説明

粉末を調製するためのプロセス

本発明は、
(i)アニオン性洗浄界面活性剤と、
(ii)0重量%〜10重量%のゼオライトビルダーと、
(iii)0重量%〜10重量%のホスフェートビルダーと、
(iv)0重量%〜15重量%のケイ酸塩とを含む、粉末を調製するためのプロセスに関連し、
このプロセスは、
(a)揮発性化合物を含むスラリーを形成する工程と、
(b)ノズルを通じて乾燥装置内にスラリーを噴霧する工程と、
(c)スラリーを乾燥させて粉末を形成する工程とを含み、
スラリーは、
(I)スラリーがノズルに入る温度において、スラリーは揮発性成分の蒸気圧と同等以上の圧力にあり、スラリーは、揮発性化合物の蒸気圧が乾燥装置内の圧力を上回るような温度でノズルに入るか、又は
(II)スラリーがノズルに入る際に、揮発性成分は超臨界状態であり、乾燥装置内の条件は、揮発性成分が乾燥装置に入る際に、揮発性成分の少なくとも一部が気体状であるようなものであるか、のいずれかの条件で、ノズルに入る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末を調製するためのプロセスに関連する。
【背景技術】
【0002】
洗濯用洗剤業界において、最近では低ビルダーの洗濯用粉末を製造する傾向がある。これらは、典型的には乾燥工程を含むプロセスによって製造される。しかしながら、従来的な乾燥工程の間、例えば従来的な乾燥噴霧などのこれらのプロセスによって製造される低ビルダーの粉末は、低い安定特性を有する。これは、有意な量のケイ酸塩が噴霧乾燥粉末内に存在する場合に悪化する。発明者らは、揮発性化合物を洗剤スラリー作製プロセスに導入し、プロセス中の圧力を注意深く制御して、それによって良好な安定特性を有するアニオン性洗浄界面活性剤含有粉末を製造することによって、この問題を克服した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、請求項1に定義されるプロセスに関連する。
【発明を実施するための形態】
【0004】
噴霧乾燥プロセス
このプロセスは、(a)揮発性化合物を含むスラリーを形成する工程と、(b)ノズルを通じて乾燥装置内にスラリーを噴霧する工程と、(c)スラリーを乾燥させて粉末を形成する工程とを含む。スラリーは、以下に記載の2つの条件のうちの一方でノズルに入る。
【0005】
(I)スラリーがノズルに入る温度において、スラリーは揮発性成分の蒸気圧と同等以上の圧力にある。更に、スラリーは揮発性化合物の蒸気圧が乾燥装置内の圧力を上回るような温度でノズルに入る。
【0006】
(II)スラリーがノズルに入る際に、揮発性成分は超臨界状態である。更に、スラリーがノズルに入る際に、揮発性成分が超臨界状態にある場合、乾燥装置内の条件は、揮発性成分が乾燥装置に入る際に、揮発性成分の少なくとも一部が、好ましくは本質的に全部が気体状であるようなものである。
【0007】
好ましくは、工程(b)において、スラリーは、150℃を下回る、又は125℃を下回る、又は100℃を下回る、又は90℃を下回る、80℃を下回る、又は70℃を下回る、又は60℃を下回る温度で乾燥装置内に噴霧される。
【0008】
好ましくは、粉末は噴霧乾燥形態であり、ここでは乾燥装置は噴霧乾燥塔である。あるいは、乾燥装置は、粉末混合装置及び/又は流動床乾燥器である。
【0009】
好ましくは、工程(c)で製造される粉末は、非イオン性洗浄界面活性剤と接触する。
【0010】
粉末
粉末は、(i)アニオン性洗浄界面活性剤と、(ii)0重量%〜10重量%のゼオライトビルダーと、(iii)0重量%〜10重量%のホスフェートビルダーと、(iv)0重量%〜15重量%のケイ酸塩とを含む。好ましくは、粉末は3重量%〜15重量%のケイ酸塩を含む。粉末は好ましくは炭酸塩を含む。粉末は洗剤補助成分を含み得る。粉末は好ましくは噴霧乾燥形態である。
【0011】
スラリー
典型的には、スラリーは水を含み、スラリーは典型的には水性スラリーである。スラリーは、揮発性成分を含む。これは好ましくは、圧力下におけるスラリーへの揮発性成分の注入によって形成される。あるいは、これは例えば、ケイ酸塩で酸系アニオン性界面活性剤前駆体を中和することによって、スラリー内での揮発性成分のその場形成によって形成され得る。揮発性成分は更に、例えば、重炭酸ナトリウムなどの塩の熱分解によって形成され得る。
【0012】
アニオン性洗浄界面活性剤
