説明

精密基板用の固定治具及びその使用方法

【課題】 割れやすく反りやすい精密基板を適切に輸送することのできる精密基板用の固定治具及びその使用方法を提供する。
【解決手段】 フロントオープンボックスタイプの基板収納容器に収納される基板20と、基板20に積層され、バックグラインドされた300mmタイプの半導体ウェーハ30を着脱自在に密着保持する密着層25とを備える。そして、基板20の表面から密着層25に被覆される複数の突起21を突出させてこれら密着層25と複数の突起21との間には区画空間22を形成し、基板20には、区画空間22に連通する半導体ウェーハ30用の取り外し孔23を穿孔する。割れやすく、反りやすい半導体ウェーハ30を容器本体に直接収納するのではなく、固定治具に密着保持させて収納するので、他の工場に安全、かつ適切に輸送できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハや石英ガラス等からなる精密基板用の固定治具及びその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体ウェーハの口径は200mmから300mmに拡大してきているが、この300mmタイプの半導体ウェーハは、表面に回路が形成され、積層構造のパッケージ要求等を踏まえて裏面がバックグラインドテープを介し薄くバックグラインドされた後、ダイシングテープが粘着される。このようにしてダイシングテープの粘着された半導体ウェーハは、他の工場に輸送されてICチップ化され、専用のキャリアに搭載された状態でボンディングや封止等の加工が施される(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開昭59‐227195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来における半導体ウェーハやチップの加工は以上のようになされ、バックグラインドされた半導体ウェーハが非常に割れやすく、反りやすいので、他の工場に傷付けることなく適切に輸送することがきわめて困難であるという大きな問題がある。この問題を解消する方法としては、上記した専用のキャリアを使用するという手段が考えられるが、このキャリアはあくまで工場内の搬送に使用される専用品であり、過酷な輸送条件等を何ら考慮したものではない。したがって、工場から工場への長時間の輸送に使用することはできない。
【0004】
さらに、従来においては、工場から工場への輸送時にダイシングテープが長時間粘着していると、回路のバンプにダイシングテープの粘着剤が転写してしまうおそれが少なくない。
【0005】
本発明は上記に鑑みなされたもので、割れやすく反りやすい精密基板を適切に輸送することのできる精密基板用の固定治具及びその使用方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明においては上記課題を解決するため、基板収納容器に収納される基材と、この基材に積み重ねられて精密基板を着脱自在に密着保持する密着層とを含んでなるものであって、
基材から密着層に被覆される複数の突起を突出させてこれら密着層と複数の突起との間には区画空間を形成し、基材に、区画空間に連なる精密基板用の取り外し孔を設けたことを特徴としている。
【0007】
なお、基板収納容器を、フロントオープンボックスタイプの容器本体と、この容器本体の正面を開閉する蓋体とから構成し、容器本体の両側壁内部には、基材を支持する複数のティースを形成し、
各ティースは、基材の側部周縁に沿う平板と、この平板の前部内側に形成されて基材を支持する略平坦な前部中肉領域と、平板の後部に形成されて基材を支持する後部中肉領域とを含んでなることが好ましい。
【0008】
また、基材を剛性を有する平面略円形の略平板とするとともに、密着層をエラストマーとし、精密基板を、バックグラインドされた口径300mm以上の半導体ウェーハとすることができる。
また、基材の取り外し孔に接続され、密着層に密着保持された精密基板を取り外すバキューム装置を含むと良い。
【0009】
さらに、本発明においては上記課題を解決するため、請求項1ないし4いずれかに記載の精密基板用の固定治具を使用して精密基板を搬送することを特徴としている。
【0010】
