユーザを特定するIDとパスワードを入力してアクセスする。ストレージ領域が他サーバで管理されている場合には、このIDとパスワードを、ユーザ情報テーブルに予め設定しておくことで、入力を自動化できる。
【0051】
上記のコンテンツは、画像データ、動画データ、音楽データ、等からなる。ユーザは、コンテンツ提供者が発行した管理用シンボルを読み取ることで、このコンテンツを個人用ストレージ領域に格納できる。このとき、同時に、前記コンテンツをクライアント端末に送信しても良い。
また、コンテンツがURL(テキストデータ)の場合に、ストレージ領域に用意された個人用のWebページにブックマーク登録すると良い。この場合も、ブックマーク登録と同時に、URLが指定するWebページを、クライアント端末に表示しても良い。
【0052】
本発明に係わる情報管理サーバは、
ネットワークに接続されたサーバにおいて、
クライアント端末からコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、
受信手段で受信したコンテンツのサーバからアクセス可能なストレージ領域への保存を指示する保存指示手段と、
管理用シンボルを発行する管理用シンボル発行手段と、
管理用シンボルが出力された後、撮像機能付き携帯端末で撮像された画像を基に得られる、管理用シンボルに埋め込まれた情報を取得する管理用シンボル情報取得手段と、
ストレージ領域に保存された前記コンテンツを、クライアント端末に送信するコンテンツ送信手段と、
を有し、ネットワークへの接続が可能なクライアント端末、及び、当該クライアント端末の一つである撮像機能付き携帯端末の間で、電子データからなるコンテンツの送受信を管理する。
【0053】
前記コンテンツは、保存指示手段で指示されることで、サーバからアクセス可能なストレージ領域に保存される。この場合、ストレージ領域は、自サーバに備えられた領域であっても良く、また、他サーバが管理する領域にネットワークを介してアクセスしても良い。
管理用シンボル発行手段で発行された管理用シンボルは、出力手段を介して出力されると良い。出力手段として、サーバやクライアント端末に付属の公知の印刷装置が考えられ、この場合、管理用シンボルを用紙等の記録媒体上にプリントして出力する。もしくは、出力手段としては、クライアント端末に備えられた表示装置でも良く、この場合には、表示装置上に表示して出力する。
出力手段で出力された管理用シンボルは、携帯端末に備えられた撮像手段を用いて撮像され、撮像された画像から管理用シンボルに埋め込まれた情報が復元されると良い。この復元は、携帯端末上、もしくは、サーバ上において実行されると良い。
【0054】
また、本発明に係わる情報管理サーバは、
管理用シンボルとコンテンツとの関連付けを記録する記録手段と、
管理用シンボル情報取得手段で取得された情報を基に、管理用シンボルとの関連付けを参照して、前記コンテンツを特定するコンテンツ特定手段と、
コンテンツ特定手段で特定されたコンテンツに対して、デジタル情報の種類に応じた動作を決定する動作決定手段と、
動作決定手段で決定された動作に基づいて、前記コンテンツに対して処理を行うコンテンツ処理手段と、
を更に有する。
【0055】
上記の構成により、多様なデジタル情報を対象とするコンテンツに対して、デジタル情報の種類に応じた動作を実現することが可能となる。
【0056】
また、本発明に係わる情報管理サーバは、
管理用シンボルとコンテンツとの関連付けを記録する記録手段と、
携帯端末の撮像機能を用いて撮像された後、当該携帯端末のメール機能を用いて送信された管理用シンボルの画像を受信するメール受信手段と、
メール受信手段で受信された管理用シンボルの画像から、当該管理用シンボルに埋め込まれた情報を復元する管理用シンボル復元手段と、
管理用シンボル情報取得手段で取得された情報を基に、管理用シンボルとの関連付けを参照して、前記コンテンツを特定するコンテンツ特定手段と、
管理用シンボルの画像を送信した前記携帯端末に対して、コンテンツ特定手段で特定されたコンテンツまたはコンテンツの保存アドレスが含まれた電子メールを送信するメール送信手段と、
を更に有する。
【0057】
上記の構成により、電子メールの送受信を介して、前記サーバは携帯端末との間で情報の受け渡しを行うことが可能となる。
【0058】
サーバにアクセスする携帯端末としては、サーバにメールを送信するメール送信手段と、サーバから返信されたメールを受信するメール受信手段とが備えられると良い。また、携帯端末では、受信したメールを基に、前記コンテンツを取得するコンテンツ取得手段が備えられると良い。
管理用シンボルやコンテンツの送受信には、携帯端末に予め用意されたメール機能を用いると良い。この場合、携帯の運営会社ごとに異なる仕様にあわせて複数のアプリケーションを用意する必要がない。また、携帯端末のメール機能は広く使われているため、ユーザは使用方法を新たに覚えたり、設定したりする必要がない。
【0059】
携帯端末のメールソフトには、通常、ファイルをメール文書に添付する機能があり、これを利用して管理用シンボルの画像やコンテンツを送受信することができる。この場合、コンテンツは、ファイルとしてメールに添付されたものを送受信すると良い。
コンテンツがテキストデータである場合には、コンテンツをファイルとして添付せずに、メール文書中に挿入すると良い。例えば、コンテンツがWEBアドレスの場合には、メール文書中に当該WEBアドレスを記載しておき、ユーザはこれを指定してアクセスする、という使い方が想定される。
前記コンテンツは、サーバからのメールに含まれない場合も考えられる。すなわち、メール文書中にコンテンツの保存アドレスを記載しておき、ユーザがそれを指定してダウンロードしても良い。この場合、ユーザは、メール受信後、タグを参照してからコンテンツの取得を判断できる。
【0060】
管理用シンボルに埋め込まれた情報は、管理用シンボル復元手段にて復元される。管理用シンボル復元手段は、サーバ上に備えられると良く、受信した管理用シンボルの画像をサーバ上で解析して情報を復元すると良い。
【0061】
また、本発明に係わる情報管理サーバは、
管理用シンボルとコンテンツとの関連付けを記録する記録手段と、
管理用シンボル発行手段で発行された管理用シンボルを送信して、クライアント端末の表示画面に表示させる管理用シンボル送信手段と、
管理用シンボル情報取得手段で取得された情報を基に、管理用シンボルとの関連付けを参照して、前記コンテンツを特定するコンテンツ特定手段と、
コンテンツ特定手段で特定されたコンテンツを、前記携帯端末に送信するコンテンツ送信手段と、
を更に有する。
【0062】
上記の構成により、コンテンツを保持するクライアント端末から他のクライアント端末である携帯端末に、前記サーバを介してコンテンツを転送することが可能となる。
【0063】
サーバにアクセスするクライアント端末は、管理用シンボル送信手段で送信された管理用シンボルを、当該クライアント端末で出力する出力手段を備えると良い。出力手段としては、クライアント端末に備えられた表示装置が好ましく、この場合、表示装置に表示して出力する。
【0064】
また、本発明に係わる情報管理サーバは、
クライアント端末からのアクセスを識別するアクセス識別手段と、
管理用シンボルと前記アクセスとの関連付けを記録する記録手段と、
管理用シンボル発行手段で発行された管理用シンボルを送信して、クライアント端末の表示画面に表示させる管理用シンボル送信手段と、
管理用シンボル情報取得手段で取得された情報を基に、管理用シンボルとの関連付けを参照して、前記アクセスを特定するアクセス特定手段と、
ストレージ領域に保存された前記コンテンツを、前記アクセスを行ったクライアント端末に送信するコンテンツ送信手段と、
を更に有する。
【0065】
上記の構成により、コンテンツを保持するクライアント端末から他のクライアント端末に、前記サーバを介してコンテンツを転送することが可能となる。
【0066】
