説明

粉粒体供給装置及び粉粒体計量装置

【課題】微少量の粉粒体の供給が可能な粉粒体供給装置及び粉粒体計量装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の粉粒体精密供給機100に備えた粉粒体ドラム10の小径筒部12に取り付けられた底壁14には、複数の粉粒体通過孔14Bが貫通形成されている。しかし小径筒部12に粉粒体を静置しただけでは、粉粒体同士が付着して粉粒体アーチを形成し粉粒体通過孔14Bを閉塞するため、粉粒体は粉粒体通過孔14Bから流出しない。底壁14の上方で底面旋回部材26を旋回させると、粉粒体アーチが崩れ粉粒体通過孔14Bから粉粒体が落下する。また底面旋回部材26の旋回を停止させると、すぐに新たな粉粒体アーチが形成されて粉粒体通過孔14Bを閉塞する。粉粒体アーチが壊れて落下する粉粒体の量は微量であるため、底面旋回部材26の回転を制御することで、微少量の粉粒体の供給及び計量が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体供給装置及び粉粒体計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の粉粒体供給装置として、粉粒体をスクリューによって供給し、計量するものが知られていた。(例えば、特許文献1参照)
【特許文献1】特開2003−90756号公報([0023]、[0025]、[0027]、[0028]、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、粉粒体は粉粒体同士の付着力によって塊を形成し得る。そして、従来の粉粒体供給装置ではスクリューの翼の間で粉粒体が塊になり、スクリューが回ったときに粉粒体の塊ごと供給されることがあり、微少な一定量ずつ粉粒体を供給することが困難であった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、微量の粉粒体の供給が可能な粉粒体供給装置及び粉粒体計量装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る粉粒体精密供給装置は、粉粒体を収容可能な粉粒体容器と、粉粒体容器の底壁に貫通形成され、粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチにより閉塞可能な複数の粉粒体通過孔と、底壁の上方を旋回して粉粒体アーチに外力を付与し、粉粒体アーチを構成していた粉粒体を粉粒体通過孔から底壁の下方に強制落下させるための底面旋回部材とを備えたところに特徴を有する。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の粉粒体精密供給装置において、底壁に、上方に膨出した複数の底壁上面突部を形成し、粉粒体通過孔は、各底壁上面突部の下方に形成されて途中で屈曲すると共に、底壁上面突部の側面に粉粒体通過孔の上端開口が配置されて底面旋回部材の旋回方向と対向する水平方向に向かって開放する一方、底壁上面突部の真下に粉粒体通過孔の下端開口が配置されて鉛直下方に開放したところに特徴を有する。
【0007】
請求項3の発明は、請求項2に記載の粉粒体精密供給装置において、底面旋回部材は、底壁の上面の法線方向と平行な旋回軸の回りを旋回すると共に下方に複数の旋回脚部を垂下して備え、それら複数の旋回脚部が底壁上面突部同士の間を通過して底壁の上面上を移動するように構成したところに特徴を有する。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1に記載の粉粒体精密供給装置において、底壁に、下方に膨出した底壁下面突部を形成し、粉粒体通過孔は、底壁下面突部の上方に形成されて途中で屈曲すると共に、底壁下面突部の側面に粉粒体通過孔の上端開口が配置されて水平方向に向かって開放する一方、底壁下面突部の真上に粉粒体通過孔の下端開口が配置されて鉛直上方に開放したところに特徴を有する。
【0009】
請求項5の発明は、請求項1に記載の粉粒体精密供給装置において、底壁は、上面と下面とが平行かつ平坦になっており、粉粒体通過孔は、底壁の上面及び下面の法線方向に貫通形成されたところに特徴を有する。
【0010】
請求項6の発明は、請求項5に記載の粉粒体精密供給装置において、粉粒体通過孔は、下端部に向かって徐々に開口面積が広がっているところに特徴を有する。
【0011】
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の粉粒体精密供給装置において、底面旋回部材は、底壁の上面の法線方向と平行な旋回軸の回りを旋回する突片構造をなすと共に、旋回方向の前端縁側が後端縁側より上方に位置するように傾斜した迎角を有したところに特徴を有する。
【0012】
請求項8の発明は、請求項1,5又は6の何れかに記載の粉粒体精密供給装置において、底面旋回部材は、底壁の上面の法線方向と平行な旋回軸の回りを旋回する突片構造をなすと共に、底壁の上面と平行になって隣接した隣接下端面を有したところに特徴を有する。
【0013】
請求項9の発明は、請求項1乃至8の何れかに記載の粉粒体精密供給装置において、粉粒体容器は、下端開放の筒体に底壁を着脱可能に取り付けてなり、底壁を粉粒体の種類に応じて変更可能としたところに特徴を有する。
【0014】