アニオン性洗浄界面活性剤は好ましくは、アルキルベンゼンスルホネートを含む。好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤系は、アニオン性洗浄界面活性剤系の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも55重量%、又は少なくとも60重量%、又は少なくとも65重量%、又は少なくとも70重量%、又は更に少なくとも75重量%のアルキルベンゼンスルホネートを含む。好ましくは、アルキルベンゼンスルホネートは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換のC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートである。これは、良好な洗浄性能を提供するためのC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートの最適濃度である。このC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートは、国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号により詳細に記載されているような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)であることができる。極めて好ましいC8〜18のアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖C10〜13のアルキルベンゼンスルホネートである。特に好ましいのは、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することにより得ることができ、好ましくはスルホン化することにより得られる、直鎖C10〜13のアルキルベンゼンスルホネートであり、好適なLABには、SasolからIsochem(登録商標)の商標名又はPetresaからPetrelab(登録商標)の商標名で供給されているような低級2−フェニルLABを含み、他の好適なLABには、SasolからHyblene(登録商標)の商標名で販売されているような高級2−フェニルLABが挙げられる。
【0013】
アニオン性洗浄性界面活性剤は、好ましくは他のアニオン性洗浄界面活性剤を含んでもよい。好ましい補助アニオン性洗浄界面活性剤は、非アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤である。非アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルホスフェート、アルキルホスホネート、アルキルカルボキシレート、又はこれらのいずれかの混合物であり得る。非アルコキシル化アニオン性界面活性剤は、C10〜C20の一級、分枝鎖、直鎖及びランダム鎖アルキルサルフェート(AS)からなる群から選択されることができ、通常次式を有する。
【0014】
CH(CHCH−OSO
式中、Mは、水素又は電気的中性を提供するカチオンであり、好ましいカチオンはナトリウム及びアンモニウムカチオンであり、式中、xは、少なくとも7の整数であり、好ましくは少なくとも9の整数であり、C10〜C18の二級(2,3)アルキルサルフェートで、通常次式を有する。
【化1】

式中、Mは水素又は電気的中性を付与するカチオンであり、好ましいカチオンにはナトリウム及びアンモニウムカチオンが挙げられ、式中、xは少なくとも整数7であり、好ましくは少なくとも整数9であり、yは、少なくとも整数8であり、好ましくは少なくとも整数9であり、C10〜C18のアルキルカルボキシレート、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号により詳細に記載されているような中鎖分岐状アルキルサルフェート、メチルエステルスルホネート(MES)、α−オレフィンスルホネート(AOS)、及びこれらの混合物である。
【0015】
別の好ましいアニオン性洗浄界面活性剤は、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤である。噴霧乾燥粉末中のアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤の存在は、良好な油性汚れ洗浄性能を提供し、良好な泡立ち特性を与え、かつアニオン性洗浄界面活性剤系の硬水耐性を改善する。アニオン性洗浄界面活性剤は、アニオン性洗浄界面活性剤系の1重量%〜50重量%、5重量%〜、又は10重量%〜、又は15重量%〜、又は20重量%〜45重量%、又は〜40重量%、又は〜35重量%、又は〜30重量%のアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤を含むことが好ましいことがある。