サーバにアクセスするクライアント端末としては、PC(Personal Computer)によるPC端末や、携帯端末、等が考えられる。本方法では、これらの端末からのアクセスを識別し、管理用シンボルと関連付けてサーバに記録する。これにより、アクセスを行った端末を特定でき、この端末に対してコンテンツを送信することができる。
アクセスの識別には、クライアント端末がサーバにアクセスする際に記録されるセッション情報を利用すると良い。セッション情報としては、一般に利用されるクッキーを用いれば良い。クッキーを管理用シンボルに関連付けることで、クライアント端末とのセッションを確保できる。
もしくは、アクセスの識別には、クライアント端末を特定できる情報として、クライアント端末のアドレス、クライアント端末の固有番号、アクセスの日時、等を利用することもできる。
【0067】
上記において、PC端末からのアクセスを記録することで、サーバを介して、携帯端末からPC端末にコンテンツを転送できる。また、携帯端末からのアクセスを記録することで、PC端末から携帯端末にコンテンツを転送できる。
さらに、両方のアクセスを記録することで、コンテンツを何れの端末に対しても送信できる。この場合、端末間で同期を取ってコンテンツを共有できる。
【0068】
本発明に係わる情報管理サーバは、
ネットワークに接続されたサーバにおいて、
携帯端末を使用するユーザを識別する情報である、ユーザ識別情報を登録するユーザ識別情報登録手段と、
クライアント端末からのアクセス情報を取得するアクセス情報取得手段と、
管理用シンボルを発行する管理用シンボル発行手段と、
管理用シンボルと前記アクセス情報との関連付けを記録する記録手段と、
管理用シンボル発行手段で発行された管理用シンボルを送信して、クライアント端末の表示画面に表示させる管理用シンボル送信手段と、
管理用シンボルが出力された後、撮像機能付き携帯端末で撮像された画像を基に得られる、管理用シンボルに埋め込まれた情報を取得する管理用シンボル情報取得手段と、
管理用シンボル情報取得手段で取得された情報を基に、管理用シンボルとの関連付けを参照して、前記アクセス情報を特定するアクセス情報特定手段と、
管理用シンボルを撮像した携帯端末から送信された、ユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、
を有し、ネットワークへの接続が可能なクライアント端末から所定のWEBサイトにログインする際の、ユーザ認証に利用する情報を管理する。
【0069】
上記の構成は、クライアント端末から所定のWEBサイトにログインする際のユーザ認証に関する。その際、予め登録されたユーザ識別情報を、このクライアント端末とは別の端末である携帯端末から取得することで、ユーザ認証を行うことができる。クライアント端末としては、PC端末等が考えられる。
サーバにアクセスするクライアント端末は、ユーザ認証情報を管理するサーバにアクセスするアクセス手段を備えると良い。もしくは、WEBサイトを運営するサーバにアクセスするアクセス手段を備えていても良い。
サーバにアクセスする携帯端末では、サーバと通信するための通信手段を備える。この通信手段としては、携帯端末上のメール送信手段およびメール受信手段であっても良い。
【0070】
アクセス情報取得手段で取得されるアクセス情報は、クライアント端末から、ユーザ認証情報を管理するサーバへのアクセスを識別する情報であれば良い。もしくは、WEBサイトを管理するサーバへのアクセスを識別する情報であっても良い。この情報としては、上述のように、サーバへのセッション情報等を用いれば良い。
サーバでは、アクセス情報を取得することで、アクセスを行ったクライアント端末を特定できる。これにより、ユーザ認証が為された後、このクライアント端末からのWEBサイトへのログインを許可すると良い。
【0071】
ユーザ識別情報は、携帯端末の固有番号が好適である。携帯端末の使用者は、携帯端末の固有番号をサーバに事前に登録しておくと良い。この場合、携帯端末のメモリから固有番号を自動的に取得することで、ユーザによる入力を省略することができる。
ただし、ユーザ識別情報は、携帯端末を使用するユーザを識別する情報であれば良く、ユーザが入力したIDやパスワードであっても良い。また、指紋認証等の生体認証技術を用いたものであっても良い。携帯端末との情報の送受信にメール機能を用いる場合には、送信者であるユーザのメールアドレスであっても良い。
【0072】
サーバにおいて、下記の手段を有しても良い。
ユーザが所定のWEBサイトにログインする際のユーザ認証情報を、ユーザ識別情報と関連付けて登録するユーザ認証情報登録手段。
ユーザ識別情報取得手段で取得されたユーザ識別情報を基に、ユーザ認証情報を取得するユーザ認証情報取得手段。
ユーザ認証情報取得手段で取得されたユーザ認証情報を用いて、WEBサイトにログインする為のユーザ認証を要求するユーザ認証要求手段。
アクセスを行ったクライアント端末に対して、前記WEBサイトにログインする為の情報を送信するログイン情報送信手段。
【0073】
ユーザ認証情報は、ユーザが所定のWEBサイトにログインする際の認証に必要な情報であって、事前に登録したIDやパスワード、等が考えられる。また、例えば、暗号化された所定の長さのビット列であっても良い。
ユーザ識別情報とユーザ認証情報は関連付けられて、サーバからアクセス可能なストレージ領域に保存されていることが好ましい。例えば、各ユーザのユーザ識別情報とユーザ認証情報を、サーバ上のユーザ情報テーブルに記録すると良い。
【0074】
サーバにおいて、下記の手段を有しても良い。
WEBサイトへのログインが許可されたユーザを登録するログインユーザ登録手段。
ユーザ認証情報取得手段で取得されたユーザ認証情報を基に、ユーザ認証を行うユーザ認証手段。
ユーザ認証手段での認証結果を、WEBサイトに送信する認証結果送信手段。
【0075】
ログインユーザ登録手段では、サーバ上のユーザ情報テーブルに、各ユーザのログイン可否を記録すれば良い。もしくは、ログインが許可されたユーザのリストを、サーバにて保持すれば良い。
ユーザ認証手段では、ユーザ識別情報取得手段で取得されたユーザ識別情報を基にユーザ認証を行っても良い。
【0076】
上記において、WEBサイトを管理するサーバは、ユーザ認証のための情報を管理するサーバと同一のサーバ、ないしは同一の管理主体によって運営される場合に限定されない。すなわち、WEBサイトを管理するサーバとユーザ認証情報を管理するサーバは、それぞれ別のサーバであっても良く、また、管理主体が異なっていても良い。
【0077】
以上、本発明の構成要素は、一般に使用されるコンピュータ上で実行されるプログラム、すなわちソフトウェアであることが好ましい。また、専用のハードウェアであっても良く、ソフトウェアとハードウェアの組み合せであっても良い。
【発明の効果】
【0078】
本発明では、コンテンツの保存アドレスと関連づけられた管理用シンボルを発行して、データサイズが大きい多様な電子データを扱う事を可能とした。すなわち、多様なデータ形式のコンテンツを、同時に扱えるコンテンツ数を十分確保しつつ、表示サイズの小さい管理用シンボルで表現できる。その際、冗長なデータが含まれたビット列を用い、公開されない規則に基づいて管理用シンボルに表現することで、第三者にアクセスされることのない安全な管理を行うことが可能となった。
本発明では、動作種別と関連付けられた管理用シンボルを発行して、目的に応じた動作を自動的に実行することを可能とした。すなわち、データベースに予め動作種別を記述しておくと、管理用シンボルを解読した際にコンテンツごとの多様な動作を決定することができる。また、ユーザ情報テーブルを用いと、ユーザに応じた多様な動作を決定することができる。これらの複雑な動作を、ユーザは管理用シンボルを携帯端末で撮像する操作だけで実現し、コンテンツを利用することが可能になった。
本発明には、端末間のデータ共有を簡単にするという効果がある。従来、端末間のデータ共有は、端末同士を回線で接続したり、転送ソフトに多数の設定をしたり、等の煩雑な操作を必要とした。しかし、本発明においては、管理用シンボルを携帯端末で撮像するという簡単な操作によって、電子データからなるコンテンツを携帯端末に移動することが可能となった。