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れかに記載の粉粒体精密供給装置において、粉粒体容器に、底面旋回部材が内部を旋回する小径筒部と、小径筒部の上方に配置されて小径筒部より内径が大きな大径筒部とを設け、上下方向に延びかつ内側を粉粒体が流下可能な粉粒体補充管を、小径筒部と大径筒部との間の水平段差面に上方から突き合わせて、それら粉粒体補充管の下端面と水平段差面との間に粉粒体の推積山を形成し、大径筒部内を旋回して粉粒体補充管の下端面と水平段差面との間を横切り、堆積山を構成する粉粒体を小径筒部側に引き込むことが可能な上部旋回部材を設けたところに特徴を有する。
【0015】
請求項11の発明は、請求項1乃至9の何れかに記載の粉粒体精密供給装置において、粉粒体容器に、底面旋回部材が内部を旋回する小径筒部と、小径筒部の上部に一体に設けられて上方に向かうに拡径した円錐筒部とを備え、上下方向に延びかつ内側を粉粒体が流下可能な粉粒体補充管を、円錐筒部の内側テーパー面に上方から突き合わせて、それら粉粒体補充管の下端面と内側テーパー面との間に粉粒体の推積山を形成し、円錐筒部の母船方向に沿って延びかつ、上端側が円錐筒部の内側に隣接し、下端側が円径筒部内に張り出した上部旋回部材を設け、上部旋回部材が円錐筒部内を旋回して粉粒体補充管の下端面と内側テーパー面との間を横切って堆積山を構成する粉粒体を小径筒部側に引き込むことが可能であるところに特徴を有する。
【0016】
請求項12の発明は、請求項1乃至11の何れかに記載の粉粒体精密供給装置において、粉粒体補充管の上部に上方に向かうに従って拡径した円錐部を設け、円錐部の母線方向に沿って延びかつ、円錐部の内側に隣接した状態で円錐部内を旋回可能な流下補助回動翼を備えたところに特徴を有する。
【0017】
請求項13の発明は、請求項1乃至12の何れかに記載の粉粒体精密供給装置において、平板をクランク形状に切断してなり、粉粒体補充管の内側で回転可能な流下補助回動板を備えたところに特徴を有する。
【0018】
請求項14の発明は、請求項1乃至13の何れかに記載の粉粒体精密供給装置において、底面旋回部材を旋回させるための供給モータと、供給モータの回転出力軸が任意かつ一定の速度で回転するように制御するモータ駆動制御部とを備えたところに特徴を有する。
【0019】
請求項15の発明に係る粉粒体精密計量器は、請求項14に記載の粉粒体精密供給装置と、粉粒体精密供給装置から供給された粉粒体の重量を計量する計量器とを備え、計量器が予め設定された重量に達したときにモータ駆動制御部が供給モータの回転を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
[請求項1の発明]
請求項1の発明に係る粉粒体精密供給装置は、粉粒体容器の底面に複数の粉粒体通過孔が貫通形成された底壁を有している。この底壁の上部に粉粒体を載置しても、通常は粉粒体同士が付着して粉粒体通過孔を閉塞する粉粒体アーチを形成するため粉粒体が粉粒体通過孔を通過することはない。
【0021】
そして、底壁上部に備えた底面旋回部材を旋回させると、粉粒体アーチが外力を受けて崩れ、粉粒体アーチを構成していた粉粒体が粉粒体通過孔を通過して底壁の下方に落下し、、すぐに新たな粉粒体アーチが形成されて粉粒体通過孔が閉塞される。
【0022】
ここで、一旦粉粒体アーチが崩れて再度粉粒体アーチが形成されるまでに粉粒体通過孔から流出する粉粒体の量は極微量であるので、底面旋回部材を旋回させている間は微少量ずつの粉粒体を供給することができる。
【0023】
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、底壁に設けた底壁上面突部の粉粒体通過孔が粉粒体アーチによって上方を覆われているため、底壁上に粉粒体が堆積しても、その粉粒体が自重のみにより粉粒体通過孔を通過することが防がれる。
【0024】
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、底壁上部の底面旋回部材を旋回させると、底面旋回部材から垂下して備えられた旋回脚部が粉粒体を撹拌し、粉粒体が塊になることを防ぎながら、粉粒体アーチに外力を加えて粉粒体を粉粒体通過孔から底壁の下方に落下させることができる。
【0025】
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、底壁に設けた底壁下面突部の粉粒体通過孔が粉粒体アーチによって上方を覆われているため、底壁上に粉粒体が堆積しても、その粉粒体が自重のみにより粉粒体通過孔を通過することが防がれる。
【0026】
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、粉粒体通過孔を底壁の法線方向に貫通形成したので、付着力が比較的強い粉粒体を、スムーズに粉粒体通過孔を通して供給することができる。
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、粉粒体通過孔を下端部に向かって徐々に開口面積が広がるように形成したため、粉粒体アーチが粉粒体通過孔の下端側に形成されることを防ぎ、付着力が比較的強い粉粒体をスムーズに粉粒体通過孔を通して供給することができる。
【0027】
[請求項7の発明]