ここで、特許請求の範囲における基板収納容器には、FOSB、FOUP、SMALLFOUPタイプ等があるが、いずれのタイプでも良い。この基板収納容器の容器本体は、透明、不透明、半透明いずれのタイプでも良い。また、精密基板には、少なくとも半導体ウェーハ(SiウェーハやGaPウェーハ等)、石英ガラス、フォトマスク、液晶ガラス等が含まれる。
【0011】
精密基板が半導体ウェーハの場合には、口径が300mmや400mm等の半導体ウェーハが含まれる。突起は、円柱形、角柱形、円錐台形、角錐台形等に適宜形成される。また、取り外し孔は、単数複数いずれでも良い。さらに、本発明に係る精密基板用の固定治具は、工場から他の工場への輸送の際だけではなく、工場内で精密基板を搬送する場合等にも使用することができる。
【0012】
本発明によれば、反りにくい精密基板のみならず、反りやすく脆い精密基板を工場から他の工場に輸送したり、工場内で搬送等する際、基板収納容器に直接収納するのではなく、剛性を有する固定治具に密着保持させ、この補強・保護した状態で収納、輸送、搬送する。
また、基板収納容器のティースの前部中肉領域と後部中肉領域とに固定治具の基材を高い精度で略水平に支持させるので、固定治具が上下方向等に傾いて出し入れが困難になるのを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、割れやすく反りやすい半導体ウェーハ等からなる精密基板を安全、かつ適切に保持して輸送、搬送等することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における精密基板用の固定治具及びその使用方法は、図1ないし図10に示すように、基板収納容器1に収納される剛性の基板20と、この基板20上に積層され、300mm(12インチ)タイプの薄い半導体ウェーハ30を密着保持する可撓性の密着層25とを備えている。
【0015】
基板収納容器1は、図1〜図5に示すように、複数枚の固定治具を収納可能な容器本体2と、この容器本体2の両側壁に配設されて固定治具を略水平に支持する複数対のティース7と、容器本体2の背面壁に装着されて固定治具の後部周縁を保持溝14を介して保持するリヤリテーナ13と、容器本体2の開口した正面を着脱自在に開閉する蓋体15とから構成される。
【0016】
容器本体2は、ポリカーボネート等からなる所定の樹脂を使用して正面の開口したフロントオープンボックスに成形され、複数枚(例えば25枚)の固定治具を上下方向に並べて整列収納するよう機能する。この容器本体2の底面の前部両側と後部中央とには、位置決め具3がそれぞれ一体形成され、各位置決め具3が基板収納容器1を搭載する加工装置に位置決めされる。各位置決め具3は、断面略M字形、略逆V字形、略逆Y字形、あるいは凹んだ小判形等に形成される。
【0017】
容器本体2の天井中央部には図2に示すように、平面矩形のロボティックフランジ4が一体的あるいは着脱自在に装着され、このロボティックフランジ4がOHT(オーバーヘッドホイストトランスファー)と呼ばれる図示しない自動搬送機構に保持されることにより、基板収納容器1が搬送される。
【0018】
容器本体2の開口した正面の周縁部は断面略Z字形に形成されることにより、外方向に張り出されてリム部5を形成し、このリム部5内の上下には、蓋体15施錠用の係止穴6がそれぞれ複数凹み形成される。また、容器本体2の両側壁外面には、肉厚の円板形、略L字形、あるいは倒U字形の搬送ハンドル(図示せず)がそれぞれ選択的に装着され、この搬送ハンドルが作業員に把持されることにより、基板収納容器1が搬送される。
【0019】
複数対のティース7は、図2〜図5に示すように、容器本体2の両側壁内面から内方向に突出して相互に対向し、固定治具の基板20を水平に支持搭載する左右一対のティース7を複数備え、一対のティース7が上下方向に所定のピッチで複数配列される。
【0020】
各ティース7は、図5等に示すように、平面略く字形あるいは略半円弧形に形成されて固定治具の側部周縁に沿う平板8と、この平板8の前部内側上に一体形成される平坦な前部中肉領域9と、平板8の前部外側上に一体形成されて前部中肉領域9の外側、換言すれば、容器本体2の側壁側に位置する平坦な前部厚肉領域10と、平板8の後部に一体形成される後部中肉領域11と、平板8の後部に形成されて後部中肉領域11の前方に位置し、容器本体2の側壁寄りに僅かな面積で位置する平坦な後部厚肉領域12とから形成される。