本発明には、WEBサイトへのログインする際のユーザ認証を簡単にするという効果がある。パスワードを入力する従来の認証では、ユーザによるパスワード管理が必要であり、管理不備等によるセキュリティ上の問題が生じていた。本発明においては、管理用シンボルを携帯端末で撮像するという簡単な操作によって、確実なユーザ認証が可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0079】
以下、本発明の実施形態について記述する。本形態における情報管理方法、及び、そのシステムの概要構成図を図1に示す。図1において、サーバ002と登録端末001と携帯端末003はそれぞれネットワークに接続されている。本形態では、管理用シンボルとして、図2に示される2次元コード(カラー2次元コード004、モノクロ2次元コード005)を用いた。
サーバ002には、ネットワークを通じて登録端末001及び携帯端末003からアクセスされるのを常時待ちうける機能を備える。また、登録端末001及び携帯端末003は、ネットワークを通じてサーバにアクセスする機能を有し、携帯端末003は、更に画像を撮像する撮像機能を有する。登録端末001としては、今日一般に利用されているPC等を用いればよく、携帯端末003としては、一般に利用されているカメラ付き携帯電話を用いればよい。
【0080】
本形態は、コンテンツ保存部110、2次元コード発行部120、2次元コード出力部130、2次元コード画像取得部140、2次元コード復元部150、保存アドレス取得部160、動作決定部170、により構成される(図3)。
2次元コード発行部120では、コンテンツ保存部110で保存されたコンテンツの保存アドレスとそのコンテンツに対する動作種別を、データベースに登録し、当該データベースのレコードに対応した番号(レコード番号)を2次元コードに変換して発行する。2次元コード出力部130では、作成された2次元コードを、プリンタ等の印刷装置から用紙上に印刷して、もしくはコンピュータ端末等のディスプレイに表示して、出力する。
2次元コード画像取得部140では、出力された2次元コードをカメラ付き携帯端末にて撮像して画像を取得する。2次元コード復元部150では、取得した画像を解析して2次元コードに埋め込まれたレコード番号を復元する。保存アドレス取得部160では、復元されたレコード番号から、データベースの対応するレコードにおける保存アドレスフィールドを参照して、コンテンツの保存アドレスを取得する。動作決定部170では、保存アドレス取得部と同様に、データベースの対応するレコードの動作種別フィールドを参照して、コンテンツに対する動作を決定する。
【0081】
本形態において、データベースのレコード番号は、複数の変換を介して、2次元コードに表現される(図16)。以下、その変換について、ビット数等に対して特定の数値を例にとって、詳細に記述する。
本形態のデータベースにおいて、レコード番号は56ビットのビット列で表し、このとき、10の16乗程度のレコード数が用意される(D101)。
このレコード番号に、8ビットの冗長なビットを加え、64ビットのビット列とする。冗長なビットとしては、レコード番号の先頭に全て0からなる8ビットを加えた(D102)。
このビット列は、共通鍵暗号技術であるDESにより暗号化される(D103)。
暗号化されたビット列に対し、リードソロモン法による誤り訂正符号を加える。このとき、誤り訂正の単位であるシンボルは4ビットで構成され(GF(2^4))、12シンボルのうち8シンボルをパリティ部とした(12,4)。これにより、ビット列は192ビットとなる(D104)。
誤り訂正符合化されたビット列は、公開されない表示規則に基づいて2次元コードに表現される(D105)。
2次元コードとしては、各セルがC,M,Yの色成分のデータマークを重ねて表示されるカラー2次元コード004を用いた。セルは10×10で構成され、位置決めシンボル等も含めた全てのセル数は100セルとした。
【0082】
本形態では、2次元コードを発行するごとに、表示規則が異なるように複数のモードを用意した。指定されたモードは、16ビットのモード情報(D106)内に記録され、誤り訂正符合化処理される(D107)。その後、2次元コードの上記ビット列とは異なる領域に表示される。
その際、誤り訂正の効果を得るため、シンボルを構成する4ビットは、同じ色成分による近接した4セルからなるようにした。
【0083】
本発明者らは下記の数値範囲で検証を行い、好適な効果が得られることを確認した。
データベースに用意するレコード数は、10の12乗〜10の78乗レコードであると良い。このとき、レコード番号は、40〜256ビットのビット列で表されると良い。
また、このレコード番号に付加される冗長なビットは、誤り訂正符号も含めて、10〜600ビット程度あれば良い。また、誤り訂正符号として付加されるビットは、付加される前のビット列に対して25〜400%であると良い。このとき、誤り訂正符号を付加した後のビット列としては、50〜900ビット程度であることが好ましい。
上記のビット列の表示は、カラー2次元コードの場合、データ領域のセル数が16〜300セル程度であると良い。また、モノクロ2次元コードの場合、データ領域のセル数は50〜600セル程度であると良い。
このとき、2次元コードに必要な全てのセル数は、位置決めシンボル等の領域も含めて、カラー2次元コードの場合、25〜400セル程度であると良い。また、モノクロ2次元コードの場合、64〜676セル程度であると良い。
【0084】
データベースの使用レコード数は、総レコード数に対して常に10%以下とすると良い。これにより、第三者からの不正なアクセスや、レコードの指定エラーを回避し易くなる。
また、レコードを再利用する際に、使用終了後から次の使用まで、レコード番号に対して所定の停止期間を設けると良い。本実施例において、一時的な使用に対しては1年間、通常の使用に対しては20年間、停止期間を設けた。
【0085】
本形態では、コンテンツとして、ビット列による様々なデータ形式の電子データを対象とした。すなわち、電子データである10バイト〜50キロバイト程度のテキストデータや、5キロバイト〜10メガバイト程度の静止画データ/音楽データ、500キロバイト〜5ギガバイト程度の動画データ、等を対象として評価/検証を行なった。
【0086】
以下、本形態における使い方の異なる複数の例(実施例1〜6)について、個別に詳細を記述する。
【実施例1】
【0087】
実施例1では、2次元コードを発行してコンテンツを提供するユーザ(ユーザA)と2次元コードを撮像してコンテンツを利用するユーザ(ユーザB)が異なっている場合の例である。本実施例では、ユーザBがコンテンツを利用する際の動作内容を、コンテンツを提供するユーザAが予め指定しておく。
例えば、広告主であるユーザAが自社の製品を宣伝する場合に、URLをチラシ等の広告媒体に2次元コードとして印刷し、顧客であるユーザBが2次元コードを撮像することで当該URL上のWebページにアクセスする。これにより、詳細な広告情報を得たり、商品を購入したりする。
また、名刺を渡すユーザAが自らの名刺(図4)に自分の個人情報(名前・住所・電話番号・メールアドレス等)を2次元コードとして印刷し、名刺をもらったユーザBが名刺に印刷された2次元コードを撮像することで、携帯端末内のアドレス帳にユーザAの個人情報を登録する。また、URLを含む場合には、URLにアクセスしてユーザAのホームページを閲覧しても良い。
さらに、写真を公開するユーザAが複数の画像データを2次元コードとして発行し、閲覧人であるユーザBが2次元コードを撮像することで、携帯端末の表示画面において複数の画像データをアルバム表示する。
他にも、コンテンツ提供者であるユーザAが音楽をアップロードし、ユーザBが2次元コードを撮像することで、携帯端末で音楽データをダウンロードし再生する、等である。
【0088】