請求項7の発明によれば、底面旋回部材が迎角を有しているために、底面旋回部材が旋回することにより粉粒体が底壁側に押し付けられる。これにより、底壁上に形成された粉粒体アーチに効率よく外力を加えて、粉粒体を粉粒体通過孔から底壁の下方に強制的に落下させることができる。
【0028】
[請求項8の発明]
請求項8の発明によれば、底壁上面と平行に隣接する隣接下端面を有する底面旋回部材が底壁の上方を旋回する。これにより、底壁上に形成された粉粒体アーチに外力が加わり、粉粒体アーチを構成していた粉粒体が粉粒体通過孔から底壁の下方に強制的に落下させることができる。
【0029】
[請求項9の発明]
請求項9の発明によれば、供給する粉粒体の種類に応じて、底壁を取り替えることで、複数種類の粉粒体を微少量ずつ供給することができる。
【0030】
[請求項10の発明]
請求項10の発明によれば、粉粒体容器の小径筒部と大径筒部の間に設けられた水平段差面に、粉粒体補充管から粉粒体を供給し、一旦堆積山を形成してから上部旋回部材を旋回させて小径筒部に引き込む構成としたことで、小径筒部内の粉粒体による粉粒体圧が安定し、粉粒体通過孔からの粉粒体の排出を安定させることができる。
【0031】
[請求項11の発明]
請求項11の発明によれば、粉粒体容器は円錐筒部の内側テーパー面に、粉粒体補充管から粉粒体を供給し、一旦堆積山を形成してから上部旋回部材を旋回させて小径筒部に引き込む構成としたことで、小径筒部内の粉粒体による粉粒体圧が一定に保たれ、粉粒体通過孔からの粉粒体の排出を安定させることができる。
【0032】
[請求項12の発明]
請求項12の発明によれば、円錐部の内側で流下補助回動翼を回転させることにより、円錐部内部での粉粒体の詰まりを防止することができる。
【0033】
[請求項13の発明]
請求項13の発明によれば、粉粒体補充管の内側で流下補助回動板を回転させることにより、粉粒体補充管内部での粉粒体の詰まりを防止することができる。
【0034】
[請求項14の発明]
請求項14の発明によれば、供給モータをモータ駆動制御部によって制御し、任意かつ一定の速度で回転させることで、所望の一定かつ微少量の粉粒体を供給することができる。
【0035】
[請求項15の発明]
請求項15の粉粒体精密計量器によれば、所望の粉粒体の重量を設定すれば、粉粒体精密供給装置から微少量ずつ供給される粉粒体の総重量が、設定した重量に達したときに供給モータの回転が停止する。これにより、設定した重量と微少誤差の範囲で一致した量の粉粒体を量り取ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
[第1実施形態]
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1〜図10に基づいて説明する。
図1に示した粉粒体精密供給装置100は、ホッパ30から粉粒体ドラム10(本発明の「粉粒体容器」に相当する)に粉粒体を補給し、粉粒体ドラム10の下面から下方の受皿104に粉粒体を供給する構成になっている。
【0037】
ホッパ30は、図1に示すように、逆円錐形状の容器31(本発明の「円錐部」に相当する)とその下端部から延びた筒状のシュート32(本発明の「粉粒体補充管」に相当する)とからなり、容器31の上面開口は蓋33によって閉じられている。その蓋33の上部にはモータ35が備えられており、ホッパ30の内部で粉粒体を撹拌する流下補助回動部材36を回転させている。
【0038】
流下補助回動部材36は、ホッパ30の内部で回転することで、ホッパ30内の粉粒体が付着して固まったり、詰まったりすること(所謂ブリッジ)を防止している。図2(A)及び図2(B)に示すように、流下補助回動部材36は、ホッパ30の形状に合わせて形成されており、逆三角形の流下補助翼36A(本発明の「流下補助回動翼」に相当する)の下端部から流下補助板36B(本発明の「流下補助回動板」に相当する)を垂下した構造になっている。流下補助翼36Aは、逆三角形の各斜辺部分に、長方形のプレートからなる側面撹拌片36Dを有している。各側面撹拌片36Dは、ホッパ30の逆円錐形状部分の母線方向に板状に延びており、容器31の内側テーパー面に沿って隣接した状態で回転し、内側テーパー面に粉粒体が付着することを防止する。
【0039】
流下補助板36Bは、図2(A)及び図2(B)に示すように、平板をクランク状に切り出して形成されており、モータ35によってシュート32内を回転することによりシュート32内の粉粒体を撹拌し下部に流下させている。
【0040】
図1に示すように、粉粒体ドラム10は、上から順番に大径筒部11、小径筒部12、粉粒体排出部13を備えてなり、下方に向かうに従って、縮径した構造になっている。そして、小径筒部12と粉粒体排出部13との水平段差面に円盤状の底壁14が着脱可能に載置されている。また、粉粒体ドラム10の上端は開放しており、蓋16が被せられ、蓋16の上面中央に供給モータ15が備えられている。供給モータ15の回転軸15A(本発明の「回転出力軸」に相当する)は蓋16を貫通して粉粒体ドラム10内でその中心軸に沿って延びている。さらに、蓋16の一部には開口部が形成され、そこにホッパ30のシュート32の下端が挿入されている。
【0041】