【0021】
前部中肉領域9と前部厚肉領域10との間には、固定治具の側部周縁に接触する垂直の段差が僅かに形成される。前部厚肉領域10は、固定治具の厚さ相当の高さ、具体的には0.3〜0.7mm程度の高さに形成され、蓋体15の取り外し時に固定治具が容器本体2から飛び出すのをストッパーとして規制する。前部中肉領域9と後部中肉領域11との間には、僅かに凹んだ薄肉領域が形成され、この薄肉領域が固定治具の側部周縁に僅かな隙間を介して対向する。このような構成のティース7は、平坦な前部中肉領域9と後部中肉領域11とに基板20裏面の側部周縁を高い精度を維持しつつ水平に支持する。
【0022】
リヤリテーナ13は、図2〜図4に示すように、容器本体2の背面壁内面に装着される縦長の支持板を備え、この支持板には、断面略V字形の保持溝14が上下方向に複数並べて形成されており、各保持溝14に固定治具の後部周縁が保持される。支持板は、固定治具に保持溝14が個別に接触保持する観点から、ティース7よりも柔軟性、摺動性、弾性に優れる材料を使用して成形される。具体的には、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、フッ素含有樹脂等が使用される。
【0023】
蓋体15は、容器本体2のリム部5内に着脱自在に嵌合される嵌合体16と、この嵌合体16の開口した表面の両側部にそれぞれセットされる左右一対の施錠機構と、嵌合体16の開口した表面に着脱自在に装着されて施錠機構を被覆するカバープレート18とから構成され、容器本体2のリム部5内に押圧嵌合されてシール状態に嵌合閉鎖する。
【0024】
嵌合体16は、横長の正面略矩形に形成され、周壁には、容器本体2と蓋体15との間に介在するシールガスケット17が着脱自在に嵌合される。このシールガスケット17は、例えばフッ素ゴムやシリコーンゴム等を使用してエンドレスに成形され、蓋体15の嵌合時にリム部5の内周面に圧接変形し、容器本体2の外部から内部に塵埃を含む気体が流入するのを抑制防止するよう機能する。
【0025】
嵌合体16の凹んだ裏面中央部には、弾性のフロントリテーナが装着され、このフロントリテーナが容器本体2に収納された固定治具の前部周縁を挟持する。
【0026】
各施錠機構は、図示しないが、嵌合体16の表面側部に軸支され、図示しない蓋体15開閉装置の外部からの操作で回転する回転リールと、嵌合体16にスライド可能に支持されて回転リールに連結され、回転リールの回転に基づいて蓋体15の内外上下方向に直線的にスライドする複数の進退動バーと、各進退動バーの先端部に形成され、嵌合体16の周壁の開口から出没してリム部5の係止穴6に嵌合係止する係止爪とから構成され、容器本体2のリム部5を嵌合閉鎖した蓋体15を施錠する。
【0027】
カバープレート18は、嵌合体16の開口した表面に対応する形に形成され、回転リールの表面中心部に対向する施錠機構用の貫通操作孔が正面矩形に穿孔されており、この左右一対の貫通操作孔が蓋体15開閉装置のキーに貫通される。
【0028】
基板20は、図6ないし図9に示すように、基板収納容器1の容器本体2に確実に収納できるよう所定の材料を使用して薄い略平板に形成され、その表面から密着層25に被覆される複数の突起21が間隔をおいて上方に突出しており、この複数の突起21と密着層25の裏面との間には区画空間22が形成される。
【0029】
基板20は、航空機輸送に伴う気圧変化等にも耐え得るよう、アルミニウム合金、ステンレス、マグネシウム合金、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、ポリカーボネート等を使用して半導体ウェーハ30と同じ大きさか、あるいは僅かに大きい径の平面円板形に形成される。
【0030】
各突起21は、剛性の円柱形に形成され、基板20と一体化される。この突起21の形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えば電鋳法により金属を所定の形状に析出させる方法、エッチングにより金属製の基板表面を、突起予定部分を残して侵食除去する方法、サンドブラストにより基板表面を、突起予定部分を残して除去する方法、スクリーン印刷により形成する方法、基板にフォトレジスト材を積層し、露光、現像を通じて突起21を形成する方法等があげられる。
【0031】