以下、フローチャート(図5)を用いて、2次元コードを発行するまでのプロセスについて詳細に説明する。
S101:サーバは登録端末からのアクセスを待ちうける。
S102:ユーザAは登録端末からサーバの特定URL(Webページ)にアクセスする。
S103:サーバは登録端末からのアクセスがあると、入力画面(図6、図7)を登録端末に返す。
S104:入力画面からユーザAは動作種別を選択して、コンテンツを指定し、送信ボタンを押下する。
S105:登録端末は入力画面から選択された動作種別と、指定されたコンテンツをサーバに送信する。
S106:コンテンツと動作種別を受け取ったサーバは、ストレージにコンテンツを保存する。コンテンツの保存アドレスは、例えば「/data/rec0001/」と表記される。コンテンツが複数ファイルである場合は、前記ディレクトリ内にファイルを複数保存すればよい。
S107:コンテンツの保存アドレス(今の場合「/data/rec0001/」)を、データベースの空いているレコードの保存アドレスフィールドに格納する。またコンテンツに対する動作種別を、同じレコードの動作種別フィールドに格納する。
S108:保存アドレスと動作種別が格納されたレコードのレコード番号をビット列に変換し、当該ビット列を埋め込んだ2次元コードを発行する。
S109:発行された2次元コードを登録端末に返す。
S110:2次元コードを受け取ったユーザAは、2次元コードをチラシや名刺等に印刷して出力する。
【0089】
登録端末とサーバの通信プロトコルは特に限定されない。本実施例では、HTTPで実現しており、S101はhttpデーモン(httpサービス)により、S102とS103は、HTTPのGET命令とその応答により実現した。なお、図6や図7の入力画面は、HTML(及びJAVA(登録商標)スクリプト等)により記述した。S105とS109は、HTTPのPOST命令とその応答により、S106〜S108は、サーバ側のCGIプログラムやサーブレットにより実現した。
【0090】
データベースは図8のように、各レコードには番号(レコード番号)が割り振られ、保存アドレスフィールドと動作種別フィールドが存在する。本実施例では更に予備情報フィールドを用意した。
レコード番号は当該レコードを指定する番号であり、2次元コードはこの番号に対応して表現される。図8では、便宜的に10進数の番号を割り振られた例を示したが、2進数列によるビット列であることが好ましい。
保存アドレスフィールドは、コンテンツを保存しているストレージの保存アドレス(ディレクトリ)を格納している。
動作種別フィールドは、コンテンツをどのように処理・動作するかを決定する動作種別を格納している。図9に、本実施例における動作種別とその動作内容の例を載せる。
予備情報フィールドには、登録日や有効期限等、コンテンツの動作種別以外の情報を格納しておく。本実施例では、それらの予備情報をテキストファイルに記載してストレージ内に保存し、そのアドレスを予備情報フィールドに格納した。
【0091】
S104において、登録端末からの入力画面は、コンテンツを指定する欄と、動作種別を選択するボタンと、送信ボタンから構成されている。ユーザが動作種別を選択すると、それに応じてコンテンツを入力する(又は指定する)欄が表示される。例えば、動作種別で「ネットアクセス」を選択するとWebアドレス入力欄が表示される(図6)。また、動作種別で「アルバム表示」を選択すると画像データ指定欄が表示される(図7)。
図6は、コンテンツがテキストデータによるWebアドレスの例であり、コンテンツであるWebアドレスを入力画面から直接入力する。この例では、入力画面において「ネットアクセス」を選択し、ユーザがWebアドレスを直接入力した後、送信ボタンを押す。これにより、動作種別(ネットアクセス)とコンテンツ(Webアドレス)がサーバに送られる。
図7は、コンテンツが複数の画像データからなる場合の例であり、ユーザは「画像データ指定」欄から、登録端末内の画像データの保存フォルダを指定する。この例では、入力画面において「アルバム表示」を選択し、保存フォルダを指定した後、送信ボタンを押す。これにより、保存フォルダから指定された全ての画像データを取り出し、動作種別(アルバム表示)と共にサーバに送られる。
【0092】
以下、フローチャート(図10)を用いて、携帯端末から2次元コード読み取り後、コンテンツに対する動作を決定するまでのプロセスについて説明する。
S201:サーバは携帯端末からのアクセスを待ちうけている。
S202:ユーザBは撮像機能付きの携帯端末で、S110にて出力された2次元コードを撮像する。
S203:撮像した画像データから2次元コードを解析して、2次元コードに埋め込まれたビット列を復元する。
S204:復元したビット列をサーバに送信する。
S205:ビット列を受け取ったサーバは、ビット列をレコード番号に変換し、前記データベースの対応するレコードを検索する。
S206:当該レコードの保存アドレスフィールドからコンテンツの保存アドレスを、動作種別フィールドから動作種別を、それぞれ取り出す。
S207:コンテンツに対して動作種別に応じた処理を実施する。
S208:コンテンツと動作種別を携帯端末に送信する。
S209:受け取ったコンテンツと動作種別を、携帯端末に保存する。
S210:携帯端末にてコンテンツに対する動作を実行する。
【0093】
S204では、レコード番号の送信と同時に、携帯端末の情報をサーバに送信する。ここで、携帯端末の情報とは、携帯端末の画面サイズや再生できる音声コーデックの種類等であり、サーバ側で携帯端末に合わせてコンテンツを変換する際に利用する。
S207では、コンテンツに対してサーバ側で処理を行うものである。例えば、動作種別が「アルバム表示」の場合は、S204で得た携帯端末の情報を使用して携帯端末で表示するのに適した画像サイズに変換する。また、動作種別が「音楽再生」の場合は、S204で得た携帯端末の情報を使用して携帯端末で再生可能な音楽コーデックに変換する。
S210では、携帯端末側で処理を行うものである。例えば、動作種別が「ネットアクセス」であった場合はURLにアクセスする。また、動作種別が「アドレス帳登録」の場合は、個人情報を携帯端末内のアドレス帳に登録する。また、動作種別が「アルバム表示」であった場合は、複数の画像データを携帯端末内のアプリケーションを用いてアルバム表示する。
【0094】
S202〜S204、S209〜S210は携帯端末のアプリケーションを起動し、一連のステップを実施する。その際、当該アプリケーションからサーバに自動的にアクセスできるように、携帯端末のメモリには予めサーバのURLが埋め込まれている。
また、当該アプリケーションは、携帯端末の情報をS204でサーバに送信する。この携帯端末の情報はユーザが入力しても良いし、アプリケーションが自動的に情報を取得しても良い。このアプリケーションは、各携帯端末に対応したプログラム言語によって記述される。
携帯端末とサーバの通信プロトコルは特に限定されない。本実施例では、HTTPで実現しており、S204とS208は、HTTPのPOST命令とその応答として実現した。S205〜S207は、サーバ側のCGIプログラムやサーブレットにより実現した。
【0095】
データベースの予備情報フィールドには、時間情報を記録したファイルのアドレスを格納しておく。時間情報には、登録された日時(年・月・日)、有効期間等を設定する。その際に、登録された日時から一定時間(有効期間)経過後、レコードを開放することによって再利用する。時間情報としては、レコードが開放される日時を記録しても良い。
有効期間の管理は、サーバ上のプログラムが、データベースを定期的にアクセスすることで実現する。このアクセスは、時間情報に格納された最小単位の時間間隔で行う。例えば、時間情報が、年・月・日で構成される場合には、最小単位が日にちであるから毎日アクセスする。これにより、有効期間の超過を検査する。
使用レコードと未使用レコードの管理は、未使用レコード番号が記録されたリストをサーバ内に設けることで行う。有効期間を超過したレコードを開放する際には、前記リストにそのレコード番号を追加すれば良い。逆に、2次元コードを発行する際には、対応するレコード番号を前記リストから削除する。