シュート32の下端開口32Aが、粉粒体ドラム10のうち大径筒部11と小径筒部12との間の水平段差面21に所定の間隔を開けて突き合わされている。そしてシュート32の下端開口32Aから排出された粉粒体が、一端水平段差面21上に蓄積され、その粉粒体の堆積山を供給モータ15の回転軸15Aに取り付けられたスクレーパ22で崩して小径筒部12内に引き込む。
【0042】
スクレーパ22は、図3に示すように、供給モータ15の回転軸15A(図1参照)に取り付けられる円柱形状の軸部25から側方に集粉羽23と散粉羽24を延ばした構造になっている。その集粉羽23は回転方向(図3の矢印の方向)とは逆側に膨らんだ円弧状をなす一方、散粉羽24は回転方向側に膨らんだ円弧状をなしている。また、図4に示すように、集粉羽23は、その先端が大径筒部11の内側面11Cと隣接する位置まで延び、散粉羽24は、それより短くなっている。
【0043】
さらに、集粉羽23及び散粉羽24は、水平段差面21に隣接している。そして、集粉羽23により、水平段差面21上の粉粒体を中心側に誘導して小径筒部12内に取り込むとともに、散粉羽24により集粉羽23が取り込み過ぎた粉粒体を外側に移動して逃し、次に集粉羽23が通過したときに取り込み小径筒部12内の粉粒体圧を安定させ易くしている。また、集粉羽23と散粉羽24とが協働して、粉粒体を撹拌して、粉粒体の塊を粉砕する効果も兼用する。さらに、粉粒体が2種以上の粉粒体の混合物である場合には、この集積と分散の繰り返しによって2種の粉粒体の混合度合いを高めることができる。
【0044】
また、ホッパ30から供給される粉粒体は、シュート32の下端開口32Aから大径筒部11の水平段差面21に供給され、図5に示すように、シュート32の下端開口32Aの下方に粉粒体の堆積山ができてシュート32の下端開口32Aを塞ぐ。この堆積山の斜面の水平面に対する角度(安息角)は、粉粒体の種類によって一定角度になる。本実施形態では、この性質を利用することで、シュート32の下端開口32Aに開閉手段を設けなくても、シュート32から粉粒体が過剰に排出されることを防ぐことができる。また、シュート32からの粉粒体は、水平段差面21で一旦受け止められるので、小径筒部12内の粉粒体圧が安定し、後述する粉粒体通過孔14Bからの粉粒体の排出を安定させることができる。
【0045】
さて、粉粒体ドラム10の底壁14には、図6(A)及び図6(B)に示すように、複数の底壁上面突部14Aが設けられている。各底壁上面突部14Aは、側面の1つが垂直に起立した三角錐をなしており、底壁14上の大小2つの同心円に沿って並べられている。そして底壁上面突部14Aの一側面から底壁14の裏面に向けて粉粒体通過孔14Bが貫通形成されている。この粉粒体通過孔14Bは、図7に示すように、底壁上面突部14Aの下方に途中で屈曲して形成されており、底壁上面突部14Aの起立した側面に粉粒体通過孔14Bの上端開口が配置されている。また、底壁14の裏面では、底壁上面突部14Aの真下に粉粒体通過孔14Bの下端開口が配置され、鉛直下方に開放している。
【0046】
そして、粉粒体通過孔14Bの上端開口が、後述する底面旋回部材26の旋回方向と逆向きの方向を向いている。
【0047】
ここで、粉粒体通過孔14Bは、図7に示すように、底壁14上に粉粒体が堆積したときに、粉粒体通過孔14Bの上端開口に付着した粉粒体により粉粒体アーチが形成されると共に、その粉粒体アーチが崩れた状態で粉粒体が通過可能な大きさになっている。即ち、粉粒体通過孔14Bは粉粒体の粒径の数倍から十数倍の大きさになっている。また、粉粒体の性状等によって粉粒体通過孔14Bの最適な大きさは異なるため、粉粒体通過孔14Bの大きさが異なる底壁14が複数種類用意されており、粉粒体精密供給装置100を使用する前に粉粒体に適した底壁14を選んで取り替えることができるようになっている。
【0048】
図1に示すように、小径筒部12には、底壁14上を旋回する底面旋回部材26が備えられている。底面旋回部材26は、図8に示すように、供給モータ15の回転軸15Aに接続する軸部29から相対する半径方向に延びる2つの旋回プレート27,27を有し、これら各旋回プレート27の下端から旋回脚部28が垂下されている。
【0049】
図8に示すように、旋回プレート27は、横長矩形の平板で、旋回方向に対して旋回プレート27の前端縁側が後端縁側より上方となるように傾斜する迎角を有している。底壁14上で旋回プレート27を旋回させると、小径筒部12内の粉粒体を下側(底壁14側)に押し付けながら旋回し、旋回脚部28は底壁14上の粉粒体に外力を付与する。また、旋回脚部28の下端面は、底壁14のうち底壁上面突部14A同士の間の平坦面に隙間を介して対向している(図10参照)。そして、旋回プレート27が旋回すると、旋回脚部28が底壁上面突部14Aの間を移動し、粉粒体アーチに外力を付与する。
【0050】
本実施形態の構成に関する説明は以上である。次に、本実施形態の作用効果について説明する。図1に示すように、ホッパ30内に粉粒体を収容した状態で、供給モータ15を駆動させる。すると、スクレーパ22の回転により小径筒部12に引き込まれ、底壁14上に粉粒体が堆積する(図9参照)。このとき、粉粒体同士が付着して粉粒体通過孔14Bを閉塞する粉粒体アーチが形成されるため、粉粒体が自重のみにより粉粒体通過孔14Bを通過することはない。そして、小径筒部12内を旋回している底面旋回部材26が各粉粒体通過孔14Bを閉塞している粉粒体アーチの近傍を通過したときに、それら粉粒体アーチが外力を受けて崩され、その粉粒体アーチを形成していた粉粒体が粉粒体通過孔14Bから下方に排出される。そして、粉粒体通過孔14Bには、すぐに新たな粉粒体アーチが形成されて再び閉塞される。一旦粉粒体アーチが崩れて再度形成されるまでに粉粒体通過孔14Bから流出する粉粒体の量は極微量であるので、底面旋回部材26を旋回させている間は微少量ずつの粉粒体を供給することができる。