基板20の厚さ方向には、区画空間22に連通する半導体ウェーハ30用の取り外し孔23が貫通して穿孔され、この複数の突起21間に位置する取り外し孔23には、図9に示すバキューム装置24が着脱自在に接続される。そして、このバキューム装置24が動作することにより、密着層25が変形して半導体ウェーハ30との間に隙間が生じ、密着層25に密着保持された半導体ウェーハ30の密着が解除されることとなる。
【0032】
密着層25は、例えば耐熱性や弾性等に優れるフッ素系やシリコーン系の薄いエラストマーを使用して半導体ウェーハ30と略同径の平面略円板形に形成され、薄い半導体ウェーハ30の裏面を着脱自在に密着保持する。この平坦な密着層25のエラストマーには、補強性フィラーや疎水性シリカ等が必要に応じて添加される。
【0033】
密着層25の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えばカレンダー法、プレス法、コーティング法、印刷法等により層を成形し、この層を基板20の突起21形成側の面に貼着して製造する方法等があげられる。この密着層25の突起状の部分、つまり、半導体ウェーハ30を取り外す際にバキューム変形させても半導体ウェーハ30と接触している部分に関しては、非粘着層のコーティングやUV処理等により他の部分に比べて密着力を低下させる処理を施せば、半導体ウェーハ30を容易に取り外すことが可能になる。
【0034】
固定治具全体の厚さは、0.3〜2.5mmの範囲、好ましくは0.5〜1.5mmの範囲が良い。これは固定治具の厚さが係る範囲内であれば、バックグラインドされた半導体ウェーハ30の補強性能を十分に保持しつつ、基板収納容器1に収納したり、取り出す際、ロボットのフォークの挿入間隔を十分に確保することができるからである。また、軽量化をも図ることができるからである。
【0035】
半導体ウェーハ30は、基本的には丸いシリコンウェーハからなり、鏡面である表面に回路が形成され、裏面がバックグラインドテープを介し薄くバックグラインドされており、図示しない専用のロボットにより密着層25に密着される。この薄い半導体ウェーハ30の周縁部には、図10に示すように、結晶方位の判別や位置合わせ用のオリフラ(orientation flat)31やノッチ32が適宜形成される。
【0036】
上記において、バックグラインドされた半導体ウェーハ30を他の工場に輸送する場合には、先ず、固定治具の密着層25に半導体ウェーハ30を専用のロボットにより押圧して密着保持させ、この固定治具を基板収納容器1の容器本体2にロボットを介して収納し、容器本体2の正面に蓋体15を嵌合し、その後、施錠機構を作動させて蓋体15を施錠すれば、バックグラインドされた半導体ウェーハ30を他の工場に輸送することができる。上記収納の際、半導体ウェーハ30は、固定治具に搭載されているので、薄くても下方に撓んで反ることがなく、基板収納容器1の容器本体2に確実に収納される。
【0037】
次に、輸送された半導体ウェーハ30を取り出してボンディングや封止の加工を施したい場合には、先ず、蓋体15の施錠機構を解錠作動させて容器本体2から蓋体15を取り外し、容器本体2から固定治具をロボットを介して取り出した後、固定治具の取り外し孔23にバキューム装置24を接続して吸引動作させれば、固定治具の密着層25から半導体ウェーハ30を専用のロボットにより簡単に吸着して取り外すことができる。
【0038】
上記構成によれば、割れやすく、反りやすく、脆い半導体ウェーハ30を容器本体2に直接収納するのではなく、固定治具に密着保持させて間接的に収納するので、他の工場に安全、かつ適切に輸送することができる。特に、固定治具が強度や剛性に優れ、気圧変化等の過酷な輸送条件にも十分耐えることができるので、例え工場から工場への輸送に長時間を要しても、安全に輸送することができる。
【0039】
また、ダイシングテープの粘着時間を短縮したり、省略することも可能であるから、回路のバンプにダイシングテープの粘着剤が転写してしまうおそれが実に少ない。また、ティース7の前部中肉領域9と後部中肉領域11とに固定治具裏面の側部周縁を高い精度を維持しつつ水平に支持させるので、固定治具が上下方向に傾斜してロボットのフォークによる出し入れが困難になるのを防止することが可能になる。さらに、固定治具やその基板20が半導体ウェーハ30と略同サイズで薄いから、バックグラインドされていない半導体ウェーハ30の収納を前提とした既存の基板収納容器1の寸法や形状等を特に変更することなく、自動的に収納したり、取り出すことが可能になる。