【0096】
実施例1において、登録端末がアクセスするサーバ、コンテンツを保存するサーバ、データベースを保持するサーバ、携帯端末がアクセスするサーバを同一のものとして記述したが、これらは別々のサーバであっても構わない。
実施例1において、携帯端末にて2次元コードを撮像する例を記述したが、携帯端末の代わりにPC端末等の携帯しない端末であっても良い。その場合、スキャナやデジタルカメラ等の他の入力装置を用い、S202において、この入力装置から画像データを取得すれば良い。
【実施例2】
【0097】
実施例2では、実施例1と同様、コンテンツを提供するユーザAとコンテンツを利用するユーザBが異なっている場合の例である。本実施例では、コンテンツを利用する際の動作内容を、ユーザB自身が予め指定しておく。このことは、ユーザBが予めユーザ登録をして、動作を設定しておくことで実現する。
例えば、ユーザBが受け取るコンテンツがURL(テキストデータ)の場合に、携帯端末からURLにアクセスする(実施例1に記載)以外に、ネット上の個人用ストレージ領域に当該URLを格納し、個人ページにブックマーク登録する。
ここで、個人ページとは、ユーザが目的に応じてカスタマイズして利用するWebページを指す。当該個人ページでは、ブックマーク機能が提供されており、ユーザが選択したWebアドレスを一覧で表示する。
また、ユーザBが受け取るコンテンツが画像データの場合に、携帯端末で表示する(実施例1に記載)以外に、ネット上の個人用ストレージ領域に当該画像データを保存する、等である。
【0098】
本実施例において、2次元コードを発行するまでのプロセス(S101〜S110)は、実施例1と同様である。
【0099】
以下、フローチャート(図11)を用いて、ユーザがユーザ情報テーブルに動作を設定する際のプロセスについて詳細に説明する。当該動作設定は、2次元コードを発行する以前に実施しておくと良い。また、一度設定を行えば毎回行う必要は無い。
S301:サーバは携帯端末からのアクセスを待ち受けている。
S302:ユーザBは携帯端末からサーバのURLにアクセスする。
S303:サーバは携帯端末からのアクセスを受けた後、当該携帯端末にユーザ登録画面を返す。
S304:ユーザBはユーザ登録画面からユーザIDとパスワードを入力し、サーバに送信する。この際、携帯端末の固有情報(シリアル番号)を同時に送信する。これにより、以後携帯端末からアクセスする際に前記固有情報を送信することで、ユーザIDとパスワードの入力を省略できる。以後、ユーザID・パスワードや、携帯端末の固有情報を、ユーザ識別情報とする。
S305:ユーザ識別情報を受け取ったサーバは、ユーザ情報テーブルを検索し、該当ユーザの動作設定画面(図12)を返す。なお、ユーザがユーザ情報テーブルに未登録である場合には、前記ユーザ情報テーブルにユーザIDとパスワードを新たに登録する。
S306:ユーザBは動作設定を選択し、サーバに送信する。
S307:サーバは受け取ったユーザ動作設定を、前記ユーザ情報テーブルに登録する。
【0100】
本実施例のS301〜S304において、ユーザの設定を携帯端末から行う場合を記述したが、携帯端末に限らず、PC端末等のネットワーク経由でWebページにアクセスできる端末であれば良い。
【0101】
図12に、S306でユーザ動作を設定する際の入力画面を示す。本実施例において、ユーザが設定できる動作として、個人用ストレージ領域である個人ページへのコンテンツの登録が挙げられる。
個人ページへのコンテンツの登録は、コンテンツをネットワーク上のストレージ領域に保存することで、例えば、URLならブックマークとして、個人情報ならアドレス帳として、画像ならばWebアルバムとして閲覧可能となる。個人ページに登録しておけば、PC端末や携帯端末等のWebにアクセスできる端末を用いて、いつでもどこからでも参照できる。
個人ページにアクセスする際に必要となる、当該個人ページのアドレスやID、パスワードなどの情報は、事前にユーザ情報テーブルに記録しておき、これを参照して取得する。
【0102】
図13に、S307でユーザ動作設定を登録するためのユーザ情報テーブルを示す。ユーザ情報テーブルには、ユーザID、パスワード、ユーザ領域(ユーザの個人用ストレージ領域)、ユーザ動作設定、それに備考を記録するための欄が存在する。ユーザ動作設定では、デジタル情報の種類ごとに列が設けられ、各列に割り付けられた番号は、「1」はWebアドレス、「2」は個人情報、「3」は画像データ、「4」は音楽データ、「5」はプレーンテキスト、を表している。
ユーザ動作設定欄には、動作設定番号を割り付けて、コンテンツに対する動作を設定する。該当欄に「0」を設定した場合は、基本動作のみを実施する。また、「1」を設定した場合は、基本動作と個人ページへの登録を実施する。「2」を設定した場合は、基本動作と指定アドレスへのメール送信を実施する。他にも、動作の組み合せに応じて動作設定番号を用意する。「9」を設定した場合には、何れの動作も実施しない。
ユーザID欄とパスワード欄には、ユーザを識別するためのIDとパスワードを格納する。パスワード欄にはパスワードを暗号化したもの、もしくはパスワードのハッシュ値を格納しておく。また、ユーザ領域欄には、前記個人ページのアドレス(同一サーバであればストレージ内のディレクトリ)を格納する。備考欄には、携帯端末の固有情報や、ユーザの有効期限等を保存する。
【0103】
クライアントとサーバの通信プロトコルは特に限定されない。本実施例では、HTTPプロトコルで実現しており、S301は、Httpデーモン(httpサービス)により、S302とS303は、HTTPのGET命令とその応答により実現した。なお、ユーザ登録画面は、HTML(及びJAVA(登録商標)スクリプト等)により記述した。S304とS305、S306とS307以降で登録完了画面を返信する際は、HTTPのPOST命令とその応答として実現しており、S305とS307は、サーバ側のCGIプログラムや、サーブレットにより実現した。
【0104】
以下、フローチャート(図14)を用いて、携帯端末から2次元コード読み取り後、コンテンツに対する動作を決定するまでのプロセスについて説明する。
S401:S201と同様。
S402:S202と同様。
S403:S203と同様。
S404:復元したビット列とユーザ識別情報とをサーバに送信する。ここでユーザ識別情報とは、前記S304で登録したユーザIDやパスワード等を指す。S304にて携帯端末の固有情報を登録してある場合は、ユーザBはユーザIDとパスワードを入力する必要は無い。
S405:S205と同様。
S406:S206と同様。
S407:S405で受け取ったユーザ識別情報から、ユーザ情報テーブルを参照して該当するユーザを特定する。なお、パスワードが一致しない場合は携帯端末にエラーを返し、再度認証情報を入力させる。
S408:コンテンツに対して、ユーザ動作設定に応じた処理を実施する。
S409:S208と同様。
S410:S209と同様。
S411:S210と同様。
【0105】
S408で、コンテンツに対する処理は、ユーザ情報テーブルのユーザ動作設定欄を参照して判断する。
例えば、図13のユーザ情報テーブルにおいて、ユーザID「abcdef」では、デジタル情報の種類「1」(Webアドレス)に動作設定番号「1」が設定されている。そのため、コンテンツがWebアドレスの場合、基本動作であるネットアクセスと、個人ページへのブックマーク登録が実施される。その際、ブックマーク登録では、ユーザ領域のブックマークディレクトリ(「/usr/abcdef/bookmark/」)にURLが記述されたファイルを追加する。
また、ユーザID「abcdef」では、デジタル情報の種類「2」(個人情報)に動作設定番号「1」が設定されている。そのため、コンテンツが個人情報の場合、基本動作であるアドレス帳登録(携帯端末への登録)と、個人ページのアドレス帳への登録が実施される。その際、ユーザ領域のアドレス帳ファイル(「/usr/abcdef/address.txt」)に個人情報を追記する。