【0051】
また、図10に示すように、底面旋回部材26の旋回プレート27は迎角を有しているために、底面旋回部材26が旋回することにより粉粒体が底壁14側に押し付けられる。これにより、底壁14上に形成された粉粒体アーチに効率よく外力を加えて、粉粒体を粉粒体通過孔14Bから底壁の下方に強制的に落下させることができる。さらに、旋回プレート27から垂下した旋回脚部28が粉粒体を撹拌し、粉粒体が塊になることを防ぎながら、粉粒体アーチに外力を加えて粉粒体を粉粒体通過孔14Bから底壁14の下方に落下させることができる。
【0052】
さて、所定量の粉粒体、例えば10mgの粉粒体を量り取る場合には、以下のように行えばよい。即ち、図1に示すように、計量器102の上に受皿104を載置して、粉粒体精密供給装置100の下方に配置しておく、この状態で、計量器102の値を確認しながら供給モータ15を回転させて粉粒体を微少量ずつ供給する。計量器102の値が10mgになったときに供給モータ15の回転を止めれば、10mgの粉粒体を量り取ることができる。また、計量器102の値が10mgとなる手前で回転数を小さくすれば、供給される粉粒体がさらに微少量になるため、より正確に計量することができる。なお、旋回プレート27の下端から垂下されている旋回脚部28の本数を減らすことで、供給される粉粒体をさらに微少量で供給することができる。
【0053】
このように、本実施形態の粉粒体精密供給装置100によれば、微少量の粉粒体を供給することができ、従って、上述したように微少量の粉粒体を量り取ることができる。
【0054】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態は、図11に示されており、本発明に係る粉粒体精密計量装置101に関するものである。この粉粒体精密計量装置101は、上記第1実施形態の粉粒体精密供給装置100に計量器102と制御装置103を組み合わせてある。そして、所望の粉粒体の重量を制御装置103に設定し、図示しないスタートスイッチをオンすると、供給モータ15を駆動して粉粒体精密供給装置100から微少量ずつ粉粒体が受皿104に供給される。また、制御装置103は、計量器102の測定値を取り込んでおり、その計測値が設定した重量に達したときに、供給モータ15の回転を停止する。これにより、設定した重量と微少誤差の範囲で一致した量の粉粒体を量り取ることができる。
【0055】
[第3実施形態]
本実施形態は、図12〜図15に示されており、底壁及び底面旋回部材の形状が、第1実施形態とは異なる。即ち、図12に示すように、底壁60は、円形平板状をなし、上下の両面が平坦になっている。そして、底壁60の法線方向に粉粒体通過孔60Bが貫通形成されると共に、図13に拡大して示すように下端部に向かって徐々に開口面積が広がっている。この構成によれば、付着力が比較的強い粉粒体をスムーズに粉粒体通過孔60Bを通して供給することができる。また、粉粒体通過孔60Bは、下方に向かって徐々に開口面積が広がっているので、粉粒体アーチが粉粒体通過孔の下端側に形成されることを防ぎ、付着力が比較的強い粉粒体をスムーズに粉粒体通過孔60Bを通して供給することができる。
また、本実施形態の底面旋回部材43は、図14(A)に示すように、前記第1実施形態の底面旋回部材26から旋回脚部28を排除した形状になっており、旋回プレート27の下端部が底壁60の上面に隣接した状態で旋回する。
このような構成にしても粉粒体通過孔60Bに形成された粉粒体アーチに外力を付与して崩し、粉粒体通過孔60Bから流出させることができる。ここで、旋回プレート27によって粉粒体アーチに付与される外力は、底面旋回部材26が旋回して付与する外力よりも大きいため、流動性の低い粉粒体に使用する場合や、粉粒体通過孔60B,61Bからの粉粒体の排出量を増やしたい場合には、この底面旋回部材43を使用すればよい。
【0056】
なお、この突部のない底壁60を用いる場合の粉粒体通過孔60Bの形は円形に限られるものではなく、多角形であってもよい。図15(A)及び図15(B)のように四角形の粉粒体通過孔61Bを有する底壁61であっても同様の効果を奏する。また、図14(B)に示した底面旋回部材46のように、旋回プレート47を旋回方向に対して斜めではなく、垂直に形成してもよい。この場合は旋回プレート47が傾斜していないため底面旋回部材46のような強い外力を粉粒体アーチに加えることはできないが、底面旋回部材26よりも強い外力を加えることができるため、粉粒体の種類によって適宜選択するとよい。なお、この底面旋回部材43,46の旋回プレート下面27B,47Bが本発明に係る「隣接下端面」に相当する。
【0057】
[第4実施形態]