【0016】
好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、平均アルコキシル化度が1〜30、好ましくは1〜10の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換のC12〜18のアルキルアルコキシル化スルフェートである。好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、平均エトキシル化度が1〜10の、直鎖又は分枝鎖の、置換又は非置換のC12〜18のアルキルエトキシル化スルフェートである。最も好ましくは、アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、平均エトキシル化度が3〜7の、直鎖の非置換のC12〜18のアルキルエトキシル化スルフェートである。
【0017】
アルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホネートと共に存在する場合はまた、遊離カルシウムカチオンの存在下でアルキルベンゼンスルホネートをより溶液から析出し難くさせることによって、アルキルベンゼンスルホネートの活性度を増大させ得る。好ましくは、アルキルベンゼンスルホネートのアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤に対する重量比は、1:1〜5:1未満、又は〜3:1未満、又は〜1.7:1未満、又は更に〜1.5:1未満の範囲内である。この比は、良好な硬度許容特性及び良好な発泡特性と併せて、最適な白色度の維持性能を与える。しかしながら、アルキルベンゼンスルホネートのアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤に対する重量比が、5:1超、又は6:1超、又は7:1超、又は更に10:1超であることが好ましいことがある。この比は、良好な硬水耐性特性及び良好な発泡特性と併せて、最適な油汚れ洗浄性能を与える。
【0018】
好適なアルコキシル化アニオン性洗浄界面活性剤は、CognisによるTexapan LEST(商標)、SasolによるCosmacol AES(商標)、StephanによるBES151(商標)、Empicol ESC70/U(商標)、及びこれらの混合物である。
【0019】
好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤は、アニオン性洗浄界面活性剤の0重量%〜10重量%、好ましくは〜8重量%、又は〜6重量%、又は〜4重量%、又は〜2重量%、又は更に〜1重量%の不飽和アニオン性洗浄界面活性剤(例えば、α−オレフィンスルホネート)を含む。好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤系は、α−オレフィンスルホネートなどの不飽和アニオン性洗浄界面活性剤を本質的に含まない。「本質的に含まない」とは通常、「意図的に添加されたものを含まない」ことを意味する。理論に束縛されるものではないが、これらの濃度の不飽和アニオン性洗浄性界面活性剤類(例えば、α−オレフィンスルホネート)が、アニオン性洗浄性界面活性剤の漂白剤適合性を確保すると考えられている。
【0020】
好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤は、0重量%〜10重量%、好ましくは〜8重量%、又は〜6重量%、又は〜4重量%、又は〜2重量%、又は更に〜1重量%のアルキルサルフェートを含む。好ましくは、アニオン性洗浄界面活性剤は、アルキルサルフェートを本質的に含まない。理論に束縛されるものではないが、これらの濃度のアルキルホスフェートが、アニオン性洗浄性界面活性剤の硬水耐性を確保すると考えられている。
【0021】
揮発性成分
典型的には、揮発性成分は、125℃以下、好ましくは、100℃以下、好ましくは、90℃以下、好ましくは、80℃以下、好ましくは70℃以下、好ましくは、60℃以下、好ましくは、50℃以下、好ましくは、40℃以下、好ましくは、30℃以下、好ましくは、20℃以下、好ましくは、10℃以下、好ましくは、0℃以下の沸点を有する。
【0022】
好ましくは、揮発性化合物は、二酸化炭素を含む、液体形態の二酸化炭素及び水溶液中に溶解した二酸化炭素、すなわち炭酸からなる群から選択される。好ましくは、揮発性化合物は二酸化炭素である。