ユーザID「zzz003」では、デジタル情報の種類「3」(画像データ)に動作設定番号「1」が設定されている。そのため、コンテンツが画像データの場合、基本動作である携帯端末でのアルバム表示と、個人ページのアルバムに画像データの登録が実施される。その際、ユーザ領域の画像データ領域(/usr/zzz003/image/)に画像データを格納する。
【0106】
本実施例において、サーバからコンテンツをメール送信する動作も選択できる。その際、S306にて、ユーザBは入力画面(図12)からメールアドレスを指定する。また、S307にて、ユーザ情報テーブルのユーザ動作設定欄に、メール送信を含む動作設定番号(例えば「2」)を設定する。メールアドレスは、備考欄にメールアドレスの列を設けて記録する。
例えば、図13のユーザ情報テーブルにおいて、ユーザID「zzz003」では、デジタル情報の種類「1」(Webアドレス)に動作設定番号「2」が設定されている。そのため、コンテンツがWebアドレスの場合、S408において、コンテンツであるURLが記載されたメール(もしくは、URL記載のテキストファイルが添付されたメール)を送信する。
【0107】
本実施例において、個人ページは、データベースを保持するサーバと同一のサーバないしは同一の管理主体によって管理されているページを想定して記述したが、これに限らず、他のネットワークサービスプロバイダ等が提供する一般的な個人ページ(いわゆるマイページ)を利用してもよい。
【0108】
本実施例におけるその他の説明は、実施例1と同一であるため省略する。
【実施例3】
【0109】
実施例3では、コンテンツを提供するユーザAとコンテンツを利用するユーザBが同一ユーザからなる場合の例である。本実施例において、自身のPC端末内のコンテンツを携帯端末に転送して共有することを容易に実現する。
例えば、ユーザがPC端末で保存してある画像データを携帯端末に転送して、携帯端末上でいつでも閲覧可能にする。他にも、音楽データや、ワープロソフトや表計算ソフト等のアプリケーションで作成されたデータ等を、携帯端末に転送して、携帯端末での利用を可能にする。
【0110】
具体的な手順としては、ユーザが操作するPC端末からサーバに、PC端末内のコンテンツをアップロードし、サーバからは2次元コードが返される。
その後、2次元コードをPC端末のディスプレイに表示すると共に、当該2次元コードをカメラ付携帯端末で撮像する(図15)。
携帯端末からサーバに対して2次元コードの情報(本実施例では2次元コードの画像データ)を送信する。このとき、携帯端末のメール機能を利用しても良い。
撮像された2次元コードの画像を解析して、PC端末からアップロードされたコンテンツを特定する。
特定されたコンテンツを携帯端末に送信する。
以上の動作により、サーバを介して、PC端末から携帯端末にコンテンツが転送される。
【0111】
上記の例では、手順として、コンテンツをサーバにアップロードした後で、PC端末に2次元コードを表示したが、これとは逆に、2次元コードを表示した後で、コンテンツをアップロードする例も考えられる。この場合、使用するレコードを先に決めて2次元コードを発行した後、このレコードに対してコンテンツを登録すると良い。
【0112】
本実施例では、携帯端末とサーバとの間で2次元コードの画像およびコンテンツを送受信する際に、携帯端末のメール機能を利用した。携帯端末は、カメラ機能を用いて2次元コードを撮像後、この画像を添付して、サーバのメールアドレスに送信する。
【0113】
サーバでは、送信されたメールから、2次元コードの画像とメール送信者のアドレスを取得する。その際、サーバでは、不正なメールを削除するためのフィルタリング処理を設けると良い。このフィルタリング処理として、本実施例では、携帯業者以外から送られたメールは排除した。また、本実施例では、添付された画像ファイルの形式およびサイズが適切なもの(形式:JPEG、サイズ:10Kバイト〜1Mバイト)以外は排除した。
その後、取得した2次元コードの画像を解析して、コンテンツを特定するとともに、動作種別に応じた動作を実行する。携帯端末にコンテンツを送信する場合は、メール送信者のアドレスに送る。
サーバから返信されるメールには、動作種別に応じたメールタイトルを付けた。これにより、ユーザは、メール一覧から所望のメールを見つけ易くなる。メールタイトルとしては、デジタル情報の種類を付けても良い。
【0114】
サーバにはメールサーバ機能が備えられたものを用いた。メールサーバ機能としては、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)およびPOP(Post Office Protocol)を利用した。
【0115】
本実施例におけるその他の説明は、実施例1または2と同一であるため省略する。
【実施例4】
【0116】
実施例4は、実施例3と同様、コンテンツを提供するユーザAとコンテンツを利用するユーザBが同一ユーザからなる場合の例である。本実施例において、自身の携帯端末内のコンテンツをPC端末に転送して共有することを容易に実現する。
例えば、ユーザが携帯端末に保存してある画像データをPC端末に転送して、PC端末での閲覧や編集等に利用したり、バックアップを取ったりする。
【0117】
具体的な手順としては、ユーザが操作するPC端末からサーバにアクセスし、サーバからは2次元コードが返される。このとき、サーバはPC端末からのアクセスを識別するアクセス識別情報を取得し、データベースに登録する。
その後、2次元コードをPC端末のディスプレイに表示すると共に、当該2次元コードをカメラ付携帯端末で撮像する。
携帯端末からサーバに対して、2次元コードの情報と携帯端末内のコンテンツをアップロードする。このとき、携帯端末のメール機能を利用しても良い。
撮像された2次元コードの画像を解析して、データベースに登録されたPC端末からのアクセスを特定する。
アクセスが特定されたPC端末に、携帯端末からアップロードされたコンテンツを送信する。
以上の動作により、サーバを介して、携帯端末からPC端末にコンテンツが転送される。
【0118】
本実施例における他の説明は、実施例1〜3と同一であるため省略する。
【実施例5】
【0119】
実施例5は、実施例3および4と同様、コンテンツを提供するユーザAとコンテンツを利用するユーザBが同一ユーザからなる場合の例である。本実施例において、自身のPC端末及び携帯端末のコンテンツを、これらの端末間で同期をとって共有することを容易に実現する。
例えば、ユーザがPC端末及び携帯端末上に保持しているアドレス帳やスケジュールを、同期を取って常に最新の状態で利用する。
【0120】
具体的な手順としては、ユーザが操作するPC端末からサーバに、PC端末内のコンテンツをアップロードし、サーバからは2次元コードが返される。このとき、サーバはPC端末からのアクセスを識別するアクセス識別情報を取得し、データベースに登録する。
その後、2次元コードをPC端末のディスプレイに表示すると共に、この2次元コードをカメラ付携帯端末で撮像する。
携帯端末からサーバにアクセスして、2次元コードの情報と携帯端末内のコンテンツをアップロードする。同時に、サーバは携帯端末からのアクセスを識別するアクセス識別情報を取得する。
撮像された2次元コードの画像を解析して、データベースに登録されたPC端末のアクセスを特定する。
サーバにて、PC端末、携帯端末のそれぞれからアップロードされたコンテンツを比較し、更新された日時が新しいコンテンツを特定する。
その後、新しい方のコンテンツを、古いコンテンツを保持していた端末に送信し、端末内にあるコンテンツと置き換える。
以上の動作により、サーバを介して、PC端末と携帯端末との間でコンテンツの同期が取られる。
【0121】
上記の例では、PC端末と携帯端末は、それぞれがコンテンツをサーバにアップロードする場合を示したが、コンテンツの更新日時だけをアップロードしても良い。この場合、両者の更新日時を比較した後で、更新日時が新しいコンテンツだけをサーバにアップロードすることができる。