第4実施形態は、図16及び図17に示されており、粉粒体ドラム70の形状が前記第1実施形態と異なり、大径筒部11と小径筒部12との間に円錐筒部71を備えている。また、供給モータ15の回転軸15Aには撹拌翼18(本発明の「上部旋回部材」に相当する)が取り付けられている。撹拌翼18は、図17に示すように1対の撹拌プレート18A,18Aを有し、それら撹拌プレート18A,18Aは、円錐筒部71と小径筒部72とに跨り、円錐筒部71の母線方向に延びている。そして、供給モータ15が回転すると、撹拌プレート18Aの上端側は、円錐筒部71の内側テーパー面71Aに沿って隣接した状態で回転し、撹拌プレート18Aの下端側は小径筒部12内を撹拌する。
【0058】
また、図16に示すように、粉粒体ドラム70には、シュート32の下端開口32Aが、円錐筒部71の内側テーパー面71Aに上方から突き合わせて配置されている。シュート32の下端開口32Aから排出される粉粒体は、内側テーパー面71Aが傾斜している為に小径筒部72に流下する。小径筒部72内が粉粒体で満たされると(図16の状態)、小径筒部72に流下できない粉粒体が円錐筒部71内にも蓄積し、下端開口32Aの下方に堆積山ができ下端開口32Aを塞ぐ。その結果、本実施形態でも第1実施形態の場合と同じように、シュート32の下端開口32Aに開閉手段を設けなくても、シュート32から円錐筒部71へ粉粒体が過剰に排出されることを防ぐことができる。
【0059】
[第5実施形態]
この第5実施形態は、図18及び図19に示されており、ホッパ30を使用せず、粉粒体ドラム10における大径筒部11の内部に、粉粒体制御円盤38及び粉粒体掻き出し棒39を備えている点が第1実施形態と異なる。図18及び図19に示すように、粉粒体制御円盤38は、大径筒部11の径よりも小さく、小径筒部12の径よりも大きい径の平らな円盤で、大径筒部11の底部で旋回するスクレーパ22の上部に水平に取り付けられている。粉粒体制御円盤38を取り付けて大径筒部11に粉粒体を投入すると、粉粒体は粉粒体制御円盤38の縁部と大径筒部11の内側面11Cとの間にできる隙間から水平段差面21上に流下する。
【0060】
一方、粉粒体掻き出し棒39は、粉粒体制御円盤38の上部に隣接して旋回する平板で、旋回することで、粉粒体制御円盤38上の粉粒体を縁側に掻き出すために設けられている。粉粒体掻き出し棒39の平面を、供給モータ15の回転軸15Aの側面に当接して接線方向に取り付けることで、回転方向に対して傾斜ができ、粉粒体制御円盤38上の粉粒体が粉粒体制御円盤38の縁部に押し出される。また、粉粒体掻き出し棒39は、その先端が大径筒部11の内側面11Cに隣接する位置まで延びており、押し出された粉粒体を、粉粒体制御円盤38の縁部と内側面11Cとの間の隙間から水平段差面21上に流下させる。さらに、粉粒体掻き出し棒39には、大径筒部11内の粉粒体を撹拌して、粉粒体が固まったり、詰まったりすることを防ぐことができる。これにより、粉粒体制御円盤38の上部の粉粒体を安定して水平段差面21上に流下させることが可能となる。
【0061】
水平段差面21に流下した粉粒体は、第1実施形態におけるホッパ30の場合と同様に、粉粒体制御円盤38と水平段差面21との間で粉流体の堆積山を形成する。ここでも形成された粉粒体の堆積山の安息角は、粉粒体によって一定となるため、粉粒体制御円盤38の上方から水平段差面21へ過剰な粉粒体が供給されないようにすることができる。即ち、粉粒体制御円盤38の縁部と大径筒部11の内側面11Cとの間にできる隙間が、粉粒体の堆積山で塞がれて粉粒体が排出されなくなるように、粉粒体制御円盤38と大径筒部11の水平段差面21とを接近させて過剰な粉粒体が供給されないようにすることができる。
【0062】
また、粉粒体制御円盤38の上部から流下する粉粒体は、水平段差面21で一旦受け止められるので、小径筒部12内の粉粒体圧が安定する。このように、ホッパ30を使用しなくても、大径筒部11内に粉粒体制御円盤38と粉粒体掻き出し棒39とを取り付けることで、第1実施形態におけるホッパ30の同様の効果を奏することができる。
【0063】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0064】
(1)前記第1実施形態の底面旋回部材26の旋回プレート27は迎角を有していたが、図20に示した底面旋回部材40のように、旋回プレート41を水平面と平行な板状とし、旋回プレート41のうち旋回方向を向いた縁部から複数の旋回脚部28を垂下した形状にしてもよい。
【0065】
(2)また、図21に示すように、前記第1実施形態で説明した底壁14の上下を逆さにして、底壁上面突部14Aを下方に突出させた状態で用いてもよい。なお、この下方に突出した底壁上面突部14Aが本発明に係る「底壁下面突部」に相当する。
【0066】
(3)図22(A)に示すように、前記第1実施形態のスクレーパ22から散粉羽24を排除した構造にしてもよい。また、第1実施形態のスクレーパ22における集粉羽23は丸みを帯びて湾曲していたが、図22(B)に示すように、複数の平板をつなげて集粉羽54を構成してもよい。
【0067】
(4)ホッパ30内で旋回させる流下補助回動部材は、図23に示すように、上下方向に真っ直ぐ延びた帯板37Bの上端部に十字架状の支持部37Cを一体形成し、その支持部37Cの両側端部に側面撹拌片36D,36Dを取り付けてもよい。
【0068】
(5)前記第1実施形態で説明した粉粒体ドラム10における水平段差面21に、図24(A)及び図24(B)に示すように、供給モータ15の回転軸15A方向から放射状に溝21Dを設けてもよい。これにより、スクレーパと水平段差面21とが協働して粉粒体を効率よく小径筒部12方向へ誘導することができる。なお、図24(C)のように、溝21Dの代わりに突部21Eを設けても同様の効果が得られる。