【0023】
典型的には、揮発性成分は、二酸化炭素をスラリーと、好ましくは水性スラリーと接触させることによって形成される。
【0024】
揮発性成分は、更に水であり得る。
【0025】
揮発性成分は、超臨界状態であり得る。揮発性成分は、これがノズルに入る際に超臨界状態であることが特に好ましい場合がある。
【0026】
典型的には、揮発性成分は液体形態である。
【0027】
ゼオライトビルダー
噴霧乾燥粉末は、典型的には、0重量%〜10重量%のゼオライトビルダー、好ましくは〜9重量%、又は〜8重量%、又は〜7重量%、又は〜6重量%、又は〜5重量%、又は〜4重量%、又は〜3重量%、又は〜2重量%、又は〜1重量%、又は〜1重量%未満のゼオライトビルダーを含む。粉末が、ゼオライトビルダーを本質的に含まないことが更に好ましい場合がある。ゼオライトビルダーを本質的に含まないとは、通常、粉末が、故意に添加されたゼオライトビルダーを含まないことを意味する。このことは、非水溶性残留物(例えば、これは布地表面に沈着することがある)の量を最少化するために、粉末の溶解性が非常に高いことが望ましい場合、及びまた透明な洗浄溶液を有するのが極めて望ましい場合に、特に好ましい。ゼオライトビルダー類としては、ゼオライトA、ゼオライトX、ゼオライトP及びゼオライトMAPが挙げられる。
【0028】
ホスフェートビルダー
粉末は、典型的には、0重量%〜10重量%のホスフェートビルダー、好ましくは〜9重量%、又は〜8重量%、又は〜7重量%、又は〜6重量%、又は〜5重量%、又は〜4重量%、又は〜3重量%、又は〜2重量%、又は〜1重量%、又は〜1重量%未満のホスフェートビルダーを含む。粉末が、ホスフェートビルダーを本質的に含まないことが更に好ましい場合がある。ホスフェートビルダーを本質的に含まないとは、典型的に、粉末が意図的に添加されたホスフェートビルダーを含まないことを意味する。このことは、粉末が非常に良好な環境特性を有することが望ましい場合に、特に好ましい。ホスフェートビルダー類としては、トリポリリン酸ナトリウムが挙げられる。
【0029】
ケイ酸塩
粉末は、任意により、0重量%〜20重量%のケイ酸塩、好ましくは1重量%〜、又は2重量%〜、3重量%〜、及び好ましくは〜15重量%、又は〜10重量%、又は更に〜5重量%のケイ酸塩を含む。ケイ酸塩は、非晶質ケイ酸塩及び結晶性層状ケイ酸塩(例えば、SKS−6)が挙げられる。好ましいケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムである。
【0030】
炭酸塩
粉末は典型的には、噴霧乾燥粉末の1重量%〜50重量%、又は5重量%〜25重量%、又は10重量%〜20重量%の炭酸塩を含む。好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウム及び/又は重炭酸ナトリウムである。極めて好ましい炭酸塩は、炭酸ナトリウムである。好ましくは、粉末は、粉末の10重量%〜40重量%の炭酸ナトリウムを含み得る。しかし、粉末が、粉末の2重量%〜8重量%の重炭酸ナトリウムを含むこともまた好ましい場合がある。この濃度の重炭酸ナトリウムは、良好なアルカリ性を付与すると同時に、界面活性剤−炭酸塩系で生じ得る界面活性剤のゲル化の危険性を最小限に抑える。噴霧乾燥粉末が、炭酸ナトリウム及びゼオライトを含む場合、好ましくは炭酸ナトリウムのゼオライトに対する重量比は、少なくとも15:1である。
【0031】
高濃度の炭酸塩は、洗浄溶液のpHを高めることによって組成物の洗浄性能を向上させる。この高められたアルカリ性は、漂白剤が存在する場合はその性能を向上させて、汚れを加水分解し易くし、それによって汚れを布地から取り除き易くし、更には洗浄すべき汚れのイオン化速度と電離度を増大させる(注意:イオン化された汚れは更に可溶性となって、洗濯プロセスの洗浄段階で布地から取り除き易い)。更に、高い炭酸塩濃度は、粉末の流動性を向上させる。
【0032】
補助洗浄成分