【0122】
本実施例における他の説明は、実施例1〜4と同一であるため省略する。
【実施例6】
【0123】
実施例6は、PC端末を操作するユーザと、携帯端末を所有するユーザが同一ユーザの場合の例である。本実施例において、ユーザ認証情報をユーザが入力せずとも、PC端末からWebサイトにログインすることを可能にする。
例えば、PC端末から銀行口座等のユーザ認証を必要とするWebサイトへのログインが、PC端末に表示された2次元コードをユーザが所有する携帯端末で撮像することで実現される。これにより、ログイン時のIDやパスワードの入力を省くことができる。もしくは、より強固なセキュリティを確保することができる。
【0124】
以降、2次元コードを管理するサーバをサーバ、ユーザがログインを希望するWebサイトをWebサイト、と記述する。また、Webサイトにログインするための認証情報とユーザが所持する携帯端末の固有情報は、既にサーバに登録されているものとする。
この登録は、例えばサーバ内にユーザ登録のためのWebページを開設し、ユーザが当該ページにアクセスして、WebサイトのURL及び認証情報を記入することで実現できる。携帯端末の固有情報の登録も、携帯端末から当該登録サイトにアクセスすることで登録することができる。ここで、携帯端末の固有情報としては、固体識別情報(製造番号)が好適である。
なお、サーバとWebサイトの管理主体が同一である場合や、Webサイトが簡易的な認証のみで良い場合には、認証情報の登録は必須ではない。また、一人のユーザが登録するWebサイトは複数であっても良い。
【0125】
以下に具体的な手順について説明する。
まずユーザは、PC端末からサーバにアクセスし、サーバにて複数登録してあるWebサイトから1つを選択する。ただし、1つのWebサイトだけが登録してある場合には、この動作は必須でない。
サーバはユニークな情報が表現された2次元コードを発行しPC端末に返す。そして、当該2次元コードとPC端末からのアクセス情報(セッション情報)及び選択されたWebサイトの情報を関連付けてデータベースに記録する。
ここで、PC端末からサーバへのアクセスを維持しておく必要があるが、これは例えば、PC端末から一定間隔毎に自動的にサーバの特定ページにアクセスさせることで、実現可能である。一定間隔毎の自動アクセスは、PC端末がアクセスしているページのHTMLにmetaタグを記述することによって実現できる。
PC端末では、ディスプレイ上に2次元コードが表示される。ユーザはPC端末に表示された2次元コードを携帯端末で撮像し、2次元コードの情報と携帯端末の固有情報をサーバに送信する。
サーバでは、受信した2次元コードの情報からPC端末とサーバとのセッション情報及びWebサイトのURLを、受信した携帯端末の固有情報から認証情報を、それぞれ取得できる。
次にサーバは、前記認証情報を用いて前記Webサイトにログインし、その結果返されるWebページのURLを、前記PC端末にリダイレクトする。リダイレクトの方法としては、前記特定されたセッション情報から前記PC端末が一定間隔毎にアクセスしているページを特定し、そのページのmetaタグを変更することで実現できる。
【0126】
本実施例では、最初にPC端末からサーバにアクセスする場合の例を記述したが、PC端末からWebサイトにアクセスする方法もある。その場合は、アクセスを受けたWebサイトがPC端末とのセッションを維持し、サーバに対して2次元コードの発行要求を行うと良い。
サーバは2次元コードを発行し、2次元コードと要求したWebサイトを関連付けてデータベースに記録する。サーバは、発行した2次元コードをWebサイトに送信し、Webサイトを介してPC端末のディスプレイに表示させる。
その後、サーバでは、2次元コードの情報からWebサイトの情報を、携帯端末の固有情報から認証情報を取得し、Webサイトに認証情報を送信する。
認証情報を受信したWebサイトは認証を行い、セッションを維持しているPC端末にWebサイトのページを返せばよい。あるいは、サーバ内にて認証を行い、Webサイトにはユーザ情報のみ、または認証可否の結果のみを送信しても良い。ここでサーバ内での認証とは、受信した携帯端末の固有情報から、登録されてるユーザを特定することでも良いし、携帯端末とサーバとの間でさらにユーザ認証を実施しても良い。
【0127】
本実施例における他の説明は、実施例1〜5と同一であるため省略する。
【図面の簡単な説明】
【0128】
【図1】2次元コードを用いた情報管理方法及びシステムの概要構成図である。
【図2】カラー2次元コードおよびモノクロ2次元コードを示した図である。
【図3】2次元コードを用いた情報管理方法及びシステムの概要構成図である。
【図4】2次元コードを印刷した名刺の例を示した図である。
【図5】2次元コードを発行するまでのフローチャートを示した図である。
【図6】サーバが登録端末に返す入力画面を示した図である。
【図7】サーバが登録端末に返す入力画面を示した図である。
【図8】データベースを示した図である。
【図9】動作種別とその動作内容の例を示した図である。
【図10】2次元コード読み取り後、コンテンツに対する動作を決定するまでの、フローチャートを示した図である。
【図11】ユーザが動作設定をユーザ情報テーブルに登録する際のフローチャートを示した図である。
【図12】サーバが携帯端末に返すユーザの動作設定画面を示した図である。
【図13】ユーザ動作設定を登録するためのユーザ情報テーブルを示した図である。
【図14】2次元コード読み取り後、コンテンツに対する動作を決定するまでのフローチャートを示した図である。
【図15】カメラ付携帯端末で2次元コードを撮像する際の模式図である。
【図16】データベースから2次元コードへのデータの変換を表した図である。
【符号の説明】
【0129】
001 登録端末
002 サーバ
003 携帯端末
004 カラー2次元コード
005 モノクロ2次元コード
011 位置決めシンボル
012 マークセル
110 コンテンツ保存部
120 2次元コード発行部
130 2次元コード出力部
140 2次元コード画像取得部
150 2次元コード復元部
160 保存アドレス取得部
170 動作決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続されたサーバにて、電子データからなるコンテンツを管理する情報管理方法であって、
サーバからアクセス可能なストレージ領域にコンテンツが保存されること、
コンテンツごとに用意されたビット列と当該コンテンツの保存アドレスの関連付けが、サーバから参照可能なストレージ領域に保持されること、
前記ビット列が表現された管理用シンボルをサーバにて発行すること、
クライアント端末で撮像された管理用シンボルから復元されるビット列を得ること、
前記コンテンツとの関連付けを参照することで、前記ビット列に対応するコンテンツを特定すること、
を特徴とする情報管理方法。
【請求項2】
前記コンテンツの保存アドレスは、サーバから参照可能なストレージ領域に保持されたデータベースに記録されること、
コンテンツごとに用意された前記ビット列は、前記データベースのレコード番号と対応付けられること、
レコード番号と対応付けられた前記ビット列には、冗長なデータが含まれていること、
前記管理用シンボルは、平面上に配置された複数のセルにデータマークを表示してビット列を表現する2次元コードであること、
冗長なデータが含まれた前記ビット列は、公開されない規則に基づいて前記2次元コードに表現されること、
を特徴とする請求項1に記載の情報管理方法。
【請求項3】
前記ビット列に含まれた冗長なデータは誤り訂正符合であること、
前記誤り訂正符号による符号化および復号化はサーバにて実施されること、
前記2次元コードにおけるセルの表示規則が公開されないこと、
を特徴とする請求項2に記載の情報管理方法。
【請求項4】