【0069】
(6)ドラムの底壁としては、図25に示した織網を使用してもよいし、図26に示したエキスバンドメタルを使用してもよい。
【0070】
(7)第2実施形態で説明した制御装置103に実行させるプログラムを変更することで粉粒体の供給方式を種々変更してもよい。例えば、目標重量の粉粒体を量り採る場合に、目標重量に至るまでの間に供給モータ15の回転速度を段階的に落として行く構成にしてもよい。また、粉粒体のうち受皿104上で落下浮遊して計量器102により計量できない分量を経験的に求めて補正値として制御装置103に入力しておき、その補正値に基づいた補正を行った分量の粉粒体を供給してもよい。さらには、目標重量に対する誤差の許容範囲を設定しておき、目標重量通り供給できたか否かを制御装置103が判別するようにしてもよい。また、JIS等に基づいた粉粒体の種類による性状を制御装置103に入力しておき、制御装置103に粉粒体の種類を入力すれば、自動的に最適な粉粒体通過孔を有する底壁の番号を決定したり、供給モータ15の最適な速度を決定する構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1実施形態に係る粉粒体精密供給装置の断面図
【図2】(A)流下補助回動部材の正面図、(B)その斜視図
【図3】スクレーパの斜視図
【図4】スクレーパを粉粒体ドラムに取り付けた状態を表す斜視図
【図5】粉粒体ホッパから排出される粉粒体がシュートの下端開口を塞ぐ状態を表す断面図
【図6】(A)底壁の平面図、(B)その側面図
【図7】粉粒体通過孔に粉粒体アーチができた状態を表す断面図
【図8】底面旋回部材の斜視図
【図9】底面旋回部材を粉粒体ドラムに取り付けた状態を表す断面図
【図10】底面旋回部材を底壁上に取り付けた状態を表す斜視図
【図11】第2実施形態の粉粒体精密計量器を表す正面図
【図12】第3実施形態の底壁を表す正面図及び断面図
【図13】第3実施形態の粉粒体通過孔に粉粒体アーチができた状態を表す正面図
【図14】(A)第3実施形態の底面旋回部材を表す斜視図、(B)第3実施形態の変形例の底面旋回部材を表す斜視図
【図15】(A)第3実施形態の変形例の底壁を表す平面図、(B)その断面図
【図16】第4実施形態に係る粉粒体精密供給装置の断面図
【図17】第4実施形態の撹拌翼を表す斜視図
【図18】第5実施形態に係る粉粒体精密供給装置の断面図
【図19】第5実施形態に係る粉粒体精密供給装置の内部を表す斜視図
【図20】変形例の底面旋回部材を表す斜視図
【図21】変形例の底壁を表す断面図
【図22】(A)変形例のスクレーパを表す斜視図、(B)変形例のスクレーパを表す斜視図
【図23】変形例の流下補助回動部材の正面図
【図24】(A)変形例の水平段差面を表す正面図、(B)その断面図、(B)その変形例の断面図
【図25】(A)変形例の底壁の平面図、(B)その断面図
【図26】(A)変形例の底壁の平面図、(B)その断面図
【符号の説明】
【0072】
10 粉粒体ドラム(粉粒体容器)
11 大径筒部
12 小径筒部
13 粉粒体排出部
14,60,61 底壁
14A 底壁上面突部
14B 粉粒体通過孔
15 供給モータ
15A 回転軸(回転出力軸)
18 撹拌翼(上部旋回部材)
21 水平段差面
22 スクレーパ(上部旋回部材)
26,40,43,46 底面旋回部材
27B,47B 旋回プレート下面(隣接下端面)
28 旋回脚部
30 ホッパ
31 容器(円錐部)
32 シュート(粉粒体補充管)
36 流下補助回動部材
36A 流下補助翼(流下補助回動翼)
36B,37B 流下補助板(流下補助回動板)
71 円錐筒部
100 粉粒体精密供給装置
101 粉粒体精密計量装置
103 制御装置(モータ駆動制御部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉粒体を収容可能な粉粒体容器と、
前記粉粒体容器の底壁に貫通形成され、前記粉粒体同士が付着してなる粉粒体アーチにより閉塞可能な複数の粉粒体通過孔と、
前記底壁の上方を旋回して前記粉粒体アーチに外力を付与し、前記粉粒体アーチを構成していた前記粉粒体を前記粉粒体通過孔から前記底壁の下方に強制落下させるための底面旋回部材とを備えたことを特徴とする粉粒体精密供給装置。
【請求項2】
前記底壁に、上方に膨出した複数の底壁上面突部を形成し、
前記粉粒体通過孔は、前記各底壁上面突部の下方に形成されて途中で屈曲すると共に、前記底壁上面突部の側面に前記粉粒体通過孔の上端開口が配置されて前記底面旋回部材の旋回方向と対向する水平方向に向かって開放する一方、前記底壁上面突部の真下に前記粉粒体通過孔の下端開口が配置されて鉛直下方に開放したことを特徴とする請求項1に記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項3】
前記底面旋回部材は、前記底壁の上面の法線方向と平行な旋回軸の回りを旋回すると共に下方に複数の旋回脚部を垂下して備え、それら複数の旋回脚部が前記底壁上面突部同士の間を通過して前記底壁の上面上を移動するように構成したことを特徴とする請求項2に記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項4】