好適な補助洗剤成分としては、洗浄界面活性剤、例えばアニオン性洗浄界面活性剤、非イオン性洗浄界面活性剤、カチオン性洗浄界面活性剤、双極性イオン洗浄界面活性剤、両性洗浄界面活性剤(好ましい非イオン性洗浄界面活性剤は、1〜20、好ましくは3〜10の平均アルコキシル化度を有するC8〜18アルキルアルコキシル化アルコール、最も好ましくは、3〜10の平均アルコキシル化度を有するC12〜18アルキルエトキシル化アルコールであり;好ましいカチオン性洗浄界面活性剤はモノ−C6〜18アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライドであり、より好ましいのは、モノ−C8〜10アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライド、モノ−C10〜12アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライド、及びモノ−C10アルキルモノ−ヒドロキシエチルジ−メチル第四級アンモニウムクロライドである);過酸素源、例えば、過炭酸塩及び/又は過ホウ酸塩、好ましくは過炭酸ナトリウム(過酸素源は、好ましくは炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、又はこれらの混合塩を含む混合物などのコーティング成分により少なくとも部分的にコーティングされ、好ましくは完全にコーティングされる);漂白活性化剤、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン、オキシベンゼンサルフェート漂白活性化剤、例えば、ノナノイルオキシベンゼンサルフェート、カプロラクタム漂白活性化剤、イミド漂白活性化剤、例えば、N−ノナノイル−N−メチルアセトアミド、予備形成された過酸、例えば、N,N−フタロイルアミノ(pthaloylamino)ペルオキシカプロン酸、ノニルアミドペルオキシアジピン酸、又はジベンゾイル過酸化物;酵素、例えば、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ラッカーゼ、リパーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、ペクチン酸リアーゼ、及びマンナナーゼ;泡抑制剤系、例えば、シリコーン系泡抑制剤;蛍光増白剤;光退色剤;充填剤塩、例えばサルフェート塩、好ましくはサルフェートナトリウム;布柔軟化剤、例えば、粘土、シリコーン、及び/又は第四級アンモニウム化合物;凝集剤、例えば、ポリエチレンオキシド;染料移行阻害剤、例えばポリビニルピロリドン、ポリ4−ビニルピリジンN−酸化物、及び/又はビニルピロリドン、及びビニルイミダゾールのコポリマー;布地保全成分、例えば、疎水変性されたセルロース、並びにイミダゾール、及びエピクロロヒドリン(epichlorhydrin)の縮合によって生成されるオリゴマー;汚れ分散剤及び汚れ再付着防止助剤、例えば、アルコキシル化ポリアミン及びエトキシル化エチレンイミンポリマー;再付着防止成分、例えば、カルボキシメチルセルロース及びポリエステル;芳香剤;スルファミン酸又はその塩;クエン酸又はその塩;並びに染料、例えば、橙色染料、青色染料、緑色染料、紫色染料、ピンク色染料、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0033】
更なる実施形態
更なる実施形態では、本発明は、(i)アニオン性洗浄界面活性剤と、(ii)0重量%〜10重量%のゼオライトビルダーと、(iii)0重量%〜10重量%のホスフェートビルダーと、(iv)0重量%〜15重量%のケイ酸塩とを含む、粉末を調製するためのプロセスを提供し、本プロセスは、(a)水性スラリーを二酸化炭素に接触させて混合物を形成する工程と、(b)ノズルを通じて乾燥装置内に混合物を噴霧する工程と、(c)スラリーを乾燥させて粉末を形成する工程とを含む。
【0034】
好ましくは、二酸化炭素は、炭酸塩で酸系アニオン性界面活性剤前駆体を中和することによって、及び/又は炭酸塩、典型的には重炭酸塩、最も好ましくは重炭酸ナトリウムの熱分解によって形成される。
【実施例】
【0035】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の書類名特許請求の範囲で扱うものとする。
【0036】
実施例1.粒子状洗濯洗剤組成物及びその製造方法。
【表1】

【0037】
噴霧乾燥粉末の調製
上述したような組成物を有する、湿分含量が25.89%の水性スラリーを調製する。水性スラリーは、72℃まで加熱されて、低圧ライン(5×10Paの圧力を有する)内にポンプ移送され、次に高圧ライン(8×10Paの出口圧力を有する)にポンプ移送される。液体COは、高圧ラインに注入される。得られるスラリーは、次に、8×10Paの圧力、65℃の温度で、ノズルを通じて逆流噴霧乾燥塔内に噴霧され、吸気口の温度は、270℃〜300℃であり、1×10Paの圧力である。水性スラリーを噴霧化し、この噴霧化されたスラリーを乾燥して固体混合物を生成して、次にこれを冷却して、大きすぎる物質(>1.8mm)を篩分けして取り除いて、噴霧乾燥された自由流動性粉末を形成する。微細物質(<0.15mm)は、噴霧乾燥塔内の排気で浄化されて、後の塔(posttower)の収容システム内に回収される。噴霧乾燥された粉末は、2.5重量%の湿分含量、427g/Lのバルク密度、及び噴霧乾燥された粉末の95.2重量%の粒径が150〜710マイクロメートルであるような粒径分布を有する。噴霧乾燥粉末の組成を以下に示す。