【0040】
なお、上記実施形態の基板20と密着層25とは、同径の大きさでも良いし、そうでなくても良い。また、基板20と複数の突起21とを一体化したが、何らこれに限定されるものではなく、基板20に別体の複数の突起21を配設しても良い。また、密着層25は、微粘着性でも良いし、そうでなくても良い。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に係る精密基板用の固定治具及びその使用方法の実施形態を示す正面説明図である。
【図2】本発明に係る精密基板用の固定治具及びその使用方法の実施形態における容器本体を示す断面側面図である。
【図3】本発明に係る精密基板用の固定治具及びその使用方法の実施形態における容器本体に固定治具を収納した状態を示す断面平面図である。
【図4】本発明に係る精密基板用の固定治具及びその使用方法の実施形態における容器本体を示す断面平面図である。
【図5】本発明に係る精密基板用の固定治具及びその使用方法の実施形態におけるティースを示す斜視説明図である。
【図6】本発明に係る精密基板用の固定治具及びその使用方法の実施形態における半導体ウェーハの密着保持状態を示す平面説明図である。
【図7】本発明に係る精密基板用の固定治具及びその使用方法の実施形態を示す要部断面説明図である。
【図8】本発明に係る精密基板用の固定治具及びその使用方法の実施形態を示す平面説明図である。
【図9】本発明に係る精密基板用の固定治具及びその使用方法の実施形態における基材、密着層、半導体ウェーハ、及びバキューム装置の関係を示す断面説明図である。
【図10】本発明に係る精密基板用の固定治具及びその使用方法の実施形態における半導体ウェーハを示す平面説明図である。
【符号の説明】
【0042】
1 基板収納容器
2 容器本体
7 ティース
8 平板
9 前部中肉領域
10 前部厚肉領域
11 後部中肉領域
12 後部厚肉領域
13 リヤリテーナ
15 蓋体
20 基板(基材)
21 突起
22 区画空間
23 取り外し孔
24 バキューム装置
25 密着層
30 半導体ウェーハ(精密基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板収納容器に収納される基材と、この基材に積み重ねられて精密基板を着脱自在に密着保持する密着層とを含んでなる精密基板用の固定治具であって、
基材から密着層に被覆される複数の突起を突出させてこれら密着層と複数の突起との間には区画空間を形成し、基材に、区画空間に連なる精密基板用の取り外し孔を設けたことを特徴とする精密基板用の固定治具。
【請求項2】
基板収納容器を、フロントオープンボックスタイプの容器本体と、この容器本体の正面を開閉する蓋体とから構成し、容器本体の両側壁内部には、基材を支持する複数のティースを形成し、
各ティースは、基材の側部周縁に沿う平板と、この平板の前部内側に形成されて基材を支持する略平坦な前部中肉領域と、平板の後部に形成されて基材を支持する後部中肉領域とを含んでなる請求項1記載の精密基板用の固定治具。
【請求項3】
基材を剛性を有する平面略円形の略平板とするとともに、密着層をエラストマーとし、精密基板を、バックグラインドされた口径300mm以上の半導体ウェーハとした請求項1又は2記載の精密基板用の固定治具。
【請求項4】
基材の取り外し孔に接続され、密着層に密着保持された精密基板を取り外すバキューム装置を含んでなる請求項1、2、又は3記載の精密基板用の固定治具。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれかに記載の精密基板用の固定治具を使用して精密基板を搬送することを特徴とする精密基板用の固定治具の使用方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−216775(P2006−216775A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−27910(P2005−27910)
【出願日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】