前記底壁に、下方に膨出した底壁下面突部を形成し、
前記粉粒体通過孔は、前記底壁下面突部の上方に形成されて途中で屈曲すると共に、前記底壁下面突部の側面に前記粉粒体通過孔の上端開口が配置されて水平方向に向かって開放する一方、前記底壁下面突部の真上に前記粉粒体通過孔の下端開口が配置されて鉛直上方に開放したことを特徴とする請求項1に記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項5】
前記底壁は、上面と下面とが平行かつ平坦になっており、
前記粉粒体通過孔は、前記底壁の上面及び下面の法線方向に貫通形成されたことを特徴とする請求項1に記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項6】
前記粉粒体通過孔は、下端部に向かって徐々に開口面積が広がっていることを特徴とする請求項5に記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項7】
前記底面旋回部材は、前記底壁の上面の法線方向と平行な旋回軸の回りを旋回する突片構造をなすと共に、旋回方向の前端縁側が後端縁側より上方に位置するように傾斜した迎角を有したことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項8】
前記底面旋回部材は、前記底壁の上面の法線方向と平行な旋回軸の回りを旋回する突片構造をなすと共に、前記底壁の上面と平行になって隣接した隣接下端面を有したことを特徴とする請求項1,5又は6の何れかに記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項9】
前記粉粒体容器は、下端開放の筒体に前記底壁を着脱可能に取り付けてなり、前記底壁を前記粉粒体の種類に応じて変更可能としたことを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項10】
前記粉粒体容器に、前記底面旋回部材が内部を旋回する小径筒部と、前記小径筒部の上方に配置されて前記小径筒部より内径が大きな大径筒部とを設け、
上下方向に延びかつ内側を前記粉粒体が流下可能な粉粒体補充管を、前記小径筒部と前記大径筒部との間の水平段差面に上方から突き合わせて、それら粉粒体補充管の下端面と水平段差面との間に前記粉粒体の推積山を形成し、
前記大径筒部内を旋回して前記粉粒体補充管の下端面と前記水平段差面との間を横切り、前記堆積山を構成する粉粒体を前記小径筒部側に引き込むことが可能な上部旋回部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項11】
前記粉粒体容器に、前記底面旋回部材が内部を旋回する小径筒部と、前記小径筒部の上部に一体に設けられて上方に向かうに従って拡径した円錐筒部とを備え、
上下方向に延びかつ内側を前記粉粒体が流下可能な粉粒体補充管を、前記円錐筒部の内側テーパー面に上方から突き合わせて、それら粉粒体補充管の下端面と前記内側テーパー面との間に前記粉粒体の推積山を形成し、
前記円錐筒部の母線方向に沿って延びかつ、上端側が前記円錐筒部の内側に隣接し、下端側が前記円径筒部内に張り出した上部旋回部材を設け、前記上部旋回部材が前記円錐筒部内を旋回して前記粉粒体補充管の下端面と前記内側テーパー面との間を横切って前記堆積山を構成する粉粒体を前記小径筒部側に引き込むことが可能であることを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項12】
前記粉粒体補充管の上部に上方に向かうに従って拡径した円錐部を設け、前記円錐部の母線方向に沿って延びかつ、前記円錐部の内側に隣接した状態で前記円錐部内を旋回可能な流下補助回動翼を備えたことを特徴とする請求項1乃至11の何れかに記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項13】
平板をクランク形状に切断してなり、前記粉粒体補充管の内側で回転可能な流下補助回動板を備えたことを特徴とする請求項1乃至12の何れかに記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項14】
前記底面旋回部材を旋回させるための供給モータと、前記供給モータの回転出力軸が任意かつ一定の速度で回転するように制御するモータ駆動制御部とを備えたことを特徴とする請求項1乃至13の何れかに記載の粉粒体精密供給装置。
【請求項15】
前記請求項14に記載の粉粒体精密供給装置と、
前記粉粒体精密供給装置から供給された粉粒体の重量を計量する計量器とを備え、
前記計量器が予め設定された重量に達したときに前記モータ駆動制御部が前記供給モータの回転を停止することを特徴とする粉粒体精密計量器

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−114989(P2008−114989A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−300719(P2006−300719)
【出願日】平成18年11月6日(2006.11.6)
【特許番号】特許第4049388号(P4049388)
【特許公報発行日】平成20年2月20日(2008.2.20)
【出願人】(302055139)
【Fターム(参考)】