【表2】

【表3】

【0038】
上記の洗濯用洗剤組成物は、標準バッチミキサー内で上記の粒子全て(AE7を除く全て)を乾燥混合することによって調製された。液体AE7が次に、粒子状に噴霧される。あるいは、液体AE7は、噴霧乾燥粒子上に噴霧され、生じる粒子が次に、上記の粒子を全て乾燥添加される。
【0039】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)アニオン性洗浄界面活性剤と、
(ii)0重量%〜10重量%のゼオライトビルダーと、
(iii)0重量%〜10重量%のホスフェートビルダーと、
(iv)0重量%〜15重量%のケイ酸塩とを含む、粉末を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスは、
(a)揮発性化合物を含むスラリーを形成する工程と、
(b)ノズルを通じて乾燥装置内に前記スラリーを噴霧する工程と、
(c)前記スラリーを乾燥させて粉末を形成する工程とを含み、
前記スラリーは、
(I)前記スラリーが前記ノズルに入る温度において、前記スラリーは前記揮発性成分の前記蒸気圧と同等以上の圧力にあり、前記スラリーは、前記揮発性化合物の前記蒸気圧が前記乾燥装置内の前記圧力を上回るような温度で前記ノズルに入るか、又は
(II)前記スラリーが前記ノズルに入る際に、前記揮発性成分は超臨界状態であり、前記乾燥装置内の条件は、前記揮発性成分が前記乾燥装置に入る際に、前記揮発性成分の少なくとも一部が気体状であるようなものであるか、のいずれかの条件で、前記ノズルに入る、プロセス。
【請求項2】
前記揮発性化合物が、液体二酸化炭素を含む、液体形態の二酸化炭素及び水溶液中に溶解した二酸化炭素、すなわち炭酸からなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記工程(b)において、前記混合物が、100℃を下回る温度で前記乾燥装置内に噴霧される、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記粉末が噴霧乾燥形態であり、前記乾燥装置が噴霧乾燥塔である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記乾燥装置が、粉末混合装置である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記乾燥装置が、流動床乾燥器である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記工程(c)で製造される前記粉末が、非イオン性洗浄界面活性剤と接触する、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
(i)アニオン性洗浄界面活性剤と、
(ii)0重量%〜10重量%のゼオライトビルダーと、
(iii)0重量%〜10重量%のホスフェートビルダーと、
(iv)0重量%〜15重量%のケイ酸塩とを含む、粉末を調製するためのプロセスであって、
前記プロセスは、
(a)水性スラリーを二酸化炭素に接触させて混合物を形成する工程と、
(b)ノズルを通じて乾燥装置内に前記混合物を噴霧する工程と、
(c)前記スラリーを乾燥させて粉末を形成する工程とを含む、プロセス。
【請求項9】
前記二酸化炭素が、炭酸塩で酸系アニオン性界面活性剤前駆体を中和することによって形成される、請求項8に記載のプロセス。

【公表番号】特表2011−525214(P2011−525214A)
【公表日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−514900(P2011−514900)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2009/048558
【国際公開番号】WO2009/158448
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】