前記データベースにおいて、前記レコード番号の所定の使用期間または回数を制御する為の情報を記録する制御フィールドを設けること、
前記制御フィールドを参照して、前記使用期間または回数が超過したレコード番号の使用を停止すること、
前記レコード番号の停止期間を管理し、一定の期間が経過した後、当該レコード番号を再び使用すること、
を特徴とする請求項2に記載の情報管理方法。
【請求項5】
ネットワークに接続されたサーバにて、電子データからなるコンテンツを管理する情報管理方法であって、
サーバからアクセス可能なストレージ領域にコンテンツが保存されること、
デジタル情報の種類に応じて用意された動作種別の選択によって、前記コンテンツに対する動作が設定されること、
前記コンテンツと関連付けられた管理用シンボルをサーバにて発行すること、
クライアント端末で撮像された管理用シンボルに関連付けられたコンテンツを特定すること、
前記動作種別を参照することでコンテンツに対する動作を決定すること、
前記動作はサーバ上のプログラムの処理を介して実行されること、
を特徴とする情報管理方法。
【請求項6】
前記管理用シンボルとコンテンツとの関連付けは、サーバから参照可能なストレージ領域に保持されたデータベースに記録されること、
前記データベースは、コンテンツに対する動作を設定するための動作種別フィールドを有すること、
前記コンテンツに対する動作は、データベースの動作種別フィールドを参照して決定されること、
を特徴とする請求項5に記載の情報管理方法。
【請求項7】
前記コンテンツは一つ以上の画像データからなること、
サーバにてクライアント端末の表示画面に関する情報を取得すること、
サーバ上のプログラムにより、前記画像データをクライアント端末の表示画面に合せて変換すること、
変換された前記画像データをサーバからクライアント端末に送信した後、当該画像データはクライアント端末の表示画面に表示されること、
を特徴とする請求項5に記載の情報管理方法。
【請求項8】
クライアント端末を使用するユーザの情報が記録されたユーザ情報テーブルが、サーバから参照可能なストレージ領域に保持されること、
前記コンテンツに対する動作の設定は、前記ユーザ情報テーブルにユーザが選択した動作種別が記録されて為されること、
サーバにてクライアント端末から情報を取得し、当該クライアント端末を使用するユーザを特定すること、
前記コンテンツに対する動作は、前記ユーザ情報テーブルを参照して決定されること、
を特徴とする請求項5に記載の情報管理方法。
【請求項9】
クライアント端末を使用するユーザの情報が記録されたユーザ情報テーブルが、サーバから参照可能なストレージ領域に保持されること、
前記ユーザ情報テーブルに、ユーザの個人用ストレージ領域のアドレスを特定できる情報が記録されること、
サーバにてクライアント端末から情報を取得し、当該クライアント端末を使用するユーザを特定すること、
ストレージ領域に保存された前記コンテンツが、特定された前記ユーザの個人用ストレージ領域に格納されること、
を特徴とする請求項5に記載の情報管理方法。
【請求項10】
ネットワークに接続されたサーバにおいて、
クライアント端末からコンテンツを受信するコンテンツ受信手段と、
受信手段で受信したコンテンツのサーバからアクセス可能なストレージ領域への保存を指示する保存指示手段と、
管理用シンボルを発行する管理用シンボル発行手段と、
管理用シンボルが出力された後、撮像機能付き携帯端末で撮像された画像を基に得られる管理用シンボルに埋め込まれた情報を取得する管理用シンボル情報取得手段と、
ストレージ領域に保存された前記コンテンツを、クライアント端末に送信するコンテンツ送信手段と、
を有し、
ネットワークへの接続が可能なクライアント端末、及び、当該クライアント端末の一つである撮像機能付き携帯端末の間で、電子データからなるコンテンツの送受信を管理する情報管理サーバ。
【請求項11】
前記サーバにおいて、
管理用シンボルとコンテンツとの関連付けを記録する記録手段と、
管理用シンボル情報取得手段で取得された情報を基に、管理用シンボルとの関連付けを参照して、前記コンテンツを特定するコンテンツ特定手段と、
コンテンツ特定手段で特定されたコンテンツに対して、デジタル情報の種類に応じた動作を決定する動作決定手段と、
動作決定手段で決定された動作に基づいて、前記コンテンツに対して処理を行うコンテンツ処理手段と、
を更に有する請求項10に記載の情報管理サーバ。
【請求項12】
前記サーバにおいて、
管理用シンボルとコンテンツとの関連付けを記録する記録手段と、
携帯端末の撮像機能を用いて撮像された後、当該携帯端末のメール機能を用いて送信された管理用シンボルの画像を受信するメール受信手段と、
メール受信手段で受信された管理用シンボルの画像から、当該管理用シンボルに埋め込まれた情報を復元する管理用シンボル復元手段と、
管理用シンボル情報取得手段で取得された情報を基に、管理用シンボルとの関連付けを参照して、前記コンテンツを特定するコンテンツ特定手段と、
管理用シンボルの画像を送信した前記携帯端末に対して、コンテンツ特定手段で特定されたコンテンツまたはコンテンツの保存アドレスが含まれた電子メールを送信するメール送信手段と、
を更に有する請求項10に記載の情報管理サーバ。
【請求項13】
前記サーバにおいて、
管理用シンボルとコンテンツとの関連付けを記録する記録手段と、
管理用シンボル発行手段で発行された管理用シンボルを送信して、クライアント端末の表示画面に表示させる管理用シンボル送信手段と、
管理用シンボル情報取得手段で取得された情報を基に、管理用シンボルとの関連付けを参照して、前記コンテンツを特定するコンテンツ特定手段と、
コンテンツ特定手段で特定されたコンテンツを、前記携帯端末に送信するコンテンツ送信手段と、
を更に有する請求項10に記載の情報管理サーバ。
【請求項14】
前記サーバにおいて、
クライアント端末からのアクセスを識別するアクセス識別手段と、
管理用シンボルと前記アクセスとの関連付けを記録する記録手段と、
管理用シンボル発行手段で発行された管理用シンボルを送信して、クライアント端末の表示画面に表示させる管理用シンボル送信手段と、
管理用シンボル情報取得手段で取得された情報を基に、管理用シンボルとの関連付けを参照して、前記アクセスを特定するアクセス特定手段と、
ストレージ領域に保存された前記コンテンツを、前記アクセスを行ったクライアント端末に送信するコンテンツ送信手段と、
を更に有する請求項10に記載の情報管理サーバ。
【請求項15】
ネットワークに接続されたサーバにおいて、
携帯端末を使用するユーザを識別する情報であるユーザ識別情報を登録するユーザ識別情報登録手段と、
クライアント端末からのアクセス情報を取得するアクセス情報取得手段と、
管理用シンボルを発行する管理用シンボル発行手段と、
管理用シンボルと前記アクセス情報との関連付けを記録する記録手段と、
管理用シンボル発行手段で発行された管理用シンボルを送信して、クライアント端末の表示画面に表示させる管理用シンボル送信手段と、
管理用シンボルが出力された後、撮像機能付き携帯端末で撮像された画像を基に得られる管理用シンボルに埋め込まれた情報を取得する管理用シンボル情報取得手段と、
管理用シンボル情報取得手段で取得された情報を基に、管理用シンボルとの関連付けを参照して、前記アクセス情報を特定するアクセス情報特定手段と、
管理用シンボルを撮像した携帯端末から送信された、ユーザ識別情報を取得するユーザ識別情報取得手段と、
を有し、
ネットワークへの接続が可能なクライアント端末から所定のWEBサイトにログインする際のユーザ認証に利用する情報を管理する情報管理サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−26427(P2007−26427A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161834(P2006−161834)
【出願日】平成18年6月12日(2006.6.12)
【出願人】(302072239)
【Fターム(参考)】